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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-14
(45)【発行日】2025-11-25
(54)【発明の名称】パッチアンテナ及び車載用アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/08 20060101AFI20251117BHJP
   H01Q 5/385 20150101ALI20251117BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20251117BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q5/385
H01Q1/22 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022571640
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 JP2021047993
(87)【国際公開番号】W WO2022138856
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2024-10-28
(31)【優先権主張番号】P 2020213440
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】家田 寛人
(72)【発明者】
【氏名】小和板 和博
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2003/041222(WO,A1)
【文献】特開2002-135040(JP,A)
【文献】Olivier Kramer,Vertically Multilayer-Stacked Yagi Antenna With Single and Dual Polarizations,IEEE Transactions on Antennas and Propagation,Volume 58, Issue 4,2010年01月26日,Pages 1022-1030
【文献】S. M. El-Halafawy,Broadband stacked printed antennas,2004 10th International Symposium on Antenna Technology and Applied Electromagnetics and URSI Conference,2017年02月23日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 5/385
H01Q 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射素子と、
前記放射素子の上方に位置するn個(ただし、nは2以上の自然数である)の金属体と、を備え、
前記n個の金属体の少なくとも1つの面積は、他の面積と異なり、
前記n個の金属体のうち、少なくとも2つの金属体は、第1金属体及び第2金属体であり、
前記第1金属体は、前記放射素子の上面に垂直な方向において、前記放射素子から所望周波数帯の波長の10分の1以下の距離に設けられ、
前記第2金属体は、前記放射素子の上面に垂直な方向において、前記第1金属体に最も近い位置に配置され、
前記第2金属体の面積は、前記第1金属体の面積の0.5倍以上1.0倍未満、または1.0倍より大きく1.5倍以下の範囲に含まれる、
パッチアンテナ。
【請求項2】
前記nは、2または3である、
請求項1に記載のパッチアンテナ。
【請求項3】
前記第2金属体は、前記第1金属体から、前記波長の10分の1以下の距離に設けられる、
請求項に記載のパッチアンテナ。
【請求項4】
前記第1金属体の面積は、一辺が前記波長の10分の1の正方形の面積以上である、
請求項に記載のパッチアンテナ。
【請求項5】
前記第1金属体の面積は、一辺が前記波長の4分の1の正方形の面積以下である、
請求項に記載のパッチアンテナ。
【請求項6】
前記放射素子の中心と、前記第1金属体の中心とが一致するよう、前記第1金属体を保持する第1保持部材を備える、
請求項~請求項の何れか一項に記載のパッチアンテナ。
【請求項7】
前記第1金属体の形状における中心と、前記第2金属体の中心とが一致するよう、前記第2金属体を保持する第2保持部材を備える、
請求項~請求項の何れか一項に記載のパッチアンテナ。
【請求項8】
前記放射素子、前記第1金属体、及び前記第2金属体の各々は、略正方形である、
請求項~請求項の何れか一項に記載のパッチアンテナ。
【請求項9】
請求項~請求項の何れか一項に記載のパッチアンテナと、
前記パッチアンテナとは異なるアンテナと、を備え、
前記n個の金属体のうち、少なくとも2つの金属体は、前記第1金属体及び前記第2金
属体であり、
前記アンテナの一部が前記第2金属体である、
車載用アンテナ装置。
【請求項10】
請求項~請求項の何れか一項に記載のパッチアンテナと、
前記パッチアンテナとは異なるアンテナと、を備え、
前記n個の金属体のうち、少なくとも3つの金属体は、前記第1金属体、前記第2金属体及び第3金属体であり、
前記アンテナの一部が前記第3金属体である、
車載用アンテナ装置。
【請求項11】
放射素子と、前記放射素子の上方に位置するn個(ただし、nは2以上の自然数である)の金属体と、を含むパッチアンテナと、
前記パッチアンテナとは異なるアンテナと、を備え、
前記n個の金属体のうち、少なくとも2つの金属体は、第1金属体及び第2金属体であり、
前記アンテナの一部が前記第2金属体である、
車載用アンテナ装置。
【請求項12】
放射素子と、前記放射素子の上方に位置するn個(ただし、nは2以上の自然数である)の金属体と、を含むパッチアンテナと、
前記パッチアンテナとは異なるアンテナと、を備え、
前記n個の金属体のうち、少なくとも3つの金属体は、第1金属体、第2金属体及び第3金属体であり、
前記アンテナの一部が前記第3金属体である、
車載用アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッチアンテナ及び車載用アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
誘電体部材上に放射素子を備える平面アンテナとして、パッチアンテナがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-191961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パッチアンテナの構成によっては、低仰角から高仰角のうち、少なくとも一部の仰角の軸比が悪化してしまうことがある。
【0005】
本発明の目的の一例は、パッチアンテナの軸比を改善することにある。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、放射素子と、前記放射素子の上方に位置するn個(ただし、nは2以上の自然数である)の金属体と、を備え、前記n個の金属体の少なくとも1つの面積は、他の面積と異なる、パッチアンテナである。
【0007】
本発明の他の一態様は、上記態様のパッチアンテナと、前記パッチアンテナとは異なるアンテナと、を備え、前記n個の金属体のうち、少なくとも2つの金属体は、第1金属体及び第2金属体であり、前記アンテナの一部が前記第2金属体である、車載用アンテナ装置である。
【0008】
本発明のさらに他の一態様は、上記態様のパッチアンテナと、前記パッチアンテナとは異なるアンテナと、を備え、前記n個の金属体のうち、少なくとも3つの金属体は、前記第1金属体、前記第2金属体及び第3金属体であり、前記アンテナの一部が前記第3金属体である、車載用アンテナ装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、パッチアンテナの仰角の軸比を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】車載用アンテナ装置10の斜視図である。
図2】パッチアンテナ31を示す図である。
図3】パッチアンテナ31の分解斜視図である。
図4】パッチアンテナ31の断面斜視図である。
図5】パッチアンテナXの特性を示す図である。
図6】パッチアンテナ31の特性を示す図である。
図7】距離D1と軸比との関係を示す図である。
図8】距離D2と軸比との関係を示す図である。
図9】金属体55の辺の長さLと軸比との関係を示す図である。
図10】金属体55,57の倍率と軸比との関係を示す図である。
図11】第2実施形態の車載用アンテナ装置11を示す模式図である。
図12】第2実施形態の車載用アンテナ装置11を示す模式図である。
図13】第3実施形態の車載用アンテナ装置12を示す模式図である。
図14】第3実施形態の車載用アンテナ装置12を示す模式図である。
図15】金属体の他の実施形態を示す図である。
図16】パッチアンテナの本体部300の一例を示す図である。
図17】放射素子350の一例を示す図である。
図18】パッチアンテナとグランド部材との関係を示す模式図である。
図19】パッチアンテナ502の斜視図である。
図20】パッチアンテナ502の周囲の電気力線を示す模式図である。
図21】給電線510,511の配置を説明するための模式図である。
図22図19におけるB-B線の断面斜視図である。
図23】シールド部材590を説明するための図である。
図24】パッチアンテナ502の周囲の電気力線を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。
【0013】
=====本実施形態=====
<<<車載用アンテナ装置10(第1実施形態)の概要 >>>
図1は、本発明の第1実施形態である車載用アンテナ装置10の構成を示す図である。車載用アンテナ装置10は、車両(不図示)上面のルーフに取り付けられる装置であり、アンテナベース20、金属ベース21,22、ケース23、パッチアンテナ30,31、及びアンテナ32を含んで構成される。
【0014】
図1において、車載用アンテナ装置10が取り付けられる車両の前後方向をx方向、x方向と垂直な左右方向をy方向、x方向とy方向に垂直な鉛直方向をz方向とする。また、車両の運転席からフロント側を+x方向、右側を+y方向とし、天頂方向(上方向)を+z方向とする。以下、本実施形態では、車載用アンテナ装置10の前後、左右、及び上下のそれぞれの方向は、車両の前後、左右、及び上下の方向と同じであるとして説明する。
【0015】
アンテナベース20は、車載用アンテナ装置10の底面となる板状部材であり、例えば、絶縁性の樹脂で成形されている。アンテナベース20には、前方から順に、金属ベース21,22のそれぞれが複数のネジ(不図示)で取り付けられている。金属ベース21は、パッチアンテナ30が設置される板状部材であり、金属ベース22は、パッチアンテナ31及びアンテナ32が設置される板状部材である。
【0016】
金属ベース21と、金属ベース22とは、金属板(不図示)により電気的に接続されている。また、車載用アンテナ装置10が車両のルーフ(不図示)に取り付けられる際、金属ベース21,22と、ルーフとは電気的に接続される。このため、金属ベース21,22は、車載用アンテナ装置10のグランドとして機能する。なお、本実施形態では、金属ベース21,22が別体として設けられているが、1つの金属ベースであっても良い。このような金属ベースを用いた場合であっても、金属ベースは、後述するパッチアンテナ30,31のグラントとして適切に機能する。
【0017】
また、アンテナベース20は、金属ベース21,22のみで構成されてもよく、金属ベース21,22と絶縁ベースとで構成されてもよい。アンテナベース20は、絶縁ベースと、金属ベース21,22の代わりとなる金属プレートとで構成されてもよく、さらに、アンテナベース20は、絶縁ベースと、金属ベース21,22と、金属プレートとで構成されてもよい。
【0018】
パッチアンテナ30は、例えば、衛星デジタルラジオ放送サービス(SDARS:Satellite Digital Audio Radio Service)用の2.3GHz帯の電波を受信するためのアンテナである。パッチアンテナ31は、例えば、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)用の1.5GHz帯の電波を受信するためのアンテナである。なお、パッチアンテナ31の詳細については、後述する。
【0019】
アンテナ32は、例えば、AM/FMラジオ用の電波を受信するためのアンテナである。具体的には、アンテナ32は、例えば、522kHz~1710kHzのAM放送用の電波と、76MHz~108MHzのFM放送用の電波と、を受信する。アンテナ32は、ヘリカル素子80、容量装荷素子100、及びフィルタ110を含んで構成される。
【0020】
ヘリカル素子(以下、単に「コイル」と称する。)80は、支柱状のホルダ(不図示)に取り付けられた状態で、金属ベース22に設けられる。そして、コイル80の一端は、金属ベース22に電気的に接続され、コイル80の他端は、容量装荷素子100に電気的に接続される。容量装荷素子100は、コイル80とともに、所望周波数帯で共振する素子であり、前後方向(長手方向)に沿って4つに分割された金属体100a~100dを含む。
【0021】
ここで、「金属体」とは、金属の部材が加工されて形成されたものであり、例えば、金属板などの板状の金属部材の他に、板状以外の立体的な形状の金属部材を含む。本実施形態の金属体100a~100dのそれぞれは、金属板のy軸方向の両端部を、中央のx-y平面に略平行な底面から上側に曲げて形成されている。そして、左側面における金属体100aと金属体100bとの隙間と、右側面における金属体100bと金属体100cとの隙間と、左側面における金属体100cと金属体100dとの左隙間とには、フィルタ110が設けられている。フィルタ110は、パッチアンテナ31の周波数帯で、例えば並列共振する回路であり、図示しないコンデンサやコイルを含んで構成される。このため、フィルタ110は、4つの金属体100a~100dを電気的に接続する。なお、フィルタ110は、パッチアンテナ31の周波数帯では高インピーダンスになる。
【0022】
なお、本実施形態のフィルタ110は、図1に示す位置に設けられたが、フィルタ110の設置位置や数はこれに限られず、フィルタ110は、金属体100a~100dのうち、隣り合う金属体同士を接続する位置に配置されれば良い。このため、フィルタ110は、例えば、金属体100a~100dの頂部を含む上方の位置、または、底面を含む下方の位置に設けられても良い。また、フィルタ110は、容量装荷素子100の左側面または右側面の何れか一方の側面のみに配置されても良い。
【0023】
このように、4つの金属体100a~100dは、パッチアンテナ31の周波数帯では高インピーダンスになるフィルタ110を介して電気的に接続されている。コイル80は、パッチアンテナ31の周波数帯でインピーダンスが高くなるよう設計されている。フィルタ110はAM/FMの周波数帯では低インピーダンスであるため、金属体100a~100dの全てはAM/FMの周波数帯に対してコイル80とともに単一導体として動作する。すなわち、コイル80及び容量装荷素子100は、AM/FMの周波数帯で共振するアンテナとして動作する。
【0024】
本実施形態では、容量装荷素子100は、4つの金属体100a~100dを含んで構成されることとしたが、これに限られない。例えば、一つの金属体で形成されても、複数の金属体で形成されていても良い。また、容量装荷素子100は、中央の底面の両端部が上側に折り曲げられる形状を有しているが、形状はこれに限られない。例えば、容量装荷素子100は、両端部が下側に折り曲げられても良い。また、容量装荷素子100は、例えば、逆V字型、逆U字型、山型、アーチ型の形状をしていても良い。
【0025】
また、本実施形態では、4つの金属体100a~100dの前後方向の長さは、同じであるが、これに限られない。例えば、4つの金属体100a~100dの前後方向の長さのそれぞれが異なっていても良く、一部が同じ長さであっても良い。また、金属体100a~100dのそれぞれは底面を有する形状をしているが、底面を有さない金属体を含んでいても良い。
【0026】
<<<パッチアンテナ31の詳細>>>
ここで、図2~4を参照しつつ、パッチアンテナ31の詳細について説明する。図2は、パッチアンテナ31の斜視図であり、図3は、パッチアンテナ31の分解斜視図である。また、図4は、パッチアンテナ31の断面斜視図である。パッチアンテナ31は、図3及び図4に示すように、基板50、パターン51が形成された誘電体部材52、放射素子53、保持部材54,56、及び金属体55,57を含んで構成される。
【0027】
基板50は、うら面にパターン51が形成された誘電体部材52が設置される回路基板である。誘電体部材52のうら面のパターン51は、地導体膜(または、地導体板)として機能する導体である。誘電体部材52のうら面は、例えば接着剤(不図示)により、基板50に取り付けられる。なお、誘電体部材52は、セラミック等の誘電体材料で形成され、+z方向からみたx-y平面の平面視において略正方形の板状や箱状の部材である。
【0028】
誘電体部材52のおもて面には、縦、横の長さが等しい略正方形の導電性の放射素子53が形成されている。ここで、「略正方形」には、少なくとも一部の角が辺に対して斜めに切り欠かれた形状や、辺の一部に切り込み(凹部)や出っ張り(凸部)が設けられた形状も含む。
【0029】
なお、放射素子53は、後述のように2つの給電点を含む略正方形であるが、例えば、1つの給電点を含むものであっても良い。この場合、放射素子53は、縦、横の長さが異なる略長方形の形状となる。なお、「略長方形」も略正方形と同様に、角が辺に対して斜めに切りかけた形状等を含む。また、本実施形態では、適宜、略正方形及び略長方形をまとめ、略四辺形という。
【0030】
また、本実施形態では、図4に示すように、基板50、及び誘電体部材52を貫通する貫通孔60が形成されている。なお、図4では、1つの貫通孔60のみが図示されているが、2本の給電線61のそれぞれが放射素子53の給電点で接続されるよう、実際には、2つの貫通孔60が、基板50、及び誘電体部材52に形成されている。
【0031】
誘電体部材52のおもて面には、放射素子53を囲むよう、樹脂製の保持部材54が設けられている。保持部材54は、金属体55を保持する枠状の部材である。具体的には、保持部材54は、平面視での開口が所定面積の略正方形の上枠及び下枠から構成される。
【0032】
保持部材54の上枠を構成する一辺の幅は、下枠を構成する一辺の幅より広くなっている。そして、本実施形態では、保持部材54の幅の広い上枠のおもて面が、金属体55を保持することになるため、金属体55は、安定な状態で保持部材54に設置される。
【0033】
また、保持部材54の上枠のy軸に平行な2つの辺のそれぞれの中心付近には、z軸方向に延びる凸部62a,62bが形成されている。凸部62a,62bのそれぞれは、例えば、保持部材54に対する金属体55の位置を定めるために形成された、略直方体形状の突起である。
【0034】
なお、「辺の中心」とは、例えば、保持部材54の上枠のy軸に平行な+x側の辺(または、-x側の辺)と、保持部材54の幾何中心(以下、単に「中心」と称する。)を通るx方向の軸と、が交差する位置である。
【0035】
金属体55は、保持部材54に保持される略正方形の天頂板(または、天頂容量板)であり、y軸に平行な+x側の辺、及び-x側の辺のそれぞれの中心付近には、凹部63a,63bが形成されている。本実施形態では、保持部材54の凸部62a,62bのそれぞれが、金属体55の凹部63a,63bに嵌め合わされた状態で、金属体55は、保持部材54のおもて面に配置される。
【0036】
ところで、上述したように、保持部材54は、略正方形の枠であり、金属体55は、平面視において略正方形の形状を有する板状の部材である。したがって、凸部62a,62bに、凹部63a,63bが合うよう、保持部材54に金属体55が取り付けられると、保持部材54の中心と、金属体55の中心と、は略一致することになる。
【0037】
保持部材56は、樹脂で形成された枠状の部材であり、金属体55のおもて面に設けられる。具体的には、保持部材56は、平面視での開口が所定面積の略正方形の上枠及び下枠から構成される。また、保持部材56の下枠を構成する一辺の幅は、上枠を構成する一辺の幅より広くなっている。そして、本実施形態では、金属体55のおもて面と、保持部材56の幅の広い下枠の底面とが重なって、保持部材56が金属体55に設置される。このため、保持部材56は、安定な状態で金属体55に設置されることになる。
【0038】
保持部材56の下枠のy軸に平行な2つの辺のそれぞれの中心付近には、凹部64a,64bが形成されている。本実施形態では、保持部材56が金属体55のおもて面に設けられた際、平面視において、凹部64a,64bのそれぞれと、凹部63a,63bとが重なるよう、凹部64a,64bは設計されている。この結果、保持部材54、金属体55、及び保持部材56が重ねられると、凸部62aに対し凹部63a,64aが嵌め合わされ、凸部62bに対し凹部63b,64bが嵌め合わされることになる。
【0039】
また、保持部材56の上枠のy軸に平行な2つの辺のそれぞれの中心付近には、凸部65a,65bが形成されている。金属体57は、金属体55と同様に、平面視において略正方形の板状の部材(天頂板)であり、y軸に平行な+x側の辺、及び-x側の辺のそれぞれの中心付近には、凹部66a,66bが形成されている。本実施形態では、保持部材56の凸部65a,65bのそれぞれが、金属体57の凹部66a,66bに嵌め合わされた状態で、金属体57は、保持部材56のおもて面に配置される。したがって、保持部材56の中心と、金属体57の中心と、は略一致することになる。
【0040】
ところで、本実施形態の保持部材54は、保持部材54の中心と、放射素子53の中心とが一致するよう、誘電体部材52の上に設けられる。したがって、保持部材54は、放射素子53の中心と、金属体55の中心とが一致するよう、金属体55を保持することになる。
【0041】
また、保持部材56も、保持部材56の中心と、金属体55の中心とが一致するよう、金属体55の上に設けられる。したがって、金属体55の中心と、金属体57の中心とが一致するよう、保持部材56は、金属体57を保持することになる。パッチアンテナ31は、このように、略正方形の放射素子53、金属体55,57の中心の全てが略一致することになるため、より軸比(AR:Axial Ratio)を向上させることができる。また、このような構成では、例えば、放射素子53、及び金属体55,57のそれぞれの中心がずれている場合よりも、パッチアンテナ31を小型化することができる。
【0042】
なお、金属体55は、放射素子53の上面に垂直な方向において、放射素子53に最も近くに設けられる「第1金属体」に相当する。また、金属体57は、放射素子53の上面に垂直な方向において、金属体55に最も近くに設けられる「第2金属体」に相当する。また、金属体55,57は、「2個の金属体」に相当し、保持部材54は、「第1保持部材」に相当し、保持部材56は、「第2保持部材」に相当する。
【0043】
ここで、放射素子53のおもて面から、垂直方向(+z方向)において金属体55に到達するまでの距離のうち、最小離間距離を、放射素子53と、金属体55との距離D1とする。本実施形態では、金属体55は板状の部材であり、放射素子53のおもて面に対し、対向する面を有する。このため、距離D1は、放射素子53のおもて面から、金属体55の放射素子53に対向するうら面までの距離となる。
【0044】
また、金属体57は、金属体55の垂直方向(+z方向)、かつ平面視において、少なくとも両者が向かい合うように設けられる。そして、本実施形態では、金属体55と、金属体57との距離を、両者の向かい合った部分間の距離のうち、最小離間距離を、金属体55と、金属体57との距離D2とする。なお、ここで「部分」とは、金属体が板状部材の場合の平面、縁、辺の一部や金属体に凹凸が設けられた立体形状の場合の面、曲面、縁、辺の一部を含む。このため金属体55と、金属体57との距離は、z軸方向における両者の距離のうち、最小離間距離となる。
【0045】
ここで、金属体55,57は、ともに板状の部材であるため、金属体55のおもて面から、金属体57のうら面までの距離が、距離D2となる。また、パッチアンテナ31では、例えば、誘電体部材52と、保持部材54との間等、各構成の間は、例えば、両面テープや接着剤(不図示)で接着されていることとする。
【0046】
<<<パッチアンテナの特性について>>>
ところで、パッチアンテナ31は、放射素子53の上側に、2つの金属体55,57が設けられているが、比較対象として金属体55,57等が設けられてないパッチアンテナ(以下、パッチアンテナXと称する。)の電気特性について説明する。なお、以下特に言及しない限り、パッチアンテナは、GNSSのL1帯(中心周波数 1575.42MHz)の右旋円偏波の電波を受信することとする。また、本実施形態では、「所望周波数帯の波長」とは、パッチアンテナ31が用いられる所望の周波数帯の所望の周波数に対応する波長である。具体的には、「所望周波数帯の波長」は、例えば、所望周波数帯の中心周波数に対応する波長(以下、使用波長と称する。)であり、λで表す。また、以下、例えば、使用波長の1/2を、λ/2(=(1/2)×λ)と標記する。
【0047】
==パッチアンテナの構成のサイズ等==
また、放射素子53は、一辺が28mm(約λ/8)の略正方形である。また、金属体55は、一辺が35mm(約λ/6)の略正方形であり、金属体57は、一辺が27mm(約λ/8)の略正方形である。さらに、放射素子53から、金属体55までの距離D1は、3mm(約λ/80)であり、金属体55から金属体57までの距離D2は、8.5mm(約λ/23)である。なお、以下、本実施形態では、上述した放射素子53、及び金属体55,57のサイズ、距離D1,D2の条件を、標準条件と称する。
【0048】
==バッチアンテナXの特性==
ここで、パッチアンテナX(不図示)は、金属体55,57を含まず、例えば、図2図3で示した、基板50、パターン51、誘電体部材52、及び放射素子53を含んで構成される。図5は、パッチアンテナXが、所望の電波を受信した際の軸比特性を示す図である。また、図5において、+x軸方向は、アジマス角180°に対応し、+y軸方向は、アジマス角270°に対応する。図5より明らかなように、仰角が低くなるにつれて、特にアジマス角135°,270°付近の軸比が悪化する。
【0049】
==パッチアンテナ31の特性==
図6は、パッチアンテナ31が所望の電波を受信した際の軸比特性を示す図である。パッチアンテナXの軸比と、パッチアンテナ31の軸比とを比較すると、パッチアンテナ31では、特に低仰角(10°~30°)において、軸比の値が小さくなり、軸比が改善していることが分かる。したがって、図6に示すように、パッチアンテナ31では、金属体55,57を設けることにより、低仰角の軸比を改善することができる。
【0050】
<<<パッチアンテナ31の構成要素を変更した場合>>>
上述のように、金属体55,57を有するパッチアンテナ31は、軸比を改善することができる。ところで、パッチアンテナ31では、金属体55のサイズを35mm角、金属体57のサイズを27mm角、距離D1を3mm、距離D2を8.5mmとする標準条件を採用したが、これらの4つの要素を変化させても良い。以下、距離D1,D2のそれぞれを変更した場合と、金属体55,57のサイズを変更した場合と、について順次説明する。
==距離D1を変更した場合==
【0051】
図7は、距離D1と、軸比との関係を示す図である。図7の軸比の値は、仰角30°におけるアジマス角0~360°のうち、最も大きい値(ワースト値)である。なお、ここでは、距離D1以外の要素については、標準条件が採用されている。図7から明らかなように、距離D1を0mmから、20mm(λ/10)まで変化させると、軸比は、7.92dBからから徐々に小さくなり、距離D1が20mmになると、軸比は、最小値(7.22dB)となる。そして、距離D1を、20mmから増加させると、軸比は、最小値から増加する。したがって、パッチアンテナ31では、距離D1を、0mm~20mm(λ/10)の範囲に設定することにより、軸比を改善することができる。
==距離D2を変更した場合==
【0052】
図8は、距離D2と、軸比との関係を示す図である。なお、図8の軸比も、図7の軸比と同じであり、ここでは、距離D2以外の要素については、標準条件が採用されている。図8から明らかなように、距離D2を0mmから、20mm(λ/10)まで変化させると、軸比は、7.4dBから徐々に小さくなり、距離D2が20mmとなると、軸比は、最小値(7.0dB)となる。そして、距離D2を、20mmから増加させると、軸比は、最小値から増加する。したがって、パッチアンテナ31では、距離D2を、0mm~20mm(λ/10)の範囲に設定することにより、軸比を改善することができる。
【0053】
ところで、距離D1,D2の各々は、0mm~20mm(λ/10)の範囲で設定されることが好ましいが、この範囲は、パッチアンテナ31の特性が改善するよう、各構成が容量結合される範囲である。つまり、本実施形態では、放射素子53と、金属体55とが容量結合され、金属体55と、金属体57とが容量結合されることにより、パッチアンテナ31の軸比が改善することになる。
==金属体55のサイズを変更した場合==
【0054】
図9は、金属体55のサイズと、軸比との関係を示す図である。なお、なお、図9の軸比も、図7の軸比と同じであり、ここでは、金属体55のサイズ以外の要素については、標準条件が採用されている。また、金属体55は、略正方形であるため、金属体55のサイズは、略正方形の一辺の長さ(以下、長さLと称する。)で表している。図9から明らかなように、長さLが0mmの場合には、軸比は8.6dBであるが、長さLが20mm(λ/10)となると、軸比は8.2dBまで低下する。そして、長さLが50mm(λ/4)で最小値(7.2dB)となる。
【0055】
また、長さLを、50mmから増加させると、軸比は、最小値から増加する。したがって、パッチアンテナ31では、パッチアンテナ31の放射素子53に最も近くの金属体55の長さLを、20mm(λ/10)~50mm(λ/4)の範囲に設定することにより、軸比を改善することができる。
==金属体57のサイズを変更した場合==
【0056】
図10は、金属体55及び金属体57のサイズ比と、軸比との関係を示す図である。なお、図10では、仰角10°,30°,90°の各々におけるアジマス角0~360°のうち、最も大きい値(ワースト値)が軸比とし描かれている。また、ここでは、金属体57のサイズ以外の要素については、標準条件が採用されている。また、図10に示す倍率は、略正方形の金属体55の面積を1.0とした場合に、略正方形の金属体57の面積を数値で示したものである。したがって、例えば、金属体57の面積が、金属体55の面積の半分である場合、倍率は0.5となる。
【0057】
図10の仰角が30°の軸比では、倍率が0より大きく、0.5未満の場合、軸比は8.2dBで変化がないが、倍率を0.5とすると、軸比は8.1dBと低下する。そして、倍率を0.5から大きくすると、軸比は徐々に低下する。そして、倍率が、1.5倍となると、軸比は最も低下し、最小値(6.8dB)となる。
【0058】
また、倍率を1.5倍より大きくすると、軸比は最小値から増加する。したがって、パッチアンテナ31では、倍率を0.5以上、1.5以下の範囲のどこかに設定することにより、軸比を改善することができる。
【0059】
また、仰角が10°の場合、特に倍率が0.5~1.0の範囲で、軸比が大きく減少し、仰角が90°の場合、特に倍率が1.0~1.5の範囲で、軸比が大きく減少する。したがって、本実施形態では、倍率が0.5~1.0の範囲では、特に、低仰角~中仰角(例えば、10°~30°)の軸比を改善することができる。また、倍率が1.0~1.5の範囲では、特に、中仰角~高仰角(例えば、30°~90°)の軸比を改善することができる。したがって、本実施形態では、倍率を調整することにより、所望の仰角の軸比を調整できる。
【0060】
<<<第2実施形態の車載用アンテナ装置11>>>
図11は、第2実施形態の車載用アンテナ装置11の模式的な斜視図であり、図12は、車載用アンテナ装置11の模式的な側面図である。車載用アンテナ装置11は、図1の車載用アンテナ装置10と同様であるが、ここでは、便宜上、一部の構成のみを描き、他の構成を省略している。なお、車載用アンテナ装置10と、車載用アンテナ装置11とで同じ符号が付された構成は同じである。
【0061】
車載用アンテナ装置11では、パッチアンテナ31の代わりにパッチアンテナ33が設けられている。パッチアンテナ33は、パッチアンテナ31において、保持部材56、及び金属体57を除いたアンテナである。つまり、パッチアンテナ33において、放射素子53の上側には、保持部材54、及び金属体55のみが設けられている。
【0062】
また、車載用アンテナ装置11では、金属体55のおもて面から、距離D3だけ離れた位置にアンテナ32の金属体100aの底面が設置されるよう、アンテナ32がアンテナベース20(不図示)に取り付けられている。なお、距離D3は、上述した距離D2と同様に、金属体55と、金属体100aとが向かい合う部分の間の距離のうち、最小離間距離である。
【0063】
本実施形態では、金属体55から、金属体100aの底面までの距離D3を、金属体55と、金属体100aとが容量結合する距離(例えば、λ/10以内)に設定している。
【0064】
ここでは、便宜上、金属体100aを含むアンテナ32のサイズを、若干小さく描いているが、金属体55に対向する実際の金属体100aの底面の面積は、金属体55の面積の少なくとも0.5倍以上である。このような構成とすることで、車載用アンテナ装置11のパッチアンテナ33の低仰角の軸比を改善することができる。なお、ここでは、アンテナ32の一部である金属体100aは、「第2金属体」に相当する。
【0065】
なお、車載用アンテナ装置11における容量装荷素子100は、x-y平面に略平行な底面を有する4つの金属体100a~100dを有することとしたが、これに限られない。例えば、金属体100a~100dのそれぞれは、上に凸の傘型の形状を有していても良い。このような場合であっても、放射素子53と、金属体100aとの距離D3(上述した、最小離間距離)を、放射素子53及び金属体100aが容量結合できる距離(例えば、λ/10以内)に設定すれば良い。
【0066】
また、金属体100aにおいて、放射素子53に対向する面の面積を、放射素子53の面積の少なくとも0.5倍以上とすれば、軸比をより改善することができる。ここで、「金属体における放射素子53に対向する面」とは、必ずしもx-y平面に平行な面だけでなく、曲面や凹凸を含む面であっても良い。
【0067】
<<<第3実施形態の車載用アンテナ装置12>>>
図13は、第3実施形態の車載用アンテナ装置12の模式的な斜視図であり、図14は、車載用アンテナ装置12の模式的な側面図である。車載用アンテナ装置12は、図1の車載用アンテナ装置10と同様であるが、ここでは、便宜上、一部の構成のみを描き、他の構成を省略している。なお、車載用アンテナ装置10と、車載用アンテナ装置12とで同じ符号が付された構成は同じである。
【0068】
車載用アンテナ装置12は、車載用アンテナ装置10と同様に、パッチアンテナ31、及びアンテナ32を含むが、パッチアンテナ31の上側にアンテナ32が設けられている。具体的には、パッチアンテナ31の金属体57のおもて面から、距離D4だけ離れた位置にアンテナ32の金属体100aの底面が設置されるよう、アンテナ32がアンテナベース20(不図示)に取り付けられている。なお、距離D4は、上述した距離D2と同様に、金属体57と、金属体100aとが向かい合う部分の間の距離のうち、最小離間距離である。
【0069】
ここで、本実施形態では、金属体57から、金属体100aの底面までの距離D4を、金属体57と、金属体100aとが容量結合する距離(例えば、λ/10以内)に設定している。このような構成とすることで、車載用アンテナ装置12のパッチアンテナ31の低仰角の軸比を改善することができる。なお、ここでは、アンテナ32の一部である金属体100aは、「第3金属体」に相当する。
【0070】
<<<その他>>>
==放射素子53について==
パッチアンテナ31では、放射素子53は略正方形であることとしたが、これに限られず、例えば、円形、楕円形、略正方形及び略長方形を含む略四辺形以外の略多角形であっても良い。そのような形状の放射素子を用いる場合であっても、本実施形態と同様に、パッチアンテナの低仰角の軸比を改善できる。
【0071】
==保持部材54,56==
また、保持部材54,56は、枠状の部材であることとしたが、金属体55,57の位置が所望の位置となるよう保持できればどのような形状(例えば、金属体の四隅を支える支柱)であっても良い。また、例えば、保持部材として、例えば、樹脂で形成され、中実の基台を用い、金属体55,57を保持しても良い。
【0072】
さらに、ケース23の内側の一部に、金属体55,57を取り付け、金属体55,57の位置を所望の位置としても良い。なお、そのような場合、ケース23は、「保持部材」に相当する。
【0073】
==放射素子53、金属体55,57の位置==
また、パッチアンテナ31では、放射素子53の中心と、金属体55の中心とが一致するよう、金属体55が保持されたが、両者の中心がずれていても、パッチアンテナ31の低仰角の軸比は改善できる。
【0074】
また、パッチアンテナ31では、金属体55の中心と、金属体57の中心とが一致するよう、金属体57が保持されたが、両者の中心がずれていても、パッチアンテナ31の低仰角の軸比は改善できる。
【0075】
==金属体55,57==
金属体55,57は略正方形であることとしたが、これに限られず、例えば、円形、楕円形、略四辺形以外の略多角形であっても良い。そのような形状の金属体55,57を用いる場合であっても、本実施形態と同様に、パッチアンテナ31の低仰角の軸比を改善できる。
【0076】
また、本実施形態では、金属体55,57はx-y平面に平行な板状の部材であったが、例えば、少なくとも一部が折り曲げられ、凸形状や凹形状を有していても良い。また、金属体55,57は、例えば、左右が非対称形状を有していても良い。
【0077】
図15は、金属体の他の実施形態を示す図である。図15(a)に示す金属体200は、金属板のy軸方向の両端部が、中央部から下方向に折り曲げられ、z軸正方向に凸形状を有している。図15(b)に示す金属体201は、金属板がアーチ形状に湾曲され、z軸正方向に凸形状を有している。
【0078】
図15(c)に示す金属体202は、金属板のy軸方向の両端部が、中央部から上方向に折り曲げられ、軸正方向に凸形状を有している。図15(d)に示す金属体203は、金属板のy軸方向の両端部を、中央部から下方向に折り曲げて屈曲部を形成した後、更に、その屈曲部の端部をフランジとすべく屈曲させている。なお、金属体203に形成された端部の2つのフランジと、中央部とは、ともに、x-y平面に略平行である。
【0079】
このような金属体が用いられた場合であっても、上述したように、放射素子53と、金属体との距離は、距離D1で定められ、複数の金属体の間の距離は、距離D2で定められる。
【0080】
==積層型のパッチアンテナ==
本実施形態では、パッチアンテナ31は誘電体部材52と放射素子53とが1つのみ設けられることとしたが、これに限られない。例えば、誘電体部材52を第1の誘電体部材とし、第1の誘電体のおもて面に設けられた放射素子53を第1の放射素子とした場合、第1の放射素子の上方に設けられた第2の誘電体部材と第2の誘電体部材のおもて面に設けられた第2の放射素子を含んでもよい。あるいは、誘電体部材52と、誘電体部材52のおもて面に設けられ、そのおもて面及びうら面に放射素子を有する別の誘電体部材と、を有する構造であってもよい。すなわち、誘電体部材及び放射素子の数は1つに限定されず、2つ以上であってもよく、積層型や多層型の構成であってもよい。
【0081】
そして、第1及び第2の誘電体部材、及び第1及び第2の放射素子を含む積層型の構成において、最も上方の第2の放射素子の上側に、本実施形態で説明した複数の金属体55,57を設けても良い。そのような場合、第1及び第2の誘電体部材、及び第1及び第2の放射素子と、複数の金属体55,57とを含む構成が、積層型のパッチアンテナに相当する。
【0082】
なお、積層型のパッチアンテナにおいて、第1の放射素子と第2の放射素子とは互いに異なる周波数帯で動作してもよい。このように、誘電体部材及び放射素子の数が複数である積層型のパッチアンテナであっても、本実施形態と同様の効果を得られる。
【0083】
図16は、積層型のパッチアンテナの本体部300の一例を示す図である。積層型のパッチアンテナは、例えば、GNSS用の2つの異なる周波数帯の電波(例えば、L1,L2帯の電波)に対応するアンテナである。
【0084】
本体部300は、図16(a)の平面図、図16(b)の側面図に示すよう、誘電体部材310,311、及び放射素子320,321を含んで構成される。
【0085】
誘電体部材310は、例えば図3のパッチアンテナ31の誘電体部材52と同様の部材であり、基板330に設置される。なお、基板330は、うら面にパターン(不図示)が形成された回路基板である。
【0086】
また、誘電体部材310のおもて面には、略正方形の導電性の放射素子320が形成されている。なお、本体部300において、誘電体部材310(第1の誘電体部材)、及び放射素子320(第1の放射素子)は、第1周波数(例えば、L2帯の周波数)に対応する構成である。
【0087】
放射素子320のおもて面には、誘電体部材311が設置されており、誘電体部材311のおもて面には、放射素子321が設置されている。ここで、誘電体部材311(第2の誘電体部材)及び放射素子321(第2の放射素子)は、本体部300のうち、第1周波数とは異なる第2周波数(例えば、L1帯の周波数)に対応する構成である。
【0088】
そして、このような本体部300に対し、パッチアンテナ31と同様に、放射素子321の上方に2つの金属体を設けることとしても良い。このような2つの金属体を設けることにより、パッチアンテナ31と同様に、本体部300を含む積層型のパッチアンテナの軸比を改善することができる。
【0089】
==スロットを有する放射素子==
また、本実施形態のパッチアンテナ31の放射素子53は、例えば、所定の周波数帯の電波(例えば、GNSSのL1帯の電波)に対応する素子であることとしたが、これに限られない。例えば、図17に示すように、複数の周波数帯(例えば、L1,L2帯)の電波に対応する放射素子350を用いても良い。
【0090】
放射素子350は、略正方形の形状を有し、4つの辺の各々に対応する位置に設けられたスロット360と、4つの給電点361とが設けられている。スロット360は、放射素子350に形成された開口であり、スロット360の電気長を調整する一つの手段としてミアンダ形状を有する。このようなスロット360が放射素子350に設けられることにより、放射素子350は、例えば2つの周波数帯の電波を放射(または、反射)することができる。
【0091】
==パッチアンテナとグランド部材との関係==
ところで、パッチアンテナをグランドとして機能するグランド部材の略中央に配置すると、パッチアンテナの軸比が向上する。ここで、「グランド部材」とは、グランドとして機能する部材であれば良く、例えば、金属ベース、金属プレート(所謂、金属の平板)、金属ベース及び金属プレートが組み合わさった部材であっても良い。
【0092】
また、グランド部材の「略中央」とは、例えば、平面視で見たグランド部材の幾何中心を含み、配置されるパッチアンテナの面積(例えば、パッチアンテナを平面視で見た際の面積)より小さい領域である。なお、より軸比を改善させるには、パッチアンテナの幾何中心と、グランド部材の幾何中心とが、平面視において重なるよう、グランド部材に対してパッチアンテナが配置されることが好ましい。
【0093】
図18は、パッチアンテナとグランド部材との関係を示す模式図である。なお、図18(a)~(e)のそれぞれにおいて、上段は、平面図であり、下段は、A-A線における断面図である。
【0094】
図18(a)では、グランド部材となる金属ベース400のおもて面に、基板401が設けられている。また、基板401のおもて面には、パッチアンテナ402が設けられている。ここでは、平面視において、四辺形状のパッチアンテナ402の幾何中心と、四辺形状の金属ベース400の幾何中心とが重なるよう、パッチアンテナ402設けられている。
【0095】
図18(b)では、グランド部材となる金属プレート410のおもて面に、パッチアンテナ411が設けられている。図18(b)においても、平面視において、四辺形状のパッチアンテナ411の幾何中心と、四辺形状の金属プレート410の幾何中心とが重なるよう、パッチアンテナ411は配置されている。
【0096】
図18(c)では、金属ベース420と、金属プレート421とが、一つのグランドとして機能するよう接続されている。また、金属ベース420のおもて面には、パッチアンテナ422が設けられている。ここでも、平面視において、金属ベース420及び金属プレート421で形成されるグランド部材(四辺形状)の幾何中心に、四辺形状のパッチアンテナ422の幾何中心が重なるよう、パッチアンテナ422が配置されている。
【0097】
図18(d)では、中央部に金属ベース430を有する樹脂ベース431が図示されている。また、金属ベース430のおもて面には、パッチアンテナ432が設けられている。ここでも、平面視において、パッチアンテナ432は、四辺形状のパッチアンテナ432の幾何中心と、四辺形状の金属ベース430の幾何中心とが重なるよう、金属ベース430の上に配置されている。
【0098】
図18(e)では、中央部の紙面左側に金属ベース440を有する樹脂ベース441が図示されている。図18(d)の場合と同様に、パッチアンテナ442は、四辺形状のパッチアンテナ442の幾何中心と、四辺形状の金属ベース440の幾何中心とが重なるよう、金属ベース440の上に配置されている。
【0099】
図18(a)~(e)に例示する位置にパッチアンテナを配置することにより、パッチアンテナの指向性の歪みが抑制され、軸比を向上させることができる。なお、図18では、パッチアンテナ、及びグランド部材(例えば、金属ベース)のそれぞれを、便宜上四辺形として描いているが、これに限られずどのような形状であっても良い。ここでは、平面視におけるパッチアンテナの幾何中心が、グランド部材の「略中央」となるよう、好ましくは幾何中心と重なるよう、パッチアンテナが配置されれば良い。
【0100】
また、図18におけるパッチアンテナは、一般的な誘電体部材及び放射素子から構成されるパッチアンテナに限られない。例えば、図2のパッチアンテナ31、図16の積層型の本体部300を有するパッチアンテナ、図17の放射素子350を用いたパッチアンテナであっても良い。
【0101】
==給電線の配置について==
図19は、パッチアンテナの一例の斜視図である。図19のパッチアンテナは、例えば、図1と同様の車載用アンテナ装置に含まれるが、ここでは便宜上、パッチアンテナの周辺の構成のみが図示されている。具体的には、図19では、金属ベース500、基板501、パッチアンテナ502、給電線510,511、及びネジ520~523が描かれている。
【0102】
金属ベース500は、図1のアンテナ装置10の金属ベース22と同様に、グランドとして機能する板状部材であり、基板501が5つのネジ(ネジ520~523、及びネジ524(後述))により取り付けられている。また、金属ベース500には、給電線510,511(後述)を車載用アンテナ装置の外部の装置に接続できるよう、金属ベース500を貫通する開口530が設けられている。
【0103】
基板501は、図2の基板50と同様に、うら面にパターン(不図示)が形成され、パッチアンテナ502が配置される回路基板である。パッチアンテナ502は、例えば、GNSSのL1帯、及びL2帯に対応するアンテナであり、誘電体部材550、及び上述した図17の放射素子350を備える。
【0104】
給電線510,511は、パッチアンテナ502と、車載用アンテナ装置の外部の装置とを接続する同軸ケーブルである。なお、給電線510,511のそれぞれの内導体(不図示)は、誘電体部材550のビアホール(不図示)や誘電体部材550に設けられた貫通孔を通る導体(不図示)等を介し、放射素子350の給電点361に接続され、外導体(不図示)は、例えば、基板501のうら面のグランド部分に接続される。
【0105】
なお、ここでは、2本の給電線510,511が4つの給電点361に接続されることとしたが、これに限られない。例えば、放射素子が2つの給電点を有する場合、給電線510,511は、2つの給電点に接続されることとしても良い。また、詳細は後述するが、本実施形態では、基板501のグランド部分は、金属ベース500に電気的に接続されている。
【0106】
ところで、パッチアンテナ502が動作している際には、パッチアンテナ502の放射素子350と、金属ベース500との間の電場が変化する。図20は、パッチアンテナ502と、金属ベース500との間の電気力線を示す模式図である。図20に示すように、パッチアンテナ502に接続される給電線510,511は、電場の影響を受ける。この結果、給電線510,511のそれぞれには、電場の影響により漏洩電流が発生することがある。
【0107】
仮に、給電線510,511のうち、給電線510が、給電線511より電場の影響を大きく受ける場合、給電線510に発生する漏洩電流が大きくなる。この結果、パッチアンテナ502の指向性が悪化してしまうことがある。
【0108】
そこで、本実施形態では、給電線510,511のそれぞれが受ける電場の影響が等しくなるよう、給電線510と、給電線511とを配置している。
【0109】
図21は、基板501のうら面における給電線の配置を説明する模式図である。図21(a)は、図19の金属ベース500を-z方向から見た模式図であるため、まず図21(a)を参照しつつ、給電線の配置を説明する。
【0110】
なお、図21の模式図では、便宜上、平面視において四辺形状のパッチアンテナ502の幾何中心と、四辺形状の基板501の幾何中心とが、重なるよう図示している。
【0111】
接続部560,561のそれぞれは、基板501のうら面に取り付けられた給電線510,511の内導体が接続される導電性の部材である。ここでは、接続部560と、接続部561とは、基板501のうら面において、パッチアンテナ502の幾何中心を通るx方向の軸に対し、対称な位置に配置されている。
【0112】
そして、図19図21(a))の実施形態では、給電線510と、給電線511とが、接続部560,561から、開口530まで、パッチアンテナ502の幾何中心を通るx方向の軸に対し、対称となるよう配置されている。このような配置とすることで、接続部560,561がパッチアンテナ502の電場から受ける影響を略等しくすることができる。
【0113】
なお、ここでは、給電線510と、給電線511との配置を、パッチアンテナ502の幾何中心を通るx方向の軸に対し「対称」としたが、給電線510,511のそれぞれが受ける電場の影響が略等しくなれば良い。したがって、給電線510と、給電線511とは、パッチアンテナ502の幾何中心を通るx方向の軸に対し、電場の影響が略等しくなるよう略対称であっても良い。
【0114】
また、パッチアンテナ502からの電場は、パッチアンテナ502からの距離に応じて小さくなる。このため、給電線510と、給電線511とのうち、例えば、電場の影響が比較的大きい引き出し部分が略対称に配置されていれば良い。ここで、「給電線の引き出し部分」とは、給電線において、例えば、接続部から、給電線が直線状に引き出される箇所(給電線が曲げられる箇所)までの部分をいう。
【0115】
なお、図21(b)、及び図21(c)は、給電線510,511の他の配置の一例を示す図である。このような配置であっても、給電線510,511が受ける電場の影響は略等しくなるため、パッチアンテナ502の指向性を改善することができる。
【0116】
==基板501のグランド機能の強化について==
ところで、給電線510,511への電場の影響を抑制するためには、給電線510,511の一部を覆うように設けられた基板501のグランド機能を強くすることが有効である。そこで、図19の実施形態では、基板501の4角のネジ520,522~524に加え、ネジ521を設けることにより、金属ベース500と、基板501のグランド部との間のインピーダンスを小さくしている。
【0117】
図22は、図19の実施形態のB-B線における断面斜視図である。ここで、基板501のうら面には、図示しない各種素子(例えば、コンデンサやコイル)が実装されている。このため、これらの素子が実装された状態で、基板501が金属ベース500に取り付けられるよう、金属ベース500には略直方体形状の凹んだ空間570が形成されている。
【0118】
空間570の4角には、基板501を支持する支持部580,582~584が形成されている。さらに本実施形態では、支持部580と、支持部582との間には、基板501を支持するとともに、基板501のグランド機能を強化するための支持部581が形成されている。
【0119】
また、支持部580~584のそれぞれには、導電性のネジ520~524に対応するネジ穴が形成されている。このため、支持部580~584が基板501を支持した状態で、ネジ520~524が取り付けられると、基板501は金属ベース500に固定されることになる。
【0120】
ここで、基板501のネジ520~524が取り付けられる部位と、支持部580~584で支持される部位と、には、導電性のグランド部(不図示)が形成されている。したがって、金属ベース500に基板501が支持された状態で、導電性のネジ520~524が取り付けられると、金属ベース500と、基板501とは、電気的に接続されることになる。
【0121】
また、図19、及び図22の実施形態では、支持部580と、支持部581との間に形成される領域(第1領域)に給電線510(第1給電線)が配置され、支持部581と、支持部582との間に形成される領域(第2領域)に給電線511(第2給電線)が配置される。
【0122】
したがって、給電線510,511の一部は、ともに、ネジ521及び支持部581によりグランド機能が強化された基板501により覆われることになる。この結果、本実施形態では、給電線510,511への電場の影響を抑制することができる。また、基板501のグランド機能が強化されるため、給電線510,511からのノイズ(例えば、放射ノイズ)の影響も抑えることができる。
【0123】
なお、本実施形態では、支持部580~584のネジ穴にネジ520~524が取り付けられることにより、基板501が金属ベース500に固定されたがこれに限られない。例えば、支持部580~584に対し、基板501をはんだ等で直接固定しても良い。このような場合であっても、ネジを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0124】
==シールドについて==
図22等では、給電線510,511への影響、または給電線510,511からの影響を抑制すべく、基板501のグランド機能を強化することを説明したが、例えば、図23に示すように、シールド部材を用いても良い。
【0125】
図23は、パッチアンテナ502とシールド部材との関係を説明するための図である。なお、図23(a)では、シールド部材がない状態を図示し、図23(b)では、シールド部材がある状態を図示している。なお、図23(b)のシールド部材以外の構成は、例えば図19等と同じであるため、シールド部材を中心に説明する。
【0126】
シールド部材590は、金属ベース500のおもて面において、給電線510,511と、開口530とを覆うよう設けられた金属性のプレートである。また、シールド部材590は、例えば、導電性のネジ(不図示)により金属ベース500に電気的に接続されている。
【0127】
この結果、例えば、図24に示すように、パッチアンテナ502からの電場が給電線510,511に影響を与えることを防ぐことができる。また、シールド部材590は、給電線510,511が発生するノイズが、金属ベース500のおもて面に設けられた装置(例えば、パッチアンテナ502)に影響を与えることを抑制することができる。
【0128】
なお、ここでは、シールド部材590は、基板501から引き出されている給電線510,511の全てを覆うこととしたが、一部であっても良い。また、シールド部材590の代わりに、給電線510,511にフェライトコアを取り付けても良い。このような構成であっても、図23(b)の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0129】
<<<<まとめ>>>>
以上、本実施形態の車載用アンテナ装置10~12について説明した。例えば、パッチアンテナ31では、2枚(n=2)の金属体55,57が、放射素子53の上方に設けられている。そして、金属体55,57の面積は互いに異なる。このような構成のパッチアンテナで31では、パッチアンテナ31の軸比を改善することができる。
【0130】
また、放射素子53の上方に設けられる金属体の数は、2以上の自然数であれば良いが、特に、2または3個(枚)とすることで、パッチアンテナ31の高さを低くしつつ、軸比を改善することができる。すなわち、シャークフィン形状の車載用アンテナ装置、ルーフ埋込型の車載用アンテナ装置など、高さ制限がある場合であっても、軸比を改善が可能なパッチアンテナ31を配置することができる。
【0131】
また、パッチアンテナ31では、放射素子53の上面に垂直な+z方向において、放射素子53と、金属体55との距離D1は、使用周波数のλ/10以下である。したがって、例えば、図7に示すように、パッチアンテナ31の低仰角の軸比を改善できる。
【0132】
また、放射素子53の上面に垂直な+z方向において、金属体57と、金属体55との距離D2は、使用周波数のλ/10以下である。したがって、例えば、図8に示すように、パッチアンテナ31の低仰角の軸比をより改善できる。
【0133】
また、金属体55の面積は、一辺の長さLが20mm(λ/10)である正方形の面積以上である。したがって、例えば、図9に示すように、パッチアンテナ31の低仰角の軸比を改善することができる。なお、金属体55の面積は、一辺の長さLが20mm(λ/10)である正方形の面積以上であれば良いため、金属体55の形状は、どのような形状であっても良い。
【0134】
また、金属体55の面積は、一辺の長さLが50mm(λ/4)である正方形の面積以下である。したがって、例えば、図9に示すように、パッチアンテナ31の低仰角の軸比を改善することができる。なお、金属体55の面積は、一辺の長さLが50mm(λ/4)である正方形の面積以下であれば良いため、金属体55の形状は、どのような形状であっても良い。
【0135】
また、金属体57の面積は、例えば、金属体55の面積の0.5倍以上1.0倍未満としても良い。このような場合、特に、パッチアンテナ31の低仰角~中仰角の軸比を改善することができる。さらに、金属体57の面積は、例えば、金属体55の面積の1.0倍より大きく、1.5倍以下としても良い。このような場合、例えば、図10に示すように、パッチアンテナ31の中仰角~高仰角の軸比を改善することができる。
【0136】
また、保持部材54は、放射素子53の中心と、金属体55の中心とが一致するよう、金属体55を保持する。このため、パッチアンテナ31では、サイズを小型化することができるとともに、軸比をより改善することができる。また、保持部材54は、誘電体部材52のおもて面に設けられている。このため、例えば、保持部材54を基板50に設ける場合と比較すると、パッチアンテナ31をより小型化することができる。
【0137】
また、保持部材56は、金属体55の中心と、金属体57の中心とが一致するよう、金属体57を保持する。このため、パッチアンテナ31では、サイズを小型化することができるとともに、軸比をより改善することができる。また、保持部材56は、金属体55のおもて面に設けられている。このため、例えば、保持部材56を基板50に設ける場合と比較すると、パッチアンテナ31をより小型化することができる。
【0138】
また、パッチアンテナ31では、放射素子53、及び金属体55,57の各々は略正方形である。このため、パッチアンテナ31において、各々の中心を容易に一致させることができる。
【0139】
また、車載用アンテナ装置11では、金属体57の代わりに、金属体100aを天頂板として用いている。このような構成であっても、パッチアンテナ33の軸比を改善することができる。
【0140】
また、車載用アンテナ装置12では、金属体55,57の上方に、3つ目(n=3)の天頂板に相当する金属体100aが設けられている。このような構成であっても、パッチアンテナ33の軸比を改善することができる。
【0141】
本実施形態で「車載」とは、車両にのせることができるとの意味であるため、車両に取り付けられているものに限らず、車両に持ち込まれ、車両内で用いられるものも含まれる。また、本実施形態のアンテナ装置は、車輪のついた乗り物である「車両」に用いられることとしたが、これに限られず、例えばドローン等の飛行体、探査機、車輪を有さない建機、農機、船舶等の移動体に用いられても良い。
【0142】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0143】
10,11,12 車載用アンテナ装置
20 アンテナベース
21,22,400,420,430,440,500 金属ベース
23 ケース
30,31,402,411,422,432,442,502 パッチアンテナ
32 アンテナ
50,330,401,501 基板
51 パターン
52,310,311,550 誘電体部材
53,320,321,350 放射素子
54,56 保持部材
55,57,100a~100d,200~203 金属体
62,65 凸部
63,64,66 凹部
80 ヘリカル素子(コイル)
100 容量装荷素子
110 フィルタ
300 本体部
360 スロット
361 給電点
410,421 金属プレート
431,441 樹脂ベース
510,511 給電線
520~524 ネジ
530 開口
570 空間
580~584 支持部
590 シールド部材
図1
図2
図3
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