IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲せん▼▲飛▼▲驤▼科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許7749144自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法、システム及び関連機器
<>
  • 特許-自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法、システム及び関連機器 図1
  • 特許-自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法、システム及び関連機器 図2
  • 特許-自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法、システム及び関連機器 図3
  • 特許-自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法、システム及び関連機器 図4
  • 特許-自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法、システム及び関連機器 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-25
(45)【発行日】2025-10-03
(54)【発明の名称】自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法、システム及び関連機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/367 20200101AFI20250926BHJP
   G06F 30/20 20200101ALI20250926BHJP
【FI】
G06F30/367
G06F30/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024549230
(86)(22)【出願日】2023-10-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-18
(86)【国際出願番号】 CN2023126000
(87)【国際公開番号】W WO2024099061
(87)【国際公開日】2024-05-16
【審査請求日】2024-08-20
(31)【優先権主張番号】202211401494.5
(32)【優先日】2022-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521079271
【氏名又は名称】深▲せん▼▲飛▼▲驤▼科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朱 玉泉
(72)【発明者】
【氏名】関 鵬
(72)【発明者】
【氏名】周 温涵
(72)【発明者】
【氏名】楊 睿智
(72)【発明者】
【氏名】胡 錦▲ざお▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 嘉帥
【審査官】岡田 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-116369(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0109771(US,A1)
【文献】特開2009-266161(JP,A)
【文献】Zipeng Liu; Jinjun Liu; Zeng Liu,A Sampling Optimized Method for Frequency Response Measurement in Power Electronics Systems,IEEE Transactions on Power Electronics,IEEE,2022年02月24日,Volume: 37, Issue: 7,p.8447-8464,<https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=9721132>
【文献】薄膜シールディドループコイルによる配線上の磁界計測,電子情報通信学会2003年総合大会講演論文集,日本,社団法人電子情報通信学会,2003年03月03日,p.S-23,24
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 - 30/398
G01R 31/28 - 31/3193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数デバイスのシミュレーションに適用される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法において、
前記周波数掃引方法は、
周波数ポイントサンプリング数n、周波数ポイント最終サンプリング数n’、及びサンプリング範囲[fmin,fmax]を決定し、予め設定されたシミュレーション方法を使用して前記サンプリング範囲内でサンプリングし、n番目のサンプリング点の周波数応答を算出するステップであって、サンプリング点xでの前記周波数応答はf(x)であるステップS1と、
前記周波数応答f(x)の1次導関数と2次導関数を算出するステップS2と、
前記1次導関数と前記2次導関数に基づいて、n番目の前記サンプリング点に対して周波数応答曲線推定を行い、n-1本の推定曲線を取得するステップであって、サンプリング点xに対応する推定曲線はgxn(x)であり、適用範囲は[xn-1,xn+1]であるステップS3と、
隣接する前記推定曲線gxn(x)とgxn+1(x)との間の最大誤差周波数ポイントxを順に取得するステップであって、n-1個の前記最大誤差周波数ポイントが取得されるまで行い、各前記最大誤差周波数ポイントが誤差値を有するステップS4と、
予め設定された評価方法に従って各前記最大誤差周波数ポイントの前記誤差値を算出して、各前記最大誤差周波数ポイントの評価指標を取得するステップS5と、
前記評価指標に基づいて順位付けを行い、最初のm個の前記最大誤差周波数ポイントをサンプリング済み点として選択するステップであって、mはnより小さく、mとnはいずれも0より大きい整数であり、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達していない場合には、ステップS2に戻って反復実行し、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達した場合、反復を停止するステップS6と、
全ての前記サンプリング済み点を最終サンプリング点として出力するステップS7と、を含むことを特徴とする自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法。
【請求項2】
ステップS1において、前記予め設定されたシミュレーション方法による前記サンプリング範囲内でのサンプリング形態がいずれも均一サンプリングであることを特徴とする請求項1に記載の周波数掃引方法。
【請求項3】
ステップS2において、前記周波数応答f(x)の1次導関数及び2次導関数の算出に使用される方法が中心差分法であることを特徴とする請求項1に記載の周波数掃引方法。
【請求項4】
ステップS3において、前記推定曲線gxn(x)が、
xn(x)=f(x)+f’(x)*(x-x)+1/2*f”(x)*(x-x (1)
の関係式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の周波数掃引方法。
【請求項5】
ステップS4において、前記最大誤差周波数ポイントxが以下の関係式(2)を満たし、
=(x+xn+1)/2 (2)
前記誤差値が、
Abs[gxn(x)-gxn+1(x)] (3)
の関係式(3)を満たすことを特徴とする請求項4に記載の周波数掃引方法。
【請求項6】
ステップS5において、前記周波数応答のタイプがYパラメータである場合、前記予め設定された評価方法は、
前記サンプリング点のうち、Yパラメータの値が最大となる周波数ポイント最大値xmaxと周波数ポイント最小値xminを選択し、対応する最大値推定曲線gxmax(x)及び最小値推定曲線gxmin(x)を算出するステップS51と、
前記最大値推定曲線gxmax(x)及び前記最小値推定曲線gxmin(x)に基づいて共振点xと反共振点xを取得し、前記共振点xと前記反共振点xを反復使用される前記サンプリング点に追加するステップS52と、
前記最大誤差周波数ポイントの前記評価指標をF(x)と定義し、前記評価指標F(x)が、
F(x)=Abs[gxn(x)-gxn+1(x)] (4)
の関係式(4)を満たすステップS53と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の周波数掃引方法。
【請求項7】
ステップS5において、前記周波数応答のタイプがSパラメータである場合、前記予め設定された評価方法は、
前記周波数応答のSパラメータが第1のSパラメータと第2のSパラメータを含むと定義するステップS51と、
前記第1のSパラメータ及び前記第2のSパラメータの推定曲線の評価指標F11(x)及びF21(x)をそれぞれ計算するステップであって、前記第1のSパラメータの評価指標F11(x)が以下の関係式(5)を満たし、
11(x)=Abs[gxn(x)-gxn+1(x)]/Abs[(gxn(x)+gxn+1(x))] (5)
前記第2のSパラメータの評価指標F21(x)が、
21(x)=Abs[gxn(x)-gxn+1(x)]*Abs[(gxn(x)+gxn+1(x))] (6)
の関係式(6)を満たすステップS52と、
前記最大誤差周波数ポイントの前記評価指標をF(x)と定義するステップであって、前記評価指標F(x)が、
F(x)=F11(x)+F21(x) (7)
の関係式(7)を満たすステップS53と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の周波数掃引方法。
【請求項8】
無線周波数デバイスのシミュレーションに適用される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引システムであって、
周波数ポイントサンプリング数n、周波数ポイント最終サンプリング数n’、及びサンプリング範囲[fmin,fmax]を決定し、予め設定されたシミュレーション方法を使用して前記サンプリング範囲内でサンプリングし、n番目のサンプリング点の周波数応答を算出するために使用され、サンプリング点xでの前記周波数応答はf(x)である初期化モジュールと、
前記周波数応答f(x)の1次導関数と2次導関数を算出するための導関数求めモジュールと、
前記1次導関数と前記2次導関数に基づいて、n番目の前記サンプリング点に対して周波数応答曲線推定を行い、n-1本の推定曲線を取得するために使用され、ここで、サンプリング点xに対応する推定曲線がgxn(x)であり、適用範囲が[xn-1,xn+1]である周波数応答推定モジュールと、
隣接する前記推定曲線gxn(x)とgxn+1(x)との間の最大誤差周波数ポイントxを順に取得するために使用され、n-1個の前記最大誤差周波数ポイントが取得されるまで行い、各前記最大誤差周波数ポイントが誤差値を有する最大誤差計算モジュールと、
予め設定された評価方法に従って各前記最大誤差周波数ポイントの前記誤差値を算出して、各前記最大誤差周波数ポイントの評価指標を取得するための評価モジュールと、
前記評価指標に基づいて順位付けを行い、最初のm個の前記最大誤差周波数ポイントをサンプリング済み点として選択するために使用され、ここで、mはnより小さく、mとnはいずれも0より大きい整数であり、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達していない場合には、前記周波数応答推定モジュールに戻って反復実行し、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達した場合、反復を停止するための反復モジュールと、
全ての前記サンプリング済み点を最終サンプリング点として出力するための出力モジュールと、を備えることを特徴とする自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引システム。
【請求項9】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され前記プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムと、を備え、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行するときに、請求項1~7のいずれか一項に記載の自己適応周波数ポイントサンプリングの方法におけるステップを実現することを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項10】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか一項に記載の自己適応周波数ポイントサンプリングの方法におけるステップを実現することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術の分野に属し、特に自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法、システム及び関連機器に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術の発展に伴い、様々な家電製品における無線周波数デバイスの需要が増加しており、それに応じて、無線周波数デバイスの設計プロセスにおいて、設計者によるシミュレーションソフトウェアの周波数掃引効率と精度に対する要求も高まっている。通常、周波数掃引ポイントを密にすると周波数掃引曲線の精度を向上させることができるが、計算に必要な時間も大幅に増加する。したがって、計算精度を確保しながら計算時間をできるだけ短縮するには、高速化されたアルゴリズムが必要である。
【0003】
有限要素法(finite element method)では、上記の方法の基本原理は、いくつかの典型的な周波数ポイント(frequency point)での周波数応答を計算し、その後、テイラー級数やパデ(Pade)有理近似などの数学的手法を通じて全体の行列を近似拡張して、小さな計算オーバーヘッドで隣接する周波数ポイントの周波数応答を推定する。問題として、AWEなどの方法に基づくテイラー級数の拡張では、サンプリング周波数ポイント付近でのみ高い精度が得られることが多く、サンプリング周波数ポイントから遠く離れた場所や、周波数応答が急激に変化する場所では、周波数応答推定精度が高くないという問題があり、周波数応答が急速に変化する領域は、多くの場合、サンプリングプロセス中に比較的懸念される領域である。
【0004】
実際のシミュレーションでは、多くの場合、通過帯域内などの帯域幅の一部の領域に対してのみ周波数応答の精度が高く要求され、他の領域に対しては周波数応答の精度がそれほど高く要求されない。従来の推定方法では、帯域幅全体を無差別にいくつかの狭い周波数バンドに分割した後、各帯域幅に対して個別に周波数掃引分析を実行するため、依然として効率が低いという問題がある。そのため、従来の推定方法には、周波数応答が急激に変化する箇所で精度が高くない可能性があるという問題がある一方で、サンプリング中の関心のない領域に対して大量の計算リソースが消費されるという問題もあった。さらに、従来の推定方法は、特定の数値シミュレーションアルゴリズムに依存することが多く、例えば、漸近波形評価方法では、周波数とともに変化する電界値の解析表現式を取得するために有限要素法の全体行列を分解する必要がある。このような方法は、明示的な制御方程式が存在しない実験測定や機械学習などの環境には適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、従来の周波数掃引方法が特定の数値に依存し、実験測定や機械学習などのシナリオに適していないという問題を解決する自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法、システム及び関連機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様において、本発明の実施例は、無線周波数デバイスのシミュレーションに適用される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法を提供しており、前記周波数掃引方法は、
周波数ポイントサンプリング数n、周波数ポイント最終サンプリング数n’、及びサンプリング範囲[fmin,fmax]を決定し、予め設定されたシミュレーション方法を使用して前記サンプリング範囲内でサンプリングし、n番目のサンプリング点の周波数応答を計算するステップであって、サンプリング点xでの前記周波数応答はf(x)であるステップS1と、
前記周波数応答f(x)の1次導関数と2次導関数を計算するステップS2と、
前記1次導関数と前記2次導関数に基づいて、n番目の前記サンプリング点に対して周波数応答曲線推定を行い、n-1本の推定曲線を取得するステップであって、サンプリング点xに対応する推定曲線はgxn(x)であり、適用範囲は[xn-1,xn+1]であるステップS3と、
隣接する前記推定曲線gxn(x)とgxn+1(x)との間の最大誤差周波数ポイントxを順に取得するステップであって、n-1個の前記最大誤差周波数ポイントが取得されるまで行い、各前記最大誤差周波数ポイントが誤差値を有するステップS4と、
予め設定された評価方法に従って各前記最大誤差周波数ポイントの前記誤差値を算出して、各前記最大誤差周波数ポイントの評価指標を取得するステップS5と、
前記評価指標に基づいて順位付けを行い、最初のm個の前記最大誤差周波数ポイントをサンプリング済み点として選択するステップであって、mはnより小さく、mとnはいずれも0より大きい整数であり、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達していない場合には、ステップS2に戻って反復実行し、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達した場合、反復を停止するステップS6と、
全ての前記サンプリング済み点を最終サンプリング点として出力するステップS7と、を含む。
【0007】
さらに、ステップS1において、前記予め設定されたシミュレーション方法による前記サンプリング範囲内でのサンプリング形態がいずれも均一サンプリングである。
【0008】
さらに、ステップS2において、前記周波数応答f(x)の1次導関数及び2次導関数の算出に使用される方法が中心差分法である。
【0009】
さらに、ステップS3において、前記推定曲線gxn(x)が、
xn(x)=f(x)+f’(x)*(x-x)+1/2*f”(x)*(x-x (1)
の関係式(1)を満たす。
【0010】
さらに、ステップS4において、前記最大誤差周波数ポイントxが以下の関係式(2)を満たし、
=(x+xn+1)/2 (2)
前記誤差値が、
Abs[gxn(x)-gxn+1(x)] (3)
の関係式(3)を満たす。
【0011】
さらに、ステップS5において、前記周波数応答のタイプがYパラメータである場合、前記予め設定された評価方法は、
前記サンプリング点のうち、Yパラメータの値が最大となる周波数ポイント最大値xmaxと周波数ポイント最小値xminを選択し、対応する最大値推定曲線gxmax(x)及び最小値推定曲線gxmin(x)を算出するステップS51と、
前記最大値推定曲線gxmax(x)及び前記最小値推定曲線gxmin(x)に基づいて共振点xと反共振点xを取得し、前記共振点xと前記反共振点xを反復使用される前記サンプリング点に追加するステップS52と、
前記最大誤差周波数ポイントの前記評価指標をF(x)と定義し、前記評価指標F(x)が、
F(x)=Abs[gxn(x)-gxn+1(x)] (4)
の関係式(4)を満たすステップS53と、を含む。
【0012】
さらに、ステップS5において、前記周波数応答のタイプがSパラメータである場合、前記予め設定された評価方法は、
前記周波数応答のSパラメータが第1のSパラメータと第2のSパラメータを含むと定義するステップS51と、
前記第1のSパラメータ及び前記第2のSパラメータの推定曲線の評価指標F11(x)及びF21(x)をそれぞれ計算するステップであって、前記第1のSパラメータの評価指標F11(x)が以下の関係式(5)を満たし、
11(x)=Abs[gxn(x)-gxn+1(x)]/Abs[(gxn(x)+gxn+1(x))] (5)
前記第2のSパラメータの評価指標F21(x)が、
21(x)=Abs[gxn(x)-gxn+1(x)]*Abs[(gxn(x)+gxn+1(x))] (6)
の関係式(6)を満たすステップS52と、
前記最大誤差周波数ポイントの前記評価指標をF(x)と定義するステップであって、前記評価指標F(x)が、
F(x)=F11(x)+F21(x) (7)
の関係式(7)を満たすステップS53と、を含む。
【0013】
第2態様において、本発明の実施例は、無線周波数デバイスのシミュレーションに適用される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引システムも提供しており、
周波数ポイントサンプリング数n、周波数ポイント最終サンプリング数n’、及びサンプリング範囲[fmin,fmax]を決定し、予め設定されたシミュレーション方法を使用して前記サンプリング範囲内でサンプリングし、n番目のサンプリング点の周波数応答を算出するために使用され、サンプリング点xでの前記周波数応答はf(x)である初期化モジュールと、
前記周波数応答f(x)の1次導関数と2次導関数を算出するための導関数求めモジュールと、
前記1次導関数と前記2次導関数に基づいて、n番目の前記サンプリング点に対して周波数応答曲線推定を行い、n-1本の推定曲線を取得するために使用され、ここで、サンプリング点xに対応する推定曲線がgxn(x)であり、適用範囲が[xn-1,xn+1]である周波数応答推定モジュールと、
隣接する前記推定曲線gxn(x)とgxn+1(x)との間の最大誤差周波数ポイントxを順に取得するために使用され、n-1個の前記最大誤差周波数ポイントが取得されるまで行い、各前記最大誤差周波数ポイントが誤差値を有する最大誤差計算モジュールと、
予め設定された評価方法に従って各前記最大誤差周波数ポイントの前記誤差値を算出して、各前記最大誤差周波数ポイントの評価指標を取得するための評価モジュールと、
前記評価指標に基づいて順位付けを行い、最初のm個の前記最大誤差周波数ポイントをサンプリング済み点として選択するために使用され、ここで、mはnより小さく、mとnはいずれも0より大きい整数であり、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達していない場合には、前記周波数応答推定モジュールに戻って反復実行し、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達した場合、反復を停止するための反復モジュールと、
全ての前記サンプリング済み点を最終サンプリング点として出力するための出力モジュールと、を備える。
【0014】
第3態様において、本発明の実施例は、コンピュータ機器も提供しており、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され前記プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムと、を備え、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行するときに、上記実施例のいずれか一項に記載の自己適応周波数ポイントサンプリングの方法におけるステップを実現する。
【0015】
第4態様において、本発明の実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供しており、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記実施例のいずれか一項に記載の自己適応周波数ポイントサンプリングの方法におけるステップを実現する。
【発明の効果】
【0016】
本発明が達成した有益な効果は、特定の数値方法に依存しない自己適応周波数ポイントサンプリング方法を採用しているため、周波数応答が急速に変化する箇所に対して正確なシミュレーションを行い、他の興味のない領域では大まかなシミュレーションを実行することができ、それによって無線周波数デバイスの設計プロセスの精度と効率を向上させると同時に、周波数応答におけるYパラメータとSパラメータの特性に対して異なる評価指標を使用して、周波数掃引に必要なサンプリング点を削減し、周波数掃引速度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例によって提供される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法のステップフローチャートである。
図2】本発明の実施例によって提供される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法によるSパラメータのサンプリングの模式図である。
図3】本発明の実施例によって提供される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法によるYパラメータのサンプリングの模式図である。
図4】本発明の実施例によって提供される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引システムの構造模式図である。
図5】本発明の実施例によって提供されるコンピュータ機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の目的、技術手段及び利点をさらに明らかにするために、以下に図面及び実施例を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。ここで説明する特定の実施例は本発明を解釈するためにのみ使用され、本発明を限定するためのものではないことが理解されるべきである。
【0019】
図1を参照すると、図1は本発明の実施例によって提供される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法のステップフローチャートであり、前記周波数掃引方法は無線周波数デバイスのシミュレーションに適用され、前記周波数掃引方法には以下のステップが含まれる。
【0020】
S1:周波数ポイントサンプリング数n、周波数ポイント最終サンプリング数n’、及びサンプリング範囲[fmin,fmax]を決定し、予め設定されたシミュレーション方法を使用して前記サンプリング範囲内でサンプリングし、n番目のサンプリング点の周波数応答を算出し、ここで、サンプリング点xでの前記周波数応答はf(x)である。
【0021】
さらに、ステップS1において、前記予め設定されたシミュレーション方法による前記サンプリング範囲内でのサンプリング形態がいずれも均一サンプリングである。
【0022】
具体的には、前記予め設定されたシミュレーション方法は、Matlabなどの任意の数値シミュレーション計算方法であってもよい。
【0023】
S2:前記周波数応答f(x)の1次導関数と2次導関数を算出する。
【0024】
さらに、ステップS2において、前記周波数応答f(x)の1次導関数及び2次導関数の算出に使用される方法が中心差分法である。
【0025】
S3:前記1次導関数と前記2次導関数に基づいて、n番目の前記サンプリング点に対して周波数応答曲線推定を行い、n-1本の推定曲線を取得し、ここで、サンプリング点xに対応する推定曲線はgxn(x)であり、適用範囲は[xn-1,xn+1]である。
【0026】
具体的には、前記1次導関数と前記2次導関数に基づいて、n番目の前記サンプリング点に対して周波数応答曲線推定を行う場合に、隣接する2つの前記サンプリング点ごとに実行され、さらにテイラー公式によって推定でき、前記推定曲線を取得する。
【0027】
さらに、ステップS3において、前記推定曲線gxn(x)が、
xn(x)=f(x)+f’(x)*(x-x)+1/2*f”(x)*(x-x (1)
の関係式(1)を満たす。
【0028】
S4:隣接する前記推定曲線gxn(x)とgxn+1(x)との間の最大誤差周波数ポイントxを順に取得し、n-1個の前記最大誤差周波数ポイントが取得されるまで行い、各前記最大誤差周波数ポイントが誤差値を有する。
【0029】
具体的には、任意の範囲[x,xn+1]における点xについて、いずれもその両側のサンプリング点の推定曲線gxn(x)とgxn+1(x)、つまりgxn(x)とgxn+1(x)によって予測できる。
【0030】
同時に、後続の評価指標及び反復の計算を容易にするために、本発明の実施例は、データ検証を通じて、前記最大誤差周波数ポイントxの値をその計算に使用される前記推定曲線に対応する前記サンプリング点の中点に設定する。
【0031】
さらに、ステップS4において、前記最大誤差周波数ポイントxが以下の関係式(2)を満たし、
=(x+xn+1)/2 (2)
前記誤差値が、
Abs[gxn(x)-gxn+1(x)] (3)
の関係式(3)を満たす。
【0032】
S5:予め設定された評価方法に従って各前記最大誤差周波数ポイントの前記誤差値を算出して、各前記最大誤差周波数ポイントの評価指標を取得する。
【0033】
具体的には、前記周波数応答のパラメータタイプは、SパラメータやYパラメータなど、様々なタイプにすることができるが、異なるパラメータは本質的には2ポートネットワーク以降の2ポートネットワークパラメータと同等であるが、数値を取得するプロセスは異なり、本発明の実施例では、数値のタイプに応じて前記評価指標の計算方法も異なる。
【0034】
さらに、ステップS5において、前記周波数応答のタイプがYパラメータである場合、前記予め設定された評価方法は、
S51:前記サンプリング点のうち、Yパラメータの値が最大となる周波数ポイント最大値xmaxと周波数ポイント最小値xminを選択し、対応する最大値推定曲線gxmax(x)及び最小値推定曲線gxmin(x)を算出し、
S52:前記最大値推定曲線gxmax(x)及び前記最小値推定曲線gxmin(x)に基づいて共振点xと反共振点xを取得し、前記共振点xと前記反共振点xを反復使用される前記サンプリング点に追加し、
S53:前記最大誤差周波数ポイントの前記評価指標をF(x)と定義し、前記評価指標F(x)が、
F(x)=Abs[gxn(x)-gxn+1(x)] (4)
の関係式(4)を満たす。
【0035】
前記共振点x及び前記反共振点xが反復使用される前記サンプリング点に追加されると、サンプリング点によって現れる収集方式は徐々に前記共振点xと前記反共振点xの位置に近づけることで、ターゲットの関心帯域幅の周波数掃引を実現する。
【0036】
これに対応して、本発明はさらに別の実施例を提供し、ステップS5において、前記周波数応答のタイプがSパラメータである場合、前記予め設定された評価方法は、
S51:前記周波数応答のSパラメータが第1のSパラメータと第2のSパラメータを含むと定義し、
S52:前記第1のSパラメータ及び前記第2のSパラメータの推定曲線の評価指標F11(x)及びF21(x)をそれぞれ計算し、前記第1のSパラメータの評価指標F11(x)が以下の関係式(5)を満たし、
11(x)=Abs[gxn(x)-gxn+1(x)]/Abs[(gxn(x)+gxn+1(x))] (5)
前記第2のSパラメータの評価指標F21(x)が、
21(x)=Abs[gxn(x)-gxn+1(x)]*Abs[(gxn(x)+gxn+1(x))] (6)
の関係式(6)を満し、
S53:前記最大誤差周波数ポイントの前記評価指標をF(x)と定義し、前記評価指標F(x)が、
F(x)=F11(x)+F21(x) (7)
の関係式(7)を満たす。
【0037】
S6:前記評価指標に基づいて順位付けを行い、最初のm個の前記最大誤差周波数ポイントをサンプリング済み点として選択し、mはnより小さく、mとnはいずれも0より大きい整数であり、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達していない場合には、ステップS2に戻って反復実行し、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達すると、反復は停止される。
【0038】
具体的には、本発明の実施例は、前記周波数ポイント最終サンプリング数n’を設定し、ステップS2~ステップS6を1回の完全な反復プロセスとし、ここで、毎回反復の後、最初に分割された前記サンプリング点に基づいて周波数推定を再び行うと、前の反復で使用された前記サンプリング点の数よりも多くの計算用の前記サンプリング点が得られ、複数回の反復により、毎回反復で前記評価指標を満たす前記最大誤差周波数ポイントを選択されたサンプリング点とすることで、より少ない周波数ポイントで効率的にターゲット帯域幅をサンプリングする。
【0039】
S7:全ての前記サンプリング済み点を最終サンプリング点として出力する。
【0040】
例示的に、図2及び図3を参照すると、それぞれ本発明の実施例によって提供される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法によるSパラメータ及びYパラメータにおけるサンプリングの模式図であり、ここで、Sパラメータについては、通過帯域内のサンプリング点の接続線が実曲線と高い一致性を持っており、Yパラメータについては、サンプリング点の接続線が実曲線全体と高い一致性を持っている。図2図3の下部の点在する点は毎回サンプリングするときに選択された点であり、そのサンプリングパッチが階層的に変化する。これから、第1パッチのサンプリング点と第2パッチのサンプリング点はいずれも均一なサンプリングを示しているが、第3パッチ以降のサンプリング点は比較的集中した領域に集中しており、図2及び図3では、第3パッチ以降のサンプリング点はいずれもSパラメータの帯域内領域及びYパラメータの共振点、反共振点に近づいていることが分かる。
【0041】
本発明が達成した有益な効果は、特定の数値方法に依存しない自己適応周波数ポイントサンプリング方法を採用しているため、周波数応答が急速に変化する箇所に対して正確なシミュレーションを行い、他の興味のない領域では大まかなシミュレーションを実行することができ、それによって無線周波数デバイスの設計プロセスの精度と効率を向上させると同時に、周波数応答におけるYパラメータとSパラメータの特性に対して異なる評価指標を使用して、周波数掃引に必要なサンプリング点を削減し、周波数掃引速度を向上させる。
【0042】
本発明の実施例は、自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引システムも提供しており、図4を参照すると、図4は本発明の実施例によって提供される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引システムの構造模式図であり、前記自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引システム200は、
周波数ポイントサンプリング数n、周波数ポイント最終サンプリング数n’、及びサンプリング範囲[fmin,fmax]を決定し、予め設定されたシミュレーション方法を使用して前記サンプリング範囲内でサンプリングし、n番目のサンプリング点の周波数応答を算出するために使用され、サンプリング点xでの前記周波数応答はf(x)である初期化モジュール201と、
前記周波数応答f(x)の1次導関数と2次導関数を算出するための導関数求めモジュール202と、
前記1次導関数と前記2次導関数に基づいて、n番目の前記サンプリング点に対して周波数応答曲線推定を行い、n-1本の推定曲線を取得するために使用され、ここで、サンプリング点xに対応する推定曲線がgxn(x)であり、適用範囲が[xn-1,xn+1]である周波数応答推定モジュール203と、
隣接する前記推定曲線gxn(x)とgxn+1(x)との間の最大誤差周波数ポイントxを順に取得するために使用され、n-1個の前記最大誤差周波数ポイントが取得されるまで行い、各前記最大誤差周波数ポイントが誤差値を有する最大誤差計算モジュール204と、
予め設定された評価方法に従って各前記最大誤差周波数ポイントの前記誤差値を算出して、各前記最大誤差周波数ポイントの評価指標を取得するための評価モジュール205と、
前記評価指標に基づいて順位付けを行い、最初のm個の前記最大誤差周波数ポイントをサンプリング済み点として選択するために使用され、ここで、mはnより小さく、mとnはいずれも0より大きい整数であり、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達していない場合には、前記周波数応答推定モジュールに戻って反復実行し、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達した場合、反復を停止するための反復モジュール206と、
全ての前記サンプリング済み点を最終サンプリング点として出力するための出力モジュール207と、を備える。
【0043】
前記自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引システム200は、上記実施例における自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法でのステップを実現することができ、かつ、同様の技術効果を実現することができ、上記実施例における説明を参照して、ここでは詳細を繰り返さない。
【0044】
本発明の実施例は、コンピュータ機器も提供しており、図5を参照すると、図5は本発明の実施例によって提供されるコンピュータ機器の構造模式図であり、前記コンピュータ機器300は、メモリ302と、プロセッサ301と、前記メモリ302に記憶され、前記プロセッサ301によって実行可能なコンピュータプログラムと、を備える。
【0045】
前記プロセッサ301は、前記メモリ302に記憶されたコンピュータプログラムを呼び出して、本発明の実施例によって提供される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法におけるステップを実行する。図1に示すように、具体的には、
周波数ポイントサンプリング数n、周波数ポイント最終サンプリング数n’、及びサンプリング範囲[fmin,fmax]を決定し、予め設定されたシミュレーション方法を使用して前記サンプリング範囲内でサンプリングし、n番目のサンプリング点の周波数応答を計算するステップであって、サンプリング点xでの前記周波数応答はf(x)であるステップS1と、
前記周波数応答f(x)の1次導関数と2次導関数を計算するステップS2と、
前記1次導関数と前記2次導関数に基づいて、n番目の前記サンプリング点に対して周波数応答曲線推定を行い、n-1本の推定曲線を取得するステップであって、サンプリング点xに対応する推定曲線はgxn(x)であり、適用範囲は[xn-1,xn+1]であるステップS3と、
隣接する前記推定曲線gxn(x)とgxn+1(x)との間の最大誤差周波数ポイントxを順に取得するステップであって、n-1個の前記最大誤差周波数ポイントが取得されるまで行い、各前記最大誤差周波数ポイントが誤差値を有するステップS4と、
予め設定された評価方法に従って各前記最大誤差周波数ポイントの前記誤差値を算出して、各前記最大誤差周波数ポイントの評価指標するステップS5と、
前記評価指標に基づいて順位付けを行い、最初のm個の前記最大誤差周波数ポイントをサンプリング済み点として選択するステップであって、mはnより小さく、mとnはいずれも0より大きい整数であり、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達していない場合には、ステップS2に戻って反復実行し、
前記サンプリング済み点の累積数が前記周波数ポイント最終サンプリング数n’に達した場合、反復を停止するステップS6と、
全ての前記サンプリング済み点を最終サンプリング点として出力するステップS7と、を含む。
【0046】
さらに、ステップS1において、前記予め設定されたシミュレーション方法による前記サンプリング範囲内でのサンプリング形態がいずれも均一サンプリングである。
【0047】
さらに、ステップS2において、前記周波数応答f(x)の1次導関数及び2次導関数の算出に使用される方法が中心差分法である。
【0048】
さらに、ステップS3において、前記推定曲線gxn(x)が、
xn(x)=f(x)+f’(x)*(x-x)+1/2*f”(x)*(x-x (1)
の関係式(1)を満たす。
【0049】
さらに、ステップS4において、前記最大誤差周波数ポイントxが以下の関係式(2)を満たし、
=(x+xn+1)/2 (2)
前記誤差値が、
Abs[gxn(x)-gxn+1(x)] (3)
の関係式(3)を満たす。
【0050】
さらに、ステップS5において、前記周波数応答のタイプがYパラメータである場合、前記予め設定された評価方法は、
前記サンプリング点のうち、Yパラメータの値が最大となる周波数ポイント最大値xmaxと周波数ポイント最小値xminを選択し、対応する最大値推定曲線gxmax(x)及び最小値推定曲線gxmin(x)を算出するステップS51と、
前記最大値推定曲線gxmax(x)及び前記最小値推定曲線gxmin(x)に基づいて共振点xと反共振点xを取得し、前記共振点xと前記反共振点xを反復使用される前記サンプリング点に追加するステップS52と、
前記最大誤差周波数ポイントの前記評価指標をF(x)と定義し、前記評価指標F(x)が、
F(x)=Abs[gxn(x)-gxn+1(x)] (4)
の関係式(4)を満たすステップS53と、を含む。
【0051】
さらに、ステップS5において、前記周波数応答のタイプがSパラメータである場合、前記予め設定された評価方法は、
前記周波数応答のSパラメータが第1のSパラメータと第2のSパラメータを含むと定義するステップS51と、
前記第1のSパラメータ及び前記第2のSパラメータの推定曲線の評価指標F11(x)及びF21(x)をそれぞれ計算するステップであって、前記第1のSパラメータの評価指標F11(x)が以下の関係式(5)を満たし、
11(x)=Abs[gxn(x)-gxn+1(x)]/Abs[(gxn(x)+gxn+1(x))] (5)
前記第2のSパラメータの評価指標F21(x)が、
21(x)=Abs[gxn(x)-gxn+1(x)]*Abs[(gxn(x)+gxn+1(x))] (6)
の関係式(6)を満たすステップS52と、
前記最大誤差周波数ポイントの前記評価指標をF(x)と定義するステップであって、前記評価指標F(x)が、
F(x)=F11(x)+F21(x) (7)
の関係式(7)を満たすステップS53と、を含む。
【0052】
本発明の実施例によって提供されるコンピュータ機器300は、上記実施例における自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法でのステップを実現することができ、かつ、同様の技術効果を実現することができ、上記実施例における説明を参照して、ここでは詳細を繰り返さない。
【0053】
本発明の実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供しており、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、本発明の実施例によって提供される自己適応周波数ポイントサンプリングの周波数掃引方法における各プロセス及びステップを実現し、同様の技術効果を実現することができ、繰り返しを避けるため、ここでは詳細を繰り返さない。
【0054】
当業者は、上記実施例の方法におけるプロセスの全部または一部が、コンピュータプログラム命令に関連するハードウェアによって実現可能であることを理解することができる。前記プログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することができ、このプログラムが実行されると、前記各方法の実施例のプロセスを含むことができる。ここで、上記の記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)又はランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)などであってもよい。
【0055】
なお、「備える」、「含む」という用語又はその他の変形は、非排他的な含有をカバーすることを意味し、それにより一連の要素を含むプロセス、方法、製品又は装置は、それら要素だけでなく、明確に挙げられていない他の要素も含み、若しくは、これらのプロセス、方法、製品又は装置に固有する要素も含む。より多くの制限がない場合には、「1つの……を含む」という用語により限定される要素は、前記要素を含むプロセス、方法、製品又は装置に更に別の同じ要素が存在することを排除しない。
【0056】
上記の実施形態の説明により、当業者は、上記実施例の方法がソフトウェアと必要な一般的なハードウェアプラットホームによって実現可能であり、もちろんハードウェアによっても実行可能であるが、多くの場合、前者がより好ましい実施形態であることを明確に理解することができる。このような理解に基づいて、本発明の技術的方案の本質的又は従来技術に寄与する部分は、ソフトウェア製品の形で実現することができ、このコンピュータソフトウェア製品は記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、本発明の各実施例で説明される方法を端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワーク機器などであってもよい)に実行させるための複数の命令を含む。
【0057】
以上、本発明の実施例について図面を参照しながら説明したが、開示されたのは本発明の好ましい実施例に過ぎない。しかし、本発明は上記の特定の実施形態に限定されるものではない。上記の特定の実施形態は限定的なものではなく例示にすぎない。本発明の示唆により、当業者は本発明の主旨と特許請求の範囲によって保護される範囲から逸脱することなく、多くの形態と同等の変更を加えることができ、いずれも本発明の保護の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5