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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-13
(45)【発行日】2025-11-21
(54)【発明の名称】エッチング方法及びプラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20251114BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 101C
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2025500722
(86)(22)【出願日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 JP2024000496
(87)【国際公開番号】W WO2024171669
(87)【国際公開日】2024-08-22
【審査請求日】2025-07-15
(31)【優先権主張番号】P 2023020225
(32)【優先日】2023-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(74)【代理人】
【識別番号】100131598
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 和宗
(72)【発明者】
【氏名】向山 広記
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/230118(WO,A1)
【文献】特開2021-077865(JP,A)
【文献】特開2021-093523(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0051526(US,A1)
【文献】国際公開第2022/234640(WO,A1)
【文献】特開2014-096499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチング方法であって、
(a)チャンバ内の基板支持部上に、アモルファスカーボン膜を含む炭素含有膜と前記炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する工程と、
(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする工程であって、前記第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む工程と、を含む
エッチング方法。
【請求項2】
(c)前記第1の処理ガスと異なる第2の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする工程をさらに含み、前記第2の処理ガスは、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、酸素及び硫黄含有ガスを含む、請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項3】
エッチング方法であって、
(a)チャンバ内の基板支持部上に、炭素含有膜と前記炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する工程と、
(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする工程であって、前記第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む工程と、
(c)前記第1の処理ガスと異なる第2の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする工程と、を含み、
前記第2の処理ガスは、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、酸素及び硫黄含有ガスを含み、かつ、前記第2の処理ガスは、ハロゲン化リンガスを含まないか、又は、前記第1の処理ガスに含まれるハロゲン化リンガスよりも少ない流量でハロゲン化リンガスを含む、
エッチング方法。
【請求項4】
前記(b)の工程におけるエッチングの実行時間に対する前記(c)の工程におけるエッチングの実行時間の比が0.8以上1.2以下である、請求項2又は請求項3に記載のエッチング方法。
【請求項5】
前記(b)の工程と前記(c)の工程とを含むサイクルを複数回繰り返す、請求項2又は請求項3に記載のエッチング方法。
【請求項6】
2回目以降の少なくとも1つの前記サイクルにおいて、前記(b)の工程におけるエッチングの実行時間に対する前記(c)の工程におけるエッチングの実行時間の比は、1回目の前記サイクルにおける当該比よりも大きい、請求項に記載のエッチング方法。
【請求項7】
2回目以降の少なくとも1つの前記サイクルにおける前記基板支持部の温度は、1回目の前記サイクルにおける前記基板支持部の温度よりも高く設定される、請求項に記載のエッチング方法。
【請求項8】
前記ハロゲン化リンガスは、フッ化リンガス、塩化リンガス、オキシフッ化リンガス及びオキシ塩化リンガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスを含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項9】
前記ハロゲン化リンガスは、PF3ガス、PF5ガス及びPCl3ガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスを含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項10】
前記第1の処理ガスにおいて、前記ハロゲン化リンガスの流量は、前記第1の処理ガスの総流量の5体積%以下である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項11】
前記酸素含有ガスは、O2ガス、COガス及びCO2ガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスを含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項12】
前記酸素及び硫黄含有ガスは、COSガス及びSO2ガスの少なくともいずれかのガスである、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項13】
前記硫黄含有ガスは、SF6ガスである、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項14】
前記マスクは、シリコン含有膜又は金属含有膜を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項15】
前記(b)の工程において、前記基板支持部の温度が0度以下に設定される、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項16】
前記(c)の工程において、前記基板支持部の温度が0度以下に設定される、請求項2又は請求項3に記載のエッチング方法。
【請求項17】
エッチング方法であって、
(a)チャンバ内の基板支持部上に、炭素含有膜(但し、炭素含有シリコン膜を除く。)と前記炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する工程と、
(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする工程であって、前記第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む工程と、を含む、
エッチング方法。
【請求項18】
前記炭素含有膜は、有機膜、アモルファスカーボン、スピンオンカーボン膜、フォトレジスト膜、ホウ素含有アモルファスカーボン膜、ヒ素含有アモルファスカーボン膜、タングステン含有アモルファスカーボン膜又はキセノン含有アモルファスカーボン膜を含む、請求項17に記載のエッチング方法。
【請求項19】
チャンバと制御部とを有するプラズマ処理装置であって、
前記制御部は、
(a)チャンバ内の基板支持部上に、アモルファスカーボン膜を含む炭素含有膜と前記炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する制御と、
(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする制御であって、前記第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む制御と、を実行する
プラズマ処理装置。
【請求項20】
チャンバと制御部とを有するプラズマ処理装置であって、
前記制御部は、
(a)チャンバ内の基板支持部上に、炭素含有膜と前記炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する制御と、
(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする制御であって、前記第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む制御と、
(c)前記第1の処理ガスと異なる第2の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする制御と、を実行し、
前記第2の処理ガスは、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、酸素及び硫黄含有ガスを含み、かつ、前記第2の処理ガスは、ハロゲン化リンガスを含まないか、又は、前記第1の処理ガスに含まれるハロゲン化リンガスよりも少ない流量でハロゲン化リンガスを含む、
プラズマ処理装置。
【請求項21】
チャンバと制御部とを有するプラズマ処理装置であって、
前記制御部は、
(a)チャンバ内の基板支持部上に、炭素含有膜(但し、炭素含有シリコン膜を除く。)と前記炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する制御と、
(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする制御であって、前記第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む制御と、を実行する、
プラズマ処理装置。
【請求項22】
前記制御部は、(c)前記第1の処理ガスと異なる第2の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする制御をさらに実行し、前記第2の処理ガスは、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、酸素及び硫黄含有ガスを含む、請求項19又は請求項21に記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、エッチング方法及びプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、OガスとCOSガスとを用いて有機膜をエッチングする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-200925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、マスクの開口閉塞を抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一つの例示的実施形態において、エッチング方法であって、(a)チャンバ内の基板支持部上に、炭素含有膜と前記炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する工程と、(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする工程であって、前記第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む工程と、を含むエッチング方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一つの例示的実施形態によれば、マスクの開口閉塞を抑制する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】プラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
図2】誘導結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
図3】開口閉塞の一例を説明するための図である。
図4】第1の実施形態にかかるフローチャートである。
図5】工程ST11で提供される基板Wの断面構造の一例を示す図である。
図6】工程ST12において生じる現象の一例を説明するための図である。
図7】第2の実施形態にかかるフローチャートである。
図8】工程ST22及び工程ST23の繰り返しサイクルにおいて生じる現象の一例を説明するための図である。
図9】第2の実施形態の変化例にかかるフローチャートである。
図10】第2の実施形態の変形例にかかるフローチャートである。
図11】実施例1及び参考例1にかかるエッチングの結果を示す図である。
図12】実施例2及び参考例1にかかるエッチングの結果を示す図である。
図13】実施例2及び参考例1にかかるエッチングの結果を示す図である。
【0008】
以下、本開示の各実施形態について説明する。
【0009】
一つの例示的実施形態において、エッチング方法であって、(a)チャンバ内の基板支持部上に、炭素含有膜と炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する工程と、(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて炭素含有膜をエッチングする工程であって、前記第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む工程と、を含むエッチング方法が提供される。
【0010】
一つの例示的実施形態において、(c)、第1の処理ガスと異なる第2の処理ガスから生成したプラズマを用いて炭素含有膜をエッチングする工程をさらに含み、第2の処理ガスは、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、酸素及び硫黄含有ガスを含む。
【0011】
一つの例示的実施形態において、第2の処理ガスは、ハロゲン化リンガスを含まない。
【0012】
一つの例示的実施形態において、第2の処理ガスは、第1の処理ガスに含まれるハロゲン化リンガスよりも少ない流量でハロゲン化リンガスを含む。
【0013】
一つの例示的実施形態において、(b)の工程におけるエッチングの実行時間に対する(c)の工程におけるエッチングの実行時間の比が0.8以上1.2以下である。
【0014】
一つの例示的実施形態において、(b)の工程と(c)の工程とを含むサイクルを複数回繰り返す。
【0015】
一つの例示的実施形態において、2回目以降の少なくとも1つのサイクルにおいて、(b)の工程におけるエッチングの実行時間に対する(c)の工程におけるエッチングの実行時間の比は、1回目のサイクルにおける比よりも大きい。
【0016】
一つの例示的実施形態において、2回目以降の少なくとも1つのサイクルにおける基板支持部の温度は、1回目のサイクルにおける基板支持部の温度よりも高く設定される。
【0017】
一つの例示的実施形態において、ハロゲン化リンガスは、フッ化リンガス、塩化リンガス、オキシフッ化リンガス及びオキシ塩化リンガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスを含む。
【0018】
一つの例示的実施形態において、ハロゲン化リンガスは、PFガス、PFガス及びPClガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスを含む。
【0019】
一つの例示的実施形態において、第1の処理ガスにおいて、ハロゲン化リンガスの流量は、第1の処理ガスの総流量の5体積%以下である。
【0020】
一つの例示的実施形態において、酸素含有ガスは、Oガス、COガス及びCOガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスを含む。
【0021】
一つの例示的実施形態において、酸素及び硫黄含有ガスは、COSガス及びSOガスの少なくともいずれかのガスである。
【0022】
一つの例示的実施形態において、硫黄含有ガスは、SFガスである。
【0023】
一つの例示的実施形態において、マスクは、シリコン含有膜又は金属含有膜を含む。
【0024】
一つの例示的実施形態において、炭素含有膜は、アモルファスカーボン膜を含む。
【0025】
一つの例示的実施形態において、(b)の工程において、基板支持部の温度が0度以下に設定される。
【0026】
一つの例示的実施形態において、(c)の工程において、基板支持部の温度が0度以下に設定される。
【0027】
一つの例示的実施形態において、チャンバと制御部とを有するプラズマ処理装置であって、制御部は、(a)チャンバ内の基板支持部上に、炭素含有膜と炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する制御と、(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて炭素含有膜をエッチングする制御であって、第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む制御と、を実行するプラズマ処理装置が提供される。
【0028】
一つの例示的実施形態において、制御部は、(c)第1の処理ガスと異なる第2の処理ガスから生成したプラズマを用いて、炭素含有膜をエッチングする制御をさらに実行し、第2の処理ガスは、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、酸素及び硫黄含有ガスを含む。
【0029】
以下、図面を参照して、本開示の各実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一または同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づいて上下左右等の位置関係を説明する。図面の寸法比率は実際の比率を示すものではなく、また、実際の比率は図示の比率に限られるものではない。
【0030】
<プラズマ処理装置の構成例>
図1は、プラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。一実施形態において、プラズマ処理装置1は、基板処理装置の一例である。プラズマ処理装置1は、制御部2、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11及びプラズマ生成部12を含む。プラズマ処理チャンバ10は、プラズマ処理空間を有する。また、プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間に供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。ガス供給口は、後述するガス供給部20に接続され、ガス排出口は、後述する排気システム40に接続される。基板支持部11は、プラズマ処理空間内に配置され、基板を支持するための基板支持面を有する。
【0031】
プラズマ生成部12は、プラズマ処理空間内に供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマを生成するように構成される。プラズマ処理空間において形成されるプラズマは、容量結合プラズマ(CCP;Capacitively Coupled Plasma)、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)、ECRプラズマ(Electron-Cyclotron-resonance plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)、又は、表面波プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)等であってもよい。また、AC(Alternating Current)プラズマ生成部及びDC(Direct Current)プラズマ生成部を含む、種々のタイプのプラズマ生成部が用いられてもよい。一実施形態において、ACプラズマ生成部で用いられるAC信号(AC電力)は、100kHz~10GHzの範囲内の周波数を有する。従って、AC信号は、RF(Radio Frequency)信号及びマイクロ波信号を含む。一実施形態において、RF信号は、100kHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。
【0032】
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1の外部のシステムとして構成されてよい。制御部2は、処理部2a1、記憶部2a2及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aにより実現される。処理部2a1は、記憶部2a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部2a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部2a2に格納され、処理部2a1によって記憶部2a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ2aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース2a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部2a1は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local AreaNetwork)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1の各要素との間で通信してもよい。
【0033】
以下に、プラズマ処理装置1の一例としての誘導結合型のプラズマ処理装置の構成例について説明する。図2は、誘導結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【0034】
誘導結合型のプラズマ処理装置1は、制御部2、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。プラズマ処理チャンバ10は、誘電体窓101を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11、ガス導入部及びアンテナ14を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10(以下、「チャンバ10」ともいう。)内に配置される。アンテナ14は、プラズマ処理チャンバ10上又はその上方(すなわち誘電体窓101上又はその上方)に配置される。プラズマ処理チャンバ10は、誘電体窓101、プラズマ処理チャンバ10の側壁102及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。
【0035】
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ112を含む。本体部111は、基板Wを支持するための中央領域111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域111bとを有する。ウェハは基板Wの一例である。本体部111の環状領域111bは、平面視で本体部111の中央領域111aを囲んでいる。基板Wは、本体部111の中央領域111a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部111の中央領域111a上の基板Wを囲むように本体部111の環状領域111b上に配置される。従って、中央領域111aは、基板Wを支持するための基板支持面とも呼ばれ、環状領域111bは、リングアセンブリ112を支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
【0036】
一実施形態において、本体部111は、基台1110及び静電チャック1111を含む。基台1110は、導電性部材を含む。基台1110の導電性部材はバイアス電極として機能し得る。静電チャック1111は、基台1110の上に配置される。静電チャック1111は、セラミック部材1111aとセラミック部材1111a内に配置される静電電極1111bとを含む。セラミック部材1111aは、中央領域111aを有する。一実施形態において、セラミック部材1111aは、環状領域111bも有する。なお、環状静電チャックや環状絶縁部材のような、静電チャック1111を囲む他の部材が環状領域111bを有してもよい。この場合、リングアセンブリ112は、環状静電チャック又は環状絶縁部材の上に配置されてもよく、静電チャック1111と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。また、後述するRF電源31及び/又はDC電源32に結合される少なくとも1つのRF/DC電極がセラミック部材1111a内に配置されてもよい。この場合、少なくとも1つのRF/DC電極がバイアス電極として機能する。なお、基台1110の導電性部材と少なくとも1つのRF/DC電極とが複数のバイアス電極として機能してもよい。また、静電電極1111bがバイアス電極として機能してもよい。従って、基板支持部11は、少なくとも1つのバイアス電極を含む。
【0037】
リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。一実施形態において、1又は複数の環状部材は、1又は複数のエッジリングと少なくとも1つのカバーリングとを含む。エッジリングは、導電性材料又は絶縁材料で形成され、カバーリングは、絶縁材料で形成される。
【0038】
また、基板支持部11は、静電チャック1111、リングアセンブリ112及び基板のうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路1110a、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路1110aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路1110aが基台1110内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック1111のセラミック部材1111a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と中央領域111aとの間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
【0039】
ガス導入部は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。一実施形態において、ガス導入部は、中央ガス注入部(CGI:Center Gas Injector)13を含む。中央ガス注入部13は、基板支持部11の上方に配置され、誘電体窓101に形成された中央開口部に取り付けられる。中央ガス注入部13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス流路13b、及び少なくとも1つのガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス流路13bを通過してガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。なお、ガス導入部は、中央ガス注入部13に加えて又はその代わりに、側壁102に形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
【0040】
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してガス導入部に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する少なくとも1つの流量変調デバイスを含んでもよい。
【0041】
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、少なくとも1つのRF信号(RF電力)を少なくとも1つのバイアス電極及びアンテナ14に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ生成部12の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つのバイアス電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオンを基板Wに引き込むことができる。
【0042】
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してアンテナ14に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、アンテナ14に供給される。
【0043】
第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つのバイアス電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであっても異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つのバイアス電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
【0044】
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、バイアスDC生成部32aを含む。一実施形態において、バイアスDC生成部32aは、少なくとも1つのバイアス電極に接続され、バイアスDC信号を生成するように構成される。生成されたバイアスDC信号は、少なくとも1つのバイアス電極に印加される。
【0045】
種々の実施形態において、バイアスDC信号は、パルス化されてもよい。この場合、電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つのバイアス電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部がバイアスDC生成部32aと少なくとも1つのバイアス電極との間に接続される。従って、バイアスDC生成部32a及び波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1又は複数の正極性電圧パルスと1又は複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、バイアスDC生成部32aは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
【0046】
アンテナ14は、1又は複数のコイルを含む。一実施形態において、アンテナ14は、同軸上に配置された外側コイル及び内側コイルを含んでもよい。この場合、RF電源31は、外側コイル及び内側コイルの双方に接続されてもよく、外側コイル及び内側コイルのうちいずれか一方に接続されてもよい。前者の場合、同一のRF生成部が外側コイル及び内側コイルの双方に接続されてもよく、別個のRF生成部が外側コイル及び内側コイルに別々に接続されてもよい。
【0047】
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0048】
<マスクの開口閉塞>
プラズマを用いたエッチングにおいて、マスクの開口が狭まる或いは閉塞すること(以下「開口閉塞」ともいう。)が知られている。開口閉塞が生じると、エッチングの進行が停止したり、ボーイング等の形状異常が生じたりする要因になりうる。開口閉塞は、プラズマ中の堆積性材料が開口側壁に付着したり、プラズマ中のイオンによりスパッタリングされたマスク材料が開口側壁に再付着したりする等することで生じうる。
【0049】
図3は、開口閉塞の一例を示す図である。図3に示す例は、OガスとCOSガスとからなる処理ガスから生成したプラズマを用いて、基板Wをエッチングした場合の例である。基板Wは、下地膜UFと、炭素含有膜OFと、開口OPを有するマスクMKとを有する。この例では、炭素含有膜OFはアモルファスカーボン膜であり、マスクMKはシリコン酸窒化(SiON)膜である。図3の左図から右図に向かって示すとおり、エッチングが進行するに従って、マスクMKの側壁S1に堆積物DPが付着して、開口OPが閉塞していく。堆積物DPは、例えば、プラズマ中のイオンによりスパッタされたマスク材料(この例ではシリコン)を含みうる。
【0050】
本開示の一つの例示的実施形態にかかるエッチング方法(以下「本方法」という)は、このような開口閉塞を抑制し得る。以下、本方法の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0051】
<第1の実施形態>
図4は、本方法の第1の実施形態にかかるフローチャートである。図4に示すように、本方法は、基板を提供する工程ST11と、第1のエッチングを実行する工程ST12とを含んでよい。各工程における処理は、上述したプラズマ処理装置1で実行されてよい。以下では、制御部2が誘導結合型のプラズマ処理装置1(図2参照)の各部を制御して、基板Wに対して本方法を実行する場合を例に説明する。
【0052】
(工程ST11:基板の提供)
工程ST11において、基板Wがプラズマ処理装置1のプラズマ処理空間10s内に提供される。基板Wは、搬送アームによりチャンバ10内に搬入され、基板支持部11の中央領域111aに載置される。基板Wは、静電チャック1111により、基板支持部11上に吸着保持される
【0053】
図5は、工程ST11で提供される基板Wの断面構造の一例を示す図である。基板Wは、炭素含有膜OF及びマスクMKを有する。基板Wは、下地膜UFをさらに含んでよい。基板Wは、半導体デバイスの製造に用いられてよい。半導体デバイスは、例えば、DRAM、3D-NANDフラッシュメモリ等の半導体メモリデバイスを含む。
【0054】
一実施形態において、下地膜UFは、シリコンウェハやシリコンウェハ上に形成された有機膜、誘電体膜、金属膜、半導体膜又はこれらの積層膜である。一実施形態において、下地膜UFは、シリコン含有膜を含んでよい。シリコン含有膜は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン炭窒化膜、多結晶シリコン膜又はこれらの膜を2以上含む積層膜でよい。シリコン含有膜は、例えば、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層されて構成されてよい。シリコン含有膜は、例えば、シリコン酸化膜と多結晶シリコン膜とが交互に積層されて構成されてよい。シリコン含有膜は、例えば、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜及び多結晶シリコン膜を含む積層膜でもよい。
【0055】
炭素含有膜OFは有機膜である。炭素含有膜OFは、本方法においてエッチングされるエッチング対象膜である。一実施形態において、炭素含有膜OFは、アモルファスカーボン膜、スピンオンカーボン(SOC)膜、又はフォトレジスト膜である。アモルファスカーボン(ACL)膜は、ホウ素等の元素がドープされてよく、例えば、ホウ素含有アモルファスカーボン膜(B-doped ACL)、ヒ素含有アモルファスカーボン膜(As-doped ACL)、タングステン含有アモルファスカーボン膜(W-doped ACL)、キセノン含有アモルファスカーボン膜(Xe-doped ACL)であってよい。炭素含有膜OFは一つの膜で構成されてよく、また複数の膜が積層されて構成されてもよい。
【0056】
一実施形態において、マスクMKは、工程ST12で生成されるプラズマに対するエッチングレートが炭素含有膜OFよりも低い材料から形成される。一実施形態において、マスクMKは、シリコン含有膜又は金属含有膜を含む。シリコン含有膜は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン炭窒化膜、多結晶シリコン膜又はこれらの膜を2以上含む積層膜でよい。シリコン含有膜は、例えば、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層されて構成されてよい。シリコン含有膜は、例えば、シリコン酸化膜と多結晶シリコン膜とが交互に積層されて構成されてよい。シリコン含有膜は、例えば、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜及び多結晶シリコン膜を含む積層膜でもよい。金属含有膜は、例えば、タングステン、チタン及びモリブデンからなる群から選択される少なくとも1種を含む膜であってよい。
【0057】
一実施形態において、マスクMKは、エッチングによって炭素含有膜OFに転写されるパターンを有してよい。マスクMKは、1つの層からなる単層マスクでよく、また2つ以上の層からなる多層マスクであってもよい。図5に示すとおり、マスクMKは、炭素含有膜OF上において少なくとも一つの開口OPを規定する側壁S1を有する。開口OPは、炭素含有膜OF上の空間であって、マスクMKの側壁S1に囲まれている。すなわち、炭素含有膜OFの上面は、マスクMKによって覆われた領域と、開口OPの底部において露出した領域とを有する。
【0058】
開口OPは、基板Wの平面視、すなわち、基板Wを図5の上から下に向かう方向に見た場合において、任意の形状を有してよい。当該形状は、例えば、円、楕円、矩形、線やこれらの1種類以上を組み合わせた形状であってよい。マスクMKは、複数の側壁を有し、複数の側壁が複数の開口OPを規定してもよい。複数の開口OPは、それぞれ線形状を有し、一定の間隔で並んでライン&スペースのパターン(トレンチ)を構成してもよい。また、複数の開口OPは、それぞれ穴形状を有し、アレイパターンを構成してもよい。
【0059】
基板Wを構成する各膜(下地膜UF、炭素含有膜OF及びマスクMK)は、それぞれ、CVD法、ALD法、PVD法、スピンコート法等により形成されてよい。マスクMKの開口OPは、マスクMKをエッチングすることで形成されてよく、またリソグラフィにより形成されてもよい。各膜は、それぞれ、平坦な膜であってよく、また凹凸を有する膜であってもよい。基板Wは、下地膜UFの下に他の膜をさらに有してよい。この場合、炭素含有膜OF及び下地膜UFに開口OPに対応する形状の凹部を形成し、当該他の膜をエッチングするためのマスクとして用いてもよい。
【0060】
基板Wの各膜を形成するプロセスの少なくとも一部は、チャンバ10の空間内で行われてよい。一例では、マスクMKをエッチングして開口OPを形成する工程は、チャンバ10で実行されてよい。すなわち、開口OP及び後述する工程ST12の炭素含有膜OFのエッチングは、同一のチャンバ内で連続して実行されてよい。また、基板Wの各膜の全部がプラズマ処理装置1の外部の装置やチャンバで形成された後、基板Wがプラズマ処理装置1のプラズマ処理空間10s内に搬入され、基板支持部11の中央領域111aに配置されることで、基板Wが提供されてもよい。
【0061】
一実施形態において、基板Wが基板支持部11の中央領域111aに提供された後、基板支持部11が温調モジュールにより第1の温度に制御される。一例では、基板支持部11の温度を第1の温度に制御することは、流路1110aを流れる伝熱流体の温度やヒータ温度を第1の温度にすること、又は、第1の温度とは異なる温度にすることを含む。なお、流路1110aに伝熱流体が流れ始めるタイミングは、基板Wが基板支持部11に載置される前でも後でもよく、また同時でもよい。また、基板支持部11の温度は、工程ST11の前に第1の温度に制御されてよい。すなわち、基板支持部11の温度が第1の温度に制御された後に、基板支持部11に基板Wが提供されてよい。
【0062】
第1の温度は、炭素含有膜OFの種類や工程ST12で用いる処理ガス(第1の処理ガス)の種類に応じて適宜設定されてよい。一実施形態において、第1の温度は、0度以下-70℃度以上である。一例では、第1の温度は、-10℃以下、-20℃以下、-30℃以下、-40度以下、-50℃以下、-60℃以下である。
【0063】
一実施形態において、基板支持部11を第1の温度に制御することに代えて、基板Wを第1の温度に制御してもよい。基板Wの温度を第1の温度に制御することは、基板支持部11、流路1110aを流れる伝熱流体の温度及び/又はヒータ温度を第1の温度にすること、又は、第1の温度とは異なる温度にすることを含む。
【0064】
(工程ST12:第1のエッチング)
工程ST12において、第1のエッチングが実行される。第1のエッチングにより、基板Wの炭素含有膜OFがエッチングされ凹部RCが形成される。
【0065】
まず、ガス供給部20から第1の処理ガスがプラズマ処理空間10s内に供給される。一実施形態において、第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含む。一実施形態において、第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガスと、酸素及び硫黄含有ガスとを含む。
【0066】
一実施形態において、酸素含有ガスは、Oガス、COガス及びCOガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスを含む。
【0067】
一実施形態において、ハロゲン化リンガスは、例えば、PFガスやPFガス等、ハロゲン元素としてフッ素を含むフッ化リンガスであってよい。一実施形態において、ハロゲン化リンガスは、PClガスやPClガス等、ハロゲン元素として塩素を含む塩化リンガスであってよい。一実施形態において、ハロゲン化リンガスは、PBrガス、PBrガス、PIガスのようにハロゲン元素として、臭素やヨウ素を含むガスであってもよい。一実施形態において、ハロゲン化リンガスは、PClFガス、PClFガス、PClガス等、2種以上のハロゲン元素を含むガスであってもよい。一実施形態において、ハロゲン化リンガスは、オキシフッ化リンガス又はオキシ塩化リンガスであってよい。例えば、ハロゲン化リンガスは、POFガス、POClガス、POFClガス、POFClガス又はPOFClガスであってよい。
【0068】
一実施形態において、ハロゲン化リンガスの流量は、第1の処理ガスの総流量(第1の処理ガスが不活性ガスを含む場合、当該不活性ガスを除く)の0.1体積%以上5体積%以下である。
【0069】
一実施形態において、硫黄含有ガスは、SFガスであってよい。
【0070】
一実施形態において、酸素及び硫黄含有ガスは、COSガス又はSOガスであってよい。
【0071】
一実施形態において、第1の処理ガスは、不活性ガスをさらに含んでよい。不活性ガスは、一例では、Arガス、Heガス及びKrガス等の貴ガス又は窒素ガスでよい。
【0072】
次に、アンテナ14にソースRF信号が供給される。これにより、プラズマ処理空間10s内に高周波電界が生成され、第1の処理ガスからプラズマが生成され、炭素含有膜OFがエッチングされる。基板支持部11の下部電極にバイアス信号が供給されてよい。この場合、プラズマと基板Wとの間にバイアス電位が発生し、プラズマ中のイオン、ラジカル等の活性種が基板Wに引きよせられ、炭素含有膜OFのエッチングが促進され得る。バイアス信号は、第2のRF生成部31bから供給されるバイアスRF信号であってよい。またバイアス信号は、DC生成部32aから供給されるバイアスDC信号であってもよい。
【0073】
一実施形態において、ソースRF信号及びバイアス信号は、双方が連続波又はパルス波でよく、また一方が連続波で他方がパルス波でもよい。ソースRF信号及びバイアス信号の双方がパルス波である場合、双方のパルス波の周期は同期してよく、また同期しなくてもよい。ソースRF信号及び/又はバイアス信号パルス波のデューティ比は適宜設定してよく、例えば、1~80%でよく、また5~50%でよい。またバイアス信号として、バイアスDC信号を用いる場合、パルス波は、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせの波形を有してよい。バイアスDC信号の極性は、プラズマと基板との間に電位差を与えてイオンを引き込むように基板Wの電位が設定されれば、負であっても正であってもよい。
【0074】
一実施形態において、工程ST12において、ソースRF信号及びバイアス信号の少なくとも一方の供給と停止とが交互に繰り返されてよい。例えば、ソースRF信号が連続して供給される間に、バイアス信号の供給と停止とが交互に繰り返されてよい。また例えば、ソースRF信号の供給と停止とが交互に繰り返される間に、バイアス信号が連続して供給されてもよい。また例えば、ソースRF信号及びバイアス信号の双方の供給と停止とが交互に繰り返されてもよい。
【0075】
一実施形態において、工程ST12における処理の間、基板支持部11の温度は、工程ST11で設定した第1の温度に制御されてよい。一実施形態において、基板支持部11の温度に代えて、基板Wの温度が第1の温度に制御されてもよい。
【0076】
工程ST12における処理により、炭素含有膜OFのうち、マスクMKにより覆われていない部分(開口OPにおいて露出した部分)がエッチングされ凹部RCが形成される。
【0077】
図6は、工程ST12において生じる現象の一例を説明するための図である。図6は、工程ST12中の基板WのマスクMK近傍の断面構造を模式的に示す図である。図6に示すように、工程ST12において、プラズマ中の活性種(例えば酸素イオンO)により、炭素含有膜OFのうち開口OPにおいて露出した部分が深さ方向(図6で上から下に向かう方向)にエッチングされ凹部RCが形成される。凹部RCは、炭素含有膜OFの側壁S2と底部BTにより画定される空間である。
【0078】
図6に示すように、一実施形態において、工程ST12の実行中にマスクMKの側壁S1に第1の堆積膜DP1が形成される。第1の堆積膜DP1は、例えば、プラズマ中のイオン(例えば、酸素イオンO等)によりスパッタされたマスク材料が側壁S1に再付着して形成されうる。例えば、マスクMKがシリコン含有膜を含む場合、堆積膜DPはシリコンを含みうる。工程STの実行中、第1の堆積膜DP1は、図6に模式的に示すように、ハロゲン化リンガスから乖離したプラズマ中のハロゲン活性種(ハロゲンイオンXやハロゲンラジカルX)と結合して揮発し除去されうる。
【0079】
図6に示すように、一実施形態において、工程ST12の実行中に、炭素含有膜OFの側壁S2及び底部BTの少なくとも一部に、第2の堆積膜DP2が形成される。第2の堆積膜DP2は、例えば、エッチングにより生じる、不揮発性の副生成物(バイプロダクト)でありうる。一実施形態において、第2の堆積膜DP2は、酸化リン系化合物又は有機リン系化合物を含む。一実施形態において、第2の堆積膜DP2は、工程ST12の実行中に、底部BTからボトムアップで形成される。すなわち、第2の堆積膜DP2は、図6に模式的に示すように、底部BTと、底部BTの近傍の側壁S2に形成され得る。一実施形態において、第2の堆積膜DP2は、プラズマ中のハロゲン活性種に対するエッチング耐性が炭素含有膜OFよりも高い。すなわち、第2の堆積膜DP2は、当該第2の堆積膜DP2が形成された側壁S2や底部BTにおいて、プラズマ中のハロゲン活性種に対する保護膜として機能しうる。
【0080】
本方法の第1の実施形態によれば、工程ST12において、開口OPに形成される第1の堆積膜DP1がプラズマ中のハロゲン活性種によって除去されうる。そのため、エッチングの進行に伴う開口OPの閉塞が抑制されうる。また工程ST12の実行中に形成される第2の堆積膜DP2が保護膜として機能することで、第2の堆積膜DP2が形成された側壁S2が水平方向(図6の左右方向)にエッチングされることが抑制されうる。
【0081】
<第2の実施形態>
図7は、本方法の第2の実施形態にかかるフローチャートである。図7に示すように、本方法は、基板を提供する工程ST21と、第1のエッチングを実行する工程ST22と、第2のエッチングを実行する工程ST23と、エッチングの停止条件を満たしているかを判定する工程ST24を備えてよい。すなわち、本方法は、工程ST24において停止条件を満たすと判定されるまで、第1のエッチング(工程ST22)と第2のエッチング(工程ST23)とを含むサイクルを繰り返してよい。
【0082】
(工程ST21及び工程ST22)
工程ST21及び工程ST22は、それぞれ、上述した第1の実施形態の工程ST11及び工程ST12と同様に実行されてよく、説明は省略する。
【0083】
(工程ST23:第2のエッチング)
工程ST23において、第2のエッチングが実行される。第2のエッチングにより、基板Wの炭素含有膜OFの凹部RCがさらにエッチングされる。
【0084】
まず、ガス供給部20から第2の処理ガスがプラズマ処理空間10s内に供給される。第2の処理ガスは、第1の処理ガスと異なるガスである。第2の処理ガスは、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、酸素及び硫黄含有ガスを含む。第2の処理ガスは、ハロゲン化リンガスを含まないか、又は、第1の処理ガスに含まれるハロゲン化リンガスの流量よりも少ない流量でハロゲン化リンガスを含む。
【0085】
一実施形態において、酸素含有ガスは、Oガス、COガス及びCOガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスを含む。第1の処理ガス及び第2の処理ガスの双方に酸素含有ガスが含まれる場合、第2の処理ガスに含まれる酸素含有ガスは、第1の処理ガスと同一種類のガスでよく、また異なっていてもよい。
【0086】
一実施形態において、ハロゲン化リンガスは、例えば、PFガスやPFガス等、ハロゲン元素としてフッ素を含むフッ化リンガスであってよい。一実施形態において、ハロゲン化リンガスは、PClガスやPClガス等、ハロゲン元素として塩素を含む塩化リンガスであってよい。一実施形態において、ハロゲン化リンガスは、PBrガス、PBrガス、PIガスのようにハロゲン元素として、臭素やヨウ素を含むガスであってもよい。一実施形態において、ハロゲン化リンガスは、PClFガス、PClFガス、PClガス等、2種以上のハロゲン元素を含むガスであってもよい。一実施形態において、ハロゲン化リンガスは、オキシフッ化リンガス又はオキシ塩化リンガスであってよい。例えば、ハロゲン化リンガスは、POFガス、POClガス、POFClガス、POFClガス又はPOFClガスであってよい。第2の処理ガスにハロゲン化リンガスが含まれる場合、当該ハロゲン化リンガスは、第1の処理ガスと同一種類のガスでよく、また異なっていてもよい。
【0087】
一実施形態において、硫黄含有ガスは、SFガスであってよい。
【0088】
一実施形態において、酸素及び硫黄含有ガス、COSガス又はSOガスであってよい。第1の処理ガス及び第2の処理ガスの双方に酸素及び硫黄含有ガスが含まれる場合、第2の処理ガスに含まれる酸素及び硫黄含有ガスは、第1の処理ガスと同一種類のガスでよく、また異なっていてもよい。
【0089】
一実施形態において、第2の処理ガスは、不活性ガスをさらに含んでよい。不活性ガスは、一例では、Arガス、Heガス及びKrガス等の貴ガス又は窒素ガスでよい。
【0090】
次に、アンテナ14にソースRF信号が供給される。これにより、プラズマ処理空間10s内に高周波電界が生成され、第2の処理ガスからプラズマが生成され、炭素含有膜OFがエッチングされる。基板支持部11の下部電極にバイアス信号が供給されてよい。この場合、プラズマと基板Wとの間にバイアス電位が発生し、プラズマ中のイオン、ラジカル等の活性種が基板Wに引きよせられ、炭素含有膜OFのエッチングが促進され得る。ソース信号やバイアス信号の構成や供給形態は、工程ST22(工程ST12)と同一であってよく、また異なっていてもよい。
【0091】
一実施形態において、工程ST23における処理の間、基板支持部11の温度は、工程ST22と同一の温度(すなわち第1の温度)に制御されてよい。一実施形態において、基板支持部11の温度に代えて、基板Wの温度が制御されてもよい。
【0092】
(工程ST24:停止判定)
工程ST24において、停止条件が満たされるか否かが判定される。停止条件は、例えば、工程ST22及び工程ST23を1サイクルとし、当該サイクルの繰り返し回数が所与の回数に達しているか否かでよい。停止条件は、例えば、エッチング時間が所与の時間に達しているかでもよい。停止条件は、例えば、エッチングにより形成される凹部RCの深さが所与の深さに達しているかでもよい。工程ST24において停止条件が満たされていないと判定されると、工程ST22及び工程ST23を含むサイクルが繰り返される。工程ST24において停止条件が満たされると判定されると、エッチングを停止し、本方法を終了する。
【0093】
図8は、工程ST22及び工程ST23の繰り返しサイクルにおいて生じる現象の一例を説明するための図である。
【0094】
図8に示すように、サイクルN(Nは1以上の整数である)の工程ST22(第1のエッチング)では、図6で説明したと同様の現象が生じうる。すなわち、この工程では、プラズマ中の活性種(例えば、酸素イオンO)により、凹部RCが深さ方向にエッチングされる。またプラズマ中のハロゲン活性種(ハロゲンイオンXやハロゲンラジカルX)により、マスクMKの側壁S1に形成された第1の堆積膜DP1が除去されうる。さらに、炭素含有膜OFの側壁S2及び底部BTの少なくとも一部に、プラズマ中のハロゲン活性種に対する保護膜として機能する第2の堆積膜DP2が形成されうる。
【0095】
サイクルNの工程ST23(第2のエッチング)では、プラズマ中の活性種(例えば、酸素イオンO)により、凹部RCが深さ方向にさらにエッチングされる。ここで、第2の処理ガスはハロゲン化リンガスを含まない、又は、ハロゲン化リンガスを第1の処理ガスよりも少ない流量で含む。そのため、工程ST23では、プラズマ中のハロゲン活性種が工程ST22に比べて減少し、またリン活性種も減少する。これにより、マスクMKの側壁S1において第1の堆積膜DP1の形成が優位になる。また炭素含有膜OFの側壁S2及び底部BTにおいて第2の堆積膜DP2が減少ないし除去される。
【0096】
サイクルN+1の工程ST22では、プラズマ中の活性種(例えば、酸素イオンO)により、凹部RCが深さ方向にさらにエッチングされる。そして、サイクルNの工程ST22と同様に、マスクMKの側壁S1に形成された第1の堆積膜DP1が除去されうる。また炭素含有膜OFの側壁S2及び底部BTの少なくとも一部に、第2の堆積膜DP2が再び形成されうる。
【0097】
サイクルN+1の工程ST23では、プラズマ中の活性種(例えば、酸素イオンO)により、凹部RCが深さ方向にさらにエッチングされる。そして、サイクルNの工程ST23と同様に、マスクMKの側壁S1において第1の堆積膜DP1の形成が優位になる。また炭素含有膜OFの側壁S2及び底部BTにおいて、第2の堆積膜DP2が減少ないし除去される。
【0098】
ところで、プラズマ中のハロゲンの活性種が過剰になると、炭素含有膜OFの側壁S2のうち第2の堆積膜DP2で覆われていない箇所が水平方向にエッチングされ、凹部RCの開口幅(CD)が拡大したり、ボーイングが発生する要因になりうる。またマスクMKの上部が過剰にエッチングされ選択比が悪化する要因にもなりうる。
【0099】
この点、本方法の第2の実施形態によれば、第1のエッチング(工程ST22)と第2のエッチング(工程ST23)とを含むサイクルを交互に繰り返す。すなわち、処理ガスとして、ハロゲン化リンを含む工程ST22と、ハロゲン化リンガスを含まない又は工程ST22よりも少ない流量で含む工程ST23とを繰り返す。これにより、プラズマ中に乖離するハロゲンの活性種の量を調整することができる。本方法の第2の実施形態によれば、プラズマ中のハロゲンの活性種が過剰になり上述のような問題が発生することを抑制し得る。すなわち、エッチングによる形状異常(CD拡大、ボーイング)やエッチングの選択比の低下を抑制しうる。
【0100】
工程ST22及び工程23におけるエッチングの実行時間は、適宜設定されてよい。一実施形態において、工程ST22及び工程ST23の実行時間は、第1の処理ガス及び/又は第2の処理ガスに含まれるハロゲン化リンガスの流量、マスクMKや炭素含有膜OFの種類、凹部RCの深さ、アスペクト比等に応じて設定されてよい。一実施形態において、工程ST22におけるエッチングの実行時間に対する工程23におけるエッチングの実行時間の比は0.8以上1.2以下であってよい。一実施形態において、当該比は、0.9以上1.1以下であってもよい。一実施形態において、当該比は、サイクル数に応じて設定されてよい。例えば、サイクル数が所与の回数を超えると、又は、所与のサイクル数ごとに、当該比が大きくなるようにしてよい。これにより、炭素含有膜OFに形成される凹部RCの深さが深くなるに従って、工程ST23のエッチングの時間が工程ST22に比べて長くなるようにしてよい。一実施形態において、当該比は、サイクル数ではなく、凹部RCの深さやアスペクト比に応じて設定されてもよい。例えば、凹部RCの深さやアスペクト比が所与の値を超えると、または所与の値増加するごとに、当該比が大きくなるようにしてよい。
【0101】
一実施形態において、工程ST23における処理の間、基板支持部11の温度は、工程ST22と異なる第2の温度に制御されてよい。第2の温度は、第1の温度よりも高い温度であってよい。この場合、工程ST23において、第2の堆積膜DP2の揮発(除去)が促進されうる。一実施形態において、第1の温度及び/又は第2の温度は、サイクル数に応じて設定されてよい。例えば、サイクル数が所与の回数を超えると、又は、所与のサイクル数ごとに、第1の温度及び/又は第2の温度が高くなるようにしてよい。これにより、炭素含有膜OFに形成される凹部RCの深さが深くなるに従って、基板支持部11の温度が高くなるようにしてよい。一実施形態において、第1の温度及び/又は第2の温度は、サイクル数ではなく、凹部RCの深さやアスペクト比に応じて設定されてもよい。例えば、凹部RCの深さやアスペクト比が所与の値を超えると、または所与の値増加するごとに、第1の温度及び/又は第2の温度が高くなるようにしてもよい。
【0102】
図9及び図10は、第2の実施形態の変形例を示すフローチャートである。図7は、1つのサイクルにおいて、第1のエッチング(工程ST22)を実行した後に、第2のエッチング(工程ST23)を実行する例である。しかし、図9に示すように、1つのサイクルにおいて、第2のエッチング(工程ST32)を実行した後に、第1のエッチング(工程ST33)を実行するようにしてもよい。また図10に示すように、1つのサイクルの途中で停止条件を満たしているか否かを判定してよい。すなわち、第1のエッチング(工程ST42)の実行後にも停止条件を満たしているかを判定する(工程ST43)ようにしてよい。そして、停止条件を満たしている場合は、第2のエッチング(工程ST44)に進まず、エッチングを終了するようにしてよい。
【0103】
<実施例>
次に、本方法の実施例について説明する。本開示は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0104】
(実施例1)
実施例1では、図2に示すプラズマ処理装置1を用いて、図4で説明したフローチャートに沿って、図5に示す基板Wと同様の構造を有する基板をエッチングした。マスクMKはシリコン酸窒化膜であり、炭素含有膜OFはアモルファスカーボン膜であった。マスクMKの開口OPはホール形状を有し、開口径は80nmであっった。
【0105】
工程ST12において、第1の処理ガスはOガス、PFガス及びCOSガスを含んでいた。PFガスの流量は、第1の処理ガスの総流量の1.3体積%であった。また工程ST12において、ソースRF信号に加えて、バイアスRF信号が供給された。工程ST12において、チャンバ10内の圧力は30mTorrに制御され、基板支持部11の温度は-60℃に制御された。工程ST12は240秒間実行された。
【0106】
(参考例1)
参考例1では、プラズマ処理装置1を用いて、実施例1と同一の構成の基板をエッチングした。参考例1では、処理ガスとしてOガス及びCOSガスを用いたことを除いて、実施例1と同一の条件でエッチングを行った。
【0107】
図11は、実施例1及び参考例1にかかるエッチングの結果を示す図である。図11において、(a1)及び(b1)は、それぞれ、実施例1及び参考例1にかかるエッチング後のマスクMK及び凹部RC上部の断面形状を示す図である。(a2)及び(b2)は、それぞれ、実施例1及び参考例1にかかるエッチング後のマスクMKの平面図(図(a1)及び(b1)を上方からみた図)である。
【0108】
図11の(a1)及び(a2)に示すように、実施例1では、マスクMKの開口OPの閉塞は抑制されていた。実施例1ではマスクMKの最小開口径は、63.0nmであった。これに対し、図11の(b1)及び(b2)に示すように、参考例1では、マスクMKの一部において開口径が狭まり(ネックが生じ)、開口OPが大きく閉塞していた。参考例1ではマスクMKの最小開口径は、42.8nmであった。
【0109】
(実施例2)
実施例2では、図2に示すプラズマ処理装置1を用いて、図7で説明したフローチャートに沿って、実施例1と同一の構成の基板をエッチングした。
【0110】
工程ST22において、第1の処理ガスとして、実施例1と同一の構成の処理ガスを用いた。工程ST22において、ソースRF信号に加えてバイアスRF信号が供給された。またチャンバ10内の圧力は30mTorrに制御され、基板支持部11の温度は-60℃に制御された。工程ST23において、第2の処理ガスは、Oガス及びCOSガスを含んでいた。その余の条件は、工程ST22と同一の条件で行った。1つのサイクルにおいて、工程ST22におけるエッチングを10秒間実行した後、工程ST23におけるエッチングを10秒間実行した。実施例2では、当該サイクルが12回繰り返され、合計240秒間のエッチングが行われた。
【0111】
図12は、実施例2及び参考例1にかかるエッチングの結果を示す図である。図12において、(a1)は実施例2にかかるエッチング後のマスクMK及び凹部RC上部の断面形状を示す図である。(a2)は、実施例2にかかるエッチング後のマスクMKの平面図(図(a1)を上方からみた図)である。なお、図12の(a2)及び(b2)は、図11の(a2)及び(b2)に示した参考例1の図面を、実施例2との比較のために再掲したものである。
【0112】
図12に示すように、実施例2は、実施例1と同様に、参考例1に比べて、マスクMKの開口閉塞が抑制されていた。実施例2ではマスクMKの最小開口径は、62.6nmであった。
【0113】
図13は、実施例2及び参考例1にかかるエッチングの結果を示す図である。図13において縦軸は、マスク膜MKの開口OP及び炭素含有膜OFに形成された凹部RCの深さD[μm]を示す。縦軸の0μm付近はマスクMKと炭素含有膜OFとの境界である。図13において、横軸は、マスク膜MKの開口OP及び炭素含有膜OFに形成された凹部RCの開口径CD[nm]を示す。
【0114】
図13に示すように、実施例2は、参考例1に比べ、凹部RCの深さ方向全体にわたって開口径の拡大が抑制されていた。また実施例2の凹部RCの最大径は67.5nmであり、参考例1の凹部RCの最大径は77.4nmであった。すなわち、実施例2は参考例1に比べてボーイングが抑制されていた。さらに、エッチングの選択比(マスクMKのエッチングレートに対する炭素含有膜OFのエッチングレートの比)は、実施例2は125.4であり、参考例1は75.1であった。すなわち、実施例2は参考例1に比べて選択比も向上していた。
【0115】
本開示の実施形態は、以下の態様をさらに含む。
【0116】
(付記1)
エッチング方法であって、
(a)チャンバ内の基板支持部上に、炭素含有膜と前記炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する工程と、
(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする工程であって、前記第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む工程と、を含む
エッチング方法。
【0117】
(付記2)
(c)前記第1の処理ガスと異なる第2の処理ガスから生成したプラズマを用いて、前記炭素含有膜をエッチングする工程をさらに含み、前記第2の処理ガスは、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、酸素及び硫黄含有ガスを含む、付記1に記載のエッチング方法。
【0118】
(付記3)
前記第2の処理ガスは、ハロゲン化リンガスを含まない、付記2に記載のエッチング方法。
【0119】
(付記4)
前記第2の処理ガスは、前記第1の処理ガスに含まれるハロゲン化リンガスよりも少ない流量でハロゲン化リンガスを含む、付記2に記載のエッチング方法。
【0120】
(付記5)
前記(b)の工程におけるエッチングの実行時間に対する前記(c)の工程におけるエッチングの実行時間の比が0.8以上1.2以下である、付記2から付記4のいずれか1つに記載のエッチング方法。
【0121】
(付記6)
前記(b)の工程と前記(c)の工程とを含むサイクルを複数回繰り返す、付記2から付記4のいずれか1つに記載のエッチング方法。
【0122】
(付記7)
2回目以降の少なくとも1つの前記サイクルにおいて、前記(b)の工程におけるエッチングの実行時間に対する前記(c)の工程におけるエッチングの実行時間の比は、1回目の前記サイクルにおける当該比よりも大きい、付記6に記載のエッチング方法。
【0123】
(付記8)
2回目以降の少なくとも1つの前記サイクルにおける前記基板支持部の温度は、1回目の前記サイクルにおける前記基板支持部の温度よりも高く設定される、付記6又は付記7に記載のエッチング方法。
【0124】
(付記9)
前記ハロゲン化リンガスは、フッ化リンガス、塩化リンガス、オキシフッ化リンガス及びオキシ塩化リンガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスを含む、付記1から付記8のいずれか1つに記載のエッチング方法。
【0125】
(付記10)
前記ハロゲン化リンガスは、PFガス、PFガス及びPClガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスを含む、付記1から付記9のいずれか1つに記載のエッチング方法。
【0126】
(付記11)
前記第1の処理ガスにおいて、前記ハロゲン化リンガスの流量は、前記第1の処理ガスの総流量の5体積%以下である、付記1から付記10のいずれか1つに記載のエッチング方法。
【0127】
(付記12)
前記酸素含有ガスは、Oガス、COガス及びCOガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスを含む、付記1から付記11のいずれか1つに記載のエッチング方法。
【0128】
(付記13)
前記酸素及び硫黄含有ガスは、COSガス及びSOガスの少なくともいずれかのガスである、付記1から付記12のいずれか1つに記載のエッチング方法。
【0129】
(付記14)
前記硫黄含有ガスは、SFガスである、付記1から付記13のいずれか1つに記載のエッチング方法。
【0130】
(付記15)
前記マスクは、シリコン含有膜又は金属含有膜を含む、付記1から付記14のいずれか1つに記載のエッチング方法。
【0131】
(付記16)
前記炭素含有膜は、アモルファスカーボン膜を含む、付記1から付記15のいずれか1つに記載のエッチング方法。
【0132】
(付記17)
前記(b)の工程において、前記基板支持部の温度が0度以下に設定される、付記1から付記16のいずれか1つに記載のエッチング方法。
【0133】
(付記18)
前記(c)の工程において、前記基板支持部の温度が0度以下に設定される、付記2から付記8のいずれか1つに記載のエッチング方法。
【0134】
(付記19)
チャンバと制御部とを有するプラズマ処理装置であって、
前記制御部は、
(a)チャンバ内の基板支持部上に、炭素含有膜と炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する制御と、
(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする制御であって、前記第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む制御と、を実行する
プラズマ処理装置。
【0135】
(付記20)
前記制御部は、(c)前記第1の処理ガスと異なる第2の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする制御をさらに実行し、前記第2の処理ガスは、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、酸素及び硫黄含有ガスを含む、付記19に記載のプラズマ処理装置。
【0136】
(付記21)
チャンバと制御部とを有するプラズマ処理装置において実行されるデバイス製造方法であって、
(a)チャンバ内の基板支持部上に、炭素含有膜と前記炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する工程と、
(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする工程であって、前記第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む工程と、を含む
デバイス製造方法。
【0137】
(付記22)
チャンバと制御部とを有するプラズマ処理装置のコンピュータに、
(a)チャンバ内の基板支持部上に、炭素含有膜と炭素含有膜上のマスクとを有する基板を提供する制御と、
(b)第1の処理ガスから生成したプラズマを用いて前記炭素含有膜をエッチングする制御であって、前記第1の処理ガスは、ハロゲン化リンガス、酸素含有ガス及び硫黄含有ガスを含むか、又は、ハロゲン化リンガスと酸素及び硫黄含有ガスとを含む制御と、を実行させる
プログラム。
【0138】
(付記23)
付記22に記載のプログラムを格納した、記憶媒体。
【0139】
以上の各実施形態は、説明の目的で記載されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。以上の各実施形態は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく種々の変形をなし得る。例えば、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態に追加することができる。また、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態の対応する構成要素と置換することができる。
【符号の説明】
【0140】
1……プラズマ処理装置、2……制御部、10……プラズマ処理チャンバ、10s……プラズマ処理空間、11……基板支持部、14……アンテナ、20……ガス供給部、31a……第1のRF生成部、31b……第2のRF生成部、32a……第1のDC生成部、DP1……第1の堆積膜、DP2……第2の堆積膜、MK……マスク、OF……炭素含有膜、OP……開口、RC……凹部、UF……下地膜、W……基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13