(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-14
(45)【発行日】2025-10-22
(54)【発明の名称】バッテリーパック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/367 20210101AFI20251015BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20251015BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20251015BHJP
【FI】
H01M50/367
H01M50/35 201
H01M50/289 101
(21)【出願番号】P 2024509079
(86)(22)【出願日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 KR2023007553
(87)【国際公開番号】W WO2023234735
(87)【国際公開日】2023-12-07
【審査請求日】2024-02-15
(31)【優先権主張番号】10-2022-0068268
(32)【優先日】2022-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0049566
(32)【優先日】2023-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ヒョン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ・ファン・シン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ヒュン・イ
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-516519(JP,A)
【文献】特表2022-517006(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111668406(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111446397(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0085452(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0108892(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3926747(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/367
H01M 50/35
H01M 50/289
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルを含むセルスタック組立体を収容するバッテリーパックであって、
セルスタック組立体が安着されたパックケースと、
前記パックケースの内部空間が区画されるように前記パックケースと結合された補助隔壁と、
を含み、
前記パックケースは、
前記安着されたセルスタック組立体の下部を支持する下板と、
前記セルスタック組立体の側部を支持するように前記下板に結合されており、内部にガス排出路を含む中空構造の側壁と、
を含み、
前記補助隔壁は、前記パックケースの下板および側壁に結合されており、内部に前記側壁のガス排出路と連通するガス流路を含
み、
前記補助隔壁の内部には、前記補助隔壁の長手方向に沿って延在形成されて前記ガス流路を区画する分離壁を含み、
前記分離壁は、前記補助隔壁の高さ方向に延在形成されて前記ガス流路を区画するメイン分離部を含み、
前記ガス流路は、前記分離壁のメイン分離部により区画されて形成された一対の第1ガス流路を含み、
前記分離壁は、前記メイン分離部から前記補助隔壁の内側面まで延在形成されて、前記第1ガス流路を前記補助隔壁の高さ方向に区画するサブ分離部を含む、
バッテリーパック。
【請求項2】
前記補助隔壁は、前記ガス流路が前記側壁のガス排出路と連結されるように前記側壁と結合される一面が開放された、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記補助隔壁は、前記ガス流路と対応する側面に吸入ホールを含む、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記吸入ホールは、前記補助隔壁の側面に少なくとも1つ以上形成される、請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記パックケースは、前記下板の中心部を横切るように延長形成されたメイン隔壁をさらに含み、
前記補助隔壁は、その両端がそれぞれ、前記メイン隔壁および側壁と結合されている、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記補助隔壁は、前記メイン隔壁に沿って所定の間隔だけ離隔するように前記下板上に配置されている、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記第1ガス流路は、前記分離壁のサブ分離部により区画されて形成された複数の第2ガス流路を含む、請求項
3に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記吸入ホールは、前記複数の第2ガス流路とすべて連結されるように前記補助隔壁の一側に形成された、請求項
7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記第2ガス流路は、前記側壁のガス排出路と連結されている、請求項
7に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記パックケースは、
前記側壁が延在する方向を基準に、前後面のうちの少なくともいずれか一面にガスの出入りが可能となるように外部に開放された排気ホールを含む、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記ガス排出路は、前記側壁の長手方向に沿って延在形成されて、前記排気ホールと連結されている、請求項
10に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記ガス排出路の断面積サイズは、前記ガス流路の断面積サイズよりも大きい、請求項1に記載のバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパックに関し、より具体的には、本発明のバッテリーパックは、セルスタック組立体の間に介在され、内部にガス流路が形成された補助隔壁を用いていずれか1つのセルスタック組立体で発生した高温のガスを外部に排出することにより、隣接するセルスタック組立体への上記ガスの影響を遮断し得ることを特徴とする。
【0002】
本出願は、2022年6月3日付の韓国特許出願第10-2022-0068268号および2023年4月14日付の韓国特許出願第10-2023-0049566号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池の種類には、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、すなわち単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.2Vである。したがって、これより高い出力電圧が要求される場合には、複数個のバッテリーセルを直列に連結してバッテリーパックを構成することもある。また、バッテリーパックに要求される充放電容量に応じて多数のバッテリーセルを並列連結してバッテリーパックを構成することもある。したがって、上記バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの個数は、要求される出力電圧または充放電容量に応じて多様に設定され得る。
【0004】
例えば、複数個のバッテリーセルを直列または並列に連結してバッテリーパックを構成する場合には、複数個のバッテリーセルからなるバッテリーモジュールを最初に構成し、このような複数個のバッテリーモジュールを用いて他の構成要素を追加してバッテリーパックを構成する方法が一般的である。すなわち、バッテリーモジュールとは、多数の二次電池が直列または並列に連結された構成要素を意味し、バッテリーパックとは、容量および出力などを高めるために、多数のバッテリーモジュールが直列または並列に連結された構成要素を意味すると言える。
【0005】
一方、このようなマルチバッテリーモジュール構造のバッテリーパックは、各バッテリーモジュールで発生する高温のガスを容易に放出することが重要である。充放電過程で発生した高温のガスが効果的に除去されないと、熱蓄積が起こり、結果としてバッテリーモジュールの劣化が促進され、場合によっては発火または爆発が起こり得る。また、正常に作動する他のバッテリーモジュールに上記ガスの熱が伝達され、バッテリーパックの内部に収容された全体バッテリーモジュールが劣化するかまたは爆発するという問題が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0112617号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたものであって、複数のセルスタック組立体のうちのいずれか1つのセルスタック組立体で劣化が発生して高温のガスが放出されるときに、上記ガスを迅速に外部に排出し得るバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、複数のセルスタック組立体のうちのいずれか1つのセルスタック組立体で劣化が発生して高温のガスが放出されるときに、隣接する他のセルスタック組立体に上記ガスの熱が伝達されることを防止し得るバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的および長所は、下記の説明によって理解されることができ、本発明の実施形態によってより明確に分かるであろう。また、本発明の目的および長所は、特許請求の範囲に示した手段およびその組み合わせによって実現され得ることが容易に分かるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、セルスタック組立体が安着されるパックケースと、上記パックケースの内部空間が区画されるように上記パックケースと結合される補助隔壁と、を含み、上記パックケースは、上記安着されたセルスタック組立体の下部を支持する下板と、上記セルスタック組立体の側部を支持するように上記下板に結合され、内部にガス排出路を含む中空構造の側壁と、を含み、上記補助隔壁は、上記パックケースの下板および側壁に結合され、内部に上記側壁のガス排出路と連通するガス流路を含むことを特徴とするバッテリーパックを提供する。
【0011】
上記補助隔壁は、上記ガス流路が上記側壁のガス排出路と連結されるように上記側壁と結合される一面が開放され得る。
【0012】
上記補助隔壁は、上記ガス流路と対応する側面に吸入ホールを含み得る。
【0013】
上記吸入ホールは、上記補助隔壁の側面に少なくとも1つ以上形成され得る。
【0014】
上記パックケースは、上記下板の中心部を横切るように延在形成されるメイン隔壁をさらに含み、上記補助隔壁は、両端がそれぞれ上記メイン隔壁および側壁と結合され得る。
【0015】
上記補助隔壁は、上記メイン隔壁に沿って所定の間隔だけ離隔するように上記下板上に配置され得る。
【0016】
上記補助隔壁の内部には、上記補助隔壁の長手方向に沿って延在形成されて上記ガス流路を区画する分離壁を含み、上記分離壁は、上記補助隔壁の厚さ方向に延在形成されて上記ガス流路を区画するメイン分離部を含み、上記ガス流路は、上記分離壁のメイン分離部により区画されて形成された一対の第1ガス流路を含み得る。
【0017】
上記分離壁は、上記メイン分離部から上記補助隔壁の内側面まで延在形成され、上記第1ガス流路を上記補助隔壁の厚さ方向に区画するサブ分離部を含み得る。
【0018】
上記第1ガス流路は、上記分離壁のサブ分離部により区画されて形成された複数の第2ガス流路を含み得る。
【0019】
上記吸入ホールは、上記複数の第2ガス流路とすべて連結されるように上記補助隔壁の一側に形成され得る。
【0020】
上記第2ガス流路は、上記側壁のガス排出路と連結され得る。
【0021】
上記パックケースは、前後面のうち少なくともいずれか一面にガスの出入りが可能となるように外部に開放された排気ホールを含み得る。
【0022】
上記ガス排出路は、上記側壁の長手方向に沿って延在形成され、上記排気ホールと連結され得る。
【0023】
上記ガス排出路の断面積サイズは、上記ガス流路の断面積サイズよりも大きいことがあり得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、セルスタック組立体で劣化が発生し、高温のガスが発生しても、セルスタック組立体が発火するかまたは爆発することを防止し得る。
【0025】
また、本発明によれば、セルスタック組立体で発生した高温のガスが隣接する他のセルスタック組立体に伝達されて熱が転移する現象を防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックの平面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックの側壁断面を示したものである。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックの部分斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックに含まれる補助隔壁の斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックの補助隔壁の側面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックの補助隔壁の断面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックに含まれる補助隔壁の両側に隣接して位置するモジュール空間で発生したガスの移動方向を示したものである。
【
図8】本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックの補助隔壁の部分断面を示したものである。
【
図9】本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックに含まれた側壁の一部を示したものである。
【
図10】本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックの補助隔壁および側壁の連結を単純化して示したものである。
【
図11】本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックの側壁の変形例を示したものである。
【
図12】本発明の第1実施形態に係るバッテリーパックの部分拡大図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係るバッテリーパックに含まれる補助隔壁の斜視図である。
【
図14】本発明の第2実施形態に係るバッテリーパックの補助隔壁が適用されたバッテリーパックの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。その前に、本明細書および特許請求の範囲で使用される用語や単語は、一般的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者が発明者自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義し得るという原則に基づいて、本発明の技術的思想に合致する意味と概念として解釈されるべきである。
【0028】
したがって、本明細書に記載された実施形態と図面に図示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替し得る多様な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。
【0029】
また、本発明の説明において、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0030】
本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであるため、図面における構成要素の形状およびサイズなどは、より明確な説明のために誇張、省略、または概略的に図示され得る。したがって、各構成要素のサイズや割合は、実際的なサイズや割合を完全に反映するものではない。
【0031】
本発明のバッテリーパック(1000)は、複数のセルスタック組立体を収容し、上記バッテリーパック(1000)が1つの出力を有するように収容されたセルスタック組立体間を電気的に直列および/または並列に連結する。
【0032】
上記セルスタック組立体は、互いに電気的に連結された複数のセルを含む。具体的には、上記セルスタック組立体は、一方向に積層された複数のセルを含むセルスタックと、上記セルスタックの電極リードと電気的に連結されるバスバーと、が備えられ、上記セルスタックの前後面にそれぞれ結合されるバスバーフレームを含む。
【0033】
必要に応じて、上記セルスタック組立体は、上記バスバーフレームを外部衝撃から保護するように結合されるエンドプレートをさらに含み得る。
【0034】
また、上記セルスタック組立体は、上記セルスタックの側部を保護するために上記セルスタックの周りを囲み、上記バスバーフレームまたはエンドプレートと結合されるモジュールフレームをさらに含み得る。
【0035】
図1~
図12は、本発明の第1実施形態に係るバッテリーパック(1000)に関するものであり、
図13~
図14は、本発明の第2実施形態に係るバッテリーパック(1000)に関するものである。
【0036】
以下、上記図面を参照して、各実施形態別に本発明のバッテリーパック(1000)を説明する。
【0037】
(第1実施形態)
図1は、本発明のバッテリーパック(1000)の平面図を示したものである。
【0038】
上記
図1によると、本発明のバッテリーパック(1000)は、パックケースと、補助隔壁(200)と、を含む。
【0039】
上記パックケースは、セルスタック組立体が安着される空間を提供し、下板(110)と、側壁(130)と、を含む。
【0040】
上記下板(110)は、バッテリーパック(1000)の底に該当し、上記バッテリーパック(1000)に収容されるセルスタック組立体の下部を支持する役割を果たす。
【0041】
上記側壁(130)は、上記下板(110)上に位置するセルスタック組立体の側部を支持する役割を果たす。具体的には、上記側壁(130)は、上記下板(110)の縁に沿って延在され、上記下板(110)の端部に結合される。
【0042】
上記側壁(130)は、その内部にガス排出路(131)を含む中空構造を有する。
【0043】
図2は、上記
図1のバッテリーパック(1000)に含まれた側壁(130)の一部の断面を示したものである。
【0044】
上記側壁(130)は、上記
図2に図示されたように、内部が空いてガスが移動し得るガス排出路(131)を含む。
【0045】
上記パックケースは、上記下板(110)の中心部を横切るように延在形成されるメイン隔壁(120)をさらに含み得る。
【0046】
上記メイン隔壁(120)は、セルスタック組立体が収容される空間を半分に区画する。
【0047】
上記補助隔壁(200)は、上記パックケースの内部空間が区画されるように上記パックケースと結合される。
【0048】
上記補助隔壁(200)は、具体的には、上記パックケースの内部空間を区画し、上記下板(110)と結合される。したがって、各セルスタック組立体は、上記補助隔壁(200)によって区画された空間に分離されて安着される。
【0049】
上記補助隔壁(200)は、各セルスタック組立体を分離する役割を果たし、また、両側面を介して各セルスタック組立体を支持する役割を果たす。
【0050】
上記補助隔壁(200)は、上記パックケースの下板(110)および側壁(130)に結合される。
【0051】
上記補助隔壁(200)は、メイン隔壁(120)が適用されない場合に、両端が互いに対向する位置に備えられた側壁(130)に結合される。また、上記補助隔壁(200)は、メイン隔壁(120)が適用される場合に、両端がそれぞれメイン隔壁(120)および側壁(130)と結合される。
【0052】
隣接する2つのセルスタック組立体は、上記補助隔壁(200)により互いに断絶されてバッテリーパック(1000)に収容される。
【0053】
上記補助隔壁(200)は、
図1に図示されるように、上記メイン隔壁(120)に沿って所定の間隔だけ離隔するように上記下板(110)上に配置され、上記離隔している一対の補助隔壁(200)の間隔は、セルスタック組立体の幅の長さと同じであるかまたはセルスタック組立体の幅の長さよりも長いことが好ましい。
【0054】
本発明のバッテリーパック(1000)は、上記パックケースおよび補助隔壁(200)の結合によって最終区画され、上記パックケースのメイン隔壁(120)、側壁(130)、および補助隔壁(200)によって区画された複数のモジュール空間(300)を含む。
【0055】
図3は、上記
図1のバッテリーパック(1000)の部分斜視図である。
【0056】
上記
図3によると、上記モジュール空間(300)は、メイン隔壁(120)、側壁(130)、および補助隔壁(200)に囲まれて形成されている。
【0057】
複数のセルスタック組立体は、上記各モジュール空間(300)にセルスタック組立体が1つずつ収容され、互いに分離され得る。
【0058】
本発明の補助隔壁(200)は、その内部に上記側壁(130)のガス排出路(131)と連通するガス流路(230)を含む。
【0059】
図4は、本発明の第1実施形態に係るバッテリーパック(1000)に含まれる補助隔壁(200)の斜視図であり、
図5は、上記
図4の補助隔壁(200)の側面図であり、
図6は、上記
図4の補助隔壁(200)の断面図である。
【0060】
上記補助隔壁(200)は、図示されるように、内部にガス流路(230)を含む中空構造を有する。
【0061】
上記補助隔壁(200)の側面には、上記ガス流路(230)と上記補助隔壁(200)に隣接するモジュール空間(300)が連結されるように、上記補助隔壁(200)の側壁(130)を貫通して形成された吸入ホール(210)が含まれる。すなわち、上記補助隔壁(200)は、内部のガス流路(230)と対応する側面に吸入ホール(210)を含む。
【0062】
上記吸入ホール(210)によって上記モジュール空間(300)と上記モジュール空間(300)に隣接する補助隔壁(200)のガス流路(230)とが連結され得、上記モジュール空間(300)に収容されたセルスタック組立体でガスが発生したときに、上記ガスは、上記吸入ホール(210)を介して上記ガス流路(230)に流入し得る。
【0063】
上記吸入ホール(210)は、上記補助隔壁(200)の一側面に複数個が形成され得る。
【0064】
また、上記吸入ホール(210)は、好ましくは上記補助隔壁(200)の両側面にそれぞれ形成される。
【0065】
図7は、補助隔壁(200)の両側に隣接して位置するモジュール空間(300)で発生したガスの移動方向を示したものである。各モジュール空間(300)は上記吸入ホール(210)を除いて密閉された状態であるため、上記モジュール空間(300)に収容されたセルスタック組立体でガスが発生すると、上記セルスタック組立体から放出されたガスは、上記
図7に図示されたガス移動経路(Gpth)のように、隣接する補助隔壁(200)の吸入ホール(210)に流入して移動する。
【0066】
上記補助隔壁(200)に含まれるガス流路(230)は、上記補助隔壁(200)の両側面に形成された吸入ホール(210)を介してそれぞれ異なるモジュール空間(300)と連結される。
【0067】
上記補助隔壁(200)の内部には、
図4および
図6に図示されるように、上記補助隔壁(200)の長手方向に沿って延在形成されて上記ガス流路(230)を区画する分離壁(220)を含む。
【0068】
上記分離壁(220)は、1つのメイン分離部(220a)と、複数のサブ分離部(220b)と、を含む。
【0069】
具体的には、上記メイン分離部(220a)は、上記補助隔壁(200)の厚さ方向に延在形成され、上記ガス流路(230)が上記メイン分離部(220a)を中心に両側に分かれるようにする。
【0070】
上記ガス流路(230)は、上記分離壁(220)のメイン分離部(220a)により区画されて形成された一対の第1ガス流路(230a)を含む。
【0071】
したがって、いずれか1つのモジュール空間(300)で発生したガスが上記補助隔壁(200)の第1ガス流路(230a)に流入しても、上記分離壁(220)のメイン分離部(220a)によって塞がれて隣接するモジュール空間(300)に逆流しない。
【0072】
上記サブ分離部(220b)は、上記メイン分離部(220a)から上記補助隔壁(200)の内側面まで延在形成され、上記第1ガス流路(230a)を上記補助隔壁(200)の厚さ方向に区画するサブ分離部(220b)を含む。
【0073】
上記サブ分離部(220b)は、上記メイン分離部(220a)の両側にそれぞれ形成され得、上記メイン分離部(220a)の一側に少なくとも1つ以上含まれることが好ましい。
【0074】
上記第1ガス流路(230a)は、上記分離壁(220)のサブ分離部(220b)により区画されて形成された複数の第2ガス流路(230a1)を含む。
【0075】
すなわち、本発明の補助隔壁(200)内部のガス流路(230)は、上記分離壁(220)のメイン分離部(220a)によって一対の第1ガス流路(230a)に分かれ得、上記分かれた第1ガス流路(230a)は、上記分離壁(220)のサブ分離部(220b)によって再び複数の第2ガス流路(230a1)に分かれ得る。
【0076】
上記メイン分離部(220a)の一側に形成された複数の第2ガス流路(230a1)は、好ましくは同じ吸入ホール(210)と連結される。
【0077】
図8は、上記
図5の補助隔壁(200)の部分断面を示したものである。
【0078】
上記
図8において、吸入ホール(210)が形成された部分の補助隔壁(200)の断面を参照すると、複数の第2ガス流路(230a1)が1つの吸入ホール(210)と連結されている。すなわち、モジュール空間(300)で発生したガスは、上記モジュール空間(300)に隣接する補助隔壁(200)の吸入ホール(210)を介して上記補助隔壁(200)内部に流入し、上記流入したガスは、補助隔壁(200)内部の分離壁(220)によって形成された複数の第2ガス流路(230a1)を介して同時に移動される。ただし、上記流入したガスは、図示されたように、メイン分離部(220a)によって反対側に位置するガス流路(230)に流入せず、また、隣接するモジュール空間(300)に伝達されない。
【0079】
上記補助隔壁(200)は、
図4に図示されるように、ガス流路(230)が上記側壁(130)のガス排出路(131)と連結されるように上記側壁(130)と結合される一面が開放されている。
【0080】
図9は、補助隔壁(200)の構成を省略した側壁(130)の一部を示したものである。上記
図9によると、上記側壁(130)の内側面には、補助隔壁(200)が挿入される挿入ホール(132)が形成されている。
【0081】
上記補助隔壁(200)は、上記側面の開放部が上記側壁(130)の挿入ホール(132)に挿入されるように上記側壁(130)と結合される。すなわち、上記補助隔壁(200)は、ガス流路(230)が上記側壁(130)のガス排出路(131)と連結されるように、上記側面の開放部が上記側壁(130)の挿入ホール(132)に挿入される。
【0082】
図10は、補助隔壁(200)および側壁(130)の連結を単純化して示したものであり、1つの側壁(130)に複数の補助隔壁(200)が連結されている。このとき、各補助隔壁(200)は、ガス流路(230)が上記側壁(130)のガス排出路(131)と連結されるように上記側壁(130)に結合される。
【0083】
上記
図10のガス移動経路(Gpth)を参照すると、モジュール空間(300)で発生したガスが補助隔壁(200)のガス流路(230)を介して移動した後に、上記補助隔壁(200)と結合されている上記側壁(130)のガス排出路(131)に流入して上記側壁(130)に沿って移動される。
【0084】
上記側壁(130)のガス排出路(131)の断面積サイズは、モジュール空間(300)で発生して上記ガス流路(230)を移動するガスが上記ガス排出路(131)へとより円滑に移動し得るように、上記補助隔壁(200)のガス流路(230)の断面積サイズよりも大きいことが好ましい。すなわち、ガス流路(230)内に移動されるガスは、空間体積が上記ガス流路(230)よりも大きく、圧力が少ないガス排出路(131)に向かって円滑に移動し得る。
【0085】
上記ガス排出路(131)の空間体積は、上記補助隔壁(200)内部の第2ガス流路(230a1)の空間体積よりも大きい。したがって、上記第2ガス流路(230a1)を移動してガス排出路(131)に流入したガスは、第2ガス流路(230a1)に再び逆流しないことがあり得る。
【0086】
図11は、上記側壁(130)の変形例を示したものである。
【0087】
上記
図11によると、上記側壁(130)は、上記モジュール空間(300)に向かう内側面に開放された補助吸入ホール(133)を含む。
【0088】
上記補助吸入ホール(133)は、上記側壁(130)内部のガス排出路(131)と上記モジュール空間(300)との間を連結し、上記モジュール空間(300)で発生したガスを上記ガス排出路(131)に直接的に流入させる。
【0089】
本発明のバッテリーパック(1000)は、上記側壁(130)のガス排出路(131)と連結されて外部に開放された排気ホール(400)を含む。すなわち、上記ガス排出路(131)は、上記側壁(130)の長手方向に沿って延在形成され、上記パックケースの前後面のうちの少なくともいずれか一面を介して外部に開放される。
【0090】
図12は、本発明の第1実施形態に係るバッテリーパック(1000)の部分拡大図である。
【0091】
上記
図12に図示されたガス移動経路(Gpth)によると、補助隔壁(200)のガス流路(230)および側壁(130)のガス排出路(131)に沿って移動されたガスが排気ホール(400)を介してバッテリーパック(1000)の外部に放出される。したがって、モジュール空間(300)で発生してガス流路(230)を移動して上記ガス排出路(131)に流入したガスは、上記ガス排出路(131)に沿って移動した後に、上記排気ホール(400)を介してバッテリーパック(1000)の外部に放出され得る。
【0092】
(第2実施形態)
図13は、本発明の第2実施形態に係るバッテリーパック(1000)に含まれる補助隔壁(200)の斜視図である。
【0093】
上記吸入ホール(210)は、
図13に図示されるように、補助隔壁(200)の長手方向に沿って長く延在形成され得る。すなわち、上記吸入ホール(210)は、上記補助隔壁(200)の長手方向に沿って延在形成され、第2ガス流路(230a1)がすべてモジュール空間(300)に対して広く開放されるようにする。
【0094】
図14は、上記
図13の補助隔壁(200)が適用されたバッテリーパック(1000)の部分斜視図である。
【0095】
上記
図13および
図14において、上記補助隔壁(200)に沿って長く延在形成された吸入ホール(210)により、モジュール空間(300)で発生した高温のガスは、第1実施形態と比較し、より短時間で上記補助隔壁(200)のガス流路(230)に流入して移動し得る。
【0096】
以上、図面と実施形態などにより本発明をより詳細に説明した。しかしながら、本明細書に記載された図面または実施形態などに記載された構成は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替し得る多様な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0097】
1000:バッテリーパック
110:下板
120:メイン隔壁
130:側壁
131:ガス排出路
132:挿入ホール
133:補助吸入ホール
200:補助隔壁
210:吸入ホール
220:分離壁
220a:メイン分離部
220b:サブ分離部
230:ガス流路
230a:第1ガス流路
230a1:第2ガス流路
300:モジュール空間
400:排気ホール
Gpth:ガス移動経路