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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-17
(45)【発行日】2025-11-26
(54)【発明の名称】高周波回路
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/10 20060101AFI20251118BHJP
   H01P 1/15 20060101ALI20251118BHJP
【FI】
H01P1/10
H01P1/15
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023566214
(86)(22)【出願日】2022-11-22
(86)【国際出願番号】 JP2022043197
(87)【国際公開番号】W WO2023106092
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2024-04-03
(31)【優先権主張番号】P 2021200757
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】599016431
【氏名又は名称】学校法人 芝浦工業大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】前多 正
(72)【発明者】
【氏名】神藤 始
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-527358(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112713860(CN,A)
【文献】NAGULU, Aravind,Fully-Integrated Non-Magnetic 180nm SOI Circulator with >1W P1dB, >+50dBm IIP3 and High Isolation Across 1.85 VSWR,2018 IEEE Radio Frequency Integrated Circuits Symposium (RFIC),2018年06月12日,pp. 104-107
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/10
H01P 1/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1伝送線路と、
前記第1伝送線路の一端に接続され、前記第1伝送線路の一端と複数の第1回路との接続を切り替える第1切り替え回路と、
前記第1伝送線路の他端に接続され、前記第1伝送線路の他端と複数の第2回路との接続を切り替える第2切り替え回路と、を備え、
m0を前記第1切り替え回路および前記第2切り替え回路の切り替え周波数とし、fを前記第1伝送線路を伝播する信号の周波数とし、λm0を前記切り替え周波数に対する波長とし、mを1以上の整数とし、nを0以上の整数とし、前記第1伝送線路の長さをmλm0/4とした場合に、f/fm0=2n/mである、
高周波回路。
【請求項2】
前記第1伝送線路の一端は、前記第1切り替え回路によって前記複数の第1回路のうちの1つの第1回路と排他的に接続され、
前記第1伝送線路の他端は、前記第2切り替え回路によって前記複数の第2回路のうちの1つの第2回路と排他的に接続される、
請求項1に記載の高周波回路。
【請求項3】
複数の第1伝送線路と、
前記複数の第1伝送線路のそれぞれの一端に接続され、前記複数の第1伝送線路のそれぞれの一端と第1回路との接続を切り替える第1切り替え回路と、
前記複数の第1伝送線路のそれぞれの他端に接続され、前記複数の第1伝送線路のそれぞれの他端と第2回路との接続を切り替える第2切り替え回路と、を備え、
m0を前記第1切り替え回路および前記第2切り替え回路の切り替え周波数とし、fを前記第1伝送線路を伝播する信号の周波数とし、λm0を前記切り替え周波数に対する波長とし、mを1以上の整数とし、nを0以上の整数とし、前記第1伝送線路の長さをmλm0/4とした場合に、f/fm0=2n/mである、
高周波回路。
【請求項4】
前記第1回路は、前記第1切り替え回路によって前記複数の第1伝送線路のうちの1つの第1伝送線路の一端と排他的に接続され、
前記第2回路は、前記第2切り替え回路によって前記複数の第1伝送線路のうちの1つの第1伝送線路の他端と排他的に接続される、
請求項3に記載の高周波回路。
【請求項5】
前記第1切り替え回路および前記第2切り替え回路は、それぞれ制御信号によって導通および非導通が制御される半導体素子によって構成される、
請求項1~4のいずれか1項に記載の高周波回路。
【請求項6】
前記切り替え周波数は、前記第1伝送線路を伝播する信号の周波数と異なる、
請求項1~のいずれか1項に記載の高周波回路。
【請求項7】
前記第1回路および前記第2回路は、それぞれ第2伝送線路により構成される、
請求項1~のいずれか1項に記載の高周波回路。
【請求項8】
前記第1回路および前記第2回路は、それぞれ受動素子により構成される、
請求項1~のいずれか1項に記載の高周波回路。
【請求項9】
前記第1回路および前記第2回路は、それぞれ受動素子で構成された遅延回路により構成される、
請求項8に記載の高周波回路。
【請求項10】
前記第1伝送線路は、縦続接続された複数の回路によって構成されており、
前記複数の回路は、それぞれ受動素子で構成される、
請求項1~のいずれか1項に記載の高周波回路。
【請求項11】
前記第1伝送線路の等価特性インピーダンスは、前記第1回路のインピーダンスおよび前記第2回路のインピーダンスよりも小さい、
請求項10に記載の高周波回路。
【請求項12】
前記第1伝送線路は、ストリップライン系線路によって構成される、
請求項1~のいずれか1項に記載の高周波回路。
【請求項13】
前記第1伝送線路の特性インピーダンスは、前記第1回路のインピーダンスおよび前記第2回路のインピーダンスよりも大きい、
請求項12に記載の高周波回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、伝送線路に接続される回路を切り替えるための線路切替型移相器が記載されている。非特許文献1には、伝送線路に接続される回路を切り替えるための線路切替型ジャイレータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-13071号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】RFIC2018,“Fully-Integrated Non-Magnetic 180nm SOI Circulator with >1W P1dB, >+50dBm IIP3 and High Isolation across 1.85 VSWR”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された線路切替型移相器および非特許文献1に記載された線路切替型ジャイレータをマイクロ波帯に適用した場合、伝送線路(λ/4線路)が大型化してしまう。また、伝送線路をインダクタおよびコンデンサなどを用いた集中定数回路で近似して構成した場合においても、素子数が多くなり伝送線路が大型化してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、伝送線路を小型化できる高周波回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る高周波回路は、第1伝送線路と、第1伝送線路の一端に接続され、第1伝送線路の一端と複数の第1回路との接続を切り替える第1切り替え回路と、第1伝送線路の他端に接続され、第1伝送線路の他端と複数の第2回路との接続を切り替える第2切り替え回路と、を備え、fm0を第1切り替え回路および第2切り替え回路の切り替え周波数とし、fを第1伝送線路を伝播する信号の周波数とし、λm0を切り替え周波数に対する波長とし、mを1以上の整数とし、nを0以上の整数とし、第1伝送線路の長さをmλm0/4とした場合に、f/fm0=2n/mである。
【0008】
本発明の一態様に係る高周波回路は、複数の第1伝送線路と、複数の第1伝送線路のそれぞれの一端に接続され、複数の第1伝送線路のそれぞれの一端と第1回路との接続を切り替える第1切り替え回路と、複数の第1伝送線路のそれぞれの他端に接続され、複数の第1伝送線路のそれぞれの他端と第2回路との接続を切り替える第2切り替え回路と、を備え、fm0を第1切り替え回路および第2切り替え回路の切り替え周波数とし、fを第1伝送線路を伝播する信号の周波数とし、λm0を切り替え周波数に対する波長とし、mを1以上の整数とし、nを0以上の整数とし、第1伝送線路の長さをmλm0/4とした場合に、f/fm0=2n/mである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、伝送線路を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る高周波回路の一例を示す構成図である。
図2図2は、実施の形態に係る高周波回路の他の一例を示す構成図である。
図3図3は、実施の形態に係る高周波回路の他の一例を示す構成図である。
図4図4は、実施の形態に係る高周波回路が適用されたサーキュレータの一例を示す構成図である。
図5図5は、伝送線路の入力インピーダンスを説明するための図である。
図6図6は、伝送線路の入力インピーダンスの周波数特性を示す図である。
図7A図7Aは、第1タイミングにおける切り替え回路の駆動信号を示す図である。
図7B図7Bは、第1タイミングにおける切り替え回路の切り替え状態を示す図である。
図8A図8Aは、第2タイミングにおける切り替え回路の駆動信号を示す図である。
図8B図8Bは、第2タイミングにおける切り替え回路の切り替え状態を示す図である。
図9A図9Aは、第3タイミングにおける切り替え回路の駆動信号を示す図である。
図9B図9Bは、第3タイミングにおける切り替え回路の切り替え状態を示す図である。
図10A図10Aは、第4タイミングにおける切り替え回路の駆動信号を示す図である。
図10B図10Bは、第4タイミングにおける切り替え回路の切り替え状態を示す図である。
図11図11は、L型回路で構成されたラダー型の伝送線路の一例を示す構成図である。
図12図12は、L型回路で構成されたラダー型の伝送線路が適用されたサーキュレータのアイソレーション特性を示す図である。
図13図13は、π-Lattice型回路で構成されたラダー型の伝送線路の一例を示す構成図である。
図14図14は、π-Lattice型回路で構成されたラダー型の伝送線路のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさ、または大きさの比は、必ずしも厳密ではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。また、以下の実施の形態において、「接続される」とは、直接接続される場合だけでなく、他の素子(例えば、キャパシタ、インダクタ、または、ダイオードもしくはトランジスタ等の半導体素子等)を介して電気的に接続される場合も含まれる。
【0012】
(実施の形態)
実施の形態について、図1から図14を用いて説明する。
【0013】
図1は、実施の形態に係る高周波回路1の一例を示す構成図である。
【0014】
高周波回路1は、高周波信号(Radio Frequency(RF)信号)を伝送する経路を切り替えるための回路であり、伝送線路10と、伝送線路10の両端に接続された切り替え回路11および12とを備える。
【0015】
伝送線路10は、第1伝送線路の一例である。伝送線路10は、インダクタおよびコンデンサなどを用いた集中定数素子(受動素子)で構成されてもよい。また、伝送線路10は、マイクロストリップライン、ストリップライン、コプレーナガイドラインまたはGND付きコプレーナガイドラインなどの誘電体に導体を形成したストリップライン系線路で構成されてもよい。高周波回路1は、1以上の伝送線路10を備えていればよく、図1では複数の伝送線路10を備える例が示されている。
【0016】
切り替え回路11は、第1切り替え回路の一例である。切り替え回路11は、伝送線路10の一端に接続され、伝送線路10の一端と第1回路20との接続を切り替える。第1回路20は、第2伝送線路により構成されてもよいし、受動素子により構成されてもよいし、受動素子で構成された遅延回路により構成されてもよい。なお、第2伝送線路は、第1伝送線路の一例である伝送線路10と区別するために、「第2」伝送線路としている。
【0017】
切り替え回路12は、第2切り替え回路の一例である。切り替え回路12は、伝送線路10の他端に接続され、伝送線路10の他端と第2回路30との接続を切り替える。第2回路30は、第2伝送線路により構成されてもよいし、受動素子により構成されてもよいし、受動素子で構成された遅延回路により構成されてもよい。
【0018】
図1に示されるように、切り替え回路11は、複数の伝送線路10のそれぞれの一端と複数の第1回路20との接続を切り替え、切り替え回路12は、複数の伝送線路10のそれぞれの他端と複数の第2回路30との接続を切り替えてもよい。なお、高周波回路1が伝送線路10を1つのみ備える場合には、切り替え回路11は、伝送線路10の一端と複数の第1回路20との接続を切り替え、切り替え回路12は、伝送線路10の他端と複数の第2回路30との接続を切り替える。また、第1回路10および第2回路30がそれぞれ1つのみ存在する場合には、高周波回路1は複数の伝送線路10を備え、切り替え回路11は、複数の伝送線路10のそれぞれの一端と第1回路20との接続を切り替え、切り替え回路12は、複数の伝送線路10のそれぞれの他端と第2回路30との接続を切り替える。
【0019】
切り替え回路11および12は、それぞれ制御信号によって導通および非導通が制御される3端子の半導体素子(半導体スイッチ)によって構成されてもよい。例えば、切り替え回路11および12は、それぞれMOSFET(Metal Oxiside Semiconductor Field Effect Transistor)によって構成されていてもよい。なお、切り替え回路11および12は、それぞれ制御信号によって導通および非導通が制御される機械式のスイッチによって構成されてもよい。切り替え回路11および12におけるスイッチの導通および非導通は、切り替え回路11および12の切り替え周波数(後述する周波数LO)に応じて切り替えられる。
【0020】
第1回路20が複数存在する場合、伝送線路10の一端は、切り替え回路11によって複数の第1回路20のうちの1つの第1回路20と排他的に接続されてもよい。具体的には、伝送線路10の一端と複数の第1回路20との接続が切り替え回路11によって順番に切り替えられていく際に、伝送線路10の一端は、複数の第1回路20のうちのいずれか1つの第1回路20のみと接続され、2つ以上の第1回路20と同時に接続されなくてもよい。
【0021】
第2回路30が複数存在する場合、伝送線路10の他端は、切り替え回路12によって複数の第2回路30のうちの1つの第2回路30と排他的に接続されてもよい。具体的には、伝送線路10の他端と複数の第2回路30との接続が切り替え回路12によって順番に切り替えられていく際に、伝送線路10の他端は、複数の第2回路30のうちのいずれか1つの第2回路30のみと接続され、2つ以上の第2回路30と同時に接続されなくてもよい。
【0022】
高周波回路1が複数の伝送線路10を備える場合、第1回路20は、切り替え回路11によって複数の伝送線路10のうちの1つの伝送線路10の一端と排他的に接続されてもよい。具体的には、複数の伝送線路10の一端と第1回路20との接続が切り替え回路11によって順番に切り替えられていく際に、第1回路20は、複数の伝送線路10のうちのいずれか1つの伝送線路10のみと接続され、2つ以上の伝送線路10と同時に接続されなくてもよい。
【0023】
また、高周波回路1が複数の伝送線路10を備える場合、第2回路30は、切り替え回路12によって複数の伝送線路10のうちの1つの伝送線路10の他端と排他的に接続されてもよい。具体的には、複数の伝送線路10の他端と第2回路30との接続が切り替え回路12によって順番に切り替えられていく際に、第2回路30は、複数の伝送線路10のうちのいずれか1つの伝送線路10のみと接続され、2つ以上の伝送線路10と同時に接続されなくてもよい。
【0024】
図2および図3は、実施の形態に係る高周波回路1の他の一例を示す構成図である。図2に示されるように、1つの伝送線路10に対して複数の第1回路20および複数の第2回路30が切り替え回路11および12によって接続されてもよい。なお、図2では2つの第1回路20および2つの第2回路30を示しているが、1つの伝送線路10に対して3つ以上の第1回路20および3つ以上の第2回路30が切り替え回路11および12によって接続されてもよい。また、図3に示されるように、複数の伝送線路10に対して1つの第1回路20および1つの第2回路30が切り替え回路11および12によって接続されてもよい。なお、図3では2つの伝送線路10を示しているが、3つ以上の伝送線路10に対して1つの第1回路20および1つの第2回路30が切り替え回路11および12によって接続されてもよい。
【0025】
λm0を切り替え回路11および12の切り替え周波数に対する波長とし、mを1以上の整数とした場合、伝送線路10の長さは、mλm0/4となっている。
【0026】
このような高周波回路1は、スイッチを用いたミキサを利用したジャイレータに応用でき、ジャイレータである高周波回路1をサーキュレータに適用できる。以下では、高周波回路1が適用されたサーキュレータについて説明する。
【0027】
図4は、実施の形態に係る高周波回路1が適用されたサーキュレータの一例を示す構成図である。
【0028】
例えば、高周波回路1は、伝送線路10aおよび10bと、伝送線路10aおよび10bの一端に接続され、伝送線路10aおよび10bの一端と第1回路20aおよび20bとの接続を切り替える切り替え回路11と、伝送線路10aおよび10bの他端に接続され、伝送線路10aおよび10bの他端と第2回路30aおよび30bとの接続を切り替える切り替え回路12と、を備える。具体的には、切り替え回路11は、伝送線路10aの一端と第1回路20aおよび20bとの接続を切り替え、伝送線路10bの一端と第1回路20aおよび20bとの接続を切り替える。切り替え回路12は、伝送線路10aの他端と第2回路30aおよび30bとの接続を切り替え、伝送線路10bの他端と第2回路30aおよび30bとの接続を切り替える。
【0029】
例えば、切り替え回路11は、切り替え周波数LOの駆動信号で導通および非導通が制御される4つのスイッチを備える。伝送線路10aの一端は、ローカルオシレータからの周波数LOの駆動信号LO1+によって制御されるスイッチを介して第1回路20aと接続される。また、伝送線路10aの一端は、ローカルオシレータからの周波数LOの駆動信号LO1-によって制御されるスイッチを介して第1回路20bと接続される。伝送線路10bの一端は、ローカルオシレータからの周波数LOの駆動信号LO1-によって制御されるスイッチを介して第1回路20aと接続される。また、伝送線路10bの一端は、ローカルオシレータからの周波数LOの駆動信号LO1+によって制御されるスイッチを介して第1回路20bと接続される。
【0030】
例えば、切り替え回路12は、切り替え周波数LOの駆動信号で導通および非導通が制御される4つのスイッチを備える。伝送線路10aの他端は、ローカルオシレータからの周波数LOの駆動信号LO2+によって制御されるスイッチを介して第2回路30aと接続される。また、伝送線路10aの他端は、ローカルオシレータからの周波数LOの駆動信号LO2-によって制御されるスイッチを介して第2回路30bと接続される。伝送線路10bの他端は、ローカルオシレータからの周波数LOの駆動信号LO2-によって制御されるスイッチを介して第2回路30aと接続される。また、伝送線路10bの他端は、ローカルオシレータからの周波数LOの駆動信号LO2+によって制御されるスイッチを介して第2回路30bと接続される。
【0031】
切り替え回路11および12は、ギルバートセルミキサーとして動作し、高周波回路1は、ジャイレータとして動作する。このようなジャイレータとして動作する高周波回路1を用いることで、送信端子51に入力されたRF信号をアンテナ端子52に低損失で伝送し、アンテナ端子52に入力されたRF信号を受信端子53に低損失で伝送し、送信端子51と受信端子53とのアイソレーションを高めることができるサーキュレータを実現できる。
【0032】
送信端子51とアンテナ端子52とは、第3回路40aおよび40bを介して接続される。第3回路40aおよび40bは、例えば、伝送線路(第2伝送線路)である。送信端子51と高周波回路1とは、第1回路20aおよび20bを介して接続される。第1回路20aおよび20bは、例えば、伝送線路(第2伝送線路)である。アンテナ端子52と受信端子53および高周波回路1とは、第2回路30aおよび30bを介して接続される。第2回路30aおよび30bは、例えば、伝送線路(第2伝送線路)である。
【0033】
高周波回路1では、周波数LOの駆動信号LO1+と位相が180°反転した駆動信号LO1-により、伝送線路10aおよび10bの一端に接続されたギルバートセルミキサーである切り替え回路11を駆動し、第1回路20aおよび20b、第2回路30aおよび30bならびに第3回路40aおよび40b(λ/4線路)を伝播するRF信号の周波数fRFをBase Band(BB)の周波数fBB=fRF±LOに変換して伝送線路10aおよび10b(λm0/4線路)にBB信号を伝播させる。そして、ジャイレータである高周波回路1は、駆動信号LO1+および駆動信号LO1-に対して位相が90°遅れた周波数LOの駆動信号LO2+および駆動信号LO2-により、伝送線路10aおよび10bの他端に接続されたギルバートセルミキサーである切り替え回路12を駆動することで、周波数fBBを周波数fRFに再変換し、図4に示されるサーキュレータにおける右回りに伝播するRF信号と左回りに伝播するRF信号とにそれぞれ90°の位相進みと位相遅れを生じさせて非相反の関係を与える。高周波回路1は、以下の式1のSパラメータを有する。なお、波長λm0は駆動信号LO1+、LO1-、LO2+およびLO2-の波長であり、波長λはRF信号の波長である。
【0034】
【数1】
【0035】
高周波回路1は2つの伝送線路10aおよび10b(λm0/4線路)を周波数LOで切り替える動作をしている。
【0036】
このような高周波回路1をマイクロ波帯に適用する場合、伝送線路10aおよび10b(λm0/4線路)が大型化してしまうおそれがある。具体的には、高周波回路1に用いられるλm0/4線路は、RF信号より周波数が低いBB信号が伝播する。例えば、周波数LOをRF信号の1/3の周波数とすることで、BB信号はRF信号の2/3の周波数と4/3の周波数となり、波長λm0はRF信号の波長の3倍となるため、λm0/4線路が大型化してしまうおそれがある。しかしながら、本発明によれば、以下に説明するように、伝送線路10aおよび10bの小型化が可能となっている。
【0037】
図5は、伝送線路10aおよび10bの入力インピーダンスを説明するための図である。図5を用いて、長さx’=mλm0/4の伝送線路10aおよび10bの入力インピーダンスを説明する。以下の説明において、Zm0を伝送線路10aおよび10bの特性インピーダンス、Zを伝送線路10aおよび10bに接続される伝送線路(第1回路20aおよび20bならびに第2回路30aおよび30b)のインピーダンス、Cを光速、fm0を切り替え回路11および12の切り替え周波数、λm0をfm0に対する波長、fを伝送線路10aおよび10bを伝播する信号の周波数、λをfに対する波長、εを伝送線路10aおよび10bの比誘電率、mを1以上の整数、nを0以上の整数とする。このとき、λm0=C/(fm0×√ε)、λ=C/(f×√ε)が成り立つ。なお、以下の説明において、伝送線路10aと伝送線路10bとを区別する必要がない場合には、伝送線路10aおよび10bを伝送線路10とも記載する。同じように、第1回路20aと第1回路20bとを区別する必要がない場合には、第1回路20aおよび20bを第1回路20とも記載する。同じように、第2回路30aと第2回路30bとを区別する必要がない場合には、第2回路30aおよび30bを第2回路30とも記載する。同じように、第3回路40aと第3回路40bとを区別する必要がない場合には、第3回路40aおよび40bを第3回路40とも記載する。
【0038】
以下の式2は、伝送線路10の入力インピーダンスZinの解析式を示す。
【0039】
【数2】
【0040】
式2より、長さがmλm0/4の伝送線路10では、βx’=nπのときにZin=Zとなり、すなわち、f/fm0=2n/mのときにZin=Zとなることがわかる。例えば、RF信号の周波数fRFを900MHz、切り替え回路11および12の切り替え周波数LO(すなわち周波数fm0)を300MHzとすると、伝送線路10を伝播するBB信号の周波数fBB(すなわち周波数f)は、600MHz(900MHz-300MHz)と、1200MHz(900MHz+300MHz)となり、f/fm0=fBB/LO=600MHz/300MHz=2とf/fm0=fBB/LO=1200MHz/300MHz=4であり、f/fm0=2n/mとなる。
【0041】
このように、伝送線路10の長さをmλm0/4としたときに、f/fm0=2n/mとすると、インピーダンスが整合できて無反射となる。なお、波長λm0は、上述したように、λm0=C/(fm0×√ε)と求まるが、この式によらず周波数fm0に対応した伝送線路10の波長をλm0として用いてもよい。
【0042】
図6は、伝送線路10の入力インピーダンスの周波数特性を示す図である。具体的には、図6は、終端インピーダンスZを50Ωとし、伝送線路10の中心周波数(伝送線路10を伝播する信号の周波数f)を600MHzとし、伝送線路10の長さをλm0/4(m=1)とし、伝送線路10の特性インピーダンスZm0を5Ω、10Ω、200Ω、1KΩとしたときの伝送線路10の入力インピーダンスZinの周波数依存性を計算した結果を示す。
【0043】
図6より、f=2×fm0=600MHzで終端インピーダンスZと入力インピーダンスZinとが一致し、インピーダンスを整合できることがわかる。また、伝送線路10の特性インピーダンスZm0が50Ωから大きく離れる場合には帯域が狭まるが、f=2n×fm0のときに、式2のtan(πf/2fm0)が0となり、Zin=Zとなることが自明であり、終端インピーダンスZと特性インピーダンスZm0とがどのような関係であっても、インピーダンスを整合できることがわかる。つまり、伝送線路10をインピーダンスが任意の値の線路や回路にしても、インピーダンスを整合できる。
【0044】
なお、本発明の原理は、差動線路に適用できる。差動線路を用いると図4に示されるギルバートセルミキサーを用いた高周波回路1(ジャイレータ)、それを用いたサーキュレータにも本発明を適用することができる。図4の各伝送線路に本構成を利用することで、これらの伝送線路を小型化できる。
【0045】
図4に示されるサーキュレータにおいて、切り替え回路11および12の切り替え周波数(駆動信号の周波数LO)を300MHzとした場合に、送信端子51、アンテナ端子52、受信端子53、第1回路20、第2回路30および第3回路40を伝播するRF信号が900MHzのときに、送信端子51と受信端子53との間のアイソレーションが最大となり、送信端子51とアンテナ端子52との間の損失が最小となり、アンテナ端子52と受信端子53との間の損失が最小となる。このとき、伝送線路10を伝播するBB信号の周波数は、RF信号の周波数900MHzからダウンコンバートされ600MHzとなる。
【0046】
したがって、図4に示されるサーキュレータでは、終端インピーダンスZ(第1回路20のインピーダンスおよび第2回路30のインピーダンス)の大きさおよび伝送線路10の特性インピーダンスZm0の大きさにかかわらず、RF信号が900MHzのときにインピーダンスを整合して高周波回路1での反射損失を抑制できることから、伝送線路10の特性インピーダンスZm0を小型化に適した値に設定することができる。
【0047】
なお、切り替え回路11および12は、図7Aから図10Bに示されるように切り替えられる。
【0048】
図7Aは、第1タイミングにおける切り替え回路11および12の駆動信号を示す図である。
【0049】
図7Bは、第1タイミングにおける切り替え回路11および12の切り替え状態を示す図である。
【0050】
図8Aは、第2タイミングにおける切り替え回路11および12の駆動信号を示す図である。
【0051】
図8Bは、第2タイミングにおける切り替え回路11および12の切り替え状態を示す図である。
【0052】
図9Aは、第3タイミングにおける切り替え回路11および12の駆動信号を示す図である。
【0053】
図9Bは、第3タイミングにおける切り替え回路11および12の切り替え状態を示す図である。
【0054】
図10Aは、第4タイミングにおける切り替え回路11および12の駆動信号を示す図である。
【0055】
図10Bは、第4タイミングにおける切り替え回路11および12の切り替え状態を示す図である。
【0056】
切り替え周波数LOの駆動信号の周期をTとするとT=1/LOであり、第1タイミングから第4タイミングは、T/4ごとのタイミングとなる。
【0057】
図7Aに示される第1タイミングでは、図7Bに示されるように、伝送線路10aの一端は第1回路20aに接続され、伝送線路10aの他端は第2回路30bに接続され、伝送線路10bの一端は第1回路20bに接続され、伝送線路10bの他端は第2回路30aに接続される。
【0058】
図8Aに示される第2タイミングでは、図8Bに示されるように、伝送線路10aの一端は第1回路20aに接続され、伝送線路10aの他端は第2回路30aに接続され、伝送線路10bの一端は第1回路20bに接続され、伝送線路10bの他端は第2回路30bに接続される。
【0059】
図9Aに示される第3タイミングでは、図9Bに示されるように、伝送線路10aの一端は第1回路20bに接続され、伝送線路10aの他端は第2回路30aに接続され、伝送線路10bの一端は第1回路20aに接続され、伝送線路10bの他端は第2回路30bに接続される。
【0060】
図10Aに示される第4タイミングでは、図10Bに示されるように、伝送線路10aの一端は第1回路20bに接続され、伝送線路10aの他端は第2回路30bに接続され、伝送線路10bの一端は第1回路20aに接続され、伝送線路10bの他端は第2回路30aに接続される。
【0061】
図7B図8B図9Bおよび図10Bに示されるように、伝送線路10の一端には第1回路20aおよび20bの一方のみが切り替えられながら常に接続され、伝送線路10の他端には第2回路30aおよび30bの一方のみが切り替えられながら常に接続される。これにより、高周波回路1は、ジャイレータとして機能することができる。
【0062】
なお、伝送線路10は、受動素子のみで集中定数近似により構成されてもよく、例えば、縦続接続された複数の回路によって構成されてもよい。例えば、伝送線路10は、受動素子としてインダクタとコンデンサとからなる回路が縦続接続されて構成されてもよい。例えば、伝送線路10は、小型化のためにL型回路を縦続接続したラダー型回路、π型回路またはπ-Lattice型回路を縦続接続したラダー型回路で構成されてもよい。
【0063】
図11は、L型回路で構成されたラダー型の伝送線路10の一例を示す構成図である。図11に示されるように、伝送線路10は、インダクタおよびコンデンサなどの受動素子からなるL型回路が複数段縦続接続されたラダー型回路により構成されてもよい。
【0064】
図12は、L型回路で構成されたラダー型の伝送線路10が適用されたサーキュレータのアイソレーション特性を示す図である。図12には、L型回路が9段縦続接続されたときおよび30段縦続接続されたときの送信端子51と受信端子53との間のアイソレーションが示される。例えば、L型回路が9段縦続接続された場合、インダクタのインダクタンス値を4.63nH、コンデンサのキャパシタンス値を0.93pFとすることができる。また、例えば、L型回路が30段縦続接続された場合、インダクタのインダクタンス値を1.39nH、コンデンサのキャパシタンス値を0.28pFとすることができる。L型回路が9段縦続接続されたときには、送信電力が30dBmのときに26dBのアイソレーションが得られており、L型回路が30段縦続接続されたときには、送信電力が30dBmのときには遅延時間の周波数特性が平坦となるため33dBと9段縦続接続の場合より優れたアイソレーションが得られていることがわかる。しかし、L型回路の段数を増やすと回路のサイズが大型化してしまう。
【0065】
しかし、本発明によれば、伝送線路10の特性インピーダンスを任意の値とすることができるため、伝送線路10の特性インピーダンスは、第1回路20のインピーダンスおよび第2回路30のインピーダンスよりも小さくてもよい。伝送線路10がインダクタおよびコンデンサなどを用いた集中定数素子で構成される場合、伝送線路10の特性インピーダンス(等価特性インピーダンス)を小さな値にすることで、伝送線路10を構成するインダクタのサイズを小さくすることができ、その結果、伝送線路10を小型化できる。
【0066】
図13は、遅延時間の周波数特性が平坦なことで知られているπ-Lattice型回路で構成されたラダー型の伝送線路10の一例を示す構成図である。図13に示されるように、伝送線路10は、インダクタおよびコンデンサなどの受動素子からなるπ-Lattice型回路が複数段縦続接続されたラダー型回路により構成されてもよい。例えば、π-Lattice型回路が5段縦続接続されているとする。
【0067】
例えば、無反射とするために、終端インピーダンスZ(差動インピーダンス)を100Ω、伝送線路10の特性インピーダンスZm0(差動インピーダンス)を100Ωとする場合、以下の式3より、L=8.3nH、C=0.55pFとなり、L型回路が30段縦続接続されたときと同程度の遅延時間を実現でき、L型回路に比べると小型に構成できる。
【0068】
【数3】
【0069】
ただし、この場合でも、インダクタのインダクタンス値が8.3nHと大きく、インダクタのインダクタンス値が大きいとそのサイズも大きくなり、伝送線路10が大型化してしまう。
【0070】
そこで、f/fm0=2n/mを満たしながら、π-Lattice型回路におけるインダクタのインダクタンス値を0.52nH、コンデンサのキャパシタンス値を8.8pFとして、伝送線路10の特性インピーダンスZm0(差動インピーダンス)を6.1Ωとした。このときの伝送線路10の反射特性を図14に示す。
【0071】
図14は、π-Lattice型回路で構成されたラダー型の伝送線路10のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。
【0072】
図14に示されるように、伝送線路10を伝播する信号の周波数である600MHzにおいて、ZinとZとはほぼ等しく、損失となる反射がほぼ発生しないことがわかる。また、Zm0=6.1Ωは、100Ωの1/16であり、インダクタのインダクタンス値の大幅な低下、すなわち、インダクタのサイズの大幅な小型化が可能であることがわかる。
【0073】
伝送線路10がマイクロストリップライン、ストリップライン、コプレーナガイドラインまたはGND付きコプレーナガイドラインなどの誘電体に導体を形成したストリップライン系線路で構成される場合、伝送線路10の特性インピーダンスは、第1回路20のインピーダンスおよび第2回路30のインピーダンスよりも大きくてもよい。伝送線路10の特性インピーダンスを大きな値にすることで、ストリップライン系線路の線路幅を狭くすることができ、その結果、伝送線路10を小型化できる。一例として、マイクロストリップラインの特性インピーダンスZm0の近似式を以下の式4に示す。なお、hはマイクロストリップラインを構成する誘電体の高さであり、Wはマイクロストリップラインを構成する導体の幅(線路幅)である。
【0074】
【数4】
【0075】
式4に示されるように、ストリップライン系線路では、特性インピーダンスを大きくすることで線路幅を小さくできるため、伝送線路10を小型化できる。
【0076】
以上説明したように、高周波回路1は、伝送線路10と、伝送線路10の一端に接続され、伝送線路10の一端と複数の第1回路20との接続を切り替える切り替え回路11と、伝送線路10の他端に接続され、伝送線路10の他端と複数の第2回路30との接続を切り替える切り替え回路12と、を備える。fm0を切り替え回路11および12の切り替え周波数とし、fを伝送線路10を伝播する信号の周波数とし、λm0を上記切り替え周波数に対する波長とし、mを1以上の整数とし、nを0以上の整数とし、伝送線路10の長さをmλm0/4とした場合に、f/fm0=2n/mである。
【0077】
f/fm0=2n/mとなるように、伝送線路10を伝播する信号の周波数に対して切り替え回路11および12の切り替え周波数を設定することで、伝送線路10の特性インピーダンスを任意の値にすることができる。すなわち、伝送線路10の特性インピーダンスを伝送線路のサイズが小さくなるような値にすることができるため、伝送線路10を小型化できる。ひいては、高周波回路1が適用される回路全体を小型化できる。
【0078】
例えば、伝送線路10の一端は、切り替え回路11によって複数の第1回路20のうちの1つの第1回路20と排他的に接続され、伝送線路10の他端は、切り替え回路12によって複数の第2回路30のうちの1つの第2回路30と排他的に接続されていてもよい。
【0079】
伝送線路10の一端が複数の第1回路20のうちの1つの第1回路20と排他的に接続され、伝送線路10の他端が複数の第2回路30のうちの1つの第2回路30と排他的に接続されることで、高周波回路1をジャイレータとして動作させることができる。
【0080】
高周波回路1は、複数の伝送線路10と、複数の伝送線路10のそれぞれの一端に接続され、複数の伝送線路10のそれぞれの一端と第1回路20との接続を切り替える切り替え回路11と、複数の伝送線路10のそれぞれの他端に接続され、複数の伝送線路10のそれぞれの他端と第2回路30との接続を切り替える切り替え回路12と、を備える。fm0を切り替え回路11および12の切り替え周波数とし、fを伝送線路10を伝播する信号の周波数とし、λm0を上記切り替え周波数に対する波長とし、mを1以上の整数とし、nを0以上の整数とし、伝送線路10の長さをmλm0/4とした場合に、f/fm0=2n/mである。
【0081】
f/fm0=2n/mとなるように、伝送線路10を伝播する信号の周波数に対して切り替え回路11および12の切り替え周波数を設定することで、伝送線路10の特性インピーダンスを任意の値にすることができる。すなわち、伝送線路10の特性インピーダンスを伝送線路のサイズが小さくなるような値にすることができるため、伝送線路10を小型化できる。ひいては、高周波回路1が適用される回路全体を小型化できる。
【0082】
例えば、第1回路20は、切り替え回路11によって複数の伝送線路10のうちの1つの伝送線路10の一端と排他的に接続され、第2回路30は、切り替え回路12によって複数の伝送線路10のうちの1つの伝送線路10の他端と排他的に接続されていてもよい。
【0083】
高周波回路1が伝送線路10を複数備えることで、複数の異なる特性インピーダンスの伝送線路10を利用することが可能となり、高周波回路1の対応可能な周波数範囲を広げることができる。
【0084】
例えば、切り替え回路11および12は、それぞれ制御信号によって導通および非導通が制御される半導体素子によって構成されていてもよい。
【0085】
切り替え回路11および12にMOSFETなどの半導体素子を利用することで、高周波回路1を高い周波数帯に適用することができる。
【0086】
例えば、切り替え回路11および12の切り替え周波数は、伝送線路10を伝播する信号の周波数と異なっていてもよい。
【0087】
これによれば、高周波回路1を、スイッチを用いたミキサを利用したジャイレータに応用できる。
【0088】
例えば、第1回路20および第2回路30は、それぞれ第2伝送線路により構成されていてもよい。
【0089】
このように、高周波回路1を、伝送線路により構成されている回路に適用できる。
【0090】
例えば、第1回路20および第2回路30は、それぞれ受動素子により構成されていてもよい。
【0091】
このように、高周波回路1を、受動素子により構成されている回路に適用できる。
【0092】
例えば、第1回路20および第2回路30は、それぞれ受動素子で構成された遅延回路により構成されていてもよい。
【0093】
このように、高周波回路1を、遅延回路により構成されている回路に適用できる。
【0094】
例えば、伝送線路10は、縦続接続された複数の回路によって構成されており、当該複数の回路は、それぞれ受動素子で構成されていてもよい。例えば、伝送線路10の等価特性インピーダンスは、第1回路20のインピーダンスおよび第2回路30のインピーダンスよりも小さくてもよい。
【0095】
伝送線路10がインダクタおよびコンデンサなどを用いた集中定数素子で構成される場合、伝送線路10の特性インピーダンス(等価特性インピーダンス)を小さな値にすることで、伝送線路10を構成するインダクタのサイズを小さくすることができ、その結果、伝送線路10を小型化できる。
【0096】
例えば、伝送線路10は、ストリップライン系線路によって構成されていてもよい。例えば、伝送線路10の特性インピーダンスは、第1回路20のインピーダンスおよび第2回路30のインピーダンスよりも大きくてもよい。
【0097】
伝送線路10がマイクロストリップライン、ストリップライン、コプレーナガイドラインまたはGND付きコプレーナガイドラインなどの誘電体に導体を形成したストリップライン系線路で構成される場合、伝送線路10の特性インピーダンスを大きな値にすることで、ストリップライン系線路の線路幅を狭くすることができ、その結果、伝送線路10を小型化できる。
【0098】
(その他の実施の形態)
以上、本発明に係る高周波回路1について、実施の形態を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係る高周波回路1を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、経路の切り替えを行う高周波回路として、ジャイレータ、サーキュレータ、セレクタ回路、マルチプレクサ回路、デマルチプレクサ回路、シリアルパラレル変換回路またはパラレルシリアル変換回路など高周波システムに広く利用できる。
【符号の説明】
【0101】
1 高周波回路
10、10a、10b 伝送線路
11、12 切り替え回路
20、20a、20b 第1回路
30、30a、30b 第2回路
40、40a、40b 第3回路
51 送信端子
52 アンテナ端子
53 受信端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14