(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-15
(45)【発行日】2025-12-23
(54)【発明の名称】自動車
(51)【国際特許分類】
B62D 6/00 20060101AFI20251216BHJP
B62D 5/04 20060101ALI20251216BHJP
A63F 13/803 20140101ALI20251216BHJP
G09B 9/042 20060101ALI20251216BHJP
B62D 119/00 20060101ALN20251216BHJP
【FI】
B62D6/00
B62D5/04
A63F13/803
G09B9/042 A
B62D119:00
(21)【出願番号】P 2024548821
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 JP2022035681
(87)【国際公開番号】W WO2024069691
(87)【国際公開日】2024-04-04
【審査請求日】2025-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米田 泰也
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-119657(JP,A)
【文献】特開2012-239547(JP,A)
【文献】特開2009-14758(JP,A)
【文献】国際公開第2006/088182(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/22,13/245,13/803
A63H 17/00,30/00
B62D 1/00, 5/04, 6/00
G09B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイールが転舵輪から機械的に切り離され、前記ステアリングホイールの操作を電気信号として前記転舵輪へ伝える操舵装置と、
娯楽用ソフトウェアを実行するか又はラジオコントロール機器と通信する娯楽実行装置と、
前記娯楽実行装置を作動する娯楽モードと、自動車を運転する運転モードとが選択可能とされ、それぞれのモードに応じた制御を実行するモード選択制御装置と、を備え、
前記モード選択制御装置は、
前記娯楽モードが選択された場合には、前記ステアリングホイールが操作されても前記転舵輪が転舵しないように前記操舵装置を制御し、
前記娯楽モードが選択された場合の前記ステアリングホイールの最大回転角の初期値を、前記運転モードが選択された場合の前記ステアリングホイールの最大回転角と同じ角度に設定し、
ドライバーの要求に応じて、前記娯楽モードが選択された場合の前記ステアリングホイールの最大回転角を、前記運転モードが選択された場合の前記ステアリングホイールの最大回転角よりも小さく設定可能とする自動車。
【請求項2】
前記モード選択制御装置は、自動車を起動するためのメインスイッチがONしたときに、前記娯楽モードと前記運転モードとをドライバーに選択させる選択スイッチを含む請求項1に記載の自動車。
【請求項3】
前記モード選択制御装置は、ドライバーの要求に応じて自動車を製造する際に車載される請求項1又は2に記載の自動車。
【請求項4】
前記操舵装置は、
前記ステアリングホイールに操舵反力を印加する第1アクチュエータと、
前記転舵輪を転舵する第2アクチュエータと、
前記ステアリングホイールへの操舵反力に相当する第1制御量を演算し、当該第1制御量に基づいて、前記第1アクチュエータを制御する第1制御部と、
前記転舵輪の転舵角に相当する第2制御量を演算し、当該第2制御量に基づいて、前記第2アクチュエータを制御する第2制御部と、を含み、
前記モード選択制御装置に前記運転モードの選択信号が入力された場合には、
前記第1制御部は、前記第1制御量を前記第1アクチュエータへ出力し、
前記第2制御部は、前記第2制御量を前記第2アクチュエータへ出力し、
前記モード選択制御装置に前記娯楽モードの選択信号が入力された場合には、
前記第1制御部は、前記娯楽実行装置を介して入力された第1制御量を前記第1アクチュエータへ出力し、
前記第2制御部は、前記第2制御量として0を前記第2アクチュエータへ出力するとともに、前記第2制御量を前記娯楽実行装置へ出力する請求項1
又は2に記載の自動車。
【請求項5】
前記第1制御部と前記第2制御部のそれぞれは、前記ステアリングホイールの操作角に基づいて前記第1制御量及び前記第2制御量を演算し、
前記第1制御部で演算された前記第1制御量及び前記第2制御量と、前記第2制御部で演算された前記第1制御量及び前記第2制御量とが一致するか否かを判断し、
一致しない場合には、前記操舵装置が異常である旨の信号を出力する請求項
4に記載の自動車。
【請求項6】
前記モード選択制御装置は、前記ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、ステアリングスイッチ、パドルシフト、変速シフトレバーの少なくともいずれかの操作量を検出し、これを制御量として前記娯楽実行装置へ出力する請求項1
又は2に記載の自動車。
【請求項7】
前記モード選択制御装置は、前記娯楽実行装置からの制御信号に応じて、ディスプレイ、エアコン装置、オーディオ装置、シート姿勢調整装置、エアサスペンション装置の少なくともいずれかを制御する請求項1
又は2に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に関し、特に車室内で娯楽に興ずることができる自動車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車室内に設けられたディスプレイ、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルなどの各種操作機器を操作することで、車室内においてレーシングゲームに興ずることができる自動車が知られている(非特許文献1の記事参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】https://response.jp/article/2019/06/23/323716.html オートモーティブメディア・レスポンスのホームページ,2019年6月23日掲載の記事“テスラの車載ディスプレイでゲーム、最新作は「ビーチバギーレーシング2」…ハンドルとペダルで操作”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の自動車では、ステアリングホイールを操作すると転舵輪もその場で旋回するので、タイヤを痛めたりホイールアライメントが狂ったりし、自動車の機構に悪影響を与えるという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、自動車の機構に悪影響を与えることなく、車室内でゲームなどの娯楽に興ずることができる自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、娯楽実行装置を搭載した自動車において、娯楽モードが選択された場合には、ステアリングホイールが操作されても転舵輪が転舵しないようにステアリングバイワイヤ方式の操舵装置を制御することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、自動車の機構に悪影響を与えることなく、車室内でゲームなどの娯楽に興ずることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る自動車の一実施の形態を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す操舵装置の一例を示す概略図である。
【
図3】娯楽モードと運転モードとをドライバーに選択させるための表示の一例を示す正面図である。
【
図4】
図1の娯楽実行装置を用いて自動車のレーシングゲームを行う状況を示す概略図である。
【
図5】
図1の娯楽実行装置を用いてラジコン自動車おもちゃを操縦する状況を示す概略図である。
【
図6】
図1の自動車が実行する情報処理フローを示すフローチャートである。
【
図7A】
図6の運転モード(S6)のサブルーチンを示すフローチャート(その1)である。
【
図7B】
図6の運転モード(S6)のサブルーチンを示すフローチャート(その2)である。
【
図8】
図6の娯楽モード(S7)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図9A】
図8のゲームモード(S74)のサブルーチンを示すフローチャート(その1)である。
【
図9B】
図8のゲームモード(S74)のサブルーチンを示すフローチャート(その2)である。
【
図10A】
図8のラジコンモード(S75)のサブルーチンを示すフローチャート(その1)である。
【
図10B】
図8のラジコンモード(S75)のサブルーチンを示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《実施形態に係る自動車Vの主たる構成》
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態例を説明する。
図1は、本発明に係る自動車の一実施の形態を示すブロック図である。本実施形態の自動車Vは、娯楽実行装置41が搭載された自動車Vであり、自動車Vを停車した状態で娯楽実行装置41を起動し、車室内に設けられたディスプレイ6、ステアリングホイール501、アクセルペダル14、ブレーキペダル15などの各種操作機器を操作することで、車室内においてレーシングゲームやラジコンおもちゃの操縦などに興ずることができる。
【0010】
そのため、本実施形態の自動車Vは、レーシングゲームその他の娯楽用ソフトウェアを実行するか又はラジコンおもちゃその他のラジオコントロール機器と通信する娯楽実行装置41と、ステアリングホイール501が転舵輪502から機械的に切り離され、ステアリングホイール501の操作を電気信号として転舵輪502へ伝える、いわゆるステアリングバイワイヤ方式の操舵装置5と、娯楽実行装置41を作動する娯楽モードと、自動車Vを運転する運転モードとが選択可能なモード選択制御装置2と、を備える。
【0011】
最初に、本実施形態のステアリングバイワイヤ(SBW)方式の操舵装置5について説明する。
図2は、本実施形態の操舵装置5の一例を示す概略図であり、運転者が操舵操作可能なステアリングホイール501と、左右の前輪である転舵輪502と、ステアリングシャフト503と、を備える。ステアリングホイール501は、ステアリングシャフト503に連結され、転舵輪502,502とは機械的に切り離し可能に設けられている。このステアリングシャフト503には、操舵角センサ504と、反力モータ505と、操舵トルクセンサ506とが設けられている。
【0012】
操舵角センサ504は、ステアリングホイール501の操舵角を検出するものであり、エンコーダなどで構成することができる。
【0013】
反力モータ505は、ステアリングシャフト503にトルクを印加することにより、ステアリングホイール501に操舵反力を与えるためのものであり、操舵反力とは、ドライバーがステアリングホイール501を操舵する操作方向とは反対方向へ作用する力をいう。反力モータ505は、ブラシレスモータ等で構成することができ、後述するSBWコントローラECU5の第1制御部51が出力する反力モータ駆動電流に応じて駆動する。
【0014】
操舵トルクセンサ506は、ステアリングホイール501からステアリングシャフト503に伝達される操舵トルクを検出する。操舵トルクセンサ506は、たとえばトーションバーの捩れ角変位をポテンショメータで検出することで、操舵トルクを検出する構成となっている。
【0015】
本実施形態の操舵装置5は、さらにクラッチ507と、ピニオンシャフト508と、転舵モータ509と、転舵モータ角センサ510と、ピニオンギヤ511と、ラック軸512と、タイロッド513と、ナックルアーム514と、SBWコントローラECU5と、を備える。
【0016】
クラッチ507は、ステアリングホイール501と転舵輪502との間に介装され、SBWコントローラECU5からのクラッチ指令電流に従って、締結状態と非締結状態とに切り換わる。本例のクラッチ507は、無励磁締結形の電磁クラッチからなり、電磁コイルが無励磁のときに、たとえばカムローラ機構により、入力軸のカム面と出力軸の外輪との間にローラが噛み合い、入力軸と出力軸とが締結されて締結状態となる。一方、電磁コイルを励磁すると、アマチュアの吸引により、入力軸のカム面と出力軸の外輪との間でローラの噛み合いが解除され、入力軸と出力軸とが遮断され、非締結状態となる。本例のクラッチ507は、SBWシステムが正常に作動している状態では、非締結状態となり、SBWシステムに何らかの異常が発生したときに締結状態となる。
【0017】
また、本例のクラッチ507において、非締結状態では、ステアリングホイール501と転舵輪502との間のトルク伝達経路が機械的に分離するため、ステアリングホイール501の操舵操作が転舵輪502へ伝達しない状態となる。一方、クラッチ507が締結状態である場合は、ステアリングホイール501と転舵輪502との間のトルク伝達経路が機械的に結合するため、ステアリングホイール501の操舵操作が転舵輪502へ伝達する状態となる。
【0018】
ピニオンシャフト508は、その一端がクラッチ507に連結され、その他端には、ピニオンギヤ511が設けられている。ピニオンギヤ511は、ラック軸512の両端部間に設けられたラックギヤと噛合する。ラック軸512の両端のそれぞれは、タイロッド513及びナックルアーム514を介して、転舵輪502に連結されている。これにより、転舵輪502は、ピニオンギヤ511の回転に応じてラック軸512が車幅方向へ変位することで、タイロッド513及びナックルアーム514を介して転舵する。その結果、自動車Vの進行方向が変わることになる。
【0019】
転舵モータ509は、反力モータ505と同様にブラシレスモータ等で構成され、SBWコントローラECU5が出力する転舵モータ駆動電流に応じて駆動する。転舵モータ509は、転舵モータ駆動電流に応じて駆動することにより、転舵輪502を転舵するための転舵トルクを出力する。転舵モータ509の出力軸の先端にはウォームが設けられ、ピニオンシャフト508にはウォームホイールが設けられ、これらウォームとウォームホイールとからなるウォームギヤ515の噛合により、転舵モータ509の回転がピニオンシャフト508に伝達される。
【0020】
転舵モータ509には、転舵モータ角センサ510が設けられている。転舵モータ角センサ510は、転舵モータ509の回転角を検出する。ここで、転舵輪502の転舵角は、転舵モータ509の回転角度と、ウォームギヤ515のギヤ比と、ピニオンギヤ511とラック軸512のラックギヤとのギヤ比とによって一意に決定するため、転舵モータ509の回転角から転舵輪502の転舵角を求めることができる。すなわち、転舵モータ角センサ510の検出角から転舵輪502の転舵角を求めることができる。
【0021】
SBWコントローラECU5は、プロセッサを含むマイクロコンピュータで構成され、操舵角センサ504で検出したステアリングホイール501の操舵角θsと、操舵トルクセンサ506で検出した操舵トルクTと、転舵モータ角センサ510で検出した転舵角θrとを読み込む。またこの他に、SBWコントローラECU5は、他システムのコントローラ(不図示)から車速Vdやヨーレートγを入力する。そして、クラッチ507が非締結状態である場合に、SBWコントローラECU5は、ステアリングホイール501の操舵状態に応じて転舵モータ509を駆動制御し、転舵輪502を転舵する。これにより、転舵輪502の転舵角θrは、ステアリングホイール501の操舵状態に応じた転舵指令角に一致することになる。これと同時に、SBWコントローラECU5は、転舵輪502の転舵状態に応じて反力モータ505を駆動制御し、ステアリングホイール501に操舵反力を付与する。これにより、ステアリングホイール501に路面反力を模擬した操舵反力を与える。このようにして、SBWコントローラECU5は、ステアバイワイヤ制御(以下、SBW制御ともいう。)を行う。
【0022】
より具体的には、SBWコントローラECU5は、第1制御部51と第2制御部52とを含んで構成され、第1制御部51は、ステアリングホイールへの操舵反力に相当する第1制御量を反力モータ505へ出力し、第2制御部52は、転舵輪の転舵角に相当する第2制御量を転舵モータ509へ出力する。
【0023】
特に限定はされないが、本実施形態のSBWコントローラECU5においては、第1制御部51と第2制御部52のそれぞれが、操舵角センサ504で検出したステアリングホイール501の操舵角θs、操舵トルクセンサ506で検出した操舵トルクT、転舵モータ角センサ510で検出した転舵角θr、車速Vd、ヨーレートγなど演算に必要とされる検出値を読み込み、これらに基づいて、反力モータ505へ出力する第1制御量と、転舵モータ509へ出力する第2制御量とを独立して演算する。
【0024】
そして、反力モータ505及び転舵モータ509へ出力する前に、第1制御部51で演算された第1制御量及び第2制御量と、第2制御部52で演算された第1制御量及び第2制御量とが一致するか否かを判断し、一致しない場合には、操舵装置5に何らかの異常が発生したものと判定し、異常である旨の信号を出力する。
【0025】
詳細は後述するが、自動車Vを運転する運転モードでは、第1制御部51は、ステアリングホイール501への操舵反力に相当する第1制御量を反力モータ505へ出力し、第2制御部52は、転舵輪502の転舵角に相当する第2制御量を転舵モータ509へ出力する。しかしながら、自動車Vを停車し、娯楽実行装置41を作動してゲームなどを楽しむ娯楽モードでは、第1制御部51は、ステアリングホイール501への操舵反力に相当する第1制御量を反力モータ505へ出力する一方、第2制御部52は、転舵輪502の転舵角を変化させない制御量としての0を転舵モータ509へ出力する。これにより、ゲームの内容に応じた操舵反力をステアリングホイール501で感じながら、ステアリングホイール501を回転しても転舵輪502の転舵を停止することができる。
【0026】
図1に戻り、本実施形態の自動車Vは、娯楽実行装置41を含むIVIコントローラ4を備える。本例のIVIコントローラ4とは、車載された情報娯楽提供装置(In-Vehicle Infotainment)を意味し、プロセッサを含むマイクロコンピュータで構成され、情報の提供と娯楽の提供を実現するシステムである。本例のIVIコントローラ4は、情報の提供機能として、カーナビゲーション装置を用いて走行経路を案内したり道路交通情報を表示したりする。また、本例のIVIコントローラ4は、娯楽の提供機能として、TVチューナを含むオーディオ装置8やディスプレイ6を用いて音楽,映画,テレビ番組などを提供する。特に本例のIVIコントローラ4は、娯楽実行装置41を搭載し、レーシングゲームその他の娯楽用ソフトウェアを実行したり、ラジコンおもちゃその他のラジオコントロール機器と通信したりする。なお、娯楽実行装置41を用いてゲームソフトウェアを実行する場合、ソフトウェアのコンテンツはたとえばクラウドサーバCSに接続することで行うことができる。
【0027】
本実施形態の自動車Vは、娯楽実行装置41を作動する娯楽モードと、自動車Vを運転する運転モードとが選択可能な、プロセッサを含むマイクロコンピュータで構成されたモード選択制御装置2を備える。本例のモード選択制御装置2は、自動車Vを起動するためのメインスイッチ3がONしたときに、娯楽モードと運転モードとをドライバーに選択させる選択スイッチを含む。
図3は、インストルメントパネルのセンターディスプレイ61に表示した、娯楽モードと運転モードとをドライバーに選択させるための選択スイッチの一例を示す正面図である。センターディスプレイ61が液晶タッチパネルなどで構成されている場合には、ドライバーが、左の運転モードを示す部分P1と右の娯楽モードを示す部分P2とのいずれかをタッチすることで、所望のモードが選択できる。なお、自動車Vを起動するためのメインスイッチ3とは、内燃機関が搭載された自動車Vにあってはイグニッションスイッチが相当し、電気自動車やハイブリッド自動車にあっては、パワースイッチが相当する。
【0028】
ちなみに、本例のモード選択制御装置2は、自動車Vを起動するためのメインスイッチ3がONするたびに、娯楽モードと運転モードとをドライバーに選択させるので、娯楽モードに興味がないドライバーにとっては、この選択操作が煩わしいと感じることもある。そのため、本例のモード選択制御装置2は、ドライバーの要求に応じて自動車Vを製造する際の、いわゆるオプション品の一つに設定することとし、娯楽モードが必要な購入者の自動車Vのみに搭載することが好ましい。
【0029】
本例のモード選択制御装置2は、自動車の起動時に娯楽モードと運転モードとをドライバーに選択させるほか、娯楽モードが選択された場合には、ステアリングホイール501が操作されても転舵輪502が転舵しないように操舵装置5を制御する機能を有する。これについては後述する。
【0030】
また本例のモード選択制御装置2は、娯楽モードが選択された場合のステアリングホイール501の最大回転角の初期値を、運転モードが選択された場合のステアリングホイール501の最大回転角と同じ角度に設定するが、ドライバーの要求に応じて、娯楽モードが選択された場合のステアリングホイール501の最大回転角を、運転モードが選択された場合のステアリングホイール501の最大回転角よりも小さく設定することができる構成とされている。娯楽モードが選択された場合のステアリングホイール501の最大回転角の初期値を、運転モードが選択された場合のステアリングホイール501の最大回転角と同じ角度に設定するのは、娯楽モードによる運転操作を実車のシミュレータとして使用する場合などに適しているからである。
【0031】
また本例のモード選択制御装置2は、ステアリングホイール501の回転角に対する転舵輪502の回転角の大きさを転舵輪の切れ角と定義したときに、ドライバーの要求に応じて、娯楽モードが選択された場合の転舵輪の切れ角を、運転モードが選択された場合の転舵輪の切れ角より大きく設定することができる構成とされている。これにより、ゲームやラジコン操作においてステアリングホイール501を大きく回す必要がなくなり、小さな操作角で俊敏な転舵操作を実現することができる。なお、ステアリングホイール501の最大回転角の設定は、反力モータ505及び転舵モータ509へ出力する制御量により調整することができる。そのため、本例のモード選択制御装置2は、娯楽モードが選択された場合のみならず運転モードが選択された場合においても、ドライバーの要求に応じてステアリングホイール501の最大回転角を小さく(転舵輪の切れ角を大きく)設定してもよい。これにより、実際の運転操作においてもステアリングホイール501を大きく回す必要がなくなり、小さな操作角で俊敏な転舵操作を実現することができる。
【0032】
本実施形態の自動車Vは、
図1に示すように、ボディコントロールモジュール1を備える。本例のボディコントロールモジュール1は、車載ボディ全般の機能を統括的に制御する電子コントロールユニットであり、プロセッサを含むマイクロコンピュータで構成されている。また、本実施形態の自動車Vは、一般的な自動車と同様に、ディスプレイ6,エアコン装置7,スピーカ、ラジオチューナ、テレビチューナ、CD・DVD・BD再生器を含むオーディオ装置8,アクチュエータを用いて座席の姿勢や位置を調整するシート姿勢調整装置9,車体の姿勢を調整するエアサスペンション装置10,ステアリングホイール501に設けられたステアリングスイッチ11,いわゆるフロアシフトレバーとも称される変速シフトレバー12,ステアリングホイール501に設けられたパドルシフト13,アクセルペダル14,ブレーキペダル15を備える。またこれ以外にも、車室内外の照明装置、ドアの施解錠装置、ドア窓ガラスの昇降装置、ドアミラーや室内ミラー、ワイパーなどを備える。
【0033】
本実施形態の自動車Vには、CSMA/CA方式の多重通信(CAN:ControllerArea Network)やフレックスレイ(Flex Ray)等の車載通信ネットワーク(車載LAN)規格を用いた通信路が構築され、ボディコントロールモジュール1を含む各コントローラ同士は、通信線16によって相互通信可能に接続されている。
【0034】
そして、モード選択制御装置2により運転モードが選択された場合には、その旨がモード選択制御装置2からボディコントロールモジュール1へ出力され、ボディコントロールモジュール1は、
図1に示す各コントローラを通常の運転モードとして制御する。
【0035】
これに対し、モード選択制御装置2により娯楽モードが選択された場合には、その旨がモード選択制御装置2からボディコントロールモジュール1へ出力され、ボディコントロールモジュール1は、娯楽実行装置41にて実行される娯楽のコンテンツに応じて各コントローラを制御する。たとえば、娯楽実行装置41を用いて自動車のレーシングゲームを行う場合を例に挙げ、自動車Vの各種装置の制御例を説明する。
図4は、娯楽実行装置41を用いて自動車のレーシングゲームを行う状況を示す概略図である。
【0036】
図4に示すような自動車のレーシングゲームでは、ゲームソフトウェアをディスプレイ6に表示し、ドライバーはこの画面を見ながらステアリングホイール501、アクセルペダル14、ブレーキペダル15を操作する。また、レーシングカーの加減速及び旋回以外の操作入力がある場合は、ステアリングスイッチ11の各種ボタンやパドルシフト13のほか変速シフトレバー12などを用いて操作入力する。これらステアリングホイール501、アクセルペダル14、ブレーキペダル15、ステアリングスイッチ11の各種ボタン、パドルシフト13、変速シフトレバー12から入力された操作信号の操作量は、通信線16及びボディコントロールモジュール1を介して娯楽実行装置41へ出力され、ゲームソフトウェアで定義されたそれぞれの操作の制御量としてゲームソフトウェアに入力される。これにより、自動車Vのステアリングホイール501などを用いてレーシングゲームを実行することができる。
【0037】
一方、自動車のレーシングゲームを行っている場合の画像は上述したようにディスプレイ6に表示されるが、レーシングゲームで出力される音声は、オーディオ装置8を用いてスピーカから出力される。また、レーシングゲームの臨場感を高めるために、シート姿勢調整装置9のアクチュエータを制御することでドライバー席に振動を付与してもよい。同様に、エアサスペンション装置のアクチュエータを制御することで車体の姿勢を変え、コーナリング感や加減速感を与えてもよい。さらに、ロールプレイングゲーム(RPG)などを楽しむ場合に、ゲーム内の環境に応じてエアコン装置7を作動して車室内の温度を変化させ、臨場感を与えてもよい。このように、ディスプレイ6、エアコン装置7、オーディオ装置8、シート姿勢調整装置9、エアサスペンション装置10の少なくともいずれかを、娯楽実行装置41からの制御信号に応じて制御することで、娯楽の臨場感をより一層高めることができる。また、アクセルペダル14に、踏力に対する反力を付加するアクチュエータが設けられた自動車にあっては、このアクチュエータを制御することでアクセルペダル14に反力を付加し、加速時などの臨場感を高めるようにしてもよい。また、ブレーキ系統のマスターシリンダやブレーキブースターを制御することでブレーキペダルの踏力に対して反力を付加し、実車走行と同じ踏力感覚を与えるようにしてもよい。
【0038】
なお、本実施形態の娯楽実行装置41は、ゲームその他の娯楽用ソフトウェアを実行するほか、ラジオコントロール機器RCと通信することでラジコンカーやラジコンドローンを遠隔操作する娯楽にも用いられる。
図5は、娯楽実行装置41を用いてラジコン自動車おもちゃやラジコンドローンおもちゃなどのラジオコントロール機器RCを操縦する状況を示す概略図である。
【0039】
図5に示すようなラジコンカーやラジコンドローンなどのラジオコントロール機器RCでは、ラジコンカーやラジコンドローンに搭載したCCDカメラの映像をディスプレイ6に表示し、ドライバーはこの画面を見ながらステアリングホイール501、アクセルペダル14、ブレーキペダル15を操作する。また、ラジコンカーやラジコンドローンの加減速及び旋回以外の操作入力がある場合は、ステアリングスイッチ11の各種ボタンやパドルシフト13のほか変速シフトレバー12などを用いて操作入力する。これらステアリングホイール501、アクセルペダル14、ブレーキペダル15、ステアリングスイッチ11の各種ボタン、パドルシフト13、変速シフトレバー12から入力された操作信号の操作量は、通信線16及びボディコントロールモジュール1を介して娯楽実行装置41へ出力され、ラジオコントロール機器RCで定義されたそれぞれの操作の制御量としてラジオコントロール機器RCに入力される。これにより、自動車Vのステアリングホイール501などを用いてラジコンカーやラジコンドローンを操縦することができる。
【0040】
一方、ラジコンカーやラジコンドローンを操縦している場合のカメラ画像は上述したようにディスプレイ6に表示されるが、ラジオコントロール機器RCで出力される音声は、オーディオ装置8を用いてスピーカから出力される。また、ラジコンカーやラジコンドローンの臨場感を高めるために、シート姿勢調整装置9のアクチュエータを制御することでドライバー席に振動を付与してもよい。同様に、エアサスペンション装置のアクチュエータを制御することで車体の姿勢を変え、コーナリング感や加減速感を与えてもよい。さらに、走行又は飛行中の環境に応じてエアコン装置7を作動して車室内の温度を変化させ、臨場感を与えてもよい。このように、ディスプレイ6、エアコン装置7、オーディオ装置8、シート姿勢調整装置9、エアサスペンション装置10の少なくともいずれかを、娯楽実行装置41からの制御信号に応じて制御することで、娯楽の臨場感をより一層高めることができる。また、アクセルペダル14に、踏力に対する反力を付加するアクチュエータが設けられた自動車にあっては、このアクチュエータを制御することでアクセルペダル14に反力を付加し、加速時などの臨場感を高めるようにしてもよい。また、ブレーキ系統のマスターシリンダやブレーキブースターを制御することでブレーキペダルの踏力に対して反力を付加し、実車走行と同じ踏力感覚を与えるようにしてもよい。
【0041】
《実施形態に係る自動車の動作》
次に、本実施形態の自動車Vの動作について説明する。
図6は、本実施形態の自動車Vが実行する情報処理フローを示すフローチャートである。まずステップS1にて、ドライバーが自動車Vのメインスイッチ3をONすると、内燃機関を搭載した自動車の場合は内燃機関が起動し、電気自動車の場合は主電源から電気系統への電力供給が起動する。続くステップS2にて、SBWコントローラECU5による制御が開始され、操舵装置5に≦がないと判定されるとステップS3にてクラッチ507の締結が解除されて非締結状態となる。
【0042】
そして、続くステップS4にて、センターディスプレイ61に、
図3に示すような運転モードと娯楽モードとを選択する画像が表示されるので、ステップS5において、運転モードを希望する場合は部分P1にタッチし、娯楽モードを希望する場合は部分P2にタッチする。運転モードを示す部分P1にタッチするとステップS6へ進む一方、娯楽モードを示す部分P2にタッチするとステップS7へ進む。
【0043】
ステップS8では、運転モードを選択した場合はドライバーが自動車Vのメインスイッチ3をOFFするまで運転モードが継続し、娯楽モードを選択した場合もドライバーが自動車Vのメインスイッチ3をOFFするまで娯楽モードが継続する。ドライバーがメインスイッチ3をOFFすると、内燃機関を搭載した自動車の場合は内燃機関が停止し、電気自動車の場合は主電源から電気系統への電力供給が停止するので、ステップS9にてクラッチ507を繋ぎ、それまでの非締結状態から締結状態にする。
【0044】
《運転モードの動作》
次に、ステップS6の運転モードの動作について説明する。
図7A及び
図7Bは、
図6のステップS6の運転モードが選択された場合のサブルーチンを示すフローチャートである。これら
図7A及び
図7Bに示す演算処理は所定の時間間隔(たとえば数msec間隔)で繰り返される。
図6のステップS5において、ドライバーが運転モードを選択すると、
図7AのステップS601へ進む。ステップS601では操舵角センサ504からの検出信号を読み出し、ステアリングホイール501の操舵角を検出する。
【0045】
ステップS601にてステアリングホイール501の操舵角が検出されると、続くステップS602及びS603にて、SBWコントローラECU5の第1制御部51と第2制御部52のそれぞれが、この操舵角センサ504で検出したステアリングホイール501の操舵角θsのほか、操舵トルクセンサ506で検出した操舵トルクT、車速Vd、ヨーレートγなど演算に必要とされる検出値を読み込み、これらに基づいて、転舵モータ509へ出力する第2制御量を、互いに独立して演算する。この第2制御量は、転舵輪502の転舵角度に相当する転舵モータ509へ出力制御値として求められる。ここでは、第1制御部51により演算された第2制御量をθ1,第2制御部52により演算された第2制御量をθ2とする。なお、本発明に係る自動車では特に限定はされないが、本実施形態のように第1制御部51と第2制御部52とで同じ演算を実行し、その演算結果の一致性を確認することで関連機器の異常を発見することができる。
【0046】
ステップS604では、ステップS602とステップS603とのそれぞれで求められた第2制御量θ1とθ2との一致性を判定する。この一致性の判定は、演算誤差などを考慮して一定の許容範囲を設けてもよい。第2制御量のθ1とθ2とが一致する場合(θ1=θ2)は、
図7BのステップS608へ進み、正常な場合の操舵制御を実行する。これに対し、第2制御量のθ1とθ2とが一致しない場合(θ1≠θ2)は、ステップS605へ進み、インストルメントパネルのメータディスプレイなどに設けられた警告灯を点灯し、異常を検知した旨を表示する。
【0047】
またこれに続き、ステップS606にて、クラッチ507の電磁コイルへの励磁を停止し、それまでの非締結状態から締結状態にする。またはこれに代えて、予め操舵装置5を、その各センサ、各コントローラ、各モータを複数設けた冗長系として構成している場合には、バックアップ系を起動する冗長制御を始動してもよい。
【0048】
またこれに続き、クラッチ507が締結されてステアリングホイール501の操舵トルクがピニオンシャフト508へ伝達されるので、ステップS607にて、転舵モータ509を、ドライバーの操舵操作を支援する電動パワーステアリングのアクチュエータとして利用するためのEPS制御に移行する。その後は、クラッチ507が締結された状態で電動パワーステアリング制御が行われることになる。
【0049】
図7AのステップS604に戻り、第2制御量のθ1とθ2とが一致する場合(θ1=θ2)は、
図7BのステップS608へ進む。
図7BのステップS608~S610では、第2制御部52が、演算して求められた第2制御量θ2を転舵モータ509へ出力し、角度サーボ制御を実行することで、ピニオンシャフト508、ピニオンギヤ511及びラック軸512などを介して転舵輪502を転舵する。これにより、ドライバーのステアリングホイール501の操作量に応じて転舵輪502が転舵し、自動車Vが所望の方向へ旋回することになる。
【0050】
ステップS611では、路面から転舵輪502を介して転舵ギヤへ入力があるか否かを判定する。路面からの入力がない場合にはステアリングホイール501に反力を印加する必要がないため、その後の処理を終了する。
【0051】
これに対し、路面からの入力がある場合はステップS612及びS613に進み、SBWコントローラECU5の第1制御部51と第2制御部52のそれぞれが、操舵角センサ504で検出したステアリングホイール501の操舵角θsのほか、転舵モータ角センサ510で検出した転舵角θr、操舵トルクセンサ506で検出した操舵トルクT、車速Vd、ヨーレートγなど演算に必要とされる検出値を読み込み、これらに基づいて、反力モータ505へ出力する第1制御量を、互いに独立して演算する。この第1制御量は、ステアリングホイール501の操舵反力トルクに相当する反力モータ505へ出力制御値として求められる。ここでは、第1制御部51により演算された第1制御量をF1,第2制御部52により演算された第1制御量をF2とする。なお、本発明に係る自動車では特に限定はされないが、本実施形態のように第1制御部51と第2制御部52とで同じ演算を実行し、その演算結果の一致性を確認することで関連機器の異常を発見することができる。
【0052】
ステップS614では、ステップS612とステップS613とのそれぞれで求められた第1制御量F1とF2との一致性を判定する。この一致性の判定は、演算誤差などを考慮して一定の許容範囲を設けてもよい。第1制御量のF1とF2とが一致する場合(F1=F2)は、ステップS615へ進み、正常な場合の第1制御部による反力制御を実行する。これに対し、第1制御量のF1とF2とが一致しない場合(F1≠F2)は、ステップS617へ進み、インストルメントパネルのメータディスプレイなどに設けられた警告灯を点灯し、異常を検知した旨を表示する。
【0053】
またこれに続き、ステップS618にて、反力モータ505へ第1制御量としてF=0を出力する。すなわち、続くステップS619にてクラッチ507が締結されることで機械的な本来の反力がステアリングホイール501に印加されるか、又はこれに代えて冗長制御が始動するため、ここでは反力モータ505へ出力する第1制御量をF=0とする。
【0054】
これに続き、ステップS619にて、クラッチ507の電磁コイルへの励磁を停止し、それまでの非締結状態から締結状態にする。またはこれに代えて、予め操舵装置5を、その各センサ、各コントローラ、各モータを複数設けた冗長系として構成している場合には、バックアップ系を起動する冗長制御を始動してもよい。
【0055】
またこれに続き、クラッチ507が締結されてステアリングホイール501の操舵トルクがピニオンシャフト508へ伝達されるので、ステップS620にて、転舵モータ509を、ドライバーの操舵操作を支援する電動パワーステアリングのアクチュエータとして利用するためのEPS制御に移行する。その後は、クラッチ507が締結された状態で電動パワーステアリング制御が行われることになる。
【0056】
ステップS614に戻り、第1制御量のF1とF2とが一致する場合(F1=F2)は、ステップS615へ進む。ステップS615~S616では、演算して求められた第1制御量F1を反力モータ505へ出力し、ステアリングホイール501に、路面から入力される操舵反力に相当する疑似力を印加する。これにより、ドライバーは運転操作に応じた反力を触感することができる。
【0057】
《娯楽モードの動作》
次に、
図6のステップS7の娯楽モードの動作について説明する。
図8は、
図6のステップS7の娯楽モードが選択された場合のサブルーチンを示すフローチャートである。
図6のステップS5において、ドライバーが娯楽モードを選択すると、
図8のステップS71へ進む。ステップS71では娯楽実行装置41が起動し、続くステップS72ではディスプレイ6に初期画面や選択画面が表示される。本実施形態の娯楽実行装置41は、ゲームを楽しむゲームモードと、ラジオコントロール機器を楽しむラジコンモードとを備えるので、続くステップS73にて、ドライバーにゲームモードとラジコンモードとのどちらの実行を希望するかを選択させる。
【0058】
ドライバーがゲームモードを選択した場合はステップS74へ進み、ラジコンモードを選択した場合はステップS75へ進む。これらステップS74のゲームモード及びステップS75のラジコンモードの詳細は後述する。続くステップS76では、ステップS74のゲームモードを選択した場合には当該ゲームが終了したか否かを判定し、ステップS75のラジコンモードを選択した場合には当該ラジオコントロール機器の操作が終了したか否かを判定し、終了した場合は当該処理を終了する。
【0059】
《娯楽モード中のゲームモードの動作》
次に、
図8のステップS73において、ドライバーがゲームモードを選択した場合の動作について説明する。
図9A及び
図9Bは、
図8のステップS74のゲームモードのサブルーチンを示すフローチャートである。なお、
図9Aの処理フローは、ゲームモードが選択された場合に1ルーチンの演算が実行され、
図9Bの処理フローは、
図9AのステップS745にてゲーム制御がスタンバイ状態になった後に所定の時間間隔(たとえば数msec間隔)で繰り返し実行される。
【0060】
まずドライバーがゲームモードを選択すると、
図9AのステップS741にてIVIコントローラ4による娯楽実行装置41の統括制御が開始され、娯楽実行装置41はゲームを実行するためのアプリケーションソフトウェアを起動する。そして、ステップS742にて、娯楽実行装置41は、クラウドサーバCSにアクセスし、クラウドゲームプラットフォームに接続し、所望のゲームソフトウェア、ここではレーシングカーゲームを起動する。これにより、ステップS743にて、娯楽実行装置41は選択されたレーシングカーゲームのコンテンツをディスプレイ6に表示する。
【0061】
ステップS744では、第2制御部52は、転舵モータ509に対し、転舵角度としてθ3=0を出力する。ここで、
図6のステップS1において自動車Vのメインスイッチ3がONされたのち、ステップS7において娯楽モードが選択された場合には、その前のステップS2においてSBWコントローラECU5によるSBW制御が開始され、ステップS3においてクラッチ507が非締結状態とされている。したがって、レーシングカーゲームのレーシングカーを操作するためにステアリングホイール501を操作すると、SBW制御によって転舵輪502も転舵することになる。本実施形態では、ゲームを実行する場合には自動車Vの転舵輪502が転舵しないように、ゲームを開始する前のステップS744において、第2制御部52から、転舵モータ509に対し、転舵角度としてθ3=0を出力する。
【0062】
ステップS746では、ゲーム制御の準備が整ったスタンバイ状態になるので、ディスプレイ6にゲームの開始ボタンなどが表示される。
【0063】
ステップS746にてゲーム制御がスタンバイ状態になり、ゲームが開始されると、
図9BのステップS7401へ進む。これと前後して、クラウドサーバCSのクラウドゲームプラットフォームからゲームのコンテンツの画像やBGMが出力されるので、これを入力した娯楽実行装置41は、ボディコントロールモジュール1を介し、ディスプレイ6にコンテンツの画像を表示するとともに、オーディオ装置8を用いてスピーカからBGMを出力する。実際にレーシングゲームが開始すると、ドライバーはステアリングホイール501を操作しながらアクセルペダル14やブレーキペダル15を操作することで、ゲーム中のレーシングカーを運転する。ステップS7401では、操舵角センサ504からの検出信号を読み出し、ステアリングホイール501の操舵角を検出する。
【0064】
ステップS7401にてステアリングホイール501の操舵角が検出されると、続くステップS7402及びS7403にて、SBWコントローラECU5の第1制御部51と第2制御部52のそれぞれが、この操舵角センサ504で検出したステアリングホイール501の操舵角θsのほか、操舵トルクセンサ506で検出した操舵トルクT、車速Vd、ヨーレートγなど演算に必要とされる検出値を読み込み、これらに基づいて、転舵モータ509へ出力する第2制御量を、互いに独立して演算する。なお、娯楽モードを実行中は自動車Vが停車状態であるので、車速Vd、ヨーレートγなどの検出値は停車状態の検出値となる。
【0065】
ただし、ゲームモードにおける第2制御量は、自動車Vの転舵輪502ではなく、ゲームコンテンツの中のレーシングカーの転舵輪の転舵角度に相当する出力制御値として求められる。ここでは、第1制御部51により演算された第2制御量をθ1,第2制御部52により演算された第2制御量をθ2とする。なお、本発明に係る自動車では特に限定はされないが、本実施形態のように、ゲームモードにおいても、第1制御部51と第2制御部52とで同じ演算を実行し、その演算結果の一致性を確認することで、次に自動車Vを運転する前に関連機器の異常を発見することができるというメリットがある。
【0066】
ステップS7404では、ステップS7402とステップS7403とのそれぞれで求められた第2制御量θ1とθ2との一致性を判定する。この一致性の判定は、演算誤差などを考慮して一定の許容範囲を設けてもよい。第2制御量のθ1とθ2とが一致する場合(θ1=θ2)は、ステップS7406へ進み、正常な場合の操舵制御を実行する。これに対し、第2制御量のθ1とθ2とが一致しない場合(θ1≠θ2)は、ステップS7405へ進み、インストルメントパネルのメータディスプレイなどに設けられた警告灯を点灯し、異常を検知した旨を表示したのち、ゲームモードを終了する。
【0067】
ステップS7404に戻り、第2制御量のθ1とθ2とが一致する場合(θ1=θ2)は、ステップS7406へ進む。ステップS7406~S7407では、第2制御部52が、ボディコントロールモジュール1及び娯楽実行装置41を介してクラウドサーバCSのクラウドゲームプラットフォームへ、演算して求められた第2制御量θ2を出力し、レーシングカーの転舵輪を転舵する。これにより、ドライバーのステアリングホイール501の操作量に応じてレーシングカーの転舵輪が転舵し、ゲーム中のレーシングカーが所望の方向へ旋回することになる。
【0068】
これに続き、ステップS7408では、クラウドサーバCSのクラウドゲームプラットフォームが、ゲーム中の路面からレーシングカーの転舵輪を介して転舵ギヤへ入力があるか否かを判定する。路面からの入力がない場合にはステアリングホイール501に反力を印加する必要がないため、その後の処理を終了する。
【0069】
これに対し、路面からの入力がある場合はステップS7409へ進み、クラウドサーバCSのクラウドゲームプラットフォームが、ゲーム中の各種検出値に基づいた操舵反力に関する制御信号を、自動車Vの反力モータ505へ出力する第1制御量F1に変換演算する。この第1制御量F1は、ステアリングホイール501の操舵反力トルクに相当する反力モータ505へ出力制御値として求められる。
【0070】
ステップS7410~S7412では、クラウドサーバCSのクラウドゲームプラットフォームから出力された第1制御量F1を第1制御部51へ出力し、これを入力した第1制御部51は、第1制御量F1を反力モータ505へ出力する。これにより、ステアリングホイール501に、路面から入力される操舵反力に相当する疑似力が印加されるので、ドライバーは運転操作に応じた反力を触感することができる。
【0071】
なお、
図9Bには図示しないが、レーシングカーが路面から受ける反力を自動車Vのステアリングホイール501へ反映するほか、レーシングカーが受ける衝撃や加減速力(ドライバーが受ける重力G)などを、クラウドサーバCSのクラウドゲームプラットフォームで検出し、当該クラウドゲームプラットフォームから娯楽実行装置41へ出力し、シート姿勢調整装置9のアクチュエータを制御することでドライバー席に振動を付与したり、エアサスペンション装置のアクチュエータを制御することで車体の姿勢を変え、コーナリング感や加減速感を付与したり、してもよい。また、アクセルペダル14やブレーキペダル15に踏力に対する反力を付加し、実車操作と同じ感覚を付与してもよい。
【0072】
《娯楽モード中のラジコンモードの動作》
次に、
図8のステップS73において、ドライバーがラジコンモードを選択した場合の動作について説明する。
図10A及び
図10Bは、
図8のステップS75のラジコンモードのサブルーチンを示すフローチャートである。なお、
図10Aの処理フローは、ラジコンモードが選択された場合に1ルーチンの演算が実行され、
図10Bの処理フローは、
図10AのステップS755にてラジコン制御がスタンバイ状態になった後に所定の時間間隔(たとえば数msec間隔)で繰り返し実行される。
【0073】
まずドライバーがラジコンモードを選択すると、
図10AのステップS751にてIVIコントローラ4による娯楽実行装置41の統括制御が開始され、娯楽実行装置41はラジコン操作を実行するためのアプリケーションソフトウェアを起動する。そして、ステップS752にて、娯楽実行装置41は、クラウドサーバCSにアクセスし、クラウドゲームプラットフォームに接続し、所望のラジオコントロール機器RC、ここではラジコンカーに接続する。これにより、ステップS753にて、娯楽実行装置41は、選択されたラジコンカーに搭載されたカメラの撮影画像をディスプレイ6に表示する。
【0074】
ステップS754では、第2制御部52は、転舵モータ509に対し、転舵角度としてθ3=0を出力する。ここで、
図6のステップS1において自動車Vのメインスイッチ3がONされたのち、ステップS7において娯楽モードが選択された場合には、その前のステップS2においてSBWコントローラECU5によるSBW制御が開始され、ステップS3においてクラッチ507が非締結状態とされている。したがって、ラジコンカーを操作するためにステアリングホイール501を操作すると、SBW制御によって転舵輪502も転舵することになる。本実施形態では、ラジコン操作を実行する場合には自動車Vの転舵輪502が転舵しないように、ラジコン操作を開始する前のステップS754において、第2制御部52から、転舵モータ509に対し、転舵角度としてθ3=0を出力する。
【0075】
ステップS756では、ラジコン操作制御の準備が整ったスタンバイ状態になるので、ディスプレイ6にラジコン操作の開始ボタンなどが表示される。
【0076】
ステップS756にてラジコン操作制御がスタンバイ状態になり、ラジコン操作が開始されると、
図10BのステップS7501へ進む。これと前後して、ラジオコントロール機器RCからカメラの撮影画像やマイクロフォンで集音された音声が出力されるので、これを入力した娯楽実行装置41は、ボディコントロールモジュール1を介し、ディスプレイ6にカメラの撮影画像を表示するとともに、オーディオ装置8を用いてスピーカから集音音声を出力する。実際にラジコンカーの遠隔操作が開始すると、ドライバーはステアリングホイール501を操作しながらアクセルペダル14やブレーキペダル15を操作することで、遠隔操作中のラジコンカーを運転する。ステップS7501では、操舵角センサ504からの検出信号を読み出し、ステアリングホイール501の操舵角を検出する。
【0077】
ステップS7501にてステアリングホイール501の操舵角が検出されると、続くステップS7502及びS7503にて、SBWコントローラECU5の第1制御部51と第2制御部52のそれぞれが、この操舵角センサ504で検出したステアリングホイール501の操舵角θsのほか、操舵トルクセンサ506で検出した操舵トルクT、車速Vd、ヨーレートγなど演算に必要とされる検出値を読み込み、これらに基づいて、転舵モータ509へ出力する第2制御量を、互いに独立して演算する。なお、娯楽モードを実行中は自動車Vが停車状態であるので、車速Vd、ヨーレートγなどの検出値は停車状態の検出値となる。
【0078】
ただし、ラジコンモードにおける第2制御量は、自動車Vの転舵輪502ではなく、操作されるラジコンカーの転舵輪の転舵角度に相当する出力制御値として求められる。ここでは、第1制御部51により演算された第2制御量をθ1,第2制御部52により演算された第2制御量をθ2とする。なお、本発明に係る自動車では特に限定はされないが、本実施形態のように、ラジコンモードにおいても、第1制御部51と第2制御部52とで同じ演算を実行し、その演算結果の一致性を確認することで、次に自動車Vを運転する前に関連機器の異常を発見することができるというメリットがある。
【0079】
ステップS7504では、ステップS7502とステップS7503とのそれぞれで求められた第2制御量θ1とθ2との一致性を判定する。この一致性の判定は、演算誤差などを考慮して一定の許容範囲を設けてもよい。第2制御量のθ1とθ2とが一致する場合(θ1=θ2)は、ステップS7506へ進み、正常な場合の操舵制御を実行する。これに対し、第2制御量のθ1とθ2とが一致しない場合(θ1≠θ2)は、ステップS7505へ進み、インストルメントパネルのメータディスプレイなどに設けられた警告灯を点灯し、異常を検知した旨を表示したのち、ラジコンモードを終了する。
【0080】
ステップS7504に戻り、第2制御量のθ1とθ2とが一致する場合(θ1=θ2)は、ステップS7506へ進む。ステップS7506~S7507では、第2制御部52が、ボディコントロールモジュール1及び娯楽実行装置41を介してラジオコントロール機器RCへ、演算して求められた第2制御量θ2を出力し、ラジコンカーの転舵輪を転舵する。これにより、ドライバーのステアリングホイール501の操作量に応じてラジコンカーの転舵輪が転舵し、遠隔操作中のラジコンカーが所望の方向へ旋回することになる。
【0081】
これに続き、ステップS7508では、ラジオコントロール機器RCが、路面からラジコンカーの転舵輪を介して転舵ギヤへ入力があるか否かを判定する。路面からの入力がない場合にはステアリングホイール501に反力を印加する必要がないため、その後の処理を終了する。
【0082】
これに対し、路面からの入力がある場合はステップS7509へ進み、ラジオコントロール機器RCが、ラジコン操作中の各種検出値に基づいた操舵反力に関する制御信号を、自動車Vの反力モータ505へ出力する第1制御量F1に変換演算する。この第1制御量F1は、ステアリングホイール501の操舵反力トルクに相当する反力モータ505へ出力制御値として求められる。
【0083】
ステップS7510~S7512では、ラジオコントロール機器RCから出力された第1制御量F1を第1制御部51へ出力し、これを入力した第1制御部51は、第1制御量F1を反力モータ505へ出力する。これにより、ステアリングホイール501に、路面から入力される操舵反力に相当する疑似力が印加されるので、ドライバーは運転操作に応じた反力を触感することができる。
【0084】
なお、
図10Bには図示しないが、ラジコンカーが路面から受ける反力を自動車Vのステアリングホイール501へ反映するほか、ラジコンカーが受ける衝撃や加減速力(ドライバーが受ける重力G)などを、ラジオコントロール機器RCで検出し、当該ラジオコントロール機器RCから娯楽実行装置41へ出力し、シート姿勢調整装置9のアクチュエータを制御することでドライバー席に振動を付与したり、エアサスペンション装置のアクチュエータを制御することで車体の姿勢を変え、コーナリング感や加減速感を付与したり、してもよい。また、アクセルペダル14やブレーキペダル15に踏力に対する反力を付加し、実車操作と同じ感覚を付与してもよい。
【0085】
《実施形態の作用・効果》
以上のように、本実施形態の自動車Vでは、ステアリングホイール501が転舵輪502から機械的に切り離され、前記ステアリングホイール501の操作を電気信号として前記転舵輪502へ伝える操舵装置5と、娯楽用ソフトウェアを実行するか又はラジオコントロール機器RCと通信する娯楽実行装置41と、前記娯楽実行装置41を作動する娯楽モードと、自動車Vを運転する運転モードとが選択可能とされ、それぞれのモードに応じた制御を実行するモード選択制御装置2と、を備える。そして、前記モード選択制御装置2は、前記娯楽モードが選択された場合には、前記ステアリングホイール501が操作されても前記転舵輪502が転舵しないように前記操舵装置5を制御するので、いわゆる据え切り操作が抑制される。その結果、タイヤを痛めたりホイールアライメントが狂ったりすることが抑制され、自動車の機構に悪影響を与えることなく、車室内でゲームなどの娯楽に興ずることができる。
【0086】
また、本実施形態の自動車Vでは、前記モード選択制御装置2は、自動車Vを起動するためのメインスイッチがONしたときに、前記娯楽モードと前記運転モードとをドライバーに選択させる選択スイッチを含む。すなわち、娯楽モードの選択は、メインスイッチ3をONした自動車Vの起動時にのみ行われるので、自動車Vを運転中に娯楽モードを選択することを防止できる。
【0087】
また、本実施形態の自動車Vでは、前記モード選択制御装置2は、ドライバーの要求に応じて自動車を製造する際に車載される。すなわち、モード選択制御装置2は自動車製造時のオプション設定であるため、娯楽モードが不要なドライバーはモード選択制御装置2の不装着が選択できる。これにより、自動車Vを始動するたびにモード選択操作を行う煩わしさを回避することができる。
【0088】
また、本実施形態の自動車Vでは、前記モード選択制御装置2は、前記娯楽モードが選択された場合の前記ステアリングホイール501の最大回転角の初期値を、前記運転モードが選択された場合の前記ステアリングホイール501の最大回転角と同じ角度に設定し、ドライバーの要求に応じて、前記娯楽モードが選択された場合の前記ステアリングホイール501の最大回転角を、前記運転モードが選択された場合の前記ステアリングホイール501の最大回転角よりも小さく設定可能とする。娯楽モードが選択された場合のステアリングホイール501の最大回転角の初期値は、運転モードが選択された場合のステアリングホイール501の最大回転角と同じ角度に設定されているので、娯楽モードによる運転操作を実車のシミュレータとして使用する場合などに好適である。また、ドライバーの要求に応じて、娯楽モードが選択された場合のステアリングホイール501の最大回転角を、運転モードが選択された場合のステアリングホイール501の最大回転角よりも小さく設定可能とされているので、ゲームやラジコン操作においてステアリングホイール501を大きく回す必要がなくなり、小さな操作角で俊敏な転舵操作を実現することができる。
【0089】
また、本実施形態の自動車Vでは、前記操舵装置5は、前記ステアリングホイール501に操舵反力を印加する反力モータ(第1アクチュエータ)505と、前記転舵輪502を転舵する転舵モータ(第2アクチュエータ)509と、前記ステアリングホイール501への操舵反力に相当する第1制御量を演算し、当該第1制御量に基づいて、前記反力モータ(第1アクチュエータ)505を制御する第1制御部51と、前記転舵輪502の転舵角に相当する第2制御量を演算し、当該第2制御量に基づいて、前記転舵モータ(第2アクチュエータ)509を制御する第2制御部52と、を含む。そして、前記モード選択制御装置2に前記運転モードの選択信号が入力された場合には、前記第1制御部51は前記第1制御量を前記反力モータ(第1アクチュエータ)505へ出力し、前記第2制御部52は前記第2制御量を前記転舵モータ(第2アクチュエータ)509へ出力する一方、前記モード選択制御装置2に前記娯楽モードの選択信号が入力された場合には、前記第1制御部51は前記娯楽実行装置41を介して入力された第1制御量を前記反力モータ(第1アクチュエータ)505へ出力し、前記第2制御部52は前記第2制御量として0を前記転舵モータ(第2アクチュエータ)509へ出力するとともに、前記第2制御量を前記娯楽実行装置41へ出力する。これにより、娯楽モードにおいては据え切り操作が抑制される結果、タイヤを痛めたりホイールアライメントが狂ったりすることが抑制され、自動車の機構に悪影響を与えることなく、車室内でゲームなどの娯楽に興ずることができる。また、娯楽モード中の走行状態に応じた転舵反力をステアリングホイール501に反映することができる。
【0090】
また、本実施形態の自動車Vでは、前記第1制御部51と前記第2制御部52のそれぞれは、前記ステアリングホイール501の操作角に基づいて前記第1制御量及び前記第2制御量を演算し、前記第1制御部51で演算された前記第1制御量F1及び前記第2制御量θ1と、前記第2制御部52で演算された前記第1制御量F2及び前記第2制御量θ2とがそれぞれ一致するか否かを判断し、一致しない場合には、前記操舵装置5が異常である旨の信号を出力するので、娯楽モードの選択中においても操舵装置5の異常検出を行うことができる。
【0091】
また、本実施形態の自動車Vでは、前記モード選択制御装置2は、前記ステアリングホイール501、アクセルペダル14、ブレーキペダル15、ステアリングスイッチ11、パドルシフト13、変速シフトレバー12の少なくともいずれかの操作量を検出し、これを制御量として前記娯楽実行装置41へ出力するので、入力項目が多いゲームソフトウェアやラジオコントロール機器RCであっても対応することができる。
【0092】
また、本実施形態の自動車Vでは、前記モード選択制御装置2は、前記娯楽実行装置41からの制御信号に応じて、ディスプレイ6、エアコン装置7、オーディオ装置8、シート姿勢調整装置9、エアサスペンション装置10の少なくともいずれかを制御するので、ゲームソフトウェアやラジオコントロール機器RCの臨場感を高めることができる。
【符号の説明】
【0093】
V…自動車
1…ボディコントロールモジュール(BCM)
2…モード選択制御装置
3…メインスイッチ
4…IVIコントローラ(車載情報娯楽提供装置)
41…娯楽実行装置
5…操舵装置
ECU5…SBWコントローラ
51…第1制御部
52…第2制御部
501…ステアリングホイール
502…転舵輪
503…ステアリングシャフト
504…操舵角センサ
505…反力モータ(第1アクチュエータ)
506…操舵トルクセンサ
507…クラッチ
508…ピニオンシャフト
509…転舵モータ(第2アクチュエータ)
510…転舵モータ角センサ
511…ピニオンギヤ
512…ラック軸
513…タイロッド
514…ナックルアーム
515…ウォームギヤ
6…ディスプレイ
61…センターディスプレイ
7…エアコン装置
8…オーディオ装置
9…シート姿勢調整装置
10…エアサスペンション装置
11…ステアリングスイッチ
12…変速シフトレバー
13…パドルシフト
14…アクセルペダル
15…ブレーキペダル
16…通信線
RC…ラジオコントロール機器
CS…クラウドサーバ