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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-18
(45)【発行日】2025-11-27
(54)【発明の名称】カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20251119BHJP
【FI】
A61M25/00 620
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024201443
(22)【出願日】2024-11-19
(62)【分割の表示】P 2020167018の分割
【原出願日】2020-10-01
(65)【公開番号】P2025015765
(43)【公開日】2025-01-30
【審査請求日】2024-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】金田 賢司
【審査官】星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-059339(JP,A)
【文献】米国特許第06146814(US,A)
【文献】特開平10-043301(JP,A)
【文献】特表2008-543440(JP,A)
【文献】特開2000-033122(JP,A)
【文献】特開2001-218851(JP,A)
【文献】特開2016-013285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00-25/18
A61B 1/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル、ガイドワイヤ、内視鏡、および、ダイレータのうちのいずれかが有する筒状部材であって、
中空シャフトと、
前記中空シャフトの外周に線状に設けられる線状部材と、
前記中空シャフトの外周と前記線状部材の間に形成される金属膜であって、前記中空シャフトの外周と前記線状部材のそれぞれに接合している金属膜と、を有し、
前記線状部材は、
前記中空シャフトの外周に前記筒状部材の軸線方向に沿って螺旋状に巻き回され、前記筒状部材の軸線に対して一方の側に傾斜する第1の線状部材と、
前記第1の線状部材と異なる第2の線状部材であって、前記中空シャフトの外周に前記筒状部材の軸線方向に沿って螺旋状に巻き回され、前記筒状部材の軸線に対して他方の側に傾斜する第2の線状部材と、を含んでおり、
前記第1の線状部材と前記第2の線状部材は、複数の箇所で互いに交差し、交差した部分において一体的に形成され、
前記線状部材のピッチは、前記筒状部材の先端方向に向かって小さくなる、
筒状部材。
【請求項2】
請求項1に記載の筒状部材であって、
前記線状部材は、横断面において、高さが横幅よりも大きい、
筒状部材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の筒状部材であって、
前記線状部材は、横断面において、前記金属膜と接合している内側から外側に向かって、前記線状部材の横幅が小さくなっている
筒状部材。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の筒状部材であって、
前記金属膜は、ステンレス鋼からなり、前記線状部材は、ニッケル‐コバルト合金からなる、
筒状部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の筒状部材であって、
前記中空シャフトは、PTFE(ポリテトラフルオロチレン)によって形成される第1中空シャフトと、前記第1中空シャフトの外周に配置され、PAE(ポリアミド系熱可塑性エラストマー)によって形成される第2中空シャフトと、を含む、
筒状部材。
【請求項6】
請求項1に記載の筒状部材であって、
前記線状部材は、前記中空シャフトの外周に格子状に形成されている、
筒状部材。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の筒状部材を有する、カテーテル、ガイドワイヤ、内視鏡、および、ダイレータのうちのいずれかである医療器具。
【請求項8】
血管や消化器官に挿入され、治療や検査に用いられる医療器具が有する筒状部材であって、
中空シャフトと、
前記中空シャフトの外周に線状に設けられる線状部材と、
前記中空シャフトの外周と前記線状部材の間に形成される金属膜であって、前記中空シャフトの外周と前記線状部材のそれぞれに接合している金属膜と、を有し、
前記線状部材は、
前記中空シャフトの外周に前記筒状部材の軸線方向に沿って螺旋状に巻き回され、前記筒状部材の軸線に対して一方の側に傾斜する第1の線状部材と、
前記第1の線状部材と異なる第2の線状部材であって、前記中空シャフトの外周に前記筒状部材の軸線方向に沿って螺旋状に巻き回され、前記筒状部材の軸線に対して他方の側に傾斜する第2の線状部材と、を含んでおり、
前記第1の線状部材と前記第2の線状部材は、複数の箇所で互いに交差し、交差した部分において一体的に形成され、
前記線状部材のピッチは、前記筒状部材の先端方向に向かって小さくなる、
筒状部材。
【請求項9】
請求項8に記載の筒状部材であって、
前記線状部材は、横断面において、高さが横幅よりも大きい、
筒状部材。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の筒状部材であって、
前記線状部材は、横断面において、前記金属膜と接合している内側から外側に向かって、前記線状部材の横幅が小さくなっている、
筒状部材。
【請求項11】
請求項8から請求項10までのいずれか一項に記載の筒状部材であって、
前記金属膜は、ステンレス鋼からなり、前記線状部材は、ニッケル‐コバルト合金からなる、
筒状部材。
【請求項12】
請求項8から請求項11までのいずれか一項に記載の筒状部材であって、
前記中空シャフトは、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)によって形成される第1中空シャフトと、前記第1中空シャフトの外周に配置され、PAE(ポリアミド系熱可塑性エラストマー)によって形成される第2中空シャフトと、を含む、
筒状部材。
【請求項13】
請求項8に記載の筒状部材であって、
前記線状部材は、前記中空シャフトの外周に格子状に形成されている、
筒状部材。
【請求項14】
請求項8から請求項13までのいずれか一項に記載の筒状部材を有する、血管や消化器官に挿入され、治療や検査に用いられる医療器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、樹脂からなる内層と、内層の外側に、金属の線材からなるコイル層と、を有
するカテーテルが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、樹脂からなる内管
と、内管の外側に、複数の金属線からなる編組体と、を有するカテーテルが開示されてい
る(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5075632号
【文献】特開平5-84303
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術によっても、内層の外側に補強体が形成されたカテーテルにお
いて、トルク伝達性を改善する余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、カテー
テルのトルク伝達性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現す
ることが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、カテーテルが提供される。カテーテルは、中空シャフ
トと、中空シャフトの外周に線状に設けられる線状部材と、中空シャフトの外周と線状部
材の間に形成される金属膜であって、中空シャフトの外周と線状部材のそれぞれに接合し
ている金属膜と、を有する。
【0008】
この構成によれば、中空シャフト、金属膜及び線状部材が接合されていることにより、
カテーテルのトルク伝達性を向上させることができる。
【0009】
(2)上記形態のカテーテルにおいて、線状部材は、中空シャフトの外周に螺旋状に巻
き回されていてもよい。この構成によれば、線状部材がコイル形状であるため、カテーテ
ルの、柔軟性とトルク伝達性を向上させることができる。
【0010】
(3)上記形態のカテーテルにおいて、線状部材は、横断面において、高さが横幅より
も大きくてもよい。この構成によれば、線状部材の横断面において、線状部材の高さが横
幅よりも小さい場合と比べて、カテーテルの耐圧性を向上させることができる。
【0011】
(4)上記形態のカテーテルにおいて、線状部材は、横断面において、金属膜と接合し
ている内側から外側に向かって、線状部材の横幅が小さくなっていてもよい。この構成に
よれば、線状部材の高さを維持しつつ、中空シャフトの表面近くの線状部材の体積を減少
させることができる。これにより、中空シャフトの耐圧性を維持しながらも、中空シャフ
トの表面近くの柔軟性を向上させることで、患者の体内にカテーテルが挿入された場合に
、カテーテルが血管や内臓を損傷させる可能性を低減することができる。
【0012】
(5)上記形態のカテーテルにおいて、金属膜は、ステンレス鋼からなり、線状部材は
、ニッケル‐コバルト合金からなっていてもよい。この構成によれば、ステンレス鋼によ
る金属膜を導電膜として、電解めっきにより金属膜の外周面にニッケル‐コバルト合金に
よる線状部材を形成することができる。線状部材をニッケル‐コバルト合金とすることで
、カテーテルのトルク伝達性を向上させることができる。
【0013】
(6)上記形態のカテーテルにおいて、中空シャフトは、PTFE(ポリテトラフルオ
ロチレン)によって形成される第1中空シャフトと、第1中空シャフトの外周に配置され
、PAE(ポリアミド系熱可塑性エラストマー)によって形成される第2中空シャフトと
、を含んでもよい。この構成によれば、例えば、第1中空シャフトがカテーテルのルーメ
ンを規定し、第1中空シャフトがPTFEにより形成されることで、カテーテルの内周面
と、カテーテルの内部に挿入されるデバイスとの摩擦抵抗を低減することができる。また
、第2中空シャフトにPAEを有することで、カテーテルの柔軟性と、カテーテルが湾曲
した場合の復元性を向上させることができる。
【0014】
(7)上記形態のカテーテルにおいて、線状部材は、中空シャフトの外周に格子状に形
成されていてもよい。この構成によれば、金属線を用いることなく、金属製の補強体を有
するカテーテルを作製することができる。これにより、金属線同士が重なる部分において
、金属線同士が干渉してカテーテルの柔軟性を阻害することがないため、カテーテルの柔
軟性を向上させることができる。
【0015】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、ガイドワイヤ、ガ
イドワイヤの製造方法、内視鏡、ダイレータ、などの形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態のカテーテルの全体構成を例示した説明図である。
図2】第1実施形態のカテーテルの一部を透過して全体構成を例示した説明図である。
図3図2の領域X1を拡大した説明図である。
図4図2の領域Y1を拡大した説明図である。
図5】第1実施形態のカテーテルの断面構成を例示した説明図である。
図6図5の領域Zを拡大した説明図である。
図7】第1実施形態のカテーテルの第1の製造方法を例示した説明図である。
図8】第2実施形態の一部を透過して全体構成を例示した説明図である。
図9図8の領域X2を拡大した説明図である。
図10図8の領域Y2を拡大した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
開示の実施形態に係るカテーテルについて図面を参照して説明する。本開示は、当該図
面に記載の実施形態にのみ限定されるものではない。
【0018】
図1は、第1実施形態のカテーテル1の全体構成を例示した説明図である。図2は、カ
テーテル1の一部を透過して全体構成を例示した説明図である。図2は、カテーテル1の
一部を透過し、カテーテル1の全体における線状部材30の態様を説明した図である。図
2において、領域X1は、中空シャフト10の先端部の一部を示し、領域Y1は、中空シ
ャフト10の後端部の一部を示している。
【0019】
図1において、左側はカテーテル1及びカテーテル1の各構成部材の先端側であり、右
側はカテーテル1及びカテーテル1の各構成部材の後端側である。カテーテル1の先端側
は、体内に挿入される側(遠位側)であり、カテーテル1の基端側は、医師等の手技者に
よって操作される側(近位側)である。図1の左右方向をカテーテル1および各構成部材
の軸線方向と呼ぶ。軸線方向に直交する方向をカテーテル1および各構成部材の径方向と
呼ぶ。
【0020】
また、カテーテル1及びカテーテル1の各構成部材の、先端側に位置する端部を「先端
」と記載し、「先端」を含み先端から後端側に向かって中途まで延びる部位を「先端部」
と記載する。同様に、カテーテル1及びカテーテル1の各構成部材の、後端側に位置する
端部を「後端」と記載し、「後端」を含み後端から先端側に向かって中途まで延びる部位
を「後端部」と記載する。
【0021】
図1は、説明の便宜上、各構成部材の大きさの相対比を実際とは異なる相対比で記載し
ている部分を含んでいる。これらの点は、図2から図10において示される、各説明図に
ついても同様である。
【0022】
カテーテル1は、血管や消化器官に挿入され、治療や検査に用いられる医療器具である
。カテーテル1は、中空シャフト10と、先端チップ40と、把持部60と、を備えてい
る。
中空シャフト10は、カテーテル1の軸線方向に延びる長尺の管状体である。先端チップ
40は、中空シャフト10の先端部に接合される管状体である。把持部60は、中空シャ
フト10の後端部に接合され、医師等の手技者によってカテーテル1の操作のために把持
される管状体である。
【0023】
先端チップ40は、中空シャフト10の先端部に接合され、カテーテル1のルーメン5
0の先端部の一部を形成する管状体である。先端チップ40は、柔軟性を有する樹脂材料
で形成することができる。例えば、TPU(ポリウレタン系熱可塑性エラストマー)が選
択できる。先端チップ40は、樹脂材料に限定されず、金属材料で形成することができる
【0024】
把持部60は、中空シャフト10の後端部に接合され、カテーテル1のルーメン50の
後端部の一部を形成する管状体である。把持部60は、プロテクタ61と、本体部62と
、コネクタ63と、を有する。プロテクタ61は、プロテクタ61の後端側に向かって外
径が増大するテーパ形状を有している。本体部62は、医師等の手技者が把持することを
容易にするために、外周に突起部を有している。コネクタ部63は、内周側にねじ加工が
されており、例えばシリンジ(不図示)などの他の医療用機器と接続することができる。
把持部60は、耐久性を有し、滅菌処理に適している材料により形成することができる。
例えば、金属、射出成形された樹脂、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0025】
図3は、図2の領域X1を拡大した説明図である。図3は、中空シャフト10の先端部
の一部を拡大し、一部を透過して金属膜20及び線状部材30の態様を説明した図である
図4は、図2の領域Y1を拡大した説明図である。図4は、中空シャフト10の後端部
の一部を拡大し、一部を透過して金属膜20及び線状部材30の態様を説明した図である
【0026】
中空シャフト10は、内層11と、中間層12と、外層13と、金属膜20と、線状部
材30を有している。
【0027】
内層11は、中空シャフト10の内側に設けられる長尺の管状体である。内層11は、
カテーテル1のルーメン50を規定する。中間層12は、内層11の外周を被覆する長尺
の管状体である。外層13は、中空シャフト10の外側に設けられ、中間層12の外周を
被覆する長尺の管状体である。内層11、中間層12、外層13のそれぞれの先端部は先
端チップ40と接合している。内層11、中間層12、外層13のそれぞれの後端部は、
把持部60に接合している。
【0028】
内層11は、内層11の内部にガイドワイヤ等(不図示)の医療機器が挿入されるため
、滑り性に優れた樹脂材料で形成されることができる。例えば、PTFE(ポリテトラフ
ルオロチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体)又はFEP(テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体
)といったフッ素系の樹脂やポリエチレン等を選択することができる。内層11は、上記
以外の公知の材料によって形成されていてもよい。
【0029】
中間層12及び外層13は、特に限定されるものではないが、エラストマー系の樹脂材
料で形成されることができる。例えば、PAE(ポリアミド系熱可塑性エラストマー)、
TPU(ポリウレタン系熱可塑性エラストマー)又はTPEE(ポリエステルエラストマ
ー)等で形成することができる。中間層12及び外層13は、上記以外の公知の材料によ
って形成されていてもよい。
【0030】
図5は、第1実施形態のカテーテルの断面構成を例示した説明図である。図5は、カテ
ーテル1の縦断面における断面図である。図5において、領域Zは、中空シャフト10の
一部を示している。図6は、図5の領域Zを拡大した説明図である。図6は、カテーテル
1の縦断面における中空シャフトの一部を拡大し、金属膜20及び線状部材30の態様を
説明した図である。
【0031】
図2から図6を用いて金属膜20について説明する。金属膜20は、中間層12の表面
に、カテーテル1の軸線方向に沿って螺旋状に形成された金属製の膜状の部材である。金
属膜20は、中間層12に接合されており、中間層12に対してカテーテル1の軸線方向
に相対移動することはない。金属膜20のカテーテル1の軸線方向の大きさを金属膜20
の横幅Wmとする。図3に示すように、領域X1に位置する金属膜20の横幅WmをWm
1とし、図4に示すように、領域Y1に位置する金属膜20の横幅をWm2とする。図5
に示すように、金属膜20の横幅Wmは、カテーテル1の先端方向に向かって小さくなっ
ている。言い換えると、カテーテル1の後端部に位置する金属膜20の横幅Wm2よりも
、先端側に位置する金属膜20の横幅Wm1の方が小さい。金属膜20の高さをHmとす
る。金属膜20の高さHmは、例えば、1Åから100Åに設定することができる。金属
膜20は、例えばステンレス等で形成することができる。また、銀、銅などによっても形
成することができる。銀、銅は導電率が高いため、様々なパターンの条件検討が比較的容
易である。特に銀は、導電率が高く、また、生体適合性の視点からも実績が高いため血液
接触を要する箇所への被膜としては有効である。
【0032】
図2から図6を用いて線状部材30について説明する。図2に示すように、線状部材3
0は、金属膜20の表面に、カテーテル1の軸線方向に沿って螺旋状に形成された金属製
の線状の部材である。線状部材30は、金属膜20に接合されており、金属膜20に対し
てカテーテル1の軸方向に相対移動することはない。線状部材30は、カテーテル1の軸
線方向に平行な面(縦断面)からカテーテル1を観察した場合に、カテーテル1の軸線を
横断するように繰り返し現れる。繰り返し現れる線状部材30において、隣り合うそれぞ
れの線状部材30の間隔を、線状部材30のピッチP、それぞれの線状部材30のカテー
テル1の仮想の軸線51に対する角度を傾斜角αとする。線状部材30のピッチPは、カ
テーテル1の先端方向に向かって小さくなっている。線状部材30の傾斜角αは、カテー
テル1の先端方向に向かって小さくなっている。
【0033】
図3に示すように、領域X1に位置する線状部材30のピッチPをP1とし、図4に示
すように、領域Y1に位置する線状部材30のピッチPをP2とする。カテーテル1の後
端部に位置する線状部材30のピッチP2よりも、先端側に位置する線状部材30のピッ
チP1の方が小さい。線状部材30は、金属膜20に接合されており、金属膜20は中間
層12に接合されているため、中間層12が湾曲するなどにより変形しない限り、ピッチ
Pが変化することはない。領域X1に位置する線状部材30の傾斜角αをα1とし、領域
Y1に位置する線状部材30の傾斜角αをα2とする。カテーテル1の後端部に位置する
線状部材30の傾斜角α2よりも、先端側に位置する線状部材30の傾斜角α1の方が小
さい。
【0034】
図5図6に示すように、線状部材30は、カテーテル1の縦断面において台形形状で
ある。線状部材30は、金属膜20に接する部分の横幅Wiと、カテーテル1の外周面に
近い部分の横幅Woを有する。横幅Wiは、横幅Woよりも大きい。横幅Wi及び横幅W
oは、カテーテル1の先端方向に向かって小さくなっている。図3に示すように、領域X
1に位置する線状部材30の横幅WiをWi1、横幅WoをWo1とし、図4に示すよう
に、領域Y1に位置する線状部材30の横幅WiをWi2、横幅WoをWo2とする。線
状部材30は、高さHを有する。高さHは、横幅Wiよりも大きく、例えば、高さHと横
幅Wiの比率を3対1になるように設定することができる。線状部材30の高さHは、例
えば、10μmから、100μmに設定することができる。高さHは、カテーテル1の軸
線方向において略一定である。線状部材30は、例えばニッケル‐コバルト合金等で形成
することができる。
【0035】
<効果例>
本構成によれば、中空シャフト10、金属膜20及び線状部材30が接合されているこ
とにより、カテーテル1のトルク伝達性、耐圧性、耐伸性などを向上させることができる
。医師等の手技者が把持部60を回転させることによりカテーテル1に発生するトルクが
、カテーテル1の後端部から先端部に至るまでに減衰する割合を低減することができる。
また、線状部材30が中空シャフト10に螺旋状に巻回されるのみで、複数の線状部材3
0と中空シャフト10とが接合されていない場合、線状部材30の端部は、自身の弾性力
によって、径方向に拡がろうとする。本構成によれば、金属膜20及び線状部材30が中
空シャフト10に接合されているため、線状部材30の端部が径方向に拡がる可能性を低
減することができる。
【0036】
また、カテーテルの中空シャフトに、中空シャフトの内部と外部を連通し、造影剤など
の薬液を噴射するためのサイドホールを設ける場合がある。この場合において、補強体と
して、中空シャフトに金属線を螺旋状に巻くことにより形成されるコイル体や、複数の金
属線を編むことにより形成される編組体を用いると、コイル体や編組体の金属線が直線形
状に戻ろうとする復元力が中空シャフトに加わる。これにより、サイドホール周辺を基点
に中空シャフトが破損することがあった。本構成は金属線を有しておらず、中間層12に
、線状体30が金属膜20を介して接合されているため、線状部材30から中空シャフト
10に圧力が加わることがない。これにより、カテーテル1にサイドホールを設けたとし
ても、サイドホールを基点に中空シャフト10が破損する可能性を低減することができる
【0037】
また、金属膜20の横幅Wm、線状部材30の横幅Wi及び横幅Woは、カテーテル1
の先端方向に向かって小さくなっていることにより、カテーテル1は、先端方向に向かっ
て柔軟性が増大する構造を有する。患者の体内にカテーテル1が挿入され、カテーテル1
と患者の血管や内臓などが接触したときに、患者の血管や内臓を傷つける可能性が低減さ
れる。また、カテーテル1が湾曲する血管などに挿入された場合に、カテーテル1が血管
の湾曲形状に従って変形することで、カテーテル1が血管内を進むことができる。
【0038】
線状部材30の横断面において、高さHが横幅Wiよりも大きいことにより、高さHが
横幅Wiよりも小さい場合と比べて、中空シャフト10の径方向に加わる圧力に対する耐
久性が向上する。また、横幅Wiが高さHよりも小さいことにより、カテーテル1の軸方
向における線状部材30同士の隙間が相対的に大きくなる。これにより、その隙間に設け
られる、内層11、中間層12、外層13などの樹脂層の体積が相対的に大きくなる。従
って、カテーテル1が湾曲した場合、カテーテル1の外周面に加わる、カテーテル1の軸
方向の圧縮力または引張力を、樹脂層により緩和することができる。また、線状部材30
の高さHが大きいことにより、カテーテル1の径方向に加わる力に対する抵抗力が大きい
ため、変形が抑制される。以上のことにより、操作中のカテーテル1の真円性を保持する
ことができる。また、線状部材30の横断面において、横幅Woよりも、横幅Wiの方が
大きいことにより、中空シャフト10の表面部の線状部材の体積を減少させることができ
る。これにより、中空シャフト10の耐圧性を維持しつつ、中空シャフト10の表面近く
の柔軟性を向上させることができる。これにより、カテーテル1と患者の血管や内臓など
が接触したときに、カテーテル1が、患者の血管や内臓を傷つける可能性が低減される。
【0039】
金属膜20をステンレス鋼にし、線状部材30をニッケル‐コバルト合金とすることで
、金属膜20を導電膜として、電解めっきにより金属膜20の外周面に線状部材30を形
成することができる。線状部材30をニッケル‐コバルト合金とすることで、トルク伝達
性に優れたカテーテル1を作製することができる。また、内層11をPTFEにすること
で、カテーテル1の内周面と、カテーテル1の内部に挿入されるデバイスとの摩擦抵抗を
低減することができる。中間層12または外層13をPAEにすることで、カテーテル1
の柔軟性と、湾曲した場合の復元性を向上させることができる。
【0040】
線状部材30の傾斜角αを、カテーテル1の先端方向に向かって小さくし、ピッチPを
、カテーテル1の先端方向に向かって小さくすることで、カテーテル1の先端方向に向か
って線状部材30を密に形成することができる。これにより、カテーテル1の先端へのト
ルク伝達性が向上する。
【0041】
<製造方法>
図7は、第1実施形態のカテーテル1の第1の製造方法を例示した説明図である。
【0042】
まず、図7の(A)に示すように、芯材120に、内層11及び中間層12を、押出し
成形などにより被覆し、中空シャフト200を作製する。次に、中間層12の外周に、金
属膜20を、無電解めっきやスパッタリングなどにより被覆し、金属膜20の外周に、金
属層100を電解めっきなどにより被覆する。次に、エッチング耐性を有する樹脂からな
るエッチングレジスト110を、金属層100の外周に塗布する。以上の工程により、母
材300を作製する。次に、例えば、母材300を、母材300の軸線方向を中心に回転
しつつ、軸線方向に移動させながら、母材300の外周にレーザー130を照射する。こ
れによりエッチングレジスト110を螺旋状に除去する。次に、図7の(B)に示すよう
に、エッチングレジスト110が除去されたことにより、外部に螺旋状に露出した金属層
100と、その内側にある金属膜20を、エッチング液140により溶融する。このとき
、金属層100は、金属層100の径方向外側に位置する部分から溶融し始める。このた
め、金属層100の径方向外側に位置する部分ほど溶融量が多く、径方向内側に位置する
部分ほど溶融量が少ない。これにより、溶融された金属層100は、カテーテル1の縦断
面において、径方向外側から径方向内側に向かって横幅が大きくなる台形形状となる。次
に、図7の(C)に示すように、前工程においてレーザー130により除去されず、螺旋
状に形成された金属層100の外周に残留しているエッチングレジスト110を除去する
。以上の工程により、芯材120の外周に内層11及び中間層12が被覆され、中間層1
2の外周に螺旋状に形成された金属膜20及び金属層100を有する母材300を作製す
ることができる。母材300には、外層13(図1から図6参照)が被覆されてもよい。
【0043】
<効果例>
本構成によれば、金属線を用いることなく、金属からなる補強体を有するカテーテル1
を製造することができる。金属膜20は、無電解めっきやスパッタリングなどにより中空
シャフトの外表に形成されており、金属層100は金属膜20の外表に電解めっきなどに
より形成されている。これにより、金属層100は、金属膜20を介して、第1中空シャ
フト201に接合されている。このため、例えば、外層13を形成するための樹脂チュー
ブを、金属層100の外周に被覆する場合に、中空シャフト200に対して金属層100
の位置が移動することがない。これにより、カテーテル1の製造効率が向上する。
【0044】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態のカテーテル2の一部を透過して全体構成を例示した説明図であ
る。図8は、カテーテル2の一部を透過し、カテーテル2の全体における線状部材31の
態様を説明した図である。第2実施形態のカテーテル2は、第1実施形態のカテーテル1
の中空シャフト10に替えて、中空シャフト70を有している。中空シャフト70は、カ
テーテル1における金属膜20に替えて金属膜21を、線状部材30に替えて線状部材3
1を有している。カテーテル2は、カテーテル1と比較して、中空シャフト70以外の部
分は同一である。そのため、中空シャフト70以外の部材についての説明は省略する。領
域X2は、中空シャフト70の先端部の一部を示し、領域Y2は、中空シャフト70の後
端部の一部を示している。
【0045】
図9は、図8の領域X2を拡大した説明図である。図9は、中空シャフト70の先端部
の一部を拡大し、一部を透過して金属膜21及び線状部材31の態様を説明した図である
図10は、図8の領域Y2を拡大した説明図である。図10は、中空シャフト70の後
端部の一部を拡大し、一部を透過して金属膜21及び線状部材31の態様を説明した図で
ある。
【0046】
図8に示すように、金属膜21は、中間層12の外周に、カテーテル2の軸線方向に沿
って格子状に形成された金属製の膜状の部材である。金属膜21は、中間層12に接合さ
れており、中間層12に対してカテーテル2の軸線方向に相対移動することはない。図9
に示すように、領域X2に位置する金属膜21の横幅WmをWm3とし、図10に示すよ
うに、領域Y2に位置する金属膜21の横幅をWm4とする。このとき、Wm3とWm4
との関係は、第1実施形態のWm1とWm2との関係と同様となっている。
【0047】
図8に示すように、線状部材31は、金属膜21の外周に、カテーテル2の軸線方向に
沿って格子状に形成された金属製の線状の部材である。線状部材31は、金属膜21に接
合されており、金属膜21に対してカテーテル2の軸方向に相対移動することはない。カ
テーテル2の軸線方向に平行な面(縦断面)からカテーテル2を観察した場合に、カテー
テル2の軸線を横断するX形状の線状部材31が繰り返し現れる。カテーテル2の縦断面
において、線状部材31のうち、カテーテル2の軸線に対して先端側に傾斜する部分を線
状部材31の要素31a、後端側に傾斜する部分を要素31bとする。要素31aと要素
31bは、別々の部材ではなく、線状部材31は全長に亘って一体的に作製されている。
そのため、医師等の手技者によってカテーテル2が操作された場合に、要素31aと要素
31bがそれぞれ独立して動くことはなく、カテーテル2の操作中においても、要素31
aと要素31bがなすX形状は保持される。
【0048】
図9に示すように、領域X2に位置する線状部材31の要素31aの、カテーテル2の
仮想の軸線51に対する傾斜角αaをα3a、領域X2に位置する線状部材31の要素3
1bのカテーテル2の仮想の軸線51に対する傾斜角αbをα3bとする。図10に示す
ように、領域Y2に位置する線状部材31の要素31aのカテーテル2の仮想の軸線51
に対する傾斜角αaをα4a、領域Y2に位置する線状部材31の要素31bのカテーテ
ル2の仮想の軸線51に対する傾斜角αbをα4bとする。それぞれの線状部材31にお
いて、傾斜角αaと傾斜角αbの大きさは、略同一である。図9においては、傾斜角α3
a及び傾斜角α3bの大きさは略同一である。図10においては、傾斜角α4a及び傾斜
角α4bの大きさは略同一である。
【0049】
図9に示すように、領域X2に位置する線状部材31の隣り合う要素31aのピッチP
aをP3a、領域X2に位置する線状部材31の隣り合う要素31bのピッチPbをP3
bとする。図10に示すように、領域Y2に位置する線状部材31の隣り合う要素31a
のピッチPをP4a、領域Y2に位置する線状部材31の隣り合う要素31bのピッチP
bをP4bとする。それぞれの線状部材31において、ピッチPaとピッチPbの大きさ
は、略同一である。図9においては、ピッチP3a及びピッチP3bの大きさは略同一で
ある。図10においては、ピッチP4a及びピッチP4bの大きさは略同一である。
【0050】
図9に示すように、領域X2に位置する線状部材31の横幅WiをWi3、横幅Woを
Wo3とする。図10に示すように、領域Y2に位置する線状部材31の横幅WiをWi
4、横幅WoをWo4とする。このとき、Wi3とWi4との関係は、第1実施形態のW
i1とWi2との関係と同様となっている。また、Wo3とWo4との関係は、第1実施
形態のWo1とWo2との関係と同様となっている。
【0051】
<効果例>
カテーテルが複数の金属線を編むことによって形成された編組体を有する場合、カテー
テルを湾曲させると、複数の金属線同士の交点において金属線同士が干渉し合う。これに
より編組体が楕円形状に変形することで、トルク伝達性、押し引き操作性及び柔軟性を低
減させるということがあった。しかし、線状部材31は、一体的に作製された格子状の部
材であり、複数の金属線を有さない。そのため、金属線同士が干渉することはなく、カテ
ーテル2が湾曲された場合においても、線状部材31は真円に近い形状を保つことができ
る。これにより、トルク伝達性、押し引き性、及び柔軟性を向上させることができる。ま
た、複数の金属線を用いる場合と比較して、カテーテルの外径を小さくすることができる
。これにより、内径の小さな抹消血管などへカテーテル2を挿入することが容易となる。
また、複数の線状部材31が編むように中空シャフト70に巻回されるのみで、複数の線
状部材31と中空シャフト70とが接合されていない場合、線状部材31の端部は、自身
の弾性力によって、径方向に拡がろうとする。本構成によれば、金属膜21及び線状部材
31が中空シャフト70に接合されているため、線状部材31の端部が径方向に拡がる可
能性を低減することができる。
【0052】
線状部材31の要素31aの傾斜角αaと、要素31bの傾斜角αbを略同一にし、ま
た、要素31aのピッチPaと要素31bのピッチPbを略同一にすることで、カテーテ
ル2の回転方向によらず、トルク伝達性を向上させることができる。
【0053】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において
種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0054】
[変形例1]
第1実施形態のカテーテル1において、金属膜20は、中間層12の表面に接合されて
いるとした。しかし、カテーテル1は中間層12を有さず、内層11及び外層13のみを
有し、内層11の表面に金属膜20が接合されていてもよい。また、金属膜20の横幅W
mは、カテーテル1の先端方向に向かって小さくなっているとした。しかし、金属膜20
の横幅Wmは、カテーテル1の先端方向に向かって大きくなってもよい。この場合、カテ
ーテル1の先端部の剛性を大きくすることができる。
【0055】
[変形例2]
第1実施形態のカテーテル1において、線状部材30のピッチPは、カテーテル1の先
端方向に向かって小さくなっているとした。しかし、線状部材30のピッチPは、カテー
テル1の先端方向に向かって大きくなっていてもよい。これにより、カテーテル1の先端
部の柔軟性をより向上させることができる。また、線状部材30の傾斜角αは、カテーテ
ル1の先端方向に向かって小さくなっているとした。しかし、線状部材30の傾斜角αは
、カテーテル1の先端方向に向かって大きくなっていてもよい。
【0056】
[変形例3]
第1実施形態のカテーテル1において、線状部材30は、カテーテル1の縦断面におい
て台形形状であるとした。しかし、線状部材30は、カテーテル1の縦断面において台形
形状ではなく、正方形または長方形、または径方向外側に向かって凸状の半円形状でもよ
く、種々の形態に形成可能である。また、横幅Woよりも、横幅Wiの方が大きいとした
が、横幅Woよりも、横幅Wiの方が小さくてもよい。
【0057】
[変形例4]
第1実施形態のカテーテル1において、線状部材30の横幅Wi及び横幅Woは、カテ
ーテル1の先端方向に向かって小さくなっているとした。しかし、線状部材30の横幅W
i及び横幅Woは、カテーテル1の先端方向に向かって大きくなっていてもよい。これに
より、カテーテル1の先端部の剛性を大きくすることができる。また、線状部材30の高
さHは、横幅Wiよりも大きいとした。しかし、線状部材30の高さHは、横幅Wiより
も小さくてもよい。この場合、高さHが横幅Wiよりも大きい場合と比較して、カテーテ
ル1の外径を小さくすることができる。また、線状部材30の高さHは、カテーテル1の
軸線方向において略一定であるとした、しかし、線状部材30の高さHは、カテーテル1
の軸線方向において略一定でなくてもよい。例えば、カテーテル1の先端方向に向かって
高さHが小さくなってもよい。この場合、カテーテル1の先端部の柔軟性をより向上させ
ることができる。
【0058】
上記の第1実施形態のカテーテル1の変形例は、適用可能な範囲において、第2実施形
態にも適用することができる。
【0059】
[変形例5]
第2実施形態のカテーテル2において、それぞれの線状部材31の、傾斜角αaと傾斜
角αbの大きさは、略同一であるとした。しかし、傾斜角αa及び傾斜角αbの大きさは
略同一でなくてもよい。この場合、線状部材31は、カテーテル2の軸線方向に平行な面
(縦断面)からカテーテル2を観察した場合に、線対称ではないX形状となる。
【0060】
[変形例6]
第2実施形態のカテーテル2において、それぞれの線状部材31の、ピッチPaとピッ
チPbの大きさは、略同一であるとした。しかし、ピッチPa及びピッチPbの大きさは
略同一でなくてもよい。この場合、線状部材31は、カテーテル2の軸線方向に平行な面
(縦断面)からカテーテル2を観察した場合に、線対称ではないX形状となる。
【0061】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施
の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない
。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると
共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なも
のとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0062】
1…第1実施形態のカテーテル
2…第2実施形態のカテーテル
10…第1実施形態の中空シャフト
11…内層
12…中間層
13…外層
20…第1実施形態の金属膜
21…第2実施形態の金属膜
30…第1実施形態の線状部材
31…第2実施形態の線状部材
31a…第2実施形態の線状部材の先端側に傾斜する部分
31b…第2実施形態の線状部材の後端側に傾斜する部分
40…先端チップ
50…ルーメン
51…カテーテルの仮想の軸線
60…把持部
61…プロテクタ
62…本体部
63…コネクタ
70…第2実施形態の中空シャフト
100…金属層
120…芯材
130…レーザー
140…エッチング液
200…中空シャフト
300…母材
Wm…金属膜の横幅
Hm…金属膜の高さ
Wi…線状部材の金属膜20に接する部分の横幅
Wo…線状部材の外側の横幅
H…線状部材の高さ
P…線状部材のピッチ
Pa…第2実施形態の線状部材の先端側に傾斜する部分のピッチ
Pb…第2実施形態の線状部材の後端側に傾斜する部分のピッチ
α…線状部材の傾斜角
αa…第2実施形態の線状部材の先端側に傾斜する部分の傾斜角
αb…第2実施形態の線状部材の後端側に傾斜する部分の傾斜角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10