(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-03
(45)【発行日】2025-10-14
(54)【発明の名称】診断支援装置
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20251006BHJP
G16H 80/00 20180101ALI20251006BHJP
【FI】
G16H10/60
G16H80/00
(21)【出願番号】P 2025043801
(22)【出願日】2025-03-18
【審査請求日】2025-04-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第3回日本地域医療学会学術集会(2024年11月30日~12月1日開催)において、2024年11月30日に高木恒太朗が診断支援装置について公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】525072757
【氏名又は名称】高木 恒太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【氏名又は名称】関 大祐
(74)【代理人】
【識別番号】100219933
【氏名又は名称】元川 信輔
(72)【発明者】
【氏名】高木 恒太朗
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-199271(JP,A)
【文献】特開2024-165557(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111261251(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
診療情報文を作成するための診断支援装置であって、
前記診断支援装置は、
複数の主訴を含む主訴群を記憶する主訴群記憶部と、
前記複数の主訴と関連した複数の臨床的
特徴を記憶する臨床的
特徴記憶部と、
前記複数の主訴の1又は複数を選択させるための主訴選択表示を行うための主訴表示部と、
前記主訴選択表示に基づいて、前記診断支援装置に患者主訴情報が入力されると、入力された前記患者主訴情報に対応した複数の臨床的
特徴が、前記臨床的
特徴記憶部から読み出され、前記患者主訴情報に対応した複数の臨床的
特徴を選択させるための臨床的
特徴選択表示を行うための臨床的
特徴表示部と、
前記診断支援装置に入力された選択された臨床的
特徴である選択臨床的
特徴と、前記患者主訴情報を含む情報を用いて、
患者の病態を把握するための文章である診療情報文を作成する、診療情報文作成部とを有
し、
前記診療情報文作成部は、医師向けか患者向けかに関する情報に基づいて、医師向けの用語を含む診療情報文、又は患者向けの用語を含む診療情報文を作成する、
診断支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の診断支援装置であって、前記診療情報文は、
院内における推奨する診療科に関する情報を含む、
総合内科用の診断支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載の診断支援装置であって、前記診療情報文作成部は、学習済みモデルを有し、前記診療情報文作成部は、前記選択臨床的
特徴と、前記患者主訴情報とを、前記学習済みモデルに入力することで、前記診療情報文を得る、診断支援装置。
【請求項4】
コンピュータを、診療情報文を作成するための診断支援装置として機能させるためのプログラムであって、
前記診断支援装置は、
複数の主訴を含む主訴群を記憶する主訴群記憶部と、
前記複数の主訴と関連した複数の臨床的
特徴を記憶する臨床的
特徴記憶部と、
前記複数の主訴の1又は複数を選択させるための主訴選択表示を行うための主訴表示部と、
前記主訴選択表示に基づいて、前記診断支援装置に患者主訴情報が入力されると、前記臨床的
特徴記憶部から入力された前記患者主訴情報に対応した複数の臨床的
特徴が、前記臨床的
特徴記憶部から読み出され、前記患者主訴情報に対応した複数の臨床的
特徴を選択させるための臨床的
特徴選択表示を行うための臨床的
特徴表示部と、
前記診断支援装置に入力された選択された臨床的
特徴である選択臨床的
特徴と、前記患者主訴情報を含む情報を用いて、
患者の病態を把握するための文章である診療情報文を作成する、診療情報文作成部とを有
し、
前記診療情報文作成部は、医師向けか患者向けかに関する情報に基づいて、医師向けの用語を含む診療情報文、又は患者向けの用語を含む診療情報文を作成する、診断支援装置である、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、診断支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第4801995号公報には、医療電子化システムが記載されている。このシステムは、患者が訴える症状に関する主訴情報と、その患者を診察した医師の問診結果に関する診察情報を入力する。そして、そのシステムは、コンピュータを利用してカルテ等の医療情報を電子化する。
【0003】
上記のようなシステムを用いて医療情報を電子化しても、それぞれの訴えについて必要な情報を迅速に得にくいという問題や、医者が見ても病態がわかりにくい場合や、適切な診療科を判断できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、患者の主訴に基づいて、病態を把握するために必要な情報を迅速に得ることができ、医者(又は患者)が見たときに病態がわかりやすい医療情報文を得られる装置が望まれる。また、適切な診療科に関する情報を得ることができる装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題は、基本的には、主訴に基づいて、対応する臨床的特徴などを適切に誘導することで、それぞれの主訴に対応した情報を迅速に得ることができ、多くの医師や患者など見る者にとって、把握しやすい病態に関する医療情報文を得ることができる装置を提供することや、さらには適切な診療科に関する情報を提供できる装置を提供することにより、解決できるという知見に基づく。
【0007】
診療情報文を作成するための診断支援装置に関する。診療情報文は、患者の病態を把握するための文章である。診療情報文は、推奨する診療科に関する情報を含むものが好ましい。
そして、診断支援装置は、主訴群記憶部と、臨床的特徴記憶部と、疾患記憶部と、主訴表示部と、臨床的特徴表示部と、診療情報文作成部とを有する。
主訴群記憶部は、複数の主訴を含む主訴群を記憶するための要素である。
臨床的特徴記憶部は、複数の主訴と関連した複数の臨床的特徴を記憶するための要素である。
疾患記憶部は、複数の臨床的特徴と関連した複数の疾患を記憶するための要素である。
主訴表示部は、複数の主訴の1又は複数を選択させるための主訴選択表示を行うための要素である。
臨床的特徴表示部は、主訴選択表示に基づいて、患者主訴情報が入力されると、入力された患者主訴情報に対応した複数の臨床的特徴が、臨床的特徴記憶部から読み出され、患者主訴情報に対応した複数の臨床的特徴を選択させるための臨床的特徴選択表示を行うための要素である。
診療情報文作成部は、診断支援装置に入力された選択された臨床的特徴である選択臨床的特徴と、患者主訴情報を含む情報を用いて、診療情報文を作成するための要素である。診療情報文作成部は、学習済みモデルを有し、診療情報文作成部は、選択臨床的特徴と、患者主訴情報とを、学習済みモデルに入力することで、診療情報文を得るものであってもよい。
【0008】
診断支援装置は、診療科又は疾患と関連して、1又は複数の医療施設情報を記憶する医療施設記憶部と、診療科又は疾患と関連した医療施設情報と、診療情報文とを含む紹介状を作成する紹介状作成部をさらに有するものであってもよい。また、この明細書は、コンピュータを、診療情報文を作成するための診断支援装置として機能させるためのプログラムをも提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、患者の主訴に基づいて、病態を把握するために必要な情報を迅速に得ることができ、医者(又は患者)が見たときに病態がわかりやすい医療情報文を得られる装置を提供できる。また、本発明によれば、適切な診療科に関する情報を得ることができる装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、診断支援装置を説明するためのブロック図である。
【
図2】
図2は、主訴入力モードの例を示す概念図である。
【
図3】
図3は、主訴がしびれであった場合の、臨床的特徴が表示部に表示される例を示す概念図である。
【
図4】
図4は、学習済みモデルを構築する様子及び訓練された学習済みモデルを用いて、所定の出力を得る様子を示す概念図である。
【
図5】
図5の例は、主訴が「のどが痛い」というものの診断例を示す概念図である。
【
図6-1】
図6は、主訴がせきに関するものの診断例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の診断支援装置は、患者の主訴に基づいて、病態を把握するために必要な情報を迅速に得ることができ、医者(又は患者)が見たときに病態がわかりやすい医療情報文を得られる装置を得ることを目的とする。本診断支援装置1は、例えば、主訴群記憶部11、臨床的特徴記憶部13、疾患記憶部15、主訴表示部21と、臨床的特徴表示部23と、診療情報文作成部31とを有する。本診断支援装置1は、疾患選択部17、医療施設記憶部、及び紹介状作成部のいずれか1つ以上を備えていてもよい。以下、各構成要素の詳細について説明する。このように、診断に対応した情報を段階的に記憶させ、段階的に表示することにより、医者の知識を生かしながら、適切に、対象疾患の候補を提案できることとなる。本診断支援装置1は、コンピュータにより各種処理を行う。
【0012】
コンピュータは、入力部、出力部、制御部、演算部及び記憶部を有しており、各要素は、バスなどによって接続され、情報の授受を行うことができるようにされている。例えば、記憶部には、制御プログラムが記憶されていてもよいし、各種情報が記憶されていてもよい。入力部から所定の情報が入力された場合、制御部は、記憶部に記憶される制御プログラムを読み出す。そして、制御部は、適宜記憶部に記憶された情報を読み出し、演算部へ伝える。また、制御部は、適宜入力された情報を演算部へ伝える。演算部は、受け取った各種情報を用いて演算処理を行い、記憶部に記憶する。制御部は、記憶部に記憶された演算結果を読み出して、出力部から出力する。このようにして、各種処理や各工程が実行される。この各種処理を実行するものが、各部や各手段である。コンピュータは、プロセッサを有し、プロセッサが各種機能や各種工程を実現するものであってもよい。コンピュータは、スタンドアロンであってもよい。コンピュータは、機能の一部がサーバと端末に分散されていてもよい。その場合サーバと端末とは、インターネットやイントラネットなどのネットワークにより、情報の授受を行うことができるようにされていることが好ましい。コンピュータは、プロセッサと、プロセッサに連結されたメモリと、を備えていてもよい。そして、メモリが、命令を格納しており、命令は、プロセッサによって実行されると、コンピュータに、各種工程を行わせたり、コンピュータを各種要素として機能させるものであってもよい。コンピュータは、各種教師データを与えて学習モデルを構築し、機械学習により各種演算を実現するようにしてもよい。この場合、コンピュータは、AI(人工知能)の機械学習・深層学習により作成された学習モデルを用いて各種解析や分析を実行してもよい。
【0013】
コンピュータは、通常、図示しない表示部を有する。表示部は、コンピュータに基づいて、各種情報を表示するための要素である。コンピュータの出力部の一種であるモニタ又はディスプレイや、スマートフォンのタッチパネルが表示部として機能する。表示部は、プロジェクタであっても構わない。
【0014】
主訴群記憶部11
主訴群記憶部11は、複数の主訴を含む主訴群を記憶するための要素である。主訴には、患者の病歴および身体所見が含まれる。主訴群は、検査所見が含まれてもよい。例えば、「発熱」「咳」「腹痛」などの主訴を主訴群記憶部11が記録することで、診断の初期段階での情報整理を容易にすることができる。なお、主訴は、複数のカテゴリーにカテゴライズされていることが好ましい。主訴群記憶部11は、複数の主訴と関連して、それらの主訴と関連する関連疾患(したがって鑑別すべき疾患)の候補が複数記憶されてもよい。主訴のカテゴリーの例は、関連疾患(鑑別すべき疾患)の数が、所定数以上であるもの(第1カテゴリー)、関連疾患(鑑別すべき疾患)の数が、所定数以上であるものの臨床的特徴によりグループ分けできるもの(第2カテゴリー)、及び関連疾患(鑑別すべき疾患)の数が、所定数未満であるもの(第3カテゴリー)である。第1カテゴリーは、関連疾患(鑑別すべき疾患)の数が、所定数以上であり、臨床的特徴によりグループ分けできないものであってもよい。ここで所定数は、適宜装置に入力することにより変更されてもよい。カテゴリー分けは、機械学習により自動的に振り分けられてもよい。このようにすることで、時代や特定疾患の流行に合わせて、カテゴリー分けが自動的に変化することとなる。
【0015】
第1カテゴリーは、正確に診断することが最も難しいカテゴリーである。このため、主訴が装置に入力された場合、患者が罹患している可能性がある疾患が階層的に表示されるようにするものが好ましい。例えば、不明熱が第1カテゴリーに含まれる。
【0016】
第2カテゴリーは、臨床的特徴によりグループ分けできるものである。主訴が第2カテゴリーである場合は、グループ分けに関する情報を表示させ、グループを選択させることで、適切に臨床的特徴を選択できる。第2カテゴリーの例は、しびれである。しびれは、症状の分布に基づいて、グループ分けすることができる。例えば、しびれが生じた身体の箇所に基づいて、適切に臨床的特徴を選択できる。この場合、身体の部分を表示部に表示し、選択させることで、グループを選択させることができる。主訴が、局所における主訴を含む場合、臨床的特徴記憶部13は、主訴の起こりうる身体の局所を含む画像とともに、局所における主訴を記憶するものであってもよい。
【0017】
第3カテゴリーは、関連疾患(鑑別すべき疾患)の数が、所定数未満のものである。
【0018】
入力された主訴と関連する関連疾患(鑑別すべき疾患)に、極めてリスクの高い疾患(であってある程度の頻度があるもの)が含まれている場合、その疾患に罹患しているか否かの診断が早い段階で行われるようにしてよい。その場合、そのリスクの高い疾患に関する主訴又は臨床的特徴が適切に表示され、選択されることにより、そのリスクの高い疾患に罹患しているか否かが判断されてもよい。そして、そのリスクの高い疾患(であってある程度の頻度があるもの)が除かれた後に、その他の疾患の候補に関して、主訴や臨床的特徴が表示されて、選択されるようにしてもよい。
【0019】
臨床的特徴記憶部13
臨床的特徴記憶部13は、複数の主訴と関連した複数の臨床的特徴を記憶するための要素である。臨床的特徴とは、主訴に基づいて導き出される医学的な特徴であり、例えば臨床的特徴記憶部13には、「発熱」及び「咳」という主訴と関連して、「ウイルス感染の可能性」などの臨床的特徴が記憶される。臨床的特徴には、例えば、主訴と関連して、必要な注意点、問診で確認すべき事項、および行うべき検査のうちいずれか又は2つ以上が含まれてもよい。必要な注意点は、例えば、主訴と関連した疾患について、医師や患者が注意しなければならない点である。装置に、患者主訴情報が入力されると、臨床的特徴記憶部13から対応する臨床的特徴が抽出される。このとき、入力された情報に基づいて、特定の疾患に結びつきやすい特徴が優先的に抽出される。例えば、急にしびれが発生した等の臨床的特徴の候補を抽出し、表示してもよい。そのうえで、主訴と関連して表示された複数の臨床的特徴から、患者に関連する臨床的特徴を選択させてもよい。
【0020】
疾患記憶部15
疾患記憶部15は、各臨床的特徴に関連する複数の疾患を記憶するための要素である。これにより、特定の臨床的特徴を持つ患者に対し、考えられる疾患のリストを提供することが可能となる。例えば、「発熱+咳」の場合、「インフルエンザ」「肺炎」「気管支炎」などが候補として挙げられる。疾患記憶部15は、複数の疾患を重篤度と関連して記憶してもよい。疾患記憶部15は、複数の疾患を頻度と関連して記憶してもよい。また、疾患記憶部15は、それぞれの疾患と関連して、対応する診療科に関する情報を記憶してもよい。
【0021】
疾患選択部17
疾患選択部17は、臨床的特徴記憶部13から読み出された複数の臨床的特徴の中から、患者の症状と最も関連性の高い特徴を選択し、該当する疾患を疾患記憶部15から選択するための要素である。これにより、患者の症状に基づいた適切な疾患候補を特定することができる。
例えば、患者が「発熱」「咳」「倦怠感」を訴えた場合、疾患選択部17はこれらの主訴に対応する臨床的特徴を取得し、それに基づいて「インフルエンザ」「新型コロナウイルス感染症」「風邪」などの疾患を候補として提示する。疾患選択部17は、重篤度の高い疾患群を重篤度の低い疾患群よりも先に、疾患の候補として提案するものであってもよい。疾患選択部17は、重篤度の低い疾患群を頻度の高い順に表示されるように選択するものであってもよい。
【0022】
主訴表示部21
主訴表示部21は、複数の主訴の1又は複数を選択させるための主訴選択表示を行うための要素である。主訴選択表示は、例えば、医師の診断における最初の画面であってもよい。この主訴選択表示において主訴群記憶部から複数の主訴が読み出され、表示部に表示されてもよい。そして、複数の主訴は、ラジオボタンなどで患者に関する1又は複数の主訴を選択可能にされていることが好ましい。また、主訴表示部は、対象となる患者の病歴などを記憶した患者マスタから患者の病歴を含む患者の情報を読み出して、表示し、対象となる患者が表示されているものである場合は、ラジオボタンなどで承認することで、装置に、患者の病歴を含む情報が入力されるようにしてもよい。主訴が選択されると、装置に患者の主訴に関する情報(患者主訴情報)が入力されるようにしてもよい。
【0023】
臨床的特徴表示部23
臨床的特徴表示部23は、診断支援装置に患者主訴情報が入力されると、入力された患者主訴情報に対応した複数の臨床的特徴を臨床的特徴記憶部から読み出し、読み出した患者主訴情報に対応した複数の臨床的特徴を、表示部に表示させる。複数の臨床的特徴は、例えば、ラジオボタンが付されており、それを選択することで、患者に対応した臨床的特徴が選択されることとなる。臨床的特徴表示部23は、このような臨床的特徴選択表示を行うための要素である。
【0024】
診療情報文作成部31
診療情報文作成部31は、診断支援装置に入力された選択された臨床的特徴である選択臨床的特徴と、患者主訴情報を含む情報を用いて、診療情報文を作成するための要素である。例えば装置1は、文章作成部が存在し、臨床的特徴と患者主訴情報とに含まれる用語を用いて、診療情報文を作成するようにしてもよい。診療情報文は、医師や医療関係者が患者の状況を把握するために必要な文章を意味する。また、装置1は、対象疾患を分析したうえで、その対象疾患に対処するために必要な情報となるように、臨床的特徴と患者主訴情報とに含まれる用語を用いて、診療情報文を作成するようにしてもよい。診療情報文は、推奨する診療科に関する情報が含まれていることが好ましい。例えば、装置1が、患者の対象疾患を分析した後に、診療情報文作成部31は、対象疾患に関する情報を用いて、疾患記憶部15から対象疾患に対応して記憶されている診療科に関する情報を読み出し、診療情報文に加えてもよい。
【0025】
診療情報文作成部31は、学習済みモデルを有し、診療情報文作成部は、選択臨床的特徴と、患者主訴情報とを、学習済みモデルに入力することで、診療情報文を得るものであってもよい。例えば、学習済みモデルに、学習データとして、選択臨床的特徴、患者主訴情報、及び診療情報文の組合せを多数入力して、訓練する。すると、入力データとして、選択臨床的特徴、及び患者主訴情報が学習済みモデルに入力されると、適切な診療情報文を出力できるようになる。学習データとして、患者が見たときに、羞恥心をひき起こすおそれのある臨床的特徴(例えば、いびき)については、医療用語とすることが好ましい。このようにすることで、得られる診療情報文に含まれるそのような用語(患者が見たときに、羞恥心をひき起こすおそれのある臨床的特徴)については、医療用語(専門用語)が表記されることとなる。装置1は、そのような辞書を有しており、診療情報文が、そのような用語を含む場合は、対応する医療用語に置き換えて、用語が置き換えられた後の診療情報文を出力するようにしてもよい。
【0026】
診療情報文作成部31を有することで、様々な主訴(訴え)の診療や、医師による病態把握に必要な情報を迅速かつ適切に提供できる。また、推奨する診療科を判断することができれば、外来問診アプリなどとして有効に活用できるし、適切な診療科を紹介できるたり、適切な診療科にかかることができることとなる。
【0027】
紹介状作成部
装置は、紹介状作成部を有していてもよい。先に説明した診療情報文は、医師が対象患者の措置を行うために十分な医療情報を含んでいる。このため、この装置1を用いて作成される紹介状には、先に説明した診療情報文が含まれていることが好ましい。一方、紹介状は、対象となる医療機関宛に作成することが好ましい(最も、対象となる医療機関に関する部分は空欄であってもよい)。対象となる医療機関宛の紹介状を作成するためには、装置1は、診療科又は疾患と関連して、1又は複数の医療施設情報を記憶する医療施設記憶部を有するものが好ましい。この場合、紹介状作成部は、診療科又は疾患と関連した医療施設情報を読み出して表示し、適切な医療機関(病院、診療科、医師)を選択させるようにしてもよい。適切な医療機関が選択された場合は、その医療機関宛の紹介状を作成すればよい。また、適切な医療機関が選択されない場合は、あて先部分を空欄とした紹介状を作成すればよい。作成された紹介状は、例えば、記憶部に記憶され、適宜出力されればよい。
【0028】
診断支援の流れ
本装置の診断支援の流れの例を以下に示す。
装置に、患者主訴情報(病歴および身体所見)が入力される。例えば、医師が、タッチパネル、キーボード、又はマウスなどを用いて、情報を入力してもよい。また、電子カルテなどの情報から患者の病歴など患者に関する情報が読み出されてもよい。さらに、各種診断装置から、診断結果がこの装置に入力されてもよい。
【0029】
図2は、主訴入力モードの例を示す概念図である。
図2の例では、病歴と身体所見の候補を表示して、ボックスにチェックを入れることで主訴のうち病歴と身体所見の入力を促す部分が表示されている。また、
図2の例では、検査所見の選択欄が表示されている。この選択欄があるので、医師は、主訴と関連して何を検査すればよいかを把握することができる。検査所見の選択欄は、医師が患者を診察した後に、(又は患者が自ら検査を行った後に)、選択欄を選択することで、検査所見に関する情報を装置1に入力できる。装置1は、人工知能を有するか、言語解析機能(キーワードを抽出する機能)を有しており、フリーの文章記入欄に、主訴に関する文章が入力されると、装置1がその入力された文章を解析して、患者主訴情報を取得し、記憶部に適宜記憶してもよい。なお、装置は、カメラを有しており、カメラが医師又は患者を撮影し、主訴の解析に用いてもよい。医師は、患者の重症度に応じて、表情が変化するので、撮影された医師の表情と対象疾患とを教師データとして学習済みモデルを構築しておいて、撮影された医師の表情を学習済みモデルに入力することで、対象疾患や疾患の重症度を出力することができるようにしてもよい。いずれにせよ、患者主訴情報が、装置に入力される。
【0030】
装置1は、患者主訴情報に基づいて、主訴群記憶部11に患者主訴情報と関連して記憶されている主訴に該当する情報を取得する。装置1は、主訴情報取得部を有してもよい。そして、装置は、取得した主訴に関する情報を表示部(モニタ、印刷物など)に表示してもよい。例えば、装置の主訴群表示部21が、取得した主訴に関する情報を表示するための情報を表示部に出力し、その情報を受けた表示部が主訴に関する情報を出力すればよい。
【0031】
装置1は、臨床的特徴記憶部13から、該当する主訴に関連した臨床的特徴を抽出する。このため、装置1は、臨床的特徴抽出部(臨床的特徴取得部)を有してもよい。装置1は、疾患記憶部15から、抽出された臨床的特徴に対応する疾患候補を表示してもよい。この場合、装置1の臨床的特徴表示部23は、このようにして取得された主訴に関連した臨床的特徴を表示部に表示するための情報を表示部に出力し、その情報を受けた表示部が抽出された臨床的特徴に対応する疾患候補を出力すればよい。
【0032】
主訴に関する複数の臨床的特徴が表示部に表示された後、ユーザ(医師、患者)は、あてはまる臨床的特徴を選択するようにしてもよい。ユーザが、あてはまる臨床的特徴を選択すると、選択された臨床的特徴に関する情報が、装置1に入力される。このようにして、複数の臨床的特徴から選択された臨床的特徴である患者の臨床的特徴情報が得られることとなる。このような機能を実現するため、装置1は、臨床的特徴選択入力部を有してもよい。装置1に入力された選択された臨床的特徴は、適宜記憶部に記憶され、疾患選択部17が疾患候補を選択する際に読み出されたり、疾患選択部17が疾患候補を選択する際に用いられたりすることが好ましい。
【0033】
図3は、主訴がしびれであった場合の、臨床的特徴が表示部に表示される例を示す概念図である。例えば、主訴がしびれであった場合に、しびれの箇所を入力させる画像が表示部に表示される。医師又は患者が、しびれがある部位を選択する。すると、画面上におけるしびれのある部位の色が変化するようにしてもよい。また、あらかじめ表示画面には、複数のしびれ部位の候補が表示されており、ユーザ(医師又は患者)が選択できるようにされていてもよい。
図3の例では、一肢に局在した感覚障害、手袋、靴下型感覚障害、多発性神経炎、脊髄、馬尾による感覚障害、及び大脳・脳幹の生涯による感覚障害といった臨床的特徴が表示されている。入力された箇所に応じて、自動的に、対応する臨床的特徴が選択され、装置1に入力されてもよい。また、診断をした医師が、対応する臨床的特徴を選択して、装置1に入力してもよい。
【0034】
次に、疾患選択部17が、患者の臨床的特徴情報をもとに、最も適した疾患候補を選択する。選択された疾患候補が診断結果として出力されてもよい。装置1は、疾患候補や選択された疾患候補に関する情報を表示部(モニタ、印刷物など)に表示してもよい。装置1の疾患表示部27が、疾患候補や選択された疾患候補に関する情報ための情報を表示部に出力し、その情報を受けた表示部が、疾患候補や選択された疾患候補に関する情報を出力すればよい。
【0035】
疾患表示部27は、診断結果情報を出力するための学習済みモデル(診断結果モデル)を有していてもよい。この診断結果モデルは、主訴、臨床的特徴、診断結果、及び医師が患者に疾患を伝えるための文章を教師データとして、入力することで構築すればよい。なお、この際に、教師データとして、医師向けの文章(専門用語が含まれてもよい)を入力する場合と、患者向けの文章(平易な言葉で、患者が動揺しないような用語)を入力してもよい。このようにすれば、上記の作業により、主訴、臨床的特徴及び診断結果が得られた場合に、疾患表示部27が、それらの情報を診断結果モデルに入力することで、医師が患者に疾患を伝えるための文章を出力として得ることができることとなる。このような文章を得ることで、医師の理解を促進できるほか、患者も理解しやすい文章を得ることができる。さらに、入力情報として、医師向けか患者向けかに関する情報を入力することで、見るものにとって、適切な出力を得ることができることとなる。このように、装置1は、患者の臨床的特徴情報とその患者の臨床的特徴情報と関連した1又は複数の疾患とを学習データ(教師データ)として、学習済みモデルを構築しておいてもよい。このようにすれば、疾患選択部17が、患者の臨床的特徴情報を学習済みモデルに入力することで、1又は複数の疾患を学習済みモデルからの出力情報として得ることができる。
【0036】
このように、本発明の診断支援装置は、患者の主訴情報をもとに臨床的特徴を導き出し、疾患候補を効率的に選択することで、診断を支援することができる。
【0037】
図4は、学習済みモデルを構築する様子及び訓練された学習済みモデルを用いて、所定の出力を得る様子を示す概念図である。
先に説明した通り、診療情報文作成部は、学習データとして、選択臨床的特徴、患者主訴情報、及び診療情報文の組合せを多数入力して、学習済みモデルを訓練する。すると、入力データとして、選択臨床的特徴、及び患者主訴情報が学習済みモデルに入力されると、適切な診療情報文を出力できるようになる。装置1は、診療情報文を表示するための診療情報文表示部を有してもよい。このようにすれば、診断を行った医師にとって、患者の対処に必要な診療情報を文章で得ることができることとなる。
【0038】
また、例えば、診察が総合内科である場合や他に専門医がいる場合は、他の専門医を紹介することが考えられる。その他の専門家は、同じ病院内の他の診療科であったり、別の医療機関の診療科である場合もある。この装置1では、診療情報文に診療科に関する情報を含めることができる。このため、適切な診療科に患者を誘導できる。また、装置1が、紹介状作成部を有する場合、紹介状作成部が紹介状を作成するようにしてもよい。
【0039】
プログラムやアプリケーションは、コンピュータを、主訴群記憶部11、臨床的特徴記憶部13、疾患記憶部15、及び疾患選択部17を含む診断支援装置として機能させる。コンピュータが読み取り可能な情報記録媒体は、上記したプログラムを非一時的に記憶する媒体である。コンピュータは、記憶部と演算部とを有するプロセッサにより実現されてもよい。この方法は、コンピュータによる診断支援方法をも提供する。
【0040】
上記したものと、別の態様は、以下のものである。主訴の原因となりうる疾患は、多数である場合がある。このため、医療電子化システムを用いて、主訴情報と診察情報とを蓄積しても、確実かつ効率的な診療を行うことは困難である。この発明は、経験の浅い医師などであっても、確実かつ効率的で見落としのない診療を実現できるように、必要な注意点、問診で確認すべき事項、および行うべき検査のうちいずれか又は2つ以上を表示できる装置などを提供する。
【0041】
この発明の診断支援装置は、患者に対する所見を含む情報に基づいて、当該患者が罹患している可能性がある疾患を診断するために必要な臨床的特徴の候補を提案し、それに基づいて患者が罹患している可能性がある疾患の候補を出力するための装置である。 診断支援装置は、主訴群記憶部と、臨床的特徴記憶部と、疾患記憶部と、疾患選択部と、を有する。主訴群記憶部は、複数の主訴を含む主訴群を記憶するための要素である。複数の主訴は、患者の病歴と身体所見とを含む。臨床的特徴記憶部は、複数の主訴と関連した複数の臨床的特徴を記憶するための要素である。疾患記憶部は、複数の臨床的特徴と関連した複数の疾患を記憶するための要素である。疾患選択部は、疾患記憶部が記憶する1又は複数の疾患を選択するための要素である。
【0042】
患者の病歴と身体所見である患者主訴情報が診断支援装置に入力される。
臨床的特徴記憶部から入力された患者主訴情報に対応した複数の臨床的特徴が、臨床的特徴記憶部から読み出され、診断支援装置の表示部に表示される。
疾患選択部は、読み出された複数の臨床的特徴から選択された臨床的特徴である患者の臨床的特徴情報を用いて、1又は複数の疾患を選択する。
診断支援装置は、疾患選択部が選択した1又は複数の疾患を、患者が罹患している可能性のある疾患の候補として出力する。
【0043】
この診断支援装置は、患者に対する所見を含む情報に基づいて、当該患者が罹患している可能性がある疾患の候補を提案することを目的とする。本診断支援装置1は、主訴群記憶部11、臨床的特徴記憶部13、疾患記憶部15、及び疾患選択部17を備えている。このように、診断に対応した情報を段階的に記憶させ、段階的に表示することにより、医者の知識を生かしながら、適切に、対象疾患の候補を提案できることとなる。
【実施例1】
【0044】
50歳の男性患者が「不明熱」を主訴として訴えた場合、本装置は例えば、以下のように動作する。患者の主訴情報として「不明熱」が装置に入力される。すると、不明熱に関連する主訴(例えば、患者の病歴、身体所見及び検査所見のいずれかの項目に属する複数の主訴)が表示部に表示される。医師が、表示された主訴から関連するものを選択する。すると、選択された複数の主訴(「不明熱」を含む)に関連する複数の臨床的特徴が表示される。そして、表示された臨床的特徴の候補から、対応するものが選択される(例:「長期間続く発熱」「夜間の発汗」「体重減少」など)。このようにして、患者に関連する臨床的特徴の候補が選択されたうえで表示され、適切に選択されることとなる。患者に関連する臨床的特徴が選択された後に、それと関連する疾患候補(例:「感染症(結核、CMV感染症など)」「自己免疫疾患(SLE、リウマチ性多発筋痛症など)」「悪性腫瘍(リンパ腫など)」)が選択される。選択された疾患候補は、表示部に表示されてもよい。また、取得した疾患候補を、患者の追加情報(血液検査結果、画像診断結果など)と照合し、より適切な候補を絞り込まれてもよい。装置は、診断結果として、候補となる疾患のリストと、その後の精密検査の推奨事項を出力してもよい。本発明の診断支援装置は、診断の迅速化および精度向上に寄与し、医療従事者の負担軽減にも貢献するものである。
特に図示しないが、この例でも適切な診療情報文が作成されてもよい。
【実施例2】
【0045】
40歳の男性患者が「発熱」「咳」「倦怠感」を主訴として訴えた場合、本装置は以下のように動作する。
医師が、患者の主訴情報を入力する。すると、装置に、患者の主訴情報が入力される。すると、装置は、「発熱」「咳」「倦怠感」に関連する臨床的特徴を取得する。そして、装置は、臨床的特徴に対応する疾患候補(例:「インフルエンザ」「新型コロナウイルス感染症」「風邪」)を取得する。
そして、装置は、取得した疾患の候補を、最新の臨床データなどに基づき順位付けして表示する。
特に図示しないが、この例でも適切な診療情報文が作成されてもよい。
【実施例3】
【0046】
60歳の女性患者が「胸痛」「息切れ」「冷や汗」を訴えた場合、本装置は「心筋梗塞」「狭心症」「不安神経症」などを疾患候補として出力し、早急な医療機関受診を推奨する。
本発明の診断支援装置は、診断の迅速化および精度向上に寄与し、医療従事者の負担軽減にも貢献するものである。特に図示しないが、この例でも適切な診療情報文が作成されてもよい。
【実施例4】
【0047】
図5の例は、主訴が「のどが痛い」というものの診断例を示す概念図である。装置1は、患者の情報や主訴である「のどが痛い」と関連して、
図4に示すような臨床的特徴の候補を複数選択し、表示部に表示した。医師が、患者からヒアリングを行い、患者が訴える臨床的特徴を選択した。
図5に示す例では、各臨床的特徴にラジオボタンが設けられ、ラジオボタンをクリックすることで、対応する臨床的特徴が選択された。
図示しないものの、この例では、診療情報文として、以下のものが作成され、表示部に表示された。
「細菌性扁桃炎を疑う所見として,30℃以上の発熱、前頸部リンパ節腫脹の疑い,24時間以内の発熱,3日以内の発症などがあります。
受診をお勧めする診療科は耳鼻咽喉科あるいは内科です。」
この診療情報文を見た医師は、院内の患者に対し耳鼻咽喉科又は内科を受診するよう勧めるとともに、院内カルテに上記の診療情報文を記憶させた。この患者が、同じ病院内の耳鼻咽喉科又は内科を受診した際には、上記の診療情報文が利用され、医師が適切な処置を行うと考えられる。
【実施例5】
【0048】
図6の例は、主訴がせきに関するものの診断例を示す概念図である。
図6-1は、画面の一部を示し、
図6-2は
図6-1の続きを示す。
この例では、主訴であるせきに関して、様々な臨床的特徴の候補が表示される。例えば、「せき」に関して、装置1は、臨床的特徴として「せきの音」や「呼吸の音」を記憶しており、音声ボタンをクリックすることで、臨床的特徴である「せきの音」や「呼吸の音」が再現されるようになっている。このようにすることで、症状を分析しやすくなる。なお、装置1は、自動的に患者の呼吸音やせきの音をマイクなどの収音部が採取し、記憶部に記憶されている臨床的特徴である「せきの音」や「呼吸の音」と比較して、対象となる患者の臨床的特徴を分析してもよい。
図示しないものの、この例では、診療情報文として、以下のものが作成され、表示部に表示された。
「8日~2週間前から咳が出て、少量の透明な痰も出ます。
軽い呼吸音があります。
合併する症状として夜間の憎悪 自分で喘息やRhoncusを感じるなどがありました。
関連する可能性のある疾患や生活習慣としては、慢性呼吸器疾患があります。
食事量は減っているが水分は摂れています。
受診をお勧めする科は内科(可能なら呼吸器内科)です。
その他、消化器内科、循環器内科なども可能性があります。」
【産業上の利用可能性】
【0049】
この発明は、医療機器の分野で利用され得る。
【符号の説明】
【0050】
1 診断支援装置
11 主訴群記憶部
13 臨床的特徴記憶部
15 疾患記憶部
17 疾患選択部
21 主訴群表示部
23 臨床的特徴表示部
27 疾患表示部
【要約】 (修正有)
【課題】経験の深い医師の知見やノウハウに基づいて、経験の浅い医師であっても、患者を正しく診察できる診察支援装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】診断支援装置1は、複数の主訴を含む主訴群を記憶する主訴群記憶部と、複数の主訴と関連した複数の臨床的特長を記憶する臨床的特長記憶部と、複数の臨床的特長と関連した複数の疾患を記憶する疾患記憶部と、疾患記憶部が記憶する1又は複数の疾患を選択する疾患選択部と、を有し、患者の病歴と身体所見である患者主訴情報が入力されると、臨床的特長記憶部から入力された患者主訴情報に対応した複数の臨床的特長が、臨床的特長記憶部から読み出され、疾患選択部が、読み出された複数の臨床的特長から選択された臨床的特長である患者の臨床的特長情報を用いて、1又は複数の疾患を選択し、選択した1又は複数の疾患を、患者が罹患している可能性のある疾患の候補として提案する。
【選択図】
図1