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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-02
(45)【発行日】2025-10-10
(54)【発明の名称】潤滑油組成物
(51)【国際特許分類】
   C10M 143/08 20060101AFI20251003BHJP
   C10M 101/02 20060101ALI20251003BHJP
   C10M 143/04 20060101ALI20251003BHJP
   C10M 169/04 20060101ALI20251003BHJP
   C10N 20/00 20060101ALN20251003BHJP
   C10N 20/02 20060101ALN20251003BHJP
   C10N 30/00 20060101ALN20251003BHJP
   C10N 30/02 20060101ALN20251003BHJP
   C10N 40/04 20060101ALN20251003BHJP
   C10N 40/25 20060101ALN20251003BHJP
   C10N 40/26 20060101ALN20251003BHJP
【FI】
C10M143/08
C10M101/02
C10M143/04
C10M169/04
C10N20:00 A
C10N20:02
C10N30:00 Z
C10N30:02
C10N40:04
C10N40:25
C10N40:26
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023551578
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(86)【国際出願番号】 JP2022036093
(87)【国際公開番号】W WO2023054440
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2024-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2021161607
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植草 貴行
(72)【発明者】
【氏名】猪股 清秀
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 瑛弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 周平
【審査官】郡上 祐輝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03265622(US,A)
【文献】特表2013-506036(JP,A)
【文献】国際公開第2018/124070(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/039818(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10M 1/00-177/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共重合体(A)と、基油(B)とを含む潤滑油組成物であって、共重合体(A)が下記要件(a-1)を満たし、共重合体(A)と基油(B)との含有比率が、共重合体(A)と基油(B)の合計を100質量部としたときに共重合体(A)が0.1~50質量部の範囲にある潤滑油組成物;
(a-1)4-メチル-1-ペンテンと4-メチル-1-ペンテンを除く炭素原子数20以下のα-オレフィンとの共重合体であって、前記4-メチル-1-ペンテンを除く炭素原子数20以下のα-オレフィンがプロピレンであり、全構成単位に対して、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を1モル%以上、30モル%未満の範囲で含む共重合体(A)である。
【請求項2】
共重合体(A)がさらに下記要件(a-2)を満たす請求項1に記載の潤滑油組成物;
(a-2)135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01~5.0dl/gの範囲にある。
【請求項3】
共重合体(A)が下記要件(a-3)を満たす請求項1に記載の潤滑油組成物;
(a-3)示差走査熱量分析(DSC)において融点(Tm)が-10~40℃の範囲において検出されない。
【請求項4】
共重合体(A)が下記要件(a-4)を満たす請求項1に記載の潤滑油組成物;
(a-4)示差走査熱量分析(DSC)においてガラス転移温度(Tg)が-30~20℃の範囲にある。
【請求項5】
基油(B)が下記要件(b-1)を満たす請求項1に記載の潤滑油組成物;
(b-1)100℃動粘度が1~50mm2/sの範囲にある。
【請求項6】
基油(B)がAPIグループ(III)の鉱物油である請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
前記要件(a-2)において、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1~2.5dl/gの範囲にある請求項2に記載の潤滑油組成物。
【請求項8】
前記要件(a-2)において、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.45~2.3dl/gの範囲にある請求項2に記載の潤滑油組成物。
【請求項9】
前記要件(a-4)において、示差走査熱量分析(DSC)においてガラス転移温度(Tg)が-20~15℃の範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の潤滑油組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の共重合体を含む低温での粘度特性に優れる潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
石油資源の低減や、地球温暖化などのような環境問題から、排ガス汚染物質やCO2の排出量の低減を目的とする潤滑機械の燃費向上が求められている。潤滑油による省燃費化は潤滑機械の物理的な改良に比べて費用対効果に優れるため、重要な省燃費化技術として期待されており、潤滑油による燃費向上の要求が高まっている。潤滑機械における動力損失は摺動部での摩擦損失と潤滑油の粘性による攪拌損失に分けられ、省燃費化の一つの方策として、潤滑油の粘性の低減が挙げられる。特に低温粘度は、エンジン始動時等の低温条件下における燃費の向上に寄与することから、依然としてニーズは大きい。
【0003】
潤滑油組成物の低温貯蔵安定性と低温特性を改良する方法の一つとして4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を30~90モル%の範囲にある共重合体と基油とを含む潤滑油組成物が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2018/124070号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の潤滑油組成物は、未だ低温下における貯蔵安定性と低温特性のバランスの点で不十分であった。
【0006】
本発明の目的は、-35℃の低温での粘度特性に特に優れる、すなわち、高温では必要な粘性を確保したうえで、低温粘度の増大が抑制され、低温環境下における貯蔵安定性にも優れた潤滑油組成物を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、共重合体(A)と、基油(B)とを含む潤滑油組成物であって、共重合体(A)が下記要件(a-1)を満たし、共重合体(A)と基油(B)との含有比率が、共重合体(A)と基油(B)の合計を100質量部としたときに共重合体(A)が0.1~50質量部の範囲にあることを特徴とする潤滑油組成物に係る。
(a-1)4-メチル-1-ペンテンと4-メチル-1-ペンテンを除く炭素原子数20以下のα-オレフィンとの共重合体であって、全構成単位に対して、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を1モル%以上、30モル%未満の範囲で含む共重合体(A)である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の潤滑油組成物は、粘度指数(VI)を維持しつつ、-35℃における低温粘度特性(CCS)が改善される(粘度が低下する)ので、始動時におけるロスが少なく省燃費化効果が高い。また、基油溶解性が良好であるためゲルやセジメントの生成がなく、低温環境下における貯蔵安定性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について具体的に説明する。なお、以下の説明において、数値範囲を示す「~」は、特に断りがなければ以上から以下を表す。
【0010】
<潤滑油組成物>
本発明の潤滑油組成物は、共重合体(A)と基油(B)とを含む。以下に各構成成分につき詳述する。
【0011】
《共重合体(A)》
本発明の潤滑油組成物に含まれる成分の一つである共重合体(A)は、下記要件(a-1)を満たす共重合体である。
【0012】
〈要件(a-1)〉
4-メチル-1-ペンテンと4-メチル-1-ペンテンを除く炭素原子数20以下のα-オレフィンとの共重合体であって、全構成単位に対して、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位を1モル%以上、30モル%未満、好ましくは5~29モル%の範囲で含む共重合体(A)である。
【0013】
4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位が上限値未満であると、溶液中でのポリマー分子体積を低減するため低温粘度特性が低減するため好ましい。
【0014】
炭素原子数20以下のα-オレフィンとして例示されるのは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等の炭素原子数2~20、好ましくは炭素原子数2~15、より好ましくは炭素原子数2~10の直鎖状のα-オレフィン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセンなどの炭素原子数5~20、好ましくは炭素原子数5~15の分岐状のα-オレフィンが挙げられる。
【0015】
4-メチル-1-ペンテンと共重合されるα-オレフィンとしては、好ましくは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンであり、エチレン、プロピレンがより好ましく、プロピレンが特に好ましい。
【0016】
本発明に係る共重合体(A)は、好ましくは上記要件(a-1)に加え、下記要件(a-2)を満たし、且つ、(a-3)と(a-4)の少なくとも1つを満たす。
【0017】
〈要件(a-2)〉
135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01~5.0dl/gの範囲にあり、好ましくは0.05~4.0dl/g、より好ましくは0.45~2.3dl/g、さらに好ましくは0.1~2.5dl/g、特に好ましくは1.3~2.0dl/gの範囲にある。
【0018】
極限粘度[η]は、共重合体(A)の重合時の重合温度、水素などの分子量調節剤などを制御することで上記範囲内とすることができる。極限粘度[η]が大きいほど、共重合体(A)および得られる潤滑油組成物の粘度が高くなる。潤滑油組成物を得る際には、通常、潤滑油組成物としての必要な物性、例えば特定の100℃動粘度に調整するために、潤滑油用粘度調整剤の添加量を適宜調整されるが、共重合体(A)の極限粘度[η]が上記範囲にあることは、基油に対して適当な比率になりうる点において好ましい。
【0019】
〈要件(a-3)〉
示差走査熱量分析(DSC)において融点(Tm)が-10~40℃の範囲において検出されない。すなわち共重合体(A)は非晶性もしくは低結晶性であり、そのため低温下における貯蔵安定性において優れるといえる。
【0020】
〈要件(a-4)〉
示差走査熱量分析(DSC)においてガラス転移温度(Tg)が-30~20℃の範囲にあり、好ましくは、-20~15℃の範囲にある。ガラス転移温度(Tg)が上記範囲にあることで、ガラス転移温度(Tg)以下の低温領域において共重合体(A)がガラス化し、分子の凝集力が増すことにより、潤滑油組成物中においてポリマー分子の占有する体積が低減することが期待できる。
【0021】
低温と高温の中間領域である上記範囲に共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)を調節することで、結晶性を持たずとも低温下における分子の凝集力を増大させることを可能にし、それにより得られる潤滑油組成物の低温粘度を低減することができたと考えている。すなわち非晶性あるいは低結晶性であることにより得られる潤滑油組成物の低温環境下の優れた保存安定性を維持しつつ、従来用いられた非晶性ポリマーよりも高いガラス転移温度をもつことにより、低温下での優れた流動性を確保していると考えられる。
【0022】
<共重合体(A)の製造方法>
本発明に係る共重合体(A)の製造方法は、上記所定の要件を満たすものを得ることができるものである限り、特に限定されず、4-メチル-1-ペンテンとα-オレフィンとを適当な重合触媒存在下で重合することにより得ることができる。
【0023】
本発明に係る共重合体(A)を得るに好適な重合触媒としては、従来公知の触媒、例えばマグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3-193796号公報あるいは特開平02-41303号公報、国際公開第14/050817号パンフレット中に記載のメタロセン触媒に記載の方法を採用することができる。
【0024】
《基油(B)》
本発明の潤滑油組成物に含まれる成分の一つである基油(B)は、好ましくは下記要件(b-1)を満たす。
【0025】
〈要件(b-1)〉
100℃動粘度が1~50mm2/sの範囲にある。
【0026】
本発明に係る基油(B)としては、鉱物油;および、ポリα-オレフィン、ジエステル類、ポリアルキレングリコールなどの合成油が挙げられる。
【0027】
本発明に係る基油(B)としては、鉱物油または鉱物油と合成油とのブレンド物を用いてもよい。ジエステル類としては、ポリオールエステル、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケートなどが挙げられる。
【0028】
鉱物油は、一般に脱ワックスなどの精製工程を経て用いられ、精製の仕方により幾つかの等級がある。一般に0.5~10%のワックス分を含む鉱物油が使用される。例えば、水素分解精製法で製造された流動点の低い、粘度指数の高い、イソパラフィンを主体とした組成の高度精製油を用いることもできる。40℃における動粘度が10~200mm2/sの鉱物油が一般的に使用される。
【0029】
鉱物油は、前述のように一般に脱ワックスなどの精製工程を経て用いられ、精製の仕方により幾つかの等級があり、本等級はAPI(米国石油協会)分類で規定される。表1に各グループに分類される潤滑油基剤の特性を示す。
【0030】
【表1】
表1におけるポリα-オレフィンは、少なくとも炭素原子数10以上のα-オレフィンを原料モノマーの一種として重合して得られる炭化水素系のポリマーであって、1-デセンを重合して得られるポリデセンなどが例示される。
【0031】
基油(B)としては、グループ(II)またはグループ(III)に属する鉱物油、またはグループ(IV)に属するポリα-オレフィンが好ましく、グループ(III)に属する鉱物油がより好ましい。グループ()よりもグループ(II)およびグループ(III)の方が、ワックス濃度が少ない傾向にある。
【0032】
また、グループ(II)またはグループ(III)に属する鉱物油の中でも100℃における動粘度が1~50mm2/sのものが好ましい。
【0033】
《共重合体(A)と基油(B)の含有比》
本発明の潤滑油組成物において、共重合体(A)と基油(B)との含有比率は、共重合体(A)と基油(B)の合計を100質量部としたときに共重合体(A)が0.1~50質量部の範囲にある。
【0034】
本発明の潤滑油組成物をエンジン用途等に用いる場合、好ましくは、共重合体(A)0.1~5質量部と、基油(B)95~99.9質量部〔ただし、共重合体(A)と、基油(B)の合計を100質量部とする〕とを含む。共重合体(A)は、好ましくは0.2~4質量部、より好ましくは0.4~3質量部、さらに好ましくは0.6~2質量部、基油(B)は好ましくは96~99.8質量部、より好ましくは97~99.6質量部、さらに好ましくは98~99.4質量部の割合で含有される。共重合体(A)は、一種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
一方で、本発明の潤滑油組成物を、潤滑油添加剤組成物(いわゆるコンセントレイト)として用いる場合は、共重合体(A)1~50質量部と、基油(B)50~99質量部〔ただし、共重合体(A)と、基油(B)の合計を100質量部とする〕の比率で含むことが好ましい。より好ましくは共重合体(A)を2~40質量部、基油(B)を60~98質量部の範囲で、より好ましくは共重合体(A)を3~30質量部、基油(B)を70~97質量部の範囲で含む。
【0036】
なお、本発明の潤滑油組成物を、潤滑油添加剤組成物(いわゆるコンセントレイト)として用いる場合は、通常、後述する流動点降下剤(C)およびその他の成分(添加剤)は含まないかあるいは必要に応じて後述する抗酸化剤を0.01~1質量%、好ましくは0.05~0.5質量%の範囲で含有することが一般的である。潤滑油添加剤組成物は、基油(B)と後述する流動点降下剤(C)およびその他の成分(添加剤)とを配合することにより、潤滑油組成物として各種用途に用い得る。
【0037】
<流動点降下剤(C)>
本発明の潤滑油組成物は、さらに流動点降下剤(C)を含有してもよい。流動点降下剤(C)の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、潤滑油組成物100質量%中に通常0.05~5質量%、好ましくは0.05~3質量%、より好ましくは0.05~2質量%、さらに好ましくは0.05~1質量%の量で含有される。
【0038】
本発明の潤滑油組成物が含有してもよい流動点降下剤(C)としては、アルキル化ナフタレン、メタクリル酸アルキルの(共)重合体、アクリル酸アルキルの(共)重合体、フマル酸アルキルと酢酸ビニルの共重合体、α-オレフィンポリマー、α-オレフィンとスチレンの共重合体などが挙げられる。特に、メタクリル酸アルキルの(共)重合体、アクリル酸アルキルの(共)重合体を用いてもよい。
【0039】
<その他の成分(添加剤)>
また、本発明の潤滑油組成物は、上記共重合体(A)および基油(B)以外の他の成分(添加剤)が含まれていてもよい。他の成分としては、後述する材料のいずれか1以上が任意に挙げられる。
【0040】
本発明の潤滑油組成物が、添加剤を含有する場合の含有量は特に限定されないが、基油(B)と添加剤との合計を100質量%とした場合に、添加剤の含有量としては、通常0質量%を超え、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上である。また、添加剤の含有量としては、通常40質量%以下であり、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下である。
【0041】
このような添加剤の一つが清浄剤である。エンジン潤滑の分野で用いられる従来の清浄剤の多くは、塩基性金属化合物(典型的にはカルシウム、マグネシウムやナトリウムなどのような金属をベースとする、金属水酸化物、金属酸化物や金属炭酸塩)が存在することによって、潤滑油に塩基性またはTBNを付与する。このような金属性の過塩基性清浄剤(過塩基性塩や超塩基性塩ともいう)は、通常、金属と、該金属と反応する特定の酸性有機化合物との化学量論に従って中和のために存在すると思われる量を超える金属含有量によって特徴づけられる単相(single phase)均一ニュートン系(homogeneous Newtonian systems)である。過塩基性の材料は、酸性の材料(典型的には、二酸化炭素などのような無機酸や低級カルボン酸)を、酸性の有機化合物(基質ともいう)および化学量論的に過剰量の金属塩の混合物と、典型的には、酸性の有機基質にとって不活性な有機溶媒(例えば鉱物油、ナフサ、トルエン、キシレンなど)中で、反応させることによって、典型的には調製される。フェノールやアルコールなどの促進剤が、任意に少量存在する。酸性の有機基質は、通常、ある程度の油中の溶解性を付与するために、充分な数の炭素原子を有するだろう。
【0042】
このような従来の過塩基性材料およびこれらの調製方法は、当業者に周知である。スルホン酸、カルボン酸、フェノール、リン酸、およびこれら二種以上の混合物の塩基性金属塩を作製する技術を記載している特許としては、米国特許第2,501,731号;第2,616,905号;第2,616,911号;第2,616,925号;第2,777,874号;第3,256,186号;第3,384,585号;第3,365,396号;第3,320,162号;第3,318,809号;第3,488,284号;および第3,629,109号が挙げられる。サリキサレート[salixarate]清浄剤は米国特許第6,200,936号および国際公開第01/56968号に記載されている。サリゲニン清浄剤は米国特許第6,310,009号に記載されている。
【0043】
潤滑油組成物中の典型的な清浄剤の量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、通常1~10質量%、好ましくは1.5~9.0質量%、より好ましくは2.0~8.0質量%である。なお、該量はすべて、油がない(すなわち、それらに従来供給される希釈油がない)状態をベースにする。
【0044】
添加剤の他のもう一つは分散剤である。分散剤は潤滑油の分野では周知であり、主に、無灰型分散剤、ポリマー分散剤として知られるものが挙げられる。無灰型分散剤は、比較的分子量の大きい炭化水素鎖に付いた極性基によって特徴付けられる。典型的な無灰分散剤として、スクシンイミド分散剤としても知られる、N置換長鎖アルケニルスクシンイミドなどのような窒素含有分散剤が挙げられる。スクシンイミド分散剤は米国特許第4,234,435号および第3,172,892号にさらに充分に記載されている。無灰分散剤の他のもう一つのクラスは、グリセロール、ペンタエリスリトールやソルビトールなどの多価脂肪族アルコールとヒドロカルビルアシル化剤との反応によって調製される高分子量エステルである。このような材料は米国特許第3,381,022号により詳細に記載されている。無灰分散剤の他のもう一つのクラスはマンニッヒ塩基である。これらは、高分子量のアルキル置換フェノール、アルキレンポリアミン、およびホルムアルデヒドなどのようなアルデヒドの縮合によって形成される材料であり、米国特許第3,634,515号により詳細に記載されている。他の分散剤としては多価分散性添加剤が挙げられ、一般的に、上記ポリマーに分散特性を付与する極性の官能性を含む、炭化水素をベースとしたポリマーである。
【0045】
分散剤は、様々な物質のいずれかと反応させることによって後処理がされていてもよい。これらとしては、尿素、チオ尿素、ジメルカプトチアジアゾール、二硫化炭素、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類、炭化水素で置換された無水コハク酸類、ニトリル類、エポキシド類、ホウ素化合物類、およびリン化合物類があげられる。このような処理を詳述する参考文献が、米国特許第4,654,403号に載っている。本発明の組成物中の分散剤の量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、典型的には、1~10質量%、好ましくは1.5~9.0質量%、より好ましくは2.0~8.0質量%となり得る(すべて、油がない状態をベースとする)。
【0046】
別の成分としては抗酸化剤である。抗酸化剤はフェノール性の抗酸化剤を包含し、これは、2~3個のt-ブチル基を有するブチル置換フェノールを含んでいてもよい。パラ位は、ヒドロカルビル基または2個の芳香環を結合する基によって占有されてもよい。後者の抗酸化剤は米国特許第6,559,105号により詳細に記載されている。抗酸化剤は、ノニレート化された[nonylated]ジフェニルアミンなどのような芳香族アミンも含む。他の抗酸化剤としては、硫化オレフィン類、チタン化合物類、およびモリブデン化合物類が挙げられる。例えば米国特許第4,285,822号には、モリブデンと硫黄を含む組成物を含む潤滑油組成物が開示されている。抗酸化剤の典型的な量は、具体的な抗酸化剤およびその個々の有効性にもちろん依存するだろうが、例示的な合計量は、0.01~5質量%、好ましくは0.15~4.5質量%、より好ましくは0.2~4質量%となり得る。さらに、1以上の抗酸化剤が存在していてもよく、これらの特定の組合せは、これらを組み合わせた全体の効果に対して、相乗的でなり得る。
【0047】
増粘剤(ときに粘度指数改良剤または粘度調整剤ともいう)は、潤滑油添加剤組成物に含まれてもよい。増粘剤は通常ポリマーであり、ポリイソブテン類、ポリメタクリル酸エステル類、ジエンポリマー類、ポリアルキルスチレン類、エステル化されたスチレン-無水マレイン酸共重合体類、アルケニルアレーン共役ジエン共重合体類およびポリオレフィン類、水添SBR(スチレンブタジエンラバー)、SEBS(スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体)等が挙げられる。分散性および/または抗酸化性も有する多機能性増粘剤は公知であり、任意に用いてもよい。
【0048】
添加剤の他のもう一つは、磨耗防止剤である。磨耗防止剤の例として、チオリン酸金属塩類、リン酸エステル類およびそれらの塩類、リン含有のカルボン酸類・エステル類・エーテル類・アミド類;ならびに亜リン酸塩などのようなリン含有磨耗防止剤/極圧剤が挙げられる。特定の態様において、リンの磨耗防止剤は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、通常0.01~0.2質量%、好ましくは0.015~0.15質量%、より好ましくは0.02~0.1質量%、さらに好ましくは0.025~0.08質量%のリンを与える量で存在してもよい。
【0049】
多くの場合、上記磨耗防止剤はジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDP)である。典型的なZDPは、11質量%のP(オイルがない状態をベースに算出)を含んでもよく、好適な量として0.09~0.82質量%を挙げてもよい。リンを含まない磨耗防止剤としては、ホウ酸エステル類(ホウ酸エポキシド類を含む)、ジチオカルバメート化合物類、モリブデン含有化合物類、および硫化オレフィン類が挙げられる。
【0050】
潤滑油組成物に任意に用いてもよい他の添加剤としては、上述した極圧剤、磨耗防止剤のほか、摩擦調整剤、色安定剤、錆止め剤、金属不活性化剤および消泡剤が挙げられ、それぞれ従来公知の量で用いてもよい。
【0051】
<潤滑油組成物の製造方法>
本発明の潤滑油組成物は、従来公知の方法で、任意に他の所望する成分とともに、共重合体(A)および基油(B)を混合することにより調製することができる。共重合体(A)は、取扱いが容易なため、基油(B)中の濃縮物として任意に供給してもよい。
【0052】
本発明の潤滑油組成物は、低温貯蔵性、低温粘度に優れる。従って、本発明の潤滑油組成物は、例えば、ガソリンエンジン用の潤滑油、ディーゼルエンジン用の潤滑油、船舶用エンジン用の潤滑油、二行程機関用の潤滑油、自動変速装置用およびマニュアル変速機用の潤滑油、ギア潤滑油ならびにグリース等として、多様な公知の機械装置のいずれにも注油することができる。
【実施例
【0053】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0054】
実施例および比較例で用いた共重合体は、以下の製造方法で製造した。
【0055】
〔製造例1〕
充分に窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4-メチル-1-ペンテンを650ml装入し、ヘキサンを100ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。次に、オートクレーブを内温30℃まで加熱し、全圧が0.76MPaGとなるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1ミリモル、ジフェニルメチレン(1-エチル-3-t-ブチル-シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(触媒A)を0.005ミリモルの量で含むトルエン溶液0.34mlのトルエン溶液を窒素でオートクレーブに圧入し、分子量調整のため水素を12ml圧入して重合を開始した。その後60分間、オートクレーブを内温30℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むゴム状の共重合体(A-1)を130℃、減圧下で12時間乾燥した。
【0056】
〔製造例2〕
充分に窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4-メチル-1-ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。次に、オートクレーブを内温30℃まで加熱し、全圧が0.76MPaGとなるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1ミリモル、ジフェニルメチレン(1-エチル-3-t-ブチル-シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(触媒A)を0.005ミリモルの量で含むトルエン溶液0.34mlのトルエン溶液を窒素でオートクレーブに圧入し、分子量調整のため水素を12ml圧入して重合を開始した。その後60分間、オートクレーブを内温30℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むゴム状の共重合体(A-2)を130℃、減圧下で12時間乾燥した。
【0057】
〔製造例3〕
充分に窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4-メチル-1-ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)の0.55ミリモル/mlヘキサン溶液を1.36ml装入し攪拌機を回した。次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、71.0NmLの水素を加えた後、オートクレーブ内圧が0.40MPaGになるまで窒素を加え、さらに全圧が0.60MPaGになるまでプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1ミリモル、ジフェニルメチレン(1-エチル-3-t-ブチル-シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(触媒A)を0.001ミリモルの量で含むヘプタン溶液1.0mlを装入して重合を開始した。重合開始10分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にメタノール/アセトン混合溶液を攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むゴム状の共重合体(F-1)を80℃、減圧下で12時間乾燥した。
【0059】
〔製造例4〕
充分に窒素置換した内容積1.0Lのガラス製反応器に、キシレン500mlを入れたのち、90℃に昇温し600rpmで重合器内部を撹拌しながら、エチレンおよびプロピレンをそれぞれ99リットル/時および36.0リットル/時で連続的に供給し、液相および気相を飽和させた。引き続きエチレンおよびプロピレンを連続的に供給した状態で、トリイソブチルアルミニウム(iBu3Alとも記す)のトルエン溶液(1.0mol/L)を6.0mL(6.0mmol)、触媒(B)のトルエン溶液(0.010mol/L)を3.0mL(0.030mmol)、ついでトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3CB(C654とも記す)のトルエン溶液(0.010mol/L)を12.0mL(0.120mmol)加え、常圧下、90℃で40分間重合を行った。重合の停止は少量のイソブタノールを添加することにより行った。得られた重合反応液を、希塩酸で洗浄し、分液して得られた有機層を大量のメタノールに投入しエチレン・プロピレン共重合体を析出させた。ろ過により得られた該エチレン・プロピレン共重合体(F-2)を130℃にて10時間減圧乾燥させた。
【0060】
製造例1~4で得られた共重合体の物性は、以下の方法で測定した。
【0061】
[構成単位の含有量]
共重合体の4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位およびプロピレンから導かれる構成単位の含有量は、13C-NMRスペクトルの解析により求めた。
【0062】
なお、表2において、C3はプロピレン、4MP-1は4-メチル-1-ペンテン由来の構成単位を意味する。
【0063】
(測定装置)
ブルカーバイオスピン社製AVANCEIII500CryoProbe Prodigy型核磁気共鳴装置
(測定条件)
測定核:13C(125MHz)、測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅:45°(5.00μ秒)、ポイント数:64k、測定範囲:250ppm(-55~195ppm)、繰り返し時間:5.5秒、積算回数:512回、測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/ベンゼン-d6(4/1 v/v)、試料濃度:ca.60mg/0.6mL、測定温度:120℃、ウインドウ関数:exponential(BF:1.0Hz)、ケミカルシフト基準:ベンゼン-d6(128.0ppm)。
【0064】
〔ガラス転移温度(Tg)/融点(Tm)〕
共重合体を、インジウム標準にて較正したSII社製示差走査型熱量計(X-DSC7000)を用いて、DSC測定を行う。
【0065】
約10mgになるようにアルミニウム製DSCパン上に上記測定サンプルを秤量する。蓋をパンにクリンプして密閉雰囲気下とし、サンプルパンを得る。
【0066】
サンプルパンをDSCセルに配置し、リファレンスとして空のアルミニウムパンを配置する。DSCセルを窒素雰囲気下にて-20℃から、150℃まで10℃/分で昇温する(第一昇温過程)。
【0067】
次いで、150℃で5分間保持した後、10℃/分で降温し、DSCセルを-100℃まで冷却する(降温過程)。-100℃で5分間保持した後、DSCセルを150℃まで10℃/分で昇温する(第二昇温過程)。
【0068】
第一昇温過程で得られるエンタルピー曲線の融解ピークトップ温度を融点(Tm)とし、融解ピークが2個以上存在する場合には、最大のピーク温度をTmとして定義した。
【0069】
第二昇温過程で得られるエンタルピー曲線が吸熱側へ最初に傾く直前直線部と、その直後直線部の接の交点をガラス転移温度(Tg)とした。
【0070】
〔極限粘度[η]〕
共重合体の極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。具体的には、共重合体のパウダー、ペレットまたは共重合体の塊約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
【0071】
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
共重合体の物性を表2および表3に示す。
【0072】
【表2】

【0073】
【表3】
【0074】
〔実施例1〕
製造例1で得た共重合体(A-1)を用い、100℃における動粘度が8.0mm2/s程度になるように配合量を調整して潤滑油組成物を得た。
【0075】
潤滑油組成物の配合組成は以下のとおりである。
APIグループ(III)基油(「Yubase-4」、SK Lubricants社製、100℃における動粘度:4.21mm2/s、粘度指数:123)
添加剤*:8.64質量%
流動点降下剤:0.3質量%
(ポリメタクリレート「商品名 ルブラン165」、東邦化学工業社製)
共重合体:表4に示すとおり。
【0076】
合計:100.0(質量%)
注(*)添加剤=CaおよびNaの過塩基性清浄剤、N含有分散剤、アミン性[aminic]およびフェノール性の酸化防止剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛類、摩擦調整剤、および消泡剤を含む従来のGF-5用エンジン油用添加剤パッケージ。
【0077】
得られた潤滑油組成物の物性は、以下の方法で測定した。
【0078】
〔動粘度〕
潤滑油組成物の100℃における動粘度(動粘度@100℃)および40℃における動粘度(動粘度@40℃)を、ASTM D446に基づき測定した。
【0079】
〔粘度指数(VI)〕
ASTM D445に基づいて測定した潤滑油組成物の40℃および100℃における動粘度(KV)の結果を用いてASTM D2270に基づいて粘度指数(VI)を算出した。
【0080】
〔Cold Cranking Simulator(CCS)粘度@-35℃〕
CCS粘度(-35℃)を、ASTM D2602に基づいて測定する。CCS粘度は、クランク軸における低温での摺動性(始動性)の評価に用いられる。値が小さい程、潤滑油の低温粘度(低温特性)が優れることを示す。
【0081】
〔基油溶解性〕
基油:100gに対し共重合体1gを攪拌下、120℃で加熱して完全溶解するまでの時間で評価した。
【0082】
◎:30分以内に溶解、
○:30分を超え、1時間以内に溶解。
【0083】
△:1時間を超え、3時間以内に溶解。
【0084】
×:3時間を超えても不溶または溶け残りあり。
【0085】
測定結果を表4に示す。
【0086】
〔実施例2〕
実施例1で用いた共重合体(A-1)に替えて、製造例2で得た共重合体(A-2)に替える以外は、実施例1と同様に行い潤滑油組成物を得た。得られた潤滑油組成物を上記記載の方法で測定した。
【0087】
結果を表4に示す。
【0088】
〔比較例1〕
実施例1で用いた共重合体(A-1)に替えて、製造例3で得た共重合体(F-1)に替える以外は、実施例1と同様に行い潤滑油組成物を得た。得られた潤滑油組成物を上記記載の方法で測定した。
【0089】
結果を表4に示す。
【0090】
〔比較例2〕
実施例1で用いた共重合体(A-1)に替えて、製造例4で得た共重合体(F-2)に替える以外は、実施例1と同様に行い潤滑油組成物を得た。得られた潤滑油組成物を上記記載の方法で測定した。
【0091】
結果を表4に示す。
【0092】
【表4】