(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-20
(45)【発行日】2025-10-28
(54)【発明の名称】仮想住宅共有システム、仮想住宅共有装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T  19/00        20110101AFI20251021BHJP        
   G06Q  50/10        20120101ALI20251021BHJP        
【FI】
G06T19/00 300 
G06Q50/10 
(21)【出願番号】P 2024195759
(22)【出願日】2024-11-08
【審査請求日】2025-06-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤  竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝  哲央
(72)【発明者】
【氏名】中村  諒太
【審査官】鈴木  肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-183883(JP,A)      
【文献】国際公開第2018/020766(WO,A1)    
【文献】特許第7503176(JP,B1)    
【文献】特開2023-166210(JP,A)      
【文献】磯 和之,生活融合通信:空間情報整合化機能”ComAdapter”,日本バーチャルリアリティ学会論文誌,日本,日本バーチャルリアリティ学会,2004年,Vol.9 No.2,pp.169-178,ISSN: 1344-011X
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q    50/00-50/20
G06Q    50/26-99/00
G06T      1/00
G06T    11/00-19/20
G16Z    99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
  グループ内の複数のユーザであるグループ内ユーザのうち一の住宅に住む宅内ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報を取得するユーザ取得手段と、
  前記グループ内ユーザがコミュニケーションを行う
所定の間取りの仮想住宅を仮想空間に生成する仮想住宅生成手段と、
  前記ユーザ取得手段が取得した前記宅内ユーザに係る前記ユーザ情報の前記位置に対応した、前記仮想住宅生成手段が生成した前記仮想住宅の位置に、前記宅内ユーザのアバターを配置するアバター配置手段と、
  
を備え、
            
  前記ユーザ取得手段は、前記グループ内ユーザのうち前記宅内ユーザを除く宅外ユーザが端末から入力した、前記宅外ユーザの前記仮想住宅における仮想位置を含む前記ユーザ情報をさらに取得し、
            
  前記宅外ユーザの前記仮想位置と前記宅内ユーザの前記アバターの位置とが前記所定の間取りにおける同一の区画に存在することを条件として、前記アバターに対応する前記宅内ユーザに対して通知をする通知手段を
さらに備える、仮想住宅共有システム。
【請求項2】
  請求項1に記載の仮想住宅共有システムにおいて、
            
  前記アバター配置手段は、前記ユーザ取得手段が取得した前記ユーザ情報に対応した前記宅外ユーザのアバターを、前記仮想住宅の仮想位置にさらに配置する、仮想住宅共有システム。
         【請求項3】
  請求項1に記載の仮想住宅共有システムにおいて、
  前記仮想住宅生成手段は、
前記所定の間取りの仮想住宅として、前記一の住宅と間取りが同一の前記仮想住宅を生成
し、
            
  前記グループ内ユーザによる端末から前記仮想空間へのアクセスを検出するアクセス検出手段と、
            
  前記アクセス検出手段が前記端末からのアクセスを検出したことを条件として、前記アバター配置手段が配置した前記アバターを含む前記仮想住宅の画像を、前記端末に出力する画像出力手段と、
            
  を備える、仮想住宅共有システム。
【請求項4】
  請求項3に記載の仮想住宅共有システムにおいて、
  
前記通知手段は、前記アクセス検出手段が前記宅外ユーザによる前記端末から前記仮想空間へのアクセスを検出した場合に、前記宅内ユーザに対してアクセスに係る通知をす
る、仮想住宅共有システム。
【請求項5】
  請求項3に記載の仮想住宅共有システムにおいて、
  前記画像出力手段は、前記宅外ユーザの前記仮想位置の視点からの前記仮想住宅の画像を、前記宅外ユーザの前記端末に出力する、仮想住宅共有システム。
【請求項6】
  グループ内の複数のユーザであるグループ内ユーザのうち一の住宅に住む宅内ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報と、前記一の住宅とは異なる他の住宅に住む宅外ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報
とを取得
するユーザ取得手段と、
            
  前記グループ内ユーザがコミュニケーションを行う所定の間取りの仮想住宅を仮想空間に生成する仮想住宅生成手段と、
            
  前記ユーザ取得手段が取得した
前記宅内ユーザ及び前記宅外ユーザ
の各々の前記ユーザ情報の前記位置に対応した、前記仮想住宅生成手段が生成した前記仮想住宅の位置に、
前記宅内ユーザ及び前記宅外ユーザのアバター
を配置する
アバター配置手段と、
            
  前記宅外ユーザの前記仮想住宅における仮想位置と前記宅内ユーザの前記仮想住宅における仮想位置とが前記所定の間取りにおける同一の区画に存在したことに応じて、前記宅内ユーザ及び前記宅外ユーザに対して通知をする通知手段と、
            
  を備える、仮想住宅共有システム。
【請求項7】
  請求項6に記載の仮想住宅共有システムにおいて、
            
  前記仮想住宅生成手段は、前記所定の間取りの仮想住宅として、前記一の住宅とは異なる、前記複数のユーザが希望する間取りの住宅の仮想住宅を生成し、
            
  前記グループ内ユーザによる端末から前記仮想空間へのアクセスを検出するアクセス検出手段と、
            
  前記アクセス検出手段が前記端末からのアクセスを検出したことを条件として、前記アバター配置手段が配置した前記アバターを含む前記仮想住宅の画像を、前記端末に出力する画像出力手段と、
            
  を備える、仮想住宅共有システム。
         【請求項8】
  請求項7に記載の仮想住宅共有システムにおいて、
  前記画像出力手段は、前記アバターに対応する前記ユーザの前記端末に対して、前記アバターの位置の視点からの前記仮想住宅の画像を出力する、仮想住宅共有システム。
【請求項9】
  請求項1から
請求項8までのいずれかに記載の仮想住宅共有システムにおいて、
  前記ユーザ取得手段は、前記ユーザが装着したウェアラブルデバイスを用いて前記ユーザ情報を取得する、仮想住宅共有システム。
【請求項10】
  請求項9に記載の仮想住宅共有システムにおいて、
  前記ユーザ取得手段は、前記ユーザの状態を含む前記ユーザ情報を取得し、
  前記アバター配置手段は、前記ユーザの状態を反映させた前記アバターを配置する、仮想住宅共有システム。
【請求項11】
  グループ内の複数のユーザであるグループ内ユーザのうち一の住宅に住む宅内ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報を取得するユーザ取得手段と、
  前記グループ内ユーザがコミュニケーションを行う
所定の間取りの仮想住宅を仮想空間に生成する仮想住宅生成手段と、
  前記ユーザ取得手段が取得した前記宅内ユーザに係る前記ユーザ情報の前記位置に対応した、前記仮想住宅生成手段が生成した前記仮想住宅の位置に、前記宅内ユーザのアバターを配置するアバター配置手段と、
  
を備え、
            
  前記ユーザ取得手段は、前記グループ内ユーザのうち前記宅内ユーザを除く宅外ユーザが端末から入力した、前記宅外ユーザの前記仮想住宅における仮想位置を含む前記ユーザ情報をさらに取得し、
            
  前記宅外ユーザの前記仮想位置と前記宅内ユーザの前記アバターの位置とが前記所定の間取りにおける同一の区画に存在することを条件として、前記アバターに対応する前記宅内ユーザに対して通知をする通知手段を
さらに備える、仮想住宅共有装置。
【請求項12】
  グループ内の複数のユーザであるグループ内ユーザのうち一の住宅に住む宅内ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報と、前記一の住宅とは異なる他の住宅に住む宅外ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報とを取得するユーザ取得手段と、
            
  前記グループ内ユーザがコミュニケーションを行う所定の間取りの仮想住宅を仮想空間に生成する仮想住宅生成手段と、
            
  前記ユーザ取得手段が取得した前記宅内ユーザ及び前記宅外ユーザの各々の前記ユーザ情報の前記位置に対応した、前記仮想住宅生成手段が生成した前記仮想住宅の位置に、前記宅内ユーザ及び前記宅外ユーザのアバターを配置するアバター配置手段と、
            
  前記宅外ユーザの前記仮想住宅における仮想位置と前記宅内ユーザの前記仮想住宅における仮想位置とが前記所定の間取りにおける同一の区画に存在したことに応じて、前記宅内ユーザ及び前記宅外ユーザに対して通知をする通知手段と、
            
  を備える、仮想住宅共有装置。
         【請求項13】
  コンピュータを、
  グループ内の複数のユーザであるグループ内ユーザのうち一の住宅に住む宅内ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報を取得するユーザ取得手段と、
  前記グループ内ユーザがコミュニケーションを行う
所定の間取りの仮想住宅を仮想空間に生成する仮想住宅生成手段と、
  前記ユーザ取得手段が取得した前記宅内ユーザに係る前記ユーザ情報の前記位置に対応した、前記仮想住宅生成手段が生成した前記仮想住宅の位置に、前記宅内ユーザのアバターを配置するアバター配置手段と、
  
して機能させ、
            
  前記ユーザ取得手段を、前記グループ内ユーザのうち前記宅内ユーザを除く宅外ユーザが端末から入力した、前記宅外ユーザの前記仮想住宅における仮想位置を含む前記ユーザ情報をさらに取得するように機能させ、
            
  前記コンピュータを、前記宅外ユーザの前記仮想位置と前記宅内ユーザの前記アバターの位置とが前記所定の間取りにおける同一の区画に存在することを条件として、前記アバターに対応する前記宅内ユーザに対して通知をする通知手段として
さらに機能させる
、プログラム。
【請求項14】
  コンピュータを、
            
  グループ内の複数のユーザであるグループ内ユーザのうち一の住宅に住む宅内ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報と、前記一の住宅とは異なる他の住宅に住む宅外ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報とを取得するユーザ取得手段と、
            
  前記グループ内ユーザがコミュニケーションを行う所定の間取りの仮想住宅を仮想空間に生成する仮想住宅生成手段と、
            
  前記ユーザ取得手段が取得した前記宅内ユーザ及び前記宅外ユーザの各々の前記ユーザ情報の前記位置に対応した、前記仮想住宅生成手段が生成した前記仮想住宅の位置に、前記宅内ユーザ及び前記宅外ユーザのアバターを配置するアバター配置手段と、
            
  前記宅外ユーザの前記仮想住宅における仮想位置と前記宅内ユーザの前記仮想住宅における仮想位置とが前記所定の間取りにおける同一の区画に存在したことに応じて、前記宅内ユーザ及び前記宅外ユーザに対して通知をする通知手段と、
            
  して機能させるためのプログラム。
         【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明は、仮想住宅共有システム、仮想住宅共有装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
  家族は、通常は同じ住宅に同居しているが、例えば、仕事や学業等の都合で、家族が離れて暮らすことがある。家族同士が離れて暮らしている場合には、同居している場合よりも家族間のコミュニケーションが取りにくい。そのため、家族間でのコミュニケーションを行うものとして、例えば、チャット等が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
  特許文献1に記載のようなチャットでは、離れて暮らしている側のその時点での状況を、お互いに把握しづらい。また、チャットは、家族のみならず、友達同士の会話でも用いられるが、家族間であれば、会話をせずとも家にいることが分かるだけでも、安心感を与えられる。
  さらに、既に家族になっている場合の他、家族になろうとする者同士が、一緒に暮らさなくても同居する共同生活の疑似体験を行えれば便利である。
【0005】
  本発明は、離れて暮らす者同士による同居を、仮想空間上で体験することができる仮想住宅共有システム、仮想住宅共有装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
  本発明は、グループ内の複数のユーザであるグループ内ユーザのうち一の住宅に住む宅内ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報を取得するユーザ取得手段と、前記グループ内ユーザがコミュニケーションを行う仮想住宅を仮想空間に生成する仮想住宅生成手段と、前記ユーザ取得手段が取得した前記宅内ユーザに係る前記ユーザ情報の前記位置に対応した、前記仮想住宅生成手段が生成した前記仮想住宅の位置に、前記宅内ユーザのアバターを配置するアバター配置手段と、前記グループ内ユーザによる端末から前記仮想空間へのアクセスを検出するアクセス検出手段と、前記アクセス検出手段が前記端末からのアクセスを検出したことを条件として、前記アバター配置手段が配置した前記アバターを含む前記仮想住宅の画像を、前記端末に出力する画像出力手段と、を備える、仮想住宅共有システムに関する。
【0007】
  また、仮想住宅共有システムにおいて、前記仮想住宅生成手段は、前記一の住宅と間取りが同一の前記仮想住宅を生成してもよい。
【0008】
  また、仮想住宅共有システムにおいて、前記ユーザ取得手段は、前記グループ内ユーザのうち前記宅内ユーザを除く宅外ユーザが前記端末から入力した、前記宅外ユーザの前記仮想住宅における仮想位置を含む前記ユーザ情報をさらに取得し、前記アバター配置手段は、前記ユーザ取得手段が取得した前記ユーザ情報に対応した前記宅外ユーザのアバターを、前記仮想住宅の仮想位置に配置してもよい。
【0009】
  また、仮想住宅共有システムにおいて、前記アクセス検出手段が前記宅外ユーザによる前記端末から前記仮想空間へのアクセスを検出した場合に、前記宅内ユーザに対してアクセスに係る通知をする通知手段を備えてもよい。
【0010】
  また、仮想住宅共有システムにおいて、前記通知手段は、前記宅外ユーザの前記仮想位置と前記宅内ユーザの前記アバターの位置とが前記間取りにおける同一の区画に存在することを条件として、前記アバターに対応する前記宅内ユーザに対して通知をしてもよい。
【0011】
  また、仮想住宅共有システムにおいて、前記画像出力手段は、前記宅外ユーザの前記仮想位置の視点からの前記仮想住宅の画像を、前記宅外ユーザの前記端末に出力してもよい。
【0012】
  また、仮想住宅共有システムにおいて、前記仮想住宅生成手段は、前記一の住宅とは異なる、前記複数のユーザが希望する間取りの住宅の前記仮想住宅を生成し、前記ユーザ取得手段は、前記一の住宅とは異なる他の住宅に住む宅外ユーザの住宅内における位置を含む前記ユーザ情報をさらに取得し、前記アバター配置手段は、前記ユーザ取得手段が取得した前記宅外ユーザに係る前記ユーザ情報に含まれる前記位置に対応した、前記仮想住宅生成手段が生成した前記仮想住宅の位置に、前記宅外ユーザのアバターをさらに配置してもよい。
【0013】
  また、仮想住宅共有システムにおいて、前記画像出力手段は、前記アバターに対応する前記ユーザの前記端末に対して、前記アバターの位置の視点からの前記仮想住宅の画像を出力してもよい。
【0014】
  また、仮想住宅共有システムにおいて、前記宅外ユーザの前記仮想住宅における仮想位置と前記宅内ユーザの前記仮想住宅における仮想位置とが前記間取りにおける同一の区画に存在したことに応じて、前記宅内ユーザ及び前記宅外ユーザに対して通知をする通知手段を備えてもよい。
【0015】
  また、仮想住宅共有システムにおいて、前記ユーザ取得手段は、前記ユーザが装着したウェアラブルデバイスを用いて前記ユーザ情報を取得してもよい。
【0016】
  また、仮想住宅共有システムにおいて、前記ユーザ取得手段は、前記ユーザの状態を含む前記ユーザ情報を取得し、前記アバター配置手段は、前記ユーザの状態を反映させた前記アバターを配置してもよい。
【0017】
  また、本発明は、グループ内の複数のユーザであるグループ内ユーザのうち一の住宅に住む宅内ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報を取得するユーザ取得手段と、前記グループ内ユーザがコミュニケーションを行う仮想住宅を仮想空間に生成する仮想住宅生成手段と、前記ユーザ取得手段が取得した前記宅内ユーザに係る前記ユーザ情報の前記位置に対応した、前記仮想住宅生成手段が生成した前記仮想住宅の位置に、前記宅内ユーザのアバターを配置するアバター配置手段と、前記グループ内ユーザによる端末から前記仮想空間へのアクセスを検出するアクセス検出手段と、前記アクセス検出手段が前記端末からのアクセスを検出したことを条件として、前記アバター配置手段が配置した前記アバターを含む前記仮想住宅の画像を、前記端末に出力する画像出力手段と、を備える、仮想住宅共有装置に関する。
【0018】
  また、本発明は、コンピュータを、グループ内の複数のユーザであるグループ内ユーザのうち一の住宅に住む宅内ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報を取得するユーザ取得手段と、前記グループ内ユーザがコミュニケーションを行う仮想住宅を仮想空間に生成する仮想住宅生成手段と、前記ユーザ取得手段が取得した前記宅内ユーザに係る前記ユーザ情報の前記位置に対応した、前記仮想住宅生成手段が生成した前記仮想住宅の位置に、前記宅内ユーザのアバターを配置するアバター配置手段と、前記グループ内ユーザによる端末から前記仮想空間へのアクセスを検出するアクセス検出手段と、前記アクセス検出手段が前記端末からのアクセスを検出したことを条件として、前記アバター配置手段が配置した前記アバターを含む前記仮想住宅の画像を、前記端末に出力する画像出力手段と、して機能させるためのプログラムに関する。
【発明の効果】
【0019】
  本発明によれば、離れて暮らす者同士による同居を、仮想空間上で体験することができる仮想住宅共有システム、仮想住宅共有装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
            【
図1】第1実施形態に係る仮想住宅共有システムの全体構成図である。
 
            【
図2】第1実施形態に係る仮想住宅共有サーバの機能ブロック図である。
 
            【
図3】第1実施形態に係る仮想住宅共有サーバのグループ記憶部の例を示す図である。
 
            【
図4】第1実施形態に係る端末の機能ブロック図である。
 
            【
図5】第1実施形態に係るウェアラブルデバイスの機能ブロック図である。
 
            【
図6】第1実施形態に係る仮想住宅共有サーバの画像生成処理を示すフローチャートである。
 
            【
図7】第1実施形態に係る生成した仮想住宅の例を示す図である。
 
            【
図8】第1実施形態に係る仮想住宅共有サーバのユーザ情報処理を示すフローチャートである。
 
            【
図9】第1実施形態に係るアバターが配置された仮想住宅の例を示す図である。
 
            【
図10】第1実施形態に係る仮想住宅共有サーバの住宅共有処理を示すフローチャートである。
 
            
            【
図12】第1実施形態に係る実家の様子に対応した端末での表示例を説明するための図である。
 
            【
図13】第1実施形態に係る端末での表示例を示す図である。
 
            【
図14】第2実施形態に係る仮想住宅共有システムでの全体概要図である。
 
            【
図15】第2実施形態に係る仮想住宅共有サーバの機能ブロック図である。
 
            【
図16】第2実施形態に係る仮想住宅共有サーバによる関連付けに係る例を示す図である。
 
            【
図17】第2実施形態に係る仮想住宅共有サーバの住宅共有処理を示すフローチャートである。
 
          
【発明を実施するための形態】
【0021】
  以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
(第1実施形態)
〔仮想住宅共有システム100の全体構成〕
  
図1は、第1実施形態に係る仮想住宅共有システム100の全体構成図である。
  
図1に示す仮想住宅共有システム100は、実家Hにいる家族の実家Hでの様子を、実家Hから離れた住宅Dで暮らす者が確認できるようにしたシステムである。また、仮想住宅共有システム100は、実家Hにいる家族と、住宅Dで暮らす者とが実家Hにいるかのようにコミュニケーションを行うことを可能にしたシステムである。
  ここで、家族を構成するメンバーを、グループ内ユーザともいい、そのうち実家Hに住む者を、宅内ユーザともいい、住宅Dで暮らす者を、宅外ユーザともいう。
 
【0022】
  仮想住宅共有システム100は、仮想住宅共有サーバ1(仮想住宅共有装置)と、端末3と、ウェアラブルデバイス4とを備える。そして、仮想住宅共有サーバ1と、端末3と、ウェアラブルデバイス4とは、データ通信網Nによってデータ通信が可能になっている。端末3と、ウェアラブルデバイス4とは、例えば、ルータ等の中継器9を介してデータ通信網Nに接続されている。
  なお、
図1には、1つの家族を例に記載している。
図1に示す家族は、実家Hに宅内ユーザ(ユーザP-AからユーザP-C)が住んでおり、別の場所にある住宅Dに宅外ユーザ(ユーザP-D)が住んでいるものである。この例では、ユーザP-Aは、父であり、ユーザP-Bは、母であり、ユーザP-Cは、妹(長女)である。また、ユーザP-Dは、兄(長男)である。そして、ユーザP-Dである兄が、大学生であり、学校のある地域に住んでいる。
  仮想住宅共有システム100では、実際には、複数の家族が有する複数の端末3及びウェアラブルデバイス4が、中継器9等を介してデータ通信網Nに接続されており、仮想住宅共有サーバ1に対して通信可能に接続されている。
 
【0023】
〔仮想住宅共有サーバ1〕
  図2は、第1実施形態に係る仮想住宅共有サーバ1の機能ブロック図である。
  
図3は、第1実施形態に係る仮想住宅共有サーバ1のグループ記憶部22の例を示す図である。
  仮想住宅共有サーバ1は、仮想住宅共有システム100により実現される、例えば、家族間における仮想住宅の共有に係るサービス(以下、「仮想住宅共有サービス」という。)を提供する企業が有する。当該仮想住宅共有サービスを提供する企業は、例えば、実際に住宅を提供するハウスメーカーや、当該サービスのためのプラットフォームを提供する企業等である。
 
【0024】
  図2に示すように、仮想住宅共有サーバ1は、制御部10と、記憶部20と、データ通信IF(インタフェース)29とを備える。
  制御部10は、仮想住宅共有サーバ1の全体を制御するCPU(中央処理装置)である。制御部10は、記憶部20に記憶されているOS(オペレーティングシステム)やアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
  制御部10の説明の前に、記憶部20を説明する。
 
【0025】
  記憶部20は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
  記憶部20は、プログラム記憶部21と、グループ記憶部22と、仮想住宅記憶部23と、アバター記憶部24とを記憶する。
  プログラム記憶部21は、後述する制御部10が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムを記憶する記憶領域である。
【0026】
  グループ記憶部22は、相互にコミュニケーションを行うメンバーを1つのグループとし、グループに関する情報を記憶する記憶領域である。
  図3に、グループ記憶部22の例を示す。グループ記憶部22は、例えば、家族を1つのグループとし、グループID(IDentification)をキーにして、グループ内のユーザに係る情報を記憶する。
  グループIDは、グループを識別する識別情報である。グループIDは、当該サービスを利用する家族を登録する際に、制御部10が一意となる識別情報を付与してもよい。
  ユーザIDは、グループ内のユーザを識別する識別情報である。
  属性は、例えば、家族の続柄である。
  所在は、実家Hに住むものか(宅内)、実家Hとは異なる場所に住むものか(宅外)を示す。
  なお、グループ記憶部22は、アバターを識別するアバターIDや、ユーザ名等を記憶していてもよい。
  
図3に示すグループ記憶部22のグループIDが「G01」の例は、
図1に示す家族に関するものである。
 
【0027】
  仮想住宅記憶部23は、仮想住宅に係るデータを記憶する記憶領域である。仮想住宅記憶部23は、例えば、グループIDをキーにして、仮想住宅の画像データを記憶する。
  アバター記憶部24は、各種のアバターを記憶する記憶領域である。アバター記憶部24は、例えば、アバターを識別するアバターIDをキーにして、アバターの画像データを記憶する。
  なお、記憶部20に記憶されるデータは、上記のものに限定されない。また、
図3に示したグループ記憶部22の項目は、一例であり、例えば、他の項目や、当該項目に代わる項目があってもよい。
 
【0028】
  次に、制御部10を説明する。
  制御部10は、仮想住宅生成部11(仮想住宅生成手段)と、位置関連付け部12と、ユーザ情報取得部13(ユーザ取得手段)と、アバター配置部14(アバター配置手段)と、アクセス検出部15(アクセス検出手段)と、画像出力部16(画像出力手段)と、通知部17(通知手段)とを備える。
【0029】
  仮想住宅生成部11は、家族がコミュニケーションを行う場所としての仮想住宅を、仮想空間に生成する。仮想住宅生成部11は、例えば、宅内ユーザが暮らす実家H(一の住宅)と間取りが同一の仮想住宅を生成する。
  位置関連付け部12は、宅内ユーザが暮らす実家Hの位置と、仮想住宅の位置とを関連付ける。ここで、位置関連付け部12は、実家Hの位置と仮想住宅の位置とを、おおよその位置で関連付けるものであってよい。例えば、実家Hの1つの区画の位置と、仮想住宅の1つの区画の位置とを対応付けてもよい。ここで、区画とは、例えば、リビング、ダイニング、洗面所、主寝室、子供部屋等をいう。
【0030】
  ユーザ情報取得部13は、宅内ユーザが装着したウェアラブルデバイス4から受信した、宅内ユーザのユーザ情報を取得する。ここで、宅内ユーザのユーザ情報は、実家Hにおける宅内ユーザの位置に関する情報を含む。また、宅内ユーザのユーザ情報は、実家Hにおける宅内ユーザの状態に関する情報を含む。宅内ユーザの状態とは、例えば、寝ている、食事をしている、リラックスしている等である。
  また、ユーザ情報取得部13は、宅外ユーザが端末3から入力した、宅外ユーザの仮想住宅における仮想位置を含むユーザ情報をさらに取得する。宅外ユーザは、端末3を用いて、例えば、自身のアバターを動かすことができ、それにより仮想住宅において自身の場所を動かすことができる。そして、ユーザ情報取得部13は、アバターの位置に関する情報を含むユーザ情報を、端末3から受信して取得する。
【0031】
  アバター配置部14は、ユーザ情報取得部13が取得した宅内ユーザの位置に対応した仮想住宅の位置に、宅内ユーザに対応したアバターの画像を配置する。また、アバター配置部14は、ユーザ情報取得部13が取得した宅外ユーザのユーザ情報に対応した宅外ユーザのアバターを、仮想住宅の仮想位置に配置する。
  アクセス検出部15は、グループ内ユーザによる端末3から仮想空間へのアクセスを検出する。
【0032】
  画像出力部16は、アクセス検出部15が端末3からのアクセスを検出したことを条件として、アバター配置部14が配置したアバターの画像を含む仮想住宅の画像を、端末3に出力する。ここで、アクセス検出部15が、宅外ユーザによる端末3からのアクセスを検出した場合には、画像出力部16は、宅外ユーザの仮想位置の視点からの仮想住宅の画像を、宅外ユーザの端末3に出力してもよい。また、アクセス検出部15が、宅内ユーザによる端末3からのアクセスを検出した場合には、画像出力部16は、例えば、仮想住宅を俯瞰可能な位置からの仮想住宅の画像を、宅内ユーザの端末3に出力してもよい。又は、画像出力部16は、例えば、宅内ユーザに対応するアバターの位置の視点からの仮想住宅の画像を、宅内ユーザの端末3に出力してもよい。
【0033】
  通知部17は、アクセス検出部15が宅外ユーザの端末3から仮想空間へのアクセスを検出したことを条件として、宅内ユーザに対してアクセスに係る通知をする。また、通知部17は、宅外ユーザの仮想位置と宅内ユーザのアバターの位置とが同一の区画に存在することを条件として、アバターに対応する宅内ユーザに対して通知をする。
【0034】
  データ通信IF29は、データ通信網Nとの間のインタフェースである。
  なお、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、仮想住宅共有サーバ1は、制御部10、記憶部20等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
  また、仮想住宅共有サーバ1は、1つのサーバ装置ではなく、複数のサーバ装置に組み合わせによって実現されていてもよいし、クラウドサーバであってもよい。
【0035】
〔端末3〕
  図4は、第1実施形態に係る端末3の機能ブロック図である。
  
図1に示すように、端末3は、宅外ユーザ及び宅内ユーザが使用する端末である。端末3は、仮想住宅を表示させたり、自身のアバターを移動させたりするために用いる。
  
図1では、端末3は、タブレットを例に説明しているが、例えば、スマートフォン等の携帯端末や、ノート型等のパーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。
 
【0036】
  図4に示すように、端末3は、制御部30と、記憶部35と、タッチパネル38と、データ通信IF39とを備える。
  制御部30は、端末3の全体を制御するCPUである。制御部30は、記憶部35に記憶されているOSやアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
  制御部30は、操作受付処理部31と、画像受信処理部32とを備える。
  操作受付処理部31は、タッチパネル38を介したユーザの操作を受け付け、操作に対応したデータを、仮想住宅共有サーバ1に送信する。より具体的には、操作受付処理部31は、自身のアバターを移動させる操作を受け付けて、アバターの移動に係るデータを、仮想住宅共有サーバ1に送信する。
  画像受信処理部32は、仮想住宅共有サーバ1から仮想住宅の画像を受信して、タッチパネル38に出力する。
 
【0037】
  記憶部35は、制御部30が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
  記憶部35は、プログラム記憶部36を記憶する。プログラム記憶部36は、上記した制御部30の機能を実行するためのプログラムを含む、各種のプログラムを記憶する記憶領域である。
  タッチパネル38は、ユーザによるタッチ操作を受け付ける入力部としての機能と、液晶パネル等で構成される表示部としての機能とを有する。
  データ通信IF39は、データ通信網Nとの間のインタフェースである。
【0038】
〔ウェアラブルデバイス4〕
  図5は、第1実施形態に係るウェアラブルデバイス4の機能ブロック図である。
  ウェアラブルデバイス4は、実家Hにいる宅内ユーザが、例えば、腕に装着して使用する装置である。
  
図1では、ウェアラブルデバイス4は、腕時計型のものを例に説明しているが、これに限定されない。ウェアラブルデバイス4は、例えば、リストバンド型や眼鏡型、指輪型、クリップ型等であってもよい。
  
図5に示すように、ウェアラブルデバイス4は、制御部40と、記憶部45と、センサ47と、報知部48と、データ通信IF49とを備える。
 
【0039】
  制御部40は、ウェアラブルデバイス4の全体を制御するCPUである。制御部40は、記憶部45に記憶されているOSやアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
  制御部40は、検出データ取得処理部41と、信号受信処理部42とを備える。
  検出データ取得処理部41は、センサ47からの検出データを取得し、仮想住宅共有サーバ1に検出データに基づくユーザ情報を送信する。
  信号受信処理部42は、仮想住宅共有サーバ1から信号を受信し、報知部48に報知させる処理を行う。
【0040】
  記憶部45は、制御部40が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶領域である。
  記憶部45は、プログラム記憶部46を記憶する。プログラム記憶部46は、上記した制御部40の機能を実行するためのプログラムを含む、各種のプログラムを記憶する記憶領域である。
  センサ47は、装着したユーザの位置や状態を検出する装置である。センサ47は、例えば、位置情報を検出するためのGPS(Global  Positioning  System)等を含むものであってよい。また、センサ47は、例えば、心拍数や体温、姿勢等を検出するものを含んでもよい。センサ47は、検出する対象により複数の装置を有してもよい。
【0041】
  報知部48は、ユーザに対して報知するための装置である。報知部48は、例えば、光を出力する装置であってもよいし、音を出力するスピーカ等の音声出力装置であってもよい。また、報知部48は、振動等を発生させる装置であってもよいし、ディスプレイ等の表示装置であってもよい。さらに、報知部48は、上記した例を含む複数の手段に対応する装置を有し、複数の手段によって報知をするものであってもよい。
  データ通信IF49は、データ通信網Nとの間のインタフェースである。
【0042】
〔処理の説明〕
  次に、仮想住宅共有システム100での処理について説明する。
  まず、事前に行う画像生成の処理を説明する。
  
図6は、第1実施形態に係る仮想住宅共有サーバ1の画像生成処理を示すフローチャートである。
  
図7は、第1実施形態に係る生成した仮想住宅50の例を示す図である。
 
【0043】
  図6のステップS(以下、「ステップS」を、単に「S」という。)11において、仮想住宅共有サーバ1の制御部10(仮想住宅生成部11)は、仮想空間に仮想住宅を生成する。
  仮想住宅共有サービスを利用したい家族は、例えば、端末3を用いて実家Hの間取図を仮想住宅共有サーバ1に送信することで、制御部10は、受信した間取図を用いて仮想住宅を生成することができる。
  仮想住宅共有サービスを提供するハウスメーカーで実家Hを建てている場合には、当該ハウスメーカーには、間取図や内装に関する情報を有する場合がある。そのような場合には、制御部10は、当該ハウスメーカーが保存している間取図や内装に関する情報を用いて、仮想住宅を生成してもよい。この場合には、実家Hと同じ内装の仮想住宅を生成することができる。
  そして、制御部10は、生成した仮想住宅を、仮想住宅記憶部23に登録する。
 
【0044】
  図7は、生成された仮想住宅50の例である。
  仮想住宅50は、例えば、家族が実際に住んでいる実家Hを3DCG(3  Dimensional  Computer  Graphics)にした画像データである。
図7に示す仮想住宅50は、実家Hの1階部分を画像化したものを例示している。仮想住宅50が複数階の建物の場合には、制御部10は、複数階の各々を画像化して表示させてもよい。また、仮想住宅50は、実家Hと同じように家具等をレイアウトしたものであってよい。家具等については、生成された仮想住宅50に対して、ユーザPが、ツール等を用いて編集を行うことで配置することができる。そのようにすることで、仮想住宅50が、実家Hと類似したものになり得る。
 
【0045】
  図6のS12において、制御部10(位置関連付け部12)は、生成した仮想住宅の位置と、実家Hの位置とを関連付ける。例えば、実家Hにいる家族が、ウェアラブルデバイス4を用いて移動し、端末3を用いてウェアラブルデバイス4の位置に対して仮想住宅の位置を指定することで、制御部10は、生成した仮想住宅の位置と、実家Hの位置とを関連付けることができる。
 
【0046】
  S13において、制御部10は、家族のアバターを生成する。例えば、実家Hにいる家族が、端末3を用いて家族の写真を仮想住宅共有サーバ1に送信することで、制御部10は、受信した写真から各ユーザに対応したアバターを生成してもよい。又は、仮想住宅共有サーバ1が、家族の属性に応じたアバターを予め用意して、記憶部20に記憶しておき、例えば、実家Hにいる家族のうちの1人が、端末3を用いて、ユーザとアバターとを対応付けてもよい。制御部10は、家族のアバターを、アバター記憶部24に登録する。
  S14において、制御部10は、ウェアラブルデバイス4とアバターとを対応付ける。例えば、実家Hにいる家族が、端末3を用いて、ウェアラブルデバイス4を識別する識別コードと、アバターとを対応付ける作業をしてもよい。当該対応付けは、記憶部20に記憶される。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0047】
  次に、仮想住宅を用いた処理を説明する。
  まず、ユーザ情報を仮想住宅に反映させる処理を説明する。
  
図8は、第1実施形態に係る仮想住宅共有サーバのユーザ情報処理を示すフローチャートである。
  
図9は、第1実施形態に係るアバター51が配置された仮想住宅50の例を示す図である。
 
【0048】
  図8のS21において、仮想住宅共有サーバ1の制御部10(ユーザ情報取得部13)は、ユーザ情報を取得したか否かを判断する。例えば、宅内ユーザが装着しているウェアラブルデバイス4では、制御部40(検出データ取得処理部41)が、センサ47による検出データを取得しており、取得した検出データに基づくユーザ情報を、仮想住宅共有サーバ1に対して随時送信する。そうすることで、制御部10は、ユーザ情報を取得する。ユーザ情報を取得した場合(S21:YES)には、制御部10は、処理をS22に移す。他方、ユーザ情報を取得していない場合(S21:NO)には、制御部10は、ユーザ情報を取得するまで本処理にとどまる。
 
【0049】
  S22において、制御部10(アバター配置部14)は、取得したユーザ情報に基づくアバターを、生成した仮想住宅の位置に配置する。その際、その後、制御部10は、処理をS21に移す。
  図9は、アバター51が配置された仮想住宅50の例である。
  アバター51-Aは、ユーザP-A(
図1参照)に対応し、アバター51-Bは、ユーザP-Bに対応し、アバター51-Cは、ユーザP-Cにそれぞれ対応する。
 
【0050】
  当該処理により、宅内ユーザがウェアラブルデバイス4を装着して実家Hにいる場合には、宅内ユーザに対応するアバターが、実家Hの区画と同じ仮想住宅の区画に配置される。また、宅内ユーザが家の中で移動すると、宅内ユーザに対応するアバターが同じように仮想住宅の中を移動する。さらに、宅内ユーザの状態が、アバターに反映される。例えば、宅内ユーザが寝ていると、アバターを寝ている姿にする。そのため、表示させる仮想住宅を、宅内ユーザの生活感が反映されたものにできる。
【0051】
  次に、仮想住宅を用いた家族間のコミュニケーションに係る処理について説明する。
  図10及び
図11は、第1実施形態に係る仮想住宅共有サーバ1の住宅共有処理を示すフローチャートである。
  
図12は、第1実施形態に係る実家Hの様子に対応した端末3での表示例を説明するための図である。
  
図13は、第1実施形態に係る端末3での表示例を示す図である。
 
【0052】
  図10のS31において、仮想住宅共有サーバ1の制御部10(アクセス検出部15)は、端末3からのアクセスを検出する。
  S32において、制御部10(アクセス検出部15)は、宅内ユーザの端末3からのアクセスか否かを判断する。例えば、宅内ユーザが仮想住宅共有サーバ1にログインをしたことで、制御部10は、宅内ユーザの端末3から仮想空間へのアクセスを検出できる。宅内ユーザの端末3からのアクセスである場合(S32:YES)には、制御部10は、処理をS33に移す。他方、宅内ユーザの端末3からのアクセスではない場合(S32:NO)には、制御部10は、処理をS35に移す。
 
【0053】
  S33において、制御部10(画像出力部16)は、仮想住宅の画像を、宅内ユーザの端末3に出力する。ここで出力する仮想住宅の画像は、
図8の処理によってアバターの画像を配置したものである。制御部10は、端末3に出力する仮想住宅の画像を、例えば、仮想住宅を俯瞰可能な位置からの画像と、宅内ユーザに対応するアバターの位置の視点からの画像とのいずれかの画像であってよい。また、制御部10(画像出力部16)は、端末3からの切替指示により、それぞれの画像を切り替えて出力させてもよい。そうすることで、端末3の制御部30(画像受信処理部32)は、受信した画像をタッチパネル38に表示させる。
 
【0054】
  S34において、制御部10は、端末3からのアクセスを検出中であるか否かを判断する。アクセスを検出中の場合(S34:YES)には、制御部10は、処理をS33に移す。他方、例えば、宅内ユーザが仮想住宅共有サーバ1からログアウト等をしたことで、端末3からのアクセスを検出しなくなった場合(S34:NO)には、制御部10は、本処理を終了する。
【0055】
  他方、S35において、制御部10(通知部17)は、宅内ユーザに対してアクセスに係る通知をする。ここで、S35の処理は、検出したアクセスが、宅外ユーザの端末3からの場合に行われる処理である。そのため、より具体的には、制御部10は、宅内ユーザのウェアラブルデバイス4に対して通知のための信号を送信する。
  これにより、宅内ユーザのウェアラブルデバイス4において、制御部40(信号受信処理部42)が信号を受信して、報知部48を報知させる処理を行う。そのため、宅内ユーザに、宅外ユーザが仮想空間に入ってきたことを、報知部48の報知によって知らせることができる。この報知により、宅内ユーザは、宅外ユーザが実家Hに帰ってきたという実感を得ることができる。
  なお、報知の一例としては、例えば、「ただいま」との音声を出力するものであってもよい。音声は、予め宅外ユーザのものを登録しておけば、よりリアリティのある報知をすることができる。
【0056】
  S36において、制御部10(画像出力部16)は、仮想住宅の画像を、端末3に出力する。ここで出力する仮想住宅の画像は、アバターの画像が配置されたものである。制御部10は、端末3に出力する仮想住宅の画像として、宅外ユーザの仮想位置の視点からの仮想住宅の画像を出力する。その後、制御部10は、処理を
図11のS41に移す。
 
【0057】
  図12(A)は、実家Hの台所に実際にいる母のユーザP-Bの様子を示す。
  また、
図12(B)は、宅外ユーザの仮想位置から見た仮想住宅50の台所の位置の画像60を示す。
  
図12(B)の画像60には、アバター51-Bが台所の位置に配置されている。
  このように、宅外ユーザは、宅外ユーザの仮想位置の視点からの仮想住宅50の画像60を見ることができる。そのため、宅外ユーザは、仮想住宅50にいるアバター51-Bの画像60により、実家Hの様子として、母親が台所にいる状態を確認することができる。
 
【0058】
  図11のS41において、制御部10は、宅外ユーザに対応するアバターの移動操作に係るデータを受信したか否かを判断する。宅外ユーザは、タッチパネル38に表示された仮想住宅に有する自身のアバターを、タッチパネル38の操作で移動させることができる。そうすることで、端末3の制御部30(操作受付処理部31)は、操作を受け付け、操作に対応したデータを、仮想住宅共有サーバ1に送信する。
  移動操作に係るデータを受信した場合(S41:YES)には、制御部10は、処理をS42に移す。他方、移動操作に係るデータを受信していない場合(S41:NO)には、制御部10は、処理をS46に移す。
  S42において、制御部10は、受信したデータに対応したアバターの移動処理を行う。
 
【0059】
  S43において、制御部10は、移動した結果として、宅外ユーザの仮想位置が宅内ユーザと同一区画であるか否かを判断する。同一区画である場合(S43:YES)には、制御部10は、処理をS44に移す。他方、同一区画ではない場合(S43:NO)には、制御部10は、処理をS46に移す。
  S44において、制御部10は、通知済であるか否かを判断する。この処理は、同一区画にいることを一度通知した場合には、同一区画にいる間に再び通知をしないためのものである。通知済である場合(S44:YES)には、制御部10は、処理をS46に移す。他方、通知済ではない場合(S44:NO)には、制御部10は、処理をS45に移す。
【0060】
  S45において、制御部10(通知部17)は、宅外ユーザの仮想位置と同一区画にいる宅内ユーザに通知を行う。より具体的には、制御部10は、宅内ユーザのウェアラブルデバイス4に対して通知のための信号を送信する。
  これにより、宅内ユーザのウェアラブルデバイス4において、制御部40(信号受信処理部42)が信号を受信して、報知部48を報知させる処理を行う。そのため、宅内ユーザに、宅外ユーザが同一区画にいることを知らせることができる。なお、宅外ユーザが同一区画にいるときの通知は、宅外ユーザが仮想住宅に入ってきたときの通知(
図10のS35)とは、異なるものであってよい。
  ここで、宅外ユーザの端末3と、通知を受けた宅内ユーザのウェアラブルデバイス4とを用いて、例えば、各装置に有する音声による会話やチャット等の機能が起動して、両者間で会話を行えるようにしてもよい。そのようにすれば、実際に同じ区画にいるような感覚で、宅外ユーザ及び宅内ユーザがコミュニケーションを行うことができる。
 
【0061】
  S46において、制御部10は、端末3からのアクセスを検出中であるか否かを判断する。アクセスを検出中の場合(S46:YES)には、制御部10は、処理を
図10のS36に移す。他方、例えば、宅外ユーザが仮想住宅共有サーバ1からログアウト等をしたことで、端末3からのアクセスを検出しなくなった場合(S46:NO)には、制御部10は、処理をS47に移す。
 
【0062】
  S47において、制御部10(通知部17)は、宅内ユーザに対して通知をする。より具体的には、制御部10は、宅内ユーザのウェアラブルデバイス4に対して通知のための信号を送信する。その後、制御部10は、本処理を終了する。
  これにより、宅内ユーザのウェアラブルデバイス4において、制御部40(信号受信処理部42)が信号を受信して、報知部48を報知させる処理を行う。そのため、宅内ユーザに、宅外ユーザが仮想空間から出て行ったことを知らせることができる。
【0063】
  次に、端末3の他の表示例について説明する。
  図13は、宅外ユーザのアバター51-Dの仮想住宅50における画像61を示す。
  画像61は、例えば、宅内ユーザの端末3に表示させることができる。端末3に出力された仮想住宅50の画像に対する操作を、宅内ユーザがすることで、制御部10は、例えば、宅外ユーザのアバター51-Dがいる位置を含む仮想住宅50の画像61を、端末3に送信する。
  このような処理によって、宅内ユーザは、宅外ユーザが実家Hにいるかのような感覚を得ることができる。
 
【0064】
  このように、第1実施形態の仮想住宅共有システム100によれば、以下のような効果がある。
  (1)仮想住宅共有サーバ1は、グループ内ユーザのうち実家Hに住む宅内ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報を取得し、グループ内ユーザがコミュニケーションを行う仮想住宅を仮想空間に生成し、取得した宅内ユーザに係るユーザ情報の位置に対応した、生成した仮想住宅の位置に、宅内ユーザのアバターを配置し、グループ内ユーザによる端末3から仮想空間へのアクセスを検出したことを条件として、配置したアバターを含む仮想住宅の画像を、端末3に出力するようにした。
  また、仮想住宅共有サーバ1は、実家Hと間取りが同一の仮想住宅を生成するようにした。
  よって、実家Hにいる宅内ユーザのアバターが配置された仮想住宅50の画像を、端末3に出力することができる。そして、実家Hでの暮らしぶりを仮想空間に仮想住宅50として反映させることができる。
【0065】
  (2)仮想住宅共有サーバ1は、グループ内ユーザのうちの宅外ユーザが端末3から入力した、宅外ユーザの仮想住宅における仮想位置を含むユーザ情報をさらに取得し、取得したユーザ情報に対応した宅外ユーザのアバターを、仮想住宅の仮想位置に配置するようにした。
  よって、例えば、宅内ユーザは、端末3を参照して、宅外ユーザが仮想住宅にいる様子を見ることができる。
【0066】
  (3)仮想住宅共有サーバ1は、宅外ユーザによる端末3から仮想空間へのアクセスを検出した場合に、宅内ユーザに対してアクセスに係る通知をするようにした。
  よって、通知を受けた宅内ユーザは、宅外ユーザが存在するかのような感覚を得ることができる。
【0067】
  (4)仮想住宅共有サーバ1は、宅外ユーザの仮想位置と宅内ユーザのアバターの位置とが間取りにおける同一の区画に存在することを条件として、アバターに対応する宅内ユーザに対して通知をするようにした。
  よって、宅内ユーザが宅外ユーザに話かけるきっかけになり得る。
【0068】
  (5)仮想住宅共有サーバ1は、宅外ユーザの仮想位置の視点からの仮想住宅の画像を、宅外ユーザの端末3に出力するようにした。
  よって、宅外ユーザは、実家Hにいるかのような仮想住宅の画像をみることができる。
【0069】
  (6)仮想住宅共有サーバ1は、ユーザが装着したウェアラブルデバイス4を用いてユーザ情報を取得するようにした。
  よって、ユーザはウェアラブルデバイス4を装着して実家Hにいるだけで、ユーザのアバターが仮想住宅に反映できる。
【0070】
  (7)仮想住宅共有サーバ1は、ユーザの状態を含むユーザ情報を取得し、ユーザの状態を反映させたアバターを配置するようにした。
  よって、ユーザのアバターは、ユーザの状態をも示すものにできる。
【0071】
(第2実施形態)
  第2実施形態では、恋人や友人等、家族にはなっていない者同士の同居を、仮想住宅で体験可能にしたものについて説明する。なお、以降の説明において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0072】
〔仮想住宅共有システム200の全体構成〕
  図14は、第2実施形態に係る仮想住宅共有システム200の全体構成図である。
  
図14に示す仮想住宅共有システム200は、恋人や友人等、家族にはなっていない者同士が同居しているかのような疑似体験を可能にしたシステムである。
  ここで、共同生活の疑似体験をする同居希望者(グループ内ユーザ)のうち、住宅X(一の住宅)に住む者を、ユーザP-X(宅内ユーザ)ともいい、住宅Xとは異なる住宅Y(他の住宅)に住む者を、ユーザP-Y(宅外ユーザ)ともいう。
  仮想住宅共有システム200は、仮想住宅共有サーバ201(仮想住宅共有装置)と、端末3と、ウェアラブルデバイス4とを備える。端末3と、ウェアラブルデバイス4とは、例えば、ルータ等の中継器9を介してデータ通信網Nに接続されている。
 
【0073】
〔仮想住宅共有サーバ1〕
  図15は、第2実施形態に係る仮想住宅共有サーバ201の機能ブロック図である。
  仮想住宅共有サーバ201は、制御部210と、記憶部220と、データ通信IF29とを備える。
  制御部210は、仮想住宅生成部211と、位置関連付け部212と、ユーザ情報取得部213と、アバター配置部214と、アクセス検出部15と、画像出力部216と、通知部217とを備える。
 
【0074】
  仮想住宅生成部211は、同居希望者が疑似体験をするのに用いる仮想住宅を、仮想空間に生成する。仮想住宅生成部211は、例えば、同居希望者が希望する間取りの仮想住宅を生成する。
  位置関連付け部212は、ユーザP-Xが暮らす住宅Xの位置と、仮想住宅の位置とを関連付ける。また、位置関連付け部212は、ユーザP-Yが暮らす住宅Yの位置と、仮想住宅の位置とを関連付ける。ここで、位置関連付け部212は、住宅X及び住宅Yの位置と、仮想住宅の位置とを、おおよその位置で関連付けるものであってよい。
【0075】
  ユーザ情報取得部213は、ユーザP-X及びユーザP-Yが装着したウェアラブルデバイス4から受信した、ユーザP-X及びユーザP-Yのユーザ情報を取得する。
  アバター配置部214は、ユーザ情報取得部213が取得したユーザP-X及びユーザP-Yの位置に対応した仮想住宅の位置に、ユーザP-X及びユーザP-Yに対応した各アバターの画像を、それぞれ配置する。
【0076】
  画像出力部216は、アクセス検出部15が端末3からのアクセスを検出したことを条件として、アバター配置部214が配置したアバターの画像を含む仮想住宅の画像を、端末3に出力する。ここで、画像出力部216は、各ユーザ(ユーザP-X又はユーザP-Y)の仮想位置の視点からの仮想住宅の画像を、各ユーザの端末3に出力してもよい。
  通知部217は、ユーザP-Xの仮想位置とユーザP-Yの仮想位置とが同一の区画にある場合に、ユーザP-X及びユーザP-Yに対して通知をする。
【0077】
  記憶部220は、プログラム記憶部221と、グループ記憶部222と、仮想住宅記憶部23と、アバター記憶部24とを記憶する。
  プログラム記憶部221は、上記の制御部210が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムを記憶する記憶領域である。
  グループ記憶部222は、例えば、1つの仮想住宅における同居希望者を1つのグループとし、グループIDをキーにして、グループ内のユーザに係る情報として、ユーザID等を記憶する。
【0078】
〔処理の説明〕
  次に、仮想住宅共有システム200での処理について説明する。
  
図16は、第2実施形態に係る仮想住宅共有サーバ201による関連付けに係る例を示す図である。
  事前に行う画像生成の処理は、第1実施形態(
図6)と同様である。
  
図6のS11に対応する処理として、仮想住宅共有サービスを利用したいカップルは、例えば、端末3を用いて希望する住宅の間取図を仮想住宅共有サーバ201に送信することで、仮想住宅共有サーバ201の制御部210(仮想住宅生成部211)は、受信した間取図を用いて仮想住宅を生成する。
 
【0079】
  図6のS12に対応する処理として、仮想住宅共有サーバ201の制御部210(位置関連付け部212)は、生成した仮想住宅の位置と、住宅Xの位置とを関連付ける。また、仮想住宅共有サーバ201の制御部210(位置関連付け部212)は、生成した仮想住宅の位置と、住宅Yの位置とを関連付ける。
  
図6のS13に対する処理として、仮想住宅共有サーバ201の制御部210は、ユーザP-X及びユーザP-Yのアバターを生成する。
  
図6のS14において、仮想住宅共有サーバ201の制御部210は、ウェアラブルデバイス4とアバターとを対応付ける。
 
【0080】
  図16に、関連付けに係る例を示す。
  
図16には、ユーザP-Xが住む住宅Xの間取
図271と、ユーザP-Yが住む住宅Yの間取
図272とがある。
  また、
図16には、ユーザP-X及びユーザP-Yが希望する住宅の間取
図275がある。関連付けがされると、間取
図275には、ユーザP-Xに対応するアバター251-Xと、ユーザP-Yに対応するアバター251-Yとが、同じ区画にいる状態になる。
  なお、間取
図275は、住宅Xの間取
図271や、住宅Yの間取
図272よりも部屋数が多い。このような場合には、仮想住宅と現実の住宅の位置との関連付けの際に、現実の住宅の領域を区切って、各領域を、仮想住宅の各部屋に関連付けるようにしてもよい。
 
【0081】
  次に、仮想住宅を用いた処理を説明する。
  ユーザ情報を仮想住宅に反映させるユーザ情報処理は、第1実施形態(
図8)と同様である。
  仮想住宅を用いた同居希望者間のコミュニケーションに係るについて説明する。
  
図17は、第2実施形態に係る仮想住宅共有サーバ201の住宅共有処理を示すフローチャートである。
  
図17のS231において、仮想住宅共有サーバ201の制御部210(アクセス検出部15)は、端末3からのアクセスを検出したか否かを判断する。端末3からのアクセスを検出した場合(S231:YES)には、制御部210は、処理をS232に移す。他方、端末3からのアクセスを検出していない場合(S231:NO)には、制御部210は、処理をS233に移す。
 
【0082】
  S232において、制御部210(画像出力部216)は、仮想住宅の画像を、端末3に出力する。制御部210は、端末3に出力する仮想住宅の画像として、端末3のユーザの仮想位置の視点からの仮想住宅の画像を出力する。
  S233において、制御部210は、各ユーザの仮想位置が同一区画であるか否かを判断する。同一区画である場合(S233:YES)には、制御部210は、処理をS234に移す。他方、同一区画ではない場合(S233:NO)には、制御部210は、処理をS236に移す。
  S234において、制御部210は、通知済であるか否かを判断する。通知済である場合(S234:YES)には、制御部210は、処理をS236に移す。他方、通知済ではない場合(S234:NO)には、制御部210は、処理をS235に移す。
【0083】
  S235において、制御部210(通知部217)は、同一区画にアバターがいる各ユーザに通知を行う。より具体的には、制御部210は、各ユーザのウェアラブルデバイス4に対して通知のための信号を送信する。
  これにより、各ユーザのウェアラブルデバイス4において、制御部40(信号受信処理部42)が信号を受信して、報知部48を報知させる処理を行う。そのため、各ユーザに、相手方が同一区画にいることを知らせることができ、その後のコミュニケーションを円滑に行うことができる。
  S236において、制御部210は、端末3からのアクセスを検出中であるか否かを判断する。アクセスを検出中の場合(S236:YES)には、制御部210は、処理をS232に移す。他方、端末3からのアクセスを検出しなくなった場合(S236:NO)には、制御部210は、処理をS233に移す。
【0084】
  このように、第2実施形態の仮想住宅共有システム200によれば、以下のような効果がある。
  (1)仮想住宅共有サーバ201は、一の住宅とは異なる、複数のユーザが希望する間取りの住宅の仮想住宅を生成し、一の住宅とは異なる他の住宅に住む宅外ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報をさらに取得し、取得した宅外ユーザに係るユーザ情報に含まれる位置に対応した、生成した仮想住宅の位置に、宅外ユーザのアバターをさらに配置するようにした。
  よって、住宅Xに住宅に住んでいるユーザP-Xと、住宅Yに住んでいるユーザP-Yとの両者が希望する仮想住宅に、各ユーザのアバターを配置することができる。
  よって、同居希望者が希望する住宅に暮らすという体験を、仮想住宅によって実現できる。
【0085】
  (2)仮想住宅共有サーバ201は、アバターに対応するユーザの端末3に対して、アバターの位置の視点からの仮想住宅の画像を出力するようにした。
  よって、ユーザにあたかも仮想住宅で暮らしているかのような感覚を与えることができる。
【0086】
  (3)仮想住宅共有サーバ201は、宅外ユーザの仮想位置と宅内ユーザの仮想位置とが間取りにおける同一の区画に存在したことに応じて、宅内ユーザ及び宅外ユーザに対して通知をするようにした。
  よって、同じ区画にいる場合には、お互いに相手が近くにいることを実感できる。
【0087】
  以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0088】
(変形形態)
  (1)各実施形態では、ユーザの情報を取得するためにウェアラブルデバイス4を用いるものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、各部屋にセンサを取り付けておき、当該センサにより家族の居場所を取得してもよい。この場合には、誰がいるかは分からないが、どこに誰かがいることは分かる。また、例えば、カメラであってもよい。カメラの画像であれば、ユーザの詳細がより把握できるが、プライバシーの問題が生じる可能性がある。
【0089】
  (2)第1実施形態では、実家Hとそれ以外の住宅Dの例として、大学生が実家Hから離れて暮らしているものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、父親が単身赴任している場合であってもよい。また、外国人労働者が日本に出稼ぎに来ている場合であってもよい。
【0090】
  (3)第1実施形態では、実家Hとは異なる住宅DにいるユーザP-Dについて、実家Hの家族は、実家Hと同一の間取の仮想住宅に配置されたユーザP-Dが操作をするアバターを見るものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、ユーザP-Dが住んでいる住宅Dと同一の間取の仮想住宅を生成し、ユーザP-Dのユーザ情報を取得して、住宅Dと同一の間取の仮想住宅にアバターを反映させて、それを実家HのユーザP-AからP-Cが見れるようにしてもよい。また、実H家と同一の間取の仮想住宅に配置されたユーザP-Dが操作をするアバターと、住宅Dと同一の間取の仮想住宅に配置されたアバターとの両方が見れるようにしてもよい。
【0091】
  (4)第2実施形態では、同居希望者として、男性と女性との例を説明したが、これに限定されない。例えば、同性同士であってもよい。
  また、第2実施形態では、アバターを配置させる希望の住宅を、当該仮想住宅共有サービスを提供するサービス提供者が定期的に変えるサービスを提供してもよい。そうすることで、実際に同居する際に、購入したり貸借したりする住宅を選ぶときの参考にすることができる。
【0092】
  (5)各実施形態で説明したシステムは、例えば、アプリケーションを起動することによるものであってもよいし、ウェブベースでのシステムであってもよい。
  (6)各実施形態では、記憶部に各種の情報を記憶するものを例に説明したが、これに限定されない。仮想住宅共有サーバに対して接続された外部装置に、各種の情報を有してもよい。
【符号の説明】
【0093】
  1,201  仮想住宅共有サーバ(仮想住宅共有装置)
  3    端末
  4    ウェアラブルデバイス
  10,30,40,210  制御部
  11,211  仮想住宅生成部
  12,212  位置関連付け部
  13,213  ユーザ情報取得部
  14,214  アバター配置部
  15  アクセス検出部
  16,216  画像出力部
  17,217  通知部
  20,35,45,220  記憶部
  21,36,46,221  プログラム記憶部
  22,222  グループ記憶部
  23  仮想住宅記憶部
  24  アバター記憶部
  38  タッチパネル
  47  センサ
  48  報知部
  50  仮想住宅
  51-A,51-B,51-C,51-D,251-X,251-Y  アバター
  60,61  画像
  100,200  仮想住宅共有システム
  271,272,275  間取図
  D,X,Y  住宅
  H    実家
  N    データ通信網
  P-A,P-B,P-C,P-D、P-X,P-Y  ユーザ
【要約】
【課題】離れて暮らす者同士による同居を、仮想空間上で体験することができる仮想住宅共有システム、仮想住宅共有装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】仮想住宅共有システム100は、グループ内の複数のユーザであるグループ内ユーザのうち実家Hに住む宅内ユーザの住宅内における位置を含むユーザ情報を取得し、グループ内ユーザがコミュニケーションを行う仮想住宅を仮想空間に生成し、取得した宅内ユーザに係るユーザ情報の位置に対応した、生成した仮想住宅の位置に、宅内ユーザのアバターを配置し、グループ内ユーザによる端末3から仮想空間へのアクセスを検出し、端末3からのアクセスを検出したことを条件として、配置したアバターを含む仮想住宅の画像を、端末3に出力する。
【選択図】
図1