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7778815通信システム、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-21
(45)【発行日】2025-12-02
(54)【発明の名称】通信システム、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20251125BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20251125BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20251125BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20251125BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20251125BHJP
   H04M 11/06 20060101ALI20251125BHJP
   H04N 7/14 20060101ALI20251125BHJP
   H04N 21/439 20110101ALI20251125BHJP
【FI】
H04M1/00 S
B60R11/02 M
B60R16/02 655Z
G10L15/00 200B
G10L15/00 200J
G10L15/10 200W
H04M11/06
H04N7/14 110
H04N21/439
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023567303
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(86)【国際出願番号】 JP2021045940
(87)【国際公開番号】W WO2023112113
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2024-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根岸 廣人
(72)【発明者】
【氏名】加峯 昂生
(72)【発明者】
【氏名】床井 晶勅
(72)【発明者】
【氏名】野田 靖之
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-213791(JP,A)
【文献】特開平07-012914(JP,A)
【文献】特開2008-053937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
B60R 16/02
G10L 15/00
G10L 15/10
H04N 7/14
H04N 21/439
H04M 1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と共に移動する第1装置によって取得された前記車両における音声及び映像を第2装置に逐次送信する音声映像通信を行う通信システムであって、
前記車両の搭乗者からの音声に応じて、前記音声に基づいて特定される宛先に前記第1装置との接続に用いる接続情報を送信する送信部と、
前記接続情報を用いた前記第2装置からの接続試行に応じて、前記第1装置と前記第2装置とを通信可能に接続する通信接続部と、
を有し、
前記通信接続部は、前記接続情報を用いた接続試行に応じて、音声映像通信を開始するか否かの応答を求める確認メッセージを前記第1装置にて報知させ、
前記確認メッセージに対する応答に応じて、前記第1装置と前記第2装置とを通信可能に接続することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記車両の搭乗者からの音声について音声認識を行う音声認識部を有し、
前記送信部は、前記音声認識部による音声認識の結果に基づいて特定される宛先に前記接続情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
複数の宛先の情報を記憶する記憶部を有し、
前記音声認識部は、前記車両の搭乗者からの音声を文字列に変換し、
前記送信部は、前記音声認識部により変換された文字列に対応する宛先を前記記憶部から読み出し、当該読み出された宛先に前記接続情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
複数の宛先と当該複数の宛先の各々を示す音声パターンとを関連付けて記憶する記憶部を有し、
前記送信部は、前記音声認識部による音声認識の結果に基づいて、当該認識された音声に対応する音声パターンに関連づけられた宛先を前記記憶部から読み出して当該読み出された宛先に前記接続情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項5】
車両において撮像された映像及び前記車両の搭乗者からの音声を逐次送信する音声映像通信を行う情報処理装置であって、
前記車両の搭乗者からの音声について音声認識を行う音声認識部と、
前記音声認識部による音声認識の結果に基づいて特定される宛先に、前記音声映像通信に用いる接続情報を送信する送信部と、
前記接続情報を用いた接続試行に応じて、音声映像通信を開始するか否かの応答を求める確認メッセージを報知し、当該確認メッセージに対する前記車両の搭乗者からの応答に応じて、前記車両の搭乗者側の装置と前記宛先に対応する相手側の装置とを通信可能に接続する通信接続部と、
をすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
複数の宛先の情報を記憶する記憶部を有し、
前記音声認識部は、前記車両の搭乗者からの音声を文字列に変換し、
前記送信部は、前記音声認識部により変換された文字列に対応する宛先を前記記憶部から読み出し、当該読み出された宛先に前記接続情報を送信することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数の宛先と当該複数の宛先の各々を示す音声パターンとを対応付けて記憶する記憶部を有し、
前記送信部は、前記音声認識部による音声認識の結果に基づいて、対応する宛先を前記記憶部から読み出すことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
車両において撮像された映像及び前記車両の搭乗者からの音声を逐次送信する音声映像通信を行う情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
前記車両の搭乗者からの音声について音声認識を行う音声認識ステップと、
前記音声認識の結果に基づいて特定される宛先に、前記音声映像通信に用いる接続情報を送信するステップと、
前記接続情報を用いた接続試行に応じて、音声映像通信を開始するか否かの応答を求める確認メッセージを報知し、当該確認メッセージに対する前記車両の搭乗者からの応答に応じて、前記車両の搭乗者側の装置と前記宛先に対応する相手側の装置とを通信可能に接続する通信接続ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
車両において撮像された映像及び前記車両の搭乗者からの音声を逐次送信する音声映像通信を行う情報処理装置に、
前記車両の搭乗者からの音声について音声認識を行う音声認識ステップと、
前記音声認識の結果に基づいて特定される宛先に、前記音声映像通信に用いる接続情報を送信するステップと、
前記接続情報を用いた接続試行に応じて、音声映像通信を開始するか否かの応答を求める確認メッセージを報知し、当該確認メッセージに対する前記車両の搭乗者からの応答に応じて、前記車両の搭乗者側の装置と前記宛先に対応する相手側の装置とを通信可能に接続する通信接続ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
車両において撮像された映像及び前記車両の搭乗者からの音声を逐次送信する音声映像通信を行う情報処理装置に、
前記車両の搭乗者からの音声について音声認識を行う音声認識ステップと、
前記音声認識の結果に基づいて特定される宛先に、前記音声映像通信に用いる接続情報を送信するステップと、
前記接続情報を用いた接続試行に応じて、音声映像通信を開始するか否かの応答を求める確認メッセージを報知し、当該確認メッセージに対する前記車両の搭乗者からの応答に応じて、前記車両の搭乗者側の装置と前記宛先に対応する相手側の装置とを通信可能に接続する通信接続ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラムを記憶する記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記録媒体に関し、例えば、移動体からの映像を外部に提供するための通信システム、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される車載機と当該車両の外部に位置する車外端末との間で通信を行う通信ステムがある。例えば、特許文献1には、車両の運転者と車外端末の操作者との間で音声通話を行い、当該音声通話がなされているときに、車両の前方の映像を表す映像データを車載機から車外端末に送信し、当該映像を車外端末に表示させるシステムが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-213791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなシステムでは、車両を運転するドライバーがダッシュボード等に配置された操作部を用いて音声通話の開始を要求する操作を行うことにより、音声通話のための通信が確立される。しかし、ドライバーが操作部を操作することができるのは車両が停車中のタイミングに限られ、運転中は操作することができないため、車両が走行を開始した後は音声通話をスムーズに開始することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、車両の走行中に任意のタイミングで音声映像通信を開始することが可能な通信システムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、車両と共に移動する第1装置によって取得された前記車両における音声及び映像を第2装置に逐次送信する音声映像通信を行う通信システムであって、前記車両の運転者からの音声に応じて、前記音声に基づいて特定される宛先に前記第1装置との接続に用いる接続情報を送信する送信部と、前記接続情報を用いた前記第2装置からの接続試行に応じて、前記第1装置と前記第2装置とを通信可能に接続する通信接続部と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項5に記載の発明は、車両において撮像された映像及び前記車両の搭乗者からの音声を逐次送信する音声映像通信を行う情報処理装置であって、前記車両の搭乗者からの音声について音声認識を行う音声認識部と、前記音声認識部による音声認識の結果に基づいて特定される宛先に、前記音声映像通信に用いる接続情報を送信する送信部と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に係る通信システムの全体構成図である。
図2】実施例1に係る車両の前席部分の構成を示す図である。
図3】実施例1に係る端末装置20の構成及び端末装置20における画像の表示態様を示す図である。
図4】実施例1に係る車載装置のブロック図である。
図5】登録者データベースに格納されている情報の一例を示す図である。
図6】車載装置から送信される招待メッセージの一例を示す図である。
図7】実施例1に係るサーバのブロック図である。
図8】実施例1に係る端末装置のブロック図である。
図9】車載装置の制御部が実行する開始処理ルーチンを示すフローチャートである。
図10】サーバの制御部が実行する接続処理ルーチンを示すフローチャートである。
図11】車載装置が実行する音声映像送信処理ルーチンを示すフローチャートである。
図12】サーバが実行する音声映像送信処理ルーチンを示すフローチャートである。
図13】登録者データベースに格納されている情報の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下の実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一または等価な部分には同一の参照符号を付している。
【0010】
図1は、本実施例に係る通信システム100の全体構成図である。図1に示すように、通信システム100は、移動体としての車両Mに搭載されている車載装置10と端末装置20とサーバ30とが、ネットワークNWを介して接続されて構成されている。
【0011】
本実施例において、車載装置10とサーバ30とがネットワークNWを介して接続され、端末装置20とサーバ30とがネットワークNWを介して接続されている。言い換えれば、車載装置10と端末装置20とは、サーバ30を介して情報の送受信が可能な構成となっている。
【0012】
ネットワークNWは、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)又は5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の基地局への接続を介して通信を行う移動体通信網を経由するネットワークである。
【0013】
図2は、実施例1に係る車載装置10が搭載されている車両Mの前席部分を示す図である。車載装置10は、車両M内に設置された車外撮影カメラ11、車内撮影カメラ12、GPS受信機13、マイク14、タッチパネルディスプレイ15及びスピーカー16の各々に接続されており、これらを制御する制御部を含む。車載装置10は、例えば、車両Mの前席のダッシュボードDB内の中央部に配置されている。
【0014】
第1撮影部としての車外撮影カメラ11は、車両Mの外部の状況を撮影する撮像装置である。本実施例において、車外撮影カメラ11は、フロントガラスFGを介して車両Mの前方の広い領域を撮影する広角カメラである。本実施例において、車外撮影カメラ11は、ダッシュボードDB上に配されている。
【0015】
第1撮影部としての車内撮影カメラ12は、車両Mの内部の状況を撮影する撮像装置である。本実施例において、車内撮影カメラ12は、車両Mの運転者を撮影するカメラである。本実施例において、車内撮影カメラ12は、フロントガラスFGの上端または当該上端付近の天井部に設けられている。
【0016】
なお、上記した車外撮影カメラ11及び車内撮影カメラ12は、第1撮影部として1台のカメラで車両Mの外部の映像及び車両Mの内部の映像が撮影可能な多方向カメラであってもよい。
【0017】
GPS受信機13は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号(GPS信号)を受信する受信機である。本実施例において、GPS受信機13は、ダッシュボードDB上に配されている。
【0018】
第1集音部としてのマイク14は、車内の音、例えば車両Mの運転者や同乗者(以下、これらをまとめて搭乗者と称する)が発した音声を受けて電気信号に変換する音声入力装置である。本実施例において、マイク14は、ダッシュボードDB上に配されている。
【0019】
第1表示部としてのタッチパネルディスプレイ15は、車載装置10の制御に基づいて画面表示を行うディスプレイと、車両Mの搭乗者からの入力操作を受け付けるタッチパネルとが組み合わされている表示装置である。本実施例において、タッチパネルディスプレイ15は、ダッシュボードDBの中央部に配されている。
【0020】
タッチパネルディスプレイ15には、例えば、地図に車両Mの現在の位置(以後、現在位置とも称する)及び移動予定経路(以後、移動経路とも称する)が重畳されたナビゲーション画像が表示される。
【0021】
第1音出力部としてのスピーカー16は、外部から送信された電気信号に基づいて音声を出力する音声出力装置である。本実施例において、スピーカー16は、2つのAピラーAPの各々にそれぞれ設けられている。
【0022】
本実施例において、車両Mの搭乗者は、車載装置10に接続されているマイク14及びスピーカー16を介して端末装置20の操作者(以下、ユーザとも称する)と音声通話可能である。
【0023】
上記した車両Mの前席部分における車載装置10、車外撮影カメラ11、車内撮影カメラ12、GPS受信機13、マイク14、タッチパネルディスプレイ15及びスピーカー16の各々の位置は例示に過ぎず、これらは他の位置に配されていてもよい。
【0024】
例えば、車外撮影カメラ11は、車両Mの前方の状況を撮影可能であればどこに設けられていてもよく、フロントガラスFGの上端または当該上端付近の天井部に設けられていてもよい。
【0025】
本実施例において、車載装置10は、車外撮影カメラ11によって撮影された車両Mの外部の映像である「車外映像」又は車内撮影カメラ12によって撮影された車両Mの内部の映像である「車内映像」のいずれか一方を示す映像情報を、サーバ30を介して端末装置20に逐次送信する。なお、車内映像及び車外映像のどちらを送信するかは、タッチパネルディスプレイ15を用いた操作により事前に選択することが可能である。また、車載装置10は、車両Mの現在位置の情報及び車両Mの移動経路の情報をサーバ30に逐次送信する。
【0026】
図3は、端末装置20の構成及び端末装置20に表示される画像の表示態様を示す図である。端末装置20は、フレームFと、当該フレームFに収められているマイク21、スピーカー22及びタッチパネルディスプレイ23とを含む通信機器である。本実施例において、端末装置20は、通信を介して他者との通話が可能なスマートフォンである。
【0027】
第2集音部としてのマイク21は、端末装置20のユーザが発した音声を受けて電気信号に変換する音声入力装置である。マイク21は、端末装置20の一端部側に設けられている。
【0028】
音出力部又は第2音出力部としてのスピーカー22は、外部から送信された電気信号に基づいて音声を出力する音声出力装置である。スピーカー22は、端末装置20の他端部側に設けられている。
【0029】
上記した車載装置10の第1集音部としてのマイク14によって集音された音を示す第1音情報は、端末装置20の制御部によって音出力部としてのスピーカー22から音出力される。言い換えれば、端末装置20の制御部は、スピーカー22を制御して移動体音としての車両Mにおいて集音された音を出力する音出力制御部である。
【0030】
第2集音部としてのマイク21によって集音された音を示す第2音情報は、上記した車載装置10の制御部によって第1音出力部としてのスピーカー16から音出力される。
【0031】
表示部又は第2表示部としてのタッチパネルディスプレイ23は、端末装置20の制御に基づいて画面表示を行うディスプレイと、端末装置20のユーザからの入力操作を受け付けるタッチパネルとが組み合わされている表示装置である。タッチパネルディスプレイ23は、端末装置20の中央に設けられている。
【0032】
本実施例において、端末装置20の操作者は、上記したマイク21及びスピーカー22を介して車載装置10が搭載されている車両Mの運転者と音声通話可能に構成されている。
【0033】
本実施例において、端末装置20は、車載装置10から送信された映像情報を、サーバ30を介して逐次受信する。具体的には、端末装置20は、車両Mにおいて撮影された車内映像又は車外映像の映像情報を、車載装置10からサーバ30を介して逐次受信する。
【0034】
また、本実施例において、端末装置20は、サーバ30から逐次送信される地図画像を示す画像データを逐次受信する。具体的には、端末装置20は、サーバ30が車両Mの現在位置及び移動経路に基づいて生成した地図画像を示す画像データを逐次受信する。
【0035】
上記したように、本実施例において、通信システム100は、車載装置10を搭載した車両Mの運転者と端末装置20の操作者とが互いに音声通話可能に構成されている。また、本実施例において、通信システム100は、車外撮影カメラ11によって撮影されている車両Mの外部の映像及び車両Mの現在位置と移動経路とを含む地図画像が、端末装置20のタッチパネルディスプレイ23にリアルタイム表示可能に構成されている。
【0036】
言い換えれば、通信システム100は、車載装置10が端末装置20に対してライブストリーミングを実施可能に構成されている。
【0037】
本実施例において、車載装置10と端末装置20との間の音声通信を確立しつつ、車載装置10から端末装置20に、車両Mの外部の映像等の映像と車両Mの現在位置と移動経路とをリアルタイムで送信する通信形態を、ここでは音声映像通信と称する。本実施例において、車載装置10と端末装置20とは、サーバ30を介して音声映像通信を行っている。この音声映像通信により、端末装置20を使用するユーザは、車両Mに仮想的に同乗する仮想同乗(Virtual Passenger、以下“VP”と称する)の体験をすることができる。
【0038】
端末装置20が受信した上記映像及び地図画像は、タッチパネルディスプレイ23に表示される。例えば、図3に示すように、第1の表示領域A1には、上記した車両Mの外部(前方)の映像が表示され、第2の表示領域A2には、車両Mの現在位置PL及び車両Mの移動経路Rが記されている地図画像が表示される。第1の表示領域A1は、第2の表示領域A2よりも大きい。言い換えれば、車両Mの外部の映像は、地図画像よりも大きい態様で表示されている。
【0039】
次に、通信システム100を構成する車載装置10、サーバ30及び端末装置20の各々の構成について、図4~7を参照して説明する。
【0040】
図4は、車載装置10の構成を示すブロック図である。制御部17は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)を含む処理装置である。
【0041】
記憶部18は、制御部17の処理に必要なデータを記憶管理する記憶デバイスである。記憶部18は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイスによって構成されている。記憶部18は、地図データを記憶している。また、記憶部18は、音声映像通信の相手として登録されている通話者(以下、登録通話者と称する)及びその連絡先情報を格納する登録者データベース181(以下、登録者DB181と称する)を有する。
【0042】
図5は、登録者DB181に登録されている情報の一例を示す図である。登録者DB181には、登録通話者の氏名及び招待メッセージの宛先となる連絡先の情報が格納されている。本実施例では、例えばスマートフォン等の電話番号が連絡先の情報として登録者DB181に格納されている。
【0043】
再び図4を参照すると、通信部19は、制御部17の指示に従って外部機器とのデータの送受信を行う通信装置である。通信部19は、例えば、ネットワークNWに接続するためのNIC(Network Interface Card)を含む。通信部19は、例えば、車両Mにおいて取得された音声、車両Mの車内映像又は車外映像、及び車両Mの現在位置情報をサーバ30に送信する送信部として機能する。
【0044】
ここで、制御部17の機能ブロックである音声認識部171及び招待メッセージ送信部172について説明する。
【0045】
音声認識部171は、マイク14から入力された音声(以下、入力音声と称する)について音声認識を行う機能ブロックである。音声認識部171は、入力音声を文字列に変換することにより、音声認識を行う。例えば、車両Mの運転者によって「AさんとVP!」という音声による呼びかけがなされた場合、音声認識部171は、これを文字列に変換し、Aさんとの音声映像通信の開始を求める音声として音声認識する。
【0046】
招待メッセージ送信部172は、音声映像通信のための通信接続に用いる接続情報を含む招待メッセージを生成する。この接続情報は、例えばURL(Uniform Resource Locator)等から構成され、車両Mの外部から車載装置10との音声映像通信の通信接続を確立するための接続試行の操作に用いる接続情報である。招待メッセージ送信部172は、音声認識部171による音声認識の結果及び登録者DB181に格納されている連絡先情報により特定される宛先に向けて、招待メッセージを送信する。招待メッセージの送信は、例えば電話番号を宛先とするショートメッセージサービスを用いて行われる。
【0047】
図6は、車載装置10から送信される招待メッセージの一例を示す図である。ここでは、招待メールが端末装置20によって受信され、タッチパネルディスプレイ23に表示される場合を例として示している。
【0048】
招待メッセージには、接続情報としてのURLが記載されている。末装置20を操作する操作者は、招待メールに記載されているURLにアクセスして接続試行の操作を行う。この接続試行の操作に対し、運転者の確認操作が行われることにより、音声映像通信のための接続が確立される。
【0049】
図7は、サーバ30の構成を示すブロック図である。制御部31は、CPUやRAMを含む処理装置である。
【0050】
通信部32は、制御部31の指示に従って外部機器とのデータの送受信を行う通信装置である。通信部32は、例えば、ネットワークNWに接続するためのNICを含む。
【0051】
通信部32は、例えば、車両Mの外部及び内部の映像、車両Mの内部において取得された音声、及び車両Mの現在位置の情報を車載装置10から受信する受信部として機能する。また、通信部32は、例えば、車両Mの外部及び内部の映像、及び車両Mの内部において取得された音声を端末装置20に送信する送信部として機能する。
【0052】
記憶部33は、制御部31の処理に必要なデータを記憶管理する記憶デバイスである。記憶部33は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、SSD等の記憶デバイスによって構成されている。
【0053】
ここで、制御部31の機能ブロックについて説明する。各機能ブロックは、例えば記憶部33に格納されているプログラムを制御部31が読み出して実行することにより形成される。
【0054】
映像情報取得部34は、車載装置10から逐次送信される映像情報を、通信部32を介して取得する機能ブロックである。具体的には、映像情報取得部34は、車載装置10から送信された車両Mの車内映像又は車外映像を映像情報として取得する。映像情報取得部34は、受信した映像情報を、通信部32を介して端末装置20に転送する。
【0055】
車両情報取得部35は、車載装置10から逐次送信される現在位置情報、すなわち車両Mの現在位置情報を逐次取得する機能ブロックである。
【0056】
音声通信制御部36は、車載装置10と端末装置20との音声通信を制御する機能ブロックである。具体的には、音声通信制御部36は、音声映像通信において、車載装置10と端末装置20との間の音声通話を確立し、当該音声通話のデータを転送する機能を有する。
【0057】
接続制御部37は、車載装置10と端末装置20との間の音声映像通信の接続制御を行う機能ブロックである。例えば、接続制御部37は、車載装置10から送信された招待メッセージに含まれる接続情報を用いて、端末装置20において接続試行の操作が行われた場合、車両Mの運転者に音声映像通信のための接続を確立するか否かを確認する確認メッセージを、通信部32を介して車載装置10に送信する。
【0058】
図8は、端末装置20の構成を示すブロック図である。制御部24は、CPUやRAMを含む処理装置である。
【0059】
通信部25は、制御部24の指示に従って外部機器とのデータの送受信を行う通信装置である。通信部25は、例えば、ネットワークNWに接続するためのNICを含む。
【0060】
通信部25は、例えば、車両Mの外部の映像や車両Mの内部の映像をサーバ30から受信する受信部として機能する。また、通信部25は、タッチパネルディスプレイ23を用いた操作入力に応じた情報をサーバ30に送信する送信部として機能する。
【0061】
次に、本実施例における車載装置10、端末装置20及びサーバ30の各々の具体的な動作の一例を、フローチャートを用いて説明する。
【0062】
まず、車載装置10と端末装置20との間の音声映像通信のための接続(以後、音声映像通信接続と称する)を確立するための接続処理について説明する。
【0063】
音声映像通信接続の処理は、車両Mの運転者が、マイク14に向かって音声映像通信の開始を要求する音声を発したことをトリガーとして開始される。例えば、車両Mの運転者は、「Aさん」を相手方として音声映像通信を開始したい場合、マイク14に向かって、車載装置10の音声認識機能を起動するための起動音声(ウェイクワード)を発し、続けてAさんとの音声映像通信の開始を要求する音声、例えば「AさんとVP!」という音声を発する。車載装置10の制御部17は、マイク14を介して音声が入力されたことをトリガーとして開始処理ルーチンを開始する。
【0064】
図9は、車載装置10と端末装置20との間の音声映像通信接続の接続処理において、車載装置10の制御部17が実行する開始処理ルーチンRST1を示すフローチャートである。
【0065】
制御部17は、車両Mの内部で発せられた音声、すなわち車両Mの搭乗者からのがマイク14を介して入力されたか否かを判定する(STEP101)。
【0066】
音声が入力されていないと判定すると(STEP101:NO)、開始処理ルーチンRST1を終了する。一方、音声が入力されたと判定すると(STEP101:YES)、制御部17の音声認識部171は、入力音声に対して音声認識を行う(STEP102)。
【0067】
制御部17は、音声認識部171による音声認識の結果に基づいて、入力音声が登録通話者との音声映像通信の開始を求める音声であるか否かを判定する(STEP103)。
【0068】
音声映像通信の開始を求める音声ではないと判定すると(STEP103:NO)、開始処理ルーチンRST1を終了する。一方、音声映像通信の開始を求める音声であると判定すると(STEP103:YES)、制御部17は、音声認識部171の音声認識により特定された登録通話者の連絡先情報を登録者DB181から読み出す(STEP104)。例えば、音声認識部171の音声認識により、音声映像通信の相手方として要求された登録通話者が「Aさん」であると特定された場合、制御部17は、登録者DB181からAさんの連絡先情報「090-11××-××××」を読み出す。
【0069】
制御部17の招待メッセージ送信部172は、音声映像通信のための接続情報を含む招待メッセージを生成し、生成した招待メッセージをSTEP104で読み出された連絡先情報に対応する宛先に向けて送信する(STEP105)。
【0070】
招待メッセージを受信した登録通話者(例えば、Aさん)は、接続情報を用いて接続試行の操作を行う。例えば、端末装置20によって招待メッセージを受信した場合、登録通話者は端末装置20のタッチパネルディスプレイ23を操作して招待メッセージに含まれる接続情報としてのURLをクリックすることにより、接続試行の操作を行う。この接続試行の操作に応じてサーバ30が音声映像通信接続の処理を行うことにより、車載装置10と端末装置20との間の音声映像通信の接続が確立される。
【0071】
図10は、サーバ30の制御部31が実行する音声映像通信接続の処理ルーチンRST2を示すフローチャートである。
【0072】
制御部31は、招待メッセージに含まれる接続情報を用いて接続試行の操作が行われたか否かを判定する(STEP201)。
【0073】
接続試行の操作が行われていないと判定すると(STEP201:NO)、処理ルーチンRST2を終了する。一方、接続試行の操作が行われたと判定すると(STEP201:YES)、制御部31は、音声通信接続を行うか否かを車両Mの運転者に確認する確認メッセージを、通信部32を介して車載装置10に送信する(STEP202)。
【0074】
送信された確認メッセージは、車載装置10の通信部19によって受信され、車両Mの搭乗者に向けて報知される。例えば、「Aさんとの音声通信接続を開始しますか?」という文言の確認メッセージが、車載装置10のタッチパネルディスプレイ15に表示される。
【0075】
車両Mの運転者は、タッチパネルディスプレイ15に表示された確認メッセージに対し、音声で応答を行う。例えば、車両Mの運転者は、「開始します」という音声での応答を行う。なお、ここでは音声通信接続を開始する旨の応答を「確認応答」と称する。確認応答の音声はマイク14を介して車載装置10に入力され、音声認識部171による音声認識が行われる。制御部17は、音声認識部171による音声認識の結果に基づいて、確認応答を示す情報をサーバ30に送信する。
【0076】
サーバ30の制御部31は、車載装置10からの確認応答を、通信部32を介して受信したか否かを判定する(STEP203)。例えば、制御部31は、車載装置10から音声通話接続を行わない旨の応答があった場合、及びSTEP202の確認メッセージの送信から所定時間内に車載装置10からの確認応答がなかった場合、確認応答を受信していないと判定する。制御部31は、確認応答を受信していないと判定すると(STEP203:NO)、処理ルーチンRST2を終了する。
【0077】
一方、確認応答を受信したと判定すると(STEP203:YES)、制御部31の接続制御部37は、車載装置10と端末装置20との間の音声映像通信接続を確立する(STEP204)。
【0078】
車載装置10の制御部17は、サーバ30による音声映像通信接続の確立に応じて、車両Mにおいて取得された音声及び映像をサーバ30に送信する音声映像送信処理ルーチンREX1を開始する。
【0079】
図11は、車載装置10の制御部17が実行する音声映像送信処理ルーチンREX1を示すフローチャートである。
【0080】
制御部17は、車載装置10と端末装置20との間の音声映像通信接続が確立され、音声映像通信が開始されたか否かを判定する(STEP301)。制御部17は、音声映像通信が開始されていないと判定すると(STEP301:NO)、音声映像送信処理ルーチンREX1を終了する。
【0081】
一方、音声映像通信が開始されたと判定すると(STEP301:YES)、制御部17は、車外撮影カメラ11によって撮影された車両Mの外部の映像、車内カメラ12によって撮影された車両Mの内部の映像、及びマイク14を介して入力された音声を、サーバ30に逐次送信する(STEP302)。
【0082】
制御部17は、音声映像通信が終了したか否かを判定する(STEP303)。音声映像通信が終了していないと判定すると(STEP303:NO)、STEP102に戻り、制御部17は映像及び音声の送信を繰り返し実行する。一方、音声映像通信が終了したと判定すると(STEP303:YES)、制御部17は、映像及び音声の送信を停止し(STEP304)、処理を終了する。
【0083】
車載装置10の制御部17は、上記した音声映像送信処理ルーチンREX1によって、車載装置10と端末装置20との音声映像通信が継続する限り、映像及び音声をサーバ30に送信し続ける。
【0084】
図12は、サーバ30の制御部31が実行する音声映像送信処理ルーチンREX2を示すフローチャートである。
【0085】
制御部31は、車載装置10と端末装置20との間の音声映像通信接続が確立され、音声映像通信が開始されたか否かを判定する(STEP401)。制御部31は、音声映像通信が開始されていないと判定すると(STEP401:NO)、音声映像送信処理ルーチンREX2を終了する。
【0086】
一方、音声映像通信が開始されたと判定すると(STEP401:YES)、制御部31の映像情報取得部34及び音声接続制御部36は、車載装置10から送信された映像及び音声の逐次受信を開始する(STEP402)。
【0087】
制御部31は、STEP402で受信した映像及び音声を、端末装置20に転送する(STEP403)。
【0088】
制御部31は、音声映像通信が終了したか否かを判定する(STEP404)。音声映像通信が終了していないと判定すると(STEP404:NO)、STEP402に戻り、制御部31は、映像及び音声の受信、転送を継続する。
【0089】
一方、音声映像通信が終了したと判定すると(STEP404:YES)、制御部31は、映像及び音声の受信、転送を停止し(STEP405)、処理を終了する。
【0090】
以上のように、本実施例の通信システム100では、車両Mの運転者が、音声映像通信を開始すること及びその相手方を誰とするかを内容とする音声による呼びかけを行い、この音声による呼びかけに応じて連絡先情報を読み出し、接続処理を行うことにより、音声映像通信の接続が確立される。
【0091】
かかる構成によれば、運転者は音声映像通信を開始する際に車載装置10のタッチパネル等の操作を行う必要がないため、車両の走行中に任意のタイミングで音声映像通信を開始することが可能となる。
【0092】
なお、本発明は上記実施例で示したものに限られない。例えば、上記実施例では、音声認識部171がマイク14を介して入力された音声を文字列に変換し、変換された文字列に対応する宛先を招待メッセージ送信部172が登録者DB181から読み出して招待メッセージを送信する場合を例として説明した。しかし、音声認識部171は、例えばマイク14を介して入力された音声が登録者DB181に格納されている音声パターンと一致するか否かを判定することにより音声認識を行ってもよい。
【0093】
図13は、登録通話者の宛先とその宛先に対応する音声パターンが登録者データベースに登録されている場合の登録情報の一例を示す図である。音声認識部171は、マイク14を介して入力された入力音声と一致する音声パターンが登録者データベースに格納されているか否かを判定する。制御部17は、入力音声と一致する音声パターンに対応する登録通話者の連絡先の情報を読み出す。招待メッセージ送信部172は、読み出された連絡先の情報により特定される宛先に招待メッセージを送信する。
【0094】
また、上記実施例では、車載装置10が車外撮影カメラ11で撮影された車外映像及び車内撮影カメラ12で撮影された車内映像のいずれか一方をサーバ30に送信する場合を例として説明した。しかし、車載装置10がサーバ30に送信する段階では車外映像及び車内映像の両方を送信しておき、サーバ30が端末装置20に転送する段階で車外映像及び車内映像のいずれか一方を端末装置20に送信する構成としてもよい。また、サーバ30が車外映像及び車内映像の両方を端末装置20に送信し、端末装置20においていずれの映像を表示させるかを選択可能に構成されていてもよい。また、端末装置20のタッチパネルディスプレイ23に車内映像及び車外映像を同時に表示し、一方をメイン画面、他方をサブ画面として異なる大きさで表示するように構成されていてもよい。
【0095】
また、上記実施例では、スマートフォン等の電話番号が連絡先の情報として登録者DB181に格納され、電話番号を宛先とするショートメッセージサービスを用いて招待メッセージを送信する場合を例として説明した。しかし、これに限られず、電子メールのメールアドレスを連絡先の情報として登録者DB181に格納し、電子メールによって招待メッセージを送信する構成であってもよい。また、上記実施例の図5に示した処理ルーチンでは、招待メッセージ送信部172が連絡先情報の読み出し後に招待メッセージを作成しているが、宛先以外の部分、すなわち招待メッセージの内容に関する部分は当該処理ルーチンの実行以前に予め作成しておいてもよい。
【0096】
また、ショートメッセージサービスを用いて招待メッセージを送信する場合、文字数の制限があるため、メッセージ本文が長くなる場合には、苗字又は名前のいずれかのみを選択して招待メッセージに載せてもよい。例えば、図6に示す招待メッセージの例では、「山田太郎さん」が「山田さん」又は「太郎さん」として表示される。
【0097】
また、車載装置10において車両Mの助手席等への同乗者の有無を検出し、同乗者の有無に関する情報を招待メッセージに加えて送信してもよい。同乗者の有無は、例えば車内撮影カメラ12によって取得された車内映像やシートベルトの検知情報等に基づいて検出することができる。これにより、音声映像通信の相手方である登録通話者は、車両Mの同乗者の有無を事前に覚知することが出来る。
【0098】
また、招待メッセージの送信に加えて、車載装置10において案内経路(移動予定経路)が設定されているか否かを検出し、案内経路の有無、運転予測時間、目的地の情報、案内経路の地図のURL等をメッセージとして送信してもよい。これにより、音声映像通信の相手方である登録通話者は、音声映像通信への参加前に経路や運転時間等の情報を確認することが出来る。
【0099】
また、上記の通り、ショートメッセージサービスには文字制限があるため、メッセージとして送信する情報に優先順位を付けてもよい。例えば、名前が最も優先順位が高く、続いて同乗者の有無、苗字、経路設定の有無、目的地、経路を示すURL、の順に優先順位が設定される。文字数の関係で全ての情報をメッセージに載せることができない場合には、優先順位が下位のものは送信情報から省略される。
【0100】
また、上記実施例では、車載装置10と一台の端末装置(一人の登録通話者)との間で音声映像通信を行う場合を例として説明した。しかし、音声映像通信に参加する端末装置は複数であってもよい。複数の端末装置と同時に音声通信を行う場合には、参加するユーザの情報を招待メッセージに加えて送信してもよい。
【0101】
また、上記実施例では、招待メッセージに含まれる接続情報を用いて接続試行の操作が行われ、その接続試行に対する運転者による音声での確認応答がなされた場合に音声映像通信接続を行う場合を例として説明した。しかし、運転者による確認応答は音声によるものに限られず、タッチパネルディスプレイ15を操作して確認応答を行ってもよい。また、運転者による確認応答を経ることなく、接続情報を用いて接続試行が行われたことに応じて音声映像接続を行う構成であってもよい。
【0102】
また、上記実施例において説明した車載装置10の制御部17やサーバ30の制御部31における一連の処理は、コンピュータが所定のプログラムを実行することにより行うものであってもよい。当該プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。記録媒体のタイプは、特に限定されず、例えば、光ディスク、ハードディスク、またはフラッシュメモリもしくはSSD等の半導体メモリであってもよい。また、上記プログラムは、通信を介して車載装置10、サーバ30及び端末装置20にダウンロードされインストールされてもよい。
【0103】
また、上記実施例において示した制御ルーチンは例示に過ぎず、用途または使用条件等に応じて適宜選択及び変更可能である。
【符号の説明】
【0104】
100 通信システム
10 車載装置
11 車外撮影カメラ
12 車内撮影カメラ
13 GPS受信機
14 マイク
15 タッチパネルディスプレイ
16 スピーカー
17 制御部
171 音声認識部
172 招待メッセージ送信部
18 記憶部
181 登録者DB
19 通信部
20 端末装置
21 マイク
22 スピーカー
23 タッチパネルディスプレイ
24 制御部
25 通信部
30 サーバ
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
34 映像情報取得部
35 車両情報取得部
36 音声通信制御部
37 接続制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13