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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-10
(45)【発行日】2025-11-18
(54)【発明の名称】撮像装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20251111BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20251111BHJP
   G03B 19/07 20210101ALI20251111BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20251111BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20251111BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20251111BHJP
【FI】
H04N23/63
G03B15/00 H
G03B19/07
H04N23/55
H04N23/60 500
G03B17/18
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021565478
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(86)【国際出願番号】 JP2020045370
(87)【国際公開番号】W WO2021124942
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】P 2019230034
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 英功
【審査官】小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0007714(US,A1)
【文献】特開2010-177921(JP,A)
【文献】特開2006-119843(JP,A)
【文献】特開平04-345378(JP,A)
【文献】国際公開第2009/150895(WO,A1)
【文献】特開2007-049484(JP,A)
【文献】特開2015-181214(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0256745(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222 - 5/257
23/00
23/40 - 23/76
23/90 - 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光路が互いに独立している5以上の個眼光学系を視点とする5以上の画像の一部または全部を、前記5以上の画像の各視点の相対的な位置関係において走査の軌跡が線対称または回転対称となる順に、1つずつ選択して動的に切り替えながら表示部で表示させる表示制御部
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記5以上の画像のうち、前記画像同士の視差が他の画像同士の視差より大きくなる複数の画像を選択し、選択した複数の画像を、1つずつ選択して表示させる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記5以上の画像の各視点の相対的な位置関係において外周部に位置する前記画像の一部または全部を、1つずつ選択して表示させる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記画像の選択順を指定する選択順指定部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記5以上の画像の一部または全部を、前記選択順指定部により指定された選択順に、1つずつ選択して表示させる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、選択する前記画像を所定の周期毎に切り替える
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記周期は、単数フレームまたは複数フレームである
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記周期を指定する周期指定部をさらに備え、
前記表示制御部は、選択する前記画像を、前記周期指定部により指定された前記周期毎に切り替える
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記表示制御部により選択された前記画像と同一の前記個眼光学系を視点とする個眼画像から、前記画像を切り出す切り出し部をさらに備える
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記個眼画像から切り出す領域を設定する領域設定部をさらに備え、
前記切り出し部は、前記個眼画像の、前記領域設定部により設定された前記領域を前記画像として切り出す
請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記領域の位置のシフト量を制御するシフト量制御部をさらに備え、
前記領域設定部は、前記シフト量制御部により制御された前記シフト量を用いて、前記領域を設定する
請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記5以上の個眼光学系のそれぞれの光軸が互いに異なる位置に対応する撮像部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記撮像部により生成される画像に含まれる、前記5以上の個眼光学系のそれぞれを視点とする前記5以上の画像の一部または全部を、前記5以上の画像の各視点の相対的な位置関係において走査の軌跡が線対称または回転対称となる順に、1つずつ選択して動的に切り替えながら表示させる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記撮像部により生成される取り込み画像の各フレームにおいて、前記5以上の画像一部または全部を、1つずつ選択して動的に切り替えながら表示させる
請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記表示制御部は、前記撮像部により生成される撮像画像に含まれる前記5以上の画像の一部または全部を、1つずつ選択して動的に切り替えながら表示させる
請求項11に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記5以上の個眼光学系のそれぞれの光軸に対応する5以上の撮像部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記5以上の撮像部により生成される前記5以上の個眼光学系のそれぞれを視点とする前記5以上の画像の一部または全部を、前記5以上の画像の各視点の相対的な位置関係において走査の軌跡が線対称または回転対称となる順に、1つずつ選択して動的に切り替えながら表示させる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記表示制御部は、前記5以上の個眼光学系の内、選択した画像に対応する前記個眼光学系のみを駆動させる
請求項14に記載の撮像装置。
【請求項16】
光路が互いに独立している5以上の個眼光学系を視点とする5以上の画像の一部または全部を、前記5以上の画像の各視点の相対的な位置関係において走査の軌跡が線対称または回転対称となる順に、1つずつ選択して動的に切り替えながら表示部で表示させる
情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータを、
光路が互いに独立している5以上の個眼光学系を視点とする5以上の画像の一部または全部を、前記5以上の画像の各視点の相対的な位置関係において走査の軌跡が線対称または回転対称となる順に、1つずつ選択して動的に切り替えながら表示部で表示させる表示制御部
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置、情報処理方法、およびプログラムに関し、特に、互いに異なる個眼光学系を視点とする複数の画像同士の視差をより容易に把握することができるようにした撮像装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光路が互いに独立している複数の個眼光学系を用いて撮像を行う撮像装置等において、撮像画像の全領域を表示したり、個眼光学系を視点とする個眼画像を表示したりする方法が考えられた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2019/065260号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法の場合、被写体がどの程度の視差をもって撮像されるのかが直感的に把握し難くかった。
【0005】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、互いに異なる個眼光学系を視点とする複数の画像同士の視差をより容易に把握することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一側面の撮像装置は、光路が互いに独立している5以上の個眼光学系を視点とする5以上の画像の一部または全部を、前記5以上の画像の各視点の相対的な位置関係において走査の軌跡が線対称または回転対称となる順に、1つずつ選択して動的に切り替えながら表示部で表示させる表示制御部を備える撮像装置である。
【0007】
本技術の一側面の情報処理方法は、光路が互いに独立している5以上の個眼光学系を視点とする5以上の画像の一部または全部を、前記5以上の画像の各視点の相対的な位置関係において走査の軌跡が線対称または回転対称となる順に、1つずつ選択して動的に切り替えながら表示部で表示させる情報処理方法である。
【0008】
本技術の一側面のプログラムは、コンピュータを、光路が互いに独立している5以上の個眼光学系を視点とする5以上の画像の一部または全部を、前記5以上の画像の各視点の相対的な位置関係において走査の軌跡が線対称または回転対称となる順に、1つずつ選択して動的に切り替えながら表示部で表示させる表示制御部として機能させるプログラムである。
【0009】
本技術の一側面の撮像装置、情報処理方法、およびプログラムにおいては、光路が互いに独立している5以上の個眼光学系を視点とする5以上の画像の一部または全部が、その5以上の画像の各視点の相対的な位置関係において走査の軌跡が線対称または回転対称となる順に、1つずつ選択されて動的に切り替えられながら表示部で表示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本技術を適用したカメラの一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
図2】本技術を適用したカメラの一実施の形態の構成例を示す図である。
図3】カメラの電気的構成例を示すブロック図である。
図4】3板式のイメージセンサの例を示す図である。
図5】全体画像の例を示す図である。
図6】個眼画像の例を示す図である。
図7】合成画像の例を示す図である。
図8】カメラと被写体との位置関係の例を説明する図である。
図9】全体画像における個眼切り出し画像の例を示す図である。
図10】個眼切り出し画像の表示順の例を説明する図である。
図11】表示された画像の例を説明する図である。
図12】シフトの例について説明する図である。
図13】全体画像における個眼切り出し画像の例を示す図である。
図14】表示された画像の例を説明する図である。
図15】個眼切り出し画像の表示順の例を説明する図である。
図16】個眼切り出し画像の表示順の例を説明する図である。
図17】個眼切り出し画像の表示順の例を説明する図である。
図18】表示用画像生成部の主な構成例を示すブロック図である。
図19】撮像処理の流れの例を説明するフローチャートである。
図20】表示用画像表示処理の流れの例を説明するフローチャートである。
図21】表示個眼選択処理の流れの例を説明するフローチャートである。
図22】表示された画像の例を説明する図である。
図23】表示された画像の例を説明する図である。
図24】本技術を適用したカメラの一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
図25】カメラシステムの電気的構成例を示すブロック図である。
図26】カメラの電気的構成例を示すブロック図である。
図27】表示用画像生成部の主な構成例を示すブロック図である。
図28】表示用画像表示処理の流れの例を説明するフローチャートである。
図29】表示用画像生成部の主な構成例を示すブロック図である。
図30】表示用画像表示処理の流れの例を説明するフローチャートである。
図31】コンピュータの主な構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(カメラ)
2.第2の実施の形態(カメラシステム)
3.第3の実施の形態(カメラ)
4.付記
【0012】
<1.第1の実施の形態>
<カメラ外観>
図1は、本技術を適用したカメラの一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【0013】
カメラ10は、イメージセンサを内蔵し、レンズによって集光される光線を受光して光電変換を行うことにより被写体を撮像する。以下において、このような撮像により得られる画像を、撮像画像ともいう。
【0014】
カメラ10は、そのイメージセンサの正面側(光が入射する側)に鏡筒20が設けられており、その鏡筒20に、複数としての5個の個眼光学系310,311,312,313、および、314を有する。以下においては、個眼光学系310乃至個眼光学系314を互いに区別して説明する必要がない場合、個眼光学系31(または個眼光学系31)と称する。
【0015】
複数の個眼光学系31は、それぞれを通過する光の光路が互いに独立するように構成される。つまり、鏡筒20の各個眼光学系31を通過した光は、他の個眼光学系31に入射せずにイメージセンサの受光面(例えば有効画素領域)の互いに異なる位置に照射する。少なくとも、各個眼光学系31の光軸は、イメージセンサの受光面の互いに異なる場所に位置しており、各個眼光学系31を通過した光の少なくとも一部が、イメージセンサの受光面の互いに異なる位置に照射する。
【0016】
したがって、イメージセンサにより生成される撮像画像(イメージセンサの出力する画像全体)には、各個眼光学系31を介して結像された被写体の画像が互いに異なる位置に形成される。換言するに、その撮像画像から、各個眼光学系31を視点とする撮像画像(視点画像とも称する)が得られる。つまり、カメラ10は、被写体を撮像することにより、複数の視点画像を得ることができる。この複数の視点画像は、例えば、奥行情報の生成や、その奥行情報を用いたリフォーカス等の処理に利用することができる。
【0017】
なお、以下においては、カメラ10が5個の個眼光学系31を有する例を用いて説明するが、この個眼光学系31の数は2以上であれば任意である。
【0018】
5個の個眼光学系31は、鏡筒20の光軸に直交する(イメージセンサの受光面(撮像面)に平行な)2次元平面上において、個眼光学系310を中心(重心)として、他の4個の個眼光学系311乃至個眼光学系314が、長方形の頂点を構成するように配置される形で設けられている。もちろん、図1に示される配置は一例であり、各個眼光学系31の位置関係は、光路が互いに独立している限り任意である。
【0019】
また、カメラ10については、被写体からの光が入射する側の面を、正面とする。図2は、カメラ10を背面側から見た図である。図2に示されるように、カメラ10の筐体の背面側には、表示パネル部33、ビューファインダー部34、ダイヤル35、およびボタン36が設けられている。
【0020】
表示パネル部33やビューファインダー部34は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ(OELD(Organic Electro Luminescence Display))等の表示デバイスよりなり、撮像前にスルー画像を表示したり、撮像後に確認のために撮像画像を表示したりすることができる。ダイヤル35やボタン36は、入力デバイスの一例であり、ユーザがこれらを操作することにより、ユーザの操作を受け付けることができる。
【0021】
<カメラの電気的構成例>
図3は、カメラ10の電気的構成例を示すブロック図である。カメラ10は、多眼光学系30、イメージセンサ51、RAW信号処理部52、領域抽出部53、カメラ信号処理部54、表示用画像生成部55、領域特定部56、画像再構成処理部57、バス60、表示部61、記憶部62、通信部64、ファイル化部65、制御部81、記憶部82、および光学系制御部84を有する。
【0022】
<多眼光学系>
多眼光学系30は、上述の個眼光学系31(例えば個眼光学系310乃至個眼光学系314)からなる。多眼光学系30の各個眼光学系31は、被写体からの光線をカメラ10のイメージセンサ51に集光させる。各個眼光学系31の仕様は互いに同一であるものとする。
【0023】
個眼光学系31は、例えば、鏡筒光軸の光軸方向に並べられた複数のレンズや、遮蔽物の開き度合いを制御することによりその複数のレンズを介してイメージセンサ51に入射する光の量(F値)を調整する機構である絞り等の光学系素子を有する。なお、個眼光学系31が、レンズの位置を制御することにより、ズーム倍率を制御することができるようにしてもよい。
【0024】
<イメージセンサ>
イメージセンサ51は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサであり、被写体を撮像し、撮像画像を生成する。イメージセンサ51の受光面には、個眼光学系310乃至314それぞれにより集光される光線が照射される。撮像画像における、1つの個眼光学系31を介してイメージセンサ51に照射される照射光が入力された領域に対応する画像を個眼画像とも称する。つまり、イメージセンサ51は、それらの光線(照射光)を受光して光電変換を行うことにより、各個眼光学系31を視点とする個眼画像を含む撮像画像を生成する。
【0025】
なお、各個眼光学系31のそれぞれの光軸は、イメージセンサ51の互いに異なる位置に対応する。したがって、イメージセンサ51が生成する撮像画像(または取り込み画像)において、各個眼画像は少なくともその一部が互いに異なる位置に生成される(全個眼画像が完全に同一の位置に生成されることはない)。また、個眼画像は、周辺に画像としては有効でない部分を有する。また、全ての個眼画像を含む撮像画像(つまり、イメージセンサ51により生成された撮像画像全体や、その撮像画像から、その撮像画像に含まれる全ての個眼画像よりも外側の領域の一部または全部を削除した画像)のことを全体画像とも称する。
【0026】
なお、イメージセンサ51は、単色(所謂モノクロ)のイメージセンサであってもよいし、画素群に例えばベイヤ配列のカラーフィルタが配置されたカラーイメージセンサであってもよい。つまり、イメージセンサ51が出力する撮像画像は、モノクロ画像であってもよいし、カラー画像であってもよい。以下においては、イメージセンサ51が、カラーイメージセンサであって、RAWフォーマットの撮像画像を生成し、出力するものとして説明する。
【0027】
なお、本実施の形態においてRAWフォーマットとは、イメージセンサ51のカラーフィルタの配置の位置関係を維持した状態の画像を意味し、イメージセンサ51から出力された画像に対して画サイズの変換処理、ノイズリダクション処理、イメージセンサ51の欠陥補正処理等の信号処理や圧縮符号化がなされた画像も含み得るものとする。また、RAWフォーマットの撮像画像は、モノクロの画像は含まないものとする。
【0028】
イメージセンサ51は、照射光を光電変換して生成したRAWフォーマットの撮像画像(全体画像)を出力することができる。例えば、イメージセンサ51は、そのRAWフォーマットの撮像画像(全体画像)を、バス60、RAW信号処理部52、領域抽出部53、および領域特定部56の内の、少なくともいずれか1つに供給することができる。
【0029】
例えば、イメージセンサ51は、そのRAWフォーマットの撮像画像(全体画像)を、バス60を介して記憶部62に供給し、記憶媒体63に記憶させることができる。また、イメージセンサ51は、そのRAWフォーマットの撮像画像(全体画像)を、バス60を介して通信部64に供給し、カメラ10の外部へ送信させることができる。さらに、イメージセンサ51は、そのRAWフォーマットの撮像画像(全体画像)を、バス60を介してファイル化部65に供給し、ファイル化させることができる。また、イメージセンサ51は、そのRAWフォーマットの撮像画像(全体画像)を、バス60を介して画像再構成処理部57に供給し、画像再構成処理を行わせることができる。
【0030】
なお、イメージセンサ51は、単板式のイメージセンサであってもよいし、例えば3板式のイメージセンサ等、複数のイメージセンサからなる1組のイメージセンサ(複数板式イメージセンサとも称する)であってもよい。
【0031】
例えば、3板式のイメージセンサとしては、図4に示されるような、RGB(Red, Green, Blue)それぞれのための3つのイメージセンサ(イメージセンサ51-1乃至イメージセンサ51-3)を有するものがある。この場合、被写体からの光線は、プリズムなどの光学系(光路分離部)を利用して波長域毎に分離され、各イメージセンサに入射する。イメージセンサ51-1乃至イメージセンサ51-3は、それぞれ入射された光を光電変換する。つまり、イメージセンサ51-1乃至イメージセンサ51-3は、互いに異なる波長域の光を互いに略同一のタイミングで光電変換する。したがって、複数板式のイメージセンサの場合、各イメージセンサにおいて、互いに略同時刻に略同一の画角で撮像された撮像画像(つまり、波長域が互いに異なるだけで略同一の絵柄の画像)が得られる。したがって、各イメージセンサで得られる撮像画像における視点画像領域(後述する)の位置や大きさは、互いに略同一となる。この場合、R画像、G画像、B画像を合わせたものを、RAWフォーマットの撮像画像と捉えることができる。
【0032】
なお、複数板式のイメージセンサの場合、各イメージセンサはRGBそれぞれのためのものに限らず全てモノクロであっても良いし、全てがベイヤ配列等のカラーフィルタを備えたものであっても良い。なお、全てがベイヤ配列等のカラーフィルタとする場合、全ての配列を同じものとし、互いの画素の位置関係を合わせておけば例えばノイズリダクションを行うことができ、RGBの各イメージセンサの位置関係をずらしておけば所為空間画素ずらしによる効果を用いて高画質化することも可能である。
【0033】
このような複数板式撮像装置の場合も各イメージセンサ、すなわち1つのイメージセンサから出力された撮像画像内に、複数の個眼画像や複数の視点画像が含まれることになる。
【0034】
<RAW信号処理部>
RAW信号処理部52は、RAWフォーマットの画像に対する信号処理に関する処理を行う。例えば、RAW信号処理部52は、イメージセンサ51から供給されるRAWフォーマットの撮像画像(全体画像)を取得することができる。また、RAW信号処理部52は、その取得した撮像画像に対して、所定の信号処理を施すことができる。この信号処理の内容は任意である。例えば、欠陥補正、ノイズリダクション、または圧縮(符号化)等であってもよいし、それら以外の信号処理であってもよい。勿論、RAW信号処理部52は、撮像画像に対して複数の信号処理を行うこともできる。なお、RAWフォーマットの画像に対して様々な信号処理は、信号処理後の画像が、上述したようにイメージセンサ51のカラーフィルタの配置の位置関係を維持した状態の画像(複数板式撮像装置の場合はR画像、G画像、B画像の状態のままの画像)であるものに限定される。
【0035】
RAW信号処理部52は、信号処理を施したRAWフォーマットの撮像画像(RAW')または圧縮(符号化)した撮像画像(圧縮RAW)を、バス60を介して記憶部62に供給し、記憶媒体63に記憶させることができる。また、RAW信号処理部52は、信号処理を施したRAWフォーマットの撮像画像(RAW')または圧縮(符号化)した撮像画像(圧縮RAW)を、バス60を介して通信部64に供給し、送信させることができる。さらに、RAW信号処理部52は、信号処理を施したRAWフォーマットの撮像画像(RAW')または圧縮(符号化)した撮像画像(圧縮RAW)を、バス60を介してファイル化部65に供給し、ファイル化させることができる。また、RAW信号処理部52は、信号処理を施したRAWフォーマットの撮像画像(RAW')または圧縮(符号化)した撮像画像(圧縮RAW)を、バス60を介して画像再構成処理部57に供給し、画像再構成処理を行わせることができる。なお、これらの、RAW、RAW'、および圧縮RAW(いずれも図3)を互いに区別して説明する必要が無い場合、RAW画像と称する。
【0036】
<領域抽出部>
領域抽出部53は、RAWフォーマットの撮像画像からの一部の領域の抽出(部分画像の切り出し)に関する処理を行う。例えば、領域抽出部53は、イメージセンサ51から供給されるRAWフォーマットの撮像画像(全体画像)を取得することができる。また、領域抽出部53は、領域特定部56から供給される、撮像画像から抽出する領域を示す情報(抽出領域情報とも称する)を取得することができる。そして、領域抽出部53は、その抽出領域情報に基づいて、撮像画像から一部の領域を抽出する(部分画像を切り出す)ことができる。
【0037】
例えば、領域抽出部53は、撮像画像(全体画像)から、各個眼光学系31を視点とする画像を切り出すことができる。つまり、領域抽出部53は、各個眼光学系31を視点とする画像として、撮像画像に含まれる各個眼画像の領域から有効な部分を切り出すことができる。この切り出された有効な部分の画像(個眼画像の一部)を視点画像とも称する。また、撮像画像におけるその切り出される領域(視点画像に対応する領域)を視点画像領域とも称する。例えば、領域抽出部53は、領域特定部56から供給される、視点画像領域を特定するために用いられる情報である視点関連情報を、抽出領域情報として取得し、撮像画像から、その視点関連情報において示される各視点画像領域を抽出する(各視点画像を切り出す)ことができる。そして、領域抽出部53は、その切り出した各視点画像(RAWフォーマット)をカメラ信号処理部54に供給することができる。
【0038】
また、例えば、領域抽出部53は、撮像画像(全体画像)から切り出した各視点画像を合成し、合成画像を生成することができる。合成画像は、各視点画像が合成されて、1データ化、または、1枚の画像とされたものである。例えば、領域抽出部53は、各視点画像を平面状に並べた1枚の画像(合成画像)を生成することができる。領域抽出部53は、その生成した合成画像(RAWフォーマット)をカメラ信号処理部54に供給することができる。
【0039】
また、例えば、領域抽出部53は、全体画像をカメラ信号処理部54に供給することができる。例えば、領域抽出部53は、取得した撮像画像から、全ての個眼画像を含む一部の領域を抽出し(つまり、全ての個眼画像を含む部分画像を切り出し)、その切り出した部分画像(つまり、撮像画像に含まれる全ての個眼画像よりも外側の領域の一部または全部を削除した画像)を、RAWフォーマットの全体画像としてカメラ信号処理部54に供給することができる。この場合の抽出する領域の場所(範囲)は、領域抽出部53において予め定められていてもよいし、領域特定部56から供給される視点関連情報により指定されるようにしてもよい。
【0040】
また、領域抽出部53は、取得した撮像画像を(すなわち、切り出された全ての個眼画像を含む部分画像ではなく撮像画像全体を)、RAWフォーマットの全体画像としてカメラ信号処理部54に供給することもできる。
【0041】
なお、領域抽出部53は、上述のように撮像画像から切り出したRAWフォーマットの部分画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を、イメージセンサ51の場合と同様に、バス60を介して記憶部62、通信部64、ファイル化部65、または画像再構成処理部57等に供給することができる。
【0042】
また、領域抽出部53は、そのRAWフォーマットの部分画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を、RAW信号処理部52に供給し、所定の信号処理を施させたり、圧縮(符号化)させたりすることもできる。この場合も、RAW信号処理部52は、信号処理を施したRAWフォーマットの撮像画像(RAW')または圧縮(符号化)した撮像画像(圧縮RAW)を、バス60を介して記憶部62、通信部64、ファイル化部65、または画像再構成処理部57等に供給することができる。
【0043】
つまり、撮像画像(または全体画像)、視点画像、および合成画像の内の少なくともいずれか1つは、RAW画像であるようにしてもよい。
【0044】
<カメラ信号処理部>
カメラ信号処理部54は、画像に対するカメラ信号処理に関する処理を行う。例えば、カメラ信号処理部54は、領域抽出部53から供給される画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を取得することができる。また、カメラ信号処理部54は、その取得した画像に対して、カメラ信号処理(カメラプロセス)を施すことができる。例えば、カメラ信号処理部54は、処理対象の画像に対して、RGBの各色を分離してそれぞれ処理対象の画像と同じ画素数のR画像、G画像、およびB画像を生成する色分離処理(ベイヤ配列等のモザイクカラーフィルタを用いた場合はデモザイク処理)や、その色分離後の画像の色空間をRGBからYC(輝度・色差)に変換するYC変換処理等を行うことができる。また、カメラ信号処理部54は、処理対象の画像に対して、欠陥補正、ノイズリダクション、AWB(Automatic White Balance)、またはガンマ補正等の処理を行うことができる。さらに、カメラ信号処理部54は、処理対象の画像を圧縮(符号化)することもできる。勿論、カメラ信号処理部54は、処理対象の画像に対して複数のカメラ信号処理を行うこともできるし、上述した例以外のカメラ信号処理を行うこともできる。
【0045】
なお、以下においては、カメラ信号処理部54が、RAWフォーマットの画像を取得し、その画像に対して色分離処理やYC変換を行い、YCフォーマットの画像(YC)を出力するものとする。この画像は、全体画像であってもよいし、各視点画像であってもよいし、合成画像であってもよい。また、このYCフォーマットの画像(YC)は、符号化されていてもよいし、符号化されていなくてもよい。つまり、カメラ信号処理部54から出力されるデータは、符号化データであってもよいし、符号化されていない画像データであってもよい。
【0046】
つまり、撮像画像(または全体画像)、視点画像、および合成画像の内の少なくともいずれか1つは、そのYCフォーマットの画像(YC画像とも称する)であるようにしてもよい。
【0047】
また、カメラ信号処理部54が出力する画像は、完全な現像処理をするものではなく、YCフォーマットの画像(YC)として、ガンマ補正やカラーマトリクス等の非可逆的な画質調整(色調整)に関する処理の一部または全部を施していないものであっても良い。この場合、後段や再生時等において、YCフォーマットの画像(YC)をほぼ劣化なくRAWフォーマットの画像に戻すことができる。
【0048】
カメラ信号処理部54は、例えば、カメラ信号処理を施したYCフォーマットの画像(YC)を、バス60を介して表示部61に供給し、表示させることができる。また、カメラ信号処理部54は、カメラ信号処理を施したYCフォーマットの画像(YC)を、バス60を介して記憶部62に供給し、記憶媒体63に記憶させることができる。さらに、カメラ信号処理部54は、カメラ信号処理を施したYCフォーマットの画像(YC)を、バス60を介して通信部64に供給し、外部に送信させることができる。また、カメラ信号処理部54は、カメラ信号処理を施したYCフォーマットの画像(YC)を、バス60を介してファイル化部65に供給し、ファイル化させることができる。さらに、カメラ信号処理部54は、カメラ信号処理を施したYCフォーマットの画像(YC)を、バス60を介して画像再構成処理部57に供給し、画像再構成処理を行わせることができる。
【0049】
また、例えば、カメラ信号処理部54は、そのYCフォーマットの画像(YC)を表示用画像生成部55に供給することもできる。
【0050】
なお、RAWフォーマットの画像(全体画像、視点画像、または部分画像)が記憶媒体63に記憶されている場合、カメラ信号処理部54は、そのRAWフォーマットの画像を記憶媒体63から読み出し、信号処理を施すことができるようにしてもよい。この場合も、カメラ信号処理部54は、カメラ信号処理を施したYCフォーマットの画像(YC)を、バス60を介して表示部61、記憶部62、通信部64、ファイル化部65、または画像再構成処理部57等に供給することができる。
【0051】
また、イメージセンサ51から出力されるRAWフォーマットの撮像画像(全体画像)に対してカメラ信号処理部54がカメラ信号処理を施し、そのカメラ信号処理後の撮像画像(全体画像)から、領域抽出部53が一部の領域を抽出するようにしてもよい。
【0052】
<表示用画像生成部>
表示用画像生成部55は、表示部61において表示される表示用画像の生成に関する処理を行う。例えば、表示用画像生成部55は、スルー画像を生成することができる。スルー画像は、撮影時または撮影準備時(非記録時)にユーザが撮影準備中の画像を確認するために表示される画像である。つまり、スルー画像は、イメージセンサ51により生成される表示用の画像(取り込み画像とも称する)を用いて生成される。なお、スルー画像は、ライブビュー画像やEE(Electronic to Electronic)画とも称する。なお、静止画撮影時は撮影前の画像であるが、動画撮影時は、撮影準備中だけでなく撮影(記録)中の画像に対応するスルー画像も表示される。
【0053】
取り込み画像は、イメージセンサ51において生成される撮像画像以外の画像である。つまり、取り込み画像は、撮像画像が生成されるタイミング以外のタイミングにおいて生成され得る。また、取り込み画像は、撮像画像の場合と同様に、イメージセンサ51が受光した光を光電変換することにより生成される画像である。ただし、取り込み画像の用途は撮像画像の用途と異なる。撮像画像が記録用(保存用)の画像であるのに対して、取り込み画像は表示部61(表示パネル部33やビューファインダー部34)によりスルー画像等として表示されるための画像である。さらに、撮像画像が静止画像(動画像でもよい)であるのに対して、取り込み画像(スルー画像)は基本的に動画像(複数フレームからなる画像)として表示される。なお、取り込み画像の仕様(例えば、解像度、アスペクト比、色等)は任意であり、撮像画像と同一であってもよいし、撮像画像と異なっていてもよい。例えば、取り込み画像が撮像画像よりも低解像度であってもよい。
【0054】
この取り込み画像は、撮像画像の場合と同様に、領域抽出部53により一部の領域が抽出されたり、カメラ信号処理部54によりカメラ信号処理が施されたりし得る。つまり、取り込み画像は、撮像画像の場合と同様に、例えば、YCフォーマットの画像(全体画像、視点画像、または合成画像)として、表示用画像生成部55に供給され得る。
【0055】
この場合、表示用画像生成部55は、カメラ信号処理部54から供給される取り込み画像(例えば全体画像、視点画像、または合成画像)を取得することができる。また、表示用画像生成部55は、その取得した取り込み画像を用いて、例えば表示部61の解像度に応じた画サイズに変換する画サイズ(解像度)変換を行うことで、表示用画像を生成することができる。さらに、表示用画像生成部55は、その生成した表示用画像を、バス60を介して表示部61に供給し、スルー画像として表示させることができる。なお、この表示用画像の仕様は任意であり、撮像画像と同一であってもよいし、撮像画像と異なっていてもよい。
【0056】
また、例えば、表示用画像生成部55は、撮像画像の確認用画像を生成することもできる。例えばユーザがシャッタボタンを押下する等して撮像を指示すると、カメラ10は、イメージセンサ51等を用いて被写体を撮像して記録用(保存用)の撮像画像を生成する。その際、カメラ10は、その生成した撮像画像(つまり撮像結果)をユーザに確認させるために、その撮像画像を用いて確認用画像(つまり表示用画像)を生成し、それを表示部61(表示パネル部33やビューファインダー部34)に表示させる。表示用画像生成部55は、この確認用画像の生成を行うことができる。
【0057】
つまり、この場合、表示用画像生成部55は、例えばカメラ信号処理部54から供給される撮像画像(例えば全体画像、視点画像、または合成画像)を取得することができる。また、表示用画像生成部55は、その取得した撮像画像を用いて表示用画像を生成することができる。さらに、表示用画像生成部55は、その生成した表示用画像を、バス60を介して表示部61に供給し、確認用画像として表示させることができる。なお、この確認用画像の仕様は、上述の表示用画像の場合と同様、任意である。
【0058】
さらに、例えば、表示用画像生成部55は、記録済み(保存済み)の撮像画像の表示用画像を生成することもできる。例えば、カメラ10は、記憶媒体63から読み出したり通信部64を介して他の装置から取得したりした撮像画像を、表示部61に表示させることができる。表示用画像生成部55は、この撮像画像の表示用画像の生成を行うことができる。
【0059】
つまり、この場合、表示用画像生成部55は、記憶部62により記憶媒体63から読み出された撮像画像や、通信部64を介して他の装置から取得した撮像画像(例えば全体画像、視点画像、または合成画像)を取得し得る。また、表示用画像生成部55は、その取得した撮像画像を用いて表示用画像を生成することができる。さらに、表示用画像生成部55は、その生成した表示用画像を、バス60を介して表示部61に供給して表示させることができる。なお、この表示用画像の仕様は任意である。
【0060】
なお、表示用画像生成部55は、領域特定部56から供給される視点関連情報(VIまたはVI')を取得し、その取得した視点関連情報を用いて、これらの表示用画像生成を行うことができる。また、表示用画像生成部55は、制御部81から供給される制御情報を取得し、その制御情報を用いて、これらの表示用画像生成を行うことができる。
【0061】
<領域特定部>
領域特定部56は、領域抽出部53が撮像画像から抽出する領域の特定(設定)に関する処理を行う。例えば、領域特定部56は、視点関連情報(VI)を特定し、領域抽出部53に視点画像領域を供給する。
【0062】
視点関連情報(VI)は、例えば、撮像画像における視点画像領域を示す視点領域情報を含む。視点領域情報は、視点画像領域をどのように表してもよい。例えば、撮像画像における個眼光学系31の光軸に対応する位置を示す座標(視点画像領域の中心座標とも称する)と視点画像(視点画像領域)の解像度(画素数)とにより、視点画像領域が表されるようにしてもよい。つまり、視点領域情報が、撮像画像における視点画像領域の中心座標と視点画像領域の解像度とを含むようにしてもよい。この場合、視点画像領域の中心座標とその視点画像領域の解像度(画素数)から、全体画像の内の視点画像領域の場所の特定が可能になる。
【0063】
なお、視点領域情報は、視点画像領域毎に設定される。つまり、撮像画像に複数の視点画像が含まれる場合、視点関連情報(VI)は、各視点画像(各視点画像領域)について、視点画像(領域)を識別するための視点識別情報(例えば識別番号)と視点領域情報とを含み得る。
【0064】
また、視点関連情報(VI)は、その他の任意の情報を含み得る。例えば、視点関連情報(VI)が、視点画像が抽出される撮像画像が撮像された時刻を示す視点時刻情報を含むようにしてもよい。また、視点関連情報(VI)が、個眼画像から切り出す領域であって、視点画像領域を内包する視点画像包含領域を示す視点画像包含領域情報を含むようにしてもよい。さらに、視点関連情報(VI)が、撮像画像の視点画像領域でも個眼画像の領域でもない領域に形成されるスポット光の画像に関する情報であるスポット光情報(SI)を含むようにしてもよい。
【0065】
領域特定部56が、このような視点関連情報(VI)を、特定した視点画像領域を示す情報として領域抽出部53に供給することにより、領域抽出部53は、その視点関連情報(VI)に基づいて、領域特定部56により特定された視点画像領域を抽出する(視点画像を切り出す)ことができる。
【0066】
また、領域特定部56は、視点関連情報(VI)をバス60に供給することができる。例えば、領域特定部56は、視点関連情報(VI)を、バス60を介して記憶部62に供給し、記憶媒体63に記憶させることができる。また、領域特定部56は、視点関連情報(VI)を、バス60を介して通信部64に供給し、送信させることができる。さらに、領域特定部56は、視点関連情報(VI)を、バス60を介してファイル化部65に供給し、ファイル化させることができる。また、領域特定部56は、視点関連情報(VI)を、バス60を介して画像再構成処理部57に供給し、画像再構成処理に利用させることができる。
【0067】
例えば、領域特定部56は、このような視点関連情報(VI)を制御部81から取得し、その取得した視点関連情報(VI)を領域抽出部53やバス60に供給してもよい。この場合、制御部81は、記憶媒体83に記憶されている視点関連情報(VI)を、記憶部82を介して読み出し、領域特定部56に供給する。領域特定部56は、その視点関連情報(VI)を領域抽出部53やバス60に供給する。なお、この視点関連情報(VI)には、スポット光情報(SI)が含まれていてもよい。
【0068】
このようにバス60を介して記憶部62、通信部64、またはファイル化部65に供給された視点関連情報(VI)は、そこにおいて画像(全体画像、視点画像、または合成画像)と関連付けられる。例えば、記憶部62は、供給された視点関連情報(VI)を画像(全体画像、視点画像、または合成画像)と関連付け、記憶媒体63に記憶させることができる。また、通信部64は、供給された視点関連情報(VI)を画像(全体画像、視点画像、または合成画像)と関連付け、外部に送信することができる。さらに、ファイル化部65は、供給された視点関連情報(VI)を画像(全体画像、視点画像、または合成画像)と関連付け、それらを含む1つのファイルを生成することができる。
【0069】
また、領域特定部56は、イメージセンサ51から供給されるRAWフォーマットの撮像画像を取得し、その撮像画像に基づいて視点関連情報(VI’)を生成し、その生成した視点関連情報(VI’)を領域抽出部53やバス60に供給してもよい。この場合、領域特定部56は、撮像画像から各視点画像領域を特定し、その視点画像領域を示す(例えば、撮像画像における視点画像領域の中心座標と視点画像領域の解像度等により視点画像領域を示す)視点関連情報(VI’)を生成する。そして、領域特定部56は、その生成した視点関連情報(VI’)を領域抽出部53やバス60に供給する。なお、この視点関連情報(VI’)には、領域特定部56が撮像画像に基づいて生成したスポット光情報(SI’)が含まれていてもよい。
【0070】
さらに、領域特定部56は、視点関連情報(VI)を制御部81から取得し、イメージセンサ51から供給されるRAWフォーマットの撮像画像を取得し、その撮像画像に基づいてスポット光情報(SI’)を生成し、視点関連情報(VI)にそのスポット光情報(SI’)を付加し、領域抽出部53やバス60に供給してもよい。この場合、制御部81は、記憶媒体83に記憶されている視点関連情報(VI)を、記憶部82を介して読み出し、領域特定部56に供給する。領域特定部56は、その視点関連情報(VI)にスポット光情報(SI’)を付加して視点関連情報(VI’)を生成する。領域特定部56は、その視点関連情報(VI’)を領域抽出部53やバス60に供給する。
【0071】
また、領域特定部56は、視点関連情報(VI)を制御部81から取得し、イメージセンサ51から供給されるRAWフォーマットの撮像画像を取得し、その撮像画像に基づいてスポット光情報(SI’)を生成し、そのスポット光情報(SI’)を用いて視点関連情報(VI)を補正し、補正後の視点関連情報(VI’)を領域抽出部53やバス60に供給してもよい。この場合、制御部81は、記憶媒体83に記憶されている視点関連情報(VI)を、記憶部82を介して読み出し、領域特定部56に供給する。領域特定部56は、その視点関連情報(VI)を、スポット光情報(SI’)を用いて補正し、視点関連情報(VI’)を生成する。領域特定部56は、その視点関連情報(VI’)を領域抽出部53やバス60に供給する。
【0072】
なお、領域特定部56は、視点関連情報(VIまたはVI')を表示用画像生成部55に供給することもできる。
【0073】
<画像再構成処理部>
画像再構成処理部57は、画像の再構成に関する処理を行う。例えば、画像再構成処理部57は、バス60を介してカメラ信号処理部54や記憶部62からYCフォーマットの画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を取得することができる。また、画像再構成処理部57は、バス60を介して領域特定部56や記憶部62から視点関連情報を取得することができる。
【0074】
さらに、画像再構成処理部57は、その取得した画像と取得した画像に関連付けられた視点関連情報とを用いて、例えば、奥行情報の生成や、任意の被写体にフォーカスを合わせた画像を生成(再構成)するリフォーカス等の画像処理を行うことができる。例えば、視点画像を処理対象とする場合、画像再構成処理部57は、その各視点画像を用いて奥行情報の生成やリフォーカス等の処理を行う。また、撮像画像や合成画像を処理対象とする場合、画像再構成処理部57は、その撮像画像や合成画像から各視点画像を抽出し、抽出した視点画像を用いて奥行情報の生成やリフォーカス等の処理を行う。
【0075】
画像再構成処理部57は、生成した奥行情報やリフォーカスされた画像を処理結果として、バス60を介して記憶部62に供給し、外部に記憶媒体63に記憶させることができる。また、画像再構成処理部57は、生成した奥行情報やリフォーカスされた画像を処理結果として、バス60を介して通信部64に供給し、送信させることができる。さらに、画像再構成処理部57は、生成した奥行情報やリフォーカスされた画像を処理結果として、バス60を介してファイル化部65に供給し、ファイル化させることができる。
【0076】
<バス>
バス60には、イメージセンサ51、RAW信号処理部52、領域抽出部53、カメラ信号処理部54、表示用画像生成部55、領域特定部56、画像再構成処理部57、表示部61、記憶部62、通信部64、およびファイル化部65が接続される。バス60は、これらのブロック間で授受される各種データの伝送媒体(伝送路)として機能する。なお、このバス60は、有線により実現されてもよいし、無線通信により実現されてもよい。
【0077】
<表示部>
表示部61は、例えば、表示パネル部33やビューファインダー部34を有する。表示部61は、画像の表示に関する処理を行う。例えば、表示部61は、表示用画像生成部55から供給されるYCフォーマットである取り込み画像の表示用画像を取得し、それをRGBフォーマットに変換してスルー画像として表示パネル部33やビューファインダー部34に表示させることができる。その他、表示部61は、例えば、メニュー、カメラ10の設定等の情報を表示することもできる。
【0078】
また、表示部61は、表示用画像生成部55から供給される撮像画像の確認用画像を取得し、表示パネル部33やビューファインダー部34に表示させることができる。さらに、表示部61は、表示用画像生成部55から供給される、記録済み(保存済み)の撮像画像の表示用画像を取得し、表示パネル部33やビューファインダー部34に表示させることができる。なお、表示部61が撮像画像のサムネイル画像を表示することができるようにしてもよい。
【0079】
<記憶部>
記憶部62は、例えば、半導体メモリ等よりなる記憶媒体63の記憶を制御する。この記憶媒体63は、リムーバブルな記憶媒体であってもよいし、カメラ10に内蔵される記憶媒体であってもよい。
【0080】
記憶部62は、制御部81やユーザの操作等に応じて、バス60を介して供給される画像(撮像画像、視点画像、または合成画像)を記憶媒体63に記憶させることができる。
【0081】
例えば、記憶部62は、イメージセンサ51または領域抽出部53から供給されるRAWフォーマットの画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を取得し、それを記憶媒体63に記憶させることができる。また、記憶部62は、RAW信号処理部52から供給される信号処理を施したRAWフォーマットの画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を取得し、それを記憶媒体63に記憶させることができる。さらに、記憶部62は、RAW信号処理部52から供給される圧縮(符号化)したRAWフォーマットの画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を取得し、記憶媒体63に記憶させることができる。また、記憶部62は、カメラ信号処理部54から供給されるYCフォーマットの画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を取得し、それを記憶媒体63に記憶させることができる。
【0082】
その際、画像(全体画像、視点画像、または合成画像)と視点関連情報を互いに関連付けて、記憶媒体63に記憶させることができる。例えば、記憶部62は、領域特定部56から供給される視点関連情報を取得し、上述の画像(全体画像、視点画像、または合成画像)に関連付けて、記憶媒体63に記憶させることができる。つまり、記憶部62は、つまり、記憶部62は、全体画像、視点画像、および合成画像の内の少なくとも1つと視点関連情報とを関連付ける関連付け部として機能することになる。
【0083】
その他、記憶部62は、画像再構成処理部57から供給される奥行情報やリフォーカスされた画像を取得し、記憶媒体63に記憶させることができる。また、記憶部62は、ファイル化部65から供給されるファイルを取得し、記憶媒体63に記憶させることができる。このファイルは、画像(全体画像、視点画像、または合成画像)および視点関連情報を含む。つまり、このファイルにおいて、画像(全体画像、視点画像、または合成画像)および視点関連情報が互いに関連付けられている。
【0084】
また、記憶部62は、制御部81やユーザの操作等に応じて、記憶媒体63に記憶されているデータやファイル等を読み出すことができる。
【0085】
例えば、記憶部62は、記憶媒体63からYCフォーマットの撮像画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を読み出し、表示用画像生成部55に供給し、その表示用画像を生成させることができる。また、記憶部62は、記憶媒体63からRAWフォーマットの画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を読み出し、カメラ信号処理部54に供給し、カメラ信号処理を施させることができる。
【0086】
さらに、記憶部62は、画像(全体画像、視点画像、または合成画像)とともにその画像に関連付けられている視点関連情報も読み出すことができる。例えば、記憶部62は、記憶媒体63から、互いに関連付けられた画像(全体画像、視点画像、または合成画像)および視点関連情報のデータを読み出し、それらを画像再構成処理部57に供給し、奥行情報の生成やリフォーカス等の処理を行わせることができる。また、記憶部62は、記憶媒体63から、互いに関連付けられた画像(全体画像、視点画像、または合成画像)および視点関連情報を含むファイルを読み出し、そのファイルを画像再構成処理部57に供給し、奥行情報の生成やリフォーカス等の処理を行わせることができる。
【0087】
さらに、記憶部62は、記憶媒体63から、互いに関連付けられた画像(全体画像、視点画像、または合成画像)および視点関連情報のデータやファイルを読み出し、それらを通信部64に供給し、送信させることができる。また、記憶部62は、記憶媒体63から、互いに関連付けられた画像(全体画像、視点画像、または合成画像)および視点関連情報のデータを読み出し、それらをファイル化部65に供給し、ファイル化させることができる。
【0088】
なお、記憶媒体63は、ROM(Read Only Memory)であってもよいし、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等のような書き換え可能なメモリであってもよい。書き換え可能なメモリの場合、記憶媒体63は、任意の情報を記憶することができる。
【0089】
<通信部>
通信部64は、任意の通信方式により、インターネット上のサーバや、有線または無線LAN上のPC、その他の外部のデバイス等との間で通信を行う。通信部64は、制御部81の制御やユーザの操作等に応じて、その通信により、画像(撮像画像、視点画像、または合成画像)や視点関連情報等のデータやファイルを、ストリーミング方式やアップロード方式等により、通信相手(外部のデバイス)に送信することができる。
【0090】
例えば、通信部64は、イメージセンサ51や領域抽出部53から供給されるRAWフォーマットの画像(撮像画像、視点画像、または合成画像)を取得し、送信することができる。また、通信部64は、RAW信号処理部52から供給される信号処理を施したRAWフォーマットの画像(撮像画像、視点画像、または合成画像)や圧縮(符号化)した画像(撮像画像、視点画像、または合成画像)を取得し、送信することができる。さらに、通信部64は、カメラ信号処理部54から供給されるYCフォーマットの画像(撮像画像、視点画像、または合成画像)を取得し、送信することができる。
【0091】
その際、通信部64は、領域特定部56から供給される視点関連情報を取得し、上述の画像(全体画像、視点画像、または合成画像)に関連付けることができる。つまり、通信部64は、画像(全体画像、視点画像、または合成画像)と視点関連情報を互いに関連付けて、送信することができる。例えば、画像をストリーミング方式で送信する場合、通信部64は、送信する画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を、その画像を供給する処理部から取得し、その画像に領域特定部56から供給される視点関連情報を関連付けて送信する処理を繰り返す。つまり、通信部64は、全体画像、視点画像、および合成画像の内の少なくとも1つと視点関連情報とを関連付ける関連付け部として機能することになる。
【0092】
また、例えば、通信部64は、画像再構成処理部57から供給される奥行情報やリフォーカスされた画像を取得し、送信することができる。さらに、通信部64は、ファイル化部65から供給されるファイルを取得し、送信することができる。このファイルは、例えば、画像(全体画像、視点画像、または合成画像)および視点関連情報を含む。つまり、このファイルにおいて、画像(全体画像、視点画像、または合成画像)および視点関連情報が互いに関連付けられている。
【0093】
なお、通信部64は、カメラ10の外部の装置(通信相手)から、画像(全体画像、視点画像、または合成画像)や視点関連情報のデータやファイルを取得することもできる。
【0094】
<ファイル化部>
ファイル化部65は、ファイルの生成に関する処理を行う。例えば、ファイル化部65は、イメージセンサ51または領域抽出部53から供給されるRAWフォーマットの画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を取得することができる。また、ファイル化部65は、RAW信号処理部52から供給される信号処理を施したRAWフォーマットの画像(全体画像、視点画像、または合成画像)または圧縮(符号化)したRAWフォーマットの画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を取得することができる。さらに、ファイル化部65は、カメラ信号処理部54から供給されるYCフォーマットの画像(全体画像、視点画像、または合成画像)を取得することができる。また、例えば、ファイル化部65は、領域特定部56から供給される視点関連情報を取得することができる。
【0095】
ファイル化部65は、取得した複数のデータをファイル化して、その複数のデータを含む1つのファイルを生成することにより、その複数のデータを互いに関連付けることができる。例えば、ファイル化部65は、上述の画像(全体画像、視点画像、または合成画像)および視点関連情報から1つのファイルを生成することにより、それらを互いに関連付けることができる。つまり、ファイル化部65は、全体画像、視点画像、および合成画像の内の少なくとも1つと視点関連情報とを関連付ける関連付け部として機能することになる。
【0096】
また、例えば、ファイル化部65は、画像再構成処理部57から供給される奥行情報やリフォーカスされた画像を取得し、ファイル化することができる。さらに、ファイル化部65は、記憶部62から供給される、互いに関連付けられた画像(全体画像、視点画像、または合成画像)および視点関連情報から1つのファイルを生成することができる。
【0097】
なお、ファイル化部65は、ファイル化する画像(例えば視点画像)のサムネイル画像を生成し、それを生成したファイルに含めることができる。つまり、ファイル化部65は、ファイル化することにより、このサムネイル画像を、画像(全体画像、視点画像、または合成画像)や視点関連情報に関連付けることができる。
【0098】
ファイル化部65は、生成したファイル(互いに関連付けられた画像および視点関連情報)を、例えば、バス60を介して記憶部62に供給し、記憶媒体63に記憶させることができる。また、ファイル化部65は、生成したファイル(互いに関連付けられた画像および視点関連情報)を、例えば、バス60を介して通信部64に供給し、送信させることができる。
【0099】
<関連付け部>
これらの記憶部62、通信部64、およびファイル化部65を関連付け部70とも称する。関連付け部70は、画像(全体画像、視点画像、または合成画像)と、視点関連情報とを関連付ける。例えば、記憶部62は、全体画像、視点画像、および合成画像の内の少なくとも1つと視点関連情報とを関連付けて記憶媒体63に記憶させることができる。また、通信部64は、全体画像、視点画像、および合成画像の内の少なくとも1つと視点関連情報とを関連付けて送信することができる。さらに、ファイル化部65は、全体画像、視点画像、および合成画像の内の少なくとも1つと視点関連情報とから1つのファイルを生成することにより、それらを関連付けることができる。
【0100】
<制御部>
制御部81は、カメラ10に関する制御処理を行う。つまり、制御部81は、カメラ10の各部を制御し、処理を実行させることができる。例えば、制御部81は、光学系制御部84を介して多眼光学系30(各個眼光学系31)を制御し、絞りやフォーカス位置等の撮像に関する光学系の設定を行わせることができる。また、制御部81は、イメージセンサ51を制御し、イメージセンサ51に撮像(光電変換)を行わせ、撮像画像を生成させることができる。
【0101】
さらに、制御部81は、視点関連情報(VI)を領域特定部56に供給し、撮像画像から抽出する領域を特定させることができる。なお、この視点関連情報(VI)には、スポット光情報(SI)が含まれていてもよい。また、制御部81は、記憶媒体83に記憶されている視点関連情報(VI)を、記憶部82を介して読み出し、領域特定部56に供給してもよい。
【0102】
また、制御部81は、表示用画像の生成に関する制御情報を表示用画像生成部55に供給してもよい。例えば、制御部81は、ダイヤル35やボタン36等の入力デバイスを介してユーザの操作を受け付け、その受け付けた操作に応じて制御情報を生成し、それを表示用画像生成部55に供給してもよい。また、制御部81は、記憶部82が記憶媒体83から読み出した制御情報を取得し、それを表示用画像生成部55に供給してもよい。さらに、制御部81は、記憶部82が記憶媒体83から読み出した制御情報を取得し、ダイヤル35やボタン36等の入力デバイスを介してユーザの操作を受け付け、その受け付けた操作に応じて制御情報を更新し、それを表示用画像生成部55に供給してもよい。
【0103】
また、制御部81は、バス60を介して画像を取得し、その画像の明るさに基づいて、光学系制御部84を介して絞りを制御することができる。さらに、制御部81は、その画像の鮮鋭度に基づいて、光学系制御部84を介してフォーカスを制御することができる。また、制御部81は、その画像のRGB比率に基づいてカメラ信号処理部54を制御し、ホワイトバランスゲインを制御することができる。
【0104】
<記憶部>
記憶部82は、例えば、半導体メモリ等よりなる記憶媒体83の記憶を制御する。この記憶媒体83は、リムーバブルな記憶媒体であってもよいし、内蔵メモリであってもよい。この記憶媒体83には、例えば、視点関連情報(VI)が記憶されている。この視点関連情報(VI)は、多眼光学系30(の各個眼光学系31)およびイメージセンサ51に対応する情報である。つまり、視点関連情報(VI)は、この多眼光学系30の各個眼光学系31を視点とする視点画像に関する情報であり、その視点画像領域を特定するために用いられる情報である。例えば、この視点関連情報(VI)には、スポット光情報(SI)が含まれていてもよい。
【0105】
例えば、記憶部82は、制御部81からの要求やユーザの操作等に応じて、記憶媒体83に記憶されている視点関連情報(VI)を読み出し、制御部81に供給することができる。
【0106】
なお、記憶媒体83は、ROMであってもよいし、RAMやフラッシュメモリ等のような書き換え可能なメモリであってもよい。書き換え可能なメモリの場合、記憶媒体83は、任意の情報を記憶することができる。
【0107】
また、記憶媒体83が、表示用画像の生成に関する制御情報を記憶し、記憶部82が、制御部81からの要求やユーザの操作等に応じて、その制御情報を読み出し、制御部81に供給してもよい。
【0108】
また、記憶部82および記憶媒体83を記憶部62および記憶媒体63により代用してもよい。つまり、上述した記憶媒体83に記憶させる情報(視点関連情報(VI)等)を記憶媒体63に記憶させてもよい。その場合、記憶部82および記憶媒体83は、省略してもよい。
【0109】
<光学系制御部>
光学系制御部84は、制御部81の制御に従って、多眼光学系30(の各個眼光学系31)を制御する。例えば、光学系制御部84は、各個眼光学系31のレンズ群や絞りを制御し、各個眼光学系31の焦点距離若しくはF値、またはその両方を制御することができる。なお、カメラ10が電動フォーカス調整機能を有する場合、光学系制御部84は、多眼光学系30(の各個眼光学系31の)フォーカス(焦点距離)を制御することができる。また、光学系制御部84が、各個眼光学系31の絞り(F値)を制御することができるようにしてもよい。
【0110】
なお、カメラ10が、このような電動フォーカス調整機能を備える代わりに、鏡筒に設けられたフォーカスリングを手動により操作することにより、焦点距離を調整する機構(物理的構成)を備えるようにしてもよい。その場合、この光学系制御部84は、省略することができる。
【0111】
<視点関連情報の関連付け>
カメラ10は、撮像画像から、各個眼光学系31を視点とする視点画像を抽出し得る。1枚の撮像画像から抽出された複数の視点画像は互いに異なる視点の画像であるので、これらの視点画像を用いて、例えば多眼マッチングによる奥行推定や多眼レンズの取り付け誤差抑制のための補正等の処理を行うことができる。ただし、これらの処理を行うためには、各視点画像間の相対位置等の情報が必要である。
【0112】
そこで、カメラ10は、出力する全体画像、視点画像、または、合成画像に対して、撮像画像における複数の視点画像の領域を特定するために用いられる情報である視点関連情報を関連付ける。
【0113】
ここで、「関連付ける」という用語は、例えば、一方のデータを処理する際に他方のデータを利用し得る(リンクさせ得る)ようにすることを意味する。つまり、撮像画像と視点関連情報のデータ(ファイル)としての形態は任意である。例えば、撮像画像と視点関連情報とが、1つのデータ(ファイル)としてまとめられてもよいし、それぞれ個別のデータ(ファイル)としてもよい。例えば、撮像画像に関連付けられた視点関連情報は、その撮像画像とは別の伝送路上で伝送されるようにしてもよい。また、例えば、撮像画像に関連付けられた視点関連情報は、その撮像画像とは別の記録媒体(または同一の記録媒体の別の記録エリア)に記録されるようにしてもよい。勿論、撮像画像と視点関連情報とをまとめて、1つのストリームデータにしたり、1つのファイルにしたりしてもよい。
【0114】
なお、視点関連情報を関連付ける画像は、静止画像でもよいし動画像でもよい。動画像の場合、各フレーム画像において、静止画像の場合と同様に領域抽出や視点関連情報の関連付け等を行うことができる。
【0115】
また、この「関連付け」は、データ全体でなく、データ(ファイル)の一部であってもよい。例えば、撮像画像が複数フレームからなる動画像である場合、視点関連情報が、撮像画像の、複数フレーム、1フレーム、またはフレーム内の一部分などの任意の単位に対して関連付けられるようにしてもよい。
【0116】
なお、撮像画像と視点関連情報とが個別のデータ(ファイル)とされる場合は、その撮像画像と視点関連情報の双方に同じ識別番号を付与することなどで、両者を関連付けることができる。また、撮像画像と視点関連情報とが1つのファイルにまとめられる場合、例えば、撮像画像のヘッダ等に視点関連情報が付与されるようにしてもよい。なお、視点関連情報が関連付けられる対象は、撮像画像(全体画像)であってもよいし、視点画像であってもよいし、視点画像の合成画像であってもよい。
【0117】
<全体画像の出力>
全体画像を出力する場合について説明する。全体画像の例を図5に示す。図5に示されるように、全体画像130には、各個眼光学系31に対応する個眼画像(各個眼光学系31を介して入射された被写体からの光を光電変換した画像)が含まれる。例えば、全体画像130の中央の画像が個眼光学系310に対応する個眼画像である。また、全体画像130の右上の画像が個眼光学系311に対応する個眼画像である。さらに、全体画像130の左上の画像が個眼光学系312に対応する個眼画像である。また、全体画像130の左下の画像が個眼光学系313に対応する個眼画像である。さらに、全体画像130の右下の画像が個眼光学系314に対応する個眼画像である。
【0118】
なお、この全体画像130は、イメージセンサ51により生成される撮像画像全体であってもよいし、その撮像画像より切り出された部分画像(ただし、全ての個眼画像を含む)であってもよい。また、この全体画像130は、RAWフォーマットの画像であってもよいし、YCフォーマットの画像であってもよい。
【0119】
視点領域情報により、全体画像130に対して各個眼画像の一部(有効な部分)が視点画像領域として指定される。例えば図5の場合、全体画像130の、点線枠で囲まれた領域が視点画像領域である。つまり、個眼光学系310に対応する個眼画像の一部(有効な部分)が視点画像領域1310として指定される。同様に、個眼光学系311に対応する個眼画像の一部(有効な部分)が視点画像領域1311として指定される。また、個眼光学系312に対応する個眼画像の一部(有効な部分)が視点画像領域1312として指定される。さらに、個眼光学系313に対応する個眼画像の一部(有効な部分)が視点画像領域1313として指定される。また、個眼光学系314に対応する個眼画像の一部(有効な部分)が視点画像領域1314として指定される。なお、以下において、視点画像領域1310乃至視点画像領域1314を互いに区別して説明する必要がない場合、視点画像領域131と称する。
【0120】
このような全体画像130を出力する場合、関連付け部70は、イメージセンサ51、RAW信号処理部52、または、カメラ信号処理部54からこの全体画像130を取得し、領域特定部56から供給される多眼光学系30に対応する視点関連情報を、その全体画像130に関連付ける。そして、関連付け部70は、その互いに関連付けた全体画像および視点関連情報を出力する。出力の例としては、例えば、記憶部62が、その互いに関連付けた全体画像および視点関連情報を記憶媒体63に記憶させてもよい。また、通信部64が、その互いに関連付けた全体画像および視点関連情報を送信してもよい。さらに、ファイル化部65が、その互いに関連付けた全体画像および視点関連情報をファイル化してもよい。
【0121】
なお、全体画像と視点関連情報との関連付けは、領域抽出部53において行われるようにしてもよい。つまり、領域抽出部53が、出力する全体画像に対して領域特定部56から供給された視点関連情報を関連付け、その互いに関連付けた全体画像および視点関連情報をバス60、RAW信号処理部52、またはカメラ信号処理部54に供給するようにしてもよい。
【0122】
この場合の視点関連情報は、撮像画像における複数の視点画像領域を示す視点領域情報を含む。視点領域情報は、視点画像領域をどのように表してもよい。例えば、撮像画像における個眼光学系31の光軸に対応する位置を示す座標(視点画像領域の中心座標)と視点画像(視点画像領域)の解像度(画素数)とにより、視点画像領域が表されるようにしてもよい。つまり、視点領域情報が、撮像画像における視点画像領域の中心座標と視点画像領域の解像度とを含むようにしてもよい。この場合、視点画像領域の中心座標とその視点画像領域の解像度(画素数)から、全体画像130の内の視点画像領域の場所を特定することができる。
【0123】
撮像画像にこのような視点関連情報を関連付けることにより、多眼マッチングによる奥行推定や、多眼光学系30の取り付け(設置)の際に生じる誤差の抑制のための処理等の後段処理のための事前処理としての視点画像の抽出において、この視点関連情報を用いることができる。例えば、画像再構成処理部57は、この視点関連情報に含まれる視点領域情報に基づいて各視点画像を抽出したうえで、多眼マッチングによる奥行推定や、リフォーカス処理、多眼光学系30の取り付け(設置)の際に生じる誤差の抑制のための処理等の後段処理を行うことができる。
【0124】
なお、全体画像130に視点関連情報が関連付けられていなくても、例えば画像再構成処理部57は、画像処理により、全体画像130に含まれる視点画像領域を特定することができる可能性があるが、撮像条件などによって撮像画像の内の視点画像領域を正確に特定することは困難な可能性がある。そこで、上述のように視点関連情報を全体画像130に関連付けることにより、画像再構成処理部57は、その視点関連情報に基づいて、より容易かつより正確に上述の全体画像130から視点画像領域を抽出することができる。
【0125】
<視点画像の出力>
次に、視点画像を出力する場合について説明する。図6は、切り出された視点画像の例を示す図である。図6において、視点画像1320は、全体画像130(図5)から視点画像領域1310を抽出した画像である。視点画像1321は、全体画像130から視点画像領域1311を抽出した画像である。視点画像1322は、全体画像130から視点画像領域1312を抽出した画像である。視点画像1323は、全体画像130から視点画像領域1313を抽出した画像である。視点画像1324は、全体画像130から視点画像領域1314を抽出した画像である。以下において、視点画像1320乃至視点画像1324を互いに区別して説明する必要がない場合、視点画像132と称する。
【0126】
このような視点画像を出力する場合、領域抽出部53は、この図6の例のように切り出した各視点画像132を、それぞれ独立したデータ(またはファイル)として出力する。
【0127】
例えば、領域抽出部53は、領域特定部56から供給された視点関連情報に従って撮像画像(全体画像)から視点画像を切り出す。領域抽出部53は、その切り出した各視点画像に、各視点を識別するための視点識別情報(例えば、識別番号)を割り当てる。領域抽出部53は、その視点識別情報を割り当てた各視点画像をカメラ信号処理部54に供給する。カメラ信号処理部54は、そのRAWフォーマットの各視点画像にカメラ信号処理を施し、YCフォーマットの各視点画像を生成する。カメラ信号処理部54は、そのYCフォーマットの各視点画像を関連付け部70に供給する。また、領域特定部56は、領域抽出部53に供給した視点関連情報を関連付け部70に供給する。
【0128】
関連付け部70は、各視点画像に対して、その視点画像に対応する視点関連情報を関連付ける。視点関連情報は、各視点を識別するための視点識別情報(例えば、視点識別番号)を含み得る。関連付け部70は、この視点識別情報に基づいて、各視点画像に対して、その視点画像に対応する視点関連情報を関連付ける。この視点識別情報を参照することにより、関連付け部70は、どの視点関連情報がどの視点画像に対応するかを容易に把握することができる。つまり、関連付け部70は、この視点識別情報を用いることにより、より容易に、各視点画像および視点関連情報を正しく関連付けることができる。
【0129】
そして、関連付け部70は、その互いに関連付けた各視点画像および視点関連情報を出力する。例えば、記憶部62が、その互いに関連付けた各視点画像および視点関連情報を記憶媒体63に記憶させてもよい。また、通信部64が、その互いに関連付けた各視点画像および視点関連情報を送信してもよい。さらに、ファイル化部65が、その互いに関連付けた各視点画像および視点関連情報をファイル化してもよい。
【0130】
なお、各視点画像と視点関連情報との関連付けは、領域抽出部53において行われるようにしてもよい。つまり、領域抽出部53が、出力する各視点画像に対して領域特定部56から供給された視点関連情報を関連付け、その互いに関連付けた各視点画像および視点関連情報をバス60、RAW信号処理部52、またはカメラ信号処理部54に供給するようにしてもよい。
【0131】
また、視点関連情報に、視点画像が抽出される撮像画像が撮像された時刻や順番を示す視点時刻情報が含まれるようにしてもよい。複数の撮像画像から抽出された視点画像が混在する場合や動画像や連写画像である場合、どの視点画像がどの撮像画像から抽出されたものであるかの識別が困難になるおそれがある。撮像画像の生成時刻や順番を示す視点時刻情報を視点画像に関連付けることにより、各視点画像に対応する撮像画像(各視点画像が抽出された撮像画像)の識別をより容易に行うことができる。換言するに、互いに同一の撮像画像から抽出された複数の視点画像をより容易に特定することができる。付言するに、記録されたファイルが一括管理されていない場合においても、同時刻の各視点画像を特定することができる。
【0132】
なお、視点画像の場合と同様に個眼画像を撮像画像から切り出し、処理したり記録したりしてもよい。
【0133】
<合成画像の出力>
次に、合成画像を出力する場合について説明する。図7は、各視点画像を合成した合成画像の例を示す図である。図7の例の場合、図6の例において抽出された視点画像1320乃至視点画像1324が1枚の画像内に並んで表示されるように合成されてなる1枚の合成画像133が生成されている。つまり、合成画像133は、各視点画像132が合成されて、1データ化(1フレーム化)、または、1ファイル化されたものである。
【0134】
なお、図7においては、合成画像133の視点画像1320乃至視点画像1324の周囲に余白領域が示されているが、合成画像133がこの余白領域を有していてもよいし、有していなくてもよい。また、合成画像133の形状は、矩形であればよく、各視点画像132の配置方法(並べ方)は任意である。図7の例のように、5枚の視点画像132を2行3列に並べる場合に生ずる空白領域(6枚目の視点画像132に相当する領域)は、null dataや固定値で表すようにしてもよい。
【0135】
例えば、領域抽出部53は、領域特定部56から供給された視点関連情報に従って撮像画像(全体画像)から視点画像を切り出す。領域抽出部53は、その切り出した各視点画像を1枚の画像内に並んで表示されるように合成して合成画像を生成する。その際、各視点画像の並び順(位置)を予め定めておくことにより、合成画像に含まれる各視点画像がどの視点の画像であるかを容易に把握することができる。
【0136】
また、各視点画像に視点識別情報(例えば、識別番号)を割り当ててから合成するようにしてもよい。この場合も同様に、合成画像に含まれる各視点画像がどの視点の画像であるかを容易に把握することができる。以下においては、合成画像における各視点画像の並び順が予め定められているものとする。
【0137】
領域抽出部53は、視点識別情報を割り当てた合成画像をカメラ信号処理部54に供給する。カメラ信号処理部54は、そのRAWフォーマットの合成画像にカメラ信号処理を施し、YCフォーマットの合成画像を生成する。カメラ信号処理部54は、そのYCフォーマットの合成画像を関連付け部70に供給する。また、領域特定部56は、領域抽出部53に供給した視点関連情報を関連付け部70に供給する。
【0138】
関連付け部70は、合成画像に対して視点関連情報を関連付ける。合成画像に含まれる各視点画像の視点は、合成画像におけるその視点画像の位置により明らかである。つまり、各視点画像が視点関連情報のどの視点領域情報に対応するかは、容易に把握することができる。
【0139】
そして、関連付け部70は、その互いに関連付けた合成画像および視点関連情報を出力する。例えば、記憶部62が、その互いに関連付けた合成画像および視点関連情報を記憶媒体63に記憶させてもよい。また、通信部64が、その互いに関連付けた合成画像および視点関連情報を送信してもよい。さらに、ファイル化部65が、その互いに関連付けた画像および視点関連情報をファイル化してもよい。
【0140】
なお、合成画像と視点関連情報との関連付けは、領域抽出部53において行われるようにしてもよい。つまり、領域抽出部53が、出力する合成画像に対して領域特定部56から供給された視点関連情報を関連付け、その互いに関連付けた合成画像および視点関連情報をバス60、RAW信号処理部52、またはカメラ信号処理部54に供給するようにしてもよい。
【0141】
<被写体の撮像>
例えば、図8の例のように、カメラ10を用いて被写体141および被写体142を撮像するとする。図8に示されるように、カメラ10から見て、被写体141の方が被写体142よりも近くに(手前側に)位置するものとする。
【0142】
図9に示される全体画像130は、その場合の、カメラ10において取り込み画像または撮像画像として得られる全体画像の一例である。図5の例の場合と同様に、この全体画像130には、各個眼光学系31に対応する(つまり各個眼光学系31を視点とする)個眼画像が含まれる。
【0143】
例えば、全体画像130の被写体1410および被写体1420は、イメージセンサ51が個眼光学系310を介して受光した光を光電変換して生成した被写体141および被写体142の画像である。つまり、被写体1410および被写体1420は、個眼光学系310を視点とする(個眼光学系310に対応する)被写体141および被写体142の画像である。また、全体画像130の被写体1411および被写体1421は、イメージセンサ51が個眼光学系311を介して受光した光を光電変換して生成した被写体141および被写体142の画像である。つまり、被写体1411および被写体1421は、個眼光学系311を視点とする(個眼光学系311に対応する)被写体141および被写体142の画像である。
【0144】
同様に、全体画像130の被写体1412および被写体1422は、イメージセンサ51が個眼光学系312を介して受光した光を光電変換して生成した被写体141および被写体142の画像である。つまり、被写体1412および被写体1422は、個眼光学系312を視点とする(個眼光学系312に対応する)被写体141および被写体142の画像である。また、全体画像130の被写体1413および被写体1423は、イメージセンサ51が個眼光学系313を介して受光した光を光電変換して生成した被写体141および被写体142の画像である。つまり、被写体1413および被写体1423は、個眼光学系313を視点とする(個眼光学系313に対応する)被写体141および被写体142の画像である。さらに、全体画像130の被写体1414および被写体1424は、イメージセンサ51が個眼光学系314を介して受光した光を光電変換して生成した被写体141および被写体142の画像である。つまり、被写体1414および被写体1424は、個眼光学系314を視点とする(個眼光学系314に対応する)被写体141および被写体142の画像である。
【0145】
<画像表示>
カメラ10は、画像を例えば表示パネル部33やビューファインダー部34に表示させることができる。例えば、ユーザがシャッタボタンを押下する等して被写体を撮像する前に構図の確認等を行うことができるように、カメラ10は、取り込み画像から表示用画像を生成し、その表示用画像をスルー画像として表示させることができる。カメラ10は、このような表示をイメージセンサ51が取り込んだ取り込み画像の毎フレームについて行う。ユーザは、このように表示された画像(表示画像とも称する)を確認しながらフレーミング(画角の調整)等を行うことにより、より容易にユーザの意図に応じた撮像を行うことができる。
【0146】
また、例えば、ユーザがシャッタボタンを押下する等して被写体を撮像した直後にその撮像結果(つまり、撮像画像)の確認を行うことができるように、カメラ10は、撮像画像から表示用画像を生成し、その表示用画像を確認用画像として表示させることができる。さらに、例えば、ユーザが過去に撮像し保存した撮像画像の確認を行うことができるように、カメラ10は、記憶媒体83等に保存された画像から表示用画像を生成し、その表示用画像を表示させることができる。
【0147】
一般的に、単眼の光学系を用いて撮像する場合、イメージセンサ51に結像される像全体がスルー画像として表示される。しかしながら、複数の個眼光学系31を用いて撮像された全体画像130(図9)の場合、各個眼光学系31を視点とする個眼画像が全体画像130に含まれるため、この全体画像130をスルー画像等として表示部61(表示パネル部33やビューファインダー部34等)に表示させると、単眼の光学系を用いて撮像する場合に比べて各個眼画像が非常に小さくなり、その表示された画像においてユーザによる被写体の視認が困難になるおそれがあった。そのため、例えば、その表示された画像に基づいて、ユーザが、画角(構図)の調整(フレーミング)等を行うことが困難になるおそれがあった。
【0148】
撮像画像の確認用画像や保存済みの画像の表示用画像を表示させる場合も同様であり、全体画像130では、その表示された画像においてユーザによる被写体の視認が困難になるおそれがあった。
【0149】
そこで、1つの個眼画像を切り出して表示する方法が考えられた。例えば図9の場合、被写体1410および被写体1420を含む領域を切り出し、その領域の画像をスルー画像等として表示部61(表示パネル部33やビューファインダー部34等)に表示させる。このようにすることにより、表示部61において、被写体を大きく表示させることができ、ユーザがより容易に被写体を視認することができる。
【0150】
しかしながら、この方法の場合、1つの個眼画像しか表示されないため、ユーザがその表示された画像に基づいて各個眼画像がどの程度の視差を持つかを確認することが困難であった。
【0151】
<複数個眼画像のローテーション表示>
そこで、表示する個眼画像を動的に切り替えるようにする。例えば、図9の全体画像130の場合、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1513、および個眼切り出し画像1514を切り出す。
【0152】
個眼切り出し画像1510は、個眼光学系310に対応する個眼画像の一部または全部であり、被写体1410および被写体1420を含む。個眼切り出し画像1511は、個眼光学系311に対応する個眼画像の一部または全部であり、被写体1411および被写体1421を含む。個眼切り出し画像1512は、個眼光学系312に対応する個眼画像の一部または全部であり、被写体1412および被写体1422を含む。個眼切り出し画像1513は、個眼光学系313に対応する個眼画像の一部または全部であり、被写体1413および被写体1423を含む。個眼切り出し画像1514は、個眼光学系314に対応する個眼画像の一部または全部であり、被写体1414および被写体1424を含む。
【0153】
以下において、個眼切り出し画像1514乃至個眼切り出し画像1514を互いに区別して説明する必要がない場合、個眼切り出し画像151と称する。また、切り出し前の画像(例えば全体画像130)における個眼切り出し画像151の領域を個眼切り出し領域とも称する。
【0154】
そして、このような各個眼切り出し画像151の一部または全部を、所定の順に動的に切り替えながら表示させる。例えば、図10に示されるように、各個眼切り出し画像151を、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1514の順に、繰り返し表示させる。
【0155】
各個眼切り出し画像151は、視点位置が異なるので、画像間で視差が生じる。したがって、図11に示されるように、個眼切り出し画像1510乃至個眼切り出し画像1514を互いに同じ位置に重畳させると、被写体1420乃至被写体1424の位置が互いにズレる。つまり、各個眼切り出し画像151を連続して表示すると、ユーザには、図11に示されるように、被写体142がブレているように見える。ユーザはこのブレの大きさにより、被写体がどの程度の視差をもって撮像されるのかを直感的に把握することができる。
【0156】
また、この場合、全体画像130を表示させる場合よりも、各個眼切り出し画像151を大きく表示させることができるので、視認性の低減を抑制することができる。したがって、この表示された画像に基づいて画角(構図)の調整(フレーミング)等をより容易に行うことができる。つまり、被写体の視認のしやすさとフレーミングのしやすさを実現するとともに、各個眼による画像の視差の把握の容易化を実現することができる。
【0157】
以上のように、光路が互いに独立している複数の個眼光学系を視点とする複数の画像の内のいずれか1つを選択的、かつ、動的に切り替えながら表示部で表示させる。
【0158】
例えば、情報処理装置において、光路が互いに独立している複数の個眼光学系を視点とする複数の画像の内のいずれか1つを選択的、かつ、動的に切り替えながら表示部で表示させる表示制御部を備えるようにする。
【0159】
また、例えば、プログラムにより、コンピュータを、光路が互いに独立している複数の個眼光学系を視点とする複数の画像の内のいずれか1つを選択的、かつ、動的に切り替えながら表示部で表示させる表示制御部として機能させるようにする。
【0160】
このようにすることにより、互いに異なる個眼光学系を視点とする複数の画像同士の視差をより容易に把握することができる。
【0161】
例えば、図10の例のように、その複数の画像の一部または全部を、所定の順に1つずつ選択して表示させるようにしてもよい。
【0162】
例えば、スルー画像を表示する場合、カメラ10(表示用画像生成部55)は、動画像である取り込み画像の各フレームから個眼切り出し画像151を1つずつ抽出し、表示させる。
【0163】
また、撮像画像が静止画像であるとするとその撮像画像の確認用画像を表示する場合、カメラ10(表示用画像生成部55)は、静止画像である撮像画像から複数の個眼切り出し画像151を抽出し、順次表示させる。保存済みの撮像画像を表示させる場合も同様である。なお、撮像画像が動画像である場合、カメラ10(表示用画像生成部55)は、スルー画像の場合と同様に、各フレームから個眼切り出し画像151を1つずつ抽出し、表示させる。
【0164】
<個眼切り出し領域>
次に、以上のように切り出す個眼切り出し領域について説明する。全体画像130において、各個眼画像の一部または全部の領域が、それぞれ個眼切り出し領域として設定される。つまり、全体画像130に設定される個眼切り出し領域の数と大まかな位置は、個眼画像と同様になる。
【0165】
個眼切り出し領域の大きさは、個眼画像を超えない範囲で任意である。例えば、個眼切り出し領域の大きさを視点画像領域と同一としてもよい。また、個眼切り出し領域の大きさは、可変としてもよい(例えばユーザが設定できるようにしてもよい)が、ここでは固定として説明する。さらに、表示画像の見やすさから、各個眼切り出し領域の大きさは互いに同一であることが望ましい。
【0166】
個眼切り出し領域の形状は任意である。ここでは矩形であるとして説明する。また、表示画像の見やすさから、各個眼切り出し領域の形状は互いに同一であることが望ましい。
【0167】
<個眼切り出し領域のシフト>
ところで、図9の例の場合、各個眼切り出し画像151において被写体141の位置が互いに同一である(中央に位置する)。したがって、これらの個眼切り出し画像151を連続して表示させた場合、図10の例のように、被写体141はブレない。つまり、所望の被写体の各個眼切り出し画像151における位置を互いに同一にすることにより、その被写体をブレないように表示させることができる。
【0168】
上述したように各個眼画像は視差を有しており、被写体の各個眼画像における位置は、その視差の方向にシフトする。つまり、各個眼切り出し領域の個眼画像における位置を、その視差の方向にシフトさせ、所望の被写体の各個眼切り出し画像151における位置を互いに同一にすることにより、その被写体をブレないように表示させることができる。
【0169】
このシフトの方向(視差の方向)は、個眼切り出し画像151(または個眼画像)の配置パタン、つまり、多眼光学系30における個眼光学系31のレイアウト(数や位置等)に依存する。
【0170】
ここで個眼画像の視差について説明する。一般的に、個眼画像間において、カメラ10に近い被写体程その視差は大きくなり、カメラ10から遠い被写体程その視差は小さくなる。例えば、図9の場合、各個眼画像の被写体141の位置ズレの方が、被写体142の位置ズレより大きい。
【0171】
したがって、個眼切り出し領域のシフト量を大きくする程、カメラ10により近い被写体のブレ幅を低減させることができ、個眼切り出し領域のシフト量を小さくする程、カメラ10からより遠い被写体のブレ幅を低減させることができる。つまり、個眼切り出し領域のシフト量は、ブレ幅を低減させる(典型的にはブレないように表示させる)被写体とカメラ10との距離に依存する。
【0172】
このシフト量をユーザやアプリケーション等が制御することができるようにしてもよい。上述のように、シフト量は、カメラ10から、表示画面においてブレ幅を低減させる被写体までの距離によって定まるので、ユーザやアプリケーションがこのシフト量を指定することにより、カメラ10からそのシフト量に対応する距離にある被写体のブレ幅を低減させることができる。
【0173】
例えば、図12に示されるように、このシフト量をベクトル情報(方向および大きさ)として指定するようにしてもよい。図12の例の場合、個眼切り出し画像1511の領域のシフトの方向および大きさが、ベクトル情報であるシフト量1611により指定される。同様に、個眼切り出し画像1512の領域のシフトの方向および大きさが、シフト量1612により指定され、個眼切り出し画像1513の領域のシフトの方向および大きさが、シフト量1613により指定され、個眼切り出し画像1514の領域のシフトの方向および大きさが、シフト量1614により指定される。以下において、シフト量1611乃至シフト量1614を互いに区別して説明する必要がない場合、シフト量161と称する。なお、個眼切り出し画像1510の領域は、全体画像130の中央に位置するので基準とし、シフトさせない(固定である)。
【0174】
例えば、ユーザやアプリケーションは、所望の被写体とカメラ10との距離に対応するシフト量161を設定する。例えば、ユーザやアプリケーションが距離を指定すると、その指定された距離に対応するシフト量161が設定されるようにしてもよい。この設定に応じて個眼切り出し領域がシフトされ、表示画像においてその所望の被写体のブレ幅が抑制される(典型的にはブレないようにすることができる)。つまり、カメラ10は、表示画像において、そのカメラ10から任意の距離にある被写体のブレ幅を低減させることができる。
【0175】
被写体142のブレ幅を低減させるように、個眼切り出し領域をシフトさせた場合の例を、図13に示す。図13の例の場合、個眼切り出し画像1510における被写体1420の位置、個眼切り出し画像1511における被写体1421の位置、個眼切り出し画像1512における被写体1422の位置、個眼切り出し画像1513における被写体1423の位置、並びに、個眼切り出し画像1514における被写体1424の位置が互いに同一である。つまり、各個眼切り出し画像151における被写体142の位置が互いに同一である。
【0176】
したがって、これらの個眼切り出し画像151を順次表示させた場合、その表示画像は、図14のようになる。つまり、カメラ10は、図14に示されるように、ユーザに、被写体142がブレずに見え、被写体141がブレて見えるように、個眼切り出し画像151を表示することができる。
【0177】
なお、カメラ10と被写体との距離の計測方法は、任意である。例えば、ユーザが目視でカメラ10と被写体との距離を計測し、指定してもよいし、距離計測センサ等によりカメラ10と被写体との距離を計測するようにしてもよい。
【0178】
なお、このシフト量は固定としてもよい。例えば、シフト量を、個眼光学系31(レンズ)の光学特性に応じた推奨撮影距離に対応した値等に固定してもよい。その場合、撮影者は、被写体の視差(つまり、表示画像における被写体の動き)が小さくなるように、カメラ10と被写体との距離を調整することで、推奨撮影距離に合致した距離で撮影を行うことができる。つまり、ユーザは、この表示機能を用いて、被写体との距離を簡易的に計測することができる。
【0179】
<切り替えの周期>
なお、以上のように表示させる個眼切り出し画像151を動的に切り替える場合に、その表示させる個眼切り出し画像151を所定の周期毎に切り替えるようにしてもよい。
【0180】
この切り替えの周期は任意である。例えば、毎フレーム(単数フレーム)であってもよいし、複数フレームであってもよい。
【0181】
また、この切り替えの周期をユーザ(撮影者)が切り替えることができるようにしてもよい。例えば、ユーザがカメラ10のダイヤル35やボタン36等の入力デバイスを操作することにより、その切り替え周期を設定することができるようにしてもよい。例えば、このように入力されたユーザにより切り替え周期の指定を制御部81が受け付け、その切り替え周期を示す制御情報を表示用画像生成部55に供給するようにしてもよい。
【0182】
<個眼切り出し画像の表示順>
なお、このような個眼切り出し画像151を動的に切り替えて表示させる場合の、個眼切り出し画像151の選択順(表示順)の例を図10に示したが、この選択順は任意であり、図10の例に限定されない。図10の例のように、カメラ10が全ての個眼切り出し画像151を順次表示するようにしてもよいし、図15の例のように、カメラ10が一部の個眼切り出し画像151を所定の順に表示するようにしてもよい。
【0183】
図15の例の場合、表示用画像生成部55は、個眼切り出し画像1510を抽出せず、表示させない。表示用画像生成部55は、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1514の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させる。
【0184】
つまり、この場合、表示用画像生成部55は、複数の個眼切り出し画像151の内、それらの相対的な位置関係において外周部に位置する個眼切り出し画像151(の一部または全部)を、所定の順に1つずつ抽出し、表示部61に表示させている。
【0185】
このようにすることにより、表示部61により表示された表示画像において、被写体142が四角形を描くように移動するように見える。したがって、ユーザがこの被写体142の動きを追う場合、ユーザの視線の移動方向が上下方向および左右方向に限定され、かつ、その向きも限定される。つまり、ユーザの視線の動きは四角形を描くような動きに単純化される。そのため、ユーザは、被写体142の位置がランダムに変化する場合に比べて、より容易に被写体142の動きを追うことができる。つまり、被写体142の見え方がよりスムーズになる。
【0186】
また、図15の例の場合、外周部の個眼切り出し画像151が表示されるので、この表示により、ブレて見える被写体142の位置が変化する範囲の全体が表現することができる。例えば、個眼切り出し画像1510および個眼切り出し画像1513のみを表示させても被写体142の位置が変化する範囲の一部しか表現することができない。例えば個眼切り出し画像1511における被写体142の位置は表現することができない。そのため、実際の視差がどの程度であるかを把握することが困難になるおそれがある。これに対して図15の例のように表示を行うことにより、ユーザは視差の大きさをより正確に把握することができる。
【0187】
また、図10図15に示されるような個眼切り出し画像151の表示の1周期の間に、1つの個眼切り出し画像151を複数回表示してもよい。例えば、図16図17に示されるような順で個眼切り出し画像151を抽出し、表示させるようにしてもよい。図16図17の例の場合、個眼切り出し画像151の表示の1周期の間に、個眼切り出し画像1510が2回表示される。
【0188】
また、複数の個眼切り出し画像151の一部または全部を、その複数の個眼切り出し画像151(の各視点)の相対的な位置関係において走査の軌跡が線対称となる順に、1つずつ選択して表示させるようにしてもよい。例えば図16に示されるように、表示用画像生成部55が、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1514の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させるようにしてもよい。
【0189】
このようにすることにより、表示画像において被写体142の動きが左右方向および上下方向に線対称に見える。したがって、ユーザがこの被写体142の動きを追う場合、ユーザの視線の動きも線対称となり、視点移動の連続性が向上する。そのため、ユーザは、被写体142の位置がランダムに変化する場合に比べて、より容易に被写体142の動きを追うことができる。つまり、被写体142の見え方がよりスムーズになる。
【0190】
また、複数の個眼切り出し画像151の一部または全部を、その複数の個眼切り出し画像151(の各視点)の相対的な位置関係において走査の軌跡が回転対称となる順に、1つずつ選択して表示させるようにしてもよい。例えば図17に示されるように、表示用画像生成部55が、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1511の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させるようにしてもよい。
【0191】
このようにすることにより、表示画像において被写体142の動きが回転対称(この場合点対称)に見える。したがって、ユーザがこの被写体142の動きを追う場合、ユーザの視線の動きも回転対称(点対象)となり視点移動の連続性が向上する。そのため、ユーザは、被写体142の位置がランダムに変化する場合に比べて、より容易に被写体142の動きを追うことができる。つまり、被写体142の見え方がよりスムーズになる。
【0192】
なお、図16図17の例の場合、全ての個眼切り出し画像151が表示されるので、ユーザは、例えばいずれか1つの個眼光学系31の異常(例えばレンズにゴミが付着している等)を確認することができる。
【0193】
また、個眼切り出し画像151の選択順(表示順)は、上述した例以外であってもよい。例えば、1周期の開始位置(最初の個眼切り出し画像151)が上述した例と異なっていてもよい。つまり、図10図15乃至図17の各例において、「0」以外の表示シーケンス番号から1周期を開始してもよい。
【0194】
また、上述の各例の選択順(表示順)のパタンを回転させてもよい。例えば、表示用画像生成部55が、図10の例のパタンを回転させ、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1512の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。また、例えば、表示用画像生成部55が、図16の例のパタンを回転させ、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1513の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。この場合も、表示画像において被写体142の動きは左右方向および上下方向に線対称に見える。さらに、例えば、表示用画像生成部55が、図17の例のパタンを回転させ、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1514の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。この場合、表示画像において被写体142の動きは、回転対称(点対称)に見える。
【0195】
さらに、上述の各例の選択順(表示順)のパタンを上下反転させてもよい。例えば、表示用画像生成部55が、図10の例のパタンを上下反転させ、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1511の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。また、例えば、表示用画像生成部55が、図15の例のパタンを上下反転させ、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1511の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。さらに、例えば、表示用画像生成部55が、図16の例のパタンを上下反転させ、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1511の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。また、例えば、表示用画像生成部55が、図17の例のパタンを上下反転させ、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1514の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。
【0196】
また、上述の各例の選択順(表示順)のパタンを左右反転させてもよい。例えば、表示用画像生成部55が、図10の例のパタンを左右反転させ、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1513の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。また、例えば、表示用画像生成部55が、図15の例のパタンを左右反転させ、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1513の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。さらに、例えば、表示用画像生成部55が、図16の例のパタンを左右反転させ、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1513の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。また、例えば、表示用画像生成部55が、図17の例のパタンを左右反転させ、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1512の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。
【0197】
もちろん、反転方向は任意であり、上述の上下方向および左右方向以外の方向(つまり斜め方向)であってもよい。
【0198】
さらに、上述の各例の選択順(表示順)の逆順に選択(表示)させてもよい。例えば、表示用画像生成部55が、図10の例のパタンの順序を逆転させ、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1510の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。また、例えば、表示用画像生成部55が、図15の例のパタンの順序を逆転させ、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1513の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。さらに、例えば、表示用画像生成部55が、図16の例のパタンの順序を逆転させ、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1510の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。また、例えば、表示用画像生成部55が、図17の例のパタンの順序を逆転させ、個眼切り出し画像1511、個眼切り出し画像1514、個眼切り出し画像1510、個眼切り出し画像1512、個眼切り出し画像1513、個眼切り出し画像1510の順に、それらの個眼切り出し画像151を取り込み画像(または撮像画像)から抽出し、表示部61に表示させてもよい。
【0199】
また、上述のようなパタンの回転や反転、順序の逆転等の各手法を適宜組み合わせてもよい。
【0200】
なお、以上のような個眼切り出し画像151の選択順(表示順)は、ユーザやアプリケーションが指定することができるようにしてもよい。例えば、ユーザがダイヤル35やボタン36を操作して、個眼切り出し画像151の選択順(表示順)を指定するようにしてもよい。また、例えば、アプリケーションがカメラ10の動作モード等に応じて、個眼切り出し画像151の選択順(表示順)を指定するようにしてもよい。例えば、個眼切り出し画像151の選択順(表示順)の候補が予め複数用意され、ユーザやアプリケーションがその中から適用する順を指定するようにしてもよい。また、ユーザやアプリケーションが任意の順の1周期を設定することができるようにしてもよい。
【0201】
<表示用画像生成部>
図18は、表示用画像生成部55(図3)の主な構成例を示すブロック図である。図18に示されるように、表示用画像生成部55は、表示個眼選択部201、シフト量決定部202、個眼切り出し領域設定部203、および切り出し処理部204を有する。
【0202】
表示個眼選択部201は、個眼画像の選択に関する処理を行う。つまり、表示個眼選択部201は、個眼光学系31の選択に関する処理を行う。つまり、表示個眼選択部201は、視点の選択に関する処理を行う。
【0203】
例えば、表示個眼選択部201は、領域特定部56から供給される視点関連情報(VIまたはVI')を取得することができる。この視点関連情報には、各個眼画像の領域(座標)を示す情報と、各個眼画像の識別情報とが含まれる。この識別情報はどのような情報であってもよいが、例えば、個眼画像を識別するための識別番号(個眼番号とも称する)であってもよい。以下においては、この識別情報として個眼番号が視点関連情報に含まれるものとして説明する。
【0204】
表示個眼選択部201は、この視点関連情報に基づいて、全体画像に含まれる個眼画像の数、並びに、各個眼画像の領域および個眼番号を把握することができる。したがって、表示個眼選択部201は、その視点関連情報に基づいて、表示用画像として表示させる個眼切り出し画像151を抽出する個眼画像を選択することができる。つまり、表示個眼選択部201は、この視点関連情報に基づいて、表示用画像が得られる個眼光学系31を選択することができる。つまり、表示個眼選択部201は、この視点関連情報に基づいて、表示用画像の視点を選択することができる。
【0205】
例えば、表示個眼選択部201は、この視点関連情報に基づいて、予め定められた所定の順、または、ユーザやアプリケーションにより指定された順に、個眼画像(、個眼光学系31、または視点)を選択する。例えば、表示個眼選択部201は、ユーザやアプリケーション等による指定を示す制御情報を制御部81から取得することができ、その制御情報に基づいて個眼画像の選択を行うようにしてもよい。例えば、表示個眼選択部201は、個眼画像の切り替えのパタン(選択順)や切り替え周期等に関する制御情報を制御部81から取得し、その制御情報に基づいて個眼画像の選択を行うようにしてもよい。
【0206】
表示個眼選択部201は、その選択した個眼画像を示す個眼番号を、シフト量決定部202および個眼切り出し領域設定部203に供給する。
【0207】
つまり、表示個眼選択部201は、光路が互いに独立している複数の個眼光学系を視点とする複数の個眼切り出し画像の内のいずれか1つを選択的、かつ、動的に切り替えながら表示部で表示させる。つまり、表示個眼選択部201は、表示用画像の表示制御を行う。
【0208】
シフト量決定部202は、個眼切り出し領域のシフト量(方向および大きさ)の決定に関する処理を行う。例えば、シフト量決定部202は、表示個眼選択部201から供給される個眼番号を取得することができる。この個眼番号は、表示させる個眼画像(すなわち個眼切り出し画像151を抽出する個眼画像)を指定する識別情報である。また、シフト量決定部202は、領域特定部56から供給される視点関連情報(VIまたはVI')を取得することができる。この視点関連情報には、各個眼画像の領域(座標)を示す情報と、各個眼画像の個眼番号とが含まれる。
【0209】
さらに、シフト量決定部202は、制御部81から供給されるシフト量制御情報を取得することができる。このシフト量制御情報は、シフト量の決定のために用いられる情報を含む。例えば、ユーザやアプリケーション等により指定された距離(カメラ10と被写体との距離)を示す情報が含まれていてもよい。また、例えば、シフト量を可変にするか固定にするか等、ユーザやアプリケーション等により指定された動作モードに関する情報が含まれていてもよい。例えば、制御部81は、ユーザやアプリケーションからシフト量に関する指定を受け付けると、その情報を含むシフト量制御情報を生成し、シフト量決定部202に供給する。
【0210】
シフト量決定部202は、供給された視点関連情報に基づいて各個眼画像の配置を把握し、供給された個眼番号に基づいて、そのうちのいずれの個眼画像が選択されたかを把握する。これにより、シフト量決定部202は、個眼切り出し領域のシフトの方向を決定することができる。また、シフト量決定部202は、シフト量制御情報に基づいて、個眼切り出し領域のシフトの大きさを決定することができる。例えば、シフト量決定部202は、シフト量の大きさを、シフト量制御情報において指定された距離に応じた大きさに決定することができる。
【0211】
シフト量決定部202は、以上のように個眼切り出し領域のシフトの方向おおよび大きさを決定し、シフト量(ベクトル情報)を生成することができる。シフト量決定部202は、そのシフト量を個眼切り出し領域設定部203に供給することができる。
【0212】
つまり、シフト量決定部202は、個眼切り出し領域の位置のシフト量(方向および大きさ)を制御することができる。
【0213】
個眼切り出し領域設定部203は、個眼切り出し領域の設定に関する処理を行う。例えば、個眼切り出し領域設定部203は、領域特定部56から供給される視点関連情報(VIまたはVI')を取得することができる。この視点関連情報には、各個眼画像の領域(座標)を示す情報と、各個眼画像の個眼番号とが含まれる。
【0214】
また、個眼切り出し領域設定部203は、表示個眼選択部201から供給される個眼番号を取得することができる。この個眼番号は、表示させる個眼画像(すなわち個眼切り出し画像151を抽出する個眼画像)を指定する識別情報である。
【0215】
さらに、個眼切り出し領域設定部203は、シフト量決定部202から供給されるシフト量(ベクトル情報)を取得することができる。このシフト量は、個眼切り出し領域のシフトの方向および大きさを示す情報である。
【0216】
個眼切り出し領域設定部203は、視点関連情報に基づいて、供給された個眼番号に対応する個眼画像の領域(例えば領域の中心座標と範囲(解像度))を特定することができる。そして、個眼切り出し領域設定部203は、その個眼画像に対応する画像切り出し領域(例えば領域の中心座標と範囲(解像度))の初期値を設定することができる。さらに、個眼切り出し領域設定部203は、シフト量に基づいて、その画像切り出し領域をシフトさせ、画像切り出し領域の位置を更新することができる。
【0217】
個眼切り出し領域設定部203は、このように設定した画像切り出し領域を示す座標情報である切り出し座標を切り出し処理部204に供給することができる。
【0218】
切り出し処理部204は、個眼切り出し画像の抽出に関する処理を行う。例えば、切り出し処理部204は、カメラ信号処理部54から供給される取り込み画像の全体画像を取得することができる。また、切り出し処理部204は、個眼切り出し領域設定部203から供給される切り出し座標を取得することができる。
【0219】
切り出し処理部204は、取得した取り込み画像(全体画像)から、切り出し座標により指定される領域を抽出することができる。切り出し処理部204は、その抽出した個眼切り出し画像を表示用画像(スルー画像)として、表示部61に供給することができる。
【0220】
つまり、切り出し処理部204は、表示個眼選択部201により選択された個眼画像と同一の個眼光学系を視点とする個眼画像から、個眼切り出し画像を切り出す。
【0221】
なお、切り出し処理部204は、視点画像や合成画像から個眼切り出し画像を抽出することもできる。その場合、切り出し処理部204は、視点画像や合成画像を取得する。
【0222】
また、表示用画像生成部55は、撮像画像の確認用画像や、保存済みの撮像画像の表示用画像を生成することもできる。その場合、切り出し処理部204は、カメラ信号処理部54や記憶部62から撮像画像を取得し、その撮像画像から個眼切り出し画像を抽出することができる。この撮像画像には、撮像画像から生成される全体画像、視点画像、および合成画像を含み得る。
【0223】
以上のような構成を備えることにより、表示用画像生成部55は、表示させる個眼画像を動的に切り替えることができる。これにより、ユーザはその表示画像を確認することにより、互いに異なる個眼光学系を視点とする複数の画像同士の視差をより容易に把握することができる。
【0224】
なお、切り出し処理部204が、RAWフォーマットの画像の個眼切り出し領域を切り出してRAWフォーマットの個眼切り出し画像を生成するようにしてもよい。その場合、そのRAWフォーマットの個眼切り出し画像に対して色分離処理やYC変換が行われ、YCフォーマットの個眼切り出し画像が生成されるようにし、そのYCフォーマットの個眼切り出し画像が表示部61に供給されるようにすればよい。例えば、切り出し処理部204が切り出したRAWフォーマットの個眼切り出し画像をカメラ信号処理部54に戻し、色分離処理やYC変換を行うようにしてもよい。
【0225】
<撮像処理の流れ>
次に、このようなカメラ10による画像表示に関する処理の流れについて説明する。なお、以下においては、スルー画像の表示を例に説明する。例えば、ユーザ等によりカメラ10の電源がオンにされたり、カメラ10の動作モードが撮像を行う撮像モードに切り替えられたりすると、撮像処理が開始される。図19は、この撮像処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0226】
撮像処理が開始されると、表示用画像生成部55の表示個眼選択部201、シフト量決定部202、および個眼切り出し領域設定部203は、ステップS101において、領域特定部56から供給される視点関連情報を取得し、セットする。
【0227】
ステップS102において、シフト量決定部202は、制御部81から供給されるシフト量制御情報を取得し、セットする。
【0228】
ステップS103において、表示用画像生成部55および表示部61は、スルー画像表示処理を実行し、スルー画像を生成し、表示する。このスルー画像表示処理の詳細については後述する。
【0229】
ステップS104において、制御部81は、撮像の準備を行うか否かを判定する。例えば、ユーザやアプリケーション等により、例えばフォーカス、絞り、撮像モードの制御等、撮像に関する制御が行われると、制御部81は、その制御に応じた撮像のための準備処理(撮像準備処理とも称する)を行うと判定する。その場合、処理はステップS105に進む。
【0230】
ステップS105において、制御部81は、光学系制御部84等、各処理部を適宜制御して撮像準備処理を行う。この撮像準備処理は、撮像に関する処理であればどのような処理であってもよい。例えば、フォーカスや絞りの調整、撮像モードの設定、フラッシュ等の設定、画質の設定等の内の少なくとも1つが含まれていてもよいし、これら以外の処理が含まれていてもよい。
【0231】
ステップS105の処理が終了すると処理はステップS106に進む。また、ステップS104において、撮像準備処理を行わないと判定された場合、処理はステップS106に進む。
【0232】
ステップS106において、制御部81は、撮像を行うか否かを判定する。例えば、ユーザにシャッタボタンを押下される等して、撮像を行うと判定された場合、処理はステップS107に進む。
【0233】
ステップS107において、イメージセンサ51、領域抽出部53、およびカメラ信号処理部54等は、被写体を撮像して撮像画像を生成し、その撮像画像から全体画像、視点画像、または合成画像を生成する。
【0234】
ステップS108において、記憶部62および通信部64は、ステップS107において生成された全体画像、視点画像、または合成画像を出力する。例えば、記憶部62は、その画像(全体画像、視点画像、合成画像)を記憶媒体63に記憶させる。また、通信部64は、その画像(全体画像、視点画像、合成画像)をカメラ10の外部のデバイスに供給する。なお、この画像は、ファイル化部65がファイル化してから出力されるようにしてもよい。
【0235】
ステップS108の処理が終了すると、処理はステップS109に進む。また、ステップS106において撮像を行わないと判定された場合、処理はステップS109に進む。
【0236】
ステップS109において、制御部81は、撮像処理を終了するか否かを判定する。撮像処理を終了しないと判定された場合、処理はステップS103に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0237】
つまり、ステップS103乃至ステップS109の各処理が、フレーム毎に実行される。そして、ステップS109において、撮像処理を終了すると判定された場合、撮像処理が終了する。
【0238】
<スルー画像表示処理の流れ>
次に、図20のフローチャートを参照して、図19のステップS103において実行されるスルー画像表示処理の流れの例を説明する。なお、ここでは、取り込み画像の全体画像から個眼切り出し画像を抽出する場合について説明する。
【0239】
スルー画像表示処理が開始されると、表示個眼選択部201は、ステップS121において、表示個眼選択処理を実行し、視点関連情報等に基づいて、表示する個眼画像を選択する。
【0240】
ステップS122において、シフト量決定部202は、視点関連情報およびシフト量制御情報等に基づいて、ステップS121において選択された個眼画像から抽出する個眼切り出し領域のシフト量(方向および大きさ)を決定する。
【0241】
ステップS123において、個眼切り出し領域設定部203は、視点関連情報や、ステップS122において設定されたシフト量等に基づいて、ステップS121において選択された個眼画像から抽出する個眼切り出し領域(切り出し座標)を設定する。
【0242】
ステップS124において、切り出し処理部204は、領域抽出部53により生成される取り込み画像の全体画像を取得する。
【0243】
ステップS125において、切り出し処理部204は、ステップS124において取得した全体画像からステップS123において設定された個眼切り出し領域を切り出し、個眼切り出し画像を生成する。
【0244】
ステップS126において、表示部61は、以上のように抽出された個眼切り出し画像をスルー画像として表示する。
【0245】
ステップS126の処理が終了すると、スルー画像表示処理が終了し、処理は図19に戻る。
【0246】
<表示個眼選択処理の流れ>
次に、図20のステップS121において実行される表示個眼選択処理の流れの例を、図21のフローチャートを参照して説明する。
【0247】
表示個眼選択処理が開始されると、表示個眼選択部201は、ステップS141において、表示済みフレーム数が個眼切り替え周期に達したか否かを判定する。ここで表示済みフレーム数は、同一の個眼切り出し画像を何フレーム表示したかを示す変数である。また、個眼切り替え周期は、同一の個眼切り出し画像を何フレーム表示させるかを指定する設定値である。この個眼切り替え周期は、予め定められている固定値であってもよいし、ユーザやアプリケーション等により設定することができてもよい。
【0248】
表示済みフレーム数が個眼切り替え周期に達したと判定された場合、すなわち、表示する個眼切り出し画像を切り替えるタイミング(フレーム)になったと判定された場合、処理はステップS142に進む。
【0249】
ステップS142において、表示個眼選択部201は、表示済みフレーム数(変数)を初期値(例えば「1」)に設定する。なお、この初期値は任意であり、例えば「0」等、「1」以外であってもよい。
【0250】
ステップS143において、表示個眼選択部201は、表示シーケンス番号を更新する。表示シーケンス番号は、個眼切り出し画像の切り替えパタンにおける表示順を示す番号(変数)であり、以下の式(1)のように更新される。
【0251】
表示シーケンス番号=(表示シーケンス番号+1) mod 表示シーケンス数
・・・(1)
【0252】
ここで、表示シーケンス数は、個眼切り出し画像の切り替えパタンの1周期を構成する個眼切り出し画像の数である。表示シーケンス番号は、その1周期のシーケンスの内の、現在の処理対象となる順番を示す番号である。
【0253】
例えば、図10の場合、個眼切り出し画像151の切り替えパタンの1周期は、5枚の個眼切り出し画像151により構成される。したがって、この場合の表示シーケンス数は「5」であり、表示シーケンス番号は「0」乃至「4」のいずれか(つまり5つの値の内のいずれか)となる。図15の例の場合、個眼切り出し画像151の切り替えパタンの1周期は、4枚の個眼切り出し画像151により構成される。したがって、この場合の表示シーケンス数は「4」であり、表示シーケンス番号は「0」乃至「3」のいずれか(つまり4つの値の内のいずれか)となる。図16および図17の例の場合、個眼切り出し画像151の切り替えパタンの1周期は、6枚の個眼切り出し画像151により構成される。したがって、この場合の表示シーケンス数は「6」であり、表示シーケンス番号は「0」乃至「5」のいずれか(つまり6つの値の内のいずれか)となる。
【0254】
式(1)において、関数modは、除算の余りを示す。つまり、ステップS143の処理により表示シーケンス数の値は、1ずつインクリメントされ、表示シーケンス数に達すると「0」に戻される。つまり、例えば図10の場合、表示シーケンス番号は、「0」→「1」→「2」→「3」→「4」→「0」→・・・のように、「0」乃至「4」の値を繰り返す。
【0255】
ステップS144において、表示個眼選択部201は、ステップS143の処理により更新された表示シーケンス番号に対応する個眼番号をテーブル情報から取得する。表示個眼選択部201は、個眼切り出し画像の切り替えパタンの1周期を示すテーブル情報を有している。このテーブル情報は、どの個眼画像(個眼切り出し画像)をどの順で表示させるかを示す情報であり、各表示シーケンス番号と個眼番号との対応関係を示す。表示個眼選択部201は、そのテーブル情報に基づいて、更新後の表示シーケンス番号に対応する個眼番号を特定する。
【0256】
なお、個眼切り出し画像の切り替えパタンが可変である場合、つまり、ユーザやアプリケーション等により適用するパタンを設定することができる場合、表示個眼選択部201は、その適用されたパタンに対応するテーブル情報に基づいて個眼番号を特定するようにしてもよい。例えば、表示個眼選択部201は、予め複数種類のテーブル情報を候補として有しており、制御部81からの指示(ユーザやアプリケーション等によるパタンの指定)に対応するテーブル情報をその候補の中から選択するようにしてもよい。
【0257】
また、制御部81からの情報に基づいて、表示個眼選択部201は、適用されたパタンに対応するテーブル情報を生成するようにしてもよい。例えば、表示個眼選択部201が、縦方向最大の座標を持つ個眼、横向最大の座標を持つ個眼、縦方向最小の座標を持つ個眼、横向最小の座標を持つ個眼、のような基準で、テーブル情報を生成してもよい。
【0258】
ステップS145において、表示個眼選択部201は、その個眼番号を表示個眼番号とする。表示個眼番号は、表示させる個眼画像を示す個眼番号である。つまり、表示個眼選択部201は、この表示個眼番号を、シフト量決定部202や個眼切り出し領域設定部203に供給する。
【0259】
ステップS145の処理が終了すると、表示個眼選択処理が終了し、処理は図20に戻る。
【0260】
また、ステップS141において、表示済みフレーム数が個眼切り替え周期に達していないと判定された場合、すなわち、表示する個眼切り出し画像を切り替えるタイミング(フレーム)でないと判定された場合、処理はステップS146に進む。
【0261】
ステップS146において、表示個眼選択部201は、個眼切り出し画像を切り替えずに(更新せずに)、表示済みフレーム数(変数)を「+1」インクリメントする。
【0262】
ステップS147において、表示個眼選択部201は、前回(1つ前のフレーム)の表示個眼番号を今回の表示個眼番号とする。つまり、表示個眼番号を更新しない。これにより、表示個眼選択部201は、1つ前のフレームと同じ表示個眼番号を、シフト量決定部202や個眼切り出し領域設定部203に供給する。
【0263】
ステップS147の処理が終了すると、表示個眼選択処理が終了し、処理は図20に戻る。
【0264】
以上のように各処理を実行することにより、表示用画像生成部55は、表示させる個眼画像を動的に切り替えることができる。これにより、ユーザはその表示画像を確認することにより、互いに異なる個眼光学系を視点とする複数の画像同士の視差をより容易に把握することができる。
【0265】
なお、撮像画像の確認用画像や、保存済みの撮像画像を表示させる場合は、撮像画像に対して、上述したスルー画像表示処理と同様の処理を行えば良い。
【0266】
<個眼数>
なお、多眼光学系30を構成する個眼光学系31の数(個眼数)は、複数であればよく、上述の5眼(5つの個眼光学系31)に限定されない。個眼数は、奇数であってもよいし、偶数であってもよい。また、各個眼光学系31の配置パタン(相対位置関係)も任意である。
【0267】
<7眼>
例えば、個眼数が7眼(7つの個眼光学系31)であってもよい。その場合のカメラ10により生成される取り込み画像(または撮像画像)の全体画像の例を図22に示す。
【0268】
図22に示されるように、この場合の全体画像130には、被写体141および被写体142が7つずつ含まれる。つまり、この全体画像130には、7つの個眼画像が含まれる。つまりこの全体画像130の場合、図22に示される個眼切り出し画像1510乃至個眼切り出し画像1516のように、7種類の個眼切り出し画像151を抽出することができる。
【0269】
この場合も、個眼切り出し画像の切り替えパタンは、5眼の場合と同様、任意である。例えば、全個眼光学系31を1回ずつ選択する切り替えパタンとしてもよい。例えば、個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1512 → 個眼切り出し画像1513 → 個眼切り出し画像1514 → 個眼切り出し画像1515 → 個眼切り出し画像1516( → 個眼切り出し画像1510)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。
【0270】
また、例えば、これらの個眼切り出し画像151の内、それらの相対的な位置関係において外周部に位置する個眼切り出し画像151(の一部または全部)を選択する切り替えパタンとしてもよい。例えば、個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1512 → 個眼切り出し画像1513 → 個眼切り出し画像1514 → 個眼切り出し画像1515 → 個眼切り出し画像1516( → 個眼切り出し画像1511)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。
【0271】
さらに、例えば、これらの個眼切り出し画像151の一部または全部を、それらの相対的な位置関係において走査の軌跡が任意の方向に対して線対称となる順に、1つずつ選択する切り替えパタンとしてもよい。例えば、上下方向に線対称であってもよいし、左右方向に線対称であってもよいし、斜め方向に線対称であってもよい。例えば、個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1512 → 個眼切り出し画像1513 → 個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1514 → 個眼切り出し画像1515 → 個眼切り出し画像1516 → ( → 個眼切り出し画像1510)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。
【0272】
また、例えば、これらの個眼切り出し画像151の一部または全部を、それらの相対的な位置関係において走査の軌跡が回転対称(例えば点対称)となる順に、1つずつ選択する切り替えパタンとしてもよい。例えば、個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1512 → 個眼切り出し画像1513 → 個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1516 → 個眼切り出し画像1515 → 個眼切り出し画像1514 → ( → 個眼切り出し画像1510)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。また、例えば、個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1512 → 個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1513 → 個眼切り出し画像1514 → 個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1515 → 個眼切り出し画像1516( → 個眼切り出し画像1510)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。
【0273】
さらに、例えば、これらの個眼切り出し画像151の一部または全部を、上下方向の最大視差を把握することができ、かつ、左右方向の最大視差を把握することができるように選択する最小構成の切り替えパタンとしてもよい。例えば、個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1512 → 個眼切り出し画像1514 → 個眼切り出し画像1515( → 個眼切り出し画像1511)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。つまり、複数の個眼切り出し画像のうち、個眼切り出し画像同士の視差が他の画像同士の視差より大きくなる複数の画像を選択し、選択した複数の画像を、1つずつ選択して表示させるようにしてもよい。
【0274】
5眼の場合と同様に、上述の各例の選択順(表示順)のパタンを回転させてもよい。また、上述の各例の選択順(表示順)のパタンを任意の方向(上下方向、左右方向、または斜め方向)に反転させてもよい。さらに、上述の各例の選択順(表示順)の逆順に選択(表示)させてもよい。また、上述のようなパタンの回転や反転、順序の逆転等の各手法を適宜組み合わせてもよい。そして、上述の各例のパタンは、ユーザやアプリケーションが指定することができるようにしてもよい。
【0275】
<9眼>
例えば、個眼数が9眼(9つの個眼光学系31)であってもよい。その場合のカメラ10により生成される取り込み画像(または撮像画像)の全体画像の例を図23に示す。
【0276】
図23に示されるように、この場合の全体画像130には、被写体141および被写体142が9つずつ含まれる。つまり、この全体画像130には、9つの個眼画像が含まれる。つまりこの全体画像130の場合、図23に示される個眼切り出し画像1510乃至個眼切り出し画像1518のように、9種類の個眼切り出し画像151を抽出することができる。
【0277】
この場合も、個眼切り出し画像の切り替えパタンは、5眼の場合と同様、任意である。例えば、全個眼光学系31を1回ずつ選択する切り替えパタンとしてもよい。例えば、個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1512 → 個眼切り出し画像1513 → 個眼切り出し画像1514 → 個眼切り出し画像1515 → 個眼切り出し画像1516 → 個眼切り出し画像1517 → 個眼切り出し画像1518 ( → 個眼切り出し画像1510)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。
【0278】
また、例えば、これらの個眼切り出し画像151の内、それらの相対的な位置関係において外周部に位置する個眼切り出し画像151(の一部または全部)を選択する切り替えパタンとしてもよい。例えば、個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1512 → 個眼切り出し画像1513 → 個眼切り出し画像1514 → 個眼切り出し画像1515 → 個眼切り出し画像1516 → 個眼切り出し画像1517 → 個眼切り出し画像1518( → 個眼切り出し画像1511)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。
【0279】
さらに、例えば、これらの個眼切り出し画像151の一部または全部を、それらの相対的な位置関係において走査の軌跡が任意の方向に対して線対称となる順に、1つずつ選択する切り替えパタンとしてもよい。例えば、上下方向に線対称であってもよいし、左右方向に線対称であってもよいし、斜め方向に線対称であってもよい。例えば、個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1518 → 個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1512 → 個眼切り出し画像1513 → 個眼切り出し画像1514 → 個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1514 → 個眼切り出し画像1515 → 個眼切り出し画像1516 → 個眼切り出し画像1517 → 個眼切り出し画像1518( → 個眼切り出し画像1510)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。
【0280】
また、例えば、これらの個眼切り出し画像151の一部または全部を、それらの相対的な位置関係において走査の軌跡が回転対称(例えば点対称)となる順に、1つずつ選択する切り替えパタンとしてもよい。例えば、個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1518 → 個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1512 → 個眼切り出し画像1513 → 個眼切り出し画像1514 → 個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1518 → 個眼切り出し画像1517 → 個眼切り出し画像1516 → 個眼切り出し画像1515 → 個眼切り出し画像1514( → 個眼切り出し画像1510)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。また、例えば、個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1512 → 個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1513 → 個眼切り出し画像1514 → 個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1515 → 個眼切り出し画像1516 → 個眼切り出し画像1510 → 個眼切り出し画像1517 → 個眼切り出し画像1518( → 個眼切り出し画像1510)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。
【0281】
さらに、例えば、これらの個眼切り出し画像151の一部または全部を、上下方向の最大視差を把握することができ、かつ、左右方向の最大視差を把握することができるように選択する切り替えパタンとしてもよい。例えば、個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1513 → 個眼切り出し画像1515 → 個眼切り出し画像1517( → 個眼切り出し画像1511)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。
【0282】
さらに、例えば、これらの個眼切り出し画像151の一部または全部を、上下方向の最大視差を把握することができ、かつ、左右方向の最大視差を把握することができるように選択する横8の字の切り替えパタンとしてもよい。例えば、個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1513 → 個眼切り出し画像1517 → 個眼切り出し画像1515( → 個眼切り出し画像1511)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。
【0283】
さらに、例えば、これらの個眼切り出し画像151の一部または全部を、上下方向の最大視差を把握することができ、かつ、左右方向の最大視差を把握することができるように選択する最小構成の切り替えパタンとしてもよい。例えば、個眼切り出し画像1511 → 個眼切り出し画像1515( → 個眼切り出し画像1511)の順に切り替えるパタンを1周期としてもよい。
【0284】
5眼の場合と同様に、上述の各例の選択順(表示順)のパタンを回転させてもよい。また、上述の各例の選択順(表示順)のパタンを任意の方向(上下方向、左右方向、または斜め方向)に反転させてもよい。さらに、上述の各例の選択順(表示順)の逆順に選択(表示)させてもよい。また、上述のようなパタンの回転や反転、順序の逆転等の各手法を適宜組み合わせてもよい。そして、上述の各例のパタンは、ユーザやアプリケーションが指定することができるようにしてもよい。
【0285】
<2.第2の実施の形態>
<カメラシステム>
第1の実施の形態においては、多眼光学系30を備えるカメラ10を例に本技術を説明したが、本技術はその他の構成にも適用することができる。例えば、多眼光学系30を含む光学系を交換可能としてもよい。つまり、多眼光学系30は、カメラ10から着脱可能に構成されるようにしてもよい。
【0286】
<カメラシステムの外観>
図24は、本技術を適用したカメラシステムの一実施の形態の構成例を示す斜視図である。図24に示されるカメラシステム301は、カメラ本体310と多眼交換レンズ320(レンズ部)とで構成される。多眼交換レンズ320がカメラ本体310に装着された状態においてカメラシステム301は、カメラ10と同様の構成となり、基本的に同様の処理を行う。つまり、カメラシステム301は、カメラ10と同様の、被写体を撮像して撮像画像の画像データを生成する撮像装置として機能する。
【0287】
カメラ本体310は、多眼交換レンズ320が着脱可能なようになっている。すなわち、カメラ本体310は、カメラマウント311を有し、そのカメラマウント311に対して、多眼交換レンズ320(のレンズマウント322)が取り付けられることで、カメラ本体310に、多眼交換レンズ320が装着される。なお、カメラ本体310に対しては、多眼交換レンズ320以外の一般的な交換レンズも着脱することができるようにされてもよい。
【0288】
カメラ本体310は、イメージセンサ51を内蔵する。イメージセンサ51は、カメラ本体310(のカメラマウント311)に装着された多眼交換レンズ320その他の交換レンズによって集光される光線を受光して光電変換を行うことにより被写体を撮像する。
【0289】
多眼交換レンズ320は、鏡筒321およびレンズマウント322を有する。また、多眼交換レンズ320は、複数としての5個の個眼光学系310,311,312,313、および、314を有する。
【0290】
カメラ10の場合と同様に、この場合の複数の個眼光学系31は、それぞれを通過する光の光路が互いに独立するように構成される。つまり、各個眼光学系31を通過した光は、他の個眼光学系31に入射せずにイメージセンサ51の受光面(例えば有効画素領域)の互いに異なる位置に照射する。少なくとも、各個眼光学系31の光軸は、イメージセンサ51の受光面の互いに異なる場所に位置しており、各個眼光学系31を通過した光の少なくとも一部が、イメージセンサ51の受光面の互いに異なる位置に照射する。
【0291】
したがって、カメラ10の場合と同様に、イメージセンサ51により生成される撮像画像(イメージセンサ51の出力する画像全体)には、各個眼光学系31を介して結像された被写体の画像が互いに異なる位置に形成される。換言するに、その撮像画像から、各個眼光学系31を視点とする撮像画像(視点画像とも称する)が得られる。つまり、多眼交換レンズ320をカメラ本体310に装着して被写体を撮像することにより、複数の視点画像を得ることができる。
【0292】
鏡筒321は、略円筒状をしており、その円筒状の1つの底面側に、レンズマウント322が形成されている。レンズマウント322は、多眼交換レンズ320がカメラ本体310に装着されるときに、カメラ本体310のカメラマウント311に取り付けられる。
【0293】
5個の個眼光学系31は、鏡筒光軸に直交する(イメージセンサ51の受光面(撮像面)に平行な)2次元平面上において、個眼光学系310を中心(重心)として、他の4個の個眼光学系311乃至個眼光学系314が、長方形の頂点を構成するように配置される形で、多眼交換レンズ320に設けられている。もちろん、図24に示される配置は一例であり、各個眼光学系31の位置関係は、光路が互いに独立している限り任意である。
【0294】
<カメラシステムの電気的構成例>
図25は、図24のカメラシステム301の電気的構成例を示すブロック図である。
【0295】
<カメラ本体>
カメラシステム301において、カメラ本体310は、イメージセンサ51、RAW信号処理部52、領域抽出部53、カメラ信号処理部54、表示用画像生成部55、領域特定部56、画像再構成処理部57、バス60、表示部61、記憶部62、通信部64、ファイル化部65、制御部81、および記憶部82を有する。つまり、カメラ本体310は、カメラ10の鏡筒20の部分に設けられる多眼光学系30および光学系制御部84以外の構成を有する。
【0296】
なお、カメラ本体310は、上述の構成に加え、通信部341を有する。この通信部341は、カメラ本体310に正しく装着された状態の多眼交換レンズ320(の通信部351)と通信を行い、情報の授受等を行う処理部である。通信部341は、任意の通信方式で多眼交換レンズ320と通信を行うことができる。その通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0297】
例えば、通信部341は、制御部81により制御され、その通信を行い、多眼交換レンズ320から供給される情報を取得する。また、例えば、通信部341は、その通信により、制御部81から供給される情報を多眼交換レンズ320に供給する。この多眼交換レンズ320と授受する情報は任意である。例えば、データであってもよいし、コマンドや制御パラメータ等の制御情報であってもよい。
【0298】
<多眼交換レンズ>
カメラシステム301において、多眼交換レンズ320は、多眼光学系30および光学系制御部84の他に、通信部351および記憶部352を有する。通信部351は、カメラ本体310に正しく装着された状態の多眼交換レンズ320において、通信部341と通信を行う。この通信により、カメラ本体310と多眼交換レンズ320との間の情報の授受を実現する。通信部351の通信方式は、任意であり、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。また、この通信により授受される情報は、データであってもよいし、コマンドや制御パラメータ等の制御情報であってもよい。
【0299】
例えば、通信部351は、通信部341を介してカメラ本体310から送信される制御情報を取得する。通信部351は、このように取得した情報を、必要に応じて、光学系制御部84に供給し、多眼光学系30の制御に利用させることができる。
【0300】
また、通信部351は、その取得した情報を記憶部352に供給し、記憶媒体353に記憶させることができる。また、通信部351は、記憶媒体353に記憶されている情報を、記憶部352を介して読み出し、それをカメラ本体310(通信部341)に送信することができる。
【0301】
なお、記憶媒体353は、ROMであってもよいし、RAMやフラッシュメモリ等のような書き換え可能なメモリであってもよい。書き換え可能なメモリの場合、記憶媒体353は、任意の情報を記憶することができる。
【0302】
<視点関連情報の記憶1>
このような構成のカメラシステム301において、多眼交換レンズ320(すなわち、多眼光学系30)に対応する視点関連情報の記憶場所は任意である。例えば、多眼交換レンズ320の記憶媒体353に記憶されていてもよい。そして、例えば、カメラ本体310の制御部81が、通信部351および通信部341を介して記憶部352にアクセスし、その記憶媒体353からその視点関連情報を読み出させてもよい。そして、その視点関連情報が制御部81を介して領域特定部56にセットされ、さらに、表示用画像生成部55にセットされるようにしてもよい。
【0303】
例えば、多眼交換レンズ320をカメラ本体310に正しく装着した際、カメラシステム301に電源を投入した際、または、カメラシステム301の駆動モードが、被写体の撮像を行い得る撮像モードに移行した際等の、撮像より時間的に前の任意のタイミングまたはきっかけにおいて、このような処理が行われてもよい。
【0304】
このようにすることにより、カメラ本体310は、多眼交換レンズ320(すなわち、多眼光学系30)に対応する視点関連情報を用いて、視点画像を利用した画像処理を行うことができる。つまり、表示用画像生成部55は、カメラ本体310に装着された多眼交換レンズ320に対応し、正しく個眼画像を選択したり、適切に個眼切り出し領域のシフト量をセットしたりすることができる。つまり、このカメラシステム301の場合も、カメラ10の場合と同様に、表示用画像生成部55は、表示させる個眼画像を動的に切り替えることができる。これにより、カメラ500は、カメラ10の場合と同様の表示を行うことができる。したがって、ユーザはその表示画像を確認することにより、互いに異なる個眼光学系を視点とする複数の画像同士の視差をより容易に把握することができる。
【0305】
<視点関連情報の記憶2>
また、制御部81が、多眼交換レンズ320から取得したその多眼交換レンズ320の視点関連情報を、その多眼交換レンズ320の識別情報(以下、IDと称する)とともに記憶部82に供給し、記憶させてもよい。その場合、記憶部82は、供給された識別情報と視点関連情報とを対応付けて記憶媒体83に記憶させる。つまり、カメラ本体310において、多眼交換レンズ320の視点関連情報とIDとを管理することができる。したがって、カメラ本体310は、複数の多眼交換レンズ320の視点関連情報を管理することができる。
【0306】
このようにすることにより、制御部81は、次回からは多眼交換レンズ320のIDを取得することにより、記憶部82(記憶媒体83)からそのIDに対応する視点関連情報を読み出すことができる。つまり、制御部81は、多眼交換レンズ320に対応する視点関連情報を容易に取得することができる。
【0307】
<視点関連情報の記憶3>
また、記憶媒体83が、予め、複数の多眼交換レンズ320の視点関連情報を、その多眼交換レンズ320のIDに関連付けて記憶していてもよい。つまり、この場合、カメラ本体310が、予め、複数の多眼交換レンズ320の視点関連情報を管理している。
【0308】
このようにすることにより、制御部81は、カメラ本体310に正しく装着された多眼交換レンズ320のIDを用いて、記憶部82(記憶媒体83)からそのIDに対応する視点関連情報を容易に読み出すことができる。
【0309】
<3.第3の実施の形態>
<複数イメージセンサ>
なお、以上においては、複数の個眼光学系31を通過した光を1つのイメージセンサ51が受光し、光電変換を行って撮像画像を生成するように説明したが、これに限らず、各個眼光学系31を通過した光を互いに異なるイメージセンサが受光するようにしてもよい。その場合の構成例を図26に示す。
【0310】
図26において、カメラ500は、本技術を適用した撮像装置の一実施の形態である。カメラ500は、基本的に、カメラ10と同様の装置であり、カメラ10と同様の構成を有し、同様の処理を行う。ただし、カメラ500は、カメラ10の多眼光学系30およびイメージセンサ51の代わりに、個眼撮像部5110乃至個眼撮像部5114を有する。個眼撮像部5110は、個眼光学系310およびイメージセンサ510を有する。個眼撮像部5111は、個眼光学系311およびイメージセンサ511を有する。個眼撮像部5112は、個眼光学系312およびイメージセンサ512を有する。個眼撮像部5113は、個眼光学系313およびイメージセンサ513を有する。個眼撮像部5114は、個眼光学系314およびイメージセンサ514を有する。なお、以下において、個眼撮像部5110乃至個眼撮像部5114を互いに区別して説明する必要が無い場合、個眼撮像部511と称する。
【0311】
つまり、カメラ500は、複数の個眼撮像部511を有する。各個眼撮像部511の個眼光学系31を通過した光は、その個眼撮像部511のイメージセンサ51に入射し、光電変換され、撮像画像が生成される。つまり、各個眼撮像部511において、個眼画像の撮像画像が生成される。各個眼撮像部511のイメージセンサ51において生成された撮像画像(個眼画像)は、それぞれ、図3の場合と同様に、RAW信号処理部52、領域抽出部53、領域特定部56、バス60等に供給される。
【0312】
また、この場合、光学系制御部84は、図3の場合と同様に、各個眼撮像部511の個眼光学系31のレンズ群や絞り等を制御する。また、制御部81は、各個眼撮像部511(のイメージセンサ51)を制御し、被写体を撮像させる。
【0313】
このような構成の場合、カメラ信号処理部54は、個眼画像を表示用画像生成部55に供給する。表示用画像生成部55は、その個眼画像から表示用画像を生成する。この場合も、表示用画像生成部55は、表示用画像とする個眼画像を動的に切り替える。これにより、カメラ500は、カメラ10の場合と同様の表示を行うことができる。したがって、ユーザはその表示画像を確認することにより、互いに異なる個眼光学系を視点とする複数の画像同士の視差をより容易に把握することができる。
【0314】
<表示用画像生成部>
図27は、この場合の表示用画像生成部55の主な構成例を示すブロック図である。図27に示されるように、この場合、表示用画像生成部55は、図18に示したカメラ10の場合の構成に加え、画像選択部521を有する。
【0315】
画像選択部521は、カメラ信号処理部54から供給される各個眼画像(各個眼撮像部511において生成された撮像画像)を取得し、保持する。そして、画像選択部521は、表示個眼選択部201から供給される個眼番号(表示個眼選択部201により選択された個眼画像を示す個眼番号)を取得すると、その個眼番号に対応する個眼画像を切り出し処理部204に供給する。
【0316】
なお、この場合、表示個眼選択部201は、選択した個眼画像の個眼番号をシフト量決定部202、個眼切り出し領域設定部203、および画像選択部521に供給する。
【0317】
切り出し処理部204は、そのお画像選択部521から供給される個眼画像を取得すると、その個眼画像から、個眼切り出し領域設定部203から供給される切り出し座標により示される個眼切り出し領域を抽出する。なおこの場合、切り出し処理部204は、個眼画像における座標と全体画像における座標とをいずれか一方に換算して、適切に画像の抽出を行う。切り出し処理部204は、切り出した個眼切り出し画像を表示部61に供給し、表示させる。
【0318】
<スルー画像表示処理の流れ>
この場合のスルー画像表示処理の流れの例を図28のフローチャートを参照して説明する。スルー画像表示処理が開始されると、ステップS501乃至ステップS503の各処理が、図20のステップS121乃至ステップS123の各処理と同様に実行される。
【0319】
ステップS504において、画像選択部521は、ステップS501の表示個眼選択処理(図21)により選択された個眼画像を示す個眼番号(表示個眼番号)に対応する個眼画像を選択する。
【0320】
ステップS505において、切り出し処理部204は、ステップS504において選択された個眼画像から、ステップS503において設定された個眼切り出し領域を抽出し、個眼切り出し画像を生成する。
【0321】
ステップS506の処理は、ステップS126(図20)の処理と同様に実行される。ステップS506の処理が終了すると処理は図19に戻る。
【0322】
このようにすることにより、表示用画像生成部55は、表示用画像とする個眼画像を動的に切り替えることができる。これにより、表示部61は、カメラ10の場合と同様の表示を行うことができる。したがって、ユーザはその表示画像を確認することにより、互いに異なる個眼光学系を視点とする複数の画像同士の視差をより容易に把握することができる。
【0323】
もちろんこの場合も、撮像画像の確認用画像や保存済みの撮像画像の表示においても、上述したスルー画像の表示と同様に、本技術を適用することができる。なお、撮像画像の確認用画像や、保存済みの撮像画像を表示させる場合は、撮像画像に対して、上述したスルー画像表示処理と同様の処理を行えば良い。
【0324】
また、多眼光学系30の場合と同様に、個眼撮像部511の数(個眼数)は任意であり、奇数であってもよいし、偶数であってもよい。
【0325】
<個眼撮像部の駆動制御>
またカメラ500の場合、各個眼撮像部511の駆動を個別に制御することができる。そこで、例えばスルー画像の表示において、駆動させる個眼撮像部511を制御する(選択する)ことにより、個眼画像の選択を行うようにしてもよい。換言するに、表示用画像として選択しない個眼画像を生成する個眼撮像部511の駆動を停止させる(つまり、その個眼画像を生成させない)ようにしてもよい。また、その際、制御部81による、駆動を停止させる個眼撮像部511の絞りやフォーカスの制御を停止してもよい。さらに、制御部81による、駆動を停止させる個眼撮像部511により得られる撮像画像に対するホワイトバランスゲインの制御を停止してもよい。このようにすることにより、駆動する個眼撮像部511の数を低減させることができ、消費電力の増大を抑制することができる。
【0326】
<表示用画像生成部>
図29は、この場合の表示用画像生成部55の主な構成例を示すブロック図である。図29に示されるように、この場合、表示用画像生成部55は、図18に示したカメラ10の場合と同様の構成を有する。
【0327】
ただし、この場合の表示個眼選択部201は、選択した個眼画像の個眼番号を、電力制御情報として制御部81に供給する。制御部81は、その電力制御情報に基づいて光学系制御部84を制御し、表示個眼選択部201により選択されていない個眼画像に対応する個眼撮像部511の駆動を停止させる。
【0328】
光学系制御部84は、その制御部81の制御に従って、表示個眼選択部201により選択されていない個眼画像に対応する個眼撮像部511の駆動を停止させる。これにより、表示個眼選択部201により選択された個眼画像を生成する個眼撮像部511のみが駆動し、その表示個眼選択部201により選択された個眼画像のみが生成される。つまり、表示用画像生成部55には、その表示個眼選択部201により選択された個眼画像が供給される。
【0329】
切り出し処理部204は、その供給された個眼画像(表示個眼選択部201により選択された個眼画像)から個眼切り出し領域を抽出し、個眼切り出し画像を生成し、それを表示部61に供給し、表示させる。
【0330】
<スルー画像表示処理の流れ>
この場合のスルー画像表示処理の流れの例を図30のフローチャートを参照して説明する。スルー画像表示処理が開始されると、ステップS521乃至ステップS523の各処理が、図28のステップS501乃至ステップS503の各処理と同様に実行される。
【0331】
ステップS524において、表示個眼選択部201は、ステップS501の表示個眼選択処理(図21)により選択された個眼画像を示す個眼番号(表示個眼番号)に対応する個眼撮像部511を駆動させる。切り出し処理部204は、このようにして供給される、ステップS501の表示個眼選択処理(図21)により選択された個眼画像を取得する。
【0332】
ステップS525およびステップS526の各処理は、図28のステップS505およびステップS506の各処理と同様に実行される。ステップS526の処理が終了すると処理は図19に戻る。
【0333】
このようにすることにより、表示用画像生成部55は、表示用画像とする個眼画像を動的に切り替えることができる。これにより、表示部61は、カメラ10の場合と同様の表示を行うことができる。したがって、ユーザはその表示画像を確認することにより、互いに異なる個眼光学系を視点とする複数の画像同士の視差をより容易に把握することができる。
【0334】
<4.付記>
<コンピュータ>
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここでコンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等が含まれる。
【0335】
図31は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0336】
図31に示されるコンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903は、バス904を介して相互に接続されている。
【0337】
バス904にはまた、入出力インタフェース910も接続されている。入出力インタフェース910には、入力部911、出力部912、記憶部913、通信部914、およびドライブ915が接続されている。
【0338】
入力部911は、例えば、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチパネル、入力端子などよりなる。出力部912は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、出力端子などよりなる。記憶部913は、例えば、ハードディスク、RAMディスク、不揮発性のメモリなどよりなる。通信部914は、例えば、ネットワークインタフェースよりなる。ドライブ915は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディア921を駆動する。
【0339】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU901が、例えば、記憶部913に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース910およびバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。RAM903にはまた、CPU901が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0340】
コンピュータが実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア921に記録して適用することができる。その場合、プログラムは、リムーバブルメディア921をドライブ915に装着することにより、入出力インタフェース910を介して、記憶部913にインストールすることができる。
【0341】
また、このプログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することもできる。その場合、プログラムは、通信部914で受信し、記憶部913にインストールすることができる。
【0342】
その他、このプログラムは、ROM902や記憶部913に、あらかじめインストールしておくこともできる。
【0343】
<本技術の適用対象>
本技術は、任意の構成に適用することができる。例えば、本技術は、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、または、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等、装置の一部の構成として実施することもできる。
【0344】
また、例えば、本技術は、複数の装置により構成されるネットワークシステムにも適用することもできる。例えば、本技術を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングとして実施するようにしてもよい。例えば、コンピュータ、携帯型情報処理端末、IoT(Internet of Things)デバイス等の任意の端末に対してサービスを提供するクラウドサービスにおいて本技術を実施するようにしてもよい。
【0345】
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、および、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0346】
<本技術を適用可能な分野・用途>
本技術を適用したシステム、装置、処理部等は、例えば、交通、医療、防犯、農業、畜産業、鉱業、美容、工場、家電、気象、自然監視等、任意の分野に利用することができる。また、その用途も任意である。
【0347】
<その他>
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0348】
例えば、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。
【0349】
また、例えば、上述したプログラムは、任意の装置において実行されるようにしてもよい。その場合、その装置が、必要な機能(機能ブロック等)を有し、必要な情報を得ることができるようにすればよい。
【0350】
また、例えば、1つのフローチャートの各ステップを、1つの装置が実行するようにしてもよいし、複数の装置が分担して実行するようにしてもよい。さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合、その複数の処理を、1つの装置が実行するようにしてもよいし、複数の装置が分担して実行するようにしてもよい。換言するに、1つのステップに含まれる複数の処理を、複数のステップの処理として実行することもできる。逆に、複数のステップとして説明した処理を1つのステップとしてまとめて実行することもできる。
【0351】
また、例えば、コンピュータが実行するプログラムは、プログラムを記述するステップの処理が、本明細書で説明する順序に沿って時系列に実行されるようにしても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで個別に実行されるようにしても良い。つまり、矛盾が生じない限り、各ステップの処理が上述した順序と異なる順序で実行されるようにしてもよい。さらに、このプログラムを記述するステップの処理が、他のプログラムの処理と並列に実行されるようにしても良いし、他のプログラムの処理と組み合わせて実行されるようにしても良い。
【0352】
また、例えば、本技術に関する複数の技術は、矛盾が生じない限り、それぞれ独立に単体で実施することができる。もちろん、任意の複数の本技術を併用して実施することもできる。例えば、いずれかの実施の形態において説明した本技術の一部または全部を、他の実施の形態において説明した本技術の一部または全部と組み合わせて実施することもできる。また、上述した任意の本技術の一部または全部を、上述していない他の技術と併用して実施することもできる。
【0353】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 光路が互いに独立している複数の個眼光学系を視点とする複数の画像の内のいずれか1つを選択的、かつ、動的に切り替えながら表示部で表示させる表示制御部
を備える撮像装置。
(2) 前記表示制御部は、前記複数の画像の一部または全部を、所定の順に1つずつ選択して表示させる
(1)に記載の撮像装置。
(3) 前記表示制御部は、前記複数の画像の一部または全部を、前記複数の画像の視点の相対的な位置関係において走査の軌跡が線対称となる順に、1つずつ選択して表示させる
(2)に記載の撮像装置。
(4) 前記表示制御部は、前記複数の画像の一部または全部を、前記複数の画像の視点の相対的な位置関係において走査の軌跡が回転対称となる順に、1つずつ選択して表示させる
(2)または(3)に記載の撮像装置。
(5) 前記表示制御部は、前記複数の画像のうち、前記画像同士の視差が他の画像同士の視差より大きくなる複数の画像を選択し、選択した複数の画像を、1つずつ選択して表示させる
(2)乃至(4)のいずれかに記載の撮像装置。
(6) 前記表示制御部は、前記複数の画像の視点の相対的な位置関係において外周部に位置する前記画像の一部または全部を、前記所定の順に1つずつ選択して表示させる
(2)乃至(5)のいずれかに記載の撮像装置。
(7) 前記画像の選択順を指定する選択順指定部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記複数の画像の一部または全部を、前記選択順指定部により指定された選択順に、1つずつ選択して表示させる
(1)乃至(6)のいずれかに記載の撮像装置。
(8) 前記表示制御部は、選択する前記画像を所定の周期毎に切り替える
(1)乃至(7)のいずれかに記載の撮像装置。
(9) 前記周期は、単数フレームまたは複数フレームである
(8)に記載の撮像装置。
(10) 前記周期を指定する周期指定部をさらに備え、
前記表示制御部は、選択する前記画像を、前記周期指定部により指定された前記周期毎に切り替える
(8)または(9)に記載の撮像装置。
(11) 前記表示制御部により選択された前記画像と同一の前記個眼光学系を視点とする個眼画像から、前記画像を切り出す切り出し部をさらに備える
(1)乃至(10)のいずれかに記載の撮像装置。
(12) 前記個眼画像から切り出す領域を設定する領域設定部をさらに備え、
前記切り出し部は、前記個眼画像の、前記領域設定部により設定された前記領域を前記画像として切り出す
(11)に記載の撮像装置。
(13) 前記領域の位置のシフト量を制御するシフト量制御部をさらに備え、
前記領域設定部は、前記シフト量制御部により制御された前記シフト量を用いて、前記領域を設定する
(12)に記載の撮像装置。
(14) 前記複数の個眼光学系のそれぞれの光軸が互いに異なる位置に対応する撮像部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記撮像部により生成される画像に含まれる、前記複数の個眼光学系のそれぞれを視点とする前記複数の画像の内のいずれか1つを、表示させる前記画像を動的に切り替えるように、選択して表示させる
(1)乃至(13)のいずれかに記載の撮像装置。
(15) 前記表示制御部は、前記撮像部により生成される取り込み画像の各フレームにおいて、前記複数の画像の内のいずれか1つを選択して表示させる
(14)に記載の撮像装置。
(16) 前記表示制御部は、前記撮像部により生成される撮像画像に含まれる前記複数の画像の一部または全部を、1つずつ選択し、動的に切り替えるように表示させる
(14)または(15)に記載の撮像装置。
(17) 前記複数の個眼光学系のそれぞれの光軸に対応する複数の撮像部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記複数の撮像部により生成される前記複数の個眼光学系のそれぞれを視点とする前記複数の画像の内のいずれか1つを、表示させる前記画像を動的に切り替えるように、選択して表示させる
(1)乃至(16)のいずれかに記載の撮像装置。
(18) 前記表示制御部は、前記複数の個眼光学系の内、選択した画像に対応する前記個眼光学系のみを駆動させる
(17)に記載の撮像装置。
(19) 光路が互いに独立している複数の個眼光学系を視点とする複数の画像の内のいずれか1つを選択的、かつ、動的に切り替えながら表示部で表示させる
情報処理方法。
(20) コンピュータを、
光路が互いに独立している複数の個眼光学系を視点とする複数の画像の内のいずれか1つを選択的、かつ、動的に切り替えながら表示部で表示させる表示制御部
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0354】
10 カメラ, 30 多眼光学系, 31 個眼光学系, 33 表示パネル部, 34 ビューファインダー部, 35 ダイヤル, 36 ボタン, 51 イメージセンサ, 52 RAW信号処理部, 53 領域抽出部, 54 カメラ信号処理部, 55 表示用画像生成部, 56 領域特定部, 57 画像再構成処理部, 60 バス, 61 表示部, 62 記憶部, 63 記憶媒体, 64 通信部, 65 ファイル化部, 70 関連付け部, 81 制御部, 82 記憶部, 83 記憶媒体, 84 光学系制御部, 141および142 被写体, 151 個眼切り出し画像, 201 表示個眼選択部, 202シフト量決定部, 203 個眼切り出し領域設定部, 204 切り出し処理部, 301 カメラシステム, 310 カメラ本体, 320 多眼交換レンズ, 341 通信部, 351 通信部, 352 記憶部, 353 記憶媒体, 500 カメラ, 521 画像選択部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
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図19
図20
図21
図22
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図26
図27
図28
図29
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図31