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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-15
(45)【発行日】2025-12-23
(54)【発明の名称】回路基板用電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20251216BHJP
【FI】
H01R12/71
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022004380
(22)【出願日】2022-01-14
(65)【公開番号】P2023103706
(43)【公開日】2023-07-27
【審査請求日】2024-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138140
【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 努
(72)【発明者】
【氏名】緑川 和弥
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-103690(JP,A)
【文献】特開平07-230837(JP,A)
【文献】特開平09-063721(JP,A)
【文献】特開2001-223043(JP,A)
【文献】特開2004-247121(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0277313(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの回路基板の間に配置され、前記2つの回路基板を接続する回路基板用電気コネクタにおいて、
前記回路基板の実装面に対して平行な方向を端子配列方向として、複数の端子列を形成して配列される複数の端子と、
前記複数の端子を一体成形により保持するハウジングとを有し、
前記ハウジングは、コネクタ高さ方向での両側に、前記回路基板に対面する配置面を有し、
前記端子は、コネクタ高さ方向で前記ハウジングの両側に位置して前記回路基板に接続される接続部と、ハウジング内に位置して2つの前記接続部を連結する連結部と、前記接続部から延びる延長部とを有し、
前記接続部は、前記配置面から露出する接続露出部を有しているとともに、前記端子の配列方向に見て前記接続部の両端部が前記ハウジング内に向けて屈曲して前記ハウジングに埋設されており、
前記連結部は、2つの前記接続部の一方の端部を連結しており、
前記延長部は、2つの前記接続部のうち1つの前記接続部における他方の端部から延びており、前記ハウジング内で側方へ向けて屈曲して前記ハウジングの側面から露出る側方露出部を先端部に有し
前記端子配列方向に対して直角なコネクタ幅方向で前記ハウジングの中心位置に対して一方の側に位置する端子列における前記端子の前記側方露出部は、前記ハウジングの前記一方の側の側面から露出し、
コネクタ幅方向で前記ハウジングの中心位置に対して他方の側に位置する端子列における前記端子の前記側方露出部は、前記ハウジングの前記他方の側の側面から露出していることを特徴とする回路基板用電気コネクタ。
【請求項2】
前記連結部は、コネクタ高さ方向で直状に延びていることとする請求項1に記載の回路基板用電気コネクタ。
【請求項3】
前記連結部は、コネクタ高さ方向での一部が屈曲されていることとする請求項1に記載の回路基板用電気コネクタ。
【請求項4】
側方露出部は、コネクタ高さ方向で前記ハウジングのいずれかの配置面に寄った位置に設けられていることとする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回路基板用電気コネクタ。
【請求項5】
側方露出部は、コネクタ高さ方向で前記ハウジングの中央位置に設けられていることとする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回路基板用電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの回路基板の間に配置され、これらの回路基板を接続する回路基板用電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の回路基板用電気コネクタとして、例えば、特許文献1に開示されているような、上下方向で対面して設けられた2つの回路基板の間に配置されるコネクタが知られている。特許文献1のコネクタは、回路基板の実装面に対して平行な方向に配列された複数のリード端子と、複数のリード端子を埋設して保持するハウジングとを有している。
【0003】
ハウジングは、上下方向に貫通する空間が形成された四角筒状をなし、該空間を囲む4つの壁部を有している。リード端子は、ハウジングの下面に沿ってコネクタ外方へ延びる下側接合部と、ハウジングの上面に沿ってコネクタ外方へ延びる上側接合部と、ハウジングの壁部の内面に沿って上下方向に延び下側接合部と上側接合部とを連結する連結部(「変形容易部」と称される部分の一部および「埋設部」と称される部分)とを有している。
【0004】
連結部は、下側接合部の内端部(ハウジングの壁厚方向で内側に位置する端部)と上側接合部の内端部とを連結している。下側接合部は、ハウジングの下面から全体が露出して設けられており、下側接合部の下面で回路基板の実装面に半田接続される。上側接合部は、ハウジングの上面から全体が露出して設けられており、上側接合部の上面で他の回路基板の実装面に半田接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4258432号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、上述したように、リード端子の下側接合部および上側接合部は、それぞれハウジングの下面および上面から全体が露出して設けられている。つまり、下側接合部および上側接合部の自由端部である外端部はハウジングに保持されていない状態となっている。したがって、下側接合部および上側接合部の外端部に外力が作用したとき、下側接合部および上側接合部が変形してしまい、回路基板の実装面への接続が困難となるおそれがある。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑み、端子の接続部の不用意な変形を回避して、回路基板の実装面に対して接続部を良好に接続できる回路基板用電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る回路基板用電気コネクタは、2つの回路基板の間に配置され、前記2つの回路基板を接続する。
【0009】
かかる回路基板用電気コネクタにおいて、本発明では、前記回路基板の実装面に対して平行に配列される複数の端子と、前記複数の端子を一体成形により保持するハウジングとを有し、前記ハウジングは、コネクタ高さ方向での両側に、前記回路基板に対面する配置面を有し、前記端子は、コネクタ高さ方向で前記ハウジングの両側に位置して前記回路基板に接続される接続部と、ハウジング内に位置して2つの前記接続部を連結する連結部とを有し、前記接続部は、前記配置面から露出する接続露出部を有しているとともに、前記端子の配列方向に見て前記接続部の両端部が前記ハウジング内に向けて屈曲して前記ハウジングに埋設されており、前記連結部は、2つの前記接続部の一方の端部を連結していることを特徴としている。
【0010】
本発明では、端子の接続部は、その両端部がハウジングに埋設されることで強固に保持されているので、端子の接続部が不用意な外力を受けても変形しにくくなる。
【0011】
本発明において、前記連結部は、コネクタ高さ方向で直状に延びていてもよい。連結部がコネクタ高さ方向で直状に延びていることにより、端子を介して2つの回路基板を最短距離で接続できるので、信号伝送特性を向上させることができる。また、十分な信号伝送特性が確保できるのであれば、前記連結部は、コネクタ高さ方向での一部が屈曲されていてもよい。
【0012】
本発明において、2つの前記接続部のうち1つの前記接続部は、前記接続露出部の他方の端部から延びる延長部を有し、前記延長部は、前記ハウジング内で側方へ向けて屈曲しており、前記ハウジングの側面から露出する側方露出部を先端部に有していてもよい。このような構成とすることにより、回路基板にコネクタを実装した後に、電気的導通状態の検査のための装置を接続する部分として側方露出部を利用できる。
【0013】
本発明において、側方露出部は、コネクタ高さ方向で前記ハウジングのいずれかの配置面に寄った位置に設けられていてもよい。コネクタ製造前において端子の側方露出部にキャリアが連結されていた場合、ハウジングで端子を保持した後に、側方露出部とキャリアとの連結部分を切断することとなる。このとき、コネクタ高さ方向でハウジングのいずれかの配置面に寄った位置に側方露出部が設けられていると、側方露出部が寄っている側からキャリア切断用の治具をもたらすことでキャリアを容易に切り離すことができる。
【0014】
本発明において、側方露出部は、コネクタ高さ方向で前記ハウジングの中央位置に設けられていてもよい。このように側方露出部を中央位置に設けることにより、コネクタの製造時に、端子の上下方向における向きを意識する必要がなくなり、コネクタの製造が容易となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、端子の接続部の不用意な変形を回避して、回路基板の実装面に接続部を良好に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一実施形態のコネクタを回路基板とともに示した図であり、(A)は斜視図であり、(B)は側面図である。
図2図1のコネクタに設けられる一部の端子の斜視図であり、(A)は斜め上方から見た状態、(B)は斜め下方から見た状態を示している。
図3】(A)は図1(B)のIIIA-IIIA断面図であり、(B)は図1(B)のIIIB-IIIB断面図である。
図4】本発明の第二実施形態のコネクタを示した図であり、(A)は斜視図であり、(B)は側面図である。
図5】(A)は図5(B)のVA-VA断面図であり、(B)は図5(B)のVB-VB断面図である。
図6】本発明の第三実施形態のコネクタを示した図であり、(A)は斜視図であり、(B)は側面図である。
図7】(A)は図6(B)のVIIA-VIIA断面図であり、(B)は図6(B)のVIIB-VIIB断面図である。
図8】本発明の第四実施形態のコネクタについて端子配列方向における端子の位置での断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施形態を説明する。
【0018】
<第一実施形態>
図1(A)は、回路基板B1に配置されたコネクタ1を示す斜視図であり、図1(B)は、回路基板B1および回路基板B2に配置されたコネクタ1を示す側面図である。本実施形態のコネクタ1は、図1(B)に示されるように、コネクタ高さ方向である上下方向(Z軸方向)で対面する回路基板B1と回路基板B2との間に配置され、回路基板B1と回路基板B2とを接続する回路基板用電気コネクタである。
【0019】
コネクタ1は、樹脂等の電気絶縁材製のハウジング10と、ハウジング10に保持される金属製の複数の第一端子20および第二端子30とを有している。以下、第一端子20および第二端子30を、特に区別する必要がない場合には、「端子20,30」と総称する。端子20,30は、回路基板B1,B2の実装面に対して平行なX軸方向を端子配列方向として配列された状態で、一体成形(インサート成形)によりハウジング10に保持されている。
【0020】
ハウジング10は、端子配列方向(X軸方向)を長手方向とする略直方体の外形をなして形成されている。ハウジング10の下面は、回路基板B1の実装面(上面)に対面する下側配置面11をなし、ハウジング10の上面は、回路基板B2の実装面(下面)に対面する上側配置面12をなしている。ハウジング10の下部には、コネクタ幅方向(Y軸方向)での両側において、端子配列方向全域にわたって切り欠かれた下側切欠部13が形成されている。また、ハウジング10の上部には、コネクタ幅方向での両側において、端子配列方向全域にわたって切り欠かれた上側切欠部14が形成されている。
【0021】
第一端子20および第二端子30は、互いに形状が異なる端子であり、コネクタ幅方向で複数の端子列(本実施形態では4列)をなした状態で、端子配列方向に複数本ずつ(本実施形態では5本ずつ)配列されている。本実施形態では、端子列を、Y1側から順に、端子列L1、端子列L2、端子列L3、端子列L4をしたとき、端子列L1が第一端子20の列、端子列L2が第二端子30の列、端子列L3が第二端子30の列、端子列L4が第一端子20の列となっている。
【0022】
図1(A)に示されるように、端子列L1の第一端子20と端子列L3の第二端子30とが、端子配列方向で同じ位置に設けられており、端子列L2の第二端子30と端子列L4の第一端子20とが、端子配列方向で同じ位置に設けられている。また、端子列L1の第一端子20および端子列L3の第二端子30と、端子列L2の第二端子30と端子列L4の第一端子20とが、端子配列方向で交互に設けられている。つまり、コネクタ幅方向で隣接する任意の端子列の端子20,30は、端子配列方向で千鳥状に配列されている。
【0023】
図2(A),(B)は、コネクタ1に設けられる一部の端子20,30の斜視図であり、図2(A)は端子20,30を斜め上方から見た状態、図2(B)は端子20,30を斜め下方から見た状態を示している。図3(A)は図1(B)のIIIA-IIIA断面図であり、図3(B)は図1(B)のIIIB-IIIB断面図である。端子20,30は、いずれも金属帯状部材を板厚方向に屈曲して形成されている。第一端子20は、ハウジング10の下部に設けられる下側接続部21と、ハウジング10の上部に設けられる上側接続部22と、上下方向に延びて下側接続部21と上側接続部22とを連結する連結部23と、下側接続部21に連続して延びる下側延長部24と、上側接続部22に連続して延びる上側延長部25とを有している。
【0024】
下側接続部21は、図3(A),(B)に示されるように、下側配置面11に沿ってコネクタ幅方向に延びる下側接続露出部21Aと、端子配列方向に見たときの下側接続部21の両端部、すなわちコネクタ幅方向での両端部のうち内側の端部である下側内端部21B(一方の端部)と、外側の端部である下側外端部21C(他方の端部)とを有している。
【0025】
下側接続露出部21Aは、ハウジング10の下側配置面11から露出しており、回路基板B1の実装面に対して平行な下面が、回路基板B1のパッド(図示せず)に接面可能となっている。下側接続部21は、下側接続露出部21Aの下面が回路基板B1のパッドに接面した状態で該パッドに半田接続される。
【0026】
下側内端部21Bは、図3(A),(B)に示されるように、上方へ向けて直角に屈曲して略L字状に形成されており、その上端部がハウジング10の下部に埋設されている。つまり、下側内端部21Bの上端部は、その全体がハウジング10から露出することなく、ハウジング10内で保持されている。下側内端部21Bにおける上端部を除いた部分は、その全体がハウジング10の下側配置面11から露出している。
【0027】
下側外端部21Cも、図3(A),(B)に示されるように、上方へ向けて直角に屈曲して略L字状に形成されており、下側内端部21Bをコネクタ幅方向で反転させた形状をなしている。下側外端部21Cの上端部は、ハウジング10から板面(板厚面に対して直角な面)が露出した状態でハウジング10の下部に埋設されている。下側外端部21Cにおける上端部を除いた部分は、その全体がハウジング10の下側配置面11から露出している。
【0028】
ハウジング10の上部に保持される上側接続部22は、図3(A),(B)に示されるように、下側接続部21を上下方向で反転させた形状をなしており、ハウジング10の上側配置面12に沿ってコネクタ幅方向に延びる上側接続露出部22Aと、上側接続部22の内側の端部である上側内端部22B(一方の端部)と、上側接続部22の外側の端部である上側外端部22C(他方の端部)とを有している。ハウジング10による上側接続部22の保持形態は、既述した下側接続部21の保持形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0029】
このように、第一端子20では、下側接続部21の両端部、すなわち下側内端部21Bおよび下側外端部21Cは、ハウジング10の下部に埋設されることで強固に保持されている。また、上側接続部22の両端部、すなわち上側内端部22Bおよび上側外端部22Cは、ハウジング10の上部に埋設されることで強固に保持されている。したがって、下側接続部21および上側接続部22は不用意な外力を受けても変形しにくくなるので、下側接続部21および上側接続部22を回路基板B1,B2に良好に接続することが可能となる。
【0030】
連結部23は、ハウジング10内で傾斜することなく上下方向で直状に延びており、下側接続部21の下側内端部21Bと上側接続部22の上側内端部22Bとを連結している。連結部23は、ハウジング10から露出することなく、その全体がハウジング10に覆われた状態で埋設されている。本実施形態では、連結部23が直状をなして上下方向に延びていることにより、第一端子20を介して回路基板B1と回路基板B2とを最短距離で接続できるので、信号伝送特性を向上させることができ、特に、高速信号を伝送する場合に非常に有効である。なお、十分な信号伝送特性が確保できるのであれば、連結部が傾斜することなく上下方向に直状に延びていることは必須ではなく、連結部は、例えば上下方向に対して傾斜して延びてもよいし、上下方向での中間位置で屈曲されていてもよい。
【0031】
下側延長部24は、ハウジング10内で下側接続部21の下側内端部21Bの上端から上方へ向けて直状に延びている。下側延長部24は、その板面が下側切欠部13へ露出し、その他の部分がハウジング10に覆われた状態で、ハウジング10に埋設されて保持されている。
【0032】
上側延長部25は、上側接続部22の上側外端部22Cの下端から下方へ向けて直状に延びる縦部25Aと、縦部25Aの下端で直角に屈曲されてコネクタ幅方向で外方へ向けて直状に延びる横部25Bとを有している。縦部25Aは、上下方向で下側配置面11に寄った位置、具体的には下側切欠部13よりも若干上方の位置まで延びている。縦部25Aは、図3(A),(B)に示されるように、その上端部(上側外端部22Cに連結されている部分)の外側の板面が上側切欠部14へ露出し、その他の部分がハウジング10に覆われた状態で、ハウジング10に埋設されて保持されている。
【0033】
横部25Bは、下側切欠部13の直上で下側切欠部13に沿ってコネクタ幅方向に延びており、横部の下面が下側切欠部13に露呈した状態で、ハウジング10に埋設されている。また、横部25Bの先端部(自由端部)は、ハウジング10の側面(コネクタ幅方向に対して直角な面)から突出することで露出しており、側方露出部25B-1として形成されている。側方露出部25B-1は、上下方向で下側配置面11に寄った位置に設けられている。
【0034】
本実施形態では、側方露出部25B-1は、回路基板B1,B2へのコネクタ1の実装後、電気的導通状態の検査に利用される。具体的には、電気的導通状態の検査のための装置のプローブを側方露出部25B-1に接続して、例えば電圧や電流等を測定することで、コネクタ1が回路基板B1,B2に適切に半田接続されたどうかを簡単に検査することができる。また、本実施形態では、側方露出部25B-1は、コネクタ1の製造前においてキャリアに連結される部分としても利用される。
【0035】
第二端子30は、図2(A),(B)および図3(A),(B)に示されるように、第一端子20に類似した形状をなしているが、上側延長部35の横部35Bが第一端子20の横部25Bよりも長く形成されている点で第一端子20と形状が異なっている。また、第二端子30は、連結部33がその上端部も含めた全体でハウジング10に覆われており、この点で、第一端子20と保持形態が異なっている。第二端子30において、第一端子20と共通する部分については、第一端子20における符号に「10」を加えた符号を付して(例えば、第一端子20の下側接続部21と対応する下側接続部には符号「31」を付す)、詳細な説明を省略する。
【0036】
第二端子30においても、第一端子20と同様に、下側接続部31の下側内端部31Bおよび下側外端部31C、上側接続部32の上側内端部32Bおよび上側外端部32Cが、ハウジング10に埋設されることで強固に保持されている。したがって、下側接続部31および上側接続部32は不用意な外力を受けても変形しにくくなるので、下側接続部31および上側接続部32を回路基板B1,B2に良好に接続することが可能となる。
【0037】
また、連結部33が直状をなして上下方向に延びていることにより、第二端子30を介して回路基板B1と回路基板B2とを最短距離で接続できる点、側方露出部35B-1を電気的導通状態の検査に利用したり、キャリアとの連結部分として利用したりできる点についても、第一端子20と同様である。
【0038】
コネクタ1は、次の要領で製造される。まず、第一端子20および第二端子30が交互に配列された状態で1つのキャリア(図示せず)に連結された端子素材を2つ用意し、コネクタ幅方向(Y軸方向)でY1側およびY2側のそれぞれの側に1つずつ配置する。ここで、Y1側に配置された端子素材のキャリアには、端子列L1の第一端子20および端子列L2の第二端子30がキャリアに連結されており、Y2側に配置される端子素材のキャリアには、端子列L3の第二端子30および端子列L4の第一端子20が連結されている。これら2つの端子素材は、コネクタ幅方向で端子列L1の第一端子20と端子列L4の第一端子20とが対向し、端子列L2の第二端子30と端子列L3の第二端子30とが対向するように配置される。
【0039】
次に、端子素材に対して上方から上側金型(図示せず)を配置し、下方から下側金型(図示せず)を配置することによって、各端子素材のキャリアをこれらの金型で挟持するとともに、端子20,30を金型内の空間に収容する。次に、溶融した電気絶縁材(樹脂等)を上記空間内に注入してから固化させることで、ハウジング10を成形(インサート成形)し、これと同時に、端子20,30をハウジング10により保持する。
【0040】
ハウジング10の成型後、第一端子20の側方露出部25B-1とキャリアとの連結位置、および第二端子30の側方露出部35B-1とキャリアとの連結位置へキャリア切断用の治具を下方からもたらすことにより、各キャリアを側方露出部25B-1および側方露出部35B-1から切り離し、この結果、コネクタ1が完成する。本実施形態では、側方露出部25B-1および側方露出部35B-1は上下方向でハウジング10の下側配置面11に寄った位置に設けられているので、下方から治具をもたらすことによりキャリアを容易に切り離すことができる。
【0041】
本実施形態では、側方露出部25B-1および側方露出部35B-1は、上下方向でハウジング10の下側配置面11に寄った位置に設けられていたが、これに替えて、上下方向でハウジング10の上側配置面12に寄った位置に設けられていてもよい。この場合には、キャリア切断用の治具を上方からもたらすことにより、キャリアを容易に切り離すことができる。
【0042】
<第二実施形態>
第一実施形態では、端子20,30は、4つの端子列において隣接する任意の端子列の端子20,30が端子配列方向で互いに異なる位置に配置されることとしたが、端子の配置の形態はこれに限られず、種々の変更が可能である。本実施形態では、4つの端子列において、コネクタ幅方向で外側に位置する2つの端子列の端子と、内側に位置する2つの端子列の端子とが、端子配列方向で異なって位置しており、この点で、第一実施形態と構成が異なっている。また、本実施形態では、端子の側方露出部が上下方向でハウジングの中央位置に設けられており、この点でも、第一実施形態と異なっている。
【0043】
本実施形態では、第一実施形態と構成が相違する部分を中心に説明し、第一実施形態と構成が共通する部分については、第一実施形態における各部の符号に「100」を加えた符号を付して説明を省略する。
【0044】
図4(A)は、本実施形態のコネクタ101を示す斜視図であり、図4(B)は、コネクタ101の側面図である。本実施形態では、ハウジング110は、第一実施形態のハウジング10の下側切欠部13および上側切欠部14に相当する切欠部は形成されておらず、端子配列方向を長手方向とする直方体外形をなしている。
【0045】
本実施形態では、図4(A)に示されるように、端子列L1が第一端子120の列、端子列L2が第二端子130の列、端子列L3が第二端子130の列、端子列L4が第一端子120の列となっている。コネクタ幅方向で外側に位置する端子列L1の第一端子120と端子列L4の第一端子120とは、端子配列方向で同じ位置に設けられており、コネクタ幅方向で内側に位置する端子列L2の第二端子130と端子列L3の第二端子130とは、端子配列方向で同じ位置に設けられている。また、端子列L1の第一端子120および端子列L4の第一端子120と、端子列L2の第二端子130および端子列L3の第二端子130とは、端子配列方向で交互に設けられている。
【0046】
図5(A)は図4(B)のVA-VA断面図であり、図3(B)は図4(B)のVB-VB断面図である。図5(A)に示されるように、第一端子120は、第一実施形態の第一端子20の下側延長部24を長くするとともに、上側延長部25を短くした形状をなしている。具体的には、下側延長部124は、下側接続部121の下側外端部121Cの上端からハウジング110の中央近傍まで上方へ延びている。上側延長部125は、縦部125Aが、上側接続部122の上側外端部122Cの下端からハウジング110の中央位置まで下方へ延びており、横部125Bが縦部125Aの下端で直角に屈曲されてコネクタ幅方向で外方へ向けて延びている。つまり、横部125Bの側方露出部125B-1は、図4(A),(B)および図5(A)に示されるように、上下方向におけるハウジング110の中央位置で、ハウジング110の側面から突出して露出している。
【0047】
図5(B)に示されるように、第二端子130は、第一実施形態の第二端子30の下側延長部34を長くするとともに、上側延長部35を短くした形状をなしている。具体的には、下側延長部134は、下側接続部131の下側外端部131Cの上端からハウジング110の中央近傍まで上方へ延びている。上側延長部135は、縦部135Aが、上側接続部132の上側外端部132Cの下端からハウジング110の中央位置まで下方へ延びており、横部135Bが縦部135Aの下端で直角に屈曲されてコネクタ幅方向で外方へ向けて延びている。つまり、横部125Bの側方露出部135B-1は、図4(A),(B)および図5(B)に示されるように、上下方向におけるハウジング110の中央位置で、ハウジング110の側面から突出して露出している。
【0048】
本実施形態では、第一端子120の側方露出部125B-1および第二端子130の側方露出部135B-1が、上下方向でハウジング110の中央位置に設けられているので、コネクタ101の製造時に、第一端子120および第二端子130の上下方向における向きを意識する必要がなく、コネクタ101の製造が容易となる。
【0049】
<第三実施形態>
本実施形態では、ハウジング、第一端子および第二端子の形状は、第二実施形態のハウジング110、第一端子120および第二端子130の形状と全く同じであるが、第一端子および第二端子が第一実施形態と同じ配列形態で配列されている点で、第二実施形態と異なっている。本実施形態では、第二実施形態と構成が相違する部分を中心に説明し、第二実施形態と構成が共通する部分については、第二実施形態における各部の符号に「100」を加えた符号を付して説明を省略する。
【0050】
図6(A)は、本実施形態のコネクタ201を示す斜視図であり、図6(B)は、コネクタ201の側面図である。図7(A)は図6(B)のVIIA-VIIA断面図であり、図7(B)は図6(B)のVIIB-VIIB断面図である。図6(A),(B)に示されるように、本実施形態のハウジング210は、第二実施形態のハウジング110と全く同じ形状で形成されている。また、図7(A),(B)に見られるように、本実施形態の第一端子220および第二端子230は、第一実施形態の第一端子20および第二端子30と全く同じ形状で形成されている。
【0051】
図6(A),(B)に示されるように、本実施形態では、第一実施形態と同様に、端子列L1が第一端子220の列、端子列L2が第二端子230の列、端子列L3が第二端子230の列、端子列L4が第一端子220の列となっており、コネクタ幅方向で隣接する任意の端子列の端子220,230が、端子配列方向で交互に、すなわち千鳥状に配列されている。
【0052】
<第四実施形態>
本実施形態では、ハウジングおよび第一端子の形状は、第一実施形態のハウジング10および第一端子20の形状と全く同じであるが、第二端子の形状が第一実施形態の第二端子30の形状と異なっている。また、本実施形態における第一端子及び第二端子の配列形態は、第一実施形態と同じ配列形態である。本実施形態では、第一実施形態と構成が相違する部分を中心に説明し、第一実施形態と構成が共通する部分については、第一実施形態における各部の符号に「300」を加えた符号を付して説明を省略する。
【0053】
図8は、本実施形態のコネクタ301について、端子配列方向における端子320,330の位置での断面を示す断面図である。図8に示されるように、本実施形態の第二端子330は、連結部333の一部がクランク状に屈曲されており、この点で、連結部33が上下方向全域にわたって直状をなしている第一実施形態の第二端子30と形状が異なっている。端子において十分な信号伝送特性が確保できるのであれば、本実施形態の第二端子330の連結部333のように、連結部の一部が屈曲されていてもよい。
【0054】
図8に示されるように、第二端子333は、上下方向での中間位置に、クランク状に屈曲された屈曲部333Aを有しており、屈曲部333Aから下方へ向けて直状に延びる下側直状部333Bと、屈曲部333Aから上方へ向けて直状に延びる上側直状部333Cとが、コネクタ幅方向で異なって位置している。なお、変形例として、第二端子に替えて、あるいは第二端子ともに、第一端子に屈曲部が形成されていてもよい。また、端子に設けられる屈曲部の数は適宜設定可能であり、2つ以上であってもよい。また、端子に設けられる屈曲部の形状や位置は、図8に示されるような形状や位置に限られず、種々の変更が可能である。
【0055】
第一実施形態ないし第四実施形態では、第一端子および第二端子は、コネクタ幅方向で4列をなして配置されていることとしたが、端子列の数は適宜設定可能である。また、本実施形態では、第一端子および第二端子は、金属帯条部材を板厚方向に屈曲して形成される、いわゆる曲げ端子であることとしたが、これに替えて、例えば、金属板部材を板厚方向に打ち抜いて形成される、いわゆる抜き端子であってもよい。
【0056】
第一実施形態ないし第四実施形態では、各端子の接続部が回路基板に半田により接続されることとしたが、回路基板への端子の接続の形態はこれに限られず、例えば、各端子の接続部が異方性導電膜(ACF)を介して回路基板に接続されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1,101,201,301 コネクタ
10,110,210,310 ハウジング
11,111,211,311 下側配置面
12,112,212,312 上側配置面
20,120,220,320 第一端子
21,121,221,321 下側接続部
21A,121A,221A,321A 下側接続露出部
21B,121B,221B,321B 下側内端部(一方の端部)
21C,121C,221C,321C 下側外端部
22,122,222,322 上側接続部
22A,122A,222A,322A 上側接続露出部
22B,122B,222B,322B 上側内端部(一方の端部)
22C,122C,222C,322C 上側外端部(他方の端部)
23,123,223,323 連結部
25,125,225,325 上側延長部
25B-1,125B-1,225B-1,325B-1 側方露出部
30,130,230,330 第二端子
31,131,231,331 下側接続部
31A,131A,231A,331A 下側接続露出部
31B,131B,231B,331B 下側内端部(一方の端部)
31C,131C,231C,331C 下側外端部
32,132,232,332 上側接続部
32A,132A,232A,332A 上側接続露出部
32B,132B,232B,332B 上側内端部(一方の端部)
32C,132C,232C,332C 上側外端部(他方の端部)
33,133,233,333 連結部
35,135,235,335 上側延長部
35B-1,135B-1,235B-1,335B-1 側方露出部
333A 屈曲部
B1,B2 回路基板

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8