(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-15
(45)【発行日】2025-12-23
(54)【発明の名称】光起電素子を検査する方法及びそのような方法を用いて検査される光起電素子
(51)【国際特許分類】
H02S 50/10 20140101AFI20251216BHJP
【FI】
H02S50/10
(21)【出願番号】P 2022546352
(86)(22)【出願日】2021-02-01
(86)【国際出願番号】 DE2021100091
(87)【国際公開番号】W WO2021151438
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2023-12-13
(31)【優先権主張番号】102020102494.0
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512286163
【氏名又は名称】ヘリアテク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】HELIATEK GMBH
【住所又は居所原語表記】Treidlerstrasse 3, 01139 Dresden, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルデ, クリスティアン
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-228926(JP,A)
【文献】特開平11-026785(JP,A)
【文献】特開2012-004447(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0314118(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0077970(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 50/00-50/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電素子(1)の性能を特定し、且つ/又はその中の欠陥を特定するために検査する方法であって、
a)相互に直列に接続された少なくとも2つの光起電セルを有する光起電素子(1)を提供するステップと、
b)前記光起電素子(1)に印加される特定の電圧における前記光起電素子(1)のダーク特性曲線(3)を提供するステップと、
c)前記光起電素子(1)を理論的に
複数の個別セグメント(5)に分割するステップと、
d)前記光起電素子(1)の前記
複数の個別セグメント(5)の特性曲線(7)を時間シーケンスで測定するステップであって、前記少なくとも2つの光起電セルの各々は、前記
複数の個別セグメント(5)が連続する方向に連続して延びており、前記個別セグメント(5)は、前記光起電素子(1)に印加される前記特定の電圧で照明装置(9)によって照明され、前記光起電素子(1)は、前記照明装置(9)に対して進行方向(11)に沿って移動され、及び/又は前記照明装置(9)は、前記光起電素子(1)に対して進行方向(11)に沿って移動される、ステップと、
e)前記ダーク特性曲線(3)及び前記個別セグメント(5)の前記測定された特性曲線(7)に応じて前記光起電素子(1)の全体的特性曲線(13)を確認するステップであって、それにより、前記光起電素子(1)は、検査され得る、ステップと、
を含み、
前記ステップc)において、前記少なくとも2つの光起電セルの各々が理論的に前記複数の個別セグメント(5)に分割されている、方法。
【請求項2】
前記個別セグメント(5)は、その光活性領域全体を含む領域(15)全体にわたって照明され、且つ/又は前記光起電素子(1)の前記個別セグメント(5)及び/若しくはそれら自体のうちの前記個別セグメント(5)は、それぞれ少なくとも概ね均一に照明される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光起電素子(1)の前記全体的特性曲線(13)は、ステップe)において、前記光起電素子(1)の前記ダーク特性曲線(3)及び前記個別セグメント(5)の前記測定された特性曲線(7)から確認された光電流を合計することによって確認される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記光起電素子(1)のセグメント(5)は、前記進行方向(11)において前のセグメント(5)及び/又は後のセグメント(5)との重複を少なくとも概ね有さず、且つギャップを少なくとも概ね有さず、及び/又は前記光活性領域を含む前記光起電素子(1)は、前記個別セグメント(5)によって完全に覆われる、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記光起電素子(1)の前記ダーク特性曲線(3)は、前記ステップb)において提供され、及び/又は前記方法のステップd)の前に、若しくは後に測定され、並びに/又はステップc)及びd)は、一緒に実行される、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップb)における前記光起電素子(1)の前記ダーク特性曲線(3)は、完全な又は概ね完全な暗さにおけるダーク特性曲線(3)である、請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
周囲光が存在する場合、少なくとも1つのさらなる特性曲線(17)は、前記光起電素子(1)に印加される前記特定の電圧で且つ周囲光において測定され、前記個別セグメント(5)及び/又は前記光起電素子(1)は、前記照明装置(9)によって照明されず、前記光起電素子(1)の前記全体的特性曲線(13)は、ステップe)において、周囲光での前記少なくとも1つのさらなる特性曲線(17)に応じてさらに確認され、及び/又は前記光起電素子(1)の前記全体的特性曲線(13)は、ステップe)において、確認された周囲光の光電流を、周囲光での前記個別セグメント(5)の前記さらなる測定された特性曲線(17)からさらに差し引くことによって確認される、請求項1~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記進行方向(11)における前記セグメント(5)の長さは、10cm~10mであり、及び/又は前記光起電素子(1)は、前記照明装置(9)によって照明される領域(19)に応じて個別セグメント(5)に分割される、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
ロールツーロールプロセスで実行され、及び/又は前記光起電素子(1)は、フレキシブル光起電素子(1)である、請求項1~8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1~9の何れか一項に記載の方法を用いて検査することが可能な光起電素子(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に製造品質を検査し、且つ/又は光起電素子の光学及び/若しくは電気特性を特定するために光起電素子を検査する方法と、そのような方法を用いて検査される光起電素子とに関する。
【背景技術】
【0002】
電気的特徴付けを行うために、太陽電池は、均一に且つその表面全体にわたり、太陽光のような照明を照射される必要があり(標準試験条件-STC)、発生する電流及び電圧を適当な接点で測定しなければならない。フラッシャとして知られるものであるソーラシミュレータは、この場合、ほぼ太陽光に対応するスペクトル幅及びスペクトル強度分布を再現する。照明に使用されるソーラシミュレータは、計装の点で非常に複雑であり、長さを自由に変えることができない。通常のソーラシミュレータは、最大で3m2の面積を照明する。太陽電池の性能を特定するためのソーラシミュレータの照明面積は、有限であり、特にとりわけ大型で長い太陽電池の場合、ソーラシミュレータで太陽電池の面積全体を一度に照明することができない。自然の太陽光の測定は、極めてエラーが発生しやすく、特に合理的なスループットで実現することができない。
【0003】
検査中、関連する規格、例えば、非特許文献1で求められるように太陽電池を均一に照明することは、任意の長さ及び/又は幅を有する太陽電池について技術的に実行できない。検査は、ソーラシミュレータの照射面積を超える長さ及び/又は幅を有する太陽電池に対して行うことができない。
【0004】
特許文献1は、太陽電池の製造品質を検査するための試験システムを開示しており、これは、太陽電池を目視検査するための、試験領域内に配置された光学試験装置と、太陽電池の電気的機能を試験するための、太陽電池に光を照射する照明装置を備える電気試験装置と、太陽電池の接点で電圧をタップオフする電気接点装置とを有する。
【0005】
特許文献2は、太陽電池検査装置を開示しており、これは、ソーラシミュレータと、ソーラシミュレータに接続されて、ソーラシミュレータの発光素子のアレイによって発せられる光の量を制御する光量制御部と、太陽電池に電気的に接続され、ソーラシミュレータの有効に照射された領域の少なくとも一部上に配置された受光領域を有する、電気負荷が太陽電池にかけられている間に太陽電池の光電気変換特性を測定する電気測定部とを有する。
【0006】
先行技術から知られている、太陽電池を検査する方法では、任意の大きさの太陽電池の検査ができず、それは、特に、これらの方法がソーラシミュレータによる光照射面積の大きさに依存しているからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】欧州特許出願公開第1647827号明細書
【文献】独国特許出願公表第112011100041号明細書
【文献】国際公開第2004/083958号
【文献】国際公開第2011/161108号
【文献】国際公開第2006/092134号
【文献】国際公開第2014/206860号
【非特許文献】
【0008】
【文献】IEC60904
【文献】IEC60904-1:2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、ソーラシミュレータの照明面積と比較してより大きい、特により長い及び/又はより広い範囲の光起電素子を測定及び検査する方法であって、上述の欠点が生じず、特に光起電素子全体の全体的特性曲線及び/又は全体的光電流が、ソーラシミュレータによって照明される領域より大きい面積で確認される方法を提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。有利な改良形態は、従属請求項から明らかとなる。
【0011】
この目的は、光起電素子を、好ましくは光起電素子の性能を特定し、且つ/又はその中の欠陥を特定するために検査する方法を提供することによって達成される。この方法は、
a)光起電素子を提供するステップと、
b)光起電素子に印加される特定の電圧における光起電素子のダーク特性曲線を提供するステップと、
c)光起電素子を個別セグメントに分割するステップと、
d)光起電素子の個別セグメントの特性曲線を時間シーケンスで測定するステップであって、個別セグメントは、光起電素子に印加される特定の電圧で照明装置によって照明され、光起電素子は、照明装置に対して進行方向に沿って移動され、及び/又は照明装置は、光起電素子に対して進行方向に沿って移動される、ステップと、
e)ダーク特性曲線及び個別セグメントの測定された特性曲線に応じて光起電素子の全体的特性曲線を確認するステップであって、それにより、光起電素子は、検査され得る、ステップと
を含む。
【0012】
好ましくは、光起電素子全体の全体的光電流が得られ、全体的光電流は、個別セグメントの光電流の全ての合計から得られる。
【0013】
本発明による方法により、特にセグメントごとの照明及び全体的特性曲線の数学的合成を通して、理論上、何れの長さ及び/又は幅の光起電素子でも検査することが可能となる。したがって、光起電素子は、その面積全体にわたって照明及び測定されず、全体的測定は、個別セグメントを照明しながらの複数の個別の測定から合成される。したがって、例えば、通常の規格における、測定中に光起電素子を全面的に照明しなればならないという要求事項は、満たされないが、本発明による方法での光起電素子の個別セグメントへの分割及び均一に照明されたこれらの個別セグメントの測定では、光起電素子全体の全面積照明と比較して偏差がまったく見られないか、又は少なくともわずかな偏差のみが見られる。こうして、本発明による方法により、ほぼ何れの長さ及び/又は幅の光起電素子の検査も可能となり、したがってその認証取得につながる。
【0014】
本発明の1つの好ましい実施形態において、特定の印加電圧は、特定の電圧プロファイルであり、光起電素子及び/又は個別セグメントの電流は、好ましくは、特定の電圧プロファイルに応じて測定される。
【0015】
光起電素子を個別セグメントに分割することは、特に光起電素子の個別セグメントへの理論的分割を意味すると理解されたい。
【0016】
光起電素子の個別セグメントの特性曲線を時間シーケンスで測定することは、特に光起電素子の相互に隣接する少なくとも2つのセグメントの特性曲線が、継ぎ目のない時間的連続で測定されることを意味すると理解されたい。
【0017】
ダーク特性曲線とは、特に光起電素子が少なくとも概ね暗くされたとき、好ましくは光起電素子が完全に暗くされたときの特性曲線を意味すると理解されたい。
【0018】
本発明に関して、特性曲線は、光電流IPh(V)の印加電圧への依存性、すなわち光起電素子又は光起電素子のセグメントの光電流-電圧特性曲線を意味すると理解されたい。
【0019】
本発明の1つの好ましい実施形態において、セグメントの特性曲線は、ダーク特性曲線及び照明されたそのセグメントの特性曲線から確認される。本発明の1つの好ましい実施形態において、光起電素子の全体的特性曲線は、ダーク特性曲線及び照明された個別セグメントの特性曲線から確認される。
【0020】
本発明の1つの好ましい実施形態において、セグメントの光電流は、ダーク特性曲線及び照明されたそのセグメントの特性曲線から確認される。本発明の1つの好ましい実施形態において、全体的特性曲線は、個別セグメントの光電流及び光起電素子のダーク特性曲線から確認され、光起電素子の全体的光電流は、好ましくは、個別セグメントの光電流の合計から確認される。
【0021】
本発明の1つの好ましい実施形態において、光起電素子の個別セグメントの特性曲線は、不連続的に、特にステップ式に測定される。
【0022】
本発明の1つの代替的な実施形態において、光起電素子の個別セグメントの特性曲線は、継続的に測定される。
【0023】
本発明の1つの好ましい実施形態において、ステップb)における光起電素子の分割と、ステップc)における、照明装置に対する進行方向に沿った光起電素子の移動及び/又は光起電素子に対する進行方向に沿った照明装置の移動とは、少なくとも部分的に同時に行われる。
【0024】
本発明の1つの好ましい実施形態において、照明装置は、ソーラシミュレータである。
【0025】
本発明の1つの好ましい実施形態において、光起電素子の個別セグメントは、照明装置と平行な、特に照明装置の光源に平行な光活性領域で照明される。
【0026】
光起電素子は、特に太陽電池を意味すると理解されたく、光起電素子は、少なくとも1つの光起電セルを有する。光起電素子は、好ましくは、複数の光起電セルを有する。光起電セルは、光起電素子中において異なる方法で配置及び/又は相互接続され得る。
【0027】
本発明の1つの好ましい実施形態において、光起電素子は、少なくとも2つの光起電セルを有し、少なくとも2つの光起電セルは、連続するセグメントの方向に連続し、特に連続的に導電しているか、又は連続するセグメントの方向に相互に並列に相互接続されたセルから形成されて、相互に並列及び/又は直列に接続される。光起電セルは、好ましくは、光起電素子の長さ全体にわたって形成され、及び/又は光起電セルは、光起電素子の長さ全体にわたって相互に並列に相互接続される。
【0028】
本発明の1つの好ましい実施形態において、光起電素子は、直列に接続された全ての光起電セルが個別セグメントの各々において同じ表面積を有するようにセグメントに分割される。
【0029】
本発明の1つの好ましい実施形態において、光起電素子は、有機光起電素子であり、有機光起電素子の少なくとも1つの光活性層は、好ましくは、吸収材料として小分子を有する。
【0030】
本発明の1つの好ましい実施形態において、光起電素子は、フレキシブル光起電素子、特にフレキシブル有機光起電素子である。
【0031】
本発明の1つの好ましい実施形態において、光起電素子は、少なくとも1つの光活性層を有する少なくとも1つの光起電セル、特にCIS、CIGS、GaAs若しくはSiセル、ペロブスカイトセル又は有機光起電素子(OPV)を有する。有機光起電素子は、特に、少なくとも1つの有機光活性層を有する光起電素子、特にポリマー有機光起電素子又は小分子に基づく有機光起電素子を有する光起電素子を意味すると理解されたい。ポリマーは、不揮発性であり、したがって溶液からのみ塗布できることによって区別されるが、小分子は、通常、揮発性であり、ポリマーのように溶液としてだけでなく、蒸着技術、特に真空からの蒸着法によっても塗布できる。小分子は、標準圧力(周囲大気の気圧)及び室温で固相として存在する、100~2000g/molの単分散モル質量を有する非重合性有機分子を意味すると理解されたい。特に、小分子は、光活性であり、「光活性」とは、光の供給を受けると、分子の電荷状態及び/又は偏光状態が変化することを意味すると理解されたい。
【0032】
本発明の1つの好ましい実施形態において、層系の光活性層は、真空中で蒸発する小分子を含む。本発明の1つの好ましい実施形態において、層系の少なくとも光活性層は、真空中で蒸着する。
【0033】
光電気コンポーネントの層系の1つの可能な構造は、特許文献3及び特許文献4に記載されている。ここでは、好ましくは、光活性層が、揮発性であり、物理蒸着法(PVD)によって堆積されているか、又はすでに堆積された吸収材料を含む層系が利用される。そのために、とりわけ特許文献5及び特許文献6に記載されている小分子の群に属する材料が使用される。光活性層は、アクセプタ/ドナー系を形成し、平面へテロ接合、好ましくはバルクへテロ接合としての複数の個別層又は混合層でもあり得る。物理蒸着法によって堆積が完了する層系が好ましい。
【0034】
光起電素子を検査するための本発明による方法は、先行技術と比較した利点を有する。有利には、ほぼ何れの長さ及び/又は幅の光起電素子も照明装置によって検査することが可能となる。有利には、方法は、容易且つ安価に使用できる。有利には、光起電素子の概ね何れの大きさの領域でも検査することが可能となる。これにより、有利には、特に2mを超える長さ及び/又は幅を有するものを含む、長い光起電素子を通常の規格、例えば、非特許文献2に従って測定することが可能となる。
【0035】
本発明の1つの発展形態によれば、個別セグメントは、その領域全体、好ましくはその光活性領域全体にわたって照明され、且つ/又は光起電素子の個別セグメント及び/若しくはそれら自体のうちの個別セグメントは、それぞれ少なくとも概ね均一に照明されるようになされる。
【0036】
均一な照明は、セグメント、特にそのセグメントの領域、好ましくはセグメントの全領域にわたるできるだけ均一な照明を意味すると理解されたい。
【0037】
本発明の1つの発展形態によれば、光起電素子の全体的特定曲線は、e)光起電素子のダーク特性曲線及び個別セグメントの測定された特性曲線から確認された光電流を合計することによって確認されるようになされる。
【0038】
特性曲線を合計することは、特に特性曲線を合成することを意味するとも理解されたい。合計時、周囲光での少なくとも1つのさらなる特性曲線の確認された光電流は、特に、照明を受けた特性曲線の確認された光電流からさらに差し引かれる。
【0039】
本発明の1つの発展形態によれば、光起電素子のセグメントは、進行方向において前のセグメント及び/又は後のセグメントとの重複を少なくとも概ね有さず、且つギャップを少なくとも概ね有さないようになされる。これにより、光起電素子の何れの領域、特に何れの光活性領域も2回測定されないこと及び/又は光起電素子の領域の一部が測定されないことが確実となる。
【0040】
本発明の1つの発展形態によれば、光起電素子、好ましくは光起電素子の光活性領域は、個別セグメントによって完全に覆われるようになされる。
【0041】
本発明の1つの発展形態によれば、光起電素子のダーク特性曲線は、方法のステップd)前にステップb)において又はステップd)後に提供され、好ましくは測定され、且つ/又はステップc)及びd)は、一緒に実行されるようになされる。本発明の1つの好ましい実施形態において、光起電素子のダーク特性曲線が測定される。本発明の1つの代替的な好ましい実施形態において、光起電素子のダーク特性曲線は、すでにわかっている。
【0042】
本発明の1つの発展形態によれば、ステップb)における光起電素子のダーク特性曲線は、完全な又は概ね完全な暗さにおけるダーク特性曲線であるようになされる。
【0043】
本発明の1つの発展形態によれば、周囲光が存在する場合、少なくとも1つのさらなる特性曲線は、光起電素子に印加される特定の電圧で且つ周囲光において測定されるようになされ、個別セグメント及び/又は光起電素子は、照明装置によっては照明されず、光起電素子の全体的特性曲線は、ステップe)において、周囲光での少なくとも1つのさらなる特性曲線に応じてさらに確認され、及び/又は光起電素子の全体的特性曲線は、ステップe)において、確認された周囲光の光電流を、周囲光での個別セグメントのさらなる測定された特性曲線からさらに差し引くことによって確認される。
【0044】
周囲光は、特に環境が完全に暗いわけではない場合、光起電素子のダーク特性曲線及び/若しくは光起電素子の個別セグメントのダーク特性曲線を測定するとき、且つ/又は光起電素子の特性曲線及び/若しくは光起電素子の個別セグメントの特性曲線を照明装置による照明下で測定するときに存在する周囲光を意味すると理解されたい。この場合、周囲光は、光起電素子及び/又は光起電素子の個別セグメントの追加の光電流を発生させ、それにより全体的光電流の確認に影響する。周囲光の強度は、特に、照明装置による照明の強度と比較してかなり低く、周囲光の強度は、照明光による照明の強度の好ましくは最大で10%、好ましくは最大で8%、好ましくは最大で5%又は好ましくは最大で2%である。
【0045】
本発明の1つの実施形態によれば、進行方向におけるセグメントの長さは、10cm~10m、好ましくは10cm~2mであり、及び/又は光起電素子は、照明装置によって照明される領域に応じて個別セグメントに分割されるようになされる。
【0046】
本発明の1つの好ましい実施形態において、進行方向における個別セグメントの長さは、10cm~10m、好ましくは10cm~5m、好ましくは10cm~2m、好ましくは10cm~1m、好ましくは20cm~10m、好ましくは20cm~5m、好ましくは20cm~2m若しくは好ましくは20cm~1m又は少なくとも10cm、好ましくは少なくとも20cm、好ましくは少なくとも60cm、好ましくは少なくとも1m若しくは好ましくは少なくとも2mである。本発明の1つの特に好ましい実施形態において、個別セグメントの長さは、光起電素子の光活性領域の長さの少なくとも1/20、好ましくは少なくとも1/10又は好ましくは少なくとも1/8である。
【0047】
光起電素子及び/又は光起電素子のセグメントの長さは、代替的に、特に光起電素子のセグメントの幅を意味するとも理解されたく、長さ及び/又は幅は、好ましくは、照明装置に対する進行方向とは無関係である。
【0048】
本発明の1つの発展形態によれば、方法は、ロールツーロールプロセスで実行され、及び/又は光起電素子は、フレキシブル光起電素子であるようになされ、方法中、光起電素子の第一の端及び/又は第二の端は、好ましくは、部分的又は完全に巻き上げられた形態で存在する。
【0049】
本発明の目的は、本発明による方法、特に上述の例示的実施形態の1つを用いて検査される光起電素子を提供することによっても達成される。この場合、光起電素子を検査する方法に関してすでに説明した利点は、特に光起電素子についても得られる。
【0050】
以下では、下記の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】光起電素子を検査する方法の1つの例示的実施形態の概略図をフローチャートである。
【
図2】光起電素子を検査する方法中の、照明装置に対する光起電素子の複数の配置の1つの例示的実施形態の概略図を平面図である。
【
図3】光起電素子の個別セグメントへの分割の1つの例示的実施形態の概略図を平面図である。
【
図4】光起電素子を検査する方法を実行するための装置の1つの例示的実施形態の概略図を側面図である。
【
図5】本発明による方法を用いて個別セグメントのダーク特性曲線及び特性曲線から確認された光起電素子の全体的特性曲線の例示的な実施形態を示す図である。
【
図6】本発明による方法において光起電素子を分割する際の個別セグメントの位置決めの影響の例示的実施形態を示す図である。
【
図7】本発明による方法において光起電素子を分割する際のセグメントの長さの影響の例示的実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、光起電素子を検査する方法の1つの例示的実施形態の概略図をフローチャートで示す。
【0053】
光家電素子1がソーラシミュレータの照明領域より大きい場合、直接的な性能測定は、不可能である。光起電素子1の電気的機能試験は、毎回、個別セグメント5に分割された光起電素子1の一部のみを照明し、個別セグメント5の特性曲線7を確認し、それから全体的特性曲線13を再構成又は合成することによって可能となる。
【0054】
光起電素子1を、好ましくは光起電素子1の性能を特定し、且つ/又はその中の欠陥を特定するために検査する方法は、a)光起電素子1を提供するステップと、b)光起電素子1に印加される特定の電圧における光起電素子1のダーク特性曲線3を提供するステップと、c)光起電素子1を個別セグメント5に分割するステップと、d)光起電素子1の個別セグメント5の特性曲線7を時間シーケンスで測定するステップであって、個別セグメント5は、光起電素子1に印加される特定の電圧で照明装置9によって照明され、光起電素子1は、照明装置9に対して進行方向11に沿って移動され、及び/又は照明装置9は、光起電素子1に対して進行方向に沿って移動される、ステップと、e)ダーク特性曲線3及び個別セグメント5の測定された特性曲線7に応じて光起電素子1の全体的特性曲線13を確認するステップであって、それにより、光起電素子1は、検査され得る、ステップとを含む。
【0055】
光起電素子1は、この場合、製造装置内で特に進行方向11に案内される。
【0056】
それにより、ほぼ何れの長さ及び/又は幅の光起電素子1も照明装置9によって検査することが可能となる。方法は、容易且つ安価に使用できる。これにより、有利には、特にその長さ及び/又は幅が2mを超えるものを含む、長い及び/又は大型の光起電素子1の測定が可能となる。
【0057】
本発明の1つの改良形態において、個別セグメント5は、その領域15全体、好ましくはその光活性領域全体にわたって照明され、且つ/又は光起電素子1の個別セグメント5及び/若しくはそれら自体のうちの個別セグメント5は、それぞれ少なくとも概ね均一に照明される。
【0058】
本発明のさらなる改良形態において、光起電素子1の全体的特性曲線13は、e)光起電素子1のダーク特性曲線3及び個別セグメント5の測定された特性曲線7から確認された光電流を合計することによって確認される。
【0059】
本発明のさらなる改良形態において、光起電素子1のセグメント5は、進行方向11において前のセグメント5及び/又は後のセグメント5との重複を少なくとも概ね有さず、且つギャップを少なくとも概ね有さない。
【0060】
本発明のさらなる改良形態において、光起電素子1、好ましくは光起電素子1の光活性領域は、個別セグメント5によって完全に覆われる。
【0061】
本発明のさらなる改良形態において、光起電素子1のダーク特性曲線3は、方法のステップd)前にステップb)において若しくはステップd)後に提供され、好ましくは測定され、且つ/又はステップc)及びd)は、一緒に実行される。
【0062】
本発明のさらなる改良形態において、ステップb)における光起電素子1のダーク特性曲線3は、完全な又は概ね完全な暗さにおけるダーク特性曲線3である。
【0063】
本発明のさらなる改良形態において、周囲光が存在する場合、少なくとも1つのさらなる特性曲線17は、光起電素子1に印加される特定の電圧で且つ周囲光において測定され、個別セグメント5及び/又は光起電素子1は、照明装置9によって照明されず、光起電素子1の全体的特性曲線13は、ステップe)において、周囲光での少なくとも1つのさらなる特性曲線17に応じてさらに確認され、及び/又は光起電素子1の全体的特性曲線13は、ステップe)において、確認された周囲光の光電流を、周囲光での個別セグメント5のさらなる測定された特性曲線17からさらに差し引くことによって確認される。
【0064】
本発明のさらなる改良形態において、進行方向11におけるセグメント5の長さは、10cm~10m、好ましくは10cm~2mであり、及び/又は光起電素子1は、照明装置9によって照明される領域19に応じて個別セグメント5に分割される。本発明の1つの代替的な改良形態において、個別セグメントの長さは、光起電素子の光活性領域の長さの少なくとも1/10である。
【0065】
本発明のさらなる改良形態において、方法は、ロールツーロールプロセスで実行され、及び/又は光起電素子1は、フレキシブル光起電素子1であり、方法中、光起電素子1の第一の端及び/又は第二の端は、好ましくは、部分的に巻き上げられた形態で存在する。
【0066】
図2は、光起電素子1を検査する方法中の、照明装置9に対する光起電素子1の複数の配置の1つの例示的実施形態の概略図を平面図で示す。同じ及び機能的に均等な要素には、同じ参照符号が付されており、したがって、この点については、上の説明を参照されたい。
【0067】
最初のステップAにおいて、この例示的な実施形態では、光起電素子1の一方の端にある光起電素子1の第一のセグメント5.1が照明装置9によって照明され、特定の電圧が光起電素子1に印加された状態で、第一のセグメント5.1の特性曲線7が測定され、特に光電流が確認され、他のセグメント5は、少なくとも概ね暗くされる。特定の電圧は、接続要素20を介して光起電素子1に印加され得る。
【0068】
さらなるステップBにおいて、光起電素子1は、進行方向11において照明装置9に対して移動され、それにより光起電素子1の第二のセグメント5.2が照明装置9によって照明される。第一のセグメント5.1がその上に配置された光起電素子1の一方の端は、この場合、少なくとも部分的に巻き上げ要素に巻き付けられ得る。ステップAと同様に、ステップBでは、特定の電圧が光起電素子1に印加された状態で、第二のセグメント5.2の特性曲線7が同じく確認され、特に光電流が確認され、他のセグメント5は、少なくとも概ね暗くされる。光起電素子1の長さ及び個別セグメント5の最終的な数に応じて、方法は、個別セグメント5の全ての特性曲線7、特に光電流が測定されるまで実行される。この例示的実施形態において、個別セグメント5は、1000W/m2で照明された。光起電素子1は、この場合、特に光起電素子1上の連続する個別セグメント5間、例えば第一のセグメント5.1と第二のセグメント5.2との間にギャップが少なくとも概ねないように、且つ光起電素子1上の連続するセグメント5間、例えば第一のセグメント5.1と第二のセグメント5.2との間に重複が少なくとも概ねないように個別セグメント5に分割される。個別セグメント5の長さは、この場合、照明装置9の領域19に合わせて調整され得る。セグメント5の一方の端は、光起電素子1の両端とシームレスに接触している必要がなく、それは、光電流が光起電素子1の活性領域内でのみ生成されるからである。光起電素子1の各領域は、一度のみ照明され得る。
【0069】
ステップCにおいて、光起電素子1についての測定が完了し、この例示的実施形態では完全に巻き付けられた形態で存在する。この方法に必要なダーク特性曲線3は、光起電素子1、特に光起電素子の光活性領域全体の特性曲線を、特定の電圧において、照明なしに、特に周囲光なしに可能な限り最も暗い状態で、例えば光起電素子1の巻き上げられた状態において測定することによって得ることができる。光起電素子1の全体的特性曲線13は、個別セグメント5の測定された特性曲線7及びダーク特性曲線3から合成される。
【0070】
1つの例示的実施形態において、光起電素子1は、薄層の連続からなり、少なくとも1つの光活性層を有する層系は、好ましくは、真空蒸着されるか又は溶液から加工される。電気リンクは、金属層、透明な導電性酸化物及び/又は透明な導電性ポリマーによって実装され得る。光起電素子1は、フレキシブル光起電素子1であり得、方法中又はその終了時、少なくとも部分的に巻き上げられた形態で存在し得る。
【0071】
図3は、光起電素子1の個別セグメント5への分割の1つの例示的実施形態の概略図を平面図で示す。同じ及び機能的に均等な要素には、同じ参照符号が付されており、したがって、この点については、上の説明を参照されたい。
【0072】
この例示的実施形態において、光起電素子1は、個別セグメント5.1、5.2、5.3、5.4に分割されている。個別セグメント5は、この場合、光起電素子1の進行方向において異なる長さを有し、例えば、セグメント5.2、5.3は、同じ長さであり、他方では、セグメント5.1、5.4は、それと比較して短い。この方法では、個別セグメント5は、照明装置9の領域19によって時間シーケンスで完全に照明される。
【0073】
この例示的実施形態において、光起電素子1は、ロールツーロールプロセスで製造及び/又は測定される。光起電素子1の第一の端及び/又は光起電素子1の第二の端は、方法中、少なくとも部分的に巻かれた形態で存在し、測定対象のセグメント5は、巻かれていない形態で存在し、それにより、セグメント5の特性曲線は、照明装置9による照明下で測定できる。個別セグメント5を測定する際、固有電圧が光起電素子1に印加され、光電流が電圧プロファイルに応じて確認される。
【0074】
図4は、光起電素子1を検査する方法を実行するための装置の1つの例示的実施形態の概略図を側面図で示す。同じ及び機能的に均等な要素には、同じ参照符号が付されており、したがって、この点については、上の説明を参照されたい。
【0075】
この例示的実施形態において、本発明による方法を実行するように設計された装置は、光起電素子1を照明するための照明装置9と、照明装置9による照明領域19を画定するための被覆装置22と、特定の電圧を光起電素子1に印加するための電気接続素子20と、光起電素子1を移動させるための2つの巻き上げ要素を有する輸送ユニット24とを有する。装置は、特にロールツーロールプロセスのために設計され、光起電素子1は、特に照明装置9に対して移動される。照明装置9の領域内において、そこに位置するセグメント5は、できるだけ平坦に配置され、照明装置9と対向するその表面は、光活性層を有する。輸送ユニット24は、光起電素子を、1つのセグメント5が測定された後、次のセグメント5が照明装置9の下まで移動されるように移動させる。被覆装置22により、個別セグメント5を照明装置9によって相互に別々に照明することが可能となり、それにより個別セグメント5を時間シーケンスで測定できる。
【0076】
光起電素子1は、この場合、個別セグメント5に分割されて測定される。この目的のため、各セグメント5は、照明装置9と、照明装置9と光起電素子1との間に配置された被覆装置22、好ましくはアパーチャマットとによって照明される。被覆装置22は、その後、光起電素子1に対して移動されるか、又は光起電素子1は、被覆装置22に対して移動され、個別セグメント5の全て、すなわち光起電素子1の全体がこのように測定される。ダーク特性曲線3が依然として利用可能でない場合、ダーク特性曲線3を得るために、個別セグメント5又は光起電素子1の全体が照明のない暗い状態で測定され得る。全体的特性曲線13は、全ての測定について同じであるダーク特性曲線3と、個別セグメント5の特性曲線7とから得られる。
【0077】
1つの改良形態において、方法を実行するための装置は、装置の領域内に配置された、個別セグメント5及び光起電素子1を測定及び/又は検査するための試験装置をさらに有する(図示せず)。試験装置は、この場合、照明装置9、被覆装置22及び接続要素20並びに/又は輸送ユニット24に動作的に接続される。
【0078】
この例示的実施形態において、光起電素子1は、両端が巻き上げ要素で少なくとも部分的に巻き上げられ得、光起電素子1は、この場合、巻き上げ要素間に配置される。光起電素子1を装置内で照明装置9に対して移動させるために、光起電素子1は、巻き上げられるか又は巻き出される。
【0079】
図5は、本発明による方法を用いて、ダーク特性曲線3及び個別セグメント5の特性曲線7から確認される光起電素子1の全体的特性曲線13の1つの例示的実施形態を示す。同じ及び機能的に均等な要素には、同じ参照符号が付されており、したがって、この点については、上の説明を参照されたい。
【0080】
本発明による方法の原理は、
図5の1つの例示的実施形態に示されており、光起電素子1の全体的特性曲線13は、個別セグメント5の特性曲線7及び光起電素子1のダーク特性曲線3から合成される。光起電素子1の光活性領域の長さは、1934mmであり、光起電素子1は、光起電素子1の両端のセグメント5が100mm及び16mmで形成されるように個別セグメント5に分割され、これは、各々の長さが303mmの中間の6つのセグメント5より幾分短い。
【0081】
図5Aでは、ダーク特性曲線3と、光起電素子1が照明された個別セグメント5の全ての特性曲線7とがプロットされている。明瞭にするために、拡大部分は、相互に近いセグメント5の特性曲線7のプロファイルを示す。
【0082】
図5Bでは、照明下での個別セグメント5の全ての特性曲線7(
図5Aを参照されたい)から確認された光電流がプロットされており、光起電素子1のダーク特性曲線3の光電流は、照明された個別セグメント5の特性曲線7の光電流から差し引かれており、それにより個別セグメント5の光電流I
Ph,s(V)が得られる。明瞭にするために、拡大部分は、相互に近いセグメント5の光電流のプロファイルを示す。
【0083】
図5Cでは、光起電素子1のダーク特性曲線3、個別セグメント5の全ての光部電流の合計(
図5Bを参照されたい)及びこれらから合成される光起電素子1の全体的特性曲線13がプロットされている。
【0084】
光起電素子1は、2つの電流電圧特性曲線、すなわちダーク特性曲線3 ID(V)及び照明下での特性曲線I(V)によって説明され得る。光起電素子1が照明されて得られた電流は、光電流IPh(V)であり、
I(V)=ID(V)+IPh(V) (1)
である。
【0085】
光起電素子1の全体的特性曲線13は、個別セグメント5の特性曲線7から合成され得、光起電素子1の個別セグメント5から確認された個別セグメント5の光電流I
Ph,S(V)は、特に合計されて、光起電素子1の全体的光電流I
Ph(V)が得られる。
【数1】
【0086】
完全に照明された光起電素子1の全体的特性曲線I(V)は、したがって、光起電素子の照明された個別セグメント5の測定された特性曲線7 I
s(V)及びダーク特性曲線3 I
D(V)から合成され得る。
【数2】
式中、nは、個別セグメント5の数である。ダーク特性曲線3 I
D(V)は、全ての測定について同じである。
【0087】
理想的ではない条件下では、ダーク特性曲線3及び/又は個別セグメント5の特性曲線7を測定する際、干渉周囲光、特に散乱光が存在する。その結果、ダーク特性曲線3を測定する際、光起電素子1は、完全には暗くならず、その結果、少なくとも部分的に周囲光からの追加の電流が生じ、及び/又は追加の周囲光による照明下で個別セグメント5の特性曲線7を測定する際に追加の光電流が存在し、それは、確認された光電理由を歪め、特にそれを同じ程度まで歪める。本発明の1つの改良形態において、周囲光からさらに得られるこの光電流は、ダーク特性曲線3及び/又は個別セグメント5の特性曲線7の確認時、それぞれさらなる特性曲線17を合計することによって考慮に入れられ、それから光電流IPh,amb(V)が周囲光に応じて確認される。
【0088】
ダーク特性曲線3の特定中、個別セグメント5が例えば周囲光、特に散乱光によって完全に暗くされない場合、さらなる光電流IPh,amb(V)が周囲光に応じて流れ、それが合計されて、個別セグメント5を照明することによる取得光電流が得られる。
I(V)=ID(V)+IPh(V)+IPh,amb(V) (4)
【0089】
照明された個別セグメント5の特性曲線7 I(V)は、以下の式:
【数3】
から得られ、式中、I
amb.S(V)は、周囲光下で特定された特性曲線7 I(V)である。
I
amb.S(V)=I
D(V)+I
Ph,amb(V) (6)
【0090】
光起電素子1の全体的特性曲線13 I(V)は、特定の照明(1000W/m2)下及び周囲光下の不特定の照明で照明された個別セグメント5から得ることができる。光起電素子1の1つのダーク特性曲線3 ID(V)のみがあれば、光起電素子1の全体的特性曲線13を確認できる。このダーク特性曲線3は、すでに利用可能であるか、又は方法において全体的特性曲線13がステップe)で確認される前の時点で測定されるデータの何れかから提供され得る。ダーク特性曲線3は、各個別セグメント5について測定される必要はない。
【0091】
各個別セグメント5の電流は、
IS(V)=ID(V)+IPh(V)+IPh,amb(V) (7)
である。
【0092】
光起電素子1の全体的電流は、したがって、
I(V)=ID(V)+ΣS[IS(V)-Iamb,s(V)] (8)
である。
【0093】
図6は、本発明による方法において光起電素子1を分割する際の個別セグメント5の位置決めの影響の例示的実施形態を示す。同じ及び機能的に均等な要素には、同じ参照符号が付されており、したがって、この点については、上の説明を参照されたい。
【0094】
光起電素子1を分割する際の個別セグメント5の位置決めの影響を調査した。個別セグメント5のそれぞれの特性曲線7及び個別セグメント5の位置決めが異なる光起電素子1の全体的特性曲線13が
図6A及び
図6Bに示されている。
図6Aにおいて、第一のセグメント5の長さは、100mmであり、次の6つのセグメント5の各々の長さは、303mmであり、最後のセグメント5の長さは、16mmである。
図6Bにおいて、第一のセグメント5の長さは、296mmであり、次の5つのセグメント5の各々の長さは、303mmであり、最後のセグメント5の長さは、127mmである。
【0095】
光起電素子1を分割する際の個別セグメント5の何れの位置決めでも、得られた特性曲線13は、それぞれの基準特性曲線に対応する。基準特性曲線は、光起電素子1の全体的特性曲線13を、フルフラッシュと呼ばれる、その長さ全体にわたる完全な照明によって測定することによって得た。本発明による方法において、何れの位置決めでも基準特性曲線が再現され、得られた2つの全体的特性曲線13のプロファイルの偏差は、何れの場合にも基準特性曲線と比較して1%を超えない。本発明による方法は、したがって、光起電素子1を分割する際の個別セグメント5の位置決めに概ね依存しない。
【0096】
図7は、本発明による方法において光起電素子1を分割する際のセグメント5の長さの影響の例示的実施形態を示す。同じ及び機能的に均等な要素には、同じ参照符号が付されており、したがって、この点については、上の説明を参照されたい。
【0097】
個別セグメント5の長さ、特に個別セグメント5の大きさの影響を調査した。本発明による方法に従い、光起電素子1をそれぞれ長さ10cm、20cm、30cm、60cm及び2mのセグメント5に分割し、測定した。
【0098】
光起電素子1の開回路電圧V
oc及びフィルファクタFFを、セグメント5の長さに応じて最終的な全体的特性曲線13から計算した。得られた値を、その長さ全体にわたる完全な照明によって得られた光起電素子1の全体的特性曲線及びそれから計算された開回路電圧V
oc及びフィルファクタFFと比較した。光起電素子1のその全長にわたる完全な照明と比較した本発明による測定結果の偏差DV
oc及びDFFが
図7にプロットされている。開回路電圧V
ocは、少なくとも20cmのセグメント5の長さで1%未満であり、フィルファクタの偏差は、少なくとも20cmのセグメント5の長さで1.2%未満である。10cmの個別セグメント5の長さも依然として小さい偏差を示し得る。
【0099】
セグメント5、特にセグメント5の面積を自由に小さくできるわけではなく、それは、10cm未満のセグメント5の長さでは、偏差DVoc及びDFFが有意に増大するからである。本発明による方法によれば、20cm以上の長さのセグメント5で、光起電素子1のその全長にわたる完全な照明で得られる値を非常によく再現しており、これは、特に長さ60cmを超えるセグメント5に当てはまる。