(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-05
(45)【発行日】2025-12-15
(54)【発明の名称】ドローンステーション
(51)【国際特許分類】
B64U 80/70 20230101AFI20251208BHJP
B64U 70/90 20230101ALI20251208BHJP
B64U 80/40 20230101ALI20251208BHJP
E01F 3/00 20060101ALI20251208BHJP
【FI】
B64U80/70
B64U70/90
B64U80/40
E01F3/00
(21)【出願番号】P 2025552433
(86)(22)【出願日】2025-06-24
(86)【国際出願番号】 JP2025022715
【審査請求日】2025-09-09
(31)【優先権主張番号】P 2024109310
(32)【優先日】2024-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】717007295
【氏名又は名称】株式会社Liberaware
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】野平 幸佑
【審査官】小林 瑛佑
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0383052(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第114476110(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64U 80/70
B64U 70/90
B64U 80/40
E01F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人飛行体を発着させるためのドローンステーションであって、
上下に重ねて配置可能であり少なくとも1機の無人飛行体を発着させることが可能なステーションユニットを備え、
前記ステーションユニットは、箱型の筐体と、前記筐体に収容されるステージと、を有し、
前記ステージは、前記筐体に収容される収容状態と、前記筐体から露出して前記無人飛行体を発着させることが可能な開放状態との間で水平方向にスライド可能であり、
上下に重ねて配置された複数の前記ステーションユニットを備え、
それぞれの前記ステージの状態情報を取得するとともに、それぞれの前記ステージのスライド方向を決定する制御部を備え、
前記制御部は、一の前記ステージの状態情報に基づいて、他の前記ステージのスライド方向を決定する、ドローンステーション。
【請求項2】
前記ステージは、前記筐体に対して、前記収容状態から水平な複数の方向にスライド可能に構成されている、請求項1に記載のドローンステーション。
【請求項3】
複数の前記ステーションユニットは、前記ステージの開放状態において、それぞれのステージが平面視で重ならないように、互いに異なる方向にスライド可能に構成されている、請求項1または2に記載のドローンステーション。
【請求項4】
前記制御部は、外部装置からステージを開放する指示情報を受信した場合、それぞれの前記ステージの状態情報に基づいて、どのステージをどの方向に解放するかを決定する、請求項
1に記載のドローンステーション。
【請求項5】
前記筐体は、前記開放状態と前記収容状態との間で前記ステージが出入りする開口を有し、
前記ステーションユニットは、前記開放状態において前記開口を塞ぐ内壁を備える、請求項1または2に記載のドローンステーション。
【請求項6】
前記収容状態において前記開口を塞ぐとともに、前記ステージと共に移動する外壁を備える、請求項
5に記載のドローンステーション。
【請求項7】
前記外壁の内面には、前記開放状態から前記収容状態への前記ステージの移動の過程で前記内壁を開くための突起が設けられている、請求項
6に記載のドローンステーション。
【請求項8】
複数の前記ステーションユニットは、各ステーションユニットのステージが平面視で同時に同じ方向に向けてスライドしないように構成されている、請求項3に記載のドローンステーション。
【請求項9】
複数の前記ステーションユニットは、各ステーションユニットのステージが平面視で同時に異なる方向に向けて開くことができるように構成されている、請求項
8に記載のドローンステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドローンステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
無人飛行体を用いた点検作業の需要が高まっている。定常的な点検作業においては、効率化のため、無人飛行体をルーチンに従って自律的に飛行させて点検を行わせることが求められている。定期的に自律的に無人飛行体を飛行させるためには、無人飛行体の発着を行うためのステーションが必要となる。
【0003】
例えば、特許文献1には、自律飛行を行う無人飛行体のためのステーションが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、工場や配管等の狭所における点検では、無人飛行体のステーションを設ける場所の制約が大きくなる。
【0006】
そこで、本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンパクトで利便性の高いドローンステーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、無人飛行体を発着させるためのドローンステーションであって、上下に重ねて配置可能であり少なくとも1機の無人飛行体を発着させることが可能なステーションユニットを備え、前記ステーションユニットは、箱型の筐体と、前記筐体に収容されるステージと、を有し、前記ステージは、前記筐体に収容される収容状態と、前記筐体から露出して前記無人飛行体を発着させることが可能な開放状態との間で水平方向にスライド可能であるドローンステーションが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、コンパクトで利便性の高いドローンステーションを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係るドローンステーションの一例を示す斜視図である。
【
図2】同実施形態に係るドローンステーションの変形例を示す斜視図である。
【
図3】同実施形態に係るドローンステーションのさらなる変形例を示す側面図である。
【
図4】
図3のドローンステーションを示す平面図である。
【
図5】同実施形態に係るステーションユニットの構成例を示す斜視図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係るドローンステーションの制御方法の一例を示すフロー図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係るステーション1の構成を示す斜視図である。
【
図8】同実施形態に係るステーション1の構成を示す平面図である。
【
図9】同実施形態に係るステーション1の制御のためのハードウェア構成図の一例である。
【
図10】同実施形態に係る制御装置100のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【
図11】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理について説明するための第1の図である。
【
図13】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理について説明するための第2の図である。
【
図14】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理について説明するための第3の図である。
【
図15】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理について説明するための第4の図である。
【
図16】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理について説明するための第5の図である。
【
図17】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図18】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理について説明するための第1の図である。
【
図19】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理について説明するための第2の図である。
【
図20】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理について説明するための第3の図である。
【
図21】同実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理について説明するための第4の図である。
【
図22】本開示の一実施形態に係るステーション1の変形例の開放状態を示す斜視図である。
【
図23】同実施形態のステーション1を別の角度から見た構成を示す斜視図である。
【
図24】同実施形態のステーション1の閉鎖状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるドローンステーション20の一例を示す。ドローンステーション20は、上下に重ねて配置され、それぞれ少なくとも1機の無人飛行体を発着させることが可能な複数のステーションユニット30を備える。なお、ステーションユニット30は1段のみでもよい。
【0012】
それぞれのステーションユニット30は、箱型の筐体31と、筐体31に収容されるステージ32と、を有する。ステージ32は、筐体31に収容される収容状態と、筐体31から露出する開放状態との間で水平方向にスライド可能である。複数のステーションユニット30は、
図1に示すように、ステージの開放状態において、それぞれのステージ32が平面視で重ならないように、互いに異なる方向にスライド可能に構成されている。このような構成により、異なる方向にスライドさせたステージそれぞれに安全に無人飛行体を離発着させることができる。また、収容状態では筐体31にステージ32が収まるのでコンパクトになり、運搬しやすく、また、比較的狭い場所にも設置することができる。
【0013】
図1の例では、上下二段のステーションユニット30を備え、上段のステーションユニット30は、図の奥行方向(前後方向)にステージ32がスライドし、下段のステーションユニット30は、図の左右方向にステージ32がスライドする。上段のステーションユニット30は、収容状態から、図の手前側のみ(または奥側のみ)にステージ32がスライド可能であってもよいし、手前側と奥側の両方にスライド可能であってもよい。つまり、複数の方向に開く構成であってもよい。同様に、下段のステーションユニット30は、収容状態から右方向のみ(または左側のみ)にステージ32がスライド可能であってもよいし、左右両側にスライド可能であってもよい。ステージ32は、上側が開放しており、無人飛行体が離発着可能となっている。ステージ32は、水平な底板と、前後左右の側壁とを有する構成としているが、少なくとも無人飛行体が着陸するための水平な板要素(底板、天板等)を備えていればよい。また、各ステージ32は、1台のみの無人飛行体が離発着可能であってもよいし、複数台の無人飛行体が離発着可能であってもよい。
【0014】
図2の例では、上下二段のステーションユニット30を備え、上段と下段のステーションユニット30はともに、図の奥行方向(前後方向)にステージ32がスライドし、互いに逆の向きにステージ32がスライドする。なお、上下が逆であってもよい。
【0015】
図3の側面図、
図4の平面図では、上下4段の構成となっており、それぞれ異なる4方向にステージがスライドすることで、互いに重ならないように構成されている。この場合、同時に4カ所のステージにそれぞれ無人飛行体が着陸、離陸可能となる。
【0016】
図5に示すように、ステージ32は、筐体31に対して、収容状態から水平な複数の方向にスライド可能に構成されていてもよく、この場合、周囲の状況に応じて適切な方向にステージをスライドさせることができる。例えば、他のステーションユニット30のステージのスライド方向と一致しないようにスライドさせることで、複数のステージに、同時に無人飛行体を安全に離発着させることができる。あるいは、障害物等の位置をセンサやカメラ(ドローンステーションに設けたセンサ、または、周囲に設けたセンサ等)で検出することができる場合、当該検出情報に基づいて、障害物や人が存在しない方向にスライドさせることで、安全性を確保することができる。
【0017】
また、それぞれのステージは、筐体に対して、収容状態から水平な一方向のみにスライドするよう構成されていてもよい。この場合、構造が簡易になり、用途も複雑にならないという利点がある。
【0018】
各ステーションユニットは、ステージの状態情報を取得するセンサ、カメラ等の検出部と、検出した情報を他のステーションユニットや外部装置に送信可能な通信部を備える。検出部は、ステーションユニットの内部に設けてもよいし、外部に設けてもよい。例えば、筐体にステージが収容されているかを検出するセンサ又はカメラ、ステージ上の無人飛行体の有無を検出するセンサ等をステーションユニットの内部及び外部の少なくとも一方に設けることができる。また、ステージが開いている方向を検出するセンサ等をステーションユニットの内部及び外部の少なくとも一方に設けることができる。通信部は、他のステーションユニットや外部装置からの信号を受信して制御部や記憶部に送ることができる。また、それぞれのステージの状態情報を取得するとともに、それぞれのステージのスライド方向を決定する制御部(例えば、後述する制御装置100)を備え、制御部は、一のステージの状態情報に基づいて、他の前記ステージのスライド方向を決定するようにしてもよい。なお、この制御部は、ステーションユニットの内部に設けてもよいし、外部に設けてもよいし、通信部を介して通信可能な管理装置やユーザ端末等に設けてもよい。例えば、管理装置が各ステーションユニットの状態情報を受信して、各ステーションユニットに対して、スライドの要否やスライド方向を指示する信号を送信するようにしてもよい。ステージの状態情報は、例えば、各ステージ(又はステーションユニット)ごとに設定される固有の識別情報、収容状態か開放状態かの情報、スライド方向の情報、を含む。識別情報は、アルファベット、数字等で表現されるが、これに限られない。収容状態に関する情報は、収容状態か開放状態か、に限られず、開放度合いを5段階、3段階等の段階や割合(%)等で示すことができる。スライド方向の情報は、例えば、前後左右方向、第1~第4方向等で示す周方向に均等な4方向の何れかとしてもよいし、さらに細かく区分した8方向等としてもよい。
【0019】
制御部は、一のステージの状態情報に基づいて、他の前記ステージをスライドするか否か、及び/又は、ステージのスライド方向を決定する。例えば、上段のステージに無人飛行体が収容されていること、又は故障している等により使用不可能である場合、下段のステージをスライドさせる。あるいは例えば、上段のステージが筐体から前側にスライドした開放状態である場合、制御部は、下段のステージを前側とは異なる方向(右側、左側、後側の何れか)にスライドさせて開放状態とすることができる。これによれば、上下のステージが重なってしまうことを防止することができる。同様に、例えば3段、4段、5段以上等の場合においても、既に開放状態のステージとは異なる方向にステージをスライドさせることができる。また、スライド可能な方向が複数ある場合(例えば上記右側、左側、及び後側等の場合)には、予め定めた優先順位に基づいて、スライド方向を決定するようにしてもよい。ステージの開放条件に関する情報及び、ステージの状態情報は、記憶部に記憶され、ユーザの入力情報、又はセンサでの取得情報等に応じて、適宜更新される。
【0020】
各ステーションユニットのステージを開放する優先順位は、予め記憶部に記憶されていてもよい。例えば、上段のステーションユニットから下に向けて順番に開放する、または下段のステーションユニットから優先して上に向けて順番に開放する、といったように、優先順位に従ってステージを開放して無人飛行体を受け入れるようにしてもよい。
【0021】
各ステーションユニットのスライド可能な方向が制限されている場合、制御部は、当該スライド可能方向の情報に基づいて、どのステーションユニットのステージを解放するかを決定するようにしてもよい。例えば、上側のステージのスライド可能方向が前後方向のみであり、下側のステージのスライド可能方向が左右方向のみである場合であって、他の条件に基づくスライド希望方向が前側である場合、上側のステーションユニットのステージを前側にスライドさせて解放することができる。他の条件とは、予め定められた優先順位であってもよい。例えば、前側、後側、右側、左側の順番で優先的にスライドして開放するようにしてもよいし、別の任意の順番でもよい。あるいは、ユーザからの入力情報に基づいて当該優先順位が決定されてもよい。また、ユーザの入力情報(入出力装置600を介して取得、または、ユーザが使用する外部端末からの入力情報を、通信装置500を介して受信等)に基づいて、どのステーションユニットを優先して開放するかを選択するようにしてもよい。
【0022】
図5は、ドローンステーション20の制御方法の一例を示す。まず、制御部は、各種情報を取得する(S301)。各種情報は、ドローンステーション20を構成するステーションユニット30の開放状況(開放しているか否か、どの方向に開放しているか等)、各ステーションユニット30における無人飛行体に関する情報(無人飛行体がステージに着陸しているか否か、無人飛行体が収容されているか、無人飛行体を充電しているか、等)とすることができる。
【0023】
制御部は、無人飛行体から、または、管理装置、ユーザ端末等の外部装置から、無人飛行体の発着のためにステージを開放する指示情報を受信した場合、どのステージをどの方向に解放するかを決定する(S302)。制御部は、予め定められた優先順位に基づいて、及び/または上記指示情報に基づいて、ステージ及びスライド方向を決定することができる。例えば、指示情報として、開放するステージを特定する情報(識別情報等)、及び/又は、ステージのスライド方向の情報が含まれている場合には、当該指示に基づいて開放するステージを決定することができる。指示情報は、「最上段のステージを開放する」、「前側(任意の特定方向でよい)にスライド可能なステージを開放する」等とすることができる。また、開放するステージの条件は、「無人飛行体を充電していないこと」、「無人飛行体が着陸した状態でないこと(つまり、ステージが空いていること)」、「すでに開放しているステージとは異なる方向にスライド可能であること」等とすることができるが、これに限られない。
【0024】
また、制御部は、S302の決定に応じて、ステージを開放する(S303)。そして、無人飛行体の着陸を確認したらステージを収容したり(S304)、無人飛行体の充電を開始したり(S305)することができる。
【0025】
図7は、本開示の一実施形態に係るステーション1(ステーションユニット)の構成を示す斜視図である。また、
図8は、本実施形態に係るステーション1の構成を示す平面図である。なお、
図7に示すステーション1は閉鎖状態(収容状態)にあり、
図8に示すステーション1は開放状態にある。閉鎖状態および開放状態の意味については後述する。
【0026】
図7および
図8に示すように、ステーション1は、筐体2と、ステージ3と、バー4(当接部)と、保持部5と、給電端子6と、緊急停止ボタン7と、保持部駆動部50と、給電端子駆動部60とを備える。
図7においては、ステージ3上に無人飛行体10が置かれている。無人飛行体10がステーション1に格納され、無人飛行体10の有する充電端子10Aが給電端子6と接続されている状態である。また、ステーション1は、上述した各構成について機能を発揮するための図示しない装置や電子回路等を含みうる。
【0027】
筐体2は、ステーション1を構成する構造体である。筐体2は、各図に示すようなステーション1の各構成要素を、その内部に備える。なお、本実施形態に係る筐体2は、閉鎖状態において、その周囲を壁面により構成し、ステーション1の内部空間と外部空間とを隔てる構造を有しているが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、筐体2を構成する一部の壁面は設けられていなくてもよい。なお、本明細書では、ステーション1の構成等を説明する図において、説明のため、筐体2の壁面の図示は省略されていることもある。
【0028】
筐体2は、例えば、水平方向(例えばY軸方向)に伸びる長尺構造であってもよい。かかる長尺構造とすることで、配管等のような少なくとも一方向に伸びる構造体において、ステーション1の構造を比較的大きく設けることができる。また、筐体2は、構造物の床や地面に設置されるものであってもよいし、構造物の側壁等に設けられるものであってもよいし、構造物の天井等の上部から吊り下げられるものであってもよい。
【0029】
ステージ3は、筐体2の内部空間の下部に設けられ、無人飛行体10の離着陸の土台となる部分である。ステージ3は、
図8に示すように、X軸方向に沿って移動可能に設けられる。ステージ3の移動は、後述する駆動装置200により行われ得る。かかるステージ3の移動に伴い、例えば筐体2の壁面2Aも移動可能に設けられ、壁面2Aの移動によりステーション1の開閉が行われ得る。本実施形態では、壁面2Aが筐体2により閉じた状態(例えば
図7に示す状態)を閉鎖状態といい、壁面2Aが筐体2から離れて、無人飛行体10の離着陸が可能な状態(例えば
図8に示す状態)を開放状態と定義する。なお、閉鎖状態においては、壁面2Aにより筐体2が完全に閉じられた状態でなくてもよい。ステージ3は、開放状態または閉鎖状態となる方向へ移動可能である。
【0030】
なお、ステージ3には開口部が設けられていてもよい。例えば、ステージ3には、複数の開口部が設けられてもよい。かかる開口部は、例えばメッシュ構造のように、規則的または不規則的な分布(ここでいう分布は、開口部が設けられる位置および/または開口部の大きさ)により実現されてもよい。これにより、無人飛行体10の着陸時および離陸時に無人飛行体10の飛行に影響を及ぼしやすい地面効果を低減させることができる。
【0031】
また、ステージ3の着陸面は、比較的すべり性のよい素材により形成されていてもよい。かかる素材は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂や、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の潤滑性素材であってもよい。かかる素材は、着陸面全体を構成するものであってもよいし、薄膜として、表面付近に形成されるものであってもよい。また、ステージ3の着陸面は、表面処理によりすべり性が未処理のものに比べて向上するように加工されたものであってもよい。
【0032】
バー4は、筐体2に設けられ、ステージ3の移動方向(X軸方向)と水平方向において直交する方向(Y軸方向)に伸びて設けられる当接部の一例である。当接部の形状は、棒状のものに限定されず、ステージ3の移動方向(X軸方向)と水平方向において直交する方向(Y軸方向)に延在する構造であればよい。バー4は、筐体2の内部空間において、固定され得る。バー4の素材は特に限定されない。バー4は、無人飛行体10を載せたステージ3が閉鎖状態へと移動している際に、無人飛行体10と当接し、無人飛行体10の向きを調整する役割を負う。これにより、無人飛行体10のステーション1における位置決めを容易とする。
【0033】
保持部5(5A、5B)は、ステージ3の移動方向(X軸方向)と水平方向において直交する方向(Y軸方向)に移動可能に設けられ、無人飛行体10を保持する。保持部5は、
図7および
図8に示すように、保持部駆動部50からX軸方向に突き出して設けられ、保持部駆動部50によりY軸方向に移動可能に設けられる。保持部5は、例えば、ステージ3上に設けられ、バー4において向きを調整された無人飛行体10の、保持部5の給電端子6への移動方向および/またはその移動方向の反対側を保持する。保持部5は、無人飛行体10の、上記移動方向における両側で保持してもよい。保持部5は、例えば、無人飛行体10をステージから離隔した状態で、無人飛行体10を保持し得る。そのため、保持部5は、例えば、Z軸方向に移動可能に設けられていてもよい。かかる移動は、保持部駆動部50により行われ得る。なお、保持部5は、本明細書では2つ設けられているが、1つ以上であれば特に限定されない。また、保持部5により無人飛行体10の保持は、少なくとも一つにより行われてもよい。
【0034】
給電端子6は、無人飛行体10の充電端子10Aと接続可能に設けられ、接続状態において無人飛行体10に対して給電を行うための端子である。給電端子6は、所定の位置に設けられ得る。所定の位置は、例えば、
図7および
図8に示すように、平面視においてY軸方向における筐体2の中央部分であってもよいし、Y軸方向において筐体2の端部の近傍に設けられていてもよい。また、給電端子6の端子の接続の方向も、
図8に示す例ではX軸方向に平行であるが、かかる向きは特に限定されない。保持部5による無人飛行体10の移動可能な位置や、無人飛行体10の充電端子10Aの位置等に応じて、給電端子6の位置および接続の向きは適宜決定される。
【0035】
また、給電端子6は、例えば、給電端子駆動部60により、移動可能に設けられていてもよい。本実施形態に係る給電端子6は、給電端子駆動部60により、X軸に沿った方向に移動可能である。これにより、給電端子6が無人飛行体10の保持部5等による移動による干渉を及ぼしにくい。なお、給電端子6には、例えば磁石(電磁石を含む)等が設けられていてもよい。この場合、無人飛行体10の充電端子10A等に強磁性体等が設けられていれば、給電端子6と充電端子10Aとが磁力により引き合うため、より確実な充電が可能となる。無人飛行体10の離陸においては、例えば給電端子6に設けられる電磁力に供給する電流を停止することで、給電端子6と充電端子10Aとの接続を解除することができる。
【0036】
緊急停止ボタン7は、例えば、ステージ3の移動を停止するためのボタンである。例えば、ステージ3の移動中に壁面2Aと筐体2との間に手や物が挟まりそうなときに、人により緊急的に停止させるためのボタンである。緊急停止ボタン7が押されると、後述する制御装置100が駆動装置200によるステージ3の移動を停止する命令が駆動装置200に送出され得る。かかる緊急停止ボタン7は、必ずしも設けられてなくてもよい。
【0037】
なお、本実施形態に係るステーション1を利用する無人飛行体10は、特に限定されない。例えば、無人飛行体10は、公知のドローンやUAV(Unmanned Aerial Vehicle)等であり得る。無人飛行体10は、例えば、点検や撮影等の用途に用いられ得る。無人飛行体10は、自律的な飛行を行いうる。例えば、無人飛行体10のステーション1への着陸およびステーション1からの離陸は、ステーション1との通信を介して、ステーション1から送信される飛行指示に基づいて制御されるものであってもよい。また、無人飛行体10の構造は、
図7等に示されるように、一方向に伸びるような構造であってもよい。また、無人飛行体10の大きさは、例えば、ステーション1に格納可能な大きさであり得る。
【0038】
図9は、本実施形態に係るステーション1の制御のためのハードウェア構成図の一例である。
図9に示すように、ステーション1は、制御装置100、駆動装置200、給電装置300、センサ400、通信装置500および入出力装置600を備える。
【0039】
制御装置100は、例えば、中央演算処理装置(CPU)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルプロセッサなど、1つ以上のプロセッサを有することができる。制御装置100は、メモリを有しており、当該メモリにアクセス可能である。メモリは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備え、1つ以上のステップを行うために制御装置100が実行可能であるロジック、コード、および/またはプログラム命令を記憶している。
【0040】
駆動装置200は、ステージ3、保持部5および給電端子6を移動および停止を行うためのモータ等により実現され得る。駆動装置200による動力の供給は、例えば、制御装置100により制御され得る。駆動装置200は、各構成要素に対応するモータ等の動力を有してもよい。保持部5は、駆動装置200から動力を得て、保持部駆動部50として設けられるチェーン等の伝達装置により移動し得る。また、給電端子6は、駆動装置200から動力を得て、給電端子駆動部60として設けられるリンク機構やアクチュエータ等により移動し得る。
【0041】
給電装置300は、給電端子6に電力を供給する。かかる電力の供給および供給の停止は、例えば、制御装置100により制御され得る。
【0042】
センサ400は、無人飛行体10の飛行状況やステージ3における無人飛行体10の位置等をセンシングするための装置である。かかるセンサ400は、例えば、カメラ、慣性センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ、風センサ、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、高度センサ、LiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)等の近接センサ、またはカメラ以外のビジョン/イメージセンサ等を含み得る。センサ400により取得されたセンシング情報は、制御装置100に出力され得る。
【0043】
通信装置500は、無人飛行体10と、またはステーション1および無人飛行体10を管理するシステム、ユーザ端末等の外部装置と通信するための装置である。通信装置500は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、5G、4G、LTE、赤外線、無線、WiFi、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク、クラウド通信などの任意の通信方式のうちの1つ以上を利用することができる。ユーザ端末は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等とすることができ、各種情報の出力(画面表示、音声出力等)、指示情報等の入力、及び外部装置との通信可能なものであればよい。
【0044】
入出力装置600は、例えば、ステーション1に設けられる、キーボード、タッチパネル、モニタ、ディスプレイ、マイク、スピーカー等のインタフェースに係る装置であり得る。例えば、人がステーション1に対し任意の情報を入力し、または人がステーション1から任意の情報を取得する際に、入出力装置600が用いられ得る。
【0045】
図10は、本実施形態に係る制御装置100のソフトウェア構成例を示すブロック図である。なお、本実施形態では、各機能部の構成が制御装置100に備えられている例を提示するが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、各機能部の全部または一部は、制御装置100ではなく、他のサーバや端末の制御装置により実現されてもよい。
【0046】
図10に示すように、本実施形態に係る制御装置100は、着陸制御部101、離陸制御部102、ステージ移動制御部103、ステージ停止制御部104、保持部駆動制御部105、保持部保持制御部106、保持部解放制御部107および給電端子駆動制御部108を備える。これらの各機能部は、制御装置100のプロセッサがストレージに記憶されているプログラムをメモリに読み出して実行することにより実現され得る。
【0047】
着陸制御部101は、ステーション1に着陸しようとする無人飛行体10の着陸のための制御をするための情報を生成する機能を有する。例えば、着陸制御部101は、ステージ移動制御部103に対して、ステージ3を開放状態となるように移動させるための命令情報を生成し、ステージ移動制御部103に対して送出し得る。また、着陸制御部101は、無人飛行体10に対して、着陸する際の無人飛行体10の方向(
図8に示す例では、無人飛行体10の長手方向がY軸方向に沿う方向)および/または位置を指示するための情報を生成し得る。かかる指示は、通信装置500を介して無人飛行体10に送出され、無人飛行体10はかかる指示に従いステーション1に着陸し得る。
【0048】
離陸制御部102は、ステーション1から離陸しようとする無人飛行体10の離陸のための制御をするための情報を生成する機能を有する。例えば、離陸制御部102は、ステージ3が開放状態になった場合に、無人飛行体10に対して離陸を行わせるための指示の情報を生成し得る。かかる指示は、通信装置500を介して無人飛行体10に送出され、無人飛行体10はかかる指示に従いステーション1から離陸し得る。また、離陸制御部102は、離陸したあとにステージ3を閉鎖状態となるように移動させるための命令情報を生成し、ステージ移動制御部103に対して送出し得る。
【0049】
ステージ移動制御部103は、ステージ3を開放状態または閉鎖状態へと移動させるための制御を行う機能を有する。ステージ移動制御部103は、例えば、ステージ3のいずれかの方向への移動の命令情報を生成し、駆動装置200に送出し得る。駆動装置200は、かかる情報にしたがって、ステージ3を駆動させる。
【0050】
ステージ停止制御部104は、移動中のステージ3を停止させるための制御を行う機能を有する。ステージ停止制御部104は、例えば、ステージ3の移動の停止の命令情報を生成し、駆動装置200に送出し得る。駆動装置200は、かかる情報にしたがって、ステージ3の移動を停止させる。
【0051】
保持部駆動制御部105は、保持部5をY軸方向に沿って移動させ、および/または移動を停止させるための制御を行う機能を有する。保持部駆動制御部105は、例えば、少なくとも一の保持部5の移動および/または停止の命令情報を生成し、保持部駆動部50に送出し得る。保持部駆動部50は、かかる情報にしたがって、保持部5を移動または停止させる。
【0052】
保持部保持制御部106は、保持部5による無人飛行体10の保持を行わせるための制御を行う機能を有する。保持部保持制御部106は、例えば、少なくとも一の保持部5に対する無人飛行体10の保持の命令情報を生成し、保持部駆動部50に送出し得る。保持部駆動部50は、かかる情報にしたがって、保持部5に無人飛行体10を保持させる。なお、保持部5による無人飛行体10の保持の態様は特に限定されない。
【0053】
保持部解放制御部107は、保持部5による無人飛行体10の保持を解放させるための制御を行う機能を有する。保持部解放制御部107は、例えば、少なくとも一の保持部5に対する無人飛行体10の保持を解放するための命令情報を生成し、保持部駆動部50に送出し得る。保持部駆動部50は、かかる情報にしたがって、保持部5に無人飛行体10の保持を解放させる。
【0054】
給電端子駆動制御部108は、給電端子6の駆動の制御を行う機能を有する。給電端子駆動制御部108は、例えば、給電端子駆動制御部108は、無人飛行体10が所定の位置(充電位置)にある場合に、給電端子6を充電端子10Aと接続させ、またはその接続を解除させるため、給電端子6を駆動(移動)させる。
【0055】
<飛行の制御方法>
次に、本実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理の流れについて説明する。
図11は、本実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、
図12~
図16は、本実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の着陸時の処理について説明するための図である。
【0056】
まず、着陸制御部101は、ステーション1に着陸する無人飛行体10がステーション1に近づいてきたときに、ステーション1に対して着陸するための指示を無人飛行体10に送信する(ステップS101)。無人飛行体10は、当該指示にしたがって、ステーション1に近接する。また、ステージ移動制御部103は、筐体2が閉鎖状態にある場合に、ステージ3を移動させて開放状態とするよう駆動装置200に対して制御を行う。
【0057】
次に、無人飛行体10は、上記の着陸の指示にしたがって、開放状態にあるステージ3に着陸する(ステップS103)。
図12に示すように、着陸時において、無人飛行体10は、その長手方向がY軸方向となるように向きを調整したうえで、ステージ3に着陸し得る。かかる無人飛行体10の向きは、例えば、無人飛行体10に設けられる充電端子10Aの位置および向き、並びにステーション1に設けられる給電端子6の位置および向き等に基づいて決定され得る。なお、無人飛行体10の着陸位置については、予め定められてもよいが、必ずしても正確ではなくてもよい。後述する保持部5による保持および移動により、無人飛行体10のより正確な位置決めが行われ得る。また、無人飛行体10の着陸時の長手方向の向きも、
図12に示すように、必ずしもY軸方向と略平行でなくてもよい。すなわち、無人飛行体10の着陸時の長手方向の向きが、Y軸方向とは異なる方向を向いていてもよい。後述するバー4により、無人飛行体10の向きは調整され得る。
【0058】
次に、無人飛行体10がステージ3に着陸すると、ステージ移動制御部103により、ステージ3は閉鎖状態の方向へと移動を開始する(ステップS105)。
図13に示すように、ステージ3は、無人飛行体10を載せた状態で、閉鎖状態の方向(X軸の正方向)に移動し得る。
【0059】
ステージ3の閉鎖状態の方向への移動の途中で、無人飛行体10はバー4と当接し得る(ステップS107)。バー4との当接後も、ステージ3は、そのまま閉鎖状態の方向へ移動し続ける。そうすると、無人飛行体10の長手方向の向きは、バー4の伸びる方向(すなわちY軸方向)となるように調整され得る。このように、無人飛行体10をステージ3に載せたまま移動させつつ、バー4に当接させることで、無人飛行体10はステージ3上をすべり、向きを所望の方向に調整することができる。
【0060】
ステージ3が所定距離だけ移動すると(例えば、筐体2の壁面2Aが筐体2を閉じた状態となったとき)、ステージ停止制御部104により、ステージ3の移動は停止する(ステップS109)。なおこの際、ステージ3は、一度開放状態の方向にわずかに移動したり、その後再び閉鎖状態となるように往復するような移動をしてもよい。これにより、無人飛行体10の保持部5による移動の前の位置の微調整を行うことができる。
【0061】
次に、保持部保持制御部106により、保持部5が、無人飛行体10を保持する(ステップS111)。
図14に示すように、ステージ3の移動が完了すると、保持部5が無人飛行体10のY軸方向における少なくとも一方(
図14では平面視で左側)を保持する。そして、保持部駆動制御部105により、保持部5は、無人飛行体10をY軸方向に沿って中央方向に移動させる(ステップS113)。このとき、無人飛行体10は、ステージ3の上をすべりながら、保持部5によって中央方向へ押し出される。なお、この際、無人飛行体10を保持していない方の保持部5も、中央方向へ移動してもよい。
【0062】
次に、保持部5による移動によって無人飛行体10が充電位置(所定の位置)に到達すると、保持部駆動制御部105により、保持部5は移動を停止する(ステップS115)。
図15および
図16に示すように、無人飛行体10が充電位置に到達すると、給電端子6は、給電端子駆動制御部108により、無人飛行体10の充電端子10Aと接続する(ステップS117)。これで、一連の着陸の処理が完了する。
【0063】
次に、本実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理の流れについて説明する。
図17は、本実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、
図18~
図21は、本実施形態に係るステーション1への無人飛行体10の離陸時の処理について説明するための図である。
【0064】
まず、
図18に示すように、保持部保持制御部106は保持部5に充電中の無人飛行体10の保持をさせたまま、給電端子駆動制御部108は給電端子6を移動させ、給電端子6と充電端子10Aとの接続を解除する(ステップS201)。なお、他の実施形態においては、端子の接続の解除の際、またはその後に、保持部駆動制御部105は、充電位置から所定の位置へと保持部5を駆動させ、無人飛行体10を移動させてもよい。
【0065】
次に、保持部5により無人飛行体10を保持したまま、ステージ移動制御部103により、ステージ3が開放状態の方向へと移動する(ステップS203)。このとき、保持部5は、無人飛行体10がステージ3とともに移動しないように保持する。かかる保持は、例えば、無人飛行体10と保持部5とが機械的または電気的に接続していたり、無人飛行体10がステージ3に接触しないようリフトするような保持であり得る。ステージ3は、所定の距離(例えば、ステージ3上における無人飛行体10が離陸するために適した位置となるような距離)だけ移動する。
【0066】
ステージ3が所定距離だけ移動すると、ステージ停止制御部104により、ステージ3は移動を停止する(ステップS205)。そして、
図19に示すように、保持部5は、保持部解放制御部107により、無人飛行体10の保持を解放する(ステップS207)。かかる保持の解放は、例えば、保持部5がY軸方向に沿って中央部から離隔する方向に移動することで実現され得る。なお、保持部5の移動距離は、保持が解放されるのに適した距離であれば特に限定されない。
【0067】
無人飛行体10の保持が解放されると、
図20に示すように、ステージ移動制御部103により、ステージ3がふたたび開放状態の方向へと移動する(ステップS209)。この移動においては、無人飛行体10はステージ3上に載った状態となるため、無人飛行体10はステージ3とともにX軸方向に沿って移動する。
【0068】
ステージ3が開放状態となるまで移動すると、ステージ停止制御部104により、ステージ3の移動が停止する(ステップS211)。そして、
図21に示すように、離陸制御部102は、無人飛行体10に対して、無人飛行体10が離陸するための指示を送信する(ステップS213)。また、ステージ移動制御部103は、無人飛行体10が離陸したあとに、ステージ3を閉鎖状態の方向へと移動させて閉鎖状態とするよう、駆動装置200に対して制御を行ってもよい。
【0069】
このように、本実施形態に係るステーション1では、無人飛行体10をステージ3に着陸させたのち、無人飛行体10を筐体2に収納するようにステージ3を閉鎖状態の方向に移動させる。その際に、ステージ3の内側に無人飛行体10の向きを調整する固定のバー4を設けつつ、無人飛行体10を保持して移動させる保持部5を設けることにより、例えば充電など所定の位置に無人飛行体10を位置決めする場合に、簡単に位置決めすることが可能となる。これにより、無人飛行体10が自律飛行により着陸する場合であっても、着陸精度によらず、自動的な充電等を容易に行うことが可能となる。
【0070】
また、本実施形態に係るステーション1では同様に、充電後等の離陸においても、保持部5により離陸位置の位置決めが容易となるので、安定した離陸が可能となる。これにより、無人飛行体10が自律飛行により離陸する場合であっても、安定した離陸を行うことが可能となる。
【0071】
図22、
図23、
図24は、ステーション1の変形例を示している。本例のステーション1は、壁面2A(外壁)が筐体2から離れてステージ3が開放状態になっている間に、筐体2の開口(ステージ3が出入りする開口)を覆うための内壁2Bが設けられている。
【0072】
内壁2Bは、筐体2の上部に設けた軸部を支点に筐体2の内側に向けて上方に揺動するが、開閉構造はこれに限られず、適宜変更可能である。例えば、軸部を開口の下側に設けて下方に揺動するようにしてもよいし、左右の何れか一方に軸部を設けて左右方向に揺動するようにしてもよい。あるいは、ステージ3の移動方向に、平行移動するものであってもよい。
【0073】
外壁2Aの内面(内壁2B側の面)には、開口を塞ぐ内壁2Bを開くための突起2Cが設けられている。本例の突起2Cは、外壁2Aの左右両側に設けられているが、1つのみでもよいし、3つ以上であってもよい。突起2Cの位置も適宜変更可能である。
【0074】
内壁2Bは、ステージ3の開放状態においては筐体2の開口を塞ぎ、ステージ3が閉鎖状態となる過程において、突起2Cに押し上げられて軸部を支点に徐々に揺動し、ステージ3の閉鎖状態においては開口を塞がずに開いた状態となる(
図24参照)。このとき、内壁2Bは突起2Cによって下方から支持される。また、ステージ3が閉鎖状態から開放状態になる過程で、内壁2Bは自重で、もしくはばね等の付勢部材による付勢力により、突起2Cの移動に追従して徐々に閉じていく。なお、内壁2Bの開閉機構は適宜変更可能である。また、
図5に示す両開き等の複数方向にスライド開放する場合、外壁、内壁、突起の構成もステーションユニットの両側に設けることができるが、一方のみでもよい。また、
図5に示す両開き等の複数方向にスライド開放する場合、上下に複数段重ねられない構成であってもよい。すなわち、1段のみであっても、開く方向を変えることができるので、コンパクトでありながら、周囲の状況に合わせて障害物等がない方向に開くことができ、高い利便性を発揮することができる。
【0075】
以上の通り、ステージ3の開放状態において、筐体2の開口を内壁2Bで塞ぐことにより、例えば、ドローンが巻き上げた粉塵がステーション1の内部に侵入することを抑制することができる。その結果、ステーション1の防塵性能が高まり、基板に塵埃が付着することに起因する故障等を防ぐことができる。なお、筐体2の形状は全体として箱型であれば図示例のような直方体に限られず、適宜変更可能である。
【0076】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0077】
本開示のドローンステーションにおいて、複数の前記ステーションユニットは、各ステーションユニットのステージが平面視で同時に同じ方向に向けてスライドしない(同じ方向に開放しない)ように構成されていることが好ましい。例えば、制御部は、1つのステーションユニットのステージが東側に開放する際、他のステーションユニットは東側に開放させず、他の方向(北、南、西)のみに開放可能となる。これによれば、複数のステージが同時に同じ方向に開くことで発生し得る問題、例えば、下側に位置するステージにドローンが実質的に着陸不可能になってしまうこと、等を抑制することができる。このようなステーションユニット間の開放の制限情報は、予め記憶部に記憶され、ユーザの入力に応じて変更(更新)し得る。制御部は、予め定められた制限情報に基づいて、ステージを開くか否か、又は、スライド方向を決定する。なお、「同時に」とは、必ずしもタイミングが完全に一致している場合に限られず、予め1つのステージが一方向に開放している状態において、他のステージは当該方向に開かないようにすることができる。予め記憶部に記憶された所定期間以下であれば同時と判定するようにしてもよい。
【0078】
本開示のドローンステーションにおいて、複数の前記ステーションユニットは、各ステーションユニットのステージが平面視で同時に異なる方向に向けて開くことができるように構成されていることが好ましい。これによれば、複数のステージが同時に異なる方向に開くことで、例えば、下側に位置するステージも含めて全てのステージにそれぞれドローンを着陸させることができる。
【0079】
ドローンステーションは、ドローンが着陸する際に、どのステーションユニットが開くか(どのステージに着陸すべきか)を識別させるための通知手段を備えていてもよい。通知手段によって、どのステーションユニットが開くかを把握できるので、より確実に、より安全にドローンを着陸させることができる。通知手段は、例えば、ドローンのカメラで撮影可能な位置、すなわち、ステーションユニットを構成する筐体の外面(上面、側面)、開放状態のステージの上面、外壁2A、内壁2B等に設けることができる。
【0080】
通知手段は、例えば、ドローンが着陸するべきステーションユニットを示す照明部で構成されていてもよい。つまり複数あるステーションユニットのうち、着陸するべきステーションユニットの照明部が点灯し、それ以外のステーションユニットの照明部は消灯した状態となる。これによれば、照明部が点灯(発光)しているステーションユニットを認識することで、ドローンが着陸するべきステーションユニットを把握することができる。なお、当該通知手段をドローンのカメラ画像で認識させてドローンが自律的に着陸するようにしてもよいし、ドローンを手動操縦する操縦者が視認してドローンを着陸させるようにしてもよい。
【0081】
通知手段は、それぞれのステーションユニットに設けられてもよいし、ドローンステーション全体で一つだけでもよい。ドローンステーション全体で一つとは、例えば、開くステーションユニットの番号や、開くステージの方向を示す矢印等を、ドローンステーションや他の装置(管理装置、ユーザ端末、操縦装置など)に設けた表示部に表示させるものであってもよい。通知手段は、開放されるステージを示す識別情報であってもよい。識別情報は、番号、アルファベット等の文字、QRコード等の2次元コード等であってもよい。通知手段は、例えば、管理装置やユーザ端末、操縦装置(プロポ)に設けた表示部等の出力部で出力されるものであってもよい。つまり、例えばドローンを操縦する操縦者がプロポに表示される番号によって、開放されるステージを把握できるようにしてもよい。
【0082】
通知手段が機能するタイミングは、ドローンが所定距離以内に接近したタイミングであってもよいし、どのステージを解放するかを決定したタイミング(S302)であってもよいし、ステージを開放するタイミング(S303)であってもよい。通知条件に関する情報は、予め記憶部(記憶装置)に記憶され、また、ユーザの入力により変更(更新)され得る。
【0083】
ドローンステーションは、異なるステーションユニット間で電力供給できるようにしてもよい。例えば、上段にあるステーションユニットに設けられる電源(主電源でも予備電源でもよい)から下段のステーションユニットに位置するドローンに電力を供給(つまり充電)してもよいし、その逆でもよい。各ステーションユニットには、電力授受のためのコネクタが設けられることが好ましい。なお、電力の授受は非接触形式でもよい。各ステーションユニットには、主電源に加えて、停電時などに使用可能な予備電源を設けてもよく、停電時など、主電源が得られない場合には自動的に予備電源に切り替えてドローンを充電することが好ましい。
【0084】
また、各ステーションユニットには、ステーションユニット内の温度を調整可能な任意の空調設備が設けられていることが好ましい。さらに、上下に重ねられたステーションユニット間で、空気を循環させるファン等の空気循環設備を備えていてもよい。例えば、上側に位置するステーションユニットは高温になり易いので、下側のステーションユニットの空気を上側のステーションユニットに送り込むように、送風するようにしてもよい。逆に、上側から下側に、暖かい空気を送り込むようにしてもよい。この場合、ステーションユニットの上壁及び下壁には、上下に隣接するステーションユニット間で空気を通すための通風孔が設けられる。また、各ユニットステーションに温度センサを設けることで、予め定めた設定温度に維持できているかを把握することができ、当該温度の範囲以上または以下の場合に、空調設備を稼働して温度を調節したり、空気循環設備でステーションユニット間の空気を循環させたりすることができる。このような温度調整の条件は、予め記憶部に記憶され、ユーザの入力に応じて更新され得る。
【0085】
本開示のドローンステーションにおいて、最上段のステーションユニットの上面にドローンが着陸できるようにしてもよい。あるいは、最上段のステーションユニットの上に、上向きに開放されるドローンステーションを設けてもよい。例えば、上側に開く蓋を有する箱型の筐体のドローンステーションを、最上段に設けてもよい。
【0086】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0087】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
無人飛行体を発着させるためのドローンステーションであって、
上下に重ねて配置可能であり少なくとも1機の無人飛行体を発着させることが可能なステーションユニットを備え、
前記ステーションユニットは、箱型の筐体と、前記筐体に収容されるステージと、を有し、
前記ステージは、前記筐体に収容される収容状態と、前記筐体から露出して前記無人飛行体を発着させることが可能な開放状態との間で水平方向にスライド可能である、ドローンステーション。
(項目2)
前記ステージは、前記筐体に対して、前記収容状態から水平な複数の方向にスライド可能に構成されている、項目1に記載のドローンステーション。
(項目3)
上下に重ねて配置された複数の前記ステーションユニットを備え、
複数の前記ステーションユニットは、前記ステージの開放状態において、それぞれのステージが平面視で重ならないように、互いに異なる方向にスライド可能に構成されている、項目1または2に記載のドローンステーション。
(項目4)
それぞれの前記ステージは、前記筐体に対して、前記収容状態から水平な一方向のみにスライドするよう構成されている、項目1に記載のドローンステーション。
(項目5)
それぞれの前記ステージの状態情報を取得するとともに、それぞれの前記ステージのスライド方向を決定する制御部を備え、
前記制御部は、一の前記ステージの状態情報に基づいて、他の前記ステージのスライド方向を決定する、項目3に記載のドローンステーション。
(項目6)
前記筐体は、前記開放状態と前記収容状態との間で前記ステージが出入りする開口を有し、
前記開放状態において前記開口を塞ぐ内壁を備える、項目1または2に記載のドローンステーション。
(項目7)
前記収容状態において前記開口を塞ぐとともに、前記ステージと共に移動する外壁を備える、項目1または2に記載のドローンステーション。
(項目8)
前記外壁の内面には、前記開放状態から前記収容状態への前記ステージの移動の過程で前記内壁を開くための突起が設けられている、項目7に記載のドローンステーション。
(項目9)
複数の前記ステーションユニットは、各ステーションユニットのステージが平面視で同時に同じ方向に向けてスライドしないように構成されている、項目3に記載のドローンステーション。
(項目10)
複数の前記ステーションユニットは、各ステーションユニットのステージが平面視で同時に異なる方向に向けて開くことができるように構成されている、項目9に記載のドローンステーション。
【符号の説明】
【0088】
1 ステーション(ステーションユニット)
2 筐体
2A 壁面(外壁)
2B 内壁
2C 突起
3 ステージ
4 バー
5 保持部
6 給電端子
10 無人飛行体
20 ドローンステーション
30 ステーションユニット
31 筐体
32 ステージ
10A 充電端子
100 制御装置
101 着陸制御部
102 離陸制御部
103 ステージ移動制御部
104 ステージ停止制御部
105 保持部駆動制御部
106 保持部保持制御部
107 保持部解放制御部
108 給電端子駆動制御部
【要約】
【課題】コンパクトで利便性の高いドローンステーションを提供すること。
【解決手段】無人飛行体を発着させるためのドローンステーションであって、上下に重ねて配置可能であり少なくとも1機の無人飛行体を発着させることが可能なステーションユニットを備え、前記ステーションユニットは、箱型の筐体と、前記筐体に収容されるステージと、を有し、前記ステージは、前記筐体に収容される収容状態と、前記筐体から露出して前記無人飛行体を発着させることが可能な開放状態との間で水平方向にスライド可能である。
【選択図】
図1