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  • 特許-車両用通信装置およびこの制御方法 図1a
  • 特許-車両用通信装置およびこの制御方法 図1b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-01
(45)【発行日】2025-10-09
(54)【発明の名称】車両用通信装置およびこの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/3822 20150101AFI20251002BHJP
   H04B 17/29 20150101ALI20251002BHJP
   H04B 1/18 20060101ALI20251002BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20251002BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20251002BHJP
【FI】
H04B1/3822
H04B17/29 300
H04B1/18 A
H04B7/06 042
H04B7/08 022
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022534273
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 KR2020019469
(87)【国際公開番号】W WO2021137649
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2023-11-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0000444
(32)【優先日】2020-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジンホ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,スンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,テソプ
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-255225(JP,A)
【文献】特開平10-190516(JP,A)
【文献】国際公開第2009/142000(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38-1/58
H04B 1/60
H04B 3/46-3/493
H04B 17/00-17/40
H04B 1/18-1/24
H04B 7/02-7/12
H04L 1/02-1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アンテナと複数の第2アンテナを含むアンテナ部;
前記第1アンテナへの第1経路と前記複数の第2アンテナそれぞれへの第2経路をスイッチングする第1スイッチ;
前記複数の第2アンテナのうちいずれか一つへの前記第2経路をスイッチングする第2スイッチ;
前記第2スイッチに連結された一つの第2アンテナへの前記第2経路に連結され、前記連結された第2アンテナの共振長さを調整する長さ調整部;および
前記第1アンテナの状態により前記複数の第2アンテナのうちいずれか一つの第2アンテナと連結するためのスイッチング信号を生成する通信制御部を含み,
前記長さ調整部は複数の回路を含み、
前記複数の回路は、
前記共振長さを維持させるための第1回路;
前記共振長さを減少させるための第2回路;および
前記共振長さを増加させるための第3回路を含み,
前記通信制御部は、
前記複数の第2アンテナそれぞれと前記複数の回路それぞれを順次連結させて受信された信号のレベルを検出し、
前記検出された信号のレベルが最も高い一つの第2アンテナと一つの回路を選択する、車両用通信装置。
【請求項2】
前記第2回路は少なくとも一つのキャパシタを含み、
前記第3回路は少なくとも一つのインダクタを含む、請求項1に記載の車両用通信装置。
【請求項3】
前記第2スイッチと前記長さ調整部間に連結され、前記第2スイッチに連結された一つの第2アンテナが前記長さ調整部を構成する複数の回路のうちいずれか一つの回路に連結されるようにスイッチングする第3スイッチをさらに含む、請求項に記載の車両用通信装置。
【請求項4】
前記通信制御部は、
前記選択された一つの第2アンテナと一つの回路を連結するためのスイッチング信号を生成する、請求項3に記載の車両用通信装置。
【請求項5】
前記第2スイッチは前記複数の第2アンテナのうち一つの第2アンテナを選択し、
前記第3スイッチは前記選択された一つの第2アンテナと連結されるように選択された一つの回路の一端に連結され、
前記第1スイッチは前記選択された一つの回路の他端に連結される、請求項4に記載の車両用通信装置。
【請求項6】
前記通信制御部は、
前記第1アンテナを通じて受信された信号のレベルを検出し、前記検出された信号のレベルに基づいて前記第1アンテナの連結の有無を確認し、
前記第1アンテナが正常に連結されていない状態である場合、前記複数の第2アンテナのうち選択された一つの第2アンテナと一つの回路への前記第2経路を連結するように前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、前記第3スイッチを制御する、請求項4に記載の車両用通信装置。
【請求項7】
前記通信制御部は、
前記第1アンテナを通じて受信された信号のレベルを利用して前記第1アンテナの状態を1次確認し、
前記第1アンテナの連結の有無により前記第1アンテナの状態を2次確認し、
前記1次確認した結果と前記2次確認した結果により前記第1アンテナの状態を判断する、請求項1に記載の車両用通信装置。
【請求項8】
第1アンテナが連結されて通信を遂行する場合、前記第1アンテナの状態を判断する段階;
前記第1アンテナが正常に動作できない状態である場合、複数の第2アンテナのうちの一つの第2アンテナと前記一つの第2アンテナの共振長さを調整するための複数の回路のうちの一つの回路を順次連結する段階;および
前記連結された第2アンテナを通じて受信された信号のレベルを検出し、前記検出された信号のレベルに基づいて複数の第2アンテナのうち一つの第2アンテナを選択し、前記選択された第2アンテナに連結して通信する段階を含む、車両用通信装置の制御方法。
【請求項9】
前記判断する段階では、
前記第1アンテナを通じて受信された信号のレベルを利用して前記第1アンテナの状態を1次確認し、
前記第1アンテナの連結の有無により前記第1アンテナの状態を2次確認し、
前記1次確認した結果と前記2次確認した結果により前記第1アンテナの状態を判断する、請求項8に記載の車両用通信装置の制御方法。
【請求項10】
前記通信する段階では、
前記複数の第2アンテナそれぞれと前記複数の回路それぞれを順次連結させて受信された信号のレベルを検出し、
前記検出された信号のレベルが最も高い一つの第2アンテナと一つの回路を選択し、
前記選択された一つの第2アンテナと一つの回路を連結する、請求項8に記載の車両用通信装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は通信復旧機能を有する車両用通信装置およびこの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナ(Antenna)は、無線通信のために空間に効率的に電波を放射するために使われる装置をいう。特に最近では有線通信に比べて無線通信の比率が幾何級数的に増えているため、アンテナの重要性がますます増加している。
【0003】
自動車には機械的な構成だけでなく電子的な部品が多数含まれるため、アンテナが必須として含まれる。
【0004】
図1a~図1bは、従来の車両用通信装置の問題点を説明するための図面である。
【0005】
図1a~図1bを参照すると、従来の車両用通信装置は通信制御部10とアンテナ20を含むことができる。通信制御部10は複数の通信モデムを含み、複数の通信モデムは支援する通信方式例えば、5G、V2X、GPS、BT/WiFi、Radio、DMBなどにより備えられた複数のアンテナ20にそれぞれ連結されて通信することができる。
【0006】
この時、車両の事故や破損などの応急状況の発生によってアンテナが破損する可能性があるが、車両内に他の未破損アンテナが存在していても連結経路がないため未破損アンテナを使用できず、一部の未破損アンテナへの連結経路が存在しても該当アンテナの破損の有無の確認が難しく、共振点が異なるため連動することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0027944号公報
【文献】韓国公開特許第10-2016-0091891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施例は、通信復旧機能を有する車両用通信装置およびこの制御方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施例に係る車両用通信装置は、第1アンテナと複数の第2アンテナを含むアンテナ部;第1アンテナへの第1経路と前記複数の第2アンテナへの第2経路をスイッチングする第1スイッチ;前記複数の第2アンテナのうちいずれか一つへの第2経路をスイッチングする第2スイッチ;前記第2スイッチに連結された一つの第2アンテナへの前記第2経路に連結され、前記連結された第2アンテナの共振長さを調整する長さ調整部;および前記第1アンテナの状態により前記複数の第2アンテナのうちいずれか一つの第2アンテナと連結するためのスイッチング信号を生成する通信制御部を含むことができる。
【0010】
前記長さ調整部は複数の回路を含み、前記複数の回路は、
前記共振長さを維持させるためのバイパス回路;前記共振長さを減少させるための第1調整回路;および前記共振長さを増加させるための第2調整回路を含むことができる。
【0011】
前記第1調整回路は少なくとも一つのキャパシタを含み、前記第2調整回路は少なくとも一つのインダクタを含むことができる。
【0012】
前記車両用通信装置は、前記第2スイッチと前記長さ調整部間に連結され、前記第2スイッチに連結された一つの第2アンテナが前記複数の回路のうちいずれか一つに連結されるようにスイッチングする第3スイッチをさらに含むことができる。
【0013】
前記通信制御部は、前記複数の第2アンテナそれぞれと前記複数の回路それぞれを順次連結させて受信された信号のレベルを検出し、前記検出された信号のレベルが最も高い一つの第2アンテナと一つの回路を選択し、前記選択された一つの第2アンテナと一つの回路を連結するためのスイッチング信号を生成することができる。
【0014】
前記第2スイッチは前記複数の第2アンテナのうち一つの第2アンテナを選択し、前記第3スイッチは前記選択された一つの第2アンテナと連結されるように選択された一つの回路の一端に連結され、前記第1スイッチは前記選択された一つの回路の他端に連結され得る。
【0015】
前記通信制御部は前記第1アンテナを通じて受信された信号のレベルを検出し、前記検出された信号のレベルに基づいて前記第1アンテナの連結の有無を確認し、前記第1アンテナが正常に連結されていない状態である場合、前記複数の第2アンテナのうち選択された一つの第2アンテナと一つの回路への第2経路を連結するように前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、前記第3スイッチを制御することができる。
【0016】
前記通信制御部は前記第1アンテナを通じて受信された信号のレベルを利用して前記第1アンテナの状態を1次確認し、前記第1アンテナの連結の有無により前記第1アンテナの状態を2次確認し、前記1次確認した結果と前記2次確認した結果により前記第1アンテナの状態を判断することができる。
【0017】
実施例に係る車両用通信装置の制御方法は、第1アンテナが連結されて通信を遂行する場合、前記第1アンテナの状態を判断する段階;前記第1アンテナが正常に動作できない状態である場合、複数の第2アンテナのうち一つの第2アンテナと前記一つの第2アンテナの共振長さを調整するための複数の回路のうち一つの回路を順次連結する段階;および前記連結された第2アンテナを通じて受信された信号のレベルを検出し、前記検出された信号のレベルに基づいて複数の第2アンテナのうち一つの第2アンテナを選択し、前記選択された第2アンテナに連結して通信する段階を含むことができる。
【0018】
前記判断する段階では、前記第1アンテナを通じて受信された信号のレベルを利用して前記第1アンテナの状態を1次確認し、前記第1アンテナの連結の有無により前記第1アンテナの状態を2次確認し、前記1次確認した結果と前記2次確認した結果により前記第1アンテナの状態を判断することができる。
【0019】
前記通信する段階では、前記複数の第2アンテナそれぞれと前記複数の回路それぞれを順次連結させて受信された信号のレベルを検出し、前記検出された信号のレベルが最も高い一つの第2アンテナと一つの回路を選択し、前記選択された一つの第2アンテナと一つの回路を連結することができる。
【発明の効果】
【0020】
実施例によると、第1アンテナが正常に動作できない場合、予め定められた優先順位により複数の第2アンテナのうちいずれか一つを選択連結し、選択連結された第2アンテナの共振長さを予め定められた共振長さに調整するようにすることによって、緊急状況の発生によってアンテナ破損時、他のアンテナを利用して緊急通信復旧が可能となり得る。
【0021】
実施例によると、第1アンテナが正常に動作できない状態を判断することが可能であるため、車両運行前に事前復旧が可能となり得る。
【0022】
実施例によると、車両内に配置されている複数のアンテナを利用して緊急通信復旧が可能であるため、追加的なハードウェアの構成による費用を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1a】従来の車両用通信装置の問題点を説明するための図面である。
図1b】従来の車両用通信装置の問題点を説明するための図面である。
図2】本発明の一実施例に係る車両用通信装置の構成を示す図面である。
図3a図2に図示された第1スイッチの構成原理を説明するための図面である。
図3b図2に図示された第1スイッチの構成原理を説明するための図面である。
図4図2に図示された長さ調整部の詳細な構成を示す図面である。
図5】本発明の一実施例に係る第1アンテナの連結状態を示す図面である。
図6】本発明の一実施例に係る第2アンテナの連結状態を示す図面である。
図7】本発明の一実施例に係る通信装置の制御方法を示す図面である。
図8図7に図示された第2アンテナへの第1連結過程を説明するための図面である。
図9図7に図示された第2アンテナへの第2連結過程を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0025】
ただし、本発明の技術思想は説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、本発明の技術思想範囲内であれば、実施例間にその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置き換えて使うことができる。
【0026】
また、本発明の実施例で使われる用語(技術および科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使われる用語は関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるであろう。
【0027】
また、本発明の実施例で使われた用語は実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。
【0028】
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0029】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。
【0030】
このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0031】
そして、或る構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素の間にあるさらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0032】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものと記載される場合、上(うえ)または下(した)は二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく、一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」と表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0033】
実施例では、第1アンテナが正常に動作できない場合、予め定められた優先順位により複数の第2アンテナのうちいずれか一つを選択連結し、選択連結された第2アンテナの共振長さを予め定められた共振長さに調整するようにした、新しい方案を提案する。
【0034】
図2は、本発明の一実施例に係る車両用通信装置の構成を示す図面である。
【0035】
図2を参照すると、本発明の一実施例に係る車両用通信装置は通信制御部100、アンテナ部200、第1スイッチ310、第2スイッチ320、第3スイッチ330、長さ調整部340を含むことができる。
【0036】
通信制御部100は周期的に第1アンテナの状態を判断し、判断した結果により第2アンテナに連結することができる。通信制御部100は第1アンテナが正常に動作する場合、第1経路(RF Path_1)を通じて連結され得、第1アンテナが正常に動作できない場合、第1スイッチ310、第2スイッチ320、第3スイッチ330を制御して、第2アンテナへの第2経路(RF Path_2)を通じて連結され得る。
【0037】
通信制御部100は、第1スイッチ310、第2スイッチ320、第3スイッチ330をそれぞれスイッチングするためのスイッチング信号を生成して経路を制御することができる。
【0038】
通信制御部100は第1アンテナを通じて受信された信号のレベルを検出し、検出された信号のレベルに基づいて第1アンテナの状態を1次確認し、第1アンテナの連結の有無に基づいて第1アンテナの状態を2次確認して第1アンテナの状態を判断することができる。
【0039】
この時、通信制御部100は内部に構成された回路を利用して第1アンテナへの第1経路がオープン状態であるかを確認することによって第1アンテナの連結の有無を確認することができる。
【0040】
実施例では、第1アンテナの状態を1次確認した後に2次確認して決定しているが、このような理由は第1アンテナが正常に動作しても弱電界地域では信号のレベルが低い場合もあるため、このような場合に第2アンテナへの変更を防止するためである。
【0041】
アンテナ部200は第1アンテナ210と複数の第2アンテナ220を含むことができる。例えば、第1アンテナは4G/5G用アンテナ_1であり、第2アンテナはV2X用アンテナ_2、GPS用アンテナ_3、BT/WiFi用アンテナ_4、Radio用アンテナ_5、DMB用アンテナ_6であり得る。
【0042】
第1スイッチ310は第1アンテナ210への第1経路と複数の第2アンテナ220それぞれへの第2経路をスイッチングすることができる。ここで第1スイッチ310は例えば、SPXT(Single Pole multi Throw)スイッチであり得る。第1スイッチ310は通信制御部100が第1アンテナ210に連結された状態を維持してデフォルト経路を生成することができる。
【0043】
このようにデフォルト経路を生成する理由は、スイッチおよび経路の挿入損失(insertion loss)を防止するためである。すなわち、挿入損失が過多に発生する場合、送信電力レベルが上昇して線形性能の劣化によって通信品質が低下し得るためである。
【0044】
第1スイッチ310は複数の第2アンテナ220への第2経路でスイッチングされるものの、複数の第2アンテナ220のうちいずれか一つの第2アンテナへの第2経路でスイッチングされ得る。
【0045】
図3a~図3bは、図2に図示された第1スイッチの構成原理を説明するための図面である。
【0046】
図3aを参照すると、実施例に係る第1スイッチ310が第1経路(RF Path_1)上に位置するように設計される場合、第1アンテナへの第1経路を完全に遮断することができる。
【0047】
その反面、図3bを参照すると、第1スイッチ310が第2経路(RF Path_2)上に位置するように設計する場合、第1アンテナへの第1経路が完全に遮断されないためスタブ(stub)が発生しインピーダンス不整合が発生して信号損失が発生し得る。
【0048】
したがって、実施例では前記図3aのような構造に第1スイッチ310を設計しようとする。
【0049】
第2スイッチ320は複数の第2アンテナのうちいずれか一つへの第2経路をスイッチングすることができる。第2スイッチ320は例えば、SPXTまたはXPXT(multi Pole multi Throw)スイッチであり得る。この時、第2スイッチ320をSPXTスイッチではなくXPXTスイッチで使う時は、一つのアンテナではなく二つ以上のアンテナを使う場合である。
【0050】
第3スイッチ330は連結された第2アンテナの共振長さの調節のために、長さ調整部340内の一つの回路でスイッチングされ得る。第3スイッチ330は例えば、SPXTスイッチであり得る。
【0051】
長さ調整部340は第2アンテナの共振長さを予め定められた共振長さに調整することができる。アンテナ別共振点(resonance point)が異なるため共振長さの調整が必要である。
【0052】
図4は、図2に図示された長さ調整部の詳細な構成を示す図面である。
【0053】
図4を参照すると、実施例に係る長さ調整部340は複数の回路を含み、複数の回路は第1回路341、第2回路342、第3回路343を含むことができる。
【0054】
第1回路341はアンテナの共振長さを調整せずにそのまま維持させることができる。
【0055】
第2回路342はアンテナの共振長さを減少させることができる。第2回路342はアンテナの共振長さを減少させるために例えば、少なくとも一つのキャパシタ(capacitor)で具現され得る。
【0056】
第3回路343はアンテナの共振長さを増加させることができる。第3回路343はアンテナの共振長さを増加させるために例えば、少なくとも一つのインダクタ(inductor)で具現され得る。
【0057】
ここではキャパシタとインダクタで調整回路を具現した場合を一例として説明しているが、調整回路を構成する素子の種類、素子の個数などは異なって具現され得る。
【0058】
この時、長さ調整部340内の第1回路341、第2回路342、第3回路343の選択は、第1スイッチ310と第3スイッチ330によりなされ得る。例えば、第1スイッチ310がスイッチングされて第2回路342の一端に連結され、第3スイッチ330がスイッチングされて第2回路342の他端に連結されることによって第2回路342が選択され得る。
【0059】
したがって、第1スイッチ310と第3スイッチ330は同一の回路でスイッチングされ得る。
【0060】
さらに他の例示として、第2アンテナ候補それぞれに対応するpathが長さ調整部に含まれ得る。それぞれの対応するpathは、それぞれのアンテナのインピーダンスマッチングのための特性値を有する素子を含むことができる。例えば、第2アンテナとして特定アンテナが第2スイッチによって選択される時、特定アンテナのインピーダンスマッチングのための特定pathでスイッチングされて第1スイッチに経路が形成され得る。
【0061】
図5は本発明の一実施例に係る第1アンテナの連結状態を示す図面であり、図6は本発明の一実施例に係る第2アンテナの連結状態を示す図面である。
【0062】
図5を参照すると、実施例に係る通信制御部100は第1アンテナ210に連結された場合を示している。第1スイッチ310が第1経路に連結された状態で通信制御部100は第1アンテナ210に連結され、連結された第1アンテナ210を通じて通信を遂行できる。
【0063】
図6を参照すると、実施例に係る通信制御部100は、車両の事故発生により第1アンテナが破損して正常に動作できない場合、第2アンテナ220のうちアンテナ_2に連結された場合を示している。第2スイッチ320が第2経路に連結された状態で通信制御部100は第2アンテナ220に連結され、連結された第2アンテナ220を通じて通信を遂行できる。
【0064】
通信制御部100は第1アンテナが正常に動作できない場合、予め定められた順序により複数の第2アンテナに連結され得るすべての第2経路を順次連結して信号レベルを検出することができる。この時、複数の第2アンテナそれぞれへの第2経路は共振長さの調節の有無によりさらに3つの経路に分かれ得る。
【0065】
例えば、通信制御部100は第2アンテナが3つである場合、一つのアンテナ当たり3つの経路が存在するため、総9つの経路に対する信号レベルを検出することができる。
【0066】
通信制御部100は検出された信号レベルを比較し、その比較した結果により最も高い信号レベルを有する第2経路に連結された一つの第2アンテナを選択することができる。
【0067】
通信制御部100は第2アンテナが選択されると、第1スイッチ310、第2スイッチ320、第3スイッチ330をそれぞれ制御するための第1スイッチング信号、第2スイッチング信号、第3スイッチング信号を生成して各スイッチに印加することができる。
【0068】
例えば、共振長さを減少させる第2回路に連結された第2アンテナが選択された場合、通信制御部100は第2スイッチング信号により第2スイッチ320をスイッチングして第2アンテナのうちアンテナ_2に連結させ、第3スイッチング信号により第3スイッチ330をスイッチングして第2回路の一端に連結させ、第1スイッチング信号により第1スイッチ310をスイッチングして第2回路の他端に連結させてアンテナ_2に連結させることができる。
【0069】
図7は、本発明の一実施例に係る通信装置の制御方法を示す図面である。
【0070】
図7を参照すると、本発明の一実施例に係る車両用通信装置はデフォルトで第1アンテナに連結され(S701)、第1アンテナを通じて信号を送信したり受信したりすることができる。
【0071】
車両用通信装置は第1アンテナを通じて信号を受信すると(S702)、受信された信号のレベルを検出することができる(S703)。ここで、信号のレベルのRSSI(Received Signal Strength Indicator)レベルであり得る。
【0072】
車両用通信装置は検出された信号のレベルが予め定められた臨界値以上であるかを1次確認することができる(S704)。ここで、検出された信号のレベルが臨界値未満の場合、通信装置は弱電界地域に位置することを意味し得る。または車両用通信装置がアンテナの破損を検出するために判断できる基準として臨界値を使うことができる。
【0073】
車両用通信装置は検出された信号のレベルが臨界値未満であれば、第1アンテナの連結の有無を2次確認することができる(S705)。第1アンテナの連結の有無は第1経路の開放および短絡の有無を示す。
【0074】
車両用通信装置は、確認した結果として第1アンテナが連結されないため正常に動作しない場合、複数の第2アンテナのうちいずれか一つを連結することができる(S706)。
【0075】
車両用通信装置は連結された第2アンテナを通じて通信を遂行できる(S707)。例えば、車両用通信装置は第2アンテナを通じて非常通信が可能であり得る。
【0076】
図8は、図7に図示された第2アンテナへの第1連結過程を説明するための図面である。
【0077】
図8を参照すると、本発明の一実施例に係る車両用通信装置は第1アンテナが正常に動作しない場合、予め定められたアンテナと回路の個数{N、M}の第2アンテナのうち、n番目の第2アンテナへのm番目の経路すなわち、第2アンテナ_{n、m}を連結することができる(S801)。
【0078】
この時、n番目の第2アンテナへの経路は共振長さの調整の有無によりm個に分かれ得る。
【0079】
車両用通信装置は連結されたn番目の第2アンテナへのm番目の経路を通じて信号を受信すると(S802)、受信された信号のレベルを検出することができる(S803)。ここで、信号のレベルのRSSIレベルであり得る。
【0080】
車両用通信装置はn番目の第2アンテナへのm番目の経路から検出された信号のレベルを保存することができる(S804)。
【0081】
車両用通信装置はm=Mを満足するかを確認し(S805)、確認した結果としてm=Mを満足しないと経路順序をm+1に変更し(S806)、n番目の第2アンテナへのm+1番目の経路を連結する過程から再び繰り返し遂行できる。
【0082】
反面、車両用通信装置はm=Mを満足するとn番目の第2アンテナへのすべての経路に対する点検を終えたと判断し、n=Nを満足するかを確認することができる(S807)。
【0083】
車両用通信装置はn=Nを満足しないと、アンテナの順序をn+1に変更し(S808)、n+1番目の第2アンテナへのm番目の経路を連結する過程から再び繰り返し遂行できる。
【0084】
反面、車両用通信装置はn=Nを満足すると、保存された信号のレベルに基づいて信号のレベルが最も高いn番目の第2アンテナへのm番目の経路を選択することができる(S809)。
【0085】
車両用通信装置はn番目の第2アンテナへのm番目の経路を連結することができる(S810)。
【0086】
また、実施例では予め定められた臨界値を利用して、信号が良好であるため連結対象となるアンテナを先に区分しておき、その区分されたアンテナのうち一つを選択しようとする。この時、臨界値は一つのみが定められてもよく、二つ以上が定められてもよい。
【0087】
図9は、図7に図示された第2アンテナへの第2連結過程を説明するための図面である。
【0088】
図9を参照すると、本発明の一実施例に係る車両用通信装置は第1アンテナが正常に動作しない場合、予め定められたアンテナと回路の個数{N、M}の第2アンテナのうちn番目の第2アンテナへのm番目の経路すなわち、第2アンテナ_{n、m}を連結することができる(S901)。
【0089】
車両用通信装置は連結されたn番目の第2アンテナへのm番目の経路を通じて信号を受信すると(S902)、受信された信号のレベルを検出することができる(S903)。
【0090】
車両用通信装置は検出された信号のレベルが予め定められた臨界値以上であるかを確認することができる(S904)。
【0091】
車両用通信装置は検出された信号のレベルが臨界値以上であれば、n番目の第2アンテナへのm番目の経路から検出された信号のレベルを保存することができる(S905)。
【0092】
車両用通信装置はm=Mを満足するかを確認し(S906)、確認した結果としてm=Mを満足しないと経路順序をm+1に変更し(S907)、n番目の第2アンテナへのm+1番目の経路を連結する過程から再び繰り返し遂行できる。
【0093】
反面、車両用通信装置はm=Mを満足するとn番目の第2アンテナへのすべての経路に対する点検を終えたと判断して、n=Nを満足するかを確認することができる(S908)。
【0094】
車両用通信装置はn=Nを満足しないと、アンテナの順序をn+1に変更し(S909)、n+1番目の第2アンテナへのm番目の経路を連結する過程から再び繰り返し遂行できる。
【0095】
反面、車両用通信装置はn=Nを満足すると、保存された信号のレベルに基づいて信号のレベルが最も高いn番目の第2アンテナへのm番目の経路を選択することができる(S910)。
【0096】
車両用通信装置はn番目の第2アンテナへのm番目の経路を連結することができる(S911)。
【0097】
したがって、実施例では複数の第2アンテナのうち信号レベルが良好なアンテナを選択することができる。
【0098】
本実施例で使われる「~部」という用語はソフトウェアまたはFPGA(field-programmable gate array)またはASICのようなハードウェア構成要素を意味し、「~部」はある役割を遂行する。しかし、「~部」はソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「~部」はアドレッシングできる保存媒体にあるように構成されてもよく、一つまたはそれ以上のプロセッサを再生させるように構成されてもよい。したがって、一例として「~部」はソフトウェア構成要素、客体指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素およびタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシーザー、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、および変数を含む。構成要素と「~部」の中で提供される機能はさらに小さい数の構成要素および「~部」で結合されたり、追加的な構成要素と「~部」でさらに分離されたりされ得る。それだけでなく、構成要素および「~部」はデバイスまたはセキュリティマルチメディアカード内の一つまたはそれ以上のCPUを再生させるように具現されてもよい。
【0099】
前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0100】
100:通信制御部
200:アンテナ部
210:第1アンテナ
220:第2アンテナ
310:第1スイッチ
320:第2スイッチ
330:第3スイッチ
340:長さ調整部
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9