IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特許7753100事前承認された包装特徴に基づく包装製造データセットの作成および包装の製造
<>
  • 特許-事前承認された包装特徴に基づく包装製造データセットの作成および包装の製造 図1
  • 特許-事前承認された包装特徴に基づく包装製造データセットの作成および包装の製造 図2
  • 特許-事前承認された包装特徴に基づく包装製造データセットの作成および包装の製造 図3
  • 特許-事前承認された包装特徴に基づく包装製造データセットの作成および包装の製造 図4
  • 特許-事前承認された包装特徴に基づく包装製造データセットの作成および包装の製造 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-03
(45)【発行日】2025-10-14
(54)【発明の名称】事前承認された包装特徴に基づく包装製造データセットの作成および包装の製造
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20251006BHJP
   B65D 85/10 20060101ALI20251006BHJP
   B65D 85/12 20060101ALI20251006BHJP
【FI】
G06Q50/04
B65D85/10
B65D85/12
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021564547
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 EP2020061936
(87)【国際公開番号】W WO2020221820
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】19171932.7
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【弁理士】
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】ブルゴワン フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ダ シルヴァ フォンテス アンドレイア
(72)【発明者】
【氏名】ヘック リカルド アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】クレム ジュリオ
(72)【発明者】
【氏名】クレット ホアキム
(72)【発明者】
【氏名】マークサー クリスチャン ワーナー
(72)【発明者】
【氏名】テシング オネシオ ルイス
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-151898(JP,A)
【文献】特開2003-216847(JP,A)
【文献】国際公開第2015/194050(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/035133(WO,A1)
【文献】特開2015-225647(JP,A)
【文献】特開2005-044327(JP,A)
【文献】特開2018-101362(JP,A)
【文献】特開平11-085804(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0112354(KR,A)
【文献】特開2007-334430(JP,A)
【文献】特開2002-150080(JP,A)
【文献】特開平10-207940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65D 85/10
B65D 85/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に消費者製品の包装のための、包装製造データセットを作成するためのコンピュータ実装された方法であって、
異なるカテゴリーでの事前承認された包装特徴のデータベースを提供する工程であって、各事前承認された包装特徴は割り当てられたメタデータを有する、工程と、
事前承認された包装特徴の選択を受信する工程と、
前記包装用の少なくとも一つの製造機械の選択を受信する工程と、
そのメタデータに基づいて、事前承認された包装特徴の前記選択を評価する工程であって、事前承認された包装特徴の前記選択を評価する前記工程が、前記選択された少なくとも一つの製造機械とのそれら包装特徴の適合性を評価することを含み、事前承認された包装特徴の前記選択を評価する前記工程が、製造機械データセットと包装特徴、特にそのメタデータとの比較に基づく、工程と、
前記事前承認された包装特徴が前記選択された少なくとも一つの製造機械と適合性があると評価された場合、前記事前承認された包装特徴に従って、包装を定義する包装製造データセットを作成する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記事前承認された包装特徴を評価する前記工程が、少なくとも二つの包装特徴の前記適合性をそれら包装特徴のメタデータに基づいてチェックする工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記包装製造データセットを保存する工程と、新しい包装製造データセットの作成のために前記包装製造データセットを読み出す工程とを含み、この新しい包装製造データセットは、前記読み出された包装製造データセットの包装特徴を少なくとも部分的に含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
第一のユーザーによって作成された新しい包装特徴を受信する工程と、承認のために第二のユーザーに前記包装特徴を提出する工程と、前記第二のユーザーによって承認された場合、前記承認された包装特徴を事前承認された包装特徴として前記データベースに保存する工程とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記包装特徴が、包装タイプ、前記包装の構成要素、前記包装上の印刷の少なくとも一つの特性、ブランド、テキスト要素、前記包装内の少なくとも一つの消費財の配設、前記包装内に配設された消費財のタイプ、および前記包装の指定された市場のうちの一つである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記事前承認された包装特徴を評価する前記工程が、地理的な承認に関する、その包装特徴のメタデータを評価することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記包装製造データセットに基づいて包装を製造する工程であって、印刷、切断、エンボス加工、折り曲げ、筋付け、またはスコアリングのうちの少なくとも一つの変換する動作を伴う、工程と、
前記製造された包装の評価に基づいて、前記包装製造データセットの承認を受信する工程と、
前記包装製造データセットを、承認された包装製造データセットとしてデータベースに保存する工程と、をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記包装上の印刷の特性を、測定装置、特に分光光度計を使用して測定することと、
前記測定された特性を、色を定義する包装特徴と比較することと、
前記包装特徴を承認することと、によって前記印刷された包装を評価することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
すべての包装特徴が、事前承認された包装特徴であるか、またはユーザーによって手動で承認されるかのいずれかである時に、前記包装製造データセットを承認する工程をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
包装を製造するための方法であって、請求項1~9のいずれか一項に記載の包装製造データセットを作成するためにコンピュータ実装された方法を含み、かつ前記包装製造データセットに従って前記包装を製造する工程をさらに含む、方法。
【請求項11】
前記包装を製造する前記工程がデジタル印刷を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記包装製造データセットが、前記選択された包装特徴によって定義された包装を製造するために、それぞれの製造機械に必要なすべてのデータを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
グラフィカルユーザーインターフェースを含むコンピュータシステムであって、
前記グラフィカルユーザーインターフェースが、異なるカテゴリーにおいて事前承認された包装特徴の組を表示するように適合されていて、
一つの組における事前承認された包装特徴の、ユーザーによる選択が、前記グラフィカルユーザーインターフェース上に表示された少なくとも別の組における選択可能な事前承認された包装特徴の数を、前記事前承認された包装特徴の前記適合性に基づいて減少させるように、前記コンピュータシステムが適合されている、コンピュータシステム。
【請求項14】
前記グラフィカルユーザーインターフェースが、使用可能な製造機械の選択を可能にするように適合されていて、製造機械のユーザーによる前記選択が前記グラフィカルユーザーインターフェース上の選択可能な事前承認された包装特徴の数を減少させるように、前記コンピュータシステムが適合されている、請求項13に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
ユーザーによって選択された前記事前承認された包装特徴に従って、前記グラフィカルユーザーインターフェース上に前記包装のプレビューを表示するように適合されている、請求項13または請求項14に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に消費者製品の包装のための、包装製造データセットの作成と、包装を製造するための方法と、グラフィカルユーザーインターフェースを含むコンピュータシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者製品の包装に関する可能性は、過去数年を通して大幅に増加している。数多くの新しい製造技法、特に印刷技法が提案されていて、また同時に包装の品質に関する消費者の期待も高まっている。さらに、グローバル化した市場に起因して、現地のニーズに応じて異なる国において異なる要件および異なる製造量を実現する必要がある。消費者製品の分野で競争力を持つために、例えばある特定のイベントまたはマーケティングキャンペーンを考慮した、包装デザインの頻繁な新しい設計、再設計、または修正が実行されることがさらに期待されている。新しいまたは修正された設計の決定から、新しい包装の製造を可能にする包装製造データセットを有するまでのプロセスを早めることが非常に望ましい。現時点で、このプロセスは満足のいく完了まで数週間を要する場合がある。
【0003】
しかしながら、包装設計の再設計は作業が集約的であり、多くの場合、関連する製造機械の数多くの異なる要件を考慮し、かつ実装する必要があるため、初期製造の遅れにつながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、新しい消費者製品包装の作成を容易にするという目的を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、特に消費者製品包装のための、包装製造データセットを作成するためのコンピュータ実装方法を提供し、異なるカテゴリーにおける事前承認された包装特徴のデータベースが提供されていて、各承認された包装特徴は割り当てられたメタデータを有する。事前承認された包装特徴の選択が受信されると、事前承認された包装特徴の選択はメタデータに基づいて評価され、包装製造データセットが作成され、事前承認された包装特徴に従って包装が定義される。事前承認された包装特徴のデータベースを提供することは、包装製造データセットが、対応する包装を生産するのに適切であることを確実にするか、または少なくとも、所望の包装を生産する効率的なやり方を確実にする包装製造データセットの定義および作成の技術的タスクを遂行することにおいて、ユーザーを支援する。1人のユーザーのみの相互作用が必要な場合、方法を即座に完了することができる。もしくは数人のユーザーの相互作用、またはサンプル包装の少なくとも一つの測定、またはユーザーの相互作用と少なくとも一つの測定との両方を必要とする場合、方法を少なくともほんの数日で完了することができる。対照的に、先行技術において、ユーザーは、自身の経験または記憶に基づいて、包装製造データセットを設計することになる。先行技術のアプローチは通常、数回の反復を必要とする。反復は、時間の損失と、コストおよび廃棄物の増加とにつながる。特に、個々の包装特徴に関する製造技法または現地要件の影響を評価する必要がある。追加的に、または別の方法として、包装製造データセットを適合させることによって、可能性のある不適合性または欠陥を検出し、解決しなければならない。先行技術のアプローチにおいて、これは、世界中の複数の市場で頻繁にかつ迅速に変更されることが望まれる消費者包装の分野において特に煩雑である。多くの場合、こうした包装は、現地の消費者の嗜好または法的要件の違いに起因して、多くの異なる市場のために設計修正が必要となる。特に、こうした境界技術的な条件、または規制条件への包装の適合に対するこのニーズは、密接に関連するが、互いにわずかにまたは著しく異なる、数多くの異なる包装製造データセットの作成を必要とする。例えば、ローカライズされた製造に起因して、異なる製造機械が、異なる製造施設において使用可能である場合がある。異なる製造機械は、異なる構築順序を必要とする場合がある。異なる製造機械はまた、例えば異なるように印刷または変換される包装ブランクなど、包装材料の異なる部品を必要とする場合がある。
【0006】
異なるロットサイズに起因して、異なる製造技法を推奨できる場合がある。異なる法的要件に起因して、包装のために異なる機能を提供しなければならない場合がある。例えば、厚紙包装は、設計要素として特定の3Dエンボス加工構造を備えることが望ましい場合があり、この構造は一つの印刷技法と適合性があるものの、別の印刷技法を用いると欠陥をもたらす場合がある。後者の印刷技法は、より小さい市場向けの包装のバージョンのためには好ましい場合がある。
【0007】
事前承認された包装特徴のデータベースは、包装を設計する時に選択することができる異なる特徴を備える電子ライブラリであることが好ましい。これらの特徴は、より良好な読み出し性能を提供するために、異なるカテゴリーに分類されてもよい。カテゴリーは、包装の異なる態様に関連する場合がある。特に、包装特徴は、以下の例示的なカテゴリー、すなわち基材、包装タイプ、包装形態、包装上に提供される情報、包装上に提供される設計要素、封止特徴および保存特徴、追加のマーケティングの特徴のうちの少なくとも一つに分類される。
【0008】
好ましくは、事前承認された包装特徴のデータベースは、クラウドストレージに提供されてもよく、また選択はローカル端末で受信されてもよい。
【0009】
各包装特徴に関して提供されるメタデータは、特徴自体を特定するデータを補足するデータである。メタデータは、例えば以下のパラメータのうちの一つに関連する場合がある。
-少なくとも一つの製造機械、または包装特徴を製造可能である変換動作、
-例えば、サイズ、色、形態、内容、および/または製造技法などの特徴に関する制限、
-ある特定の特徴を有する状況で提供される必要な情報など、特徴に関する法的要件、
-材料の組成物、物理的および化学的特性、例えば板の厚さ、被覆のうちの一つ以上、
-特徴の形態、特に3D形態または2D形状、
-特徴の色(複数可)、特に色またはインクの範囲または組成、
-特徴のために使用される材料、
-上記のうちのいずれかに関する代替。
【0010】
包装製造データセットは、それぞれの製造機械が、選択された包装特徴によって定義された包装を製造するために必要なすべてのデータ、またはそれぞれの製造機械が、選択された包装特徴によって定義された包装を製造するために必要な少なくとも一部のデータを含むことが好ましい。
【0011】
包装製造データセットは、少なくとも一つの製造機械に対する機械命令を含んでもよい。機械命令は、製品包装を製造するプロセスの少なくとも一部を製造機械が実行することを可能にする場合がある。機械命令は、それぞれの製造機械に直接提供されてもよい。本発明は、製品包装を製造するための一つ以上の製造機械を提供するために、機械命令を得ることを容易にする場合がある。包装製造データセットは、事前承認された包装特徴に従って作成されるため、機械命令はまた、事前承認された包装特徴に基づく場合がある。
【0012】
包装製造データセットは、オペレーター命令データを含んでもよい。オペレーター命令データは製造機械に提供される前にオペレーターによる中間調整工程または中間入力工程を必要とする場合があり、この工程はオペレーター命令データに基づいて製品包装を製造するプロセスの少なくとも一部を実行する。本発明は、製品包装を製造するための一つ以上の製造機械に提供するために、オペレーター命令データを得ることを容易にする場合がある。包装製造データセットは、事前承認された包装特徴に従って作成されるため、オペレーター命令データも、事前承認された包装特徴に基づく場合がある。
【0013】
包装製造データセットは、機械命令、またはオペレーター命令データ、または機械命令とオペレーター命令データを含んでもよい。
【0014】
本発明の方法で、事前承認された包装特徴のメタデータは、事前承認された包装特徴の選択の評価および即時のフィードバックを可能にする。所望の包装の製造に直ちに適切ではない包装製造データセットの作成を回避するために、修正提案または自動修正(または修正提案と自動修正の両方)が提供されてもよい。これは有利なことに、選択された(および使用可能な)製造機械との不適合性につながらない、包装製造データセットに対してのみ包装特徴を組み合わせることができることを確実にする。
【0015】
本方法は、包装用の少なくとも一つの製造機械、特に変換機械の選択を受信する工程を含み、事前承認された包装特徴の選択の評価は、選択された少なくとも一つの製造機械とのそれら包装特徴の適合性を評価することを含むことが好ましい。評価は、製造機械データセットと、包装特徴、特にそのメタデータとの比較に基づいてもよい。一部の実施形態において、選択はユーザーから直接受信され、他の実施形態において、さらなるコンピュータ実装方法工程の結果として受信されてもよく、これはユーザーの設計要件または製造要件(または設計要件および製造要件もしくは他の要件)に応じて、製造機械を決定する。例えば、ヒートシール機械が選択される場合、少なくとも、ヒートシールが実際に施される包装の領域において、熱感受性包装特徴に関する適合性評価が行われてもよい。他の例としては、折り曲げ、筋付け、またはスコアリングの形態での、ある特定の包装特徴と、ある特定の印刷製造機械との不適合性が挙げられる。印刷は、これらの包装特徴を施すことによって破壊される場合があり、またはこのような特徴が存在する包装の領域に施されることができない場合があるため、これは有利である。包装の製造は、少なくとも一つの、かつ好ましくは数多くの変換操作を伴う場合がある。文書全体を通して、「変換」という用語は、包装要素の外観、形状、触覚、および機能のうちの一つ以上を変更する動作を指すために使用される。包装要素は、例えばブランク、一片の厚紙、箔、金属化紙、または物品の包装の一部とするのに適切な他の材料であってもよい。可能な変換動作は、色もしくは表面構造を施すこと、または色および表面構造を施すこと、例えば印刷、被覆、または金属化である。別の方法として、または追加的に、変換動作は、形態変更動作、特に折り曲げ、筋付け、スコアリング、エンボス加工、またはホットフォイルスタンピングであってもよい。別の方法として、または追加的に、変換動作は、切断、スタンプ加工、またはスコアリングなどの別個の動作であってもよい。別の方法として、または追加的に、変換動作は、接着または封止などの接合動作であってもよい。
【0016】
特に、幾つかの印刷動作および従って印刷機械は、後で提供されてもよい。例えば、テキストなどの高度にカスタマイズ可能な包装特徴は、デジタル印刷などの適合可能な印刷方法で印刷されてもよく、一方で二つ以上の異なる包装データセットにわたって同一のままである印刷は、より汎用性が低いものの、より経済的な、またはより精密な方法(グラビア印刷など)で印刷されてもよい。
【0017】
折り曲げられた厚紙包装の製造に関与する製造機械は、前述の変換動作のうちの一つ以上を実行するように適合された機械であってもよい。例えば、製造機械のうちの少なくとも一つは、印刷機械、切断およびスコアリング機械、折り曲げ機械、接着機械、および収縮包装機械であってもよい。前述の機能の一部、またはすべての機能は、単一の製造機械の中に存在する場合もある。ラベルを施すための、またはインサート、オンサート、もしくはアウトサートを施すための、または例えばエンボス加工、フロック加工、金属化、もしくは被覆(またはそれらの任意の組み合わせ)などの表面処理を施すための機械などのさらなる製造機械も関与する場合がある。例示的な製造ラインにおいて、ロールからのシート材料の巻き出し、フレキソ印刷、デジタル印刷、(回転)エンボス加工、スリット加工、巻き戻し、(デジタル)筋付け、(デジタル切断)、(ダイ)カッティング、およびエンボス加工のうちの少なくとも一部の製造または変換動作が実施される。
【0018】
さらに、事前承認された包装特徴の選択の評価は、それぞれの包装特徴の製造のために選択された製造機械とのそれら包装特徴の適合性の評価を含んでもよい。例えば、ユーザーは、ある特定の印刷機械を用いてある特定の印刷を施すことが可能であるという、またはある特定の折り曲げ機械が、ある特定の材料の折り曲げを提供する能力を有しうるという、見解の誤りがある可能性がある。これらの場合、または他の場合に、方法は少なくともユーザーに通知してもよい。別の方法として、または追加的に、方法は自動的にまたは半自動的に(例えば、ユーザーの確認とともに)、包装データセットを適合させて、ユーザーの技術的制限およびその他の要件を充足することができる。特に、製造機械は、包装構成要素の印刷、切断、折り曲げ、または組立のうちの少なくとも一つに適合されてもよい。
【0019】
特に、事前承認された包装特徴の評価は、そのメタデータに基づいて、少なくとも二つの包装特徴の適合性をチェックすることを含む。例えば、印刷のある特定の特性は、ある特定の基材(例えば、フィルム材料、プラスチック、紙または厚紙のうちの一つ以上)との適合性がない場合があり、この基材は、ある特定の基材の特性(例えば、表面粗さ、導電性、疎水性特性、または被覆および類似のもの)を有する。さらに、ある特定の包装タイプおよびサイズが、選択された印刷設計のために十分なスペースを提供するかどうかがチェックされてもよい。例えば、ある特定のフォントサイズおよびタイプが、設計に関する前提条件であってもよいが、異なる翻訳において文字の量が異なる場合がある。それ故に、ある特定の地理的地域の場合、包装の所望の区域にテキストを提供するために十分なスペースがない場合がある。本発明によると、これは適合性評価において直ちに明らかにされる場合がある。
【0020】
本発明の一実施形態において、方法は、包装製造データセットを保存する、かつ新しい包装製造データセットの作成のために包装製造データセットを読み出す工程を含み、これは読み出された包装製造データセットの包装特徴を少なくとも部分的に含む。これは、既存の包装製造データセットの変形である新しい包装製造データセットをユーザーが素早く得る、または作成することを可能にする。これは、例えば異なる言語を有する、またはどの情報を包装上に提供しなければならないかについて異なる法的要件を有する幾つかの異なる市場で類似した設計が使用される場合に、特に有用である。
【0021】
特に、方法は、第一のユーザーによって作成された新しい包装特徴を受信する、かつ承認のために第二のユーザーに包装特徴を提出する、かつ(第二のユーザーによって承認された場合に)承認された包装特徴を事前承認された包装特徴としてデータベースに保存する工程を含んでもよい。これは、事前承認された包装特徴のデータベースを素早く構築することを可能にする。例えば、第二のユーザーは、技術的実施に責任を持つ場合があり、それ故に包装特徴がいずれかの技術的不適合性につながる可能性があるかどうかを検討することになる。第二のユーザーは、技術的不適合性が回避されるように、包装特徴、またはそのメタデータ(または包装特徴とそのメタデータの両方)を修正してもよい。他の実施形態において、第一のユーザーは、技術的実施に関与するユーザーであってもよく、また第二のユーザーは、例えば法的要件またはマーケティング要件などの他の要件をモニターするユーザーであってもよい。
【0022】
特に、包装特徴は、包装タイプ、包装の構成要素、包装上の印刷の少なくとも一つの特性、ブランド、テキスト要素、包装内の少なくとも一つの消費財の配設、包装内に配設された消費財のタイプ、および包装に対して指定された市場のうちの一つである。喫煙物品の分野において、包装タイプは、例えばヒンジリッド容器、ソフトパック容器、スライド・アンド・シェル容器、またはショルダーボックス容器であってもよい。喫煙物品またはエアロゾル発生物品の分野において、包装の構成要素は、喫煙物品を保存する内側密封包装であってもよい。包装上の印刷の特性は、光沢のある印刷または印刷内の粗いセクションであってもよい。製品のブランドの形態の包装特徴は、ある特定の他の包装特徴の制限につながる場合がある。例えば、ブランドが包装上のある特定の位置または特定のサイズで提供されることが義務付けられる場合がある。テキスト要素の形態の包装特徴は、テキスト要素を十分な明瞭度で提供することができる、ある特定の印刷技法の要件につながる場合がある。
【0023】
事前承認された包装特徴は、機械可読命令を含んでもよい。事前承認された包装特徴の機械可読命令は、消費者製品包装を製造するプロセスにおいて一つ以上の製造工程を実行するために、一つ以上の製造機械が使用する機械可読命令を含んでもよい。一つ以上の製造工程は、事前承認された包装特徴に関する製造工程であってもよい。事前承認された包装特徴の機械可読命令は(単独で、または追加的なデータもしくは情報と組み合わせて)、一つ以上の製造機械が一つ以上の製造工程を実行することを可能にする。
【0024】
包装製造データセットを作成する工程は、選択された事前承認された包装特徴のすべてまたは一部からの機械可読命令を、一組の機械可読命令と組み合わせることを含んでもよい。一組の機械可読命令は、一つ以上の製造機械が、消費者製品包装を製造するプロセスの少なくとも一部を実行することを可能にする、機械命令の少なくとも一部を形成してもよい。
【0025】
喫煙物品またはエアロゾル発生物品などのロッド状の消費財の包装の分野において、包装内の少なくとも一つの消費財の配設に関する包装特徴は、例えば並べ方であってもよい。並べ方は、特に包装内のロッド状の消費財の行および列の数、およびこれらの行および列が、例えば入れ子になった関係において、互いに対してどのように配置されているかを記述する。並べ方によって、他の包装特徴を考慮して包装内にどれだけのスペースが残されるかが決定される。包装内に配設された消費財のタイプは、例えば包装内に配設された可燃性の喫煙物品または加熱非燃焼タイプのエアロゾル発生物品があるかどうかを定義してもよい。消費財のタイプは、例えばそれぞれの物品の鮮度または湿度の保存に関して、またはセキュリティ要件に関して、ある特定の制限または要件を課してもよい。包装の指定された市場の形態の包装特徴は、包装設計を考慮した制限につながる場合がある。例えば、異なる管轄区域において、例えば包装の中に含まれる消費財に応じて、異なる情報を包装に提供しなければならない場合がある。
【0026】
事前承認された包装特徴の評価には特に、地理的な承認に関するそれらのメタデータの評価が含まれる。それ故に、包装特徴を作成する時、ある特定の国または管轄区域向けに手動で承認されてもよく、またこの情報はメタデータに含まれてもよい。それ故に、ある特定の管轄区域向けに承認されていない包装特徴をユーザーが選択する場合、選択の拒絶または他の包装特徴の修正がある場合がある。例えば、ユーザーは、包装上に提供されるホログラフィック要素の包装特徴を選択してもよい。しかしながら、ある特定の管轄区域において、こうした要素を提供するための実行可能な場所が、ある特定の情報を製品上に含むように指定されてもよい。それ故に、一部の管轄区域については、望ましい包装特徴を有する包装を製造することが可能である場合があるが、他の管轄区域については、ホログラムを製造するそれぞれの機械は、使用可能な機械所在地でホログラムを製造する能力を有しない場合がある。それ故に、地理的な承認に関するメタデータを評価することによって、製造機械では製造することができない特徴を製造するように製造機械が命令される状況を回避することが可能である。
【0027】
一実施形態において、本方法は、包装製造データセットに基づいて包装を製造することと、少なくとも一つの変換動作、特に印刷、切断、エンボス加工、折り曲げ、筋付け、またはスコアリングのうちの少なくとも一つを伴うことと、製造された包装の評価に基づいて包装製造データセットの承認を受けることと、包装製造データセットを承認された包装製造データセットとしてデータベースに保存することとを含む。こうした方法工程は、ある特定の印刷特性または印刷技法の形態の包装特徴が、ある特定の包装タイプまたは包装材料の包装特徴と適合性があるかどうかが未だ明確でない場合、特に有益である場合がある。それ故に、所望の包装特徴の組み合わせの結果を経験的に評価することによって、包装特徴のそれぞれのメタデータに記録することができる、包装特徴の適合性を評価することが可能である。別の方法として、または追加的に、包装特徴のそれぞれの組み合わせは、さらなる参照のために承認されたものとして示される包装製造データセットとしてデータベースに保存されることができ、または包装特徴のそれぞれの組み合わせを有する将来の包装製造データセットのテンプレートとして保存されることができる。
【0028】
別の方法として、または追加的に、包装製造データセットに基づいて包装を製造する工程は、印刷、切断、エンボス加工、折り曲げ、筋付け、またはスコアリングのうちの少なくとも一つを伴ってもよい。さらなる工程において、包装の評価に基づいて包装製造データセットの承認を受け、また包装製造データセットは、承認された包装製造データセットとしてデータベースに保存される。それ故に、少なくとも一つの包装特徴、または好ましくは、互いに対する複数の包装特徴の効果の経験的分析によって、事前承認された包装製造データセットを決定することが可能である。別の方法として、または追加的に、経験的分析によって得られた特性または情報(または特性と情報)は、それぞれの包装特徴のメタデータ内に記録されてもよい。
【0029】
特に、印刷された包装は、測定装置、特に分光光度計を使用して包装の特性を測定することと、測定された特性を包装特徴と比較することと、包装特徴を承認または拒絶することとによって評価される。これは、例えば色表現の質の確保を可能にする。色表現の質は、包装が世界中で馴染みやすい外観を有するように、今日の消費者包装において非常に重要である。特に、異なる印刷機械は、異なる包装材料上で異なる印刷品質を有する場合がある。標的値、例えば予め定義された色参照が提供されることが好ましく、またそれに関する公差範囲が提供されることがさらに好ましい。測定された特性は、予め定義された色参照または公差範囲と比較されることが好ましい。これは、色評価における主観性を回避することを可能にする。前に規定の通りの分析を実行して、印刷およびその色表現の高い質を確保する、承認された包装特徴を得ることができる。
【0030】
本方法は、すべての包装特徴が、事前承認された包装特徴であるか、またはユーザーによって手動で承認されている場合、包装製造データセットを承認する工程を含むことが好ましい。好ましい一実施形態において、すべての包装特徴は、事前承認された包装特徴でなければならない。すべての包装特徴が事前承認されている場合、これは有利なことにユーザーの作業負荷を低下させ、従って包装製造データセットの作成の迅速性を向上する。また、すべての包装特徴の事前承認は、潜在的な人的エラーを回避する場合がある。
【0031】
本発明は包装を製造するための方法を提供し、方法は上記に規定の通りの包装製造データセットを作成するためのコンピュータ実装方法を含み、また包装製造データセットに従って包装を製造する工程をさらに含む。特に、ある特定の量の同一の包装が、包装製造データセットに従って製造される。包装を製造する工程は、デジタル印刷を含むことが好ましい。デジタル印刷は、インクジェット印刷、レーザー印刷、オフセット印刷、もしくは他の周知の印刷技法、またはこれらの様々な印刷技法の組み合わせを含む場合がある。デジタル印刷は、紙、厚紙、キャンバス、金属化紙、金属化厚紙、被覆された紙、被覆された厚紙、プラスチックおよびこれらの組み合わせ、例えば金属化プラスチック厚紙ラミネートのうちの少なくとも一つなどの様々な基材に、色物質(特にインクまたはトナー)を塗布してもよい。
【0032】
デジタル印刷の一部の実施形態において、色物質は基材に浸透しないが、基材上に薄い層を形成する場合がある。追加的な接着は、例えば加熱または硬化プロセスによって定着器流体を使用することによって提供されてもよい。
【0033】
デジタル印刷は、予め定義された色域で新しいデザインをほぼ即座に印刷することができるため、新しいデザインに関する高い柔軟性を可能にする。対照的に、ロトグラビア、フレキソ印刷、およびオフセット印刷などのより従来的な印刷技法では通常、印刷を実行できる前に、機器またはツーリングの製造を必要とする。しかしながら、印刷および従って印刷機械の大半の異なるタイプには、ある特定の包装特徴を施すことを阻止する一方で他の包装特徴を可能にする制限がある。
【0034】
事前承認された包装特徴はまた、各包装に特有の、または包装のサブセットにのみ提供される設計要素などの、可変データを有する設計要素に関連する場合がある。これらの設計要素は、ランダムに生成されてもよく、またはリストに含まれてもよい。例えば、各包装は、ランダムに生成されたアートワークを有してもよい。包装の各包装または包装のサブセットは、複数のスローガン、名前、またはブランドのリストからの一つのスローガン、名前、またはブランドを含んでもよい。
【0035】
本発明は、上記に規定の通りの方法を実行するように適合されたコンピュータシステムをさらに提供し、コンピュータシステムは、異なるカテゴリーで事前承認された包装特徴の組を表示するように適合されているグラフィカルユーザーインターフェースを備え、コンピュータシステムは、一つの組における事前承認された包装特徴のユーザーの選択が、事前承認された包装特徴の適合性に基づいて、グラフィカルユーザーインターフェース上に表示された少なくとも別の組における選択可能な事前承認された包装特徴の数を減少させるように適合されている。例えば、ある特定の印刷技法のみを可能にする、ある特定の包装タイプが選択される場合、他の印刷技法を必要とする包装特徴は、もはや表示されない。包装特徴がブランドである場合、製造関連または設計関連の包装特徴の選択は限定される場合がある。例えば、ある特定のブランドの場合、ある特定の印刷技法(例えば、ソフトタッチラッカーを使用すること)は、使用可能である場合があり、または使用可能ではない場合がある。
【0036】
ある特定の製造機械、例えばある特定の印刷機械が選択される時、高解像度グラフィック要素などのある特定の他の包装特徴は、使用可能である場合があり、または使用可能ではない場合がある。少なくともある特定の製造機械カテゴリーでは、すべての製造機械向けに使用可能な、製造機械に依存しない包装特徴がある場合がある。例えば、一部の設計要素またはアートワークは、すべてのタイプの使用可能な印刷機械に対して承認されてもよい。一部の印刷機械または技法は、他の変換動作または機械と適合性がない場合がある。例えば、エンボス加工は、印刷を損傷する可能性があるため、ある特定のタイプの印刷には使用可能ではない場合がある。前述のすべての情報は、包装特徴、または製造機械データセット、または包装特徴と製造機械データセットのメタデータ内に含まれてもよい。
【0037】
それ故に、技術的に実行可能な包装製造データセットの作成に向けて、選択プロセスを通して速やかにユーザーを案内することができる。
【0038】
特に、グラフィカルユーザーインターフェースは、使用可能な製造機械の選択を可能にするように適合されてもよく、コンピュータシステムは、製造機械の選択が、グラフィカルユーザーインターフェース上の選択可能な事前承認された包装特徴の数を減少させるように適合されている。それ故に、選択された、それぞれ使用可能な製造機械に応じて、使用可能な製造機械によって高品質で生産されることができる包装特徴のみが、選択のためにユーザーに提供される。システムは、製造されるべき包装の数量、地理的場所、製造されるべき包装の対象の市場、および包装の内容物のうちの少なくとも一つなどの境界条件に入る可能性を含んでもよい。それ故に、これらの境界条件に依存して、ある特定の設計要素および製造機械のみが提供され、これらはそれぞれの市場向けに承認される。方法は、選ばれたオプションが、生産される所望の量の包装にとって経済的に妥当であるかどうかに基づいて、使用可能なオプションをさらに制限する場合がある。方法はまた、最適な、または所望の製造稼働を決定するための選択肢をユーザーに与えるために、使用可能な、または選択されたオプションに基づいて包装の単価を計算してもよく、または見積もってもよい。包装の単価はユーザーに表示されてもよい。
【0039】
好ましくは、コンピュータシステムは、グラフィカルユーザーインターフェース上に、ユーザーによって選択された事前承認された包装特徴に従って、包装のプレビューを表示するように適合されている。プレビューは、各選択された事前承認された包装特徴を用いて、より詳細になる場合がある。さらに、コンピュータシステムは、例えば事前承認された包装特徴の選択の評価中に、選択された包装特徴が、他の包装特徴、または選択されたもしくは使用可能な製造機械と適合性がないことをシステムが示した場合に、ユーザーが包装特徴の選択を解除することを可能にする場合がある。
【0040】
特に、包装製造データセットは、喫煙物品またはエアロゾル発生物品などの消費財用の容器の製造のために使用される。こうした容器の例示的な包装特徴は、以下で考察されることになる。
【0041】
容器は概して、アクセス可能な内部と、少なくとも一つの容器壁とを含む。例えば、容器は、その中に含まれる消費財(ロール・ユア・オウン・たばこなど)の周りに本質的に巻かれている可撓性のシート材料から形成されたパウチ容器であってもよい。別の方法として、容器は、可撓性の側壁と上部にある開放可能部分とを備える、直方体の形態のソフトパック容器であってもよい。容器は、カップ形状のボックスおよびリッドを備えるヒンジリッド容器であることが好ましく、リッドは、ヒンジ線を介してボックスにヒンジで接続されている。
【0042】
容器の構成要素の相対的な位置を記述するために使用される「前部」、「後部」、「上方」、「下方」、「側面」、「上部」、「底部」という用語およびその他の用語は、上端にリッドがあり、後部にヒンジがある、直立位置にある容器に言及するものである。「左」および「右」という用語は、容器をその直立位置で前部から見た時の容器の側壁に関して使用される。直立位置にある容器が開放している時、ボックス内に包含された消費財は、容器の上方端から取り出されうる。「長軸方向」という用語は、底部から上部への方向またはその逆の方向を指す。「横断方向」という用語は、前部壁、後部壁または側壁のうちの一つを横切って、長軸方向に対して垂直な方向を指す。
【0043】
「ヒンジ線」という用語は、容器を開放するために、これを軸にリッドが旋回しうる線を指す。ヒンジ線は、例えば容器の後部壁の折り目またはスコアラインであってもよい。別の方法として、ヒンジ線は、リッドの後部壁の下方縁とボックスの後部壁の上方縁とを橋渡しする材料片にある折り目またはスコアラインであってもよい。こうした材料片は、例えばリッドの後部壁およびボックスの後部壁に永久的に取り付けられた、または取り外し可能に取り付けられたラベルであってもよい。ヒンジ線は、容器の上方縁の下のレベルにある、容器の後部壁に沿って位置付けられていることが好ましい。
【0044】
容器は、ボックス内に据え付けられた内側フレームをさらに備えることが好ましく、内側フレームは、少なくとも容器のボックスの前部壁の上方縁の上方に延びる。従って、内側フレームは、リッドが開放されている時、消費者に見える。内側フレームの前部壁には、ボックスの前部壁上に印刷されたしるしと同一の、または異なるしるしが印刷されていてもよい。別の方法として、または追加的に、内側フレームの前部壁は、例えば消費財のブランドを反映して、独特の形状に切断されてもよい。必要に応じて、内側フレームはまた、容器の平坦化を容易にする虚弱線も備えてもよい。
【0045】
内側フレームの前部壁には、その上方縁に切り抜き部分が提供されていることが好ましい。これは、内側フレームの前部壁の表面積を著しく減少させることなく、容器内の消費財へのより便利なアクセスを可能にする。
【0046】
内側フレームの代替として、または内側フレームに加えて、容器内の消費財は内側ライナーで包まれてもよく、これは、容器が開放された時にボックスの前部壁および内側フレームの前部壁(存在する場合)の上方縁の上方に見える。
【0047】
容器は、長軸方向の直角の縁および横断方向の直角の縁を有する直方体の形状であってもよい。別の方法として、容器は、一つ以上の長軸方向の丸み付きの縁、横断方向の丸み付きの縁、長軸方向の面取り付きの縁、または横断方向の面取り付きの縁、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、容器は、以下を備えてもよいがこれらに限定されない。
-前部壁上の一つまたは二つの長軸方向の丸み付き縁もしくは面取り付き縁、および/または
-後部壁上の一つまたは二つの長軸方向の丸み付き縁もしくは面取り付き縁。
-前部壁上の一つまたは二つの横断方向の丸み付き縁もしくは面取り付き縁、および/または
-後部壁上の一つまたは二つの横断方向の丸み付き縁もしくは面取り付き縁。
-前部壁上の一つの長軸方向の丸み付き縁および一つの長軸方向の面取り付き縁、および/または
-後部壁上の一つの横断方向の丸み付き縁および一つの横断する面取り付き縁。
-前部壁上の一つまたは二つの横断方向の丸み付き縁もしくは面取り付き縁、および前部壁上の一つまたは二つの長軸方向の丸み付き縁もしくは面取り付き縁。
-第一の側壁上の二つの長軸方向の丸み付き縁もしくは面取り付き縁、または第二の側壁上の二つの横断方向の丸み付き縁もしくは面取り付き縁。
【0048】
容器が一つ以上の丸み付き縁を備え、かつ層状ブランクから製作されている場合、ブランクは、組み立てられた容器において丸み付き縁を形成するための3、4、5、6、または7本のスコアラインまたは筋付け線を備えることが好ましい。スコアラインまたは筋付け線は、容器の内部、または容器の外部のいずれにあってもよい。スコアラインまたは筋付け線は、互いから約0.3mm~4mmだけ離隔していることが好ましい。
【0049】
筋付け線またはスコアラインの間隔は、層状ブランクの厚さに応じていることが好ましい。筋付け線またはスコアラインの間隔は、層状ブランクの厚さの約0.5~約4倍であることが好ましい。
【0050】
容器が一つ以上の面取り付き縁を備える場合、面取り付きの一つ以上の縁は、約1mm~約10mmの幅を有することが好ましく、約2mm~約6mmであることが好ましい。別の方法として、容器は、二つの別個の面取りが容器の縁上に形成されるように離隔している3本の平行な筋付け線またはスコアラインによって形成された二重面取りを備えてもよい。
【0051】
長方形の横断断面を有する容器の代替として、容器は、例えば三角形、四角形、または六角形などの多角形の断面、または楕円形、半楕円形、円形、または半円形である断面を有してもよい。
【0052】
容器が面取り付きの端を備え、また層状ブランクから製作されている場合、面取りは、層状ブランク内の2本の平行な筋付け線またはスコアラインによって形成されてもよい。筋付け線またはスコアラインは、第一の壁と第二の壁の間の縁に対して対称的に配設されてもよい。別の方法として、筋付け線またはスコアラインは、面取りが容器の第二の壁の中に延びるよりも容器の第一の壁の中にさらに延びるように、第一の壁と第二の壁の間の縁に対して非対称的に配設されてもよい。
【0053】
容器は、厚紙、ボール紙、プラスチック、金属、またはこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない、任意の適切な材料から形成されてもよい。厚紙は、約100グラム/平方メートル~約350グラム/平方メートルの重量を有することが好ましい。
【0054】
容器は、様々な消費財のための包装として使用されてもよい。特に好ましい実施形態において、容器は喫煙物品を包装するために使用されてもよい。容器は有利なことに、端に点火する周知の紙巻たばこ、葉巻たばこ、またはシガリロが挙げられるがこれらに限定されない、喫煙物品を包装するために使用されてもよい。容器は、可燃性燃料要素または熱源とエアロゾル発生基体とを備える加熱式エアロゾル発生物品、および電気システムとともに使用するエアロゾル発生物品(IQOS(商標)など)を包装するために使用されてもよい。
【0055】
容器は、その寸法の適切な選択によって、異なる合計数の消費財、または異なる配設の消費財を保持するために設計されてもよい。例えば、その寸法の適切な選択によって、容器は合計10~30個の消費財を保持するように設計されてもよい。
【0056】
容器は、消費財の1、2、3、4、または5個の別個の束を保持しうる。別個の束は、前部壁および後部壁に対して実質的に平行に、または前部壁および後部壁に対して実質的に垂直に配設されてもよい。
【0057】
一つの束内で、ロッド状の物品は、ロッド状の物品の合計数、ロッド状の物品の寸法、または容器の断面形状に応じて、異なる並べ方で配設されてもよい。例えば、ロッド状の物品は、5、6、7、8、9、または10個の単一の列の束で配設されてもよい。別の方法として、ロッド状の物品は二つ以上の列で配設されてもよい。二つ以上の列は、同一の数のロッド状の物品を包含してもよい。例えば、ロッド状の物品は、5、6、7、8、9、10個の二つの列、5、6、7、8、9、10個の三つの列、または4、5、6、7個の四つの列で配設されてもよい。別の方法として、二つ以上の列は、互いに異なる数の喫煙物品を包含する少なくとも二つの列を含んでもよい。例えば、ロッド状の物品は、5個の一つの列および6個の一つの列(5-6)、6個の一つの列および7個の一つの列(6-7)、7個の一つの列および8個の一つの列(7-8)、5個の一つの中央列および6個の二つの外側列(6-5-6)、5個の一つの中央列および7個の二つの外側列(7-5-7)、6個の一つの中央列および5個の二つの外側列(5-6-5)、6個の一つの中央列および7個の二つの外側列(7-6-7)、7個の一つの中央列および6個の二つの外側列(6-7-6)、9個の一つの中央列および8個の二つの外側列(8-9-8)、または6個の一つの中央列および5個の一つの外側列と7個の一つの外側列(5-6-7)で配設されてもよい。
【0058】
容器は、フィルタのない喫煙物品と、様々なフィルタ先端を有する喫煙物品とを保持してもよい。容器は、異なる長さ(例えば、約40mm~約180mm)、直径(例えば、約4mm~約9mm)のロッド状の物品を保持してもよい。加えて、ロッド状の物品は、味覚の強度、引き出し抵抗、および総粒子状物質の送達が異なってもよい。容器は二つ以上の束を含み、同一の容器内の各束は、上記に列挙されたものと同一の、またはこれとは異なるタイプのロッド状の物品を保持してもよい。
【0059】
容器の寸法は、ロッド状の物品の長さ、およびロッド状の物品の並べ方に適合することが好ましい。典型的に、容器の外側寸法は、容器の内部に収容されたロッド状の物品の束の寸法よりも約0.5 mm~約5mm大きい。
【0060】
好ましくは、容器は約60mm~約150mmの高さを有してもよく、より好ましくは、約70mm~約125mmの高さを有してもよく、高さは容器の上部壁から底部壁まで測定される。
【0061】
好ましくは、容器は約12mm~約150mmの幅を有してもよく、より好ましくは、約70mm~約125mmの幅を有してもよく、幅は容器の第一の側壁から第二の側壁まで測定される。
【0062】
好ましくは、容器は約6mm~約100mmの奥行きを有してもよく、より好ましくは、約12mm~約25mmの奥行きを有してもよく、奥行きは容器の前部壁から後部壁まで測定される(ボックスとリッドの間のヒンジを含む)。
【0063】
容器の高さと容器の奥行きとの比は、約0.3対1~約10対1であることが好ましく、約2対1~約8対1であることがより好ましく、約3対1~5対1であることが最も好ましい。
【0064】
容器の幅と容器の奥行きとの比は、約1対1~約10対1であることが好ましく、約2対1~約8対1であることがより好ましく、約2対1~3対1であることが最も好ましい。
【0065】
リッド後部壁の高さとボックス後部壁の高さとの比は、約0対1(ヒンジが容器の上部縁に位置する)~約1対1であることが好ましく、約1対5~約1対10であることがより好ましく、約1対6~約1対8であることが最も好ましい。
【0066】
リッド前部壁の高さとボックス前部壁の高さとの比は、約1対0(リッドが前部壁全体を覆う)~約1対10であることが好ましく、約1対1~約1対5であることがより好ましく、約1対2~約1対3であることが最も好ましい。
【0067】
容器の外部表面には、製造者またはブランドのロゴ、商標、スローガン、ならびにその他の消費者情報およびしるしが、印刷、エンボス加工、デボス加工、または別の方法で装飾されてもよい。別の方法として、または追加的に、容器の外部表面は、ラッカー、金属化、ホログラム、蛍光物質、または容器の感触、におい、もしくは外観を改変する任意の他の材料で、少なくとも部分的に覆われてもよい。
【0068】
容器の内側ハウジングが喫煙物品の一つ以上の束を収容する場合、喫煙物品は、例えば金属箔または金属化紙の内側ライナー内に包まれることが好ましい。
【0069】
容器が喫煙物品またはエアロゾル発生物品を含む場合、容器は、廃棄物用(例えば、灰もしくは吸い殻用)の区画、またはその他の消費財(例えば、マッチ、ライター、消火手段、口臭消臭剤もしくは電子部品など)をさらに備えてもよい。その他の消費財は容器の外部に取り付けられてもよく、容器内に喫煙物品とともに包含されてもよく、容器の別個の区画内に収容されてもよく、またはその組み合わせであってもよい。
【0070】
充填されると、容器は、例えば高密度ポリエチレンまたは低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、配向ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、セルロースフィルム、または従来の様態におけるこれらの組み合わせの透明高分子フィルムを用いて収縮包装されてもよく、または別の方法でオーバーラップされてもよい。容器がオーバーラップされる場合、オーバーラッパーはティアテープを含んでもよい。ティアテープは、ティアテープが取り除かれるとリッドが第一のヒンジ線を軸に自由に回転するように、リッドの前部壁の下方縁の下で、容器の周りに位置付けられていることが好ましい。別の方法として、または追加的に、ティアテープが取り除かれるとハッチが第二のヒンジ線を軸に自由に回転するように、ハッチの上方の容器の周りに位置付けられた第二のティアテープがあってもよい。別の方法として、ティアテープは、容器の周りに縦に提供されてもよい。
【0071】
本発明は、製造された包装内の包装特徴の経験的な評価を可能にしてもよく、また得られた情報をメタデータに反映してもよい。これは、評価の質を向上することを可能にする場合がある。特に、評価の質の向上は、この目的のために別個に製造されたサンプル包装または実施された製造プロセスから取られたサンプル製品のいずれかにおける色の質および一貫性を評価することによって達成される。これは、色の正確なデジタル化を可能にするために、分光計装置または他のハードウェアに接続されている電子プラットフォームを介して行うことができる。電子プラットフォームは、クラウドベースのものであってもよく、または別の方法でコンピュータネットワークを通してアクセス可能であってもよい。色特性である色フィンガープリント、分光反射率データ、L*a*b*値、または転送可能なCxFファイルのうちの少なくとも一つが得られてもよい。一意の色参照は、ユーザーへの即時のアクセスを有して保存されてもよい。それ故に、生産ライン全体に沿って客観的な色情報を提供し、品質保証機能を実施することが可能である。これらの品質保証機能は、経験、光、および他の要因の影響を受けやすい場合がある主観的な評価に頼る必要なく、包装特徴の組み合わせによって色の逸脱を素早く検出することを可能にする。それ故に、メタデータを調整することができ、かつ印刷結果を改善することができることは、デジタル品質管理が可能であることを意味する。
【0072】
結果として、異なる製造機械で製造された異なる包装特徴に関して、より高い色一貫性を得ることができる。
【0073】
ここで、図を参照しながら、本発明の例示的な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1図1は、本発明の一実施形態による、ヒンジリッド容器のためのブランク、および事前承認された包装特徴に従ってブランクから形成されたヒンジリッド容器を示す。
図2図2は、本発明の一実施形態による、事前承認された包装特徴、包装製造データセット、および製造機械の象徴的表現を示す。
図3図3は、本発明の一実施形態による方法の工程を示す。
図4図4は、包装特徴の選択中の本発明の一実施形態によるグラフィカルユーザーインターフェースを示す。
図5図5は、包装製造データセットに関する情報を示す、本発明の一実施形態によるグラフィカルユーザーインターフェースを示す。
【0075】
図1は、好ましくは厚紙で作製されたブランク1、および容器2を示し、これは、所定のスコアラインまたは筋付け線に沿ってブランクを折り曲げることからもたらされる。図で分かる通り、ブランクは独特の幾何学的形状を有する。例えば、容器の縦縁線は、一つのパネルに幾つかの平行な筋付け線3、および別のパネルに丸み付き縁4を施すことによって丸み付きにされる。さらに、ブランク1は、ブランド表現5、および法的要件に起因するテキスト6を含む。これらの要素または特徴の各々は、一組のデータである包装特徴によって決定される。ブランク2、特にその材料、幾何学的形状、およびその他のものは、包装特徴7によって決定される。幾つかの平行な筋付け線3および従って丸み付き縁4を含む丸み付き縁の特徴は、包装特徴8によって決定される。ブランド表示5は、包装特徴9によって決定される。テキスト6、特にそのフォント、サイズ、内容、およびその他のものは、包装特徴10によって決定される。図で分かる通り、例えば接着剤の分布または材料の厚さなど、より多くの包装特徴がブランクに含まれている。本発明の方法は、製造セットアップにおいて、技術的誤作動の非常に低い可能性または煩雑な試行錯誤期間を有することなく、包装を製造することを可能にする。この目的のために、事前承認された包装特徴のデータベースが提供されていて、それら事前承認された包装特徴はすべて、割り当てられたメタデータを有する。
【0076】
図2において、事前承認された包装特徴の論理データ構造の概略図が示されている。例えば、第一のカテゴリー11において、事前承認された包装特徴12、13および14が含まれていて、これは包装タイプを定義する。例えば、事前承認された包装特徴12であるヒンジリッド容器、事前承認された包装特徴13であるソフトパック容器、および事前承認された包装特徴14であるパウチ容器である。事前承認された各特徴はメタデータ15、16、17を含み、これは、事前承認された包装特徴と、他のカテゴリーおよび製造機械18、19、20からの事前承認された包装特徴との互換性を定義する。例えば、メタデータ15とメタデータ16は両方とも、ダイカッティング製造機械20が適合可能であり、かつ必要とされることを示す。事前承認された包装特徴14に従って包装を作成するために、異なる製造機械18が必要である場合がある。同様に、メタデータ15およびメタデータ16は、製造機械19、例えばデジタルレーザースコアリングマシンが適合可能である一方で他のスコアリングマシンが適合可能ではない場合があることを示す場合がある。
【0077】
事前承認された包装特徴の次のカテゴリー21は、情報パンフレット24、密封された内側ライナー25、または電子加熱装置26などの、包装の構成要素に関してもよい。ここで、これらの包装特徴と、包装特徴15、16、17との適合性は、包装特徴23、24、25のメタデータ27、28、29に基づいて評価されてもよい。
【0078】
包装特徴のさらなるカテゴリー30において、マーケティング情報が定義されてもよい。ここでユーザーは、例えばマーケティングキャンペーンからの画像またはコピーラインなどの事前承認された包装特徴の組み合わせを選択し、また本発明の方法の実施形態によると、事前承認された包装特徴の選択はメタデータに基づいて評価される。組み合わせに異存がない場合、包装製造データセット31が作成される。そうでない場合、包装特徴の自動的な修正が行われてもよく、または単に選択が拒否されてもよい。また、以前に選択された特徴と適合性がある選択のために、それらの事前承認された包装特徴のみをユーザーに提供することが可能である。
【0079】
他の製造機械は、例えば図1に示す通りの容器を製造するために必要とされる、折り曲げ機械およびブランク切断機械であってもよい。
【0080】
次いで、製造機械は、包装製造データセットとともに提供されてもよく、指定された特徴を有する包装を製造してもよい。本発明の一実施形態によっては、これは依然として最終的な承認のための包装であってもよく、または直ちに小売のための包装であってもよい。承認のための包装である場合、包装特徴のさらなる組み合わせを事前承認するために、すなわちメタデータを適宜に適応させるために、またはメタデータに反映される仮定を確認するために、包装上の印刷の特性を測定するなど、さらなる分析を実施してもよい。
【0081】
図3は、本発明による方法の一実施形態を示す。第一の工程32において、デジタルカタログにおける選択のための包装特徴が提供されている。随意に、追加的な包装特徴が、ユーザーによってカタログに追加されてもよく、またはカタログから除去されてもよい。カタログは、事前承認された包装特徴および承認された包装製造データセットを含んでもよい。事前承認された包装特徴、または承認された包装製造データセット、または事前承認された包装特徴と承認された包装製造データセットをカタログから選択することによって、新しい包装製造データセットを第二の工程33で作成してもよい。選択は、選択された包装特徴のメタデータに基づいて評価され、包装製造データセットが作成される。包装製造データセットは、それが作成されるとともに、または作成された直後に承認されてもよい。第三の工程34において、一つまたは幾つかの包装が、包装製造データセットに従って製造される。第四の工程35において、包装または包装特徴は、測定装置36によって分析される。結果は、包装特徴または包装製造データセット全体を承認するために使用されてもよい。方法のこの実施形態はかなり直線的であるが、工程の反復があってもよい。例えば、工程26における測定が、包装特徴の不適合性、または包装特徴および製造機械の不適合性を示した後、包装特徴または製造機械の選択は、工程32で修正されてもよい。
【0082】
図4は、本発明の一実施形態によるコンピュータシステム用のグラフィカルユーザーインターフェース37を示す。現在表示中の情報は、包装の構成要素、すなわち内側ライナーの形態で、事前承認された包装特徴をユーザーが選択することを可能にする。図で分かる通り、幾つかの異なるオプション38、39、40が、内側ライナーに対して使用可能である。ユーザーには、選択された包装特徴のコストおよび特性に関する補足情報41が提供されてもよい。ユーザーがすべての特性を選択すると、包装製造データセットは、図4のグラフィカルユーザーインターフェース43のプレビュー42として表示される。プレビュー42は、選択された包装特徴と、ユーザーが包装製造データセットを作成するための選択オプションとを視覚化する。次いで、包装製造データセットは保存され、対応する包装を製造する一つまたは幾つかの製造機械に提供されてもよい。
【0083】
本発明は、マーケティング上の理由または法的要件に起因して、頻繁な設計修正を必要とする消費財にとって特に有益である。さらに、マーケティング上の理由または法的要件に起因して、異なる市場用に異なる包装が提供されなければならない消費財にとって有益である。これは、新しいタイプの包装が短い時間内に、およびしばしば、生産される包装の量に応じて非常に異なる製造機械のために、素早く実施されることを必要とする。例えば、より小さいロットサイズは、デジタル印刷によって有益に製造される場合がある。デジタル印刷は典型的に、大量生産用の従来の印刷方法よりも包装当たりの印刷コストが高いが、少量生産の場合はコスト効率がより高い場合がある。デジタル印刷は概して、設計変更に関してより柔軟である。選択した包装の異なる要件に応じて、印刷方法は、他の包装特徴との技術的な適合性がない場合がある。それ故に、例えば包装が、印刷技法の包装特徴および特定の市場のために包装上で提供される情報の量を変更することによって修正される場合、本発明の方法は、この修正された選択が実行可能ではないことを示してもよく、他の包装特徴の修正を提案するかまたは自動的に実施してもよい。従って、本発明は、本発明の方法によって以前に製造された包装に対応しうる、事前承認された製品に対応する、事前承認された包装特徴および事前承認された包装製造データセットのオンラインカタログに頼る。それ故に、既に入手可能な製品の修正、および新しい包装製品の作成は、迅速に実行される場合がある。
【0084】
データベースは、包装特徴に関する高解像度の詳細情報を有する包装特徴を含む。これは、それぞれの製造機械に指示を与えるために必要とされる詳細情報を提供することを可能にする。データベースはまた、選択プロセス中にユーザーに提供されてもよい、より低い質のプレビュー情報も含んでもよい。メタデータは、包装に関するだけでなく、コード化標準、来歴、設計所有権、アクセス権、または本来の作成の場所を定義してもよい。これは、さらなる評価または実装が必要な場合に、包装特徴をその作成者にトレースバックすることを可能にする場合がある。これは、包装の作成のために使用される製造機械、ツール、またはシステムに関する情報、および包装がどのように取り扱われて表示されるかについての情報を提供する。メタデータは、包装特徴の製造に必要な製造機械の通信インターフェースに関する情報を含んでもよい。それ故に、メタデータは、数多くの製造機械のための共通のユーザーインターフェースから、標準化された様態での製造機械の動作を可能にする場合がある。
【0085】
それ故に、すべての包装資産およびラベル情報は、事前承認された包装特徴内に含まれてもよい。その結果として、事前定義されたパラメータおよび設計テンプレートに従って、選択された事前承認された包装特徴を一緒に組み立てることによって、包装開発の単純化と標準化が可能になる。それ故に、包装製造データセットを、非常に短い時間で作成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5