(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-07
(45)【発行日】2025-10-16
(54)【発明の名称】不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるための構成要素
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20251008BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20251008BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/465
(21)【出願番号】P 2023577178
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 GB2022051561
(87)【国際公開番号】W WO2022263866
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2024-02-13
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヘップワース, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ホジソン, マシュー
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/074090(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/174028(WO,A1)
【文献】特表2018-528764(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0037019(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20
A24F 40/465
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるためのエアロゾル生成構成要素であって、前記エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料と熱的に接触する加熱材料を含み、前記加熱材料は、前記エアロゾル生成材料を通って又は前記エアロゾル生成材料の周りに
第1の方向に延びる複数の細長い部分を含み、前記細長い部分は実質的に平行であ
り、
前記加熱材料が、接続部分によって端部において接続された前記細長い部分を含み、前記接続部分が、前記加熱材料の両端に湾曲セクションを形成する、エアロゾル生成構成要素。
【請求項2】
前記
エアロゾル生成材料が、
エアロゾル生成材料の複数のストランドを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成構成要素。
【請求項3】
前記加熱材料が平坦でない、請求項
1に記載のエアロゾル生成構成要素。
【請求項4】
前記加熱材料がサセプタの形態をとる、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成構成要素。
【請求項5】
前記複数の細長い部分が、合わせて加熱材料の単一の連続片を形成する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成構成要素。
【請求項6】
前記複数の細長い部分が、離間された構成で配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成構成要素。
【請求項7】
前記加熱材料が2~6個の
前記細長い部分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成構成要素。
【請求項8】
前記複数の細長い部分の各々が異なる材料から形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成構成要素。
【請求項9】
前記複数の細長い部分の各々が同じ材料から形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成構成要素。
【請求項10】
エアロゾル生成構成要素は接合部分を備え、前記接合部分は、前記接続部分の中心位置から
前記構成要素のそれぞれの細長い端部まで延びる、請求項
1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成構成要素。
【請求項11】
請求項1に記載のエアロゾル生成構成要素を含む、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるための物品。
【請求項12】
前記物品が、前記エアロゾル生成構成要素の下流に配置されたマウスピースを更に含む、請求項
11に記載の物品。
【請求項13】
不燃式エアロゾル供給デバイスと、
請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成構成要素又は請求項
11又は12に記載の物品と、
を備える、不燃式エアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるための構成要素と、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるための物品と、不燃式エアロゾル供給システムとに関する。
【背景】
【0002】
いくつかのタバコ産業製品は、使用中、ユーザによって吸入されるエアロゾルを生成する。例えば、タバコ加熱デバイスは、タバコ等のエアロゾル生成基板を加熱して、基板を加熱するが燃焼させないことによってエアロゾルを形成する。そのようなタバコ産業製品は、一般的に、エアロゾルがユーザの口に達するために通過するマウスピースを含む。
【概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるためのエアロゾル生成構成要素であって、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料と熱的に接触する加熱材料を含み、加熱材料は、第1の方向に前記エアロゾル生成材料を通って又は前記エアロゾル生成材料の周りに延びる複数の細長い部分又は要素を含み、細長い部分又は要素は実質的に平行である、エアロゾル生成構成要素が提供される。
【0004】
本開示の第2の態様によれば、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるためのエアロゾル生成構成要素であって、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料と熱的に接触する加熱材料を含み、加熱材料は、第1の方向にエアロゾル生成材料の周りに又はエアロゾル生成材料を通って延びる第1の細長い又は平坦な部分と、第1の方向とは異なる第2の方向にエアロゾル生成材料の周りに又はエアロゾル生成材料を通って延びる少なくとも1つの第2の細長い又は平坦な部分とを含む、エアロゾル生成材料が提供される。
【0005】
本開示の第3の態様によれば、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるためのエアロゾル生成構成要素であって、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料と熱的に接触する加熱材料を含み、加熱材料は、エアロゾル生成材料を通って概ね長手方向に延び、長さ、高さ及び幅を有し、加熱材料の幅は、加熱材料の高さよりも大きく、加熱材料の第1の部分の高さは、加熱材料の第2の部分の高さよりも少なくとも20%大きい、エアロゾル生成構成要素が提供される。
【0006】
本開示の第4の態様によれば、第1又は第2の態様によるエアロゾル生成構成要素を含む不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるための物品が提供される。
【0007】
本開示の第5の態様によれば、不燃式エアロゾル供給デバイスと、第1、第2若しくは第3の態様によるエアロゾル生成構成要素、又は第4の態様による物品とを含む不燃式エアロゾル供給システムが提供される。
【0008】
ここで、本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、単なる例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるための物品の側面断面図であり、物品はマウスピースを含む。
【
図2a】サセプタ要素を含むエアロゾル生成セクションの側面断面図である。
【
図2b】
図2aのエアロゾル生成セクションの上面断面図である。
【
図3a】代替的なサセプタ要素を含むエアロゾル生成セクションの側面断面図である。
【
図3b】
図3aのエアロゾル生成セクションの上面断面図である。
【
図4a】代替的なサセプタ要素を含むエアロゾル生成セクションの側面断面図である。
【
図4b】
図4aのエアロゾル生成セクションの上面断面図である。
【
図5】代替的なサセプタ要素を含むエアロゾル生成セクションの側面断面図である。
【
図6a】代替的なサセプタ要素を含むエアロゾル生成セクションの側面断面図である。
【
図6b】
図6aのエアロゾル生成セクションの更なる側面断面図である。
【
図7a】代替的なサセプタ要素を含むエアロゾル生成セクションの側面断面図である。
【
図7b】
図7aのエアロゾル生成セクションの更なる側面断面図である。
【
図7c】
図7aのエアロゾル生成セクションの上面断面図である。
【
図8a】代替的なサセプタ要素を含むエアロゾル生成セクションの側面断面図である。
【
図8b】
図8aのエアロゾル生成セクションの更なる側面断面図である。
【
図8c】
図8aのエアロゾル生成セクションの上面断面図である。
【
図9a】不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるための更なる物品の側面断面図であり、この例において、物品はカプセル含有マウスピースを含む。
【
図9b】
図9aに示すカプセル含有マウスピースの断面図である。
【
図10】不燃式エアロゾル供給デバイスの概略図である。
【
図11】不燃式エアロゾル供給デバイスの概略図である。
【
図12】不燃式エアロゾル供給デバイスの概略図である。
【
図13】不燃式エアロゾル供給デバイスの概略図である。
【詳細な説明】
【0010】
本明細書において用いられるとき、「送達システム」という用語は、ユーザへ少なくとも1つの物質を送達するシステムを包含することを意図したものであり、
シガレット、シガリロ、シガー、及びパイプ用又は手巻き若しくは手作りシガレット用のタバコ等の燃焼式エアロゾル供給システム(タバコ、タバコ派生物、膨化タバコ、再生タバコ、タバコ代替物、又は他の喫煙材に基づくか否かにかかわらない)と、
エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するための電子タバコ、タバコ加熱製品、及び混合システム等、エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料から化合物を放出する不燃式エアロゾル供給システムと、
限定ではないが、ロゼンジ、ガム、パッチ、吸引可能な粉末を含む物品、並びに、スヌース及び湿潤嗅ぎタバコを含む口腔タバコ等の口腔製品を含む少なくとも1つの物質で、ニコチンを含む場合も含まない場合もある少なくとも1つの物質を、エアロゾルを形成することなく経口的、経鼻的、経皮的、又は別の方法でユーザに送達する、エアロゾルのない送達システムと、
を含む。
【0011】
本開示によれば、「不燃式」エアロゾル供給システムは、ユーザへの少なくとも1つの物質の送達を容易にするために、エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成材料(又はその成分)が燃焼されない又は燃やされないシステムである。
【0012】
いくつかの実施形態において、送達システムは、動力供給式の不燃式エアロゾル供給システム等の不燃式エアロゾル供給システムである。
【0013】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル生成材料内のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0014】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの例はタバコ加熱システムである。
【0015】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するための混合システムであり、エアロゾル生成材料のうちの1つ又は複数を加熱することができる。エアロゾル生成材料の各々は、例えば、固体、液体又はゲルの形態とすることができ、ニコチンを含有している場合も含有していない場合もある。いくつかの実施形態において、混合システムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料と、固体のエアロゾル生成材料とを含む。固体のエアロゾル生成材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含むことができる。
【0016】
典型的には、不燃式エアロゾル供給システムは、不燃式エアロゾル供給デバイスと、不燃式エアロゾル供給システムと共に用いるための消耗品とを備えることができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、本開示は、エアロゾル生成材料を含み、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いられるように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は、本開示全体を通じて、場合によっては物品と呼ばれる。
【0018】
本明細書で用いられる「上流」及び「下流」という用語は、主流エアロゾルが使用中の物品又はデバイスを通って吸い込まれる方向に関連して定義される相対的な用語である。
【0019】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システム、例えば不燃式エアロゾル供給システムの不燃式エアロゾル供給デバイスは、動力源及びコントローラを備えることができる。動力源は、例えば、電源又は発熱源とすることができる。いくつかの実施形態において、発熱源は、発熱源の近傍のエアロゾル生成材料又は熱伝達材料に熱の形態で動力を分散させるために励磁することができる炭素基質を備える。
【0020】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、消耗品を受けるための領域、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、マウスピース、フィルター、及び/又はエアロゾル変性剤を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に使用するための消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料貯蔵領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、フィルター、マウスピース、及び/又はエアロゾル変性剤を含むことができる。
【0022】
消耗品は、一部又は全てがユーザによって使用中に消費されることを意図したエアロゾル生成材料を含むか、又はエアロゾル生成材料から構成される物品である。消耗品は、エアロゾル生成材料保管領域、エアロゾル生成材料移送部品、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、マウスピース、フィルター、及び/又はエアロゾル変性剤等の1つ又は複数の他の構成要素を備えることができる。消耗品は、使用中に発熱してエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させる、ヒーター等のエアロゾル生成器を備えることもできる。ヒーターは、例えば、可燃性材料、電気伝導により加熱可能な材料、又はサセプタを備えることができる。
【0023】
サセプタは、交流磁場等の変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは導電性材料であってもよく、導電性材料に変動磁場が侵入することによって加熱材料の誘導加熱を生じさせるようになっている。加熱材料は磁性材料であってもよく、磁性材料に変動磁場が侵入することによって、加熱材料の磁気ヒステリシス加熱を生じさせるようになっている。サセプタは導電性及び磁性の両方であってもよく、サセプタは両方の加熱機構によって加熱可能である。変動磁場を生成するように構成されるデバイスは、本明細書において、磁場発生器と呼ばれる。
【0024】
エアロゾル変性剤は、通常はエアロゾル生成エリアの下流に配置され、例えばエアロゾルの風味、香料、酸味、又は別の特性を変更することによって、生成されたエアロゾルを変性させるように構成された物質である。エアロゾル変性剤は、このエアロゾル変性剤を選択的に放出させるように動作可能なエアロゾル変性剤放出構成要素内に設けられていてもよい。
【0025】
エアロゾル変性剤は、例えば添加剤であってもよいし、吸着剤であってもよい。エアロゾル変性剤は、例えば香味料、着色料、水、及び炭素吸着剤のうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。エアロゾル変性剤は、例えば固体であってもよいし、液体であってもよいし、ゲルであってもよい。エアロゾル変性剤は、粉末状であってもよいし、糸状であってもよいし、顆粒状であってもよい。エアロゾル変性剤は、ろ過材を有していなくてもよい。
【0026】
エアロゾル生成器は、エアロゾルがエアロゾル生成材料から生成されるようにするように構成された装置である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を熱エネルギーにかけ、エアロゾル生成材料から1つ又は複数の揮発性物質を解放してエアロゾルを形成するように構成されたヒーターである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、エアロゾルが加熱なしでエアロゾル生成材料から生成されるようにするように構成される。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を、振動、圧力上昇、又は静電エネルギーのうちの1つ又は複数にかけるように構成されてもよい。
【0027】
本明細書に記載するフィラメントトウ材料は、酢酸セルロースの繊維トウを含むことができる。フィラメントトウはまた、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(1-4ブタンジオールスクシネート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-co-テレフタレート)(PBAT)、デンプン系材料、綿、脂肪族ポリエステル材料、及び多糖ポリマー、又はこれらの組合せ等、繊維を形成するために用いられる他の材料を用いて形成することができる。フィラメントトウは、材料が酢酸セルローストウである場合はトリアセチン等、トウにとって好適な可塑剤によって可塑化されてもよく、又はトウは非可塑化されてもよい。トウは、「Y」字形又は「X」字形等の他の断面、2.5~15の単繊度、例えば8.0~11.0の単繊度という単繊度値、及び5,000~50,000、例えば10,000~40,000の総繊度値を有する繊維等、任意の好適な仕様を有することができる。
【0028】
本明細書に説明される図において、類似の参照符号が等価な特徴、物品又は構成要素を説明するのに用いられる。
【0029】
図1はエアロゾル送達システムにおいて用いるための物品1の側面断面図である。
【0030】
物品1は、マウスピース2と、マウスピース2に接続されたエアロゾル生成セクション3とを備える。エアロゾル生成セクションは、代替的に、エアロゾル生成構成要素と呼ばれてもよい。本例において、エアロゾル生成セクション3は、エアロゾル生成組成物の円筒形ロッドを含む。エアロゾル生成組成物は、エアロゾル生成材料と熱的に接触して配置された、エアロゾル生成材料30及び加熱材料を含む。
【0031】
エアロゾル生成材料30は、エアロゾル生成材料の複数のストランド又は細片を含むことができる。本明細書において以下に説明されるように、例えば、エアロゾル生成材料30は、エアロゾル化可能材料の複数のストランド若しくは細片、及び/又は非晶質固体の複数のストランド若しくは細片を含むことができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料30は、エアロゾル化可能材料の複数のストランド又は細片からなる。本例において、エアロゾル生成組成物は、エアロゾル生成材料30の複数のストランド及び/又は細片を含み、ラッパー10によって囲まれる。本例において、ラッパー10は水分不透過性ラッパーである。
【0032】
本例において、エアロゾル生成組成物は、サセプタ要素31の形態の加熱材料を含む。サセプタ要素31は、誘導加熱を用いることによって加熱可能なサセプタ材料を含む。誘導加熱は、電磁誘導によって導電オブジェクト(サセプタ等)を加熱するプロセスである。磁場発生器は、誘導要素、例えば1つ以上のインダクタコイルと、誘導要素を通じて交流電流等の様々な電流を通すためのデバイスとを備えることができる。誘導要素における変動電流は、変動磁場を生成する。様々な磁場は、誘導要素に対し適切に配置されたサセプタに侵入し、サセプタ内部で渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対し電気抵抗を有し、このため、この抵抗に対する渦電流の流れによって、サセプタがジュール加熱により加熱される。サセプタが鉄、ニッケル又はコバルト等の強磁性物質を含む場合、サセプタにおける磁気ヒステリシス損失によっても、すなわち、様々な磁場との位置合わせの結果としての磁性物質における磁気双極子の様々な向きによっても、熱を生成することができる。例えば伝導による加熱と比較して、誘導加熱において、熱はサセプタ内で生成され、高速な加熱を可能にする。更に、誘導ヒーターとサセプタとの間に物理的接触が存在する必要がなく、構築及び適用における自由度を高めることが可能である。
【0033】
本例において、サセプタ要素31は、エアロゾル生成組成物のロッド内の実質的に中心に配置され、エアロゾル生成組成物のロッドを通って延びる。他の例において、加熱材料は、例えば、ラップとして、又はラッピング材料にプリントされたサセプタ材料のパターンとして、エアロゾル生成材料の周りに延びるように配置されてもよい。本発明者らにより、加熱材料を含むエアロゾル生成材料を提供することによって(加熱材料は、例えばサセプタ要素31の形態で物品の製造中にエアロゾル生成材料内に又はエアロゾル生成材料の周りに配置される)、加熱要素とエアロゾル生成材料との間の熱的接触を改善するためのエアロゾル生成材料内の又はエアロゾル生成材料の周りの加熱材料の正しい配置を確実にすることができるため、結果として改善された物品を得ることができることが有利に判明した。
【0034】
図1において、サセプタ要素31は概略的に示される。
図2~
図8は、それぞれ例示的なサセプタ要素31a、31b、31c、31d、31e、31f、31g(以下でより詳細に説明される)を含むエアロゾル生成組成物のロッドを含むエアロゾル生成セクション300、301、302、303、305、305、306を示す。
図2~
図8に示す例示的なサセプタ要素31a~31gの各々は、
図1、
図9a及び
図9bに示すエアロゾル生成セクション3におけるサセプタ要素31としての使用に好適である。例示的なサセプタ要素31a~31gは平坦でない。本発明者らにより、平坦でない構造を有する加熱材料を提供することにより、平坦な構造を有する加熱材料と比較して、加熱材料とエアロゾル生成材料30との間の熱的接触が増大することに起因して、結果として改善されたエアロゾル生成を得ることができることが有利に判明した。平坦でないサセプタ要素31を提供することにより、平坦な構造を有するサセプタ要素と比較して表面積の増大を有利にもたらすことができ、これにより、サセプタ要素31とエアロゾル生成材料30との間の熱的接触の増大を結果としてもたらすことができる。加えて、本発明者らにより、平坦でない構造を有する加熱材料によって、加熱材料の周りのエアロゾル生成材料30に、改善された支持体及び構造をもたらすことができることが判明した。エアロゾル生成組成物のロッドにおいて提供される平坦でない加熱材料は、ロッドの端部からのエアロゾル生成材料30の任意の損失を低減するのに役立つことができることが有利である。
【0035】
いくつかの例において、加熱材料は、或るパターンで、例えば、サセプタ要素31a~31gのうちの任意のものの2次元投影でラッパー10にプリントすることができる。そのような例において、ラッパー10は加熱材料を含む。
図2~
図8のエアロゾル生成セクション300、301、302、303、305、305、306のうちの任意のものが、
図1及び
図9aの実施形態のエアロゾル生成セクション3の代わりに設けられてもよい。
【0036】
図2~
図4は、エアロゾル生成セクションを通って延びる複数の細長い部分を含む例示的な平坦でないサセプタ要素を示す。
【0037】
図2aは、エアロゾル生成材料30及びサセプタ要素31aを含むエアロゾル生成組成物のロッドを含むエアロゾル生成セクション300の側面断面図である。
図2bは、線X-X’に沿ったエアロゾル生成セクション300の上面断面図である。サセプタ要素31aは、サセプタ材料、例えば、示されている形状になるように巻くか又は曲げることができる導電性ワイヤから形成される。サセプタ要素31aの非線形形状は、エアロゾル生成材料30とサセプタ要素31aとの間の接触面積を増大させることが有利である。
【0038】
サセプタ要素31aは、x-x’軸に沿ってエアロゾル生成組成物を通って延びる複数の細長い部分311a、311b、311cを含む。細長い部分311a、311b、311cは実質的に平行である。本例において、細長い部分311a、311b、311cは、接続部分312a、312bによって共に接合され、接続部分は、それぞれ細長い部分311a及び311c、並びに311a及び311b間に延びる。接続部分311a、311bは、断面方向においてサセプタ要素31aに構造を提供し、長手方向におけるエアロゾル生成材料の動きを低減することができる。接続部分312a、312bはまた、離間した構成において細長い部分311a、311b、311cを保持する。離間した細長い部分311a、311b、311cを含むサセプタ要素を設けることにより、エアロゾル生成組成物のロッドの長さ及び幅にわたるサセプタ要素とエアロゾル生成材料30との間の熱的接触を改善することができる。細長い要素間の接続部分312a、312bは、サセプタ要素全体が単一の構成要素として配置されることを可能にする。細長い部分311a、311b、311cは、サセプタ要素の長さに沿って、サセプタ要素31aとエアロゾル生成材料30との間の接触を改善する。
【0039】
サセプタ要素31aの第1の端部から、接合部分313が延びる。本例において、接合部分313は、中央の細長い部分311bからエアロゾル生成セクション300の遠位端300aまで延びる。他の例において、サセプタ要素31aは異なる形で構成することができ、接合部分313は、細長い部分のうちの別のものから延びることができる。
【0040】
サセプタ要素31aは、サセプタ材料の単一の連続片から好適に形成することができる。複数のサセプタ要素31aは、サセプタ材料の単一の連続片上に合わせて又は連続して形成され、サセプタ要素31aの供給部を提供することができる。複数のサセプタ要素31aの各々は、サセプタ材料、接合部分313の長さに沿って分離していてもよい。サセプタ要素31aの供給部は、サセプタ要素31aの周りにエアロゾル生成組成物のロッドを形成し、接合部分313の上に重なる位置でロッドを切断してサセプタ要素31aの各々を分離することによって、サセプタ要素31aを含むエアロゾル生成組成物のロッドを形成するように、エアロゾル生成材料源と共に提供することができる。サセプタ要素31は、ロッド形成段階においてエアロゾル生成組成物のロッドに含まれることが好適である。
【0041】
図3は、エアロゾル生成材料30及びサセプタ要素31bを含むエアロゾル生成セクション301の側面断面図である。
図3bは、線x-x’に沿ったエアロゾル生成セクション301の上面断面図である。サセプタ要素31bは、複数の細長い部分311a’、311b’、311c’を含む。
図2aに関して記載したように、複数の細長い部分は実質的に平行である。細長い部分311a’、311b’、311c’は離間され、長手方向軸に対し実質的に平行にエアロゾル生成組成物のロッドを通って延びる。本例において、細長い部分311a’、311b’、311c’は接続されていない。本例において、サセプタ要素31bは3つの細長い部分を含む。他の例において、サセプタ要素は、異なる数の細長い部分、例えば、2、4、5又は6個の細長い部分を含むことができる。本発明者らにより、離間した細長い部分を含むサセプタ要素31bを提供することによって、エアロゾル生成組成物のロッドの長さ及び断面の双方にわたってサセプタ要素31bとエアロゾル生成材料30との間の熱的接触を改善することができることが有利に判明した。サセプタ要素31bの細長い部分311a’、311b’、311c’の各々は、導電性ワイヤ等のサセプタ材料の単一の連続片から形成することができる。
図3の例において、細長い部分311a’、311b’、311c’の各々は、異なる材料、又は同じ材料(例えば、サセプタ材料)であるがワイヤゲージ等の異なる物理的特性を有する材料から形成することができる。
【0042】
図4aは、エアロゾル生成材料30及びサセプタ要素31cを含むエアロゾル生成セクション302の側面断面図である。
図4bは、線x-x’に沿ったエアロゾル生成セクション302の上面断面図である。サセプタ要素31cは、接続部分312a’、312b’によって端部において接続された2つの細長い部分311a’’、311b’’を含む。本例において、接続部分312a’、312b’は、サセプタ要素31cの両端に湾曲セクションを形成する。他の実施形態において、接続部分312a’、312b’は、細長い部分311a’’、311b’’間にわたって真っ直ぐに延び、細長い部分311a’’、311b’’を有する実質的に矩形の構成体を形成することができるか、又は任意の他の適切な形状を形成するように構成することができる。本例において、接合部分313’は、接続部分312a’の中心位置から延びる。接合部分313’は、本例においてエアロゾル生成組成物のロッドの端部まで延びるが、他の例において、接合部分313’は、サセプタ要素31cから延びるが、エアロゾル生成組成物のロッドの端部までは延びない場合がある。
【0043】
図2aに関して説明したように、複数のサセプタ要素31cは、サセプタ要素31cの供給部を形成するように、サセプタ材料の単一の連続片から形成することができる。サセプタ要素31cの各々は、接合部分313’によって隣接するサセプタ要素に接合することができる。製造中、サセプタ要素の供給部は、ロッド形成段階においてエアロゾル生成材料30の材料源と合わせて供給され、サセプタ要素の供給部を含むエアロゾル生成組成物のロッドを形成してもよい。エアロゾル生成組成物のロッドを含有するサセプタ要素を、接合部分313’の上に重なる位置において切断し、単一のサセプタ要素31cを含むエアロゾル生成組成物のロッドを形成することができる。接合部分313’におけるサセプタ要素31cのくびれた外形により、製造中に要する切断力が低減する。
【0044】
図2に関して記載したように、離間された細長い部分311a’’、311b’’、311c’’は、エアロゾル生成組成物のロッドの長さ及び幅にわたるサセプタ要素31cとエアロゾル生成材料30との間の熱的接触を改善することができる。細長い要素間の接続部分312a’、312b’は、エアロゾル生成組成物のロッドの異なる部分を通って延びるサセプタ要素の利点を提供しながら、サセプタ要素31c全体が単一の構成要素として配置されることを可能にする。
【0045】
図5~
図8は、更なる例示的な平坦でないサセプタ要素を示し、その各々が、サセプタ要素の長さに異なる方向に延びる少なくとも1つの部分を含む。
図5~
図8に示される例示的な平坦でないサセプタ要素の各々は、サセプタ要素の少なくとも1つの部分が、長手方向軸x-x’の方向とは異なる方向に延びるように、エアロゾル生成組成物のロッド内に配置される。
【0046】
図5は、エアロゾル生成材料30及びサセプタ要素31dを含むエアロゾル生成セクション303の側面断面図である。サセプタ要素31dは、細長い部分311a’’’及び交差部分314を含む。交差部分314は、細長い部分311a’’’に対し実質的に垂直に延びて、L字型のサセプタ要素を形成する。交差部314は、本事例ではエアロゾル生成組成物のロッドの遠位端に配置される交差部分314の周りでエアロゾル生成材料30に更なる支持体を提供することができる。交差部分314は、細長い部分311a’’’が延びる方向とは異なる方向に延びる。第1の部分が延びる方向とは異なる方向に延びる部分を設けることにより、エアロゾル生成材料30の動きを低減し、ロッドの構造的安定性を改善することができる構造部を形成することによって、エアロゾル生成組成物のロッドに改善された構造的支持体を提供することができる。L字型の構成を有するサセプタ要素31dを設けることによって、交差部分314がロッドの遠位端に保持構造部を提供することに起因して、エアロゾル生成組成物303のロッドの端部からエアロゾル生成材料が変位される問題を低減することができる。本発明者らにより、使用時のエアロゾル生成材料30の変位を低減することによって、結果として、ロッドの長さに沿ったエアロゾル生成材料30のより一貫したパッキング密度を有利に得ることができ、これにより、結果としてより一貫し、改善したエアロゾル生成を得ることができることが判明した。
【0047】
図6aは、エアロゾル生成材料30及びサセプタ要素31eを含むエアロゾル生成セクション304の側面断面図である。サセプタ要素31eは、斜めに延びる部分315a、315bの反復パターンを含む。本実施形態において、斜めに延びる部分315a、315bは、長手方向軸x-x’に対し或る角度で延びる。
図5の交差部分314、並びに
図2及び
図4の接続部分312a、312b、312a’、312b’に関して記載した効果に類似して、斜めに延びる部分315a、315bは、サセプタ要素31eの幅にわたってサセプタ要素とエアロゾル生成材料30との間の熱的接触を改善し、斜めに延びる部分の周りでエアロゾル生成材料30に追加の支持体を提供し、エアロゾル生成材料30の変位を低減するのに役立つ。
【0048】
既に記載したように、斜めに延びる部分315a、315bによって提供されるサセプタ要素31eの平坦でない構造の結果として、同じ長さの平坦なサセプタ要素と比較して増大した表面積が提供され、それによって、サセプタ要素とエアロゾル生成材料30との間の改善された熱的接触がもたらされる。本例において、斜めに延びる部分315aは第1の方向に延び、斜めに延びる部分315bは、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる。隣接する斜めに延びる部分315a、315b間で形成される角度は、約90°~約170°、例えば約95°又は約100°、又は約110°であってもよい。サセプタ要素31eは、波形化されたワイヤ、又は加熱材料の襞付きのシートを好適に含むことができる。サセプタ要素31eは、任意の好適なゲージを有するワイヤから、又は任意の好適な幅を有する加熱材料のシートから形成されてもよい。
図6bは、線y-y’に沿った
図6aのエアロゾル生成セクション304の更なる側面断面図である。
図6bの図において、白色部分は、斜めに延びる部分315a、315b間の交互の隆起部及び谷部を表す。
【0049】
上記に記載した例示的な平坦でないサセプタ要素31a~31eの各々は、平坦でない構造を有するように構成されたワイヤ又はシート材料から好適に形成することができる。ワイヤ又はシート材料は、平坦でない構造をもたらすように曲げるか若しくは成形することができるか、又はワイヤ若しくはシート材料は、エンボス加工されるか、若しくは表面上に堆積された平坦でない構造を形成する要素を有してもよい。
【0050】
図7aは、サセプタ要素31fを含むエアロゾル生成セクション305の側面断面図である。サセプタ要素31fは、突起316が配置された細長い部分311a’’’’を含む。
図2に関連して記載されたように、細長い部分311a’’’’は、実質的に長手方向軸x-x’に平行である。突起316は、細長い部分311a’’’’に沿った位置で、すなわち、長手方向軸に対し或る角度で外方に延びる。細長い部分311a’’’’に配置された突起316の構造は、山部及び谷部を効果的に形成し、突起316は、隣接する突起間に形成される山部及び谷部を形成する。この山部及び谷部の構造は、エアロゾル生成材料を有利に把持し、結果として、エアロゾル生成材料のロッドの改善された構造的完全性を得ることができる。
【0051】
突起316は、サセプタ材料の平坦な板を圧縮して、それぞれより厚い及びより薄い領域を形成することによって形成されることが好ましい。より厚い領域は、細長い要素上に突起316を形成する。サセプタ要素31fは、成形又はエンボス加工され、材料の単一片から細長い部分311a’’’’及び突起316を形成することが好ましい。代替的に、突起316は、細長い部分311a’’’’’’を形成するワイヤ又はシート材料の表面上の堆積物として形成されてもよく、又は、突起316は、別個に形成され、細長い部分311a’’’’に接着されるか若しくは他の形で付着若しくは固定されてもよい。突起316は、細長い部分311a’’’’の長さに沿って追加の表面積を提供し、これにより、サセプタ要素31fとエアロゾル生成材料との間の熱的接触を改善することができる。突起316は、エアロゾル生成組成物のロッドに追加の構造を提供することによって、エアロゾル生成材料の変位を低減することもできる。突起316は、
図7において実質的に正方形の縁部として示されている。他の例において、突起316は、用いられるエンボス加工設計のタイプ又は他の製造方法に依拠して、細長い部分311a’’’’に沿って波状の外形を有してもよい。
【0052】
突起316は、細長い要素311a’’’’の反対側の表面において、別の突起316の正反対に配置されてもよく、又は長手方向にオフセットされてもよい。
【0053】
図7bは、線y-y’に沿った
図7aのエアロゾル生成セクション305の更なる側面断面図である。
【0054】
図7cは、
図7aのエアロゾル生成セクション305の上面断面図である。
【0055】
図8aは、サセプタ要素31gを含むエアロゾル生成セクション306の側面断面図である。サセプタ要素31gは、サセプタ要素31gの長さに沿って延びる細長い部分311a’’’’’を含む。側方部分316は、細長い部分311a’’’’’から外方に、細長い部分311a’’’’’と同じ面内に延びる。
図8bは、線y-y’に沿って取得された、
図8aのエアロゾル生成セクション306の更なる側面断面図である。第1の交互のタブ317は、細長い部分から離れて第1の方向に延び、ここで、第1の方向は側方部分316と同じ面内にない。本例において、第1の方向は、側方部分316が延びる方向に実質的に垂直である。第2の交互のタブ318は、細長い部分から離れて第2の方向に延び、ここでもまた第2の方向は第1の方向とは異なり、側方部分316が位置する面とは異なる。本例において、第2の方向も、側方部分316が延びる方向に実質的に垂直である。第1及び第2の交互のタブ317、318、側方部分316、並びに細長い部分311a’’’’’の構成体は、
図8aのエアロゾル生成セクションの上面断面図である
図8cにおいてより容易に視覚化することができる。
【0056】
サセプタ要素31gを形成する例示的な方法が以下に記載される。第1及び第2の交互のタブ317、318は、サセプタ材料のシートの側部に切断部を形成して、細長い部分311a’’’’’の両側に別個のタブを形成することによって形成することができる。第1の別個のタブは、第1の方向に曲げられるか又は成形され、第1の交互のタブ317を形成してもよい。第1の交互のタブ317に直接隣接した別個のタブは曲げられず、側方部分316を形成する。側方部分316の反対側の縁部に沿った、この縁部に直接隣接する次の別個のタブが第1の方向に曲げられるか又は成形され、別の第1の交互のタブ317を形成してもよい。このプロセスは、サセプタ材料のシートの片側で交互の側方部分316及び第1の交互のタブ317の構成体を形成するように、反復されるか、又は同時に実行されてもよい。同様に、サセプタ材料のシートの対向する側面上に切断部を形成して、交互の側方部分316及び第2の交互のタブ318を形成してもよく、
図8a、
図8b、
図8bに示すように、第2の交互のタブ318は、第2の方向、例えば、第1の方向と反対方向に曲げられるか又は成形されてもよい。
【0057】
例示的なサセプタ要素31a~31gの各々は、エアロゾル生成組成物のロッドの全長を通って、又はエアロゾル生成組成物のロッドを部分的に通って延びるように構成されてもよい。例えば、サセプタ要素は、エアロゾル生成組成物のロッドの長さの100%、又はエアロゾル生成組成物のロッドの長さの約90%、約80%、若しくは約70%を通って延びてもよい。
【0058】
エアロゾル生成材料30の複数のストランド又は細片は、長手方向の寸法が物品1の長手方向軸X-X’と平行に位置合わせされるようにエアロゾル生成セクション内で位置合わせすることができる。代替的に、ストランド又は細片は、概ね、位置合わせされる長手方向の寸法が物品の長手方向軸線に対し横方向になるように配置されてもよい。
【0059】
複数のストランド又は細片の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%は、長手方向の寸法が物品の長手方向軸線と平行に位置合わせされるように配置することができる。ストランド又は細片の大部分は、長手方向の寸法が、物品の長手方向軸線と平行に位置合わせされるように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のストランド又は細片の約95%~約100%は、長手方向の寸法が物品の長手方向軸線と平行に位置合わせされるように配置される。いくつかの実施形態では、長手方向の寸法が物品のエアロゾル生成セクションの長手方向軸線と平行に位置合わせされるように、実質的に全てのストランド又は細片がエアロゾル生成セクション内に配置される。
【0060】
エアロゾル生成組成物はエアロゾル生成材料30を含む。エアロゾル生成材料30は、結合剤及びエアロゾル形成剤を含むことができる。
【0061】
エアロゾル生成材料は、例えば加熱、照射又は任意の他の方法で活性化されたとき、エアロゾルを生成することが可能な材料である。エアロゾル生成材料30は、固体、液体、又はゲル等の半固体の形態とすることができ、活性物質及び/又は香味料を含有しても又は含有しなくてもよい。
【0062】
エアロゾル生成組成物は少なくとも1つのエアロゾル生成材料30を含む。エアロゾル生成材料30は複数のエアロゾル生成材料を含んでもよい。複数のエアロゾル生成材料は、互いに同じであっても異なっていてもよい。例えば、エアロゾル生成組成物は、第1のエアロゾル生成材料及び第2のエアロゾル生成材料を含んでもよい。更なる(例えば、第3、第4、第5以上の)エアロゾル生成材料も組成物に含まれてもよい。
【0063】
エアロゾル生成材料のうちの少なくとも1つは、結合剤(ゲル化剤であってもよい)及びエアロゾル形成剤を含むエアロゾル生成材料である。任意選択で、活性物質及び/又は充填剤も存在してもよい。任意選択で、水等の溶媒も存在し、エアロゾル生成材料の1つ又は複数の他の成分は、溶媒内で溶融可能であっても可能でなくてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、結合剤はゲル化剤を含むか又はゲル化剤である。結合剤は、アルジネート、ペクチン、デンプン(及び誘導体)、セルロース(及び誘導体)、ガム、シリカ又はシリコーン化合物、クレイ、ポリビニルアルコール及びこれらの組合せを含む群から選択される1つ又は複数の化合物を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、結合剤は、アルジネート、ペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアゴム、ヒュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリン及びポリビニルアルコールのうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、結合剤は親水コロイドを含む。いくつかの場合、結合剤は、アルジネート及び/又はペクチンを含み、エアロゾル生成材料の形成中に硬化剤(カルシウム源)等と組み合わされてもよい。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、カルシウム架橋アルギン酸及び/又はカルシウム架橋ペクチンを含んでもよい。
【0065】
結合剤は、セルロース系結合剤、非セルロース系結合剤、グアーガム、アカシアゴム及びそれらの混合物から選択された1つ又は複数の化合物を含んでもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、セルロース系結合剤は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0067】
いくつかの実施形態では、結合剤は、ヒドロキシルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、グアーガム又はアカシアゴムのうちの1つ又は複数を含む(又はそれらのうちの1つ又は複数である)。
【0068】
いくつかの実施形態では、結合剤は、限定ではないが、寒天、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン、デンプン、アルギン酸及びそれらの組合せを含む1つ又は複数の非セルロース系結合剤を含む(又は1つ又は複数の非セルロース系ゲル化剤である)。好ましい実施形態において、非セルロースベースの結合剤は、アルギン酸又は寒天である。
【0069】
いくつかの例において、結合剤において、エアロゾル生成材料の約5~40wt%、又は15~40wt%の量のアルギン酸が含まれる。すなわち、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の乾燥重量で約5~40%wt又は15~40wt%の量のアルギン酸を含む。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約20~40wt%、又は約15wt%~35wt%の量のアルギン酸を含む。
【0070】
いくつかの例において、結合剤において、エアロゾル生成材料の約3~15wt%の量のペクチンが含まれる。すなわち、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の乾燥重量で約3~15wt%の量のペクチンを含む。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約5~10wt%の量のペクチンを含む。
【0071】
いくつかの例において、結合剤において、エアロゾル生成材料の約3~40wt%の量のグアーガムが含まれる。すなわち、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の乾燥重量で約3~40wt%の量のグアーガムを含む。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約5~10wt%の量のグアーガムを含む。いくつかの例において、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の約15~40wt%、又は約20~40wt%、又は約15~35wt%の量のグアーガムを含む。
【0072】
例において、アルギン酸は、結合剤の少なくとも約50wt%の量で存在する。例において、エアロゾル生成材料は、アルギン酸及びペクチンを含み、アルギン酸とペクチンとの比は、1:1~10:1である。アルギン酸とペクチンとの比は、通常>1:1であり、すなわち、アルギン酸は、ペクチンの量よりも多い量存在する。例において、アルギン酸とペクチンとの比は、約2:1~8:1又は約3:1~6:1、又は概ね4:1である。
【0073】
エアロゾル生成材料は、スラリーを形成し、次いでスラリーを乾燥させて固体を形成することによって形成することができる。スラリーに結合剤を含める結果として、エアロゾル生成材料が乾燥ゲルから形成される。エアロゾル生成材料に結合剤を含めることによって、香味料化合物、例えばメンソールが、ゲルマトリックス内で安定化されて、非ゲル組成物よりも高い香味料添加量を実現することが可能になることが見出された。加香(例えば、メンソール)は高濃度で安定し、製品は良好な貯蔵寿命を有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、結合剤はアルギン酸を含み、結合剤は、エアロゾル生成材料において、スラリー/エアロゾル生成材料の10~30wt%、20~35wt%又は25~30wt%の量(乾燥重量ベースで計算される)存在する。いくつかの実施形態では、アルギン酸は、エアロゾル生成材料内に存在する唯一の結合剤である。他の実施形態において、結合剤は、アルギン酸と、ペクチン等の少なくとも1つの更なる結合剤とを含む。
【0075】
エアロゾル生成材料は、エアロゾル形成剤を含む。「エアロゾル形成剤」(本明細書において、エアロゾル形成剤材料とも呼ばれる)は、エアロゾルの生成を促す作用物質である。エアロゾル形成剤は、最初の気化並びに/又はガスから吸入可能な固体及び/若しくは液体エアロゾルへの凝縮を促すことによって、エアロゾルの生成を促すことができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成剤は、エアロゾル生成材料からの香料の送達を改善することができる。概して、任意の好適なエアロゾル形成剤材料又は作用物質は、本明細書に記載するものを含めて、本発明のエアロゾル生成材料内に含むことができる。他の好適なエアロゾル形成剤材料には、限定ではないが、ソルビトール、グリセロール、及びプロピレングリコール又はトリエチレングリコールのようなグリコール等のポリオール、一価アルコール、高沸点炭化水素等の非ポリオール、乳酸等の酸、グリセロール誘導体、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル等のエステル、又はミリスチン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルを含むミリスチン酸、並びにステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチル、及びテトラデカン二酸ジメチル等の脂肪族カルボン酸エステルが含まれる。
【0076】
エアロゾル形成剤は、エアロゾル生成材料内に、約0.1wt%、0.5wt%、1wt%、3wt%、5wt%、7wt%又は10%~約80wt%、75wt%、70wt%、65wt%、60wt%、55wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、30wt%又は25wt%のエアロゾル形成剤材料等、エアロゾル生成材料の最大で約80wt%の量含まれてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、約40~80wt%、40~75wt%、50~70wt%、又は55~65wt%の量のエアロゾル形成剤を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成剤は、グリセロール、プロピレングリコール、又はグリセロール及びプロピレングリコールの混合物とすることができる。グリセロールは、タバコ材料の10~20重量%、例えば組成物の13~16重量%、又は組成物の約14%若しくは15重量%の量で存在することができる。プロピレングリコールは、存在する場合、組成物の0.1~0.3重量%の量で存在することができる。
【0078】
エアロゾル形成剤は、可塑剤としての役割を果たし得る。いくつかの場合、エアロゾル形成剤材料は、エリスリトール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、ソルビトール、及びキシリトールから選択される1つ又は複数の化合物を含む。いくつかの場合、エアロゾル形成剤材料は、本質的にグリセロールからなるか又はグリセロールからなる。可塑剤の含有量が高すぎると、エアロゾル生成材料が水を吸収し、その結果、使用中に適切な消費体験を生み出さない材料を得ることができることが確立された。可塑剤の含有量が低すぎると、エアロゾル生成材料が脆くなり、容易に壊れ得ることが確立された。本明細書で指定される可塑剤含有量は、シートをボビンに巻きとることを可能にするエアロゾル生成材料の可撓性をもたらし、これは消耗品の製造に有用であるか、又は細断前にシートを輸送することを可能にし得る。
【0079】
エアロゾル形成剤は、特に、エアロゾル生成材料が比較的大量(例えば、>40wt%)のエアロゾル形成剤を含む場合、ユーザによって加熱され、吸入されたときにエアロゾル生成材料によって生成されるエアロゾルの口当たり、及び一般に官能特性を強化することができる。エアロゾル生成材料が大量のエアロゾル形成剤を保持する能力は、膨張植物性物質材料等のエアロゾル生成材料の他の構成成分を大量のエアロゾル形成剤と共に添加する必要性を低減することができる。これにより、製造効率を改善することができる。
【0080】
エアロゾル生成材料は、充填剤を含んでもよい。充填剤は、概して非タバコ成分であり、すなわちタバコ由来の原料を含まない成分である。充填剤成分は、木材繊維若しくはパルプ又は小麦繊維等の非タバコ繊維とすることができる。充填剤成分はまた、チョーク、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイダルシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム等の無機材料であってもよい。充填剤成分はまた、非タバコキャスト材料又は非タバコ押出材料であってもよい。充填剤成分は、タバコ材料の0~20重量%の量で、又は組成物の1~10重量%の量で存在してもよい。いくつかの実施形態では、充填剤成分は存在しない。
【0081】
いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、5~50wt%、10~40wt%又は15~30wt%の充填剤を含む。いくつかのそのような場合、エアロゾル生成材料は、少なくとも1wt%の充填剤、例えば、少なくとも5wt%、少なくとも10wt%、少なくとも20wt%少なくとも30wt%、少なくとも40wt%又は少なくとも50wt%の充填剤を含む。例示的な実施形態において、エアロゾル生成材料は、繊維を含む、5~25wt%の充填剤を含む。好適には、充填剤は繊維からなるか、又は繊維の形態をとる。
【0082】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、1wt%~60wt%、又は5wt%~50wt%、又は5wt%~30wt%、又は10wt%~20wt%等、60wt%未満の充填剤を含む。
【0083】
他の実施形態において、エアロゾル生成材料は、20wt%未満、好適には、10wt%未満又は5wt%未満の充填剤を含む。
【0084】
充填剤は、ウッドパルプ、セルロース及びセルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(CMC)等)等の1つ又は複数の有機充填剤材料を含んでもよい。炭酸カルシウム又はチョーク等の無機充填剤が用いられてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、チョーク等の炭酸カルシウムを含まない。
【0085】
好適には、充填剤は繊維質である。例えば、充填剤は、ウッドパルプ、麻の繊維、セルロース又はセルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(CMC)等)等の線維性有機充填剤材料であってもよい。理論に束縛されることを望まないが、エアロゾル生成材料内に線維質の充填剤を含めることにより、材料の抗張力を高めることができると考えられている。加えて、繊維質の充填剤を含めることは、製造中のエアロゾル生成材料の扱いを改善することが判明した。特に、得られたエアロゾル生成材料は、「粘着性」が低く、その結果、製造の間に容易に細断されることが見出された。したがって、繊維質充填剤を含めことにより、製造効率を上昇させ、細断の間に機械が停止する確率を低下させることができる。エアロゾル生成材料中に繊維質充填剤を含めることはまた、エアロゾル生成材料が、細断されると、一緒に凝集しにくい(例えば、塊になりにくい)ことを意味する。細断されたエアロゾル生成材料が消耗品に含まれる場合、塊の低減により、消耗品中の細断されたエアロゾル生成材料の分布が最適化される。したがって、各消耗品が同様の量の細断されたエアロゾル生成材料を含有することで、消耗品のバッチ内及び/又は所与の消耗品内の香味料充填量の均質性を改善することができる可能性が高い。
【0086】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は送達される物質を含む。送達される物質は、1つ若しくは複数の活性成分、1つ若しくは複数の香料、1つ若しくは複数のエアロゾル形成剤材料、及び/又は1つ若しくは複数の他の機能材料を含んでもよい。
【0087】
いくつかの実施形態において、送達される物質は活性物質を含む。
【0088】
本明細書において用いられるとき、活性物質は、生理学的反応を達成又は強化することを意図した材料である生理学的活性材料であってもよい。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、精神活性物質から選択されてもよい。活性物質は、天然由来であっても合成的に得られるものであってもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12若しくはC等のビタミン、メラトニン、カンナビノイド、又はそれらの成分、誘導体(限定ではないが、適宜、これらの材料の対応する酸性型を含む)、若しくは組合せを含むことができる。活性物質は、タバコ、大麻、又は別の植物性物質の1つ又は複数の成分、誘導体、又は抽出物を含んでもよい。
【0089】
いくつかの実施形態において、活性物質はニコチンを含む。いくつかの実施形態において、活性物質は、カフェイン、メラトニン、又はビタミンB12を含む。
【0090】
本明細書に記載するように、活性物質は、1つ若しくは複数の植物性物質、又は、その成分、誘導体、若しくは抽出物を含んでもよく、又はこれに由来してもよい。本明細書において用いられるとき、「植物性物質」という用語は、限定ではないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種、花、果実、花粉、外皮、殻等を含む植物由来の任意の材料を含む。代替的に、材料は、合成的に得られる、植物性物質に天然に存在する活性化合物を含んでもよい。材料は、液体、気体、固体、粉末、微粉、粉砕粒子、顆粒、ペレット、断片、細片、シート等の形態であってもよい。植物性物質の例は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻、ココア、大麻、フェンネル、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ショウガ、イチョウ葉、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、甘草、抹茶、マテ、オレンジの皮、パパイヤ、ローズ、セージ、緑茶若しくは紅茶等の茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、エルダーフラワー、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カーヴィ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、マルベリー、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はこれらの任意の組合せである。ミントは、以下のミント品種、すなわち、ヨウシュハッカ(Mentha Arvensis)、グレープフルーツミント(Mentha c.v.)、エジプシャンミント(Mentha niliaca)、ペパーミント(Mentha piperita)、ライムミント(Mentha piperita citrata c.v.)、チョコレートミント(Mentha piperita c.v.)、カーリーミント(Mentha spicata crispa)、ワイルドミント(Mentha cordifolia)、ホースミント(Mentha longifolia)、パイナップルミント(Mentha suaveolens variegata)、ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)、イングリッシュスペアミント(Mentha spicata c.v.)、及びアップルミント(Mentha suaveolens)から選択されたものであってもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ若しくは複数の植物性物質、又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか、又はそれらに由来し、植物性物質はタバコ材料である。
【0092】
本明細書において用いられるとき、「タバコ材料」という用語は、ニコチアナ種の植物に由来する材料を指す。ニコチアナ種の植物の選択は限定されず、使用される1種又は複数種のタバコの種類は様々であってもよい。「タバコ材料」という用語は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ又はタバコ代替物のうちの1種又は複数種を含んでもよい。タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、葉タバコ、タバコ茎、再生タバコ及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ又は複数を含んでもよい。本明細書において用いられるとき、「葉タバコ」は、刻みラミナタバコを意味する。
【0093】
いくつかの実施形態では、タバコ材料は、黄色種又はバージニア、バーレー、天日干し、メリーランド、暗色種(火煙乾燥)、暗色種(空気乾燥)、明色種(空気乾燥)、インディアン(空気乾燥)、赤色ロシア及びルスティカタバコ、並びにそれらの混合物の他、様々な他の希少又は特別なタバコ(緑色又は乾燥)から選択される。発酵タバコ又は遺伝子組み換え若しくは交配技術等の、タバコの味を変性することができる任意の他の種類のタバコ処理を介して生成されたタバコ材料もまた、本開示の範囲内である。例えば、タバコ植物は、構成成分、特性又は特質の生成が増加又は低減するように遺伝子操作又は交配され得ることが想定される。
【0094】
いくつかの実施形態では、タバコ材料は、イズミル、バスマ、サムスン、カテリーニ、プレリップ、コモティーニ、クサンティ及びヤンボルタバコを含むインディアンカルヌール及びオリエンタルタバコから選択される天日干しタバコである。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、パッサンダ、クバノ、ジャティン及びベスキタバコから選択される暗色種(空気乾燥)タバコである。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、ノースウィスコンシン及びガルパオタバコから選択される明色種(空気乾燥)タバコである。
【0095】
いくつかの実施形態では、タバコ材料は、マタフィナ及びバヒアタバコを含むブラジリアンタバコから選択される。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、クリオロ、ピロットクバノ、オロール、グリーンリバー、イサベラDAC、ホワイトパタ、エルル、ジャティム、マドゥラ、カストゥリ、コネチカットシード、ブロードリーフ、コネチカット、ペンシルバニア、イタリアン(空気乾燥)、パラグアイ(空気乾燥)及びワンサッカータバコから選択される。
【0096】
喫煙/電子喫煙又は無煙タバコ製品の調製に関して、ニコチアナ種の植物は、乾燥法に供されてもよい。特定の種類のタバコは、火煙乾燥又は天日干し等の別の種類の乾燥法に供されてもよい。必須ではないが好ましくは、乾燥された収穫されたタバコは、熟成される。
【0097】
タバコは、成長の異なる段階、例えば、植物があるレベルの成熟に達し、下側の葉が収穫できる一方、上側の葉がなお成長中であるときに収穫できる。
【0098】
いくつかの実施形態では、ニコチアナ種の植物の少なくとも一部(例えば、タバコ材料の少なくとも一部)は、未熟な形態で用いられる。すなわち、いくつかの実施形態では、植物又はその植物の少なくとも一部は、熟した又は成熟したと通常考えられる段階に達する前に収穫される。
【0099】
いくつかの実施形態では、ニコチアナ種の植物の少なくとも一部(例えば、タバコ材料の少なくとも一部)は、成熟形態で用いられる。すなわち、いくつかの実施形態では、植物又はその植物の少なくとも一部は、その植物(又は植物部分)が、熟している、過熟した又は成熟したと伝統的に見られる点に達したときに収穫され、収穫は、農業従事者によって従来用いられるタバコ収穫技術の使用によりなされ得る。オリエンタルタバコ及びバーレータバコ植物の両方を収穫することができる。また、バージニアタバコ葉は、それらの葉柄の位置に応じて収穫する又は摘み取ることができる。
【0100】
ニコチアナ種は、植物中に存在する様々な化合物の含有量について選択してもよい。例えば、植物は、それらの植物が、単離することが望ましい化合物(すなわち、目的の揮発性化合物)のうちの1つ又は複数を比較的大量に生成することに基づいて選択してもよい。或る特定の実施形態において、ニコチアナ種の植物は、葉表面化合物が豊富であるため、特に栽培される。タバコ植物は、温室、生育室又は屋外の畑で生育されても、又は水耕法で生育されてもよい。
【0101】
ニコチアナ種の植物の様々な部位又は部分を利用してもよい。いくつかの実施形態では、全植物又は実質的に全植物が収穫され、そのまま用いられる。本明細書において用いられるとき、「実質的に全植物」という用語は、植物の少なくとも90%、例えば植物の少なくとも95%、例えば植物の少なくとも99%が収穫されることを意味する。代替的に、いくつかの実施形態では、植物の様々な部位又は断片は、収穫後の更なる使用のために収穫又は分離される。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、植物の葉、茎、葉柄、及びこれらの部位の様々な組合せから選択される。したがって、本開示のタバコ材料は、ニコチアナ種の植物全体又は植物の任意の部分を含むことがある。
【0102】
タバコ材料は、再生タバコ、タバコラミナ、紙再生タバコ、押出タバコ、バンドキャスト再生タバコ、バンドキャスト再生タバコ、又は再生タバコ及びタバコラミナ又はタバコ顆粒等の別の形態のタバコの組合せを含んでもよく、又はそれらからなってもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料には、実質的に植物性材料が存在しない。特に、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料には、実質にタバコが存在しない。
【0104】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ若しくは複数の植物性物質、又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか、又はそれらに由来し、植物性物質は、ユーカリ、スターアニス、ココア、及び麻から選択される。
【0105】
いくつかの実施形態において、活性物質は、1つ若しくは複数の植物性物質、又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか、又はそれらに由来し、植物性物質は、ルイボス及びフェンネルから選択される。
【0106】
いくつかの実施形態において、送達される物質は香料を含む。
【0107】
本明細書において用いられるとき、「香料」及び「香味料」という用語は、地域の規制が許す場合に、成人消費者向けの製品に所望の味、香り、又は他の体性感覚センセーションを作り出すために使用され得る材料を指す。それらの材料は、天然由来の香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成的に得られる材料、又はそれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、甘草、アジサイ、オイゲノール、ホオノキ、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メンソール、日本ミント、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、マルベリー、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、松、ハニーエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、メンタ属の任意種のミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ葉、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジの皮、ローズ、緑茶若しくは紅茶等の茶、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カーヴィ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤若しくは刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、若しくはマンニトール)、並びに、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤等の他の添加剤を含むことができる。それらの材料は、模造品、合成若しくは天然成分、又はそれらの混合物であってもよい。それらの材料は、任意の好適な形態、例えば、油等の液体、粉末等の固体、又は気体であってもよい。
【0108】
いくつかの実施形態において、香料は、メンソール、スペアミント、及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類、及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。いくつかの実施形態において、香料はオイゲノールを含む。いくつかの実施形態において、香料は、タバコから抽出された香料成分を含む。いくつかの実施形態において、香料は、大麻から抽出された香料成分を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、最大約80wt%、70wt%、60wt%、55wt%、50wt%又は45wt%の香味料を含んでもよい。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、少なくとも約0.1wt%、1wt%、10wt%、20wt%、30wt%、35wt%又は40wt%の香味料(全て乾燥重量ベースで計算される)を含んでもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、1~80wt%、10~80wt%、20~70wt%、30~60wt%、35~55wt%又は30~45wt%の香味料を含んでもよい。例示的な実施形態において、エアロゾル生成材料は、35~50wt%の香味料を含む。いくつかの場合、香味料は、メンソールを含むか、本質的にメンソールからなるか又はメンソールからなる。
【0110】
いくつかの実施形態において、香料は、通常、香り若しくは味覚神経に加えて又はそれに代えて第5脳神経(三叉神経)の刺激によって化学的に誘導されて知覚される体性感覚センセーションを実現するように意図された感覚惹起物質を含むことができ、それらは加熱、冷却、ヒリヒリ感、麻酔効果を提供する薬剤を含むことができる。好適な熱効果剤は、限定ではないが、バニリルエチルエーテルであってもよく、好適な冷却剤は、限定ではないが、ユーカリプトールWS-3であってもよい。
【0111】
エアロゾル生成組成物は、「非結晶固体」の形態のエアロゾル生成材料を含んでもよい。非晶質固体は、「モノリシック固体」であってもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、乾燥ゲルであってもよい。
【0112】
エアロゾル生成組成物は、エアロゾル生成フィルムの形態のエアロゾル生成材料を含んでもよい。エアロゾル生成フィルムは、ゲル化剤等の結合剤を水等の溶媒、エアロゾル形成剤、及び活性物質等の1つ又は複数の他の成分と組み合わせて、スラリーを形成し、次にスラリーを加熱して、溶媒のうちの少なくともいくらかを揮発させて、エアロゾル生成フィルムを形成することによって形成することができる。スラリーは、溶媒の少なくとも約60wt%、70wt%、80wt%、85wt%又は90wt%を除去するように加熱することができる。エアロゾル生成フィルムは、連続フィルム又は不連続フィルム、支持体上のフィルムの別個の部分のそのような構成体であってもよい。エアロゾル生成フィルムには、実質的にタバコがなくてもよい。
【0113】
エアロゾル生成材料は、シートを含むか又はシートであってもよく、シートは任意選択で、細断されたシートを形成するように細断されてもよい。エアロゾル化可能材料のシートは、切断幅に加えて、エアロゾル化可能材料のストランド又は細片の切断長を画定するように、例えば横断型細断プロセスにおいて長さ方向及び/又は幅方向に切断することができる。
【0114】
エアロゾル生成組成物は、上記のエアロゾル生成材料の任意の組合せを含むことができる。例えば、エアロゾル生成組成物は、エアロゾル生成材料の混合物を含むことができ、それらのうちの少なくとも1つが、結合剤及びエアロゾル形成剤を含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成組成物は、結合剤とエアロゾル形成剤を含む(例えば、第1の)エアロゾル生成材料と、(例えば第2の)異なるエアロゾル生成材料とを含む。例えば、第2のエアロゾル生成材料は、タバコラミナ等の植物性材料であってもよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、エアロゾル材料又はその前駆体の成分を含むスラリーを形成すること、スラリーの層を形成すること、スラリーを固化してゲルを形成すること、及び乾燥してエアロゾル生成材料を形成すること、によって準備される。任意選択で、ステップにおいてゲルを固化することは、固化剤をスラリーに塗布することを含むことができる。いくつかの実施形態では、固化剤は、スラリーの上面等、スラリー上に噴霧される。
【0116】
いくつかの実施形態では、固化剤は、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、又はそれらの組合せを含むか又はそれらからなる。いくつかの実施形態では、固化剤は、ギ酸カルシウム及び/又は乳酸カルシウムを含むか又はこれらからなる。特定の実施形態において、固化剤は、ギ酸カルシウムを含むか又はギ酸カルシウムからなる。通常、固化剤としてギ酸カルシウムを用いる結果として、伸張に対し、より高い抗張力及びより高い耐性を有するエアロゾル生成材料が得られることが特定された。
【0117】
カルシウム源等の硬化剤の総量は、0.5~5wt%(乾燥重量ベースで計算される)であってもよい。好適には、総量は、約1wt%、2.5wt%又は4wt%~約4.8wt%又は4.5wt%であってもよい。過度に少ない硬化剤を加えることにより、結果として、エアロゾル生成材料成分を安定化させず、結果としてこれらの成分がエアロゾル生成材料からドロップアウトとすることになるエアロゾル生成材料がもたらされる場合があることがわかった。固化剤の添加量が多すぎると、結果として、非常に粘着性が高く、その結果扱いが不便なエアロゾル生成材料が得られることがわかった。
【0118】
エアロゾル生成材料がタバコを含有しないとき、より大量の固化剤が塗布される必要があり得る。したがって、いくつかの場合、硬化剤の総量は、乾燥重量ベースで計算された、5~10wt%等、0.5~12wt%であってもよい。好適には、総量は、約5wt%、6wt%又は7wt%~約12wt%又は10wt%であってもよい。この場合、エアロゾル生成材料は、通常、タバコを含有しない。
【0119】
プロセスは、スラリーの層を形成することを含む。これは、典型的には、スラリーを噴霧、キャスト又は押し出しすることを含む。例において、スラリー層は、スラリーを静電噴霧することによって形成される。例において、スラリー層は、スラリーをキャストすることによって形成される。
【0120】
いくつかの例において、プロセスの全てのステップは、少なくとも部分的に同時に行われる(例えば、静電噴霧中)。いくつかの例では、プロセスのステップは順次行われる。
【0121】
エアロゾル生成材料は1~60wt%のゲル化剤、0.1~70wt%のエアロゾル形成剤材料、繊維の形態の5~50%の充填剤、及び0.1~80wt%の香味料及び/又は活性物質を含むことができる。
【0122】
エアロゾル生成材料は、10~40wt%のゲル化剤、10~70wt%のエアロゾル形成剤材料、20~40wt%の充填剤、及び任意選択で10~50wt%の香味料を含んでもよい。
【0123】
実施形態において、エアロゾル生成材料は、32.8w%の量のアルギン酸塩、19.2wt%の量のグリセロール、及び48wt%の量のメンソールを含む。
【0124】
実施形態において、エアロゾル生成材料は、26.2wt%の量のアルギン酸塩、15.4wt%の量のグリセロール、38.4wt%の量のメンソール、及び20wt%の量の繊維(木材パルプ由来)を含む。
【0125】
実施形態において、エアロゾル生成材料は、32wt%の量のアルギン酸塩、8wt%の量のペクチン、及び60wt%の量のグリセロールを含む。
【0126】
実施形態において、エアロゾル生成材料は、24wt%の量のアルギン酸塩、6wt%の量のペクチン、10wt%の量のセルロース繊維、及び60wt%の量のグリセロールを含む。
【0127】
実施形態において、エアロゾル生成材料は、約7wt%の量のカルボキシメチルセルロース(CMC)、約43wt%の量のセルロース繊維(木材パルプ由来)、及び約50wt%の量のグリセロールを含む。
【0128】
マウスピース2は、エアロゾル生成セクション3の直接下流に、これと隣り合って配置された、冷却要素とも呼ばれる冷却セクション8を含む。本例において、冷却セクション8は、エアロゾル生成材料のソースと当接関係にある。マウスピース2は、本例において、冷却セクション8の下流の材料本体6、及び材料本体6下流の、物品1の口端の中空管状要素4も含む。
【0129】
冷却セクション8は、約1mm~約4mm、例えば約2mm~約4mmの内径を有する中空チャネルを含む。本例において、中空チャネルは約3mmの内径を有する。中空チャネルは冷却セクション8の全長に沿って延びる。本例において、冷却セクション8は単一の中空チャネルを含む。代替的な実施形態において、冷却セクションは、複数のチャネル、例えば、2、3又は4つのチャネルを含むことができる。本例において、単一の中空チャネルは実質的に円筒形であるが、代替的な実施形態において、他のチャネル形状/断面が用いられてもよい。中空チャネルは、冷却セクション8内に引き込まれたエアロゾルが膨張し、冷却することができる空間を提供することができる。全ての実施形態において、冷却セクションは、中空チャネルの断面積を制限し、使用時の冷却セクション内へのタバコの変位を制限するように構成される。
【0130】
冷却セクション8は、径方向に壁厚を有することが好ましく、これは例えばカリパスを用いて測定することができる。冷却セクションの所与の外径についての冷却セクション8の壁厚が、冷却セクション8の壁によって取り囲まれる空洞の内径を画定する。冷却セクション8は、少なくとも1.5mm及び最大約2mmの壁厚を有することができる。本例では、冷却セクション8は、約2mmの壁厚を有する。本発明者らは、この範囲内の壁厚を有する冷却セクション8を設けることにより、使用時のエアロゾル生成セクションにおけるエアロゾル生成材料のソースの保持が、エアロゾル発生器が物品に挿入されるときのエアロゾル生成材料のストランド及び/又は細片の長手方向の変位を低減させることにより改善することを有利に見出した。
【0131】
冷却セクション8はフィラメントトウから形成される。平行に巻き付けられ、突合せ縫いされて、冷却セクション8を形成する複数の紙層、又は螺旋状に巻かれた紙、厚紙管、パピエマシェ型プロセスを使用して形成された管、成形若しくは押し出しされたプラスチック管又は類似のもの等の他の構成が用いられてもよい。冷却セクション8は、製造中及び物品1の使用時に生じ得る軸線方向の圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有するように製造される。
【0132】
冷却セクション8の壁材料は、比較的非多孔質とすることができ、それによってエアロゾル生成セクション3によって生成されたエアロゾルの少なくとも90%が、冷却セクション8の壁材料ではなく1つ又は複数の中空チャネルを通って長手方向に通過する。例えば、エアロゾル生成セクション3によって生成されるエアロゾルの少なくとも92%又は少なくとも95%が1つ又は複数の中空チャネルを長手方向に通過することができる。
【0133】
冷却セクション8を形成するフィラメントトウは、45,000未満の総繊度を有することが好ましく、より好ましくは42,000未満の総繊度を有する。この総繊度は、密度が高すぎない冷却セクション8の形成を可能にすることが判明した。総繊度は、少なくとも20,000であることが好ましく、より好ましくは少なくとも25,000である。好ましい実施形態では、冷却セクション8を形成するフィラメントトウは、25,000~45,000、より好ましくは35,000~45,000の総繊度を有する。トウのフィラメントの断面形状は、好ましくは「Y」字形であるが、他の実施形態では、「X」字形のフィラメント等の他の形状を用いることもできる。
【0134】
冷却セクション8を形成するフィラメントトウは、3より大きい単繊度を有することが好ましい。この単繊度は、密度が高すぎない管状要素4の形成を可能にすることが判明した。単繊度は、少なくとも4であることが好ましく、より好ましくは少なくとも5である。好ましい実施形態では、中空の管状要素4を形成するフィラメントトウは、4~10、より好ましくは4~9の単繊度を有する。1つの例において、冷却セクション8を形成するフィラメントトウは、酢酸セルロースから形成された8Y40,000トウを有し、18%の可塑剤、例えばトリアセチンを含む。
【0135】
冷却セクション8を形成する材料の密度は、少なくとも約0.20グラム毎立方センチメートル(g/cc)であることが好ましく、より好ましくは少なくとも約0.25g/ccである。冷却セクション8を形成する材料の密度は、約0.80グラム毎立方センチメートル(g/cc)未満であることが好ましく、より好ましくは約0.6g/cc未満である。いくつかの実施形態では、冷却セクション8を形成する材料の密度は、0.20~0.8g/cc、より好ましくは0.3~0.6g/cc、又は0.4g/cc~0.6g/cc、又は約0.5g/ccである。これらの密度は、より高密度の材料によって与えられる改善された堅さと、物品の全体重量の最小化との間で、良好な均衡を提供することが判明した。本発明の目的で、冷却セクション8を形成する材料の「密度」は、何らかの可塑剤が組み込まれた要素を形成する任意のフィラメントトウの密度を指す。密度は、冷却セクション8を形成する材料の総重量を冷却セクション8を形成する材料の総体積で割ることによって判定することができ、総体積は、例えばカリパスを使用して得られる冷却セクション8を形成する材料の適切な測定を使用して計算することができる。必要な場合、適当な寸法は、顕微鏡を使用して測定することができる。
【0136】
冷却セクション8の長さは、約30mm未満であることが好ましい。冷却セクション8の長さは、約25mm未満であることがより好ましい。冷却セクション8の長さは、約20mm未満であることが更により好ましい。追加又は代替として、冷却セクション8の長さは少なくとも約10mmであることが好ましい。冷却セクション8の長さは、少なくとも約15mmであることが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、冷却セクション8の長さは、約15mm~約20mm、より好ましくは約16mm~約19mmである。この例では、冷却セクション8の長さは19mmである。
【0137】
冷却セクション8は、冷却セクションとして作用するマウスピース2内の空隙の周りに配置され、当該空隙を規定している。空隙は、エアロゾル生成材料3のロッドにより生成された加熱揮発成分が流れるチャンバを提供する。冷却セクション8は、中空であって、製造中及び物品1の使用時に生じ得る軸線方向の圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性のエアロゾル蓄積用チャンバを提供する。冷却セクション8は、エアロゾル生成セクション3と材料本体6との間に物理的変位をもたらす。冷却セクション8によってもたらされる物理的変位は、冷却セクション8の長さ全体にわたって熱勾配を与える。
【0138】
マウスピース2は、内容積部が110mm3より大きなキャビティを含むのが好ましい。少なくともこの体積のキャビティを設けることにより、改善されたエアロゾルの形成が可能になることが判明した。マウスピース2は、より好ましくは内容積部が110mm3超、更に好ましくは130mm3超のキャビティ(例えば、冷却セクション8内に形成されたキャビティ)を含むことにより、エアロゾルを更に改善可能となる。いくつかの例において、内部キャビティは、約130mm3~約230mm3、例えば、約134mm3又は227mm3の体積を含む。
【0139】
冷却セクション8は、冷却セクション8の第1の上流端に入る加熱揮発成分と冷却セクション8の第2の下流端から出る加熱揮発成分との間に、少なくとも40℃の温度差をもたらすように構成可能である。冷却セクション8は、冷却セクション8の第1の上流端に入る加熱揮発成分と冷却セクション8の第2の下流端から出る加熱揮発成分との間に、好ましくは少なくとも60℃、より好ましくは少なくとも80℃、更に好ましくは少なくとも100℃の温度差をもたらすように構成されている。この冷却セクション8の長さ全体にわたる温度差は、加熱時に、温度に敏感な材料本体6をエアロゾル生成セクション3の高温から保護する。
【0140】
使用時に、エアロゾル生成セクションは、約15~約40mmH2Oの圧力降下を呈することができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成セクション3は、約15~約30mmH20のエアロゾル生成セクションにわたる圧力降下を呈する。
【0141】
エアロゾル生成材料30は、エアロゾル生成セクション3内で約400mg/cm3~約900mg/cm3の包装密度を有することができる。これよりも高い包装密度は、圧力降下を増大させる場合がある。
【0142】
エアロゾル生成セクション3の体積の少なくとも約45%がエアロゾル生成材料30で充填される。いくつかの実施形態では、空洞の体積の約65%~約85%がエアロゾル生成材料30で充填される。サセプタ要素31は、エアロゾル生成セクション3の体積の約1%、又はエアロゾル生成セクション3の体積の最大約5%を充填することができる。平坦でないサセプタ要素31は、エアロゾル生成材料30における間隙を提供する構造をエアロゾル生成組成物のロッドに設けることができる一方で、エアロゾル生成材料30の把持及びロッド取り出しも行い、これにより、要するエアロゾル生成材料の量を低減することができることが有利である。いくつかの例において、サセプタ要素31及びエアロゾル生成材料30は、エアロゾル生成セクション3の体積の最大約50%、又はエアロゾル生成セクション3の体積の最大約60%、又はエアロゾル生成セクション3の体積の最大約70%、又はエアロゾル生成セクション3の体積の最大約80%を充填することができる。
【0143】
本実施形態において、エアロゾル生成材料のロッドを取り囲む水分不透過性ラッパー10は、アルミニウム箔を含む。他の実施形態において、ラッパー10は、紙のラッパーを含み、任意選択で、ラッパー材料を実質的に水分不透過性にするバリアコーティングを含む。アルミニウム箔は、エアロゾル生成セクション3内でのエアロゾルの形成を促進するのに特に効果的であることが判明した。本例では、アルミニウム箔は、約6μmの厚さを有する金属層を有する。本例では、アルミニウム箔は、紙の裏打ちを有する。しかし、代替構成では、アルミニウム箔は、他の厚さ、例えば4μm~16μmの厚さとすることもできる。アルミニウム箔はまた、紙の裏打ちを有する必要はなく、例えば適当な引張り強度を箔に提供することを助けるために、他の材料から形成された裏打ちを有することもでき、又は裏打ち材料を有していなくてもよい。アルミニウム以外の金属層又は箔を使用することもできる。ラッパーの総厚さは、好ましくは20μm~60μm、より好ましくは30μm~50μmであり、これにより適当な構造的完全性及び熱伝達特性を有するラッパーを提供することができる。ラッパーが破れるまでにラッパーに加えることができる引張り力は、3,000グラム力より大きくすることができ、例えば3,000~10,000グラム力、又は3,000~4,500グラム力とすることができる。ラッパーが紙又は紙の裏打ち、すなわちセルロースベースの材料を含む場合、ラッパーは、約30gsmを超える坪量を有することができる。例えば、ラッパーは、約40gsm~約70gsmの範囲内の坪量を有することができる。そのような坪量はエアロゾル生成組成物のロッドに高い剛性を与える。この範囲内の坪量を有するラッパーによって与えられる高い剛性により、エアロゾル生成セクション3は、使用中、物品が受ける力によるシワの発生又は他の変形に対する耐性がより高くなり得る。高い剛性を有するエアロゾル生成組成物のロッドを設けることは、エアロゾル生成材料の複数のストランド又は細片が、それらの長手方向の寸法が長手方向軸線に平行に位置合わせされるように、エアロゾル生成セクション内で位置合わせされる場合に有利であり得る。これは、長手方向に位置合わせされたエアロゾル生成材料のストランド又は細片は、ストランド又は細片が位置合わせされていないときよりも低い剛性をエアロゾル生成組成物のロッドに与えることができるからである。エアロゾル生成組成物のロッドの高い剛性により、物品は、使用時に物品が受ける大きい力に耐えることができる。
【0144】
本例において、水分不透過性のラッパー10は、実質的に、空気に対し不透過性でもある。代替的な実施形態では、ラッパー10は、好ましくは100コレスタ単位未満、より好ましくは60コレスタ単位未満の透過性を有する。例えば100コレスタ単位未満、より好ましくは60コレスタ単位未満の透過性を有する低透過性のラッパーは、エアロゾル生成セクション3内のエアロゾル形成の改善をもたらすことが判明した。理論によって拘束されることを望むものではないが、これはラッパー10におけるエアロゾル化合物の損失が低減されたことに起因すると仮定される。ラッパー10の透過性は、シガレットペーパー、フィルタープラグラップ、及びフィルター接合紙として使用される材料の透気性の判定に関するISO2965:2009に従って測定することができる。
【0145】
材料本体6及び中空の管状要素4は各々、実質的に円筒形の全体的な外側形状を画定し、共通の長手方向軸線を共有する。材料本体6は、第1のプラグラップ7内に巻き込まれる。第1のプラグラップ7は、好ましくは50gsm未満、より好ましくは約20gsm~40gsmの坪量を有する。第1のプラグラップ7は、好ましくは30μm~60μm、より好ましくは35μm~45μmの厚さを有する。第1のプラグラップ7は、非多孔質のプラグラップであり、例えば100コレスタ単位未満、例えば50コレスタ単位未満の透過性を有することが好ましい。しかし、他の実施形態では、第1のプラグラップ7は、多孔質のプラグラップとすることができ、例えば200コレスタ単位より大きい透過性を有する。
【0146】
材料本体6の長さは、約15mm未満であることが好ましい。材料本体6の長さは、約12mm未満であることがより好ましい。追加又は代替として、材料本体6の長さは少なくとも約5mmである。材料本体6の長さは、少なくとも約8mmであることが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、材料本体6の長さは、約5mm~約15mm、より好ましくは約6mm~約12mm、更により好ましくは約6mm~約12mm、最も好ましくは約6mm、7mm、8mm、9mm、又は10mmである。本例では、材料本体6の長さは10mmである。
【0147】
本例では、材料本体6は、フィラメントトウから形成される。本例では、材料本体6で使用されるトウは、5の単繊度(d.p.f.)及び25,000の総繊度を有する。本例では、トウは、可塑化された酢酸セルロースのトウを含む。トウで使用される可塑剤は、トウの約9重量%を占める。本例では、可塑剤はトリアセチンである。他の例では、異なる材料を使用して、材料本体6を形成することができる。例えば、トウではなく、本体6は、紙から、例えばシガレットでの使用が知られている紙フィルターと類似の方法で形成することができる。例えば、紙又は他のセルロースベースの材料は、折り畳み及び/又は波形化によって本体6を形成するシート材料の1つ又は複数の部分として提供することができる。シート材料は、15gsm~60gsm、例えば、20~50gsmの坪量を有し得る。シート材料は、例えば15~25gsm、25~30gsm、30~40gsm、40~45gsm、及び45~50gsmの範囲のいずれかの坪量を有し得る。追加又は代替として、シート材料は、50mm~200mm、例えば、60mm~150mm又は80mm~150mmの幅を有し得る。例えば、シート材料は、20~50gsmの坪量及び80mm~150mmの幅を有し得る。これにより、例えばセルロースベースの本体は、本明細書に記載のような寸法を有する物品に関して、適当な圧力低下を有し得る。
【0148】
代替的に、本体6は、酢酸セルロース以外のトウ、例えばポリ乳酸(PLA)、フィラメントトウに関して本明細書に記載する他の材料、又は類似の材料から形成することができる。トウは、酢酸セルロースから形成されることが好ましい。トウは、酢酸セルロースから形成されたか、又は他の材料から形成されたかにかかわらず、少なくとも5のd.p.f.を有することが好ましい。十分に均一の材料本体6を実現するために、トウは、12d.p.f.以下、好ましくは11d.p.f.以下、更により好ましくは10d.p.f.以下の単繊度を有することが好ましい。
【0149】
材料本体6を形成するトウの総繊度は、好ましくは多くとも30,000、より好ましくは多くとも28,000、更により好ましくは多くとも25,000である。これらの総繊度の値は、マウスピース2の断面積のうちより小さい割合を占めるトウを提供し、その結果、マウスピース2における圧力降下が、より高い総繊度値を有するトウより小さくなる。適当な堅さの材料本体6の場合、トウは、好ましくは少なくとも8,000、より好ましくは少なくとも10,000の総繊度を有する。単繊度は5~12であり、総繊度は10,000~25,000であることが好ましい。トウのフィラメントの断面形状は、「Y」字形であることが好ましいが、他の実施形態では、本明細書に提供する同じd.p.f.及び総繊度値を有する「X」字形のフィラメント等の他の形状が用いられてもよい。
【0150】
本体6を形成するのに用いられる材料にかかわらず、本体6にわたる圧力降下は、例えば、本体6の長さのmmあたり0.3~5mmWG、例えば本体6の長さのmmあたり0.5mmWG~2mmWGとすることができる。圧力降下は、例えば、0.5~1mmWG/mmの長さ、1~1.5mmWG/mmの長さ又は1.5~2mmWG/mmの長さであり得る。本体6にわたる合計圧力降下は、例えば、3mmWG~8WG、又は4mmWG~7mmWGであり得る。本体6にわたる合計圧力降下は約5、6又は7mmWGとすることができる。
【0151】
図1に示すように、物品1のマウスピース2は、エアロゾル生成セクション3に隣り合う上流端2aと、エアロゾル生成セクション3から離れた下流端2bとを備える。マウスピース2は、フィラメントトウから形成された中空の管状要素4を下流端2bに有する。これにより、物品1が使用中であるとき、消費者の口に接触するマウスピースの下流端2bにおけるマウスピース2の外面の温度が著しく低減することが判明したことが有利である。加えて、管状要素4の使用もまた、管状要素4の更に上流のマウスピース2の外面の温度を著しく低減させることが判明した。理論によって拘束されることを望むものではないが、これは、管状要素4によりエアロゾルがマウスピース2の中心のより近くを通過し、したがってエアロゾルからマウスピース2の外面への熱の伝達が低減することに起因すると仮定される。
【0152】
中空の管状要素4の「壁厚さ」は、径方向の管4の壁の厚さに対応する。これは、例えばカリパスを用いて測定することができる。壁厚さは、0.9mmより大きく、より好ましくは1.0mm以上であることが有利である。壁厚さは、中空の管状要素4の壁全体で実質的に一定であることが好ましい。しかし、壁厚さが実質的に一定でない場合、壁厚さは、中空の管状要素4の周りの任意の点で、好ましくは0.9mmより大きく、より好ましくは1.0mm以上である。本例において、中空の管状要素4の壁厚みは約1.3mmである。
【0153】
中空の管状要素4の長さは、約20mm未満であることが好ましい。中空の管状要素4の長さは、約15mm未満であることがより好ましい。中空の管状要素4の長さは、約10mm未満であることが更により好ましい。追加又は代替として、中空の管状要素4の長さは少なくとも約5mmである。中空の管状要素4の長さは、少なくとも約6mmであることが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、中空の管状要素4の長さは、約5mm~約20mm、より好ましくは約6mm~約10mm、更により好ましくは約6mm~約8mm、最も好ましくは約6mm、7mm、又は約8mmである。本例では、中空の管状要素4の長さは7mmである。
【0154】
中空の管状要素4の密度は、好ましくは少なくとも約0.25グラム毎立方センチメートル(g/cc)、より好ましくは少なくとも約0.3g/ccである。中空の管状要素4の密度は、好ましくは約0.75グラム毎立方センチメートル(g/cc)未満、より好ましくは約0.6g/cc未満である。いくつかの実施形態では、中空の管状要素4の密度は、0.25~0.75g/cc、より好ましくは0.3~0.6g/cc、より好ましくは0.4g/cc~0.6g/cc又は約0.5g/ccである。これらの密度は、より高密度の材料によって与えられる改善された堅さと、より低密度の材料のより低い熱伝達特性との間で、良好な均衡を提供することが判明した。本発明の目的で、中空の管状要素4の「密度」は、何らかの可塑剤が組み込まれた要素を形成するフィラメントトウの密度を指す。密度は、中空の管状要素4の総重量を中空の管状要素4の総体積で割ることによって判定することができ、総体積は、例えばカリパスを使用して得られる中空の管状要素4の適切な測定を使用して計算することができる。必要な場合、適当な寸法は、顕微鏡を使用して測定することができる。
【0155】
中空の管状要素4を形成するフィラメントトウは、好ましくは45,000未満、より好ましくは42,000未満の総繊度を有する。この総繊度は、密度が高すぎない管状要素4の形成を可能にすることが判明した。総繊度は、好ましくは少なくとも20,000、より好ましくは少なくとも25,000である。好ましい実施形態では、中空の管状要素4を形成するフィラメントトウは、25,000~45,000、より好ましくは35,000~45,000の総繊度を有する。トウのフィラメントの断面形状は、好ましくは「Y」字形であるが、他の実施形態では、「X」字形のフィラメント等の他の形状を用いることもできる。
【0156】
中空の管状要素4を形成するフィラメントトウは、3より大きい単繊度を有することが好ましい。この単繊度は、密度が高すぎない管状要素4の形成を可能にすることが判明した。好ましくは、単繊度は、少なくとも4、より好ましくは少なくとも5である。好ましい実施形態では、中空の管状要素4を形成するフィラメントトウは、4~10、より好ましくは4~9の単繊度を有する。1つの例において、中空の管状要素4を形成するフィラメントトウは、酢酸セルロースから形成された7.3Y36,000トウを有し、18%の可塑剤、例えばトリアセチンを含む。
【0157】
中空の管状要素4は、3.0mmより大きい内径を有することが好ましい。これより小さい直径は、マウスピース2を通って消費者の口に届くエアロゾルの速度を、所望される以上に増大させる可能性があり、その結果、エアロゾルが温かくなりすぎ、例えば40℃より高い又は45℃より高い温度に到達する。より好ましくは、中空の管状要素4は、3.1mmより大きい、更により好ましくは3.5mm又は3.6mmより大きい内径を有する。1つの実施形態において、中空の管状要素4の内径は約4.7mmである。
【0158】
中空の管状要素4は、15%~22重量%の可塑剤を含むことが好ましい。酢酸セルロースのトウの場合、可塑剤は、トリアセチンであることが好ましいが、ポリエチレングリコール(PEG)等の他の可塑剤を使用することもできる。より好ましくは、管状要素4は、16%~20重量%の可塑剤、例えば約17%、約18%、又は約19%の可塑剤を含む。
【0159】
本例では、第1の中空の管状要素4、材料本体6及び冷却セクション8は、3つ全てのセクションの周りに巻き付けられた第2のプラグラップ9を用いて組み合わされる。第2のプラグラップ9は、好ましくは50gsm未満、より好ましくは約20gsm~45gsmの坪量を有する。第2のプラグラップ9は、好ましくは30μm~60μm、より好ましくは35μm~45μmの厚さを有する。第2のプラグラップ9は、非多孔質のプラグラップであり、例えば100コレスタ単位未満、例えば50コレスタ単位未満の透過性を有することが好ましい。しかし、代替の実施形態では、第2のプラグラップ9は、多孔質のプラグラップとすることができ、例えば200コレスタ単位より大きい透過性を有する。
【0160】
本例では、物品1は約23mmの外周を有する。他の例では、物品は、例えば20mm~26mmの外周を有する、本明細書に記載のフォーマットのうちのいずれかで提供されてもよい。物品は加熱されてエアロゾルを放出するものであるので、加熱効率の向上は、この範囲内でより小さい外周、例えば23mm未満の円周を有する物品を使用して実現することができる。適切な製品長さを維持しながら、加熱による改善されたエアロゾルを実現するために、19mm超の物品の円周が特に有効であることも判明した。20mm~24mm、より好ましくは20mm~23mmの円周を有する物品は、有効なエアロゾル送達を行うことと、効率的な加熱を可能にすることとの良好なバランスを提供することが判明した。
【0161】
チップペーパー5が、マウスピース2の全長及びエアロゾル生成セクション3の一部にわたって巻き付けられ、その内面に接着剤を有して、マウスピース2とロッド3とを接続する。本例では、エアロゾル生成組成物のロッドは、第1のラッピング材料を形成するラッパー10に包まれ、チップペーパー5は、エアロゾル生成組成物のロッド上に少なくとも部分的に延びてマウスピース2及びエアロゾル生成セクション3を接続する、外側ラッピング材料を形成する。いくつかの例において、チップペーパーは、エアロゾル生成セクション上に部分的にのみ延びることができる。
【0162】
本例では、チップペーパー5は、エアロゾル生成セクション3上に5mmにわたって延びるが、代わりに、ロッド3上に3mm~10mm、又はより好ましくは4mm~6mmにわたって延びて、マウスピース2とロッド3とを確実に取り付けてもよい。チップペーパーは、20gsm超、例えば25gsm超、又は好ましくは30gsm超、例えば37gsmの坪量を有することができる。これらの範囲の坪量により、許容可能な引張強度を有しながら、物品1に巻き付いてペーパーの長手方向の重ね継ぎ目に沿ってチップペーパー自体に付着するのに十分な可撓性を有するチップペーパーが得られることが判明した。マウスピース2に巻き付けられた後、チップペーパー5の外周は約23mmである。
【0163】
物品は、物品を通って引き込まれるエアロゾルの約10%の通気レベルを有する。代替実施形態において、物品は、物品を通って引き込まれるエアロゾルの1%~20%、例えば1%~12%の通気レベルを有することができる。これらのレベルの通気は、口端部2bでユーザにより吸入されるエアロゾルの濃度を高くするのに役立つとともに、エアロゾルの冷却プロセスを助ける。通気部は、物品1のマウスピース2に直接設けられる。本例では、通気部は冷却セクション8に設けられ、これは、エアロゾル生成プロセスを助けるのに特に有利であることが判明した。通気部は、この場合、マウスピース2の下流の口端部2bから13mmのところに位置する単一列のレーザミシン目として形成されたミシン目12によって設けられる。代替的な実施形態において、2列以上の通気ミシン目を設けてもよい。これらのミシン目は、チップペーパー5、第2のプラグラップ9、及び冷却セクション8を通る。代替的な実施形態において、通気部を、マウスピースの他の位置、例えば材料本体6又は第1の管状要素4に設けてもよい。物品は、物品1の上流端から約28mm以下、好ましくは物品1の上流端から20mm~28mmのところにミシン目が設けられるように構成されることが好ましい。本例では、開口部は、物品の上流端から約25mmのところに設けられている。
【0164】
図2aは、カプセル含有マウスピース2’を含む更なる物品1’の側面断面図である。
図2bは、
図2aに示すカプセル含有マウスピースの、
図2aの線A-A’を通る側方断面図である。物品1’及びカプセル含有マウスピース2’は、
図1に示す物品1及びマウスピース2と同じであるが、エアロゾル変性剤が、材料本体6内に、本例ではカプセル11の形態で提供されること、及び耐油性の第1のプラグラップ7’が材料本体6を取り囲むことが異なる。他の例では、エアロゾル変性剤は、材料本体6に注入される材料等の他の形態で提供することができるか、又は糸、例えば、香味料若しくは他のエアロゾル変性剤を保持する糸上に提供することができ、この糸も材料本体6内に配設することができる。
【0165】
カプセル11は、破壊可能なカプセル、例えば液体のペイロードを取り囲む固体の壊れやすいシェルを有するカプセルを含むことができる。本例において、単一のカプセル11が用いられる。カプセル11は、材料本体6内にその全体が埋め込まれる。換言すれば、カプセル11は、本体6を形成する材料によって完全に取り囲まれる。他の例において、複数の破壊可能なカプセル、例えば、2又は3個以上の破壊可能なカプセルが材料本体6内に配設されてもよい。材料本体6の長さは、要するカプセル数を収容するように増大させることができる。複数のカプセルが用いられる例において、個々のカプセルは互いに同じであってもよく、又はサイズ及び/若しくはカプセルペイロードの観点で互いに異なっていてもよい。他の例において、複数の材料本体6が提供されてもよく、各本体が1つ又は複数のカプセルを含有する。
【0166】
カプセル11はコアシェル構造を有する。換言すれば、カプセル11は、液剤、例えば、本明細書に記載の香味料又はエアロゾル変性剤のうちの任意のものとすることができる香味料又は他の作用物質をカプセル化するシェルを含む。カプセルのシェルは、香味料又は他の作用物質を材料本体6内に解放するためにユーザによって破裂させることができる。第1のプラグラップ7’は、プラグラップの材料を、カプセル11の液体ペイロードに対し実質的に不浸透性にするためのバリアコーティングを含むことができる。代替的に又は加えて、第2のプラグラップ9及び/又はチップペーパー5は、そのプラグラップ及び/又はチップペーパーの材料を、カプセル11の液体ペイロードに対し実質的に不浸透性にするためのバリアコーティングを含むことができる。
【0167】
本例において、カプセル11は球形であり、約3mmの直径を有する。他の例において、カプセルの他の形状又はサイズを用いることができる。例えば、カプセルは、4mm未満、又は3.5mm未満、又は3.25mm未満の直径を有することができる。代替的な実施形態では、カプセルは、約3.25mm超、例えば3.5mm超、又は4mm超の直径を有することができる。カプセル11の合計重量は、約10mg~約50mgの範囲内にあり得る。
【0168】
本例において、カプセル11は、材料本体6内の長手方向の中心位置に配置される。すなわち、カプセル11は、その中心が材料本体6の各端部から5mmのところにあるように配置される。本例において、カプセルの中心は、物品1の上流端から36mmのところに配置される。カプセルは、その中心が物品1の上流端から28mm~38mmに好ましくは配置され、より好ましくは物品1の上流端から34mm~38mmに配置されるように配置される。本例において、カプセルの中心はマウスピース2bの下流端から12mmのところに配置される。この位置にカプセルを設ける結果として、使用時に加熱される物品のエアロゾル生成セクションに対するカプセルの近接性に起因して、カプセル内容物の揮発が改善する一方で、使用時に、エアロゾル供給システムに挿入されるエアロゾル生成セクションから十分離れてもいることで、ユーザは、自身の指を用いてカプセルに容易にアクセスし、これを破裂させることが可能になる。
【0169】
他の例において、カプセル11は、材料本体6における長手方向の中心位置以外の位置に、すなわち、上流端よりも材料本体6の下流端のより近くに、又は下流端よりも材料本体6の上流端のより近くに配置され得る。マウスピース2’は、カプセル11及び換気孔12がマウスピース2’において互いから長手方向にオフセットされるように構成されることが好ましい。例えば、換気孔12は、カプセル位置のすぐ上流に、すなわち、カプセル位置の約1mm~約10mm上流に設けられてもよい。
【0170】
物品1は、不燃式エアロゾル供給デバイスと共に用いるのに適している。
【0171】
図10は、近位端16a及び遠位端16bを有する不燃式エアロゾル供給デバイス16の例を示す。
【0172】
概略において、デバイス16を用いて、サセプタ及びエアロゾル生成材料を含む物品1、例えば本明細書に記載の物品1に、デバイス16のユーザによって吸入されるエアロゾルを生成させることができる。デバイス16及び物品1は、合わせて、システムを形成する。
【0173】
デバイス16は、変動する磁場を生成するように構成されたコイル17を含む磁場発生器を備える。変動磁場は、物品1内のサセプタに熱を発生させ、ひいてはエアロゾルを形成するように生成エアロゾルを加熱する。
【0174】
デバイス16は、デバイス16の様々な構成要素を包囲及び収容するハウジング18を備える。デバイス16は、一方の端部に開口部19を有し、これを通って物品1を挿入することができる。使用時に、物品1は、加熱アセンブリに完全に、又は部分的に挿入することができる。
【0175】
デバイス16は、押下時にデバイス16を動作させる、ボタン又はスイッチ等のユーザが作動可能な制御要素20も含むことができる。例えば、ユーザは、スイッチ20を操作することによってデバイス16をオンにすることができる。
【0176】
デバイス16は、デバイス100の電源22を充電するためのケーブルを受けることができるソケット/ポート21等の電気構成要素も備えることができる。例えば、ソケット21は、USB充電ポート等の充電ポートとすることができる。
【0177】
使用時に、ユーザは、物品1を開口部19に挿入し、エアロゾル生成材料の加熱を開始するようにユーザ制御部20を操作し、デバイス内で生成されたエアロゾルを利用する。これにより、エアロゾルは、流路に沿ってデバイス16の近位端16aに向かってデバイス16を通って流れる。
【0178】
開口部19から最も離れたデバイスの他方の端部は、使用時にユーザの口から最も離れた端部であるため、デバイス16の遠位端16bとして知られる場合がある。ユーザがデバイス内に生成されたエアロゾルを利用する際、エアロゾルはデバイス100の遠位端から離れる方に流れる。
【0179】
電源22は、例えば、充電可能バッテリー又は非充電可能バッテリー等のバッテリーとすることができる。適切なバッテリーの例は、例えば(リチウムイオンバッテリー等の)リチウムバッテリー、(ニッケルカドミウムバッテリー等の)ニッケルバッテリー、及びアルカリバッテリーを含む。バッテリーは、エアロゾル生成材料を加熱する必要があるときに、コントローラ(図示せず)の制御下で、電力を供給するために磁場発生器に電気的に結合される。
【0180】
デバイスは、少なくとも1つの電子機器モジュール23を更に備える。電子機器モジュール23は、例えば、プリント回路基板(PCB)を備えることができる。PCB23は、プロセッサ及びメモリ等の少なくとも1つのコントローラを支持することができる。PCB23は、デバイス16の様々な電子構成要素を共に電気的に接続するための1つ以上の電気トラックも含むことができる。例えば、バッテリー端子(図示せず)は、デバイス16全体に電力を分配することができるように、PCB23に電気的に接続することができる。ソケット21も電気トラックを介してバッテリーに電気的に結合することができる。
【0181】
デバイス16は、物品1内のサセプタを誘導加熱するように構成されたコイル17を含む磁場発生器を含む。
【0182】
コイル17はインダクタコイルである。インダクタコイルは導電性材料から作製される。本例において、インダクタコイルは、螺旋状のインダクタコイルを形成するように螺旋状に巻かれたリッツ線/ケーブルから作製される。リッツ線は、個々に絶縁され、単一の線を形成するように撚り合わされた複数の個々の線を含む。リッツ線は、導体における表皮効果損失を低減するように設計される。例示的デバイス16において、インダクタコイルは銅から作製され、リッツ線は矩形の断面を有する。他の例において、リッツ線は、円形等の他の形状の断面を有し得る。
【0183】
インダクタコイル17は、物品のサセプタを加熱するための第1の変動磁場を生成するように構成される。インダクタコイル17はPCB23に接続することができる。
【0184】
デバイスはインダクタコイル支持管24を含む。コイル支持管24は、外面及び内面によって画定される。コイル支持管の外面は、磁場発生器17のインダクタコイルを支持する。内面は、物品1を挿入することができる空洞を画定する。管24は、変動磁場による侵入によって加熱可能でない材料から作製されることが好ましい。これは、使用中にインダクタが管を加熱することを回避し、また、電力消費を低減するためのものである。
【0185】
図10を参照すると、デバイス16’は、第1のインダクタコイル17a及び第2のインダクタコイル17bを含む2つの磁場発生器を含む。第1のインダクタコイル17aは、物品1におけるサセプタを加熱するための第1の変動磁場を生成するように構成され、第2のインダクタコイル17bは、第2のサセプタを加熱するための第2の変動磁場を生成するように構成される。この例において、第1のインダクタコイル17aは、デバイス16の長手方向軸線に沿った方向において第2のインダクタコイル17bに隣り合う(すなわち、第1のインダクタコイル17a及び第2のインダクタコイル17bは重ならない)。第1のインダクタコイル17a及び第2のインダクタコイル17bはPCB23に接続することができる。第1及び第2のコイルはコイル支持管24’によって支持される。
【0186】
いくつかの例において、第1のインダクタコイル17a及び第2のインダクタコイル17bは、互いに異なる少なくとも1つの特性を有することができることが理解されよう。例えば、第1のインダクタコイル17aは、第2のインダクタコイル17bと異なる少なくとも1つの特性を有することができる。より詳細には、1つの例において、第1のインダクタコイル17aは、第2のインダクタコイル17bと異なるインダクタンス値を有することができる。第1のインダクタコイル17a及び第2のインダクタコイル17bは異なる長さであってもよい。このため、第1のインダクタコイル17aは、第2のインダクタコイル17bと異なる巻数を含むことができる(個々の巻間の間隔が実質的に同じであると仮定する)。更に別の例において、第1のインダクタコイル17aは、第2のインダクタコイル17bと異なる材料から作製することができる。いくつかの例において、第1のインダクタコイル17a及び第2のインダクタコイル17bは実質的に同一にすることができる。
【0187】
この例において、第1のインダクタコイル17a及び第2のインダクタコイル17bは、反対方向に巻き付けられる。これは、インダクタコイルが異なる時点で活性であるときに有用とすることができる。例えば、最初に、第1のインダクタコイル17aは、物品110の第1のセクション/部分を加熱するように動作している場合があり、後の時点に、第2のインダクタコイル17bは、物品110の第2のセクション/部分を加熱するように動作している場合がある。コイルを反対方向に巻くことは、特定のタイプの制御回路と併せて用いられるときに不活性コイル内に生じる電流を低減するのに役立つ。
図10において、第1のインダクタコイル17aは右螺旋であり、第2のインダクタコイル17bは左螺旋である。しかしながら、別の実施形態において、インダクタコイル17a、17bは同じ方向に巻くことができるか、又は第1のインダクタコイル17aを左螺旋とすることができ、第2のインダクタコイル17bを右螺旋とすることができる。
【0188】
使用時に、本明細書に記載の物品1は、
図10及び
図11を参照して説明したデバイス16及び16’等の不燃式エアロゾル供給デバイスに挿入することができる。物品1のマウスピース2の少なくとも一部分は、不燃式エアロゾル供給デバイス16、16’から突出しており、ユーザの口に入れることができる。エアロゾルは、デバイス16、16’を用いてエアロゾル生成材料を含むエアロゾル生成セクション3及びエアロゾル生成材料に少なくとも部分的に埋め込まれたサセプタを加熱することによって生成される。エアロゾル生成材料によって生成されるエアロゾルは、マウスピース2を通ってユーザの口に進む。
【0189】
図12を参照すると、磁場発生器は単一のコイル17を備える。磁場発生器は、変動磁場の生成によってエアロゾル生成組成物3内のサセプタを誘導加熱するように構成される。
【0190】
物品1の外面は、物品1の外面がコイル支持管24’の内面に当接するような寸法にすることができる。これは、エアロゾル生成セクションがコイル17により近いため、加熱が最も効率的であることを確実にする。
【0191】
図13は、デバイス16’のコイル支持管24’内に受けられた本明細書に記載の物品1を示す。磁場発生器は2つのコイル17a及び17bを含む。これにより、エアロゾル生成セクション3の異なる部分が異なる時点に及び/又は異なる温度に加熱されることが可能になる。
【0192】
本明細書に記載の様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示の補助としてのみ提示している。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ与えられており、網羅的なもの及び/又は排他的なものではない。本明細書に記載されている利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲に対する限定又は特許請求の範囲の均等物に対する限定と考えられるべきではないこと、並びに、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、修正が行われてもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に特定的に記載されているもの以外の、開示されている要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段等の適当な組合せを好適に含むことができるか、これらの組合せからなることができるか、又は本質的にこれらの組合せからなることができる。加えて、本開示は、本明細書において特許請求されないが、将来的に特許請求される可能性がある他の発明を含む場合がある。