(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-17
(45)【発行日】2025-11-26
(54)【発明の名称】感熱記録ライナーレスラベル
(51)【国際特許分類】
B41M 5/42 20060101AFI20251118BHJP
B41M 5/40 20060101ALI20251118BHJP
B41M 5/44 20060101ALI20251118BHJP
B41M 5/337 20060101ALI20251118BHJP
C09J 133/00 20060101ALI20251118BHJP
C09J 7/29 20180101ALI20251118BHJP
C09J 129/00 20060101ALI20251118BHJP
【FI】
B41M5/42 211
B41M5/40 210
B41M5/40 220
B41M5/42 221
B41M5/44 220
B41M5/44 210
B41M5/337 212
C09J133/00
C09J7/29
C09J129/00
(21)【出願番号】P 2022104136
(22)【出願日】2022-06-29
【審査請求日】2024-07-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋元 真也
(72)【発明者】
【氏名】青山 茂生
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/175649(WO,A1)
【文献】特開2013-121718(JP,A)
【文献】特開2022-082159(JP,A)
【文献】特開2003-228288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/42
B41M 5/40
B41M 5/44
B41M 5/333
B41M 5/337
C09J 133/00
C09J 7/29
C09J 129/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体、前記支持体の一方の面に支持体に近い側から
下塗り層、染料前駆体及び顕色剤を含有する感熱記録層、接着剤を含有する保護層、並びに剥離層を有し、前記支持体の他方の面に粘着剤層を有する感熱記録ライナーレスラベルであって、
以下に記載の方法により測定される、前記感熱記録ライナーレスラベルから検出されるアジピン酸ジヒドラジド量が50~250mg/m
2であり、
「感熱記録ライナーレスラベルを8cm×8cm角を測り取り、更に5mm角に裁断する。裁断したサンプルをサンプル瓶に入れ、5mlの水と共に超音波処理を10分行う。その後、ポア径0.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、得られた溶液をHPLC-CADで分析する。定量分析は1点検量線法で行う。HPLC条件の詳細を以下に示す。
<HPLC条件詳細>
装置:HPLC Waters alliance2690
検出器:CAD
カラム:Waters XBridge 長さ×内径=250×4.6mm 粒径=5μm
カラム温度:30℃
溶離液:0.1% IPCC-MS-3水溶液(85%)+アセトニトリル(15%)1mLのIPCC-MS-3を純水で1000mLに希釈する。希釈したIPCC-MS-3水溶液850mLとアセトニトリル150mLを混合し、溶離液とする。
流量:1.0mL/min(アイソクラティック)
注入量:2μL」
前記剥離層が白金触媒を含有する付加重合型シリコーン剥離層であり、
前記下塗り層がアジピン酸ジヒドラジドを含有し、
前記保護層に含有される接着剤として、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種を含有し、
前記顕色剤として、2-フェニルスルホニルアミノ-N,N’-ジフェニルウレアを含有
し、
下塗り層、感熱記録層、保護層及び剥離層の塗布量が乾燥質量で、それぞれ3~20g/m
2
、2~12g/m
2
、0.1~8g/m
2
、0.05~3g/m
2
である、
感熱記録ライナーレスラベル。
【請求項2】
前記下塗り層が中空粒子を含有し、前記中空粒子の最大粒子径(D100)が10~30μmであり、平均粒子径(D50)が4.0~15μmであり、最大粒子径(D100)と平均粒子径(D50)との比D100/D50が1.8~3.0であり、中空率が80~98%であり、粒子径2.0μm以下の体積%が1%以下である、請求項
1に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
【請求項4】
前記顕色剤の融点が150℃以上である、請求項1又は2に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
【請求項5】
前記感熱記録層に、保存安定剤として下記一般式(1):
【化1】
で表されるウレアウレタン化合物を含有する、請求項1又は2に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染料前駆体と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録ライナーレスラベルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱エネルギーにより電子供与性化合物と電子受容性化合物とを接触させて記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。このような感熱記録体は比較的安価であり、記録機器がコンパクトで、その保守も容易なため、ファクシミリや各種計算機等の記録媒体に使用されている。
【0003】
特に近年は、ガス、水道、電気料金等の領収書、金融機関のATMの利用明細書、各種レシート等、財務関係の記録用紙やPOSシステム用の感熱記録ラベル或いは感熱記録タグ等に、種々のバーコードを感熱記録印字して用いられる機会が増加しており、バーコード印字適性を有する感熱記録体が求められている。
【0004】
かかるラベル用途の感熱記録体は、感熱記録層の裏面に粘着剤層を設けた上に剥離紙が貼り合わされ、巻取りの状態で記録機器に装填されている。このような感熱記録用粘着シートの紙厚は粘着剤層、剥離紙の構成により厚くなるため、記録機器に装填できる感熱記録用粘着シートの長さも制限され、記録後貼り合せ時に発生する剥離紙の処理も省資源の観点から問題である。
【0005】
剥離紙を用いない感熱記録用粘着シートは、種々提案されており、感熱記録体上にシリコーン樹脂等を含む剥離層、裏面に粘着剤層を設けた巻取りの状態で使用されている。しかしながら、剥離層と粘着剤層が感熱記録層と重ね合わされることによって問題が種々発生する。
【0006】
すなわち、感熱記録ライナーレスラベルでは、剥離紙を有する従来のラベルと異なり、記録面側の剥離層が削り取られるか、又は巻取状に保管されて表裏が密着して剥離層表面に転移した粘着剤層が剥がれるかして、ヘッド粕を形成する問題がある。ヘッド粕は、記録面に傷を発生させる原因となり、蓄積して記録面への熱伝達を阻害して印字カスレを発生させる原因となる。
【0007】
特許文献1には、支持体と、該支持体の一方の面上に、保温層と、感熱発色層と、バリア層と、離型層とをこの順に少なくとも有し、前記支持体の他方の面上に、接着剤層を有してなり、前記離型層が、硬化シリコーン樹脂を有し、かつ前記バリア層が、水溶性樹脂と架橋剤との硬化物、無機フィラー、及び体積平均粒子径1.0μm~8.0μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を含有し、前記離型層と前記バリア層との接着強度が、前記接着剤層と前記離型層との接着強度より大きいことを特徴とする感熱記録ライナーレスラベルが報告されている。そして、当該感熱記録ライナーレスラベルを特にロール状にした際において、前記剥離紙がなくても感熱記録ライナーレスラベル表面の前記離型層と裏面の前記接着剤層とが結着することなく、スムーズに剥離することができ、かつサーマルプリンタにて印字を行っても、前記離型層を形成する物質のスティッキング防止が可能であることが記載されている。
【0008】
現在、耐可塑剤性に優れる上、剥離層の硬化性が良好であってヘッド粕が少ない感熱記録ライナーレスラベルが強く求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、感度、耐熱地肌カブリ及び耐可塑剤性に優れ、且つ印字面側に設けられた付加重合型シリコーン剥離層の硬化性が良好な感熱記録ライナーレスラベルを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、剥離層を白金触媒を含有する付加重合型シリコーン剥離層とし、感熱記録ライナーレスラベルから検出されるアジピン酸ジヒドラジド量を15~450mg/m2とすることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を解決するに至った。すなわち、本発明は、下記の感熱記録ライナーレスラベルに係る。
【0012】
項1:支持体、前記支持体の一方の面に支持体に近い側から染料前駆体及び顕色剤を含有する感熱記録層、接着剤を含有する保護層、並びに剥離層を有し、前記支持体の他方の面に粘着剤層を有する感熱記録ライナーレスラベルであって、
前記感熱記録ライナーレスラベルから検出されるアジピン酸ジヒドラジド量が15~450mg/m2であり、
前記剥離層が白金触媒を含有する付加重合型シリコーン剥離層である
感熱記録ライナーレスラベル。
項2:前記アジピン酸ジヒドラジド量が50~250mg/m2である、項1に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
項3:前記保護層に含有される接着剤として、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種を含有する、項1又は2に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
項4:前記支持体と前記感熱記録層との間に下塗層を有する、項1~3のいずれか一項に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
項5:前記下塗り層が中空粒子を含有し、前記中空粒子の最大粒子径(D100)が10~30μmであり、平均粒子径(D50)が4.0~15μmであり、最大粒子径(D100)と平均粒子径(D50)との比D100/D50が1.8~3.0であり、中空率が80~98%であり、粒子径2.0μm以下の体積%が1%以下である、項4に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
項6:前記下塗層が、Tgが-30℃~-50℃のスチレン-ブタジエン系ラテックスを含有する、項1~5のいずれか一項に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
項7:前記顕色剤の融点が150℃以上である、項1~6のいずれか一項に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
項8:前記顕色剤として、2-フェニルスルホニルアミノ-N,N’-ジフェニルウレアを含有する、項1~7のいずれか一項に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
項9:前記感熱記録層に、保存安定剤として下記一般式(1):
【0013】
【0014】
で表されるウレアウレタン化合物を含有する、項1~8のいずれか一項に記載の感熱記録ライナーレスラベル。
【発明の効果】
【0015】
本発明の感熱記録ライナーレスラベルは、感度、耐熱地肌カブリ及び耐可塑剤性に優れ、且つ印字面側に設けられた付加重合型シリコーン剥離層の硬化性が良好である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書中において、「含む」なる表現については、「含む」、「実質のみからなる」、及び「のみからなる」旨の概念を含む。
【0017】
本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0018】
本発明におけるラテックスは、分散媒体を乾燥させることにより形成されるゲル又は乾燥皮膜の状態を含む。
【0019】
また、本発明では「平均粒子径」は、レーザ回析法によって測定される体積基準のメジアン径をいう。より簡単には、電子顕微鏡を使用し、粒子画像(SEM画像)から粒子径をそれぞれ測定し、10個の平均値で示しても構わない。
【0020】
本発明は、支持体、前記支持体の一方の面に支持体に近い側から染料前駆体及び顕色剤を含有する感熱記録層、接着剤を含有する保護層、並びに剥離層を有し、前記支持体の他方の面に粘着剤層を有する感熱記録ライナーレスラベルであって、
前記感熱記録ライナーレスラベルから検出されるアジピン酸ジヒドラジド量が15~450mg/m2であり、
前記剥離層が白金触媒を含有する付加重合型シリコーン剥離層である
ことを特徴とする。
【0021】
本発明では、下塗り層、感熱記録層及び保護層の少なくとも一つの層中に、アジピン酸ジヒドラジドを含有する。これにより、保護層中の接着剤の架橋が促進され、バリア性が向上し、可塑剤の感熱記録層への侵入を抑制することができる。
【0022】
また、本発明では、感熱記録ライナーレスラベルから検出されるアジピン酸ジヒドラジド量は、15~450g/m2である。15g/m2以上とすることにより、耐可塑剤性を向上させることができる。一方、450g/m2以下とすることにより、付加重合型シリコーン剥離層の硬化性を高めることができ、その結果として耐ヘッド粕性を向上させることができる。当該アジピン酸ジヒドラジド量は、50~250g/m2程度が好ましく、130~220g/m2程度がより好ましい。
【0023】
感熱記録ライナーレスラベルから検出されるアジピン酸ジヒドラジド量は、実施例に記載の方法により測定されるものである。
【0024】
下塗り層、感熱記録層及び保護層におけるアジピン酸ジヒドラジドの配合量は、上記の量が感熱記録ライナーレスラベルから検出されるように適宜選択すればよい。
【0025】
[支持体]
本発明に用いられる支持体としては、特に限定されないが、例えば、中性又は酸性の上質紙、合成紙、透明又は半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。なお、支持体の厚みは特に限定されないが、通常、20~200μm程度である。また、支持体の密度は特に制限されず、0.60~0.95g/cm3程度が好ましい。
【0026】
[下塗り層]
本発明の感熱記録ライナーレスラベルでは、必要により支持体と感熱記録層との間に下塗り層を備えることができる。これにより、記録感度及び記録走行性をより高めることができる。下塗り層は、中空粒子及び接着剤を含有することが好ましい。
【0027】
(中空粒子)
中空粒子は、クッション性を向上する観点から有機樹脂からなることが好ましい。中空粒子を含有することによって高い断熱性を有する下塗り層は、感熱記録層に加えられた熱の拡散を防ぎ、感熱記録ライナーレスラベルとしての感度を高めることができる。
【0028】
有機樹脂からなる中空粒子は、その製造方法の違いによって、発泡タイプと非発泡タイプとに分けることができる。これら二種のうち、発泡タイプの中空粒子は、一般に、非発泡タイプの中空粒子より平均粒子径が大きく中空率も高い。そのため、発泡タイプの中空粒子は、非発泡タイプの中空粒子より良好な感度、画質が得られる。
【0029】
非発泡タイプの中空粒子は、溶液中でシードを重合させた後に、シードを包むように他の樹脂を重合させ、その後内部のシードを膨潤及び溶解させて除去することにより、内部に空洞を形成することで製造できる。内部のシードを膨潤及び溶解させて除去するときには、アルカリ水溶液等が用いられる。アルカリ膨潤性を有するコア粒子を、アルカリ膨潤性を有しないシェル層で被覆したコア-シェル粒子をアルカリ膨潤処理することにより、平均粒子径が比較的大きい非発泡タイプの中空粒子を得ることもできる。
【0030】
発泡タイプの中空粒子は、樹脂の内部に揮発性液体を封じ込めた粒子を作製し、加熱により前記樹脂を軟化させると共に、前記粒子の内部の液体を気化及び膨張させることで製造できる。
【0031】
発泡タイプの中空粒子は、製造過程で内部の液体を加熱膨張させることにより、中空率が大きくなり、高い断熱性が得られるため、感熱記録ライナーレスラベルの感度を高め、記録濃度を向上させることができる。感度の向上は、特に、感熱記録層に加えられる熱エネルギーが小さい中間調領域を発色させる場合に重要である。また、断熱性の高い下塗り層を介して感熱記録層を形成すれば、感熱記録層に加えられた熱の拡散を防ぐことで、画像均一性に優れ、画質を向上させることもできる。そのため、本実施形態では、下塗り層の断熱性の向上に優れた発泡タイプの中空粒子を用いることが好ましい。
【0032】
発泡タイプの中空粒子に用いることができる樹脂には、スチレン-アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリロニトリルを構成成分とするアクリル系樹脂)、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニリデンとアクリロニトリルとを主体とする共重合体樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。発泡タイプの中空粒子の内部に含まれる気体としては、プロパン、ブタン、イソブタン、空気等が一般的である。中空粒子に用いる樹脂には、上記の種々の樹脂の中でも発泡粒子の形状を維持する強度の観点からアクリロニトリル樹脂及びポリ塩化ビニリデンとアクリロニトリルとを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
【0033】
本発明における中空粒子の最大粒子径は、好ましくは10~30μm、より好ましくは10~25μmである。最大粒子径は、D100とも呼称される。中空粒子の最大粒子径が10μm以上であると下塗り層のクッション性が向上するため、印字時における感熱記録ライナーレスラベルのサーマルへッドへの密着性が向上し、高画質の感熱記録ライナーレスラベルが得られる。この高画質は、最大記録濃度(Dmax)を与えるより低いエネルギーで発色させる中間調における記録濃度の向上をもたらすことができる。一方、中空粒子の最大粒子径が30μm以下であると下塗り層の平滑性が向上するため、下塗り層を介して設ける感熱記録層を均一化することができ、画像の白抜けの起こりづらい感熱記録ライナーレスラベルが得られる。
【0034】
本発明における中空粒子の平均粒子径は、好ましくは4.0~15μm、より好ましくは4.5~12μmである。ここで、平均粒子径は、粒子径で2つに分けたとき、大きい側の粒子と小さい側の粒子の占める容積が等量となる径、つまり50体積%頻度の粒子径であるメジアン径であり、D50とも呼称される。中空粒子の平均粒子径が4.0μm以上であると下塗り層のクッション性が向上するため、印字時における感熱記録ライナーレスラベルのサーマルへッドへの密着性が向上し、高画質の感熱記録ライナーレスラベルが得られる。この高画質は、最大記録濃度(Dmax)を与えるより低いエネルギーで発色させる中間調における記録濃度の向上をもたらすことができる。一方、中空粒子の平均粒子径が15μm以下であると下塗り層の平滑性が向上するため、下塗り層を介して設ける感熱記録層を均一化することができ、画像の白抜けの起こりづらい感熱記録ライナーレスラベルが得られる。
【0035】
中空粒子の最大粒子径(D100)及び平均粒子径(D50)は、レーザ回折式粒度分布測定装置によって測定することができる。
【0036】
中空粒子の最大粒子径(D100)と平均粒子径(D50)との比D100/D50は、粒度分布の程度を示す指標である。この比D100/D50は、好ましくは1.8~3.0、より好ましくは1.8~2.8である。中空粒子のD100/D50が1.8以上であると、中空粒子が十分に発泡し、最大粒子径が十分大きくなり、中空率が高くなり、下塗り層の断熱性を向上させることができる。一方、中空粒子のD100/D50が3.0以下であると中空粒子の大きさが揃うため、下塗り層の平滑性が高まり、画像の白抜けを抑制できる。
【0037】
レーザ回折式粒度分布測定装置によって求められる粒度分布において、粒子径2.0μm以下の中空粒子の体積%は1%以下であることが好ましい。また、粒子径2.0μm以下の中空粒子は、体積%が0.5%であることが好ましく、含有されないことがより好ましい。粒子径2μm以下の中空粒子は、十分な中空領域を備えるには粒子径が小さすぎるため、断熱性への寄与が極めて小さいと考えられる。下塗り層における粒子径2μm以下の中空粒子の体積%を1%以下とすることにより、記録濃度、画質等を向上させることができる。
【0038】
中空粒子は、中空率が80~98%であることが好ましく、90~98%であることがより好ましい。中空粒子の中空率が80%以上であると、中空粒子を含有する下塗り層に高い断熱性を付与することができる。一方、中空粒子の中空率が98%以下であると、中空部をくるむ膜の強度が向上することにより、下塗り層形成時にも潰れない中空粒子とすることができる。
【0039】
中空粒子の中空率は、IPA法により真比重を測定し、真比重値から以下のようにして求められる。
(1)サンプルの前処理
・サンプルを60℃で一昼夜乾燥してサンプルとする。
(2)試薬
・イソプロピルアルコール(IPA:試薬一級)
(3)測定法
・メスフラスコを精秤する(W1)。
・メスフラスコに乾燥済サンプルを約0.5g取り精秤する(W2)。
・IPAを約50mg加え、十分に振とうして完全にカプセル外の空気を除去する。
・IPAを標線まで加えて精評する(W3)。
・ブランクとしてメスフラスコにIPAのみを標線まで加え精評する(W4)。
(4)真比重の算出
真比重={(W2-W1)×((W4-W1)/100)}/{(W4-W1)-(W3-W2)}
(5)中空率の算出
中空率(%)={1-1/(1.1/真比重)}×100
【0040】
また、中空率は、次式(d3/D3)×100でも求められる値である。該式中、dは中空粒子の内径を示し、Dは中空粒子の外径を示す。
【0041】
本発明における中空粒子は、比較的粒子径が大きいことから、下塗り層に占める含有割合を少なくすることができる。中空粒子の含有割合は、下塗り層の全固形量のうち、5~40質量%であることが好ましく、5~35質量%であることがより好ましい。中空粒子の含有割合が5質量%以上であると、下塗り層の断熱性を向上させることができる。一方、中空粒子の含有割合が40質量%以下であると、塗工性等の面でも問題が生じづらく、均一な下塗り層を形成し易く、記録濃度を向上できる。また、下塗り層の塗膜強度を高めることができる。
【0042】
(接着剤)
接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド-アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド-アクリル酸エステル-メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラチン及びそれらの誘導体等の水溶性高分子材料、並びにポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン、又はスチレン-ブタジエン系共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリル系共重合体等の水不溶性重合体のラテックス等を挙げることができる。これらは、1種単独又は2種以上を併用して使用することができる。
【0043】
下塗り層の接着剤は、表面強度に優れるラテックスを含有することが好ましい。ラテックスとしては、特に制限されず、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体等の水不溶性重合体のラテックスが挙げられる。これらラテックスの中でも、スチレン-ブタジエン系ラテックス(SBR)が、耐水表面強度が高いため好ましい。スチレン-ブタジエン系ラテックスの中でも、ガラス転移温度(Tg)が-10℃以下のスチレン-ブタジエン系ラテックスが好ましい。ガラス転移温度が-10℃以下となることにより、画質を向上でき、中間調印字濃度を高めることもできる。スチレン-ブタジエン系ラテックスのガラス転移温度は、中間調印字濃度を更に高めることができるため、-30℃以下であることがより好ましい。また、ガラス転移温度は、-50℃以上であることが好ましい。
【0044】
下塗り層における接着剤の含有割合は、広い範囲から選択できるが、一般には下塗り層の全固形量のうち、10~70質量%程度が好ましく、15~60質量%程度がより好ましい。
【0045】
下塗り層は、吸油量が70ml/100g以上、特に80~150ml/100g程度の吸油性顔料を含むことができる。ここで、上記吸油量はJIS K 5101の方法に従い、求められる値である。
【0046】
上記吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成カオリン、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の一次粒子の平均粒子径は0.01~5μm程度、特に0.02~3μm程度であるのが好ましい。吸油性顔料の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量中、20~60質量%程度が好ましく、25~55質量%程度がより好ましい。
【0047】
下塗り層は、一般に水を分散媒体とし、接着剤、必要により中空粒子、アジピン酸ジヒドラジド、吸油性顔料、架橋剤、各種助剤等を混合することにより調製された下塗り層用塗工液を支持体上に、乾燥質量で好ましくは3~20g/m2程度、より好ましくは4~12g/m2程度となるように塗布及び乾燥して形成される。
【0048】
下塗り層用塗工液中に含有される助剤としては、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、ヒドラジド化合物、硼酸、ジアルデヒド澱粉、グリオキシル酸塩、エポキシ化合物等の耐水化剤、消泡剤、着色染料、蛍光染料等が挙げられる。
【0049】
[感熱記録層]
本発明における感熱記録層は、染料前駆体及び顕色剤を含有している。染料前駆体としてのロイコ染料と顕色剤との組合せが発色濃度に優れるため、好ましく用いられる。
【0050】
ロイコ染料及び顕色剤としては、各種公知のものが使用できる。ロイコ染料の具体例としては、例えば、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)-3-(4-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(N-エチル-N-p-トリル)アミノ-7-N-メチルアニリノフルオラン、3-シクロヘキシルアミノ-6-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-(N-エチル-N-イソアミル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ(n-ブチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ(n-ペンチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ(n-ブチル)アミノ-6-クロロ-7-アニリノフルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピペリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3,3-ビス〔1-(4-メトキシフェニル)-1-(4-ジメチルアミノフェニル)エチレン-2-イル〕-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、3-p-(p-ジメチルアミノアニリノ)アニリノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-p-(p-クロロアニリノ)アニリノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレン-9-スピロ-3’-(6’-ジメチルアミノ)フタリド等が挙げられる。
【0051】
勿論、これらに限定されるものではなく、また2種以上を併用することもできる。また、ロイコ染料の含有割合は、使用する顕色剤によって適宜選択すればよく、特に限定されないが、感熱記録層の全固形量中、好ましくは3~50質量%程度、より好ましくは5~40質量%程度である。
【0052】
顕色剤の具体例としては、例えば、4,4’-イソプロピリデンジフェノール、4,4’-シクロヘキシリデンジフェニル、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシフェニル(4’-n-プロポキシフェニル)スルホン、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホン、3,3’-ジアリル-4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2’-ビス〔4-(4-ヒドロキシフェニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル、N-p-トルエンスルホニル-N’-3-(p-トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、4,4’-ビス[(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、N,N’-ジ-m-クロロフェニルチオ尿素、N-p-トリルスルホニル-N’-フェニルウレア、4,4’-ビス(p-トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N,N’-ジ-[3-(p-トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素、5-(N-3-メチルフェニル-スルホンアミド)-N’,N’’-ビス-(3-メチルフェニル)-イソフタル酸ジアミド、3-[(フェニルカルバモイル)アミノ]フェニル-4-メチルベンゼンスルホナート、2-フェニルスルホニルアミノ-N,N’-ジフェニルウレア、4-〔2-(p-メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4-{3-(p-トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5-〔p-(2-p-メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛、下記一般式(2)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物等が挙げられる。
【0053】
【0054】
顕色剤としては、融点が140℃以上であるものが好ましい。融点が140℃以上であると、耐熱地肌カブリを向上させることができる。顕色剤の融点としては、150℃以上がより好ましい。140℃以上の融点を有する顕色剤の具体例としては、2-フェニルスルホニルアミノ-N,N’-ジフェニルウレア(融点152℃)、4-アリルオキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン(融点180℃)などが挙げられる。
【0055】
顕色剤の含有割合は、使用するロイコ染料によって適宜選択すればよく、特に限定されないが、ロイコ染料1質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、0.8質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましく、1.2質量部以上がより一層好ましく、1.5質量部以上が特に好ましい。また、顕色剤の含有量はロイコ染料1質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、4質量部以下が更に好ましく、3.5質量部以下が特に好ましい。0.5質量部以上とすることにより、記録性能を高めることができる。一方、10質量部以下とすることにより、高温環境下での地肌カブリ(耐熱地肌カブリ)を効果的に抑えることができる。
【0056】
感熱記録層には、保存安定剤を含有させることもできる。これにより、記録部の保存安定性を高めることができる。かかる保存安定剤の具体例としては、例えば、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(2-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、4,4’-ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4-ベンジルオキシ-4’-(2-メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、ビス(4-エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン、下記一般式(1):
【0057】
【化3】
で表される4,4’-ビス〔(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4,4’-ビス〔(2-メチル-5-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4-(2-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド-4’-(4-メチル-5-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイドジフェニルスルホン等のウレアウレタン誘導体ウレアウレタン化合物等が挙げられる。保存安定剤としては、一般式(1)で表されるウレアウレタン誘導体ウレアウレタン化合物が好ましく、中でも、4,4’-ビス〔(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンが好ましい。
【0058】
保存安定剤の含有割合は、保存性改良のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量中、好ましくは1~30質量%程度、より好ましくは5~20質量%程度である。
【0059】
感熱記録層には、増感剤を含有させることもできる。これにより、記録感度を高めることができる。かかる増感剤の具体例としては、例えば、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、p-ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、2-ナフチルベンジルエーテル、m-ターフェニル、p-ベンジルビフェニル、p-トリルビフェニルエーテル、ジ(p-メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2-ジ(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ジ(4-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ジ(4-メトキシフェノキシ)エタン、1,2-ジ(4-クロロフェノキシ)エタン、1,2-ジフェノキシエタン、1-(4-メトキシフェノキシ)-2-(3-メチルフェノキシ)エタン、p-メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4-ジ(フェニルチオ)ブタン、p-アセトトルイジド、p-アセトフェネチジド、N-アセトアセチル-p-トルイジン、ジ(β-ビフェニルエトキシ)ベンゼン、シュウ酸ジ-p-クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ-p-メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル等が挙げられる。
【0060】
増感剤の含有割合は、増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量中、好ましくは2~40質量%程度、より好ましくは5~25質量%程度である。
【0061】
感熱記録層用塗工液中には通常、接着剤として、各種の樹脂が使用される。かかる接着剤としては、例えば、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン-無水マレイン酸共重合体塩、スチレン-無水マレイン酸共重合体塩、エチレン-アクリル酸共重合体塩、スチレン-アクリル酸共重合体塩、スチレン-ブタジエン共重合体、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの少なくとも1種が、感熱記録層の全固形量のうち、好ましくは5~50質量%程度、より好ましくは9~40質量%程度の範囲で配合される。なお、感熱記録層用塗工液の媒体が水の場合は、疎水性樹脂はラテックスの状態で用いればよい。
【0062】
更に、感熱記録層用塗工液中には必要に応じて各種の助剤を添加することができ、かかる助剤としては、例えば、カオリン、軽質(重質)炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、無定形シリカ、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の顔料、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、ヒドラジン系化合物、硼酸、ジアルデヒドデンプン、グリオキシル酸塩、エポキシ系化合物等の耐水化剤、消泡剤、着色染料、蛍光染料等が挙げられる。
【0063】
感熱記録層及び保護層の少なくとも一つの塗工層の接着剤を硬化させる架橋剤を、下塗り層、感熱記録層及び保護層の少なくとも一つの塗工層中に含有させることができる。架橋剤を含有させることにより、感熱記録層及び保護層の少なくとも一つの塗工層の耐水性を向上させることができる。架橋剤としては、例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、グリオキシル酸塩、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物;過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、四硼酸ソーダ、四硼酸カリウム等の無機化合物;硼酸、硼酸トリエステル、硼素系ポリマー、ヒドラジド化合物、グリオキシル酸塩等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。架橋剤の使用量は、感熱記録層の全固形量100質量部に対し、1~10質量部程度の範囲が好ましい。これにより、感熱記録層の耐水性を向上させることができる。
【0064】
感熱記録層は、水を分散媒体とし、ロイコ染料、顕色剤、必要により増感剤、保存性改良剤等を共に、又は別々にボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌・粉砕機により平均粒子径が2μm以下となるように分散した分散液と、必要により接着剤、アジピン酸ジヒドラジド、架橋剤、助剤等とを混合することによって調製された感熱記録層用塗工液を下塗り層上に塗布及び乾燥して形成される。感熱記録層の塗布量は、乾燥質量で好ましくは2~12g/m2程度、より好ましくは2~6g/m2程度となるように、下塗り層上に塗布及び乾燥して形成される。
【0065】
[保護層]
本発明における保護層は、接着剤を含有している。接着剤としては、特に限定されないが、バリア性を高める観点から水溶性又は水分散性の水性接着剤が好ましい。特に、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種の水溶性接着剤が好ましく用いられる。
【0066】
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールは、それぞれアセトアセチル基及びジアセトン基を持つ単量体とビニルエステルとを共重合して得た樹脂を鹸化することにより製造される。
【0067】
鹸化度については、85モル%から完全鹸化の100モル%程度が好ましく、90~100モル%程度がより好ましい。平均重合度については、300~3000程度が好ましく、400~2000程度がより好ましい。変性度は、耐水性を高める観点から0.5~10モル%程度が好ましく、1~9モル%程度がより好ましい。重合度、鹸化度が高いほど耐水性が良好になるが、塗料濃度、粘度、塗工性又は乾燥性から状況に応じて選択する必要がある。
【0068】
保護層中に使用されるアセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の使用量としては、保護層の全固形量中、好ましくは10~90質量%、より好ましくは15~50質量%程度である。
【0069】
本発明の効果を損なわない範囲において、その他の接着剤を併用することもできる。かかる接着剤としては、例えば、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ジイソブチレン-無水マレイン酸共重合体塩、スチレン-無水マレイン酸共重合体塩、エチレン-アクリル酸共重合体塩、スチレン-アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、アクリル樹脂系ラテックス、ウレタン樹脂系ラテックス等が挙げられる。
【0070】
本発明における保護層は、顔料を含有していてもよい。顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、焼成カオリン等の無機顔料が挙げられる。なかでも、カオリン、水酸化アルミニウムは可塑剤、油等の薬品に対するバリア性の低下が少なく、しかも記録濃度の低下も小さいため、特に好ましく用いられる。
【0071】
保護層に含有させることができる助剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スルホン変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の界面活性剤、ジアルデヒド澱粉、グリオキシル酸塩、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物等の耐水化剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、離型剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0072】
保護層は、例えば、水を分散媒体として、好ましくは特定の接着剤、必要によりアジピン酸ジヒドラジド、顔料、架橋剤、助剤等を混合撹拌することにより調製された保護層用塗工液を、塗布量が乾燥質量で好ましくは0.1~8g/m2程度、より好ましくは0.5~5g/m2程度、更に好ましくは1~4g/m2程度となるように、感熱記録層上に塗布及び乾燥して形成される。
【0073】
[剥離層]
感熱記録ライナーレスラベルは、保護層上に剥離層を有している。本発明における剥離層は、白金触媒を含有する付加重合型シリコーン剥離層である。
【0074】
剥離層に使用される剥離用シリコーンとしては、形態別ではソルベント系、ソルベントレス系、エマルジョン系に大別される。付加重合型シリコーンは、ベースポリマーであるアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン、架橋剤であるハイドロジェン基含有ポリオルガノシロキサン、硬化用触媒である白金化合物からなるものが挙げられる。
【0075】
アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンにおけるアルケニル基以外の官能基としては、1価の置換又は非置換の炭化水素基であり、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ドデシルなどのアルキル基;フェニル基などのアリール基;2-フェニルエチル、2-フェニルプロピルなどのアラルキル基;クロロメチル、3,3,3―トリフルオロプロピルなどの置換炭化水素基などが挙げられる。一般的にはメチル基、フェニル基が合成のし易さから好ましい。
【0076】
ハイドロジェン基含有ポリオルガノシロキサンは、架橋剤となる成分である。その配合量は、ベースポリマーのアルケニル基1個に対して、ハイドロジェン原子が0.5~20個となる量が望ましく、硬化性、優れた剥離特性を有する組成物を得たい場合には、0.5~10個の範囲が好ましい。0.5個以上とすることにより硬化を十分に進行させることができ、20個以下とすることにより良好な剥離性を得ることができる。
【0077】
白金触媒を含有することで、熱による乾燥工程において架橋反応させることが可能となる。白金触媒は、ベースポリマーのアルケニル基とハイドロジェン基含有ポリオルガノシロキサンのハイドロジェン基を反応させ、硬化物を得るための硬化用触媒である。この白金化合物としては、例えば、塩化白金酸、白金オレフィン錯体、白金ビニルシロキサン錯体、白金リン錯体、白金アルコール錯体、白金黒等が挙げられる。その配合量は、ベースポリマーのアルケニル基含有ポリシロキサンに対して、白金元素として1~1000ppmとなる量が好ましい。
【0078】
さらに、剥離剤には、必要に応じて、助剤を添加することができ、助剤としては、例えば、染料、顔料、湿潤剤、消泡剤、分散剤、帯電防止剤、レベリング剤、潤滑剤等が挙げられる。
【0079】
剥離層は、例えば、有機溶媒を分散媒体として、剥離用シリコーン、白金触媒、必要により助剤等を混合撹拌することにより調製された剥離層用塗工液を、塗布量が乾燥質量で好ましくは0.05~3g/m2程度、より好ましくは0.1~2g/m2程度、更に好ましくは0.5~1.5g/m2程度となるように、保護層上に塗布及び乾燥して形成される。
【0080】
[粘着剤層]
感熱記録ライナーレスラベルは、支持体の他方の面(感熱記録層を備えた面とは反対の面)に粘着剤層を有している。本発明に使用される粘着剤としては、例えば、天然ゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソプレンゴム等によるゴム系物質を主成分とするもの、ビニルエーテル系物質を主成分とするもの、2-エチルヘキシルアクリレートを主モノマーとする共重合ポリマーを主成分とするもの、ポリオール等の活性水素基含有化合物とイソシアネート化合物との反応生成物からなるもの、ゴム状シロキサンと樹脂状シロキサンとを主成分とするもの等が挙げられる。これらのゴム系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系等の粘着剤は、エマルジョンや溶剤ないし無溶剤型の各種粘着剤として用いることができる。粘着剤層の塗布量は、特に限定されず、乾燥質量で5~50g/m2程度の範囲で調節されることが好ましい。
【0081】
[感熱記録ライナーレスラベル]
支持体上に各層を形成する方法としては、例えば、エアナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、カーテン法、スロットダイ法、スライドダイ法、エクストルージョン法等の既知の塗布方法、又は印刷機による方法のいずれを利用してもよい。
【0082】
なお、各層を形成した後の任意の過程において、スーパーカレンダー掛け等の平滑化処理を施すこと等も可能であり、感熱記録体の製造分野における各種の公知技術を必要に応じて使用し得る。また、ラベルとして印刷、ダイカット等の加工が施されていてもよい。
【0083】
本発明では、製品の付加価値をより一層高めるため、多色感熱記録ライナーレスラベルとすることもできる。一般に多色感熱記録体は、加熱温度の差、又は熱エネルギーの差を利用する試みであり、一般に、支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を積層して構成されたものであって、これらを大別すると消色型と加色型の2種類があり、マイクロカプセルを用いた方法及び有機高分子とロイコ染料からなる複合粒子を使用して多色感熱記録ライナーレスラベルを製造する方法がある。
【実施例】
【0084】
本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。平均粒子径、最大粒子径等の粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によって測定した。ここで、平均粒子径とは、メジアン径(D50)である。
【0085】
実施例、比較例に用いた中空粒子は、以下の通りである。
中空粒子A:平均粒子径(D50)5.0μm、最大粒子径(D100)13.5μm、中空率90%、2μm以下の粒子の割合0.2体積%、固形分濃度15.0%、発泡タイプ
中空粒子B:商品名「ローペイクSN-1055」(ダウ・ケミカル社製)、平均粒子径(D50)1.0μm、最大粒子径(D100)1.8μm、中空率55%、2μm以下の粒子の割合100体積%、固形分濃度26.5%、非発泡タイプ
各中空粒子の平均粒子径(D50)と最大粒子径(D100)は、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)を用いて、屈折率1.70-0.01iにて測定した。
【0086】
実施例、比較例に用いたラテックスは、以下の通りである。
ラテックスA:スチレン-ブタジエン系共重合体ラテックス開発品(Tg:-35℃、粒子径300nm、固形分濃度48%)
ラテックスB:スチレン-ブタジエン系共重合体ラテックス(商品名L-1571、旭化成社製、Tg:-3℃、粒子径190nm、固形分濃度48%)
【0087】
(実施例1)
(1)下塗り層用塗工液の調製
中空粒子A133.3部、アンシレックス93 35.0部、ラテックスA84.6部、アジピン酸ジヒドラジド(固形分濃度100%、大塚化学社製)4.4部及び水75.0部を混合撹拌して、下塗り層用塗工液を得た。
【0088】
(2)ロイコ染料分散液(A液)調製
3-ジ-(n-ブチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミル(アイメックス社製、サンドグラインダー)を用いて、レーザ回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmになるまで粉砕してロイコ染料分散液(A液)を得た。
【0089】
(3)顕色剤分散液(B液)調製
2-フェニルスルホニルアミノ-N,N’-ジフェニルウレア(日本曹達社製、NKK-1304、融点152℃)40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミル(アイメックス社製、サンドグラインダー)を用いて、レーザ回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmになるまで粉砕して顕色剤分散液(B液)を得た。
【0090】
(4)保存性向上剤分散液(C液)調製
4,4’-ビス〔(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン(ケミプロ化成社製、UU)40部、ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度88%)の10%水溶液40部、及び水20部を混合し、サンドミル(アイメックス社製、サンドグラインダー)を用いて、レーザ回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmになるまで粉砕して保存性向上剤分散液(C液)を得た。
【0091】
(5)感熱記録層用塗工液の調製
A液36.4部、B液63.6部、C液22.7部、1,2-ジ(3-メチルフェノキシ)エタン(商品名:KS232S、三光社製、固形分濃度50%)36.0部、軽質炭酸カルシウム(商品名:Brilliant-15、白石工業社製、固形分濃度100%)18.0部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:クラレポバール11-98、クラレ社製)の10%水溶液50部、ラテックスB10.4部、及び水120部を混合撹拌して感熱記録層用塗工液を得た。
【0092】
(6)保護層用塗工液の調製
ジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF-10、日本酢ビ・ポバール社製)の12%水溶液300部、水酸化アルミニウム(商品名:KH-101、KC社製)60部、シリカ(商品名:ミズカシルP-527、水澤化学社製)4部、及び水114.5部からなる組成物を混合撹拌して保護層用塗工液を得た。
【0093】
(7)感熱記録体の作製
坪量60g/m2の上質紙の片面上に、下塗り層用塗工液、感熱記録層用塗工液、及び保護層記録用塗工液を乾燥後の塗布量がそれぞれ4.5g/m2、3.0g/m2、2.0g/m2になるように塗布及び乾燥して、下塗り層、感熱記録層、及び保護層を順次形成した後、スーパーカレンダーで表面を平滑化して感熱記録体を得た。
【0094】
(8)剥離層の形成
得られた感熱記録体の保護層上に、付加重合型硬化性シリコーン化合物(商品名:LTC-310、ダウ・ケミカル社製)100部、白金触媒(商品名:SRX212、ダウ・ケミカル社製)1.6部、及びヘキサン293.4部を混合撹拌した剥離層用塗工液を塗布量が0.35g/m2となるよう乾燥塗布した後、剥離層が十分に硬化するまで、最大10日間40℃で養生した。
【0095】
(9)粘着剤層の形成
更に剥離層を形成及び硬化させた感熱記録体の支持体の他方の面に、粘着剤層用塗工液として水系粘着剤のアクリル系エマルジョン粘着剤(商品名:L-145、日本カーバイト工業社製)を乾燥後の塗布量が25g/m2となるようにロールコーター法で塗布及び乾燥して粘着剤層を形成した後、巻取り状の感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0096】
(実施例2)
実施例1の下塗り層用塗工液の調製において、ラテックスAの量を84.6部に代えて80.9部とし、アジピン酸ジヒドラジドの量を4.4部に代えて6.2部とした以外は実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0097】
(実施例3)
実施例1の下塗り層用塗工液の調製において、ラテックスAの量を84.6部に代えて78.9部とし、アジピン酸ジヒドラジドの量を4.4部に代えて7.3部とした以外は実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0098】
(実施例4)
実施例1の下塗り層用塗工液の調製において、ラテックスAの量を84.6部に代えて88.3部とし、アジピン酸ジヒドラジドの量を4.4部に代えて2.6部とした以外は実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0099】
(実施例5)
実施例1の下塗り層用塗工液の調製において、ラテックスAの量を84.6部に代えて90.5部とし、アジピン酸ジヒドラジドの量を4.4部に代えて1.5部とした以外は実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0100】
(実施例6)
実施例1の下塗り層用塗工液の調製において、ラテックスAの量を84.6部に代えて73.1部とし、アジピン酸ジヒドラジドの量を4.4部に代えて9.9部とした以外は実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0101】
(実施例7)
実施例1の下塗り層用塗工液の調製において、中空粒子A133.3部に代えて中空粒子B75.5部とした以外は実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0102】
(実施例8)
実施例1のB液調製において、2-フェニルスルホニルアミノ-N,N’-ジフェニルウレア(日本曹達社製、NKK-1304、融点152℃)40部に代えて、4-アリルオキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン(日華化学社製、BPS-MAE、融点180℃)40部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0103】
(実施例9)
実施例1のB液調製において、2-フェニルスルホニルアミノ-N,N’-ジフェニルウレア(日本曹達社製、NKK-1304、融点152℃)40部に代えて、4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン(日本曹達社製、D-8、融点128℃)40部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0104】
(実施例10)
実施例1の感熱記録層用塗工液の調製において、C液の量を45.5部に代えて0部とし、軽質炭酸カルシウム(商品名:Brilliant-15、白石工業社製、固形分濃度100%)の量を18.0に代えて28.0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0105】
(実施例11)
実施例1の下塗り層用塗工液の調製において、ラテックスA84.6部に代えてラテックスB84.6部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0106】
(比較例1)
実施例1の下塗り層用塗工液の調製において、ラテックスAの量を84.6部に代えて92.4部とし、アジピン酸ジヒドラジドの量を4.4部に代えて0.7部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0107】
(比較例2)
実施例1の下塗り層用塗工液の調製において、ラテックスAの量を84.6部に代えて69.5部とし、アジピン酸ジヒドラジドの量を4.4部に代えて11.8部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0108】
(比較例3)
実施例1の下塗り層用塗工液の調製において、中空粒子Aの量を133.3部に代えて0部とし、アンシレックス93の量を35.0部に代えて55.0部とし、ラテックスAの量を84.6部に代えて69.5部とし、アジピン酸ジヒドラジドの量を4.4部に代えて11.8部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録ライナーレスラベルを得た。
【0109】
上記の実施例及び比較例について、以下の方法で評価を行った。その結果は、表1に示す通りであった。
【0110】
〔ADH検出量〕
感熱記録ライナーレスラベルを8cm×8cm角を測り取り、更に5mm角に裁断した。裁断したサンプルをサンプル瓶に入れ、5mlの水と共に超音波処理を10分行った。その後、ポア径0.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、得られた溶液をHPLC-CADで分析した。定量分析は1点検量線法で行った。HPLC条件の詳細を以下に示す。
<HPLC条件詳細>
装置:HPLC Waters alliance2690
検出器:CAD
カラム:Waters XBridge 長さ×内径=250×4.6mm 粒径=5μm
カラム温度:30℃
溶離液:0.1% IPCC-MS-3水溶液(85%)+アセトニトリル(15%)
1mLのIPCC-MS-3を純水で1000mLに希釈した。希釈したIPCC-MS-3水溶液850mLとアセトニトリル150mLを混合し、溶離液とした。
流量:1.0mL/min(アイソクラティック)
注入量:2μL
【0111】
〔中間調記録濃度〕
感熱記録評価機(商品名:TH-PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギー:0.16mJ/dotの中間調エネルギー領域にて各感熱記録ライナーレスラベルを記録し、得られた印字部をマクベス濃度計(RD-914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、記録濃度については、実用上、1.30以上であることが必要とされ、1.50以上であるとより望ましい。
【0112】
〔耐可塑剤性〕
ポリカーボネイトパイプ(40mm径)の上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA-W、三井化学社製)を3重に巻きつけ、その上に記録濃度の測定における記録後の感熱記録ライナーレスラベルを置き、更にその上にラップフィルムを3重に巻きつけ、40℃の条件で24時間放置した後、印字部をマクベス濃度計(前述)のビジュアルモードで測定した。処理後の記録濃度の保存率が80%以上で使用上問題ないが、90%以上であるとより望ましい。
【0113】
〔シリコーン層の硬化性〕
剥離層の硬化性を以下の基準で評価した。
◎:40℃養生3日で剥離層が十分に硬化した。
○:40℃養生4~7日で剥離層が十分に硬化した。
△:40℃養生8~10日で剥離層が十分に硬化した。
×:40℃養生10日では剥離層が十分に硬化しなかった。
※十分に硬化したかの基準:剥離層を指で連続して10回擦っても剥れが生じないこと。
【0114】
〔耐熱性評価〕
各感熱記録ライナーレスラベルを、90℃の条件で1時間放置し、白紙部をマクベス濃度計で測定した。処理後の値が、0.20以下で使用上問題ないが、0.15以下であるとより望ましい。
【0115】