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  • -ベルトコンベア装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-11-26
(45)【発行日】2025-12-04
(54)【発明の名称】ベルトコンベア装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 45/12 20060101AFI20251127BHJP
【FI】
B65G45/12 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2025555639
(86)(22)【出願日】2025-08-18
(86)【国際出願番号】 JP2025028888
【審査請求日】2025-09-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】525039521
【氏名又は名称】諸永 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 滋人
(72)【発明者】
【氏名】諸永 健次郎
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-20311(JP,U)
【文献】特開昭60-144226(JP,A)
【文献】特開2015-36327(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3699116(EP,A1)
【文献】国際公開第2025/062516(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 45/00-45/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドプーリー及びテールプーリーにて折り返されて環状に形成されていてその搬送面に搬送物が載置されて走行する搬送ベルトと、
前記搬送面が下側を向いている位置にて前記搬送面に当接して前記搬送面に付着している前記搬送物の一部である付着搬送物を掻き落とすためのベルトクリーナーユニットとを備え、
前記ベルトクリーナーユニットは、前記搬送ベルトの幅方向に対してその長さの異なる長ベルトクリーナー及び短ベルトクリーナーを有し、
前記短ベルトクリーナーは前記長ベルトクリーナーの上流側に位置していることを特徴とするベルトコンベア装置。
【請求項2】
前記搬送面が下側を向いて走行している位置での前記搬送ベルトを上側から押圧する当てローラーとをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のベルトコンベア装置。
【請求項3】
前記当てローラーの下側に前記ベルトクリーナーユニットが配設されていることを特徴とする請求項2に記載のベルトコンベア装置。
【請求項4】
前記ベルトクリーナーユニットにて掻き落とされた前記付着搬送物を収容されるホッパーとをさらに備え、前記ホッパーは、少なくとも前記短ベルトクリーナーの下側に位置していることを特徴とする請求項1に記載のベルトコンベア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトクリーナーの能力を最大に引き出し、ベルトコンベアの問題の解決を図るためのベルトコンベア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
所定の搬送路に沿って移動するコンベア装置の搬送ベルトを清掃するベルト清掃除菌装置が知られている(例えば特許文献1参照)。搬送を繰り返すにつれ、搬送ベルトには搬送物が付着して形成された付着搬送物がこびりついてしまうため、これを除去する必要がある。このベルト清掃除菌装置は、搬送ベルトに流体を供給する流体供給部と、その下流側にあるベルトクリーナーと、さらにその下流側に設けられる拭取ベルトを備えて付着搬送物を除去しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-222081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のベルト清掃除菌装置は、ベルトクリーナーが搬送ベルトの幅方向全域に亘って形成されている。搬送ベルトは、実際には湾曲して撓んで走行しているため、搬送ベルトと当接すべき部分が直線上のベルトクリーナーでは、この湾曲した部分の付着搬送物を掻き落とすことができない。この撓みによる湾曲の程度はベルトコンベア装置の大きさ等によって異なるので、ベルトクリーナーをベルトの湾曲に沿った形状とすることは、個々のベルトコンベア装置に応じてベルトクリーナーの湾曲の程度も個々に作成しなければならず、現実的ではない。
【0005】
さらに、搬送ベルトの湾曲部分とベルトクリーナーとの間に隙間がある状態だと、付着搬送物の一部がベルトクリーナーにこびりつき、このこびりついた付着搬送物にさらに後続する付着搬送物がこびりつく。したがって付着搬送物がベルトクリーナーに付着して保持される状態が続く。これがベルト環境を悪化させる原因となり、研磨剤となって付随するものを傷つけてしまう。これは、搬送ベルトの寿命を短くしてしまう要因となる。すなわち、湾曲した搬送ベルトに対して直線形状のベルトクリーナーを搬送ベルトの幅方向全域に亘って配置することは、付着搬送物の確実な掻き落としを実現できないだけでなく、搬送ベルトの長寿命化を妨げることになる。
【0006】
本発明は、上記従来技術を考慮したものであり、ベルト能力を最大限に引き出すために、ベルトクリーナーによって付着搬送物を確実に掻き落として、ベルトの長寿命化を図るためのベルトコンベア装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明では、ヘッドプーリー及びテールプーリーにて折り返されて環状に形成されていてその搬送面に搬送物が載置されて走行する搬送ベルトと、前記搬送面が下側を向いている位置にて前記搬送面に当接して前記搬送面に付着している前記搬送物の一部である付着搬送物を掻き落とすためのベルトクリーナーユニットとを備え、前記ベルトクリーナーユニットは、前記搬送ベルトの幅方向に対してその長さの異なる長ベルトクリーナー及び短ベルトクリーナーを有し、前記短ベルトクリーナーは前記長ベルトクリーナーの上流側に位置していることを特徴とするベルトコンベア装置を提供する。
【0008】
好ましくは、前記搬送面が下側を向いて走行している位置での前記搬送ベルトを上側から押圧する当てローラーとをさらに備えている。
【0009】
好ましくは、前記当てローラーの下側に前記ベルトクリーナーユニットが配設されている。
【0010】
好ましくは、前記ベルトクリーナーユニットにて掻き落とされた前記付着搬送物を収容されるホッパーをさらに備え、前記ホッパーは、少なくとも前記短ベルトクリーナーの下側に位置している。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、搬送物を搬送中に搬送ベルトの搬送面に付着した付着搬送物(落鉱となるもの)に対して、まずは短ベルトクリーナーにてこれを掻き落とすことができる。短ベルトクリーナーは長ベルトクリーナーよりも上流側に位置しているため、撓んだ搬送ベルトとの隙間がなく、短ベルトクリーナーに付着搬送物がこびりつくことはない。したがって、こびりついた付着搬送物が搬送ベルトを傷つけることはない。次なる長ベルトクリーナーでは、中央部分に付着搬送物がない状態の搬送ベルトがやってくるので、長ベルトクリーナーと搬送ベルトとの間に隙間があってもここに付着搬送物がこびりつくことはなく、付着搬送物が発生することはない。したがって、ベルトクリーナーによって付着搬送物を確実に掻き落として、搬送ベルトの長寿命化を図ることができる。これにより、ベルト能力を最大限に引き出すことができる。
【0012】
また、当てローラーを備えることにより、撓んだ搬送ベルトをある程度まっすぐにすることができるので、剥離剤の塗布効果を向上させることができる。
【0013】
また、当てローラーの下側にベルトクリーナーユニットを設けることで、ベルトクリーナーユニットによる付着搬送物の掻き落とし効果をさらに向上させることができる。
【0014】
また、付着搬送物は搬送ベルトの中央部分に多く発生するので、これを掻き落とすための短ベルトクリーナーの下側に付着搬送物を収容するためのホッパーを配置することで、多くの付着搬送物をホッパーにて回収することができる。このため、ベルトコンベア装置にて付着搬送物が床面に多く落下することを防止でき、清掃が楽になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るベルトコンベア装置の概略側面図である。
図2】搬送面側から視た搬送ベルトとベルトクリーナーユニットの概略図である。
図3】搬送方向から視た短ベルトクリーナーと搬送ベルトを示す概略図である。
図4】搬送方向から視た中ベルトクリーナーと搬送ベルトを示す概略図である。
図5】搬送方向から視た長ベルトクリーナーと搬送ベルトを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まずは図1を参照して本発明が適用されるベルトコンベア装置1の概要を説明する。本発明に係るベルトコンベア装置1は、搬送物(不図示)が載置されて走行する搬送ベルト2を備えている。具体的には、搬送物は搬送ベルト2の搬送面14に載置される。搬送物が搬送されている間(搬送面が上側を向いている間)、搬送ベルト2は搬送面14の裏面(搬送ベルト2の下側)に当接するキャリアローラー13に沿って走行している。搬送ベルト2はヘッドプーリー4にて折り返されて、ベルトコンベア装置1の反対側に位置するテールプーリー12まで送り出される。ヘッドプーリー4からテールプーリー12まで搬送ベルト2が走行している間(搬送面が下側を向いている間)、搬送ベルト2は搬送面14に当接するリターンローラー11に沿って走行している。搬送ベルト2は、テールプーリー12にて折り返されて再び搬送物を載置して走行する。したがって、搬送ベルト2は複数のローラーやプーリー等を介して環状に形成されている。
【0017】
搬送物は、例えば搬送ベルト2がヘッドプーリー4にて折り返される位置にてその下方に配されているホッパー3に回収される。搬送物としては、例えば鉄鉱原料、コークス、発電原料、汚泥、セメント原料、石膏、砕石、砕砂、珪砂、穀物、飼料、木屑、廃プラスチック等がある。これらの搬送物は、後述する付着搬送物とともに回収して利用される。すなわち、本願発明が対象としている搬送物は、付着搬送物となっても、搬送物とともに同じように利用される。このホッパー3が配された位置である搬送ベルト2の折り返し端部には、前述したヘッドプーリー4が配されている。このヘッドプーリー4により、搬送ベルト2は逆方向に折り返される
【0018】
ヘッドプーリー4により搬送ベルト2が折り返されることで、この折り返し地点より以降は搬送物の載置面(搬送面14)が下側となって搬送ベルト2は走行する。上述したような搬送物の大半は雨水等による水分を含んでいるため(ベルトコンベア装置1は室外に配置されている)、搬送物の一部は搬送ベルト2に付着して付着搬送物となっている。この付着搬送物を掻き落とすため、ヘッドプーリー4の下流側にはベルトクリーナーユニット5が搬送ベルト2の搬送面14に当接して配設されている。ベルトクリーナーユニット5は、複数個のベルトクリーナー5a~5cからなり、超硬チップ(鉄)、セラミック、ウレタン等の材質を利用して形成されている。
【0019】
そして、ベルトクリーナーユニット5の下流には、搬送ベルト2の搬送面14に付着搬送物を剥離するための剥離剤を噴霧する噴霧装置6が配設されている。噴霧装置6は、剥離剤を噴霧するためのノズル6aと、このノズル6aに接続されている剥離剤吐出装置6bとで構成されている。剥離剤吐出装置6bは、剥離剤が貯蔵されているタンクや、これを送り出すポンプ、そして剥離剤を安定して吐出させるための調整装置を有している。剥離剤としては、シリコンオイルやテフロン(登録商標)を利用できる。ノズル6aから吹き出される剥離剤は、搬送ベルト2の表面の傷や隙間に入りベルト2の表面の凹凸を平滑にする。また、界面活性剤を含んでいるため、搬送ベルト2に付着している水分と結合する。これにより、剥離剤は潤滑成分となり、搬送ベルト2に付着した剥離剤が搬送面14を介して後述するスナッププーリー10やベントプーリー7及び9、あるいはリターンローラー11に当接することで添加され、搬送ベルト2の搬送面14に対して付着搬送物が付着しにくい状態を形成できる。これにより、各ローラーやプーリーの寿命を延長でき、また搬送ベルト2の表面抵抗値の低減を図ることができ、その効果により走行速度を維持することができる。なお、剥離剤がシリコンオイルの場合、シリコン、ワックス、添加剤、界面活性剤等を含んでいて、さらに撥水成分も含んでいる。
【0020】
以上より、搬送物を搬送中に搬送ベルト2に付着した付着搬送物をまずはベルトクリーナーユニット5にて掻き落とすことができる。その後に、噴霧装置6にて剥離剤をベルト2の搬送面14に吹き付けるので、ベルトクリーナーユニット5にて搬送ベルト2が摩耗した箇所に撥水コーティングを施したり潤滑性をよくしたりすることができ、ベルト能力を最大限に引き出し、ベルトの長寿命化を図ることができる。この剥離剤の潤滑性により、搬送ベルト2に当接するベルトクリーナーユニット5の摩耗も防止でき、付着搬送物の掻き落とし性能も維持することができる。また、剥離剤は接触式の添加装置等を用いずに非接触式のノズル6aから噴霧形態で噴霧されるため、構造が簡単で且つベルトクリーナーユニット5にて掻き落とされきれなかった付着搬送物が搬送ベルト2に付着していても、その影響が噴霧装置6に及ぼされることはない。結果として、構造を変更することが少なくなり、搬送ベルト2の走行速度も維持できる。
【0021】
また、水分が多く含まれている付着搬送物については、ベルトクリーナーユニット5で掻き落としきれない場合がある。このような付着搬送物も剥離剤が噴霧された搬送ベルト2によって容易に搬送面から離間しやすい状態になるので、後述するスナッププーリー10、あるいはリターンローラー11等と当接しただけのような小さな力で付着搬送物を搬送ベルト2から剥離させやすくすることも可能となる。したがって、ベルトクリーナーユニット5で掻き落としきれない場合があっても、搬送面が下側を向いたとき(ヘッドプーリー4にてベルト2が折り返した後)の上流部分にて付着搬送物を搬送ベルト2から剥がし、ホッパー3に収容することが可能になる。付着搬送物がホッパー3に収容されずに床に落下したとしても、この上流部分にてほとんどの付着搬送物は落下するので、清掃の範囲等を縮小することができ、これらの作業を容易にすることができる。また、ホッパー3はヘッドプーリー4で折り返される部分でそのまま落下する搬送物が収容できる位置に配設されている。このとき、さらにベルトクリーナーユニット5にて掻き落とされた付着搬送物を収容でき、さらにスナッププーリー10やリターンローラー11に当接して落下した場合の付着搬送物を収容することができるように、これらの下方に開口面が広がるように形成してもよい。
【0022】
ベルトクリーナーユニット5の下流であって、噴霧装置6のノズル6aによって剥離剤が搬送ベルト2に対して噴霧される箇所の上流には、搬送ベルト2を角度を有して曲げながら送り出すためのスナッププーリー10が配されている。スナッププーリー10が配されている箇所の下流にはテンションプーリー8等が配されていて、これにより搬送ベルト2には荷重がかかっている。これにより、ヘッドプーリー4からスナッププーリー10までの搬送ベルト2のテンションを高く保持することができる。このため、このテンションの高い部分でベルトクリーナーユニット5によって付着搬送物を掻き落とすことになるため、掻き落とし効率がさらに向上する。特に、ベルトコンベア装置1の搬送ベルト2を走行させるための駆動モータがヘッドプーリー4の回転軸に接続されている場合には、この部分が最も搬送ベルト2を走行させるためのテンションとして高いため、効果的である。
【0023】
また、ベルトコンベア装置1は、噴霧装置6(剥離剤がベルト2に対して噴霧される箇所)の下流側に配されていて、搬送面14に当接しているベントプーリー7をさらに備えている。このベントプーリー7にて搬送ベルト2はベントプーリー7に沿って角度を有して曲げられているので、噴霧された剥離剤が搬送ベルト2から弾かれるのを防止して搬送ベルト2に密着させて付着させることができる。このとき、ベントプーリー7にて搬送ベルト2が角度を有して曲げられていてベントプーリー7が搬送ベルト2に対して密着していることで、剥離剤を確実に搬送ベルト2に密着させることができる。まとめると、ベントプーリー7にて曲げられた搬送ベルト2は、その下方に配されたテンションプーリー8によって折り返され、さらにその先にあるベントプーリー9によって曲げられて走行する。
【0024】
上述したように、本発明に係るベルトコンベア装置1は、ヘッドプーリー4及びテールプーリー12にて折り返されて環状に形成されている搬送ベルト2を備えている。この搬送ベルト2の搬送面14に搬送物が載置されて走行される。そして、搬送ベルト2がヘッドプーリー4からテールプーリー12に向けて走行しているとき、搬送面14は下側を向いている。この位置にて、搬送面14に当接してこの搬送面14に付着している搬送物の一部である付着搬送物を掻き落とすためのベルトクリーナーユニット5が備わっている。
【0025】
図2を参照すれば明らかなように、ベルトクリーナーユニット5は、搬送ベルト2の幅方向に対してその長さの異なる長ベルトクリーナー及び短ベルトクリーナーを有している(図では短ベルトクリーナー5a、中ベルトクリーナー5b、長ベルトクリーナー5c)。短ベルトクリーナー5aは長ベルトクリーナー5cよりも搬送ベルト2の幅方向に対して長さが短い。なお、この短ベルトクリーナー5aは直近の下流側に位置する中ベルトクリーナー5bに対しても長さが短い。図2に示すようにベルトクリーナーが3つ以上である場合、真ん中に位置する中ベルトクリーナー5bは短ベルトクリーナー5aに対しては長さが長いため長ベルトクリーナーとなり、長ベルトクリーナー5cに対しては長さが短いため短ベルトクリーナーとなる。すなわち、本発明でいう「短ベルトクリーナー」及び「長ベルトクリーナー」という文言は相対的なものであり、その位置関係によって性質が「短ベルトクリーナー」又は「長ベルトクリーナー」となる。このため、図2で示す中ベルトクリーナー5bは短ベルトクリーナー5aに対しては長ベルトクリーナーとして振る舞い、長ベルトクリーナー5cに対しては短ベルトクリーナーとして振る舞う。換言するならば、搬送ベルト2の進行方向に対して上流側に位置するベルトクリーナーは下流側に位置するベルトクリーナーの長さよりも搬送ベルト2の幅方向に対してその長さが短いということになる。
【0026】
そして、短ベルトクリーナー5a(5b)は長ベルトクリーナー5b(5c)の上流側に位置している。これはすなわち、搬送ベルト2の上流側に位置するベルトクリーナーは必ず下流側に位置するベルトクリーナーよりも搬送ベルト2の幅方向に対して長さが短いということである。図2に示すように、搬送方向Aに対して、上流側に位置するベルトクリーナー5a(5b)は必ず下流側に位置するベルトクリーナー5b(5c)よりも搬送ベルト2の幅方向に対して長さが短い。
【0027】
また、図3図5を参照すれば明らかなように、ヘッドプーリー4にて折り返されて搬送面14が下側を向いているとき、搬送ベルト2は上側に向けて撓んでいる。本発明はこの撓みに着目してなされたものである。ベルトクリーナーユニット5は、ベルトクリーナーユニット5が配置されている最も上流側に短ベルトクリーナー5aを有している(図3の状態)。短ベルトクリーナー5aはその長さが搬送ベルト2の幅方向に対して短いため、搬送ベルト2の最も湾曲した部分(曲率の高い部分)に対してそれほど隙間なく当接することができる。すなわち、短ベルトクリーナー5aは搬送ベルト2の最も曲率の高い部分に位置している。このため、確実に付着搬送物を掻き落とすことができる。
【0028】
この状態では、短ベルトクリーナー5aの左右両側の付着搬送物を掻き落とすことはできないが、次なる中ベルトクリーナー5bにてこれを掻き落とすことができる(図4の状態)。この中ベルトクリーナー5bは短ベルトクリーナー5aよりも長さが長いため、搬送ベルト2の最も湾曲した部分に対して隙間が生じているが、この部分は上流側に配された短ベルトクリーナー5aにより付着搬送物は既に掻き落とされているため、短ベルトクリーナー5aによって掻き落とされた箇所の左右両側の搬送ベルト2に対して隙間なく接してこの部分の付着搬送物を確実に掻き落とすことができる。さらにこの中ベルトクリーナー5bの左右両側は、次なる長ベルトクリーナー5cにて掻き落とされる(図5の状態)。
【0029】
これにより、搬送物を搬送中に搬送ベルト2の搬送面14に付着した付着搬送物(落鉱となるもの)に対して、まずは短ベルトクリーナー5aにてこれを掻き落とすことができる。短ベルトクリーナー5aは中ベルトクリーナー5bよりも上流側に位置しているため、撓んだ搬送ベルト2との隙間がなく、短ベルトクリーナー5aに付着搬送物がこびりつくことはない。したがって、こびりついた付着搬送物が搬送ベルト2を傷つけることはない。次なる中ベルトクリーナー5bでは、中央部分に付着搬送物がない状態の搬送ベルト2がやってくるので、中ベルトクリーナー5bと搬送ベルト2との間に隙間があってもここに付着搬送物がこびりつくことはなく、付着搬送物が発生していることはない。この関係は、中ベルトクリーナー5bと長ベルトクリーナー5cにも適用される。したがって、これらベルトクリーナー5a、5b、5cからなるベルトクリーナーユニット5によって付着搬送物を確実に掻き落として、搬送ベルト2の長寿命化を図ることができる。これにより、ベルト能力を最大限に引き出すことができる。上記を鑑みると、搬送ベルト2の左右両端にはほとんど付着搬送物がないため、ベルトクリーナーユニット5において最下流に位置する長ベルトクリーナー5cは搬送ベルト2の幅に対して若干短い長さであることが好ましい。また、実際の各ベルトクリーナー5a、5b、5cは、図3図5に示すように、搬送ベルト2の下側であって左右方向に延びる支持棒16から突出している挟持部17に対して複数枚のチップがボルト18によって固定されて横並びになって形成されている。
【0030】
なお、図1ではベルトクリーナーユニット5を構成するベルトクリーナー5a、5b、5cについてヘッドプーリー4からスナッププーリー10までに位置する例を示しているが、これが配置される場所に特に制限はなく、搬送面14が下側を向いている場所であれば上流側に長さの短いベルトクリーナーが配置されている順番であればどこに配置されていてもよい。ヘッドプーリー4からスナッププーリー10までの位置にベルトクリーナーユニット5を構成するベルトクリーナー5a~5cを全て配置すれば、付着搬送物が搬送ベルト2に付着した状態ではなくなるので、その後のローラーやプーリー等へのダメージもなくなり、好ましい。図1の例では、スナッププーリー10とベントプーリー7との間にもベルトクリーナーユニット5を設けた例を示している。
【0031】
また、ホッパー3は、少なくとも短ベルトクリーナー5aの下側に位置していることが好ましい。すなわち、ベルトクリーナーユニット5を構成するベルトクリーナー5a~5cのうち、最も上流側に位置している短ベルトクリーナー5aの下側に位置していることが好ましい。付着搬送物は搬送ベルト2の中央部分に多く発生するので、これを掻き落とすための短ベルトクリーナー5aの下側に付着搬送物を収容するためのホッパー3を配置することで、多くの付着搬送物をホッパー3にて回収することができるためである。このため、ベルトコンベア装置1にて付着搬送物が床面に多く落下することを防止でき、清掃が楽になる。
【0032】
なお、図1に示すように、搬送ベルト2の搬送面14が下側を向いている状態で、ノズル6aの上流側には、搬送ベルト2を上側から押圧するための当てローラー15が設けられている。上述したように、搬送面14が下側を向いている状態では、搬送ベルト2は上側に撓んで走行している。これを当てローラー15により下側に押圧することで、搬送ベルト2は若干ではあるが平にすることができる。このように平にすることで、ノズル6aから噴霧される剥離剤の塗布効果を向上させることができる。
【0033】
また、当てローラー15の下側にベルトクリーナーユニット5を配することで、搬送ベルト2の撓みを少なくすることができるので、各ベルトクリーナー5a、5b、5cと搬送ベルト2との隙間を少なくすることができ、付着搬送物の掻き落し効果を向上させることができる。このため、当てローラー15は各ベルトクリーナー5a、5b、5cに対して一つずつ対応して設けられていることが好ましい。
【符号の説明】
【0034】
1:ベルトコンベア装置、2:搬送ベルト、3:ホッパー、4:ヘッドプーリー、5:ベルトクリーナーユニット、5a:短ベルトクリーナー、5b:中ベルトクリーナー、5c:長ベルトクリーナー、6:噴霧装置、6a:ノズル、6b:剥離剤吐出装置、7:ベントプーリー、8:テンションプーリー、9:ベントプーリー、10:スナッププーリー、11:リターンローラー、12:テールプーリー、13:キャリアローラー、14:搬送面、15:当てローラー、16:支持棒、17:挟持部、18:ボルト
【要約】
【解決手段】ベルトコンベア装置(1)は、環状に形成されていてその搬送面(14)に搬送物が載置されて走行する搬送ベルト(2)と、搬送面(14)が下側を向いている位置にて搬送面(14)に当接して搬送面(14)に付着している搬送物の一部である付着搬送物を掻き落とすためのベルトクリーナーユニット(5)とを備え、ベルトクリーナーユニット(5)は、搬送ベルト(2)の幅方向に対してその長さの異なる長ベルトクリーナー(5c)及び短ベルトクリーナー(5a)を有し、短ベルトクリーナー(5a)は長ベルトクリーナー(5c)の上流側に位置している。
図1
図2
図3
図4
図5