(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-03
(45)【発行日】2025-10-14
(54)【発明の名称】パッシブイメージング装置
(51)【国際特許分類】
   G01S  13/89        20060101AFI20251006BHJP        
   G01V   3/12        20060101ALI20251006BHJP        
【FI】
G01S13/89 
G01V3/12 A 
(21)【出願番号】P 2021083613
(22)【出願日】2021-05-18
【審査請求日】2024-03-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【氏名又は名称】小川  護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山  尚一
(72)【発明者】
【氏名】木村  章紘
【審査官】佐藤  宙子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0050007(US,A1)    
【文献】特開2013-125021(JP,A)      
【文献】特開2004-177198(JP,A)      
【文献】特開2009-036625(JP,A)      
【文献】特表2007-502415(JP,A)      
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S      7/00-  7/42
G01S    13/00-13/95
G01V      1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
  移動する被検体から放射され且つスキャンミラーによって走査された互いに異なる複数の周波数帯の電磁波を受信し、受信された電磁波の信号強度を周波数帯毎及び前記スキャンミラーの走査角毎に検出し、各周波数帯における対応走査角での信号強度を合算し、及び合算後の信号強度に基づき前記被検体についての画像を生成するように構成され、
  前記複数の周波数帯は互いに離隔し
ており、
            
  前記被検体についての画像は、前記被検体の正面側画像及び前記被検体の背面側画像を含む、パッシブイメージング装置。
【請求項2】
  前記被検体についての画像にエッジ強調処理を施してエッジ強調画像を生成する、請求項1に記載のパッシブイメージング装置。
【請求項3】
  前記被検体が被検者の人体であり、前記エッジ強調画像に基づき前記被検者が特定の物品を所持しているか否かを判定する、請求項2に記載のパッシブイメージング装置。
【請求項4】
  移動する被検体から放射され且つスキャンミラーによって走査された互いに異なる複数の周波数帯の電磁波を受信し、受信された電磁波の信号強度を周波数帯毎及び前記スキャンミラーの走査角毎に検出し、検出された信号強度に基づき前記被検体についての周波数帯毎の画像を生成し、及び、生成された周波数帯毎の画像を合成して合成画像を生成するように構成され、
  前記複数の周波数帯は互いに離隔し
ており、
            
  前記被検体についての周波数帯毎の画像は、第1周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第1正面側画像、第2周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第2正面側画像、前記第1周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第1背面側画像、及び前記第2周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第2背面側画像を含み、
            
  前記合成画像は、
            
  前記第1正面側画像と前記第2正面側画像とが合成された前記被検体の正面側画像と、
            
  前記第1背面側画像と前記第2背面側画像とが合成された前記被検体の背面側画像と、
            
  を含む、パッシブイメージング装置。
【請求項5】
  前記周波数帯毎の画像のそれぞれにエッジ強調処理を施して周波数帯毎のエッジ強調画像を生成し、及び、前記合成画像にエッジ強調処理を施して合成エッジ強調画像を生成する、請求項4に記載のパッシブイメージング装置。
【請求項6】
  移動する被検体から放射され且つスキャンミラーによって走査された互いに異なる複数の周波数帯の電磁波を受信し、受信された電磁波の信号強度を周波数帯毎及び前記スキャンミラーの走査角毎に検出し、検出された信号強度に基づき前記被検体についての周波数帯毎の画像を生成し、生成された周波数帯毎の画像にエッジ強調処理を施して周波数帯毎のエッジ強調画像を生成し、及び、生成された周波数帯毎のエッジ強調画像を合成して合成エッジ強調画像を生成するように構成され、
  前記複数の周波数帯は互いに離隔し
ており、
            
  前記被検体についての周波数帯毎の画像は、第1周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第1正面側画像、第2周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第2正面側画像、前記第1周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第1背面側画像、及び前記第2周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第2背面側画像を含み、
            
  前記合成エッジ強調画像は、
            
  前記第1正面側画像のエッジ強調画像と前記第2正面側画像のエッジ強調画像とが合成された前記被検体の正面側画像と、
            
  前記第1背面側画像のエッジ強調画像と前記第2背面側画像のエッジ強調画像とが合成された前記被検体の背面側画像と、
            
  を含む、パッシブイメージング装置。
【請求項7】
  前記被検体が被検者の人体であり、前記周波数帯毎のエッジ強調画像及び前記合成エッジ強調画像に基づき前記被検者が特定の物品を所持しているか否かを判定する、請求項5又は6に記載のパッシブイメージング装置。
【請求項8】
  複数の周波数帯が前記特定の物品に応じて設定される、請求項3又は7に記載のパッシブイメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明は、被検体から放射される電磁波を受信して前記被検体についての画像を生成するパッシブイメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
  この種のパッシブイメージング装置の一例として、特許文献1には、物体から放射されたミリ波帯の熱雑音を受信して画像を得るミリ波パッシブイメージング装置が記載されている。パッシブイメージング装置は、無侵襲であること及び隠れた物品の検知能力が高いことなどから、主にセキュリティ向けのボディスキャナ(所持品検査装置)などに応用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
  所持品検査装置に応用されたパッシブイメージング装置では、被検者である人が物品を隠して所持している場合、物品のある部分は、前記被検者の人体から放射された電磁波が物品によって遮られて低下するため、物品がない部分に比べて電磁波の受信レベルが低くなる。その結果、人体を背景とする画像に物品の形状が暗いシルエットとして現れ、このシルエットから被検者が物品を所持していることを判定したり、当該物品(すなわち、所持品)の種別を推定したりすることが可能である。
【0005】
  しかし、物品によっては、人体から放射された電磁波が物品に遮られることによって生じる受信レベルの低下分が物品から放射される電磁波によって相殺されることがある。このような場合、物品がある部分と物品がない部分との間で電磁波の受信レベルの差がなくなり、物品の形状がシルエットとして現れなくなってしまう。このため、例えば所持品検査において所持品の見落としが発生するおそれがある。
【0006】
  そこで、本発明は、例えば所持品検査において所持品の見落としを低減することを可能とするパッシブイメージング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
  本発明の一側面によると、パッシブイメージング装置は、移動する被検体から放射され且つスキャンミラーによって走査された互いに異なる複数の周波数帯の電磁波を受信し、受信された電磁波の信号強度を周波数帯毎及び前記スキャンミラーの走査角毎に検出し、各周波数帯における対応走査角での信号強度を合算し、及び合算後の信号強度に基づき前記被検体についての画像を生成するように構成され、前記複数の周波数帯は互いに離隔しており、前記被検体についての画像は、前記被検体の正面側画像及び前記被検体の背面側画像を含む。
【0008】
  本発明の他の側面によると、パッシブイメージング装置は、移動する被検体から放射され且つスキャンミラーによって走査された互いに異なる複数の周波数帯の電磁波を受信し、受信された電磁波の信号強度を周波数帯毎及び前記スキャンミラーの走査角毎に検出し、検出された信号強度に基づき前記被写体についての周波数帯毎の画像を生成し、及び、生成された周波数帯毎の画像を合成した合成画像を生成するように構成され、前記複数の周波数帯は互いに離隔しており、前記被検体についての周波数帯毎の画像は、第1周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第1正面側画像、第2周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第2正面側画像、前記第1周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第1背面側画像、及び前記第2周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第2背面側画像を含み、前記合成画像は、前記第1正面側画像と前記第2正面側画像とが合成された前記被検体の正面側画像と、前記第1背面側画像と前記第2背面側画像とが合成された前記被検体の背面側画像と、を含む。
【0009】
  本発明のさらに他の側面によると、パッシブイメージング装置は、移動する被検体から放射され且つスキャンミラーによって走査された互いに異なる複数の周波数帯の電磁波を受信し、受信された電磁波の信号強度を周波数帯毎及び前記スキャンミラーの走査角毎に検出し、検出された信号強度に基づき前記被検体についての周波数帯毎の画像を生成し、生成された周波数帯毎の画像にエッジ強調処理を施して前記周波数帯毎のエッジ強調画像を生成し、及び、生成された前記周波数帯毎のエッジ強調画像を合成して合成エッジ強調画像を生成するように構成され、前記複数の周波数帯は互いに離隔しており、前記被検体についての周波数帯毎の画像は、第1周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第1正面側画像、第2周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第2正面側画像、前記第1周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第1背面側画像、及び前記第2周波数帯の電磁波に基づく前記被検体の第2背面側画像を含み、前記合成エッジ強調画像は、前記第1正面側画像のエッジ強調画像と前記第2正面側画像のエッジ強調画像とが合成された前記被検体の正面側画像と、前記第1背面側画像のエッジ強調画像と前記第2背面側画像のエッジ強調画像とが合成された前記被検体の背面側画像と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
  本発明によれば、例えば所持品検査において所持品の見落としを低減することを可能とするパッシブイメージング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
            【
図1】実施形態に係るパッシブイメージング装置の概略構成を示す図である。
 
            【
図2】実施形態に係るパッシブイメージング装置の要部斜視図である。
 
            【
図3】実施形態に係るパッシブイメージング装置の要部平面図である。
 
            【
図4】実施形態に係るパッシブイメージング装置のセンシングユニットの概略構成を示す図である。
 
            【
図5】実施形態に係るパッシブイメージング装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
 
            【
図6】実施形態に係るパッシブイメージング装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
 
            【
図7】画像(画素)配列として保存される、ミラー角度(走査角)毎の第1周波数帯の電磁波の受信レベルの一例を示す図である。
 
            【
図8】画像(画素)配列として保存される、ミラー角度(走査角)毎の第2周波数帯の電磁波の受信レベルの一例を示す図である。
 
            【
図9】対応するミラー角度(対応走査角)での第1周波数帯の電磁波の受信レベルと第2周波数帯の電磁波の受信レベルとの合算結果の一例を示す図である。
 
            【
図10】実施形態に係るパッシブイメージング装置で生成される被検者の人体についての画像(エッジ強調画像)の一部を模式的に示す図である。
 
            【
図11】物品の電磁波透過率の周波数特性の一例を示す図である。
 
            【
図12】実施形態に係るパッシブイメージング装置のセンシングユニットの他の構成例を示す図である。
 
            【
図13】実施形態に係るパッシブイメージング装置の動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
 
            【
図14】実施形態に係るパッシブイメージング装置の動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
 
          
【発明を実施するための形態】
【0012】
  以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0013】
  図1~
図3は、本発明の一実施形態に係るパッシブイメージング装置1を示している。
図1は、パッシブイメージング装置1の概略構成を示す図であり、
図2は、パッシブイメージング装置1の要部斜視図であり、
図3は、パッシブイメージング装置1の要部平面図である。
 
【0014】
  パッシブイメージング装置1は、被写体などから放射された電磁波を受信して画像を生成する。本実施形態において、パッシブイメージング装置1は、ウォークスルー型の所持品検査装置として構成されており、通路50を矢印方向に歩行で移動する人(以下「被検者」という)の人体2を被検体とし、被検者の人体(すなわち、被検体)2から放射された電磁波3を受信して前記被検者の人体2についての画像を作成するとともに、前記被検者が特定の物品(主に刃物、銃、爆発物などの危険物)を所持しているか否かを判定するように構成されている。なお、以下の説明における「前」、「後」、「左」、「右」は、前記被検者を基準とした(前記被検者から見た)方向のことをいう。
【0015】
  図1に示されるように、実施形態に係るパッシブイメージング装置1は、4つのセンシングユニット(第1~第4センシングユニット)10A~10Dと、処理部20と、表示部30とを含む。
 
【0016】
  第1~第4センシングユニット10A~10Dは、
図3に示されるように、被検体としての前記被検者の人体2から放射された電磁波3を受信してその信号強度(電磁波の受信レベル)を検出する。
図4は、第1~第4センシングユニット10A~10Dの概略構成を示している。
 
【0017】
  図4に示されるように、第1~第4センシングユニット10A~10Dのそれぞれは、スキャンミラーとしてのポリゴンミラー11と、集光ミラー12と、受信アンテナ13と、分波器14と、第1アンプ15Aと、第2アンプ15Bと、第1検出器16Aと、第2検出器16Bとを含む。
 
【0018】
  ポリゴンミラー11は、回転駆動され、前記被検者の人体2から放射された電磁波3をミラー面によって反射して所定の方向(例えば、鉛直方向)にスキャン(走査)する。
【0019】
  集光ミラー12は、前記被検者の人体2から放射され且つポリゴンミラー11によって走査された(ポリゴンミラー11のミラー面で反射された)電磁波3を受信アンテナ13に集光させる。
【0020】
  受信アンテナ13は、予め設定された互いに異なる複数の周波数帯(バンド)の電磁波を受信可能に構成されている。具体的には、本実施形態において、受信アンテナ13は、第1周波数帯の電磁波F1と前記第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の電磁波F2とを受信可能に構成されている。前記第1周波数帯及び前記第2周波数帯は、例えば前記特定の物品に応じて設定され得るが、これに限られるものではなく、任意に設定可能である。また、前記第1周波数帯と前記第2周波数帯とは隣接していてもよいが、離隔している方が好ましい。特に制限されるものではないが、例えば、前記第1周波数帯域が75-110GHzであり、前記第2周波数帯が110-170GHzであり得る。あるいは、前記第1周波数帯域が75-110GHzであり、前記第2周波数帯が140-220GHzであり得る。
【0021】
  分波器14は、受信アンテナ13によって受信された電磁波(F1+F2)を前記第1周波数帯の電磁波F1と前記第2周波数帯の電磁波F2とに分波し、前記第1周波数帯の電磁波F1を第1アンプ15Aに出力する一方、前記第2周波数帯の電磁波F2を第2アンプ15Bに出力する。前記第1周波数帯の電磁波F1は、第1アンプ15Aで増幅された後に第1検出器16Aに入力され、前記第2周波数帯の電磁波F2は、第2アンプ15Bで増幅された後に第2検出器16Bに入力される。
【0022】
  第1検出器16Aは、入力された前記第1周波数帯の電磁波F1の信号強度(換言すれば、前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベル)を検出する。第2検出器16Bは、前記第2周波数帯の電磁波F2の信号強度(換言すれば、前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベル)を検出する。
【0023】
  本実施形態において、第1~第4センシングユニット10A~10Dは、
図2及び
図3に示されるように、通路50の側方に配置されている。具体的には、第1センシングユニット10Aは、通路50の左側に設置され、第2センシングユニット10Bは、通路50を挟んで第1センシングユニット10Aとは反対側、すなわち、通路50の右側に設置されている。第3センシングユニット10Cは、通路50の左側であって且つ第1センシングユニット10Aの後方に設置され、第4センシングユニット10Dは、通路50を挟んで第3センシングユニット10Cとは反対側、すなわち、通路50の右側であって且つ第2センシングユニット10Bの後方に設置されている。また、第1~第4センシングユニット10A~10Dは、平面視において、これらのユニット(の中心)を結んでできる矩形領域(
図3において二点鎖線で示す)のほぼ中心を向いている。
 
【0024】
  そして、第1センシングユニット10Aは、前記被検者の移動に伴い、主に前記被検者の人体2の正面左半分から放射された電磁波を受信してその信号強度(受信レベル)を検出するように構成され、第2センシングユニット10Bは、前記被検者の移動に伴い、主に前記被検者の人体2の正面右半分から放射された電磁波を受信してその信号強度を検出するように構成されている。
【0025】
  他方、第3センシングユニット10Cは、前記被検者の移動に伴い、主に前記被検者の人体2の背面左半分から放射された電磁波を受信してその信号強度を検出するように構成され、第4センシングユニット10Dは、前記被検者の移動に伴い、前記被検者の人体2の背面右半分から放射された電磁波を受信してその信号強度を検出するように構成されている。
【0026】
  また、第1~第4センシングユニット10A~10Dのそれぞれは、ポリゴンミラー11のミラー面の角度(ミラー角度)、すなわち、ポリゴンミラー11の走査角を検出する角度検出センサ41を有している(
図4参照)。さらに、第3センシングユニット10Cと第4センシングユニット10Dとには、前記被検者の進入を検知する一対の進入検知センサ42、42が設けられ、第1センシングユニット10Aと第2センシングユニット10Bとには、前記被検者の進出を検知する一対の進出検知センサ43、43が設けられている(
図3参照)。
 
【0027】
  図1に戻り、処理部20は、第1~第4センシングユニット10A~10Dの(第1検出器16A及び第2検出器16B)の検出結果を入力する。処理部20は、第1センシングユニット10Aの検出結果及び第2センシングユニット10Bの検出結果に基づいて前記被検者の人体2の正面側画像を生成するとともに、第3センシングユニット10Cの検出結果及び第4センシングユニット10Dの検出結果に基づいて前記被検者の人体2の背面側画像を生成する。そして、処理部20は、生成された前記被検者の人体2の正面側画像及び背面側画像を表示部30に出力して表示部30に表示させる。
 
【0028】
  なお、処理部20で生成される画像(表示部30に表示される画像)は、前記被検者の人体2を背景とする画像である。ここで、前記被検者が物品を隠して所持している場合、既述のように、前記物品のある部分では前記被検者の人体から放射された電磁波が前記物品によって遮られる。このため、前記物品のある部分は、前記物品のない部分に比べて、受信される電磁波の信号強度(電磁波の受信レベル)が低下する。その結果、前記画像中に前記物品の形状が暗いシルエットとして現れる。
【0029】
  また、本実施形態において、処理部20は、第1~第4センシングユニット10A~10Dの検出結果に基づいて又は生成された前記被検者の人体2についての画像に基づいて前記被検者が前記特定の物品を所持しているか否かを判定する。そして、処理部20は、前記被検者が前記特定の物品を所持していると判定した場合にはその旨を図示省略の上位装置に通知し、及び/又は、図示省略の報知部を介して検査員に報知する。
【0030】
  但し、これに限られるものではない。処理部20は、前記被検者が前記特定の物品を所持しているか否かの判定を行わなくてもよい。この場合、検査員等が表示部30に表示された画像に基づいて、さらに言えば、生成された画像中に現れた暗いシルエットに基づいて、前記被検者が前記特定の物品を所持しているか否かを判定することになる。
【0031】
  ここで、パッシブイメージング装置1の動作を説明する。
図5及び
図6は、パッシブイメージング装置1の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
 
【0032】
  パッシブイメージング装置1は、進入検知センサ42、42によって被検者(人)の進入を検知すると(ステップS1)、第1~第4センシングユニット10A~10Dを動作させる(ステップS2)。具体的には、パッシブイメージング装置1は、第1~第4センシングユニット10A~10Dのそれぞれのポリゴンミラー11を回転駆動する。これにより、第1~第4センシングユニット10A~10Dは、前記被検者の人体2から放射される前記第1周波数帯の電磁波F1及び前記第2周波数帯の電磁波F2を受信してその信号強度(受信レベル)を検出することが可能になる。
【0033】
  次に、パッシブイメージング装置1は、第1~第4センシングユニット10A~10Dのそれぞれで検出される、ポリゴンミラー11のミラー角度(走査角)毎の前記第1周波数帯の電磁波F1の信号強度(受信レベル)と、前記第2周波数帯の電磁波F2の信号強度(受信レベル)とを取得する。具体的には、パッシブイメージング装置1は、第1~第4センシングユニット10A~10Dのそれぞれについて、ポリゴンミラー11のミラー角度(走査角)が上限から下限まで変化する間の所定角度毎に受信される前記第1周波数帯の電磁波F1の信号強度(受信レベル)B1と、前記所定角度毎に受信される前記第2周波数帯の電磁波F2の信号強度(受信レベル)B2とを取得する(ステップS3~S8)。なお、前記所定角度は、パッシブイメージング装置1が生成する画像の画素数などに応じて予め設定されている。
【0034】
  次に、パッシブイメージング装置1は、第1~第4センシングユニット10A~10Dのそれぞれについて、前記ミラー角度(走査角)が上限から下限まで変化する間の前記所定角度毎、すなわち、前記ミラー角度(走査角)毎の前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1を画像(画素)配列の現在時刻列に保存する(ステップS9)。なお、
図7は、ここで(つまり、ステップS9で)保存される前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1の一例を示している。
 
【0035】
  また、パッシブイメージング装置1は、第1~第4センシングユニット10A~10Dのそれぞれについて、前記ミラー角度(走査角)が上限から下限まで変化する間の前記所定角度毎、すなわち、前記ミラー角度(走査角)毎の前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2を画像(画素)配列の現在時刻に保存する(ステップS10)。なお、
図8は、ここで(つまり、ステップS10で)保存される前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2の一例を示している。
 
【0036】
  さらに、パッシブイメージング装置1は、第1~第4センシングユニット10A~10Dのそれぞれについて、対応するミラー角度(対応走査角)での前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1と前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2とを合算する(ステップS11)。なお、
図9は、合算結果の一例を示している。
 
【0037】
  次に、パッシブイメージング装置1は、進出検知センサ43、43によって前記被検者の進出が検知されたか否かを判定する(ステップS12)。そして、前記被検者の進出が検知されていない場合、パッシブイメージング装置1は、ステップS3~ステップS11の処理を繰り返す。
【0038】
  他方、前記被検者の進出が検知された場合、パッシブイメージング装置1は、前記ミラー角度(走査角)毎の前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1(
図7参照)に基づいて前記被検者の人体2についての画像(以下「第1画像」という)を生成する(ステップS13)。
 
【0039】
  具体的には、本実施形態において、パッシブイメージング装置1は、第1センシングユニット10Aにおける前記ミラー角度(走査角)毎の前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1に基づいて前記被検者の人体2の正面左半分の画像を生成し、第2センシングユニット10Bにおける前記ミラー角度(走査角)毎の前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1に基づいて前記被検者の人体2の正面右半分の画像を生成し、生成された正面左半分の画像と正面右半分の画像とを合成(合体)して前記被検者の人体2の第1正面側画像を生成する。また、パッシブイメージング装置1は、第3センシングユニット10Cにおける前記ミラー角度(走査角)毎の前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1に基づいて前記被検者の人体2の背面左半分の画像を生成し、第4センシングユニット10Dにおける前記ミラー角度(走査角)毎の前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1に基づいて前記被検者の人体2の背面右半分の画像を生成し、生成された背面左半分の画像と背面右半分の画像とを合成して前記被検者の人体2の第1背面側画像を生成する。
【0040】
  また、パッシブイメージング装置1は、前記ミラー角度(走査角)毎の前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2(
図8参照)に基づいて前記被検者の人体2についての第2画像を生成する(ステップS14)。
 
【0041】
  具体的には、本実施形態において、パッシブイメージング装置1は、第1センシングユニット10Aにおける前記ミラー角度(走査角)毎の前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2に基づいて前記被検者の人体2の正面左半分の画像を生成し、第2センシングユニット10Bにおける前記ミラー角度(走査角)毎の前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2に基づいて前記被検者の人体2の正面右半分の画像を生成し、生成された正面左半分の画像と正面右半分の画像とを合成して前記被検者の人体2の第2正面側画像を生成する。また、パッシブイメージング装置1は、第3センシングユニット10Cにおける前記ミラー角度(走査角)毎の前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2に基づいて前記被検者の人体2の背面左半分の画像を生成し、第4センシングユニット10Dにおける前記ミラー角度(走査角)毎の前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2に基づいて前記被検者の人体2の背面右半分の画像を生成し、生成された背面左半分の画像と背面右半分の画像とを合成して前記被検者の人体2の第2背面側画像を生成する。
【0042】
  さらに、パッシブイメージング装置1は、前記対応するミラー角度(対応走査角)での前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1と前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2との合算結果(
図9参照)に基づいて前記被検者の人体2についての第3画像を生成する(ステップS15)。
 
【0043】
  具体的には、本実施形態において、パッシブイメージング装置1は、第1センシングユニット10Aにおける前記対応走査角での前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1と前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2との合算結果に基づいて前記被検者の人体2の正面左半分の画像を生成し、第2センシングユニット10Bにおける前記対応走査角での前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1と前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2との合算結果に基づいて前記被検者の人体2の正面右半分の画像を生成し、生成された正面左半分の画像と正面右半分の画像とを合成して前記被検者の人体2の第3正面側画像を生成する。また、パッシブイメージング装置1は、第3センシングユニット10Cにおける前記対応走査角での前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1と前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2との合算結果に基づいて前記被検者の人体2の背面左半分の画像を生成し、第4センシングユニット10Dにおける前記対応走査角での前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1と前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2との合算結果に基づいて前記被検者の人体2の背面右半分の画像を生成し、生成された背面左半分の画像と背面右半分の画像とを合成して前記被検者の人体2の第3背面側画像を生成する。
【0044】
  次に、パッシブイメージング装置1は、生成された前記被検者の人体2についての第1~第3画像(第1~第3正面側画像及び第1~第3背面側画像)のそれぞれにエッジ強調処理を施してそれぞれのエッジ強調画像を生成し(ステップS16)、生成されたエッジ強調画像を表示部30に表示する(ステップS17)。
【0045】
  図10は、表示部30に表示されるエッジ強調画像の一部を模式的に示す図であり、
図10(a)は、第1正面側画像のエッジ強調画像の一例を示し、
図10(b)は、第2正面側画像のエッジ強調画像の一例を示し、
図10(c)は、第3正面側画像のエッジ強調画像の一例を示している。
 
【0046】
  次に、パッシブイメージング装置1は、生成されたエッジ強調画像、すなわち、前記第1画像のエッジ強調画像、前記第2画像のエッジ強調画像及び前記第3画像のエッジ強調画像に基づいて前記被検者が前記特定の物品を所持しているか否かの判定(所持品有無判定)を行い、前記被検者が前記特定の物品を所持している場合にはその旨を上位装置に通知し又はその旨を検査員に報知する(ステップS18)。その後、パッシブイメージング装置1は、第1~第1~第4センシングユニット10A~10Dを停止させ(ステップ19)、本フローを終了する。
【0047】
  ここで、実施形態に係るパッシブイメージング装置1の従来の同種装置と比較した利点について説明する。
【0048】
  既述のように、前記被検者が物品を所持している場合、物品のある部分は前記被検者の人体2から放射された電磁波が遮られて低下する。例えば、前記被検者の人体2から放射される電磁波の信号強度を「1」とし、物品の電磁波透過率を0.5とすると、物品のある部分では被検者の人体2から放射された電磁波の信号強度は「0.5」になる。このとき、物品から放射される電磁波の信号強度が「0.5」である場合、パッシブイメージング装置によって受信される電磁波の信号強度(受信レベル)は、物品のある部分で「0.5」+「0.5」=「1」となり、物品のない部分の「1」と差がなくなる。すると、パッシブイメージング装置で生成される、前記被検者の人体2を背景とする画像中に物品の形状がシルエットとして現れず、その結果、パッシブイメージング装置及び/又は検査員は、前記被検者が物品を所持しているにもかかわらず、前記被検者が物品を所持していないと誤判定してしまう。
【0049】
  ところで、物品の電磁波透過率は、
図11に示されるように、電磁波の周波数帯によって異なり、一般に、高い周波数帯の電磁波ほど低くなる傾向がある。したがって、パッシブイメージング装置が被検者の人体から放射される互いに異なる複数の周波数帯の電磁波を受信して周波数帯毎に前記被検体の人体についての画像を生成すれば、上述のような誤判定を低減することが可能になると考えられる。
 
【0050】
  この点、実施形態に係るパッシブイメージング装置1は、前記被検者の人体2から放射された互いに異なる複数の周波数帯の電磁波(前記第1周波数帯の電磁波F1及び前記第2周波数帯の電磁波F2)を受信し、前記被検者の人体2についての画像として、前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルに基づく前記第1画像、前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルに基づく前記第2画像、及び、前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルと前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルの合算結果に基づく前記第3画像を生成すると共に、これらのエッジ強調画像を生成するようにしている。このため、例えば前記被検者の所持する物品の形状が前記第1画像中にシルエットとして現れない場合でも、前記第2画像中及び前記第3画像中には被検者の所持する物品の形状がシルエットとして現れ得る。あるいは、前記第1画像中及び前記第2画像中に現れた被検者の所持する物品の形状のシルエットが不鮮明である場合でも、第3画像中には被検者の所持する物品の形状のシルエットが比較的鮮明に現れ得る。したがって、実施形態に係るパッシブイメージング装置1によれば、従来の同種装置と比較して、所持品検査において被検者の所持品の見落としを大幅に低減することができ、また、前記特定の物品の検知率も向上する。
【0051】
  なお、上述の実施形態において、パッシブイメージング装置1は、前記被検者の人体2から放射された互いに異なる2つの周波数帯の電磁波(前記第1周波数帯の電磁波F1及び前記第2周波数帯の電磁波F2)を受信して前記被検体の人体2についての画像を生成している。しかし、これに限られるものではない。パッシブイメージング装置1は、前記被検者の人体2から放射された互いに異なる3つ以上の周波数帯の電磁波を受信して前記被検者の人体2についての周波数毎の画像を生成してもよい。
【0052】
  また、上述の実施形態において、パッシブイメージング装置1は、前記被検体についての前記第1画像のエッジ強調画像、前記第2画像のエッジ強調画像及び前記第3画像のエッジ強調画像に基づいて前記被検者が前記特定の物品を所持しているか否かを判定している。しかし、これに限られるものではない。パッシブイメージング装置1は、エッジ強調処理を省略して、前記第1画像、前記第2画像及び前記第3画像に基づいて前記被検者が前記特定の物品を所持しているか否かを判定してもよい。あるいは、パッシブイメージング装置1は、前記第1画像若しくは前記第1画像のエッジ強調画像又は前記第2画像若しくは前記第2画像のエッジ強調画像と、前記第3画像又は前記第3画像のエッジ強調画像とに基づいて前記被検者が前記特定の物品を所持しているか否かを判定してもよい。さらに、パッシブイメージング装置1は、前記第3画像又は前記第3画像のエッジ強調画像のみに基づいて前記被検者が前記特定の物品を所持しているか否かを判定してもよい。
【0053】
  また、上述の実施形態において、第1~第4センシングユニット10A~10Dのそれぞれは、受信アンテナ13によって受信された電磁波(F1+F2)を分波器14によって前記第1周波数帯の電磁波F1と前記第2周波数帯の電磁波F2とに分波している。しかし、これに限られるものではない。例えば
図12に示されるように、第1~第4センシングユニット10A~10Dのそれぞれは、分波器14に代えて、分配器17、前記第1周波数帯を通過させる第1バンドパスフィルタ(第1BPF)18A及び前記第2周波数帯域を通過させる第2バンドパスフィルタ(第2BPF)18Bを用いることにより、受信アンテナ13によって受信された電磁波(F1+F2)を前記第1周波数帯の電磁波F1と前記第2周波数帯の電磁波F2とに分波するように構成されてもよい。
 
【0054】
  また、上述の実施形態において、パッシブイメージング装置1は、対応するミラー角度(対応走査角)での前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルB1と前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルB2とを合算し、合算結果に基づいて前記被検者の人体2についての第3画像を生成するとともに、この第3画像のエッジ強調画像を生成するようにしている。しかし、これに限られるものではない。パッシブイメージング装置1は、前記第1周波数帯の電磁波F1の受信レベルに基づく前記第1画像のエッジ強調画像と、前記第2周波数帯の電磁波F2の受信レベルに基づく前記第2画像のエッジ強調画像とを合成して(重ね合わせて)合成エッジ強調画像を生成するようにしてもよい。この場合のパッシブイメージング装置1は、例えば以下のように動作する。
【0055】
  図13及び
図14は、パッシブイメージング装置1の動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
図13及び
図14において、ステップS21~S33の処理は、
図5及び
図6におけるステップS1~S10、S12~S14の処理と同じであるので説明を省略し、ステップS34以降の処理について説明する。
 
【0056】
  パッシブイメージング装置1は、前記被検者の人体2についての前記第1画像(第1正面側画像及び第1背面側画像)を生成し(ステップS32)、及び、前記被検者の人体2についての前記第2画像(第2正面側画像及び第2背面側画像)を生成すると(ステップS33)、前記第1画像及び前記第2画像のそれぞれにエッジ強調処理を施してそれぞれのエッジ強調画像を生成する(ステップS34)。
【0057】
  次に、パッシブイメージング装置1は、前記第1画像のエッジ強調画像と前記第2画像のエッジ強調画像とを合成して(重ね合わせて)合成エッジ強調画像を生成し(ステップS35)、前記第1画像のエッジ強調画像、前記第2画像のエッジ強調画像及び前記合成エッジ強調画像を表示部30に表示する(ステップS36)。
【0058】
  次に、パッシブイメージング装置1は、前記第1画像のエッジ強調画像、前記第2画像のエッジ強調画像及び前記合成エッジ強調画像に基づいて前記被検者が前記特定の物品を所持しているか否かの判定(所持品有無判定)を行い、前記被検者が前記特定の物品を所持している場合にはその旨を上位装置に通知し又はその旨を検査員に報知する(ステップS37)。その後、パッシブイメージング装置1は、第1~第1~第4センシングユニット10A~10Dを停止させ(ステップ38)、本フローを終了する。
【0059】
  このようにしても上述の実施形態と同様の効果が得られる。
【0060】
  なお、パッシブイメージング装置1は、前記第1画像と前記第2画像との合成画像を生成し、生成された合成画像にエッジ強調処理を施して合成エッジ強調画像を生成してもよい。また、パッシブイメージング装置1は、エッジ強調処理を省略して、前記第1画像、前記第2画像及び前記合成画像に基づいて前記被検者が前記特定の物品を所持しているか否かを判定してもよい。あるいは、パッシブイメージング装置1は、前記第1画像若しくは前記第1画像のエッジ強調画像又は前記第2画像若しくは前記第2画像のエッジ強調画像と、前記合成画像又は前記合成エッジ強調画像とに基づいて前記被検者が前記特定の物品を所持しているか否かを判定してもよい。さらに、パッシブイメージング装置1は、前記合成画像又は前記合成エッジ強調画像のみに基づいて前記被検者が前記特定の物品を所持しているか否かを判定してもよい。
【0061】
  以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は、上述の実施形態や変形例に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらなる変形及び変更が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0062】
  1…パッシブイメージング装置、2…(被検者の)人体、3…電磁波、10A~10D…第1~第4センシングユニット、11…ポリゴンミラー(スキャンミラー)、12…集光ミラー、13…受信アンテナ、14…分波器、15A,15B…第1、第2アンプ、16A,16B…第1、第2検出器、17…分配器、18A,18B…第1、第2バンドパスフィルタ、20…処理部、30…表示部、41…角度検出センサ