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特許7752685通信システム、携帯端末、プログラム及び通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-02
(45)【発行日】2025-10-10
(54)【発明の名称】通信システム、携帯端末、プログラム及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/50 20180101AFI20251003BHJP
   H04W 4/90 20180101ALI20251003BHJP
   H04W 76/14 20180101ALI20251003BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20251003BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20251003BHJP
【FI】
H04W76/50
H04W4/90
H04W76/14
H04W88/04
H04W92/18
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023525282
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 JP2021021215
(87)【国際公開番号】W WO2022254658
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-06-01
【審判番号】
【審判請求日】2025-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100203677
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 力
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 史樹
(72)【発明者】
【氏名】松田 哲史
(72)【発明者】
【氏名】望月 満
(72)【発明者】
【氏名】下田 忠宏
(72)【発明者】
【氏名】牧野 真也
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】中木 努
【審判官】本郷 彰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/081907(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/030767(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/033088(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0105119(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う通信システムであって、
基地局と、
第1の携帯端末と、
前記第1の携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる第2の携帯端末と、を備え、
前記基地局からの電波が届く範囲に前記第1の携帯端末が存在し、前記基地局からの電波が届く範囲の外に前記第2の携帯端末が存在する場合において、前記第1の携帯端末は、前記基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信すると、前記第2の携帯端末にsystem informationを送信するタイミングとは別に、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて前記第2の携帯端末に送信すること
を特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第1の携帯端末は、前記緊急警報情報を受信すると、前記緊急警報情報を送信する期限を定め、前記期限内において、複数回、前記同報メッセージを前記第2の携帯端末に送信すること
を特徴とする請求項に記載の通信システム。
【請求項3】
3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う通信システムであって、
基地局と、
第1の携帯端末と、
前記第1の携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる第2の携帯端末と、を備え、
前記基地局からの電波が届く範囲に前記第1の携帯端末が存在し、前記基地局からの電波が届く範囲の外に前記第2の携帯端末が存在する場合において、前記第1の携帯端末は、前記基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信すると、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて1対1で通信するために前記第2の携帯端末との間で確立された接続を用いて、前記緊急警報情報を前記第2の携帯端末に送信するとともに、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCHを用いて前記第2の携帯端末に送信すること
を特徴とする通信システム。
【請求項4】
前記第1の携帯端末は、前記緊急警報情報を受信する前、又は、前記緊急警報情報を受信した後に、前記接続を確立すること
を特徴とする請求項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第1の携帯端末は、前記第2の携帯端末にsystem informationを送信するタイミングとは別に、前記接続を確立するとともに、前記同報メッセージを送信すること
を特徴とする請求項又はに記載の通信システム。
【請求項6】
3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う携帯端末であって、
基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信する通信部と、
前記通信部が前記緊急警報情報を受信した際に、前記基地局からの電波が届く範囲の外に、前記携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる別の携帯端末が存在する場合に、前記別の携帯端末にsystem informationを送信するタイミングとは別に、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて、前記通信部に前記別の携帯端末へ送信させる制御部と、を備えること
を特徴とする携帯端末。
【請求項7】
3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う携帯端末であって、
基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信する通信部と、
前記通信部が前記緊急警報情報を受信した際に、前記基地局からの電波が届く範囲の外に、前記携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる別の携帯端末が存在する場合に、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて1対1で通信するために前記別の携帯端末との間で確立された接続を用いて、前記通信部に前記緊急警報情報を前記別の携帯端末へ送信させるとともに、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCHを用いて、前記通信部に前記別の携帯端末へ送信させる制御部と、を備えること
を特徴とする携帯端末。
【請求項8】
3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う携帯端末として機能するコンピュータを、
基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信する通信部、及び、
前記通信部が前記緊急警報情報を受信した際に、前記基地局からの電波が届く範囲の外に、前記携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる別の携帯端末が存在する場合に、前記別の携帯端末にsystem informationを送信するタイミングとは別に、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて、前記通信部に前記別の携帯端末へ送信させる制御部、として機能させること
を特徴とするプログラム。
【請求項9】
3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う携帯端末として機能するコンピュータを、
基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信する通信部、及び、
前記通信部が前記緊急警報情報を受信した際に、前記基地局からの電波が届く範囲の外に、前記携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる別の携帯端末が存在する場合に、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて1対1で通信するために前記別の携帯端末との間で確立された接続を用いて、前記通信部に前記緊急警報情報を前記別の携帯端末へ送信させるとともに、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCHを用いて、前記通信部に前記別の携帯端末へ送信させる制御部、として機能させること
を特徴とするプログラム。
【請求項10】
3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う携帯端末が行う通信方法であって、
基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信し、
前記緊急警報情報を受信した際に、前記基地局からの電波が届く範囲の外に、前記携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる別の携帯端末が存在する場合に、前記別の携帯端末にsystem informationを送信するタイミングとは別に、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて、前記別の携帯端末に送信すること
を特徴とする通信方法。
【請求項11】
3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う携帯端末が行う通信方法であって、
基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信し、
前記緊急警報情報を受信した際に、前記基地局からの電波が届く範囲の外に、前記携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる別の携帯端末が存在する場合に、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて1対1で通信するために前記別の携帯端末との間で確立された接続を用いて、前記緊急警報情報を前記別の携帯端末に送信するとともに、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCHを用いて、前記別の携帯端末に送信すること
を特徴とする通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システム、携帯端末、プログラム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、緊急性の高い情報を、携帯電話通信網の基地局から携帯端末に送信する技術がある。例えば、PWS(Public Warning System)は、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規格化された緊急警報情報を、基地局経由で携帯端末に送信する方式である。また、ETWS(Earthquake and Tsunami Warning Sysem)は、地震と津波に関する警報情報であるETWS情報をPWSの仕組みを利用して送信する方式である。
【0003】
ETWSの手順に従うことで、基地局と直接通信できる携帯端末は、ETWS情報を受信することが可能となる。しかしながら、基地局の電波が届かない圏外に存在する携帯端末は、ETWSの手順でETWS情報を受信することができない。ETWS情報が人の安全にかかわる重要な情報であることを鑑みると、基地局の電波が届かない圏外に存在する携帯端末にETWS情報を送信できるようにすることが望ましいと考えられる。
【0004】
3GPP 5G NR(Fifth Generation New Radio)において、基地局の電波が届かない圏外に存在する携帯端末にETWS情報を送信するために、非特許文献1に示されているProSe(Proximity-based Services)におけるSide Link Relay通信を用いるUE(User Equipment)-to-Network Relay方式が存在する。
【0005】
UE-to-Network Relay方式では、基地局の電波が届かない圏外に存在する携帯端末である遠隔端末が、基地局と直接通信可能な携帯端末である中継端末が提供する中継機能を利用することで、基地局と通信する。例えば、中継端末は、遠隔端末に対して、short messageの情報を転送する機能と、SIB1、SIB6及びSIB7を含むsystem informationを転送する機能とを有する。これらの機能を用いて、中継端末は、基地局がETWSのために送信するshort message、SIB1、SIB6及びSIB7を受信すると、遠隔端末にそれらの情報を中継して送信する。遠隔端末は、中継端末が中継して送信するshort message、SIB1、SIB6及びSIB7の内容に基づいて、ETWS情報を取得する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】3GPP TS 23.303 Proximity-based services
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のUE-to-Network Relay方式では、基地局、中継端末及び遠隔端末の全てがUE-to-Network Relay方式に対応する必要がある。
基地局は、携帯電話網のインフラ設備で長期間使用される機器であるため、3GPPで新たに規格化が進められている5G NR用のUE-to-Network Relay方式に対応するのに時間がかかる可能性がある。このため、従来の方式により遠隔端末にETWS情報を送信可能な携帯電話網環境が整うのに時間がかかる可能性がある。
【0008】
そこで、本開示の一又は複数の態様は、基地局がUE-to-Network Relay方式に未対応の場合でも、中継端末が遠隔端末に、緊急警報情報を送信できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第2の態様に係る通信システムは、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う通信システムであって、基地局と、第1の携帯端末と、前記第1の携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる第2の携帯端末と、を備え、前記基地局からの電波が届く範囲に前記第1の携帯端末が存在し、前記基地局からの電波が届く範囲の外に前記第2の携帯端末が存在する場合において、前記第1の携帯端末は、前記基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信すると、前記第2の携帯端末にsystem informationを送信するタイミングとは別に、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて前記第2の携帯端末に送信することを特徴とする。
【0011】
本開示の第3の態様に係る通信システムは、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う通信システムであって、基地局と、第1の携帯端末と、前記第1の携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる第2の携帯端末と、を備え、前記基地局からの電波が届く範囲に前記第1の携帯端末が存在し、前記基地局からの電波が届く範囲の外に前記第2の携帯端末が存在する場合において、前記第1の携帯端末は、前記基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信すると、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて1対1で通信するために前記第2の携帯端末との間で確立された接続を用いて、前記緊急警報情報を前記第2の携帯端末に送信するとともに、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCHを用いて前記第2の携帯端末に送信することを特徴とする。
【0013】
本開示の第2の態様に係る携帯端末は、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う携帯端末であって、基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信する通信部と、前記通信部が前記緊急警報情報を受信した際に、前記基地局からの電波が届く範囲の外に、前記携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる別の携帯端末が存在する場合に、前記別の携帯端末にsystem informationを送信するタイミングとは別に、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて、前記通信部に前記別の携帯端末へ送信させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本開示の第3の態様に係る携帯端末は、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う携帯端末であって、基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信する通信部と、前記通信部が前記緊急警報情報を受信した際に、前記基地局からの電波が届く範囲の外に、前記携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる別の携帯端末が存在する場合に、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて1対1で通信するために前記別の携帯端末との間で確立された接続を用いて、前記通信部に前記緊急警報情報を前記別の携帯端末へ送信させるとともに、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCHを用いて、前記通信部に前記別の携帯端末へ送信させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本開示の第2の態様に係るプログラムは、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う携帯端末として機能するコンピュータを、基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信する通信部、及び、前記通信部が前記緊急警報情報を受信した際に、前記基地局からの電波が届く範囲の外に、前記携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる別の携帯端末が存在する場合に、前記別の携帯端末にsystem informationを送信するタイミングとは別に、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて、前記通信部に前記別の携帯端末へ送信させる制御部、として機能させることを特徴とする。
【0017】
本開示の第3の態様に係るプログラムは、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う携帯端末として機能するコンピュータを、基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信する通信部、及び、前記通信部が前記緊急警報情報を受信した際に、前記基地局からの電波が届く範囲の外に、前記携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる別の携帯端末が存在する場合に、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて1対1で通信するために前記別の携帯端末との間で確立された接続を用いて、前記通信部に前記緊急警報情報を前記別の携帯端末へ送信させるとともに、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCHを用いて、前記通信部に前記別の携帯端末へ送信させる制御部、として機能させることを特徴とする。
【0019】
本開示の第2の態様に係る通信方法は、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う携帯端末が行う通信方法であって、基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信し、前記緊急警報情報を受信した際に、前記基地局からの電波が届く範囲の外に、前記携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる別の携帯端末が存在する場合に、前記別の携帯端末にsystem informationを送信するタイミングとは別に、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて、前記別の携帯端末に送信することを特徴とする。
【0020】
本開示の第3の態様に係る通信方法は、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う携帯端末が行う通信方法であって、基地局から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信し、前記緊急警報情報を受信した際に、前記基地局からの電波が届く範囲の外に、前記携帯端末とProSe(Proximity-based Services)で通信を行うことのできる別の携帯端末が存在する場合に、PSSCH(Physical Sidelink Shared CHannel)を用いて1対1で通信するために前記別の携帯端末との間で確立された接続を用いて、前記緊急警報情報を前記別の携帯端末に送信するとともに、前記緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCHを用いて、前記別の携帯端末に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本開示の一又は複数の態様によれば、基地局がUE-to-Network Relay方式に未対応の場合でも、中継端末が遠隔端末に、緊急警報情報を送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施の形態1~6に係る無線通信システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図2】基地局と、基地局の電波が届く範囲にある中継端末との間での、3GPP 5G NRにおける、ETWSによるETWS情報の送信手順を示すシーケンス図である。
図3】実施の形態1における中継端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図4】(A)及び(B)は、ハードウェア構成例を示すブロック図である。
図5】実施の形態1における遠隔端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図6】実施の形態1におけるETWS情報の通信手順を示すシーケンス図である。
図7】実施の形態2における中継端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図8】実施の形態2における遠隔端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図9】実施の形態2におけるETWS情報の通信手順を示すシーケンス図である。
図10】実施の形態3における中継端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図11】実施の形態3における遠隔端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図12】実施の形態3におけるETWS情報の通信手順を示すシーケンス図である。
図13】実施の形態4における中継端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図14】ETWS情報及び送信終了時刻の一例を示す概略図である。
図15】実施の形態5における中継端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図16】実施の形態6における中継端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る無線通信システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
無線通信システム100は、中継端末110と、遠隔端末130とを備える。
無線通信システム100は、3GPP(Third Generation Partnership Project)で規定される5G NR(Fifth Generation New Radio)のSide Link Relay通信を行う通信システムである。
【0024】
図1に示されているように、中継端末110は、基地局101の電波が届く範囲102である圏内にある携帯端末であり、遠隔端末130は、基地局101からの電波が届かない圏外にある携帯端末であるものとする。中継端末110を第1の携帯端末ともいい、遠隔端末130を第2の携帯端末ともいう。
【0025】
そして、中継端末110は、UE-to-Network Relay方式を使用するか否かに関わらず、基地局101と直接通信可能で、ProSeで通信する機能を備える。
遠隔端末130は、基地局101の電波が届かない圏外に存在し、かつ、中継端末110とProSeで通信する機能を備える。
【0026】
まず、図2を用いて、PWSを用いた緊急情報送信について、ETWSの例で説明する。図2は、基地局101と、基地局101の電波が届く範囲102にある中継端末110との間での、3GPP 5G NRにおける、ETWSによるETWS情報の送信手順を示すシーケンス図である。
【0027】
まず、基地局101は、中継端末110に、ETWS情報が存在することを示すshort messageをPDCCH(Physical Downlink Control Channel)の通信チャネル上で送信する(S10)。これにより、基地局101は、ETWS情報が存在することを中継端末110に通知する。
【0028】
ETWS情報が存在することを示すshort messageを受信した中継端末110は、ETWS情報の送信タイミングを示す情報を受信するために、報知用通信チャネルであるBCCH(Broadcast Control Channel)上で送信されるSIB(System Information Block)1を受信する(S11)。これにより、中継端末110は、受信されたSIB1の内容から、ETWS情報を示すSIB6及びSIB7のBCCH上での送信タイミングを知ることができる。
【0029】
中継端末110は、ステップS11で知ったSIB6及びSIB7のBCCH上での送信タイミングに基づき、SIB6と、SIB7とをBCCH上で受信する(S12、S13)。これにより、中継端末110は、ETWS情報を取得することができる。
【0030】
基地局101の電波が届く範囲102に、携帯端末が存在する場合には、以上の手順により、基地局101から携帯端末にETWS情報を送信することができる。
次に、ETWS情報を基地局101の電波が届かない圏外に存在する携帯端末にETWS情報を送信する場合を説明する。
【0031】
実施の形態1では、基地局101からの電波が届く範囲102に中継端末110が存在し、基地局101からの電波が届く範囲102の外に遠隔端末130が存在する場合において、中継端末110は、基地局101から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信すると、PSSCHを用いて1対1で通信するために遠隔端末130との間で確立された接続を用いて、その緊急警報情報を遠隔端末130に送信する。
ここで、実施の形態1では、中継端末110と、遠隔端末130との接続の確立は、緊急警報情報を受信する前に行われるものとする。
また、中継端末110と、遠隔端末130との接続の確立は、中継端末110が遠隔端末130にsystem informationを送信することになっている場合には、そのsystem informationを送信するタイミングとは別のタイミングで行われるものとする。
【0032】
図3は、実施の形態1における中継端末110の構成を概略的に示すブロック図である。
中継端末110は、通信部111と、ProSe通信データ処理部112と、ProSe通信接続制御部113と、PSSCH通信接続記録部114と、ETWS処理部115と、ETWS情報転送処理部116とを備える。
【0033】
通信部111は、基地局101及び遠隔端末130と通信する。例えば、通信部111は、ProSeが使用する通信チャネル上で、データプレーンと、制御プレーンとのメッセージを遠隔端末130に送信する。また、通信部111は、基地局101がshort message及びBCCHを使い送信するETWS情報を基地局101から受信する。
【0034】
ProSe通信データ処理部112は、ProSeが使用する通信チャネル上で、データプレーンと、制御プレーンとのメッセージを伝送するための通信プロトコルの処理を行う。ProSe通信データ処理部112は、ProSeが使用する通信チャネル上で通信部111が受信したデータの中で必要なもの(例えば、制御プレーンのメッセージ)をProSe通信接続制御部113に渡す。
【0035】
ProSe通信接続制御部113は、ProSeが使用する通信チャネル上で通信するために必要な、接続の確立及び解放等の制御プレーンの通信メッセージの処理を行う。
【0036】
PSSCH通信接続記録部114は、ProSe通信接続制御部113が行う接続の確立及び解放のための制御プレーン処理の結果、中継端末110が現在接続している遠隔端末130の情報を記録する。
【0037】
ETWS処理部115は、通信部111が受信したETWS情報を、ETWS情報転送処理部116に渡す。
【0038】
ETWS情報転送処理部116は、ETWS処理部115からETWS情報を受け取ったことを契機に、PSSCH通信接続記録部114に記録されている情報に基づいて、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続が確立している遠隔端末130に、ETWS情報を含むETWS通知メッセージをPSSCH上で送信するように、ProSe通信データ処理部112に依頼する。
【0039】
ここで、ProSe通信データ処理部112、ProSe通信接続制御部113、ETWS処理部115及びETWS情報転送処理部116を、制御部119ともいう。
制御部119は、緊急警報情報を受信した際に、基地局101からの電波が届く範囲102の外に、中継端末110とProSeで通信を行うことのできる別の携帯端末である遠隔端末130が存在する場合に、PSSCHを用いて1対1で通信するために遠隔端末130との間で確立された接続を用いて、通信部111に緊急警報情報を遠隔端末130へ送信させる。
【0040】
以上に記載されたProSe通信データ処理部112、ProSe通信接続制御部113、ETWS処理部115及びETWS情報転送処理部116の一部又は全部は、例えば、図4(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。言い換えると、中継端末110は、コンピュータにより実現することができる。
【0041】
また、ProSe通信データ処理部112、ProSe通信接続制御部113、ETWS処理部115及びETWS情報転送処理部116の一部又は全部は、例えば、図4(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、ProSe通信データ処理部112、ProSe通信接続制御部113、ETWS処理部115及びETWS情報転送処理部116は、処理回路網により実現することができる。
【0042】
さらに、通信部111は、無線通信機能を有する無線通信装置により実現することができる。
PSSCH通信接続記録部114は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリにより実現することができる。
【0043】
図5は、実施の形態1における遠隔端末130の構成を概略的に示すブロック図である。
遠隔端末130は、通信部131と、ProSe通信データ処理部132と、ProSe通信接続制御部133と、PSSCH通信接続記録部134と、ETWS情報処理部135とを備える。
【0044】
通信部131は、基地局101及び中継端末110と通信を行う。ここでは、遠隔端末130は、基地局101の電波が届かない圏外に存在するため、通信部131は、基地局101と通信を行うことができず、中継端末110と通信を行う。例えば、通信部131は、ProSeが使用する通信チャネル上で、データプレーンと、制御プレーンとのメッセージを伝送する。
【0045】
ProSe通信データ処理部132は、ProSeが使用する通信チャネル上で、データプレーンと、制御プレーンとのメッセージを伝送するための通信プロトコルの処理を行う。例えば、ProSe通信データ処理部132は、PSSCH上で受信したETWS通知メッセージをETWS情報処理部135に渡し、ProSeが使用する通信チャネル上で受信したデータの中で必要なもの(例えば、制御プレーンのメッセージ)をProSe通信接続制御部133に渡す。
【0046】
ProSe通信接続制御部133は、ProSeが使用する通信チャネル上で通信するために必要な、接続の確立及び解放等の制御プレーンの通信メッセージの処理を行う。
【0047】
PSSCH通信接続記録部134は、ProSe通信接続制御部133が行う接続の確立及び解放のための制御プレーンの処理の結果、遠隔端末130が現在接続している中継端末110の情報を記録する。
【0048】
ETWS情報処理部135は、ProSe通信データ処理部132から受け取ったETWS通知メッセージの処理を行う。
【0049】
以上に記載されたProSe通信データ処理部132、ProSe通信接続制御部133及びETWS情報処理部135の一部又は全部は、例えば、図4(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。言い換えると、遠隔端末130は、コンピュータにより実現することができる。
【0050】
また、ProSe通信データ処理部132、ProSe通信接続制御部133及びETWS情報処理部135の一部又は全部は、例えば、図4(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、ProSe通信データ処理部132、ProSe通信接続制御部133及びETWS情報処理部135は、処理回路網により実現することができる。
【0051】
さらに、通信部131は、無線通信機能を有する無線通信装置により実現することができる。
PSSCH通信接続記録部134は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリにより実現することができる。
【0052】
図6は、実施の形態1におけるETWS情報の通信手順を示すシーケンス図である。
まず、何らかのトリガで、遠隔端末130と中継端末110がPSSCHを用いて1対1で通信するための接続を確立する(S20)。
【0053】
具体的には、遠隔端末130では、ProSe通信接続制御部133がProSe通信データ処理部132及び通信部131を使い、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続確立のための制御メッセージを、中継端末110との間で送受信する。中継端末110では、ProSe通信接続制御部113がProSe通信データ処理部112及び通信部111を使い、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続確立のための制御メッセージを、遠隔端末130との間で送受信する。
【0054】
そして、接続確立のためのプロトコルに従った制御メッセージのやりとりが完了すると、遠隔端末130のProSe通信接続制御部133はPSSCH通信接続記録部134に、中継端末110との接続に関する情報を記録する。また、中継端末110のProSe通信接続制御部113は、PSSCH通信接続記録部114に、遠隔端末130との接続に関する情報を記録する。
【0055】
次に、基地局101は、中継端末110に、ETWS情報が存在することを示すshort messageをPDCCH上で送信する(S21)。これにより、基地局101は、中継端末110にETWS情報が存在することを通知する。
【0056】
ここでは、中継端末110の通信部111がshort messageを受信し、ETWS処理部115が、ETWS情報が通知されることを認識する。
【0057】
ETWS情報が存在することを示すshort messageを受信した中継端末110は、ETWS情報の送信タイミングを示す情報を受信するために、BCCH上で送信されるSIB1を受信する(S22)。
【0058】
例えば、中継端末110の通信部111は、ETWS情報の送信タイミングを示す情報を受信するために、BCCH上で送信されるSIB1を受信する。そして、受信されたSIB1は、ETWS処理部115に与えられる。これにより、ETWS処理部115は、受信されたSIB1の内容から、ETWS情報を示すSIB6及びSIB7のBCCH上での送信タイミングを知ることができる。
【0059】
ステップS22で知ったSIB6のBCCH上での送信タイミングに基づき、中継端末110は、SIB6をBCCH上で受信する(S23)。例えば、ステップS22で知ったSIB6のBCCH上での送信タイミングにおいて、ETWS処理部115は、通信部111にSIB6をBCCH上で受信させて、そのSIB6を取得する。
【0060】
中継端末110は、受信されたSIB6の内容を含むETWS通知メッセージを、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続を使い遠隔端末130へ送信する(S24)。
【0061】
例えば、ETWS処理部115は、ステップS23で受信されたSIB6の内容を、ETWS情報転送処理部116に渡す。ETWS情報転送処理部116は、渡されたSIB6の内容を含むETWS通知メッセージを生成し、ProSe通信データ処理部112及び通信部111に、ステップS20においてPSSCHを用いて1対1で通信するための接続を確立済みの遠隔端末130へ、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続を使いETWS通知メッセージを送信させる。具体的には、ETWS情報転送処理部116は、PSSCH通信接続記録部114に記録されている、接続済の遠隔端末130の情報を読み出し、ProSe通信データ処理部112に、ETES通知メッセージを渡し、PSSCH上での遠隔端末130への送信を依頼する。
【0062】
そして、遠隔端末130は、受信されたETWS通知メッセージに含まれるSIB6の内容からETWS情報を取得する。具体的には、ETWS情報処理部135は、受け取ったETWS通知メッセージに含まれるSIB6の内容を地震津波警告情報として処理する。
【0063】
また、ステップS22で知ったSIB7のBCCH上での送信タイミングに基づき、中継端末110は、SIB7をBCCH上で受信する(S25)。例えば、ステップS22で知ったSIB7のBCCH上での送信タイミングにおいて、ETWS処理部115は、通信部111にSIB7をBCCH上で受信させて、そのSIB7を取得する。
【0064】
中継端末110は、受信されたSIB7の内容を含むETWS通知メッセージを、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続を使い遠隔端末130へ送信する(S26)。
【0065】
例えば、ETWS処理部115は、ステップS25で受信されたSIB7の内容を、ETWS情報転送処理部116に渡す。ETWS情報転送処理部116は、渡されたSIB7の内容を含むETWS通知メッセージを生成し、ProSe通信データ処理部112及び通信部111に、ステップS20においてPSSCHを用いて1対1で通信するための接続を確立済みの遠隔端末130へ、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続を使いETWS通知メッセージを送信させる。具体的には、ETWS情報転送処理部116は、PSSCH通信接続記録部114に記録されている、接続済の遠隔端末130の情報を読み出し、ProSe通信データ処理部112に、ETES通知メッセージを渡し、PSSCH上での遠隔端末130への送信を依頼する。
【0066】
そして、遠隔端末130は、受信されたETWS通知メッセージに含まれるSIB7の内容からETWS情報を取得する。具体的には、ETWS情報処理部135は、受け取ったETWS通知メッセージに含まれるSIB7の内容を地震津波警告情報として処理する。
【0067】
以上により、基地局101、中継端末110及び遠隔端末130がUE-to-Network Relay方式に未対応の場合でも、遠隔端末130にETWS情報を送信することができる。
【0068】
また、以上の実施の形態1と、特許文献1に記載された方式、又は、下記の文献に記載された方式とを組み合わせることで、中継端末110が遠隔端末130にETWS情報を複数の通信方法で送信することが可能となる。
情報処理学会論文誌 Vol.60 No.2 514-526(2019年2月)
【0069】
実施の形態2.
図1に示されているように、実施の形態2に係る無線通信システム200は、中継端末210と、遠隔端末230とを備える。
実施の形態2では、中継端末210は、基地局101からの電波が届く範囲102に中継端末210が存在し、基地局101からの電波が届く範囲102の外に遠隔端末230が存在する場合において、基地局101から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信すると、その緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCHを用いて遠隔端末230に送信する。
ここでは、中継端末210は、遠隔端末230にsystem informationを送信することになっている場合には、そのsystem informationを送信するタイミングとは別のタイミングで、緊急警報情報を含む同報メッセージを送信するものとする。
【0070】
図7は、実施の形態2における中継端末210の構成を概略的に示すブロック図である。
中継端末210は、通信部111と、ProSe通信データ処理部112と、ETWS処理部115と、Discovery送信部217とを備える。
【0071】
実施の形態2における中継端末210の通信部111、ProSe通信データ処理部112及びETWS処理部115は、実施の形態1における中継端末110の通信部111、ProSe通信データ処理部112及びETWS処理部115と同様である。
但し、実施の形態2におけるProSe通信データ処理部112は、Discovery送信部217からDiscoveryメッセージの送信依頼を受けると、通信部111にそのDiscoveryメッセージを遠隔端末230へ送信させる。また、実施の形態2におけるETWS処理部115は、通信部111が受信したETWS情報を、Discovery送信部217に渡す。
【0072】
Discovery送信部217は、自律的に決めるタイミングで、ProSe通信データ処理部112及び通信部111を介して、Discoveryメッセージを送信する。例えば、Discovery送信部217は、ETWS処理部115からETWS情報を受け取った後、最初に送信するDiscoveryメッセージとしてETWS情報を含むDiscoveryメッセージを生成し、それ以外の場合はETWS情報を含まないDiscoveryメッセージを生成し、ProSe通信データ処理部112に、そのDiscoveryメッセージの送信を依頼する。
【0073】
ここで、ProSe通信データ処理部112、ETWS処理部115及びDiscovery送信部217を制御部219ともいう。
制御部219は、緊急警報情報を受信した際に、基地局101からの電波が届く範囲102の外に、中継端末210とProSeで通信を行うことのできる遠隔端末230が存在する場合に、緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCHを用いて、通信部111に遠隔端末230へ送信させる。
【0074】
以上に記載されたDiscovery送信部217の一部又は全部も、例えば、図4(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。言い換えると、中継端末210は、コンピュータにより実現することができる。
【0075】
また、Discovery送信部217の一部又は全部は、例えば、図4(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、Discovery送信部217は、処理回路網により実現することができる。
【0076】
図8は、実施の形態2における遠隔端末230の構成を概略的に示すブロック図である。
遠隔端末230は、通信部131と、ProSe通信データ処理部132と、ETWS情報処理部135と、Discovery受信部236とを備える。
【0077】
実施の形態2における遠隔端末230の通信部131、ProSe通信データ処理部132及びETWS情報処理部135は、実施の形態1における遠隔端末130の通信部131、ProSe通信データ処理部132及びETWS情報処理部135と同様である。
但し、実施の形態2におけるProSe通信データ処理部132は、通信部131が受信したDiscoveryメッセージを、Discovery受信部236に渡す。また、実施の形態2におけるETWS情報処理部135は、Discovery受信部236から渡されるETWS情報を、地震津波警告情報として処理する。
【0078】
Discovery受信部236は、ProSe通信データ処理部132から渡されるDiscoveryメッセージを処理する。例えば、Discovery受信部236は、Discoveryメッセージ内にETWS情報が含まれている場合は、そのETWS情報をETWS情報処理部135に渡す。
【0079】
以上に記載されたDiscovery受信部236の一部又は全部も、例えば、図4(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。言い換えると、遠隔端末230は、コンピュータにより実現することができる。
【0080】
また、Discovery受信部236は、例えば、図4(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、Discovery受信部236は、処理回路網により実現することができる。
【0081】
図9は、実施の形態2におけるETWS情報の通信手順を示すシーケンス図である。
まず、基地局101は、中継端末210に、ETWS情報が存在することを示すshort messageをPDCCH上で送信する(S30)。これにより、基地局101は、中継端末210にETWS情報が存在することを通知する。
【0082】
ETWS情報が存在することを示すshort messageを受信した中継端末210は、ETWS情報の送信タイミングを示す情報を受信するために、BCCH上で送信されるSIB1を受信する(S31)。
【0083】
ステップS31で知ったSIB6のBCCH上での送信タイミングに基づき、中継端末210は、SIB6をBCCH上で受信する(S32)。
【0084】
中継端末210は、受信されたSIB6の内容を含むDiscoveryメッセージを、遠隔端末230へ送信する(S33)。
【0085】
例えば、ETWS処理部115は、ステップS32で受信されたSIB6の内容を、Discovery送信部217に渡す。Discovery送信部217は、自律的に決めるタイミングでDiscoveryメッセージを送信する。ここでは、Discovery送信部217は、SIB6の内容を渡された後、最初に送信するDiscoveryメッセージにSIB6の内容を含めることで、Discoveryメッセージを生成する。そして、Discovery送信部217は、生成されたDiscoveryメッセージを送信するようにProSe通信データ処理部112に依頼する。なお、Discovery送信部217は、上記以外の場合は、ETWS情報を含まないDiscoveryメッセージを生成し、生成されたDiscoveryメッセージを送信するようにProSe通信データ処理部112に依頼する。そして、ProSe通信データ処理部112は、そのDiscoveryメッセージを通信部111に送信させる。
【0086】
そして、遠隔端末230は、受信されたDiscoveryメッセージに含まれるSIB6の内容からETWS情報を取得する。例えば、遠隔端末230のProSe通信データ処理部132は、通信部131がDiscoveryメッセージを受信すると、そのDiscoveryメッセージをDiscovery受信部236へ渡す。Discovery受信部236は、渡されたDiscoveryメッセージにSIB6が含まれる場合には、SIB6の内容をETWS情報処理部135へ渡す。ETWS情報処理部135は、渡されたSIB6の内容を地震津波警告情報として処理する。
【0087】
ステップS31で知ったSIB7のBCCH上での送信タイミングに基づき、中継端末210は、SIB7をBCCH上で受信する(S34)。
【0088】
中継端末210は、受信されたSIB7の内容を含むDiscoveryメッセージを、遠隔端末230へ送信する(S35)。
【0089】
例えば、ETWS処理部115は、ステップS34で受信されたSIB7の内容を、Discovery送信部217に渡す。Discovery送信部217は、SIB7の内容を渡された後、最初に送信するDiscoveryメッセージにSIB7の内容を含めることで、Discoveryメッセージを生成する。そして、Discovery送信部217は、生成されたDiscoveryメッセージを送信するようにProSe通信データ処理部112に依頼する。そして、ProSe通信データ処理部112は、そのDiscoveryメッセージを通信部111に送信させる。
【0090】
そして、遠隔端末230は、受信されたDiscoveryメッセージに含まれるSIB7の内容からETWS情報を取得する。例えば、遠隔端末230のProSe通信データ処理部132は、通信部131がDiscoveryメッセージを受信すると、そのDiscoveryメッセージをDiscovery受信部236へ渡す。Discovery受信部236は、渡されたDiscoveryメッセージにSIB7が含まれる場合には、SIB7の内容をETWS情報処理部135へ渡す。ETWS情報処理部135は、渡されたSIB7の内容を地震津波警告情報として処理する。
【0091】
以上により、基地局101、中継端末210及び遠隔端末230がUE-to-Network Relay方式に未対応の場合でも、遠隔端末230にETWS情報を送信することができる。
【0092】
また、以上の実施の形態1と、特許文献1に記載された方式、又は、上記の実施の形態1に記載された文献に記載された方式と組み合わせることで、中継端末210が遠隔端末230にETWS情報を複数の通信方法で送信することが可能となる。
【0093】
なお、以上に記載された実施の形態2では、Discoveryメッセージが使用されているが、中継端末210とPSSCHを用いて1対1で通信するための接続が未確立である遠隔端末230が受信可能な同報メッセージであれば、Discoveryメッセージ以外のメッセージが使用されてもよい。
【0094】
実施の形態3.
図1に示されているように、実施の形態3に係る無線通信システム300は、中継端末310と、遠隔端末330とを備える。
実施の形態3では、中継端末310は、基地局101からの電波が届く範囲102に中継端末310が存在し、基地局101からの電波が届く範囲102の外に遠隔端末330が存在する場合において、基地局101から緊急の事態を知らせるための情報である緊急警報情報を受信すると、PSSCHを用いて1対1で通信するために遠隔端末330との間で確立された接続を用いて、その緊急警報情報を遠隔端末330に送信するとともに、その緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCHを用いて遠隔端末330に送信する。
ここでは、中継端末310は、緊急警報情報を受信する前に、遠隔端末330との接続を確立するものとする。
また、中継端末310は、遠隔端末330にsystem informationを送信することになっている場合には、そのsystem informationを送信するタイミングとは別のタイミングで、遠隔端末330との間の接続を確立するとともに、緊急警報情報を含む同報メッセージを送信するものとする。
【0095】
図10は、実施の形態3における中継端末310の構成を概略的に示すブロック図である。
中継端末310は、通信部111と、ProSe通信データ処理部312と、ProSe通信接続制御部113と、PSSCH通信接続記録部114と、ETWS処理部315と、ETWS情報転送処理部116と、Discovery送信部217とを備える。
【0096】
実施の形態3における中継端末310の通信部111、ProSe通信接続制御部113、PSSCH通信接続記録部114及びETWS情報転送処理部116は、実施の形態1における中継端末110の通信部111、ProSe通信接続制御部113、PSSCH通信接続記録部114及びETWS情報転送処理部116と同様である。
また、実施の形態3における中継端末310のDiscovery送信部217は、実施の形態2における中継端末210のDiscovery送信部217と同様である。
【0097】
ProSe通信データ処理部312は、ProSeが使用する通信チャネル上で、データプレーンと、制御プレーンとのメッセージを伝送するための通信プロトコルの処理を行う。ProSe通信データ処理部312は、ProSeが使用する通信チャネル上で通信部111が受信したデータの中で必要なもの(例えば、制御プレーンのメッセージ)をProSe通信接続制御部113に渡す。
また、ProSe通信データ処理部312は、Discovery送信部217からDiscoveryメッセージの送信依頼を受けると、通信部111にそのDiscoveryメッセージを遠隔端末330へ送信させる。
【0098】
ETWS処理部315は、通信部111が受信したETWS情報を、ETWS情報転送処理部116及びDiscovery送信部217に渡す。
【0099】
ここで、ProSe通信データ処理部312、ProSe通信接続制御部113、ETWS処理部315、ETWS情報転送処理部116及びDiscovery送信部217を、制御部319ともいう。
制御部319は、緊急警報情報を受信した際に、基地局101からの電波が届く範囲102の外に、中継端末310とProSeで通信を行うことのできる遠隔端末330が存在する場合に、PSSCHを用いて1対1で通信するために遠隔端末330との間で確立された接続を用いて、通信部111に緊急警報情報を遠隔端末330に送信させるとともに、緊急警報情報を含む同報メッセージを、PSSCHを用いて、通信部111に遠隔端末330へ送信させる。
【0100】
図11は、実施の形態3における遠隔端末330の構成を概略的に示すブロック図である。
遠隔端末330は、通信部131と、ProSe通信データ処理部332と、ProSe通信接続制御部133と、PSSCH通信接続記録部134と、ETWS情報処理部335と、Discovery受信部236とを備える。
【0101】
実施の形態3における遠隔端末330の通信部131、ProSe通信接続制御部133及びPSSCH通信接続記録部134は、実施の形態1における遠隔端末130の通信部131、ProSe通信接続制御部133及びPSSCH通信接続記録部134と同様である。
また、実施の形態3における遠隔端末330のDiscovery受信部236は、実施の形態2における遠隔端末230のDiscovery受信部236と同様である。
【0102】
ProSe通信データ処理部332は、ProSeが使用する通信チャネル上で、データプレーンと、制御プレーンとのメッセージを伝送するための通信プロトコルの処理を行う。例えば、ProSe通信データ処理部332は、PSSCH上で受信したETWS通知メッセージをETWS情報処理部335に渡し、ProSeが使用する通信チャネル上で受信したデータの中で必要なもの(例えば、制御プレーンのメッセージ)をProSe通信接続制御部133に渡す。
また、ProSe通信データ処理部332は、通信部131が受信したDiscoveryメッセージを、Discovery受信部236に渡す。
【0103】
ETWS情報処理部335は、ProSe通信データ処理部332から受け取ったETWS通知メッセージの処理を行う。例えば、ETWS情報処理部335は、受け取ったETWS通知メッセージに含まれるETWS情報を地震津波警告情報として処理する。
また、ETWS情報処理部335は、Discovery受信部236から渡されるETWS情報を、地震津波警告情報として処理する。
【0104】
図12は、実施の形態3におけるETWS情報の通信手順を示すシーケンス図である。
まず、何らかのトリガで、遠隔端末330と中継端末310がPSSCHを用いて1対1で通信するための接続を確立する(S40)。
【0105】
次に、基地局101は、中継端末310に、ETWS情報が存在することを示すshort messageをPDCCH上で送信する(S41)。これにより、基地局101は、中継端末310にETWS情報が存在することを通知する。
【0106】
ETWS情報が存在することを示すshort messageを受信した中継端末310は、ETWS情報の送信タイミングを示す情報を受信するために、BCCH上で送信されるSIB1を受信する(S42)。
【0107】
ステップS22で知ったSIB6のBCCH上での送信タイミングに基づき、中継端末310は、SIB6をBCCH上で受信する(S43)。
【0108】
中継端末310は、受信されたSIB6の内容を含むETWS通知メッセージを、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続を使い遠隔端末330へ送信する(S44)。
【0109】
例えば、ETWS処理部315は、ステップS43で受信されたSIB6の内容を、ETWS情報転送処理部116に渡す。ETWS情報転送処理部116は、渡されたSIB6の内容を含むETWS通知メッセージを生成し、ProSe通信データ処理部312及び通信部111に、ステップS40においてPSSCHを用いて1対1で通信するための接続を確立済みの遠隔端末330へ、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続を使いETWS通知メッセージを送信させる。具体的には、ETWS情報転送処理部116は、PSSCH通信接続記録部114に記録されている、接続済の遠隔端末330の情報を読み出し、ProSe通信データ処理部312に、ETES通知メッセージを渡し、PSSCH上での遠隔端末330への送信を依頼する。
【0110】
そして、遠隔端末330は、受信されたETWS通知メッセージに含まれるSIB6の内容からETWS情報を取得する。具体的には、ETWS情報処理部335は、受け取ったETWS通知メッセージに含まれるSIB6の内容を地震津波警告情報として処理する。
【0111】
また、中継端末310は、受信されたSIB6の内容を含むDiscoveryメッセージを、遠隔端末330へ送信する(S45)。
【0112】
例えば、ETWS処理部315は、ステップS43で受信されたSIB6の内容を、Discovery送信部217に渡す。Discovery送信部217は、SIB6の内容を渡された後、最初に送信するDiscoveryメッセージにSIB6の内容を含めることで、Discoveryメッセージを生成する。そして、Discovery送信部217は、生成されたDiscoveryメッセージを送信するようにProSe通信データ処理部312に依頼する。ProSe通信データ処理部312は、そのDiscoveryメッセージを通信部111に送信させる。
【0113】
そして、遠隔端末330は、受信されたDiscoveryメッセージに含まれるSIB6の内容からETWS情報を取得する。例えば、遠隔端末330のProSe通信データ処理部332は、通信部131がDiscoveryメッセージを受信すると、そのDiscoveryメッセージをDiscovery受信部236へ渡す。Discovery受信部236は、渡されたDiscoveryメッセージにSIB6が含まれる場合には、SIB6の内容をETWS情報処理部335へ渡す。ETWS情報処理部335は、渡されたSIB6の内容を地震津波警告情報として処理する。
【0114】
また、ステップS42で知ったSIB7のBCCH上での送信タイミングに基づき、中継端末310は、SIB7をBCCH上で受信する(S46)。例えば、ステップS42で知ったSIB7のBCCH上での送信タイミングにおいて、ETWS処理部315は、通信部111にSIB7をBCCH上で受信させて、そのSIB7を取得する。
【0115】
中継端末310は、受信されたSIB7の内容を含むETWS通知メッセージを、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続を使い遠隔端末330へ送信する(S47)。ここでの処理内容は、SIB6の内容が受信された場合と同様である。
【0116】
そして、遠隔端末330は、受信されたETWS通知メッセージに含まれるSIB7の内容からETWS情報を取得する。具体的には、ETWS情報処理部135は、受け取ったETWS通知メッセージに含まれるSIB7の内容を地震津波警告情報として処理する。
【0117】
また、中継端末310は、受信されたSIB7の内容を含むDiscoveryメッセージを、遠隔端末330へ送信する(S48)。ここでの処理内容は、SIB6の内容が受信された場合と同様である。
【0118】
そして、遠隔端末330は、受信されたDiscoveryメッセージに含まれるSIB7の内容からETWS情報を取得する。
【0119】
以上により、基地局101、中継端末310及び遠隔端末330がUE-to-Network Relay方式に未対応の場合でも、遠隔端末330にETWS情報を送信することができる。
また、以上により、中継端末310が遠隔端末330にETWS情報を複数の通信方法で送信することが可能となる。
【0120】
実施の形態4.
図1に示されているように、実施の形態4に係る無線通信システム400は、中継端末410と、遠隔端末230とを備える。
実施の形態4に係る無線通信システム400における遠隔端末230は、実施の形態2に係る無線通信システム200における遠隔端末230と同様である。
実施の形態4では、中継端末410は、緊急警報情報を受信すると、その緊急警報情報を送信する期限を定め、その期限内において、複数回、その緊急警報情報を含む同報メッセージを遠隔端末230に送信する。
【0121】
図13は、実施の形態4における中継端末410の構成を概略的に示すブロック図である。
中継端末410は、通信部111と、ProSe通信データ処理部112と、ETWS処理部415と、Discovery送信部417と、ETWS情報記憶部418とを備える。
【0122】
実施の形態4における中継端末410の通信部111及びProSe通信データ処理部112は、実施の形態1における中継端末110の通信部111及びProSe通信データ処理部112と同様である。
但し、実施の形態4におけるProSe通信データ処理部112は、Discovery送信部417からDiscoveryメッセージの送信依頼を受けると、通信部111にそのDiscoveryメッセージを遠隔端末230へ送信させる。
【0123】
ETWS処理部415は、通信部111が受信したETWS情報を受け取り、そのETWS情報の送信を終了する時刻である送信終了時刻を決定する。そして、ETWS処理部415は、そのETWS情報と、その送信終了時刻とを関連付けてETWS情報記憶部418に記憶させる。送信終了時刻は、ETES情報を送信する期限となる。
【0124】
ETWS情報記憶部418は、ETWS処理部415から与えられたETWS情報及び送信終了時刻を関連付けて記録する。
図14は、ETWS情報記憶部418に記憶されているETWS情報及び送信終了時刻の一例を示す概略図である。
【0125】
図13に戻り、Discovery送信部417は、自律的に決めるタイミングで、ProSe通信データ処理部112及び通信部111を介して、Discoveryメッセージを送信する。ここでは、Discovery送信部417は、Discoveryメッセージの送信を行う際に、送信終了時刻が経過していない、言い換えると、送信終了時刻が現在の時刻よりも後のETWS情報がETWS情報記憶部418に記憶されている場合には、そのようなETWS情報を含むDiscoveryメッセージを生成する。なお、Discovery送信部417は、そのようなETES情報がETWS情報記憶部418に記憶されていない場合には、ETWS情報を含まないDiscoveryメッセージを生成する。そして、Discovery送信部417は、ProSe通信データ処理部112に生成されたDiscoveryメッセージの送信を依頼する。
【0126】
ここで、ProSe通信データ処理部112、ETWS処理部415及びDiscovery送信部417を、制御部419ともいう。
制御部419は、通信部111が緊急警報情報を受信すると、その緊急警報情報を送信する期限を定め、その期限内において、複数回、その緊急警報情報を含む同報メッセージを通信部111に遠隔端末230へ送信させる。
【0127】
以上に記載されたETWS情報記憶部418は、揮発性又は不揮発性のメモリで実現することができる。
【0128】
実施の形態4におけるETWS情報の通信手順を示すシーケンスは、図9に示されている実施の形態2におけるETWS情報の通信手順を示すシーケンスとほぼ同様である。
但し、図9のステップS32において、通信部111がSIB6をBCCH上で受信すると、ETWS処理部415は、そのSIB6の内容を受け取り、その内容をETWS情報として、ETWS情報記憶部418に記憶させる。そして、ETWS処理部415は、そのETWS情報の送信終了時刻を決定して、その送信終了時刻を、そのETWS情報に関連付けてETWS情報記憶部418に記憶させる。送信終了時刻は、例えば、現在時刻に、予め定められた時間を加えた時刻に設定することができる。なお、送信終了時刻は、基地局101が通知するタイマを使用する等、それ以外の方法で決められてもよい。
【0129】
そして、ステップS33において、Discovery送信部417は、自律的に行うDiscoveryメッセージ送信時に、ETWS情報記憶部418に記憶されている送信終了時刻を確認して、送信終了時刻が現在時刻より後のETWS情報が存在すれば、そのETWS情報を含むDiscoveryメッセージを生成し、そのようなETWS情報が存在しなければ、ETWS情報を含まないDiscoveryメッセージを生成し、生成されたDiscoveryメッセージを送信するようにProSe通信データ処理部112に依頼する。ProSe通信データ処理部112は、そのような依頼に応じて、Discoveryメッセージを送信する。
【0130】
なお、図9におけるステップS34及びS35においても、SIB7に対して、上記と同様の処理が行われる。
【0131】
以上により、中継端末410がETWS情報を受信した後の一定期間、中継端末410は、DiscoveryメッセージでETWS情報を遠隔端末430に送信することができる。これにより、遠隔端末430がETWS情報を受信する可能性を高めることができる。
【0132】
実施の形態5.
図1に示されているように、実施の形態5に係る無線通信システム500は、中継端末510と、遠隔端末130とを備える。
実施の形態5に係る無線通信システム500における遠隔端末130は、実施の形態1に係る無線通信システム100における遠隔端末130と同様である。
実施の形態5では、中継端末510は、緊急警報情報を受信すると、その緊急警報情報を送信する期限を定め、その期限内において、複数回、その緊急警報情報を遠隔端末130に送信する。
【0133】
図15は、実施の形態5における中継端末510の構成を概略的に示すブロック図である。
中継端末510は、通信部111と、ProSe通信データ処理部112と、ProSe通信接続制御部113と、PSSCH通信接続記録部114と、ETWS処理部515と、ETWS情報転送処理部516と、ETWS情報記憶部518とを備える。
【0134】
実施の形態5における中継端末510の通信部111、ProSe通信データ処理部112、ProSe通信接続制御部113及びPSSCH通信接続記録部114は、実施の形態1における中継端末110の通信部111、ProSe通信データ処理部112、ProSe通信接続制御部113及びPSSCH通信接続記録部114と同様である。
【0135】
ETWS処理部515は、通信部111が受信したETWS情報を受け取り、そのETWS情報の送信を終了する時刻である送信終了時刻を決定する。そして、ETWS処理部515は、そのETWS情報をETWS情報転送処理部516に与えるとともに、そのETWS情報と、その送信終了時刻とを関連付けてETWS情報記憶部518に記憶させる。
【0136】
ETWS情報記憶部518は、ETWS処理部515から与えられたETWS情報及び送信終了時刻を関連付けて記録する。ここで記憶される情報は、例えば、図14に示されているように、実施の形態4と同様である。
【0137】
ETWS情報転送処理部516は、ETWS処理部515からETWS情報を受け取ったことを契機に、又は、自立的に判断するタイミングを契機に、PSSCH通信接続記録部114に記録されている情報に基づいて、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続が確立している遠隔端末130に、ETWS情報を含むETWS通知メッセージをPSSCH上で送信するように、ProSe通信データ処理部112に依頼する。
【0138】
ProSe通信データ処理部112、ProSe通信接続制御部113、ETWS処理部515及びETWS情報転送処理部516を、制御部519ともいう。
制御部519は、通信部111が緊急警報情報を受信すると、その緊急警報情報を送信する期限を定め、その期限内において、複数回、その緊急警報情報を通信部111に遠隔端末130へ送信させる。
【0139】
実施の形態5におけるETWS情報の通信手順を示すシーケンスは、図6に示されている実施の形態1におけるETWS情報の通信手順を示すシーケンスとほぼ同様である。
但し、図6のステップS23において、通信部111がSIB6をBCCH上で受信すると、ETWS処理部515は、そのSIB6の内容を受け取り、その内容をETWS情報として、ETWS情報記憶部518に記憶させる。そして、ETWS処理部515は、そのETWS情報の送信終了時刻を決定して、その送信終了時刻を、そのETWS情報に関連付けてETWS情報記憶部518に記憶させる。送信終了時刻については、実施の形態4と同様に決定されればよい。
【0140】
そして、ETWS処理部515は、ステップS23で受信されたSIB6の内容を、ETWS情報転送処理部516に渡す。ETWS情報転送処理部516は、渡されたSIB6の内容を含むETWS通知メッセージを生成し、ProSe通信データ処理部112及び通信部111に、ステップS20においてPSSCHを用いて1対1で通信するための接続を確立済みの遠隔端末130へ、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続を使い、そのETWS通知メッセージを送信させる。ここでの処理は、実施の形態1と同様である。
【0141】
また、ETWS情報転送処理部516は、自律的に判断するタイミングで、ETWS情報記憶部518に記憶されている送信終了時刻を確認して、送信終了時刻が現在時刻より後のETWS情報が存在すれば、そのETWS情報を含むETWS通知メッセージを生成し、ProSe通信データ処理部112及び通信部111に、ステップS20においてPSSCHを用いて1対1で通信するための接続を確立済みの遠隔端末130へ、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続を使い、そのETWS通知メッセージを送信させる。なお、ETWS処理部515は、自立的なタイミングにおいて、そのようなETWS情報が存在しない場合には、ETWS通知メッセージを送信させない。
【0142】
なお、図6におけるステップS25及びS26においても、SIB7に対して、上記と同様の処理が行われる。
【0143】
以上により、中継端末510がETWS情報を受信した後の一定期間、中継端末510は、ETWS通知メッセージでETWS情報を遠隔端末130に送信することができる。これにより、遠隔端末130がETWS情報を受信する可能性を高めることができる。
【0144】
実施の形態6.
図1に示されているように、実施の形態6に係る無線通信システム600は、中継端末610と、遠隔端末130とを備える。
実施の形態5に係る無線通信システム600における遠隔端末130は、実施の形態1に係る無線通信システム100における遠隔端末130と同様である。
実施の形態6では、中継端末610は、緊急警報情報を受信すると、その緊急警報情報を送信する期限を定め、その期限内において、複数回、その緊急警報情報を遠隔端末130に送信する。
そして、実施の形態6では、中継端末610は、緊急警報情報を受信した際に、遠隔端末130との間での接続を確立していない場合に、再度、遠隔端末130との間での接続を確立してから、その緊急警報情報を遠隔端末130に送信する。
【0145】
図16は、実施の形態6における中継端末610の構成を概略的に示すブロック図である。
中継端末610は、通信部111と、ProSe通信データ処理部112と、ProSe通信接続制御部613と、PSSCH通信接続記録部114と、ETWS処理部515と、ETWS情報転送処理部616と、ETWS情報記憶部518とを備える。
【0146】
実施の形態6における中継端末610の通信部111、ProSe通信データ処理部112及びPSSCH通信接続記録部114は、実施の形態1における中継端末110の通信部111、ProSe通信データ処理部112及びPSSCH通信接続記録部114と同様である。
また、実施の形態6における中継端末610のETWS処理部515及びETWS情報記憶部518は、実施の形態5における中継端末510のETWS処理部515及びETWS情報記憶部518と同様である。
【0147】
ProSe通信接続制御部613は、ProSeが使用する通信チャネル上で通信するために必要な、接続の確立及び解放等の制御プレーンの通信メッセージの処理を行う。実施の形態6においては、ProSe通信接続制御部613は、ETWS情報転送処理部616からの依頼を受けて、遠隔端末130とPSSCHを用いて1対1で通信するための接続の確立を行う。
【0148】
ETWS情報転送処理部616は、ETWS処理部515からETWS情報を受け取ったことを契機に、又は、自立的に判断するタイミングを契機に、PSSCH通信接続記録部114に記録されている情報に基づいて、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続が確立している遠隔端末130に、ETWS情報を含むETWS通知メッセージをPSSCH上で送信するように、ProSe通信データ処理部112に依頼する。
実施の形態6では、ETWS情報転送処理部616は、ETWS通知メッセージを送信する際に、遠隔端末130とPSSCHを用いて1対1で通信するための接続が確立されていない場合には、ProSe通信接続制御部613に、遠隔端末130とPSSCHを用いて1対1で通信するための接続の確立を依頼する。遠隔端末130とPSSCHを用いて1対1で通信するための接続が確立されているか否かは、PSSCH通信接続記録部114に記録されている情報を確認することで判断することができる。
【0149】
ここで、ProSe通信データ処理部112、ProSe通信接続制御部613、ETWS処理部515及びETWS情報転送処理部616を、制御部619ともいう。
制御部619は、通信部111が緊急警報情報を受信すると、その緊急警報情報を送信する期限を定め、その期限内において、複数回、その緊急警報情報を通信部111に遠隔端末130へ送信させる。
そして、制御部619は、通信部111が緊急警報情報を受信した際に、遠隔端末130との間での接続を確立していない場合には、再度、遠隔端末130との間での接続を確立してから、その緊急警報情報を通信部111に遠隔端末130へ送信させる。
【0150】
以上により、中継端末610がETWS情報を受信した後の一定期間、PSSCHを用いて1対1で通信するための接続が未確立の遠隔端末130とPSSCHを用いて1対1で通信するための接続を新たに確立して、新たに接続を確立した遠隔端末130にも、中継端末610がETWS情報を送信することが可能となる。これにより、遠隔端末130がETWS情報を受信する可能性を高めることができる。
【0151】
なお、実施の形態1又は実施の形態3において、中継端末110、310が緊急警報情報を受信した際に、遠隔端末130、330との間の接続が確立されていない場合にも、ETWS情報転送処理部116がProSe通信接続制御部113に指示することにより、遠隔端末130、330との間の接続を確立してもよい。
【0152】
以上の説明では、PWSを用いて送信する緊急警報情報の例であるETWS情報を用いて説明したが、実施の形態1~6は、PWSを用いて送信できるCMAS(Commercial Mobile Alert System)、KPAS(Korean Public Alert System)、又は、EU-Alert等の他の緊急警報情報にも適用することができる。
【符号の説明】
【0153】
100,200,300,400,500,600 無線通信システム、 101 基地局、 110,210,310,410,510,610 中継端末、 111 通信部、 112,312 ProSe通信データ処理部、 113,613 ProSe通信接続制御部、 114 PSSCH通信接続記録部、 115,315,415,515 ETWS処理部、 116,516,616 ETWS情報転送処理部、 217,417 Discovery送信部、 418,518 ETWS情報記憶部、 119,219,319,419,519,619 制御部、 130,230,330 遠隔端末、 131 通信部、 132,332 ProSe通信データ処理部、 133 ProSe通信接続制御部、 134 PSSCH通信接続記録部、 135,335 ETWS情報処理部、 236 Discovery受信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15
図16