(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-17
(45)【発行日】2025-11-26
(54)【発明の名称】化学修飾核酸を導入した安定型標的編集ガイドRNA
(51)【国際特許分類】
C12N 15/09 20060101AFI20251118BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20251118BHJP
C07H 21/02 20060101ALI20251118BHJP
A61K 31/7115 20060101ALI20251118BHJP
A61K 31/7125 20060101ALI20251118BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20251118BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20251118BHJP
【FI】
C12N15/09 100
C12N15/11 Z ZNA
C07H21/02
A61K31/7115
A61K31/7125
A61K48/00
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2021524908
(86)(22)【出願日】2020-06-04
(86)【国際出願番号】 JP2020022200
(87)【国際公開番号】W WO2020246560
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】P 2019105532
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019148463
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】598015084
【氏名又は名称】学校法人福岡大学
(73)【特許権者】
【識別番号】307010166
【氏名又は名称】第一三共株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100145104
【氏名又は名称】膝舘 祥治
(72)【発明者】
【氏名】福田 将虎
(72)【発明者】
【氏名】小泉 誠
(72)【発明者】
【氏名】岩下 真三
【審査官】渡邉 潤也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/010556(WO,A1)
【文献】特表2017-537618(JP,A)
【文献】特表2018-534945(JP,A)
【文献】特表2018-520683(JP,A)
【文献】特表2018-517429(JP,A)
【文献】国際公開第2018/237245(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0080246(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的RNAを特定する第一オリゴヌクレオチドと、
前記第一オリゴヌクレオチドの3’側に連結する第二オリゴヌクレオチドと、
前記第二オリゴヌクレオチドと相補対を形成し得る第三オリゴヌクレオチドと、
前記第二オリゴヌクレオチドと第三オリゴヌクレオチドとを連結する第一連結部とを含み、
前記第一オリゴヌクレオチドは、前記標的RNA中のアデノシン残基に対応する標的対応ヌクレオチド残基と、
前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する
12から30残基のオリゴヌクレオチドと、
前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する3から6残基のオリゴヌクレオチドとからなり、
すべてのヌクレオチド残基がホスホロチオエート結合で連結されて構成され、
前記第二オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、
前記第三オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、
前記標的対応ヌクレオチド残基、並びにその3’側及び5’側の各1残基からなるカウンタ領域から選択される少なくとも1残基は、天然型リボヌクレオチド残基以外のヌクレオチド残基であり、
前記第一連結部は、1から8のアルキレンオキシ単位からなるポリアルキレンオキシ基
のみからなり、
前記第一オリゴヌクレオチドは、標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基及び架橋型ヌクレオチド残基からなる群から選択される2種の修飾オリゴヌクレオチド残基が交互に連結する塩基配列を有
し、
前記第二オリゴヌクレオチドおよび第三オリゴヌクレオチドは、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基が連結する塩基配列を有し、
前記第三オリゴヌクレオチドは、すべてのヌクレオチド残基がホスホロチオエート結合で連結されてなる、
前記標的RNAに対する部位特異的編集を誘導するオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記第一オリゴヌクレオチドと第二オリゴヌクレオチドの間に、アルキレンオキシ単位を含む第二連結部を含む請求項1に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側及び5’側の各1残基のうち少なくとも1残基は、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、及び2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基からなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基である請求項1
または2に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基と2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有する請求項1から
3のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチドから5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基が2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基である請求項
4に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドが、架橋型ヌクレオチド残基と2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有する請求項1から
3のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチドから5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基が架橋型ヌクレオチド残基である請求項
6に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基と架橋型ヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有する請求項1から
3のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチドから5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基が2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基である請求項
8に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
前記第一オリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基が連結する塩基配列を有する請求項1から
9のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
前記第一オリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基と架橋型ヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有する請求項1から
9のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
前記第一オリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドが、4から6残基からなる請求項1から
11のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
前記第二オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド残基がホスホロチオエート結合で連結されてなる請求項1から
12のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
前記部位特異的編集は、アデノシンデアミナーゼによる酵素反応に起因する請求項1から
13のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
請求項1から
14のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬。
【請求項16】
請求項1から
14のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を含有する遺伝性疾患治療剤。
【請求項17】
請求項1から
14のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する医薬組成物。
【請求項18】
遺伝性疾患の予防、又は治療のための請求項
17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
遺伝性疾患が、標的RNAにおけるアデノシン残基をイノシン残基に変換することにより治療されうる疾患である請求項
18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
遺伝性疾患が、遺伝子におけるグアノシン残基からアデノシン残基への変異を原因とする遺伝性疾患である請求項
18に記載の医薬組成物。
【請求項21】
疾患の予防、又は治療のための医薬を製造するための請求項1から
14のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項22】
疾患の予防、又は治療における使用のための請求項1から請求項
14のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
請求項1から請求項
14のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬理上許容される塩の薬理学的有効量を温血動物(ヒトを除く)に投与することによる疾患の予防、又は治療のための方法。
【請求項24】
疾患が遺伝性疾患である請求項
23に記載の方法。
【請求項25】
遺伝性疾患が、標的RNAにおけるアデノシン残基をイノシン残基に変換することにより治療されうる疾患である請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
遺伝性疾患が、遺伝子におけるグアノシン残基からアデノシン残基への変異を原因とする遺伝性疾患である請求項
24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学修飾核酸を導入した安定型標的編集ガイドRNAに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲノム編集技術の開発を契機として、生物の設計図である遺伝情報、つまりは細胞内のDNA情報を改変することで生命現象をコントロールする方法が、疾患治療アプローチとして医療及び創薬分野で用いられ始めている。DNAは細胞内で恒常的且つ不変的な分子であるため、DNA改変効果は対象細胞又は対象生物に永続的に残り続ける。一方、RNAはDNA情報が写し取られた核酸分子であり、DNAとは異なり、合成・分解が繰り返される一過的な遺伝情報分子である。従ってRNA情報の改変は対象生物に永続的ではない一時的な遺伝情報改変効果を与えることができる。つまり、RNA改変技術はDNA改変と同じく遺伝子改変技術ではあるものの、その性質は大きく異なる。
【0003】
RNA改変技術として、例えば、特許文献1には、標的RNAの一部に相補的なアンチセンス配列を含む標的指向性部分と、細胞に存在し、ヌクレオチドの編集を行うことができるRNA編集実体に結合してリクルートすることができるリクルート部分とを含む、標的RNA配列中のヌクレオチドの部位特異的編集のためのオリゴヌクレオチド構築物が記載されている。また例えば、特許文献2には、標的RNAと標的編集ガイドRNAとの複合体に二本鎖特異的アデノシンデアミナーゼ(ADAR)を作用させる部位特異的RNA変異導入方法が記載されている。また非特許文献1には、ADARをリクルートするアンチセンスオリゴヌクレオチドに修飾核酸を導入することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2016/097212号
【文献】国際公開第2017/010556号
【非特許文献】
【0005】
【文献】Nature Biotechnology 37,133-138(2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のオリゴヌクレオチド構築物は、標的指向性部位に加えて、リクルート部分として特定の反復配列を有するステムループ構造を有しており、リクルート部分には16以上のオリゴヌクレオチドを必要とする。また特許文献2に記載の標的編集ガイドRNAは、アンチセンス領域に加えて、40又は49残基の特定配列からなるステムループ構造を有するADAR結合領域を必要とする。特許文献1又は2に記載のRNA改変技術に適用されるオリゴヌクレオチドは、いずれも標的RNAと二重鎖を形成する部位に加えて、ADARと結合するためのある程度の長さを有する分子内二本鎖領域が必須であり、必然的にオリゴヌクレオチドとしての全長が長くなる傾向があった。
【0007】
本発明の一態様は、標的認識部位に付加されるヌクレオチド数が少なく、生体内における安定性に優れ、細胞内において部位特異的編集を誘導可能な標的編集ガイドRNAを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りであり、本発明は以下の態様を包含する。
(1-1)標的RNAを特定する第一オリゴヌクレオチドと、前記第一オリゴヌクレオチドの3’側に連結する第二オリゴヌクレオチドと、前記第二オリゴヌクレオチドと相補対を形成し得る第三オリゴヌクレオチドと、前記第二オリゴヌクレオチドと第三オリゴヌクレオチドとを連結する第一連結部とを含み、前記第一オリゴヌクレオチドは、前記標的RNA中のアデノシン残基に対応する標的対応ヌクレオチド残基と、前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する10から30残基のオリゴヌクレオチドと、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する3から6残基のオリゴヌクレオチドとからなり、前記第二オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、前記第三オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、前記標的対応ヌクレオチド残基、並びにその3’側及び5’側の各1残基からなるカウンタ領域から選択される少なくとも1残基は、天然型リボヌクレオチド残基以外のヌクレオチド残基であり、前記標的RNAに対する部位特異的編集を誘導するオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0009】
(1-2)前記第一連結部は、4又は5残基のオリゴヌクレオチド、及び1から8のアルキレンオキシ単位からなるポリアルキレンオキシ基からなる群から選択される少なくとも1種を含む(1-1)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0010】
(1-3) 前記第一オリゴヌクレオチドと第二オリゴヌクレオチドの間に、アルキレンオキシ単位を含む第二連結部を含む(1-1)又は(1-2)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0011】
(1-4) 前記第一オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合を含む(1-1)から(1-3)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0012】
(1-5) 前記第一オリゴヌクレオチドは、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、架橋型ヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基を含む(1-1)から(1-4)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0013】
(1-6) 前記カウンタ領域は、ホスホロチオエート結合を含む(1-1)から(1-5)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0014】
(1-7) 前記標的対応ヌクレオチド残基が、ホスホロチオエート結合を含む(1-1)から(1-6)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0015】
(1-8) 前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側及び5’側の各1残基のうち少なくとも1残基は、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、及び2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基からなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基である(1-1)から(1-7)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0016】
(1-9) 前記第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドの少なくとも一方は、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチド残基からなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基を含む(1-1)から(1-8)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0017】
(1-10) 前記部位特異的編集は、アデノシンデアミナーゼによる酵素反応に起因する(1-1)から(1-9)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0018】
(1-11) (1-1)から(1-10)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬。
【0019】
(1-12) (1-1)から(1-10)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を含有する遺伝性疾患治療剤。
【0020】
(1-13) (1-1)から(1-10)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する医薬組成物。
【0021】
(1-14) 遺伝性疾患の予防、又は治療のための(1-13)に記載の医薬組成物。
【0022】
(1-15) 遺伝性疾患が、標的RNAにおけるアデノシン残基をイノシン残基に変換することにより治療されうる疾患である(1-14)に記載の医薬組成物。
【0023】
(1-16) 遺伝性疾患が、遺伝子におけるグアノシン残基からアデノシン残基への変異を原因とする遺伝性疾患である(1-14)に記載の医薬組成物。
【0024】
(1-17) 疾患の予防、又は治療のための医薬を製造するための(1-1)から(1-10)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【0025】
(1-18) 疾患の予防、又は治療における使用のための(1-1)から(1-10)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0026】
(2-1) 標的RNAを特定する第一オリゴヌクレオチドと、前記第一オリゴヌクレオチドの3’側に連結する第二オリゴヌクレオチドと、前記第二オリゴヌクレオチドと相補対を形成し得る第三オリゴヌクレオチドと、前記第二オリゴヌクレオチドと第三オリゴヌクレオチドとを連結する第一連結部とを含み、前記第一オリゴヌクレオチドは、前記標的RNA中のアデノシン残基に対応する標的対応ヌクレオチド残基と、前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する10から30残基のオリゴヌクレオチドと、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する3から6残基のオリゴヌクレオチドとからなり、前記第二オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、前記第三オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、前記標的対応ヌクレオチド残基、並びにその3’側及び5’側の各1残基からなるカウンタ領域から選択される少なくとも1残基は、天然型リボヌクレオチド残基以外のヌクレオチド残基であり、前記標的RNAに対する部位特異的編集を誘導するオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0027】
(2-2) 前記第一連結部は、4又は5残基のオリゴヌクレオチド、及び1から8のアルキレンオキシ単位からなるポリアルキレンオキシ基からなる群から選択される少なくとも1種を含む(2-1)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0028】
(2-3) 前記第一連結部が、GCUAA、UUCG、UACG、UGCG、UCCG、GAAA、GUAA、GCAA、GGAA、GAGA、GUGA、GCGA、及びGGGAからなる群から選択される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含む(2-2)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0029】
(2-4) 前記第一連結部が、1から8のエチレンオキシ単位からなるポリエチレンオキシ基を含む(2-1)又は(2-3)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0030】
(2-5) 前記第一連結部が、ヘキサエチレンオキシ基を含む(2-4)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0031】
(2-6) 前記第一オリゴヌクレオチドと第二オリゴヌクレオチドの間に、アルキレンオキシ単位を含む第二連結部を含む(2-1)から(2-5)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0032】
(2-7) 第二連結部が、炭素数3から6のアルキレンオキシ基を含む(2-6)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0033】
(2-8) 第二連結部が、6のエチレンオキシ単位からなるヘキサエチレンオキシ基を含む(2-6)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0034】
(2-9) 前記第一オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合を含む(2-1)から(2-8)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0035】
(2-10) 前記第一オリゴヌクレオチドは、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、架橋型ヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチドを含む(2-1)から(2-9)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0036】
(2-11) 前記第一オリゴヌクレオチドは、2’-O-メチルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、架橋型ヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチドを含む(2-1)から(2-9)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0037】
(2-12) 前記カウンタ領域は、ホスホロチオエート結合を含む(2-1)から(2-11)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0038】
(2-13) 前記標的対応ヌクレオチド残基が、ホスホロチオエート結合を含む(2-1)から(2-12)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0039】
(2-14) 前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側及び5’側の各1残基のうち少なくとも1残基は、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、及び2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基からなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基である(2-1)から(2-13)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0040】
(2-15) 前記第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドの少なくとも一方は、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチド残基からなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基を含む(2-1)から(2-14)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0041】
(2-16) 前記第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドが、全て2’-O-メチルリボヌクレオチドからなる(2-15)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0042】
(2-17) 前記第二オリゴヌクレオチドがGGGUGGの塩基配列を有し、前記第三オリゴヌクレオチドがCCACCUの塩基配列を有する(2-15)又は(2-16)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0043】
(2-18) 標的RNAを特定する第一オリゴヌクレオチドと、
前記第一オリゴヌクレオチドの3’側に連結する第二オリゴヌクレオチドと、
前記第二オリゴヌクレオチドと相補対を形成し得る第三オリゴヌクレオチドと、
前記第二オリゴヌクレオチドと第三オリゴヌクレオチドとを連結する第一連結部とを含み、前記第一オリゴヌクレオチドは、前記標的RNA中のアデノシン残基に対応する標的対応ヌクレオチド残基と、前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する10から30残基のオリゴヌクレオチドと、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する3から6残基のオリゴヌクレオチドとからなり、前記第二オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、前記第三オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、前記第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドは、全て2’-O-アルキルリボヌクレオチドからなり、前記標的対応ヌクレオチド残基、並びにその3’側及び5’側の各1残基からなるカウンタ領域から選択される少なくとも1残基は、天然型リボヌクレオチド残基以外のヌクレオチド残基であり、全てのリン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合であり、前記標的RNAに対する部位特異的編集を誘導するオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0044】
(2-19) 前記第一連結部は、4又は5残基のオリゴヌクレオチド、及び2から8のアルキレンオキシ単位からなるポリアルキレンオキシ基からなる群から選択される少なくとも1種を含む(2-18)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0045】
(2-20) 前記第一連結部が、GCUAA、UUCG、UACG、UGCG、UCCG、GAAA、GUAA、GCAA、GGAA、GAGA、GUGA、GCGA、及びGGGAからなる群から選択される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含む(2-19)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0046】
(2-21) 前記第一連結部が、1から8のエチレンオキシ単位からなるポリエチレンオキシ基を含む(2-19)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0047】
(2-22) 前記第一連結部が、ヘキサエチレンオキシ基を含む(2-21)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0048】
(2-23) 前記第一オリゴヌクレオチドと第二オリゴヌクレオチドの間に、アルキレンオキシ単位を含む第二連結部を含む(2-18)から(2-22)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0049】
(2-24) 第二連結部が、炭素数3から6のアルキレンオキシ基を含む(2-23)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0050】
(2-25) 第二連結部が、ヘキサエチレンオキシ基を含む(2-23)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0051】
(2-26) 前記標的対応ヌクレオチド残基が、シチジン残基、ウリジン残基、アデノシン残基、又はそれらの誘導体である(2-18)から(2-25)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0052】
(2-27) 前記標的対応ヌクレオチド残基が、シチジン残基、又はその誘導体である(2-26)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0053】
(2-28) 前記第一オリゴヌクレオチドは、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、架橋型ヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチドを含む(2-18)から(2-27)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0054】
(2-29) 前記第一オリゴヌクレオチドは、2’-O-メチルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、架橋型ヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチドを含む(2-18)から(2-27)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0055】
(2-30) 前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側及び5’側の各1残基のうち少なくとも1残基は、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、及び2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基からなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基である(2-18)から(2-29)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0056】
(2-31) 前記第二オリゴヌクレオチドがGGGUGGの塩基配列を有し、前記第三オリゴヌクレオチドがCCACCUの塩基配列を有する(2-18)から(2-30)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0057】
(2-32) 前記部位特異的編集は、アデノシンデアミナーゼによる酵素反応に起因する(2-1)から(2-31)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0058】
(2-33) (2-1)から(2-32)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬。
【0059】
(2-34) (2-1)から(2-32)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を含有する遺伝性疾患治療剤。
【0060】
(2-35) (2-1)から(2-32)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する医薬組成物。
【0061】
(2-36) 疾患の予防、又は治療のための医薬を製造するための(2-1)から(2-32)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【0062】
(2-37) 疾患の予防、又は治療における使用のための(2-1)から(2-32)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0063】
(2-38) (2-1)から(2-32)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩の薬理学的有効量を温血動物に投与することによる疾患の予防、又は治療のための方法。
【0064】
(2-39) 温血動物がヒトである(2-38)に記載の方法。
【0065】
(3-1) 標的RNAを特定する第一オリゴヌクレオチドと、前記第一オリゴヌクレオチドの3’側に連結する第二オリゴヌクレオチドと、前記第二オリゴヌクレオチドと相補対を形成し得る第三オリゴヌクレオチドと、前記第二オリゴヌクレオチドと第三オリゴヌクレオチドとを連結する第一連結部とを含み、前記第一オリゴヌクレオチドは、前記標的RNA中のアデノシン残基に対応する標的対応ヌクレオチド残基と、前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する10から30残基のオリゴヌクレオチドと、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する3から6残基のオリゴヌクレオチドとからなり、前記第二オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、前記第三オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、前記標的対応ヌクレオチド残基、並びにその3’側及び5’側の各1残基からなるカウンタ領域から選択される少なくとも1残基は、天然型リボヌクレオチド残基以外のヌクレオチド残基であり、前記標的RNAに対する部位特異的編集を誘導するオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0066】
(3-2) 前記第一連結部は、4又は5残基のオリゴヌクレオチド、及び1から8のアルキレンオキシ単位からなるポリアルキレンオキシ基からなる群から選択される少なくとも1種を含む(3-1)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0067】
(3-3) 前記第一オリゴヌクレオチドと第二オリゴヌクレオチドの間に、アルキレンオキシ単位を含む第二連結部を含む(3-1)又は(3-2)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0068】
(3-4) 前記第一オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合を含む(3-1)から(3-3)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0069】
(3-5) 前記第一オリゴヌクレオチドは、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、架橋型ヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基を含む(3-1)から(3-4)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0070】
(3-6) 前記カウンタ領域は、ホスホロチオエート結合を含む(3-1)から(3-5)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0071】
(3-7) 前記標的対応ヌクレオチド残基が、ホスホロチオエート結合を含む(3-1)から(3-6)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0072】
(3-8) 前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側及び5’側の各1残基のうち少なくとも1残基は、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、及び2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基からなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基である(3-1)から(3-7)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0073】
(3-9) 前記第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドの少なくとも一方は、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチド残基からなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基を含む(3-1)から(3-8)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0074】
(3-10) 前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基と2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有する(3-1)から(3-9)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0075】
(3-11) 前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基から5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基が2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基である(3-10)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0076】
(3-12) 前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドが、架橋型ヌクレオチド残基と2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有する(3-1)から(3-9)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0077】
(3-13) 前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基から5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基が架橋型ヌクレオチド残基である(3-12)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0078】
(3-14) 前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基と架橋型ヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有する(3-1)から(3-9)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0079】
(3-15) 前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチドから5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基が2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基である(3-14)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0080】
(3-16) 前記第一オリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基が連結する塩基配列を有する(3-1)から(3-15)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0081】
(3-17) 前記第一オリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基と架橋型ヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有する(3-1)から(3-15)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0082】
(3-18) 前記第一オリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドが、4から6残基からなる(3-1)から(3-17)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩
【0083】
(3-19) 前記第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドが、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基が連結する塩基配列を有する(3-1)から(3-18)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0084】
(3-20) 前記第一オリゴヌクレオチド、第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドのそれぞれは、ヌクレオチド残基がホスホロチオエート結合で連結されてなる(3-1)から(3-19)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0085】
(3-21) 前記部位特異的編集は、アデノシンデアミナーゼによる酵素反応に起因する(3-1)から(3-20)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0086】
(3-22) (3-1)から(3-21)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬。
【0087】
(3-23) (3-1)から(3-21)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を含有する遺伝性疾患治療剤。
【0088】
(3-24) (3-1)から(3-21)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する医薬組成物。
【0089】
(3-25) 遺伝性疾患の予防、又は治療のための(3-24)に記載の医薬組成物。
【0090】
(3-26) 遺伝性疾患が、標的RNAにおけるアデノシン残基をイノシン残基に変換することにより治療されうる疾患である(3-25)に記載の医薬組成物。
【0091】
(3-27) 遺伝性疾患が、遺伝子におけるグアノシン残基からアデノシン残基への変異を原因とする遺伝性疾患である(3-25)に記載の医薬組成物。
【0092】
(3-28) 疾患の予防、又は治療のための医薬を製造するための(3-1)から(3-21)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【0093】
(3-29) 疾患の予防、又は治療における使用のための(3-1)から(3-21)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0094】
(3-30) (3-1)から(3-29)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬理上許容される塩の薬理学的有効量を温血動物に投与することによる疾患の予防、又は治療のための方法。
【0095】
(3-31) 疾患が遺伝性疾患である(3-30)に記載の方法。
【0096】
(3-32) 遺伝性疾患が、標的RNAにおけるアデノシン残基をイノシン残基に変換することにより治療されうる疾患である(3-31)に記載の方法。
【0097】
(3-33) 遺伝性疾患が、遺伝子におけるグアノシン残基からアデノシン残基への変異を原因とする遺伝性疾患である(3-31)に記載の方法。
【0098】
(3-34) 温血動物がヒトである(3-30)から(3-33)のいずれかに記載の方法。
【0099】
(4-1) 標的RNAを特定する第一オリゴヌクレオチドと、前記第一オリゴヌクレオチドの3’側に連結する第二オリゴヌクレオチドと、前記第二オリゴヌクレオチドと相補対を形成し得る第三オリゴヌクレオチドと、前記第二オリゴヌクレオチドと第三オリゴヌクレオチドとを連結する第一連結部とを含み、前記第一オリゴヌクレオチドは、前記標的RNA中のアデノシン残基に対応する標的対応ヌクレオチド残基と、前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する10から30残基のオリゴヌクレオチドと、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する3から6残基のオリゴヌクレオチドとからなり、前記第二オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、前記第三オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、前記標的対応ヌクレオチド残基、並びにその3’側及び5’側の各1残基からなるカウンタ領域から選択される少なくとも1残基は、天然型リボヌクレオチド残基以外のヌクレオチド残基であり、前記標的RNAに対する部位特異的編集を誘導するオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0100】
(4-2) 前記第一連結部は、4又は5残基のオリゴヌクレオチド、及び1から8のアルキレンオキシ単位からなるポリアルキレンオキシ基からなる群から選択される少なくとも1種を含む(4-1)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0101】
(4-3) 前記第一連結部が、GCUAA、UUCG、UACG、UGCG、UCCG、GAAA、GUAA、GCAA、GGAA、GAGA、GUGA、GCGA、及びGGGAからなる群から選択される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含む(4-2)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0102】
(4-4) 前記第一連結部が、1から8のエチレンオキシ単位からなるポリエチレンオキシ基を含む(4-1)又は(4-3)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0103】
(4-5) 前記第一連結部が、ヘキサエチレンオキシ基を含む(4-4)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0104】
(4-6) 前記第一オリゴヌクレオチドと第二オリゴヌクレオチドの間に、アルキレンオキシ単位を含む第二連結部を含む(4-1)から(4-5)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0105】
(4-7) 第二連結部が、炭素数3から6のアルキレンオキシ基を含む(4-6)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0106】
(4-8) 第二連結部が、6のエチレンオキシ単位からなるヘキサエチレンオキシ基を含む(4-6)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0107】
(4-9) 前記第一オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合を含む(4-1)から(4-8)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0108】
(4-10) 前記第一オリゴヌクレオチドは、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、架橋型ヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチドを含む(4-1)から(4-9)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0109】
(4-11) 前記第一オリゴヌクレオチドは、2’-O-メチルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、架橋型ヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチドを含む(4-1)から(4-9)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0110】
(4-12) 前記カウンタ領域は、ホスホロチオエート結合を含む(4-1)から(4-11)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0111】
(4-13) 前記標的対応ヌクレオチド残基が、ホスホロチオエート結合を含む(4-1)から(4-12)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0112】
(4-14) 前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側及び5’側の各1残基のうち少なくとも1残基は、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、及び2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基からなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基である(4-1)から(4-13)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0113】
(4-15) 前記第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドの少なくとも一方は、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチド残基からなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基を含む(4-1)から(4-14)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0114】
(4-16) 前記第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドが、全て2’-O-メチルリボヌクレオチドからなる(4-15)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0115】
(4-17) 前記第二オリゴヌクレオチドがGGGUGGの塩基配列を有し、前記第三オリゴヌクレオチドがCCACCUの塩基配列を有する(4-15)又は(4-16)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0116】
(4-18) 標的RNAを特定する第一オリゴヌクレオチドと、
前記第一オリゴヌクレオチドの3’側に連結する第二オリゴヌクレオチドと、
前記第二オリゴヌクレオチドと相補対を形成し得る第三オリゴヌクレオチドと、
前記第二オリゴヌクレオチドと第三オリゴヌクレオチドとを連結する第一連結部とを含み、前記第一オリゴヌクレオチドは、前記標的RNA中のアデノシン残基に対応する標的対応ヌクレオチド残基と、前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する10から30残基のオリゴヌクレオチドと、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結し、前記標的RNAに相補的な塩基配列を有する3から6残基のオリゴヌクレオチドとからなり、前記第二オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、前記第三オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、前記第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドは、全て2’-O-アルキルリボヌクレオチドからなり、前記標的対応ヌクレオチド残基、並びにその3’側及び5’側の各1残基からなるカウンタ領域から選択される少なくとも1残基は、天然型リボヌクレオチド残基以外のヌクレオチド残基であり、全てのリン酸ジエステル結合の修飾がホスホロチオエート結合であり、前記標的RNAに対する部位特異的編集を誘導するオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0117】
(4-19) 前記第一連結部は、4又は5残基のオリゴヌクレオチド、及び2から8のアルキレンオキシ単位からなるポリアルキレンオキシ基からなる群から選択される少なくとも1種を含む(4-18)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0118】
(4-20) 前記第一連結部が、GCUAA、UUCG、UACG、UGCG、UCCG、GAAA、GUAA、GCAA、GGAA、GAGA、GUGA、GCGA、及びGGGAからなる群から選択される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含む(4-19)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0119】
(4-21) 前記第一連結部が、1から8のエチレンオキシ単位からなるポリエチレンオキシ基を含む(4-19)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0120】
(4-22) 前記第一連結部が、ヘキサエチレンオキシ基を含む(4-21)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0121】
(4-23) 前記第一オリゴヌクレオチドと第二オリゴヌクレオチドの間に、アルキレンオキシ単位を含む第二連結部を含む(4-18)から(4-22)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0122】
(4-24) 第二連結部が、炭素数3から6のアルキレンオキシ基を含む(4-23)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0123】
(4-25) 第二連結部が、ヘキサエチレンオキシ基を含む(4-23)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0124】
(4-26) 前記標的対応ヌクレオチド残基が、シチジン残基、ウリジン残基、アデノシン残基、又はそれらの誘導体である(4-18)から(4-25)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0125】
(4-27) 前記標的対応ヌクレオチド残基が、シチジン残基、又はその誘導体である(4-26)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0126】
(4-28) 前記第一オリゴヌクレオチドは、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、架橋型ヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチドを含む(4-18)から(4-27)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0127】
(4-29) 前記第一オリゴヌクレオチドは、2’-O-メチルリボヌクレオチド残基、2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基、架橋型ヌクレオチド残基、及び2’-デオキシリボヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチドを含む(4-18)から(4-27)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0128】
(4-30) 前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側及び5’側の各1残基のうち少なくとも1残基は、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基、及び2’-デオキシ-2’-フルオロリボヌクレオチド残基からなる群から選択される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド残基である(4-18)から(4-29)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0129】
(4-31) 前記第二オリゴヌクレオチドがGGGUGGの塩基配列を有し、前記第三オリゴヌクレオチドがCCACCUの塩基配列を有する(4-18)から(4-30)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0130】
(4-32) 前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基と2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有する(4-1)から(4-31)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0131】
(4-33) 前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基から5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基が2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基である(4-32)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0132】
(4-34) 前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドが、架橋型ヌクレオチド残基と2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有する(4-1)から(4-31)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0133】
(4-35) 前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基から5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基が架橋型ヌクレオチド残基である(4-34)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0134】
(4-36) 前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基と架橋型ヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有する(4-1)から(4-31)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0135】
(4-37) 前記標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基から5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基が2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基である(4-36)に記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0136】
(4-38) 前記第一オリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基が連結する塩基配列を有する(4-1)から(4-37)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0137】
(4-39) 前記第一オリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基と架橋型ヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有する(4-1)から(4-37)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0138】
(4-40) 前記第一オリゴヌクレオチドにおいて、前記標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドが、4から6残基からなる(4-1)から(4-39)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩
【0139】
(4-41) 前記第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドが、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基が連結する塩基配列を有する(4-1)から(4-40)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0140】
(4-42) 前記第一オリゴヌクレオチド、第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドのそれぞれは、ヌクレオチド残基がホスホロチオエート結合で連結されてなる(4-1)から(4-41)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0141】
(4-43) 前記部位特異的編集は、アデノシンデアミナーゼによる酵素反応に起因する(2-1)から(4-42)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0142】
(4-45) (4-1)から(4-44)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬。
【0143】
(4-46) (4-1)から(4-44)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を含有する遺伝性疾患治療剤。
【0144】
(4-47) (4-1)から(4-44)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する医薬組成物。
【0145】
(4-48) 疾患の予防、又は治療のための医薬を製造するための(4-1)から(4-44)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【0146】
(4-49) 疾患の予防、又は治療における使用のための(4-1)から(4-44)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩。
【0147】
(4-50) (4-1)から(4-44)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩の薬理学的有効量を温血動物に投与することによる疾患の予防、又は治療のための方法。
(4-51) 疾患が遺伝性疾患である(4-50)に記載の方法。
(4-52) 遺伝性疾患が、標的RNAにおけるアデノシン残基をイノシン残基に変換することにより治療されうる疾患である(4-51)に記載の方法。
(4-53) 遺伝性疾患が、遺伝子におけるグアノシン残基からアデノシン残基への変異を原因とする遺伝性疾患である(4-51)に記載の方法。
(4-54) 温血動物がヒトである(4-50)から(4-53)のいずれかに記載の方法。
【0148】
(4-51) 温血動物がヒトである(4-50)に記載の方法。
【発明の効果】
【0149】
本発明の一態様によれば、標的認識部位に付加するヌクレオチド数が少なく、生体内における安定性に優れ、部位特異的編集を誘導可能な標的編集ガイドRNAを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【
図1A】オリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すクロマトグラフである。
【
図1B】オリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図2】オリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図3A】オリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すクロマトグラフである。
【
図3B】オリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図4A】オリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すクロマトグラフである。
【
図4B】オリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図5A】オリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すクロマトグラフである。
【
図5B】オリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図6A】細胞におけるオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図6B】細胞におけるオリゴヌクレオチドのRNA編集による発光強度変化を示すグラフである。
【
図6C】細胞におけるオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図6D】細胞におけるオリゴヌクレオチドのRNA編集による発光強度変化を示すグラフである。
【
図7A】細胞におけるオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図7B】細胞におけるオリゴヌクレオチドのRNA編集による発光強度変化を示すグラフである。
【
図8A】細胞におけるオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図8B】細胞におけるオリゴヌクレオチドのRNA編集による発光強度変化を示すグラフである。
【
図9A】オリゴヌクレオチドによるATCB及びGAPDHのRNAに対する編集割合を示すクロマトグラフである。
【
図9B】オリゴヌクレオチドによるATCB及びGAPDHのRNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図10】hADAR1存在下でのオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図11A】ADAR2存在下でのオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図11B】ADAR1存在下でのオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図12A】ADAR2存在下でのオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図12B】ADAR1存在下でのオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図13A】細胞におけるオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図13B】細胞におけるオリゴヌクレオチドのRNA編集による発光強度変化を示すグラフである。
【
図14A】細胞におけるオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図14B】細胞におけるオリゴヌクレオチドのRNA編集による発光強度変化を示すグラフである。
【
図15A】細胞におけるオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図15B】細胞におけるオリゴヌクレオチドのRNA編集による発光強度変化を示すグラフである。
【
図16A】ADAR2存在下でのオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図16B】ADAR1存在下でのオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図16C】細胞におけるオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図17A】ADAR2存在下でのオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図17B】ADAR1存在下でのオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【
図18】細胞におけるオリゴヌクレオチドによる標的RNAに対する編集割合を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0151】
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための、オリゴヌクレオチドを例示するものであって、本発明は、以下に示すオリゴヌクレオチドに限定されない。
【0152】
標的RNAに対する部位特異的編集を誘導するオリゴヌクレオチド(以下、標的編集ガイドRNAともいう)は、標的RNAを特定する第一オリゴヌクレオチドと、第一オリゴヌクレオチドの3’側に連結する第二オリゴヌクレオチドと、第二オリゴヌクレオチドと相補対を形成し得る第三オリゴヌクレオチドと、第二オリゴヌクレオチドと第三オリゴヌクレオチドとを連結する第一連結部とを含む。第一オリゴヌクレオチドは、標的RNA中のアデノシン残基に対応する標的対応ヌクレオチド残基と、標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結し、標的RNAに相補的な塩基配列を有する10から30残基のオリゴヌクレオチドと、標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結し、標的RNAに相補的な塩基配列を有する3から6残基のオリゴヌクレオチドとからなる。第二オリゴヌクレオチドの残基数は5から8であり、第三オリゴヌクレオチドの残基数は5から8である。標的対応ヌクレオチド残基、並びにその3’側及び5’側の各1残基からなるカウンタ領域から選択される少なくとも1残基は、天然型リボヌクレオチド残基以外のヌクレオチド残基である。
【0153】
標的編集ガイドRNAが、標的RNAを特定する第一オリゴヌクレオチドの3’側に、第二オリゴヌクレオチド、第一連結部及び第三オリゴヌクレオチドを有し、カウンタ領域に天然型リボヌクレオチド残基以外のヌクレオチド残基を有することで、細胞内での安定性に優れ、優れた部位特異的編集を誘導することができる。これは例えば、標的編集を触媒するADARが、標的RNAと第一オリゴヌクレオチドとからなる二本鎖領域を認識した上で、標的RNAと二本鎖を形成せず、標的RNAから遊離した状態で存在し得る第二オリゴヌクレオチド、第一連結部及び第三オリゴヌクレオチドの少なくとも一部によって、その編集活性が増進されるためと考えられる。すなわち、標的編集ガイドRNAにおいては、第一オリゴヌクレオチドが標的RNAに対する相補領域(アンチセンス領域;ASR)として機能し、第二オリゴヌクレオチド、第一連結部及び第三オリゴヌクレオチドの少なくとも一部が編集増進領域、ADAR結合領域(ADARリクルーティング領域;ARR)等として機能すると考えられる。
【0154】
標的編集ガイドRNAは、例えば、標的編集を触媒するADARを標的RNAにリクルートすることで、標的RNAに対する部位特異的編集を誘導する。ADARは二本鎖RNA中のアデノシン残基を加水分解的脱アミノ化反応によりイノシン残基に変換する酵素であり、哺乳動物の細胞に広く存在する。イノシン残基は構造がグアノシン残基と類似しているため、RNA情報の翻訳時にはグアノシン残基として翻訳され、その結果としてRNA情報が編集される。アミノ酸をコードしている部分にこのようなRNA編集が生じると、ゲノム上にDNA変異がないにも関わらずアミノ酸置換等が生じることになる。なお、哺乳類におけるADARには、遺伝子の異なるADAR1、ADAR2及びADAR3が知られている。標的編集ガイドRNAは、これらのうち少なくともADAR1又はADAR2の標的編集活性を増進する。
【0155】
標的編集ガイドRNAは、哺乳動物の細胞に導入されると、細胞中に存在するADARを標的RNAにリクルートして、標的RNAに対する部位特異的編集を誘導することができる。
【0156】
標的編集ガイドRNAを構成するヌクレオチドは、天然型リボヌクレオチド(RNA)、天然型デオキシリボヌクレオチド(DNA)、RNA/DNAのキメラ、これらの修飾体である修飾ヌクレオチドのいずれから構成されていてもよい。標的編集ガイドRNAを構成するヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分の水酸基に結合するリン酸ジエステル結合によって互いに連結されうる。前記リン酸ジエステル結合は糖部分の2’位水酸基、3’位水酸基、又は5’位水酸基を利用して形成されうる。標的編集ガイドRNAを構成するヌクレオチドは、天然型である3’-5’リン酸ジエステル結合を形成しうる。標的編集ガイドRNAを構成するヌクレオチドの少なくとも1つは修飾ヌクレオチドであってよい。修飾ヌクレオチドとしては、糖部分が修飾されたもの、リン酸ジエステル結合が修飾されたもの、塩基が修飾されたもの、及びこれらの組合せが例示できる。
【0157】
糖部分が修飾されたものとしては、例えば、D-リボフラノースの2’-O-アルキル化リボヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル化、2’-O-アミノエチル化、2’-O-プロピル化、2’-O-アリル化、2’-O-メトキシエチル化、2’-O-ブチル化、2’-O-ペンチル化、2’-O-プロパルギル化等);
D-リボフラノースの2’位と4’位間が架橋された架橋型リボヌクレオチド(例えば、2’-O,4’-C-エチレン化、2’-O,4’-C-メチレン化、2’-O,4’-C-プロピレン化、2’-O,4’-C-テトラメチレン化、2’-O,4’-C-ペンタメチレン化、2’-S,4’-C-メチレン化、D-リボフラノースの2’-デオキシ-2’-C,4’-C-メチレンオキシメチレン化体、S-cEt(2’,4’-constrained エチル)、AmNA等);
3’-デオキシ-3’-アミノ-2’-デオキシ-D-リボフラノース;3’-デオキシ-3’-アミノ-2’-デオキシ-2’-フルオロ-D-リボフラノース;2’-デオキシ-2’-フルオロ-D-リボフラノースなどを挙げることができる。
【0158】
リン酸ジエステル結合が修飾されたものとしては、ホスホロチオエート結合(リン原子の不斉に由来する光学活性体を含む)、メチルホスホネート結合、メチルチオホスホネート結合、ホスホロジチオエート結合、ホスホロアミデート結合などを挙げることができる。
【0159】
塩基が修飾されたものとしては、ハロゲン化;メチル化、エチル化、プロピル化、イソプロピル化、シクロプロピル化、ブチル化、イソブチル化、s-ブチル化、t-ブチル化、シクロブチル化等の炭素数1から6又は1から4のアルキル化;水酸化;アミノ化;脱アミノ化;デメチル化などが挙げられる。具体的には、シトシンの5-メチル化、5-フルオロ化、5-ブロモ化、5-ヨード化、N4-メチル化等;チミンの5-デメチル化(ウラシル)、5-フルオロ化、5-ブロモ化、5-ヨード化等;アデニンのN6-メチル化、8-ブロモ化等;グアニンのN2-メチル化、8-ブロモ化等;を挙げることができる。
【0160】
標的編集ガイドRNAが含む第一オリゴヌクレオチドは、標的RNAを特定する。標的RNAは、編集対象となるアデノシン残基を含むものであれば、特に制限はなく、細胞性RNA、ウイルス性RNAのいずれもよく、通常はタンパク質をコードするmRNA前駆体又はmRNAである。標的RNAにおける編集部位は、非翻訳領域、スプライス領域、エクソン、イントロン、又はRNAの安定性、構造もしくは機能に影響するいずれの領域に存在してもよい。また標的RNAは、修正又は変更すべき変異を含むものであってもよい。あるいは標的RNAはその配列が、天然型とは異なる表現型をコードするように変異されたものであってもよい。
【0161】
標的RNAは、タンパク質をコードするRNAであることが好ましく、コードされるタンパク質として具体的には、セロトニン受容体、グルタミン酸受容体、膜電位依存型カリウムチャネル、STAT3、NFkBIA、MAPK14等のシグナル伝達に関わるリン酸化タンパク質などを挙げることができる。
【0162】
標的編集ガイドRNAは、例えば遺伝性疾患の治療に適用することができる。遺伝性疾患は、例えば、標的RNAにおけるアデノシン残基をイノシン残基に変換することにより治療されうる疾患であってよい。また遺伝性疾患は、例えば、遺伝子におけるグアノシン残基からアデノシン残基への変異を原因とする遺伝性疾患であってよい。遺伝性疾患としては、例えば、嚢胞性線維症、白皮症、α-1アンチトリプシン欠損症、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、喘息、β-サラセミア、CADASIL症候群、シャルコー・マリー・トゥース病、慢性閉塞性肺(COPD)、遠位脊髄性筋萎縮症(DSMA)、デュシェンヌ/ベッカー型筋ジストロフィー、ジストロフィー表皮水疱症、Epidermylosis水疱症、ファブリー病、第V因子ライデン関連する障害、家族性腺腫、ポリポーシス、ガラクトース血症、ゴーシェ病、グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症、血友病、遺伝性ヘマクロマトーシス、ハンター症候群、ハンチントン病、ハーラー症候群、炎症性腸疾患(IBD)、遺伝性多凝集症候群、レーバー先天性黒内障、レッシュニャン症候群、リンチ症候群、マルファン症候群、ムコ多糖症、筋ジストロフィー、筋緊張型ジストロフィー型I及びII、神経線維腫症、ニーマン-ピック病A、B及びC型、NY-eso1関連膵臓癌、パーキンソン病、ポイツ-ジェガース症候群、フェニルケトン尿症、ポンペ病、原発性毛様体病、プロトロンビンG20210A突然変異のようなプロトロンビン変異関連疾患、肺高血圧症、網膜色素変性症、サンドホッフ病、重症複合免疫不全症候群(SCID)、鎌状赤血球貧血、脊髄性筋萎縮症、スタルガルト病、テイ・サックス病、アッシャー症候群、X連鎖免疫不全、癌の様々な形態(例えばBRCA1及び2関連乳癌、卵巣癌等)などが挙げられる。
【0163】
遺伝性疾患の具体例としては、I型シトルリン血症(ASS1)、II型シトルリン血症(SLC25A13)、血友病(Factor V Leiden)、原発性高シュウ酸尿症(AGXT)、遠位型ミオパチー(GNE)、嚢胞性線維症:cystic fibrosis(CFCFTR)、ホモシスチン尿症(CBS)、Hurler症候群:ムコ多糖症(IDUA(SLC26A1))、アレキサンダー病(GFAP)、網膜色素変性症(EYS)、フェニルケトン尿症(PAH)、ヘモクロマトーシス(HFE)、ギルバート症候群(UGT1A1)などを挙げることができる。なお、括弧内は標的遺伝子名である。
【0164】
第一オリゴヌクレオチドは、標的RNA中の編集標的となるアデノシン残基に対応する標的対応ヌクレオチド残基と、標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結し、標的RNAの対応する塩基配列に対して相補的な塩基配列を有する10から30残基の5’側オリゴヌクレオチドと、標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結し、標的RNAの対応する塩基配列に対して相補的な塩基配列を有する3から6残基の3’側オリゴヌクレオチドとからなる。標的対応ヌクレオチド残基の5’側と3’側にそれぞれ連結するオリゴヌクレオチドが、標的RNAと二本鎖を形成することで、標的RNA、及び標的RNAにおける編集標的部位が特定される。以下、標的対応ヌクレオチド残基と、その3’側の1残基と、5’側の1残基の3残基からなる領域を便宜上、カウンタ領域と称し、第一オリゴヌクレオチドのカウンタ領域以外を非カウンタ領域と称することがある。
【0165】
標的対応ヌクレオチド残基は、編集標的となるアデノシン残基に対応するヌクレオチド残基であり、例えばシチジン残基、ウリジン残基、アデノシン残基又はそれらの誘導体である。標的対応ヌクレオチド残基は、好ましくは編集標的となるアデノシン残基と塩基対を形成しない塩基であり、より好ましくはシチジン残基又はその誘導体であり、さらに好ましくはシチジン残基である。
【0166】
標的対応ヌクレオチド残基の5’側又は3’側に連結するオリゴヌクレオチドの塩基配列は、標的RNAの対応する塩基配列に相補的な塩基配列である。標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドの残基数は、標的RNAに対する特異性の観点から、例えば10以上、12以上、14以上又は15以上であり、26以下、20以下又は16以下である。標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドの残基数は、標的RNAに対する特異性の観点から、10以上20以下であってよく、13以上20以下、又は13以上15以下であってよい。また標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドの残基数は、編集活性の観点から、3であってよく、3又は4であってよい。標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドの残基数は、ADAR特異性の観点から、4から6であってよく、4もしくは5、又は5もしくは6であってよい。
【0167】
標的編集ガイドRNAでは、カウンタ領域から選択される少なくとも1残基、少なくとも2残基、又は3残基すべてが、天然型リボヌクレオチド(RNA)残基以外のヌクレオチド残基であってよく、好ましくは、少なくとも1残基、少なくとも2残基、又は3残基すべてが修飾ヌクレオチド残基である。カウンタ領域における修飾ヌクレオチド残基は、糖部分及びリン酸ジエステル結合の少なくとも一方が修飾されていてよく、少なくとも糖部分が修飾されていてよく、少なくともリン酸ジエステル結合が修飾されていてよく、又は糖部分及びリン酸ジエステル結合が修飾されていてよい。例えば、標的対応ヌクレオチド残基は、ホスホロチオエート結合を有するシチジン残基であってよい。また例えば、標的対応ヌクレオチド残基の5’側又は3’側の各1残基は、糖部分及びリン酸ジエステル結合の少なくとも一方が修飾されていてよく、少なくとも糖部分が修飾されていてよく、少なくともリン酸ジエステル結合が修飾されていてよく、又は糖部分及びリン酸ジエステル結合が修飾されていてもよい。カウンタ領域における糖部分の修飾は、例えば、2’-O-アルキル化、2’-デオキシ-2’-フルオロ化等であってよい。
【0168】
第一オリゴヌクレオチドのカウンタ領域以外のオリゴヌクレオチド残基(非カウンタ領域)の内、少なくとも1残基、少なくとも3残基、又は全残基において、糖部分及びリン酸ジエステル結合の少なくとも一方が修飾されていてよく、少なくとも糖部分が修飾されていてよく、少なくともリン酸ジエステル結合が修飾されていてよく、又は糖部分及びリン酸ジエステル結合が修飾されていてもよい。非カウンタ領域における糖部分の修飾は、例えば、2’-O-アルキル化、2’-デオキシ-2’-フルオロ化、2’位と4’位間の架橋化、2’-デオキシ化(DNA化)等であってよい。第一オリゴヌクレオチドが複数の修飾ヌクレオチドを有する場合、複数の修飾ヌクレオチドは連続して配置されてよく、離隔されて配置されていてもよい。また、第一オリゴヌクレオチドは、すべてのヌクレオチド残基がホスホロチオエート結合で連結されて構成されていてもよい。
【0169】
第一オリゴヌクレオチドの標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドは、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基及び架橋型ヌクレオチド残基からなる群から選択される2種の修飾ヌクレオチド残基が交互に連結する塩基配列を有していてもよい。すなわち、標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドは、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基と2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有していてよく、架橋型ヌクレオチド残基と2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有していてよく、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基と架橋型ヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有していてよい。ここで使用される2種の修飾ヌクレオチド残基が交互に連結する塩基配列を有するとは、対象となるオリゴヌクレオチドが(ここでは、第一オリゴヌクレオチドの標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドが該当する)、2種の修飾ヌクレオチド残基が部分的に交互に連結した塩基配列を有していること、又は対象となるオリゴヌクレオチドの全体が2種の修飾ヌクレオチド残基が交互に連結した塩基配列を有していることの両方を意味し、本明細書の以下の説明でも同様の意味で使用される。
【0170】
第一オリゴヌクレオチドの標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドにおいては、標的対応ヌクレオチド残基から5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基が、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基及び架橋型ヌクレオチド残基からなる群から選択される修飾ヌクレオチド残基であってもよい。さらに標的対応ヌクレオチド残基の5’側に連結するオリゴヌクレオチドにおいては、標的対応ヌクレオチド残基から5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基が、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基及び架橋型ヌクレオチド残基からなる群から選択される修飾ヌクレオチド残基であって、4番目のヌクレオチド残基が3番目のヌクレオチド残基とは異なる修飾ヌクレオチド残基であってもよい。ここで標的対応ヌクレオチド残基から5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基とは、標的対応ヌクレオチド残基自身を含まず、標的対応オリゴヌクレオチド残基の5’方向に隣接するヌクレオチド残基を1番目として5’方向に数えて3番目のヌクレオチド残基を示す。
【0171】
第一オリゴヌクレオチドにおいては、標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基が連結する塩基配列を有していてもよい。また、第一オリゴヌクレオチドにおいては、標的対応ヌクレオチド残基の3’側に連結するオリゴヌクレオチドが、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基及び架橋型ヌクレオチド残基からなる群から選択される2種が交互に連結する塩基配列を有していてもよく、2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基と架橋型ヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有していてよく、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基と架橋型ヌクレオチド残基とが交互に連結する塩基配列を有しいてよい。さらに、第一オリゴヌクレオチドは、ADAR特異性の観点から、標的対応ヌクレオチド残基から3’方向に数えて2番目のヌクレオチド残基が2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオチド残基、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基及び架橋型ヌクレオチド残基からなる群から選択される1種であってよく、架橋型ヌクレオチド残基であってよい。ここで標的対応ヌクレオチド残基から3’方向に数えて2番目のヌクレオチド残基とは標的対応ヌクレオチド残基自身を含まず、標的対応オリゴヌクレオチド残基の3’方向に隣接するヌクレオチド残基を1番目として3’方向に数えて2番目のヌクレオチド残基を示す。
【0172】
第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドは、それぞれ5から8残基、5から7残基、又は6残基からなり、互いに相補対を形成し得る塩基配列を有している。第二オリゴヌクレオチド及び第三オリゴヌクレオチドの残基数は同一であっても、異なっていてもよい。第二オリゴヌクレオチドの塩基配列としては、GGGUGG、GGGUG、GGUGG、GGGU、GGUG、GUGG、GGG、GGU、GUG、UGG、GG、GC、GA、GU、UC、UG、UA、UU、CG、CA、CU、CC、AG、AA、AC、AU等を含む塩基配列を挙げることができる。また第二オリゴヌクレオチドは、連続する2又は3のグアニンからなる配列(GG又はGGG)、連続するウラシル及びグアニンからなる配列(UG)及び連続するグアニン、ウラシル及びグアニンからなる配列(GUG)からなる群から選択される少なくとも1種を含む塩基配列を有していてよく、この群から選択される少なくとも2種、又は3種を含む塩基配列を有していてよい。また第二オリゴヌクレオチドは、第一連結部と結合する、連続するグアニン、ウラシル及びグアニンからなる配列(GUG)、又は連続するウラシル、グアニン及びグアニンからなる配列(UGG)を有していてもよい。第三オリゴヌクレオチドの塩基配列は、第二オリゴヌクレオチドの塩基配列と相補対を形成し得るように選択されればよい。ここで第二オリゴヌクレオチドと第三オリゴヌクレオチドとが相補対を形成し得るとは、第二オリゴヌクレオチドの全残基が、対応する第三オリゴヌクレオチドの全残基とワトソン-クリック型の塩基対を形成することのみならず、第二オリゴヌクレオチドと第三オリゴヌクレオチドとが1又は2のミスマッチ塩基対を含むこと、及び1又は2のゆらぎ塩基対を含むことを意味する。なお、ミスマッチ塩基対とは、熱力学的に不安定な塩基対を意味し、ゆらぎ塩基対とは、例えば、G-U塩基対等の熱力学的に安定な非ワトソン-クリック型の塩基対を意味する。ゆらぎ塩基対は、例えば、第三オリゴヌクレオチドの3’末端に形成されてもよい。
【0173】
第二及び第三オリゴヌクレオチドは、それぞれ、少なくとも1残基、少なくとも3残基、又は全残基において、糖部分及びリン酸ジエステル結合の少なくとも一方が修飾されていてよく、少なくとも糖部分が修飾されていてよく、少なくともリン酸ジエステル結合が修飾されていてよく、又は糖部分及びリン酸ジエステル結合が修飾されていてもよい。第二及び第三オリゴヌクレオチドにおける糖部分の修飾は、例えば、2’-O-アルキル化、2’-デオキシ-2’-フルオロ化、2’-デオキシ化(DNA化)等であってよい。第二又は第三オリゴヌクレオチドが複数の修飾ヌクレオチドを有する場合、複数の修飾ヌクレオチドは連続して配置されてよく、離隔されて配置されていてもよい。
【0174】
第二及び第三オリゴヌクレオチドは、2’-O-アルキルリボヌクレオチド残基が連結する塩基配列を有していてもよい。また、第二及び第三オリゴヌクレオチドのそれぞれのヌクレオチド残基は、すべてホスホロチオエート結合で連結されていてもよい。
【0175】
第一連結部は、4又は5残基のオリゴヌクレオチド、及び1から8のアルキレンオキシ単位からなるポリアルキレンオキシ基からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。第一連結部は、第二オリゴヌクレオチドの3’側、及び第三オリゴヌクレオチドの5’側にそれぞれリン酸ジエステル結合、又は修飾されたリン酸ジエステル結合する。すなわち、第一連結部は、第二オリゴヌクレオチドの3’末端の糖部分の水酸基と、第三オリゴヌクレオチドの5’末端の糖部分の水酸基とそれぞれリン酸ジエステル結合、又は修飾されたリン酸ジエステル結合してよい。これにより、第二及び第三オリゴヌクレオチドが相補対を形成してステム構造を形成し、第一連結部がループ構造を形成するように構成されてよい。
【0176】
第一連結部が4又は5残基のオリゴヌクレオチドを含む場合、その塩基配列として具体的には、例えば、GCUAA;UUCG、UACG、UGCG、UCCG等のUNCGフォールド型;GAAA、GUAA、GCAA、GGAA、GAGA、GUGA、GCGA、GGGA等のGNRAフォールド型;GUCA、GCCA、GGCA、GACA、AUCA、ACCA、AGCA、AACA、GUUA、GCUA、GGUA、GAUA、AUUA、ACUA、AGUA、AAUA等のRNYAフォールド型;GGUGフォールド型;CUUGフォールド型;AGUU、AGUC、AGUG、AGUA、AGCU、AGCC、AGCG、AGCA等のAGNNフォールド型などが挙げられる。これらのループ構造の詳細については、例えば、Biophys. J.,113, 257-267, 2017を参照することができる。第一連結部の塩基配列は、GCUAA、UNCGフォールド型の塩基配列、又はGNRAフォールド型の塩基配列を有していてよく、UUCGの塩基配列を有していてよい。
【0177】
第一連結部が4又は5残基のオリゴヌクレオチドを含む場合、第一連結部を構成するヌクレオチド残基は、少なくとも1残基、又は少なくとも3残基が修飾ヌクレオチド残基であってよい。第一連結部における修飾ヌクレオチドは、糖部分及びリン酸ジエステル結合の少なくとも一方が修飾されていてよく、少なくとも糖部分が修飾されていてよく、少なくともリン酸ジエステル結合が修飾されていてよく、又は糖部分及びリン酸ジエステル結合が修飾されていてもよい。
【0178】
第一連結部がポリアルキレンオキシ基を含む場合、アルキレンオキシ単位の炭素数は、例えば、2から4、2から3、又は2であってよい。すなわち、アルキレンオキシ単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はブチレンオキシ単位であってよい。ポリアルキレンオキシ基を構成するアルキレンオキシ単位の数は、例えば1から8、5から7、又は6であってよい。ポリアルキレンオキシ基を構成する各アルキレンオキシ単位は同一であっても、又は異なっていてもよい。更に第一連結部は、単位数が1から8のポリエチレンオキシ基を含んでいてよく、ヘキサエチレンオキシ基を含んでいてよい。第一連結部がポリアルキレンオキシ基を含む場合、ポリアルキレンオキシ基は、リン酸ジエステル結合、又は修飾されたリン酸ジエステル結合を介して、第二オリゴヌクレオチドの3’末端の糖部分の水酸基と第三オリゴヌクレオチドの5’末端の糖部分の水酸基とを連結していてよい。
【0179】
第一連結部は、オリゴヌクレオチドのみから構成されていてよく、ヌクレオチドとアルキレンオキシ単位とを含んで構成されていてよく、アルキレンオキシ単位のみを含んで構成されていてよい。標的編集ガイドRNAは、第一連結部がアルキレンオキシ単位を含むループ構造を有している場合であっても、優れた標的編集活性を示すことができる。
【0180】
標的編集ガイドRNAは、第一オリゴヌクレオチドと第二オリゴヌクレオチドとの間に第二連結部を有していてよい。すなわち、第一オリゴヌクレオチドと第二オリゴヌクレオチドとが、第二連結部で連結されていてよい。第二連結部は、例えば、アルキレンオキシ単位を含んで構成される。アルキレンオキシ単位のアルキレン部分の炭素数は、2から8、又は2から6であってよい。第二連結部は、炭素数2又は3のアルキレンオキシ単位を1から8単位、又は1から6単位含んでいてよく、炭素数2又は3のアルキレンオキシ単位を1から8単位又は1から6単位連続して含むポリアルキレンオキシ基を含んでいてよく、ヘキサエチレンオキシ基を含んでいてよい。また、第二連結部は、炭素数が3から6のアルキレンオキシ基を含んでいてもよい。第二連結部を構成するポリアルキレンオキシ基は、リン酸ジエステル結合、又は修飾されたリン酸ジエステル結合を介して、第一オリゴヌクレオチドの3’末端の糖部分の水酸基と第二オリゴヌクレオチドの5’末端の糖部分の水酸基とを連結していてよい。
【0181】
標的編集ガイドRNAは、市販の合成機(例えば、パーキンエルマー社のホスホロアミダイト法によるモデル392)などを用いて、公知の文献(例えば、Nucleic Acids Reserch,12,4539(1984))参照)に記載の方法に準じて合成することができる。用いられるホスホロアミダイト試薬は、市販の試薬を用いてもよく、公知の文献に記載の方法に準じて適宜合成した試薬を用いてもよい。ホスホロアミダイト試薬をカップリング後、イオウ、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD、アプライドバイオシステム社)、Beaucage試薬(Glen Research社)、キサンタンヒドリドなどの試薬を反応させることにより、ホスホロチオエート結合を導入することができる(例えば、Tetrahedron Letters,32,3005(1991),J.Am.Chem.Soc.,112,1253(1990)、PCT/WO98/54198参照)。
【0182】
オリゴヌクレオチド(標的編集ガイドRNA)は、医薬的に許容できる塩の形態で用いてもよい。「医薬的に許容される塩」とは、オリゴヌクレオチドの塩である。そのような塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩などの金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t-オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N-ベンジル-フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩などのアミン塩;弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩などの無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸塩、りんご酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩などの有機酸塩;グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩などを挙げることができる。オリゴヌクレオチドの医薬的に許容できる塩の形態は、好ましくは、オリゴヌクレオチドのアルカリ金属塩、より好ましくは、ナトリウム塩である。これらの塩は、公知の方法で製造することができる。
【0183】
また、オリゴヌクレオチド及びその医薬的に許容される塩は、溶媒和物(例えば、水和物)としても存在することがあり、そのような溶媒和物であってもよい。
【0184】
オリゴヌクレオチド及びその医薬的に許容される塩には、リン原子の不斉に由来する光学活性体が存在することがあり、本発明のオリゴヌクレオチドには、そのような光学活性体も含まれる。そのような光学活性体は、公知の方法で合成することができる(例えば、Org.Lett.,114,967(2009)、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters,8,2359(1998)など)。
【0185】
オリゴヌクレオチド、その医薬的に許容される塩又は溶媒和物を、疾患の治療に使用する場合には、それ自体あるいは適宜の医薬的に許容される賦形剤、希釈剤などと混合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤などにより経口的に、あるいは、注射剤、坐剤、貼付剤若しくは外用剤などにより非経口的に投与することができる。
【0186】
これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バイレショデンプン、α澱粉、デキストリンのような澱粉誘導体;結晶セルロースのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形剤;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸水素カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩などの無機系賦形剤など)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーズワックス、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DLロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩:無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;上記澱粉誘導体など)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、前記賦形剤と同様の化合物など)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類など)、乳化剤(例えば、ベントナイト、ビーガムのようなコロイド性粘土;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムのような金属水酸化物;ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムのような陰イオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウムのような陽イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルのような非イオン界面活性剤など)、安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;ソルビン酸など)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される甘味料、酸味料、香料など)、希釈剤などの添加剤を用いて周知の方法で製造される。
【0187】
オリゴヌクレオチド、その医薬的に許容される塩又は溶媒和物を含む治療剤は、0.1から250μmoles/mlのオリゴヌクレオチドを含有するとよく、好ましくは、1から50μmoles/ml含有するとよい。また、所定量のオリゴヌクレオチド、その医薬的に許容される塩又は溶媒和物、0.02から10%w/vの炭水化物又は多価アルコール、及び0.01から0.4%w/vの医薬的に許容できる界面活性剤を含有させて治療剤を構成してもよい。
【0188】
上記炭水化物としては、単糖類及び2糖類の少なくとも1種が特に好ましい。これら炭水化物及び多価アルコールの例としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、ラクトース、マルトース、マンニトール及びソルビトールが挙げられる。これらは、単独で用いても、併用してもよい。
【0189】
また、界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノからトリ-エステル、アルキルフェニルポリオキシエチレン、ナトリウムタウロコラート、ナトリウムコラート、及び多価アルコールエステルが挙げられる。このうち特に好ましいのは、ポリオキシエチレンソルビタンモノからトリ-エステルであり、ここにおいてエステルとして特に好ましいのは、オレエート、ラウレート、ステアレート及びパルミテートである。これらは単独で用いても、併用してもよい。
【0190】
オリゴヌクレオチド、その医薬的に許容される塩又は溶媒和物を含む治療剤は、更に好ましくは、0.03Mから0.09Mの医薬的に許容できる中性塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び/又は塩化カルシウムを含有させておいてもよい。
【0191】
オリゴヌクレオチド、その医薬的に許容される塩又は溶媒和物を含む治療剤は、更に好ましくは、0.002から0.05Mの医薬的に許容できる緩衝剤を含有することができる。好ましい緩衝剤の例としては、クエン酸ナトリウム、ナトリウムグリシネート、リン酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが挙げられる。これらの緩衝剤は、単独で用いても、併用してもよい。
【0192】
さらに、上記の治療薬は、溶液状態で供給してもよい。しかし、ある期間保存する必要がある場合等のために、オリゴヌクレオチドを安定化して治療効果の低下を防止する目的で通常は凍結乾燥しておくことが好ましく、その場合は用時に溶解液(注射用蒸留水など)で再構成(reconstruction)して、即ち投与される液体状態にして用いればよい。従って、本発明の治療薬は、各成分が所定の濃度範囲になるよう溶解液で再構成して使用するための、凍結乾燥された状態のものも包含する。凍結乾燥物の溶解性を促進する目的で、アルブミン、グリシン等のアミノ酸を更に含有させておいてもよい。
【0193】
オリゴヌクレオチド、その医薬的に許容される塩又は溶媒和物をヒトに投与する場合には、例えば、成人1日あたり約0.01mg/kgから100mg/kg(体重)、好ましくは0.1mg/kgから20mg/kg(体重)の投与量で、1回又は数回に分けて皮下注射、点滴静脈注射、又は、静脈注射するとよいが、その投与量や投与回数は、疾患の種類、症状、年齢、投与方法などにより適宜変更しうる。
【0194】
疾患の処置方法
疾患の処置方法は、上記治療剤を対象に投与する工程を含む。明細書において用いられる「処置」とは、疾患について施される何らかの処置であればよく、例えば、疾患の治療、改善、進行の抑制(悪化の防止)、予防等(好適には、治療又は予防)が挙げられる。処置の対象は、ヒトを含む温血動物であってよく、非ヒト温血動物であってもよい。
【0195】
標的RNAの部位特異的編集方法
標的RNAの部位特異的編集方法は、標的RNAと、標的RNAに対する部位特異的編集を誘導するオリゴヌクレオチドである標的編集ガイドRNAとを、アデノシンデアミナーゼの存在下に、接触させる工程を含む。標的編集ガイドRNAが標的RNAと部分的に二本鎖を形成し、アデノシンデアミナーゼをリクルートすることで、標的RNAが含むアデノシン残基を部位特異的にイノシン残基に変換することができる。標的RNAの部位特異的編集方法は、標的編集ガイドRNAを準備する工程を更に含んでいてもよい。
【0196】
標的RNAの部位特異的編集方法は、例えば、標的RNAを有する真核細胞に、上述した標的編集ガイドRNAを導入することで行うことができる。標的編集ガイドRNAの真核細胞への導入方法には、核酸医薬で用いられる種々の手法から適宜選択して適用することができる。標的RNAの部位特異的編集方法は、インビトロで実施されてよく、インビボで実施されてもよい。
【0197】
本発明は、別の態様として、疾患(例えば、遺伝性疾患)の処置に用いられる医薬組成物の製造における標的編集ガイドRNAの使用、疾患(例えば、遺伝性疾患)の処置における標的編集ガイドRNAの使用、疾患(例えば、遺伝性疾患)の処置に使用される標的編集ガイドRNAをも包含する。
【実施例】
【0198】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0199】
(参考例1)
表1に示す配列を有し、すべてが天然型RNA残基からなるオリゴヌクレオチド(以下、del03_01ともいう)を、ホスホロアミダイト法(例えば、Nucleic Acids Research, 12, 4539 (1984)、Nature Communications 6, Article number: 6317 (2015)参照)を用いて合成を行った。得られた化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(実測値:11194.40)。
【0200】
表1中、下線部は第一オリゴヌクレオチド(ASR)に該当し、標的となるRNAは後述するRluc_sRNAである。参考例1のオリゴヌクレオチドは、例えば、以下のようなステムループ構造を取り得ると考えられる。
【0201】
【0202】
【0203】
(実施例1から50)
実施例1から46のオリゴヌクレオチド化合物は参考例1のオリゴヌクレオチドの配列を元にして、以下に示すように修飾ヌクレオチドを導入して得られたものである。また実施例47から50のオリゴヌクレオチド化合物は、以下に示す配列の第一オリゴヌクレオチド(ASR)を有し、以下に示すように修飾ヌクレオチドを導入して得られたものである。これらのオリゴヌクレオチド化合物は参考例1と同様にホスホロアミダイト法で合成した。なお、配列中、「18」の部分を合成する際には、DMT Hexaethylene Glycol phosphoramidite(ChemGene、カタログ番号:CLP-9765)を用いた。「9」の部分を合成する際には、DMT-Triethoxy-glycol phosphoramidite(ChemGene、カタログ番号:CLP-1113)を用いた。「6」の部分を合成する際には、DMT-hexane-Diol phosphoramidite(ChemGene、カタログ番号:CLP-1120)を用いた。「3」の部分を合成する際には、DMT-propane-Diol phosphoramidite(ChemGene、カタログ番号:CLP-9908)を用いた。「2’-O-メチルヌクレオシド」の部分は、Nucleic Acids Research 17, 3373 (1989)に記載されたホスホロアミダイト体を用いて合成した。「DNA」の部分は、Nucleic Acids Research 11, 4539 (1984)に記載されたホスホロアミダイト体を用いて合成した。「2’-O,4’-C-メチレンヌクレオシド」の部分は、国際公開第99/14226号に記載されたホスホロアミダイト体を用いて合成した。「2’-デオキシ-2’-フルオロヌクレオシド」の部分は、J.Med.Chem.,36,831(1993)に記載されたホスホロアミダイト体を用いて合成した。
【0204】
【0205】
表中の「分子量」は、負イオンESI質量分析による実測値を示す。表中の「配列」において大文字はRNA、小文字はDNA、N(M)はD-リボフラノースの2’-O-メチル化、N(F)はD-リボフラノースの2’-デオキシ-2’-フルオロ化、N(L)は、D-リボフラノースの2’-O,4’-C-メチレン化、N(E)は、D-リボフラノースの2’-O,4’-C-エチレン化を示す。「3」は-O(CH2)3O-、「6」は-O(CH2)6O-、「9」は-O(CH2CH2O)3-、「18」は-O(CH2CH2O)6-で表されるリンカーを示す。「^」はヌクレオシドユニット間が-P(=S)(OH)-で結合したものを示す。特に記載のない場合は、ヌクレオシドユニット間、又はヌクレオシドユニットとリンカーが-P(=O)(OH)-で結合したものを示す。オリゴヌクレオチドの5’末端及び3’末端は、水素原子が化学式中の酸素原子と結合した水酸基となっている。以下にヌクレオシドユニットの構造を示す。なお、化学式中の破線部は結合部位を示す。
【0206】
【0207】
【0208】
【0209】
【0210】
【0211】
【0212】
【0213】
(参考例2)
表5に、塩基配列と化学修飾の状態を示すオリゴヌクレオチド化合物を、参考例1と同様にホスホロアミダイト法で合成した。表中の記号は上記と同様である。
【0214】
【0215】
(試験例1)Rluc_sRNAに対する編集誘導能評価
(A)Rluc_sRNAの合成
psiCHECKTM-2 Vector(プロメガ社)から、常法により転写して調製したRluc_WT RNA(配列番号7)を0.2nMになるように調製した。組み換えhADAR2(酵母発現系を用いて合成・精製 Macbeth, MR. and Bass, BL. Methods Enzymol. 424, 319-331 (2007), Fukuda, M. et al. Sci. Rep. srep41478 (2017))を終濃度1μMとなるように加え、editing reaction buffer(20mM HEPES-KOH(pH7.5),2mM MgCl2,100mM NaCl,0.5mM DTT,0.01% TritonX-100,5%glycerol)中において37℃で2時間インキュベートすることにより、in vitro編集反応を行なった。
【0216】
編集反応後のRluc_WT RNAをフェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿により精製した。次いで、Primescript Reverse Transcriptase II(TaKaRa)を用いて、Rluc_WT_BamR01プライマー(配列番号8)によりcDNAを合成した。その後、Rluc_WT_EcoF01プライマー(配列番号9)及びRluc_WT_BamR01プライマー(配列番号8)、PrimeStar GXL DNA Polymerase(TaKaRa)を用いてPCR(30サイクル、変性:98℃,10秒、アニーリング:55℃,15秒、伸長:68℃,60秒)によりcDNAを増幅した。次いで、得られたcDNAをインサートDNAとして、以下のようにしてpUC19プラスミドにクローニングした。インサートDNA及びpUC19プラスミドをEcoRI(TaKaRa)及びBamHI(TaKaRa)を用いて37℃で1時間の制限酵素消化を行なった後、フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿により、それぞれのDNAを精製した。制限酵素消化後のpUC19プラスミドとインサートDNAが1:3のモル比となるように混合し、DNA Ligation Kit <Mighty Mix>(TaKaRa)を用いてライゲーション反応を行なった。得られたライゲーションサンプルをDH5αに形質転換し、LB寒天プレートを用いて37℃で一晩培養した後、QIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN)を用いてプラスミドを抽出した。得られたプラスミドDNAの塩基配列解析を行い、Rluc_WTのA122がGに変異した配列(Rluc_K41R)及びRluc_K41RがクローニングされたプラスミドDNA(pUC19-Rluc_K41R)を得た。
【0217】
pUC19-Rluc_K41Rを鋳型にして、5’側断片をRluc_NheF01プライマー(配列番号10)とRL_W104X_RVプライマー(配列番号11)、3’側断片をRluc_XhoR01プライマー(配列番号12)と RL_W104X_FWプライマー(配列番号13)を用いてPrimeStar GXL DNA Polymerase(TaKaRa)により1st PCR(30サイクル、変性:98℃,10秒、アニーリング:55℃,15秒、伸長:68℃,40秒)を行なった。次に、それぞれのPCR産物を100倍希釈し、Rluc_NheF01プライマー及びRluc_XhoR01プライマーを用いてPrimeStar GXL DNA Polymerase(TaKaRa)により2nd PCR(30サイクル、変性:98℃,10秒、アニーリング:55℃,15秒、伸長:68℃,60秒)を行ない、フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿により精製し、Rluc_K41RのG311をAに変異させた配列を有するDNA(Rluc_K41R_W104X)(配列番号16)を得た。
【0218】
得られたDNA(Rluc_K41R_W104X)及びpsiCHECKTM-2 Vector(promega)について、NheI(TaKaRa)及びXhoI(TaKaRa)を用いて37℃で1時間の制限酵素消化を行なった後、フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿により、それぞれのDNAを精製した。制限酵素消化後のRluc_K41R_W104XとpsiCHECKTM-2 Vectorを3:1のモル比となるように混合し、DNA Ligation Kit <Mighty Mix>(TaKaRa)を用いてライゲーション反応を行なった。得られたライゲーションサンプルをDH5αに形質転換し、LB寒天プレートを用いて37℃で一晩培養した。選別したコロニーをLB液体培地にて37℃で一晩培養し、QIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN)を用いてプラスミドを抽出した。その後、塩基配列解析により得られたプラスミドの配列を確認した。
【0219】
配列を確認したプラスミドを鋳型に、T7_Rluc_sRNA_F01プライマー(配列番号14)及びRluc_sRNA_R01プライマー(配列番号15)、PrimeStar GXL DNA Polymerase(TaKaRa)を用いてPCR(30サイクル(変性:98℃,10秒、アニーリング:55℃,15秒、伸長:68℃,20秒))により、in vitro転写反応用の鋳型DNAを増幅し、フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿により精製した。AmpliScribe T7 Kit(Epicentre Biotechnologies)を用いてin vitro転写を行なってRluc_sRNA(配列番号17)を得た。合成後のRluc_sRNAについて、8M尿素を含む5%ポリアクリルアミドゲルを用いて切り出し精製を行ない、以降の試験に用いた。
【0220】
以下に、Rluc_WT_RNA、Rluc_K41R_W104X及びRluc_sRNAの配列、並びに上記で用いたプライマーの配列を示す。なお、表中の下線は、編集標的のアデノシン残基を示す。
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
(B)アニーリング反応
0.3μMのRluc_sRNAと、0.9μMの実施例及び参考例の化合物(以下、gRNAと表記することがある)とをアニーリングbuffer(10mM Tri-HCl(pH7.6),150mM NaCl)中で、80℃,3min加熱し、15minかけて25℃まで冷却した。
【0225】
(C)in vitro編集反応
アニーリング反応によりRluc_sRNAがgRNAと完全に複合体を形成したと仮定し、以下のRluc_sRNA-gRNA複合体濃度を計算した。編集反応は、editing reaction buffer(20mM HEPES-KOH(pH7.5),2mM MgCl2,100mM NaCl,0.5mM DTT,0.01% TritonX-100,5% glycerol)中、5nMRluc_sRNA-gRNA複合体に対して、組み換えhADAR2を12.5nM又は6.25nM加え、37℃で1時間インキュベートすることで行なった。
【0226】
(D)編集解析方法
編集反応後のRluc_sRNAをフェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿により精製し、Primescript Reverse Transcriptase II(TaKaRa)を用いて、Rluc_sRNA_R01プライマー(配列番号18)によりcDNAを合成した。その後、Rluc_sRNA_F01プライマー(配列番号18)及びRluc_sRNA_R01プライマー(配列番号15)、並びにPrimeStar GXL DNA Polymerase(TaKaRa)を用いてPCR(変性:98℃,10秒、アニーリング:55℃,15秒、伸長:68℃,20秒)により、cDNAを増幅した。得られたcDNAの配列解析はRluc_sRNA_F01プライマー(配列番号18)、Big Dye Terminator v3.1 Cycle Sequence Kitを用いてシーケンシング反応を行ない、Applied Biosystem 3500 Genetic Analyzer(Thermo Fisher Scientific)により解析した。シーケンシングにより得られたクロマトチャートより、標的部位(A311)のピーク高比(G/(G+A))から編集割合(%)を算出した。
【0227】
【0228】
(E)編集解析の結果
参考例1の化合物及び実施例の化合物を用いた場合の編集割合(%)を
図1A及び
図1Bに示した。参考例1の化合物では、90%を超える編集割合を示した。実施例の化合物(del03_02からdel03_07)のように修飾核酸を導入した場合でも参考例1の化合物と同様に編集誘導活性を示した。また、標的編集部位と対になるCにホスホロチオエート結合を導入した化合物(del03_08)、ADAR誘導領域のループをヘキサエチエングルコールからなるリンカーに置換した化合物(del03_09)も、参考例1の化合物と同程度の編集誘導活性を示した。
【0229】
図2に示すように、実施例の化合物(del03_10からdel03_21)のように修飾核酸を導入した場合でも参考例1の化合物と同様に編集誘導活性を示した。
また、参考例2の化合物(del03_22)は、Z型DNAのステムループ配列を持つものであってWO2016/097212に記載されているgRNAの設計方法をRluc_sRNA配列に合わせて適応したものである。del03_22は、同じZ型DNAのステム配列を持つ実施例の化合物(del03_21)と比較して編集誘導活性が弱いことがわかる。一方、実施例の化合物(del03_Am1からdel03_Am7)のように修飾核酸を導入した場合でも参考例1の化合物と同程度の編集誘導活性を示した。
【0230】
図3A及び
図3Bに示すように、実施例の化合物(del03_23からdel03_29)のように修飾核酸を導入した場合でも参考例1の化合物と同様の編集誘導活性を示した。
【0231】
図4A及び
図4Bに示したように、実施例の化合物(del03_26、del03_30からdel03_32)のように修飾核酸を導入した場合でも参考例1の化合物と同様の編集誘導活性を示した。
【0232】
図5A及び
図5Bに示すように、実施例の化合物(del03_26、del03_34からdel03_41)のように修飾核酸を導入した場合でも参考例1の化合物と同様に編集誘導活性を示した。
【0233】
(試験例2)培養細胞内における編集誘導能評価
(A)細胞培養
HeLa細胞を24-well Plateに5.0×105cells/wellとなるように継代し、48時間培養した。Lipofectamine 3000(Thermo)を用いて50ngのpsiCHECK2TM_Rluc_K41R_W104X、350ngのpcDNA3.1(-)Hygro_ADAR2、10nMの実施例又は参考例の化合物であるgRNAをTransfectionした。コントロールとして、gRNAを発現するプラスミド(特願2017-234341号の参考例2に記載)の100ngをTransfectionして用いた。
【0234】
(B)編集解析方法
24-well Plateで培養した細胞から、セパゾール RNA I Super G(ナカライ)を用いてtotal RNAを抽出し、Recombinant DNase I(TaKaRa)を用いてDNase処理を行った後、フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿により精製した。PrimeScript II Reverse Transcriptase(TaKaRa)、Total RNA 0.5μg、0.25μM Oligo(dT)17(配列番号19)を用いた逆転写反応を行ない、cDNAを増幅した。PrimeStar GXL DNA polymerase(TaKaRa)、Rluc_F01プライマー(配列番号20)、3’-Adpプライマー(配列番号21)を用いて1stPCR(30サイクル(変性:98℃,10秒、アニーリング:55℃,15秒、伸長:68℃,60秒))を行った。1stPCR産物を200倍希釈したcDNAを鋳型に、PrimeStar GXL DNA polymerase(TaKaRa)、Rluc_F01プライマー(配列番号20)、Rluc_R01プライマー(配列番号22)を用いて2ndPCR(30サイクル(変性:98℃,10秒、アニーリング:55℃,15秒、伸長:68℃ 60秒))を行い、Rlucフラグメントを増幅した。Big Dye Terminator v3.1 Cycle Sequence Kit(Thermo Fisher Scientific)、0.165μM Rluc_sRNA_F01プライマー(配列番号18)を用いてシーケンシング反応を行ない、Applied Biosystems 3500 Genetic Analyzer(Thermo Fisher Scientific)により解析した。シーケンシングにより得られたクロマトチャートより、標的部位(A311)のピーク高比(G/(G+A))から編集割合(%)を算出した。
【0235】
【0236】
(C)ルシフェラーゼレポーターアッセイ方法
Dual-Luciferase Reporter Assay System(Promega)を使用した。24-well Plateで培養した細胞に100 μLのPassive Lysis Buffer(Promega)を用いて細胞抽出液を得た。得られた細胞抽出液20μLにLARII 100μLを添加し、60秒後、GloMax(R)20/20 Luminometer(Promega)によりFirefly luciferase(Fluc)の発光強度を測定した。その後すぐに、Stop&Glo Reagentを100μL添加し、60秒後にRenilla luciferase(Rluc)の発光強度を測定した。発光強度は、Flucによりノーマライズした。
【0237】
(D)編集解析、及びルシフェラーゼレポーターアッセイの結果
実施例の化合物(del03_24からdel03_26)を用いた場合の編集割合(%)を
図6Aに示した。プラスミドをトランスフェクトした場合では、10から20%程度の編集割合を示す。実施例の化合物(del03_25及びdel03_26)のようなホスホロチオエート結合の数を増加した修飾核酸をトランスフェクトした場合は、編集誘導活性が認められ、その割合は、プラスミドをトランスフェクトした場合よりも高かった。
【0238】
実施例の化合物(del03_24からdel03_26)を用いた場合のルシフェラーゼレポーターアッセイの結果を
図6Bに示す。実施例の化合物(del03_25及びdel03_26)を用いた場合、プラスミドをトランスフェクトした場合と同等以上の高いルシフェラーゼ活性が認められた。
【0239】
参考例1の化合物(del03_01)及び実施例の化合物(del03_26)を用いた場合の編集割合(%)を
図6Cに示す。プラスミドをトランスフェクトした場合では、20%程度の編集割合を示した。参考例1の化合物(del03_01)をトランスフェクトした場合は、編集誘導活性が認められなかった。しかし、実施例の化合物(del03_26)をトランスフェクトした場合は、高い編集誘導活性が認められた。参考例1の化合物(del03_01)及び実施例の化合物(del03_26)を用いた場合のルシフェラーゼレポーターアッセイの結果を
図6Dに示す。参考例の化合物(del03_01)を用いた場合、ルシフェラーゼ活性は認められなかったが、実施例の化合物(del03_26)を用いた場合、プラスミドをトランスフェクトした場合よりも非常に高いルシフェラーゼ活性が認められた。
【0240】
実施例の化合物(del03_26、del03_30からdel03_33)を用いた場合の編集割合(%)を
図7Aに示す。実施例の化合物(del03_30からdel03_32)をトランスフェクトした場合、前述の実施例の化合物(del03_26)をトランスフェクトした場合と同程度の編集誘導活性が認められた。また、実施例の化合物(del03_26、del03_30からdel03_33)を用いた場合のルシフェラーゼレポーターアッセイの結果を
図7Bに示す。実施例の化合物(del03_30乃至del03_32)をトランスフェクトした場合、前述の実施例の化合物(del03_26)をトランスフェクトした場合と同程度の高いルシフェラーゼ活性が認められた。
【0241】
実施例の化合物(del03_26、del03_34からdel03_41)を用いた場合の編集割合(%)を
図8Aに示す。実施例の化合物(del03_34からdel03_41)をトランスフェクトした場合、前述の実施例の化合物(del03_26)をトランスフェクトした場合と同等以上の編集誘導活性が認められた。また、実施例の化合物(del03_26、del03_30からdel03_33)を用いた場合のルシフェラーゼレポーターアッセイの結果を
図8Bに示す。実施例の化合物((del03_34からdel03_41)をトランスフェクトした場合、前述の実施例の化合物(del03_26)をトランスフェクトした場合と同程度の高いルシフェラーゼ活性が認められた。
【0242】
(試験例3)β―アクチン遺伝子配列を有するRNAに対する編集誘導能評価
(A)RNAの合成
ACTB_FW(配列番号23)、ACTB_RV(配列番号24)のオリゴDNA、及びNEBuffer 2(NEB)を用いてアニーリング反応(80℃,3min加熱し、15minかけて25℃まで冷却)を行ない、インサートを作製した。pUC19をEcoRI(TaKaRa)及びHindIII(TaKaRa)を用いて37℃で1時間反応を行なった後、フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿により精製した。インサート:プラスミドが3:1のモル比となるように加え、DNA Ligation Kit<Mighty Mix>(TaKaRa)を用いてライゲーション反応を行なった。得られたライゲーションサンプルをDH5αに形質転換し、LB寒天プレートを用いて37℃で一晩培養した。選別したコロニーを、LB液体培地を用いて37℃で一晩培養し、QIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN)を用いてプラスミドを抽出した。得られたプラスミド100ngをBig Dye Terminator v3.1 Cycle Sequence Kit(Thermo Fisher Scientific)、0.165μMのpUC19_seqFWプライマー(配列番号25)及び0.165μMのpUC19_seqRVプライマー(配列番号26)を用いてシーケンシング反応を行ない、Applied Biosystems 3500 Genetic Analyzer(Thermo Fisher Scientific)により配列解析を行なった。正しく作製できたプラスミドを鋳型に、T7_pUC19_FW(配列番号27)及びM13_RVプライマー(配列番号28)、PrimeStar GXL DNA Polymerase(TaKaRa)を用いてPCR(変性:98℃,10秒、アニーリング:55℃,15秒、伸長:68℃,20秒)により、鋳型DNAを作製し、フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿により精製した。AmpliScribe T7 Kit(Epicentre Biotechnologies)を用いてin vitro転写を行ない、8M尿素を含む5%ポリアクリルアミドゲルを用いて切り出し精製を行なった。
【0243】
【0244】
【0245】
(B)編集誘導能評価とその結果
実施例化合物(ACTB_26)の編集誘導能評価の方法は、試験例1の(B)-(D)と同様の方法を用いた。但し、プライマーは、以下に記載したものを用いた。実施例の化合物(ACTB_26)を用いた場合の編集割合(%)を
図9A及び
図9Bに示した。その結果、実施例の化合物(ACTB_26)は、50%程度の編集割合を示した。
【0246】
【0247】
(試験例4)GAPDH遺伝子配列を有するRNAに対する編集誘導能評価
(A)RNAの合成
操作は、試験例3の(A)RNAの合成に記載した方法と同様に行った。但し、オリゴDNAは、以下に記載したものを用いた。
【0248】
【0249】
(B)編集誘導能評価とその結果
実施例化合物(GAPDH_26)の編集誘導能評価の方法は、試験例3の「(B)編集誘導能評価とその結果」と同様の方法を用いた。実施例の化合物(GAPDH_26)を用いた場合の編集割合(%)を
図9A及び
図9Bに示した。その結果、実施例の化合物(GAPDH_26)は、90%程度の編集割合を示した。
【0250】
(試験例5)GFAP遺伝子配列を有するRNAに対する編集誘導能評価
(A)標的RNAの合成
操作は、試験例3の(A)RNAの合成に記載した方法と同様に行った。但し、オリゴDNAは、以下に記載したものを用いた。
【0251】
【0252】
(B)標的編集ガイドRNA(gRNA)の合成
GFAP_del03(配列番号38)は、GFAP_del03_RV(配列番号34)とT7proGGG(配列番号29)のオリゴDNAを用いてアニーリング反応(アニーリングbuffer(10mM Tri-HCl(pH7.6),150mM NaCl)中で、80℃,3min加熱し、15minかけて25℃まで冷却)を行なうことでin vitro転写の鋳型DNAを作製した。5’AS_GFAP_gRNA(配列番号37)は、5’AS_GFAP_FW(配列番号35)、5’AS_ADg_RVオリゴDNA(配列番号36)及びDNA Polymerase I,Large(Klenow)Fragment(NEB)を用いて25℃で30分反応を行ない、鋳型DNAを作製した。その後、フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿により精製した。それぞれの鋳型DNA 1.0μgとAmpliScribe T7 Kit(Epicentre Biotechnologies)を用いてin vitro転写を行ない、8M尿素を含む8%ポリアクリルアミドゲルを用いて切り出し精製を行った。
【0253】
【0254】
【0255】
(C)編集誘導能評価
実施例化合物(GFAP_26)の編集誘導能評価の方法は、試験例3の「(B)編集誘導能評価とその結果」と同様の方法を用いて行った。
【0256】
(試験例6)hADAR1 p110によるRluc_sRNAに対する編集誘導能評価
(A)アニーリング反応
0.3μMのRluc_sRNAと0.9μMの実施例及び参考例の化合物(gRNA)とをアニーリングbuffer(10mM Tri-HCl(pH7.6),150mM NaCl)中で、80℃、3min加熱し、15minかけて25℃まで冷却した。
【0257】
(B)in vitro編集反応
アニーリング反応によりRluc_sRNAがgRNAと完全に複合体を形成したと仮定し、以下のRluc_sRNA-gRNA複合体濃度を計算した。編集反応は、editing reaction buffer(20mM HEPES-KOH(pH7.5),2mM MgCl2,100mM NaCl,0.5mM DTT,0.01% TritonX-100,5% glycerol)中、5nM Rluc_sRNA-gRNA複合体に対して、組み換えhADAR1 p110(酵母発現系を用いて合成・精製した。Macbeth,MR.and Bass,BL. Methods Enzymol. 424, 319-331 (2007), Fukuda, M. et al. Sci. Rep. srep41478 (2017)を参照)を終濃度250nMとなるように加え、37℃で30分インキュベートすることで行なった。
【0258】
(C)編集解析方法
編集反応後のRluc_sRNAをフェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿により精製し、Primescript Reverse Transcriptase II(TaKaRa)を用いて、Rluc_sRNA_R01プライマーによりcDNAを合成した。その後、Rluc_sRNA_F01プライマー(配列番号18)およびRluc_sRNA_R01プライマー(配列番号15)、PrimeStar GXL DNA Polymerase(TaKaRa)を用いてPCR(変性:98℃、10秒、アニーリング:55℃、15秒、伸長:68℃、20秒)により、cDNAを増幅した。得られたcDNAの配列解析はRluc_sRNA_F01プライマー(配列番号18)、Big Dye Terminator v3.1 Cycle Sequence Kitを用いてシーケンシング反応を行ない、Applied Biosystem 3500 Genetic Analyzerにより解析した。シーケンシングにより得られたクロマトチャートより、標的部位(A311)のピーク高比(G/(G+A))から編集割合(%)を算出した。
【0259】
(D)編集解析の結果
実施例の化合物(del03_21、del03_26及びdel03_32)を用いた場合の編集割合(%)を
図10に示した。図中、ADg(-)は、gRNAを加えない場合を示す。実施例の化合物(del03_21)は、参考例1(del03_01)の化合物及び参考例2の化合物(del03_22)と同程度のhADAR1 p110による編集誘導活性を示した。また、実施例の化合物(del03_26及びdel03_32)のように修飾核酸を導入した場合でもhADAR1 p110による編集誘導活性を示した。
【0260】
(実施例51から66)
実施例51から57のオリゴヌクレオチド化合物は参考例1のオリゴヌクレオチドの配列を元にして、以下に示すように修飾ヌクレオチドを導入して得られたものである。また実施例58から63のオリゴヌクレオチド化合物は、hGAPDHに対応する種々の長さの第一オリゴヌクレオチド(ASR)を有し、以下に示すように修飾ヌクレオチドを導入して得られたものである。実施例64から66のオリゴヌクレオチド化合物は、以下に示す配列の第一オリゴヌクレオチド(ASR)を有し、以下に示すように修飾ヌクレオチドを導入して得られたものである。これらのオリゴヌクレオチド化合物は実施例1から50と同様にホスホロアミダイト法で合成した。
【0261】
【0262】
表中の「分子量」は、負イオンESI質量分析による実測値を示す。表中の「配列」において大文字はRNA、小文字はDNA、N(M)はD-リボフラノースの2’-O-メチル化、N(F)はD-リボフラノースの2’-デオキシ-2’-フルオロ化、N(L)は、D-リボフラノースの2’-O,4’-C-メチレン化、N(E)は、D-リボフラノースの2’-O,4’-C-エチレン化を示す。「9」は-O(CH2CH2O)3-、「18」は-O(CH2CH2O)6-で表されるリンカーを示す。「^」はヌクレオシドユニット間が-P(=S)(OH)-で結合したものを示す。特に記載のない場合は、ヌクレオシドユニット間、又はヌクレオシドユニットとリンカーが-P(=O)(OH)-で結合したものを示す。オリゴヌクレオチドの5’末端及び3’末端は、水素原子が化学式中の酸素原子と結合した水酸基となっている。
【0263】
(試験例7)Rluc_sRNAに対する編集誘導能評価(2)
(A)アニーリング反応、in vitro編集反応、及び編集解析方法
試験例1又は試験例6と同様に行った。ここで、hADAR2の場合は、5nMのRluc_sRNA-gRNA複合体に対して、組み換えhADAR2を12.5nMになるように加え、37℃で1時間インキュベートすることで行なった。また、hADAR1 p110の場合は、5nMのRluc_sRNA-gRNA複合体に対して、組み換えhADAR1 p110を250nMになるように加え、37℃で30分インキュベートすることで行なった。
【0264】
(B)編集解析の結果
図11A及び
図12AにhADAR2の結果を、
図11B及び
図12BにhADAR1 p110の結果を示す。
図11Aに示すように、実施例の化合物(del03_32、39、42、43、44及び45)のように修飾核酸を導入した場合でも参考例1の化合物と同様にADAR2による編集誘導活性を示した。また、
図11Bに示すように、実施例の化合物(del03_32、39、43及び45)のように修飾核酸を導入した場合でも参考例1の化合物と同様にADAR1 p110による編集誘導活性を示した。一方、実施例の化合物(del03_42及び44)のような修飾核酸を導入した場合は、参考例1の化合物と比較して、ADAR1 p110による編集誘導活性は、著しく低下した。上記のことから、実施例の化合物(del03_42及び44)は、ADAR2に選択的に作用することが明らかとなった。
【0265】
図12Aに示すように、実施例の化合物(del03_26、及びdel03_46からdel03_48)のように修飾核酸を導入した場合でも参考例1の化合物と同様にADAR2による編集誘導活性を示した。また、
図12Bに示すように、実施例の化合物del03_26、del03_46及びdel03_47)のように修飾核酸を導入した場合でも参考例1の化合物と同様にADAR1 p110による編集誘導活性を示した。一方、実施例の化合物(del03_48)のような修飾核酸を導入した場合は、参考例1の化合物と比較して、ADAR1 p110による編集誘導活性は、著しく低下した。上記のことから、第一オリゴヌクレオチドと第二オリゴヌクレオチドの間にリンカーを有する実施例の化合物(del03_48)は、ADAR2に選択的に作用することが明らかとなった。
【0266】
(試験例8)培養細胞内における編集誘導能評価(2)
(A)細胞培養
HeLa細胞を24-well Plateに5.0×105cells/wellとなるように継代し、48時間培養した。Lipofectamine 3000(Thermo)を用いて50ngのpsiCHECK2TM_Rluc_K41R_W104X、350ngのADARを発現するプラスミド(pcDNA3.1(-)Hygro_ADAR2、pcDNA3.1(-)Hygro_ADAR1 p110、または、pcDNA3.1(-)Hygro_ADAR1 p150)、20nMの実施例又は参考例の化合物であるgRNAをTransfectionした。コントロールとして、実施例又は参考例の化合物であるgRNAの代わりにpSuper_neoをTransfectionしたものを用いた 。
【0267】
(B)編集解析方法、及びルシフェラーゼレポーターアッセイ方法
試験例2と同様に行った。
【0268】
(C)編集解析、及びルシフェラーゼレポーターアッセイの結果
実施例の化合物(del03_26、及びdel03_34からdel03_40)を用いた場合の編集割合(%)を
図13Aに示した。ADAR1 p110、またはADAR1 p150を発現するプラスミドをトランスフェクトした場合では、10%から40%程度の編集割合を示し、その割合は、ADAR1 p110、または、ADAR1 p150プラスミドのみをトランスフェクトした場合よりも明らかに高かった。
【0269】
実施例の化合物(del03_26、及びdel03_34からdel03_40)を用いた場合のルシフェラーゼレポーターアッセイの結果を
図13Bに示す。実施例の化合物(del03_26、及びdel03_38からdel03_40)を用いた場合、ADAR2、ADAR1 p110、またはADAR1 p150プラスミドのみをトランスフェクトした場合よりも明らかに高いルシフェラーゼ活性が認められた。また、実施例の化合物(del03_34からdel03_37)を用いた場合、ADAR2プラスミドのみをトランスフェクトした場合よりも明らかに高いルシフェラーゼ活性が認められた。しかし、ADAR1 p110、またはADAR1 p150プラスミドをトランスフェクトした場合のルシフェラーゼ活性は、非常に弱かった。以上のことから、第一オリゴヌクレオチドと第二オリゴヌクレオチドの間にリンカーを有する実施例の化合物(del03_34からdel03_37)は、ADAR2に特異的であることが明らかとなった。
【0270】
実施例の化合物(del03_26、並びにdel03_32、39、43及び45)を用いた場合の編集割合(%)を
図14Aに示した。ADAR2を発現するプラスミドをトランスフェクトした場合では、60%程度の編集割合を示し、その割合は、ADAR2プラスミドのみをトランスフェクトした場合よりも明らかに高かった。ADAR1 p110、またはADAR1 p150を発現するプラスミドをトランスフェクトした場合では、10%から40%程度の編集割合を示し、その割合は、ADAR1 p110、またはADAR1 p150プラスミドのみをトランスフェクトした場合よりも明らかに高かった。
【0271】
実施例の化合物(del03_26、並びにdel03_32、39、43及び45)を用いた場合のルシフェラーゼレポーターアッセイの結果を
図14Bに示す。実施例の化合物(del03_26、並びにdel03_32、39、43及び45)を用いた場合、ADAR2、ADAR1 p110、または、ADAR1 p150プラスミドのみをトランスフェクトした場合よりも明らかに高いルシフェラーゼ活性が認められた。
【0272】
実施例の化合物(del03_26、並びにdel03_42、44、46、47及び48)を用いた場合の編集割合(%)を
図15Aに示した。ADAR2を発現するプラスミドをトランスフェクトした場合では、30%から60%程度の編集割合を示し、その割合は、ADAR2プラスミドのみをトランスフェクトした場合よりも明らかに高かった。実施例の化合物(del03_26、46、及び、47)を用いて、ADAR1 p110、またはADAR1 p150を発現するプラスミドをトランスフェクトした場合では、10%から30%程度の編集割合を示し、その割合は、ADAR1 p110、またはp150プラスミドのみをトランスフェクトした場合よりも明らかに高かった。一方、実施例の化合物(del03_42、44、及び、48)を用いて、ADAR1 p110、またはADAR1 p150を発現するプラスミドをトランスフェクトした場合では、その割合は、ADAR1 p110、またはADAR1p150プラスミドのみをトランスフェクトした場合と同程度で、編集活性がほとんど認められなかった。
【0273】
実施例の化合物(del03_26、並びにdel03_42、44、46、47及び48)を用いた場合のルシフェラーゼレポーターアッセイの結果を
図15Bに示す。実施例の化合物(del03_26、並びにdel03_46及び47)を用いた場合、ADAR2、ADAR1 p110、またはp150プラスミドのみをトランスフェクトした場合よりも明らかに高いルシフェラーゼ活性が認められた。一方、実施例の化合物(del03_42、44及び48)を用いて、ADAR1 p110、またはADAR1 p150を発現するプラスミドをトランスフェクトした場合では、その割合は、ADAR1 p110、またはADAR1 p150プラスミドのみをトランスフェクトした場合と同程度で、ルシフェラーゼ活性がほとんど認められなかった。上記のことから、実施例の化合物(del03_42、44)、及び第一オリゴヌクレオチドと第二オリゴヌクレオチドの間にリンカーを有する実施例の化合物(del03_48)は、ADAR2に選択的に作用することが明らかとなった。
【0274】
(試験例9)GAPDH遺伝子配列を有するRNAに対する編集誘導能評価(2)
(A)RNAの合成、及び編集誘導能評価
hADAR2に加えて、試験例6に記載のhADAR1 p110を用いたこと以外は試験例4と同様に行った。ここで、hADAR2の場合は、5nMのRluc_sRNA-gRNA複合体に対して、組み換えhADAR2を12.5nMになるように加え、37℃で1時間インキュベートすることで行なった。また、hADAR1 p110の場合は、5nM Rluc_sRNA-gRNA複合体に対して、組み換えhADAR1 p110を250nMになるように加え、37℃で30分インキュベートすることで行なった。
【0275】
(B)編集誘導能評価の結果
実施例化合物(GAPDH_26、及びGAPDH_49から51)の編集誘導能評価の方法は、試験例4記載の(B)編集誘導能評価とその結果と同様の方法を用いた。実施例の化合物(GAPDH_26、及びGAPDH_49から51)を用いた場合の編集割合(%)を
図16A及び
図16Bに示した。その結果、実施例の化合物(GAPDH_26、及び、GAPDH_49から51)は、hADAR2、及び、hADAR1 p110を用いた場合において、高い編集割合を示した。
【0276】
実施例化合物(GAPDH_26、並びにGAPDH_39、52及び53)の編集誘導能評価の方法は、試験例4記載の(B)編集誘導能評価とその結果と同様の方法を用いた。実施例の化合物(GAPDH_26、並びにGAPDH_39、52及び53)を用いた場合の編集割合(%)を
図17A及び
図17Bに示した。その結果、実施例の化合物(GAPDH_26、並びにGAPDH_39、52及び53)は、hADAR2、及びhADAR1 p110を用いた場合において、gRNAを添加しない場合と比べ、高い編集割合を示した。
【0277】
(試験例10)培養細胞内におけるGAPDH遺伝子配列を有するRNAに対する編集誘導能評価
(A)細胞培養
HEK293細胞を24-well Plateに5.0×104cells/wellとなるように継代し、48時間培養した。Lipofectamine 3000(Thermo)を用いて500ngのADARを発現するプラスミド(pcDNA3.1(-)Hygro_ADAR2、pcDNA3.1(-)Hygro_ADAR1 p110、またはpcDNA3.1(-)Hygro_ADAR1 p150)、50nMの実施例又は参考例の化合物であるgRNAをTransfectionした。コントロールとして、実施例又は参考例の化合物であるgRNAをTransfectionしていない培養細胞を用いた。
【0278】
(B)編集誘導能評価とその結果
実施例化合物(GAPDH_26、及びGAPDH_49から51)の編集誘導能評価の方法は、試験例4の(B)編集誘導能評価とその結果と同様の方法を用いた。実施例の化合物(GAPDH_26、及びGAPDH_49から51)を用いた場合の編集割合(%)を
図16Cに示した。その結果、実施例の化合物(GAPDH_26、及び、GAPDH_49から51)は、hADAR2、hADAR1 p110、及びhADAR1 p150を用いた場合において、高い編集割合を示した。
【0279】
実施例化合物(GAPDH_26、並びにGAPDH_39、52及び53)の編集誘導能評価の方法は、試験例4の(B)編集誘導能評価とその結果と同様の方法を用いた。実施例の化合物(GAPDH_26、並びにGAPDH_39、52及び53)を用いた場合の編集割合(%)を
図18に示した。その結果、実施例の化合物(GAPDH_26、並びにGAPDH_39、52及び53)は、hADAR2、hADAR1 p110、及びhADAR1 p150を用いた場合において、gRNAを添加しない場合と比べ、高い編集割合を示した。
【配列表】