(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-10
(45)【発行日】2025-10-21
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両
(51)【国際特許分類】
B62K 19/38 20060101AFI20251014BHJP
B62J 43/20 20200101ALI20251014BHJP
B62L 3/02 20060101ALI20251014BHJP
B62L 3/04 20060101ALI20251014BHJP
【FI】
B62K19/38
B62J43/20
B62L3/02 F
B62L3/04 Z
(21)【出願番号】P 2024022023
(22)【出願日】2024-02-16
【審査請求日】2024-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三輪 友香里
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/062421(WO,A1)
【文献】特開平6-321078(JP,A)
【文献】特開2017-132357(JP,A)
【文献】特開2007-203819(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057595(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 19/38
B62J 43/20
B62L 3/02
B62L 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインフレーム(31)と、前記メインフレーム(31)から後方に延びるシートフレーム(38)と、前記シートフレーム(38)よりも下方で前記メインフレーム(31)から後方に延びるリアサブフレーム(39)とを有する車体フレーム(11)と、前記車体フレーム(11)に支持されバッテリ(42)が格納されるバッテリ格納部材(41)と、前記バッテリ格納部材(41)を車体幅方向外側から覆うサイドカバー(40)と、前記バッテリ格納部材(41)の後方に配置されたリアフェンダー(27)と、前記バッテリ格納部材(41)の下方に配置されるCBS機構(61)と、を備える鞍乗り型車両において、
前記バッテリ格納部材(41)は、車体側面視で、前記メインフレーム(31)と前記シートフレーム(38)と前記リアサブフレーム(39)とにより形成される閉回路形状部(S1)の内側に位置するように、車体幅方向一側に配置され、
前記バッテリ格納部材(41)には、底面(81d)から下方に延びるバッテリ格納部材下壁部(83)が設けられ、
前記CBS機構(61)の少なくとも一部は、車体側面視で、前記閉回路形状部(S1)の内側に位置すると共に前記バッテリ格納部材下壁部(83)と重なる
ことを特徴とする鞍乗り型車両。
【請求項2】
前記CBS機構(61)の少なくとも一部は、車体平面視で、前記車体フレーム(11)よりも車体幅方向内側に位置すると共に前記バッテリ格納部材(41)と重なる
ことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
【請求項3】
前記リアフェンダー(27)は、前記リアサブフレーム(39)に沿うように配置され、
前記リアフェンダー(27)の前部には、下方に延びるリアフェンダー下壁部(93)が設けられ、
前記CBS機構(61)の少なくとも一部は、車体背面視で、前記リアフェンダー下壁部(93)と重なる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両。
【請求項4】
前記CBS機構(61)の少なくとも一部は、車体背面視で、前記バッテリ格納部材下壁部(83)と重なる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両。
【請求項5】
前記メインフレーム(31)の後部には、車体幅方向に延びるクロスメンバ(35)が設けられ、
前記CBS機構(61)の少なくとも一部は、車体前面視で、前記クロスメンバ(35)と重なる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両。
【請求項6】
前記CBS機構(61)の少なくとも一部は、車体側面視で、前記サイドカバー(40)と重なる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CBS(Combined Brake System)機構が設けられた鞍乗り型車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、バッテリの下方にCBS機構が配置されており、リアサブフレームの下方にCBS機構が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
CBS機構は、乗員の操作に応じて、イコライザーがバランスを取りながら移動する。よって、そのバランスを維持させるために、水や、石、砂などから、より確実に保護することが望まれる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、CBS機構を保護し易い鞍乗り型車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
鞍乗り型車両は、メインフレームと、前記メインフレームから後方に延びるシートフレームと、前記シートフレームよりも下方で前記メインフレームから後方に延びるリアサブフレームとを有する車体フレームと、前記車体フレームに支持されバッテリが格納されるバッテリ格納部材と、前記バッテリ格納部材を車体幅方向外側から覆うサイドカバーと、前記バッテリ格納部材の後方に配置されたリアフェンダーと、前記バッテリ格納部材の下方に配置されるCBS機構と、を備える鞍乗り型車両において、前記バッテリ格納部材は、車体側面視で、前記メインフレームと前記シートフレームと前記リアサブフレームとにより形成される閉回路形状部の内側に位置するように、車体幅方向一側に配置され、前記バッテリ格納部材には、底面から下方に延びるバッテリ格納部材下壁部が設けられ、前記CBS機構の少なくとも一部は、車体側面視で、前記閉回路形状部の内側に位置すると共に前記バッテリ格納部材下壁部と重なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
CBS機構を保護し易い鞍乗り型車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。
【
図3】
図2からサイドカバーなどを取り外した状態を示す図である。
【
図4】バッテリボックスとリアフェンダーとが取り付けられた状態の車体フレームを右前方から見た斜視図である。
【
図6】バッテリボックスを右前方から見た斜視図である。
【
図7】バッテリボックスを右後方から見た斜視図である。
【
図9】リアフェンダーを右後方から見た斜視図である。
【
図10】車体フレームとバッテリボックスとCBS機構とを示す正面図である。
【
図11】車体フレームとバッテリボックスとCBS機構とを示す底面図である。
【
図12】CBS機構を右後方から見た斜視図である。
【
図13】
図3のXIII-XIII線断面の要部を示す図である。
【
図14】
図3のXIV-XIV線断面の要部を示す図である。
【
図15】
図3のXV-XV線断面の要部を示す図である。
【
図16】
図3のXVI-XVI線断面の要部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
【0009】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
【0010】
車体フレーム11は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18の後方に位置するフロントフレーム19と、フロントフレーム19の後方に位置するリアフレーム20とを備える。フロントフレーム19の前端部は、ヘッドパイプ18に接続される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
【0011】
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18によって左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。乗員が把持する操舵用のハンドル21は、フロントフォーク14の上端部に取り付けられる。
【0012】
スイングアーム16は、車体フレーム11に支持されるピボット軸22に支持される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる軸である。スイングアーム16の前端部には、ピボット軸22が挿通される。スイングアーム16は、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
【0013】
パワーユニット12は、前輪13と後輪15との間に配置され、車体フレーム11に支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
【0014】
また、鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー26と、後輪15を上方から覆うリアフェンダー27と、乗員が足を載せるステップ28と、パワーユニット12が使用する燃料を蓄える燃料タンク29とを備える。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
【0015】
図2は、
図1の要部拡大図である。
図3は、
図2からサイドカバー40などを取り外した状態を示す図である。
図4は、バッテリボックス41とリアフェンダー27とが取り付けられた状態の車体フレーム11を右前方から見た斜視図である。
図3、
図4では、バッテリボックス41とリアフェンダー27とは網掛けを付して示す。
フロントフレーム19は、ヘッドパイプ18から後下方に延びるメインフレーム31と、メインフレーム31よりも下方でヘッドパイプ18から下方に延びるダウンフレーム32と、メインフレーム31の前端部とダウンフレーム32の前端部とを車幅方向両側から覆うガセット部33と、を有する。
【0016】
図1、
図2に示すように、本実施の形態のメインフレーム31は、ヘッドパイプ18から車幅中央を後下方に延びるセンターフレーム部34と、センターフレーム部34の下端部に接続され車幅方向に延びる上側クロスメンバ部(クロスメンバ)35と、上側クロスメンバ部35の車幅方向両端から下方に延びる左右一対のピボットフレーム部36と、左右一対のピボットフレーム部36の下端を接続する車幅方向に延びる下側クロスメンバ部37と、を有する。
【0017】
リアフレーム20は、メインフレーム31のセンターフレーム部34の長手方向中間部から後方に延びる左右一対のシートフレーム38と、メインフレーム31のピボットフレーム部36の上下中間部から後上方に延びる左右一対のリアサブフレーム39とを有する。シートフレーム38は前部では後方に進むに連れて車幅方向外側に傾斜し(
図11参照)、後部では後方に直線状に延びる。リアサブフレーム39は、シートフレーム38の前後方向中途部に後端が接続される(
図1参照)。
【0018】
メインフレーム31と、シートフレーム38と、リアサブフレーム39とは、車体側面視において、閉じた囲み形状の閉回路形状スペース(閉回路形状部)S1を構成する。車体側面視で、閉回路形状スペースS1は逆三角形状である。閉回路形状スペースS1には、
図3に示すように、バッテリボックス(バッテリ格納部材)41が配置される。バッテリボックス41は、車体中心部に対して右側(車幅方向一側)に配置される。バッテリボックス41には、バッテリ42が収容される。バッテリ42には、メインハーネス48が接続される。バッテリボックス41の左側(車幅方向他側)には、エアクリーナボックス43(
図15参照)が配置される。
【0019】
閉回路形状スペースS1は、サイドカバー40によって車幅方向外側から覆われる(
図1、
図2参照)。サイドカバー40は、車体側面視で、閉回路形状スペースS1よりも大きい。閉回路形状スペースS1は、サイドカバー40によって車幅方向外側から覆われるため、車体側面視では、外観視されないスペースである。
【0020】
図1に示すように、シリンダー部24の前部には、排気管25aが接続される。排気管25aは、シリンダー部24の前方を下方に延出した後、パワーユニット12の下方を後方に延出する。排気管25aの後端には、排気マフラー25bが接続される。排気管25aと、排気マフラー25bとによって、排気装置25が構成される。クランクケース23の右側、且つステップ28の上方には、キックペダル23pが配置される。
【0021】
鞍乗り型車両10は、前輪13を制動する前輪ブレーキ51と、後輪15を制動する後輪ブレーキ52とを備える。前輪ブレーキ51は、第1前輪ブレーキ力伝達部材として機能する前輪ブレーキケーブル51aを介してブレーキレバー21rに接続される。ブレーキレバー21rは、ハンドル21の右側に設けられ、乗員(運転者)が手で操作する前輪ブレーキ操作子として機能する。ブレーキレバー21rが乗員によって操作されると、前輪ブレーキ51が作動し、前輪13に制動力が付与される。
【0022】
前輪ブレーキ51には、油圧式ブレーキの一種であるディスクブレーキが採用される。よって、本実施の形態では、ブレーキ操作に応じた油圧を発生するマスターシリンダが配置され、前輪ブレーキケーブル51aに油圧ホースが使用される。前輪ブレーキ51は、ディスクブレーキに限定されず、ディスクブレーキ以外のブレーキ装置でもよく、例えばドラムブレーキでもよい。
【0023】
後輪ブレーキ52は、後輪ブレーキ力伝達部材として機能するブレーキロッド52aを介してブレーキペダル53に接続される。ブレーキペダル53は、右側のステップ28の周辺に設けられる。ブレーキペダル53は、乗員が足で操作する後輪ブレーキ操作子として機能する。ブレーキペダル53の後部は、
図3に示すように、車幅方向に延びる軸53aにより揺動可能に支持される。ブレーキペダル53は、ブレーキ操作されていない通常位置(
図3の実線参照)と、ブレーキ操作された状態の操作位置(
図3の二点鎖線参照)との間を揺動可能に支持される。ブレーキペダル53が乗員によって操作されると、後輪ブレーキ52が作動し、後輪15に制動力が付与される。
【0024】
後輪ブレーキ52には、機械式ブレーキの一種であるドラムブレーキが採用される。後輪ブレーキ52は、ドラムブレーキに限定されず、ドラムブレーキ以外のブレーキ装置でもよい。また、ブレーキロッド52aを、後輪ブレーキ力伝達部材として利用可能なブレーキケーブル等に変更してもよい。
本構成の鞍乗り型車両10には、ブレーキペダル53の操作により前輪ブレーキ51と後輪ブレーキ52の両方を作動させるCBS機構61(
図12参照)が設けられる。
【0025】
図5は、バッテリボックス41の右側面である。
図6は、バッテリボックス41を右前方から見た斜視図である。
図7は、バッテリボックス41を右後方から見た斜視図である。
バッテリボックス41は、車体フレーム11に支持される。バッテリボックス41は、車幅方向外側から車幅方向内側に凹んだ容器状のバッテリ収容部81と、バッテリ収容部81の後方に形成されたハーネス支持部82と、バッテリ収容部81の下方に形成されたボックス下壁部83と、を有する。
【0026】
バッテリ収容部81は、車体側面視で略矩形状の内壁部81aを有する。内壁部81aの外周部には、内壁部81aに対して車幅方向外側に突出する壁形状の前壁部81b、上壁部81c、下壁部(底面)81d、および、後壁部81eが形成される。これにより、車幅方向外側が開放された形状のバッテリ収容部81が構成される。
【0027】
後壁部81eの下端部には、車幅方向内側に凹んだ形状のホルダ係合孔81e1が形成される。ホルダ係合孔81e1には、バッテリホルダ90の後端部が係合される。前壁部81bの上部には、ホルダ固定部81b1が形成される。ホルダ固定部81b1には、バッテリホルダ90の前端部が固定具によって固定される。これにより、バッテリ44が、バッテリホルダ90に抑えられた状態でバッテリ収容部81に収容された状態が維持される。
【0028】
バッテリ収容部81の後部には、ハーネス支持部82が形成される。ハーネス支持部82は、バッテリ収容部81の上壁部81cから後方に延びる上壁部82aを有する。また、ハーネス支持部82は、バッテリ収容部81の下壁部81dから後上方に延びる下壁部82cを有する。下壁部82cは、リアサブフレーム39の傾斜に沿っている。さらに、ハーネス支持部82は、上壁部82aの後端と下壁部82cの後端との間を接続する後壁部82bを有する。
【0029】
バッテリ収容部81の下壁部81dには、下方に延出するボックス下壁部(バッテリ格納部材下壁部)83が形成される。
ボックス下壁部83は、内面側に形成された内側板84と、内側板84に対向して形成された外側板85と、内側板84の後端と外側板85の後端とを接続する後側板86と、を有する。
【0030】
内側板84は、車幅方向に厚みを有し下方に延出する平板状である。内側板84は、下壁部81dの車幅方向内端から下方に延びる(
図13参照)。内側板84には、前縁84aと、前縁84aの下端から後下方に延びる前側下縁84bと、前側下縁84bの後端から後上方に延びる後側下縁84cと、後側下縁84cの後端から上方に延びる後縁と、が形成される。
【0031】
外側板85は、車幅方向に厚みを有し下方に延びる平板状である。外側板85は、下壁部81dの車幅方向中央部から下方に延びる(
図13参照)。外側板85には、下方に延びる前縁85aと、前縁85aの下端から後下方に延びる前側下縁85bと、前側下縁85bの後端から後上方に延びる後側下縁85cと、後側下縁85cの後端から上方に延びる後縁85dと、が形成される。外側板85には、車幅方向外側に台座状に突出するカバー固定部85eが形成される。
【0032】
後側板86は、内側板84の後縁に接続される内縁86aと、外側板85の後縁85dに接続される外縁86cと、内縁86aの下端と外縁86cの下端とを接続する下縁86bとが形成される。下縁86bは、車幅方向外側に進むに連れて上方に直線状に傾斜する。
【0033】
よって、下壁部81dと、内側板84と、外側板85と、後側板86とで囲まれた空間により、CBS保護スペースS2が形成される。CBS保護スペースS2は、正面視では、逆U字状の開口S2aを介して外部と連通する(
図11参照)。また、CBS保護スペースSは、背面視では、角形状の切り欠き状の開口S2bにより外部と連通する。
【0034】
バッテリボックス41では、バッテリ収容部81の上部に、上壁部81cから上方に突出するシートフレーム固定片87が形成される。また、ハーネス支持部82の前下部には、リアサブフレーム固定部88が形成される。さらに、ハーネス支持部82の後端部には、後方に突出する突出片89が形成される。
【0035】
図8は、リアフェンダー27の右側面図である。
図9は、リアフェンダー27を右後方から見た斜視図である。
リアフェンダー27は、後上方に延びるフェンダー前部91を有する。フェンダー前部91には、後輪15の上部形状に応じて上方に凹んだ凹み部91aが形成される。フェンダー前部91の後方には、後方に延出するフェンダー後部92が形成される。
【0036】
フェンダー後部92は、後方に延出する柱状の後方延出部92aと、後方延出部92aの後端から後下方に延出する板状の下方延出部92bと、を有する。後方延出部92aの後端には、テールランプ固定部92c(
図9参照)が形成される。テールランプ固定部92cの車幅方向両側には、リアウインカ固定部92dが形成される。
【0037】
ここで、フェンダー前部91の前端には、下方に延出するフェンダー下壁部(リアフェンダー下壁部)93が形成される。フェンダー下壁部93は右側に形成される。フェンダー下壁部93は、断面L字状に形成される。すなわち、フェンダー下壁部93は、車幅方向外側を指向する側面壁93aと、側面壁93aの後端に接続され車体前方を指向する前面壁93bと、を有する。
【0038】
図10は、車体フレーム11とバッテリボックス41とCBS機構61とを示す正面図である。
図11は、車体フレーム11とバッテリボックス41とCBS機構61とを示す底面図である。
図4に示すように、車体フレーム11には、バッテリボックス41が支持される。バッテリボックス41は、閉回路形状スペースS1の内部に配置される。具体的には、バッテリボックス41は、シートフレーム固定部87が、右側のシートフレーム38の車幅方向外側で固定される。また、リアサブフレーム固定部88が、リアサブフレーム39のステー39a(
図3参照)の車幅方向内側で固定される。
【0039】
このとき、バッテリボックス41のハーネス支持部82の上壁部82aは、右側のシートフレーム38の下方に位置する。バッテリボックス41は、車体底面視(
図11参照)で右側のシートフレーム38に重複する。また、突出片89がリアフレーム20よりも車体幅方向外側に位置する(
図3参照)。ハーネス支持部82の下壁部82cは、リアサブフレーム39に沿って延びる。よって、バッテリボックス41は、閉回路形状スペースS1の内部に位置する。
【0040】
バッテリボックス41の後方には、リアフェンダー27が支持される。リアフェンダー27は、左右一対のシートフレーム38に跨るように固定される。リアフェンダー27は、リアサブフレーム39に沿うように配置される。このとき、リアフェンダー27のフェンダー下壁部93は、リアサブフレーム39よりも下方に突出する(
図2、
図3参照)。また、フェンダー下壁部93は、バッテリボックス41のボックス下壁部83を覆うように配置される(
図11参照)。すなわち、フェンダー下壁部93の側面壁93aは、ボックス下壁部83の内側板84を車幅方向内側から覆う。また、フェンダー下壁部93の前面壁93bは、ボックス下壁部83の後側板86を後方から覆う。よって、CBS保護スペースS2の切り欠き状の開口S2bがフェンダー下壁部93により後方から覆われる。
【0041】
図12は、CBS機構61を右後方から見た斜視図である。
図12は、CBS機構61の要部を右上方から示す斜視図である。
図12は、ブレーキペダル53に対応する領域を切断した状態を示している。
ボックス下壁部83のCBS保護スペースS2には、CBS機構61のすくなくとも一部が配置される。本実施の形態では、スイングアーム16が車両後方に向かうにつれて車幅外側に向けて拡幅する(
図12参照)。このため、実質的にスイングアーム16の上方(車体前後方向視で上下方向に重なる位置に相当)にイコライザー63の少なくとも一部が配置される。
【0042】
CBS機構61は、上下方向に沿って配置されたイコライザー63と、イコライザー63の上端部から前方に延びるCBSケーブル64と、イコライザー63に接続されイコライザー63を前輪ブレーキ51及び後輪ブレーキ52を作動させない側に付勢する付勢部材66と、を有する。
【0043】
イコライザー63は、ブレーキペダル53の後上端部に連結される下側の第1連結プレート71と、第1連結プレート71に連結される上側の第2連結プレート72と、を有する。
第1連結プレート71は、上下方向に延びる一枚の板状部材で形成される。第1連結プレート71は、上下方向に延びる延出部71aと、延出部71aの上端から車体幅方向内側上方に延びる中間部分71cと、中間部分71cの上端から上方に延びるオフセット部71bと、を一体に有する。中間部分71cは、上方に進むに連れて車幅方向内側に傾斜する。
【0044】
オフセット部71bは、延出部71aに対して車幅方向内側にオフセットしている。オフセット部71bは、延出部71aと平行である。オフセット部71bは、鉛直方向に延びている。なお、オフセット部71bは、延出部71aと平行でなくてもよく、適宜に形状変更してもよい。
【0045】
オフセット部71bの上端部には、第2連結プレート72が連結される。第2連結プレート72は、上下方向に延びる一枚の板状部材で形成される。第2連結プレート72は、車幅方向に延びる連結ピン62bを介して第1連結プレート71に回動自在に連結される。
【0046】
第2連結プレート72の上下中間部には、前後方向に延びる連結ロッド65が連結される。連結ロッド65は、車幅方向に沿う連結ピン62cを介して、後端(前後方向一端)が連結される。連結ロッド65は、第1連結プレート71及び第2連結プレート72の揺動特性を設定するための部材の一つである。連結ロッド65は、前端(前後方向他端)が、ステー47に回動自在に連結される。ステー47は、上側クロスメンバ部35から後方に延出する金属等の剛性を有する部材である。
【0047】
第1連結プレート71、第2連結プレート72、及び連結ロッド65は、金属等の剛性を有する一枚の板部材によって製作される。例えば、第1連結プレート71、第2連結プレート72及び連結ロッド65は、平板形状の板部材を折り曲げ加工して製作し、又は、型成形によって製作し、連結ピン62a~62cを取り付けるための孔加工がされて製作される。ただし、第1連結プレート71、第2連結プレート72及び連結ロッド65に関する構造、形状及び製作方法等は適宜に変更可能である。
【0048】
第2連結プレート72の上部には、付勢部材66が連結される。本実施の形態では、付勢部材66は、コイル状の引張ばねである。付勢部材66の一端は、第2連結プレート72の上部に取り付けられる。付勢部材66の他端は、ステー47の引っ掛け部47aに引っ掛けて連結される。これにより、付勢部材66は、車体右側面視(
図3参照)で、第2連結プレート72を時計回り方向に付勢する。本実施の形態の付勢部材66は、引張ばねであるが、引張ばね以外の付勢部材でもよい。
【0049】
第1連結プレート71では、延出部71aの上端部に、車幅方向に延びる連結ピン62aを介してブレーキペダル53が連結される。また、延出部71aにおける連結ピン62aよりも下側の下端部には、後輪ブレーキ52から延びるブレーキロッド52aの前端が連結される。
第2連結プレート72では、連結ピン62cよりも上側の上部には、第2前輪ブレーキ力伝達部材として機能するCBSケーブル64の一端が接続される。詳細には、CBSケーブル64は、ステー47に設けられたケーブル支持部47bに、アウターケーブル64bが支持される。そして、アウターケーブル64bから後方に導出されたインナーケーブル64aが第2連結プレート72に連結される。CBSケーブル64の他端は、前輪ブレーキ51に接続される。より具体的には、CBSケーブル64の他端は、前輪ブレーキ51用の油圧を発生するマスターシリンダに接続される。
【0050】
CBS機構61は、ブレーキペダル53が操作された場合には、イコライザー63が各種のバランスを取りながら移動するように構成されている。
すなわち、ブレーキペダル53が操作されると、ブレーキペダル53に支持された連結ピン62aは前方に移動する。よって、イコライザー63の第1連結プレート71は、車体右側面視で、連結ピン62aと共に全体が前方に移動する。また、第1連結プレート71は、連結ピン62aを基準にして反時計回り方向に回動する。よって、第1連結プレート71の下端部が前方に移動し、下端部に連結されたブレーキロッド52aが前方に引っ張られる。よって、ブレーキロッド52aを介して、後輪ブレーキ52が作動する。
【0051】
このとき、第1連結プレート71の全体が前方に移動し、第2連結プレート72の連結ピン62cに対しては、第1連結プレート71は前方に移動しようとする。よって、イコライザー63の第2連結プレート72の下端部も、連結ピン62cに対して前方に移動し、第2連結プレート72は、連結ピン62cを基準にして反時計回りに回動する。したがって、第2連結プレート72の上端部は後方に移動し、第2連結プレート72の上端部に連結されたCBSケーブル64が後方に引っ張られる。よって、CBSケーブル64を介してマスターシリンダが操作され、前輪ブレーキ51が作動する。
ブレーキペダル53の操作を解除すると、ブレーキペダル53は、付勢部材66などの付勢力により通常位置(
図2の実線)に戻る。
【0052】
なお、前輪ブレーキ51の制動力と後輪ブレーキ52の制動力の比率等はイコライザー63によって適切な比率等に設定される。また、CBS機構61の各部の形状や構造、及び各連結ピン62a~62cの位置等は適宜に変更してもよい。
【0053】
図13は、
図3のXIII-XIII線断面の要部を示す図である。
図14は、
図3のXIV-XIV線断面の要部を示す図である。
図15は、
図3のXV-XV線断面の要部を示す図である。
図16は、
図3のXVI-XVI線断面の要部を示す図である。
車体側面視(
図2、
図3参照)では、CBS保護スペースS2の内部には、ステー47が進入している(
図3参照)。また、CBS保護スペースS2の内部には、イコライザー63の第2連結プレート72が進入している(
図3参照)。CBS保護スペースS2の内部には、CBS機構61の一部である付勢部材66が常時配置されている。これらは、サイドカバー40で覆われる。
【0054】
車体前面視(
図10参照)では、イコライザー63の第2連結プレート72と、CBSケーブル64と、付勢部材66とが、上側クロスメンバ部35に重複している。また、車体前面視(
図13参照)では、イコライザー63の第1連結プレート71は、ピボット軸22と重複している。
車体平面視(
図15、
図16参照)で、イコライザー63と、CBSケーブル64と、付勢部材66とが、車体フレーム11よりも車体幅方向内側に位置すると共に、バッテリボックス41と重なる。
車体背面視(
図14参照)で、イコライザー63の第2連結プレート72と、CBSケーブル64と、付勢部材66とが、ボックス下壁部83、フェンダー下壁部93と重なる。
【0055】
以上説明したように、本発明を適用した本実施の形態によればメインフレーム31と、メインフレーム31から後方に延びるシートフレーム38と、シートフレーム38よりも下方でメインフレーム31から後方に延びるリアサブフレーム39とを有する車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されバッテリ42が格納されるバッテリボックス41と、バッテリボックス41を車体幅方向外側から覆うサイドカバー40と、バッテリボックス41の後方に配置されたリアフェンダー27と、バッテリボックス41の下方に配置されるCBS機構61と、を備える鞍乗り型車両10において、バッテリボックス41は、車体側面視(
図2、
図3参照)で、メインフレーム31とシートフレーム38とリアサブフレーム39とにより形成される閉回路形状スペースS1の内側に位置するように、車体幅方向一側に配置され、バッテリボックス41には、下壁部81dから下方に延びるボックス下壁部83が設けられ、CBS機構61の少なくとも一部は、車体側面視で、閉回路形状スペースS1の内側に位置すると共にボックス下壁部83と重なる。
【0056】
この構成によれば、CBS機構61は、ボックス下壁部83で、車体幅方向両側から被覆されるので、走行中に跳ね上げた小石等の異物がCBS機構61、例えば、イコライザー63や付勢部材66に挟まるのを抑制することができる。また、雨水や走行中に跳ね上げた水がCBS機構61、例えば、CBSケーブルに入り込むのを抑制することができる。したがって、CBS機構61を保護し易い鞍乗り型車両10を提供することができる。
【0057】
本実施の形態では、CBS機構61の少なくとも一部は、車体平面視(
図15参照)で、車体フレーム11よりも車体幅方向内側に位置すると共にバッテリボックス41と重なる。
この構成によれば、CBS機構61は、車体平面視で、車体フレーム11よりも車体幅方向内側に配置されると共に、バッテリボックス41と重なるので、走行中に跳ね上げた小石等の異物がCBS機構61に挟まるのを抑制することができる。また、雨水や走行中に跳ね上げた水がCBS機構61に入り込むのを抑制することができる。さらに、CBS機構61は、車体フレームよりも車体幅方向内側に配置されるので、接触等に起因するCBS機構61の変形等の不具合を抑制することができる。したがって、CBS機構61をより保護し易くできる。
【0058】
また、本実施の形態では、リアフェンダー27は、リアサブフレーム39に沿うように配置され、リアフェンダー27の前部には、下方に延びるフェンダー下壁部93が設けられ、CBS機構61の少なくとも一部は、車体背面視(
図14、
図8、
図9参照)で、フェンダー下壁部93と重なる。
この構成によれば、CBS機構61は、車体背面視で、フェンダー下壁部93と重なるので、走行中に跳ね上げた小石等の異物がCBS機構61に挟まるのを抑制することができる。また、雨水や走行中に跳ね上げた水がCBS機構61に入り込むのを抑制することができる。したがって、CBS機構61をより保護し易くできる。
【0059】
また、本実施の形態では、CBS機構61の少なくとも一部は、車体背面視(
図14参照)で、ボックス下壁部83と重なる。
この構成によれば、CBS機構61は、車体背面視で、ボックス下壁部83と重なるので、走行中に跳ね上げた小石等の異物がCBS機構61に挟まるのを抑制することができる。また、雨水や走行中に跳ね上げた水がCBS機構61に入り込むのを抑制することができる。したがって、CBS機構61をより保護し易くできる。
【0060】
また、本実施の形態では、メインフレーム31の後部には、車体幅方向に延びる上側クロスメンバ部35が設けられ、CBS機構61の少なくとも一部は、車体前面視(
図11、
図13参照)で、上側クロスメンバ部35と重なる。
この構成によれば、CBS機構61は、メインフレーム31の上側クロスメンバ部35と重なるので、走行中に跳ね上げた小石等の異物がCBS機構61に挟まるのを抑制することができる。また、雨水や走行中に跳ね上げた水がCBS機構61に入り込むのを抑制することができる。さらに、CBS機構61は、メインフレーム31よりも車体幅方向内側に配置されるので、接触等に起因するCBS機構61の変形等の不具合を抑制することができる。したがって、CBS機構61をより保護し易くできる。
【0061】
また、本実施の形態では、CBS機構61の少なくとも一部は、車体側面視(
図2、
図3参照)で、サイドカバー40と重なる。
この構成によれば、CBS機構61は、車体側面視で、サイドカバー40と重なるので、走行中に跳ね上げた小石等の異物がCBS機構61に挟まるのを抑制することができる。また、雨水や走行中に跳ね上げた水がCBS機構61に入り込むのを抑制することができる。したがって、CBS機構61をより保護し易くできる。
【0062】
[他の実施の形態]
上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
【0063】
上記実施の形態では、燃料タンク29は、本発明の「エネルギー貯蔵部」の一例である。エネルギー貯蔵部は、バッテリや燃料電池等でもよい。つまり、本発明を適用可能な鞍乗り型車両10は、ガソリン等の燃料をエネルギー源とする車両に限定されず、電動モータを有するパワーユニット12を備え、バッテリや燃料電池からなるエネルギー貯蔵部からの電力によってパワーユニット12を駆動する電動車両でもよい。
【0064】
上記実施の形態では、鞍乗り型車両10として前輪13と後輪15とを有する自動二輪車を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両や4輪以上を備えた鞍乗り型車両に適用可能である。
【0065】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0066】
(構成1)メインフレームと、前記メインフレームから後方に延びるシートフレームと、前記シートフレームよりも下方で前記メインフレームから後方に延びるリアサブフレームとを有する車体フレームと、前記車体フレームに支持されバッテリが格納されるバッテリ格納部材と、前記バッテリ格納部材を車体幅方向外側から覆うサイドカバーと、前記バッテリ格納部材の後方に配置されたリアフェンダーと、前記バッテリ格納部材の下方に配置されるCBS機構と、を備える鞍乗り型車両において、前記バッテリ格納部材は、車体側面視で、前記メインフレームと前記シートフレームと前記リアサブフレームとにより形成される閉回路形状部の内側に位置するように、車体幅方向一側に配置され、前記バッテリ格納部材には、底面から下方に延びるバッテリ格納部材下壁部が設けられ、前記CBS機構の少なくとも一部は、車体側面視で、前記閉回路形状部の内側に位置すると共に前記バッテリ格納部材下壁部と重なることを特徴とする鞍乗り型車両。
この構成によれば、CBS機構は、バッテリ格納部材下壁部で、車体幅方向両側から被覆されるので、走行中に跳ね上げた小石等の異物がCBS機構に挟まるのを抑制することができる。また、雨水や走行中に跳ね上げた水がCBS機構雨水に入り込むのを抑制することができる。したがって、CBS機構を保護し易い鞍乗り型車両を提供することができる。
【0067】
(構成2)前記CBS機構の少なくとも一部は、車体平面視で、前記車体フレームよりも車体幅方向内側に位置すると共に前記バッテリ格納部材と重なることを特徴とする構成1に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、CBS機構は、車体平面視で、車体フレームよりも車体幅方向内側に配置されると共に、バッテリ格納部材と重なるので、走行中に跳ね上げた小石等の異物がCBS機構に挟まるのを抑制することができる。また、雨水や走行中に跳ね上げた水がCBS機構に入り込むのを抑制することができる。さらに、CBS機構は、車体フレームよりも車体幅方向内側に配置されるので、接触等に起因するCBS機構の変形等の不具合を抑制することができる。したがって、CBS機構をより保護し易くできる。
【0068】
(構成3)前記リアフェンダーは、前記リアサブフレームに沿うように配置され、前記リアフェンダーの前部には、下方に延びるリアフェンダー下壁部が設けられ、前記CBS機構の少なくとも一部は、車体背面視で、前記リアフェンダー下壁部と重なることを特徴とする構成1または2に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、CBS機構は、車体背面視で、リアフェンダー下壁部と重なるので、走行中に跳ね上げた小石等の異物がCBS機構に挟まるのを抑制することができる。また、雨水や走行中に跳ね上げた水がCBS機構に入り込むのを抑制することができる。したがって、CBS機構をより保護し易くできる。
【0069】
(構成4)前記CBS機構の少なくとも一部は、車体背面視で、前記バッテリ格納部材下壁部と重なることを特徴とする構成1から3のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、CBS機構は、車体背面視で、バッテリ格納部材下壁部と重なるので、走行中に跳ね上げた小石等の異物がCBS機構に挟まるのを抑制することができる。また、雨水や走行中に跳ね上げた水がCBS機構に入り込むのを抑制することができる。したがって、CBS機構をより保護し易くできる。
【0070】
(構成5)前記メインフレームの後部には、車体幅方向に延びるクロスメンバが設けられ、前記CBS機構の少なくとも一部は、車体前面視で、前記クロスメンバと重なることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、CBS機構は、メインフレームのクロスメンバと重なるので、走行中に跳ね上げた小石等の異物がCBS機構に挟まるのを抑制することができる。また、雨水や走行中に跳ね上げた水がCBS機構に入り込むのを抑制することができる。さらに、CBS機構は、メインフレームよりも車体幅方向内側に配置されるので、接触等に起因するCBS機構の変形等の不具合を抑制することができる。したがって、CBS機構をより保護し易くできる。
【0071】
(構成6)前記CBS機構の少なくとも一部は、車体側面視で、前記サイドカバーと重なることを特徴とする構成1から5のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、CBS機構は、車体側面視で、サイドカバーと重なるので、走行中に跳ね上げた小石等の異物がCBS機構に挟まるのを抑制することができる。また、雨水や走行中に跳ね上げた水がCBS機構に入り込むのを抑制することができる。したがって、CBS機構をより保護し易くできる。
【符号の説明】
【0072】
10 鞍乗り型車両
11 車体フレーム
27 リアフェンダー
31 メインフレーム
35 上側クロスメンバ部(クロスメンバ)
38 シートフレーム
39 リアサブフレーム
40 サイドカバー
41 バッテリボックス(バッテリ格納部材)
42 バッテリ
61 CBS機構
81d 下壁部(底面)
83 ボックス下壁部(バッテリ格納部材下壁部)
93 フェンダー下壁部(リアフェンダー下壁部)
S1 閉回路形状スペース(閉回路形状部)