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▶ ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-29
(45)【発行日】2025-10-07
(54)【発明の名称】ハフノセン-チタノセン触媒系
(51)【国際特許分類】
   C08F 4/6592 20060101AFI20250930BHJP
【FI】
C08F4/6592
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020529166
(86)(22)【出願日】2018-12-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 US2018065333
(87)【国際公開番号】W WO2019125880
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-01
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-06
(31)【優先権主張番号】62/599,953
(32)【優先日】2017-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】チェン、リーフォン
(72)【発明者】
【氏名】ピアソン、デイヴィット エム.
(72)【発明者】
【氏名】ティルストン、マイケル ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】カプール、マリドゥーラ
(72)【発明者】
【氏名】レイブ、ロバート エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ホワイテッド、ステファニー エム.
【合議体】
【審判長】細井 龍史
【審判官】岡谷 祐哉
【審判官】加藤 幹
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-505771(JP,A)
【文献】特表2015-501855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレン組成物の作製方法であって、重合反応器内で、エチレン、および任意にコモノマーとして0、1、または複数種の(C~C20)アルファ-オレフィンを、ハフノセン-チタノセン触媒系と接触させて、ポリエチレンホモポリマーまたはエチレン/(C~C20)アルファ-オレフィンコポリマーをそれぞれ、および前記ハフノセン-チタノセン触媒系、またはこれらの副生成物を含む、ポリエチレン組成物を得る重合反応を発生させることを含み、
前記接触工程の前に、前記ハフノセン触媒および前記チタノセン触媒を、別個に別個の反応器入口を介して、前記重合反応器に供給すること、それによって、前記ハフノセン-チタノセン触媒系を、前記重合反応器内でインサイチュで作製すること、を含み、
前記ハフノセン-チタノセン触媒系が、ハフノセン触媒およびチタノセン触媒を含むハフノセン-チタノセン触媒系であって、
前記ハフノセン触媒が、((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)の二塩化ハフニウム、二臭化ハフニウム、およびジアルキルハフニウムの少なくとも1つと、アルキルアルミノキサンとの活性化反応の生成物を含み、式中、添字xは、1または2であり、添字yは、0、1、または2であり、RおよびRは、各々独立して、メチル、エチル、ノルマル-(C~C10)アルキル(直鎖)、またはイソ-(C~C10)アルキルであり、
前記チタノセン触媒が、ビス(シクロペンタジエニル)二塩化チタンとトリアルキルアルミニウムとの活性化反応の生成物を含み、
前記ハフノセン-チタノセン触媒系が、0.1~50または162.49のトリアルキルアルミニウム/Hfモル比、および0.1~5、8.12または32.47のTi/Hfモル比によって特徴付けられる、
ポリエチレン組成物の作製方法。
【請求項2】
(i)外部供給分子状水素ガス(H)は、前記重合反応器に添加されず、前記方法の前記接触工程中に存在しないか、または、
(ii)前記方法は、前記方法の前記接触工程中に、外部供給Hガスを前記重合反応器に添加することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(iii)前記方法は、コモノマーとして(C~C20)アルファ-オレフィンを含まず、エチレンのみに由来する構成単位を含有する前記ポリエチレンホモポリマーを作製するか、または、
(iv)前記方法は、コモノマーとして1種以上の(C~C20)アルファ-オレフィンをさらに含み、エチレンに由来するモノマー構成単位、および1種以上の(C~C20)アルファ-オレフィンコモノマーに由来するコモノマー構成単位それぞれを含有する、前記エチレン/(C~C20)アルファ-オレフィンコポリマーを作製する、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
任意に追加の外部分子状水素ガス(H)の存在下で、任意に誘導縮合剤(ICA)の存在下で、(共)重合条件下で1つ、2つ、またはそれ以上の気相重合反応器内での気相重合を含み、それによって、前記ポリエチレン組成物を作製し、前記(共)重合条件が、60~120℃の反応温度、0.00001~0.25の前記分子状水素ガスと前記エチレンとのモル比、および0.001~0.20の前記コモノマーと前記エチレンとのモル比を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
限定(i)~(vi):
(i)添字xは1であり、かつ添字yは0である、
(ii)添字xおよびyは、各々1である、
(iii)添字xは1であり、かつ添字yは2である、
(iv)添字xは2であり、かつ添字yは0である、
(v)添字xは2であり、かつ添字yは1である、
(vi)添字xは2であり、かつ添字yは2である、
のうちのいずれか1つによって特徴付けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)の二塩化ハフニウム、二臭化ハフニウム、およびジアルキルハフニウムの少なくとも1つは、下記限定(i)~(iv):
(i)ビス(プロピルシクロペンタジエニル)二塩化ハフニウム、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)二臭化ハフニウム、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジメチルハフニウム、およびビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジエチルハフニウムから選択される、
(ii)ビス(プロピルシクロペンタジエニル)二塩化ハフニウムである、
(iii)ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジメチルハフニウムである、
(iv)ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジエチルハフニウムである、
のうちのいずれか1つによって特徴付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記トリアルキルアルミニウムが、限定(i)~(vii):
(i)トリ((C~C)アルキル)アルミニウム、
(ii)トリ((C~C)アルキル)アルミニウム、
(iii)トリ((C~C)アルキル)アルミニウム、
(iv)トリ((C)アルキル)アルミニウム、
(v)トリ((C)アルキル)アルミニウム、
(vi)トリ(2-メチルプロピル)アルミニウム、および
(vii)トリ(ヘキシル)アルミニウム
のうちのいずれか1つから選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ハフノセン触媒が、担体材料上に担持されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ハフノセン触媒、および任意に前記チタノセン触媒が、担体材料上で噴霧乾燥される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ハフノセン-チタノセン触媒系、方法、ポリオレフィン、および物品。
【背景技術】
【0002】
この分野に関する特許としては、US6,242,545B1、US6,258,903 B1、US8,247,588B2、US8,404,612B2、およびUS9,045,569 B2(「JENSEN」)が挙げられる。JENSENの例は、(A)メタロセンプレ触媒化合物または重合活性メタロセン化合物のモル量に対して、(B)チタン含有メタロセン化合物のモル量が増加するにつれて、急速な触媒活性の減衰を示す。そして、ハフノセン触媒によって触媒作用が及ぼされるエチレンおよびアルファ-オレフィンなどのオレフィンの重合は、より高分子量のポリオレフィンを作製することを困難にし得る。
【発明の概要】
【0003】
ハフノセン触媒およびチタノセン触媒を含むハフノセン-チタノセン触媒系であって、ハフノセン触媒が、((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムと、アルキルアルミノキサンとの活性化反応の生成物を含み、式中、添字xは、1または2であり、添字yは、0、1、または2であり、RおよびRは、各々独立して、メチル、エチル、ノルマル-(C~C10)アルキル(直鎖)、またはイソ-(C~C10)アルキルであり、チタノセン触媒が、ビス(シクロペンタジエニル)二塩化チタンとトリアルキルアルミニウムとの活性化反応の生成物を含む、ハフノセン-チタノセン触媒系。ハフノセン触媒は、オレフィンモノマーの重合に触媒作用を及ぼして、ポリオレフィンを作製するために、重合反応器内で活性である。チタノセン触媒は、オレフィンモノマーの水素化に触媒作用を及ぼして、アルカンを作製するために、重合反応器内で同時に活性である。ハフノセンおよびチタノセン触媒は、ハフノセンによって触媒作用が及ぼされるオレフィン重合反応が、副生成物として分子状水素(H)を発生させ得るという意味で相補的に機能するが、一方では、チタノセン触媒によって触媒作用が及ぼされる水素化反応は、そのように発生した分子状水素を消費するように機能し得る。
【0004】
我々はまた、本発明の(プロ)触媒系の作製方法、それと共にオレフィン(コ)モノマー(複数可)の重合方法、その方法によって作製されるポリオレフィン、およびそのポリオレフィンを含有するかまたはそれから作製される製造物品も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
序論、概要、および要約は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
特定の発明の実施形態は、相互参照のために以下に番号が付けられる。
【0007】
態様1.ハフノセン触媒およびチタノセン触媒を含むハフノセン-チタノセン触媒系であって、ハフノセン触媒が、((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムと、アルキルアルミノキサンとの活性化反応の生成物を含み、式中、添字xは、1または2であり、添字yは、0、1、または2であり、RおよびRは、各々独立して、メチル、エチル、ノルマル-(C~C10)アルキル(直鎖)、またはイソ-(C~C10)アルキルであり、チタノセン触媒が、ビス(シクロペンタジエニル)二塩化チタンとトリアルキルアルミニウムとの活性化反応の生成物を含み、ハフノセン-チタノセン触媒系が、0.1~50、あるいは0.5~40、あるいは1.0~34のトリアルキルアルミニウム/Hfモル比、および0.1~5、あるいは0.2~4、あるいは0.5~3のTi/Hfモル比によって特徴付けられる、ハフノセン-チタノセン触媒系。ハフノセン-チタノセン触媒系は、オレフィンモノマー(例えば、エチレン)をさらに含んでもよく、ハフノセン触媒およびチタノセン触媒は、ハフノセン-チタノセン触媒系中のオレフィンモノマーを介して互いに離間している。
【0008】
態様2.限定(i)~(vi):(i)添字xは1であり、かつ添字yは0である、(ii)添字xおよびyは、各々1である、(iii)添字xは1であり、かつ添字yは2である、(iv)添字xは2であり、かつ添字yは0である、(v)添字xは2であり、かつ添字yは1である、(vi)添字xは2であり、かつ添字yは2である、のうちのいずれか1つによって特徴付けられる、態様1に記載のハフノセン-チタノセン触媒系。添字yが0の場合、((R-シクロペンタジエニル)は、非置換シクロペンタジエニルである。
【0009】
態様3.限定(i)~(xxvi)、あるいは(xxvii)~(xxxix):(i)RおよびR2のうちの少なくとも1つは、独立してメチルである、(ii)RおよびR2のうちの少なくとも1つは、独立してエチルである、(iii)RおよびR2のうちの少なくとも1つは、独立してノルマル-(C~C10)アルキル(直鎖)である、(iv)RおよびR2のうちの少なくとも1つは、独立してイソ-(C~C10)アルキルである、(v)Rのうちの少なくとも1つは、独立してノルマル-(C~C10)アルキル(直鎖)またはイソ-(C~C10)アルキルであり、Rのうちの少なくとも1つは、独立してノルマル-(C~C10)アルキル(直鎖)またはイソ-(C~C10)アルキルである、(vi)Rのうちの少なくとも1つは、独立してノルマル-(C~C10)アルキル(直鎖)であり、Rのうちの少なくとも1つは、独立してノルマル-(C~C10)アルキル(直鎖)である、(vii)Rのうちの少なくとも1つは、独立してイソ-(C~C10)アルキルであり、Rのうちの少なくとも1つは、独立してイソ-(C~C10)アルキルである、(viii)((R-シクロペンタジエニル)と((R-シクロペンタジエニル)とは異なる(例えば、一方はプロピルシクロペンタジエニルであり、他方はシクロペンタジエニルまたはメチルシクロペンタジエニルである)、(ix)((R-シクロペンタジエニル)と((R-シクロペンタジエニル)とは同じである(例えば、両方ともプロピルシクロペンタジエニルである)、(x)添字xおよびyは、各々1であり、RおよびRの各々は、同じである、(xi)添字xおよびyは、各々1であり、RおよびRの各々は、同じノルマル(C~C10)アルキルである、(xii)添字xおよびyは、各々1であり、RおよびRの各々は、同じノルマル(C~C)アルキルである、(xiii)添字xおよびyは、各々1であり、RおよびRの各々は、プロピルである、(xiv)二塩化/二臭化/ジアルキルは、二塩化または二臭化、あるいは二塩化である、(xv)二塩化/二臭化/ジアルキルは、ジアルキルであり、アルキルは、各々独立して、(C~C10)アルキル、あるいは(C~C10)アルキル、あるいは(C~C)アルキル、あるいは、(C~C)アルキルである、(xvi)二塩化/二臭化/ジアルキルは、ジアルキルであり、アルキルは、各々独立して、メチル、エチル、1-メチルエチル、プロピル、ブチル、1-メチルプロピル、および2-メチルプロピルから選択される、(xvii)二塩化/二臭化/ジアルキルは、ジアルキルであり、アルキルは、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、およびブチルから選択される、(xviii)二塩化/二臭化/ジアルキルは、ジアルキルであり、アルキルは、各々独立して、メチル、エチル、およびプロピルから選択される、(xix)二塩化/二臭化/ジアルキルは、ジアルキルであり、アルキルは、各々独立して、メチルおよびプロピルから選択される、(xx)二塩化/二臭化/ジアルキルは、ジアルキルであり、アルキルは、各々独立して、メチルおよびエチルから選択される、(xxi)二塩化/二臭化/ジアルキルは、ジアルキルであり、アルキルは、各々メチルである、(xxii)二塩化/二臭化/ジアルキルは、ジアルキルであり、アルキルは、各々エチルである、(xxiii)((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)二塩化ハフニウム、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)二臭化ハフニウム、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジメチルハフニウム、およびビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジエチルハフニウムから選択される、(xxiv)((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)二塩化ハフニウムである、(xxv)((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジメチルハフニウムである、(xxvi)((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジエチルハフニウムである、のうちのいずれか1つ、あるいは、(xxvii)(i)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、(xxviii)(ii)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、(xxix)(iii)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、(xxx)(iv)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、(xxxi)(v)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、(xxxii)(vi)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、(xxxiii)(vii)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、(xxxiv)(viii)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、(xxxv)(ix)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、(xxxvi)(x)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、(xxxvii)(xi)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、(xxxviii)(xii)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、および(xxxix)(xiii)と(xiv)~(xxii)のうちのいずれか1つの両方、あるいは(xxiii)~(xxvi)のうちのいずれか1つ、のうちのいずれか1つによって特徴付けられる、態様1または2に記載のハフノセン-チタノセン触媒系。
【0010】
態様4.トリアルキルアルミニウムが、限定(i)~(vii):(i)トリ((C~C)アルキル)アルミニウム、(ii)トリ((C~C)アルキル)アルミニウム、(iii)トリ((C~C)アルキル)アルミニウム、(iv)トリ((C)アルキル)アルミニウム、(v)トリ((C)アルキル)アルミニウム、(vi)トリ(2-メチルプロピル)アルミニウム(すなわち、トリ(イソブチル)アルミニウム、T2MPAlとしても知られている)、および(vii)トリ(ヘキシル)アルミニウム(トリ(n-ヘキシル)アルミニウムまたはTnHalまたはTnHAlとしても知られている)のうちのいずれか1つから選択される、態様1~3のいずれか1つに記載のハフノセン-チタノセン触媒系。
【0011】
態様5.ハフノセン触媒が、担体材料上に担持(配置)されている、態様1~4のいずれか1つに記載のハフノセン-チタノセン触媒系。担体材料は、脱水未処理多孔質シリカを含んでもよく、内側および外側表面は親水性である。担持された((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、シリカ(脱水、多孔質、未処理)を、((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムの飽和および/または芳香族炭化水素(例えば、トルエンおよび/またはヘプタン)溶液中で懸濁して、混合物を形成し、次いで、混合物を真空下で濃縮して、担持された((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムを得ることを含む、濃縮方法によって作製され得、それは、メチルアルミノキサンと接触させることによって、続いて活性化され得る。
【0012】
態様6.ハフノセン触媒、および任意にチタノセン触媒が、担体材料上で噴霧乾燥される(噴霧乾燥によって配置される)、態様1~4のいずれか1つに記載のハフノセン-チタノセン触媒系。あるいは、((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、チタノセン触媒の不在下で、担体材料上で噴霧乾燥され得、次いで、噴霧乾燥された((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウム/担体材料は、アルキルアルミノキサンと接触して、噴霧乾燥された担体材料上にハフノセン触媒を作製し得る。担体材料は、多孔性である、脱水未処理シリカを含み得、内側および外側表面は親水性であるか、または担体材料は、疎水性前処理ヒュームドシリカを含み得、内側および外側表面は、疎水化剤を用いる前処理によって疎水性になっている。噴霧乾燥されたハフノセン触媒または((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、脱水未処理シリカまたは(疎水化剤で前処理された)疎水性前処理シリカを、ハフノセン触媒または((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムの飽和および/または芳香族炭化水素液体(例えば、ヘキサン、ヘプタン、鉱油、および/またはトルエン)溶液中で懸濁して、これらのそれぞれの混合物を形成することと、混合物を噴霧乾燥して、未処理または疎水性前処理シリカ上に、噴霧乾燥されたハフノセン触媒または噴霧乾燥された((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムを得ることと、を含む、噴霧乾燥方法によって作製され得る。噴霧乾燥された((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、続いて前者を、アルキルアルミノキサンと接触させることによって、担体材料上で活性化され得る。アルキルアルミノキサンは、メチルアルミノキサン(MAO)、変性MAO、またはシリカ担持されたMAOであり得る。ハフノセン触媒は、担持されていなくても/噴霧乾燥されていなくてもよく、または担持されていても、または噴霧乾燥されていてもよい。担持されたハフノセン触媒は、噴霧乾燥方法の代わりに濃縮方法によって作製され得る。濃縮方法は、シリカ(脱水、多孔質、未処理)を、ハフノセン触媒、またはアルキルアルミノキサンおよび((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムのアルカン(複数可)および/または芳香族炭化水素液体(例えば、ヘキサン、ヘプタン、鉱油、および/またはトルエン)溶液中で懸濁して、混合物を形成することと、次いで、混合物を真空下で濃縮して、担持されたハフノセン触媒を得ることと、を含み得る。
【0013】
態様7.ハフノセン-チタノセン触媒系の作製方法であって、((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムを、アルキルアルミノキサン、および任意に担体材料、および任意に式:MQ(OCR)の金属カルボン酸塩(式中、M、Q、R、m、およびnは、後で定義される通り)と接触させて、ハフノセン触媒を得ることと、次いで、ハフノセン触媒を、ビス(シクロペンタジエニル)二塩化チタンとトリアルキルアルミニウムとの活性化反応によって作製されたチタノセン触媒と接触させることと、を含み、それによって、チタン触媒およびハフノセン-チタノセン触媒系を得る、方法。ハフノセン-チタノセン触媒系は、態様1~6に記載のいずれか1つであり得る。いくつかの実施形態では、担体材料および金属カルボン酸塩は、接触工程および得られるハフノセン-チタノセン触媒系に含まれる。ハフノセン触媒およびチタノセン触媒は、互いに別個に作製され、次いで一緒にされて、ハフノセン-チタノセン触媒系を得る。ハフノセン触媒、および任意にチタノセン触媒は、噴霧乾燥され得、あるいは上記のように担体材料上に担持され得る。活性化反応は、独立して、不活性ガス雰囲気下、かつアルカン、2種以上のアルカンの混合物、鉱物油、トルエン、エチルベンゼン、またはキシレンなどのアルキル置換ベンゼン、またはこれらの任意の2種以上の混合物などの飽和および/または芳香族炭化水素溶媒中で行われ得る。ハフノセン触媒および/またはチタノセン触媒は、飽和および/または芳香族炭化水素溶媒をそれから除去することによって、独立して乾燥されて、その乾燥された粒子状固体形態をそれぞれ得ることができ、次いで、共に接触させて、ハフノセン-チタノセン触媒系の乾燥された粒子状固体形態を得ることができる。あるいは、ハフノセン-チタノセン触媒系は、飽和および/または芳香族炭化水素溶媒中で形成され得、次いで、それから溶媒を除去して、ハフノセン-チタノセン触媒系の乾燥された粒子状固体形態を得る。
【0014】
態様8.ポリエチレン組成物の作製方法であって、重合反応器内で、エチレン(モノマー)、および任意に0、1、または複数種の(C~C20)アルファ-オレフィン(コモノマー)を、態様1~6のいずれか1つに記載の、または態様7の方法によって作製されたハフノセン-チタノセン触媒系と接触させて、ポリエチレンホモポリマーまたはエチレン/(C~C20)アルファ-オレフィンコポリマーをそれぞれ、およびハフノセン-チタノセン触媒系、またはこれらの副生成物を含む、ポリエチレン組成物を得る重合反応を発生させる、方法。理論に拘束されることを望むものではないが、生成物である、ポリエチレンホモポリマーまたはエチレン/(C~C20)アルファ-オレフィンコポリマーの特性、例えば、Iを制御するためなど、Hが重合反応の副産物としてインサイチュで発生したかどうか、または外部供給Hが意図的に重合反応器に添加されたかどうかにかかわらず、ハフノセン触媒は、モノマーおよび/または任意のコモノマー(複数可)の重合速度を増強または増加させる方法において機能し、チタノセン触媒は、分子状水素(H)の消費速度を増強または増加させる方法において機能すると考えられる。重合反応は、接触工程中および有効な重合条件下で行われる。重合反応は、気相または液相中で行われ得る。液相は、スラリー相または溶液相であり得る。本方法は、工程(i)~(iii):(i)ハフノセン触媒およびチタノセン触媒は、別個の混合槽内で予備混合され、次いで、予備混合物は、重合反応器に供給される、(ii)ハフノセン触媒およびチタノセン触媒は、例えば、反応器に流入する供給ライン内で共に接触するなど、重合反応器に入る直前に互いに接触する、および(iii)ハフノセン触媒およびチタノセン触媒は、別個の入口位置を介して、重合反応器に別個に供給され、それによって、インサイチュでハフノセン-チタノセン触媒系を作製する、のうちのいずれか1つによって特徴付けられ得る。工程(ii)では、ハフノセン触媒とチタノセン触媒は、>0~5分間、あるいは>0~3分間、あるいは>0~1分間、互いに接触して、任意に、アルカンまたはアルカレン溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、鉱油)と接触するが、オレフィンモノマーとは接触せずに、ハフノセンおよびチタノセン触媒を含む、あるいはそれらから本質的になる、あるいはそれらからなる予備混合物を形成し得、次いで、予備混合物は、エチレン、任意に(C~C20)アルファ-オレフィンと接触する。このような第2の接触工程の後、ハフノセンおよびチタノセン触媒は、エチレン、任意に(C~C20)アルファ-オレフィンによって、互いに離間し得る。実施形態(iii)でインサイチュで作製されたハフノセン-チタノセン触媒系のハフノセン触媒およびチタノセン触媒は、重合反応器内で、エチレン、および存在する場合は、(C~C20)アルファ-オレフィン(コモノマー(複数可))によって、互いに離間している。いくつかの態様では、本方法は、エチレンと1種以上の(C~C20)アルファ-オレフィン(コモノマー)とを共重合して、エチレン/(C~C20)アルファ-オレフィンコポリマー組成物を得る。(C~C20)アルファ-オレフィン由来のコモノマー構成単位は、1-ブテン、あるいは1-ヘキセン、あるいは1-オクテン、あるいはこれらの任意の2種の組み合わせに由来し得る。いくつかの態様では、本発明のポリオレフィンのMwの増加の程度は、少なくとも部分的に、外部供給Hが反応器に添加されるかどうかの関数であり得る。例えば、外部供給Hが反応器に添加されない場合、本発明のMwは、外部供給Hが反応器に添加されない場合の比較Mwよりも少なくとも5%高くなり得る。外部供給Hが反応器に添加される場合、本発明のMwは、外部供給Hが反応器に添加される場合の比較Mwよりも少なくとも10%高くなり得る。理論に拘束されることを望むものではないが、外部添加Hの不在下での(共)重合条件下では、ハフノセン触媒の触媒活性が有意に低下することが予測され、ハフノセン-チタノセン触媒系をエチレンおよびアルファ-オレフィンと接触させる前に、同量のハフノセン触媒が増加する量のチタノセン触媒と予備混合されて、増加するチタノセン触媒とハフノセン触媒とのモル比を有する予備混合物を形成し、次いで、予備混合物は、(共)重合条件下でエチレンおよびアルファ-オレフィンと接触する。有益なことに、ハフノセン触媒とチタノセン触媒とを予備混合せずに、その代わりに、ハフノセン触媒およびチタノセン触媒を、重合反応器内の離間した場所に、別個に添加することによって、ハフノセン触媒の触媒活性の低下は、実質的に減衰または防止され得る。
【0015】
態様9.限定(i)~(iv):(i)外部供給(反応器外からの)分子状水素ガス(H)は、重合反応器に添加されず、本方法の接触工程中に存在しない、(ii)本方法は、本方法の接触工程中に、外部供給Hガスを重合反応器に添加することをさらに含む、(iii)本方法は、(C~C20)アルファ-オレフィン(コモノマー(複数可))を含まず、エチレンのみに由来する構成単位を含有するポリエチレンホモポリマーを作製する、(iv)本方法は、1種以上の(C~C20)アルファ-オレフィン(コモノマー(複数可))をさらに含み、エチレンに由来するモノマー構成単位、および1種以上の(C~C20)アルファ-オレフィンコモノマーに由来するコモノマー構成単位それぞれを含有する、エチレン/(C~C20)アルファ-オレフィンコポリマーを作製する、のうちのいずれか1つ、あるいは、(v)~(viii):(v)(i)と(iii)の両方、(vi)(i)と(iv)の両方、(vii)(ii)と(iii)の両方、および(viii)(ii)と(iv)の両方、のうちのいずれか1つ、によって特徴付けられる、態様8に記載の方法。理論に拘束されることを望むものではないが、本発明の方法によって作製されるエチレン/(C~C20)アルファ-オレフィンコポリマーは、比較の方法がチタノセン触媒を含まない、例えばTiを含まないことを除いて、本発明の方法と同じである比較の方法によって作製される比較のコポリマーのMwよりも高いMwを有すると考えられる。
【0016】
態様10.任意に追加の外部分子状水素ガス(H2)の存在下で、任意に誘導縮合剤(ICA)の存在下で、(共)重合条件下で、1つ、2つ、またはそれ以上の気相重合反応器内での気相重合を含み、それによって、ポリエチレン組成物を作製する、態様8または9に記載の方法。(共)重合条件は、60度(°)~12°摂氏(C.)、あるいは80℃~110℃の反応温度、0.00001~0.25、あるいは0.000030~0.00010、あるいは0.0001~0.20、あるいは0.001~0.050の分子状水素ガスとエチレンとのモル比(H/Cモル比)、および0.001~0.20、あるいは0.002~0.14、あるいは0.005~0.10のコモノマーとエチレンとのモル比(C/C)を含む。
【0017】
態様11.接触工程の前に、本方法が、工程(i)~(iii):(i)ハフノセン触媒とチタノセン触媒とを別個の混合槽内で予備混合して、これらの予備混合物を作製すること、予備混合物を2時間~7日間熟成して、熟成予備混合物を作製すること、および次いで、熟成予備混合物を重合反応器に供給すること、(ii)ハフノセン触媒とチタノセン触媒とを互いに混合機(例えば、インライン混合器)内で予備混合して、これらの未熟成予備混合物を作製すること、および予備混合の120分以内(あるいは90分未満、あるいは59分未満、あるいは11分未満、あるいは5分未満)に、未熟成予備混合物を重合反応器に供給すること、(iii)ハフノセン触媒およびチタノセン触媒を、別個に別個の反応器入口(反応器で離間する別個の注入器)を介して、重合反応器に供給すること、それによって、ハフノセン-チタノセン触媒系を、重合反応器内でインサイチュで作製すること、のうちのいずれか1つをさらに含む、態様8~10のいずれか1つに記載の方法。
【0018】
態様12.態様8、9、10、または11に記載の方法によって作製されたポリエチレン組成物。
【0019】
態様13.態様12に記載のポリエチレン組成物の成形形態を含む、製造物品。製造物品は、コーティング、フィルム、シート、押出物品、射出成形物品、(例えば、コーティングされた物品の)コーティング層、パイプ、フィルム(例えば、インフレーションフィルム)、農業用フィルム、食品包装、ガーメントバッグ、食料品袋、頑丈な袋、工業用シート、パレットおよびシュリンクラップ、袋、バケツ、冷凍コンテナ、蓋、および玩具であり得る。
【0020】
ハフノセン-チタノセン触媒系は、ハフノセンまたはチタノセン触媒の実施形態ではない細かく分割された固体を含まない均質系であり得る。均質系は、(C~C12)アルカン、鉱油、アルカレン(例えば、トルエンまたはキシレン)、またはこれらの任意の2種以上の混合物などの非プロトン性炭化水素液体中のハフノセン-チタノセン触媒系の溶液を含み得、MgClなどの支持材料を含まず、アルミナ、粘土、またはシリカなどの担体材料を含まない。あるいは、ハフノセン-チタノセン触媒系は、MgClなどの支持材料および/またはアルミナ、粘土、またはシリカなどの担体材料である、細かく分割された固体上に、担持された、または噴霧乾燥された、あるいは噴霧乾燥形態のハフノセン触媒と、同じあるいは異なる細かく分割された固体上に、独立して、担持されていない、担持された、または噴霧乾燥形態のチタノセン触媒と、を含む不均質系であり得る。いくつかの実施形態では、ハフノセン-チタノセン触媒系は、シリカをさらに含み、ハフノセン触媒は、シリカ上で噴霧乾燥され、チタノセン触媒は、シリカを含まず、任意に、噴霧乾燥されたハフノセン触媒およびチタノセン触媒は、別個の入口位置を介して、重合反応器に別個に供給され、それによって、インサイチュでハフノセン-チタノセン触媒系を作製する。
【0021】
いくつかの実施形態では、ハフノセン-チタノセン触媒系および重合方法は、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル、ジカルボニルシクロペンタジエニルコバルト(CCo(CO)))、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル、またはコバルト(II)2-エチルヘキサノエートなどの非チタノセン水素化触媒をさらに含み得るか、またはチタンテトラブトキシドなどのチタンアルコキシドをさらに含み得る。
【0022】
ハフノセン-チタノセン触媒系は、ジルコニウムを含まなくてもよい。
【0023】
ハフノセン-チタノセン触媒系は、金属カルボン酸塩をさらに含み得、金属カルボン酸塩は、式:MQ(OCR)で表され、式中、Mは、元素周期表の第2族または第13族の金属原子であり、Qは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シロキシ、シリル、またはスルホネート基であり、Rは、(C~C30)ヒドロカルビルであり、添字mは、0~3の整数であり、添字nは、1~3の整数であり、添字mとnの合計は、Mの原子価と同じである。いくつかの態様では、Mは、第2族の金属原子、あるいはMgまたはCa、あるいはMg、あるいはCa、あるいは第13族の金属原子、あるいはBまたはAl、あるいはB、あるいはAlである。いくつかの態様では、Qは、ハロゲン、あるいはヒドロキシ、あるいはアルキル、アルコキシ、またはアリールオキシ、あるいはアルキル、あるいはアルコキシ、あるいはアリールオキシ、あるいはシロキシまたはシリル、あるいはシロキシ、あるいはシリル、あるいはスルホネート基である。いくつかの態様では、添字mは、0~2、あるいは1~3、あるいは1または2、あるいは2または3、あるいは0、あるいは1、あるいは2、あるいは3の整数である。いくつかの態様では、添字nは、1~3、あるいは2~4、あるいは1または2、あるいは3、あるいは1、あるいは2の整数である。いくつかの態様では、添え字mとnの合計は、Mの原子価に等しく、それは、2あるいは3に等しい。
【0024】
((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウム。((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化ハフニウム、((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二臭化ハフニウム、または((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)ジアルキルハフニウム。((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、US6,242,545B1、ならびにカラム3の48~60行目で参照される米国特許、欧州公開特許、およびPCT公開特許に記載されているものなどの任意の好適な方法によって調製され得る。いくつかの実施形態では、((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、商業的供給源から入手され得る。他の実施形態では、((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、任意の適切な方法に従って合成され得る。
【0025】
((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムの合成の実例は、それぞれ式(PrCp)HfCl、(PrCp)HfBr、または(PrCp)Hf(CHの化合物である、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムの合成であり、式中、PrCpは、式CHCHCH-[C -1]のプロピルシクロペンタジエニルアニオンである。ビス(プロピルシクロペンタジエニル)二塩化ハフニウムは、2モル当量のプロピルシクロペンタジエニルアニオンを作製するのに十分な条件下で、非プロトン性溶媒中で、2モル当量のプロピルシクロペンタジエンを2モル当量のアルキルリチウムと接触させることによって合成され得る。次いで、2モル当量のプロピルシクロペンタジエニルアニオンは、それぞれ1モル当量のビス(プロピルシクロペンタジエニル)二塩化ハフニウムまたは1モル当量のビス(プロピルシクロペンタジエニル)二臭化ハフニウム、および副生成物としてそれぞれ2モル等量の塩化リチウムまたは臭化リチウムを作製するのに十分な条件下で、非プロトン性溶媒中で、1モル当量の四塩化ハフニウムまたは四臭化ハフニウムと接触し得る。1モル等量のビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジメチルハフニウムは、1モル等量のビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジメチルハフニウム、および副生成物としてそれぞれ別の2モル等量の塩化リチウムまたは臭化リチウムを作製するのに十分な条件下で、非プロトン性溶媒中で、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)二塩化ハフニウムまたはビス(プロピルシクロペンタジエニル)二臭化ハフニウムを2モル等量のメチルリチウムと接触させることによって作製され得る。プロピルシクロペンタジエンは、商業的供給源から入手され得るか、またはアルキルシクロペンタジエンを作製するための任意の好適な既知の方法によって合成され得る。メチルリチウムは、それぞれジエチル、ジプロピル、ジブチルなどであるビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジアルキルハフニウムを合成する場合、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウムなどの別のアルキルリチウムで置換され得る。非プロトン性溶媒は、アルカン(複数可)またはアルキルエーテルであり得る。アルカンは、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、または鉱油であり得る。アルキルエーテルは、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、または1-4-ジオキサンであり得る。上記の化合物を作製するのに十分な条件は、不活性ガス雰囲気、好適な温度、ならびにシュレンクライン技術などの空気および/または湿気に敏感な反応を取り扱うための適切な技術であり得る。不活性ガス雰囲気の不活性ガスは、無水分子状窒素、ヘリウム、アルゴン、またはこれらの任意の2種以上の組み合わせのガスであり得る。好適な温度は、-100℃~25℃、あるいは-78℃~5℃、あるいは-50℃~-5℃であり得る。
【0026】
ハフノセン-チタノセン触媒系は、気相および液相オレフィン重合反応で使用されて、モノマーおよび/またはコモノマー(複数可)の重合速度を増強させ得る。液相反応には、スラリー相および溶液相が含まれる。いくつかの態様では、オレフィン重合反応は、気相、あるいは液相、あるいはスラリー相、あるいは溶液相中で行われる。気相および液相オレフィン重合反応のための条件は、一般的に周知である。説明のために、気相オレフィン重合反応のための条件が以下に記載される。
【0027】
重合は、高圧、液相、または気相重合反応器内で行われて、本発明のポリエチレン組成物を得る。このような反応器および方法は、一般的に当技術分野において周知である。例えば、液相重合反応器/方法は、US3,324,095号に記載されているような溶液相またはスラリー相であり得る。気相重合反応器/方法は、撹拌床気相重合反応器(SB-GPP反応器)および流動床気相重合反応器(FB-GPP反応器)ならびに誘導縮合剤を用いてもよく、US4,453,399、US4,588,790、US4,994,534、US5,352,749、US5,462,999、およびUS6,489,408に記載されているような縮合モード重合で行われる。気相重合反応器/方法は、US3,709,853、US4,003,712、US4,011,382、US4,302,566、US4,543,399、US4,882,400、US5,352,749、US5,541,270、EP-A-0802 202、およびベルギー特許第839,380号に記載されているような流動床反応器/方法であり得る。これらの特許は、重合媒体が、気体モノマーおよび希釈剤の連続流によって機械的に撹拌されるかまたは流動化される、気相重合プロセスについて開示している。他の有用な気相プロセスとしては、US5,627,242、US5,665,818、US5,677,375、EP-A-079420号、EP-B1-0649 992、EP-A-0802202、およびEP-B-634421に記載されているような直列または多段重合プロセスが挙げられる。
【0028】
例示的な実施形態では、重合方法は、エチレン/アルファ-オレフィンコポリマーの粉末の流動床を含有する反応容器と、底部ヘッドの上に配置された分配器板と、を含み、底部ガス入口を定義し、反応容器上部に拡張セクションまたはサイクロンシステムを有する、パイロット規模の流動床気相重合反応器(パイロット反応器)を使用して、流動床から漏れ得る樹脂微粒子の量を減少させる。拡張セクションは、ガス出口を定義する。パイロット反応器は、反応容器の上部にある拡張セクションのガス出口周辺から、パイロット反応器の底部のガス入口まで、そしてガス入口へ、分配器板および流動床を通って、継続的にガスを循環またはループさせるのに十分なパワーの圧縮機ブロワーをさらに備えている。パイロット反応器は、重合熱を除去し、流動床を目標温度に維持するための冷却システムをさらに備えている。エチレン、任意にアルファ-オレフィン、任意に水素、および任意に酸素などの、パイロット反応器に供給されるガスの組成は、ポリマー特性の制御を定義し、可能にする特定の濃度を維持するように、循環ループ内のインラインガスクロマトグラフによって監視される。ガスが冷却され得ると、温度が露点を下回り、その時点で、パイロット反応器が縮合モード操作(CMO)または誘導縮合モード操作(ICMO)になる。CMOでは、液体は冷却器の下流で、分配器板の下の底部ヘッド内に存在する。ハフノセン-チタノセン触媒系は、高圧装置からパイロット反応器にスラリーまたは乾燥粉末として供給され得、スラリーは、シリンジポンプを介して供給され、乾燥粉末は、計量ディスクを介して供給される。触媒系は、典型的には、その床高さの下1/3で流動床に入る。パイロット反応器は、流動床の重量を測定する方法、および重合反応の進行に伴う流動床重量の増加に応じて、反応容器からエチレン/アルファ-オレフィンコポリマーの粉末を排出するための分離ポート(生成物排出システム)をさらに備えている。
【0029】
(共)重合条件。本発明のポリエチレン組成物を得るための、重合反応器(複数可)における本発明の共重合方法に有効かつ有用である、触媒組成、反応物の量、2種の反応物のモル比、妨害物質(例:HOおよびO)が存在しない、またはプロセスパラメータ(例えば、供給速度または温度)、工程、または順序などの、任意の結果に有効な変数またはこれらの変数の組み合わせ。
【0030】
本発明のポリエチレン組成物の生成中に、(共)重合条件のうちの少なくとも1つ、あるいは各々は、固定され得る(すなわち、変化しない)。このような固定された(共)重合条件は、本明細書では、定常状態(共)重合条件と称され得る。定常状態(共)重合条件は、同じポリマー特性を有する本発明のポリエチレン組成物の実施形態を連続的に作製するのに有用である。
【0031】
あるいは、(共)重合条件のうちの少なくとも1つ、あるいは2つ以上は、本発明のポリエチレン組成物の生成中に、定義された操作パラメータ内で変化して、第1のポリマー特性のセットを有する本発明のポリエチレン組成物の第1の実施形態の生成から、非発明のポリエチレン組成物または第2のポリマー特性のセットを有する本発明のポリエチレン組成物の第2の実施形態へ移行し得、第1および第2のポリマー特性のセットは異なり、各々本発明のポリエチレン組成物のための本明細書に記載される限定の範囲内である。例えば、他の全ての(共)重合条件が等しいと、共重合の本発明の方法における、より高い(C~C20)アルファ-オレフィンコモノマー/エチレン供給のモル比は、得られた生成物である本発明のポリエチレン組成物のより低い密度をもたらす。(共)重合条件のあるセットから別のセットへ移行することは、(共)重合条件の両方のセットの操作パラメータが、本明細書で定義される範囲内であるため、「(共)重合条件」の意味の範囲内で容認される。有益なことに、当業者は、本明細書の移行することの教示を考慮して、本発明のポリエチレン組成物について任意の記載された特性値を達成し得る。
【0032】
気相または液相反応器/方法のための(共)重合条件は、連鎖移動剤、促進剤、または捕捉剤などの1種以上の添加剤をさらに含み得る。連鎖移動剤は、周知であり、ジエチル亜鉛などのアルキル金属であり得る。促進剤は、US4,988,783などで周知であり、クロロホルム、CFCl3、トリクロロエタン、およびジフルオロテトラクロロエタンを含み得る。捕捉剤は、トリアルキルアルミニウムであり得る。スラリーまたは気相重合は、捕捉剤を含まずに(計画的に添加されずに)操作され得る。気相反応器/重合のための(共)重合条件は、一定量(例えば、反応器への全ての供給物に基づいて0.5~200ppm)の静電気制御剤および/またはステアリン酸アルミニウムまたはポリエチレンイミンなどの連続性添加剤をさらに含み得る。静電気制御剤は、気相反応器に添加されて、その中の静電荷の形成または蓄積を抑制し得る。
【0033】
(共)重合条件は、分子状水素を使用して、ポリエチレン組成物の最終特性を制御することをさらに含み得る。このようなHの使用は、一般的に、ポリプロピレンハンドブック76-78(Hanser Publishers,1996)に記載されている。他の全てが等しい場合、水素を使用すると、そのメルトフローレート(MFR)またはメルトインデックス(MI)を増加させることができ、MFRまたはMIは、水素の濃度によって影響を受ける。水素と全モノマーとのモル比(H/モノマー)、水素とエチレンとのモル比(H/C)、または水素とコモノマーとのモル比(H/C)は、0.0001~10、あるいは0.0005~5、あるいは0.001~3、あるいは0.001~0.10であり得る。
【0034】
(共)重合条件は、独立して、重合反応器(複数可)内で、690~3450キロパスカル(kPa、100~500ポンド/平方インチ絶対圧(psia))、あるいは1030~2070kPa(150~300psia)、あるいは1380~1720kPa(200~250psia)、あるいは1450~1590kPa(210~230psia)、例えば1520kPa(220psia)のエチレンの分圧を含み得る。1.000psia=6.8948kPa。
【0035】
いくつかの態様では、気相重合は、関連する気相流動床重合条件下で、流動床気相重合(FB-GPP)反応器内で行われる。このような条件は、FB-GPP反応器における重合反応、またはそれによって作製されるエチレン/アルファ-オレフィンコポリマー生成物の組成もしくは特性に影響を及ぼし得る任意の変数または変数の組み合わせである。変数としては、反応器の設計およびサイズ、触媒の組成および量、反応物の組成および量、2つの異なる反応物のモル比、Hおよび/またはOなどの供給ガスの存在の有無、供給ガス対反応物のモル比、妨害物質(例えば、HO)の不在または濃度、誘導縮合剤(ICA)の存在の有無、反応器内の平均ポリマー滞留時間(avgPRT)、成分の分圧、モノマーの供給速度、反応器床温度(例えば、流動床温度)、プロセス工程の性質または順序、工程間の移行時間を挙げることができる。本発明の方法を実行する場合、本発明の方法によって説明または変更されるもの以外の変数は、一定に保たれ得る。
【0036】
FB-GPP反応器に供給されるコモノマーおよびエチレンのコモノマー/エチレンガスモル比C/Cは、0.0001~0.20、あるいは0.0001~0.1、あるいは0.0002~0.05、あるいは0.0004~0.02であり得る。コモノマーが1-ヘキセンである場合、CはCである。
【0037】
FB-GPP反応器内のエチレン分圧。690~2070キロパスカル(kPa、すなわち100~300psia(ポンド/平方インチ絶対圧))、あるいは830~1655kPa(120~240psia)、あるいは1300~1515kPa(190~220psia)。あるいは、エチレンの分圧は、690~3450キロパスカル(kPa、100~500ポンド/平方インチ絶対圧(psia))、あるいは1030~2070kPa(150~300psia)、あるいは1380~1720kPa(200~250psia)、あるいは1450~1590kPa(210~230psia)、例えば1520kPa(220psia)であり得る。1.000psia=6.8948kPa。
【0038】
FB-GPP反応器内のH/Cガスモル比は、0.00001~0.25であり得る。
【0039】
FB-GPP反応器内のエチレンに対する酸素(O)濃度(「O/C」、O体積部/エチレン100万体積部(ppmv))。いくつかの実施形態では、O/Cは、0.0000~0.20ppmv、あるいは0.0001~0.200ppmv、あるいは0.0000~0.183ppmv、あるいは0.0000~0.163ppmvである。
【0040】
FB-GPP反応器内の反応器床温度は、80℃~120℃、あるいは81℃~115℃、あるいは84℃~110℃であり得る。
【0041】
ポリマーの平均滞留時間(平均PRT)。FB-GPP反応器内でのポリマー生成物の平均滞留分数または時間数。平均PRTは、30分~10時間、あるいは60分~5時間、あるいは90分~4時間、あるいは1.7~3.0時間であり得る。
【0042】
再作動したFB-GPP反応器の始動もしくは再始動(冷始動)、または移行中のFB-GPP反応器の再始動(温始動)は、工程(a)の定常状態の重合条件に到達する前である期間を含む。始動または再始動は、流動床反応器にそれぞれ予備充填または充填されたポリマー種床の使用を含み得る。ポリマー種床は、ポリエチレンホモポリマーまたはエチレン/アルファ-オレフィンコポリマーなどのポリエチレンの粉末から構成され得る。
【0043】
FB-GPP反応器の始動または再始動はまた、乾燥(無水)不活性パージガスで反応器から空気または他の不要なガス(複数可)をパージし、続いて乾燥エチレンガスでFB-GPP反応器から乾燥不活性パージガスをパージすることを含むガス雰囲気移行も含み得る。乾燥不活性パージガスは、本質的に、分子状窒素(N)、アルゴン、ヘリウム、またはこれらの任意の2種以上の混合物からなり得る。操作中でない場合、始動(冷始動)前に、FB-GPP反応器は、空気雰囲気を含有する。乾燥不活性パージガスを使用して、始動の初期段階中に再作動したFB-GPP反応器から空気を掃気して、乾燥不活性パージガスからなる雰囲気を有するFB-GPP反応器を得ることができる。再始動前(例えば、種床の変更後)、移行中のFB-GPP反応器は、不要なICAまたは他の不要なガスもしくは蒸気の雰囲気を含有し得る。乾燥不活性パージガスを使用して、再始動の初期段階中に移行中のFB-GPP反応器から不要な蒸気またはガスを掃気して、乾燥不活性パージガスからなる雰囲気を有するFB-GPP反応器を得ることができる。任意の乾燥不活性パージガス自体は、乾燥エチレンガスでFB-GPP反応器から掃気され得る。乾燥エチレンガスは、分子状水素ガスをさらに含み得、その結果、乾燥エチレンガスは、これらの混合物として流動床反応器に供給される。あるいは、乾燥分子状水素ガスは、流動床反応器の雰囲気がエチレンに移行した後に、別個に導入され得る。ガス雰囲気移行は、FB-GPP反応器を重合条件の反応温度まで加熱する前、加熱中、または加熱後に行われ得る。
【0044】
FB-GPP反応器の始動または再始動はまた、その中に反応物および試薬の供給物を導入することも含む。反応物は、エチレンおよびアルファ-オレフィンを含む。流動床反応器に供給される試薬としては、分子状水素ガス、および誘導縮合剤(ICA)、およびハフノセン-チタノセン触媒系が挙げられる。
【0045】
いくつかの態様では、本明細書の任意の化合物、組成物、配合物、混合物、または反応生成物は、H、Li、Be、B、C、N、O、F、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Br、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、I、Cs、Ba、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、ランタノイド、およびアクチノイドからなる群から選択される化学元素のうちのいずれも含まない場合がある、ただし、化合物、組成物、配合物、混合物、または反応生成物に必要な化学元素(例えば、ハフノセンに必要なHf)は、除外されない。
【0046】
代替的に、異なる実施形態に先行する。ASTMとは、標準化機構である、ASTM International,West Conshohocken,Pennsylvania,USAを意味する。IUPACは、国際純正応用化学連合(IUPAC Secretariat,Research Triangle Park,North Carolina,USA)である。必須ではなく、選択の許容を与えることができる。作動とは、機能的に可能または有効なことを意味する。任意の手段は存在しない(または除外される)、代替的に存在する(または含まれる)ことを意味する。
【0047】
アルキル:飽和炭化水素の一価のラジカル、これは、直鎖、分岐鎖、または環状であり得る。実施形態は、C以上の直鎖またはC以上の分岐鎖、あるいは、C以上の直鎖またはC以上の最後から2番目の分岐、あるいは、C以上の直鎖、あるいはC以上の最後から2番目の分岐であり得る。最後から2番目の分岐アルキルの例は、2-メチルプロピル(C)、3-メチルブチル(C)、4-メチルペンチル(C)、5-メチルヘキシル(C)、6-メチルヘプチル(C)、7-メチルオクチル(C)、および8-メチルノニル(C10)である。イソアルキルとしても知られる最後から2番目の分岐アルキルは、鎖の最後から2番目の炭素原子に結合したメチル基を有する。イソ-(C~C10)アルキル(最後から2番目の分岐)としては、1-メチルエチル、2-メチルプロピル、3-メチルブチル、4-メチルペンチル、5-メチルヘキシル、6-メチルヘプチル、7-メチルオクチル、および8-メチルノニルが挙げられ、式-(CHC(H)(CHのアルキルであり、式中、添字iは、それぞれ0~7の整数である。ノルマル-(C~C10)アルキル(直鎖)としては、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルが挙げられ、式-(CHCHのアルキルであり、式中、添字pは、それぞれ2~9の整数である。
【0048】
アルキルアルミノキサン:アルキルアルモキサンとも称される。トリアルキルアルミニウム化合物の部分加水分解生成物。実施形態は、(C~C10)アルキルアルミノキサン、あるいは(C~C)アルキルアルミノキサン、あるいは(C~C)アルキルアルミノキサン、あるいは(C~C)アルキルアルミノキサン、あるいは(C~C)アルキルアルミノキサン、あるいはメチルアルミノキサン(MAO)、あるいは変性メチルアルミノキサン(MMAO)であり得る。いくつかの態様では、アルキルアルミノキサンはMAOである。いくつかの実施形態では、アルキルアルミノキサンは、ヒュームドシリカなどの未処理シリカ上に担持されている。アルキルアルミノキサンは、商業的供給業者から入手され得るか、または任意の好適な方法によって調製され得る。アルキルアルミノキサンの好適な調製方法は周知である。そのような調製方法の例は、米国特許第4,665,208号、同第4,952,540号、同第5,091,352号、同第5,206,199号、同第5,204,419号、同第4,874,734号、同第4,924,018号、同第4,908,463号、同第4,968,827号、同第5,308,815号、同第5,329,032号、同第5,248,801号、同第5,235,081号、同第5,157,137号、同第5,103,031号、同第5,391,793号、同第5,391,529号、および同第5,693,838号、ならびに欧州特許公開第EP-A-0561476号、同第EP-B1-0279 586号、および同第EP-A-0 594-218号、ならびにPCT特許公開第WO 94/10180号に記載されている。
【0049】
アルキルアルミニウム化合物:少なくとも1つのアルキル-Al基を有する化合物。モノ-またはジ-(C~C)アルキル含有アルミニウム化合物。モノ-またはジ-(C~C)アルキル含有アルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウムの代わりに、あるいはそれと組み合わせて使用され得る。モノ-またはジ-(C~C)アルキル含有アルミニウム化合物は、各々独立して、1または2個の(C~C)アルキル基、ならびに各々独立して、塩化物原子および(C~C)アルコキシドから選択される2または1個の基を含有し得る。C~Cアルキルは、各々独立して、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、または1,1-ジメチルエチルであり得る。(C~C)アルコキシドは、各々独立して、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、1-メチルエトキシド、ブトキシド、1-メチルプロポキシド、2-メチルプロポキシド、または1,1-ジメチルエトキシドであり得る。モノ-またはジ-(C~C)アルキル含有アルミニウム化合物は、塩化ジエチルアルミニウム(DEAC)、ジエチルアルミニウムエトキシド(DEAE)、二塩化エチルアルミニウム(EADC)、またはこれらの任意の2種以上の組み合わせまたは混合物であり得る。トリアルキルアルミニウム:式((C~C10)アルキル)Alの化合物、式中、(C~C10)アルキル基は、各々独立して、選択される。トリアルキルアルミニウムは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム(「TEAl」)、トリプロピルアルミニウム、トリス(1-メチルエチル)アルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリス(2-メチルプロピル)アルミニウム(「T2MPAl」)、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム(「TnHAl」)、トリオクチルアルミニウム、またはこれらの任意の2種以上の組み合わせであり得る。いくつかの態様では、トリアルキルアルミニウムは、式((CHC(H)CHAlのものであるT2MPAlである。
【0050】
アルファ-オレフィン。式(I)の化合物、HC=C(H)-R(I)、式中、Rは直鎖アルキル基である。実施形態は、(C~C20)アルファ-オレフィンであり得る。式(I):HC=C(H)-R(I)の化合物、式中、Rは直鎖(C~C18)アルキル基である。(C~C18)アルキル基は、1~18個の炭素原子を有する一価の非置換飽和炭化水素である。Rの例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、およびオクタデシルである。いくつかの実施形態において、(C~C20)アルファ-オレフィンは、1-プロペン、1-ブテン、1-ヘキセンまたは1-オクテン;あるいは1-ブテン、1-ヘキセンまたは1-オクテン;あるいは1-ブテンまたは1-ヘキセン;あるいは1-ブテンまたは1-オクテン;あるいは1-ヘキセンまたは1-オクテン;あるいは1-ブテン;あるいは1-ヘキセン;あるいは1-オクテン;あるいは、1-ブテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンの任意の2つの組み合わせである。
【0051】
担体材料:触媒を担持するのに好適な細孔ならびに内側および外側表面を有する多孔質粒子状固体。実施形態は、未処理であっても、疎水化剤で処理されていてもよい。未処理の担体材料は、多孔性未処理シリカであり得、多様な表面積、細孔容積、および平均粒子径を有し得る。各特性は、従来の既知の技法を使用して測定される。未処理シリカは、非晶質シリカ(石英ではない)、あるいは高表面積非晶質シリカ(例えば、500~1000m/g)、あるいは高表面積ヒュームドシリカであり得る。このようなシリカは、多くの供給元から市販されている。シリカは、噴霧乾燥プロセスによって得られる球状粒子の形態であり得る。未処理シリカは、焼成(すなわち、脱水)されていても、焼成されていなくてもよい。処理された担体材料は、未処理担体材料を疎水化剤で処理することによって作製される。処理された担体材料は、未処理担体材料とは異なる表面化学特性および/または寸法を有し得る。
【0052】
組成:化学組成。分子内の原子の配置、種類、および比率、ならびに物質または材料内の分子の種類と相対量。
【0053】
化合物:分子または分子の集合。
【0054】
濃縮:揮発性の高い化学成分(複数可)および揮発性の低い化学成分(複数可)を含む連続混合物の、単位体積あたりの揮発性の低い化学成分(複数可)の質量またはモル量を、ゆっくりと増加させる方法。この方法は、連続混合物から揮発性の低い成分(複数可)よりも揮発性の高い化学成分(複数可)を徐々に除去して、連続混合物よりも、単位体積あたりの揮発性の低い化学成分(複数可)のより大きい質量またはモル量を有する濃縮物を得る。濃縮物は、沈殿した固体であり得る。
【0055】
本質的に~からなる(consisting essentially of)、本質的に~からなる(consist(s) essentially of)、など。部分的閉鎖表現で、記述されているものの基本的で新規な特性に影響を与えるものは除外するが、それ以外は容認する。いくつかの態様ではいずれも、代替的に各表現「本質的に~からなる(consisting essentially of)」または「本質的に~からなる(consists essentially of)」はそれぞれ、閉鎖表現「~からなる(consisting of)」または「~からなる(consists of)」に置換され得る。
【0056】
(共)重合:モノマーを重合させるか、またはモノマーと少なくとも1つのコモノマーとを共重合させる。
【0057】
密度試験方法:ASTM D792-13、変位によるプラスチックの密度と比重(相対密度)の標準試験法の方法Bに従って測定した(水以外の液体中、例えば液体2-プロパノール中で固体プラスチックを試験するため)。結果は1立方センチメートル当たりのグラム数(g/cm)の単位で報告する。
【0058】
乾燥。無水物。総重量部に基づいて、0~5百万分率未満の水分含有量。重合反応中に反応器(複数可)に供給される材料は乾燥している。
【0059】
有効量:かなりの程度の結果を達成するのに十分な量。
【0060】
エチレン:式HC=CHの化合物。
【0061】
供給物。反応器に添加または「供給」される反応物および/または試薬の量。供給物は、各々独立して、連続的または断続的であり得、様々な反応物および試薬の量を制御するために、測定、例えば、計量され得る。
【0062】
フィルム:主張されるフィルム特性は、厚さ25マイクロメートルの単層フィルムで測定される。
【0063】
フローインデックス(190°C、21.6kg、「FI21」)試験方法:190°C/21.6キログラム(kg)の条件を使用する、押出プラトメーター(Extrusion Platometer)による熱可塑性樹脂のメルトフローレートのASTM D1238-13標準試験方法を使用する。結果は、10分当たりの溶出グラム数(g/10分)の単位で報告される。
【0064】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法:重量平均分子量試験方法:高温ゲル浸透クロマトグラフィー測定器(HTGPC,Polymer Laboratories)で得られたクロマトグラムを使用して、M、数平均分子量(M)、およびM/Mを決定する。HTGPCには、トランスファーライン、示差屈折率検出器(DRI)、および3つのPolymer Laboratories PLgel 10μmMixed-Bカラムが装備されており、全ては、160℃に維持されたオーブンに収容されている。本方法は、毎分1.0ミリリットル(mL/分)の公称流量および300マイクロリットル(μL)の公称注入量の、BHT処理されたTCBで構成される溶媒を使用する。6グラムのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT、酸化防止剤)を、4リットル(L)の試薬グレードの1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)中で溶解し、得られた溶液を、0.1マイクロメートル(μm)のテフロンフィルタを通して濾過して、溶媒を得ることによって、溶媒を調製する。溶媒がHTGPC測定器に入る前に、インライン脱気装置で溶媒を脱気する。一連の単分散ポリスチレン(PS)標準でカラムを較正する。既知の量の溶媒中、既知の量の溶媒を、連続的に振とうしながら160℃で2時間加熱することによって、溶液に溶解した既知の濃度の試験ポリマーを、別個に準備して、溶液を得る。(全ての量を重量測定する。)ミリリットル溶液あたりポリマー0.5~2.0ミリグラム(mg/mL)の、試験ポリマーの目標溶液濃度cより高い分子量のポリマーにはより低い濃度cが使用される。各試料を行う前に、DRI検出器をパージする。次いで、装置の流量を1.0mL/分/に増加させ、第1の試料を注入する前に、DRI検出器を8時間安定化させる。カラム較正とのユニバーサル較正関係を使用して、MおよびMを計算する。次式:
【数1】
を用いて、各溶出体積でのMWを計算する。式中、添字「X」は、試験試料を表し、添字「PS」は、PS標準を表し、
【数2】
、および
【数3】
は、公開された文献から得られる。ポリエチレンの場合、a/K=0.695/0.000579。ポリプロピレンの場合、a/K=0.705/0.0002288。得られたクロマトグラムの各ポイントで、以下の式:c=KDRIDRI/(dn/dc)を使用して、ベースラインを差し引いたDRI信号IDRIから濃度cを計算し、ここでKDRIは、DRIを較正することによって決定される定数であり、/は除算を示し、dn/dcは、ポリマーの屈折率の増分である。ポリエチレンの場合、dn/dc=0.109。溶出容量に対する濃縮クロマトグラフィーのクロマトグラムの積分面積と、所定の濃度に注入ループ容量を掛けたものに等しい注入質量との比から、ポリマーの質量回収率を計算する。別段の記載がない限り、全ての分子量を、1モルあたりのグラム数(g/mol)で報告する。Mw、Mn、MWDを決定する方法に関するさらなる詳細は、US2006/0173123の24~25ページの段落[0334]~[0341]に記載されている。GPCクロマトグラムを得るためのy軸のdW/dLog(MW)とx軸のLog(MW)とのプロット、Log(MW)およびdW/dLog(MW)は、上記に定義された通りである。
【0065】
1-ヘキセン(「C」):HC=C(H)(CHCH
【0066】
疎水化剤:ヒュームドシリカの表面ヒドロキシル基を有する安定な反応生成物を形成する有機または有機ケイ素化合物。実施形態は、未処理ヒュームドシリカの表面ヒドロキシル基と反応して、副生成物として水分子を失うSi-O-Si結合を形成する、シリコン結合脱離基(例えば、Si-ハロゲン、Si-アセトキシ、Si-オキシモ(Si-ON=C<)、Si-アルコキシ、またはSi-アミノ基)を含有するポリジオルガノシロキサン化合物または有機ケイ素モノマーであり得る。ポリジメチルシロキサンなどのポリジオルガノシロキサン化合物は、骨格のSi-O-Si基を含有し、酸素原子は、ヒュームドシリカの表面ヒドロキシル基に安定な水素結合を形成し得る。シリコン系疎水化剤は、トリメチルシリルクロリド、ジメチルジクロロシラン、ポリジメチルシロキサン流体、ヘキサメチルジシラザン、オクチルトリアルコキシシラン(例えば、オクチルトリメトキシシラン)、およびこれらの任意の2種以上の組み合わせであり得る。
【0067】
誘導縮合剤(ICA):気相重合反応器(複数可)(例えば、流動床反応器)内で材料を冷却するのに有用な不活性液体。実施形態は、(C~C20)アルカン、あるいは(C11~C20)アルカン、あるいは(C~C10)アルカンであり得る。いくつかの態様では、ICAは、(C~C10)アルカンである。いくつかの態様では、(C~C10)アルカンは、ペンタン、例えばノルマル-ペンタンまたはイソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、またはこれらの任意の2種以上の組み合わせである。いくつかの態様では、ICAは、イソペンタン(すなわち、2-メチルブタン)である。ICAを使用する本発明の重合方法は、本明細書では、不活性縮合モード操作(ICMO)と称され得る。既知の濃度の適切な気相構成要素のガス混合物標準を用いて、ピーク面積パーセントをモルパーセント(モル%)に較正することによって、ガスクロマトグラフィーを使用して測定された気相中の濃度。濃度は、1~10モル%、あるいは3~8モル%であり得る。ICAの使用は、任意である。後述されるいくつかの発明例を含むいくつかの態様では、ICAが使用される。例えば、ICAと触媒との混合物を作製する方法の態様では、重合反応器に供給され得る。本方法の他の態様では、ICAの使用は省略され得、混合され予備配合された乾燥触媒は、そのままICAを含まない重合反応器に供給され得る。
【0068】
不活性:一般的に、本発明の重合反応において、(かなりの程度)反応性がないか、または(かなりの程度)妨害しない。パージガスまたはエチレン供給物に適用される「不活性」という用語は、パージガスまたはエチレン供給物の総重量部に基づいて、0~5百万分率未満の分子状酸素(O)含有量を意味する。
【0069】
メルトインデックス(190℃、2.16キログラム(kg)、「I」)試験方法:190℃/2.16kgの条件を使用して、ASTM D1238-13に従って測定され、以前は「条件E」として知られ、Iとしても知られていた。結果は、10分当たりの溶出グラム数(g/10分)の単位で報告される。
【0070】
ポリエチレン:構成単位から構成される高分子またはその集合:(A)100モルパーセント(モル%)エチレン単位(ホモポリマー)、または(B)50~<100モル%、あるいは70~<100モル%、あるいは80~<100モル%、あるいは90~<100モル%、あるいは95~<100モル%のエチレン性、および残りのオレフィン性コモノマー単位、例えば、少なくとも1種の(C~C20)アルファ-オレフィン、あるいは(C~C20)アルファ-オレフィンに由来する。
【0071】
石英:未処理で無孔の二酸化ケイ素結晶形態。粒子状またはバルク。
【0072】
シリカ。非晶質であり得る二酸化ケイ素の粒子形態。結晶質、またはゲル状。溶融石英、ヒュームドシリカ、シリカゲル、およびシリカエアロゲルを含む。疎水性前処理ヒュームドシリカ:未処理ヒュームドシリカを疎水化剤と接触させて、未処理ヒュームドシリカ上の表面ヒドロキシル基と反応し、それによって、ヒュームドシリカの表面化学を変性して、疎水性前処理ヒュームドシリカを得る反応生成物。疎水化剤は、ケイ素系であり得る。未処理ヒュームドシリカ:火炎中で生成される熱分解法シリカ。微細な液滴を、分岐の鎖状の3次元2次粒子に融合させることによって作製された非晶質シリカ粉末からなり、それは、3次粒子に凝集する。石英ではない。
【0073】
噴霧乾燥:揮発性の低い化学成分と揮発性の高い化学成分のバルク混合物の、高温ガスを使用するネブライザを通す吸引を介して、揮発性の低い化学成分を含む粒子状固体を急速に形成する。噴霧乾燥によって形成される粒子状固体の粒子径および形状は、沈殿した固体のものとは異なり得る。
【0074】
支持材料:外側表面で触媒を受け入れるのに好適な非多孔性の粒子状固体。
【0075】
システム:機能する全体を形成する様々な化学成分の相互に関連する配置。
【0076】
輸送:場所から場所への移動。反応器から反応器、タンクから反応器、反応器からタンク、製造プラントから貯蔵施設、およびその逆を含む。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
ハフノセン触媒およびチタノセン触媒を含むハフノセン-チタノセン触媒系であって、
前記ハフノセン触媒が、((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムと、アルキルアルミノキサンとの活性化反応の生成物を含み、式中、添字xは、1または2であり、添字yは、0、1、または2であり、RおよびRは、各々独立して、メチル、エチル、ノルマル-(C~C10)アルキル(直鎖)、またはイソ-(C~C10)アルキルであり、
前記チタノセン触媒が、ビス(シクロペンタジエニル)二塩化チタンとトリアルキルアルミニウムとの活性化反応の生成物を含み、
前記ハフノセン-チタノセン触媒系が、0.1~50のトリアルキルアルミニウム/Hfモル比、および0.1~5のTi/Hfモル比によって特徴付けられる、
ハフノセン-チタノセン触媒系。
項2.
限定(i)~(vi):
(i)添字xは1であり、かつ添字yは0である、
(ii)添字xおよびyは、各々1である、
(iii)添字xは1であり、かつ添字yは2である、
(iv)添字xは2であり、かつ添字yは0である、
(v)添字xは2であり、かつ添字yは1である、
(vi)添字xは2であり、かつ添字yは2である、
のうちのいずれか1つによって特徴付けられる、項1に記載のハフノセン-チタノセン触媒系。
項3.
限定(i)~(iv):
(i)前記((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)二塩化ハフニウム、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)二臭化ハフニウム、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジメチルハフニウム、およびビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジエチルハフニウムから選択される、
(ii)前記((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)二塩化ハフニウムである、
(iii)前記((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジメチルハフニウムである、
(iv)前記((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムは、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジエチルハフニウムである、
のうちのいずれか1つによって特徴付けられる、項1または2に記載のハフノセン-チタノセン触媒系。
項4.
前記トリアルキルアルミニウムが、限定(i)~(vii):
(i)トリ((C~C)アルキル)アルミニウム、
(ii)トリ((C~C)アルキル)アルミニウム、
(iii)トリ((C~C)アルキル)アルミニウム、
(iv)トリ((C)アルキル)アルミニウム、
(v)トリ((C)アルキル)アルミニウム、
(vi)トリ(2-メチルプロピル)アルミニウム、および
(vii)トリ(ヘキシル)アルミニウム
のうちのいずれか1つから選択される、項1~3のいずれか一項に記載のハフノセン-チタノセン触媒系。
項5.
前記ハフノセン触媒が、担体材料上に担持されている、項1~4のいずれか一項に記載のハフノセン-チタノセン触媒系。
項6.
前記ハフノセン触媒、および任意に前記チタノセン触媒が、担体材料上で噴霧乾燥される、項1~4のいずれか一項に記載のハフノセン-チタノセン触媒系。
項7.
ハフノセン-チタノセン触媒系の作製方法であって、
前記((R-シクロペンタジエニル)((R-シクロペンタジエニル)二塩化/二臭化/ジアルキルハフニウムを、アルキルアルミノキサンおよび任意に担体材料と接触させて、ハフノセン触媒を得ることと、
次いで、前記ハフノセン触媒を、ビス(シクロペンタジエニル)二塩化チタンとトリアルキルアルミニウムとの活性化反応によって作製されたチタノセン触媒と接触させることと、を含み、
それによって、前記チタン触媒および前記ハフノセン-チタノセン触媒系を得る、方法。
項8.
ポリエチレン組成物の作製方法であって、重合反応器内で、エチレン、および任意に0、1、または複数種の(C~C20)アルファ-オレフィンを、項1~7のいずれか一項に記載のハフノセン-チタノセン触媒系と接触させて、ポリエチレンホモポリマーまたはエチレン/(C~C20)アルファ-オレフィンコポリマーをそれぞれ、および前記ハフノセン-チタノセン触媒系、またはこれらの副生成物を含む、ポリエチレン組成物を得る重合反応を発生させることを含む、方法。
項9.
限定(i)~(iv):
(i)外部供給分子状水素ガス(H)は、前記重合反応器に添加されず、前記方法の前記接触工程中に存在しない、
(ii)前記方法は、前記方法の前記接触工程中に、外部供給Hガスを前記重合反応器に添加することをさらに含む、
(iii)前記方法は、(C~C20)アルファ-オレフィンを含まず、エチレンのみに由来する構成単位を含有する前記ポリエチレンホモポリマーを作製する、
(iv)前記方法は、1種以上の(C~C20)アルファ-オレフィンをさらに含み、エチレンに由来するモノマー構成単位、および1種以上の(C~C20)アルファ-オレフィンコモノマー(複数可)に由来するコモノマー構成単位それぞれを含有する、前記エチレン/(C~C20)アルファ-オレフィンコポリマーを作製する、
のうちのいずれか1つによって特徴付けられる、項8に記載の方法。
項10.
任意に追加の外部分子状水素ガス(H)の存在下で、任意に誘導縮合剤(ICA)の存在下で、(共)重合条件下で1つ、2つ、またはそれ以上の気相重合反応器内での気相重合を含み、それによって、前記ポリエチレン組成物を作製し、前記(共)重合条件が、60~120℃の反応温度、0.00001~0.25の前記分子状水素ガスと前記エチレンとのモル比、および0.001~0.20の前記コモノマーと前記エチレンとのモル比を含む、項8または9に記載の方法。
項11.
前記接触工程の前に、前記方法が、工程(i)~(iii):
(i)前記ハフノセン触媒と前記チタノセン触媒とを別個の混合槽内で予備混合して、これらの予備混合物を作製すること、前記予備混合物を2時間~7日間熟成して、熟成予備混合物を作製すること、および次いで、前記熟成予備混合物を前記重合反応器に供給すること、
(ii)前記ハフノセン触媒と前記チタノセン触媒とを互いに混合機内で予備混合して、これらの未熟成予備混合物を作製すること、および前記予備混合の120分以内に、前記未熟成予備混合物を前記重合反応器に供給すること、
(iii)前記ハフノセン触媒および前記チタノセン触媒を、別個に別個の反応器入口を介して、前記重合反応器に供給すること、それによって、前記ハフノセン-チタノセン触媒系を、前記重合反応器内でインサイチュで作製すること、
のうちのいずれか1つをさらに含む、項8~10のいずれか一項に記載の方法。
項12.
項8、9、10、または11に記載の方法によって作製されたポリエチレン組成物。
【実施例
【0077】
シリカ上に担持されたハフノセン触媒1(Hf1)。30重量%のメチルアルミノキサンのトルエン溶液11ミリリットル(mL)を、バイアル中の0.202グラム(g)のビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)二塩化ハフニウムに添加することによって、メチルアルモキサンとハフノセン-配位子錯体の溶液を形成する。40mLの新鮮なトルエンを添加し、得られた混合物を25℃で1時間撹拌する。得られた溶液を、600℃で予備乾燥された10gのDavison 948シリカに添加する。得られたスラリーを25℃で1.5時間撹拌する。次いで、スラリーを65℃で真空下で乾燥させて、シリカ上に担持されたハフノセン触媒1を自由流動性粉末として得る。
【0078】
シリカ上で噴霧乾燥されたハフノセン触媒2(Hf2)。窒素雰囲気のグローブボックス内に入っているBuchi B-290ミニ噴霧乾燥器を使用する。噴霧乾燥器の温度を165℃に、出口の温度を60℃~70℃に設定する。ヒュームドシリカ(Cabosil TS-610、3.2g)、トルエン中のMAO(10重量%、21g)、およびトルエン(72g)中のビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジメチルハフニウム(0.11g)を混合する。得られた混合物を噴霧装置に導入し、次いで高温の窒素ガス流と接触する液滴を生成して、それから液体を蒸発させ、それによって粉末を作製する。サイクロン分離器内でガス混合物から粉末を分離し、シリカ上で噴霧乾燥されたハフノセン触媒2を粉末(3.81g)としてコーン缶内に収集する。
【0079】
チタノセン触媒1(Ti1):CpTiCl(1.0g)およびT2MPAl(トリイソブチルアルミニウム、20.1mL、トルエン中1.0M)を、磁気撹拌子で30分間撹拌して、チタノセン触媒1をトルエン溶液として得る。
【0080】
発明例1(IE1):ハフノセン-チタノセン触媒系1。150mgのハフノセン触媒1を、40mLのバイアルに添加する。0.05mLのチタノセン触媒1の溶液を、バイアル内のハフノセン触媒1に添加する。内容物をヘキサン(10mL)で希釈し、希釈された混合物を室温で1時間放置する。得られた混合物を真空下で濃縮して、シリカ上に担持されたハフノセン-チタノセン触媒系1を固体材料として得る。
【0081】
発明例2(IE2):ハフノセン-チタノセン触媒系2。150mgのハフノセン触媒1を、40mLのバイアルに添加する。0.20mLのチタノセン触媒1の溶液を、バイアル内のハフノセン触媒1に添加する。内容物をヘキサン(10mL)で希釈し、希釈された混合物を室温で1時間放置する。得られた混合物を真空下で濃縮して、シリカ上に担持されたハフノセン-チタノセン触媒系2を固体材料として得る。
【0082】
発明例3(IE3):ハフノセン-チタノセン触媒系3。150mgのハフノセン触媒1を、40mLのバイアルに添加する。0.80mLのチタノセン触媒1の溶液を、バイアル内のハフノセン触媒1に添加する。内容物をヘキサン(10mL)で希釈し、希釈された混合物を室温で1時間放置する。得られた混合物を真空下で濃縮して、ハフノセン-チタノセン触媒系3を固体材料として得る。
【0083】
発明例4(IE4):ハフノセン-チタノセン触媒系4。窒素雰囲気のグローブボックス内に入っているBuchi B-290ミニ噴霧乾燥器を使用する。噴霧乾燥器の温度を165℃に、出口の温度を60°~70℃に設定する。ヒュームドシリカ(Cabosil TS-610、3.2g)、トルエン中のMAO(10重量%、21g)、およびトルエン(72g)中のビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジメチルハフニウム(0.11g)を混合する。この混合物に0.53gのチタノセン触媒1を添加する。得られた混合物を噴霧装置に導入し、次いで高温の窒素ガス流と接触する液滴を生成して、それから液体を蒸発させ、それによって粉末を作製する。サイクロン分離器内でガス混合物から粉末を分離し、シリカ上で噴霧乾燥されたハフノセン-チタノセン触媒系4を粉末(3.61g)としてコーン缶内に収集する。
【0084】
発明例5(IE5):ハフノセン-チタノセン触媒系5。0.53gのチタノセン触媒1の代わりに1.11gのチタノセン触媒1を使用することを除いて、ハフノセン-チタノセン触媒系4の調製を繰り返し、シリカ上で噴霧乾燥されたハフノセン-チタノセン触媒系5を粉末(3.76g)としてコーン缶内に収集する。
【0085】
発明例6(IE6):ハフノセン-チタノセン触媒系6。0.53gのチタノセン触媒1の代わりに2.18gのチタノセン触媒1を使用することを除いて、ハフノセン-チタノセン触媒系4の調製を繰り返し、シリカ上で噴霧乾燥されたハフノセン-チタノセン触媒系6を粉末(3.67g)としてコーン缶内に収集する。
【0086】
発明例A(IE(A)):IE1~IE6のうちのいずれか1つのハフノセン-チタノセン触媒系によって触媒作用が及ぼされて、エチレン/1-ヘキセンコポリマー組成物を得る、エチレンと1-ヘキセンとのスラリー相共重合。機械的撹拌機を備える2リットル(L)のステンレス鋼オートクレーブのスラリー相反応器を用いる。反応器が清浄で、不活性窒素雰囲気下にあることを確認するために、反応器を、加熱および窒素パージ工程を通して数回循環させる。約1Lの液体イソブタンを、周囲温度でパージされた反応器に添加する。5gのSMAO(シリカ担持メチルアルモキサン)を、捕捉剤として、窒素圧下で添加する。反応器の撹拌機の電源を入れ、回転速度を毎分800回転(rpm)に設定する。以下に指定されるように、分子状水素および1-ヘキセンを、反応器に添加する。反応器を80℃まで加熱する。125psiの差圧を達成するためにエチレンを添加する。約50ミリグラム(mg)のハフノセン触媒、および任意にチタノセン触媒(CpTiCl/T2MPAl)を、以下に指定されるように、窒素圧を使用してショットシリンダーから反応器に添加する。重合を80℃で進行させ、エチレンを連続的に添加して、一定の圧力を維持する。1時間後、反応器を周囲温度に通気、冷却し、次いで、反応器を開放して、エチレン/1-ヘキセンコポリマー組成物を回収する。後でデータを表1~3に報告する。
【0087】
発明例B(IE(B)):IE1~IE6のうちのいずれか1つのハフノセン-チタノセン触媒系によって触媒作用が及ぼされて、エチレン/1-ヘキセンコポリマー組成物を得る、エチレンと1-ヘキセンとの気相重合。機械的撹拌機を備える2リットルのステンレス鋼オートクレーブの気相反応器を用いる。反応器を1時間乾燥させ、乾燥した反応器に400gのNaClを充填し、さらに窒素下105℃で30分間加熱することによって乾燥させる。次いで、5gのSMAO(シリカ担持メチルアルモキサン)を、捕捉剤として、窒素圧下で添加する。SMAOを添加した後、反応器を密閉し、反応器の内容物を撹拌する。以下に指定されるように、反応器に1-ヘキセンおよび任意に水素を充填する。充填された反応器をエチレンで加圧する(全圧=225psi)。システムを定常状態に到達させて、次いで、約20mgのハフノセン触媒、および任意にチタノセン触媒(CpTiCl/T2MPAl)を反応器に充填する。反応器の温度を80℃にし、実験の実行中を通して80℃に維持する。C/Cモル比およびエチレン圧力を一定に維持する。重合を60分間進行させる。次いで、反応器を冷却し、次いで、通気して、反応器を開放する。得られた内容物を、水、次にメタノールで洗浄し、それを乾燥させて、エチレン/1-ヘキセンコポリマー組成物を得る。ポリマーの収量と、反応器に添加された触媒の量との比として、活性(作製されたコポリマーのキログラム/1時間当たりの使用された触媒のグラム、kg/g-hr)を決定する。GPCによって分子量(Mw)を決定する。後でデータを表4に報告する。
【0088】
比較例A(CE(A)):チタノセン触媒を省略することを除いて、IE(A)を繰り返す。後でデータを表1~3に報告する。
【0089】
比較例B(CE(B)):チタノセン触媒を省略することを除いて、IE(B)を繰り返す。後でデータを表4に報告する。
【0090】
表1~4では、Ex.No.は、実施例番号である。触媒系は、触媒系であり、これは、比較例CE(A)およびCE(B)については発明ではなく、発明例IE(A)およびIE(B)については発明である。触媒生産性(kg/g-hr)は、上記のように、触媒1グラム、1時間当たりの、作製されたポリマーのキログラムでの触媒生産性である。C6=1-ヘキセン。H(L)は、存在する場合、使用される分子状水素ガスのリットルでの量である。Mwは、上記のようにGPCで決定された、作製されたエチレン/1-ヘキセンコポリマー組成物の重量平均分子量である。Mw/Mw(0)は、CE(A)またはCE(B)、すなわちチタノセン触媒の不在下、に従って作製されたポリマーの重量平均分子量であるMw(0)で割った、上記のようにGPCで決定された、作製されたエチレン/1-ヘキセンコポリマー組成物の重量平均分子量(Mw)であり、本発明の触媒系、方法、およびコポリマー組成についてのMwの有益な増加を正規化する方法である。Ti/Hf*は、ハフノセン触媒の重量で割った、CpTiClの重量(グラム/グラム)である。Al/Hf^は、ハフノセン触媒の重量で割った、トリアルキルアルミニウム(例えば、T2MPAl)の重量(グラム/グラム)である。
【0091】
【表1】
【0092】
表1に示されるように、本発明のハフノセン-チタノセン触媒系および関連するスラリー相重合法は、ハフノセン触媒を有するが、チタノセン触媒を欠くかまたは含まない比較触媒系および方法と比較して、増加した重量平均分子量(Mw)を有するエチレン/アルファ-オレフィンコポリマー組成物を生成した。
【0093】
【表2】
【0094】
表2に示されるように、シリカ上に担持された本発明のハフノセン-チタノセン触媒系IE1~IE3および関連するスラリー相重合法は、ハフノセン触媒を有するが、チタノセン触媒を欠くかまたは含まない比較触媒系および方法と比較して、さらに増加した重量平均分子量(Mw)を有するエチレン/アルファ-オレフィンコポリマー組成物を生成した。
【0095】
【表3】
【0096】
表3に示されるように、ハフノセン触媒およびチタノセン触媒がシリカ上に共噴霧乾燥された、本発明のハフノセン-チタノセン触媒系および関連するスラリー相重合法は、ハフノセン触媒を有するが、チタノセン触媒を欠くかまたは含まない比較触媒系および方法と比較して、増加した重量平均分子量(Mw)を有するエチレン/アルファ-オレフィンコポリマー組成物を生成した。
【0097】
【表4】
【0098】
表4に示されるように、本発明のハフノセン-チタノセン触媒系および関連する気相重合法は、ハフノセン触媒を有するが、チタノセン触媒を欠くかまたは含まない比較触媒系および方法と比較して、増加した重量平均分子量(Mw)を有するエチレン/アルファ-オレフィンコポリマー組成物を生成した。
【0099】
発明例C1(予言的)ハフノセン触媒およびチタノセン触媒を、バッチ反応器に別個に供給して、インサイチュでハフノセン-チタノセン触媒系を作製し、続いて重合する(IE(C1s))。機械的撹拌機を備える2リットル(L)のステンレス鋼オートクレーブのスラリー相反応器を用いる。反応器が清浄で、不活性窒素雰囲気下にあることを確認するために、反応器を、加熱および窒素パージ工程を通して数回循環させる。約1Lの液体イソブタンを、周囲温度でパージされた反応器に添加する。5gのSMAO(シリカ担持メチルアルモキサン)を、捕捉剤として、窒素圧下で添加する。反応器の撹拌機の電源を入れ、回転速度を毎分800回転(rpm)に設定する。以下に指定されるように、分子状水素および1-ヘキセンを、反応器に添加する。反応器を80℃まで加熱する。862kPa(125psi)の差圧を達成するためにエチレンを添加する。チタノセン触媒(CpTiCl/T2MPAl)を、反応器に(必要な場合)、以下に指定されるように添加し、次いで、約50ミリグラム(mg)のハフノセン触媒を、反応器に別個に添加する。重合を80℃で進行させ、エチレンを連続的に添加して、一定の圧力を維持する。1時間後、反応器を周囲温度に通気、冷却し、次いで、反応器を開放して、エチレン/1-ヘキセンコポリマー組成物を回収する。予測結果を、後で表5に示す。
【0100】
発明例C2(予言的)ハフノセン触媒およびチタノセン触媒を、混合器内で予備混合して、それらの未熟成予備混合物を得、未熟成予備混合物を、バッチ反応器に供給し、続いて重合する(IE(C2p))。機械的撹拌機を備える2Lのステンレス鋼オートクレーブのスラリー相反応器を用いる。反応器が清浄で、不活性窒素雰囲気下にあることを確認するために、反応器を、加熱および窒素パージ工程を通して数回循環させる。約1Lの液体イソブタンを、周囲温度でパージされた反応器に添加する。5gのSMAO(シリカ担持メチルアルモキサン)を、捕捉剤として、窒素圧下で添加する。反応器の撹拌機の電源を入れ、回転速度を800rpmに設定する。以下に指定されるように、分子状水素および1-ヘキセンを、反応器に添加する。反応器を80℃まで加熱する。862kPa(125psi)の差圧を達成するためにエチレンを添加する。約50mgのハフノセン触媒およびある量のチタノセン触媒(CpTiCl/T2MPAl)(後者の量は、後で表5のTi/Hf*比およびAl/Hf^比によって示される)を、30分間一緒に予備混合し、次いで、得られた未熟成予備混合物を反応器に添加する。重合を80℃で進行させ、エチレンを連続的に添加して、一定の圧力を維持する。1時間後、反応器を周囲温度に通気、冷却し、次いで、反応器を開放して、エチレン/1-ヘキセンコポリマー組成物を回収する。予測結果を、下記の表5に示す。
【0101】
比較例C(CE(C)1~CE(C)6):チタノセン触媒を省略することを除いて、IE(C)を繰り返す。データを下記の表4に報告する。
【0102】
【表5】
【0103】
表5に示されるように、ハフノセン触媒およびチタノセン触媒が、別個に反応器に添加されるか、または一定時間予備混合され、次いで予備混合物として一緒に反応器に添加されるかに関係なく、比較例と比較して、チタノセン触媒を導入することによって、ポリマーのMwの増加が予測される。ハフノセン触媒およびチタノセン触媒が、同じTi/Hf*およびAl/Hf^比で反応器に別個に添加される実施形態は、より高い触媒生産性を有益に達成することが予測される。この傾向は、重合反応が、Hの添加なしで、コモノマー(C)の存在下で行われるか、またはHの添加なしで、コモノマー(C)の不在下で行われるか、またはHの添加ありで、コモノマーの存在下で行われるかにかかわらず予測される。
【0104】
比較例(D)(予言的)気相流動床パイロットプラント反応器、ハフノセン触媒、チタノセン触媒なし、エチレンおよび1-ヘキセンを重合する、連続供給(CE(D))。シリンジポンプを利用して、鉱油中のHf2触媒スラリーを、螺旋状スタティックミキサーを含有する触媒注入ラインを通して反応器に供給する。触媒注入ラインの後で、螺旋状スタティックミキサーの前に、1時間当たり1.4kg(1時間当たり3ポンド(lb/時))のイソペンタンを、触媒注入ラインに添加する。螺旋状スタティックミキサーの後、窒素を2.3kg/時(5lb/時)で注入ラインに添加する。追加の1.8kg/時(4lb/時)の窒素および3.2~3.6kg/時(7~8lbs/時)のイソペンタンを、外管を通して使用して、スラリー触媒を、触媒注入ラインから、外管またはシュラウドを通して、反応器に注入する。平衡に達した後、後で表6に示されるそれぞれの条件下で重合を行う。スラリーのHf2触媒を、エチレンおよび1-ヘキセンと共に、ポリエチレン顆粒の流動床に連続的に供給することによって、重合を開始する。水素ガスは反応器に供給されないが、水素は、重合中にインサイチュで発生する。不活性ガス、窒素、およびイソペンタンは、反応器内の残りの圧力を構成した。エチレン/1-ヘキセンコポリマー生成物を、反応器から連続的に除去して、反応器内の顆粒の床重量を一定に維持した。予測結果を、後で表6に示す。
【0105】
発明例(D1)(予言的)気相流動床パイロットプラント反応器、ハフノセンおよびチタノセン触媒、別個に反応器に供給してハフノセン-チタノセン触媒系をインサイチュで作製した、エチレンおよび1-ヘキセンを重合する、連続供給(IE(D1s))。チタノセン触媒Ti1のイソペンタン溶液を、別個の注入ライン(IE(D1s)を介して反応器に直接添加することも除いて、CE(D)の手順を繰り返す。予測結果については、表6を参照されたい。
【0106】
発明例(D2)(予言的)気相流動床パイロットプラント反応器、ハフノセンおよびチタノセン触媒、ハフノセンおよびチタノセン触媒をインライン混合器内で予備混合してそれらの未熟性予備混合物を作製した、5分未満(約1分)で未熟成予備混合物を反応器に供給する、エチレンおよび1-ヘキセンを重合する、連続供給(IE(D1s))。チタノセン触媒Ti1のイソペンタン溶液を、インライン螺旋状スタティックミキサーの直前の供給ラインに添加して、Hf2との予備混合物を形成し、予備混合物を反応器に供給すること(IE(D2p))も除いて、CE(D)の手順を繰り返す。予測結果を、後で表6に示す。
【0107】
発明例(D3)(予言的)気相流動床パイロットプラント反応器、ハフノセンおよびチタノセン触媒、バッチ混合器内で予備混合して予備混合物を作製した、予備混合物を2日間熟成した、次いで得られた熟成予備混合物を反応器に供給する、エチレンおよび1-ヘキセンを重合する、連続供給(IE(D1s))。チタノセン触媒Ti1のイソペンタン溶液と、Hf2とを混合器内で最初に混合して、予備混合物を形成し、予備混合物を2日間熟成し、熟成予備混合物を反応器に供給すること(IE(D3a))を除いて、CE(D)の手順を繰り返す。予測結果を、下記の表6に示す。
【0108】
【表6】
【0109】
連続重合操作について表6に示されるように、チタノセン水素化触媒が使用される場合、より低いメルトフローレートFI21(より高い分子量)を有するエチレン/1-ヘキセンコポリマーが、より低い生成速度で生成される。驚いたことには、ハフノセンおよびチタノセンの触媒を、別個に反応器に添加する触媒混合モード(IE(D1s)と、これらの触媒のインライン予備混合(IE(D2p)との両方は、予備混合/熟成モード(IE(D3a)より有益性を示す。これらの有益性は、発生したHを除去するIE(D3a)の能力に比較して、重合反応器内で発生するHを除去するIE(D1s)およびIE(D2p)の増大した能力を含む。Hを除去するこの増大した能力により、重合が、所与の一連の反応器条件で、より低いFI21を有する生成物樹脂を作製することを有益に可能にする。有益性は、IE(D2p)よりも高い触媒生産性を有するIE(D1s)も含む。別個添加モード(IE(D1S))は、触媒予備混合/熟成(IE(D3a))を使用して作製されたコポリマー生成物のFI21よりも低いコポリマー生成物のFI21と共に、最も高い生成速度を有する。そして、インライン混合モード(IE(D2p))は、予備混合/熟成モード(IE(D3a))から得られるものよりも実質的に低い、最低のコポリマー生成物のFI21(最高の分子量)を有する。