(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-02
(45)【発行日】2025-10-10
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 7/12 20060101AFI20251003BHJP
【FI】
B66B7/12 A
(21)【出願番号】P 2022082248
(22)【出願日】2022-05-19
【審査請求日】2024-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003568
【氏名又は名称】弁理士法人加藤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】柳田 篤史
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-247275(JP,A)
【文献】実開昭55-068581(JP,U)
【文献】特開2001-80855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/00-7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路を昇降する昇降体と、
前記昇降体の昇降を案内するガイドレールと、
前記ガイドレールに固定された第1取付腕と、
前記第1取付腕に取り付けられた第1昇降路機器と、
前記昇降路内において前記第1取付腕よりも下方に設置された昇降路内装置と、
を備え、
前記第1取付腕は、前記ガイドレールに固定された第1端部と、前記第1昇降路機器が取り付けられた第2端部と、を有しており、
前記第1取付腕は、前記第2端部の高さ位置が前記第1端部の高さ位置よりも低くなるように傾いており、
前記第1取付腕における前記第2端部の先端は、鉛直方向に沿って見たとき前記昇降路内装置と重なるように配置されており、
前記第1取付腕における前記第1端部と前記第2端部との間には、前記第1取付腕を伝う油を滴下させる第1滴下部が設けられており、
前記第1滴下部は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記昇降路内装置と重ならないように配置されているエレベータ。
【請求項2】
前記第1滴下部は、前記第1取付腕の下面に形成された突起を有している請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記第1滴下部は、前記第1取付腕の下面に形成された切欠きを有している請求項1に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記第1滴下部は、前記第1取付腕とは別体に形成され前記第1取付腕に取り付けられた部品を有しており、
前記部品は、前記第1取付腕の下面から下方に突出している請求項1に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記部品の下端部と前記ガイドレールとの間は、前記下端部から前記ガイドレールに油を導く油誘導部品によって接続されている請求項4に記載のエレベータ。
【請求項6】
前記ガイドレールに固定された第2取付腕と、
前記第2取付腕に取り付けられた第2昇降路機器と、
をさらに備え、
前記第1取付腕における前記第1滴下部と前記第2端部との間には、前記第1取付腕を伝う油を滴下させる第2滴下部が設けられており、
前記第2滴下部は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記昇降路内装置と重ならないように配置されており、
前記第2取付腕は、前記第1取付腕よりも下方であって前記昇降路内装置よりも上方に配置されており、
前記第2取付腕は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記第1取付腕と重なって配置されており、
前記第2取付腕は、前記ガイドレールに固定された第3端部と、前記第2昇降路機器が取り付けられた第4端部と、を有しており、
前記第2取付腕は、前記第4端部の高さ位置が前記第3端部の高さ位置よりも低くなるように傾いており、
前記第2取付腕における前記第4端部の先端は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記昇降路内装置と重なるように配置されており、
前記第2取付腕における前記第3端部と前記第4端部との間には、前記第2取付腕を伝う油を滴下させる第3滴下部が設けられており、
前記第2取付腕における前記第3滴下部と前記第4端部との間には、前記第2取付腕を伝う油を滴下させる第4滴下部が設けられており、
前記第3滴下部は、前記鉛直方向に沿って見たとき、前記第1滴下部と重なりかつ前記昇降路内装置と重ならないように配置されており、
前記第4滴下部は、前記鉛直方向に沿って見たとき、前記第2滴下部と重なりかつ前記昇降路内装置と重ならないように配置されている請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のエレベータ。
【請求項7】
前記ガイドレールに固定された第2取付腕と、
前記第2取付腕に取り付けられた第2昇降路機器と、
をさらに備え、
前記第2取付腕は、前記第1取付腕よりも下方であって前記昇降路内装置よりも上方に配置されており、
前記第2取付腕は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記第1取付腕と重なって配置されており、
前記第2取付腕は、前記ガイドレールに固定された第3端部と、前記第2昇降路機器が取り付けられた第4端部と、を有しており、
前記第2取付腕は、前記第4端部の高さ位置が前記第3端部の高さ位置よりも低くなるように傾いており、
前記第2取付腕における前記第3端部と前記第4端部との間には、前記第2取付腕を伝う油を滴下させる第5滴下部が設けられており、
前記第2取付腕における前記第4端部の先端は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記昇降路内装置と重なるように配置されており、
前記第5滴下部は、前記鉛直方向に沿って見たとき、前記第1滴下部と前記第4端部との間に前記昇降路内装置と重ならないように配置されている請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のエレベータ。
【請求項8】
前記昇降路内装置は、巻上機又は制御盤である請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、エレベータ装置が開示されている。このエレベータ装置は、かご、かごガイドレール、着床装置及び制御盤を有している。着床装置は、かごの位置を検出する。着床装置は、近接スイッチ及び着床プレートにより構成されている。近接スイッチは、かごの側面部に設けられている。着床プレートは、取付腕を介してかごガイドレールに取り付けられている。制御盤は、近接スイッチの最下移動位置よりも下方に設けられている。制御盤は、近接スイッチ及び着床プレートをかごの昇降方向へ投影した領域と重なる位置に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かごガイドレールには、かごを円滑に昇降させるための潤滑油が塗布されている。このため、取付腕がかごガイドレールに対し、取付腕の先端側が低くなるように傾いて取り付けられている場合、かごガイドレールの潤滑油は、取付腕を伝って先端に到達する。経年により取付腕の先端に溜まった潤滑油は、取付腕の先端から下方に滴下する。滴下した油が制御盤等の昇降路内装置に付着すると、汚損、劣化等の不具合が昇降路内装置に生じるという課題があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、油の付着により昇降路内装置に不具合が生じるのを抑制できるエレベータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベータは、昇降路を昇降する昇降体と、前記昇降体の昇降を案内するガイドレールと、前記ガイドレールに固定された第1取付腕と、前記第1取付腕に取り付けられた第1昇降路機器と、前記昇降路内において前記第1取付腕よりも下方に設置された昇降路内装置と、を備え、前記第1取付腕は、前記ガイドレールに固定された第1端部と、前記第1昇降路機器が取り付けられた第2端部と、を有しており、前記第1取付腕は、前記第2端部の高さ位置が前記第1端部の高さ位置よりも低くなるように傾いており、前記第1取付腕における前記第2端部の先端は、鉛直方向に沿って見たとき前記昇降路内装置と重なるように配置されており、前記第1取付腕における前記第1端部と前記第2端部との間には、前記第1取付腕を伝う油を滴下させる第1滴下部が設けられており、前記第1滴下部は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記昇降路内装置と重ならないように配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、油の付着により昇降路内装置に不具合が生じるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係るエレベータの構成を示す上面図である。
【
図2】実施の形態1に係るエレベータの取付腕の構成を示す正面図である。
【
図3】実施の形態2に係るエレベータの取付腕の構成を示す正面図である。
【
図4】実施の形態3に係るエレベータの取付腕の構成を示す正面図である。
【
図5】実施の形態4に係るエレベータの複数の取付腕の構成を示す正面図である。
【
図6】実施の形態5に係るエレベータの複数の取付腕の構成を示す正面図である。
【
図7】実施の形態6に係るエレベータの複数の取付腕の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
実施の形態1に係るエレベータについて説明する。
図1は、本実施の形態に係るエレベータの構成を示す上面図である。
図1には、上方から鉛直方向に沿って見たときのエレベータの構成が示されている。
図1に示すように、エレベータは、かご10、一対のかごガイドレール11a、11b、おもり12、一対のおもりガイドレール13a、13b、巻上機14、昇降路機器20及び取付腕30を備えている。
【0010】
かご10は、昇降路15内を昇降するように構成されている。かごガイドレール11a、11bのそれぞれは、上下方向に延伸している。かごガイドレール11a、11bは、かご10の昇降を案内するように構成されている。かごガイドレール11a、11bのそれぞれには、かご10を円滑に昇降させるための潤滑油が塗布されている。かごガイドレール11a、11bのそれぞれには、塗布されている潤滑油だけでなく、昇降路15内で使用されている様々な油が付着する可能性がある。
【0011】
おもり12は、昇降路15内を昇降するように構成されている。おもりガイドレール13a、13bのそれぞれは、上下方向に延伸している。おもりガイドレール13a、13bは、おもり12の昇降を案内するように構成されている。おもりガイドレール13a、13bのそれぞれには、おもり12を円滑に昇降させるための潤滑油が塗布されている。おもりガイドレール13a、13bのそれぞれには、塗布されている潤滑油だけでなく、昇降路15内で使用されている様々な油が付着する可能性がある。
【0012】
巻上機14は、昇降路15の底部にあるピットに設置されている。巻上機14は、昇降路15内において取付腕30よりも下方に設置されている。巻上機14は、昇降路内装置の一例である。巻上機14は、かごガイドレール11aから離れて配置されている。
【0013】
巻上機14は、綱車を有している。綱車には、不図示の複数のロープが巻き掛けられている。複数のロープのそれぞれの一端は、かご10に接続されている。複数のロープのそれぞれの他端は、おもり12に接続されている。巻上機14は、不図示の制御盤によって制御される。
【0014】
図2は、本実施の形態に係るエレベータの取付腕の構成を示す正面図である。
図2の上下方向は、鉛直上下方向を表している。
図2には、潤滑油等の油40が模式的に示されている。
【0015】
図2に示すように、昇降路機器20は、取付腕30を介してかごガイドレール11aに取り付けられている。昇降路機器20は、取付腕30に支持されることによって昇降路15内に設置される機器である。昇降路機器20には、例えば、着床プレート、ガバナーロープの振れ止め、上部終点スイッチ、下部終点スイッチ等がある。昇降路機器20は、昇降路内装置とは異なる別の機器である。
【0016】
取付腕30は、一方向に長い長方形平板状の板金部材である。取付腕30には、必要に応じて曲げ加工が施されていてもよい。取付腕30は、かごガイドレール11aに取り付けられ、かごガイドレール11aから離れる方向に延伸している。取付腕30は、長手方向における一方の端部30aと、長手方向における他方の端部30bと、を有している。取付腕30の端部30aは、レールクリップ等を用いて、かごガイドレール11aに固定されている。取付腕30は、端部30aにおいて、かごガイドレール11aの裏面11a1と接触している。これにより、取付腕30は、かごガイドレール11aに支持されている。取付腕30の端部30bには、昇降路機器20が取り付けられている。
【0017】
取付腕30は、端部30bの高さ位置が端部30aの高さ位置よりも低くなるように斜めに傾いている。取付腕30の重心は、端部30aと端部30bとの間に位置している。これに対し、かごガイドレール11aによって支持されるのは、取付腕30の一方の端部30aのみである。このため、取付腕30は、上記のように傾いた状態でかごガイドレール11aに取り付けられてしまう場合が多い。
【0018】
取付腕30における端部30aと端部30bとの間には、取付腕30を伝う油を滴下させる第1滴下部が設けられている。本実施の形態では、第1滴下部として、突起41aが形成されている。突起41aは、取付腕30の下面30cに形成されている。突起41aは、下面30cから下方に突出している。突起41aは、取付腕30と一体に形成されている。例えば、突起41aは、取付腕30が金属板から切り出される際に、取付腕30と共に切り出されている。取付腕30の正面視において、突起41aは、かごガイドレール11aと、端部30bの先端30dと、の間に位置している。
【0019】
図1に示すように、取付腕30における端部30bの先端30dは、鉛直方向に沿って見たとき、巻上機14と重なるように配置されている。すなわち、先端30dは、巻上機14の真上に配置されている。一方、突起41aは、鉛直方向に沿って見たとき、巻上機14と重ならないように配置されている。すなわち、突起41aは、巻上機14の真上から外れた位置に配置されている。
【0020】
以上のような構成において、かごガイドレール11aの油40は、重力によって徐々に下方に垂れ落ちる。取付腕30に付着した油40は、取付腕30の下面30cまで流れ落ちる。下面30cは、端部30bの高さ位置が端部30aの高さ位置よりも低くなるように斜めに傾いている。このため、下面30cまで流れ落ちた油40は、下面30cを伝って先端30d側に向かう。
【0021】
突起41aが形成されていない場合、下面30cを伝う油40は、先端30dに達し、先端30dから下方に滴下する。先端30dは、巻上機14の真上に配置されている。このため、先端30dから滴下した油40は、巻上機14に付着する。巻上機14に油40が付着した場合、巻上機14には、汚損、劣化、故障等の不具合が生じ得るだけでなく、ブレーキ力の低下等の他の不具合も生じ得る。
【0022】
これに対し、本実施の形態では、取付腕30の下面30cに突起41aが形成されている。このため、下面30cを伝う油40は、先端30dに達する前に突起41aに達し、突起41aから下方に滴下する。突起41aは、巻上機14の真上から外れた位置に配置されている。このため、突起41aから滴下した油40は、巻上機14には直接付着せず、昇降路15の底部の床面に付着する。したがって、油40の付着により巻上機14に不具合が生じるのを抑制することができる。
【0023】
以上説明したように、本実施の形態に係るエレベータは、かご10と、かごガイドレール11aと、取付腕30と、昇降路機器20と、巻上機14と、を備えている。かご10は、昇降路15を昇降するように構成されている。かごガイドレール11aは、かご10の昇降を案内するように構成されている。取付腕30は、かごガイドレール11aに固定されている。昇降路機器20は、取付腕30に取り付けられている。巻上機14は、昇降路15内において取付腕30よりも下方に設置されている。
【0024】
取付腕30は、端部30aと端部30bとを有している。端部30aは、かごガイドレール11aに固定されている。端部30bには、昇降路機器20が取り付けられている。取付腕30は、端部30bの高さ位置が端部30aの高さ位置よりも低くなるように傾いている。取付腕30における端部30bの先端30dは、鉛直方向に沿って見たとき巻上機14と重なるように配置されている。取付腕30における端部30aと端部30bとの間には、第1滴下部が設けられている。第1滴下部は、取付腕30を伝う油40を滴下させるように構成されている。第1滴下部は、鉛直方向に沿って見たとき巻上機14と重ならないように配置されている。
【0025】
ここで、かご10は、昇降体の一例である。かごガイドレール11aは、ガイドレールの一例である。取付腕30は、第1取付腕の一例である。昇降路機器20は、第1昇降路機器の一例である。巻上機14は、昇降路内装置の一例である。端部30aは、第1端部の一例である。端部30bは、第2端部の一例である。
【0026】
この構成によれば、取付腕30を伝って先端30d側に流れる油40は、先端30dに達する前に第1滴下部に達し、第1滴下部から下方に滴下する。第1滴下部は、巻上機14の真上から外れた位置に配置されている。このため、第1滴下部から滴下した油40は、巻上機14には付着しない。したがって、油40の付着により巻上機14に不具合が生じるのを抑制することができる。
【0027】
本実施の形態に係るエレベータにおいて、第1滴下部は、突起41aを有している。突起41aは、取付腕30の下面30cに形成されている。この構成によれば、第1滴下部を取付腕30と一体に形成できるため、部品点数の増加を抑えることができる。
【0028】
実施の形態2.
実施の形態2に係るエレベータについて説明する。
図3は、本実施の形態に係るエレベータの取付腕の構成を示す正面図である。
図3の上下方向は、鉛直上下方向を表している。
【0029】
図3に示すように、本実施の形態の取付腕30には、第1滴下部として、切欠き42が形成されている。切欠き42は、取付腕30の下面30cに形成されている。取付腕30の正面視において、切欠き42は、かごガイドレール11aと、端部30bの先端30dと、の間に位置している。
【0030】
切欠き42は、鉛直方向に沿って見たとき、巻上機14と重ならないように配置されている。すなわち、切欠き42は、巻上機14の真上から外れた位置に配置されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態に係るエレベータにおいて、第1滴下部は、切欠き42を有している。切欠き42は、取付腕30の下面30cに形成されている。この構成によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、この構成によれば、取付腕30が金属板から切り出される場合の材料歩留まりを高めることができる。
【0032】
実施の形態3.
実施の形態3に係るエレベータについて説明する。
図4は、本実施の形態に係るエレベータの取付腕の構成を示す正面図である。
図4の上下方向は、鉛直上下方向を表している。
【0033】
図4に示すように、本実施の形態の取付腕30には、第1滴下部として、部品43が設けられている。部品43は、取付腕30とは別体に形成されている。部品43は、金属板からの切り出し等によって取付腕30が形成された後に、取付腕30に取り付けられている。部品43は、取付腕30がかごガイドレール11aに取り付けられた後に、取付腕30に取り付けられていてもよい。部品43は、取付腕30に対して着脱可能であってもよい。部品43は、例えば、下面30c、上面30e、及び一方の主面を含む取付腕30の少なくとも3面と密着している。
【0034】
部品43の下端部43aは、取付腕30の下面30cから下方に突出している。部品43は、取付腕30の一方の端部30aと他方の端部30bとの間に設けられている。取付腕30の正面視において、部品43は、かごガイドレール11aと、端部30bの先端30dと、の間に位置している。
【0035】
部品43の下端部43aは、鉛直方向に沿って見たとき、巻上機14と重ならないように配置されている。すなわち、部品43の下端部43aは、巻上機14の真上から外れた位置に配置されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態に係るエレベータにおいて、第1滴下部は、部品43を有している。部品43は、取付腕30とは別体に形成されている。部品43は、取付腕30に取り付けられている。部品43は、取付腕30の下面30cから下方に突出している。この構成によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、この構成によれば、取付腕30に対する部品43の取付け位置を変更することにより、油40を滴下させる位置を調整することができる。
【0037】
また、本実施の形態の部品43は、取付腕30の下面30c及び上面30eと密着している。このため、下面30cを伝う油40だけでなく、上面30eを伝う油40も、部品43によって下方に滴下させることができる。
【0038】
実施の形態4.
実施の形態4に係るエレベータについて説明する。
図5は、本実施の形態に係るエレベータの複数の取付腕の構成を示す正面図である。
図5の上下方向は、鉛直上下方向を表している。
【0039】
図5に示すように、かごガイドレール11aには、複数の昇降路機器20-1~20-5が取り付けられている。本実施の形態における各昇降路機器20-1~20-5は、例えば着床プレートである。昇降路機器20-1~20-5は、昇降路15内において同一の平面位置に設けられている。すなわち、鉛直方向に沿って見たとき、昇降路機器20-1~20-5は、全て重なって配置されている。昇降路機器20-1、昇降路機器20-2、昇降路機器20-3、昇降路機器20-4及び昇降路機器20-5は、上方からこの順に配置されている。
【0040】
昇降路機器20-1は、取付腕30-1によってかごガイドレール11aに固定されている。同様に、昇降路機器20-2~20-5は、取付腕30-2~30-5によってそれぞれかごガイドレール11aに固定されている。
【0041】
取付腕30-1、取付腕30-2、取付腕30-3、取付腕30-4、及び取付腕30-5は、上方からこの順に配置されている。鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-1~30-5は、全て重なって配置されている。取付腕30-1~30-5は、いずれも巻上機14よりも上方に配置されている。取付腕30-1~30-5のそれぞれは、端部30bの高さ位置が端部30aの高さ位置よりも低くなるように傾いている。取付腕30-1~30-5のそれぞれの先端30dは、鉛直方向に沿って見たとき、巻上機14と重なるように配置されている。
【0042】
取付腕30-1の下面30cには、取付腕30-1を伝う油を滴下させる複数の滴下部として、突起41a、41b、41cが形成されている。突起41a、41b、41cのそれぞれは、実施の形態1の突起41aと同様の構成を有している。
【0043】
突起41a、41b、41cは、並列して配置されている。突起41aは、取付腕30-1における端部30aと端部30bとの間に設けられている。突起41bは、取付腕30-2における突起41aと端部30bとの間に設けられている。突起41cは、取付腕30-3における突起41bと端部30bとの間に設けられている。鉛直方向に沿って見たとき、突起41a、41b、41cは、いずれも巻上機14と重ならないように配置されている。
【0044】
取付腕30-2~30-5は、取付腕30-1と同一の形状を有している。取付腕30-2~30-5のそれぞれの突起41aは、鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-1の突起41aと重なり、かつ巻上機14と重ならないように配置されている。取付腕30-2~30-5のそれぞれの突起41bは、鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-1の突起41bと重なり、かつ巻上機14と重ならないように配置されている。取付腕30-2~30-5のそれぞれの突起41cは、鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-1の突起41cと重なり、かつ巻上機14と重ならないように配置されている。
【0045】
以上のような構成において、取付腕30-1の突起41aから下方に滴下した油40は、ある確率で、取付腕30-1の下方に位置する取付腕30-2に当たる。油40の当たる位置が取付腕30-2の突起41aの真上、又は突起41aよりもかごガイドレール11a側である場合、取付腕30-2に付着した油は、取付腕30-2の突起41aから下方に滴下する。
【0046】
一方、油40の当たる位置が取付腕30-2の突起41aよりも先端30d側である場合、取付腕30-2に付着した油40は、取付腕30-2の突起41aから下方に滴下せず、取付腕30-2を伝って、取付腕30-2の突起41aよりも先端30d側に流れてしまう可能性がある。しかしながら、本実施の形態では、各取付腕30-1~30-5の突起41aと先端30dとの間に突起41bが形成されているため、突起41aから下方に滴下しなかった油40は、先端30dに達する前に突起41bから下方に滴下する。
【0047】
同様に、例えば取付腕30-2の突起41bから下方に滴下した油40は、ある確率で、取付腕30-3に当たる。この場合、取付腕30-3に付着した油40は、取付腕30-3の先端30dに達する前に突起41b又は突起41cから下方に滴下する。
【0048】
各取付腕30-1~30-5において、突起41a、41b、41cはいずれも、鉛直方向に沿って見たとき巻上機14と重ならないように配置されている。このため、突起41a、41b、41cのいずれかから滴下し、他の取付腕に当たらなかった油40は、巻上機14に直接付着せず、昇降路15の底部の床面に付着する。
【0049】
本実施の形態では、5つの取付腕30-1~30-5が設けられているが、取付腕の個数は2つ以上4つ以下、又は5つ以上であってもよい。また、本実施の形態では、各取付腕30-1~30-5に設けられる突起の個数、すなわち滴下部の個数は3つである。しかしながら、各取付腕30-1~30-5に設けられる滴下部の個数は、2つ又は4つ以上であってもよい。各取付腕30-1~30-5に設けられる滴下部の個数は、鉛直方向に見たとき重なって配置される取付腕30-1~30-5の個数などを考慮して、適宜設定することができる。
【0050】
本実施の形態では、複数の滴下部のそれぞれが実施の形態1の突起41aと同様の構成を有しているが、複数の滴下部のそれぞれは、実施の形態2の切欠き42、又は実施の形態3の部品43と同様の構成を有していてもよい。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態に係るエレベータは、取付腕30-1と、取付腕30-2と、昇降路機器20-1と、昇降路機器20-2と、を備えている。取付腕30-1及び取付腕30-2のそれぞれは、かごガイドレール11aに固定されている。昇降路機器20-1は、取付腕30-1に取り付けられている。昇降路機器20-2は、取付腕30-2に取り付けられている。
【0052】
取付腕30-1における突起41aと端部30bとの間には、取付腕30-1を伝う油を滴下させる突起41bが設けられている。突起41bは、鉛直方向に沿って見たとき巻上機14と重ならないように配置されている。
【0053】
取付腕30-2は、取付腕30-1よりも下方であって巻上機14よりも上方に配置されている。取付腕30-2は、鉛直方向に沿って見たとき取付腕30-1と重なって配置されている。取付腕30-2は、端部30aと、端部30bと、を有している。取付腕30-2の端部30aは、かごガイドレール11aに固定されている。取付腕30-2の端部30bには、昇降路機器20-2が取り付けられている。取付腕30-2は、端部30bの高さ位置が端部30aの高さ位置よりも低くなるように傾いている。取付腕30-2における端部30bの先端30dは、鉛直方向に沿って見たとき巻上機14と重なるように配置されている。
【0054】
取付腕30-2における端部30aと端部30bとの間には、取付腕30-2を伝う油を滴下させる突起41aが設けられている。取付腕30-2における突起41aと端部30bとの間には、取付腕30-2を伝う油を滴下させる突起41bが設けられている。取付腕30-2の突起41aは、鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-1の突起41aと重なり、かつ巻上機14と重ならないように配置されている。取付腕30-2の突起41bは、鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-1の突起41bと重なり、かつ巻上機14と重ならないように配置されている。
【0055】
ここで、取付腕30-1は、第1取付腕の一例である。取付腕30-2は、第2取付腕の一例である。昇降路機器20-1は、第1昇降路機器の一例である。昇降路機器20-2は、第2昇降路機器の一例である。取付腕30-1の突起41aは、第1滴下部の一例である。取付腕30-1の突起41bは、第2滴下部の一例である。取付腕30-2の端部30aは、第3端部の一例である。取付腕30-2の端部30bは、第4端部の一例である。取付腕30-2の突起41aは、第3滴下部の一例である。取付腕30-2の突起41bは、第4滴下部の一例である。
【0056】
この構成によると、取付腕30-1の突起41aから滴下した油40は、ある確率で、取付腕30-2の突起41aよりも先端30d側に付着する。しかしながら、この場合であっても、取付腕30-2に付着した油40は、取付腕30-2の先端30dに達する前に取付腕30-2の突起41bに達し、突起41bから下方に滴下する。取付腕30-2の突起41bは、巻上機14の真上から外れた位置に配置されている。このため、取付腕30-2の突起41bから滴下した油40は、巻上機14には付着しない。したがって、油40の付着により巻上機14に不具合が生じるのを抑制することができる。
【0057】
また、上記構成によれば、取付腕30-1及び取付腕30-2の形状を同一にすることができるため、取付腕の量産性を高めることができる。
【0058】
実施の形態5.
実施の形態5に係るエレベータについて説明する。
図6は、本実施の形態に係るエレベータの複数の取付腕の構成を示す正面図である。
図6の上下方向は、鉛直上下方向を表している。
【0059】
図6に示すように、かごガイドレール11aには、複数の昇降路機器20-1~20-5が取り付けられている。本実施の形態における各昇降路機器20-1~20-5は、例えば着床プレートである。昇降路機器20-1~20-5は、昇降路15内において同一の平面位置に設けられている。すなわち、鉛直方向に沿って見たとき、昇降路機器20-1~20-5は、全て重なって配置されている。昇降路機器20-1~20-5は、取付腕30-1~30-5によってかごガイドレール11aにそれぞれ固定されている。
【0060】
取付腕30-1、取付腕30-2、取付腕30-3、取付腕30-4、及び取付腕30-5は、上方からこの順に配置されている。取付腕30-1~30-5は、全て同一の形状を有している。鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-1~30-5は、全て重なって配置されている。取付腕30-1~30-5は、いずれも巻上機14よりも上方に配置されている。取付腕30-1~30-5のそれぞれは、端部30bの高さ位置が端部30aの高さ位置よりも低くなるように傾いている。取付腕30-1~30-5のそれぞれにおける端部30bの先端30dは、鉛直方向に沿って見たとき、巻上機14と重なるように配置されている。
【0061】
取付腕30-1~30-5のそれぞれには、滴下部として、実施の形態3と同様の部品43が1つずつ取り付けられている。各取付腕30-1~30-5の部品43は、例えば、下面30c、上面30e、及び一方の主面を含む各取付腕30-1~30-5の少なくとも3面と密着している。各取付腕30-1~30-5の部品43は、全て同一の形状を有している。
【0062】
取付腕30-1の部品43は、取付腕30-1における端部30aと端部30bとの間に設けられている。取付腕30-2の部品43は、鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-1の部品43と取付腕30-2の端部30bとの間に設けられている。つまり、取付腕30-2の部品43は、取付腕30-1の部品43の真下位置よりも、先端30d側に設けられている。
【0063】
同様に、取付腕30-3の部品43は、鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-2の部品43と取付腕30-3の端部30bとの間に設けられている。取付腕30-4の部品43は、鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-3の部品43と取付腕30-4の端部30bとの間に設けられている。取付腕30-5の部品43は、鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-4の部品43と取付腕30-5の端部30bとの間に設けられている。
【0064】
このように、取付腕30-1~30-5のそれぞれの部品43は、下方に向かうにつれて先端30dに近づくように取り付けられている。取付腕30-1~30-5のそれぞれの部品43は、鉛直方向に沿って見たとき、他の取付腕と重なるように配置されている。取付腕30-1~30-5のそれぞれの部品43は、鉛直方向に沿って見たときに巻上機14と重ならないように配置されている。
【0065】
以上のような構成において、取付腕30-1の部品43から下方に滴下した油40は、ある確率で、取付腕30-2に当たる。取付腕30-2に付着した油40は、取付腕30-2を伝って先端30d側に流れる。取付腕30-2の部品43は、取付腕30-1の部品43の真下位置よりも先端30d側に設けられている。このため、油40は、取付腕30-2の先端30dに達する前に取付腕30-2の部品43に達し、部品43から下方に滴下する。
【0066】
同様に、取付腕30-2の部品43から下方に滴下した油40は、ある確率で、取付腕30-3に当たる。取付腕30-3に付着した油40は、取付腕30-3の先端30dに達する前に取付腕30-3の部品43に達し、部品43から下方に滴下する。
【0067】
各取付腕30-1~30-5の部品43はいずれも、鉛直方向に沿って見たとき巻上機14と重ならないように配置されている。このため、各部品43のいずれかから滴下し、他の取付腕に当たらなかった油40は、巻上機14に直接付着せず、昇降路15の底部の床面に付着する。
【0068】
本実施の形態では、各取付腕30-1~30-5の滴下部が実施の形態3の部品43と同様の構成を有しているが、各取付腕30-1~30-5の滴下部は、実施の形態1の突起41a、又は実施の形態2の切欠き42と同様の構成を有していてもよい。
【0069】
各取付腕30-1~30-5に突起41aが形成されている場合、取付腕30-1~30-5のそれぞれの突起41aは、下方に向かうにつれて先端30dに近づくように設けられる。取付腕30-1~30-5のいずれの突起41aも、鉛直方向に沿って見たときに巻上機14と重ならないように配置される。
【0070】
各取付腕30-1~30-5に切欠き42が形成されている場合、取付腕30-1~30-5のそれぞれの切欠き42は、下方に向かうにつれて先端30dに近づくように設けられる。取付腕30-1~30-5のいずれの切欠き42も、鉛直方向に沿って見たときに巻上機14と重ならないように配置される。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態に係るエレベータにおいて、取付腕30-1と、取付腕30-2と、昇降路機器20-1と、昇降路機器20-2と、を備えている。取付腕30-1及び取付腕30-2のそれぞれは、かごガイドレール11aに固定されている。昇降路機器20-1は、取付腕30-1に取り付けられている。昇降路機器20-2は、取付腕30-2に取り付けられている。
【0072】
取付腕30-2は、取付腕30-1よりも下方であって巻上機14よりも上方に配置されている。取付腕30-2は、鉛直方向に沿って見たとき取付腕30-1と重なって配置されている。取付腕30-2は、かごガイドレール11aに固定された端部30aと、昇降路機器20-2が取り付けられた端部30bと、を有している。取付腕30-2は、端部30bの高さ位置が端部30aの高さ位置よりも低くなるように傾いている。取付腕30-2における端部30aと端部30bとの間には、取付腕30-2を伝う油を滴下させる部品43が設けられている。取付腕30-2における端部30bの先端30dは、鉛直方向に沿って見たとき巻上機14と重なるように配置されている。取付腕30-2の部品43は、鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-1の部品43と取付腕30-2の端部30bとの間に巻上機14と重ならないように配置されている。
【0073】
ここで、取付腕30-1は、第1取付腕の一例である。取付腕30-2は、第2取付腕の一例である。昇降路機器20-1は、第1昇降路機器の一例である。昇降路機器20-2は、第2昇降路機器の一例である。取付腕30-2の端部30aは、第3端部の一例である。取付腕30-2の端部30bは、第4端部の一例である。取付腕30-1の部品43は、第1滴下部の一例である。取付腕30-2の部品43は、第5滴下部の一例である。
【0074】
この構成によると、取付腕30-1の部品43から滴下した油40は、ある確率で、取付腕30-2に当たる。取付腕30-2に付着した油40は、取付腕30-2の先端30dに達する前に取付腕30-2の部品43に達し、部品43から下方に滴下する。取付腕30-2の部品43は、巻上機14の真上から外れた位置に配置されている。このため、取付腕30-2の部品43から滴下した油40は、巻上機14には付着しない。したがって、油40の付着により巻上機14に不具合が生じるのを抑制することができる。
【0075】
また、上記構成によれば、取付腕30-1及び取付腕30-2の形状を同一にすることができるため、取付腕の量産性を高めることができる。さらに、取付腕30-1及び取付腕30-2のそれぞれに取り付けられる部品43の形状を同一にすることができるため、部品43の量産性を高めることができる。
【0076】
実施の形態6.
実施の形態6に係るエレベータについて説明する。
図7は、本実施の形態に係るエレベータの複数の取付腕の構成を示す正面図である。
図7の上下方向は、鉛直上下方向を表している。
【0077】
図7に示すように、取付腕30-1~30-5のそれぞれには、滴下部として、実施の形態3と同様の部品43が1つずつ取り付けられている。各部品43の下端部43aと、かごガイドレール11aとの間は、油誘導部品44によって接続されている。油誘導部品44は、下端部43aからかごガイドレール11aに油40を導くように構成されている。油誘導部品44は、例えば線状又は帯状の形状を有している。油誘導部品44としては、紐、ワイヤー等が用いられている。油誘導部品44の一端は、下端部43aに接続されている。油誘導部品44の他端は、かごガイドレール11aに接続されている。
【0078】
本実施の形態では、鉛直方向に沿って見たとき、取付腕30-1~30-5が互いに重なって配置されているが、取付腕30-1~30-5は重なっていなくてもよい。また、本実施の形態では、鉛直方向に沿って見たとき、各取付腕30-1~30-5の部品43が互いに重なって配置されているが、各取付腕30-1~30-5の部品43は重なっていなくてもよい。その他の構成は、実施の形態5と同様である。
【0079】
以上説明したように、本実施の形態に係るエレベータにおいて、部品43の下端部43aとかごガイドレール11aとの間は、下端部43aからかごガイドレール11aに油40を導く油誘導部品44によって接続されている。
【0080】
この構成によれば、部品43の下端部43aの油40は、下方に滴下せず、油誘導部品44によってかごガイドレール11aに戻される。このため、各取付腕30-1~30-5からの油40の滴下そのものを防ぐことができる。したがって、油40の付着により巻上機14に不具合が生じるのを抑制することができる。
【0081】
上記実施の形態では、昇降路内装置として巻上機14を例に挙げたが、昇降路内装置は、制御盤などの他の装置であってもよい。昇降路内装置が制御盤などの他の装置である場合にも、汚損、劣化、故障等の不具合が生じ得る。したがって、昇降路内装置が制御盤などの他の装置であっても、油40の付着により不具合が生じるのを抑制することができる。
【0082】
上記実施の形態では、ガイドレールとしてかごガイドレール11aを例に挙げたが、ガイドレールは、かごガイドレール11b、おもりガイドレール13a、又はおもりガイドレール13bであってもよい。
【0083】
上記の各実施の形態は、互いに組み合わせて実施することが可能である。
【0084】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0085】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0086】
(付記1)
昇降路を昇降する昇降体と、
前記昇降体の昇降を案内するガイドレールと、
前記ガイドレールに固定された第1取付腕と、
前記第1取付腕に取り付けられた第1昇降路機器と、
前記昇降路内において前記第1取付腕よりも下方に設置された昇降路内装置と、
を備え、
前記第1取付腕は、前記ガイドレールに固定された第1端部と、前記第1昇降路機器が取り付けられた第2端部と、を有しており、
前記第1取付腕は、前記第2端部の高さ位置が前記第1端部の高さ位置よりも低くなるように傾いており、
前記第1取付腕における前記第2端部の先端は、鉛直方向に沿って見たとき前記昇降路内装置と重なるように配置されており、
前記第1取付腕における前記第1端部と前記第2端部との間には、前記第1取付腕を伝う油を滴下させる第1滴下部が設けられており、
前記第1滴下部は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記昇降路内装置と重ならないように配置されているエレベータ。
(付記2)
前記第1滴下部は、前記第1取付腕の下面に形成された突起を有している付記1に記載のエレベータ。
(付記3)
前記第1滴下部は、前記第1取付腕の下面に形成された切欠きを有している付記1に記載のエレベータ。
(付記4)
前記第1滴下部は、前記第1取付腕とは別体に形成され前記第1取付腕に取り付けられた部品を有しており、
前記部品は、前記第1取付腕の下面から下方に突出している付記1に記載のエレベータ。
(付記5)
前記部品の下端部と前記ガイドレールとの間は、前記下端部から前記ガイドレールに油を導く油誘導部品によって接続されている付記4に記載のエレベータ。
(付記6)
前記ガイドレールに固定された第2取付腕と、
前記第2取付腕に取り付けられた第2昇降路機器と、
をさらに備え、
前記第1取付腕における前記第1滴下部と前記第2端部との間には、前記第1取付腕を伝う油を滴下させる第2滴下部が設けられており、
前記第2滴下部は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記昇降路内装置と重ならないように配置されており、
前記第2取付腕は、前記第1取付腕よりも下方であって前記昇降路内装置よりも上方に配置されており、
前記第2取付腕は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記第1取付腕と重なって配置されており、
前記第2取付腕は、前記ガイドレールに固定された第3端部と、前記第2昇降路機器が取り付けられた第4端部と、を有しており、
前記第2取付腕は、前記第4端部の高さ位置が前記第3端部の高さ位置よりも低くなるように傾いており、
前記第2取付腕における前記第4端部の先端は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記昇降路内装置と重なるように配置されており、
前記第2取付腕における前記第3端部と前記第4端部との間には、前記第2取付腕を伝う油を滴下させる第3滴下部が設けられており、
前記第2取付腕における前記第3滴下部と前記第4端部との間には、前記第2取付腕を伝う油を滴下させる第4滴下部が設けられており、
前記第3滴下部は、前記鉛直方向に沿って見たとき、前記第1滴下部と重なりかつ前記昇降路内装置と重ならないように配置されており、
前記第4滴下部は、前記鉛直方向に沿って見たとき、前記第2滴下部と重なりかつ前記昇降路内装置と重ならないように配置されている付記1~付記4のいずれか一項に記載のエレベータ。
(付記7)
前記ガイドレールに固定された第2取付腕と、
前記第2取付腕に取り付けられた第2昇降路機器と、
をさらに備え、
前記第2取付腕は、前記第1取付腕よりも下方であって前記昇降路内装置よりも上方に配置されており、
前記第2取付腕は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記第1取付腕と重なって配置されており、
前記第2取付腕は、前記ガイドレールに固定された第3端部と、前記第2昇降路機器が取り付けられた第4端部と、を有しており、
前記第2取付腕は、前記第4端部の高さ位置が前記第3端部の高さ位置よりも低くなるように傾いており、
前記第2取付腕における前記第3端部と前記第4端部との間には、前記第2取付腕を伝う油を滴下させる第5滴下部が設けられており、
前記第2取付腕における前記第4端部の先端は、前記鉛直方向に沿って見たとき前記昇降路内装置と重なるように配置されており、
前記第5滴下部は、前記鉛直方向に沿って見たとき、前記第1滴下部と前記第4端部との間に前記昇降路内装置と重ならないように配置されている付記1~付記4のいずれか一項に記載のエレベータ。
(付記8)
前記昇降路内装置は、巻上機又は制御盤である付記1~付記7のいずれか一項に記載のエレベータ。
【符号の説明】
【0087】
10 かご、11a、11b かごガイドレール、11a1 裏面、12 おもり、13a、13b おもりガイドレール、14 巻上機、15 昇降路、20、20-1、20-2、20-3、20-4、20-5 昇降路機器、30、30-1、30-2、30-3、30-4、30-5 取付腕、30a、30b 端部、30c 下面、30d 先端、30e 上面、40 油、41a、41b、41c 突起、42 切欠き、43 部品、43a 下端部、44 油誘導部品。