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7789671アスコルビン酸及び/又はその塩を含有する皮膚外用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-12
(45)【発行日】2025-12-22
(54)【発明の名称】アスコルビン酸及び/又はその塩を含有する皮膚外用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/67 20060101AFI20251215BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20251215BHJP
   A61K 8/368 20060101ALI20251215BHJP
   A61K 31/375 20060101ALI20251215BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20251215BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20251215BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20251215BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20251215BHJP
   A61P 17/18 20060101ALI20251215BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20251215BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20251215BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20251215BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20251215BHJP
【FI】
A61K8/67
A61K8/34
A61K8/368
A61K31/375
A61K47/10
A61K47/12
A61P17/00
A61P17/10
A61P17/18
A61P43/00 107
A61Q17/04
A61Q19/00
A61Q19/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022531947
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 JP2021023237
(87)【国際公開番号】W WO2021256566
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2024-05-20
(31)【優先権主張番号】P 2020106391
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】桝本 愛
(72)【発明者】
【氏名】中田 大貴
【審査官】三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-040886(JP,A)
【文献】特開2003-212774(JP,A)
【文献】特開平11-279024(JP,A)
【文献】特開2019-218283(JP,A)
【文献】特開2021-088523(JP,A)
【文献】特開2004-115381(JP,A)
【文献】特開2000-053529(JP,A)
【文献】Perfecting Texturizing Moisturizer-Fluid SPF 15, MINTEL GNPD [ONLINE], 2015.02,[検索日 2021.8.17],インターネット:<URL:https://www.gnpd.com/sinatra> (Database accession no.2902529)
【文献】Acne Clearing Toner, MINTEL GNPD [ONLINE], 2006.07,[検索日 2021.8.17],インターネット:<URL:https://www.gnpd.com/sinatra>(Database accession no.564160)
【文献】Nourishing Probiotic Gel-Cream, MINTEL GNPD [ONLINE], 2020.04,[検索日 2021.8.17],インターネット:<URL:https://www.gnpd.com/sinatra> (Database accession no.7555911)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/67
A61K 8/34
A61K 8/368
A61K 31/375
A61K 47/10
A61K 47/12
A61P 17/00
A61P 17/10
A61P 17/18
A61P 43/00
A61Q 17/04
A61Q 19/00
A61Q 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種0.5~質量%、(B)サリチル酸、及びサリチル酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種0.001~5質量%、(C)炭素数3個のジオール1~50質量%、及び(D)水0.1~30質量%を含有する皮膚外用組成物。
【請求項2】
さらに、(E)低級アルコールを1~20質量%含有する、請求項1に記載の皮膚外用組成物。
【請求項3】
pHが2~5である、請求項1又は2に記載の皮膚外用組成物。
【請求項4】
(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種0.5~質量%、(B)サリチル酸、及びサリチル酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種0.001~5質量%、(C)炭素数3個のジオール1~50質量%、及び(D)水0.1~30質量%を配合することによる、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用組成物の着色抑制方法。
【請求項5】
(B)サリチル酸、及びサリチル酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種0.001~5質量%、(C)炭素数3個のジオール1~50質量%、及び(D)水0.1~30質量%を含有する、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種0.5~質量%を含む皮膚外用組成物の着色抑制剤。
【請求項6】
(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種0.5~質量%、(B)サリチル酸、及びサリチル酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種0.001~5質量%、(C)炭素数3個のジオール1~50質量%、及び(D)水0.1~30質量%とすることによる、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種0.5~質量%を含有する皮膚外用組成物に使用感向上を付与する方法。
【請求項7】
(B)サリチル酸、及びサリチル酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種0.001~5質量%、(C)炭素数3個のジオール1~50質量%、及び(D)水0.1~30質量%を含有する、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種0.5~質量%を含む皮膚外用組成物の使用感向上剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスコルビン酸及び/又はその塩を含有する皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アスコルビン酸は、抗炎症効果、ニキビ改善効果、美白効果、老化防止効果、抗酸化効果、コラーゲン等の生体成分の合成促進による細胞賦活効果、表皮角化細胞の紫外線による細胞障害やDNA損傷を抑制する効果といった各種の効果を発揮することが知られており、これらの効果を期待して皮膚外用剤として用いられている。このようなアスコルビン酸の安定性を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-225865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、使用感と外観が良好なアスコルビン酸含有皮膚外用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らの検討によると、アスコルビン酸及び/又はその塩を含む組成物を皮膚外用剤として使用するにあたって、良好な使用感と良好な外観の両方を兼ね備えることが難しい場合があることが判明した。
【0006】
本発明者らは、本課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種、(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種、及び
(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有させることで、使用感と外観に優れた皮膚外用組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記に掲げる皮膚外用組成物を提供する。
項1.
(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種、(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種、及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有する皮膚外用組成物。
項2.
前記(A)成分の濃度が1~10質量%である、項1に記載の皮膚外用組成物。
項3.
前記(B)成分の濃度が0.001~2質量%である、項1又は2に記載の皮膚外用組成物。
項4.
さらに、(D)水を1~15質量%含有する、項1~3のいずれか1項に記載の皮膚外用組成物。
項5.
さらに、(E)低級アルコールを1~20質量%含有する、項1~4のいずれか1項に記載の皮膚外用組成物。
項6.
pHが2~5である、項1~5のいずれか1項に記載の皮膚外用組成物。
【0008】
さらに、本発明は、以下の、皮膚外用組成物に方法を提供する。
項7.
(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種、(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種、及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を配合することによる、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用組成物の着色抑制方法。
項8.
(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種、及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有する、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物の着色抑制剤。
項9.
(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種、(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種、及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%とすることによる、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用組成物に使用感向上を付与する方法。
項10.
(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種、及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有する、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物の使用感向上剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、使用感と外観に優れた皮膚外用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、含有量の単位「質量%」は、「g/100g」と同義である。
【0011】
[皮膚外用組成物]
本発明の皮膚外用組成物は、
(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種;
(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種;及び
(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有する皮膚外用組成物である。
【0012】
((A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種)
本発明に用いられるアスコルビン酸としては、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において皮膚外用剤の成分として市販されているアスコルビン酸を使用することができ、これらは、限定はされないが、通常L体のものを指す。
【0013】
アスコルビン酸の塩も使用できる。ここで、アスコルビン酸の塩とは、薬学上許容される塩である。限定はされないが、例えば、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ピリジン塩等の第3級アミンとの塩、アルギニン等の塩基性アンモニウム塩等)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩等)等が例示される。好ましいアスコルビン酸の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩である。
【0014】
本発明において、アスコルビン酸又はその塩は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。本発明の効果を顕著に奏する観点から、アスコルビン酸が好ましい。(A)アスコルビン酸又はその塩は合成して用いてもよく、市販品を用いてもよい。
【0015】
本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対する(A)成分の総含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定される。
【0016】
皮膚外用組成物の全量に対する、(A)成分の総含有量は、好ましくは、20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは7質量%以下、さらにより好ましくは5質量%以下である。皮膚外用組成物の全量に対する、(A)成分の総含有量は、好ましくは、0.5質量%以上であり、より好ましくは、1質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上であり、さらにより好ましくは3質量%以上である。皮膚外用組成物の全量に対する、(A)成分の総含有量は、好ましくは、0.5~20質量%、より好ましくは1~10質量%、さらに好ましくは、2~9質量%、さらにより好ましくは3~5質量%である。
【0017】
((B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種)
本発明に用いられるサリチル酸又はサリチル酸の誘導体としては、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。
【0018】
サリチル酸の塩も使用できる。ここで、サリチル酸の塩とは、薬学上許容される塩である。限定はされないが、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機塩基等との塩等が例示される。サリチル酸塩は、例えば、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カルシウム、サリチル酸マグネシウム及びサリチル酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
【0019】
本発明の効果を顕著に奏する観点から、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カルシウム、サリチル酸マグネシウム及びサリチル酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、サリチル酸及び/又はサリチル酸ナトリウムがより好ましい。別の態様において、(B)成分として、サリチル酸の誘導体を用いることも可能である。このようなサリチル酸の誘導体としては、限定はされないが、例えば、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸メチル、サリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸Ti等が含まれる。(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、又はサリチル酸の誘導体は、合成して用いてもよく、市販品を用いてもよい。
【0020】
本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対する(B)成分の総含有量は、限定はされないが、好ましくは、0.001質量%以上であり、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、さらにより好ましくは0.05質量%以上である。
皮膚外用組成物の全量に対する(B)成分の総含有量は、限定はされないが、好ましくは、5質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、さらに好ましくは、1質量%以下、さらにより好ましくは、0.5質量%以下である。
【0021】
皮膚外用組成物の全量に対する(B)成分の総含有量は、好ましくは0.001~5質量%、好ましくは、0.005~2質量%、より好ましくは、0.01~1質量%、さらに好ましくは、0.05~0.5質量%である。また、にきび用薬に用いられる場合などを踏まえ、0.001~5質量%、0.01~4質量%、0.1~3質量%、0.5~2質量%などであってもよい。
【0022】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する(B)成分の配合量の比率は特に限定されないが、(A)成分の総含有量1質量部に対して、0.0002~10質量部が好ましく、0.001~1質量部がより好ましく、0.005~0.25質量部がさらに好ましいく、0.01~0.2質量部がさらにより好ましい。
【0023】
((C)炭素数3個のジオール)
本発明に用いられる炭素数3個のジオールとしては、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。また、このような炭素数3個のジオールは、市販品をそのまま用いることもできる。炭素数3個のジオールとしては、限定はされないが、例えば、1、3-プロパンジオール(CAS番号:504-63-2、英名:1,3-Dihydroxypropane又はTrimethyleneGlycol)又はプロピレングリコール(CAS番号:57-55-6、英名:1,2-Dihydroxypropane、和名別名:1,2-プロパンジオール)が例示でき、1種類を使用しても、適宜組み合わせて使用してもよい。皮膚への刺激緩和、使用感向上、着色抑制の観点から、1、3-プロパンジオール及びプロピレングリコールを組み合わせることも好ましい態様の一つであり、(C)成分として、少なくとも1、3-プロパンジオールを含むことがより好ましい。
【0024】
本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対する(C)成分の総含有量は、1質量%以上であり、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは、10質量%以上である。
皮膚外用組成物の全量に対する(C)成分の総含有量は、50質量%以下であり、好ましくは、40質量%以下、さらに好ましくは、30質量%以下である。
【0025】
皮膚外用組成物の全量に対する(C)成分の総含有量は、1~50質量%、好ましくは、5~40質量%、さらに好ましくは、10~30質量%である。
【0026】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する(C)成分の配合量の比率は特に限定されないが、(A)成分の総含有量1質量部に対して、0.05~100質量部が好ましく、0.5~40質量部がより好ましく、1~15質量部がさらに好ましい。
【0027】
(C)成分のうち、プロピレングリコールの配合量は、皮膚外用組成物の全量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは、1質量%以上、さらに好ましくは、5質量%以上、さらにより好ましくは、10質量%以上である。プロピレングリコールの配合量は、好ましくは、50質量%以下、40質量%以下、より好ましくは、30質量%以下、さらに好ましくは、20質量%以下、さらにより好ましくは、10質量%以下である。
皮膚外用組成物の全量に対するプロピレングリコールの総含有量は、0.1~50質量%、0.5~40質量%、1~40質量%、好ましくは、5~30質量%、さらに好ましくは、10~20質量%である。
【0028】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対するプロピレングリコールの配合量の比率は特に限定されないが、(A)成分の総含有量1質量部に対して、0.05~80質量部が好ましく、0.5~30質量部がより好ましく、1~10質量部がさらに好ましい。
【0029】
(C)成分のうち、1、3-プロパンジオールの配合量は、皮膚外用組成物の全量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは、1質量%以上、より好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは、10質量%以上である。1、3-プロパンジオールの配合量は50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらにより好ましくは15質量%以下である。
【0030】
皮膚外用組成物の全量に対する1、3-プロパンジオールの総含有量は、0.1~50質量%、0.5~40質量%、1~30質量%、好ましくは、5~20質量%、さらに好ましくは、10~15質量%である。
【0031】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する1、3-プロパンジオールの配合量の比率は特に限定されないが、(A)成分の総含有量1質量部に対して、0.05~60質量部が好ましく、0.5~20質量部がより好ましく、1~7.5質量部がさらに好ましい。
【0032】
本発明の皮膚外用組成物において、(C)成分はプロピレングリコールと1、3-プロパンジオールのいずれも配合するものであってもよい。この場合、プロピレングリコールと1、3-プロパンジオールを合わせた配合量が、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上であってよく、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、であってもよい。
皮膚外用組成物の全量に対するプロピレングリコールと1、3-プロパンジオールを合わせた配合量は、10質量%~50質量%、15~45質量%、20~40質量%、25~35質量%であってもよい。
また、プロピレングリコールと1、3-プロパンジオールのいずれも配合する場合、それぞれ、5~25質量%、5~20質量%、5~15質量%、10~25質量%、10~20質量%、10~15質量%、15~25質量%、15~20質量%等であってもよい。
【0033】
本発明の皮膚外用組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の他に、(D)水、及び/又は(E)低級アルコールを含んでいてもよい。
【0034】
((D)水)
本発明の皮膚外用組成物は、水を含む組成物であってもよい。水の割合は、限定はされないが、皮膚外用組成物の全量に対する水の含有量は、好ましくは、0.1~30質量%、より好ましくは、1~20質量%、さらに好ましくは2~15質量%である。
【0035】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する(D)成分の比率は、(A)成分の総含有量1質量部に対して、0.005~60質量部が好ましく、0.1~20質量部がより好ましく、0.2~7.5質量部がさらに好ましい。
【0036】
((E)低級アルコール)
本発明の皮膚外用組成物は、低級アルコールを含んでもよい。本発明に用いられる低級アルコールとしては、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。本明細書において、「低級アルコール」というときは、C1-C6のアルコールを指す。そのうち、特に、C1-C3のアルコールを好ましく用いることができる。このような例として、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等が挙げられ、中でもエタノールが好ましい。
【0037】
本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対する(E)成分の総含有量は、含まれる場合、好ましくは、0.1~40質量%、より好ましくは0.5~10質量%、さらに好ましくは、1~7質量%である。
【0038】
また、限定はされないが、典型的には、本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対するエタノールの量は、好ましくは、1~40質量%、より好ましくは2~30質量%、さらに好ましくは、3~20質量%である。
【0039】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する(E)成分の配合量の比率は、(A)成分の総含有量1質量部に対して、0.005~80質量部が好ましく、0.05~10質量部がより好ましく、0.1~3.5質量部がさらに好ましい。
【0040】
(多価アルコール)
本発明の皮膚外用組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の他に、多価アルコールを含んでいてもよい。
【0041】
本発明に用いられる多価アルコールとしては、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。多価アルコールは、限定はされないが、保湿の為又は可溶化剤として加える場合もある。具体的には、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール等が例示される。
【0042】
本発明の皮膚外用組成物の全量に対する(C)成分以外の多価アルコールの総含有量は、含まれる場合は、好ましくは0.1~60質量%、より好ましくは、1~50質量%、さらに好ましくは、10~45質量%程度である。
【0043】
(ビタミンE類)
本発明の皮膚外用組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の他に、トコフェロール、トコフェロールの塩、及びトコフェロールの誘導体等のビタミンE類を含んでいてもよい。本発明に用いられるトコフェロール、トコフェロールの塩、及びトコフェロールの誘導体等としては、医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において皮膚外用剤の成分として通常用いられる化合物を使用することができ、d体、l体、又はdl体のいずれであってもよく、またα、β、γ、δの構造のいずれであってもよい。トコフェロールとしては、例えば、d-α-トコフェロール、d-β-トコフェロール、d-γ-トコフェロール及びd-δ-トコフェロール、l-α-トコフェロール、l-β-トコフェロール、l-γ-トコフェロール、l-δ-トコフェロール、それらの混合物であるdl-α-トコフェロール、dl-β-トコフェロール、dl-γ-トコフェロール、dl-δ-トコフェロール等が挙げられる。トコフェロールの誘導体としては、限定はされないが、トコフェロールのエステルが好ましい。また、特には、トコフェロールの誘導体としては、酢酸トコフェロール、トコフェロールニコチン酸エステル又はその塩、トコフェロールコハク酸エステル又はその塩、トコフェロールリノレン酸エステル、リン酸トコフェロール又はその塩、(リノール酸/オレイン酸)トコフェロール、及びトコトエリノールからなる群より選択される1種等が例示される。
【0044】
本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対するビタミンE類の総含有量は特に限定されないが、好ましくは、0.00001~10質量%、より好ましくは、0.0001~5質量%である。
【0045】
(アスコルビン酸誘導体)
本発明の皮膚外用組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の他に、アスコルビン酸誘導体を含んでいてもよい。本発明に用いられるアスコルビン酸誘導体としては、3-O-エチルアスコルビン酸、L-アスコルビン酸2-グルコシド、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸モノリン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸ジリン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸トリリン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸-2-硫酸エステルナトリウム、又はそれらの塩等が例示される。
【0046】
塩とは、薬学上許容される塩である。限定はされないが、塩としては、例えば、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ピリジン塩等の第3級アミンとの塩、アルギニン等の塩基性アンモニウム塩等)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩等)等が例示される。特に好ましい3-O-エチルアスコルビン酸の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩である。
【0047】
本発明において、これらのアスコルビン酸誘導体は、1種又は2種以上を組み合わせて使用しても良い。
【0048】
本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対するアスコルビン酸誘導体の総含有量は、好ましくは0.005~10質量%、より好ましくは、0.01~5質量%、さらに好ましくは、0.02~3質量%、さらにより好ましくは、0.05~2質量%である。
【0049】
(界面活性剤)
本発明の皮膚外用組成物は、本発明の効果を妨げない限り、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤を含む場合には、限定はされないが、非イオン性界面活性剤が好ましく、たとえばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソアルコールエーテル、イソステアリン酸PEG-8グリセリル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-10、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-3、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、ジオレイン酸ポリグリセリル-10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、トリイソステアリン酸PEG-40グリセリル、イソステアリン酸PEG-40グリセリル、トリラウリン酸ポリグリセリル-10、トリカプリル酸ヘキサグリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル、ミリスチン酸ポリグリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等を用いる事ができ、特にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80、イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、ラウリン酸ポリグリセリルが好ましい。
【0050】
本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対する界面活性剤の総含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定される。皮膚外用組成物の全量に対する、界面活性剤の総含有量は、好ましくは0.001~10質量%、より好ましくは、0.005~7質量%、さらに好ましくは、0.01~5質量%である。
【0051】
(その他の成分)
本発明の皮膚外用組成物には、上記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の他に、さらに、アスコルビン酸が有する各種の作用を増強又は補足する目的で、また他の有用な作用を付加するため、美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、老化防止成分、コラーゲン等の生体成分合成促進成分、血行促進成分、保湿成分、老化防止成分等の各種成分を1種又は2種以上組み合わせて配合することができる。好ましくは美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分又は保湿成分の1種又は2種以上の成分である。これらの成分の組み合わせとして特に好ましいものとしては、美白成分との組み合わせ、美白成分と抗酸化成分との組み合わせ、抗酸化成分との各組み合わせ、老化防止成分との組み合わせ、美白成分と老化防止成分との各組み合わせを挙げることができる。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、又は化粧品分野において皮膚外用剤の成分として従来から使用され、また将来使用されるものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。これらのうち、特に、殺菌成分であるイソプロピルメチルフェノール及び/又は抗炎症成分であるグリチルリチン酸ジカリウムが好ましく用いられる。
【0052】
本発明の皮膚外用組成物は、上記各成分に加えて、さらに可溶化成分、油脂類、糖類又は経皮吸収促進成分を配合することもできる。特に可溶化成分又は油脂類を配合することによって、水性溶媒中におけるアスコルビン酸の安定性、有効性、使用感をより向上させることができる。
【0053】
本発明の皮膚外用組成物には、外観安定性や粘度等の品質を損なわず、また本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて医薬品、医薬部外品又は化粧品分野において外用剤の成分として一般的に用いられる各種の成分、例えば、アミノ酸、刺激軽減剤、増粘剤、防腐剤、紫外線防御剤、着色剤、分散剤、追加のpH調整剤、香料等を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、又は2種以上を任意に配合することができる。
【0054】
(形態)
本発明の皮膚外用組成物は、(A)、(B)、及び(C)成分、必要に応じて上記各任意成分を配合混合し、さらに必要に応じてその他の溶媒や通常使用される外用剤の基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状等の各種所望の形態に調製することができる。これらは当業界の通常の方法にて製造することができる。
【0055】
本発明の皮膚外用組成物は、アスコルビン酸及び/又はその塩を可溶化した、透明ないし半透明の組成物であることが特に好ましい。ここで、「可溶化」とは、以下のように定義されるものである。すなわち、例えば、紫外可視吸光度測定法により、分光光度計又は光電光度計UV-2450(島津製作所製)を用いて波長700nmの透過率として、透過率が、80~100%、好ましくは85~100%、より好ましくは90~100%の範囲にあるものをさす。ここで水の透過率を100%とする。本発明の可溶化組成物は、透明ないし半透明の外観を呈している。透過度測定方法は、より詳細には、第16改正日本薬局方[B]一般試験法 2.物理的試験法 分光学的測定法 2.24紫外可視吸光度測定法に記載の方法に準ずる。
【0056】
(粘度)
本発明の皮膚外用組成物は、特に皮膚に適用するために用いられる皮膚外用組成物の使用の際に望まれる適度な粘性を備えた組成物として調製することができる。本発明の皮膚外用組成物の粘度は、特に限定はされないが、例えば、E型粘度計を用いて25℃で測定した場合の粘度が通常1~300mPa・s程度、好ましくは1~200mPa・s程度、より好ましくは1~100mPa・s程度、最も好ましくは、1~50mPa・s程度である。粘度測定方法は、より詳細には、第16改正日本薬局方[B]一般試験法 2.物理的試験法 その他の物理的試験法 2.53 粘度測定法 2.第2法 回転粘度計法 2.1.3 円すい‐平板形回転粘度計(コーンプレート型粘度計)に記載の方法に準ずる。
【0057】
(pH)
本発明の皮膚外用組成物は、通常pH1~8の液性を備えていればよいが、アスコルビン酸の安定性、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感の良さという観点から、好ましくはpH2~7、より好ましくはpH2~6、さらに好ましくは、pH2~5.0、最も好ましくは、pH2~4.5である。酸性領域であることが望ましい。
【0058】
(用途)
本発明の皮膚外用組成物は、特には、美白剤、抗炎症剤、抗老化剤として有効であり、例えば、にきび予防や治療、抗酸化の作用を有する。さらに、皮膚への適用により、皮膚の透明感が高まり、潤いが保持され、キメが整い、ざらつきを抑える効果が発揮される場合がある。さらには、にきび痕や毛穴が気になる肌にうるおいを与える、毛穴を目立たなくさせる、なめらかな肌に導く、整肌保湿等の効果が発揮される場合がある他、しみの予防や治療に用いることもできる。
【0059】
本発明の皮膚外用組成物は、例えば、美容液、化粧水、日焼け止めクリーム、乳液、クリーム、ローション、オイル及びパック等の基礎化粧料;ファンデーション、口紅、リップクリーム、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料等の洗浄料;腋臭防止剤、水虫治療剤、鎮痒剤、創傷治癒剤、清拭剤、清浄剤、消炎鎮痛剤、にきび治療剤、痔疾用剤、殺菌消毒剤、美白剤、紫外線防御剤等の、化粧品、外用医薬品又は外用医薬部外品の分野に属する各種の皮膚外用組成物とすることができる。皮膚への作用効果から、本発明は皮膚外用剤(外皮用の製剤)等の外皮に適用される製品に使用されることが好ましい。本発明の組成物は、用途等に応じて1日あたり1回から数回に分けて、公知あるいは慣用されている用法・用量にて使用することができる。
【0060】
[着色抑制方法]
本発明はまた、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用組成物の着色抑制方法をも包含する。本発明の着色抑制方法によれば、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種;(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種;及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有させることによって、アスコルビン酸を含有しながら、着色が抑制された安定な製剤とすることができる。すなわち、本発明は、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種;(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種;及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有させることによる、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用組成物の着色抑制方法、に関する。ここで着色抑制とは、限定はされないが、例えば保存した際にアスコルビン酸に起因する着色が抑制されていること(透明感が向上していることを含む)等を指す。このような着色抑制により、本発明の皮膚外用組成物は良好な外観を呈する。さらにこのような着色抑制による良好な外観とは、例えば、製剤が衣類などに付着したときに色づかないことなども含む。
【0061】
本発明の着色抑制において、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種;(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種;及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有する皮膚外用組成物とすることやその含有量等については、前記皮膚外用組成物で用いたものと同様である。
【0062】
[着色抑制剤]
本発明は、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用組成物の着色抑制剤をも包含する。本発明の着色抑制剤は、(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種、及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有する、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む皮膚外用組成物の着色抑制剤である。
【0063】
本発明の着色抑制剤において、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種;(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種;及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有する皮膚外用組成物とすることやその含有量等については、前記皮膚外用組成物で用いたものと同様である。
【0064】
[使用感向上方法]
本発明はまた、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用組成物の使用感向上方法をも包含する。本発明の使用感向上方法によれば、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種;(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種;及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有させることによって、良好な使用感を得られる。すなわち、本発明は、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種;(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種;及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有させることによる、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用組成物に良好な使用感を付与する方法、に関する。ここで、使用感とは、限定はされないが、例えば摩擦が少なく、塗り心地が滑らかであること等を指す。
【0065】
本発明の使用感向上方法において、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種;(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種;及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有する皮膚外用組成物とすることやその含有量等については、前記皮膚外用組成物で用いたものと同様である。
【0066】
[使用感向上剤]
本発明は、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用組成物の使用感向上剤をも包含する。本発明の使用感向上剤は、(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種、及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有する、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む皮膚外用組成物の使用感向上剤である。
【0067】
本発明の使用感向上剤において、(A)アスコルビン酸、及びアスコルビン酸の塩からなる群より選択される少なくとも1種;(B)サリチル酸、サリチル酸の塩、及びサリチル酸の誘導体からなる群より選択される少なくとも1種;及び(C)炭素数3個のジオール1~50質量%を含有する皮膚外用組成物とすることやその含有量等については、前記皮膚外用組成物で用いたものと同様である。
【実施例
【0068】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、表における各成分量の単位は、表中特に断りがない限り、質量%である。
【0069】
表1~表4に示す組成の皮膚外用組成物を常法に従って調製した。
【0070】
[試験例1:アスコルビン酸着色抑制確認試験]
基準例、比較例、実施例の組成物について、60℃での保管後の着色の抑制の有無の評価を目視及び色差計で行った。具体的には表に記載の処方に従って、各種成分を混合して溶解させて、組成物を調製した。調製した組成物を20mLねじ口瓶に10mL充填し、60℃の恒温機に5日間静置した。測定期間の5日が経過した後、ねじ口瓶を恒温機から取り出し、25℃で恒温化した後に評価した。各組成物を測定に供して、着色の有無や程度を判定した。
測定は、分光測色計CM-5(コニカミノルタ株式会社製)により、試験液2.5mLをガラスセル(CM-A97、厚さ2mm)に入れ、25℃にてCIELAB表色系におけるL値、a値、及びb値を測定した。測定値は、精製水をブランクとした時のΔL*Δa*Δb*を用いた。
【0071】
L*値(ΔL*)は明度に関する値であり、a*値(Δa*)は赤緑間の双方向に関する値であり、b*値(Δb*)は黄青間の双方向に関する値である。
【0072】
ΔE*abは、下記式で表され、実施例又は比較例の組成物の総合的な着色の度合いを表す指標になる。
【0073】
【数1】
【0074】
ΔL増加率を、以下の式で求めた。
ΔL増加率= ΔL(D65)(保存後)/ΔL(D65)(保存前)
【0075】
Δa増加率を、以下の式で求めた。
Δa増加率= Δa(D65)(保存後)/Δa(D65)(保存前)
【0076】
Δb増加率を、以下の式で求めた。
Δb増加率= Δb(D65)(保存後)/Δb(D65)(保存前)
【0077】
ΔE*ab増加率を、以下の式で求めた。式中(D65)はD65光源を用いたことを示す。
ΔE*ab(D65)増加率=ΔE*ab(D65)(保存後)/ ΔE*ab(D65)(保存前)
【0078】
【表1】
【0079】
ここで、実施例1-1のΔa*(D65)の改善率(%)は、{(基準例1-1のΔa*(D65)の増加率-実施例1-1のΔa*(D65)の増加率)/(基準例1-1のΔa*(D65)の増加率)}×100で表される。
比較例1-1のΔa*(D65)の改善率(%)は、{(基準例1-2のΔa*(D65)の増加率-比較例1-1のΔa*(D65)の増加率)/(基準例1-2のΔa*(D65)の増加率)}×100で表される。
実施例1-1のΔb*(D65)の改善率(%)は、{(基準例1-1のΔb*(D65)の増加率-実施例1-1のΔb*(D65)の増加率)/(基準例1-1のΔb*(D65)の増加率)}×100で表される。
比較例1-1のΔb*(D65)の改善率(%)は、{(基準例1-2のΔb*(D65)の増加率-比較例1-1のΔb*(D65)の増加率)/(基準例1-2のΔb*(D65)の増加率)}×100で表される。
【0080】
Δa値に関連して、1、3-プロパンジオールが30質量%の実施例1-1の組成物では、サリチル酸を加えることにより、基準例1-1と比較して、水に近い色味となった。一方で、1、3-プロパンジオールが60質量%の系では、サリチル酸を加えることにより基準例1-2と比較して、水の色味とは離れていった。Δb値に関連して、1、3-プロパンジオールが30質量%の実施例1-1の組成物では、サリチル酸による着色抑制効果が見られた。一方で、1、3-プロパンジオール60質量%の比較例1-1の組成物では、着色抑制効果は見られず、改悪した。サリチル酸の添加により、実施例1-1の組成物はより着色が抑制された。また、実施例1-1の組成物に比べて、比較例1-1の組成物は、評価したすべての指標において、大きく劣っていた。
【0081】
【表2】
【表3】
【0082】
ここで、各実施例のΔL*(D65)の改善率(%)は、{(各基準例のΔL*(D65)の増加率-各実施例のΔL*(D65)の増加率)/各基準例のΔL*(D65)の増加率}×100で表される。
比較例のΔL*(D65)の改善率(%)は、{(基準例のΔL*(D65)の増加率-比較例のΔL*(D65)の増加率)/基準例のΔL*(D65)の増加率}×100で表される。
ΔE*ab(D65)の改善率(%)は、{(各基準例のΔE*ab(D65)の増加率-各実施例のΔE*ab(D65)の増加率)/各基準例のΔE*ab(D65)の増加率}×100で表される。
比較例のΔE*ab(D65)の改善率(%)は、{(基準例のΔE*ab(D65)の増加率-比較例のΔE*abD65)の増加率)/基準例のΔE*ab(D65)の増加率}×100で表される。
各基準例は、各実施例又は比較例の組成物からサリチル酸を除いた組成物であり、表2及び表3において、それぞれの実施例又は比較例の左隣の組成物を指す。
【0083】
プロピレングリコールが30質量%の実施例の組成物では、サリチル酸による明るさ向上効果が見られた。一方で、プロピレングリコールが60質量%の組成物では、当該効果は見られなかった。プロパンジオールを含む組成物でも同様であった。また、プロピレングリコール類以外の基剤を変更しても同様であった。
プロピレングリコールが30質量%の組成物では、サリチル酸による明るさ向上効果が見られた。一方で、60質量%の組成物では、当該効果は見られなかった。プロパンジオールでも同様であった。また、プロピレングリコール類以外の基剤を変更しても同様であった。
【0084】
さらに、1,3-プロパンジオールとプロピレングリコールを混合して使用した実施例の組成物でもこれらの効果が見られ、1,3-プロパンジオールとプロピレングリコールの合計含有量が、15質量%の実施例の組成物でも、効果が確認された。基剤として、ポリエチレングリコールを使用した場合や、サリチル酸の配合量を低減した場合でも効果が確認された。
【0085】
実施例の組成物は、いずれも、基準例あるいは比較例と比較した場合に、着色が抑制され、総合的な色味が抑えられ、透明度は高いものであった。
【0086】
[試験例2:摩擦の改善確認試験]
(静摩擦係数)
人工皮革(サプラーレPBZ13001(出光テクノファイン株式会社))を摩擦感テスターの移動テーブルに張り付け、人工皮革上に各組成物1mLを、接触子の真下に充分行き渡るように広げた。つぎに測定ユニットに50gの錘を装着した。接触子を、測定ユニットに取り付け、1秒あたり1000回、20秒間測定を行った。動き始めの測定結果から得られた摩擦係数の平均値を算出し、その製剤の摩擦係数(μk)とした。なお、摩擦感テスター(Tribomaster TL201Ts、トリニティラボ社製)の接触子としては「指紋パターンを模した触覚接触子」を使用した。
測定条件錘:50g、測定時間:20秒間、移動距離:10cm、移動速度:5mm/s、1msecごとに値を測定。
【0087】
【表4】
【表5】
【表6】
【0088】
ここで、各実施例又は比較例の摩擦改善率(%)は、{(各基準例の摩擦係数-各実施例又は比較例の摩擦係数)/各基準例の摩擦係数}×100で表される。各基準例は、各実施例又は比較例の組成物からサリチル酸を除いた組成物であり、表4~表6において、それぞれの実施例又は比較例の左隣の組成物を指す。
【0089】
1、3-プロパンジオール30質量%にサリチル酸を加えると摩擦が小さくなった。1、3-プロパンジオール60質量%ではその改善は見られず摩擦が大きくなった。また、実施例3-1の摩擦係数は、いずれの基準例又は比較例よりも低いものであり、組成物を皮膚に塗る際の塗り始めの滑らかさが確認できた。
【0090】
さらに、1,3-プロパンジオールとプロピレングリコールを混合して使用した実施例の組成物でもこれらの効果が見られ、1,3-プロパンジオールとプロピレングリコールの合計含有量が、15質量%の実施例の組成物でも、効果が確認された。基剤として、ポリエチレングリコールを使用した場合や、サリチル酸の配合量を低減した場合でも効果が確認された。
【0091】
(動摩擦係数)
人工皮革を摩擦感テスターの移動テーブルに張り付け、人工皮革上に試験製剤1mLを、接触子の真下に充分行き渡るように広げた。つぎに測定ユニットに50gの錘を装着した。接触子を、測定ユニットに取り付け、1秒あたり1000回、20秒間測定を行った。測定開始後5~15秒の測定結果から得られた摩擦係数の平均値を算出し、その製剤の摩擦係数(μk)とした。なお、摩擦感テスター(Tribomaster TL201Ts、トリニティラボ社製)の接触子としては「指紋パターンを模した触覚接触子」を使用した。
測定条件錘:50g、測定時間:20秒間、移動距離:10cm、移動速度:5mm/s、1msecごとに値を測定。
【0092】
【表7】
【0093】
ここで、各実施例又は比較例の摩擦改善率(%)は、{(各基準例の摩擦係数-各実施例又は比較例の摩擦係数)/各基準例の摩擦係数)}×100で表される。各基準例は、各実施例又は比較例の組成物からサリチル酸を除いた組成物であり、表7において、それぞれの実施例又は比較例の左隣の組成物を指す。
【0094】
1、3-プロパンジオール30質量%にサリチル酸を加えると摩擦が小さくなった。1、3-プロパンジオール60質量%ではその改善は見られず摩擦が大きくなった。また、実施例4-1の摩擦係数は、いずれの基準例又は比較例よりも低いものであり、組成物を皮膚に塗る場合の滑らかさが確認できた。
【0095】
[処方例]
下記表8及び表9に処方例を示す。処方例は、いずれも美容液で、処方例中の含有量はいずれも質量%である。
【0096】
【表8】
【0097】
【表9】