IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-12
(45)【発行日】2025-12-22
(54)【発明の名称】清掃用治具
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/20 20060101AFI20251215BHJP
   A47L 13/254 20060101ALI20251215BHJP
【FI】
A47L13/20 A
A47L13/254
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022016047
(22)【出願日】2022-02-04
(65)【公開番号】P2023114010
(43)【公開日】2023-08-17
【審査請求日】2024-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 侑平
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第98/040004(WO,A1)
【文献】特開平10-043114(JP,A)
【文献】特開平09-038012(JP,A)
【文献】特開2021-126431(JP,A)
【文献】特開2021-053253(JP,A)
【文献】登録実用新案第3194626(JP,U)
【文献】米国特許第10052008(US,B1)
【文献】特開平11-076123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/10~13/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃用シートが取り付けられるヘッド部と、
前記ヘッド部を回動させる2つの回動軸を備える軸部と、
前記軸部に接続され、使用者が把持するための柄部と、を備える清掃用治具であって、
前記ヘッド部は、平面視略矩形で板状の2つのヘッド構成部材を備え、
前記2つのヘッド構成部材は、清掃用シートを固定可能なシート固定部と、1つの前記回動軸を挿通可能な回動軸保持部と、をそれぞれ備え、
前記シート固定部は、前記ヘッド構成部材の第一の側面部に設けられ、
前記回動軸保持部は、前記第一の側面部と対向する前記ヘッド構成部材の第二の側面部に設けられ、
前記軸部は、2つの前記回動軸の一端部同士を接続する接続部を備え
前記シート固定部に固定された前記清掃用シートは、前記回動軸保持部が前記回動軸に挿通された前記2つのヘッド構成部材を互いに異なる方向に回動することで、異なる面が前記ヘッド部を覆うことを特徴とする清掃用治具。
【請求項2】
前記柄部は、前記接続部に連結され、前記接続部と略平行な方向又は前記回動軸と略平行な方向に沿った軸周りに回動自在であることを特徴とする請求項1に記載の清掃用治具。
【請求項3】
前記回動軸は、先端部に抜け止め部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用治具。
【請求項4】
前記軸部は、2つの前記回動軸の両端部同士を接続する2つの接続部と、
前記2つの接続部同士を接続する第二接続部と、を備え、
前記柄部は、前記第二接続部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の清掃用治具。
【請求項5】
前記シート固定部は、前記清掃用シートの端部が挿通される挿通部と、前記挿通部に挿通された前記清掃用シートの端部を係止する係止部材と、を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の清掃用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床面の清掃を行うための清掃用治具として、清掃用シートが取り付けられるヘッド部と、使用者が清掃用治具を把持するための柄部と、を備えるものが知られている。このような清掃用治具としては、ヘッド部の下面に当接させた清掃用シートの長辺の縁部を折り返して、ヘッド部の上面の縁部のうち長辺側に設けたシート差し込み口に挿通することで、清掃用シートをヘッド部に取り付ける構成が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4976211号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような清掃用治具においては、清掃用シートの両面を清掃に使用することができる。しかし、清掃用シートの第一面を使用した後に他面を使用する場合、一度ヘッド部に取り付けた清掃用シートを取り外して、第二面が清掃面となるように裏返した上で、再度ヘッド部に取り付け直す必要があり、手間であるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたことで、清掃用シートが取り付けられる清掃用治具につき、より手間が少なく両面を清掃に用いることができる清掃用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、清掃用治具であって、
清掃用シートが取り付けられるヘッド部と、
前記ヘッド部を回動させる2つの回動軸を備える軸部と、
前記軸部に接続され、使用者が把持するための柄部と、を備える清掃用治具であって、
前記ヘッド部は、平面視略矩形で板状の2つのヘッド構成部材を備え、
前記2つのヘッド構成部材は、清掃用シートを固定可能なシート固定部と、1つの前記回動軸を挿通可能な回動軸保持部と、をそれぞれ備え、
前記シート固定部は、前記ヘッド構成部材の第一の側面部に設けられ、
前記回動軸保持部は、前記第一の側面部と対向する前記ヘッド構成部材の第二の側面部に設けられ、
前記軸部は、2つの前記回動軸の一端部同士を接続する接続部を備え
前記シート固定部に固定された前記清掃用シートは、前記回動軸保持部が前記回動軸に挿通された前記2つのヘッド構成部材を互いに異なる方向に回動することで、異なる面が前記ヘッド部を覆うことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の清掃用治具であって、
前記柄部は、前記接続部に連結され、前記接続部と略平行な方向又は前記回動軸と略平行な方向に沿った軸周りに回動自在であることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の清掃用治具であって、
前記回動軸は、先端部に抜け止め部を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の清掃用治具であって、
前記軸部は、2つの前記回動軸の両端部同士を接続する2つの接続部と、
前記2つの接続部同士を接続する第二接続部と、を備え、
前記柄部は、前記第二接続部に接続されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の清掃用治具であって、
前記シート固定部は、前記第一の側面部に設けられ、前記清掃用シートの端部が挿通される挿通部と、前記挿通部に挿通された前記清掃用シートの端部を係止する係止部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、清掃用シートが取り付けられる清掃用治具につき、より手間が少なく両面を清掃に用いることができる清掃用治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る清掃用治具の斜視図である。
図2A】実施形態に係る清掃用治具のヘッド部を示す斜視図である。
図2B】ヘッド構成部材の第一の側面部の拡大図である。
図2C】ヘッド構成部材の第一の側面部の変形例を示す拡大図である。
図3】実施形態に係る清掃用治具の軸部、柄部及びジョイント部を示す斜視図である。
図4】実施形態に係る清掃用治具の、ジョイント部の第一ヨーク部の斜視図である。
図5】実施形態に係る清掃用治具の、柄部の下部及びジョイント部の第二ヨーク部の斜視図である。
図6】実施形態に係る清掃用治具の、ジョイント部の連結部の斜視図である。
図7A】実施形態に係る清掃用治具の使用方法を示す斜視図である。
図7B】実施形態に係る清掃用治具の使用方法を示す斜視図である。
図7C】実施形態に係る清掃用治具の使用方法を示す斜視図である。
図8A】実施形態に係る清掃用治具の使用方法を示す側面図である。
図8B】実施形態に係る清掃用治具の使用方法を示す側面図である。
図8C】実施形態に係る清掃用治具の使用方法を示す側面図である。
図9A】変形例に係る抜け止め部を備える清掃用治具の斜視図である。
図9B】変形例に係る抜け止め部を備える清掃用治具の斜視図である。
図10】変形例に係る軸部の両端部が接続部によりそれぞれ接続された清掃用治具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る清掃用治具の実施形態について詳細に説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
なお、図1に示したようにX軸、Y軸及びZ軸並びに前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。
【0014】
[実施形態の構成]
本実施形態の清掃用治具100は、例えば、図1に示すように、清掃用シートPが取り付けられるヘッド部1と、ヘッド部1が取り付けられる軸部2と、使用者が清掃用治具100を把持するための柄部3と、軸部2と柄部3とを接続するジョイント部4と、を備える。
【0015】
(清掃用シート)
清掃用シートPは、清掃用治具100のヘッド部1に交換可能に装着されるシートであり、ヘッド部1の上面及び下面を覆う。
【0016】
清掃用シートPは、Y軸方向に長い平面視略矩形状である。
具体的には例えば、X軸方向に140mm~240mm、好ましくは160mm~210mmの大きさを有する。また、Y軸方向に280mm~340mm、好ましくは300mm~320mmの大きさを有する。
【0017】
なお、清掃用シートPは不織布であっても紙でもよく、また乾性であっても湿性であってもよい。また、ゴミの捕集性や意匠の観点からエンボス加工が施されていてもよい。また、ヘッド部1への装着をより容易にするために、後述するヘッド構成部材10と当接する箇所に折り加工が施されていてもよい。
【0018】
(ヘッド部)
図2Aにヘッド部1を示す。ヘッド部1は、例えば平面視略矩形状の部材であって、例えばABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合体)樹脂、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)樹脂、ナイロン、あるいはポリアセタール等によって形成される。
ヘッド部1は、2つのヘッド構成部材10、10を備える。
【0019】
{ヘッド構成部材}
ヘッド構成部材10は、X軸方向に長い平面視略矩形の板状の部材である。
具体的には例えば、X軸方向に150mm~250mm、好ましくは170mm~220mmの大きさを有する。また、Y軸方向に50mm~75mm、好ましくは55mm~67.5mの大きさを有する。
すなわち、ヘッド部1の短辺は、清掃用シートPの長辺の半分以下の長さとなるように設けられる。また、ヘッド構成部材10の長辺は、清掃用シートPの短辺よりも長くなるように設けられている。
ヘッド構成部材10は、第一の側面部11にシート固定部12を備える。また、第一の側面部11と対向する第二の側面部13に回動軸保持部14を備える。
【0020】
〔シート固定部〕
図2Bは、第一の側面部11の拡大図である。
シート固定部12は、第一の側面部11の、例えばZ軸方向の略中央部に設けられる、X軸方向に幅長な穴部である挿通部121と、挿通部121の開口部に設けられた、爪状の係止部材122を備える。そして、清掃用シートPの端部を挿通部121に挿通した上で、係止部材122によって係止することで、清掃用シートPをヘッド部1に固定することができるようになっている。
なお、係止部材122の形状としては、図2Bに示すような爪状のものに限られない。例えば図2Cに示すような波形状の係止部材122など、適宜公知の構成としてよい。
【0021】
なお、シート固定部12は、ヘッド構成部材10の第一の側面部11に設けられて、清掃用シートPを固定可能な構成であればよい。すなわち、上記においては挿通部121を1つの長穴として、清掃用シートPの一端部を全て挿通部121に差し込む場合を例示したが、これに限られない。例えば挿通部121を複数の(例えば、2つの)短穴として、当該挿通部121に清掃用シートPの一端部の一部を差し込む構成としても構わない。
【0022】
また、係止部材122は、挿通部121に設けられる構成に限られない。例えば、挿通部121を設けずに、係止部材122としてY軸方向に回動可能なクリップを設け、第一の側面部11に清掃用シートPの一端部を挟み込む構成としてもよい。また、シート固定部12は、他の従来公知の構成によりヘッド部1に清掃用シートPを固定する構成としてよい。
ただし、ヘッド構成部材10を容易に製造することができる点や、第一の側面部11同士が向かい合った際に邪魔になりにくい点等から、図2Bに示すように、シート固定部12は挿通部121と係止部材122を備える構成とするのが好ましい。
【0023】
〔回動軸保持部〕
図2Aに戻って、回動軸保持部14は、軸部2の後述する回動軸21を保持する保持部であり、ヘッド構成部材10の第二の側面部13に設けられる。回動軸保持部14は、例えばABS樹脂、EVA樹脂、ナイロン、あるいはポリアセタール等からなる。
【0024】
(軸部)
図3にジョイント部4を介して連結された軸部2及び柄部3を示す。軸部2は、例えばスチール、アルミニウム等によって、上面視にて略矩形状の枠の1辺が切り欠かれて開口した略U字状に形成される。そして、そのX軸方向、Y軸方向の長さはヘッド部1のX軸方向、Y軸方向の長さよりも長い。
軸部2は、X軸方向に向かって対向するように設けられる回動軸21、21と、回動軸21、21の一端部同士を接続する接続部22を備える。
【0025】
{回動軸、接続部}
図1に示すように、回動軸21、21は、そのX軸方向の長さがヘッド部1のX軸方向の長さよりも僅かに長くなるように形成されており、それぞれ回動軸保持部14、14に挿通されている。また、接続部22は、ヘッド部1のY軸方向の長さよりも僅かに長く形成されており、ヘッド部1のY軸方向の側面部である、第三の側面部に略当接するように位置する。
【0026】
このように、ヘッド部1の3辺に回動軸21、21及び接続部22が当接するように軸部2が設けられることで、清掃中のヘッド部1の形状が略矩形状に維持される。また、回動軸保持部14、14に回動軸21が挿通されていることで、回動軸21を軸として、ヘッド構成部材10が回動可能となっている。
なお、図3においては回動軸21と接続部22とが一体に形成されている場合を例示しているがこれに限られず、両者はそれぞれ別の部材からなるものとしてもよい。
【0027】
(柄部)
柄部3は、清掃用治具100を使用する際に用いられる棒状の部材であり、使用者がこれを把持して被清掃面上のヘッド部1を任意の方向に摺動させることで清掃が行われる。
柄部3は、例えばABS樹脂、EVA樹脂、金属(アルミニウム、スチール、ステンレス)、ポリカーボネート、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等によって形成される。
柄部3は、軸部2に対してジョイント部4を介して回動可能に接続されるが、図1及び図3に示すように軸部2上に垂直に立てた状態において前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。
柄部3は、柄本体31と、把持部32とを備える。
【0028】
{柄本体}
柄本体31は、図1及び図3に示すように、棒状の部材である。柄本体31は、下端においてはジョイント部4を介して接続部22のY軸方向略中央部に接続され、上端におい
ては把持部32に接続されている。
柄本体31は、Z軸方向に500mmから1000mm、より好ましくは600mmから900mmの長さを有するように形成されている。また、柄本体31は、下端部付近において、前後方向の厚みが左右方向の厚みと比較して薄くなるように形成されており、柄部3を低い状態に倒しやすくなっている。
【0029】
なお、柄本体31は、1本の長尺な部材であることに限られない。すなわち、複数に分割された短尺な部材を連結させて長尺な部材にするように構成されていてもよい。
また、柄部3を低い状態に倒しやすくなるという効果は減少するものの、柄本体31の下端部付近は、前後方向と、左右方向とにおいて同じ厚みとなるように形成してもよい。あるいは、後述の第二突起部421の強度を重視し、前後方向の厚みが左右方向の厚みよりも厚くなるように形成してもよい。
【0030】
{把持部}
把持部32は、柄部3のうち、清掃用治具100の使用時に使用者が把持する部分である。把持部32は、その下端において柄本体31に接続されている。
把持部32はZ軸方向に100mmから400mm、より好ましくは250mmから350mmの長さとなるように形成されている。また、平面視において、最も太くなる部分で直径15mmから45mm、より好ましくは20mmから40mmの略円形となるように形成されている。
なお、把持部32は、本実施形態のように柄本体31と別部材として形成されていてもよいし、柄本体31と一体として形成されていてもよい。
【0031】
(ジョイント部)
ジョイント部4は、図1及び図3に示すように、接続部22のY軸方向略中央部に備えられる第一ヨーク部41と、柄部3の下端部に備えられる第二ヨーク部42と、第一ヨーク部41と、第二ヨーク部42と、を接続する連結部43と、から形成されている。
なお、本実施形態においては、2つの対称形状の突起を備えて形成された、他の部材との接続に用いられる部分を「ヨーク部」と呼ぶ。
ジョイント部4は、例えばABS樹脂、EVA樹脂、ナイロン、ポリアセタール等によって形成されている。
【0032】
{第一ヨーク部}
図4に第一ヨーク部41を示す。一対の第一ヨーク部41、41は、軸部2の接続部22の側面部中央部において一体的に形成された第一突起部411によって形成されている。
【0033】
〔第一突起部〕
第一突起部411は、X軸方向から見て、第一突起部411同士が対向する第一対向面部4111に向けて徐々に高さが高くなるように形成される。そして、第一突起部411は、Y軸に沿って並ぶように配置されている。
【0034】
第一突起部411は、X軸方向5mm~20mm、好ましくは8mm~15mm、Y軸方向10mm~50mm、好ましくは15mm~30mmとなるように形成されている。また、最も高くなる第一対向面部4111付近においては、Z軸方向5mm~15mm、好ましくは8mm~12mmとなるように形成されている。また、第一突起部411は、第一対向面部4111同士が、10mm~25mm、好ましくは15mm~20mmの間隔を有するように配置されている。
【0035】
<第一対向面部>
第一対向面部4111は、第一突起部411同士が向かい合う面である。また、接続部22から略垂直に立設する略矩形状に形成され、第一対向面部4111同士が平行となるように形成されている。
また、図4に示すように、第一対向面部4111には、穴部4113が形成されている。
【0036】
<穴部>
穴部4113は、第一対向面部4111に形成された円柱状の穴である。穴部4113は、後述のように連結部43の第一回動軸心部431との接続に用いられる。
【0037】
<側面部>
側面部4112は、第一対向面部4111の左右両側から連続して形成された、第一突起部411の、YZ平面と平行にX軸方向を向く面である。側面部4112は、接続部22から略垂直に立設するように形成されている。
【0038】
{第二ヨーク部}
図5に第二ヨーク部42を示す。第二ヨーク部42は、柄部3の柄本体31の下端部において、軸方向に向けて延出する2つの対称形状の第二突起部421、421と、第二突起部421の第二対向面部4211の間に架け渡された第二軸部材422と、から形成されている。
【0039】
〔第二突起部〕
第二突起部421は、柄本体31の下端の、図1に示す状態におけるX軸方向の両端部に、第二対向面部4211同士が平行に向かい合って所定の間隔を有するように柄本体31と一体的に形成されている。
【0040】
第二突起部421は、X軸方向に2mm~6mm、好ましくは3mm~5mmの厚みを有し、Y軸方向に柄本体31と略同一の幅を有する。X軸方向の厚みが薄すぎると清掃時の押圧による強度不足となり破損に繋がりやすく、厚すぎると柄をX軸方向へ倒した際、柄部3が接続部22と干渉し略平行まで傾けにくくなる。
また、第二対向面部4211同士が、2mm~10mm、好ましくは3mm~7mmの間隔を有するように形成されている。
【0041】
〔第二軸部材〕
第二軸部材422は、第二対向面部4211の間を、Y軸方向中心部においてX軸に沿って架け渡すように、第二突起部421と一体的に形成されている。
【0042】
{連結部}
図6に連結部43を示す。連結部43は、図1図3及び図6に示すように、前方向から見て略三角形状となるように、第一ヨーク部41と、第二ヨーク部42の間に介在する形で設けられる。また、連結部43は、中心軸が立体交差する形で交わることなく直交する第一回動軸心部431と第二回動軸心部432とを備える。
【0043】
〔第一回動軸心部〕
第一回動軸心部431は、図6に示すように、連結部43の下端部に形成された、第一ヨーク部41との接続に用いられる部分である。第一回動軸心部431は、Y軸方向両端部に、円柱状の突出部4311を有する。
【0044】
第一回動軸心部431は、突出部4311を除いた部分のY軸方向の幅が、第一突起部411の第一対向面部4111同士の間隔と略同一となり、突出部4311が、穴部41
13と略同一の形状となるように形成されている。したがって、突出部4311を穴部4113に嵌め込むことで、連結部43を、Y軸周りに回動可能に第一ヨーク部41に装着することができる。
なお、第一回動軸心部431のY軸に沿った中心軸を、第一軸心aとする。
【0045】
〔第二回動軸心部〕
第二回動軸心部432は、連結部43の上端部に形成された、第二ヨーク部42との接続に用いられる部分である。第二回動軸心部432は、上端部の一部が切り欠かれ、前後方向に貫通した略円筒形状の第二装着孔部4321を有する。第二装着孔部4321は、内側に形成された円筒形状の空間の直径が、第二軸部材422の直径と略同一となる。また、X軸方向の長さが、第二軸部材422の長さと略同一となるように形成されており、第二装着孔部4321に、第二軸部材422を嵌め込むことで、連結部43を、X軸周りに回動可能に、第二ヨーク部42に固定することができる。
なお、第二回動軸心部432のX軸に沿った中心軸を、第二軸心bとする。
【0046】
このような連結部43を備えたジョイント部4を介して接続部22に接続されている柄部3は、図1に示す状態において、接続部22と略平行な方向(左右方向)及び回動軸21と略平行な方向に沿った軸周り(前後方向)の回動が可能になっている。したがって、清掃用治具100を裏返した上で、柄部3を前後方向に回動させることで、ヘッド部1の下面だけでなく、上面も清掃面とすることができ、清掃用シートPの不使用領域を低減することができる。
【0047】
なお、ヘッド部1の両面を清掃に用いることができるようにする構成としては、柄部3を前後方向へ回動可能とする構成に限られない。例えば、回動軸21、21に対して接続部22を離間可能として、接続部22から離間させたヘッド部1を裏返した上で回動軸21、21と接続部22を再度接続させることで、ヘッド部1の上面を清掃面とするようにしてもよい。
なお、以下においては柄部3を前後方向に回動させることで、ヘッド部1の上面を清掃面とすることができるものとして説明を行う。
【0048】
[清掃用シートの装着方法及び清掃用治具の使い方]
ヘッド部1への清掃用シートPの装着方法と清掃用治具100の使用方法について、図7Aから図7C及び図8Aから図8Cを用いて説明する。なお、図8Aから8Cにおいては接続部22及び柄部3の記載を省略している。
【0049】
本実施形態に係る清掃用治具100を使用する場合、初めに図7A及び図8Aに示すように、ヘッド構成部材10の回動軸保持部14、14に軸部2の回動軸21、21をそれぞれ挿通し、ヘッド構成部材10、10のシート固定部12、12に、清掃用シートPの短辺側の端部をそれぞれ固定する。
【0050】
なお、清掃用治具100の構成によっては、軸部2にヘッド構成部材10を取り付ける工程は省略してもよい。
【0051】
清掃用シートPをヘッド構成部材10、10に固定した後、図7B及び図8Bに示すように、回動軸21、21を中心に、ヘッド構成部材10、10を互いに逆方向に回動させる。
【0052】
このとき、清掃用シートPはシート固定部12に固定されているため、図8Bに示すように、清掃用シートPがヘッド構成部材10、10に巻き付くように装着される。結果、清掃用シートPの第一面が外面となるように、ヘッド部1の上面及び下面が覆われる。
【0053】
ヘッド部1を清掃用シートPで覆った後、清掃用治具100により清掃を行う。なお、ヘッド部1はそれぞれ別体であるヘッド構成部材10、10によって構成されているが、上述したように、清掃用シートPはヘッド構成部材10、10に巻き付くように装着される。そのため、清掃用シートPによってヘッド構成部材10、10が一体となり、ヘッド部1として充分な強度が得られる。
【0054】
ヘッド部1の下面に当接する清掃用シートPが充分にゴミを捕集した後、ヘッド部1を裏返した上で、ジョイント部4を中心に柄部3を前方向に回動させる。そして、先ほどまで上面であったヘッド部1の面を下面、すなわち清掃面として、再度清掃を行う。
【0055】
ヘッド部1の上面及び下面を覆う清掃用シートPの第一面が充分にゴミを捕集した後、図7C及び図8Cに示すように、ヘッド構成部材10、10をそれぞれ図7B及び図8Bに示す回動方向と同方向に2周回動させる。すると、清掃用シートPの第二面が外面となるように、ヘッド部1の上面及び下面が覆われるため、上記と同様に、ヘッド部1の上面及び下面を覆う清掃用シートPの第二面でゴミを捕集する。そして、ゴミの捕集が完了したら、シート固定部12、12から清掃用シートPを取り外して廃棄する。
【0056】
[効果の説明]
以上に示すように、本実施形態に係る清掃用治具100は、清掃用シートPが取り付けられるヘッド部1と、ヘッド部1を回動させる回動軸21を備える軸部2と、軸部2に接続され、使用者が把持するための柄部3と、を備え、ヘッド部1は、平面視略矩形の2つのヘッド構成部材10、10を備え、2つのヘッド構成部材10、10は、清掃用シートPを固定可能なシート固定部12、12と、1つの回動軸21を挿通可能な回動軸保持部14、14と、をそれぞれ備え、シート固定部12は、ヘッド構成部材10の第一の側面部11に設けられ、回動軸保持部14は、第一の側面部11と対向するヘッド構成部材10の第二の側面部13に設けられ、軸部2は、2つの回動軸21、21の一端部同士を接続する接続部22を備える。
【0057】
当該構成においては、清掃用シートPをシート固定部12、12に固定した上で、第一のヘッド構成部材10を第一の方向に、第二のヘッド構成部材10を第二の方向にそれぞれ回動させることで清掃用シートPをヘッド部1に装着した場合は、清掃用シートPの第一面がヘッド部1の上面部及び下面部を覆う。一方で、第一のヘッド構成部材10を第二の方向に、第二のヘッド構成部材10を第一の方向にそれぞれ回動させることで清掃用シートPをヘッド部1に装着した場合は、清掃用シートPの第二面がヘッド部1の上面部及び下面部を覆う。
したがって、2つのヘッド構成部材10、10を回動させるという、清掃用シートPをヘッド部1から取り外し、裏返してまた装着するという一連の工程よりも少ない手間で、清掃用シートPの両面(第一面及び第二面)を清掃に使用することができる。
【0058】
また、柄部3は、接続部22に連結され、接続部22と略平行な方向(左右方向)又は回動軸21と略平行な方向(前後方向)に沿った軸周りに回動自在である。
当該構成によれば、ヘッド部1の下面だけでなく上面も清掃面として清掃に使用することができるようになる。そのため、清掃用シートPの不使用領域を少なくすることができる。
【0059】
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0060】
例えば、図1に示す清掃用治具100は、ヘッド構成部材10が回動軸21から取り外し可能である。そのため、ヘッド構成部材10が交換可能になるという利点や、清掃用治具100の組み立て及び廃棄時の分別が容易になるという利点を有する。一方で、清掃時に清掃用治具100を後側に摺動させた場合等に、ヘッド構成部材10が回動軸21から離間する恐れがある。回動軸21と回動軸保持部14との摩擦抵抗を大きくすることで、これを防ぐことができるが、その場合は、ヘッド構成部材10を回動させるのが困難になる恐れがある。
【0061】
そこで、回動軸21の先端部に抜け止め部211を設けることで、回動軸21からヘッド構成部材10が離間してしまうのを防ぐようにしてもよい。
具体的には、例えば図9Aに示すように、回動軸21の先端部をパイプ状とした上で、回動軸保持部14の幅よりも長い被せ物を抜け止め部211として回動軸21に取り付ける構成とすることができる。このようにした場合は、上記したヘッド構成部材10が回動軸21から取り外し可能であることによる利点も得ることができる。また、図9Bに示すように、回動軸21の先端部を折曲して略L字状として、当該折曲部を抜け止め部211としても構わない。
【0062】
また、図1においては、軸部2を略U字状とした上で、柄部3を1つの接続部22のY軸方向略中央部に取り付ける場合を例示したが、これに限られない。
上記したように、清掃用治具100を用いて清掃を行う際、使用者はX軸方向端部の接続部22に取り付けられた柄部3を把持する。そのため、ヘッド構成部材10並びにヘッド部1の形状によっては、ヘッド部1のうち、接続部22側の一端部に対しては力が充分に加わる一方で、接続部22と対向する他端部に対しては力がうまく加わらず、ゴミを充分に捕集することができない恐れを有する。
【0063】
そこで、例えば図10に示すように、軸部2が平面視略矩形状となるように回動軸21の両端部同士を2つの接続部22、22によって接続した上で、両接続部22、22を接続する第二接続部23に対して柄部3が接続される構成としてもよい。
このような構成とした場合、第二接続部23を介してヘッド部1の両端部(すなわち2つの接続部22、22)に対して力が加わるようになるため、ゴミを充分に捕集することができるようになる。
【0064】
なお、図10においては、第二接続部23が略逆U字状である場合を例示したが、これに限られない。第二接続部23の形状は、ヘッド構成部材10、10の回動を妨げないような形状であればよい。
【0065】
また、各図においてはジョイント部4を介して柄部3が軸部2に接続される構成を例示したがこれに限られず、軸部2と柄部3は一体となるように形成されていても構わない。
【0066】
また、本発明が、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む様々な変更が可能であるのはもちろんである。
【符号の説明】
【0067】
100 清掃用治具
1 ヘッド部
10 ヘッド構成部材
11 第一の側面部
12 シート固定部
121 挿通部
122 係止部材
13 第二の側面部
14 回動軸保持部
2 軸部
21 回動軸
211 抜け止め部
22 接続部
23 第二接続部
3 柄部
P 清掃用シート
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10