(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-28
(45)【発行日】2025-11-06
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/224 20060101AFI20251029BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20251029BHJP
【FI】
H01G4/224 100
H01G4/30 201F
H01G4/30 201G
H01G4/224
H01G4/30 513
H01G4/30 516
(21)【出願番号】P 2021185391
(22)【出願日】2021-11-15
【審査請求日】2024-06-11
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100129296
【氏名又は名称】青木 博昭
(72)【発明者】
【氏名】高田 匡平
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 伸也
(72)【発明者】
【氏名】森田 健
【審査官】相澤 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-044101(JP,A)
【文献】特開2019-067793(JP,A)
【文献】特開2004-015016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/224
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体セラミックの素体と、
前記素体に配置されている複数の外部電極と、
互いに対向するように前記素体内に配置されていると共に、前記複数の外部電極のうち対応する外部電極と電気的に接続されている複数の内部電極と、
前記素体に配置されている電気絶縁膜と、を備え、
前記複数の外部電極のそれぞれは、導電性樹脂層を含み、
前記電気絶縁膜は、前記素体の表面における前記複数の外部電極の間の領域上に少なくとも位置する膜部分を含み、
前記素体は、
前記複数の内部電極のうち、前記複数の内部電極が互いに対向する方向で最も外側に位置する最外内部電極と対向する第一側面と、
互いに対向すると共に前記第一側面と隣り合う一対の端面と、を含み、
前記膜部分は、前記第一側面上に位置し、
前記導電性樹脂層は、前記第一側面上に位置すると共に前記膜部分に接する部分を含み、
前記第一側面上に位置する前記膜部分の平均厚みの、前記第一側面と前記最外内部電極との間隔に対する比は、1.0×10
-4以上であり、
前記第一側面上に位置する前記膜部分の前記平均厚みの、前記導電性樹脂層における前記第一側面上に位置すると共に前記膜部分に接する前記部分の最大厚みに対する比は、6.67×10
-4以上であり、
前記第一側面上に位置する前記膜部分の前記平均厚みの、前記導電性樹脂層における前記第一側面上に位置すると共に前記膜部分に接する前記部分の、前記一対の端面が対向する方向での長さに対する比は、8.0×10
-5以上である、電子部品。
【請求項2】
前記素体は、前記複数の内部電極が互いに対向する前記方向に延在する第二側面を更に含み、
前記膜部分は、前記第二側面上に位置し、
前記導電性樹脂層は、前記第二側面上に位置すると共に前記膜部分に接する部分を含み、
前記第二側面上に位置する前記膜部分の平均厚みの、前記第二側面と前記内部電極との間隔に対する比は、1.0×10
-4以上であり、
前記第二側面上に位置する前記膜部分の前記平均厚みの、前記導電性樹脂層における前記第二側面上に位置すると共に前記膜部分に接する前記部分の最大厚みに対する比は、6.67×10
-4以上であり、
前記第二側面上に位置する前記膜部分の前記平均厚みの、前記導電性樹脂層における前記第二側面上に位置すると共に前記膜部分に接する前記部分の、前記一対の端面が対向する前記方向での長さに対する比は、8.0×10
-5以上である、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記一対の端面のそれぞれには、前記複数の内部電極のうち対応する内部電極が露出し、
前記電気絶縁膜は、前記端面上に位置する膜部分を更に含む、請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記複数の外部電極のそれぞれは、前記電気絶縁膜上に形成されていると共に、前記対応する内部電極と物理的かつ電気的に接続されている焼結金属層を更に含み、
前記導電性樹脂層は、前記焼結金属層上に形成されている、請求項3に記載の電子部品。
【請求項5】
前記第一側面上に位置する前記膜部分の平均厚みは、前記端面上に位置する前記膜部分の平均厚み以上である、請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
前記第一側面上に位置する前記膜部分の前記平均厚みは、0.05μm以上である、請求項5に記載の電子部品。
【請求項7】
前記端面上に位置する前記膜部分の前記平均厚みは、0より大きく0.2μm以下である、請求項5又は6に記載の電子部品。
【請求項8】
前記最外内部電極と前記第一側面との間隔は、100μm以上400μm以下である、請求項5~7のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項9】
前記最外内部電極と、前記導電性樹脂層における前記第一側面上に位置する前記部分とは、互いに電気的に接続されておらず、
前記第一側面上に位置する前記膜部分は、前記最外内部電極と、前記導電性樹脂層における前記第一側面上に位置する前記部分との間に更に位置する、請求項1~8のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項10】
前記複数の外部電極のそれぞれは、前記導電性樹脂層を覆うように前記導電性樹脂層上に形成されているめっき層を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項11】
前記電気絶縁膜と前記導電性樹脂層とは互いに接している、請求項1~10のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項12】
前記電気絶縁膜は、電気絶縁薄膜からなる、請求項1~11のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項13】
前記電気絶縁膜は、シリコン酸化膜からなる、請求項1~12のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項14】
前記導電性樹脂層は、複数の銀粒子を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
知られている電子部品は、素体と、素体に配置されている複数の外部電極と、を備えている(たとえば、特許文献1を参照)。複数の外部電極のそれぞれは、導電性樹脂層を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導電性樹脂層は、一般に、複数の金属粒子と、樹脂とを含む。この場合、外部電極にマイグレーションが生じるおそれがある。マイグレーションは、たとえば、以下の事象により生じると考えられる。
電界が導電性樹脂層に含まれる金属粒子に作用し、金属粒子がイオン化する。発生した金属イオンは、外部電極間に生じる電界に引かれ、導電性樹脂層から移動する。金属粒子に作用する電界は、たとえば、外部電極間に生じる電界、又は、外部電極と、素体内に配置される内部導体との間に生じる電界を含む。導電性樹脂層から移動する金属イオンは、たとえば、素体又は外部電極から供給される電子と反応し、素体の表面上に金属として析出する。
【0005】
本発明の一つの態様は、外部電極が導電性樹脂層を含む場合でも、マイグレーションの発生を抑制する電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る電子部品は、素体と、素体に配置されている複数の外部電極と、素体に配置されている電気絶縁膜と、を備える。複数の外部電極のそれぞれは、導電性樹脂層を含む。電気絶縁膜は、素体の表面における複数の外部電極の間の領域上に少なくとも位置する膜部分を含む。
【0007】
上記一つの態様では、電気絶縁膜に含まれる膜部分が、素体の表面における複数の外部電極の間の領域上に少なくとも位置する。したがって、導電性樹脂層に含まれる金属粒子がイオン化する場合でも、膜部分は、発生する金属イオンと、素体又は外部電極から供給される電子との反応を阻害する。すなわち、電子が金属イオンに供給されがたい。この結果、上記一つの態様は、マイグレーションの発生を抑制する。
【0008】
上記一つの態様は、複数の内部電極を備えていてもよい。複数の内部電極は、互いに対向するように素体内に配置されていると共に、複数の外部電極のうち対応する外部電極と電気的に接続されていてもよい。素体は、複数の内部電極のうち、複数の内部電極が互いに対向する方向で最も外側に位置する最外内部電極と対向する第一側面を含んでいてもよい。導電性樹脂層は、第一側面上に位置する部分を含んでいてもよい。膜部分は、第一側面上に位置していてもよい。
導電性樹脂層が、第一側面上に位置する部分を含む構成では、導電性樹脂層が含むと共に第一側面上に位置する部分に含まれる金属粒子が、イオン化するおそれがある。しかしながら、電気絶縁膜に含まれる膜部分が第一側面上に位置する構成では、膜部分は、導電性樹脂層が含むと共に第一側面上に位置する部分に含まれる金属粒子から生じる金属イオンと、素体又は外部電極から供給される電子との反応を確実に阻害する。この結果、電気絶縁膜に含まれる膜部分が、第一側面上に位置する構成は、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
【0009】
上記一つの態様では、素体は、複数の内部電極が互いに対向する方向に延在する第二側面を含んでいてもよい。導電性樹脂層は、第二側面上に位置する部分を含んでいてもよい。膜部分は、第二側面上に位置していてもよい。
導電性樹脂層が、第二側面上に位置する部分を含む構成では、導電性樹脂層が含むと共に第二側面上に位置する部分に含まれる金属粒子が、イオン化するおそれがある。しかしながら、電気絶縁膜に含まれる膜部分が、第二側面上に位置する構成では、膜部分は、導電性樹脂層が含むと共に第二側面上に位置する部分に含まれる金属粒子から生じる金属イオンと、素体又は外部電極から供給される電子との反応を確実に阻害する。この結果、電気絶縁膜に含まれる膜部分が第二側面上に位置する構成は、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
【0010】
上記一つの態様では、素体は、複数の内部電極のうち対応する内部電極が露出する端面を含んでいてもよい。電気絶縁膜は、端面上に位置する膜部分を含んでいてもよい。
外部電極が電解めっき層を含む場合、めっき液が素体に浸入するおそれがある。めっき液が素体に浸入した場合、電子部品の電気的特性が劣化するおそれがある。しかしながら、電気絶縁膜が、端面上に位置する膜部分を含む構成では、外部電極が電解めっき層を含む場合でも、端面上に位置する膜部分が、素体へのめっき液の浸入を阻害する。したがって、電気絶縁膜が端面上に位置する膜部分を含む構成は、電子部品の電気的特性の劣化を抑制する。
【0011】
上記一つの態様では、複数の外部電極のそれぞれは、電気絶縁膜上に形成されている焼結金属層を含んでいてもよい。焼結金属層は、対応する内部電極と物理的かつ電気的に接続されていてもよい。導電性樹脂層は、焼結金属層上に形成されていてもよい。
導電性樹脂層が形成される焼結金属層が、電気絶縁膜上に形成されている構成では、導電性樹脂層に含まれる金属粒子がイオン化する場合でも、電子が金属イオンにより一層供給されがたい。したがって、本構成は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
【0012】
上記一つの態様では、第一側面上に位置する膜部分の平均厚みは、端面上に位置する膜部分の平均厚み以上であってもよい。
第一側面上に位置する膜部分の平均厚みが、端面上に位置する膜部分の平均厚み以上である構成は、導電性樹脂層が含むと共に第一側面上に位置する部分に含まれる金属粒子から生じる金属イオンと、素体又は外部電極から供給される電子との反応をより一層確実に阻害する。したがって、本構成は、マイグレーションの発生をより一層確実に抑制する。
電気絶縁膜が、端面上に位置する膜部分を含む構成は、互いに対応する焼結金属層と内部電極との接続性を低下させるおそれがある。しかしながら、端面上に位置する膜部分の平均厚みが、第一側面上に位置する膜部分の平均厚み未満である構成は、互いに対応する焼結金属層と内部電極との接続性の低下を抑制する。
【0013】
上記一つの態様では、第一側面上に位置する膜部分の平均厚みは、0.05μm以上であってもよい。
第一側面上に位置する膜部分の平均厚みが、0.05μm以上である構成は、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
【0014】
上記一つの態様では、端面上に位置する膜部分の平均厚みは、0より大きく0.2μm以下であってもよい。
端面上に位置する膜部分の平均厚みが、0より大きく0.2μm以下である構成は、電子部品の電気的特性の劣化と、互いに対応する焼結金属層と内部電極との接続性の低下と、を確実に抑制する。
【0015】
上記一つの態様では、最外内部電極と第一側面との間隔は、100μm以上400μm以下であってもよい。
最外内部電極と第一側面との間隔が100μm未満である構成では、電子が最外内部電極から金属イオンに供給される傾向がある。したがって、最外内部電極と第一側面との間隔が100μm以上である構成では、電子が最外内部電極から金属イオンに供給されがたい。この結果、本構成は、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
最外内部電極と第一側面との間隔が400μmより大きい構成では、クラックが素体に発生する傾向がある。したがって、最外内部電極と第一側面との間隔が400μm以下である構成は、クラックが素体に発生するのを抑制する。
【0016】
上記一つの態様では、最外内部電極と、導電性樹脂層における第一側面上に位置する部分とは、互いに電気的に接続されていなくてもよい。第一側面上に位置する膜部分は、最外内部電極と、導電性樹脂層における第一側面上に位置する部分との間に位置していてもよい。
最外内部電極と、導電性樹脂層における第一側面上に位置する部分とが、互いに電気的に接続されていない構成では、最外内部電極と、導電性樹脂層における第一側面上に位置する部分との間に生じる電界が、導電性樹脂層に含まれる金属粒子に作用し、金属粒子がイオン化しやすい。しかしながら、第一側面上に位置する膜部分が、最外内部電極と、導電性樹脂層における第一側面上に位置する部分との間に位置する構成では、最外内部電極と、導電性樹脂層における第一側面上に位置する部分との間に、電界が生じがたい。したがって、本構成は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
【0017】
上記一つの態様では、複数の外部電極のそれぞれは、導電性樹脂層を覆うように導電性樹脂層上に形成されているめっき層を含んでいてもよい。
導電性樹脂層がめっき層で覆われている構成では、導電性樹脂層に含まれる金属粒子がイオン化する場合でも、めっき層がマイグレーションの発生を抑制する。したがって、本構成は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
導電性樹脂層がめっき層で覆われている構成では、めっき層が、導電性樹脂層の剥離を抑制する。
【0018】
上記一つの態様では、電気絶縁膜と導電性樹脂層とは互いに接していてもよい。
電気絶縁膜と導電性樹脂層とは互いに接している構成は、電子が金属イオンに供給されるのを確実に抑制する。したがって、本構成は、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
【0019】
上記一つの態様では、電気絶縁膜は、電気絶縁薄膜からなっていてもよい。
【0020】
上記一つの態様では、電気絶縁膜は、シリコン酸化膜からなっていてもよい。
シリコン酸化膜は、電気絶縁性が高い。したがって、電気絶縁膜がシリコン酸化膜からなる構成は、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
【0021】
上記一つの態様では、導電性樹脂層は、複数の銀粒子を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一つの態様は、外部電極が導電性樹脂層を含む場合でも、マイグレーションの発生を抑制する電子部品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図4】
図4は、外部電極、電気絶縁膜、及び内部電極を示す模式図である。
【
図5】
図5は、外部電極、電気絶縁膜、及び内部電極を示す模式図である。
【
図6】
図6は、積層コンデンサの断面構成を示す模式図である。
【
図7】
図7は、積層コンデンサの断面構成を示す模式図である。
【
図8】
図8は、各試料におけるマイグレーションの発生状況を示す図表である。
【
図9】
図9は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0025】
図1~
図5を参照して、本実施形態に係る積層コンデンサC1の構成を説明する。
図1は、実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
図2及び
図3は、本実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。
図4及び
図5は、外部電極、電気絶縁膜、及び内部電極を示す模式図である。本実施形態では、電子部品は、たとえば、積層コンデンサC1である。
【0026】
積層コンデンサC1は、
図1~
図3に示されるように、直方体形状を呈している素体3と、複数の外部電極5と、電気絶縁膜EIと、を備えている。本実施形態では、積層コンデンサC1は、一対の外部電極5を備えている。一対の外部電極5は、素体3の外表面に配置されている。一対の外部電極5は、互いに離間している。直方体形状は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含む。
【0027】
素体3は、互いに対向している一対の側面3aと、互いに対向している一対の側面3cと、互いに対向している一対の端面3eと、を有する。一対の側面3a、一対の側面3c、及一対の端面3eは、長方形状を呈している。一対の側面3aが対向している方向が、第一方向D1である。一対の側面3cが対向している方向が、第三方向D3である。一対の端面3eが対向している方向が、第二方向D2である。積層コンデンサC1は、電子機器にはんだ実装される。電子機器は、たとえば、回路基板又は電子部品を含む。積層コンデンサC1では、一方の側面3aが、電子機器と対向する。一方の側面3aは、実装面を構成するように配置される。一方の側面3aは、実装面である。一対の側面3cのうち、一つの側面3cが実装面を構成するように配置されてもよい。たとえば、側面3aが、第一側面を構成する場合、側面3cは、第二側面を構成する。
【0028】
第一方向D1は、各側面3aに直交する方向であり、第三方向D3と直交している。第二方向D2は、各側面3aと各側面3cとに平行な方向であり、第一方向D1と第三方向D3とに直交している。第三方向D3は、各側面3cに直交する方向であり、第二方向D2は、各端面3eに直交する方向である。本実施形態では、素体3の第二方向D2での長さは、素体3の第一方向D1での長さより大きく、かつ、素体3の第三方向D3での長さより大きい。第二方向D2が、素体3の長手方向である。素体3の第一方向D1での長さと素体3の第三方向D3での長さとは、互いに同等であってもよい。素体3の第一方向D1での長さと素体3の第三方向D3での長さとは、互いに異なっていてもよい。
【0029】
素体3の第一方向D1での長さは、素体3の高さである。素体3の第三方向D3での長さは、素体3の幅である。素体3の第二方向D2での長さは、素体3の長さである。本実施形態では、素体3の高さは、0.1~2.5mmであり、素体3の幅は、0.1~5.0mmであり、素体3の長さは、0.2~5.7mmである。たとえば、素体3の高さは、2.5mmであり、素体3の幅は、2.5mmであり、素体3の長さは、3.2mmである。
【0030】
一対の側面3cは、一対の側面3aを連結するように第一方向D1に延在している。一対の側面3cは、第二方向D2にも延在している。一対の端面3eは、一対の側面3aを連結するように第一方向D1に延在している。一対の端面3eは、第三方向D3にも延在している。
【0031】
素体3は、四つの稜線部3gと、四つの稜線部3iと、四つの稜線部3jと、を有する。稜線部3gは、端面3eと側面3aとの間に位置する。稜線部3iは、端面3eと側面3cとの間に位置する。稜線部3jは、側面3aと側面3cとの間に位置する。本実施形態では、各稜線部3g,3i,3jは、湾曲するように丸められている。素体3には、いわゆるR面取り加工が施されている。端面3eと側面3aとは、稜線部3gを介して、間接的に隣り合っている。端面3eと側面3cとは、稜線部3iを介して、間接的に隣り合っている。側面3aと側面3cとは、稜線部3jを介して、間接的に隣り合っている。
【0032】
素体3は、第一方向D1に複数の誘電体層が積層されて構成されている。素体3は、積層されている複数の誘電体層を有する。素体3では、複数の誘電体層の積層方向が第一方向D1と一致する。各誘電体層は、たとえば、誘電体材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成されている。誘電体材料は、たとえば、BaTiO3系、Ba(Ti,Zr)O3系、又は(Ba,Ca)TiO3系などの誘電体セラミックを含む。実際の素体3では、各誘電体層は、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0033】
電気絶縁膜EIは、
図2及び
図3に示されるように、素体3に配置されている。電気絶縁膜EIは、素体3に直接的に配置されている。電気絶縁膜EIは、複数の膜部分EIa,EIc,EIeを含む。本実施形態では、電気絶縁膜EIは、一対の膜部分EIaと、一対の膜部分EIcと、一対の膜部分EIeとを含む。各膜部分EIaは、一対の側面3aのうち対応する側面3a上に配置されている。各膜部分EIaは、対応する側面3aを覆っており、対応する側面3aと直接接している。各膜部分EIcは、一対の側面3cのうち対応する側面3c上に配置されている。各膜部分EIcは、対応する側面3cを覆っており、対応する側面3cと直接接している。各膜部分EIeは、一対の端面3eのうち対応する端面3e上に配置されている。各膜部分EIeは、対応する端面3eを覆っており、対応する端面3eと直接接している。
電気絶縁膜EIは、各稜線部3g,3i,3j上にそれぞれ配置されている複数の膜部分を含む。膜部分EIaと膜部分EIcとは、稜線部3j上に配置されている膜部分により連結されている。膜部分EIaと膜部分EIeとは、稜線部3g上に配置されている膜部分により連結されている。膜部分EIcと膜部分EIeとは、稜線部3i上に配置されている膜部分により連結されている。本実施形態では、電気絶縁膜EIは、素体3の略全体を覆っている。
【0034】
電気絶縁膜EIは、たとえば、素体3の電気抵抗率より高い電気抵抗率を有する。素体3の電気抵抗率は、素体3の体積抵抗率又は素体3の表面抵抗率を含む。電気絶縁膜EIは、素体3の体積抵抗率より高く、かつ、素体3の表面抵抗率より高い電気抵抗率を有していてもよい。
電気絶縁膜EIは、たとえば、電気絶縁薄膜からなる。この場合、電気絶縁膜EIは、スパッタ膜からなっていてもよい。電気絶縁膜EIは、たとえば、シリコン酸化膜からなる。シリコン酸化膜は、たとえば、二酸化シリコン膜である。電気絶縁膜EIは、たとえば、酸化アルミニウム膜からなっていてもよい。
【0035】
積層コンデンサC1は、
図2及び
図3に示されるように、複数の内部電極7と複数の内部電極9とを備えている。各内部電極7,9は、素体3内に配置されている内部導体である。各内部電極7,9は、積層型電子部品の内部導体として通常用いられる導電性材料からなる。導電性材料は、たとえば、卑金属を含む。導電性材料は、たとえば、Ni又はCuを含む。内部電極7,9は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。本実施形態では、内部電極7,9は、Niからなる。
図3では、説明のため、各内部電極7,9は、意図的に、第三方向D3に互いにずれて図示されている。
【0036】
内部電極7と内部電極9とは、第一方向D1において異なる位置(層)に配置されている。内部電極7と内部電極9とは、素体3内において、第一方向D1に間隔を有して対向するように交互に配置されている。内部電極7と内部電極9とは、互いに極性が異なる。内部電極7,9の一端は、対応する端面3eに露出している。内部電極7,9は、対応する端面3eに露出している一端を有する。
複数の内部電極7と複数の内部電極9とは、第一方向D1で交互に並んでいる。複数の内部電極7,9は、第一方向D1に並ぶように素体3内に配置されている。各内部電極7,9は、側面3cと略平行な面内に位置する。内部電極7と内部電極9とは、第一方向D1で互いに対向している。内部電極7と内部電極9とが対向している方向(第一方向D1)は、側面3aと平行な方向(第二方向D2及び第三方向D3)と直交している。
複数の内部電極7は、第一方向D1で最も外側に位置する一つの内部電極7Aを含む。内部電極7Aは、一対の側面3aのうち一方の側面3aと、第一方向D1で対向している。複数の内部電極9は、第一方向D1で最も外側に位置する一つの内部電極9Aを含む。内部電極9Aは、一対の側面3aのうち他方の側面3aと、第一方向D1で対向している。各内部電極7A,9Aは、最外内部電極である。
【0037】
外部電極5は、
図1~
図3に示されるように、素体3に配置されている。本実施形態では、外部電極5は、電気絶縁膜EI上に配置されている。すなわち、外部電極5は、電気絶縁膜EIに直接的に配置され、かつ、素体3に間接的に配置されている。
外部電極5は、素体3の第二方向D2での両端部にそれぞれ配置されている。各外部電極5は、素体3における、対応する端面3e側に配置されている。本実施形態では、各外部電極5は、一対の側面3a、一対の側面3c、及び一つの端面3eに配置されている。外部電極5は、
図2及び
図3に示されるように、複数の電極部5a,5c,5eを有する。電極部5aは、側面3a上及び稜線部3g上に配置されている。各電極部5cは、側面3c上及び稜線部3i上に配置されている。電極部5eは、端面3e上に配置されている。外部電極5は、稜線部3j上に配置されている電極部も有する。
【0038】
外部電極5は、一対の側面3a、一つの端面3e、及び一対の側面3cの五つの面、並びに、稜線部3g,3i,3jを覆うように、電気絶縁膜EIに形成されている。互いに隣り合う電極部5a,5c,5eは、電気的に接続されている。電極部5eは、対応する内部電極7,9の一端を覆っている。電極部5eは、対応する内部電極7,9と直接的に接続されている。外部電極5は、対応する内部電極7,9と電気的に接続されている。外部電極5は、
図2及び
図3にも示されるように、第一電極層E1、第二電極層E2、及び第三電極層E3を有する。第三電極層E3は、外部電極5の最外層を構成している。各電極部5a,5c,5eは、第一電極層E1、第二電極層E2、及び第三電極層E3を有する。各電極部5a,5c,5eは、三層構造を有する。
【0039】
電極部5aの第一電極層E1は、側面3a上及び稜線部3g上に配置されている。電極部5aの第一電極層E1は、側面3aの一部と稜線部3gの全体とを覆うように、電気絶縁膜EIに形成されている。電極部5aの第一電極層E1は、側面3aの上記一部上と稜線部3g上とにおいて、電気絶縁膜EIに接している。すなわち、電極部5aでは、第一電極層E1は、電気絶縁膜EI(膜部分EIa)と直接接している。側面3aは、上記一部において第一電極層E1に間接的に覆われており、上記一部を除く残部において第一電極層E1から露出している。側面3aの上記一部は、側面3aにおける端面3e寄りの一部領域である。電極部5aの第一電極層E1は、側面3a上に位置する。第一電極層E1は、側面3aに形成されていなくてもよい。すなわち、第一電極層E1は、側面3a上に配置されていなくてもよい。
電極部5aの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び側面3a上に配置されている。電極部5aでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と側面3cの一部とを覆うように、第一電極層E1と電気絶縁膜EIとに形成されている。電極部5aでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と電気絶縁膜EIとに直接接している。電極部5aの第二電極層E2は、膜部分EIaの一部を直接覆っており、膜部分EIaと直接接している。電極部5aの第二電極層E2は、電極部5aの第一電極層E1の全体を直接覆うように、第一電極層E1に形成されている。電極部5aでは、第二電極層E2は、第一電極層E1が第二電極層E2と側面3aとの間に位置するように、側面3aを間接的に覆っている。電極部5aの第二電極層E2は、側面3a上に位置する。したがって、第二電極層E2は、側面3a上に位置する部分を含む。
電極部5aの第三電極層E3は、第二電極層E2上に配置されている。電極部5aでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体を覆っている。電極部5aでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体と接している。すなわち、電極部5aでは、第三電極層E3は、第二電極層E2と直接接している。電極部5aでは、第三電極層E3は、第一電極層E1と直接接していない。電極部5aの第三電極層E3は、側面3c上に位置する。
【0040】
電極部5cの第一電極層E1は、側面3c上及び稜線部3i上に配置されている。電極部5cの第一電極層E1は、側面3cの一部と稜線部3iの全体とを覆うように、電気絶縁膜EIに形成されている。電極部5cの第一電極層E1は、側面3cの上記一部上と稜線部3g上とにおいて、電気絶縁膜EIに接している。すなわち、電極部5cでは、第一電極層E1は、電気絶縁膜EI(膜部分EIc)と直接接している。側面3cは、上記一部において第一電極層E1に間接的に覆われており、上記一部を除く残部において第一電極層E1から露出している。側面3cの上記一部は、側面3cにおける端面3e寄りの一部領域である。電極部5cの第一電極層E1は、側面3c上に位置する。第一電極層E1は、側面3cに形成されていなくてもよい。すなわち、第一電極層E1は、側面3c上に配置されていなくてもよい。
電極部5cの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び側面3c上に配置されている。電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と側面3cの一部とを覆うように、第一電極層E1と電気絶縁膜EIとに形成されている。電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と電気絶縁膜EIとに直接接している。電極部5cの第二電極層E2は、膜部分EIcの一部を直接覆っており、膜部分EIcと直接接している。電極部5cの第二電極層E2は、電極部5cの第一電極層E1の全体を直接覆うように、第一電極層E1に形成されている。電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1が第二電極層E2と側面3cとの間に位置するように、側面3cを間接的に覆っている。電極部5cの第二電極層E2は、側面3c上に位置する。したがって、第二電極層E2は、側面3c上に位置する部分を含む。
電極部5cの第三電極層E3は、第二電極層E2上に配置されている。電極部5cでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体を覆っている。電極部5cでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体と接している。すなわち、電極部5cでは、第三電極層E3は、第二電極層E2と直接接している。電極部5cでは、第三電極層E3は、第一電極層E1と直接接していない。電極部5cの第三電極層E3は、側面3c上に位置する。
【0041】
電極部5eの第一電極層E1は、端面3e上に配置されている。電極部5eの第一電極層E1は、端面3eの全体を覆うように、電気絶縁膜EIに形成されている。電極部5eの第一電極層E1は、端面3e上において、電気絶縁膜EIに接している。すなわち、電極部5eでは、第一電極層E1は、電気絶縁膜EI(膜部分EIe)と直接接している。端面3eは、第一電極層E1に間接的に覆われている。
電極部5eの第二電極層E2は、第一電極層E1上に配置されている。電極部5eでは、第二電極層E2は、第一電極層E1の全体を覆うように、第一電極層E1に形成されている。電極部5eでは、第二電極層E2は、第一電極層E1に直接接している。電極部5eでは、第二電極層E2は、第一電極層E1が第二電極層E2と端面3eとの間に位置するように、端面3eを間接的に覆っている。電極部5eの第二電極層E2は、端面3e上に位置する。したがって、第二電極層E2は、端面3e上に位置する部分を含む。
電極部5eの第三電極層E3は、第二電極層E2上に配置されている。電極部5eでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体を覆っている。電極部5eでは、第三電極層E3は、第二電極層E2の全体と接している。すなわち、電極部5eでは、第三電極層E3は、第二電極層E2と直接接している。電極部5eでは、第三電極層E3は、第一電極層E1と直接接していない。
【0042】
電気絶縁膜EIは、外部電極5で覆われている部分と、外部電極5から露出している部分と、を含む。膜部分EIaは、電極部5aで覆われている部分と、電極部5aから露出している部分と、を有している。膜部分EIcは、電極部5cで覆われている部分と、電極部5cから露出している部分と、を有している。
電気絶縁膜EIに含まれる、外部電極5から露出している部分は、素体3の表面における複数の外部電極5の間の領域上に位置する。したがって、電気絶縁膜EIは、素体3の表面における複数の外部電極5の間の領域上に少なくとも位置する膜部分を含む。すなわち、電気絶縁膜EIは、素体3の表面における複数の外部電極5から露出する領域上に少なくとも位置する膜部分を含む。
【0043】
第一電極層E1は、素体3の表面に付与された導電性ペーストを焼き付けることにより形成されている。第一電極層E1は、側面3aの上記一部、側面3cの上記一部、一つの端面3e、及び稜線部3g,3i,3jを覆うように、電気絶縁膜EI上に形成されている。第一電極層E1は、導電性ペーストに含まれる金属成分(金属粒子)が焼結することにより形成されている。第一電極層E1は、焼結金属層である。第一電極層E1は、素体3に形成された焼結金属層である。本実施形態では、第一電極層E1は、Cuからなる焼結金属層である。第一電極層E1は、Niからなる焼結金属層であってもよい。第一電極層E1は、卑金属を含む。導電性ペーストは、たとえば、Cu又はNiからなる粒子、ガラス成分、有機バインダ、及び有機溶剤を含む。各電極部5a,5c,5eが有する第一電極層E1は、一体的に形成されている。
【0044】
図4及び
図5に示されているように、第一電極層E1は、対応する内部電極7,9と物理的にも接続されている。
図4及び
図5は、外部電極、電気絶縁膜、及び内部電極を示す模式図である。
図4及び
図5は、断面を示すハッチングの図示が省略されている。
電気絶縁膜EI(膜部分EIe)は、必ずしも、所定の膜厚で一様に形成されている訳ではない。すなわち、電気絶縁膜EIを構成する材料成分、たとえば、酸化シリコンは、素体3の外表面に密に付着しているのではなく、疎らに付着している。このため、第一電極層E1は、対応する内部電極7,9と部分的に直接接続され得る。
導電性ペーストを加熱する際に、電気絶縁膜EIを構成する材料成分が導電性ペーストに拡散し、電気絶縁膜EIを構成する材料成分と導電性ペーストとが混在する。このため、電気絶縁膜EIを構成する材料成分が、素体3の外表面に密に付着している場合でも、第一電極層E1は、対応する内部電極7,9と部分的に直接接続され得る。
【0045】
第二電極層E2は、第一電極層E1上に付与された導電性樹脂を硬化させることにより形成されている。第二電極層E2は、第一電極層E1上と素体3上とにわたって形成されている。第一電極層E1は、第二電極層E2を形成するための下地金属層である。第二電極層E2は、第一電極層E1を覆う導電性樹脂層である。導電性樹脂は、たとえば、樹脂、導電性材料、及び有機溶媒を含む。樹脂は、たとえば、熱硬化性樹脂である。導電性材料は、たとえば、金属粒子である。金属粒子は、たとえば、銀粒子又は銅粒子である。本実施形態では、第二電極層E2は、複数の銀粒子を含む。熱硬化性樹脂は、たとえば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、又はポリイミド樹脂である。第二電極層E2は、稜線部3jの一部と接している。各電極部5a,5c,5eが有している第二電極層E2は、一体的に形成されている。
【0046】
第三電極層E3は、第二電極層E2上と、第一電極層E1(第二電極層E2から露出している部分)上とにめっき法により形成されている。第三電極層E3は、複数層構造を有していてもよい。この場合、第三電極層E3は、たとえば、Niめっき層とはんだめっき層とを有する。Niめっき層は、第二電極層E2上と第一電極層E1上とに形成される。はんだめっき層は、Niめっき層上に形成される。はんだめっき層は、Niめっき層を覆っている。Niめっき層は、第二電極層E2に含まれる金属よりも耐はんだ喰われ性に優れている。第三電極層E3は、Niめっき層の代わりに、Snめっき層、Cuめっき層、又はAuめっき層を有していてもよい。はんだめっき層は、たとえば、Snめっき層、Sn-Ag合金めっき層、Sn-Bi合金めっき層、又はSn-Cu合金めっき層を含む。各電極部5a,5c,5eが有する第三電極層E3は、一体的に形成されている。
【0047】
図2に示されるように、内部電極7Aは、内部電極7Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2と、第一方向D1で対向している。内部電極7Aと、内部電極7Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2とを第一方向D1から見たとき、内部電極7Aと、内部電極7Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2とは、互いに重なっている。したがって、内部電極7Aと、内部電極7Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2との間に、電界が生じやすい。
膜部分EIaは、内部電極7Aと、内部電極7Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2との間に位置する。内部電極7Aと、内部電極7Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2とは、内部電極7Aと、内部電極7Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2との間に、膜部分EIaが存在している状態で、互いに対向している。内部電極7Aと、内部電極7Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2とは、間接的に対向している。
【0048】
図2に示されるように、内部電極9Aは、内部電極9Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2と、第一方向D1で対向している。内部電極9Aと、内部電極9Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2とを第一方向D1から見たとき、内部電極9Aと、内部電極9Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2とは、互いに重なっている。したがって、内部電極9Aと、内部電極9Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2との間に、電界が生じやすい。
膜部分EIaは、内部電極9Aと、内部電極9Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2との間に位置する。内部電極9Aと、内部電極9Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2とは、内部電極9Aと、内部電極9Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2との間に、膜部分EIaが存在している状態で、互いに対向している。内部電極9Aと、内部電極9Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2とは、間接的に対向している。
【0049】
図3に示されるように、複数の内部電極7のそれぞれは、内部電極7と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2と、第三方向D3で対向している。各内部電極7と、内部電極7と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2とを第三方向D3から見たとき、各内部電極7と、内部電極7と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2とは、互いに重なっている。したがって、各内部電極7と、内部電極7と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2との間にも、電界が生じやすい。
膜部分EIcは、各内部電極7と、内部電極7と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2との間に位置する。各内部電極7と、内部電極7と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2とは、各内部電極7と、内部電極7と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2との間に、膜部分EIcが存在している状態で、互いに対向している。各内部電極7と、内部電極7と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2とは、間接的に対向している。
【0050】
図3に示されるように、複数の内部電極9のそれぞれは、内部電極9と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2と、第三方向D3で対向している。各内部電極9と、内部電極9と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2とを第三方向D3から見たとき、各内部電極9と、内部電極9と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2とは、互いに重なっている。したがって、各内部電極9と、内部電極9と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2との間にも、電界が生じやすい。
膜部分EIcは、各内部電極9と、内部電極9と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2との間に位置する。各内部電極9と、内部電極9と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2とは、各内部電極9と、内部電極9と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2との間に、膜部分EIcが存在している状態で、互いに対向している。各内部電極9と、内部電極9と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2とは、間接的に対向している。
【0051】
図6及び
図7を参照して、積層コンデンサC1の構成を説明する。上述したように、積層コンデンサC1は、素体3と、電気絶縁膜EIと、外部電極5と、を備えている。
図6及び
図7は、積層コンデンサの断面構成を示す模式図である。
図6及び
図7では、第三電極層E3の図示が省略されている。
図6及び
図7は、断面を示すハッチングの図示が省略されている。
図7では、
図3と同様に、各内部電極7,9は、意図的に、第三方向D3に互いにずれて図示されている。
膜部分EIaの平均厚みT
EIaは、膜部分EIeの平均厚みT
EIe以上である。平均厚みT
EIaは、たとえば、0.02μm以上である。平均厚みT
EIaは、0.05μm以上であってもよい。平均厚みT
EIeは、たとえば、0より大きく0.2μm以下である。
【0052】
内部電極7Aと、内部電極7Aと対向する側面3aとの間隔TOLは、たとえば、100μm以上400μm以下である。間隔TOLは、第一方向D1での、内部電極7Aと側面3aとの距離である。
平均厚みTEIaの、間隔TOLに対する比(TEIa/TOL)は、たとえば、1.0×10-4以上である。比(TEIa/TOL)は、2.5×10-4以上であってもよい。
図示は省略するが、内部電極9Aと、内部電極9Aと対向する側面3aとの間隔は、たとえば、100μm以上400μm以下である。内部電極9Aと、内部電極9Aと対向する側面3aとの間隔は、間隔TOLと同等であってもよく、異なっていてもよい。
平均厚みTEIaの、内部電極9Aと、内部電極9Aと対向する側面3aとの間隔に対する比は、たとえば、1.0×10-4以上である。平均厚みTEIaの、内部電極9Aと、内部電極9Aと対向する側面3aとの間隔に対する比は、2.5×10-4以上であってもよい。
【0053】
膜部分EIcの平均厚みTEIcは、平均厚みTEIe以上である。平均厚みTEIcは、たとえば、0.02μm以上である。平均厚みTEIcは、0.05μm以上であってもよい。平均厚みTEIcは、平均厚みTEIaと同等であってもよく、異なっていてもよい。
内部電極7,9と、側面3cとの間隔TWは、たとえば、50μm以上300μm以下である。
平均厚みTEIcの、間隔TWに対する比(TEIc/TW)は、たとえば、1.0×10-4以上である。比(TEIa/TOL)は、2.5×10-4以上であってもよい。
【0054】
第二電極層E2(電極部5aに含まれる第二電極層E2)は、電気絶縁膜EIと接する部分E2aを含む。部分E2aの最大厚みTE2aは、たとえば、20μm以上60μm以下である。
平均厚みTEIaの、最大厚みTE2aに対する比(TEIa/TE2a)は、たとえば、6.67×10-4以上である。比(TEIa/TE2a)は、1.67×10-3以上であってもよい。
第二電極層E2(電極部5cに含まれる第二電極層E2)は、電気絶縁膜EIと接する部分E2cを含む。部分E2cの最大厚みTE2cは、たとえば、20μm以上60μm以下である。最大厚みTE2cは、最大厚みTE2aと同等であってもよく、異なっていてもよい。
平均厚みTEIcの、最大厚みTE2cに対する比(TEIc/TE2c)は、たとえば、6.67×10-4以上である。比(TEIc/TE2c)は、1.67×10-3以上であってもよい。
【0055】
部分E2aの第二方向D2での長さLE2aは、たとえば、30μm以上500μm以下である。長さLE2aは、電極部5aに含まれる第二電極層E2の端縁と、電極部5aに含まれる第一電極層E1の端縁との、第二方向D2での間隔である。
平均厚みTEIaの、長さLE2aに対する比(TEIa/LE2a)は、たとえば、8.0×10-5以上である。比(TEIa/LE2a)は、2.0×10-4以上であってもよい。
部分E2cの第二方向D2での長さLE2cは、たとえば、30μm以上500μm以下である。長さLE2cは、電極部5cに含まれる第二電極層E2の端縁と、電極部5cに含まれる第一電極層E1の端縁との、第二方向D2での間隔である。
平均厚みTEIcの、長さLE2cに対する比(TEIa/LE2c)は、たとえば、8.0×10-5以上である。比(TEIa/LE2c)は、2.0×10-4以上であってもよい。
【0056】
各平均厚みTEIa,TEIe,TEIcは、たとえば、以下のようにして求めることができる。
各膜部分EIa,EIeを含む電気絶縁膜EIの断面写真を取得する。断面写真は、積層コンデンサC1を側面3aに直交する平面で切断したときの断面を撮影した写真である。断面写真は、たとえば、一対の側面3cに平行であり、かつ、一対の側面3cから等距離に位置する平面で切断したときの積層コンデンサC1の断面を撮影した写真である。取得した断面写真が、ソフトウェアにより画像処理される。この画像処理により、電気絶縁膜EI(各膜部分EIa,EIe)の境界が判別される。取得した断面写真上での、各膜部分EIa,EIeの面積が算出される。
膜部分EIaの面積を、取得した断面写真上での膜部分EIaの長さで除し、得られた商を平均厚みTEIaとする。膜部分EIeの面積を、取得した断面写真上での膜部分EIeの長さで除し、得られた商を平均厚みTEIeとする。
膜部分EIcを含む電気絶縁膜EIの断面写真を取得する。断面写真は、積層コンデンサC1を側面3cに直交する平面で切断したときの断面を撮影した写真である。断面写真は、たとえば、一対の側面3aに平行であり、かつ、一対の側面3aから等距離に位置する平面で切断したときの積層コンデンサC1の断面を撮影した写真である。取得した断面写真が、ソフトウェアにより画像処理される。この画像処理により、電気絶縁膜EI(膜部分EIc)の境界が判別される。取得した断面写真上での、膜部分EIcの面積が算出される。
膜部分EIcの面積を、取得した断面写真上での膜部分EIcの長さで除し、得られた商を平均厚みTEIcとする。
【0057】
間隔TOL、最大厚みTE2a、及び長さLE2aは、たとえば、以下のようにして求めることができる。
素体3と、電極部5aを含む外部電極5との断面写真を取得する。断面写真は、積層コンデンサC1を側面3aに直交する平面で切断したときの断面を撮影した写真である。断面写真は、たとえば、一対の側面3cに平行であり、かつ、一対の側面3cから等距離に位置する平面で切断したときの積層コンデンサC1の断面を撮影した写真である。取得した断面写真が、ソフトウェアにより画像処理される。この画像処理により、第二電極層E2の境界が判別される。取得した断面写真上での、最大厚みTE2a、及び長さLE2aが求められる。上記画像処理により、側面3aと電気絶縁膜EIとの境界、及び、素体3と内部電極7Aとの境界が判別される。取得した断面写真上での、間隔TOLが求められる。
【0058】
間隔TW、最大厚みTE2c、及び長さLE2cは、たとえば、以下のようにして求めることができる。
素体3と、電極部5cを含む外部電極5との断面写真を取得する。断面写真は、積層コンデンサC1を側面3cに直交する平面で切断したときの断面を撮影した写真である。断面写真は、たとえば、一対の側面3aに平行であり、かつ、一対の側面3aから等距離に位置する平面で切断したときの積層コンデンサC1の断面を撮影した写真である。取得した断面写真が、ソフトウェアにより画像処理される。この画像処理により、第二電極層E2の境界が判別される。取得した断面写真上での、最大厚みTE2c、及び長さLE2cが求められる。上記画像処理により、側面3cと電気絶縁膜EIとの境界、及び、素体3と内部電極7,9との境界が判別される。取得した断面写真上での、間隔TWが求められる。
【0059】
次に、平均厚みT
EIa、間隔T
OL、最大厚みT
E2a、及び長さL
E2aの関係について詳細に説明する。
本発明者らは、平均厚みT
EIa、間隔T
OL、最大厚みT
E2a、及び長さL
E2aの関係を明らかにするために、以下のような試験を行った。この試験では、本発明者らは、平均厚みT
EIaが異なる試料S1~S3を用意し、各試料S1~S10における、マイグレーションの発生状況を確認した。その結果を
図8に示す。
図8は、各試料におけるマイグレーションの発生状況を示す図表である。
【0060】
各試料S1~S10は、平均厚みTEIaが異なる点を除いて同じ構成を有している積層コンデンサである。各試料S1~S10では、素体3の高さが1.6mmであり、素体3の幅が1.6mmであり、素体3の長さが3.2mmである。各試料S1~S10の静電容量は、2.2μFである。各試料S1~S10では、間隔TOLが200μmであり、最大厚みTE2aが30μmであり、長さLE2aが250μmである。
試料S1では、平均厚みTEIaが0μmである。すなわち、試料S1は、電気絶縁膜EIを備えていない。
試料S2では、平均厚みTEIaが0.0015μmである。試料S3では、平均厚みTEIaが0.005μmである。試料S4では、平均厚みTEIaが0.01μmである。試料S5では、平均厚みTEIaが0.02μmである。試料S6では、平均厚みTEIaが0.05μmである。試料S7では、平均厚みTEIaが0.1μmである。試料S8では、平均厚みTEIaが0.15μmである。試料S9では、平均厚みTEIaが0.2μmである。試料S10では、平均厚みTEIaが0.5μmである。
【0061】
マイグレーションの発生状況は、以下のようにして確認される。
各試料S1~S10に、高温バイアス試験が行われる。高温バイアス試験では、高温環境下で、各試料S1~S10に所定の電圧が所定時間にわたり印加される。本試験では、環境温度は150℃であり、印加電圧は50Vであり、電圧印加時間は2000時間である。
高温バイアス試験後に、マイグレーションが発生しているか否かが確認される。マイグレーションが発生している場合、マイグレーションの最大長さが測定される。
【0062】
上述した試験の結果、
図8に示されるように、各試料S6~S10では、マイグレーションの発生は認められなかった。これに対して、各試料S1~S5では、マイグレーションの発生が認められた。
試料S1~S4では、マイグレーションの最大長さが200μm以上であった。これに対し、試料S5では、マイグレーションの最大長さが62μmであった。試料S5は、試料S1~S4に比して、マイグレーションの発生を抑制する傾向があることが確認された。
積層コンデンサが実際に使用される状況下では、マイグレーションの最大長さは、70μm以下であることが求められ、50μm以下であることがより一層求められる。
【0063】
積層コンデンサC1では、電気絶縁膜EIに含まれる膜部分EIaが、素体3の表面における複数の外部電極5の間の領域上に少なくとも位置する。したがって、第二電極層E2に含まれる金属粒子がイオン化する場合でも、膜部分EIaは、発生する金属イオンと、素体3又は外部電極5から供給される電子との反応を阻害する。すなわち、電子が金属イオンに供給されがたい。この結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生を抑制する。
積層コンデンサC1では、電気絶縁膜EIに含まれる膜部分EIcも、素体3の表面における複数の外部電極5の間の領域上に少なくとも位置する。したがって、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
【0064】
電極部5aが第二電極層E2を含む構成では、電極部5aの第二電極層E2に含まれる金属粒子が、イオン化するおそれがある。
積層コンデンサC1では、膜部分EIaが側面3a上に位置する。したがって、膜部分EIaは、電極部5aの第二電極層E2に含まれる金属粒子から生じる金属イオンと、素体3又は外部電極5から供給される電子との反応を確実に阻害する。この結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
【0065】
電極部5cが第二電極層E2を含む構成では、電極部5cの第二電極層E2に含まれる金属粒子が、イオン化するおそれがある。
積層コンデンサC1では、膜部分EIcが側面3c上に位置する。したがって、膜部分EIcは、電極部5cの第二電極層E2に含まれる金属粒子から生じる金属イオンと、素体3又は外部電極5から供給される電子との反応を確実に阻害する。この結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
【0066】
外部電極5が第三電極層E3を含む場合、めっき液が端面3eから素体3に浸入するおそれがある。めっき液が素体3に浸入した場合、積層コンデンサC1の電気的特性が劣化するおそれがある。
積層コンデンサC1では、電気絶縁膜EIが膜部分EIeを含む。したがって、外部電極5が第三電極層E3を含む場合でも、膜部分EIeが、素体3へのめっき液の浸入を阻害する。この結果、積層コンデンサC1は、積層コンデンサC1の電気的特性の劣化を抑制する。
【0067】
積層コンデンサC1では、第一電極層E1が、電気絶縁膜EI上に形成されている。したがって、第二電極層E2に含まれる金属粒子がイオン化する場合でも、電子が金属イオンにより一層供給されがたい。したがって、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
【0068】
積層コンデンサC1では、平均厚みTEIaが平均厚みTEIe以上である。したがって、電極部5aの第二電極層E2に含まれる金属粒子から生じる金属イオンと、素体3又は外部電極5から供給される電子との反応をより一層確実に阻害する。したがって、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生をより一層確実に抑制する。
電気絶縁膜EIが膜部分EIeを含む構成は、互いに対応する第一電極層E1と内部電極7,9との接続性を低下させるおそれがある。
積層コンデンサC1では、平均厚みTEIeが平均厚みTEIa未満である。したがって、積層コンデンサC1は、互いに対応する第一電極層E1と内部電極7,9との接続性の低下を抑制する。
【0069】
積層コンデンサC1では、平均厚みTEIaが0.05μm以上である。したがって、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
【0070】
積層コンデンサC1では、平均厚みTEIeが0より大きく0.2μm以下である。したがって、積層コンデンサC1は、積層コンデンサC1の電気的特性の劣化と、互いに対応する第一電極層E1と内部電極7,9との接続性の低下と、を確実に抑制する。
【0071】
間隔TOLが100μm未満である構成では、電子が内部電極7A,9Aから金属イオンに供給される傾向がある。積層コンデンサC1では、間隔TOLが100μm以上である。したがって、積層コンデンサC1では、電子が内部電極7A,9Aから金属イオンに供給されがたい。この結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
間隔TOLが400μmより大きい構成では、クラックが素体3に発生する傾向がある。積層コンデンサC1では、間隔TOLが400μm以下である。したがって、積層コンデンサC1は、クラックが素体3に発生するのを抑制する。
【0072】
内部電極7Aと、内部電極7Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2との間に、電界が生じやすい。この場合、生じる電界が、第二電極層E2に含まれる金属粒子に作用し、金属粒子がイオン化しやすい。
積層コンデンサC1では、膜部分EIaが、内部電極7Aと、内部電極7Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2との間に位置する。したがって、内部電極7Aと、内部電極7Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2との間に、電界が生じがたい。
積層コンデンサC1では、膜部分EIaが、内部電極9Aと、内部電極9Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2との間に位置する。したがって、内部電極9Aと、内部電極9Aと電気的に接続されていない電極部5aに含まれる第二電極層E2との間に、電界が生じがたい。
これらの結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
【0073】
内部電極7と、内部電極7と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2との間に、電界が生じやすい。この場合、生じる電界が、第二電極層E2に含まれる金属粒子に作用し、金属粒子がイオン化しやすい。
積層コンデンサC1では、膜部分EIcが、内部電極7と、内部電極7と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2との間に位置する。したがって、内部電極7と、内部電極7と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2との間に、電界が生じがたい。
積層コンデンサC1では、膜部分EIcが、内部電極9と、内部電極9と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2との間に位置する。したがって、内部電極9と、内部電極9と電気的に接続されていない電極部5cに含まれる第二電極層E2との間に、電界が生じがたい。
これらの結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
【0074】
積層コンデンサC1では、外部電極5が第三電極層E3を含み、第二電極層E2が第三電極層E3で覆われてる。したがって、第二電極層E2に含まれる金属粒子がイオン化する場合でも、第三電極層E3がマイグレーションの発生を抑制する。この結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
積層コンデンサC1では、第三電極層E3が、第二電極層E2の剥離を抑制する。
【0075】
積層コンデンサC1では、電気絶縁膜EIと第二電極層E2とは、互いに接している。したがって、積層コンデンサC1は、電子が金属イオンに供給されるのを確実に抑制する。積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
【0076】
積層コンデンサC1では、電気絶縁膜EIは、シリコン酸化膜からなる。
シリコン酸化膜は、電気絶縁性が高い。シリコン酸化膜には、銀が拡散しがたい。したがって、第二電極層E2が複数の銀粒子を含んでいる構成でも、電気絶縁膜EIの電気絶縁性が維持され得る。
これらの結果、積層コンデンサC1は、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
【0077】
第二電極層E2は、複数の銀粒子を含んでいる。銀粒子は、たとえば、銅粒子に比して、マイグレーションを生じさせやすい。
積層コンデンサC1は、第二電極層E2が複数の銀粒子を含んでいる場合でも、マイグレーションの発生を確実に抑制する。
【0078】
次に、
図9及び
図10を参照して、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサC2の構成を説明する。
図9及び
図10は、本実施形態の変形例に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。本変形例に係る積層コンデンサC2は、概ね、上述した積層コンデンサC1と類似又は同じであるが、本変形例は、外部電極5及び電気絶縁膜EIの構成に関して、上述した本実施形態と相違する。以下、上述した本実施形態と本変形例との相違点を主として説明する。
【0079】
図9及び
図10に示されるように、外部電極5は、素体3に直接的に配置されている。外部電極5は、一対の側面3a、一つの端面3e、及び一対の側面3cの五つの面、並びに、稜線部3g,3i,3jを覆うように、素体3に形成されている。
【0080】
電極部5aの第一電極層E1は、側面3aの一部と稜線部3gの全体とを覆うように、素体3に形成されている。電極部5aの第一電極層E1は、側面3aの上記一部上と稜線部3g上とにおいて、素体3に接している。すなわち、電極部5aでは、第一電極層E1は、素体3と直接接している。側面3aは、上記一部において第一電極層E1に直接的に覆われており、上記一部を除く残部において第一電極層E1から露出している。
電極部5aでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と側面3cの一部とを覆うように、第一電極層E1と素体3とに形成されている。電極部5aでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と素体3とに直接接している。電極部5aでは、第二電極層E2は、第一電極層E1が第二電極層E2と側面3aとの間に位置するように、側面3aを間接的に覆っている。電極部5aでは、第二電極層E2は、側面3aを直接的にも覆っている。
【0081】
電極部5cの第一電極層E1は、側面3cの一部と稜線部3iの全体とを覆うように、素体3に形成されている。電極部5cの第一電極層E1は、側面3cの上記一部上と稜線部3g上とにおいて、素体3に接している。すなわち、電極部5cでは、第一電極層E1は、素体3と直接接している。側面3cは、上記一部において第一電極層E1に直接的に覆われており、上記一部を除く残部において第一電極層E1から露出している。
電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と側面3cの一部とを覆うように、第一電極層E1と素体3とに形成されている。電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1と素体3とに直接接している。電極部5cでは、第二電極層E2は、第一電極層E1が第二電極層E2と側面3cとの間に位置するように、側面3cを間接的に覆っている。電極部5cでは、第二電極層E2は、側面3cを直接的にも覆っている。
【0082】
図9及び
図10に示されるように、電気絶縁膜EIは、複数の膜部分EIa,EIcを含む。電気絶縁膜EIは、一対の膜部分EIaと、一対の膜部分EIcとを含む。本変形例では、電気絶縁膜EIは、膜部分EIeを含まない。すなわち、端面3eは、電気絶縁膜EIから露出している。電気絶縁膜EIは、各稜線部3j上にそれぞれ配置されている複数の膜部分を含む。膜部分EIaと膜部分EIcとは、稜線部3j上に配置されている膜部分により連結されている。
膜部分EIaは、側面3aにおける、電極部5aに含まれる第二電極層E2から露出する領域に配置されている。すなわち、膜部分EIaは、電極部5aに含まれる第二電極層E2に覆われている部分を含まない。膜部分EIaは、電極部5aに含まれる第二電極層E2から露出する領域のみを含む。膜部分EIaは、第二電極層E2と接していてもよく、第二電極層E2から離間していてもよい。
膜部分EIcは、側面3cにおける、電極部5cに含まれる第二電極層E2から露出する領域に配置されている。すなわち、膜部分EIcは、電極部5cに含まれる第二電極層E2に覆われている部分を含まない。膜部分EIcは、電極部5cに含まれる第二電極層E2から露出する領域のみを含む。膜部分EIcは、第二電極層E2と接していてもよく、第二電極層E2から離間していてもよい。
【0083】
積層コンデンサC2でも、膜部分EIaが、素体3の表面における複数の外部電極5の間の領域上に少なくとも位置する。したがって、積層コンデンサC2は、上述したように、マイグレーションの発生を抑制する。
膜部分EIcも、素体3の表面における複数の外部電極5の間の領域上に少なくとも位置する。したがって、積層コンデンサC2は、上述したように、マイグレーションの発生をより一層抑制する。
【0084】
本明細書では、ある要素が他の要素上に配置されていると記述されている場合、ある要素は、他の要素上に直接配置されていてもよく、他の要素上に間接的に配置されていてもよい。ある要素が他の要素上に間接的に配置されている場合、介在要素が、ある要素と他の要素との間に存在している。ある要素が他の要素上に直接配置されている場合、介在要素は、ある要素と他の要素との間に存在しない。
本明細書では、ある要素が他の要素上に位置していると記述されている場合、ある要素は、他の要素上に直接位置していてもよく、他の要素上に間接的に位置していてもよい。ある要素が他の要素上に間接的に位置している場合、介在要素が、ある要素と他の要素との間に存在している。ある要素が他の要素上に直接位置している場合、介在要素は、ある要素と他の要素との間に存在しない。
本明細書では、ある要素が他の要素を覆うと記述されている場合、ある要素は、他の要素を直接覆っていてもよく、他の要素を間接的に覆っていてもよい。ある要素が他の要素を間接的に覆っている場合、介在要素が、ある要素と他の要素との間に存在している。ある要素が他の要素を直接覆っている場合、介在要素は、ある要素と他の要素との間に存在しない。
【0085】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0086】
本実施形態及び変形例では、電子部品として積層コンデンサを例に説明したが、適用可能な電子部品は、積層コンデンサに限られない。適用可能な電子部品は、たとえば、積層インダクタ、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、積層サーミスタ、もしくは積層複合部品などの積層電子部品、又は、積層電子部品以外の電子部品である。
【符号の説明】
【0087】
3…素体、3a,3c…側面、3e…端面、5…外部電極、5a,5c,5e…電極部、7,7A,9,9A…内部電極、C1,C2…積層コンデンサ、E1…第一電極層、E2…第二電極層、E3…第三電極層、EI…電気絶縁膜、EIa,EIc,EIe…膜部分。