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▶ 太田 真志の特許一覧

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  • 特許-眼鏡および眼鏡の支持体 図1
  • 特許-眼鏡および眼鏡の支持体 図2
  • 特許-眼鏡および眼鏡の支持体 図3
  • 特許-眼鏡および眼鏡の支持体 図4
  • 特許-眼鏡および眼鏡の支持体 図5
  • 特許-眼鏡および眼鏡の支持体 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-02
(45)【発行日】2025-10-10
(54)【発明の名称】眼鏡および眼鏡の支持体
(51)【国際特許分類】
   G02C 3/02 20060101AFI20251003BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20251003BHJP
【FI】
G02C3/02
G02C11/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024205822
(22)【出願日】2024-11-08
【審査請求日】2025-01-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391034640
【氏名又は名称】太田 真志
(72)【発明者】
【氏名】太田 真志
【審査官】長谷川 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-315743(JP,A)
【文献】特開平11-311759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00ー13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズとテンプルを備え顔面に装着する眼鏡であって、
少なくとも一方のテンプルの一部を支持軸とし該支持軸に支持体が回動自在に枢支され、
顔面への通常装着位置において前記支持体が前記回動によって顔面と近接離反可能で、
前記通常装着位置より高位のリフトアップ位置において前記支持体が前記回動によって顔面に当接し前記テンプルと顔面に挟持されることでリフトアップ位置に保持されうる、
ことを特徴とする眼鏡。
【請求項2】
前記支持体が長円形状であり、
該長円形状の一端側に偏って穿設された挿通孔に前記支持軸が貫通し、
前記長円形状の少なくとも他端側に弾性を有する当接部が設けられ、
前記リフトアップ位置において前記当接部が顔面に当接する、
ことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡。
【請求項3】
前記挿通孔の内面に設けられた摩擦手段あるいは噛合手段によって前記回動における前記支持体の割出位置が維持される、
ことを特徴とする請求項2に記載の眼鏡。
【請求項4】
眼鏡のテンプルの一部である支持軸に回動自在に枢支され眼鏡をリフトアップ位置に保持するための眼鏡の支持体であって、
前記支持体は長円形状であり一端側に偏った位置に支持軸が貫通する挿通孔を有するとともに少なくとも他端側に弾性を有する当接部を有し、
前記挿通孔の内面には前記支持軸との摩擦手段あるいは噛合手段が設けられている、
ことを特徴とする眼鏡の支持体。
【請求項5】
前記挿通孔と外周縁とに連通するスリットが設けられている、
ことを特徴とする請求項に記載の眼鏡の支持体。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は眼鏡に関し、特に顔面に装着する状態よりも高位のリフトアップ位置に保持できる眼鏡、および眼鏡の支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
一組のレンズを有するフレームに対しテンプルが開閉可能に支持された一般的な形の眼鏡は、狭義の視力補正用眼鏡に限らず、サングラスやルーペや保護具などとしても多種類に普及しており、これらは広義に眼鏡と総称されている。それら眼鏡のいずれの種類においても、日常生活において、眼鏡をわざわざ外すまでもなく一時的に裸眼状態とレンズを介した状態を切り替えたい場面が多く存在する。例えば視力補正用の眼鏡においては、老眼、近視、遠視などの症状に限らず、レンズを通さず裸眼で視る(ちょっと外す)状態を一時的に得たい場合が多い。また、サングラスなどで通常は入光量をレンズで減じているが、暗い対象域や液晶画面を見る間の短時間だけ裸眼状態を保ちたいことが日常的にある。
【0003】
このような切り替え視ニーズに対し、跳ね上げ眼鏡という構造の眼鏡が存在する。これは、テンプルとブリッジ部と智部を有する眼鏡フレームに、レンズを有するフロントフレームを縦に回動可能に支持させた構造である。跳ね上げ眼鏡の構造は旧来より各種の改良提案がされて来た。例えば特開2023-30235号(特許文献1)においては、跳ね上げ機能に加えて、フロントフレームの交換機能も持たせている。
【0004】
しかしながら跳ね上げ眼鏡においては、眼鏡フレームに加えてフロントフレーム及び回動機構が必要となるので、当然ながら重量とコストは通常の眼鏡よりも嵩む。また、跳ね上げ時にはフロントフレームが略水平になるので、それに重力がモーメントとして作用し、眼鏡が重くなった感じを受けて快適性を損ね勝ちである。さらに、跳ね上げ時においても回動機構やフロントフレームが視野内に残って邪魔な感じを受ける。
【0005】
その他に、一時的に裸眼とレンズ使用を使い分けられる眼鏡構造として、例えば特許第7013530号(特許文献2)のように、鼻当てに設けられた機械的な調整機構を持ち上げ手段として、眼鏡全体を顔面からリフトアップさせる方法も提案されている。
【0006】
しかしながら、操作が煩雑で日常使用には向かないし、なにより持ち上げ手段が大掛かりなため、重量増やコスト増すなわち高価格であり、視野干渉などの問題も依然として解消されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2023-30235号公報
【文献】特許第7013530号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、レンズを通して視る通常装着位置と高位で裸眼視状態のリフトアップ位置とを、簡便な機構で短時間にて切替え操作が可能な眼鏡、および眼鏡の支持体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、本発明に関する眼鏡は、レンズ部とテンプルを備え顔面に装着する眼鏡であって、少なくとも一方のテンプルの一部を支持軸とし支持軸に支持体が回動自在に枢支されており、顔面への通常装着位置において支持体が回動によって顔面と近接離反可能であり、通常装着位置より高位のリフトアップ位置において支持体が回動によって顔面に当接しテンプルと顔面に挟持されることでリフトアップ位置に保持される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、レンズを通して視る通常装着位置と高位で一時的な裸眼状態であるリフトアップ位置とを、簡便な機構で短時間にて切替え操作が可能な眼鏡および眼鏡の支持装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る眼鏡の、通常装着状態の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る眼鏡の、リフトアップ状態の斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る眼鏡の、顔面への通常装着状態の側面視である。
図4】本発明の第1実施形態に係る眼鏡の、顔面へのリフトアップ状態の側面視である。
図5】本発明の第2実施形態に係る眼鏡の、支持体の詳細図である。
図6】本発明の支持体の作用を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の望ましい実施形態について図を参照して説明する。以下においては、眼鏡を顔面の耳と鼻に係止して装着し眼球からレンズ部を通して視認できる状態を通常装着状態とし、眼球よりも上位にレンズ部が位置し、眼球からレンズ部を通さず視認する裸眼視状態の位置(眼鏡がもち上げられた位置)をリフトアップ状態とする。また、上位とは、上半身の立位における鉛直上方の位置を意味し、換言すれば、眼鏡をかけた時の上方位置である。
【0013】
図1乃至図4に本発明の第1実施形態およびその装着状態を示す。眼鏡1はフレーム2(リムとも呼称する)を本体とし、フレーム2は中央にブリッジ10を有し、ブリッジ10の両側に第1レンズ5と第2レンズ6を具備している。フレーム2の両端には、ヒンジ部11を介して第1テンプル7が、ヒンジ部12を介して第2テンプル8が、それぞれフレーム2に対して回動(開閉)自在に支持されている。なお、本実施形態においてはフレーム2に直接的にヒンジ部11および12を設けたが、従来多用されるように智およびヨロイを介する開閉構造としても良い。
【0014】
第1テンプル7の他端表面には耳掛部9(モダンとも呼称される)が、第2テンプル8の他端表面には耳掛部10が、それぞれ装着されている。そしてブリッジ10の両脇におけるフレーム2には、鼻当て4が設けられている。なお、耳掛部9、10及び鼻当て4は必須では無いので、適宜省略しても良い。
【0015】
第2テンプル8の一部である支持軸13に、長円形状の支持体14が回動自在に枢支されている。具体的には支持体14の一端側(大径側)へ偏って穿設された挿通孔15に、支持軸13(第2テンプル8)が貫通し、支持軸13に対して支持体14が回動自在かつ、任意の回転割出位置において静止できるようになっている。静止については後述するが、支持軸13外面と挿通孔15との相互摩擦あるいは相互噛合いによる。なお、本実施形態においては、第2テンプル8の一定領域を支持軸13としたが、第2テンプルとは別体の支持軸とし、それを第2テンプルに固定しても良い。
【0016】
支持体14について説明する。支持体14は、長円形状(卵形状や楕円形状やカム形状等の類似形状も含む)であり、長円形状の長手方向における一端側へ偏った位置に(重心とは反対方向に)挿通孔15が貫通して穿設されている。この偏位によって、支持体14は回動時にカム様態となり、回動に伴なって当接部16が顔面に対して大きく近接離反できるようになっている。本実施形態における支持体14は、長円の延在方向に亘って一定厚さを有しているが、厚さ分布は任意に設定してよい。
【0017】
そして支持体14は、支持軸13に対して任意の回動位置(割出位置)を維持できる程度に、挿通孔15と支持軸13の間で相対摩擦力が発生するように(摺動回転するように)されている。第1の実施形態においては、挿通孔15と支持軸13の嵌合精度をきつく設定するとともに挿通孔15の内面粗度を高めに(粗目に)設定しμを高めることで、回動位置を維持できることを担保している。その他にも、挿通孔15の内面か支持軸13の外面に微小な凸凹等や摩擦材コーティング等の周知の摩擦増大手段を施したり、更に強固な回動抑止力が得たいのであれば、後述するように、歯車状や凸凹上等の相互噛合い形状等の設定も可能である。
【0018】
支持体14の他端側(挿通孔15を挟んで反対側端部)の外周縁には、当接部16が設けられている。当接部16は顔面に接触する部分であるので、接触により顔面への悪影響が無く不快感を与えないような、柔らかく変形容易でかつ摩擦係数が高めな部材であることが好ましい。例えば、エラストマとしてのシリコーンゴム材やウレタン樹脂材や、発泡材などを適宜選択すれば良い。
【0019】
当接部16は、支持体14の一定領域に嵌め込みや接着などにより柔軟な別部材を組み込むことが考えられるが、本実施形態においては、支持体14全体を当接部16と同一の柔軟素材(例えばシリコーンゴム材)にて一体形成しているので、組み込み(埋め込み等)は省略されている。すなわち、当接部16は支持体14の一部領域となっており、当接部16にて支持体14を構成したとも言える。支持体14と当接部16を同素材で一体化するか、あるいは異材にて別体化するかは、条件に応じ適宜選択すればよい。また、支持体14に対して当接部16を脱着可能とし、好みの材質や色の接触部へと組み替えられるようにしても良い。
【0020】
なお、支持体14は眼鏡1の構成品ではあるが、テンプル側に特別な工作が必要ではなく、各種の眼鏡に取付けが可能である。すなわち、支持体14は単体商品として流通し得るし、支持体14をセットした眼鏡1としても、商品として流通し得る。
【0021】
(通常装着位置)
図1及び図3は、眼鏡1の顔面20への通常装着位置を示す。顔面20は上半身の立位状態であって、一般的に眼鏡を使用する姿勢を想定している。すなわち、立ったり座ったり歩行している状態である。ブリッジ10の鼻当て4は鼻23に載置され、耳掛部9および10は両側の耳22に係止し、第1レンズ5および第2レンズ6が両目21の前方に定位する、通常の眼鏡使用状態(通常装着位置)である。なお、図3及び図4においては、説明のための図の簡略化の目的で、鼻当て4の図示を省略している。
【0022】
通常装着位置において、支持体14の当接部16は上方を指向し、その大半部分が第2テンプル8の上位に位置している。換言すると、支持体14は第2テンプル8の支持軸13に対して、一定の割出し角度を保って固定されている。当接部16は顔面20から離反しているか軽く接触している状態であり、眼鏡1の重さを鼻当て4と耳掛部9及び10だけで支えている状態である。通常装着位置はレンズを通した視認が必要な状態であり、眼鏡としての本来機能を発揮し得る状態である。しかしながら、一時的にその状態を外したいとき、すなわちレンズを通した視認でなく裸眼視を求める際に、以下のリフトアップ状態を容易に選択し維持できる。
【0023】
(リストアップ位置)
図2及び図4は、眼鏡1を目21の上方(額前方)へ保持したリフトアップ状態を示す。耳掛部9および10は両耳22に係止したまま鼻当て4が鼻23の上方に位置し、第1レンズ5及び第2レンズ6が目21の上方に位置しており、眼鏡本来の機能を発揮していない裸眼視状態である。
【0024】
リフトアップ位置において支持体14の当接部16は下方を指向し、支持体14の大半部分が第2テンプル8の下方に位置している。支持体14は、第2テンプル8の支持軸13に対してそのような割出し角度を保って止まっており、当接部16は顔面20に当接している。支持体14が顔面20と支持軸13とに挟持されることで眼鏡1の荷重を分担し、眼鏡1の加工を抑止してリフトアップ位置に維持している。すなわち、眼鏡1の重さを支持体14と耳掛部9及び10で支えている状態である。
【0025】
この状態における支持体14と顔面20の関係を、図6を用いて説明する。眼鏡1の重量のうちの支持軸13負担分は、下向きの力αとして支持軸13に作用する。一方、支持体14は、当接部16のうちの接触点24において顔面に当接し、上向きの摩擦力βによって支持体14は回動力γを受け、図において左回転しようとする。この回動力γに抗するだけの静止摩擦力が発生するように、挿通孔15と支持軸13との相対摩擦力が設定されている。すなわち、回動力γによっても支持体14が回動しないようになっている。したがって、支持軸13が重力によって下方へ動こうとすることを、支持体14が支持軸13と顔面20とに挟持されることで抑止でき、眼鏡1はリフトアップ位置に維持される。
【0026】
通常装着位置からリフトアップ位置への移行は、片手(第1実施形態では右手)で眼鏡1を上方へ持ち上げリフトアップ位置に留めて、その状態でもう一方の手(第1実施形態では左手)で支持体14を回動させ(割出し)て当接部16を下方へ指向させ顔面20のこめかみ付近へ接触させる。その後、眼鏡1を支えていた右手を離せば、支持体14が第2テンプル8と顔面20とに挟持される。すなわち、眼鏡1は支持体14と両テンプル7、8にて支持されリフトアップ位置を維持する。これによって、第1および第2レンズを通さない裸眼の視認状態を維持できる。もちろん、左手だけで眼鏡1の持ち上げ動作と支持体14の回動動作を併せて行っても構わない。
【0027】
このように本発明によれば、支持体14の回動という簡単な動作によって通常使用位置とリフトアップ位置の選択設定ができるとともに、歩行時など眼鏡1に加速度が加わる状況においても、安定したリフトアップ位置を維持できる。また、支持体14を各種眼鏡のテンプルに装着することで、通常使用位置とリフトアップ位置との選択及び維持が可能な眼鏡にすることができる。
【0028】
(第2実施形態)
図5を用いて、本発明の第2実施形態に係る眼鏡30および支持体33を説明する。支持体33は第1実施形態の支持体14と同等の外形状であり、その挿通孔37に第2テンプル31の支持軸32を挿通し枢支されることも同様である。支持体33には、本体部34とは別体の当接部35が組み込まれている。また支持体33は、脱着手段としてのスリット36と、摩擦手段として凸凹部を内面に設けた挿通孔37を有する。更に、支持体33はその表面に、軸方向へ延在する凸凹を有している。
【0029】
支持体33の本体部34における挿通孔37が偏位する側と反対側の端部には、当接部35が組み込まれている。組み込み(取付け)は、図示しない嵌合構造が本体部34と当接部35の接合面に設けられており、脱着可能に固定されている。なお、嵌合構造の他に、面ファスナーや両面粘着テープによる固定や接着剤による接着固定など、任意に選択すれば良い。このように本体部34と当接部35を別体化することで、本体部34を硬いプラスチック製とし、当接部を柔軟で摩擦力が高いシリコン部材等とすることも可能となる。更に、当接部35を脱着可能とすることにより、本体部34の内部に各種機能部材を収納することも可能である。例えば、照明装置、通信装置、マイクやスピーカー、それらのバッテリーや制御チップ等である。
【0030】
支持体33の外縁(側面)と挿通孔37とを結んで、スリット36が形成されている。スリット36は、支持体33の表面と裏面と挿通孔37と外縁(側面)とに亘る切込みであり、支持軸32がスリット36を通過することで、支持軸32に対して支持体33を脱着容易となっている。すなわち、支持体33を支持軸32へ取付けたいときに、第2テンプル31の後端を挿通孔37へ挿し込んで適正位置まで支持体33を移動させる困難性が解消される。支持体33を支持軸32へ取付けた後(平時)は、スリット36の切り込み面同士は当接しているように設定することが好ましい。
【0031】
挿通孔37の内周面には、微小な凸凹を形成する軸方向に延在する突条が、全周に亘って形成されている。そして、支持軸32の外表面には、軸方向に延在する溝が全周面で間歇的に刻設されている。すなわち、本実施形態においては、溝部の刻設領域が支持軸32である。溝部は具体的にはセレーション状の溝であるが、逆に支持軸32表面から突出する凸部を円周上に延在させてもよく、相対的に挿通孔37の凸凹部と係合し摩擦力を発生すれば良い。
【0032】
挿通孔37の凸凹と支持軸32の溝部とが係合又は噛合して、支持軸32に対する支持体33の回動に抗する摩擦手段として機能する。したがって、通常装着位置およびリフトアップ位置において、支持体33の回動(割出し)位置を強固に維持できるので、眼鏡30に上下方向の加速度が作用する場合においても、通常装着位置およびリフトアップ位置を強固に維持が可能となる。なお、第2実施形態における摩擦手段として、凸凹と溝による摩擦手段を例示したが、摩擦手段はこれに限らないし、摩擦手段を、挿通孔側か支持軸側の片側だけに設けても良い。更に、摩擦の強度を任意に変えられるよう、挿通孔の径を可変設定できる機構を付加してもよい。
【0033】
(その他の実施形態)
図示はしないが、両方のテンプルにそれぞれ支持体を取付けても良い。顔面の両側から支持体を当接させることで、支持体の顔面当接による眼鏡の横方向への移動力が相互にキャンセルされ、更にリフトアップ位置での眼鏡の姿勢維持が確実化する。また、片方のテンプルに支持体を取付けるとともに、他方のテンプルに回動しないストッパ部材を取付けることで、支持体の顔面当接による眼鏡の横方向への移動力をキャンセルしても良い。
【0034】
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱し範囲の変更があっても本発明に包含される。
【符号の説明】
【0035】
1、30 眼鏡
2 フレーム
3 ブリッジ
4 鼻当て
5 第1レンズ
6 第2レンズ
7 第1テンプル
8、31 第2テンプル
13、32 支持軸
14、33 支持体
11、37 挿通孔
18、35 当接部
36 スリット
【要約】
【課題】レンズを通して視る通常装着位置と高位で裸眼視状態のリフトアップ位置とを簡便かつ短時間で切替え操作が可能な眼鏡、および眼鏡の支持体を提供することを課題とする。
【解決手段】レンズ部とテンプルを備え顔面に装着する眼鏡であって、少なくとも一方のテンプルの一部を支持軸とし支持軸に支持体が回動自在に枢支されており、顔面への通常装着位置において支持体が回動によって顔面と近接離反可能であり、通常装着位置より高位のリフトアップ位置において支持体がテンプルと顔面に挟持されることでリフトアップ位置に保持される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6