7780982 遊技システム、賞品管理装置、精算機及び装置連動方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2025-11-27

(45)【発行日】2025-12-05

(54)【発明の名称】遊技システム、賞品管理装置、精算機及び装置連動方法

(51)【国際特許分類】

   A63F 7/02 20060101AFI20251128BHJP

【ＦＩ】

A63F7/02 329

【請求項の数】 9

(21)【出願番号】P 2022030827

(22)【出願日】2022-03-01

(65)【公開番号】P2023127197

(43)【公開日】2023-09-13

【審査請求日】2024-11-28

(73)【特許権者】

【識別番号】000001432

【氏名又は名称】グローリー株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100114306

【弁理士】

【氏名又は名称】中辻 史郎

(74)【代理人】

【識別番号】100148655

【弁理士】

【氏名又は名称】諏訪 淳一

(72)【発明者】

【氏名】竹川 恵亨

(72)【発明者】

【氏名】津田 英毅

(72)【発明者】

【氏名】村山 慶恵

【審査官】藤脇 沙絵

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１３－１４４０１９（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０７－２３１９７８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１３－１８８２５１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１２－１１０４３４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２１－１４６０５８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２１－０７４４６７（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１３－１２１４６８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１６－１４６０６０（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ａ６３Ｆ ７／０２

５／０４

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数及び遊技に利用されるプリペイド価値を記憶媒体の識別情報に対応付けて管理する管理装置と、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と、前記賞品管理装置と通信可能に併設されて前記プリペイド価値の精算処理を行う精算機とを有する遊技システムであって、
前記賞品管理装置及び前記精算機の一方の装置が、通常運用モードから従業員により操作される従業員モードに移行した場合に、他方の装置を前記通常運用モードから前記従業員モードに移行させる連動処理手段を備えたことを特徴とする遊技システム。

【請求項2】

前記連動処理手段は、
前記賞品管理装置及び前記精算機の一方の装置が、前記従業員モードから前記通常運用モードに移行した場合に、前記他方の装置を前記従業員モードから前記通常運用モードに移行させることを特徴とする請求項１に記載の遊技システム。

【請求項3】

前記連動処理手段は、
前記賞品管理装置及び前記精算機の双方が前記従業員モードとされた場合において、前記賞品管理装置及び前記精算機の一方の装置がリセット処理された場合に、前記他方の装置のリセット処理を行わせることを特徴とする請求項１又は２に記載の遊技システム。

【請求項4】

前記賞品管理装置及び前記精算機は、
前記連動処理手段により従業員モードに移行した場合に、所定のエラーが発生していたならばエラーに係る情報を所定の表示部に表示制御し、前記エラーが発生していなかったならば従業員メニューを前記表示部に表示制御する表示制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項１～３のいずれか一つに記載の遊技システム。

【請求項5】

前記表示制御手段は、
前記表示部に前記従業員メニューを表示制御する場合に、従業員に付与された権限に基づいたメニューを表示制御することを特徴とする請求項４に記載の遊技システム。

【請求項6】

前記精算機は、
前記連動処理手段により前記従業員モードに移行した場合に、前記賞品管理装置又は前記精算機に前記エラーが発生していたならば、前記従業員に付与された権限に基づいて扉の解錠を行う解錠手段をさらに備えたことを特徴とする請求項１～５のいずれか一つに記載の遊技システム。

【請求項7】

遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数及び遊技に利用されるプリペイド価値を記憶媒体の識別情報に対応付けて管理する管理装置と、前記プリペイド価値の精算処理を行う精算機とそれぞれ通信可能に接続され、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置であって、
自装置が通常運用モードから従業員により操作される従業員モードに移行した場合に、前記精算機を前記通常運用モードから前記従業員モードに移行させる連動処理手段を備えたことを特徴とする賞品管理装置。

【請求項8】

遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数及び遊技に利用されるプリペイド価値を記憶媒体の識別情報に対応付けて管理する管理装置と、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置とそれぞれ通信可能に接続され、前記プリペイド価値の精算処理を行う精算機であって、
自装置が通常運用モードから従業員により操作される従業員モードに移行した場合に、前記賞品管理装置を前記通常運用モードから前記従業員モードに移行させる連動処理手段を備えたことを特徴とする精算機。

【請求項9】

遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数及び遊技に利用されるプリペイド価値を記憶媒体の識別情報に対応付けて管理する管理装置と、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と、前記賞品管理装置と通信可能に併設されて前記プリペイド価値の精算処理を行う精算機とを有する遊技システムにおける装置連動方法であって、
前記賞品管理装置及び前記精算機の一方の装置が、通常運用モードから従業員により操作される従業員モードに移行させる移行工程と、
前記移行工程により前記賞品管理装置及び前記精算機の一方の装置が通常運用モードから前記従業員モードに移行した場合に、他方の装置を前記通常運用モードから前記従業員モードに移行させる連動処理工程と
を含むことを特徴とする装置連動方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

この発明は、セルフ賞品管理装置及び精算機の連動運用におけるエラー対応処理を効率良く行うことができる遊技システム、賞品管理装置、精算機及び装置連動方法に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、パチンコ店等の遊技店では、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数をカード等の記憶媒体に関連付け、この遊技媒体数を使用して、賞品管理装置において賞品に交換される。また、記憶媒体にプリペイド価値が関連付けられていたならば、精算機において精算処理が行われて貨幣が払い出される。

【0003】

ここで、遊技店では、賞品管理装置と精算機とが隣接して設置されていない場合には、遊技客は、賞品管理装置で賞品交換をした後、精算機の所在する場所に移動して、精算機でプリペイド価値の精算を行うことになる。このような場合に、精算機での精算を忘れる場合が生ずるため、賞品管理装置において、賞品交換及び精算処理をまとめて行う技術が知られている（例えば、特許文献１を参照）。

【0004】

近年では、遊技客が自ら賞品交換操作を行うセルフ賞品管理装置が普及しつつあるため、このセルフ賞品管理装置と精算機を併設して、賞品交換及び精算処理の双方を遊技客が行う運用（以下、「連動運用」と言う）が行われる可能性が高くなる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【文献】特開２０１７－１４４１１１号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

しかしながら、上記特許文献１のものは、連動運用においてセルフ賞品管理装置及び／又は精算機においてエラーが発生した場合には、それぞれの装置で規定されたログイン、リセット処理等を個別に行う必要があるため、従業員への負担が大きくなるという問題がある。

【0007】

本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、セルフ賞品管理装置及び精算機の連動運用におけるエラー対応処理を効率良く行うことができる遊技システム、賞品管理装置、精算機及び装置連動方法を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0008】

上記課題を解決するため、本発明は、遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数及び遊技に利用されるプリペイド価値を記憶媒体の識別情報に対応付けて管理する管理装置と、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と、前記賞品管理装置と通信可能に併設されて前記プリペイド価値の精算処理を行う精算機とを有する遊技システムであって、前記賞品管理装置及び前記精算機の一方の装置が、通常運用モードから従業員により操作される従業員モードに移行した場合に、他方の装置を前記通常運用モードから前記従業員モードに移行させる連動処理手段を備えたことを特徴とする。

【0009】

また、本発明は、上記発明において、前記連動処理手段は、前記賞品管理装置及び前記精算機の一方の装置が、前記従業員モードから前記通常運用モードに移行した場合に、前記他方の装置を前記従業員モードから前記通常運用モードに移行させることを特徴とする。

【0010】

また、本発明は、上記発明において、前記連動処理手段は、前記賞品管理装置及び前記精算機の双方が前記従業員モードとされた場合において、前記賞品管理装置及び前記精算機の一方の装置がリセット処理された場合に、前記他方の装置のリセット処理を行わせることを特徴とする。

【0011】

また、本発明は、上記発明において、前記賞品管理装置及び前記精算機は、前記連動処理手段により従業員モードに移行した場合に、所定のエラーが発生していたならばエラーに係る情報を所定の表示部に表示制御し、前記エラーが発生していなかったならば従業員メニューを前記表示部に表示制御する表示制御手段をさらに備えたことを特徴とする。

【0012】

また、本発明は、上記発明において、前記表示制御手段は、前記表示部に前記従業員メニューを表示制御する場合に、従業員に付与された権限に基づいたメニューを表示制御することを特徴とする。

【0013】

また、本発明は、上記発明において、前記精算機は、前記連動処理手段により前記従業員モードに移行した場合に、前記賞品管理装置又は前記精算機に前記エラーが発生していたならば、前記従業員に付与された権限に基づいて扉の解錠を行う解錠手段をさらに備えたことを特徴とする。

【0014】

また、本発明は、上記発明において、遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数及び遊技に利用されるプリペイド価値を記憶媒体の識別情報に対応付けて管理する管理装置と、前記プリペイド価値の精算処理を行う精算機とそれぞれ通信可能に接続され、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置であって、自装置が通常運用モードから従業員により操作される従業員モードに移行した場合に、前記精算機を前記通常運用モードから前記従業員モードに移行させる連動処理手段を備えたことを特徴とする。

【0015】

また、本発明は、遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数及び遊技に利用されるプリペイド価値を記憶媒体の識別情報に対応付けて管理する管理装置と、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置とそれぞれ通信可能に接続され、前記プリペイド価値の精算処理を行う精算機であって、自装置が通常運用モードから従業員により操作される従業員モードに移行した場合に、前記賞品管理装置を前記通常運用モードから前記従業員モードに移行させる連動処理手段を備えたことを特徴とする。

【0016】

また、本発明は、遊技機での遊技により獲得された遊技媒体数及び遊技に利用されるプリペイド価値を記憶媒体の識別情報に対応付けて管理する管理装置と、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と、前記賞品管理装置と通信可能に併設されて前記プリペイド価値の精算処理を行う精算機とを有する遊技システムにおける装置連動方法であって、前記賞品管理装置及び前記精算機の一方の装置が、通常運用モードから従業員により操作される従業員モードに移行させる移行工程と、前記移行工程により前記賞品管理装置及び前記精算機の一方の装置が通常運用モードから前記従業員モードに移行した場合に、他方の装置を前記通常運用モードから前記従業員モードに移行させる連動処理工程とを含むことを特徴とする。

【発明の効果】

【0017】

本発明によれば、セルフ賞品管理装置及び精算機の連動運用におけるエラー対応処理を効率良く行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】図１は、実施形態１に係る遊技システムの概要の説明図である。

【図2】図２は、実施形態１に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。

【図3】図３は、図２に示した台間カード処理機及び遊技機の外観構成を示す図である。

【図4】図４は、図２に示した台間カード処理機の構成を示す図である。

【図5】図５は、図４に示した自装置状態データ及びカードデータの一例を示す図である。

【図6】図６は、図２に示した遊技機の構成を示す図である。

【図7】図７は、図２に示した管理装置の構成を示す図である。

【図8】図８は、図７に示したカード管理データ、装置管理データ及び会員管理データの一例を示す図である。

【図9】図９は、図７に示した対応装置管理データ及び従業員管理データの一例を示す図である。

【図10】図１０は、図２に示したセルフ賞品管理装置の構成を示す図である。

【図11】図１１は、図１０に示した保有価値データ及び賞品在庫データの一例を示す図である。

【図12】図１２は、図１０に示した対応装置データ及び従業員データの一例を示す図である。

【図13】図１３は、図２に示した精算機の構成を示す図である。

【図14】図１４は、図１３に示した対応装置データ及び従業員データの一例を示す図である。

【図15】図１５は、実施形態１に係るエラー処理パターンの一例を示す図である。

【図16】図１６は、実施形態１に係る業務ランク別権限の一例を示す図である。

【図17】図１７は、実施形態１に係る精算機における従業員メニュー表示画面の一例を示す図である。

【図18】図１８は、実施形態１に係るセルフ賞品管理装置におけるエラー処理の処理手順を示すフローチャートである。

【図19】図１９は、実施形態１に係る精算機におけるエラー処理の処理手順を示すフローチャートである。

【図20】図２０は、実施形態２に係る遊技システムの概要の説明図である。

【図21】図２１は、実施形態２に係るセルフ賞品管理装置と賞品払出装置における従業員ＩＤ認証の処理手順を示すフローチャートである。

【図22】図２２は、実施形態３に係る遊技システムの概要の説明図である。

【図23】図２３は、実施形態３に係るセルフ賞品管理装置における精算処理及び賞品交換処理の処理手順を示すフローチャートである。

【図24】図２４は、実施形態４に係る遊技システムの概要を説明するための説明図（その１）である。

【図25】図２５は、実施形態４に係る遊技システムの概要を説明するための説明図（その２）である。

【図26】図２６は、実施形態５に係る遊技システムの概要を説明するための説明図（その１）である。

【図27】図２７は、実施形態５に係る遊技システムの概要を説明するための説明図（その２）である。

【発明を実施するための形態】

【0019】

［実施形態１］
以下に、本実施形態１に係る遊技システム、賞品管理装置、精算機及び装置連動方法について詳細に説明する。

【0020】

本明細書中において、「持玉」とは遊技客が遊技において獲得した遊技媒体を示すデータであって、その当日中（遊技店の閉店時刻より前の時間）にのみ遊技に再度供することができるものをいう。なお、「持玉数」とは、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数をいう。また、「貯玉」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体を示すデータであって、翌日以降（遊技店の閉店時刻より後の時間）も遊技に再度供することができるものをいう。なお、「貯玉数」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体数をいう。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合などに使用される。貯玉は、原則として会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降、遊技機の遊技に用いる場合に使用される。また、「遊技球数」とは、遊技客が遊技に使用可能な遊技可能数をいう。また、「賞品」とは、遊技客により獲得された遊技媒体数を交換する賞品である。

【0021】

＜実施形態１に係る遊技システムの概要＞
まず、本実施形態１に係る遊技システムの概要について説明する。図１は、本実施形態１に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。

【0022】

セルフ賞品管理装置６０に従業員がログインするための従業員ＩＤを記憶する記憶媒体として、ＩＤキーが使用される。セルフ賞品管理装置６０にエラーが発生した場合に、ＩＤキーリーダ６３からＩＤキーに記憶された従業員ＩＤを読み取り、従業員のログイン処理を行う（Ｓ１）。

【0023】

セルフ賞品管理装置６０は、ログイン情報を精算機９０に通知し（Ｓ２）、精算機９０は、このログイン情報を用いて自動的に従業員のログイン処理を行う（Ｓ３）。

【0024】

セルフ賞品管理装置６０は、リセット処理を行ったならば（Ｓ４）、リセット情報を精算機９０に通知し（Ｓ５）、精算機９０は、このリセット情報を用いて自動的にリセット処理を行う（Ｓ６）。

【0025】

セルフ賞品管理装置６０は、従業員のログアウト処理を行ったならば（Ｓ７）、ログアウト情報を精算機９０に通知し（Ｓ８）、精算機９０は、このログアウト情報を用いて自動的に従業員のログアウト処理を行う（Ｓ９）。

【0026】

このように、本実施形態１に係る遊技システムでは、セルフ賞品管理装置及び精算機のログイン処理、ログアウト処理及びリセット処理を連動させることにより、セルフ賞品管理装置及び精算機の連動運用におけるエラー対応処理を効率良く行うことができる。

【0027】

＜システム構成＞
次に、本実施形態１に係る遊技システムのシステム構成について説明する。図２は、本実施形態１に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。図２に示すように、遊技店には、複数の遊技機２０と、各遊技機２０にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機１０とが設置される。台間カード処理機１０は、島コントローラ３０を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ３０、管理装置５０、セルフ賞品管理装置６０、賞品払出装置８０及び精算機９０が接続される。なお、セルフ賞品管理装置６０及び賞品払出装置８０は、１対１で対応付けられている。また、リモコン１００は、赤外線等の近距離通信を用いて精算機９０と通信可能に接続される。

【0028】

遊技機２０は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。なお、この遊技玉は遊技に使用される物理的な「玉」であり、遊技機２０がデータとして扱う「遊技球」とは異なる。この遊技機２０の遊技盤面には、複数の入賞領域（入賞口）が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域（始動口）が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。

【0029】

上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過（入賞）を検出するようになっている。また、遊技機２０の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリと、遊技球数を示す遊技可能数メモリを有している。また、遊技機２０の制御部は、遊技球数を定期的に台間カード処理機１０に送信する。

【0030】

台間カード処理機１０は、遊技客から入金を受け付けた場合に、入金の金額に対応するプリペイド価値を自装置の内部に収納したカードＩＤに関連付ける。このプリペイド価値は、遊技玉の貸出に使用することができる。また、台間カード処理機１０は、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードの挿入を受け付けることができる。そして、遊技終了時には、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードを排出して遊技客に返却する。また、台間カード処理機１０は、入金、カード挿入、カード排出などの動作の履歴を管理装置５０に送信する。

【0031】

遊技機２０は、遊技盤面に所定個数の遊技玉が打ち出されたならば、アウトデータを台間カード処理機１０に送信する。また、遊技機２０は、遊技玉が入賞領域を通過して（いわゆる入賞）所定個数の賞玉が遊技球に加算されたならば、セーフデータを台間カード処理機１０に送信する。さらに、遊技により大当りなどの特別の状態が発生したならば、かかる状態の発生を示す特賞データを台間カード処理機１０に送信する。

【0032】

アウトデータは、遊技客が遊技盤面に打ち込んだ玉数である打込玉数に対応する。セーフデータは、入賞により獲得される賞出玉数に対応する。また、特賞データは、大当りなどの遊技機２０の状態を示す。各データは、台間カード処理機１０を介して管理装置５０に送信され、管理装置５０は、アウトデータ、セーフデータ及び特賞データを稼働情報として蓄積することで、遊技機２０の動作の履歴を得ることができる。

【0033】

台間カード処理機１０は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、管理装置５０との通信並びに遊技機２０との通信を行う。台間カード処理機１０は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知を管理装置５０に送信することで、入金額相当のプリペイド価値を管理装置５０が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求を管理装置５０に送信し、管理装置５０が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数を遊技機２０に通知し、遊技球数に加算させる。

【0034】

台間カード処理機１０は、カードの挿入を受け付けたならば、管理装置５０にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機１０は、管理装置５０からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、管理装置５０に対して持玉減算要求を送信することで、管理装置５０が管理する持玉の残高（持玉数）をゼロにクリアする。

【0035】

台間カード処理機１０は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数を遊技機２０に通知し、遊技球数に加算させる。また、台間カード処理機１０は、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば、管理装置５０に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、管理装置５０が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数を遊技機２０に通知し、遊技球数に加算させる。

【0036】

台間カード処理機１０は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉加算要求を管理装置５０に送信し、管理装置５０に持玉数を加算させた後、カード排出通知を管理装置５０に送信し、カードを排出制御する。なお、カード返却操作の前に、遊技機２０から計数操作を受け付けた場合には、遊技球数を持玉数に加算する。

【0037】

台間カード処理機１０は、遊技機２０から遊技機ＩＤを取得し、取得した遊技機ＩＤと、管理装置５０から受信した認証鍵とを用いて遊技機２０の認証を行なう機能を有する。この認証は、開店処理時等に行なわれ、認証の成功を条件に遊技機２０は遊技可能となる。

【0038】

台間カード処理機１０は、遊技機２０の状態に基づいて各種表示制御を行なうとともに、遊技機２０の状態を管理装置５０に送信する。台間カード処理機１０は、遊技機２０から通知された遊技球数を記憶し、定期的に遊技球数及び持玉数を管理装置５０に通知する。

【0039】

島コントローラ３０は、遊技島に設けられた一群の遊技機２０及び台間カード処理機１０を束ね、各種情報を管理装置５０に対して中継する装置である。

【0040】

管理装置５０は、台間カード処理機１０からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードのカードＩＤと台間カード処理機１０とを関連づけて管理し、該カードＩＤに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機１０に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードＩＤが会員カードのカードＩＤである場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。

【0041】

また、管理装置５０は、台間カード処理機１０から持玉減算要求を受信した場合には、持玉の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機１０から持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉数を持玉の残高に加算する。

【0042】

また、管理装置５０は、台間カード処理機１０から玉貸要求を受信した場合には、カードＩＤに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機１０に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。

【0043】

また、管理装置５０は、台間カード処理機１０から遊技機ＩＤを取得し、自店舗に設置された遊技機２０を管理する。そして、遊技店外の図示しない認証鍵管理センタから自店舗に設定された遊技機２０を認証するための認証鍵を取得し、台間カード処理機１０に配信する。

【0044】

また、管理装置５０は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する。具体的には、会員に対して発行した会員カードのカードＩＤに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。

【0045】

また、管理装置５０は、台間カード処理機１０からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードＩＤに対応する貯玉の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。また、管理装置５０は、台間カード処理機１０から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードＩＤに関連づけられた貯玉の残高を所定数減算し、減算後の貯玉の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。

【0046】

また、管理装置５０は、セルフ賞品管理装置６０及び精算機９０の対応付けを受け付けたならば、この対応付けを記憶するとともに、対応装置情報として対応付けられたセルフ賞品管理装置６０及び精算機９０に対して通知する。

【0047】

また、管理装置５０は、従業員に関するデータを受け付けたならば、このデータを記憶するとともに、従業員情報としてセルフ賞品管理装置６０及び精算機９０に対して通知する。

【0048】

セルフ賞品管理装置６０は、賞品交換を行う際に賞品選択の処理を行う装置であり、連動運用においては精算機９０と対応付けられる。セルフ賞品管理装置６０は、カードＩＤを読み取ったならば、該カードＩＤに関連付けられたプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を管理装置５０に要求し、管理装置５０からカードＩＤに関連付けられたプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を受信したならば、このプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を記憶する。

【0049】

また、セルフ賞品管理装置６０は、持玉及び貯玉の残高の範囲内で賞品の選択を受け付け、選択された賞品の払出指示を賞品払出装置８０に通知するとともに、プリペイド価値の残高を精算機９０に通知する。セルフ賞品管理装置６０は、選択された賞品の種類及び個数、並びに、端玉数を交換レシートに印字し、交換レシートととして発行する。

【0050】

また、セルフ賞品管理装置６０は、管理装置５０から対応装置情報及び従業員情報を受け取ったならば、それぞれの情報を記憶する。セルフ賞品管理装置６０は、ログイン処理を行ったならば、自装置に対応付けられた精算機９０に対して、従業員ＩＤを含むログイン情報を通知する。セルフ賞品管理装置６０は、該精算機９０からログイン情報を受け取ったならば、このログイン情報に含まれる従業員ＩＤを用いてログイン処理を行う。

【0051】

また、セルフ賞品管理装置６０は、自装置のリセット処理を行ったならば、対応付けられた精算機９０に対してリセット情報を通知する。セルフ賞品管理装置６０は、該精算機９０からリセット情報を受け取ったならば、自装置のリセット処理を行う。

【0052】

また、セルフ賞品管理装置６０は、ログアウト処理を行ったならば、自装置に対応付けられた精算機９０に対して、ログアウト情報を通知する。セルフ賞品管理装置６０は、該精算機９０からログアウト情報を受け取ったならば、ログアウト処理を行う。

【0053】

また、セルフ賞品管理装置６０は、ログイン処理が行われたならば、このログイン処理で使用された従業員ＩＤに対応する業務ランクに応じた従業員メニューを表示する。セルフ賞品管理装置６０は、従業員メニューの選択操作を受け付けたならば、選択された処理を行う。

【0054】

賞品払出装置８０は、賞品の払出を行う装置である。賞品払出装置８０は、セルフ賞品管理装置６０から払出指示を受け取ったならば、この払出指示に基づいて賞品を払い出す。

【0055】

精算機９０は、カードに関連付けられたプリペイド価値の残高を精算する装置であり、連動運用においてはセルフ賞品管理装置６０と対応付けられる。精算機９０は、カードＩＤを受け付けたならば、このカードＩＤに関連付けられたプリペイド価値の要求を管理装置５０に通知する。精算機９０は、管理装置５０又はセルフ賞品管理装置６０からカードに関連付けられたプリペイド価値の残高を受け取ったならば、精算処理を行う。

【0056】

また、精算機９０は、管理装置５０から対応装置情報及び従業員情報を受け取ったならば、それぞれの情報を記憶する。精算機９０は、ログイン処理を行ったならば、自装置に対応付けられたセルフ賞品管理装置６０に対して、従業員ＩＤを含むログイン情報を通知する。精算機９０は、該セルフ賞品管理装置６０からログイン情報を受け取ったならば、このログイン情報に含まれる従業員ＩＤを用いてログイン処理を行う。

【0057】

また、精算機９０は、自装置のリセット処理を行ったならば、対応付けられたセルフ賞品管理装置６０に対してリセット情報を通知する。精算機９０は、該セルフ賞品管理装置６０からリセット情報を受け取ったならば、自装置のリセット処理を行う。

【0058】

また、精算機９０は、ログアウト処理を行ったならば、自装置に対応付けられたセルフ賞品管理装置６０に対して、ログアウト情報を通知する。精算機９０は、該セルフ賞品管理装置６０からログアウト情報を受け取ったならば、ログアウト処理を行う。

【0059】

また、精算機９０は、ログイン処理が行われたならば、このログイン処理で使用された従業員ＩＤに対応する業務ランクに応じた従業員メニューを表示する。精算機９０は、従業員メニューの選択操作を受け付けたならば、選択された処理を行う。

【0060】

また、精算機９０は、ログイン処理が行われた際に使用された従業員ＩＤに対応する従業員の業務ランクにおいて、扉解錠の権限が付与されていたならば、自装置の扉を解錠する。

【0061】

リモコン１００は、赤外線などを用いた近距離通信により、精算機９０などの装置に対する従業員のログイン指示などを行う端末である。リモコン１００は、従業員ＩＤを受け付けて、精算機９０に対して従業員のログイン指示を通知する。

【0062】

次に、本実施形態１に係る遊技システムにおける玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機１０に対して玉貸操作を行ったならば、台間カード処理機１０は、管理装置５０のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機１０に挿入されているカードのカードＩＤと、送信元である台間カード処理機１０を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。

【0063】

管理装置５０は、玉貸要求を含む電文を受信したならば、該電文内のカードＩＤに関連付けられたプリペイド価値を所定値（例えば、１度数が１００円である場合の５００円分を示す５度数）を減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機１０に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機１０は、減算したプリペイド価値に対応する数（例えば「１２５」）の遊技球数への加算を要求する加算信号を遊技機２０に送信する。

【0064】

加算信号を受信した遊技機２０は、遊技球数を加算し、加算後の遊技球数を台間カード処理機１０に送信する。台間カード処理機１０は、加算前の遊技球数と玉貸しを行った数との和を加算後の遊技球数と比較して、遊技球数の加算が適切に行われたか否かを判定する。

【0065】

次に、本実施形態１に係る遊技システムにおける持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機１０は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、管理装置５０のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機１０に挿入されているカードのカードＩＤと、送信元である台間カード処理機１０を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機１０のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。

【0066】

管理装置５０は、台間カード処理機１０からカード挿入通知を受信したならば、該電文内のカードＩＤに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を台間カード処理機１０に通知する。

【0067】

台間カード処理機１０は、管理装置５０から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードＩＤ及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文を管理装置５０に送信する。管理装置５０は、持玉減算要求を受信したならば、カードＩＤ及びレートにより特定される持玉の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機１０は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、持玉の残高を一定数ずつ減算し、対応する数を遊技機２０に通知し、遊技球数に加算させる。

【0068】

台間カード処理機１０は、遊技機２０の遊技球数を台間カード処理機１０の持玉とすることでその管理を移行させる管理移行要求を遊技機２０から受信したならば、管理移行要求に示された遊技球数を自装置の持玉に加算する。その後、カード返却操作を受け付けたならば、管理装置５０に対して持玉加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードＩＤと、送信元である台間カード処理機１０を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機１０のレートを特定するための情報と、持玉の残高と、持玉加算要求とを含む。

【0069】

管理装置５０は、持玉加算要求を受け付けたならば、該電文内のカードＩＤに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高（持玉数）を受信した値に更新する。その後、台間カード処理機１０は、管理装置５０にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。

【0070】

次に、本実施形態１に係る遊技システムにおける貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機１０は、会員カードを受け付けた場合、若しくは会員カードとして使用可能な携帯端末からカードＩＤに対応する識別情報を読み取った場合に、管理装置５０のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機１０に挿入されているカードのカードＩＤ（若しくは携帯端末から読み取ったカードＩＤに対応する識別情報）と、送信元である台間カード処理機１０を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機１０のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。

【0071】

管理装置５０は、該電文内のカードＩＤに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。

【0072】

台間カード処理機１０は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数（貯玉再プレイ単位数。例えば「１２５玉」）以上である場合には貯玉再プレイ操作を受付可能とする。

【0073】

台間カード処理機１０は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。

【0074】

台間カード処理機１０は、暗証番号が一致した場合に、管理装置５０のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機１０に挿入されているカードのカードＩＤと、送信元である台間カード処理機１０を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機１０のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。

【0075】

管理装置５０は、該電文内のカードＩＤに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。

【0076】

台間カード処理機１０は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する数を遊技機２０に通知して遊技球数に加算させる。また、更新後の貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定する。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば貯玉再プレイ要求を送信する。２回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。

【0077】

次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。管理装置５０は、閉店処理時にカード管理データの持玉の残高を確認し、持玉の残高が「０」より大きい持玉が存在する場合には、該持玉の残高を貯玉の残高に加算して更新する。その後、管理装置５０は、該持玉の残高をゼロにクリアする。

【0078】

＜台間カード処理機１０と遊技機２０の外観構成＞
次に、図２に示した台間カード処理機１０及び遊技機２０の外観構成について説明する。図３は、図２に示した台間カード処理機１０及び遊技機２０の外観構成を示す図である。同図には、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機１０を図示したが、電子マネーを受け付けることができるユニットを設けることもできる。

【0079】

図３に示すように、台間カード処理機１０には、台間カード処理機１０の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部１１、各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口１２ａ、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部１３及びカードＩＤが関連付けられたカードを受け付けるカード挿入口１４ａが設けられている。

【0080】

遊技機２０には、遊技盤面、封入された遊技玉を遊技盤面に投出する際に使用するハンドル２１及び計数ボタン２２が設けられている。

【0081】

計数ボタン２２は、遊技機２０の遊技球数を減算し、対応する数を台間カード処理機１０の持玉に加算することで、投出可能な玉数の管理を遊技機２０から台間カード処理機１０に移行させる管理移行を行うための操作ボタンである。この管理移行は、入賞により現物の遊技玉が払い出される開放式の遊技機２０では、払い出された遊技玉を台間カード処理機１０が計数して持玉に加算する計数処理に対応する。

【0082】

＜台間カード処理機１０の構成＞
次に、図２に示した台間カード処理機１０の構成について説明する。図４は、図２に示した台間カード処理機１０の構成を示す図である。図４に示すように、台間カード処理機１０は、紙幣搬送部１２、表示操作部１３、リーダライタ１４、通信部１５、記憶部１６、制御部１７及び遊技管理部１８を有する。

【0083】

紙幣搬送部１２は、紙幣挿入口１２ａから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部１３は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受け付けを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。

【0084】

リーダライタ１４は、カード挿入口１４ａに挿入されたカードからカードＩＤを読み取る読取部である。なお、カード挿入口１４ａに挿入されたカードは、このリーダライタ１４を経て図示しないカード収納部に収納される。通信部１５は、島コントローラ３０を介して管理装置５０との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。

【0085】

記憶部１６は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部１６は、自装置状態データ１６ａ及びカードデータ１６ｂを記憶する。

【0086】

自装置状態データ１６ａは、台間カード処理機１０の状態を示すデータである。この自装置状態データ１６ａには、台間カード処理機ＩＤ、遊技機ＩＤ、遊技種等を含む。台間カード処理機ＩＤは、台間カード処理機１０を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技種は、台間カード処理機１０に設定されたレートを示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、４円レートの遊技玉に「玉１」、２円レートの遊技玉に「玉２」、１円レートの遊技玉に「玉３」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。台間カード処理機１０は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技種として記憶する。遊技種は、台間カード処理機１０が設置された区画毎に固定した遊技種を用いることとしてもよいし、遊技客の操作により変更可能としてもよい。

【0087】

カードデータ１６ｂは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ１６ｂには、カードＩＤ、暗証番号、プリペイド価値、持玉、貯玉等を含む。カードＩＤは、リーダライタ１４により読み取られたカードＩＤである。図示しないカード収納部からカード挿入口１４ａにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ１４により読み取られたカードＩＤによってカードデータ１６ｂが更新される。また、カード挿入口１４ａから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ１４により読み取られたカードＩＤによってカードデータ１６ｂが更新される。プリペイド価値は、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高を示し、持玉及び貯玉は、それぞれの残高を示す。

【0088】

遊技管理部１８は、認証や遊技機２０との通信に係る処理を行なう処理部である。この遊技管理部１８は、制御部１７と異なる基板上に形成することが望ましい。遊技管理部１８は、認証処理部１８ａ、認証鍵管理部１８ｂ及び遊技機状態管理部１８ｃを有する。実際には、これらのプログラムをＣＰＵ（Central Processing Unit）にロードして実行することにより、認証処理部１８ａ、認証鍵管理部１８ｂ及び遊技機状態管理部１８ｃにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。

【0089】

認証処理部１８ａは、管理装置５０から受信した認証鍵を使用して遊技機２０の認証を実施する。認証処理部１８ａは、認証が成功したならば、遊技機２０へ動作許可を送信する。認証処理部１８ａは、認証が失敗した場合には、遊技機２０の使用を禁止する。なお、認証が失敗した場合であっても、最後の認証成功から所定期間内であれば遊技機２０への動作許可を送信し、最後の認証成功から所定期間が経過した後は遊技機２０への動作許可を送信せず、遊技機２０の使用を禁止するよう構成してもよい。

【0090】

認証鍵管理部１８ｂは、認証鍵の管理を行なう処理部である。認証鍵には使用時間が設定されており、遊技機２０の稼働時間の累計が認証鍵の使用時間に達した場合に該認証鍵は使用不能となる。具体的には、認証鍵管理部１８ｂは、遊技管理部１８が形成された基板の通電時間を遊技機２０の稼働時間として用い、認証鍵の使用時間を管理している。認証鍵が使用不能となった場合には、認証鍵管理部１８ｂは、管理装置５０を介して店舗外の認証鍵管理センタから新たな認証鍵を取得し、認証鍵の更新を行なう。

【0091】

遊技機状態管理部１８ｃは、遊技機２０と通信し、遊技機２０の状態を管理する処理部である。具体的には、遊技機状態管理部１８ｃは、遊技機２０からの遊技機ＩＤの取得、玉貸による遊技球数への加算要求の送信、持玉再プレイによる持玉から遊技球数への管理移行要求の送信、貯玉再プレイによる遊技球数への加算要求の送信、遊技機２０における打込玉数や賞出玉数等の遊技結果の受信、計数による遊技球数から持玉への管理移行要求の受信を行なう。かかる台間カード処理機１０と遊技機２０との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。

【0092】

また、遊技機状態管理部１８ｃは、遊技機２０の現在の遊技球数、スタート、大当り、大当り種別、抽選回数などの遊技に設定された状態をさらに取得する。遊技機状態管理部１８ｃが遊技機２０の状態を取得する時間間隔は、遊技機２０において遊技玉が発射（使用）される間隔よりも短く設定することが望ましい。また、遊技機状態管理部１８ｃは、遊技機２０から遊技球数を取得したならば、該遊技球数を制御部１７に受け渡す。

【0093】

なお、遊技機状態管理部１８ｃが遊技機２０から新たに遊技機ＩＤを取得するタイミングは、開店前に限定されるものではない。台間カード処理機１０の電源オンや電源オフを行なった場合、定期的な通信時、遊技球数に関する処理（玉貸、再プレイ、計数など）を行なった場合、オフライン状態からの復帰時などに遊技機ＩＤの取得や遊技機２０の入れ替えの判定を行なうことができる。また、これらのタイミングを組み合わせて用いてもよい。

【0094】

制御部１７は、台間カード処理機１０の全体制御を行う制御部である。実際には、制御部１７に対応するプログラムをＣＰＵにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。データ管理部１７ａは、カードデータ１６ｂを管理する処理部である。

【0095】

具体的には、データ管理部１７ａは、カードが挿入された場合に、カードＩＤ及び台間カード処理機ＩＤを含むカード挿入通知を管理装置５０に送信する。また、データ管理部１７ａは、管理装置５０から有価価値（プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか）及び暗証番号を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値及び暗証番号によりカードデータ１６ｂを更新する。

【0096】

また、データ管理部１７ａは、紙幣挿入口１２ａに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードＩＤ及び台間カード処理機ＩＤを含む入金通知を管理装置５０に送信する。

【0097】

また、データ管理部１７ａは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードＩＤ及び台間カード処理機ＩＤを含む玉貸要求を管理装置５０に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部１７ａは、カードデータ１６ｂのプリペイド価値を減算し、所定数の玉数を遊技機２０の遊技球数に加算させるよう遊技管理部１８に指示する。

【0098】

また、データ管理部１７ａは、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、カードデータ１６ｂの持玉を減算して更新し、対応する玉数を遊技機２０の遊技球数に加算させるよう遊技管理部１８に指示する。

【0099】

また、データ管理部１７ａは、カードデータ１６ｂに示された貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数以上である場合には、表示操作部１３に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。データ管理部１７ａは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードＩＤ及び台間カード処理機ＩＤを含む貯玉再プレイ要求を管理装置５０に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ１６ｂの貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する玉数を遊技機２０の遊技球数に加算させるよう遊技管理部１８に指示する。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ１６ｂに示された暗証番号と一致することを、貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。

【0100】

また、データ管理部１７ａは、遊技管理部１８が遊技機２０から遊技玉の移行要求を受け付けた場合には、遊技管理部１８に指示された玉数をカードデータ１６ｂの持玉に加算して更新する。

【0101】

また、データ管理部１７ａは、カード返却操作を受け付けた場合には、カードＩＤ、台間カード処理機ＩＤ、持玉の残高を含む持玉加算要求を管理装置５０に送信する。そして、カードデータ１６ｂをクリアした後、カード排出通知を管理装置５０に送信し、カードを排出する。

【0102】

次に、図４に示した台間カード処理機１０の記憶部１６が記憶するデータの一例について説明する。図５は、図４に示した自装置状態データ１６ａ及びカードデータ１６ｂの一例を示す図である。

【0103】

図５（ａ）に示す自装置状態データ１６ａは、台間カード処理機１０のＩＤが「Ａ１０１」であり、接続されている遊技機２０の遊技機ＩＤが「Ｂ２０１」、台間カード処理機１０の遊技種として「玉１」が設定された状態を示している。

【0104】

図５（ｂ）に示すカードデータ１６ｂは、台間カード処理機１０に挿入されたカードのＩＤが「２０１５」であることを示している。なお、ここでは、カードＩＤの上１桁がカードの種別を示しており、上１桁が「１」のカードが一般カード、上１桁が「２」のカードが会員カードである。また、カードデータ１６ｂは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「１２３４」であり、プリペイド価値が「０」度数である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数とは１度数が１円相当である。

【0105】

また、カードデータ１６ｂは、持玉として、玉１の持玉の残高が「９９０」玉、玉２の持玉の残高が「０」玉、玉３の持玉の残高が「０」玉であり、貯玉として、玉１の貯玉の残高が「０」玉、玉２の貯玉の残高が「０」玉、玉３の貯玉の残高が「０」玉である状態を示している。

【0106】

＜遊技機２０の構成＞
次に、図２に示した遊技機２０の構成について説明する。図６は、図２に示した遊技機２０の構成を示す図である。図６に示すように、遊技機２０は、通信制御部２３、演出制御部２４、遊技制御部２５及び遊技玉制御部２６を有する。通信制御部２３は、台間カード処理機１０との間のデータ通信を制御するための制御部である。台間カード処理機１０との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。

【0107】

通信制御部２３は、遊技機２０の起動時に、遊技制御部２５及び／又は遊技玉制御部２６に設けられる制御ＣＰＵから識別情報を読み出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば、台間カード処理機１０との通信を確立して待機状態となる。待機状態において、台間カード処理機１０から動作許可を受信したならば、演出制御部２４、遊技制御部２５及び遊技玉制御部２６を起動し、遊技可能な状態とする。

【0108】

遊技制御部２５は、遊技機２０による遊技を制御する制御部である。実際には、遊技制御部２５に対応するプログラムをＣＰＵにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。

【0109】

具体的には、遊技制御部２５は、ハンドル操作検出による遊技玉の遊技盤面への発射制御、遊技盤面における入賞口に入った遊技玉の検出、始動口に入った遊技玉による乱数（０～６５５３５の乱数値の中で、所定の範囲ごとに大当り、小当り、はずれの数値が割り当てられているもの）の取得及び抽選（特別図柄及び普通図柄）、遊技盤面に設けられる可動部材（チューリップ等）の制御、遊技盤面に設けられる特別図柄表示装置の表示制御、不正の虞がある異常（前枠が開いている、振動を検出した等）の検出及び上位装置への通知等を行う。

【0110】

遊技盤面には多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技玉が始動口に入賞したことにより抽選が行われ、大当りとなると、遊技盤面上の所定の入賞口を複数回開放状態に制御する大当り遊技が行われ、この入賞口への遊技玉の入賞が容易になることにより、遊技客に賞玉を付与する。

【0111】

また、大当りには、大当り遊技終了後、遊技客に所定の特典遊技を付与する特典付大当り遊技がある。特典付き大当り遊技には、確率変動大当りと時短大当りが含まれる。確率変動大当りと時短大当りは、それぞれ大当り後に特典遊技として確率変動遊技と時短遊技を付与するものである。時短遊技は、普通図柄抽選（上記する可動部材の開閉抽選）及び／又は特別図柄抽選（上記する遊技玉の入賞による大当り抽選）の変動時間（抽選処理を開始してから結果を表示するまでの時間）を短縮することにより、単位時間あたりの抽選回数を増大させ、単位時間あたりに大当りに当選する確率を高める特典遊技である。この特典遊技には、普通図柄の当選確率を高くする普通図柄確率変動を含んでいても良い。時短大当りによる時短遊技は、特別図柄抽選の抽選回数が大当り後所定の回数行われた場合に終了する。確率変動遊技については後述する。

【0112】

遊技制御部２５は、確率変動機能を有する。確率変動機能とは、抽選結果が大当りのうち、特に定められた乱数範囲になった場合に、次回抽選に用いる大当りの乱数範囲を変更する（一般的には１０倍程度にする）制御を行う機能である。確率変動遊技は、この変更された後の確率を用いて特別図柄抽選を行うものである。確率変動遊技は、次回大当り当選まで継続される。また、確率変動遊技と時短遊技を同時に付与してもよい。ただし、不測の遊技店の損害を予防するため、確率変動遊技あるいは時短遊技開始後、一定の遊技媒体を遊技客が獲得した場合は、打ち止め（一旦カードを排出し、賞品交換あるいは台移動を要求する）処理としてもよい。この場合、確率変動遊技状態になった後の遊技媒体数を遊技機２０にて計数し、この計数値が所定値になった場合に遊技玉の発射を停止する等の遊技停止制御を行うことで実現できる。

【0113】

演出制御部２４は、遊技中の演出を制御する制御部であり、演出図柄抽選部２４ａ及び演出抽選部２４ｂを有する。実際には、これらのプログラムをＣＰＵにロードして実行することにより、演出図柄抽選部２４ａ及び演出抽選部２４ｂにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。

【0114】

演出図柄抽選部２４ａは、遊技制御部２５での特別図柄抽選に基づく、演出図柄（遊技盤面内の表示装置等の演出図柄表示装置で表示する図柄）の抽選（具体的には表示を最終的に７，７，７で止めるかどうかなど）を行う。

【0115】

演出抽選部２４ｂは、演出図柄による抽選結果を表示するまでに行う演出の種類の抽選（キャラクタが出てきてリーチ演出をするなど）を行う。かかる演出は、メインの抽選結果に対して選択される演出が異なるように設定される。

【0116】

演出制御部２４は、各演出の演出データを記憶する。さらに、演出制御部２４は、演出図柄表示装置の表示を制御し、演出実行時には、背景図柄データに演出データを重ねて演出表示を行う。また、確率変動時には、通常状態と異なる背景色データを設定する。

【0117】

遊技玉制御部２６は、遊技球数を制御する制御部である。実際には、遊技玉制御部２６に対応するプログラムをＣＰＵにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。遊技可能数管理部２６ａは、遊技可能数すなわち遊技球数を管理する管理部である。

【0118】

具体的には、遊技玉制御部２６は、遊技球数を遊技可能数メモリに記憶させ、遊技玉を発射する度に遊技球数を「１」減算し、入賞により獲得される賞出玉数を遊技球数に加算する。また、台間カード処理機１０より玉数を通知された場合には、通知された玉数を遊技球数に加算して、台間カード処理機１０に対して遊技球数に加算した旨を示す確認信号を送信する。また、遊技玉制御部２６は、遊技機２０に封入された遊技玉（循環玉）のクリーニング制御を行うこともできる。

【0119】

また、遊技玉制御部２６は、遊技可能数メモリに記憶された遊技球数を定期的に台間カード処理機１０に送信する。この場合には、遊技玉制御部２６は、遊技可能数メモリの内容をゼロクリアすることなく、遊技状態によって遊技球数の更新を継続しつつ、台間カード処理機１０へデータ取得時点での遊技球数の送信を行う。

【0120】

また、遊技機２０には、計数ボタン２２が設けられており、この計数ボタン２２が押下されたことを示す信号が遊技玉制御部２６に入力される。遊技玉制御部２６は、計数ボタン２２の押下操作を検出し、検出信号の立ち上がりから立ち下がりまでが一定時間未満あると、一定数ずつ（例えば１回の操作あたり１００玉）の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機１０に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機１０の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算（無効化）する。また、計数ボタン２２の押下操作を検出し、検出信号が立ち上がってから所定時間以上立ち下がりが検出されない場合には、検出信号が立ち上がった状態が一定時間続くごとに一定数ずつ（例えば５秒あたり２００玉）の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機１０に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機１０の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算（無効化）する。遊技球数からの減算にあたっては、メモリに記憶した１の値から減算対象の値をディクリメントする方法や、メモリに記憶した値を減算後の値で更新し、減算前の値を削除あるいは論理削除して無効化する方法等が考えられるが、減算後の値が特定可能な状態であれば特に限定はされない。

【0121】

遊技制御部２５と遊技玉制御部２６とは、それぞれ個別の基板上に構成される。遊技制御部２５が構成された遊技制御基板と遊技玉制御部２６が構成された遊技玉制御基板は、それぞれ固有のＩＤを有する。遊技機２０は、遊技制御基板のＩＤと遊技玉制御基板のＩＤとを組合せ、遊技機ＩＤとして使用する。

【0122】

＜管理装置５０の構成＞
次に、図２に示した管理装置５０の構成について説明する。図７は、図２に示した管理装置５０の構成を示す図である。図７に示すように、管理装置５０は、表示部５１及び入力部５２と接続され、外部ネットワーク通信部５３、店舗ネットワーク通信部５４、記憶部５５及び制御部５６を有する。

【0123】

表示部５１は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部５２は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。外部ネットワーク通信部５３は、外部ネットワークを介して図示しない認証鍵管理センタとデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部５４は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ３０、セルフ賞品管理装置６０及び精算機９０とデータ通信するためのインタフェース部である。

【0124】

記憶部５５は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ５５ａ、装置管理データ５５ｂ、会員管理データ５５ｃ、対応装置管理データ５５ｄ及び従業員管理データ５５ｅを記憶する。

【0125】

カード管理データ５５ａは、カードＩＤにプリペイド価値の残高や持玉の残高等を関連付けたデータである。装置管理データ５５ｂは、遊技店に設置された装置に関するデータである。この装置管理データ５５ｂは、台間カード処理機ＩＤ、設置場所、遊技台番号、遊技機ＩＤ、遊技機２０の機種データ等を含む。

【0126】

会員管理データ５５ｃは、会員に対して発行した会員カードのカードＩＤに対して、会員の氏名、貯玉の情報等を関連付けたデータである。対応装置管理データ５５ｄは、セルフ賞品管理装置６０及び精算機９０の対応付けを示すデータである。従業員管理データ５５ｅは、従業員ＩＤ、氏名、業務ランクを関連付けたデータである。

【0127】

制御部５６は、管理装置５０の全体制御を行う制御部であり、カード管理部５６ａ、装置管理部５６ｂ、会員管理部５６ｃ、対応装置管理部５６ｄ及び従業員管理部５６ｅを有する。実際には、これらのプログラムをＣＰＵにロードして実行することにより、カード管理部５６ａ、装置管理部５６ｂ、会員管理部５６ｃ、対応装置管理部５６ｄ及び従業員管理部５６ｅにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。

【0128】

カード管理部５６ａは、カード管理データ５５ａの管理を行う処理部である。カード管理部５６ａは、台間カード処理機１０、セルフ賞品管理装置６０及び精算機９０と通信して、カードＩＤに対応付けられたプリペイド価値及び持玉の残高を更新する。

【0129】

また、カード管理部５６ａは、台間カード処理機１０からカード挿入通知を受信した場合及びセルフ賞品管理装置６０からカードに関連づけられた有価価値の要求を受信した場合には、該カードに関連づけられた有価価値及び持玉の残高を通知する。

【0130】

また、カード管理部５６ａは、精算機９０からカードに関連づけられた有価価値の要求を受信した場合には、該カードに関連づけられた有価価値の残高を通知する。

【0131】

装置管理部５６ｂは、装置管理データ５５ｂの管理を行う処理部である。装置管理部５６ｂは、台間カード処理機１０から取得した台間カード処理機ＩＤ、設置場所及び遊技機ＩＤに基づいて、装置管理データ５５ｂを生成及び更新する。

【0132】

会員管理部５６ｃは、会員管理データ５５ｃの管理を行う処理部である。会員管理部５６ｃは、台間カード処理機１０、セルフ賞品管理装置６０と通信して、カードＩＤに関連付けられた貯玉の残高を更新する。また、会員管理部５６ｃは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ５５ｃに会員を追加する更新を行う。

【0133】

ここで、会員管理部５６ｃによる貯玉再プレイ処理について説明する。会員管理部５６ｃは、台間カード処理機１０から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードＩＤに関連付けられた貯玉のうち、払出先のレートの貯玉の残高を払出単位数だけ引落し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。

【0134】

対応装置管理部５６ｄは、対応装置管理データ５５ｄを管理する処理部である。対応装置管理部５６ｄは、入力部５２からセルフ賞品管理装置６０及び精算機９０の対応付けを受け付けたならば、この対応付けを対応装置管理データ５５ｄに記憶するとともに、対応装置情報として該セルフ賞品管理装置６０及び該精算機９０に対して通知する。

【0135】

従業員管理部５６ｅは、従業員管理データ５５ｅを管理する処理部である。従業員管理部５６ｅは、入力部５２から従業員に関するデータを受け付けたならば、このデータを従業員管理データ５５ｅに記憶するとともに、従業員情報としてセルフ賞品管理装置６０及び精算機９０に対して通知する。

【0136】

次に、図７に示した管理装置５０の記憶部５５が記憶するデータの一例について説明する。図８及び図９は、図７に示したカード管理データ５５ａ、装置管理データ５５ｂ、会員管理データ５５ｃ、対応装置管理データ５５ｄ及び従業員管理データ５５ｅの一例を示す図である。

【0137】

図８（ａ）に示すカード管理データ５５ａでは、カードＩＤ「１００１」にプリペイド価値「０」度数、各レートの持玉の残高「０」玉、使用先ＩＤ「Ａ１０１」が対応付けられている。すなわち、カードＩＤ「１００１」のカードは、装置ＩＤ「Ａ１０１」の台間カード処理機１０に挿入されており、持玉については台間カード処理機１０に管理が移っている。このため、各レートの持玉の残高はゼロとなる。

【0138】

また、カード管理データ５５ａでは、カードＩＤ「２０１５」にプリペイド価値「０」が対応付けられている。また、持玉として、玉１の持玉の残高「９９０」玉、玉２の持玉の残高「０」玉、玉３の持玉の残高「０」玉が対応付けられている。ただし、使用先ＩＤの対応付けはされていない。すなわち、カードＩＤ「２０１５」のカードは、台間カード処理機１０に挿入されておらず、持玉の管理が管理装置５０により行われている。

【0139】

図８（ｂ）に示す装置管理データ５５ｂは、ＩＤ「Ａ１０１」の台間カード処理機１０に対して、その設置場所が「島１－１」、接続された遊技機２０のＩＤが「Ｂ２０１」、遊技台番号が「１１」、遊技種が「玉１」、遊技機２０の機種が「ＥＶ０１」、製造番号が「ａ」であることを示している。また、この遊技機２０が使用中の状態にあることも示している。

【0140】

また、装置管理データ５５ｂは、ＩＤ「Ａ２０１」の台間カード処理機１０に対して、その設置場所が「島２－１」、接続された遊技機２０のＩＤが「Ｂ５０６」、遊技台番号が「２１」、遊技種が「玉３」、遊技機２０の機種が「ＤＸ０３」、製造番号が「ｇ」であることを示している。また、この遊技機２０が使用中の状態にあることも示している。

【0141】

図８（ｃ）に示す会員管理データ５５ｃは、カードＩＤに対応付けられた、氏名、貯玉等を示している。具体的には、会員管理データ５５ｃは、カードＩＤ「２０１５」に対して、氏名「特許太郎」、「玉１」の貯玉の残高「０」玉、「玉２」の貯玉の残高「０」玉、「玉３」の貯玉の残高「０」玉である状態を示している。

【0142】

図９（ａ）に示す対応装置管理データ５５ｄは、セルフ賞品管理装置ＩＤ「ＳＰＯＳ００１」、精算機ＩＤ「ＳＫ００１」を関連付け、セルフ賞品管理装置ＩＤ「ＳＰＯＳ００２」、精算機ＩＤ「ＳＫ００２」を関連付けている。

【0143】

図９（ｂ）に示す従業員管理データ５５ｅは、従業員ＩＤ「ＪＧ００１」、氏名「発明次郎」、業務ランク「経営者」を関連付け、従業員ＩＤ「ＪＧ０１１」、氏名「特開花子」、業務ランク「管理者」を関連付け、従業員ＩＤ「ＪＧ１０１」、氏名「知財三郎」、業務ランク「一般」を関連付けている。

【0144】

＜セルフ賞品管理装置６０の構成＞
次に、図２に示したセルフ賞品管理装置６０の構成について説明する。図１０は、図２に示したセルフ賞品管理装置６０の構成を示す図である。図１０に示すように、セルフ賞品管理装置６０は、カードリーダライタ６１、レシート発行部６２及びＩＤキーリーダ６３と接続され、表示操作部６４、通信部６５、記憶部６６及び制御部６７を有する。

【0145】

カードリーダライタ６１は、遊技客のカードからカードＩＤを読み取るデバイスであり、カードに何らかのデータを書き込む場合もある。レシート発行部６２は、感熱式プリンタなどのデバイスであり、選択した賞品を特定する情報を印字したレシートなど各種レシートを発行処理する。ＩＤキーリーダ６３は、ＩＤキーから従業員ＩＤを読み取るデバイスである。

【0146】

表示操作部６４は、液晶タッチパネル等の入出力デバイスである。通信部６５は、セルフ賞品管理装置６０が通信回線を経由して管理装置５０、賞品払出装置８０及び精算機９０と通信するためのインタフェース部である。

【0147】

記憶部６６は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、保有価値データ６６ａ、賞品在庫データ６６ｂ、対応装置データ６６ｃ及び従業員データ６６ｄを記憶する。

【0148】

保有価値データ６６ａは、カードリーダライタ６１で読み取ったカードに関連付けられた価値を示すデータである。賞品在庫データ６６ｂは、併設された賞品払出装置８０の賞品の在庫を管理するためのデータである。

【0149】

対応装置データ６６ｃは、自装置の装置ＩＤと、自装置に対応付けられた精算機９０の装置ＩＤを示すデータである。従業員データ６６ｄは、従業員に関する情報を示すデータである。

【0150】

制御部６７は、セルフ賞品管理装置６０を全体制御する制御部であり、保有価値管理部６７ａ、賞品在庫管理部６７ｂ、賞品選択制御部６７ｃ、レシート発行処理部６７ｄ、対応装置管理部６７ｅ、従業員管理部６７ｆ、連動装置制御部６７ｇ及び従業員業務制御部６７ｈを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないＲＯＭ等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをＣＰＵにロードして実行することにより、保有価値管理部６７ａ、賞品在庫管理部６７ｂ、賞品選択制御部６７ｃ、レシート発行処理部６７ｄ、対応装置管理部６７ｅ、従業員管理部６７ｆ、連動装置制御部６７ｇ及び従業員業務制御部６７ｈにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。

【0151】

保有価値管理部６７ａは、保有価値データ６６ａを管理する処理部である。保有価値管理部６７ａは、カードリーダライタ６１によりカードＩＤが読み取られたならば、該カードＩＤに関連付けられたプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を管理装置５０に要求する。保有価値管理部６７ａは、管理装置５０からカードＩＤに関連付けられたプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を受信したならば、このプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を保有価値データ６６ａに記憶する。

【0152】

賞品在庫管理部６７ｂは、賞品在庫データ６６ｂを管理する処理部である。賞品在庫管理部６７ｂは、賞品払出装置８０から賞品在庫データを受信したならば、受信したデータを賞品在庫データ６６ｂに記憶する。

【0153】

賞品選択制御部６７ｃは、賞品交換の対象となる賞品の選択を行う処理部である。賞品選択制御部６７ｃは、持玉及び貯玉の残高の範囲内で、賞品在庫データ６６ｂに基づいて賞品の選択を受け付ける。

【0154】

また、賞品選択制御部６７ｃは、賞品が選択されたならば、選択賞品の賞品コード及び個数を含む払出指示を賞品払出装置８０に通知するとともに、持玉及び貯玉の残高を端玉数として扱い、払い出された賞品の種類及び個数、並びに、端玉数をレシート発行処理部６７ｄに受け渡す。そして、カードに関連付けられたプリペイド価値の残高を精算機９０に通知する。

【0155】

レシート発行処理部６７ｄは、交換レシートを発行する処理部である。レシート発行処理部６７ｄは、選択された賞品の種類及び個数、並びに、端玉数を賞品選択制御部６７ｃから受け取ったならば、受け取ったデータを交換レシートに印字し、交換レシートととして発行する。

【0156】

対応装置管理部６７ｅは、対応装置データ６６ｃを管理する処理部である。対応装置管理部６７ｅは、管理装置５０から対応装置情報を受け取ったならば、この対応装置情報を対応装置データ６６ｃに記憶する。

【0157】

従業員管理部６７ｆは、従業員データ６６ｄを管理する処理部である。従業員管理部６７ｆは、管理装置５０から従業員情報を受け取ったならば、この従業員情報を従業員データ６６ｄに記憶する。

【0158】

連動装置制御部６７ｇは、自装置及び自装置と対応付けられた精算機９０との間で連動する処理の制御を行う処理部である。連動装置制御部６７ｇは、ＩＤキーリーダ６３から従業員ＩＤを受け付けたならば、ログイン処理を行うとともに、対応装置データ６６ｃの精算機ＩＤに対応する精算機９０に対して、従業員ＩＤを含むログイン情報を通知する。連動装置制御部６７ｇは、該精算機９０からログイン情報を受け取ったならば、このログイン情報に含まれる従業員ＩＤを用いてログイン処理を行う。

【0159】

また、連動装置制御部６７ｇは、表示操作部６４からリセット指示を受け付けたならば、自装置のリセット処理を行うとともに、対応装置データ６６ｃの精算機ＩＤに対応する精算機９０に対してリセット情報を通知する。連動装置制御部６７ｇは、該精算機９０からリセット情報を受け取ったならば、自装置のリセット処理を行う。

【0160】

また、連動装置制御部６７ｇは、表示操作部６４からログアウト指示を受け付けたならば、ログアウト処理を行うとともに、対応装置データ６６ｃの精算機ＩＤに対応する精算機９０に対してログアウト情報を通知する。連動装置制御部６７ｇは、該精算機９０からログアウト情報を受け取ったならば、ログアウト処理を行う。

【0161】

従業員業務制御部６７ｈは、従業員業務に関する処理を行う処理部である。従業員業務制御部６７ｈは、連動装置制御部６７ｇにより従業員ＩＤを用いたログイン処理が行われたならば、この従業員ＩＤに対応する従業員データ６６ｄの業務ランクに応じた従業員メニューを表示操作部６４に表示する。

【0162】

また、従業員業務制御部６７ｈは、表示操作部６４から従業員メニューの選択操作を受け付けたならば、選択された処理を行う。

【0163】

次に、図１０に示したセルフ賞品管理装置６０の記憶部６６が記憶するデータの一例について説明する。図１１及び図１２は、図１０に示した保有価値データ６６ａ、賞品在庫データ６６ｂ、対応装置データ６６ｃ及び従業員データ６６ｄの一例を示す図である。

【0164】

図１１（ａ）に示す保有価値データ６６ａは、読み取ったカードに関連付けられた価値である持玉数、貯玉数、プリペイド価値等を示すデータである。保有価値データ６６ａは、玉１の持玉数が「９９０」玉、玉２の持玉数が「０」玉、玉３の持玉数が「０」玉であり、玉１の貯玉数が「０」玉、玉２の貯玉数が「０」玉、玉３の貯玉数が「０」玉であり、プリペイド価値が「０」度数である状態を示している。

【0165】

図１１（ｂ）に示す賞品在庫データ６６ｂは、賞品コードに対して、賞品名、群コード、収納可能数、在庫数を関連付けたデータである。賞品在庫データ６６ｂは、賞品コード「０００１」に対して、賞品名「大賞品」、群コード「０１」、収納可能数「１００」個、在庫数「２０」個を関連付け、賞品コード「０００２」に対して、賞品名「中賞品」、群コード「０１」、収納可能数「３００」個、在庫数「１５０」個を関連付け、賞品コード「０００３」に対して、賞品名「小賞品」、群コード「０１」、収納可能数「５００」個、在庫数「２３０」個を関連付けた状況を示している。

【0166】

図１２（ａ）に示す対応装置データ６６ｃは、セルフ賞品管理装置ＩＤ「ＳＰＯＳ００１」、精算機ＩＤ「ＳＫ００１」を関連付けている。図１２（ｂ）に示す従業員データ６６ｄは、従業員ＩＤ「ＪＧ００１」、氏名「発明次郎」、業務ランク「経営者」を関連付け、従業員ＩＤ「ＪＧ０１１」、氏名「特開花子」、業務ランク「管理者」を関連付け、従業員ＩＤ「ＪＧ１０１」、氏名「知財三郎」、業務ランク「一般」を関連付けている。

【0167】

＜精算機９０＞
次に、図２に示した精算機９０について説明する。図１３は、図２に示した精算機９０の構成を示す図である。図１３に示すように、精算機９０は、カードリーダ９１、赤外線受光部９２、表示操作部９４、通信部９５、記憶部９６及び制御部９７を有する。

【0168】

カードリーダ９１は、遊技客のカードからカードＩＤを読み取るデバイスである。赤外線受光部９２は、リモコン１００の赤外線を受光し、この赤外線から各種データを読み取るデバイスである。表示操作部９４は、液晶タッチパネル等の入出力デバイスである。通信部９５は、通信回線を経由して管理装置５０及びセルフ賞品管理装置６０と通信するためのインタフェース部である。

【0169】

記憶部９６は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、対応装置データ９６ａ及び従業員データ９６ｂを記憶する。対応装置データ９６ａは、自装置の装置ＩＤと、自装置に対応付けられたセルフ賞品管理装置６０の装置ＩＤを示すデータである。従業員データ９６ｂは、従業員に関する情報を示すデータである。

【0170】

制御部９７は、精算機９０を全体制御する制御部であり、精算制御部９７ａ、対応装置管理部９７ｂ、従業員管理部９７ｃ、連動装置制御部９７ｄ及び従業員業務制御部９７ｅを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないＲＯＭ等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをＣＰＵにロードして実行することにより、精算制御部９７ａ、対応装置管理部９７ｂ、従業員管理部９７ｃ、連動装置制御部９７ｄ及び従業員業務制御部９７ｅにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。

【0171】

精算制御部９７ａは、カードに関連づけられたプリペイド価値の精算を行う処理部である。精算制御部９７ａは、カードリーダ９１からカードＩＤを受け付けたならば、このカードＩＤに関連付けられたプリペイド価値の要求を管理装置５０に通知する。精算制御部９７ａは、管理装置５０又はセルフ賞品管理装置６０からカードに関連付けられたプリペイド価値の残高を受け取ったならば、精算処理を行う。

【0172】

対応装置管理部９７ｂは、対応装置データ９６ａを管理する処理部である。対応装置管理部９７ｂは、管理装置５０から対応装置情報を受け取ったならば、この対応装置情報を対応装置データ９６ａに記憶する。

【0173】

従業員管理部９７ｃは、従業員データ９６ｂを管理する処理部である。従業員管理部９７ｃは、管理装置５０から従業員情報を受け取ったならば、この従業員情報を従業員データ９６ｂに記憶する。

【0174】

連動装置制御部９７ｄは、自装置及び自装置と対応付けられたセルフ賞品管理装置６０との間で連動する処理の制御を行う処理部である。連動装置制御部９７ｄは、赤外線受光部９２から従業員ＩＤを受け付けたならば、ログイン処理を行うとともに、対応装置データ９６ａのセルフ賞品管理装置ＩＤに対応するセルフ賞品管理装置６０に対して、従業員ＩＤを含むログイン情報を通知する。連動装置制御部９７ｄは、該セルフ賞品管理装置６０からログイン情報を受け取ったならば、このログイン情報に含まれる従業員ＩＤを用いてログイン処理を行う。

【0175】

また、連動装置制御部９７ｄは、表示操作部９４からリセット指示を受け付けたならば、自装置のリセット処理を行うとともに、対応装置データ９６ａのセルフ賞品管理装置ＩＤに対応するセルフ賞品管理装置６０に対してリセット情報を通知する。連動装置制御部９７ｄは、該セルフ賞品管理装置６０からリセット情報を受け取ったならば、自装置のリセット処理を行う。

【0176】

また、連動装置制御部９７ｄは、表示操作部９４からログアウト指示を受け付けたならば、ログアウト処理を行うとともに、対応装置データ９６ａのセルフ賞品管理装置ＩＤに対応するセルフ賞品管理装置６０に対してログアウト情報を通知する。連動装置制御部９７ｄは、該セルフ賞品管理装置６０からログアウト情報を受け取ったならば、ログアウト処理を行う。

【0177】

従業員業務制御部９７ｅは、従業員業務に関する処理を行う処理部である。従業員業務制御部９７ｅは、連動装置制御部９７ｄにより従業員ＩＤを用いたログイン処理が行われたならば、この従業員ＩＤに対応する従業員データ９６ｂの業務ランクに応じた従業員メニューを表示操作部９４に表示する。

【0178】

また、従業員業務制御部９７ｅは、連動装置制御部９７ｄにより従業員ＩＤを用いたログイン処理が行われ、この従業員ＩＤに対応する従業員データ９６ｂの業務ランクにおいて扉解錠の権限が付与されていたならば、自装置の扉を解錠する。従業員業務制御部９７ｅは、表示操作部９４から従業員メニューの選択操作を受け付けたならば、選択された処理を行う。

【0179】

次に、図１３に示した精算機９０の記憶部９６が記憶するデータの一例について説明する。図１４は、図１３に示した対応装置データ９６ａ及び従業員データ９６ｂの一例を示す図である。

【0180】

図１４（ａ）に示す対応装置データ９６ａは、セルフ賞品管理装置ＩＤ「ＳＰＯＳ００１」、精算機ＩＤ「ＳＫ００１」を関連付けている。図１４（ｂ）に示す従業員データ９６ｂは、従業員ＩＤ「ＪＧ００１」、氏名「発明次郎」、業務ランク「経営者」を関連付け、従業員ＩＤ「ＪＧ０１１」、氏名「特開花子」、業務ランク「管理者」を関連付け、従業員ＩＤ「ＪＧ１０１」、氏名「知財三郎」、業務ランク「一般」を関連付けている。

【0181】

＜実施形態１に係るエラー処理パターンの一例＞
次に、本実施形態１に係るエラー処理パターンの一例について説明する。図１５は、本実施形態１に係るエラー処理パターンの一例を示す図である。

【0182】

図１５に示すように、本実施形態１に係るエラー処理においては、ログイン処理、リセット処理及びログアウト処理を、セルフ賞品管理装置６０と精算機９０のどちらの装置において従業員が処理の操作を行うかで、エラー処理パターンが区分される。

【0183】

パターン１は、ログイン処理、リセット処理及びログアウト処理を全てセルフ賞品管理装置６０において行う場合である。パターン２は、パターン１においてリセット処理を行わない場合であり、すなわち、ログイン処理及びログアウト処理をセルフ賞品管理装置６０において行う場合である。

【0184】

パターン３は、ログイン処理及びリセット処理をセルフ賞品管理装置６０において行い、ログアウト処理を精算機９０において行う場合である。パターン４は、パターン３においてリセット処理を行わない場合であり、すなわち、ログイン処理をセルフ賞品管理装置６０において行い、ログアウト処理を精算機９０において行う場合である。

【0185】

パターン５は、ログイン処理をセルフ賞品管理装置６０において行い、リセット処理及びログアウト処理を精算機９０において行う場合である。

【0186】

パターン６は、ログイン処理、リセット処理及びログアウト処理を全て精算機９０において行う場合である。パターン７は、パターン６においてリセット処理を行わない場合であり、すなわち、ログイン処理及びログアウト処理を精算機９０において行う場合である。

【0187】

パターン８は、ログイン処理及びリセット処理を精算機９０において行い、ログアウト処理をセルフ賞品管理装置６０において行う場合である。パターン９は、パターン８においてリセット処理を行わない場合であり、すなわち、ログイン処理を精算機９０において行い、ログアウト処理をセルフ賞品管理装置６０において行う場合である。

【0188】

パターン１０は、ログイン処理を精算機９０において行い、リセット処理及びログアウト処理をセルフ賞品管理装置６０において行う場合である。

【0189】

＜実施形態１に係る業務ランク別権限の一例＞
次に、本実施形態１に係る業務ランク別権限の一例について説明する。図１６は、本実施形態１に係る業務ランク別権限の一例を示す図である。

【0190】

図１６に示すように、業務ランク別権限に係る権限には４種類の権限がある。一つ目は、精算機９０の扉を解錠する権限であり、二つ目は、カード問合せ、更新、精算救済、移行処理に係るカード問合せ権限、三つ目は、持玉修正の処理に係る権限、四つ目は、リセット、日計など、権限管理のない処理である。

【0191】

業務ランクは、経営者、管理者及び一般に区分され、それぞれの区分に応じて権限が付与される。具体的には、業務ランク「経営者」は、４種類の全ての権限が付与される。業務ランク「管理者」は、持玉修正の処理に係る権限以外の権限、すなわち、扉解錠、カード問合せ及び権限管理のない処理の権限が付与される。業務ランク「一般」は、権限管理のない処理の権限のみが付与される。

【0192】

＜実施形態１に係る精算機９０における従業員メニュー表示画面の一例＞
次に、本実施形態１に係る精算機９０における従業員メニュー表示画面の一例について説明する。図１７は、本実施形態１に係る精算機９０における従業員メニュー表示画面の一例を示す図である。

【0193】

図１７（ａ）に示すように、業務ランク「経営者」における従業員メニュー画面では、全てのメニューが表示される。具体的には、「前回取引」、「カード問合せ」、「日計」、「月計」、「持玉修正」、「持玉修正ログ」が表示される。

【0194】

また、図１７（ｂ）に示すように、業務ランク「管理者」における従業員メニュー画面では、持玉修正に係るメニューを除いたメニューが表示される。具体的には、「前回取引」、「カード問合せ」、「日計」、「月計」が表示される。

【0195】

＜実施形態１に係るセルフ賞品管理装置６０におけるエラー処理の処理手順＞
次に、本実施形態１に係るセルフ賞品管理装置６０におけるエラー処理の処理手順について説明する。図１８は、本実施形態１に係るセルフ賞品管理装置６０におけるエラー処理の処理手順を示すフローチャートである。

【0196】

図１８に示すように、セルフ賞品管理装置６０は、ＩＤキーリーダ６３から従業員ＩＤを受け付けてログイン処理を行ったならば（ステップＳ１０１；Ｙｅｓ）、対応装置データ６６ｃの精算機ＩＤに対応する精算機９０に対して、従業員ＩＤを含むログイン情報を通知する（ステップＳ１０２）。

【0197】

自装置においてログイン処理を行わず（ステップＳ１０１；Ｎｏ）、精算機９０からログイン情報を受け取ったならば（ステップＳ１０３；Ｙｅｓ）、このログイン情報に含まれる従業員ＩＤを用いてログイン処理を行う（ステップＳ１０４）。

【0198】

自装置にエラーが発生しているならば（ステップＳ１０５；Ｙｅｓ）、表示操作部６４にエラー処理画面を表示する（ステップＳ１０６）。リセット指示を受け付けてリセット処理を実行したならば（ステップＳ１０７；Ｙｅｓ）、精算機９０に対して、リセット情報を通知する（ステップＳ１０８）。

【0199】

リセット指示を受け付けておらず（ステップＳ１０７；Ｎｏ）、精算機９０からリセット情報を受け取ったならば（ステップＳ１０９；Ｙｅｓ）、リセット処理を行う（ステップＳ１１０）。

【0200】

自装置にエラーが発生していないならば（ステップＳ１０５；Ｎｏ）、表示操作部６４に従業員メニュー画面を表示し（ステップＳ１１１）、メニュー選択を受け付けて処理を実行する（ステップＳ１１２）。

【0201】

表示操作部６４からログアウト指示を受け付けてログアウト処理を行ったならば（ステップＳ１１３；Ｙｅｓ）、精算機９０に対してログアウト情報を通知し（ステップＳ１１４）、そのまま処理を終了する。

【0202】

自装置においてログアウト処理を行わず（ステップＳ１１３；Ｎｏ）、精算機９０からログアウト情報を受け取ったならば（ステップＳ１１５；Ｙｅｓ）、ログアウト処理を行い（ステップＳ１１６）、処理を終了する。

【0203】

＜実施形態１に係る精算機９０におけるエラー処理の処理手順＞
次に、本実施形態１に係る精算機９０におけるエラー処理の処理手順について説明する。図１９は、本実施形態１に係る精算機９０におけるエラー処理の処理手順を示すフローチャートである。

【0204】

図１９に示すように、精算機９０は、赤外線受光部９２から従業員ＩＤを受け付けてログイン処理を行ったならば（ステップＳ２０１；Ｙｅｓ）、対応装置データ９６ａのセルフ賞品管理装置ＩＤに対応するセルフ賞品管理装置６０に対して、従業員ＩＤを含むログイン情報を通知する（ステップＳ２０２）。

【0205】

自装置においてログイン処理を行わず（ステップＳ２０１；Ｎｏ）、セルフ賞品管理装置６０からログイン情報を受け取ったならば（ステップＳ２０３；Ｙｅｓ）、このログイン情報に含まれる従業員ＩＤを用いてログイン処理を行う（ステップＳ２０４）。

【0206】

自装置にエラーが発生しているならば（ステップＳ２０５；Ｙｅｓ）、表示操作部９４にエラー処理画面を表示する（ステップＳ２０６）。従業員ＩＤに対して扉解錠の権限が付与されているならば（ステップＳ２０７；Ｙｅｓ）、扉を解錠する（ステップＳ２０８）。

【0207】

リセット指示を受け付けてリセット処理を実行したならば（ステップＳ２０９；Ｙｅｓ）、セルフ賞品管理装置６０に対して、リセット情報を通知する（ステップＳ２１０）。

【0208】

リセット指示を受け付けておらず（ステップＳ２０９；Ｎｏ）、セルフ賞品管理装置６０からリセット情報を受け取ったならば（ステップＳ２１１；Ｙｅｓ）、リセット処理を行う（ステップＳ２１２）。

【0209】

自装置にエラーが発生していないならば（ステップＳ２０５；Ｎｏ）、表示操作部９４に従業員メニュー画面を表示し（ステップＳ２１３）、メニュー選択を受け付けて処理を実行する（ステップＳ２１４）。

【0210】

表示操作部９４からログアウト指示を受け付けてログアウト処理を行ったならば（ステップＳ２１５；Ｙｅｓ）、セルフ賞品管理装置６０に対してログアウト情報を通知し（ステップＳ２１６）、そのまま処理を終了する。

【0211】

自装置においてログアウト処理を行わず（ステップＳ２１５；Ｎｏ）、セルフ賞品管理装置６０からログアウト情報を受け取ったならば（ステップＳ２１７；Ｙｅｓ）、ログアウト処理を行い（ステップＳ２１８）、処理を終了する。

【0212】

上述してきたように、本実施形態１に係る遊技システムでは、セルフ賞品管理装置及び精算機のログイン処理、ログアウト処理及びリセット処理を連動させることにより、セルフ賞品管理装置及び精算機の連動運用におけるエラー対応処理を効率良く行うことができる。

【0213】

なお、上記の実施形態１では、セルフ賞品管理装置又は精算機のいずれかがログイン処理を行って従業員モードに移行した場合に、他方の装置も自動的に従業員モードに移行する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、従業員モードに移行した装置において、他方の装置を従業員モードに移行するか否かを選択できるよう構成することもできる。

【0214】

［実施形態２］
ところで、上記の実施形態１では、セルフ賞品管理装置又は精算機のいずれかがログイン処理を行って従業員モードに移行した場合に、他方の装置も自動的に従業員モードに移行する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。

【0215】

賞品払出装置に対応付けられたセルフ賞品管理装置は、この賞品払出装置の上に設置されることがある。賞品補充等のために賞品払出装置の扉を解錠する場合には、賞品払出装置の操作部にＩＤキーを翳す必要があるが、セルフ賞品管理装置を設置しているためにＩＤキーを翳す操作がやりづらく、従業員の負担となっている。

【0216】

この課題を解決するため、本発明は、賞品払出装置においてＩＤキーを翳す必要がある場合に、この賞品払出装置に対応付けられたセルフ賞品管理装置において、ＩＤキーを翳す操作を代行することができるよう構成することもできる。

【0217】

本実施形態２では、賞品払出装置においてＩＤキーを翳す必要がある場合に、この賞品払出装置に対応付けられたセルフ賞品管理装置において、ＩＤキーを翳す操作を代行することができる遊技システムについて説明する。

【0218】

＜実施形態２に係る遊技システムの概要＞
まず、本実施形態２に係る遊技システムの概要について説明する。図２０は、本実施形態２に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。

【0219】

賞品払出装置１８０において賞品補充の操作を行い（Ｓ１１）、操作の継続に必要となるＩＤキーを翳す操作をセルフ賞品管理装置１６０において行う（Ｓ１２）。具体的には、セルフ賞品管理装置１６０に接続されたＩＤキーリーダ６３にＩＤキーを翳す。

【0220】

セルフ賞品管理装置１６０においてＩＤキーを翳す操作が行われたならば、読み取られた従業員ＩＤが賞品払出装置１８０に通知され、賞品払出装置１８０において認証処理が行われて補充処理が許可される（Ｓ１３）。

【0221】

＜実施形態２に係るセルフ賞品管理装置１６０と賞品払出装置１８０における従業員ＩＤ認証の処理手順＞
次に、本実施形態２に係るセルフ賞品管理装置１６０と賞品払出装置１８０における従業員ＩＤ認証の処理手順について説明する。図２１は、本実施形態２に係るセルフ賞品管理装置１６０と賞品払出装置１８０における従業員ＩＤ認証の処理手順を示すフローチャートである。

【0222】

図２１に示すように、賞品払出装置１８０は、補充操作を受け付けたならば（ステップＳ３０１；Ｙｅｓ）、セルフ賞品管理装置１６０に対して従業員ＩＤ要求を通知する（ステップＳ３０２）。

【0223】

セルフ賞品管理装置１６０は、賞品払出装置１８０から従業員ＩＤ要求を受信したならばＩＤキー読取の待機状態となる（ステップＳ３０３）。ＩＤキーリーダから従業員ＩＤを受け付けたならば（ステップＳ３０４；Ｙｅｓ）、賞品払出装置１８０に対して従業員ＩＤを通知する（ステップＳ３０５）。

【0224】

賞品払出装置１８０は、セルフ賞品管理装置１６０から従業員ＩＤを受信したならば（ステップＳ３０６）、この従業員ＩＤを用いて従業員ＩＤの認証処理を行って（ステップＳ３０７）、補充処理を許可し（ステップＳ３０８）、処理を終了する。

【0225】

上述してきたように、本実施形態２に係る遊技システムでは、賞品払出装置においてＩＤキーを翳す必要がある場合に、この賞品払出装置に対応付けられたセルフ賞品管理装置において、ＩＤキーを翳す操作を代行することにより、賞品払出装置における処理を効率良く行うことができる。

【0226】

なお、上記の実施形態２では、賞品払出装置における賞品の補充操作の場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、賞品払出装置におけるエラー解除、集計、設定、トレーニング、払出テスト、メンテナスの場合にも、セルフ賞品管理装置においてＩＤキーを翳す操作を代行することができるよう構成することもできる。

【0227】

また、上記の実施形態２では、賞品払出装置における賞品の補充操作の場合にセルフ賞品管理装置においてＩＤキーを翳す操作を代行する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、賞品払出装置における全ての処理又は設定された一部のログイン処理又はＩＤキーを翳す操作をセルフ賞品管理装置において行うことができるよう構成することもできる。

【0228】

また、上記の実施形態２では、賞品払出装置における賞品の補充操作の場合にセルフ賞品管理装置においてＩＤキーを翳す操作を代行する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、賞品払出装置においてＩＤキーを翳す操作に係る機能にエラーが発生した場合に、セルフ賞品管理装置においてＩＤキーを翳す操作を代行することができるよう構成することもできる。

【0229】

また、また、上記の実施形態２では、賞品払出装置における賞品の補充操作の場合にセルフ賞品管理装置においてＩＤキーを翳す操作を代行する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、セルフ賞品管理装置及び賞品払出装置に対するログイン処理を個別に行うか、一方の装置のログイン処理をもって他方の装置のログイン処理を自動で行うかを選択できるよう構成することもできる。

【0230】

また、また、上記の実施形態２では、賞品払出装置における賞品の補充操作の場合にセルフ賞品管理装置においてＩＤキーを翳す操作を代行する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、セルフ賞品管理装置を持ち運び可能なタブレット端末とすることにより、遊技店内の各種装置に対するログイン処理をこのタブレット端末から行うことができるよう構成することもできる。

【0231】

［実施形態３］
ところで、上記の実施形態１では、セルフ賞品管理装置又は精算機のいずれかがログイン処理を行って従業員モードに移行した場合に、他方の装置も自動的に従業員モードに移行する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。

【0232】

セルフ賞品管理装置と精算機が連動運用される場合に、プリペイド価値及び持玉及び／又は貯玉（以下、「交換玉」と言う）が関連付けられたカードをセルフ賞品管理装置が受け付けたならば、交換玉を用いた賞品交換を行った後、精算機においてプリペイド価値の残高が自動的に精算される。この場合、賞品交換のみを行いたい、又は、精算のみ行いたいという遊技客のニーズには適切に対応することができない。

【0233】

この課題を解決するため、本発明は、セルフ賞品管理装置において、カードに関連付けられた有価価値に応じた処理を行うことができるよう構成することもできる。

【0234】

本実施形態３では、セルフ賞品管理装置において、カードに関連付けられた有価価値に応じた処理を行うことができる遊技システムについて説明する。

【0235】

＜実施形態３に係る遊技システムの概要＞
まず、本実施形態３に係る遊技システムの概要について説明する。図２２は、本実施形態３に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。

【0236】

図２２（ａ）に示すように、セルフ賞品管理装置２６０は、受け付けたカードに関連付けられた有価価値がプリペイド価値であったならば、精算を行うか否かの精算処理選択画面を表示する。

【0237】

図２２（ｂ）に示すように、セルフ賞品管理装置２６０は、受け付けたカードに関連付けられた有価価値が交換玉であったならば、賞品交換を行うか否かの交換処理選択画面を表示する。

【0238】

図２２（ｃ）に示すように、セルフ賞品管理装置２６０は、受け付けたカードに関連付けられた有価価値がプリペイド価値及び交換玉であったならば、精算処理選択画面を表示し、その後、交換処理選択画面を表示する。

【0239】

＜実施形態３に係るセルフ賞品管理装置２６０における精算処理及び賞品交換処理の処理手順＞
次に、本実施形態３に係るセルフ賞品管理装置２６０における精算処理及び賞品交換処理の処理手順について説明する。図２３は、本実施形態３に係るセルフ賞品管理装置２６０における精算処理及び賞品交換処理の処理手順を示すフローチャートである。

【0240】

図２３に示すように、セルフ賞品管理装置２６０は、カードを読み取ったならば（ステップＳ４０１；Ｙｅｓ）、管理装置５０に有価価値の残高を要求する。

【0241】

管理装置５０から受け取った有価価値がプリペイド残高のみならば（ステップＳ４０２；Ｙｅｓ）、精算処理選択画面を表示する。精算することが選択されたならば（ステップＳ４０３；Ｙｅｓ）、精算処理を行って（ステップＳ４０４）、ステップＳ４１２に移行する。精算しないことが選択されたならば（ステップＳ４０３；Ｎｏ）、ステップＳ４１２に移行する。

【0242】

管理装置５０から受け取った有価価値が交換玉のみならば（ステップＳ４０２；Ｎｏ、ステップＳ４０５；Ｙｅｓ）、交換処理選択画面を表示する。賞品交換することが選択されたならば（ステップＳ４０６；Ｙｅｓ）、賞品交換処理を行って（ステップＳ４０７）、ステップＳ４１２に移行する。賞品交換しないことが選択されたならば（ステップＳ４０６；Ｎｏ）、ステップＳ４１２に移行する。

【0243】

管理装置５０から受け取った有価価値がプリペイド残高及び交換玉ならば（ステップＳ４０２；Ｎｏ、ステップＳ４０５；Ｎｏ）、精算処理選択画面を表示する。精算することが選択されたならば（ステップＳ４０８；Ｙｅｓ）、精算処理を行う（ステップＳ４０９）。

【0244】

交換処理選択画面を表示し、賞品交換することが選択されたならば（ステップＳ４１０；Ｙｅｓ）、賞品交換処理を行って（ステップＳ４１１）、ステップＳ４１２に移行する。賞品交換しないことが選択されたならば（ステップＳ４１０；Ｎｏ）、カードを返却して（ステップＳ４１２）、処理を終了する。

【0245】

上述してきたように、本実施形態３に係る遊技システムでは、セルフ賞品管理装置において、カードに関連付けられた有価価値に応じた処理を行うことができる

【0246】

なお、上記の実施形態３では、カードに関連付けられた有価価値がプリペイド価値及び交換玉の場合に、精算処理画面及び交換処理画面の双方を表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、精算処理画面及び交換処理画面のいずれか、又は、双方を表示することを選択できるよう構成することもできる。

【0247】

［実施形態４］
ところで、上記の実施形態１では、セルフ賞品管理装置又は精算機のいずれかがログイン処理を行って従業員モードに移行した場合に、他方の装置も自動的に従業員モードに移行する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。

【0248】

セルフ賞品管理装置では、遊技客が交換操作を行うために、一般カード及び会員カードを受け付けて遊技客用の賞品交換画面が表示される。一方、カウンタに設置される賞品管理装置は従業員が操作するために、一般カード及び会員カードに加え、ワゴンカードを受け付けることができる。賞品管理装置では、どのカードを受け付けても、賞品選択画面に全ての賞品が表示されるため、賞品の選択が効率的に行うことができないという課題があった。

【0249】

この課題を解決するため、本発明は、賞品管理装置及びセルフ賞品管理装置において、受け付けたカードに応じて賞品交換画面を表示することができるよう構成することもできる。

【0250】

本実施形態４では、賞品管理装置及びセルフ賞品管理装置において、受け付けたカードに応じて賞品交換画面を表示することができる遊技システムについて説明する。

【0251】

＜実施形態４に係る遊技システムの概要＞
まず、本実施形態４に係る遊技システムの概要について説明する。図２４及び図２５は、本実施形態４に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。

【0252】

従来のセルフ賞品管理装置３００及び賞品管理装置３１０における賞品交換画面について説明する。図２４（ａ）に示すように、セルフ賞品管理装置３００は、一般カード又は会員カードを受け付けたならば、遊技客用の賞品交換画面を表示する。例えば、大賞品、中賞品、小賞品などが表示される。

【0253】

図２４（ｂ）に示すように、賞品管理装置３１０は、一般カード、会員カード又はワゴンカードを受け付けたならば、従業員用の賞品交換画面を表示する。例えば、大賞品、中賞品、小賞品、大景品、中景品など、全ての賞品が表示される。

【0254】

賞品管理装置３１０は、受け付けたカードの種類に関係なく、全ての賞品を表示するため、目的とする賞品を探す煩わしさがあり、効率的な業務の支障となる可能性がある。

【0255】

次に、本実施形態４に係る遊技システムについて説明する。図２５（ａ）に示すように、セルフ賞品管理装置３２０は、一般カード又は会員カードを受け付けたならば、遊技客用の賞品交換画面を表示する。また、図２５（ｂ）に示すように、セルフ賞品管理装置３２０は、ワゴンカードを受け付けたならば、ワゴン賞品のみを対象とした従業員用の賞品交換画面を表示する。この受け付けたカードに応じて賞品交換画面を表示することは、賞品管理装置においても適用することができる。

【0256】

上述してきたように、本実施形態４に係る遊技システムでは、賞品管理装置及びセルフ賞品管理装置において、受け付けたカードに応じて賞品交換画面を表示することができる。

【0257】

なお、上記の実施形態４では、受け付けたカードに応じて賞品交換画面を表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ワゴンカードを受け付けた場合には、持玉数に応じて交換可能なワゴン賞品のみを表示するよう構成することもできる。

【0258】

［実施形態５］
ところで、上記の実施形態１では、セルフ賞品管理装置又は精算機のいずれかがログイン処理を行って従業員モードに移行した場合に、他方の装置も自動的に従業員モードに移行する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。

【0259】

セルフ賞品管理装置では、自装置に対応付けられた賞品払出装置における賞品の在庫状況を把握している。賞品の在庫数が所定数以下になって賞品の補充が必要な状態をニアエンプティと呼び、ニアエンプティが発生した場合には、セルフ賞品管理装置は、ニアエンプティ発生を従業員の保有する従業員端末などに通知する。

【0260】

しかしながら、従業員がニアエンプティ発生通知を認識したとしても、他の作業で手が離せない場合などは、ニアエンプティ発生を失念してしまう恐れもあり、賞品の補充作業が適切に行われない可能性もあった。

【0261】

この課題を解決するため、本発明は、ニアエンプティ通知の通知頻度設定を行うことにより、ニアエンプティ通知を確実に従業員に伝えるよう構成することもできる。

【0262】

本実施形態５では、ニアエンプティ通知の通知頻度設定を行うことにより、ニアエンプティ通知を確実に従業員に伝えることができる遊技システムについて説明する。

【0263】

＜実施形態５に係る遊技システムの概要＞
まず、本実施形態５に係る遊技システムの概要について説明する。図２６及び図２７は、本実施形態５に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。

【0264】

図２６に示すように、セルフ賞品管理装置４００は、自装置に対応付けられた賞品払出装置４１０の賞品の在庫状況を把握し、ニアエンプティが発生した場合には、従業員Ａの保有する従業員端末４２０及び従業員Ｂが装着するインカム４３０に対して、ニアエンプティ発生を通知する。

【0265】

このニアエンプティ発生通知は、通知を受けた従業員が確実に補充作業を行えるよう、事前の設定により、再送信を行う。具体的には、図２７に示すように、従業員端末４２０は、ニアエンプティ通知頻度設定を受け付けたならば、このニアエンプティ通知頻度設定をセルフ賞品管理装置４００に通知し、セルフ賞品管理装置４００に設定される。例えば、ニアエンプティ発生に対応する賞品の補充が行われるまで、ニアエンプティ発生通知を１０分間隔の頻度で通知する設定を行う。

【0266】

セルフ賞品管理装置４００は、ニアエンプティ発生を検知したならば、ニアエンプティ発生通知を従業員端末４２０に通知する。従業員端末４２０では、ニアエンプティ発生を報知し、従業員の操作を受け付けてこの通知の報知を取り消す。

【0267】

セルフ賞品管理装置４００は、ニアエンプティ発生通知を通知してから、設定した時間（例えば、１０分）が経過したならば、ニアエンプティ発生通知を再送する。この１０分の間に、従業員は他の作業を行っていたため、賞品の補充を行えなかったことが考えられる。

【0268】

従業員端末４２０では、ニアエンプティ発生を再度報知し、従業員の操作を受け付けてこの通知の報知を取り消す。ここで、従業員が賞品の補充を行えば、セルフ賞品管理装置４００が賞品の補充を検知することにより、ニアエンプティ発生通知のその後の再送は行われない。

【0269】

上述してきたように、本実施形態５に係る遊技システムでは、ニアエンプティ通知の通知頻度設定を行うことにより、ニアエンプティ通知を確実に従業員に伝えることができる。

【0270】

なお、上記の実施形態５では、ニアエンプティ通知の通知頻度設定を行うことにより、ニアエンプティ通知を確実に従業員に伝える構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、従業員端末等の端末やパトライト（登録商標）等の表示装置に対して各種の通知を行うセルフ賞品管理装置以外の装置に対しても、通知頻度設定を行えるよう構成することもできる。

【0271】

また、上記の実施形態５では、ニアエンプティ通知の通知頻度設定を行うことにより、ニアエンプティ通知を確実に従業員に伝える構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各装置が行う各種の通知に対して個々に通知頻度を設定できるよう構成することもできる。

【0272】

また、上記の実施形態５では、従業員端末及びインカムに対してニアエンプティ通知を行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理装置やウェアラブル端末等、他の情報通信機器に対して通知するよう構成することもできる。

【0273】

また、上記の実施形態１～５では、管理遊技機を例示した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各台計数機付きの遊技機等を用いた場合に適用することもできる。

【0274】

また、上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。

【産業上の利用可能性】

【0275】

本発明に係る遊技システム、賞品管理装置、精算機及び装置連動方法は、セルフ賞品管理装置及び精算機の連動運用におけるエラー対応処理を効率良く行う場合に適している。

【符号の説明】

【0276】

１０ 台間カード処理機
１１ 状態表示部
１２ 紙幣搬送部
１２ａ 紙幣挿入口
１３ 表示操作部
１４ リーダライタ
１４ａ カード挿入口
１５ 通信部
１６ 記憶部
１６ａ 自装置状態データ
１６ｂ カードデータ
１７ 制御部
１７ａ データ管理部
１８ 遊技管理部
１８ａ 認証処理部
１８ｂ 認証鍵管理部
１８ｃ 遊技機状態管理部
２０ 遊技機
２１ ハンドル
２２ 計数ボタン
２３ 通信制御部
２４ 演出制御部
２４ａ 演出図柄抽選部
２４ｂ 演出抽選部
２５ 遊技制御部
２６ 遊技玉制御部
２６ａ 遊技可能数管理部
３０ 島コントローラ
５０ 管理装置
５１ 表示部
５２ 入力部
５３ 外部ネットワーク通信部
５４ 店舗ネットワーク通信部
５５ 記憶部
５５ａ カード管理データ
５５ｂ 装置管理データ
５５ｃ 会員管理データ
５５ｄ 対応装置管理データ
５５ｅ 従業員管理データ
５６ 制御部
５６ａ カード管理部
５６ｂ 装置管理部
５６ｃ 会員管理部
５６ｄ 対応装置管理部
５６ｅ 従業員管理部
６０ セルフ賞品管理装置
６１ カードリーダライタ
６２ レシート発行部
６３ ＩＤキーリーダ
６４ 表示操作部
６５ 通信部
６６ 記憶部
６６ａ 保有価値データ
６６ｂ 賞品在庫データ
６６ｃ 対応装置データ
６６ｄ 従業員データ
６７ 制御部
６７ａ 保有価値管理部
６７ｂ 賞品在庫管理部
６７ｃ 賞品選択制御部
６７ｄ レシート発行処理部
６７ｅ 対応装置管理部
６７ｆ 従業員管理部
６７ｇ 連動装置制御部
６７ｈ 従業員業務制御部
８０ 賞品払出装置
９０ 精算機
９１ カードリーダ
９２ 赤外線受光部
９４ 表示操作部
９５ 通信部
９６ 記憶部
９６ａ 対応装置データ
９６ｂ 従業員データ
９７ 制御部
９７ａ 精算制御部
９７ｂ 対応装置管理部
９７ｃ 従業員管理部
９７ｄ 連動装置制御部
９７ｅ 従業員業務制御部
１００ リモコン
１６０ セルフ賞品管理装置
１８０ 賞品払出装置
１８１ 操作部
２６０ セルフ賞品管理装置
３００ セルフ賞品管理装置
３１０ 賞品管理装置
３２０ セルフ賞品管理装置
４００ セルフ賞品管理装置
４１０ 賞品払出装置
４２０ 従業員端末
４３０ インカム

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】