(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-20
(45)【発行日】2025-12-01
(54)【発明の名称】インパクト工具
(51)【国際特許分類】
B25B 21/02 20060101AFI20251121BHJP
B25B 23/18 20060101ALI20251121BHJP
【FI】
B25B21/02 G
B25B23/18
B25B21/02 D
(21)【出願番号】P 2021201914
(22)【出願日】2021-12-13
【審査請求日】2024-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平林 徳夫
(72)【発明者】
【氏名】手島 治樹
(72)【発明者】
【氏名】青木 一真
(72)【発明者】
【氏名】木下 和典
【審査官】大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-097498(JP,A)
【文献】国際公開第2021/220992(WO,A1)
【文献】特開2021-024044(JP,A)
【文献】特開2021-112816(JP,A)
【文献】特開2014-107965(JP,A)
【文献】特開2015-066636(JP,A)
【文献】特開2015-139827(JP,A)
【文献】特開2004-174635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 21/02
B25B 23/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ及び前後方向に延伸する回転軸を中心に回転するロータを有するブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータよりも前方に配置され前記ブラシレスモータにより回転されるスピンドルと、
前記スピンドルに保持されるハンマと、
少なくとも一部が前記スピンドルの前方に配置され、前記ハンマにより回転方向に打撃され、四角柱部を有し、最大締付トルクが1,000Nm以上2,500Nm以下であるアンビルと、
前記ブラシレスモータを収容する樹脂ハウジングと、
前記樹脂ハウジングに接続され、前記ハンマ及び前記スピンドルを収容し、前記ハンマを収容するハンマ収容部と前記ハンマ収容部よりも前方に配置され前記アンビルのベアリングを保持するベアリング保持部とを有するハンマケースと、
前記ベアリング保持部の周囲の少なくとも一部に配置されるライト基板と、前記ライト基板の前面に実装され前記回転軸の周囲に間隔をあけて設けられる少なくとも3個の発光素子と、少なくとも3個の前記発光素子のそれぞれの前方に配置され前記発光素子に
1つずつ対向
し相互に離隔する位置に配置される光透過部を有
し、第1の材質で構成される光学部材と、
少なくとも3個の前記発光素子のそれぞれの前方に配置され前記光透過部が
1つずつ配置され
相互に離隔する位置に配置される開口を有
し、前記第1の材質とは異なる第2の材質により構成され、前記光学部材と一体成形されるライトカバーと、を有し、前記ハンマケースに保持されるライトユニットと、を備える、
インパクト工具。
【請求項2】
前記樹脂ハウジングの一部であるバッテリ保持部にバッテリパックが取り付けられ、
重量が、2kg以下である、
請求項1に記載のインパクト工具。
【請求項3】
前記樹脂ハウジングの一部であるバッテリ保持部にバッテリパックが取り付けられ、
重量が、2kg以上9kg以下である、
請求項1に記載のインパクト工具。
【請求項4】
前記ブラシレスモータは、前記樹脂ハウジングの一部であるモータ収容部に収容され、
前記アンビルの前端部から前記モータ収容部の後端部までの距離は、155mm以下である、
請求項1に記載のインパクト工具。
【請求項5】
前記ブラシレスモータは、前記樹脂ハウジングの一部であるモータ収容部に収容され、
前記アンビルの前端部から前記モータ収容部の後端部までの距離は、200mm以上400mm以下である、
請求項1に記載のインパクト工具。
【請求項6】
前記アンビルの最高回転数は、3,000rpm以下である、
請求項1に記載のインパクト工具。
【請求項7】
前記アンビルの最高回転数は、1,300rpm以上2,300rpm以下である、
以下である、
請求項1に記載のインパクト工具。
【請求項8】
前記四角柱部の断面の一辺の寸法は、0.375inch以下である、
請求項1に記載のインパクト工具。
【請求項9】
前記四角柱部の断面の一辺の寸法は、0.6inch以上0.9inch以下である、
請求項1に記載のインパクト工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、インパクト工具に関する。
【背景技術】
【0002】
インパクト工具に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、ライトを備えるインパクトドライバが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書で開示する技術は、インパクト工具を用いる作業性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、インパクト工具を開示する。インパクト工具は、ブラシレスモータと、ブラシレスモータにより回転されるスピンドルと、スピンドルに保持されるハンマと、ハンマにより回転方向に打撃されるアンビルと、ブラシレスモータを収容する樹脂ハウジングと、樹脂ハウジングに接続され、ハンマ及びスピンドルを収容するハンマケースと、を備えてもよい。インパクト工具は、ハンマケースに保持され、複数の発光素子を有するライトユニットを備えてもよい。アンビルの最大締付トルクは、1,000Nm以上2,500Nm以下でもよい。
【発明の効果】
【0006】
本明細書で開示する技術によれば、インパクト工具を用いる作業性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係るインパクト工具を示す側面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るインパクト工具を示す正面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るインパクト工具を示す断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るライトユニットを示す前方からの分解斜視図である。
【
図5】
図5は、公知技術に係るインパクト工具の諸元を示す図である。
【
図6】
図6は、公知技術及び実施形態のそれぞれに係るアンビルの最大締付トルクと発光素子の個数との関係を示すグラフである。
【
図7】
図7は、公知技術及び実施形態のそれぞれに係るインパクト工具の重量と発光素子の個数との関係を示すグラフである。
【
図8】
図8は、公知技術及び実施形態のそれぞれに係るインパクト工具の全長と発光素子の個数との関係を示すグラフである。
【
図9】
図9は、公知技術及び実施形態のそれぞれに係るアンビルの最高回転数と発光素子の個数との関係を示すグラフである。
【
図10】
図10は、公知技術及び実施形態のそれぞれに係るアンビルのレンチ幅と発光素子の個数との関係を示すグラフである。
【
図11】
図11は、実施形態に係るライト基板の変形例を模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係るライト基板の変形例を模式的に示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係るライト基板の変形例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクト工具は、ブラシレスモータと、ブラシレスモータにより回転されるスピンドルと、スピンドルに保持されるハンマと、ハンマにより回転方向に打撃されるアンビルと、ブラシレスモータを収容する樹脂ハウジングと、樹脂ハウジングに接続され、ハンマ及びスピンドルを収容するハンマケースと、を備えてもよい。インパクト工具は、ハンマケースに保持され、複数の発光素子を有するライトユニットを備えてもよい。アンビルの最大締付トルクは、1,000Nm以上2,500Nm以下でもよい。
【0009】
上記の構成では、ライトユニットが複数の発光素子を有するので、作業環境が照明光で明るく照らされる。また、アンビルの最大締付トルクが1,000Nm以上2,500Nm以下である。そのため、インパクト工具を用いる作業性の低下が抑制される。
【0010】
1つ又はそれ以上の実施形態において、発光素子は、少なくとも3個設けられてもよい。
【0011】
上記の構成では、ライトユニットが少なくとも3個の発光素子を有するので、作業環境が照明光で明るく照らされる。そのため、インパクト工具を用いる作業性の低下が抑制される。
【0012】
1つ又はそれ以上の実施形態において、樹脂ハウジングの一部であるバッテリ保持部にバッテリパックが取り付けられてもよい。インパクト工具は、重量が、2kg以下でもよい。
【0013】
上記の構成では、バッテリパックが取り付けられた状態のインパクト工具の重量が2kg以下なので、インパクト工具を用いる作業性の低下が抑制される。
【0014】
1つ又はそれ以上の実施形態において、樹脂ハウジングの一部であるバッテリ保持部にバッテリパックが取り付けられてもよい。発光素子は、少なくとも3個設けられてもよい。インパクト工具は、重量が、2kg以上9kg以下でもよい。
【0015】
上記の構成では、ライトユニットが少なくとも3個の発光素子を有し、バッテリパックが取り付けられた状態のインパクト工具の重量が2kg以上9kg以下なので、インパクト工具を用いる作業性の低下が抑制される。
【0016】
1つ又はそれ以上の実施形態において、スピンドルは、ブラシレスモータの前方に配置され、アンビルは、スピンドルの前方に配置され、ブラシレスモータは、樹脂ハウジングの一部であるモータ収容部に収容されてもよい。アンビルの前端部からモータ収容部の後端部までの距離は、155mm以下でもよい。
【0017】
上記の構成では、アンビルの前端部からモータ収容部の後端部までの距離を示すインパクト工具の全長が155mm以下なので、インパクト工具を用いる作業性の低下が抑制される。
【0018】
1つ又はそれ以上の実施形態において、スピンドルは、ブラシレスモータの前方に配置され、アンビルは、スピンドルの前方に配置され、ブラシレスモータは、樹脂ハウジングの一部であるモータ収容部に収容されてもよい。発光素子は、少なくとも3個設けられてもよい。アンビルの前端部からモータ収容部の後端部までの距離は、200mm以上400mm以下でもよい。
【0019】
上記の構成では、ライトユニットが少なくとも3個の発光素子を有し、アンビルの前端部からモータ収容部の後端部までの距離を示すインパクト工具の全長が200mm以上400mm以下なので、インパクト工具を用いる作業性の低下が抑制される。
【0020】
1つ又はそれ以上の実施形態において、アンビルの最高回転数は、3,000rpm以下でもよい。
【0021】
上記の構成では、アンビルの最高回転数が3,000rpm以下なので、インパクト工具を用いる作業性の低下が抑制される。
【0022】
1つ又はそれ以上の実施形態において、発光素子は、少なくとも3個設けられてもよい。アンビルの最高回転数は、1,300rpm以上2,300rpm以下でもよい。
【0023】
上記の構成では、ライトユニットが少なくとも3個の発光素子を有し、アンビルの最高回転数が1,300rpm以上2,300rpm以下なので、インパクト工具を用いる作業性の低下が抑制される。
【0024】
1つ又はそれ以上の実施形態において、アンビルは、四角柱部を有してもよい。四角柱部の断面の一辺の寸法は、0.375inch以下でもよい。
【0025】
上記の構成では、四角柱部の断面の一辺の寸法が0.375inch以下なので、インパクト工具を用いる作業性の低下が抑制される。
【0026】
1つ又はそれ以上の実施形態において、アンビルは、四角柱部を有してもよい。発光素子は、少なくとも3個設けられてもよい。4角柱部の断面の一辺の寸法は、0.6inch以上0.9inch以下でもよい。
【0027】
上記の構成では、ライトユニットが少なくとも3個の発光素子を有し、四角柱部の断面の一辺の寸法が0.6inch以上0.9inch以下なので、インパクト工具を用いる作業性の低下が抑制される。
【0028】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ライトユニットは、ハンマケースの周囲の少なくとも一部に配置され、複数の発光素子を支持するライト基板と、発光素子及びライト基板の前方に配置される光学部材と、を有してもよい。
【0029】
上記の構成では、発光素子及びライト基板が光学部材により保護される。
【0030】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。実施形態においては、左、右、前、後、上、及び下の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、インパクト工具1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。インパクト工具1は、動力源としてモータ6を有する。
【0031】
実施形態において、モータ6の回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称し、回転軸AXの周囲を周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称し、回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。
【0032】
回転軸AXは、前後方向に延伸する。軸方向一方側は、前方であり、軸方向他方側は、後方である。また、径方向において、回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。
【0033】
[インパクト工具]
図1は、実施形態に係るインパクト工具1を示す側面図である。
図2は、実施形態に係るインパクト工具1を示す正面図である。
図3は、実施形態に係るインパクト工具1を示す断面図である。実施形態において、インパクト工具1は、インパクトレンチである。
【0034】
インパクト工具1は、ハウジング2と、ハンマケース4と、ハンマケースカバー5と、モータ6と、減速機構7と、スピンドル8と、打撃機構9と、アンビル10と、ファン12と、バッテリ装着部13と、トリガスイッチ14と、正逆転切換レバー15と、モード切換スイッチ16と、コントローラ17と、ライトユニット18とを備える。
【0035】
ハウジング2は、少なくともモータ6を収容する。ハウジング2は、合成樹脂製である。ハウジング2は、樹脂ハウジングである。ハウジング2は、一対の半割れハウジングにより構成される。ハウジング2は、左ハウジング2Lと、左ハウジング2Lの右方に配置される右ハウジング2Rとを含む。左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとは、複数のねじ2Sにより固定される。
【0036】
ハウジング2は、モータ収容部21と、グリップ部22と、バッテリ保持部23とを有する。
【0037】
モータ収容部21は、モータ6を収容する。モータ収容部21は、モータ6の周囲に配置される筒状部21Aと、筒状部21Aの後端部に配置されるリヤカバー部21Bとを有する。
【0038】
グリップ部22は、作業者に握られる。グリップ部22は、筒状部21Aから下方に突出する。トリガスイッチ14は、グリップ部22の上部に設けられる。
【0039】
バッテリ保持部23は、バッテリ装着部13を介してバッテリパック25を保持する。バッテリ保持部23は、コントローラ17を収容する。バッテリ保持部23は、グリップ部22の下端部に接続される。前後方向及び左右方向のそれぞれにおいて、バッテリ保持部23の外形の寸法は、グリップ部22の外形の寸法よりも大きい。
【0040】
ハンマケース4は、減速機構7、スピンドル8、打撃機構9、及びアンビル10の少なくとも一部を収容する。ハンマケース4は、金属製である。ハンマケース4は、筒状である。ハンマケース4は、モータ収容部21の前部に接続される。ハンマケース4は、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとに挟まれる。ハンマケース4の後部にベアリングボックス24が固定される。ベアリングボックス24は、モータ収容部21及びハンマケース4のそれぞれに固定される。
【0041】
ハンマケースカバー5は、ハンマケース4の表面の少なくとも一部を覆う。ハンマケースカバー5は、合成樹脂製である。ハンマケースカバー5は、ハンマケース4を保護する。ハンマケースカバー5は、ハンマケース4とインパクト工具1の周囲の物体との接触を抑制する。ハンマケースカバー5は、ハンマケース4と作業者との接触を抑制する。
【0042】
モータ6は、インパクト工具1の動力源である。モータ6は、インナロータ型のブラシレスモータである。モータ6は、ハウジング2の一部であるモータ収容部21に収容される。
【0043】
モータ6は、ステータ26と、ロータ27とを有する。ステータ26は、モータ収容部21に支持される。ロータ27の少なくとも一部は、ステータ26の内側に配置される。ロータ27は、ステータ26に対して回転する。ロータ27は、前後方向に延伸する回転軸AXを中心に回転する。
【0044】
ステータ26は、ステータコア28と、前インシュレータ29と、後インシュレータ30と、コイル31とを有する。
【0045】
ステータコア28は、ロータ27よりも径方向外側に配置される。ステータコア28は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ステータコア28は、筒状である。ステータコア28は、コイル31を支持する複数のティースを有する。
【0046】
前インシュレータ29は、ステータコア28の前部に設けられる。後インシュレータ30は、ステータコア28の後部に設けられる。前インシュレータ29及び後インシュレータ30のそれぞれは、合成樹脂製の電気絶縁部材である。前インシュレータ29は、ティースの表面の一部を覆うように配置される。後インシュレータ30は、ティースの表面の一部を覆うように配置される。
【0047】
コイル31は、前インシュレータ29及び後インシュレータ30を介してステータコア28に装着される。コイル31は、複数配置される。コイル31は、前インシュレータ29及び後インシュレータ30を介してステータコア28のティースの周囲に配置される。コイル31とステータコア28とは、前インシュレータ29及び後インシュレータ30により電気的に絶縁される。複数のコイル31は、バスバーを介して接続される。
【0048】
ロータ27は、回転軸AXを中心に回転する。ロータ27は、ロータコア32と、ロータシャフト33と、ロータ磁石34とを有する。
【0049】
ロータコア32及びロータシャフト33のそれぞれは、鋼製である。ロータシャフト33の前部は、ロータコア32の前端面から前方に突出する。ロータシャフト33の後部は、ロータコア32の後端面から後方に突出する。ロータシャフト33の前部及び後部のそれぞれは、ロータベアリング39に回転可能に支持される。前側のロータベアリング39は、ベアリングボックス24に保持される。後側のロータベアリング39は、リヤカバー部21Bに保持される。ロータシャフト33の前端部は、ベアリングボックス24の開口を介してハンマケース4の内部空間に配置される。ロータ磁石34は、ロータコア32に固定される。
【0050】
後インシュレータ30にセンサ基板37が取り付けられる。センサ基板37は、中心に孔が設けられた円板状の回路基板と、回路基板に支持される回転検出素子とを有する。回転検出素子は、ロータ磁石34の位置を検出することにより、ロータ27の回転方向の位置を検出する。
【0051】
ロータシャフト33の前端部にピニオンギヤ41が形成される。ピニオンギヤ41は、減速機構7の少なくとも一部に連結される。ロータシャフト33は、ピニオンギヤ41を介して減速機構7に連結される。
【0052】
減速機構7は、ロータシャフト33とスピンドル8とを連結する。減速機構7は、ロータ27の回転をスピンドル8に伝達する。減速機構7は、ロータ27の回転速度よりも低い回転速度でスピンドル8を回転させる。減速機構7は、遊星歯車機構を含む。減速機構7は、モータ6よりも前方に配置される。
【0053】
減速機構7は、ピニオンギヤ41の周囲に配置される複数のプラネタリギヤ42と、複数のプラネタリギヤ42の周囲に配置されるインターナルギヤ43とを有する。ピニオンギヤ41、プラネタリギヤ42、及びインターナルギヤ43のそれぞれは、ハンマケース4及びベアリングボックス24に収容される。複数のプラネタリギヤ42のそれぞれは、ピニオンギヤ41に噛み合う。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してスピンドル8に回転可能に支持される。スピンドル8は、プラネタリギヤ42により回転される。インターナルギヤ43は、プラネタリギヤ42に噛み合う内歯を有する。インターナルギヤ43は、ベアリングボックス24に固定される。インターナルギヤ43は、ベアリングボックス24に対して常に回転不可能である。
【0054】
モータ6の駆動によりロータシャフト33が回転すると、ピニオンギヤ41が回転し、プラネタリギヤ42がピニオンギヤ41の周囲を公転する。プラネタリギヤ42は、インターナルギヤ43の内歯に噛み合いながら公転する。プラネタリギヤ42の公転により、ピン42Pを介してプラネタリギヤ42に接続されているスピンドル8は、ロータシャフト33の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
【0055】
スピンドル8は、モータ6により回転される。スピンドル8は、減速機構7により伝達されたロータ27の回転力により回転する。スピンドル8は、ハンマケース4に収容される。スピンドル8は、モータ6の前方に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、減速機構7の前方に配置される。
【0056】
スピンドル8は、スピンドルシャフト部8Aと、スピンドルシャフト部8Aの後部に配置されるフランジ部8Bとを有する。スピンドルシャフト部8Aは、フランジ部8Bから前方に突出する。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してフランジ部8Bに回転可能に支持される。スピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。スピンドル8は、回転軸AXを中心に回転する。
【0057】
スピンドル8は、スピンドルベアリング44に回転可能に支持される。スピンドルベアリング44は、ベアリングボックス24に保持される。
【0058】
打撃機構9は、スピンドル8の回転力に基づいて、アンビル10を回転方向に打撃する。モータ6の回転力は、減速機構7及びスピンドル8を介して打撃機構9に伝達される。打撃機構9は、ハンマ47と、ボール48と、コイルスプリング49とを有する。ハンマ47を含む打撃機構9は、ハンマケース4に収容される。
【0059】
ハンマ47は、アンビル10を回転方向に打撃する。ハンマ47は、スピンドル8に保持される。ハンマ47は、スピンドルシャフト部8Aの周囲に配置される。ボール48は、スピンドル8とハンマ47との間に配置される。コイルスプリング49は、スピンドル8及びハンマ47のそれぞれに支持される。
【0060】
ハンマ47は、スピンドル8の回転力に基づいて、スピンドル8と一緒に回転可能である。ハンマ47の回転軸とスピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。ハンマ47は、回転軸AXを中心に回転する。
【0061】
ボール48は、鉄鋼のような金属製である。ボール48は、スピンドルシャフト部8Aとハンマ47との間に配置される。スピンドル8は、ボール48の少なくとも一部が配置されるスピンドル溝を有する。スピンドル溝は、スピンドルシャフト部8Aの外面の一部に設けられる。ハンマ47は、ボール48の少なくとも一部が配置されるハンマ溝を有する。ハンマ溝は、ハンマ47の内面の一部に設けられる。ボール48は、スピンドル溝とハンマ溝との間に配置される。ボール48は、スピンドル溝の内側及びハンマ溝の内側のそれぞれを転がることができる。ハンマ47は、ボール48に伴って移動可能である。スピンドル8とハンマ47とは、スピンドル溝及びハンマ溝により規定される可動範囲において、軸方向及び回転方向のそれぞれに相対移動することができる。
【0062】
コイルスプリング49は、ハンマ47を前方に移動させる弾性力を発生する。コイルスプリング49は、フランジ部8Bとハンマ47との間に配置される。ハンマ47の後面に凹部が設けられる。凹部は、ハンマ47の後面から前方に窪む。凹部の内側にワッシャ45が設けられる。コイルスプリング49の後端部は、フランジ部8Bに支持される。コイルスプリング49の前端部は、ワッシャ45に支持される。
【0063】
アンビル10は、先端工具が装着されるインパクト工具1の出力部である。アンビル10は、スピンドル8の前方に配置される。アンビル10は、スピンドルシャフト部8Aの前端部に接続される。アンビル10の少なくとも一部は、ハンマ47の前方に配置される。アンビル10は、先端工具であるソケットが装着される四角柱部10Cを有する。
【0064】
アンビル10は、アンビルシャフト部10Aと、アンビル突起部10Bとを有する。四角柱部10Cは、アンビルシャフト部10Aの前端部に設けられる。アンビル突起部10Bは、アンビルシャフト部10Aの後端部から径方向外側に突出する。
【0065】
アンビル10は、ベアリング46に回転可能に支持される。アンビル10の回転軸とハンマ47の回転軸とスピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。アンビル10は、回転軸AXを中心に回転する。ベアリング46は、ハンマケース4に保持される。ベアリング46として、鉄スリーブ(油含侵メタル)が例示される。
【0066】
ハンマ47の少なくとも一部は、アンビル突起部10Bに接触可能である。ハンマ47の前部に前方に突出するハンマ突起部が設けられる。ハンマ47のハンマ突起部とアンビル突起部10Bとが接触可能である。ハンマ47とアンビル突起部10Bとが接触している状態で、モータ6が駆動することにより、アンビル10は、ハンマ47及びスピンドル8と一緒に回転する。
【0067】
アンビル10は、ハンマ47により回転方向に打撃される。例えば、ねじ締め作業において、アンビル10に作用する負荷が高くなると、モータ6が発生する動力だけではアンビル10を回転させることができなくなる状況が発生する場合がある。モータ6が発生する動力だけではアンビル10を回転させることができなくなると、アンビル10及びハンマ47の回転が停止する。スピンドル8とハンマ47とは、ボール48を介して軸方向及び周方向のそれぞれに相対移動可能である。ハンマ47の回転が停止しても、スピンドル8の回転は、モータ6が発生する動力により継続される。ハンマ47の回転が停止している状態で、スピンドル8が回転すると、ボール48がスピンドル溝及びハンマ溝のそれぞれにガイドされながら後方に移動する。ハンマ47は、ボール48から力を受け、ボール48に伴って後方に移動する。すなわち、ハンマ47は、アンビル10の回転が停止された状態で、スピンドル8が回転することにより、後方に移動する。ハンマ47が後方に移動することにより、ハンマ47とアンビル突起部10Bとの接触が解除される。
【0068】
コイルスプリング49は、ハンマ47を前方に移動させる弾性力を発生する。後方に移動したハンマ47は、コイルスプリング49の弾性力により、前方に移動する。ハンマ47は、前方に移動するとき、ボール48から回転方向の力を受ける。すなわち、ハンマ47は、回転しながら前方に移動する。ハンマ47が回転しながら前方に移動すると、ハンマ47は、回転しながらアンビル突起部10Bに接触する。これにより、アンビル突起部10Bは、ハンマ47により回転方向に打撃される。アンビル10には、モータ6の動力とハンマ47の慣性力との両方が作用する。したがって、アンビル10は、高いトルクで回転軸AXを中心に回転することができる。
【0069】
ファン12は、モータ6を冷却するための気流を生成する。ファン12は、ロータシャフト33の前部に固定される。ファン12は、ロータ27の回転により回転する。ロータシャフト33が回転することにより、ファン12は、ロータシャフト33と一緒に回転する。モータ収容部21に吸気口19及び排気口20のそれぞれが設けられる。ファン12の回転により、ハウジング2の外部空間の空気が、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、ハウジング2の内部空間を流通することにより、モータ6を冷却する。ハウジング2の内部空間を流通した空気は、ファン12の回転により、排気口20を介してハウジング2の外部空間に流出する。
【0070】
バッテリ装着部13は、バッテリパック25に接続される。バッテリパック25は、バッテリ装着部13に装着される。バッテリパック25は、バッテリ装着部13に着脱可能である。バッテリ装着部13は、バッテリ保持部23の下部に配置される。バッテリパック25は、バッテリ装着部13を介してハウジング2の一部であるバッテリ保持部23に取り付けられる。
【0071】
バッテリパック25は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリパック25は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリ装着部13に装着されることにより、バッテリパック25は、インパクト工具1に電力を供給することができる。モータ6は、バッテリパック25から供給される電力に基づいて駆動する。コントローラ17は、バッテリパック25から供給される電力に基づいて作動する。
【0072】
実施形態において、バッテリパック25の定格電圧は、18Vである。
【0073】
トリガスイッチ14は、モータ6を起動するために作業者に操作される。トリガスイッチ14は、グリップ部22に設けられる。トリガスイッチ14は、トリガレバー14Aと、スイッチ本体14Bとを含む。スイッチ本体14Bは、グリップ部22に収容される。トリガレバー14Aは、グリップ部22の前部の上部から前方に突出する。トリガレバー14Aが作業者に操作されることにより、モータ6の駆動と停止とが切り換えられる。
【0074】
正逆転切換レバー15は、モータ6の回転方向を正転方向及び逆転方向の一方から他方に切り換えるために作業者に操作される。正逆転切換レバー15は、グリップ部22の上部に設けられる。正逆転切換レバー15が操作されることにより、モータ6の回転方向が正転方向及び逆転方向の一方から他方に切り換えられる。モータ6の回転方向が切り換えられることにより、スピンドル8の回転方向が切り換えられる。
【0075】
モード切換スイッチ16は、モータ6の制御モードを切り換えるために作業者に操作される。モード切換スイッチ16は、バッテリ保持部23に設けられる。
【0076】
コントローラ17は、少なくともモータ6を制御する制御信号を出力する。コントローラ17は、バッテリ保持部23に収容される。コントローラ17は、複数の電子部品が実装された基板を含む。基板に実装される電子部品として、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、ROM(Read Only Memory)又はストレージのような不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ、トランジスタ、及び抵抗が例示される。
【0077】
[ライトユニット]
図4は、実施形態に係るライトユニット18を示す前方からの分解斜視図である。ライトユニット18は、照明光を射出する。ライトユニット18は、アンビル10及びアンビル10の周辺を照明光で照明する。ライトユニット18は、アンビル10の前方を照明光で照明する。また、ライトユニット18は、アンビル10に装着された先端工具及び先端工具の周辺を照明光で照明する。
【0078】
ライトユニット18は、ハンマケース4に保持される。ライトユニット18は、ハンマケース4の前部に配置される。ライトユニット18は、ハンマケース4の周囲の少なくとも一部に配置される。
【0079】
ハンマケース4は、ハンマ収容部4Aと、ベアリング保持部4Bとを有する。ハンマ収容部4Aは、筒状である。ハンマ収容部4Aは、打撃機構9の周囲に配置される。ハンマ収容部4Aは、少なくともハンマ47を収容する。ベアリング保持部4Bは、筒状である。ベアリング保持部4Bは、ハンマ収容部4Aよりも前方に配置される。ベアリング保持部4Bの外径は、ハンマ収容部4Aの外径よりも小さい。ベアリング保持部4Bは、ベアリング46の周囲に配置される。ベアリング保持部4Bは、ベアリング46を保持する。
【0080】
ライトユニット18は、ベアリング保持部4Bの周囲に配置される。ハンマ収容部4Aの後部は、モータ収容部21に収容される。
【0081】
ライトユニット18は、発光素子60と、ライト基板61と、光学部材62と、ライトカバー63とを有する。
【0082】
発光素子60は、照明光を射出する光源である。発光素子60として、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が例示される。
【0083】
発光素子60は、アンビル10の周囲に間隔をあけて複数設けられる。発光素子60の数は、例えば2個以上8個以下である。発光素子60は、少なくとも3個設けられてもよい。発光素子60の数は、例えば3個以上6個以下でもよい。実施形態において、発光素子60は、アンビル10の周囲に4個設けられる。
【0084】
ライト基板61は、複数の発光素子60を支持する。ライト基板61は、ハンマケース4の周囲の少なくとも一部に配置される。実施形態において、ライト基板61は、ハンマケース4の周囲の一部に配置される。ライト基板61は、ベアリング保持部4Bの周囲の一部に配置される。
【0085】
ライト基板61は、プリント配線板(PCB:Printed Circuit Board)を含む。ライト基板61は、発光素子60に接続される配線を有する。ライト基板61の配線を介して発光素子60に電力が供給される。発光素子60は、ライト基板61の前面に実装される。実施形態において、ライトユニット18は、表面実装型(SMD:Surface Mount Device)の発光ダイオードを含む。発光素子60は、所謂、チップLEDを含む。
【0086】
1つの発光素子60に入力される電圧は、1.0V以上10.0V以下である。1つの発光素子60に印加される電圧は、例えば2.0V以上8.0V以下でもよいし、2.5V以上5.0V以下でもよい。
【0087】
1つの発光素子60に供給される電流は、5mA以上100mA以下である。1つの発光素子60に供給される電流は、10mA以上50mA以下でもよいし、15mA以上30mA以下でもよい。
【0088】
1つの発光素子60から射出される照明光の光束は、1lm以上20lm以下である。1つの発光素子60から射出される照明光の光束は、3lm以上15lm以下でもよいし、5lm以上10lm以下でもよい。
【0089】
1つの発光素子60から射出される照明光の光度は、0.5cd以上10cd以下である。1つの発光素子60から射出される照明光の光度は、1cd以上7cd以下でもよいし、2cd以上5cd以下でもよい。
【0090】
図4に示すように、1つの発光素子60の外形は、実質的に直方体状である。
【0091】
1つの発光素子60の幅Wは、0.5mm以上3mm以下である。1つの発光素子60の幅Wは、1mm以上2mm以下でもよいし、1.2mm以上1.8mm以下でもよい。
【0092】
1つの発光素子60の長さLは、1.5mm以上6mm以下である。1つの発光素子60の長さLは、2mm以上5mm以下でもよいし、2.5mm以上3.5mm以下でもよい。
【0093】
1つの発光素子60の厚みHは、0.2mm以上2mm以下である。1つの発光素子60の厚みHは、0.3mm以上1mm以下でもよいし、0.4mm以上0.8mm以下でもよい。
【0094】
光学部材62は、発光素子60及びライト基板61の前方に配置される。光学部材62は、発光素子60から射出された照明光が透過する光透過部62Aと、光透過部62Aに接続される連結部62Bとを含む。
【0095】
実施形態において、光学部材62は、回転軸AXよりも左側に配置される光学部材62Lと、回転軸AXよりも右側に配置される光学部材62Rとを含む。光学部材62Lは、光透過部62Aを2個有する。光学部材62Rは、光透過部62Aを2個有する。4個の発光素子60のうち、回転軸AXよりも左側に配置される2個の発光素子60のそれぞれが、光学部材62Lの2個の光透過部62Aのそれぞれに対向する。4個の発光素子60のうち、回転軸AXよりも右側に配置される2個の発光素子60のそれぞれが、光学部材62Rの2個の光透過部62Aのそれぞれに対向する。
【0096】
光学部材62は、光透過性の合成樹脂により形成される。実施形態において、光学部材62は、ポリカーボネート樹脂により形成される。なお、光学部材62は、アクリル樹脂により形成されてもよい。
【0097】
光透過部62Aは、レンズ作用を有する。光透過部62Aは、発光素子60から射出された照明光を屈折させる。なお、光透過部62Aは、レンズ作用を有しなくてもよい。
【0098】
ライトカバー63は、発光素子60及びライト基板61の前方に配置される。実施形態において、ライトカバー63は、実質的に環状である。
【0099】
ライトカバー63は、合成樹脂により形成される。ライトカバー63は、光学部材62と同一の材質により形成されてもよい。ライトカバー63は、光学部材62とは異なる材質により形成されてもよい。実施形態において、ライトカバー63は、ポリカーボネート樹脂により形成される。なお、ライトカバー63は、アクリル樹脂により形成されてもよい。光学部材62とライトカバー63とは、一体成形される。光学部材62とライトカバー63とは、例えばインサート成形により一体化される。
【0100】
実施形態において、ライトカバー63の一部に開口63Aが設けられる。光学部材62の光透過部62Aは、ライトカバー63の開口63Aに配置される。光透過部62Aは、ライトカバー63で覆われない。すなわち、光透過部62Aの前後にライトカバー63は配置されない。光学部材62の連結部62Bがライトカバー63に固定される。
【0101】
光学部材62及びライトカバー63は、ベアリング保持部4Bの周囲に配置される。光学部材62及びライトカバー63は、ハンマケースカバー5を介してハンマケース4に支持される。
【0102】
光学部材62及びライトカバー63は、発光素子60及びライト基板61を保護する。光学部材62及びライトカバー63は、インパクト工具1の周囲の物体と発光素子60及びライト基板61との接触を抑制する。光学部材62とライトカバー63とは、光学部材62とライトカバー63との間に隙間が形成されないように一体成形される。光学部材62及びライトカバー63は、発光素子60及びライト基板61に対する水分の浸入を抑制する防水機能を有する。光学部材62及びライトカバー63は、発光素子60及びライト基板61に対する塵の侵入を抑制する防塵機能を有する。
【0103】
[最大締付トルクと発光素子の個数との関係]
図5は、公知技術に係るインパクトレンチの諸元を示す図である。
図5は、α社が製造又は販売しているインパクトレンチであるA製品、B製品、C製品、β社が製造又は販売しているインパクトレンチであるD製品、E製品、F製品、γ社が製造又は販売しているインパクトレンチであるG製品、H製品、I製品、及びδ社が製造又は販売しているインパクトレンチであるJ製品、K製品、L製品のそれぞれの諸元を示す。A製品からL製品のそれぞれは、
図1から
図4を参照して説明したインパクト工具1の構成要素と同等の構成要素を有する。A製品からL製品のそれぞれには、バッテリパックが着脱される。
【0104】
インパクトレンチの諸元として、発光素子の個数、アンビルの最大締付トルク[Nm]、バッテリパックの定格電圧[V]、バッテリパックが装着された状態におけるインパクトレンチの重量[kg]、アンビルの前端部からモータ収容部の後端部までの距離を示す全長[mm]、アンビルの最高回転数[rpm]、及び四角柱部の断面の一辺の寸法を示すインチ幅[inch]が例示される。
【0105】
図5に示すように、A製品の発光素子の個数は3個であり、同様に、B製品は3個、C製品は1個、D製品は3個、E製品は1個、F製品は3個、G製品は1個、H製品は3個、I製品は1個、J製品は1個、K製品は1個、L製品は0個である。
【0106】
図5に示すように、A製品の最大締付トルクは192Nmであり、同様に、B製品は339Nm、C製品は949Nm、D製品は2576Nm、E製品は2034Nm、F製品は339Nm、G製品は678Nm、H製品は115Nm、I製品は181Nm、J製品は100Nm、K製品は260Nm、L製品は1057Nmである。
【0107】
バッテリパックの定格電圧[V]、バッテリパックが装着された状態におけるインパクトレンチの重量[kg]、アンビルの前端部からモータ収容部の後端部までの距離を示す全長[mm]、アンビルの最高回転数[rpm]、及び四角柱部の断面の一辺の寸法を示すインチ幅[inch]のそれぞれの値は、
図5に示す通りである。
【0108】
製品Aから製品Lのそれぞれにおいて、バッテリパックの定格電圧は、概ね18Vである。
【0109】
図6は、公知技術及び実施形態のそれぞれに係るアンビルの最大締付トルクと発光素子の個数との関係を示すグラフである。
図6に示すグラフにおいて、横軸は発光素子の個数であり、縦軸はアンビルの最大締付トルクである。
図6に示す点は、
図5に示したA製品からL製品のそれぞれのアンビルの最大締付トルクと発光素子の個数とを関係をプロットしたものである。
【0110】
インパクト工具1を用いる作業性の低下を抑制するためには、ライトユニット18によって作業環境を照明光で明るく照らすことが有効である。また、インパクト工具1を用いる作業性の低下を抑制するためには、全長を短くすることが有効である。一方、最大締付トルクが大きくなると、インパクト工具1の全長が長くなりがちである。インパクト工具1の全長と最大締付トルクとのトレードオフの関係を適切に設定することが重要である。
【0111】
上述のように、インパクト工具1は、モータ6、スピンドル8、打撃機構9、アンビル10、及びライトユニット18等の複数の構成要素によって構成される。これらの構成要素が最適化されることにより、作業性の低下を抑制できるインパクト工具1が提供される。本明細書は、インパクト工具1の複数の構成要素が最適化され、公知技術に係るインパクトレンチよりも作業性が良好なインパクト工具1を提供する。
【0112】
実施形態に係るインパクト工具1は、定格電圧18Vのバッテリパック25が取り付けられる。
【0113】
図6の斜線エリアで示すように、実施形態に係るインパクト工具1は、複数の発光素子60を有し、且つ、アンビル10の最大締付トルクが1,000Nm以上2,500Nm以下である。複数の発光素子を有し、且つ、アンビル10の最大締付トルクが1,000Nm以上2,500Nm以下であるインパクトレンチは、公知技術に存在しない。
【0114】
[重量と発光素子の個数との関係]
また、インパクト工具1を用いる作業性の低下を抑制するためには、インパクト工具1の重量の最適化を図ることが有効である。実施形態において、インパクト工具の重量は、バッテリパックが装着された状態のインパクト工具の重量である。
【0115】
図7は、公知技術及び実施形態のそれぞれに係るインパクト工具の重量と発光素子の個数との関係を示すグラフである。
図7に示すグラフにおいて、横軸は発光素子の個数であり、縦軸はインパクト工具の重量である。
図7に示す点は、
図5に示したA製品からL製品のそれぞれのインパクト工具の重量と発光素子の個数とを関係をプロットしたものである。
【0116】
図7の斜線エリアで示すように、実施形態に係るインパクト工具1は、少なくとも3個の発光素子60を有し、且つ、重量が2kg以上9kg以下である。少なくとも3個の発光素子を有し、且つ、重量が2kg以上9kg以下であるインパクトレンチは、公知技術に存在しない。
【0117】
なお、複数の発光素子60を有し、且つ、アンビル10の最大締付トルクが1,000Nm以上2,500Nmであるインパクト工具1において、インパクト工具1の重量は、2kg以下でもよい。
【0118】
[全長と発光素子の個数との関係]
また、インパクト工具1を用いる作業性の低下を抑制するためには、インパクト工具1の全長の最適化を図ることが有効である。
図1に示すように、インパクト工具1の全長Laは、アンビル10の前端部からモータ収容部21の後端部までの距離である。
【0119】
図8は、公知技術及び実施形態のそれぞれに係るインパクト工具の全長と発光素子の個数との関係を示すグラフである。
図8に示すグラフにおいて、横軸は発光素子の個数であり、縦軸はインパクト工具の全長である。
図8に示す点は、
図5に示したA製品からL製品のそれぞれのインパクト工具の全長と発光素子の個数とを関係をプロットしたものである。
【0120】
図8の斜線エリアで示すように、実施形態に係るインパクト工具1は、少なくとも3個の発光素子60を有し、且つ、全長Laが200mm以上400mm以下である。少なくとも3個の発光素子を有し、且つ、全長が200mm以上400mm以下であるインパクトレンチは、公知技術に存在しない。
【0121】
なお、複数の発光素子60を有し、且つ、アンビル10の最大締付トルクが1,000Nm以上2,500Nmであるインパクト工具1において、インパクト工具1の全長Laは、155mm以下でもよい。
【0122】
[アンビルの最高回転数と発光素子の個数との関係]
また、インパクト工具1を用いる作業性の低下を抑制するためには、アンビル10の最高回転数の最適化を図ることが有効である。
【0123】
図9は、公知技術及び実施形態のそれぞれに係るアンビルの最高回転数と発光素子の個数との関係を示すグラフである。
図9に示すグラフにおいて、横軸は発光素子の個数であり、縦軸はアンビルの最高回転数である。
図9に示す点は、
図5に示したA製品からL製品のそれぞれのアンビルの最高回転数と発光素子の個数とを関係をプロットしたものである。
【0124】
図9の斜線エリアで示すように、実施形態に係るインパクト工具1は、少なくとも3個の発光素子60を有し、且つ、アンビル10の最高回転数が1,300rpm以上2,300rpm以下である。少なくとも3個の発光素子を有し、且つ、最高回転数が1,300rpm以上2,300rpm以下であるインパクトレンチは、公知技術に存在しない。
【0125】
なお、複数の発光素子60を有し、且つ、アンビル10の最大締付トルクが1,000Nm以上2,500Nmであるインパクト工具1において、アンビル10の最高回転数は、3,000rpm以下でもよい。
【0126】
[アンビルのレンチ幅と発光素子の個数との関係]
また、インパクト工具1を用いる作業性の低下を抑制するためには、アンビル10のレンチ幅の最適化を図ることが有効である。
図2に示すように、アンビル10のレンチ幅Wlは、四角柱部10Cの断面の一辺の寸法である。
【0127】
図10は、公知技術及び実施形態のそれぞれに係るアンビルのレンチ幅と発光素子の個数との関係を示すグラフである。
図10に示すグラフにおいて、横軸は発光素子の個数であり、縦軸はアンビルの最高回転数である。
図10に示す点は、
図5に示したA製品からL製品のそれぞれのアンビルのレンチ幅と発光素子の個数とを関係をプロットしたものである。
【0128】
図10の斜線エリアで示すように、実施形態に係るインパクト工具1は、少なくとも3個の発光素子60を有し、且つ、アンビル10のレンチ幅Wlが0.6inch以上0.9inch以下ある。少なくとも3個の発光素子を有し、且つ、レンチ幅が0.6inch以上0.9inch以下であるインパクトレンチは、公知技術に存在しない。
【0129】
なお、複数の発光素子60を有し、且つ、アンビル10の最大締付トルクが1,000Nm以上2,500Nmであるインパクト工具1において、レンチ幅Wlは、0.375inch以下でもよい。
【0130】
[効果]
以上説明したように、実施形態において、インパクト工具1は、ブラシレスモータであるモータ6と、モータ6により回転されるスピンドル8と、スピンドル8に保持されるハンマ47と、ハンマ47により回転方向に打撃されるアンビル10と、モータ6を収容する樹脂ハウジングであるハウジング2と、ハウジング2に接続され、ハンマ47及びスピンドル8を収容するハンマケース4と、を備える。インパクト工具1は、ハンマケース4に保持され、複数の発光素子60を有するライトユニット18を備える。アンビル10の最大締付トルクは、1,000Nm以上2,500Nm以下である。
【0131】
上記の構成では、ライトユニット18が複数の発光素子60を有するので、作業環境が照明光で明るく照らされる。また、アンビル10の最大締付トルクが1,000Nm以上2,500Nm以下である。そのため、インパクト工具1を用いる作業性の低下が抑制される。
【0132】
実施形態において、発光素子60は、少なくとも3個設けられる。
【0133】
上記の構成では、ライトユニット18が少なくとも3個の発光素子60を有するので、作業環境が照明光で明るく照らされる。そのため、インパクト工具1を用いる作業性の低下が抑制される。
【0134】
実施形態において、ハウジング2の一部であるバッテリ保持部23にバッテリパック25が取り付けられる。インパクト工具1は、重量が、2kg以下である。
【0135】
上記の構成では、バッテリパック25が取り付けられた状態のインパクト工具1の重量が2kg以下なので、インパクト工具1を用いる作業性の低下が抑制される。
【0136】
実施形態において、ハウジング2の一部であるバッテリ保持部23にバッテリパック25が取り付けられる。発光素子60は、少なくとも3個設けられる。インパクト工具1は、重量が、2kg以上9kg以下である。
【0137】
上記の構成では、ライトユニット18が少なくとも3個の発光素子60を有し、バッテリパック25が取り付けられた状態のインパクト工具1の重量が2kg以上9kg以下なので、インパクト工具1を用いる作業性の低下が抑制される。
【0138】
実施形態において、スピンドル8は、モータ6の前方に配置され、アンビル10は、スピンドル8の前方に配置され、モータ6は、ハウジング2の一部であるモータ収容部21に収容される。アンビル10の前端部からモータ収容部21の後端部までの距離を示す全長Laは、155mm以下である。
【0139】
上記の構成では、アンビル10の前端部からモータ収容部21の後端部までの距離を示すインパクト工具1の全長Laが155mm以下なので、インパクト工具1を用いる作業性の低下が抑制される。
【0140】
実施形態において、スピンドル8は、モータ6の前方に配置され、アンビル10は、スピンドル8の前方に配置され、モータ6は、ハウジング2の一部であるモータ収容部21に収容される。発光素子60は、少なくとも3個設けられる。アンビル10の前端部からモータ収容部21の後端部までの距離を示す全長Laは、200mm以上400mm以下である。
【0141】
上記の構成では、ライトユニット18が少なくとも3個の発光素子60を有し、アンビル10の前端部からモータ収容部21の後端部までの距離を示すインパクト工具1の全長Laが200mm以上400mm以下なので、インパクト工具1を用いる作業性の低下が抑制される。
【0142】
実施形態において、アンビル10の最高回転数は、3,000rpm以下である。
【0143】
上記の構成では、アンビル10の最高回転数が3,000rpm以下なので、インパクト工具1を用いる作業性の低下が抑制される。
【0144】
実施形態において、発光素子60は、少なくとも3個設けられる。アンビル10の最高回転数は、1,300rpm以上2,300rpm以下である。
【0145】
上記の構成では、ライトユニット18が少なくとも3個の発光素子60を有し、アンビル10の最高回転数が1,300rpm以上2,300rpm以下なので、インパクト工具1を用いる作業性の低下が抑制される。
【0146】
実施形態において、アンビル10は、四角柱部10Cを有する。四角柱部10Cの断面の一辺の寸法を示すレンチ幅Wlは、0.375inch以下である。
【0147】
上記の構成では、四角柱部10Cの断面の一辺の寸法を示すレンチ幅Wlが0.375inch以下なので、インパクト工具1を用いる作業性の低下が抑制される。
【0148】
実施形態において、アンビル10は、四角柱部10Cを有する。発光素子60は、少なくとも3個設けられる。四角柱部10Cの断面の一辺の寸法を示すレンチ幅Wlは、0.6inch以上0.9inch以下である。
【0149】
上記の構成では、ライトユニット18が少なくとも3個の発光素子60を有し、四角柱部10Cの断面の一辺の寸法を示すレンチ幅Wlが0.6inch以上0.9inch以下なので、インパクト工具1を用いる作業性の低下が抑制される。
【0150】
実施形態において、ライトユニット18は、ハンマケース4の周囲の少なくとも一部に配置され、複数の発光素子60を支持するライト基板61と、発光素子60及びライト基板61の前方に配置される光学部材62と、を有する。
【0151】
上記の構成では、発光素子60及びライト基板61が光学部材62により保護される。
【0152】
[変形例]
図11、
図12、及び
図13のそれぞれは、実施形態に係るライト基板61の変形例を模式的に示す図である。
図11に示すように、ライト基板61Aは、リング状でもよい。
図12に示すように、ライト基板61Bは、円弧状でもよい。ライト基板61Bの一端部と他端部との間に間隙61Gが設けられる。
図13に示すように、ライト基板61Cの一端部と他端部との間隙61Gが大きくてもよい。
【0153】
上述の実施形態においては、インパクト工具1がインパクトレンチであることとした。インパクト工具1は、インパクトドライバでもよい。
【0154】
上述の実施形態において、インパクト工具1の電源は、バッテリパック25でなくてもよく、商用電源(交流電源)でもよい。
【符号の説明】
【0155】
1…インパクト工具、2…ハウジング、2L…左ハウジング、2R…右ハウジング、2S…ねじ、4…ハンマケース、4A…ハンマ収容部、4B…ベアリング保持部、5…ハンマケースカバー、6…モータ、7…減速機構、8…スピンドル、8A…スピンドルシャフト部、8B…フランジ部、9…打撃機構、10…アンビル、10A…アンビルシャフト部、10B…アンビル突起部、10C…四角柱部、12…ファン、13…バッテリ装着部、14…トリガスイッチ、14A…トリガレバー、14B…スイッチ本体、15…正逆転切換レバー、16…モード切換スイッチ、17…コントローラ、18…ライトユニット、19…吸気口、20…排気口、21…モータ収容部、21A…筒状部、21B…リヤカバー部、22…グリップ部、23…バッテリ保持部、24…ベアリングボックス、25…バッテリパック、26…ステータ、27…ロータ、28…ステータコア、29…前インシュレータ、30…後インシュレータ、31…コイル、32…ロータコア、33…ロータシャフト、34…ロータ磁石、37…センサ基板、39…ロータベアリング、41…ピニオンギヤ、42…プラネタリギヤ、42P…ピン、43…インターナルギヤ、44…スピンドルベアリング、45…ワッシャ、46…ベアリング、47…ハンマ、48…ボール、49…コイルスプリング、60…発光素子、61…ライト基板、61A…ライト基板、61B…ライト基板、61C…ライト基板、61G…間隙、62…光学部材、62A…光透過部、62B…連結部、62L…光学部材、62R…光学部材、63…ライトカバー、63A…開口、AX…回転軸、H…厚み、L…長さ、La…全長、W…幅、Wl…レンチ幅。