(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-29
(45)【発行日】2025-10-07
(54)【発明の名称】メッシュノードをメッシュ通信ネットワークに接続する方法発明の背景
(51)【国際特許分類】
H04W 40/24 20090101AFI20250930BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20250930BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20250930BHJP
【FI】
H04W40/24
H04W84/18
H04W88/06
(21)【出願番号】P 2023580551
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 EP2021068901
(87)【国際公開番号】W WO2023280404
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2024-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リムハゲン, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】スキラーマーク, ペル
【審査官】中野 志保子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-004223(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0275459(US,A1)
【文献】国際公開第2012/131854(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0228953(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互接続された複数のメッシュノードを備えるメッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)にメッシュノード(106、205、303)を接続する方法であって、前記メッシュノード(106、205、303)は、デフォルトの物理レイヤ(PHY)(4、104)を使用して前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)に接続するように構成されているとともに、長距離PHY(5、105)を使用して前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)に接続するように構成されており、前記長距離PHY(5、105)の到達範囲は、前記デフォルトのPHY(4、104)の到達範囲よりも大きく、前記方法は、
● 前記メッシュノード(106、205、303)によって、前記長距離PHY(5、105)が前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)に接続するために必要であることを決定することと、
● 前記メッシュノード(106、205、303)によって、前記長距離PHY(5、105)を使用して長距離サポートメッセージをブロードキャストすることと、それによって前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)への接続を要求し、
● 前記メッシュノード(106、205、303)によって、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の
複数の第2のメッシュノード(107、302)から、前記長距離サポートメッセージに対する
複数のサポートレスポンスを受信することと、それによって前記長距離PHY(5、105)を使用した、前記メッシュ通信ネットワークへの前記メッシュノード(106、205、303)の前記接続のサポートを示される、
● 前記メッシュノード(106、205、303)によって、前記メッシュノード(106、205、303)を前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)に接続するために、前記メッシュノード(106、205、303)が前記長距離サポートメッセージに対する前記複数のサポートレスポンスを受信することができた、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の前記複数の第2のメッシュノード(107、302)のうちの1つを選択すること、
● 前記選択された1つの第2のメッシュノードに肯定応答を送信することと、
を有する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記長距離PHY(5、105)を使用して送信されるメッセージは、前記デフォルトのPHY(4、104)を使用して送信されるメッセージと比較して、より低いレートを有する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記長距離サポートメッセージは、前記デフォルトのPHY(4、104)を使用して送信されるメッセージと比較して、より低いレートで送信される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記決定することは、
● 前記メッシュノード(106、205、303)によって、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)からのメッセージの受信の欠如を検出することによって、前記メッシュノード(106、205、303)が前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)の到達範囲外にあることを決定すること、を含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
● 前記メッシュノード(106、205、303)によって、前記長距離PHY(5、105)を使用して、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の前記第2のメッシュノード(107、302)への接続の確立を開始すること、を有する方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)は、ブルートゥース(登録商標)メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)であり、前記メッシュノード(106、205、303、107、302)は、ブルートゥース(登録商標)メッシュノードである、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記メッシュノード(106、205、303)は、前記長距離PHY(5、105)を使用して長距離ベアラを確立するように構成され、前記長距離ベアラは、
● コネクションレスのアドバタイジングベアラ、
● コネクション志向のGATTベアラ、または、
● 低電力ノードとそれに関連するフレンドメッシュノードとの間のコネクションレスアドバタイジングベアラ、のうちのいずれかである、方法。
【請求項8】
相互接続された複数のメッシュノードを備えるメッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)へのメッシュノード(106、205、303)の接続をサポートする方法であって、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の第2のメッシュノード(107、302)が、デフォルトの物理レイヤ(PHY)(4、104)を使用して前記メッシュノード(106、205、303)に接続するように構成されているとともに、長距離PHY(5、105)を使用して前記メッシュノード(106、205、303)に接続するように構成されており、前記長距離PHY(5、105)の到達範囲は、前記デフォルトのPHY(4、104)の到達範囲よりも大きく、前記方法は、
● 前記メッシュ通信ネットワーク内の前記第2のメッシュノード(107、302)によって、前記メッシュノード(106、205、303)から、前記長距離PHY(5、105)を使用して長距離サポートメッセージを受信することと、それによって前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)への前記メッシュノード(106、205、303)の接続を要求され、
● 前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の前記第2のメッシュノード(107、302)によって、前記長距離サポートメッセージに対するサポートレスポンスを送信することと、それによって前記長距離PHY(5、105)を使用した、前記メッシュ通信ネットワークへの前記メッシュノード(106、205、303)の前記接続のサポートを示す、
● 前記第2のメッシュノード(107、302)が複数の第2のメッシュノード(107、302)のうちから選択されると、肯定応答を前記メッシュノード(106、205、303)から受信することと、
を有する、方法。
【請求項9】
請求項
8に記載の方法であって、前記長距離PHY(5、105)を使用して送信されるメッセージは、前記デフォルトのPHY(4、104)を使用して送信されるメッセージと比較して、より低いレートを有する、方法。
【請求項10】
請求項
8に記載の方法であって、前記長距離サポートメッセージは、前記デフォルトのPHY(4、104)を使用して受信されるメッセージと比較して、より低いレートで受信される、方法。
【請求項11】
請求項
8に記載の方法であって、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の前記第2のメッシュノード(107、302)は、前記デフォルトのPHY(4、104)を使用してデフォルトベアラを確立するように構成されるとともに、前記長距離PHY(5、105)を使用して長距離ベアラを確立するように構成されており、前記方法は、さらに、
● 前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の前記第2のメッシュノード(107、302)によって、前記長距離PHY(5、105)を使用して前記メッシュノード(106、205、303)への前記長距離ベアラを確立すること、を有する方法。
【請求項12】
請求項
8に記載の方法であって、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)は、ブルートゥース(登録商標)メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)であり、前記メッシュノード(106、205、303、107、302)は、ブルートゥース(登録商標)メッシュノードである、方法。
【請求項13】
請求項
8に記載の方法であって、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の前記第2のメッシュノード(107、302)は、前記長距離PHY(5、105)を使用して長距離ベアラを確立するように構成され、前記長距離ベアラは、
● コネクションレスのアドバタイジングベアラ、
● コネクション志向のGATTベアラ、または、
● 低電力ノードとそれに関連するフレンドメッシュノードとの間のコネクションレスアドバタイジングベアラ、のうちのいずれかである、方法。
【請求項14】
デフォルトの物理レイヤ(PHY)(4、104)を使用して、相互接続された複数のメッシュノードを備えるメッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)に接続するように構成されているとともに、長距離PHY(5、105)を使用して、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)に接続するように構成されたメッシュノード(106、205、303)であって、前記長距離PHY(5、105)の到達範囲が、前記デフォルトのPHY(4、104)の到達範囲よりも大きく、前記メッシュノード(106、205、303)は、
● 前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)に接続するために前記長距離PHY(5、105)が必要であると決定するように構成されたプロセス装置と、
● 前記長距離PHY(5、105)を使用して長距離サポートメッセージをブロードキャストするように構成され、それによって前記メッシュ通信ネットワークへの接続を要求する、送信装置(102、103、107、108;202、203)と、
● 前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の
複数のメッシュノード(106、205、303)から、前記長距離サポートメッセージに対する
複数のサポートレスポンスを受信するように構成され、それによって前記長距離PHY(5、105)を使用した、前記メッシュ通信ネットワークへの前記メッシュノード(106、205、303)の前記接続のサポートを示される、受信装置と、
● 前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)に前記メッシュノード(106、205、303)を接続するために、前記メッシュノード(106、205、303)が前記長距離サポートメッセージに対する前記複数のサポートレスポンスを受信することができた、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の前記複数のメッシュノードのうちの1つを選択するように構成された決定装置と、
を有
し、
● 前記送信装置は、前記選択された1つのメッシュノード(107、302)に肯定応答を送信するように構成されている、メッシュノード。
【請求項15】
請求項
14に記載のメッシュノード(106、205、303)であって、前記長距離PHY(5、105)を使用して送信されるメッセージは、前記デフォルトのPHY(4、104)を使用して送信されるメッセージと比較して、より低いレートを有する、メッシュノード。
【請求項16】
請求項
14に記載のメッシュノード(106、205、303)であって、前記プロセス装置は、さらに、
● 前記デフォルトのPHY(4、104)を使用して送信されたメッセージに対する応答であるサポートレスポンスが受信されないことを検出することによって、前記メッシュノード(106、205、303)が前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)の到達範囲外にあると決定することと、
● 前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)からのメッセージの受信の欠如を検出することによって、前記メッシュノード(106、205、303)が前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)の到達範囲外にあると決定することと、のうちのいずれかを実行するように構成されている、メッシュノード。
【請求項17】
請求項
14に記載のメッシュノード(106、205、303)であって、前記メッシュノード(106、205、303)は、前記デフォルトのPHY(4、104)を使用してデフォルトベアラを確立するように構成され、前記長距離PHY(5、105)を使用して長距離ベアラを確立するように構成され、前記プロセス装置は、さらに、
● 前記長距離PHY(5、105)を使用して、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の前記メッシュノード(106、205、303)への前記長距離ベアラを確立する、ように構成されている、メッシュノード。
【請求項18】
請求項
14に記載のメッシュノード(106、205、303)であって、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)は、ブルートゥース(登録商標)メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)であり、前記メッシュノード(106、205、303)は、ブルートゥース(登録商標)メッシュノードである、メッシュノード。
【請求項19】
請求項
14に記載のメッシュノード(106、205、303)であって、前記メッシュノード(106、205、303)は、前記長距離PHY(5、105)を使用して長距離ベアラを確立するように構成されており、前記長距離ベアラは、
● コネクションレスのアドバタイジングベアラ、
● コネクション志向のGATTベアラ、または、
● 低電力ノードとそれに関連するフレンドメッシュノードとの間のコネクションレスアドバタイジングベアラ、のうちのいずれかである、メッシュノード。
【請求項20】
デフォルトの物理レイヤ(PHY)(4、104)を使用して、相互接続される複数のメッシュノードを備えるメッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)へのメッシュノード(106、205、303)の接続をサポートするとともに、長距離PHY(5、105)を使用して前記メッシュノード(106、205、303)に接続するように構成された、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の第2のメッシュノード(107、302)であって、前記長距離PHY(5、105)の到達範囲は、前記デフォルトのPHY(4、104)の到達範囲よりも大きく、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の前記第2のメッシュノード(107、302)は、
● 前記メッシュノード(106、205、303)から、前記長距離PHY(5、105)を使用して長距離サポートメッセージを受信するように構成され、それによって前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)への前記メッシュノード(106、205、303)の接続を要求される、受信装置と、
● 前記長距離サポートメッセージに対するサポートレスポンスを送信するように構成され、それによって前記長距離PHY(5、105)を使用した、前記メッシュ通信ネットワークへの前記メッシュノード(106、205、303)の前記接続のサポートを示す、送信装置と、
を有
し、
● 前記受信装置は、前記第2のメッシュノード(107、302)が複数の第2のメッシュノード(107、302)のうちから選択されると、肯定応答を前記メッシュノード(106、205、303)から受信する、ように構成されている、第2のメッシュノード。
【請求項21】
請求項
20に記載の第2のメッシュノード(107、302)であって、前記長距離PHY(5、105)を使用して送信されるメッセージは、前記デフォルトのPHY(4、104)を使用して送信されるメッセージと比較して、より低いレートを有する、第2のメッシュノード。
【請求項22】
請求項
20に記載の第2のメッシュノード(107、302)であって、前記長距離サポートメッセージは、前記デフォルトのPHY(4、104)を使用して送信されるメッセージと比較して、より低いレートで受信される、第2のメッシュノード。
【請求項23】
請求項
20に記載の第2のメッシュノード(107、302)であって、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)内の前記第2のメッシュノード(107、302)は、前記デフォルトのPHY(4、104)を使用してデフォルトベアラを確立するように構成され、前記長距離PHY(5、105)を使用して長距離ベアラを確立するように構成され、前記第2のメッシュノード(107、302)は、さらに、
● 前記長距離PHY(5、105)を使用して前記メッシュノード(106、205、303)に前記長距離ベアラを確立するように構成されたプロセス装置を有する、第2のメッシュノード。
【請求項24】
請求項
20に記載の第2のメッシュノード(107、302)であって、前記メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)は、ブルートゥース(登録商標)メッシュ通信ネットワーク(102、103、107、108;202、203)であり、前記メッシュノード(106、205、303、107、302)は、ブルートゥース(登録商標)メッシュノードである、第2のメッシュノード。
【請求項25】
請求項22に記載の第2のメッシュノード(107、302)であって、前記第2のメッシュノード(107、302)は、前記長距離PHY(5、105)を使用して長距離ベアラを確立するように構成され、前記長距離ベアラは、
● コネクションレスのアドバタイジングベアラ、
● コネクション志向のGATTベアラ、または、
● 低電力ノードとそれに関連するフレンドメッシュノードとの間のコネクションレスアドバタイジングベアラ、のうちのいずれかである、第2のメッシュノード。
【請求項26】
メッシュノード(106、205、303)によって実行されると、前記メッシュノード(106、205、303)に、請求項1から
13のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、メッシュノードをメッシュ通信ネットワークに接続することに関し、より具体的には、メッシュノードがメッシュ通信ネットワークの特定の範囲外にあるときはいつでもメッシュ通信ネットワークにメッシュノードを接続することに関する。
【背景技術】
【0002】
メッシュ通信ネットワークは、マルチホップ技術を使用して、カバレッジを拡張し、互いに直接的に通信することができないノード間の接続性を実現する。たとえば、ブルートゥース(登録商標)メッシュでは、コネクションレスのアドバタイジングベアラまたはコネクションオリエンテッドなGATTベアラのいずれかを介してメッセージを転送するためにマネージドフラッディングが使用される。アドバタイジングベアラは、3つの主要なアドバタイジングチャネルを介して送信されるレガシーアドバタイジングを利用する。両方のベアラは、1Mbpsの固定無線データレートを使用する。
【0003】
ブルートゥース(登録商標)メッシュノードは、サブネットおよびそのセキュリティ状態を識別するために、ビーコン、いわゆるセキュアネットワークビーコンを定期的に送信する。ビーコン送信の頻度は、概して、すべてのノードが、10秒ごとに所与のサブネットについてビーコンを受信すべきであるように調整される。ノードの場合、受信されたセキュアネットワークビーコンがないことは、サブネット内の他のノードの範囲内になく、ネットワーク内の他のノードと通信することができない可能性があるというインジケーション(示唆)である。
【0004】
ブルートゥース(登録商標)メッシュはハートビートメッセージもサポートしている。ハートビートメッセージはノードによって送信/発行され、他のノードがサブネットのトポロジを決定する。ハートビートメッセージを発行することが期待されるノードからハートビートメッセージを受信できないことは、ハートビートメッセージを発行するノードと他のノードとの間に経路がないこと、または接続性がないことを示す。
【0005】
拡張アドバタイジング機能は、ブルートゥース(登録商標)・コア規格仕様書のバージョン5.0でリリースされた。これにより、最大1650バイトのメッセージサイズが可能になる。同時に、既に利用可能な1Mbpsレートに加えて、125kbps、500kbps、および2Mbpsの追加データレートのサポートが導入された。これらのレートは、アドバタイジングおよび接続の両方に使用することができる。将来的には、これは、4Mbpsおよび6Mbpsなどのさらに高いデータレート、およびおそらくさらに低いレートによって補完され得る。
【0006】
現行のメッシュ通信ネットワークの欠点の1つは、メッシュノードが、相互接続された複数のメッシュノードを備えるメッシュ通信ネットワークに接続できるとは限らないことである。
【発明の概要】
【0007】
本開示の目的は、相互接続された複数のメッシュノードを含むメッシュ通信ネットワークにメッシュノードを接続する方法を提供することである。本開示のさらなる目的は、関連する方法およびコンピュータプログラムを提供することである。
【0008】
本開示の第1の態様では、相互接続された複数のメッシュノードを備えるメッシュ通信ネットワークにメッシュノードを接続する方法が提供され、前記メッシュノードは、デフォルト物理レイヤ(PHY)を使用して前記メッシュ通信ネットワークに接続するように構成され、長距離PHYを使用して前記メッシュ通信ネットワークに接続するように構成され、前記長距離PHYの到達範囲は、前記デフォルトのPHYの到達範囲よりも大きく、前記方法は、
● 前記メッシュノードによって、前記メッシュ通信ネットワークに接続するために前記長距離PHYが必要であると決定することと、
● 前記メッシュノードによって、前記長距離PHYを使用して長距離サポートメッセージをブロードキャストし、それによって、前記メッシュ通信ネットワークへの接続を要求することと、
● 前記メッシュノードによって、前記メッシュ通信ネットワーク内の第2のメッシュノードから、前記長距離サポートメッセージのサポートレスポンスを受信し、それによって、前記長距離PHYを使用して前記メッシュノードの前記接続の前記通信ネットワークへのサポートを示すことと、を有する。
【0009】
本発明者らは、特定のメッシュノードがメッシュ通信ネットワークに接続できる可能性を高める方法を見出した。本発明者らは、メッシュノードが、長距離PHY、すなわち、長距離通信を提供するように調整されたPHYを使用して、メッシュ通信ネットワークへの接続を要求し得ることを認識した。これは、送信機と受信機との間の距離を、従来のPHYと比較して長くすることを可能にする。
【0010】
たとえば、ブルートゥース(登録商標)メッシュ通信ネットワークが、長距離PHYおよび拡張アドバタイジングメッシュベアラのためのサポートを伴って拡張される場合、ネットワークにおいて送信ノードによって利用されるべき(1つまたは複数の)速度を適切に決定するメカニズムを利用し得る。本開示では、とりわけ、1Mbpsのデフォルトブルートゥース(登録商標)メッシュレートを下回るデータレートを有する長距離低レートPHYを適切に使用するという問題に対処する。125kbpsのような低速は、カバレッジが狭い状況でメッシュノード間の接続を作り出すのに役立つ。しかし、データレートが低く、タイム・オン・エア(空間伝搬時間)が長いので、実際に必要とされるときにのみ、低レートを使用すべきである。
【0011】
そのようなメカニズムが望まれ得る1つの状態は、メッシュ通信ネットワークの外側に、新しいメッシュノード、たとえば、屋内メッシュノードと通信しなければならないガーデンライト(庭用の照明器具)などを設置するときである。メッシュノードが、デフォルトのPHY、すなわちデフォルトの1Mbpsレートを使用してメッシュ通信ネットワーク内のメッシュノードに到達することができない場合、メッシュ通信ネットワーク内のメッシュノードへの接続を作成するために、長距離PHY、たとえば、より低いレートを使用する必要があり得る。
【0012】
別の状況は、メッシュ通信ネットワーク内のトポロジが、たとえば、1つまたはいくつかのメッシュリレーノードが動作を停止することに起因して変更する場合である。この種のトポロジ変更は、メッシュ通信ネットワークの異なる部分を互いに切断し得るが、いくつかのノードが、長距離PHY、たとえば、より低いレート(より長い距離)を使用して通信を開始する場合、異なるメッシュ通信ネットワーク部分におけるメッシュノード間の接続を作成し、ネットワーク接続を再確立することが可能であり得る。
【0013】
本質的に、本開示は、3つのステップを対象とする。第1のステップは、非接続メッシュノードによって、メッシュ通信ネットワークに接続するために長距離PHYが必要であると決定することである。非接続メッシュノードは、最初に、メッシュ通信ネットワークに接続するために、従来のまたはデフォルトのPHYを使用して、従来の方法を試みることができる。このような従来の方法が成功しないと、非接続メッシュノードが処理を先に進めて、長距離PHYを試みることができる。したがって、非接続メッシュノードは、長距離PHYを使用して長距離サポートメッセージをブロードキャストし、それによってメッシュ通信ネットワークへの接続を要求することができる。言い換えれば、非接続メッシュノードは、その近傍のメッシュノードに対して、長距離ベアラを設定すること、を要求する。最後に、長距離ベアラは、メッシュ通信ネットワークに接続するために使用される。
【0014】
本開示によれば、メッシュ通信ネットワークは、上記で特定された第2のメッシュノードを含む相互接続された複数のメッシュノードを含む。したがって、第2のメッシュノードは、メッシュ通信ネットワークの一部である。
【0015】
メッシュ通信ネットワークにおいて、メッシュノードは、たとえば、セキュアネットワークビーコンと呼ばれるビーコンを周期的に送出して、サブネットおよびセキュリティ状態を識別することができる。そのように識別された第2のメッシュノードを含むメッシュ通信ネットワーク内のすべてのノードは、そのようなビーコンを受信することができる。したがって、メッシュ通信ネットワークは、同じサブネット内の複数の相互接続されたノード、すなわち、互いにビーコンを受信することができる複数のノードによって確定され得る。本開示によれば、特定された第2メッシュノードは、メッシュ通信ネットワークに属する。
【0016】
一実施形態によれば、前記メッシュノードは、前記メッシュ通信ネットワーク内の複数のメッシュノードから前記長距離サポートメッセージに対する複数のサポートレスポンス(応答)を受信し、さらに、前記方法は、
● 前記メッシュノードによって、前記メッシュノードが前記長距離サポートメッセージに対する前記複数のサポートレスポンスを受信することができた、前記メッシュ通信ネットワーク内の前記複数のメッシュノードのうちの1つを選択し、前記メッシュ通信ネットワークに前記メッシュノードを接続する。
【0017】
メッシュ通信ネットワークにおける複数のメッシュノードは、特定のブロードキャストされた長距離サポートメッセージを受信し得ることに留意されたい。そのようなケースでは、それらの複数のメッシュノードも、要求側のメッシュノードへ、長距離をサポートしていることを示すサポートレスポンスを提供することができる。非接続メッシュノード、すなわち要求側のメッシュノードは、次いで、メッシュ通信ネットワークへの接続点として使用するために複数のメッシュノードのうちの1つを選択することができる。
【0018】
したがって、要求側のメッシュノードは、メッシュ通信ネットワークへの接続点として使用するために、多数のメッシュノードのうちの1つを選択することができる。そうするために、要求側のメッシュノードは、選択されたメッシュノードに、それが長距離サポートを提供するために選択されたメッシュノードであることを認識させるための肯定応答を選択されたメッシュノードに、送信することができる。
【0019】
メッシュノードとメッシュ通信ネットワークとの間の接続が確立されると、メッシュ通信ネットワーク内の選択されたメッシュノードを介して、メッシュノードがメッシュ通信ネットワークに接続されていると見なされる。
【0020】
一例では、前記長距離PHYを使用して送信されるメッセージは、前記デフォルトのPHYを使用して送信されるメッセージと比較して、より低いレートを有する。
【0021】
より低いレートでメッセージを送信することによって、メッセージの範囲を拡張することができる。より低いレートは、たとえば、使用されるより低いQAMコンスタレーション、または同様のものであってもよい。
【0022】
さらなる例では、決定するステップは、
● 前記メッシュノードによって、前記メッシュ通信ネットワークからのメッセージの受信の欠如を検出することによって、前記メッシュノードが前記メッシュ通信ネットワークの到達範囲外であることを判定することと、を含む。
【0023】
メッシュノードは、たとえば、受信されたセキュアネットワークビーコンおよびメッシュメッセージ、ならびにオプションでハートビートメッセージを監視することによって、長距離サポートの必要性を判定してもよい。
【0024】
セキュアネットワークビーコンおよびメッシュメッセージがないことは、メッシュノードがメッシュ通信ネットワークのサブネット内の任意の他のメッシュノードの範囲内にないこと、およびメッシュノードが長距離ベアラを介して、すなわち長距離PHYを使用して通信を要求し得ることを示し得る。
【0025】
しかしながら、セキュアネットワークビーコンおよびメッシュメッセージの受信は、メッシュ通信ネットワークのサブネットが接続されること、すなわち、メッシュノードからメッシュ通信ネットワークのサブネット内の任意の他のメッシュノードへの経路が存在することを保証しない場合がある。メッシュノードが、メッシュ通信ネットワーク内の中央メッシュノードからハートビートメッセージなどを受信することを期待する設定において、そのようなハートビートを受信できないことは、メッシュノードは、これを、その拡張された通信サポートが必要とされていること、すなわち、長距離サポートを使用すべきであるという、インジケーションとして解釈することができる。
【0026】
別の例示では、前記メッシュノードは、前記デフォルトのPHYを使用してデフォルトベアラを確立するように構成され、前記長距離PHYを使用して長距離ベアラを確立するように構成され、前記方法は、
● 前記メッシュノードによって、前記長距離ベアラを、前記長距離PHYを使用して前記メッシュ通信ネットワーク内の前記メッシュノードに確立する。
【0027】
ベアラは、エンドポイント間でデータを転送するために使用される。この特定のケースでは、ベアラは、メッシュ通信ネットワークへの接続を要求するメッシュノードと、長距離ベアラをサポートする、メッシュ通信ネットワーク内のメッシュノードとの間にセットアップされ得る。ベアラは、長距離PHYを使用してセットアップされる。
【0028】
さらなる実施形態によれば、前記メッシュ通信ネットワークは、ブルートゥース(登録商標)メッシュ通信ネットワークであり、前記メッシュノードは、ブルートゥース(登録商標)メッシュノードである。
【0029】
さらに別の例では、メッシュノードは、前記長距離PHYを使用して長距離ベアラを確立するように構成され、前記長距離ベアラは、以下のいずれかである。
● コネクションレスのアドバタイジングベアラ、
● コネクション志向のGATTベアラ、
● 低電力ノードとそれに関連するフレンドメッシュノードと間のコネクションレスのアドバタイジングベアラ。
【0030】
GATTベアラは、アドバタイジングベアラをサポートしていないデバイスが、プロキシプロトコルとして知られるプロトコルを使用して、メッシュ通信ネットワークのメッシュノードと通信することを可能にする。アドバタイジングベアラを使用するメッシュノードとGATTベアラを使用するメッシュノードとの間でメッシュメッセージをリレー(中継)するメッシュノードは、プロキシノードとして知られている。プロキシノードは、GATTベアラをサポートすることができ、GATTベアラのみをサポートするメッシュノードとの接続を確立することができる。プロキシノードとGATTベアラを保持しているデバイスとの間で接続が確立された後、プロキシノードは、そのメッシュプロキシサービスを公開することができる。
【0031】
ブルートゥース(登録商標)メッシュ通信ネットワークにおける別のベアラレイヤは、アドバタイジングベアラである。特定のブルートゥース(登録商標)メッシュネットワークでは、このアドバタイジングベアラは、ブルートゥース(登録商標)GAPアドバタイジングおよびスキャンを利用して、他のメッシュノードからメッセージを受信し、ブロードキャストすることができる。
【0032】
本開示の第2の態様では、相互接続された複数のメッシュノードを備えるメッシュ通信ネットワークへのメッシュノードの接続をサポートする方法が提供され、前記メッシュ通信ネットワーク内のメッシュノードは、デフォルト物理レイヤ(PHY)を使用して前記メッシュノードに接続するように構成されるとともに、長距離PHYを使用して前記メッシュノードに接続するように構成され、前記長距離PHYの到達範囲は、前記デフォルトのPHYの到達範囲よりも大きく、前記方法は、
● 前記メッシュノードから、前記メッシュ通信ネットワーク内の前記メッシュノードによって、前記長距離PHYを使用して長距離サポートメッセージを受信し、それによって、前記メッシュ通信ネットワークへの前記メッシュノードの接続を要求することと、
● 前記メッシュ通信ネットワーク内の前記メッシュノードによって、前記長距離サポートメッセージのサポートレスポンスを送信し、それによって、前記長距離PHYを使用して、前記通信ネットワークへの前記メッシュノードの前記接続のサポートを示すことと、を有する。
【0033】
次の段階では、前記メッシュ通信ネットワーク内の前記メッシュノードは、長距離PHYを使用して前記メッシュ通信ネットワークへの接続を要求してきた前記メッシュノードから、要求側のメッシュノードが前記メッシュネットワークへの接続のためにそのメッシュノードを使用することを望んでいるという、アクノレッジメント(肯定応答)を受信してもよい。
【0034】
メッシュ通信ネットワーク内のメッシュノードがそのような肯定応答を受信しない場合、要求側のメッシュノードは、長距離接続のためにメッシュ通信ネットワーク内の別のメッシュノードを使用すると仮定することができる。
【0035】
本開示の第1の態様に関する異なる方法の例の利点は、本開示の第2の態様に関する方法にも適用可能であることに留意されたい。
【0036】
したがって、本開示の第2の態様は、長距離サポートメッセージを受信する、メッシュ通信ネットワーク内のメッシュノードを対象とする。その特定のケースでは、メッシュ通信ネットワーク内のメッシュノードは、長距離PHYを積極的に使用する必要はないが、その特定の長距離サポートメッセージを受信することができるように、長距離PHYをリッスン(受信試行)するように構成されるべきである。
【0037】
一例では、前記長距離PHYを使用して送信されるメッセージは、前記デフォルトのPHYを使用して送信されるメッセージと比較して、より低いレートを有する。
【0038】
本開示は、ロングレンジ(長距離)を獲得するための特定のメッセージのレートを低下させることを対象としないことに留意されたい。より高い送信電力を提供することによって、またはビームフォーミング技法などを使用することによっても、長距離が獲得されてもよい。
【0039】
別の実施形態によれば、前記メッシュ通信ネットワーク内のメッシュノードは、前記デフォルトのPHYを使用してデフォルトベアラを確立するように構成されるとともに、前記長距離PHYを使用して長距離ベアラを確立するように構成され、前記方法は、
● 前記メッシュ通信ネットワーク内の前記メッシュノードによって、前記長距離PHYを使用して前記長距離ベアラを前記メッシュノードに確立することを含む。
【0040】
さらなる実施形態によれば、前記メッシュ通信ネットワークは、ブルートゥース(登録商標)メッシュ通信ネットワークであり、前記メッシュノードは、ブルートゥース(登録商標)メッシュノードである。
【0041】
さらに別の例では、前記メッシュ通信ネットワーク内の前記メッシュノードは、前記長距離PHYを使用して長距離ベアラを確立するように構成され、前記長距離ベアラは、次のいずれかである。
● コネクションレスのアドバタイジングベアラ、
● コネクション志向のGATTベアラ、または、
● 低電力ノードとそれに関連するフレンドメッシュノードとの間のコネクションレスアドバタイジングベアラ。
【0042】
本開示の第3の態様では、相互接続された複数のメッシュノードを含むメッシュ通信ネットワークに、デフォルト物理レイヤ(PHY)を使用して接続するように構成され、長距離PHYを使用して前記メッシュ通信ネットワークに接続するように構成されたメッシュノードが提供され、前記長距離PHYの到達範囲は、前記デフォルトのPHYの到達範囲よりも大きく、前記メッシュノードは、
● 前記メッシュ通信ネットワークに接続するために前記長距離PHYが必要であると決定するように構成されたプロセス装置と、
● 当該長距離PHYを使用して長距離サポートメッセージをブロードキャストすることで、前記メッシュ通信ネットワークへの接続を要求するように構成された送信装置と、
● 前記メッシュ通信ネットワーク内のメッシュノードから、前記長距離サポートメッセージに対するサポートレスポンスを受信し、それによって、前記長距離PHYを使用した前記メッシュノードの前記通信ネットワークへの前記接続のサポートを示すように構成された受信装置と、を有する。
【0043】
上述のように、受信装置は、メッシュ通信ネットワーク内の複数のメッシュノードから複数のサポートレスポンスを受信するように構成されてもよい。したがって、プロセス装置は、メッシュ通信ネットワークに接続したいメッシュノードとして、それらの複数のメッシュノードを選択するように構成されてもよい。そのような選択は、たとえば、受信電力レベル、レイテンシ(待ち時間)、または同様のものに基づき得る。最後に、送信装置は、選択されたメッシュノードに肯定応答を送信し、選択されたメッシュノードがメッシュ通信ネットワークへの接続として使用されることが希望されていることをそのメッシュノードに認識させるように構成されてもよい。
【0044】
本開示の第1の態様の実施例に関して説明した利点は、本開示の第3の態様の実施例にも適用可能であることに留意されたい。
【0045】
一実施形態によれば、受信側の装置は、前記メッシュ通信ネットワーク内の複数のメッシュノードから前記長距離サポートメッセージの複数のサポートレスポンスを受信するように構成され、前記メッシュノードは、
● 前記メッシュ通信ネットワークに前記メッシュノードを接続するために、前記メッシュノードが前記長距離サポートメッセージに対する前記複数のサポートレスポンスを受信することができた前記メッシュ通信ネットワーク内の前記複数のメッシュノードのうちの1つを選択するように構成された決定装置を、さらに有する。
【0046】
さらなる例では、前記長距離PHYを使用して送信されるメッセージは、前記デフォルトのPHYを使用して送信されるメッセージと比較して、より低いレートを有する。
【0047】
別の例では、プロセス装置は、
● 前記デフォルトのPHYを使用して送信されたメッセージに対する応答であるサポートレスポンスを受信できないことを検出することによって、前記メッシュノードが前記メッシュ通信ネットワークの党脱範囲外にあることを決定することと、
● 前記メッシュ通信ネットワークからのメッセージを受信できないことを検出することによって、前記メッシュノードが前記メッシュ通信ネットワークの到達範囲外にあることを決定すること、のうちのいずれかを実行するようにさらに構成されてもよい。
【0048】
さらに別の例では、メッシュノードは、前記デフォルトのPHYを使用してデフォルトベアラを確立するように構成され、前記長距離PHYを使用して長距離ベアラを確立するように構成され、前記プロセス装置は、
● 前記長距離PHYを使用して、前記メッシュ通信ネットワーク内の前記メッシュノードへの前記長距離ベアラを確立する、ようにさらに構成されている。
【0049】
さらに別の実施形態によれば、メッシュ通信ネットワークは、ブルートゥース(登録商標)メッシュ通信ネットワークであり、メッシュノードは、ブルートゥース(登録商標)メッシュノードである。
【0050】
別の例示では、前記メッシュノードは、前記長距離PHYを使用して長距離ベアラを確立するように構成され、前記長距離ベアラは、以下のいずれか出る。
● コネクションレスのアドバタイジングベアラ、
● コネクション志向のGATTベアラ、または、
● 低電力ノードとそれに関連するフレンドメッシュノードとの間のコネクションレスアドバタイジングベアラ。
【0051】
本開示の第4の態様では、デフォルト物理レイヤ(PHY)を使用して相互接続された複数のメッシュノードを含むメッシュ通信ネットワークへのメッシュノードの接続をサポートするように構成された当該メッシュ通信ネットワーク内のメッシュノードであって、長距離PHYを使用して前記メッシュノードに接続するように構成されており、ここで、前記長距離PHYの到達範囲が前記デフォルトのPHYの到達範囲よりも大きく、前記メッシュ通信ネットワーク内の前記メッシュノードは、
● 前記メッシュノードから前記長距離PHYを使用して長距離サポートメッセージを受信するように構成された受信装置と、それによって前記メッシュ通信ネットワークへの前記メッシュノードの接続を要求し、
● 前記長距離サポートメッセージのサポートレスポンスを送信するように構成された送信装置と、を有し、それによって、前記長距離PHYを使用した前記通信ネットワークへの前記メッシュノードの前記接続のサポートを示す。
【0052】
本開示の第1の態様の実施例に関して説明された利点は、本開示の第4の態様にも適用可能であることに留意されたい。
【0053】
一例では、前記長距離PHYを使用して送信されるメッセージは、前記デフォルトのPHYを使用して送信されるメッセージと比較して、より低いレートを有する。
【0054】
さらなる例では、長距離サポートメッセージは、前記デフォルトのPHYを使用して送信されるメッセージと比較して、より低いレートで受信される。
【0055】
別の実施形態によれば、前記メッシュ通信ネットワーク内の前記メッシュノードは、前記デフォルトのPHYを使用してデフォルトベアラを確立するように構成され、前記長距離PHYを使用して長距離ベアラを確立するように構成され、当該メッシュノードは、さらに、
● 前記長距離PHYを使用して前記メッシュノードに前記長距離ベアラを確立するように構成されたプロセス装置、を有する。
【0056】
さらなる実施形態によれば、前記メッシュ通信ネットワークは、ブルートゥース(登録商標)メッシュ通信ネットワークであり、前記メッシュノードは、ブルートゥース(登録商標)メッシュノードである。
【0057】
一実施形態によれば、前記メッシュノードは、前記長距離PHYを使用して長距離ベアラを確立するように構成され、前記長距離ベアラは、次のいずれかである。
● コネクションレスのアドバタイジングベアラ、
● コネクション志向のGATTベアラ、または、
● 低電力ノードとそれに関連するフレンドメッシュノードとの間のコネクションレスアドバタイジングベアラ。
【0058】
本開示の第5の態様では、メッシュノードによって実行されたとき、上記で提供された方法のいずれかによる方法を前記メッシュノードに実行させる命令を記憶したコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラムプロダクトが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】は、メッシュ通信ネットワークにおいて異なる伝送レートを使用するときに得られる範囲の例を開示する。
【0060】
【
図2】は、メッシュ通信ネットワークに接続しようとするメッシュノードの模式図を開示する。
【0061】
【
図3】は、特定のメッシュノードが故障したメッシュ通信ネットワークの模式図を開示する。
【0062】
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は、メッシュ通信ネットワークにおいて異なる伝送レートを使用するときに得られる範囲の例1を開示し、より具体的には、ブルートゥース(登録商標)メッシュ通信ネットワークを開示する。
【0064】
図1には、6000kbps、4000kbps、2000kbps、1000kbps、500kbps、125kbpsという6つの異なるデータレート3がプロットされている。
【0065】
125kbpsおよび500kbpsレートは、長距離PHYと呼ばれることが多い。一方で、レート(速度)と空間伝搬時間との間のトレードオフは、他方で、ブルートゥース(登録商標)ローエナジーにも適用され、速度を最大化し、空間伝搬時間を最小化するために、可能な限り最高のデータレートを使用することを通常は望む。
【0066】
ブルートゥース(登録商標)メッシュ通信ネットワークが、拡張アドバタイジングメッシュベアラと、PHYの追加といった形で、拡張アドバタイジング機能をサポートするように拡張される場合、ブルートゥース(登録商標)メッシュネットワークは、拡張アドバタイジングによるより大きなメッセージおよびすべての利用可能なレートのサポートを利用することができる。必要に応じて、低データレートを使用することにより、未接続のノード間のリンクを確立することができる。また、より高いレートの利用は、実現可能な場合、伝送レートを増加させ、したがって、より高いスループットおよびより高いネットワーク容量から利益を得ることを可能にする。
【0067】
本発明者らは、メッシュ通信ネットワーク、たとえば、ブルートゥース(登録商標)メッシュが、長距離PHYおよび拡張アドバタイジングメッシュベアラのためのサポートを伴って拡張される場合、ネットワーク内の送信ノードによって利用されるべき速度を適切に決定するメカニズムを必要とし得ることを見出した。
【0068】
この特定の例では、たとえば、低レートPHYを使用して、長距離PHYが論じられる。たとえば125kビット/秒のような低速を使用する長距離PHYは、カバレッジが不十分な状態でノード間の接続を確立するのに役立つ。
【0069】
したがって、
図1の横軸2は、交換されるメッセージの範囲を示す。低レートのシグナリングは、到達可能範囲を拡張するために使用可能であり、たとえば、参照符号5を付与されたレートは、メッシュ通信ネットワークへの接続を確立するために、メッシュノードによって使用可能である。
【0070】
図2は、メッシュ通信ネットワーク103、102、107、108に接続することを意図するメッシュノード106の模式
図101を示す。
【0071】
したがって、
図2は、ロングレンジ(長距離)ベアラ、すなわち、長距離PHYを使用するベアラが必要とされる状況を示す。
図2において、メッシュネットワークの外側に配置された参照符号106を付与されたメッシュノードは、デフォルトのPHYと、デフォルトベアラを介して、たとえば、
図1に示されるようなデフォルト1Mbpsベアラを使用しており、他のすべてのメッシュノード103、102、107、108の通信レンジ外にある。
【0072】
この状況では、メッシュノード106は、いかなるセキュアネットワークビーコンも受信できず、いかなるメッシュネットワークトラフィックも検出できないか、または少なくともそのようなアクティビティは、非常に稀であるか、信頼性がない状態にある。また、メッシュノード106は、ハートビートメッセージを定期的に発行すると仮定される参照符号102で示されたコントローラメッシュノードから、任意のハートビートを受信することもできない。切断されたメッシュノード106について、セキュアネットワークビーコンおよびメッシュトラフィックが検出されないという事実、ならびにコントローラメッシュノード102からのハートビートがないという事実は、メッシュノード106が他のメッシュノード103、102、107、108の範囲外に位置することを示す。
【0073】
デフォルトベアラ範囲、すなわち、たとえば、デフォルト1Mbpsベアラに関連する範囲は、参照符号104で示され、たとえば、長距離ベアラ、たとえば、125kbpsベアラに関連する範囲は、参照符号105で示されることに留意されたい。
【0074】
したがって、本開示は、接続されていないメッシュノード106がメッシュ通信ネットワークへの接続を得る可能性があることを保証することを目的とする。
【0075】
メッシュ通信ネットワークは、例示的に、参照符号103、102、107、および108によって示される。
【0076】
メッシュ通信ネットワークは、相互接続されたメッシュノードによって定義され得る。メッシュ通信ネットワークのコントローラメッシュノードは、符号102によって識別(特定)されている。メッシュ通信ネットワークの他のすべてのメッシュノード107、108、および103は、メッシュノードを互いに接続する実線で示されるように、互いに通信することができる。したがって、これはメッシュ通信ネットワークに似ている。
【0077】
本開示によれば、長距離サポートは、第2のメッシュノード107によって要求側メッシュノード106に提供される。したがって、第2のメッシュノード107は、参照符号102、103、107、および108で示されるように、メッシュ通信ネットワークの一部である。
【0078】
メッシュノード106は、参照符号104で示されるように、デフォルト物理レイヤPHYを使用してメッシュ通信ネットワークに接続するように構成され、参照符号105で示されるように、長距離PHYを使用してメッシュ通信ネットワークに接続するように構成される。
【0079】
図2は、デフォルトベアラ104の範囲が、長距離ベアラ105の範囲よりも小さいことを示す。
【0080】
この方法は、前記メッシュノードによって、前記長距離PHYが前記メッシュ通信ネットワークに接続するために必要であることを決定する第1のステップを含む。そのような決定は、たとえば、メッシュノード106によって、それがもはやハートビートメッセージなどを受信できなくなったことを判定すること、によって実現されてもよい。メッシュノード106は、メッシュ通信ネットワークにおいて交換されているメッセージ、たとえば、ハートビートまたはビーコンなどを定期的に受信することを期待することができる。これらの種類のメッセージをもはや検出できなくなると、メッシュノード106は、メッシュ通信ネットワークの範囲内にはもはやないことを認識することができる。
【0081】
次の段階は、メッシュノード106が、前記長距離PHYを使用して長距離サポートメッセージをブロードキャストし、それによって前記メッシュ通信ネットワークへの接続を要求することである。これは、メッシュノード106が、メッシュ通信ネットワークへの接続を試みるために、長距離PHY、たとえば低レートメッセージを低距離ベアラ105として使用することを意味する。
【0082】
この特定のケースでは、メッシュノード106は、メッシュ通信ネットワークのメッシュノード107から、前記長距離サポートメッセージに対するサポートレスポンスを受信し、それによって、前記長距離PHYを使用した前記通信ネットワークへの前記メッシュノードの前記接続のサポートを示すことができる。
【0083】
メッシュノード107は、本開示の上述の態様による第2のメッシュノードと考えることができる。
【0084】
なお、メッシュノード106は、メッシュ通信ネットワーク内の他のメッシュノードから、長距離サポートメッセージに対する他のサポートレスポンスを受信してもよい。参照符号108を有するメッシュノードは、メッシュノード106に到達可能であってもよく、したがって、サポートレスポンスをメッシュノード106に返信してもよい。
【0085】
メッシュノード106は、メッシュノード106をメッシュ通信ネットワークに接続するために、メッシュノード106が長距離サポートメッセージに対する複数のサポートレスポンスを受信することができた、メッシュ通信ネットワーク内の複数のメッシュノード107、108のうちの1つを選択し得る。
【0086】
図3は、特定のメッシュノード204が故障してしまったときのメッシュ通信ネットワークの模式
図201を示す。
【0087】
図3では、障害のあるノード204は、メッシュネットワーク202、205を2つの異なる部分に分離しており、それぞれ異なる部分に位置する複数のノードは、もはや通信することができない。
【0088】
ネットワークの右上に位置するノードは、セキュアネットワークビーコンを受信し、メッシュメッセージを検出し、また、コントロールメッシュノード203によって発行された規則的なハートビートメッセージを受信する。したがって、これらのノードは、メッシュネットワークが切断されたことを容易に検出することができない。しかしながら、メッシュ通信ネットワークの左下のメッシュノード205は、セキュアネットワークビーコンおよびメッシュメッセージを受信するが、コントロールメッシュノード203からはハートビートを受信しない。したがって、ネットワークのこの部分のメッシュノード205は、それらの周りに隣接するメッシュノードが存在すると結論付けることができるが、ハートビートメッセージを発行するコントロールメッシュノード203への経路はない。
【0089】
長距離ベアラを必要とするメッシュノードは、長距離ノード(LRN)と呼ばれることがあり、長距離ベアラにわたってLRNをサポートする能力を有するメッシュノードは、長距離サポートノード(LRSN)と呼ばれる。
【0090】
図4に、リクエストサポートプロトコルを示すメッセージシーケンスを示す。ステップ304において、LRN303は、近隣メッシュノード302に、長距離アドバタイジングベアラを使用して長距離サポートリクエストメッセージをブロードキャストする。リクエストメッセージは、シングルホップに限定されてもよく、すなわち、どの近隣中継ノードによっても転送されなくてもよい。リクエストメッセージはまた、LRSNが提供すべきである要求されている、およびオプションの能力を含むことができる。たとえば、LRNは、アドバタイジング、コネクション(接続)、または同様のものなどの具体的な種類のベアラを要求することができる。さらに、
図3の状態をサポートするために、LRNは、LRSNがハートビートを発行するコントロールメッシュノード203への経路を有すること、すなわち、LRSNがハートビートをコントロールメッシュノード203から受信することをさらに要求することができる。
【0091】
長距離リクエストメッセージを受信し、LRNをサポートする能力を有する任意のLRSN302は、ステップ305において、サポートレスポンスメッセージを送信することによって応答する。サポートレスポンスメッセージは、LRNにユニキャストされてもよく、LRSNのプロパティおよび能力に関する情報を含むことができる。多くのLRSNが同じリクエストメッセージに応答することができるので、レスポンスメッセージの送信スケジューリングは、時間的にランダム化される。関連する特性および能力は、フレンドノードのためのGATTベアラまたはメッセージ記憶能力のための接続パラメータ、およびハートビートメッセージを送信するノードまでの距離などのリソースを含む。
【0092】
LRNは、受信された異なるサポートレスポンスを評価し、ステップ306において、選択されたLRSNに対するサポートレスポンスを送信する。サポートレスポンスは、ユニキャストすることができる。LRSNの選択は、サポートレスポンスメッセージに含まれる情報、ならびにLRNによって測定されるローカルプロパティ、たとえば、受信されたサポートメッセージのRSSIに基づく。サポートレスポンスメッセージが受信されない場合、または受信されたオファーが適切でない場合、LRNはすべてのオファーを拒否し、サポートレスポンスは送信されない。そのような場合、LRNは、おそらくサポート要件を変更し、後で別のリクエストメッセージを送信することができる。
【0093】
長距離PHYを使用するメッシュネットワークにおける通信は、長距離アドバタイジングベアラ、長距離GATTベアラ、および長距離LPN-フレンド関係を含む、いくつかの異なる形態をとり得る。
【0094】
長距離アドバタイジングベアラは、拡張アドバタイジング機能を利用するが、そうでなければ、既存のブルートゥース(登録商標)メッシュアドバタイジングベアラと比較可能なものであってもよい。アドバタイジングベアラを介して送信されるメッセージは、ブロードキャストされる、すなわち、同じサブネットに属し、長距離PHYをサポートする範囲内のすべてのノードによって受信され得る。アドバタイジングベアラを介して送信されたメッセージは、(リンクレイヤ上で)確認応答されない。
【0095】
また、長距離PHYは、GATT接続を介して実現されてもよい。コネクション経由で送信されるメッセージは、ユニキャストされ、確認応答される。
【0096】
長距離サポートは、LPN-フレンドノードの型式で実現されることもでき、これは、現行のフレンド関係と均等であるが、通信は長距離PHYを利用する。
【0097】
本開示は、手動構成を必要とすることなく、メッシュ通信ネットワークにおいて選択されたコネクションにわたって長距離ベアラの利用を容易にする解決策を提案する。この解決策は、長距離サポートが必要であることを検出するためのメッシュノードのためのメカニズムと、それに続く、近隣メッシュノードからの長距離サポートのリクエストと、接続を介した通信とを備え、それによって、長距離ベアラを使用して、リクエストとサポートメッシュノードとを接続する。オプションで、解決策は、メッシュネットワークコネクティビティを分析するために使用されるハートビートメッセージを公開するセントラルコントロール(中央制御)ノードを利用する。
【0098】
上記の例は、その考えを限定するのではなく例示するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替例を設計することができることに留意されたい。「有する(comprising)」という語は、請求項に列挙されたもの以外の要素またはステップの存在を排除するものではなく、「a」または「an」は、複数を排除するものではなく、単一のプロセッサまたは他のユニットは、請求項に列挙された幾つかのユニットの機能を満たすことができる。
【0099】
請求項におけるいかなる参照符号も、それらの範囲を限定するように解釈されるべきではない。