(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-24
(45)【発行日】2025-10-08
(54)【発明の名称】3位置機構の位置信号作動機構及び断路接地スイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 33/42 20060101AFI20251001BHJP
【FI】
H01H33/42 D
(21)【出願番号】P 2025124543
(22)【出願日】2025-07-25
【審査請求日】2025-07-28
(31)【優先権主張番号】202510351331.8
(32)【優先日】2025-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】525250333
【氏名又は名称】西安西電高圧開關操動機構有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】XI’AN XD HIGH VOLTAGE SWITCHGEAR OPERATING MECHANISM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.24 Gazelle Valley, Hi-Tech Zone,Xi’an, Shaanxi 710077 China
(73)【特許権者】
【識別番号】525251215
【氏名又は名称】中国西電電気股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHINA XD ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.7 Tangxing Road, Xi’an, Shaanxi 710075 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】趙 軍亮
(72)【発明者】
【氏名】呂 康棟
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲イェン▼ ▲チィァン▼
(72)【発明者】
【氏名】趙 聡
(72)【発明者】
【氏名】劉 偉傑
(72)【発明者】
【氏名】李 朝陽
(72)【発明者】
【氏名】王 億輝
(72)【発明者】
【氏名】李 定豪
(72)【発明者】
【氏名】趙 宇宇
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206864379(CN,U)
【文献】特開2011-146199(JP,A)
【文献】特開2006-107951(JP,A)
【文献】特開2009-026578(JP,A)
【文献】特開2003-022735(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112466686(CN,A)
【文献】中国特許第100385589(CN,C)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3位置機構の位置信号作動機構であって、天板(1)及び底板(8)と、伝動装置とを含み、
前記天板(1)には、第2位置信号装置(3)が設けられ、前記底板(8)には、第1位置信号装置が設けられ、
前記伝動装置は、一端が駆動装置に接続され、他端が前記第1位置信号装置及び第2位置信号装置(3)に接続され、
作動機構が作業指令を受信すると、前記駆動装置は前記伝動装置を駆動して第1位置信号装置及び第2位置信号装置(3)をそれぞれ変位させ、二重信号確認を行う、ことを特徴とする3位置機構の位置信号作動機構。
【請求項2】
前記伝動装置は第1伝動ユニット及び第2伝動ユニットを含み、前記第1伝動ユニットと前記第2伝動ユニットとは伝動可能に接続され、
前記第2位置信号装置(3)は、DS開放位置監視スイッチ(9)、DS投入位置監視スイッチ(11)、ES開放位置監視スイッチ(14)、ES投入位置監視スイッチ(18)及びラック板(20)を含み、前記DS開放位置監視スイッチ(9)及びDS投入位置監視スイッチ(11)は天板(1)の一端に位置し、前記ES開放位置監視スイッチ(14)及びES投入位置監視スイッチ(18)は天板(1)の他端に位置し、
前記ラック板(20)は天板(1)の中央部に設けられ、ラック板(20)の周縁部はDS開放位置監視スイッチ(9)、DS投入位置監視スイッチ(11)、ES開放位置監視スイッチ(14)及びES投入位置監視スイッチ(18)に接触し、
前記第2伝動ユニットは、一端が駆動装置に接続され、他端がラック板(20)に接続され、駆動装置の駆動により、第2伝動ユニットはラック板(20)を変位させ、
前記第1位置信号装置は、DS補助スイッチユニット(28)、DS補助スイッチ駆動板(29)、ES補助スイッチ駆動板(30)及びES補助スイッチユニット(31)を含み、前記DS補助スイッチ駆動板(29)は底板(8)の一端に設けられ、前記ES補助スイッチ駆動板(30)は底板(8)の他端に設けられ、
前記DS補助スイッチユニット(28)はDS補助スイッチ駆動板(29)に接続され、前記ES補助スイッチ駆動板(30)はES補助スイッチユニット(31)に接続され、前記第1伝動ユニットは、一端が駆動装置に接続され、他端がDS補助スイッチ駆動板(29)及びES補助スイッチ駆動板(30)と連携する、ことを特徴とする請求項1に記載の3位置機構の位置信号作動機構。
【請求項3】
前記ラック板(20)はU字型構造であり、その開口端の片側に歯が設けられ、前記歯が第2伝動ユニットと噛み合い、
前記ラック板(20)の反対の外側に隆起輪郭が設けられ、一方の前記隆起輪郭はDS開放位置監視スイッチ(9)及びDS投入位置監視スイッチ(11)と連携し、他方の前記隆起輪郭はES開放位置監視スイッチ(14)及びES投入位置監視スイッチ(18)と連携し、
前記ラック板(20)の隆起輪郭が設けられる両端にガイド溝が開けられ、前記天板(1)に取り付け板(22)が更に設けられ、前記第2伝動ユニットは、一端が前記取り付け板(22)に接続され、他端が前記ガイド溝と連携してラック板(20)を左右に変位させる、ことを特徴とする請求項2に記載の3位置機構の位置信号作動機構。
【請求項4】
前記取り付け板(22)に軸ピン(16)が設けられ、前記軸ピン(16)の外側にガイドスリーブ(15)が設けられ、前記ガイドスリーブ(15)はラック板(20)に当接してラック板(20)を固定し、
前記第2伝動ユニットは、第1平歯車(19)、第2平歯車(10)、小歯車(17)、出力歯車軸(2)及び軸(24)を含み、前記軸(24)の一端は第2軸受け(25)を介して取り付け板(22)にヒンジ接続され、前記軸(24)の他端は前記第2平歯車(10)及び小歯車(17)に接続され、前記出力歯車軸(2)は前記第1平歯車(19)に接続され、
前記第1平歯車(19)は第2平歯車(10)と噛み合い、前記小歯車(17)は歯と噛み合う、ことを特徴とする請求項3に記載の3位置機構の位置信号作動機構。
【請求項5】
前記第1平歯車(19)と第2平歯車(10)の直径は同じである、ことを特徴とする請求項4に記載の3位置機構の位置信号作動機構。
【請求項6】
前記第2平歯車(10)は第1軸受け(23)を介して取り付け板(22)にヒンジ接続される、ことを特徴とする請求項4に記載の3位置機構の位置信号作動機構。
【請求項7】
前記DS補助スイッチユニット(28)及びES補助スイッチユニット(31)に補助スイッチ取り付け板(33)が接続され、前記補助スイッチ取り付け板(33)の端部にクランクアーム(34)及び開放投入表示板(36)が設けられ、前記クランクアーム(34)の端部に取り付けナット(39)が接続され、前記取り付けナット(39)の端部に駆動ピン(38)が設けられ、前記駆動ピン(38)に軸スリーブ(37)が設けられ、
前記第1伝動ユニットはカム(5)及びボールねじ対(6)を含み、前記カム(5)は前記ボールねじ対(6)に伝動可能に接続され、前記ボールねじ対(6)にナットが設けられ、
前記DS補助スイッチ駆動板(29)とES補助スイッチ駆動板(30)は同じ構造であり、いずれもπ字型であり、前記DS補助スイッチ駆動板(29)及びES補助スイッチ駆動板(30)の水平端に長溝が開けられ、前記ナットは前記長溝に摺動可能に接続され、
前記DS補助スイッチ駆動板(29)及びES補助スイッチ駆動板(30)の一方の垂直端の端部は折り曲げられて、U字型溝が開けられ、前記U字型溝は前記駆動ピン(38)と連携する、ことを特徴とする請求項2に記載の3位置機構の位置信号作動機構。
【請求項8】
前記ナットは長溝内に位置する、ことを特徴とする請求項7に記載の3位置機構の位置信号作動機構。
【請求項9】
前記長溝は、第1長溝セクション、第2長溝セクション及び第3長溝セクションで構成され、前記第1長溝セクション及び前記第3長溝セクションはいずれも傾斜状であり、前記第2長溝セクションは水平状である、ことを特徴とする請求項7に記載の3位置機構の位置信号作動機構。
【請求項10】
スイッチ本体を含む断路接地スイッチであって、前記スイッチ本体に請求項1~9のいずれか1項に記載の3位置機構の位置信号作動機構が取り付けられる、ことを特徴とする断路接地スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧送変電スイッチの技術分野に属し、具体的には、3位置機構の位置信号作動機構及び断路接地スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
高圧送変電システムの急速な発展及び幅広い応用において、SF6ガス絶縁全閉型複合電気機器(GIS)は、その優れた絶縁性能、コンパクトな構造設計及び高い動作信頼性により、システムの操作及び保護の分野で欠かせない中核機器となっている。GISは、ブレカー、断路器(DS)、接地スイッチ(ES)等の高電圧電気部品をSF6ガスで満たされた密閉金属ケース内に統合することで、外部環境による影響を効果的に解消し、システムの安全性及び安定性を向上させる。
【0003】
断路器(DS)と接地スイッチ(ES)は、GISの重要なコンポーネントとして、システムの安全な断路と接地を確保する役割を果たしており、それらは、通常の操作において正確且つ確実に開閉する必要があるだけでなく、スイッチの実際の状態を反映するためにいつでも正確な位置信号を提供できる必要もある。これらの位置信号は通常、スイッチと協働して用いられる作動機構によって送信され、バックグラウンド制御システムと保護機器が論理的な判断を行うための基礎データとして機能し、高圧送変電システム全体の安全な動作を維持するために非常に重要である。
【0004】
しかし、従来技術では、作動機構のインターロック機能に用いられる第1位置信号に問題がある。スイッチが実際に安定した通電位置に到達するに先立って該信号が送信されることがよくあり、信号とスイッチの実際の位置とのこのような非同期により、バックグラウンド制御システムがスイッチの状態を誤判断し、更に一連の深刻な結果を引き起こす可能性がある。例えば、断路器又は接地スイッチが完全に投入されていない場合に、それらが既に投入されたと制御システムが誤認識すると、誤って電流を通過させ、機器の絶縁に過度の電圧又は電流衝撃を与える可能性があり、長期的には、絶縁性能の低下を招き、絶縁不良、更に機器の焼損等の深刻な事故を引き起こす可能性がある。
【0005】
さらに、このように位置信号が事前に送信されると、保護機器の正確な動作に影響を与える可能性があり、その結果、システムが故障したときに保護機器は故障点を速やかで正確に排除することができなくなり、システムの安全上のリスクが更に悪化する。従って、高圧送変電システムの動作信頼性と安全性を向上させ、位置信号の誤判断による機器破損及び安全事故を回避するために、スイッチの実際の位置状態を正確に反映し、且つ信号送信とスイッチの動作が同期する作動機構が緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、スイッチが実際に安定した通電位置に到達するに先立って信号が送信されることがよくあり、信号とスイッチの実際の位置とが非同期になるという従来技術の技術的欠陥を解決するために、3位置機構の位置信号作動機構及び断路接地スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術的解決手段を採用して実現する。
【0008】
第1態様では、
天板及び底板と、伝動装置とを含み、
前記天板に第2位置信号装置が設けられ、前記底板に第1位置信号装置が設けられ、
前記伝動装置は、一端が駆動装置に接続され、他端が前記第1位置信号装置及び第2位置信号装置に接続され、
作動機構が作業指令を受信すると、前記駆動装置は前記伝動装置を駆動して第1位置信号装置及び第2位置信号装置をそれぞれ変位させ、二重信号確認を行う、3位置機構の位置信号作動機構を提供する。
【0009】
さらには、前記伝動装置は第1伝動ユニット及び第2伝動ユニットを含み、前記第1伝動ユニットと前記第2伝動ユニットとは伝動可能に接続され、
前記第2位置信号装置は、DS開放位置監視スイッチ、DS投入位置監視スイッチ、ES開放位置監視スイッチ、ES投入位置監視スイッチ及びラック板を含み、前記DS開放位置監視スイッチ及びDS投入位置監視スイッチは天板の一端に位置し、前記ES開放位置監視スイッチ及びES投入位置監視スイッチは天板の他端に位置し、
前記ラック板は天板の中央部に設けられ、ラック板の周縁部はDS開放位置監視スイッチ、DS投入位置監視スイッチ、ES開放位置監視スイッチ及びES投入位置監視スイッチに接触し、
前記第2伝動ユニットの一端は駆動装置に接続され、他端はラック板に接続され、駆動装置の駆動により、第2伝動ユニットはラック板を変位させ、
前記第1位置信号装置は、DS補助スイッチユニット、DS補助スイッチ駆動板、ES補助スイッチ駆動板及びES補助スイッチユニットを含み、前記DS補助スイッチ駆動板は底板の一端に設けられ、前記ES補助スイッチ駆動板は底板の他端に設けられ、
前記DS補助スイッチユニットはDS補助スイッチ駆動板に接続され、前記ES補助スイッチ駆動板はES補助スイッチユニットに接続され、前記第1伝動ユニットの一端は駆動装置に接続され、他端はDS補助スイッチ駆動板及びES補助スイッチ駆動板と連携する。
【0010】
さらには、前記ラック板はU字型構造であり、その開口端の片側に歯が設けられ、前記歯が第2伝動ユニットと噛み合い、
前記ラック板の反対の外側に隆起輪郭が設けられ、一方の前記隆起輪郭はDS開放位置監視スイッチ及びDS投入位置監視スイッチと連携し、他方の前記隆起輪郭はES開放位置監視スイッチ及びES投入位置監視スイッチと連携し、
前記ラック板の隆起輪郭が設けられる両端にガイド溝が開けられ、前記天板に取り付け板が更に設けられ、前記第2伝動ユニットは、一端が前記取り付け板に接続され、他端が前記ガイド溝と連携してラック板を左右に変位させる。
【0011】
さらには、前記取り付け板に軸ピンが設けられ、前記軸ピンの外側にガイドスリーブが設けられ、前記ガイドスリーブはラック板に当接してラック板を固定し、
前記第2伝動ユニットは、第1平歯車、第2平歯車、小歯車、出力歯車軸及び軸を含み、前記軸の一端は第2軸受けを介して取り付け板にヒンジ接続され、前記軸の他端は前記第2平歯車及び小歯車に接続され、前記出力歯車軸は前記第1平歯車に接続され、
前記第1平歯車は第2平歯車と噛み合い、前記小歯車は歯と噛み合う。
【0012】
さらには、前記第1平歯車と第2平歯車の直径は同じである。
【0013】
さらには、前記第2平歯車は第1軸受けを介して取り付け板にヒンジ接続される。
【0014】
さらには、前記DS補助スイッチユニット及びES補助スイッチユニットに補助スイッチ取り付け板が接続され、前記補助スイッチ取り付け板の端部にクランクアーム及び開放投入表示板が設けられ、前記クランクアームの端部に取り付けナットが接続され、前記取り付けナットの端部に駆動ピンが設けられ、前記駆動ピンに軸スリーブが設けられ、
前記第1伝動ユニットはカム及びボールねじ対を含み、前記カムは前記ボールねじ対に伝動可能に接続され、前記ボールねじ対にナットが設けられ、
前記DS補助スイッチ駆動板とES補助スイッチ駆動板は同じ構造であり、いずれもπ字型であり、前記DS補助スイッチ駆動板及びES補助スイッチ駆動板の水平端に長溝が開けられ、前記ナットは前記長溝に摺動可能に接続され、
前記DS補助スイッチ駆動板及びES補助スイッチ駆動板の一方の垂直端の端部は折り曲げられて、U字型溝が開けられ、前記U字型溝は前記駆動ピンと連携する。
【0015】
さらには、前記ナットは長溝内に位置する。
【0016】
さらには、前記長溝は、第1長溝セクション、第2長溝セクション及び第3長溝セクションで構成され、前記第1長溝セクション及び前記第3長溝セクションはいずれも傾斜状であり、前記第2長溝セクションは水平状である。
【0017】
第2態様では、スイッチ本体を含む断路接地スイッチであって、前記スイッチ本体に上記の3位置機構の位置信号作動機構が取り付けられる、断路接地スイッチを提供する。
【発明の効果】
【0018】
従来技術に比べて、本発明は、以下の有益な効果を有する。
【0019】
1.該作動機構では、第1位置信号装置及び第2位置信号装置は、それぞれ底板及び天板に設けられ、この二重信号の設計により、スイッチの位置を確認するための二重保証が提供される。作動機構が作業指令を受信すると、駆動装置は伝動装置を駆動して第1位置信号装置及び第2位置信号装置をそれぞれ変位させ、2つの位置信号装置が全てスイッチが安定した通電位置に到達したのを確認した場合にのみ、位置信号を送信し、このような二重信号確認メカニズムにより、単一信号の場合に発生可能な誤判断が効果的に回避され、位置信号の精度が向上し、バックグラウンド制御システムと保護機器が正確なデータに基づいて論理的な判断を行うことができるようになる。
【0020】
2.DS開放位置監視スイッチ、DS投入位置監視スイッチ、ES開放位置監視スイッチ及びES投入位置監視スイッチ、並びにそれらに接触するラック板を天板に設けることにより、断路器及び接地スイッチの開放投入位置の精密な監視が実現される。ラック板は、変位によりスイッチの実際の位置状態を直接反映し、各位置監視スイッチとの接触により、位置信号を正確且つ確実に送信することができ、位置監視の精度及び信頼性が向上する。
【0021】
3.ラック板がU字型構造であり、その開口端の片側の歯が第2伝動ユニットと噛み合うため、精確な伝動制御が実現され、歯により伝動中の安定性及び精度が確保され、ラック板が所定の軌道に沿って変位できるようになる。歯と第2伝動ユニットとの噛み合いにより、ラック板の変位量を正確に制御することができ、それにより断路器及び接地スイッチの開放投入位置を正確に反映することができる。
【0022】
4.取り付け板に設けられる軸ピンと外側のガイドスリーブはラック板に当接してラック板を固定すると同時に、安定したガイド作用を提供する。ガイドスリーブの設計により、ラック板が変位中に直線運動を維持できることが確保され、位置ずれや揺れが回避され、それにより位置監視の精度及び信頼性が向上する。
【0023】
5.同直径の歯車が噛み合って伝動するときに、同じ線速度を維持することができるため、第1平歯車の回転速度が第2平歯車の回転速度に等しくなり、等速伝動が実現される。
【0024】
6.第1軸受けは第2平歯車を安定して支持し、第2平歯車が取り付け板上で自在に回転できるようにする。
【0025】
7.補助スイッチ取り付け板の端部に開放投入表示板36が設けられ、スイッチの開放投入状態を直感的に表示することができる。また、開放投入表示板36の設計により、装置の操作の利便性及び安全性が向上し、操作者がスイッチの状態を迅速に把握して誤操作を回避することができる。
【0026】
8.ナットは長溝内に位置するため、駆動ピンを確実に駆動して、クランクアームの回転を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の記述のために使用した図面を簡単に説明するが、以下に記述した図面は本発明のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労力をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本発明に係る3位置機構の位置信号作動機構の全体模式図である。
【
図3】本発明に係る3位置機構の位置信号作動機構の第2位置信号装置の模式図である。
【
図5】本発明に係る3位置機構の位置信号作動機構のラック板の構造模式図である。
【
図6】本発明に係る3位置機構の位置信号作動機構の第1位置信号装置の模式図である。
【
図7】本発明に係る3位置機構の位置信号作動機構のDS補助スイッチ駆動板の構造模式図である。
【
図9】本発明に係る3位置機構の位置信号作動機構のDS補助スイッチユニットの構造模式図である。
【
図10】本発明における
図9のA-A断面図である。
【
図11】本発明に係る3位置機構の位置信号作動機構の第1位置信号の表示状態の模式図である。
【
図12】本発明に係る3位置機構の位置信号作動機構の第1位置信号の表示状態の模式図である。
【
図13】本発明に係る3位置機構の位置信号作動機構の第1位置信号の表示状態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本発明の実施例の図面に参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確に完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0029】
従って、以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。なお、以下の実施例は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本発明の好適な実施例である。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0030】
なお、以下の図面において同様の構成要素には同一の符号を付しており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略している。
【0031】
以下の実施例の説明において「上」、「下」、「水平」、「内」等の用語で指示される方位又は位置関係は、図示の方位又は位置関係に基づくものであり、又は、本発明の製品が使用される時によく配置された方位又は位置関係であり、単に本願の説明を容易にしたり簡略化したりするためのものである。上記用語は、本発明に係る装置又は素子が特定の方位を有したり特定の方位で構成及び操作されたりすることを指示又は暗示しないため、本発明の範囲を限定するものではないと理解すべきである。また、「第1」、「第2」等の用語は、単に説明の目的に使用されるものであり、相対的な重要性を指示又は暗示しないと理解すべきである。
【0032】
この他、「水平」という用語が用いられる場合、部材が完全に水平でなければならないことを意味せず、僅かに傾斜していてもよい。例えば、「水平」は、その方向が「垂直」よりも水平に近いと意味し、該構造が完全に水平でなければならないのを意味せず、僅かに傾斜していてもよい。
【0033】
本発明の実施例の説明では、特に明確な規定及び限定がない限り、「設置」、「取り付ける」、「連結」、「接続」という用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、又は一体的接続であってもよく、機械的接続、又は電気的接続であってもよく、直接連結、又は中間媒体を介する間接的な連結、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0034】
高圧送変電システムの急速な発展及び幅広い応用において、SF6ガス絶縁全閉型複合電気機器(GIS)は、その優れた絶縁性能、コンパクトな構造設計及び高い動作信頼性により、システム操作及び保護分野で欠かせない中核機器となっている。GISは、ブレカー、断路器(DS)、接地スイッチ(ES)等の高電圧電気部品をSF6ガスで満たされた密閉金属ケース内に統合することで、外部環境による影響を効果的に解消し、システムの安全性及び安定性を向上させる。
【0035】
断路器(DS)と接地スイッチ(ES)は、GISの重要なコンポーネントとして、システムの安全な断路と接地を確保する役割を果たしており、それらは、通常の操作において正確且つ確実に開閉する必要があるだけでなく、スイッチの実際の状態を反映するためにいつでも正確な位置信号を提供できる必要もある。これらの位置信号は通常、スイッチと協働して用いられる作動機構によって送信され、バックグラウンド制御システムと保護機器が論理的な判断を行うための基礎データとして機能し、高圧送変電システム全体の安全な動作を維持するために非常に重要である。
【0036】
しかし、従来技術では、作動機構のインターロック機能に用いられる第1位置信号に問題がある。スイッチが実際に安定した通電位置に到達するに先立って該信号が送信されることがよくあり、信号とスイッチの実際の位置とのこのような非同期により、バックグラウンド制御システムがスイッチの状態を誤判断し、更に一連の深刻な結果を引き起こす可能性がある。例えば、断路器又は接地スイッチが完全に投入されていない場合に、それらが既に投入されると制御システムが誤認識すると、誤って電流を通過させ、機器の絶縁に過度の電圧又は電流衝撃を与える可能性があり、長期的には、絶縁性能の低下を招き、絶縁不良、更に機器の焼損等の深刻な事故を引き起こす可能性がある。
【0037】
さらに、このように位置信号が事前に送信されると、保護機器の正確な動作に影響を与える可能性があり、その結果、システムが故障したときに保護機器は故障点を速やかで正確に排除することができなくなり、システムの安全上のリスクが更に悪化する。従って、高圧送変電システムの動作信頼性と安全性を向上させ、位置信号の誤判断による機器破損及び安全事故を回避するために、スイッチの実際の位置状態を正確に反映し、且つ信号送信とスイッチの動作が同期する作動機構が緊急に必要とされている。
【0038】
上記の技術的欠陥を解決するために、本発明者らは、3位置機構の位置信号作動機構及び断路接地スイッチを提供する。
【0039】
以下、図面を参照しながら本発明を更に詳細に説明する。
【0040】
第1態様では、本発明の実施例は、3位置機構の位置信号作動機構を提供し、
図1~13に示すように、天板1及び底板8と、伝動装置とを含む。天板1には、第2位置信号装置3が設けられる。底板8には、第1位置信号装置が設けられる。前記伝動装置は、一端が駆動装置に接続され、他端が第1位置信号装置及び第2位置信号装置3に接続される。作動機構が作業指令を受信すると、駆動装置は伝動装置を駆動して第1位置信号装置及び第2位置信号装置3をそれぞれ変位させ、二重信号確認を行う。上記構造では、第1位置信号装置及び第2位置信号装置3は、それぞれ底板8及び天板1に設けられるため、スイッチ位置を確認するための二重保証が提供される。作動機構が作業指令を受信すると、駆動装置は伝動装置を駆動して第1位置信号装置及び第2位置信号装置3をそれぞれ変位させる。2つの位置信号装置が全てスイッチが安定した通電位置に到達したのを確認した場合にのみ、位置信号を送信する。このような二重信号確認メカニズムにより、単一信号の場合に発生可能な誤判断が効果的に回避され、位置信号の精度が向上し、バックグラウンド制御システムと保護機器が正確なデータに基づいて論理的な判断を行うことができるようになる。また、伝動装置と駆動装置との精密な連携により、該作動機構は、位置信号の送信がスイッチの実際の動作と同期することを確保できる。スイッチが完全に投入されている場合又は開放されている場合に、位置信号が送信されるため、従来技術における信号が事前に送信されるという問題が回避される。信号とスイッチ動作の同期により、バックグラウンド制御システムはスイッチの状態をリアルタイム且つ正確に把握し、正確な制御決定を下すことができ、位置信号の信頼性が向上する。また、信頼性の高い位置信号により、保護機器はシステムが故障したときに故障点を速やかで正確に排除することができ、位置信号の誤判断による機器破損や安全事故が回避される。ひいては、高圧送変電システムの動作信頼性及び安全性が大幅に向上し、システムの安定した動作が確実に保証される。
【0041】
更に、
図3に示すように、伝動装置は、第1伝動ユニット及び第2伝動ユニットを含む。第1伝動ユニットと第2伝動ユニットとは伝動可能に接続され、このように駆動装置によるラック板20と補助スイッチ駆動板との協調制御が実現される。第2位置信号装置3は、DS開放位置監視スイッチ9、DS投入位置監視スイッチ11、ES開放位置監視スイッチ14、ES投入位置監視スイッチ18及びラック板20を含む。DS開放位置監視スイッチ9及びDS投入位置監視スイッチ11は天板1の一端に位置し、ES開放位置監視スイッチ14及びES投入位置監視スイッチ18は天板1の他端に位置する。ラック板20は天板1の中央部に設けられ、ラック板20の周縁部はDS開放位置監視スイッチ9、DS投入位置監視スイッチ11、ES開放位置監視スイッチ14及びES投入位置監視スイッチ18に接触する。DS開放位置監視スイッチ9、DS投入位置監視スイッチ11、ES開放位置監視スイッチ14及びES投入位置監視スイッチ18、並びにそれらに接触するラック板20を天板1に設けることにより、断路器DS及び接地スイッチESの開放投入位置の精密な監視が実現される。ラック板20は、変位によりスイッチの実際の位置状態を直接反映する。各位置監視スイッチとの接触により、位置信号を正確且つ確実に送信することができ、位置監視の精度及び信頼性が向上する。
【0042】
第2伝動ユニットは、一端が駆動装置に接続され、他端がラック板20に接続される。駆動装置の駆動により、第2伝動ユニットはラック板20を変位させる。第1位置信号装置は、DS補助スイッチユニット28、DS補助スイッチ駆動板29、ES補助スイッチ駆動板30及びES補助スイッチユニット31を含む。DS補助スイッチ駆動板29は底板8の一端に設けられ、ES補助スイッチ駆動板30は底板8の他端に設けられる。DS補助スイッチユニット28はDS補助スイッチ駆動板29に接続され、ES補助スイッチ駆動板30はES補助スイッチユニット31に接続される。第1伝動ユニットは、一端が駆動装置に接続され、他端がDS補助スイッチ駆動板29及びES補助スイッチ駆動板30と連携する。第2伝動ユニットは、ラック板20を変位させることに用いられ、位置監視スイッチとの接触によりスイッチの位置状態を確認する。第1伝動ユニットはDS補助スイッチ駆動板29及びES補助スイッチ駆動板30と連携し、位置信号を更に確認して伝達する。この二重伝動ユニットの設計により、作動機構の伝動効率及び安定性が向上し、位置信号の正確な伝達が確保される。また、底板8に設けられるDS補助スイッチユニット28及びES補助スイッチユニット31、並びにそれらと連携する補助スイッチ駆動板は、位置信号の冗長確認メカニズムを形成する。ラック板20と位置監視スイッチとの接触に問題が生じても、補助スイッチユニットは追加の位置信号確認を提供することができ、システムのエラー耐性及び信頼性が向上する。
【0043】
図5に示すように、ラック板20はU字型構造であり、その開口端の片側に歯が設けられ、歯が第2伝動ユニットと噛み合い、精確な伝動制御が実現される。歯の設計により伝動中の安定性及び精度が確保され、ラック板20が所定の軌道に沿って変位できるようになる。且つ、歯と第2伝動ユニットとの噛み合いにより、ラック板20の変位量を正確に制御することができ、それにより断路器DS及び接地スイッチESの開放投入位置を正確に反映することができる。ラック板20の反対の外側に隆起輪郭が設けられ、一方の隆起輪郭はDS開放位置監視スイッチ9及びDS投入位置監視スイッチ11と連携し、他方の隆起輪郭はES開放位置監視スイッチ14及びES投入位置監視スイッチ18と連携する。ラック板20は変位中に対応する位置監視スイッチを同時にトリガーすることができ、多位置の同時監視が実現され、位置監視の効率及び精度が向上する。ラック板20の隆起輪郭が設けられる両端にガイド溝が開けられ、天板1に取り付け板22が更に設けられる。第2伝動ユニットは、一端が取り付け板22に接続され、他端がガイド溝と連携してラック板20を左右に変位させる。ガイド溝の設計により、ラック板20の変位に安定したガイド作用が提供され、ラック板20の変位中の直線性及び安定性が確保され、位置ずれや揺れによる位置監視のエラーが回避される。
【0044】
図4に示すように、取り付け板22にピン軸16が設けられ、ピン軸16の外側にガイドスリーブ15が設けられる。ガイドスリーブ15はラック板20に当接してラック板20を固定し、取り付け板22に設けられるピン軸16と外側のガイドスリーブ15はラック板20に当接してラック板20を固定すると同時に、安定したガイド作用を提供する。ガイドスリーブ15の設計により、ラック板20が変位中に直線運動を維持できることが確保され、位置ずれや揺れが回避され、それにより位置監視の精度及び信頼性が向上する。第2伝動ユニットは、第1平歯車19、第2平歯車10、小歯車17、出力歯車軸2及び軸24を含む。軸24の一端は第2軸受け25を介して取り付け板22にヒンジ接続され、軸24の他端は第2平歯車10及び小歯車17に接続される。出力歯車軸2は第1平歯車19に接続され、第1平歯車19は第2平歯車10と噛み合い、小歯車17は歯と噛み合う。第2伝動ユニットは、第1平歯車19、第2平歯車10、小歯車17、出力歯車軸2及び軸24を含み、高効率の歯車伝動システムを構成する。軸24は、一端が第2軸受け25を介して取り付け板22にヒンジ接続され、他端が第2平歯車10及び小歯車17に接続され、それにより伝動力の伝達及び変換が実現される。第1平歯車19は第2平歯車10と噛み合い、小歯車17はラック板20の歯と噛み合い、安定した伝動チェーンが形成されて、伝動の精度及び効率が確保される。
【0045】
本実施例では、第1平歯車19と第2平歯車10の直径は同じである。第2平歯車10は第1軸受け23を介して取り付け板22にヒンジ接続され、同直径の歯車が噛み合って伝動するときに、同じ線速度を維持することができる。第1平歯車19の回転速度が第2平歯車10の回転速度に等しくなり、等速伝動が実現され、伝動の安定性及び一貫性が確保される。また、同直径の歯車が噛み合うときに、歯面の接触圧力がより均一に分散され、局所的な摩耗の可能性が低減され、メンテナンスが容易になる。第1軸受け23は第2平歯車10を安定して支持し、第2平歯車10が取り付け板22上で自在に回転できるようにする。また、軸受けのヒンジ接続の設計により、摩擦と摩耗が低減され、第2平歯車10の回転はよりスムーズ且つ安定になる。
【0046】
図6~
図8に示すように、DS補助スイッチユニット28及びES補助スイッチユニット31に補助スイッチ取り付け板33が接続され、補助スイッチ取り付け板33の端部にクランクアーム34及び開放投入表示板36が設けられる。補助スイッチ取り付け板33の端部に開放投入表示板36が設けられるため、スイッチの開放投入状態を直感的に表示することができ、装置の操作の利便性及び安全性が向上する。ひいては、操作者がスイッチの状態を迅速に把握して誤操作を回避することができる。
【0047】
クランクアーム34の端部に取り付けナット39が接続され、取り付けナット39の端部に駆動ピン38が設けられ、駆動ピン38に軸スリーブ37が設けられる。第1伝動ユニットはカム5及びボールねじ対6を含み、カム5はボールねじ対6に伝動可能に接続され、ボールねじ対6にナットが設けられ、カム5はボールねじ対6に伝動可能に接続される。これにより、回転運動を直線運動に変換する伝動メカニズムが実現される。ボールねじ対6上のナットがDS補助スイッチ駆動板29及びES補助スイッチ駆動板30の水平端の長溝に摺動可能に接続され、伝動がより柔軟且つ確実になる。DS補助スイッチ駆動板29とES補助スイッチ駆動板30は同じ構造であり、いずれもπ字型であり、DS補助スイッチ駆動板29及びES補助スイッチ駆動板30の水平端に長溝が開けられる。ナットは長溝に摺動可能に接続され、DS補助スイッチ駆動板29及びES補助スイッチ駆動板30の一方の垂直端の端部は折り曲げられて、U字型溝が開けられ、U字型溝は駆動ピン38と連携する。
【0048】
DS補助スイッチ駆動板29及びES補助スイッチ駆動板30の垂直端の端部は折り曲げられて、駆動ピン38と連携するU字型溝が開けられる。駆動ピン38に軸スリーブ37が設けられ、それにより駆動接続の安定性及び耐久性が高くなり、伝動の精度及び信頼性が確保される。DS補助スイッチ駆動板29及びES補助スイッチ駆動板30の両方はπ字型に設計され、且つ水平端に長溝が開けられる。この設計により、駆動板は一定の適応性を有し、長溝の設計により、ナットが一定の範囲内に摺動することができる。ひいては、異なる伝動ストロークのニーズに対応することができ、機器の汎用性及び柔軟性が向上する。具体的には、長溝は、第1長溝セクション、第2長溝セクション及び第3長溝セクションで構成される。第1長溝セクション及び第3長溝セクションはいずれも傾斜状であり、第2長溝セクションは水平状であり、ナットは長溝内に位置する。傾斜した長溝部により、ナットは移動中に垂直方向又は水平方向の変位成分を発生させ、長溝の傾斜角度を調整することにより、ナットの変位の量及び方向を正確に制御することができる。水平状の第2長溝セクションは安定した伝動段階をナットに提供し、この段階では、ナットはスムーズに移動することができ、伝動中の振動や揺れが軽減される。
【0049】
この解決策を具体的に使用する際に、主軸40は天板1と底板8との間に設けられる。カム5及び歯車41は六角部を介して主軸40に接続され、出力歯車軸2は歯車41と噛み合う。ボールねじ対6は円すいころ軸受44を介して側板43にヒンジ接続され、軸線方向におけるその自由度を制限する。出力歯車軸2は六角部を介して嵌設され、ねじ13を介して第2位置信号装置3に固定される。DS補助スイッチ駆動板29及びES補助スイッチ駆動板30は、規則的に配置された複数の小型軸受け27を介して底板8にヒンジ接続される。小型軸受け27と同数のワッシャー12によって底板8での並進運動が制限される。
【0050】
DS開放位置監視スイッチ9、DS投入位置監視スイッチ11、ES開放位置監視スイッチ14及びES投入位置監視スイッチ18の変換位置は、ラック板20における隆起輪郭に対応する。ラック板20は複数のピン軸16及びガイドスリーブ15を介して取り付け板22にヒンジ接続され、ピン軸16と同数のワッシャー12によって取り付け板22に制限されて、並進運動を行う。ラック板20の歯は小歯車17と噛み合い、また、小歯車17はフラットキー26を介して第2平歯車10と共に軸24に固定して接続される。軸24の一端は第2軸受け25を介して取り付け板22にヒンジ接続され、第2平歯車10は第1軸受け23を介して、取り付け板22にヒンジ接続される第1平歯車19と噛み合う。第1平歯車19に設けられる内六角部は、ちょうど出力歯車軸2の外六角部と連携して使用される。ライナー21が取り付け板22に固定して接続されると、第1軸受け23及び第2軸受け25の回転以外の残りの自由度を制限できる。
【0051】
DS補助スイッチユニット28とES補助スイッチユニット31は、構造が同様であり、補助スイッチ取り付け板33及び補助スイッチ取り付け板33に設けられる補助スイッチ32を含む。補助スイッチ32の四角型軸スリーブにクランクアーム34が設けられ、クランクアーム34の一端に駆動ピン38が設置され、取り付けナット39によってロックされる。駆動ピン38の一端に軸スリーブ37が設けられ、補助スイッチ32の四角型軸の一端には、ジョイント35を介して遷移接続された開放投入表示板36がさらに設けられる。
【0052】
第1位置信号装置は、ボールねじ対6によってDS補助スイッチ駆動板29及びES補助スイッチ駆動板30を駆動し、更にDS補助スイッチユニット28及びES補助スイッチユニット31を駆動して、予め設定された位置でそれぞれ位置信号を送信させる。第2位置信号装置3は、出力歯車軸2によって駆動され、更にラック板20を直線往復運動させ、予め設定された位置で、それぞれのマイクロスイッチを切り替えて位置信号を送信する。
【0053】
ラック板20において、スラットの両側に、基準マークに基づいた隆起輪郭がそれぞれ設けられ、隆起輪郭の両側の開始端に角度αの遷移部が設けられる。スラットの両側に幅dのガイド溝がさらに貫通して設けられ、スラットの中央部のくり抜き部分の片側に複数の歯が設けられる。DS補助スイッチ駆動板29は「π」字型のスラット形状であり、スラットに幅hの長溝が設けられる。長溝の両端に角度α及び角度βの遷移部がそれぞれ設けられ、遷移前後の3つの長溝セクションの間の間隔は設定値「l」である。スラットには、幅dの複数のガイド溝がさらに設けられる。「π」の一隅は折り曲げられた隆起部として設けられ、幅f、長さgの「U」字型溝がさらに開けられる。具体的には、ES補助スイッチ駆動板30はDS補助スイッチ駆動板29と鏡像関係にあり、DS補助スイッチ駆動板29とDS補助スイッチユニット28とが組み合わせられると、DS補助スイッチ駆動板29に設けられる3つの長溝セクション及びその遷移部は、ボールねじ対6の駆動作用により、断続的な移動軌跡を形成する。開放投入表示板36の方向から観察すると、「開放」、「半開放半投入」、「投入」の3つの安定状態、及び「開放」から「半開放半投入」、及び「半開放半投入」から「投入」への2つの過渡的遷移過程が示される。
【0054】
ES補助スイッチ駆動板30とES補助スイッチユニット31は、組み合わせられると、DS補助スイッチ駆動板29とDS補助スイッチユニット28による断続的な運動と鏡像関係にある。駆動ピン38、クランクアーム34、及びDS補助スイッチ駆動板29又はES補助スイッチ駆動板30の3つが連携すると、DS補助スイッチ駆動板29又はES補助スイッチ駆動板30に開けられる「U」字型溝は、ちょうど、駆動ピン38の一端に被装される軸スリーブ37に適合される。明らかに、DS補助スイッチ駆動板29又はES補助スイッチ駆動板30の並進ストロークは、クランクアーム34の回転角度θに対応する。
【0055】
図6、
図10及び
図11に示すように、DS補助スイッチ駆動板29とDS補助スイッチユニット28が組み合わせられると、DS補助スイッチ駆動板29に設けられる3つの長溝セクション及びその遷移部は、ボールねじ対6の駆動作用により、断続的な移動軌跡を形成する。DS投入の第1位置信号が変換する過程を例に挙げると、ボールねじ対6のナットは、左方向に直線運動し始め、第1長溝セクションと第2長溝セクションの間の遷移部に移動する。すると、DS補助スイッチ駆動板29は、ボールねじ対6のナットの押圧により上方向に移動する。同時に、DS補助スイッチ駆動板29のU字型溝は、DS補助スイッチユニット28の駆動ピン38を押圧して、それに応じて移動させる。開放投入表示板36の方向を観察すると、開放投入表示板36は、先ず反時計回りにθ/2回転し、「開放」から「半開放半投入」への状態変換が示される。ボールねじ対6のナットは左方向に移動し続け、明らかに、第2長溝セクション内にDS補助スイッチ駆動板29は静止したままである。ボールねじ対6のナットが第2長溝セクションと第3長溝セクションの間の遷移部に移動すると、DS補助スイッチ駆動板29はボールねじ対6のナットの押圧により上方向に移動し続ける。同時に、DS補助スイッチ駆動板29のU字型溝はDS補助スイッチユニット28の駆動ピン38を押圧して、それに応じて移動させる。開放投入表示板36の方向を観察すると、開放投入表示板36はさらに反時計回りにθ/2回転し、「半開放半投入」から「投入」への状態変換が示される。なお、第2長溝セクションと第3長溝セクションの間の遷移部の末端において、DS補助スイッチユニット28のDS補助スイッチ32の状態は変化し、投入信号が送信される。これから分かるように、開放投入表示板36の方向を観察すると、「開放」、「半開放半投入」、「投入」の3つの安定状態、及び「開放」から「半開放半投入」、及び「半開放半投入」から「投入」への2つの過渡的遷移過程が示される。
【0056】
DS開放の第1位置信号が変換する過程は、方向が逆であることを除いて、DSの投入過程と同じである。ES補助スイッチ駆動板30とES補助スイッチユニット31は、組み合わせられると、DS補助スイッチ駆動板29とDS補助スイッチユニット28による断続的な運動と鏡像関係にある。明らかに、ES投入、開放の第1位置信号の変換過程は、方向が逆であることを除いて、DSの投入、開放過程と全く同じである。
【0057】
以下、3位置機構の第1位置信号の動作メカニズムを簡単に説明する。
【0058】
3位置機構は、断路器(DS)と接地スイッチ(ES)の両方が開放される位置、断路器(DS)が投入され、接地スイッチ(ES)が開放される位置、及び接地スイッチ(ES)が投入され、断路器(DS)が開放される位置という3つの動作位置を有する。3位置機構は、機構がどの動作位置に到達したかに関係なく、正確な位置信号を送信すべきである。
【0059】
電動操作による断路器DS投入の第1位置信号が変換する過程を例に挙げると、
図1及び
図6に示すように、機構が断路器DS投入指令を受信すると、DS側の第2モーター45は、ボールねじ対6のナットを駆動して左方向に直線運動させ始める。先ず、ボールねじ対6のナットは、DS補助スイッチ駆動板29の第1長溝セクション内を移動し、このときに、DS補助スイッチ駆動板29は静止する。ボールねじ対6のナットが傾斜角βの遷移部に移動したときに、ボールねじ対6のナットは、DS補助スイッチ駆動板29を上方向に移動させる。ボールねじ対6のナットが第2長溝セクション内に移動すると、DS補助スイッチ駆動板29は、一定の距離だけ上方向に移動した後に、移動を停止する。
【0060】
また、
図7、
図8、
図9及び
図10に示すように、DS補助スイッチ駆動板29に開けられる「U」字型溝は、軸スリーブ37及びそれと同軸の駆動ピン38を動作させ、更にクランクアーム34を角度θ/2回転させる。開放投入表示板36の方向を観察すると、開放投入表示板36は、先ず反時計回りにθ/2回転する。明らかに、
図10に示すように、この過程において、開放投入表示板36の方向を観察すると、開放投入表示板36は「開放」の安定状態、「開放」から「半開放半投入」への過渡的な遷移過程、及び「半開放半投入」の安定状態を示す。ボールねじ対6のナットが左方向に直線運動し続けるが、第2長溝セクション内にDS補助スイッチ駆動板29は静止したままであることが明らかである。
【0061】
ボールねじ対6のナットが傾斜角αの遷移部に移動したときに、DS補助スイッチ駆動板29は、さらに上方向に移動し、ボールねじ対6のナットが第3長溝セクション内に移動する。すると、DS補助スイッチ駆動板29は、一定の距離だけ移動した後に、再び移動を停止し、ボールねじ対6のナットは左方向に直線運動し続ける。明らかに、第2長溝セクション内にDS補助スイッチ駆動板29は静止したままである。ボールねじ対6のナットが第2長溝セクションと第3長溝セクションとの遷移部に移動すると、DS補助スイッチ駆動板29は、ボールねじ対6のナットの押圧により上方向に移動し続ける。同時に、DS補助スイッチ駆動板29に開けられる「U」字型溝は、軸スリーブ37及びそれと同軸の駆動ピン38を動作させ、更にクランクアーム34をさらに角度θ/2回転させる。明らかに、この過程において、開放投入表示板36の方向を観察すると、開放投入表示板36は、「半開放半投入」の安定状態、「半開放半投入」から「投入」への過渡遷的な移過程、及び「投入」の安定状態を示す。なお、第2長溝セクションと第3長溝セクションの間の遷移部の末端において、DS補助スイッチユニット28のDS補助スイッチ32の状態は変化し、DS投入状態の第1位置信号が送信される。
【0062】
ボールねじ対6のナットがDS補助スイッチ駆動板29の第3長溝セクション内に移動したときに、カム5は、それよりも先に投入位置に到達している。明らかに、第1位置信号は、本体が投入位置に到達した後に送信される。従って、第1位置信号の送信時点は、機器の主配線が安定して通電した後にのみ送信可能であるという条件を完全に満たす。従って、DSの電動操作による開放過程は、移動方向が逆であることを除いて、DSの投入過程と同じであり、ボールねじ対6が第1長溝セクション内に移動するときに、DS補助スイッチはリセットされ、DS開放状態の第1位置信号が送信される。
【0063】
ESの電動操作による投入及び開放過程は、DSの投入及び開放過程と全く同じであり、相違点は、開放投入表示板36の方向を観察すると、「開放」から「半開放半投入」、及び「半開放半投入」から「投入」への2つの過渡遷的な移過程における回転方向がDSと逆であることである。
【0064】
以下、3位置機構の第2位置信号の動作メカニズムを簡単に説明する。
【0065】
図3及び
図5に示すように、機構は、DSが開放され、ESが開放される位置にあり、ラック板20の両側に設けられる幅aの隆起輪郭は、ちょうど、DS開放位置監視スイッチ9及びES開放位置監視スイッチ14を圧縮状態にする。バックグラウンド制御機器は、該信号を監視しており、且つ機構が、DSが開放されESが開放される位置にあると判定する。引き続き電動操作によるDS投入を例に挙げると、機構がDS投入指令を受信すると、機構のDS側の第2モーター45は、ボールねじ対6を直線運動させて、カム5を反時計回りに回転させる。主軸40の六角部を介してカム5に固定して接続された歯車41は、それに応じて反時計回りに回転し、更に歯車41と噛み合う出力歯車軸2を時計回りに回転させる。出力歯車軸2に六角部を介して接続された第1平歯車19も、それに応じて時計回りに回転し、更にそれと噛み合う第2平歯車10を反時計回りに回転させる。また、第2平歯車10と共にフラットキー26を介して軸24に固定して接続された小歯車17も同期して反時計回りに回転し、小歯車17と噛み合うラック板20を右方向に並進させる。
【0066】
機構のDS投入過程において、先ず、ラック板20に設けられる隆起輪郭は、DS開放位置監視スイッチ9の位置から離れ、DS開放位置監視スイッチ9の状態は変わる。このとき、バックグラウンド制御システムは、機構のDSが半開放半投入の位置にあると判定し、機構がDS投入位置に到達すると、機構の出力歯車軸2は回転を停止する。同時に、ラック板20は、ちょうど、その上に設けられる隆起輪郭まで移動する。これにより、DS投入位置監視スイッチ11は、ちょうど状態切り替え位置にあるようになり、DS投入位置監視スイッチ11は投入位置を維持する信号を送信する。明らかに、この過程において、ES開放位置監視スイッチ14とES投入位置監視スイッチ18のいずれの状態も変化し、バックグラウンド制御システムは、機構がDS投入位置にあると判定する。明らかに、DSの電動操作による開放過程は、移動方向が逆であることを除いて、DSの投入過程と同じであり、機構は、さらにDSが開放され、ESが開放される位置に移動し、DS開放位置監視スイッチ9及びES開放位置監視スイッチ14は開放位置を維持する信号を送信する。
【0067】
同様に、ESの電動操作による投入及び開放過程は、回転方向を除いて、DSの投入及び開放過程と全く同じであり、相違点は、ラック板20が左方向に並進し、ESが投入位置に到達した後に、ES投入位置監視スイッチ18が投入位置を維持する信号を送信することである。明らかに、この過程において、DS開放位置監視スイッチ9及びES投入位置監視スイッチ18のいずれの状態も変化せず、ESが開放位置に到達した後に、機構は再び、DSが開放されESが開放される位置にあるようになる。これから分かるように、本実施例の作動機構は、協働して用いられるスイッチが安定した通電位置に到達した後に送信される第1位置信号を補助スイッチ伝動チェーンにより提供できると同時に、機構の出力歯車軸2により第2位置信号を直接取得することもできる。両方の位置信号がストロークの終わりで送信され、送電網会社の「二重確認」機能による、3位置機構の異なる由来の2つの位置信号への要求を満たすことができる。これにより、機器の安全的な動作を保証する。
【0068】
ただし、本実施例における駆動装置は、第1駆動ユニット及び第2駆動ユニットも含む。第1駆動ユニットは第1モーター42及び第1モーター取り付け板を含み、第2駆動ユニットは第2モーター45及び第2モーター取り付け板を含む。伝動装置によって第1位置信号装置及び第2位置信号装置が駆動される場合、具体的にどの駆動ユニットを用いるかが制限されず、
図1は例示的なものに過ぎないことを理解されたい。
【0069】
第2態様では、スイッチ本体を含む断路接地スイッチを提供し、スイッチ本体に上記3位置機構の位置信号作動機構が取り付けられる。3位置機構の位置信号作動機構はスイッチ本体と緊密に統合され、位置信号の送信の精度及び信頼性を確保する。信号伝送エラーや遅延による機器故障を減少させることができ、断路接地スイッチシステム全体の信頼性が向上する。
【0070】
最後に説明すべきことは以下のとおりである。以上の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するために過ぎず、その保護範囲を限定するものではない。上記実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば理解すべきものとして、当業者は、本発明を読んだ後に依然として発明の具体的な実施形態に対して種々の変更、修正又は同等置換を行うことができるが、これらの変更、修正又は同等置換は、いずれも本発明の特許請求の範囲の保護内にある。
【符号の説明】
【0071】
1 天板
2 出力歯車軸
3 第2位置信号装置
5 カム
6 ボールねじ対
8 底板
9 DS開放位置監視スイッチ
10 第2平歯車
11 DS投入位置監視スイッチ
12 ワッシャー
13 ねじ
14 ES開放位置監視スイッチ
15 ガイドスリーブ
16 ピン軸
17 小歯車
18 ES投入位置監視スイッチ
19 第1平歯車
20 ラック板
21 ライナー
22 取り付け板
23 第1軸受け
24 軸
25 第2軸受け
26 フラットキー
27 小型軸受け
28 DS補助スイッチユニット
29 DS補助スイッチ駆動板
30 ES補助スイッチ駆動板
31 ES補助スイッチユニット
32 DS補助スイッチ
33 補助スイッチ取り付け板
34 クランクアーム
35 ジョイント
36 開放投入表示板36
37 軸スリーブ
38 駆動ピン
39 取り付けナット
40 主軸
41 歯車
42 第1モーター
43 側板
44 円すいころ軸受
45 第2モーター
【要約】 (修正有)
【課題】3位置機構の位置信号作動機構及び断路接地スイッチを提供する。
【解決手段】3位置機構は天板及び底板と伝動装置とを含む。天板には、第2位置信号装置が設けられる。底板には、第1位置信号装置が設けられる。伝動装置は、一端が駆動装置に接続され、他端が第1位置信号装置及び第2位置信号装置に接続される。作動機構が作業指令を受信すると、駆動装置は伝動装置を駆動して第1位置信号装置及び第2位置信号装置をそれぞれ変位させ、二重信号確認を行う。このような二重信号確認メカニズムにより、単一信号の場合に発生可能な誤判断が効果的に回避され、位置信号の精度が向上し、バックグラウンド制御システムと保護機器が正確なデータに基づいて論理的な判断を行うことができるようになる。
【選択図】
図1