(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-14
(45)【発行日】2025-10-22
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20251015BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20251015BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G1/13
(21)【出願番号】P 2021164786
(22)【出願日】2021-10-06
【審査請求日】2024-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 誠一郎
【審査官】西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/193052(WO,A1)
【文献】特開2002-183892(JP,A)
【文献】特開2019-008769(JP,A)
【文献】特開2020-173638(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0324708(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動装置をユーザに割り当てる管理部と、
割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示する表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記管理部による割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、
前記所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件のうちの少なくともルート条件を含み、
前記ルート条件は、ピックアップ地から遠ざかる経路が存在しないときに成立する
、
情報処理システム。
【請求項2】
移動装置をユーザに割り当てる管理部と、
割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示する表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記管理部による割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、
前記所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件のうちの少なくともルート条件を含み、
前記ルート条件は、ピックアップ地から遠ざかる経路がピックアップ地付近にのみ存在するときに成立し、
前記表示部は、前記ルート条件が成立している場合に、ピックアップ地から遠ざかる経路が存在することも表示する
、
情報処理システム。
【請求項3】
移動装置をユーザに割り当てる管理部と、
割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示する表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記管理部による割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、
前記所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件のうちの少なくともルート条件を含み、
前記ルート条件は、ピックアップ地から遠ざかる経路が存在するときに成立し、
前記表示部は、前記ルート条件が成立している場合に、割り当てが確定した移動装置が前記マップ上を移動する様子を表示しない
、
情報処理システム。
【請求項4】
前記表示部は、前記管理部による割り当てが確定した後であっても、所定条件が成立していないときには、移動装置を探索中であることを表示する、
請求項
1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記ユーザの種別は、通常会員ユーザ及び優先会員ユーザを含み、
前記管理部による割り当ては、確定した割り当ての対象を通常会員ユーザから優先会員ユーザに変更することを含み、
前記種別条件は、前記ユーザが通常会員ユーザであり且つ前記変更が発生する可能性が無い場合に成立する、
請求項
1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記変更が発生する可能性は、所定期間が経過すると無くなる、
請求項
5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記変更が発生する可能性は、割り当てが確定した移動装置がピックアップ地に近づくと無くなる、
請求項
5に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記移動装置は、車両を含み、
前記割り当ては、配車を含む、
請求項
1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記車両は、タクシーを含む、
請求項
8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
移動装置をユーザに割り当てることと、
割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示することと、
を含み、
前記表示することでは、割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、
前記所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件の
うちの少なくとも
ルート条件を含
み、
前記ルート条件は、ピックアップ地から遠ざかる経路が存在しないときに成立する、
情報処理方法。
【請求項11】
移動装置をユーザに割り当てることと、
割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示することと、
を含み、
前記表示することでは、割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、
前記所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件のうちの少なくともルート条件を含み、
前記ルート条件は、ピックアップ地から遠ざかる経路がピックアップ地付近にのみ存在するときに成立し、
前記表示することでは、前記ルート条件が成立している場合に、ピックアップ地から遠ざかる経路が存在することも表示する、
情報処理方法。
【請求項12】
移動装置をユーザに割り当てることと、
割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示することと、
を含み、
前記表示することでは、割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、
前記所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件のうちの少なくともルート条件を含み、
前記ルート条件は、ピックアップ地から遠ざかる経路が存在するときに成立し、
前記表示することでは、前記ルート条件が成立している場合に、割り当てが確定した移動装置が前記マップ上を移動する様子を表示しない、
情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
移動装置をユーザに割り当てる処理と、
割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示する処理と、
を実行させる情報処理プログラムであって、
前記表示する処理は、割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、
前記所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件の
うちの少なくとも
ルート条件を含
み、
前記ルート条件は、ピックアップ地から遠ざかる経路が存在しないときに成立する、
情報処理プログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
移動装置をユーザに割り当てる処理と、
割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示する処理と、
を実行させる情報処理プログラムであって、
前記表示する処理は、割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、
前記所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件のうちの少なくともルート条件を含み、
前記ルート条件は、ピックアップ地から遠ざかる経路がピックアップ地付近にのみ存在するときに成立し、
前記表示する処理では、前記ルート条件が成立している場合に、ピックアップ地から遠ざかる経路が存在することも表示する、
情報処理プログラム。
【請求項15】
コンピュータに、
移動装置をユーザに割り当てる処理と、
割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示する処理と、
を実行させる情報処理プログラムであって、
前記表示する処理は、割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、
前記所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件のうちの少なくともルート条件を含み、
前記ルート条件は、ピックアップ地から遠ざかる経路が存在するときに成立し、
前記表示する処理では、前記ルート条件が成立している場合に、割り当てが確定した移動装置が前記マップ上を移動する様子を表示しない、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1は、タクシーの運行状況に基づいてタクシーを配車する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スマートフォン等の携帯通信端末において、配車依頼用のアプリケーションが普及してきている。
【0005】
例えば、タクシーが迎車地に近づく様子をマップ表示するアプリケーションが考えられる。タクシーの現在地から迎車地までの実際のルートが、マップ上の最短距離よりも長くなる場合がある。タクシーの到着時刻が期待していた時刻よりも遅くなり、ユーザの満足度が低下する可能性がある。
【0006】
通常会員ユーザに対して配車が確定したタクシーの配車を取り消して、優先会員ユーザに配車するアプリケーションも考えられる。配車が取り消された通常会員ユーザの満足度が低下する可能性がある。
【0007】
本開示の一側面は、ユーザの満足度の低下を抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一側面に係る情報処理システムは、移動装置をユーザに割り当てる管理部と、割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示する表示部と、を備え、表示部は、管理部による割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件の少なくとも一方を含む。
【0009】
本開示の一側面に係る情報処理方法は、移動装置をユーザに割り当てることと、割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示することと、を含み、表示することでは、割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件の少なくとも一方を含む。
【0010】
本開示の一側面に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、移動装置をユーザに割り当てる処理と、割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示する処理と、を実行させる情報処理プログラムであって、表示する処理は、割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件の少なくとも一方を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの概略構成の例を示す図である。
【
図2】車両、ユーザ端末及び情報処理装置の機能ブロックの例を示す図である。
【
図3】情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。
【
図15】情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。
【
図26】第2実施形態に係る情報処理システムの概略構成の例を示す図である。
【
図27】情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。
【
図28】情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。
【
図29】情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の要素には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0013】
以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.第1実施形態
2.第1実施形態の変形例
3.第2実施形態
4.第2実施形態の変形例
5.各実施形態に共通の変形例
6.ハードウェア構成の例
7.効果の例
【0014】
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る情報処理システムの概略構成の例を示す図である。情報処理システム1のユーザの一人を、ユーザUと称し図示する。情報処理システム1では、ユーザUに割り当てる移動装置が探索され、割り当てられた移動装置がピックアップ地まで移動する。
【0015】
移動装置の例は、タクシー等の車両であり、その場合、割り当て及び探索は、配車及び探車を意味する。ピックアップ地は、迎車地(乗車地)を意味する。以下、矛盾の無い範囲において、「車両」、「配車」、「探車」及び「迎車地」は、「移動装置」、「割り当て」、「探索」及び「ピックアップ地」に適宜読み替えられてよい。
【0016】
車両を、車両2と称し図示する。
図1には、車両2-1、車両2-2及び車両2-3の3台の車両2が例示される。各車両2をとくに区別しない場合には、単に車両2と称する。
【0017】
情報処理システム1は、ユーザ端末3と、情報処理装置4とを含む。ユーザ端末3は、ユーザUが利用する端末装置であり、例えばスマートフォン、タブレット端末等である。情報処理装置4は、例えばタクシー会社が運用する配車管理装置を構成し得る。車両2、ユーザ端末3及び情報処理装置4は、例えばネットワークNを介して互いに通信可能に構成される。車両2、ユーザ端末3及び情報処理装置4それぞれでの処理に必要な情報は、それらの間で適宜送受信される。
【0018】
図2は、車両、ユーザ端末及び情報処理装置の機能ブロックの例を示す図である。車両2は、車載器21と、車両端末装置22とを含む。
【0019】
車載器21は、例えば周期的に、車両情報を生成する。車両情報は、車両2の動態ログを表す情報である。車両情報は、営業地区、営業状態を示すステータス、料金(運賃)、現在地、移動速度及び移動方向等を含む。ステータスの例は、実車、空車及び迎車等である。ステータスが実車や迎車の場合には、目的地や迎車地までの移動経路を示すルート情報も、車両情報に含まれる。車両情報は、例えば、料金メータ、GSP(Global Positioning System)受信器、ジャイロセンサ、速度メータ等から取得されたデータに基づいて生成される。車両情報は、IDも含む。IDの例は、車両Vの所属会社を識別する会社ID、車両Vを識別する無線ID、車両Vのドライバを識別する乗務員ID等である。他にも、ステータスの生成時刻を表すステータス時刻等が、車両情報に含まれてよい。
【0020】
車載器21は、生成した車両情報を情報処理装置4に送信する。車両情報の一部、例えば車両2のステータスや現在地等は、情報処理装置4を介して、ユーザ端末3にも送信され得る。
【0021】
車両端末装置22は、ドライバ用アプリケーションを実行する。車両端末装置22は、スマートフォン、タブレット端末等であってよい。車両端末装置22は、配車依頼情報を表示したり、ドライバによる車両端末装置22の操作を受け付けたりする。配車依頼情報は、迎車地及び目的地、出発時刻、料金等の情報を含む。
【0022】
以下、とくに説明がある場合を除き、車両2での配車に関する処理は、車載器21や車両端末装置22によって実行されるものとする。
【0023】
ユーザ端末3は、表示部31と、処理部32と、記憶部33とを含む。表示部31は、ユーザUに対して情報を表示する。処理部32は、ユーザ端末3による配車に必要な処理を実行する。記憶部33は、ユーザ端末3での処理に必要な情報を記憶する。
【0024】
記憶部33に記憶される情報として、アプリケーションプログラム33aが例示される。アプリケーションプログラム33aは、コンピュータをユーザ端末3として機能させるための情報処理プログラム(ソフトウェア)であり、処理部32によって実行される。
【0025】
以下、とくに説明がある場合を除き、ユーザ端末3での表示に関する処理は、表示部31によって実行されるものとする。ユーザ端末3での配車に関する処理は、処理部32によって実行されるものとする。
【0026】
情報処理装置4は、管理部41と、記憶部42とを含む。管理部41は、情報処理装置4による配車に必要な処理を実行する配車管理部である。記憶部42は、情報処理装置4での処理に必要な情報を記憶する。
【0027】
記憶部42に記憶される情報として、車両情報42a及びアプリケーションプログラム42bが例示される。車両情報42aは、先に説明した各車両2の動態ログを表す情報である。アプリケーションプログラム42bは、コンピュータを情報処理装置4として機能させるための情報処理プログラム(ソフトウェア)であり、管理部41によって実行される。
【0028】
以下、とくに説明がある場合を除き、情報処理装置4での配車に関する処理は、管理部41によって実行されるものとする。
【0029】
情報処理システム1の基本動作について述べる。ユーザUは、ユーザ端末3を用いて、配車依頼情報を入力する。ユーザ端末3は、配車依頼情報を、情報処理装置4に送信する。情報処理装置4は、配車依頼情報に基づいて、車両2をユーザUに配車する。例えば、情報処理装置4は、ユーザ端末3の近くの車両2を抽出し、抽出した車両2に配車依頼情報を送信する。車両2のドライバが配車依頼を受諾すると、受諾通知が車両2から情報処理装置4に送信され、配車が確定する。情報処理装置4は、配車確定通知を、車両2及びユーザ端末3に送信する。
【0030】
配車が確定した車両2は、迎車地に向かって移動する。ユーザ端末3は、配車が確定した車両2を含むマップをユーザUに表示する。迎車地に近づく車両2の様子が、リアルタイムでユーザUに表示される。臨場感が与えられ、また、車両2の到着をユーザUに視覚的に期待させることができる。ユーザUは、マップを見ながら車両2の到着を待つ。車両2が迎車地に到着すると、ユーザUは車両2に乗車する。
【0031】
ここで、配車が確定した車両2の現在地から迎車地までの実際のルートが、マップ上の最短ルートよりも長くなる場合も少なくない。例えば、一方通行であるとか反対車線であるといった理由により、迎車地から遠ざかる経路(以下、「迂遠経路」とも称する。)が存在する場合が挙げられる。迂遠経路が存在すると、ユーザUには、車両2が遠回りして近づいてくるように見える。車両2の到着時刻が期待していた時刻よりも遅くなる等の理由により、ユーザUの満足度(ユーザ体験、アプリケーション評価等)が低下する可能性がある。この後で説明するように、ユーザUへの配車確定表示を工夫することで、ユーザUの満足度の低下が抑制される。
【0032】
ユーザ端末3の表示部31は、情報処理装置4の管理部41による配車が確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、配車が確定したことを表示する。第1実施形態における所定条件は、車両2の迎車ルートに関する条件(ルート条件)である。例えば、ルート条件は、迂遠経路が存在しないときに成立する。ユーザ端末3の表示部31は、配車が確定した後であっても、ルート条件が成立していないときには、車両2を探車中であることを表示する。
図3~
図14を参照して説明する。
【0033】
図3は、情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。ステップS1において、ユーザ端末3の表示部31及び処理部32は、配車依頼情報を受け付け、情報処理装置4に送信する。ユーザUは、ユーザ端末3を操作して、配車依頼情報を入力する。
図4を参照して説明する。
【0034】
図4は、配車依頼情報の入力の例を示す図である。ユーザ端末3の表示部31は、ユーザ端末3の現在地(すなわちユーザUの現在地)を含むエリアのマップを表示する。マップ内に位置する車両2も表示される。
【0035】
迎車地及び目的地が指定される。迎車地は、例えばユーザ端末3の現在地にデフォルト指定され、マップピンで表示される。マップピンの移動により、迎車地が変更される。なお、支払い方法等の情報も指定されてよい。迎車地及び目的地等の設定の後、スライド操作により「配車依頼」が選択される。迎車地及び目的地等を含む配車依頼情報の入力が完了し、配車依頼情報がユーザ端末3から情報処理装置4に送信される。
【0036】
図3に戻り、ステップS2において、ユーザ端末3の表示部31は、配車可能な車両2を探車中であることを表示する(探車表示を行う)。
図5を参照して説明する。
【0037】
図5は、探車表示の例を示す図である。メッセージ「探車中・・・」が表示される。
【0038】
図3に戻り、ステップS3において、情報処理装置4の管理部41は、車両2を抽出し、抽出した車両2に配車依頼情報を送信する。管理部41は、ユーザ端末3からの配車依頼情報と、記憶部42に記憶された車両情報42a(車両動態データ)とに基づいて、配車可能な車両2を抽出する。例えば、現在地が配車依頼情報に示される迎車地に最も近い車両2が抽出される。この例では、車両2-1が抽出される。車両2-1では、車両端末装置22が、配車依頼情報をドライバに表示する。
【0039】
ステップS4において、車両2-1は、応答操作を受け付ける。車両2-1のドライバは、配車依頼を受諾又は拒否するように、車両端末装置22を操作する。この例では、配車依頼が受諾される。車両2-1の車両端末装置22は、受諾通知を、情報処理装置4に送信(返信)する。
【0040】
ステップS5において、情報処理装置4の管理部41は、配車を確定し、配車確定通知を車両2-1に送信する。この時点では、ユーザ端末3には未だ配車確定通知は送信されない。
【0041】
ステップS6において、車両2-1が、迎車地に向かって移動を開始する。
【0042】
ステップS7において、情報処理装置4の管理部41は、ルート条件が成立しているか否かを判断する。ここでは、ルート条件は、車両2-1の迎車ルート上に迂遠経路が存在する場合に成立するものとする。迎車ルートは、車両2-1の(最新の)現在地から迎車地までのルートである。ルート条件が成立している場合(ステップS7:Yes)、ステップS8に処理が進められる。そうでない場合(ステップS7:No)、ステップS7の処理が繰り返される。
【0043】
ステップS7の処理が繰り返されている間も、ユーザ端末3の表示部31による探車表示が継続される。
図6及び
図7を参照して説明する。
【0044】
図6及び
図7は、探車表示の例を示す図である。依然として、メッセージ「探車中・・・」が表示され続ける。マップ上では、配車が確定した車両2-1が、左側車線で迎車地に到達するために、迎車地から遠ざかるように移動している。
【0045】
図3に戻り、ステップS8において、情報処理装置4の管理部41は、配車確定通知を、ユーザ端末3に送信する。
【0046】
ステップS9において、ユーザ端末3の表示部31は、配車が確定したことを表示する(配車確定表示を行う)。
図8及び
図9を参照して説明する。
【0047】
図8及び
図9は、配車確定表示の例を示す図である。
図8に示されるように、メッセージ「配車確定」が表示される。マップ中の車両2-1がハイライトされる。なお、車両2-1に関する他の情報(車の色、ナンバー等)も表示されてよい。
図9に示されるように、車両2-1は、迎車地に近づく。マップ上の車両2-1は、迎車地に向かう最短ルートを移動する。
【0048】
図3に戻り、ステップS10において、車両2-1は、迎車地に到着する。ユーザUは、車両2-1に乗車する。
【0049】
情報処理システム1によれば、車両2-1の配車が確定した後であって且つルート条件が成立している場合に、配車が確定したことが表示される。ルート条件は、例えば車両2-1の迎車ルート上に迂遠経路が存在する場合に成立する。ルート条件が成立するまでは、例えば車両2を探車中であることが表示され続けるので、配車が確定したことはユーザUには知らされない。ユーザUには、配車が確定した車両2-1が迂遠経路を移動、すなわち遠回りしていることは見えない。従って、ユーザUの満足度の低下を抑制することができる。比較例も用いて説明する。
【0050】
図10~
図14は、比較例を示す図である。配車が確定した時点で、
図10に示されるように、配車が確定したことが表示され、マップ中の車両2-1がハイライトされる。この状態で、
図11~
図14に示されるように、車両2-1が迂遠経路を含むルートを移動する様子が表示される。ユーザUには、配車が確定した車両2-1が遠回りしているように見える。ユーザUの満足度が低下する可能性がある。このような満足度低下が、情報処理システム1によって抑制される。
【0051】
2.第1実施形態の変形例
上記実施形態では、ルート条件の成否判断処理(ステップS7)が、情報処理装置4の管理部41によって実行される例について説明した。ただし、同様の判断処理は、ユーザ端末3の処理部32によって実行されてもよい。
図15を参照して説明する。
【0052】
図15は、情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。
図3との相違点について述べると、ステップS5Aにおいて、情報処理装置4の管理部41は、配車確定通知を、車両2-1だけでなくユーザ端末3にも送信する。ステップS7Aにおいて、ユーザ端末3の処理部32は、ルート条件が成立しているか否かを判断する。ルート条件が成立している場合(ステップS7A:Yes)、ステップS9に処理が進められる。そうでない場合(ステップS7A:No)、ステップS7Aの処理が繰り返される。迂遠経路が存在しなくなるまで車両2を探車中であることが表示され続けるので、ユーザUの満足度の低下を抑制することができる。
【0053】
ルート条件のいくつかの変形例について述べる。例えば、ルート条件は、迂遠経路が迎車地付近(100m以内等)にのみ存在するときに成立してよい。ルート条件が成立している場合に、ユーザ端末3の表示部31は、迂遠経路が存在することも表示してよい。
図16~
図20を参照して説明する。
【0054】
図16~
図20は、配車確定表示の例を示す図である。
図16に示されるように、メッセージ「配車確定」だけでなく、メッセージ「迂遠経路有」も表示される。また、マップ中の迂遠経路がハイライトされる。この状態で、
図17~
図20に示されるように、車載器21が迂遠経路を含むルートを移動する様子が表示される。
図17び
図18の段階では、依然として迂遠経路が存在するため、メッセージ「配車確定」及びメッセージ「迂遠経路有」の両方が引き続き表示される。
図19さらには
図20の段階になると、もはや迂遠経路は存在せず、メッセージ「配車確定」だけが表示される。
【0055】
上記の例では、配車が確定したことと一緒に、配車が確定した車両2-1が迂遠経路を移動することも予めユーザUに知らされる。迂遠経路を移動することが分かっている分、車両2の迎車地への到着時刻と期待時刻との差が小さくなる。従って、ユーザUの満足度の低下が抑制される。
【0056】
上記のメッセージ「迂遠経路有」は、例えば「一方通行のため/車線の関係上、少し遠ざかるように見えます」といったより具体的なメッセージであってもよい。また、乗車地の変更により迂遠経路が解消可能な場合には、乗車地の変更を促すメッセージが表示されてもよい。
【0057】
ルート条件は、迂遠経路が存在するときに成立してもよい。ルート条件が成立している場合に、ユーザ端末3は、配車が確定した車両2がマップ上を移動する様子を表示しなくてよい。車両2のマップ上の移動が停止したり、マップ全体が非表示になったりしてよい。ユーザUからは、配車が確定した車両2-1が迂遠経路を移動することは見えない。従って、ユーザUの満足度の低下を抑制することができる。探車に要する時間が設定された最大探車時間(例えば約2分)を超える可能性がある場合等にも、同様の処理が行われてよい。
【0058】
上記実施形態では、ルート条件が成立して初めて配車確定表示が行われる場合を例に挙げて説明した。それとは異なり、ルート条件が無く、配車確定とともに配車確定表示が行われてもよい。この場合、ユーザ端末3は、車両2が実際のルートとは異なるルートを移動しているように表示してよい。
図21~
図25を参照して説明する。
【0059】
図21~
図25は、配車確定表示の例を示す図である。
図21に示されるように、配車が確定したことが表示される。この後に車両2-1が移動する実際のルートは、これまで説明したルート(例えば
図16~
図20等)と同様である。ただし、
図22~
図25に示されるように、ユーザ端末3の表示部31は、実際のルートとは異なるルート(仮想的なルート)を車両2-1が移動するように表示する。例えば、実際のルートと同程度の距離及び移動時間であって且つ迂遠経路が存在しないルートが、仮想的なルートとして設定される。実際のルートの移動に併せて、マップ上の仮想的なルートをマップ上の車両2-1が移動する。
【0060】
なお、実際のルートと仮想的なルートとの乖離が大きくなりすぎることを防ぐために、例えば、迂遠経路の移動時間が十分に短い場合(例えば数秒程度)の場合には、実際のルートでの車両2-1が表示されてもよい。
【0061】
3.第2実施形態
図26は、第2実施形態に係る情報処理システムの概略構成の例を示す図である。種別の異なる複数のユーザUが存在する。種別の異なるユーザUとして、2人のユーザUが例示される。各ユーザUを、ユーザU1及びユーザU2と称し図示する。ユーザU1が利用するユーザ端末3を、ユーザ端末3-1と称し図示する。ユーザU2が利用するユーザ端末3を、ユーザ端末3-2と称し図示する。
【0062】
ユーザUの種別の例は、通常会員ユーザ及び優先会員ユーザである。通常会員ユーザに対する配車が、優先会員ユーザに対する配車よりも優先される。以下では、ユーザU1が通常会員ユーザであり、ユーザU2が優先会員ユーザであるものとする。
【0063】
情報処理装置4の管理部41(
図2)による配車は、確定した配車の対象を、ユーザU1からユーザU2に変更することを含む。変更があった場合には、改めてユーザU1の配車が行われる。ユーザU1からすれば、一旦確定した配車が取り消され、車両2の到着時刻も当初期待していた時刻より遅くなる。その結果、例えばアプリケーションへの信頼度が低下し、ユーザU1の満足度が低下する可能性がある。
【0064】
第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、ユーザ端末3は、情報処理装置4による配車が確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、配車が確定したことを表示する。第2実施形態における所定条件は、ユーザUの種別に関する条件(種別条件)である。
図27及び
図28を参照して説明する。
【0065】
図27及び
図28は、情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。
図27のステップS1~ステップS6及びステップS8~ステップS10の処理は、先に説明した
図3の処理と同様である。ユーザ端末3-1の表示部31及び処理部32は、配車依頼情報を受け付け、配車依頼情報を情報処理装置4に送信するとともに、探車表示を行う(ステップS1、ステップS2)。情報処理装置4の管理部41は、車両2を抽出し、配車依頼情報を車両2-1に送信する(ステップS3)。車両2-1の車両端末装置22は、応答操作を受け付け、受託通知を情報処理装置4に送信する(ステップS4)。情報処理装置4の管理部41は、配車確定通知を車両2-1に送信する(ステップS5)。車両2-1は、移動を開始する(ステップS6)。
【0066】
先のステップS5で確定した車両2-1の配車の対象が、ユーザU1(通常会員ユーザ)からユーザU2(優先会員ユーザ)に変更される可能性がある。この変更が発生した場合に実行される処理を、ステップS21「変更発生可能性」として図示する。詳細は後に
図28を参照して説明する。ひとまず
図27の例では、ステップS21での変更は発生せず、ステップS22に処理が進められるものとする。
【0067】
ステップS22において、情報処理装置4の管理部41は、種別条件が成立しているか否かを判断する。種別条件は、ユーザU1が通常会員ユーザであり且つ上述の変更が発生する可能性が無い場合に成立する。変更が発生する可能性は、例えば、所定期間が経過したり、配車が確定した車両2が乗車地に近づいたり(例えば100m以内に位置したり)すると無くなる。所定期間の例は、最大探車時間(例えば約2分等)である。なお、ユーザU1のアプリケーション利用履歴等から、ユーザU1が探車途中にアプリを終了するといった傾向が見られる場合には、所定期間が最大探車時間よりも短く設定されてよい。種別条件が成立している場合(ステップS22:Yes)、ステップS8に処理が進められる。そうでない場合(ステップS22:No)、ステップS22の処理が繰り返され、その間はステップS21での変更が発生する可能性が残る。
【0068】
ステップS8に処理が進められると、情報処理装置4の管理部41は、配車確定通知をユーザ端末3に送信する。ユーザ端末3の表示部31は、配車確定表示を行う(ステップS9)。車両2-1が迎車地に到着し(ステップS10)、ユーザU1が車両2-1に乗車する。
【0069】
一方、先のステップS21での変更が発生した場合の処理について、
図28を参照して説明する。ステップS211において、ユーザ端末3-2の表示部31及び処理部32は、配車依頼情報を受け付け、情報処理装置4に送信する。
【0070】
ステップS212において、情報処理装置4の管理部41は、車両2を抽出する。この例では、ユーザU2への配車に適した車両2が、ユーザU1に対して配車が確定した車両2-1だけであるものとする。通常会員ユーザであるユーザU1に対する配車よりも、優先会員ユーザであるユーザU2に対する配車が優先される。従って、情報処理装置4の管理部41は、ユーザU2に配車する車両2として、車両2-1を抽出する。
【0071】
ステップS213において、情報処理装置4の管理部41は、車両2-1の配車対象を、ユーザU1からユーザU2に変更する。管理部41は、変更通知及び配車依頼情報を、車両2-1に送信する。また、管理部41は、ユーザU2に対する車両2-1の配車が確定したことを示す配車確定通知を、ユーザ端末3-2に送信する。
【0072】
ステップS214において、車両2-1の車両端末装置22が、変更通知及び配車依頼情報をドライバに提示する。ドライバは、変更通知及び配車依頼情報を確認する。車両2-1のルートが、その配車依頼情報に示される迎車地(すなわちユーザU2の迎車地)に向かうように変更される。
【0073】
ステップS215において、ユーザ端末3-2の表示部31は、配車確定表示を行う。その後、車両2-1が迎車地に到着し(
図27のステップS10に相当)、ユーザU2が車両2-1に乗車する。
【0074】
ステップS216において、情報処理装置4の管理部41は、ユーザU1に配車する車両2を改めて抽出し、配車依頼情報を送信する。この例では、車両2-2が抽出される。
【0075】
ステップS217において、車両2-2の車両端末装置22は、応答操作を受け付ける。この例では、配車依頼が受諾される。車両端末装置22は、受諾通知を、情報処理装置4に送信(返信)する。
【0076】
ステップS218において、情報処理装置4の管理部41は、ユーザU1に対する車両2-2の配車を確定し、配車確定通知を車両2-2に送信する。
【0077】
ステップS219において、車両2-2は、迎車地に向かって移動を開始する。その後、情報処理装置4の管理部41は、ユーザU1に対する車両2-2の配車が確定したことを示す配車確定通知を、ユーザ端末3-1に送信する(
図27のステップS8に相当)。ユーザ端末3-1の表示部31は、配車確定表示を行う。車両2-2が迎車地に到着し、ユーザU1が車両2-2に乗車する。
【0078】
上記の例では、車両2-1の配車が確定した後であって且つ種別条件が成立している場合に、配車が確定したことが表示される。種別条件は、ユーザUが通常会員ユーザであり且つ上述の変更が発生する可能性が無い場合に成立する。変更が発生する可能性が残る間は、例えば車両2を探車中であることが表示され続ける。仮に変更が発生したとしても、ユーザUには、変更が発生したこと(自身への配車が取り消されたこと)は分からない。従って、ユーザUの満足度の低下を抑制することができる。
【0079】
4.第2実施形態の変形例
上記実施形態では、種別条件の成否判断処理(ステップS22)が情報処理装置4の管理部41によって実行される例について説明した。ただし、同様の判断処理が、ユーザ端末3の処理部32によって実行されてもよい。
図29を参照して説明する。
【0080】
図29は、情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。
図27との相違点について述べると、ステップS5Aにおいて、情報処理装置4の管理部41は、車両2-1だけでなく、ユーザ端末3にも配車確定通知を送信する。ステップS22Aにおいて、ユーザ端末3の処理部32は、種別条件が成立しているか否かを判断する。種別条件が成立している場合(ステップS22A:Yes)、ステップS9に処理が進められる。そうでない場合(ステップS22A:No)、ステップS22Aの処理が繰り返され、その間はステップS21での変更が発生する可能性が残る。変更が発生する可能性が残る間は、車両2を探車中であることが表示され続ける。仮に変更が発生したとしても、ユーザUには、変更が発生したことは分からない。従って、ユーザUの満足度の低下を抑制することができる。
【0081】
5.各実施形態に共通の変形例
上記各実施形態では、移動装置が車両2である場合を例に挙げて説明した。ただし、移動装置は車両2に限定されない。移動装置の他の例は、バス、電車、飛行機、船、ヘリコプター、トラック、ダンプカー、ドローン等である。
【0082】
情報処理装置4の機能は、複数の装置によって実現されてもよい。例えば異なるタクシー会社の管理下に置かれている複数の車両2が存在する場合には、各タクシー会社が管理する配車管理装置と、それらを統合管理する配車統合管理装置とによって、情報処理装置4の機能が実現されてよい。
【0083】
6.ハードウェア構成の例
図30は、装置のハードウェア構成の例を示す図である。これまで説明したユーザ端末3や情報処理装置4の機能は、コンピュータに各種のプログラムをインストールすることによって実現され得る。例えば先に説明した情報処理プログラム(
図2のアプリケーションプログラム33aやアプリケーションプログラム42b)をコンピュータにインストールすることによって、ユーザ端末3や情報処理装置4の機能が実現される。コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続されている。
【0084】
バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、入力部206、出力部207、記憶部208、通信部209、及びドライブ210が接続されている。
【0085】
入力部206は、操作ボタン、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチパネル、入力端子等よりなる。出力部207は、ディスプレイ、スピーカ、出力端子等よりなる。記憶部208は、ハードディスク、RAMディスク、不揮発性のメモリ等よりなる。通信部209は、ネットワークインタフェース等よりなる。ドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体211を駆動する。
【0086】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU201が、例えば、記憶部208に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース205及びバス204を介して、RAM203にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。RAM203にはまた、CPU201が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0087】
コンピュータ(CPU201)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体211に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0088】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記録媒体211をドライブ210に装着することにより、入出力インタフェース205を介して、記憶部208にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部209で受信し、記憶部208にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM202や記憶部208に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0089】
7.効果の例
以上で説明した技術は、例えば次のように特定される。開示される技術の1つは、情報処理システム1である。
図1~
図29等を参照して説明したように、情報処理システム1は、管理部41と、表示部31と、を備える。管理部41は、移動装置(例えばタクシーである車両2)をユーザUに割り当てる(例えば配車する)。表示部31は、割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザUに表示する。表示部31は、管理部41による割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示する。所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザUの種別に関する種別条件の少なくとも一方を含む。
【0090】
上記の情報処理システム1によれば、移動装置の割り当てが確定した後であって、且つ、ルート条件や種別条件といった所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことが表示される。これにより、所定条件が成立していないのに割り当てが確定したことが表示されることで生じ得るユーザUの満足度の低下を抑制することができる。
【0091】
図3~
図9及び
図15等を参照して説明したように、表示部31は、管理部41による割り当てが確定した後であっても、所定条件が成立していないときには、移動装置を探索中であることを表示してよい。例えばこのようにして、所定条件が成立するまでは、割り当てが確定したことをユーザに知らせないようにすることができる。
【0092】
図3~
図9及び
図15等を参照して説明したように、ルート条件は、ピックアップ地(例えば迎車地)から遠ざかる経路(迂遠経路)が存在しないときに成立してよい。この場合、ユーザUには、割り当てが確定した移動装置が迂遠経路を移動していることは見えない。従って、ユーザUの満足度の低下を抑制することができる。
【0093】
ルート条件は、迂遠経路がピックアップ地付近にのみ存在するときに成立し、表示部31は、ルート条件が成立している場合に、迂遠経路が存在することも表示してよい。移動装置が迂遠経路を移動することが予めユーザUに知らされる分、満足度の低下が抑制される。
【0094】
ルート条件は、迂遠経路が存在するときに成立し、表示部31は、ルート条件が成立している場合に、割り当てが確定した移動装置がマップ上を移動する様子を表示しなくてよい。このようにして、移動装置が迂遠経路を移動することをユーザUに見せないようにすることもできる。
【0095】
図26~
図29等を参照して説明したように、ユーザUの種別は、通常会員ユーザ(例えばユーザU1)及び優先会員ユーザ(例えばユーザU2)を含み、管理部41による割り当ては、確定した割り当ての対象を通常会員ユーザから優先会員ユーザに変更することを含み、種別条件は、ユーザUが通常会員ユーザであり且つ変更が発生する可能性が無い場合に成立してよい。こうすることで、仮に変更が発生したとしても、ユーザUには、変更が発生したこと(自身への配車が取り消されたこと)は分からない。従って、ユーザUの満足度の低下を抑制することができる。例えば、変更が発生する可能性は、所定期間が経過すると無くなったり、割り当てが確定した移動装置がピックアップ地に近づくと無くなったりする。
【0096】
図3、
図15及び
図27~
図29等を参照して説明した情報処理方法も、開示される技術の1つである。情報処理方法は、移動装置(例えばタクシーである車両2)をユーザUに割り当てること(例えばステップS3~ステップS5)と、割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザUに表示すること(例えばステップS9)と、を含む。表示することでは、割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合(例えばステップS7:Yes、ステップS22:Yes)に、割り当てが確定したことを表示する(例えばステップS9)。所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザUの種別に関する種別条件の少なくとも一方を含む。このような情報処理方法によっても、これまで説明したように、ユーザUの満足度の低下を抑制することができる。
【0097】
図2、
図3、
図15及び
図27~
図30等を参照して説明した情報処理プログラムも、開示される技術の1つである。情報処理プログラム(例えばアプリケーションプログラム33a、アプリケーションプログラム42b)は、コンピュータに、移動装置(例えばタクシーである車両2)をユーザUに割り当てる処理と、割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザUに表示する処理と、を実行させる。表示する処理は、割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示する。所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件の少なくとも一方を含む。このような情報処理プログラムによっても、これまで説明したように、ユーザUの満足度の低下を抑制することができる。
【0098】
本開示に記載された効果は、あくまで例示であって、開示された内容に限定されない。他の効果があってもよい。
【0099】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0100】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
移動装置をユーザに割り当てる管理部と、
割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示する表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記管理部による割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、
前記所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件の少なくとも一方を含む、
情報処理システム。
(2)
前記表示部は、前記管理部による割り当てが確定した後であっても、所定条件が成立していないときには、移動装置を探索中であることを表示する、
(1)に記載の情報処理システム。
(3)
前記ルート条件は、ピックアップ地から遠ざかる経路が存在しないときに成立する、
(1)又は(2)に記載の情報処理システム。
(4)
前記ルート条件は、ピックアップ地から遠ざかる経路がピックアップ地付近にのみ存在するときに成立し、
前記表示部は、前記ルート条件が成立している場合に、ピックアップ地から遠ざかる経路が存在することも表示する、
(1)又は(2)に記載の情報処理システム。
(5)
前記ルート条件は、ピックアップ地から遠ざかる経路が存在するときに成立し、
前記表示部は、前記ルート条件が成立している場合に、割り当てが確定した移動装置が前記マップ上を移動する様子を表示しない、
(1)又は(2)に記載の情報処理システム。
(6)
前記ユーザの種別は、通常会員ユーザ及び優先会員ユーザを含み、
前記管理部による割り当ては、確定した割り当ての対象を通常会員ユーザから優先会員ユーザに変更することを含み、
前記種別条件は、前記ユーザが通常会員ユーザであり且つ前記変更が発生する可能性が無い場合に成立する、
(1)~(5)のいずれかに記載の情報処理システム。
(7)
前記変更が発生する可能性は、所定期間が経過すると無くなる、
(6)に記載の情報処理システム。
(8)
前記変更が発生する可能性は、割り当てが確定した移動装置がピックアップ地に近づくと無くなる、
(6)又は(7)に記載の情報処理システム。
(9)
前記移動装置は、車両を含み、
前記割り当ては、配車を含む、
(1)~(8)のいずれかに記載の情報処理システム。
(10)
前記車両は、タクシーを含む、
(9)に記載の情報処理システム。
(11)
移動装置をユーザに割り当てることと、
割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示することと、
を含み、
前記表示することでは、割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、
前記所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件の少なくとも一方を含む、
情報処理方法。
(12)
コンピュータに、
移動装置をユーザに割り当てる処理と、
割り当てが確定した移動装置を含むマップをユーザに表示する処理と、
を実行させる情報処理プログラムであって、
前記表示する処理は、割り当てが確定した後であって且つ所定条件が成立している場合に、割り当てが確定したことを表示し、
前記所定条件は、移動装置のルートに関するルート条件及びユーザの種別に関する種別条件の少なくとも一方を含む、
情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0101】
1 情報処理システム
2 車両
21 車載器
22 車両端末装置
3 ユーザ端末
31 表示部
32 処理部
33 記憶部
33a アプリケーションプログラム
4 情報処理装置
41 管理部
42 記憶部
42a 車両情報
42b アプリケーションプログラム
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 バス
205 入出力インタフェース
206 入力部
207 出力部
208 記憶部
209 通信部
210 ドライブ
211 リムーバブル記録媒体
N ネットワーク
U ユーザ