(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-16
(45)【発行日】2025-12-24
(54)【発明の名称】コンテナ用冷凍装置
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20251217BHJP
【FI】
F25D11/00 101D
(21)【出願番号】P 2023088879
(22)【出願日】2023-05-30
【審査請求日】2024-03-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若園 直樹
(72)【発明者】
【氏名】武内 隆司
【審査官】木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-139234(JP,A)
【文献】特開2015-074236(JP,A)
【文献】特開2020-142658(JP,A)
【文献】特開昭53-032455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
F24F 1/00-13/32
B60H 1/00- 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(25)、放熱器(26)、膨張機構(31)、蒸発器(29)を有し、蒸発器(29)によってコンテナ(1)の庫内を冷却する冷却動作を行う冷却ユニット(10A)と、
庫外空気を前記コンテナ(1)の庫内に供給する換気装置(40) と、
前記冷却ユニット(10A)および前記換気装置(40)を制御する制御部(100)とを備え、
前記制御部(100)は、前記冷却動作において、庫内温度と目標温度との差が大きいほど前記圧縮機(25)の回転数を増大させるように構成され、
前記制御部(100)は、
コンテナ用冷凍装置(10)を起動してからの最初の冷却動作であり、且つ庫内空気の温度が目標温度となるサーモオフ状態に至るまでに実行される冷却動作であるプルダウン動作を行うように構成され、
前記コンテナ用冷凍装置(10)を起動してから、
前記プルダウン動作の開始までの第1期間において、庫外空気の温度が庫内空気の温度より低い第1条件が成立すると、前記換気装置(40)により庫外空気を庫内に供給する換気動作を開始させ、
前記プルダウン動作中には、前記換気動作を実行させない
コンテナ用冷凍装置。
【請求項2】
圧縮機(25)、放熱器(26)、膨張機構(31)、蒸発器(29)を有し、蒸発器(29)によってコンテナ(1)の庫内を冷却する冷却動作を行う冷却ユニット(10A)と、
庫外空気を前記コンテナ(1)の庫内に供給する換気装置(40)と、
前記冷却ユニット(10A)および前記換気装置(40)を制御する制御部(100)とを備え、
前記制御部(100)は、コンテナ用冷凍装置を起動した後の最初の前記冷却動作の開始から前記圧縮機(25)の回転数が所定値に至るまでの第2期間において、庫外空気の温度が庫内空気の温度より低い第1条件が成立すると、前記換気装置(40)により庫外空気を庫内に供給する換気動作を開始させ、
前記所定値は、前記冷却動作を開始して前記圧縮機(25)の回転数を増大させる際の目標値である
コンテナ用冷凍装置。
【請求項3】
前記制御部(100)は、前記第1期間または前記第2期間において、庫内空気の温度と庫外空気の温度との差が所定値以下である第2条件が成立すると、前記換気動作を停止させる
請求項1または2に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項4】
前記制御部(100)は、前記第1期間において、前記第2条件が成立すると、前記換気動作を停止させ前記最初の冷却動作を開始させる
請求項3に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項5】
前記換気装置(40)は、
庫外空気を庫内に供給するための給気通路(41)と、
前記給気通路(41)の開度を調整する開度調節機構(45)とを有し、
前記制御部(100)は、前記換気動作において、前記給気通路(41)を全開に近づけるように開度調節機構(45)を制御する
請求項4に記載のコンテナ用冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンテナ用冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、コンテナ用冷凍装置を開示する。コンテナ用冷凍装置は、食品などの対象物を搬送するコンテナに適用され、コンテナの庫内を冷却する冷却動作を行う。特許文献1の段落0099には、冷却動作によって庫内の温度が所定温度に至ると、圧縮機が停止し、換気装置が庫外空気を庫内に導入する動作を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のようなコンテナ用冷凍装置では、コンテナ用冷凍装置を起動してから最初の冷却動作のときの庫内の冷却負荷が大きくなる。コンテナ用冷凍装置の起動時には庫内の空気の温度が比較的高いが、この空気の温度を、対象物を冷やすための温度まで下げる必要があるからである。
【0005】
本開示は、コンテナ用冷凍装置を起動してから最初の冷却動作における冷却負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、コンテナ用冷凍装置を対象とする。コンテナ用冷凍装置は、圧縮機(25)、放熱器(26)、膨張機構(31)、蒸発器(29)を有し、蒸発器(29)によってコンテナ(1)の庫内を冷却する冷却動作を行う冷却ユニット(10A)と、庫外空気をコンテナ(1)の庫内に供給する換気装置(40) と、冷却ユニット(10A)および換気装置(40) を制御する制御部(100)とを備える。制御部(100)は、コンテナ用冷凍装置(10)を起動してから、最初の冷却動作の開始までの第1期間、または最初の前記冷却動作の開始から圧縮機(25)の回転数が所定値に至るまでの第2期間において、庫外空気の温度が庫内空気の温度より低い第1条件が成立すると、換気装置(40) により庫外空気を庫内に供給する換気動作を開始させる。
【0007】
第1の態様では、コンテナ用冷凍装置(10)は、第1期間または第2期間において、庫外空気の温度が庫内空気の温度より低い第1条件が成立すると、換気装置(40)の換気動作を開始させる。第1期間は、コンテナ用冷凍装置を起動してから最初の冷却運転の開始までの期間である。第1期間では、コンテナ(1)内の空気が未だ冷却されていないので、庫内空気の温度が比較的高い。このため、コンテナ(1)内の冷却負荷が比較的高い。さらに、第1期間では、日射によるコンテナ(1)への輻射熱の影響などにより、庫内空気の温度が庫外空気よりも高くなることがあり、第1条件が成立する可能性が高くなる。そこで、第1の態様では、制御部(100)は、第1期間において第1条件が成立すると、換気動作により、庫外空気をコンテナ(1)の庫内に供給する換気動作を開始させる。これにより、冷却動作を開始する前に、庫外空気を利用してコンテナ(1)内の冷却負荷を軽減できる。
【0008】
第2期間は、コンテナ用冷凍装置を起動した後の最初の冷却運転の開始から圧縮機(25)の回転数が所定値に至るまでの期間である。第2期間では、コンテナ(1)内の空気が未だ十分に冷却されていないので、庫内空気の温度が比較的高い。このため、コンテナ(1)内の冷却負荷が比較的高い。第2期間においても、日射によるコンテナ(1)への輻射熱の影響などにより、庫内空気の温度が庫外空気よりも高くなり、第1条件が成立する可能性が高くなる。そこで、第1の態様では、制御部(100)は、第2期間において第1条件が成立すると、換気動作により、庫外空気をコンテナ(1)の庫内に供給する換気動作を開始させる。これにより、冷却動作が開始してから庫内空気の温度が十分に下がる前に、庫外空気を利用してコンテナ(1)内の冷却負荷を軽減できる。
【0009】
第2の態様は、第1の態様において、制御部(100)は、第1期間または第2期間において、庫内空気の温度と庫外空気の温度との差が所定値以下である第2条件が成立すると、換気動作を停止させる。
【0010】
第2の態様では、第1期間や第2期間において、庫内空気の温度と庫外空気の温度との差が所定値以下であると、制御部(100)は、換気動作を停止させる。これにより、室外空気により庫内を十分に冷却できない条件下において、換気動作が過剰に行われることを抑制できる。
【0011】
第3の態様は、第2の態様において、制御部(100)は、第1期間において、第2条件が成立すると、換気動作を停止させ最初の冷却動作を開始させる。
【0012】
第3の態様では、第2条件が成立すると冷却動作を開始するので、コンテナの庫内を速やかに冷却できる。このとき、換気動作は行われないので、冷却動作中において、換気に伴い庫内の冷却負荷が増大してしまうことを抑制できる。
【0013】
第4の態様は、第3の態様において、換気装置(40) は、庫外空気を庫内に供給するための給気通路(41)と、給気通路(41)の開度を調整する開度調節機構(45)とを有し、制御部(100)は、換気動作において、給気通路(41)を全開に近づけるように開度調節機構(45)を制御する。
【0014】
第4の態様では、開度調節機構(45)により給気通路(41)の開度を調整することで、換気量を細かく調整できる。第1期間において第1条件が成立すると、制御部(100)は、換気動作を行う。このとき、給気通路(41)の開度が大きくなるので、庫内に供給される庫外空気の量を最大限確保できる。その結果、第2条件が速やかに成立するので、最初の冷却動作を速やかに開始させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態に係るコンテナ用冷凍装置を前面から見る斜視図である。
【
図2】
図2は、コンテナ用冷凍装置の縦断面図である。
【
図3】
図3は、コンテナ用冷凍装置の配管系統図である。
【
図4】
図4は、換気装置の概略の正面図である。
図4(A)は、蓋が閉位置である状態を、
図4(B)は、蓋が中間位置である状態を、
図4(C)は、蓋が全開位置である状態をそれぞれ示す。
【
図5】
図5は、コンテナ用冷凍装置の主要機器のブロック図である。
【
図6】
図6は、コンテナ用冷凍装置を起動してから冷却動作が開始されるまでの制御フローチャートである。
【
図7】
図7は、冷却運転時の制御フローチャートである。
【
図8】
図8は、変形例1の換気動作に関する制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。各図面は、本開示を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表す場合がある。
【0017】
(1)コンテナ用冷凍装置の全体構成
コンテナ用冷凍装置(10)について説明する。なお、以下の説明における、「前」、「後」、「上」、「下」、「右」、「左」に関する語句は、
図1の矢印で示す方向を基準とする。
【0018】
図1および
図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、コンテナ(1)に設けられる。コンテナ(1)は、海上輸送に用いられる。コンテナ(1)は、その内部の空気を冷却する冷凍コンテナである。コンテナ(1)は、コンテナ本体(2)と、コンテナ用冷凍装置(10)とを有する。コンテナ本体(2)は、食品や植物などの対象物を貯蔵する。コンテナ用冷凍装置(10)は、コンテナ本体(2)の庫内空間(3)の空気を冷却する。
図2に示すように、コンテナ本体(2)の前面には、前面開口(4)が形成される。コンテナ用冷凍装置(10)は、コンテナ本体(2)の前面開口(4)を塞ぐように、コンテナ本体(2)に取り付けられる。
【0019】
図5に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、庫内空間(3)を冷却するための冷却ユニット(10A)と、庫内空間(3)の換気を行うための換気装置(40)とを有する。
【0020】
(2)冷却ユニット
図1および
図2に示すように、冷却ユニット(10A)は、ケーシング(11)を有する。ケーシング(11)は、コンテナ本体(2)の前面開口(4)の蓋を構成する。ケーシング(11)は、ケーシング本体(12)と仕切板(13)とを有する。ケーシング本体(12)は、コンテナ本体(2)の外部空間である庫外空間(5)と、庫内空間(3)とを仕切る。仕切板(13)は、ケーシング(11)の背面側(後側)に位置する。
【0021】
冷却ユニット(10A)は、庫外に配置される機器として、圧縮機(25)、庫外熱交換器(26)、および庫外ファン(27)を有する。冷却ユニット(10A)は、庫内に配置される機器として、庫内熱交換器(29)および庫内ファン(30)を有する。
【0022】
(2-1)ケーシング本体
図2に示すように、ケーシング本体(12)は、平板部(12a)と凹部(12b)とを有する。平板部(12a)は、ケーシング(11)の前面開口(4)と略面一になるようにケーシング本体(12)の上部に形成される。
図1に示すように、平板部(12a)には、点検窓(22)が設けられる。点検窓(22)は、平板部(12a)の右寄りの部分に配置される。点検窓(22)は、ケーシング本体(12)の内部を確認するための透明の窓である。
【0023】
凹部(12b)は、ケーシング(11)の下部に形成される。凹部(12b)は、平板部(12a)の下端から後方に向かって凹んでいる。凹部(12b)の前側には、庫外収容空間(14)が形成される。凹部(12b)の上方であって平板部(12a)と仕切板(13)の間には、庫内収容空間(15)が形成される。凹部(12b)の下端は、底板(12c)を構成する。底板(12c)は、ケーシング本体(12)の左右の両端に亘って延びている。
【0024】
ケーシング本体(12)は、庫外ケーシング(16)と、断熱層(17)と、庫内ケーシング(18)とが厚さ方向(前後方向)に積層されて構成される。庫外ケーシング(16)は、庫外空間(5)に面している。庫内ケーシング(18)は、庫内に面している。断熱層(17)は、庫外ケーシング(16)と庫内ケーシング(18)との間に設けられる。庫外ケーシング(16)は、アルミニウム材料によって構成される。庫内ケーシング(18)は、強化繊維プラスチック(FRP)によって構成される。断熱層(17)は、発泡樹脂によって構成される。
【0025】
(2-2)仕切板および空気通路
図2に示すように、仕切板(13)は、凹部(12b)の後側に位置する板状の部材である。仕切板(13)は、凹部(12b)の後面と所定の間隔を置くように上下方向に延びている。ケーシング本体(12)と仕切板(13)との間には、庫内空気が流れる内部通路(19)が形成される。仕切板(13)の上端とコンテナ本体(2)の上壁(2a)との間には、流入口(20)が形成される。流入口(20)は、庫内空間(3)と内部通路(19)の流入端とを連通する。仕切板(13)の下端とコンテナ本体(2)の下壁(2b)との間には、流出口(21)が形成される。流出口(21)は、庫内空間(3)と内部通路(19)の流出端とを連通する。
【0026】
(2-3)庫外空間の機器
庫外収容空間(14)には、圧縮機(25)と、庫外熱交換器(26)と、庫外ファン(27)とが設けられる。圧縮機(25)は、ケーシング(11)の底板(12c)の上に設置される。圧縮機(25)は、庫外収容空間(14)の下部寄りに配置される。圧縮機(25)は、庫外収容空間(14)の右寄りに配置される。
【0027】
庫外ファン(27)は、庫外収容空間(14)における上部寄りに位置する。庫外ファン(27)は、プロペラファンによって構成される。
図2に示すように、庫外ファン(27)の裏側には、庫外空気が流れる外部通路(28)が形成される。
【0028】
庫外熱交換器(26)は、庫外収容空間(14)において、庫外ファン(27)と圧縮機(25)の間の高さ位置に設けられる。庫外熱交換器(26)は、外部通路(28)に位置する。庫外熱交換器(26)は、フィンアンドチューブ式の熱交換器である。
【0029】
(2-4)庫内空間の機器
庫内収容空間(15)には、庫内熱交換器(29)と、庫内ファン(30)とが設けられる。庫外熱交換器(26)は、ケーシング本体(12)と仕切板(13)とに亘るようにケーシング(11)に支持される。庫内熱交換器(29)は、フィンアンドチューブ式の熱交換器である。
【0030】
(2-5)冷媒回路
図3に示すように、冷却ユニット(10A)は、冷媒回路(R)を有する。冷媒回路(R)には、冷媒が充填される。冷媒回路(R)は、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。冷媒回路(R)の冷媒は、例えば自然冷媒であるプロパンや二酸化炭素が用いられる。
【0031】
冷媒回路(R)は、主として、圧縮機(25)と、庫外熱交換器(26)と、膨張弁(31)と、庫内熱交換器(29)とを有する。
【0032】
圧縮機(25)は、吸入した冷媒を圧縮する。圧縮機(25)は、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(25)の吐出部には、吐出管(32)が接続される。圧縮機(25)の吸入部には、吸入管(33)が接続される。吸入管(33)には、アキュムレータ(34)が設けられる。アキュムレータ(34)は、液冷媒を貯める容器である。
【0033】
庫外熱交換器(26)は、その内部を流れる冷媒と、庫外空気とを熱交換させる。庫外熱交換器(26)のガス端は、吐出管(32)と連通する。庫外熱交換器(26)の液端は、液管(35)を介して庫内熱交換器(29)の液端と接続する。庫外熱交換器(26)は、冷媒が空気へ放熱する放熱器(凝縮器)として機能する。
【0034】
膨張弁(31)は、液管(35)に設けられる。膨張弁(31)は、高圧冷媒を低圧冷媒まで減圧する膨張機構である。膨張弁(31)は、開度が調整可能な電子膨張弁である。膨張機構は、キャピラリーチューブや、膨張機であってもよい。液管(35)における庫外熱交換器(26)と膨張弁(31)との間には、レシーバ(36)が設けられる。レシーバ(36)は、冷媒回路(R)の余剰の冷媒を貯める容器である。
【0035】
庫内熱交換器(29)は、その内部を流れる冷媒と、庫内空気とを熱交換させる。庫内熱交換器(29)のガス端は、吸入管(33)と連通する。庫内熱交換器(29)は、冷媒が空気から吸熱する蒸発器として機能する。
【0036】
冷媒回路(R)は、バイパス管(37)を有する。バイパス管(37)の流入端は、吐出管(32)と連通し、バイパス管(37)の流出端は、液管(35)と連通する。バイパス管(37)は、圧縮機(25)から吐出された冷媒を、庫外熱交換器(26)をバイパスして庫内熱交換器(29)に送る。
【0037】
冷媒回路(R)には、第1弁(38)と第2弁(39)とが設けられる。第1弁(38)は、圧縮機(25)の吐出側と庫外熱交換器(26)のガス端との間で、且つバイパス管(37)の接続部よりも下流側に設けられる。第2弁(39)は、バイパス管(37)に設けられる。第1弁(38)および第2弁(39)は、電磁開閉弁で構成される。第1弁(38)や第2弁(39)は、開度が調節可能な流量調節弁であってもよい。
【0038】
(2-6)運転動作
コンテナ用冷凍装置(10)は、冷却運転とデフロスト運転とを行う。冷却運転は、ユーザなどが操作部(110)を操作するにより実行される運転モードである。
【0039】
冷却運転時には、圧縮機(25)で圧縮された冷媒が、庫外熱交換器(26)で凝縮し、膨張弁(31)で減圧され、庫内熱交換器(29)で蒸発する冷凍サイクルが行われる。庫内空間(3)から内部通路(19)に流出した空気は、蒸発器として機能する庫内熱交換器(29)で冷却される。冷却された空気は、庫内空間(3)に送られる。
【0040】
デフロスト運転時には、圧縮機(25)で圧縮された冷媒が、バイパス管(37)を流れて、庫内熱交換器(29)を流れる。庫内熱交換器(29)の表面の霜は、庫内熱交換器(29)の内部を流れる冷媒の熱によって融ける。
【0041】
(3)換気装置
換気装置(40)の構成について
図1、
図2、および
図4を参照しながら説明する。換気装置(40)は、コンテナ本体(2)の庫内空間(3)を換気する。本実施形態の換気装置(40)は、室外空気である庫外空気を庫内空間(3)に供給する給気の機能と、庫内空気を庫外空間(5)へ排出する排気の機能とを有する。
【0042】
図1に示すように、換気装置(40)は、ケーシング本体(12)の平板部(12a)の左寄りの部分に配置される。
図2に示すように、換気装置(40)は、ケーシング本体(12)の前面に形成される換気取付口(6)に設けられる。換気取付口(6)は、ケーシング本体(12)を前後に貫通する。換気取付口(6)は、庫外ケーシング(16)、断熱層(17)、および庫内ケーシング(18)に亘って形成される。
【0043】
換気装置(40)の内部には、給気通路(41)と排気通路(42)とが形成される。給気通路(41)および排気通路(42)は、庫内空間(3)と庫外空間(5)とを連通する。具体的には、給気通路(41)の流入端は、庫外空間(5)と連通する。給気通路(41)の流出端は、内部通路(19)における庫内ファン(30)の一次側(上流側)と連通する。排気通路(42)の流入端は、内部通路(19)における庫内ファン(30)の二次側(下流側)と連通する。排気通路(42)の流出端は、庫外空間(5)と連通する。
【0044】
換気装置(40)は、換気ファンを有する。換気ファンは、上述した庫内ファン(30)によって構成される。本実施形態の庫内ファン(30)は、換気装置(40)と冷却ユニット(10A)に兼用される。庫内ファン(30)が駆動されると、庫外空間(5)の庫外空気が給気通路(41)を通じて庫内空間(3)へ供給される。同時に、庫内空間(3)の庫内空気が排気通路(42)を通じて庫外空間(5)へ排出される。
【0045】
図2および
図4に示すように、給気通路(41)における庫外空間(5)側の端部には、給気連通口(41a)が形成される。排気通路(42)における庫外空間(5)側の端部には、排気連通口(42a)が形成される。
【0046】
図2に示すように、換気装置(40)は、モータ(43)と、モータ(43)に回転駆動される駆動軸(44)と、駆動軸(44)に連結する開閉蓋(45)とを有する。モータ(43)および駆動軸(44)は、換気装置(40)のケーシング内に収容される。モータ(43)は、ステッピングモータで構成される。駆動軸(44)は、モータ(43)に直接連結される。駆動軸(44)は、ピニオンやギアを介してモータ(43)と間接的に連結されてもよい。
【0047】
開閉蓋(45)は、駆動軸(44)の前側に設けられる。開閉蓋(45)は、駆動軸(44)の軸心を中心として回転可能に構成される。開閉蓋(45)は、その回転角度に応じて給気通路(41)および排気通路(42)を開閉する。開閉蓋(45)は、給気通路(41)および排気通路(42)の開度を調節する開度調節機構を構成する。
【0048】
図4に示すように、開閉蓋(45)には、給気開口(46)と排気開口(47)とが形成される。給気開口(46)は、給気連通口(41a)と連通可能に構成される。排気開口(47)は、排気連通口(42a)と連通可能に構成される。
【0049】
具体的には、開閉蓋(45)が
図4(A)に示す第1回転角度(閉位置)にあるときには、給気連通口(41a)の全体が開閉蓋(45)に覆われ、且つ排気連通口(42a)の全体が開閉蓋(45)に覆われる。このため、給気通路(41)および排気通路(42)が全閉状態となる。
【0050】
開閉蓋(45)が
図4(C)に示す第2回転角度(全開位置)にあるときには、給気連通口(41a)の全体が給気開口(46)と重なり、且つ排気連通口(42a)の全体が排気開口(47)と重なる。このため、給気通路(41)および排気通路(42)が全開状態となる。
【0051】
開閉蓋(45)が
図4(B)に示す第3回転角度(中間位置)にあるときには、給気連通口(41a)の一部が給気開口(46)と軸方向に重なり、且つ排気連通口(42a)の一部が排気開口(47)と軸方向に重なる。中間位置は、閉位置と全開位置との間の位置である。このため、給気通路(41)および排気通路(42)の開度は、全開状態より小さい開度となる。
【0052】
開閉蓋(45)の回転角度が、閉位置から全開位置までの間で調節されることで、給気通路(41)および排気通路(42)の開度が調節され、さらには換気装置(40)の換気量が調節される。
【0053】
(4)センサ
コンテナ用冷凍装置(10)は、複数のセンサを有する。
図2および
図5に示すように、複数のセンサは、庫内温度センサ(51)と、庫外温度センサ(52)とを含む。
【0054】
庫内温度センサ(51)は、コンテナ(1)内の庫内空気の温度(以下、庫内温度(Ti)ともいう)を検出する。庫内温度センサ(51)は、内部通路(19)における庫内ファン(30)よりも空気流れの上流側に配置される。庫内温度センサ(51)は、内部通路(19)の流入口(20)付近に配置される。
【0055】
庫外温度センサ(52)は、コンテナ(1)外の庫外空気の温度(以下、庫外温度(To)ともいう)を検出する。庫外温度センサ(52)は、外部通路(28)における庫外熱交換器(26)よりも空気流れの上流側に配置される。庫外温度センサ(52)は、外部通路(28)の流入口付近に配置される。
【0056】
(5)制御部および操作部
図5に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、制御部(100)を有する。制御部(100)は、冷却ユニット(10A)および換気装置(40)を制御する。制御部(100)は、マイクロプロセッサ(Micro Processor)、電気回路、電子回路を含む。マイクロプロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、通信インターフェース、アナログ入出力、および接点入出力インターフェースを含む。メモリには、CPUが実行するための各種のプログラム、およびプログラムが使用するデータが記憶されている。
【0057】
制御部(100)は、冷却ユニット(10A)の各機器を制御する。具体的には、制御部(100)は、圧縮機(25)の回転数、庫内ファン(30)の回転数、庫外ファン(27)の回転数、膨張弁(31)の開度などを制御する。制御部(100)は、換気装置(40)のモータ(43)を制御する。制御部(100)は、開閉蓋(45)の回転角度、すなわち、換気装置(40)の給気通路(41)や排気通路(42)の開度を調整する。
【0058】
図5に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、操作部(110)を有する。操作部(110)は、例えばコンテナ用冷凍装置(10)に設けられるタッチパネル、リモートコントローラ、スイッチなどで構成される。操作部(110)は、ネットワークを介してコンテナ用冷凍装置(10)と接続する通信端末であってもよい。ユーザが操作部(110)を操作することで、コンテナ用冷凍装置(10)の運転モードを切り換えたり、各運転モードの設定値を変更したりできる。設定値は、庫内空間(3)の目標温度を含む。
【0059】
(6)電源
図5に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、電源(120)を有する。電源(120)は、コンテナ用冷凍装置(10)を起動させるための主電源である。電源(120)は、コンテナ用冷凍装置(10)に内蔵されるバッテリであってもよいし、輸送体の電力供給原や商用電源から電力が供給される二次電源であってもよい。電源(120)がON状態になると、コンテナ用冷凍装置(10)が起動する。コンテナ用冷凍装置(10)が起動すると、電源(120)とコンテナ用冷凍装置(10)の各機器が通電可能な状態になる。ここでいう各機器は、圧縮機(25)、庫内ファン(30)、庫外ファン(27)、膨張弁(31)、換気装置(40)のモータ(43)、制御部(100)、および操作部(110)を含む。この状態で、制御部(100)に運転指令が入力されることで、上述した冷却運転などが開始される。
【0060】
(7)プルダウン動作時の冷却負荷の課題
上述した冷却運転では、蒸発器である庫内熱交換器(29)によってコンテナ(1)の庫内を冷却する冷却動作が行われる。コンテナ用冷凍装置(10)を起動した後の最初の冷却動作では、比較的高い庫内空気の温度を、対象物を保管するための目標温度まで下げる必要がある。以下、最初の冷却動作のことを「プルダウン動作」ともいう。プルダウン動作により庫内空気の温度が目標温度に至ると、プルダウン動作が終了し、いわゆるサーモオフ状態になる。その後、庫内空気の温度が高くなると、再び冷却動作が行われる。プルダウン動作は、コンテナ(1)の庫内空間(3)に対象物を入れてから最初に実行される冷却動作といえる。プルダウン動作は、コンテナ用冷凍装置(10)を起動してから最初にサーモオフ状態に至るまでに実行される冷却動作ともいえる。
【0061】
プルダウン動作では、庫内空気の温度を低下させる温度幅が大きいので、2回目以降の冷却動作と比較して冷却負荷が大きい。加えて、コンテナ(1)は室外に設置されるので、日射に起因する輻射熱の影響により、庫内空気の温度がさらに高くなることがある。このため、プルダウン動作において冷却負荷を処理するための消費電力が大きくなるという課題がある。
【0062】
(8)換気動作
上述した課題を解決するために、本実施形態の制御部(100)は、コンテナ用冷凍装置(10)を起動してから最初の冷却動作の開始までの第1期間において、庫外空気の温度が庫内空気より低い第1条件が成立すると、換気装置(40)により庫外空気を庫内に供給する換気動作を行う。この制御について詳細に説明する。
図6は、コンテナ用冷凍装置(10)の起動から冷却運転を開始するまでの間の制御の概要を示すフローチャートであり、
図7は、冷却運転の制御の概要を示すフローチャートである。
【0063】
図6に示すように、ステップS11では、コンテナ用冷凍装置(10)が起動する。具体的には、ユーザなどが操作部(110)を操作することにより、コンテナ用冷凍装置(10)の電源(120)がON状態になるとコンテナ用冷凍装置(10)が起動する。ステップS11においては、未だコンテナ用冷凍装置(10)のプルダウン動作は実行されていない。
【0064】
ステップS12では、制御部(100)は、冷却運転の開始指令の有無を判定する。ユーザが操作部(110)を操作し、冷却運転を選択すると、操作部(110)から制御部(100)に冷却運転の開始指令が入力される。その結果、処理はステップS13に移行する。
【0065】
ステップS13では、庫外温度(To)と庫内温度(Ti)との大小の比較が行われる。庫外温度(To)は、庫外温度センサ(52)によって検出される。庫内温度(Ti)は、庫内温度センサ(51)によって検出される。制御部(100)は、庫外温度(To)が庫内温度(Ti)より低い第1条件が成立するか否かを判定する。第1条件が成立しない場合、庫外温度(To)が庫内温度(Ti)以上となる。したがって、この場合には、換気動作は実行されず、ステップS17に移行し、冷却運転が開始する。その結果、最初の冷却動作(プルダウン動作)が実行される。
【0066】
ステップS13において、庫外温度(To)が庫内温度(Ti)より低い第1条件が成立する場合、処理はステップS14に移行する。ステップS14では、制御部(100)が換気装置(40)の換気動作を開始させる。具体的には、制御部(100)は、庫内ファン(30)を運転させる。同時に、制御部(100)は、開閉蓋(45)を
図4(C)に示す全開位置に近づくように制御する。言い換えると、制御部(100)は換気装置(40)の給気通路(41)や排気通路(42)を全開に近づくように開閉蓋(45)を制御する。その結果、庫外空間(5)の庫外空気は、給気通路(41)を通じて庫内空間(3)に供給される。庫内空間(3)の庫内空気は、給気通路(41)を通じて庫外空間(5)に排出される。その結果、庫内空間(3)の庫内空気は、庫外空気によって冷却され、庫内空気の温度が低くなる。
【0067】
ステップS15では、制御部(100)は、庫内温度(Ti)と庫外温度(To)との差(ΔT=Ti-To)が所定値A以下である第2条件が成立するか否かを判定する。第2条件が成立すると、処理はステップS16に移行し、制御部(100)は換気動作を終了させる。庫内温度(Ti)と庫外温度(To)との差が小さくなると換気動作による庫内空気の冷却効果を十分に得ることができない。このため、ΔTが所定値A以下である場合に換気動作を終了させることで、過剰な換気動作を抑制できる。所定値Aは0℃であってもよい。この場合、第2条件は、庫内温度(Ti)が庫外温度(To)以下である条件といえる。
【0068】
次いでステップS17では、制御部(100)は、冷却運転を開始させる。ステップS16による換気動作の終了と、ステップS17の冷却運転の開始のタイミングは同じである。このため、第2条件が成立した後、冷却運転を速やかに開始できる。
【0069】
図7に示すように、冷却運転が実行されると、ステップS21において、最初の冷却動作、即ち、プルダウン動作が開始される。冷却動作では、制御部(100)は、庫内温度(Ti)と目標温度(Ts)との差に応じて圧縮機(25)の回転数を制御する。庫内温度(Ti)と目標温度(Ts)との差が大きいほど圧縮機(25)の回転数が大きくなり、この差が小さいほど圧縮機(25)の回転数は小さくなる。上述したように第1期間において、庫内温度(Ti)が庫外温度(To)よりも高い場合、換気動作により庫内空気の温度が低下する。このため、プルダウン動作では、圧縮機(25)の回転数を低減することができ、圧縮機(25)の入力、ひいては消費電力を削減できる。
【0070】
その後、ステップS22において庫内温度(Ti)が目標温度(Ts)に達すると、ステップS23において、制御部(100)はプルダウン動作を終了させる。具体的には、ステップS23において、制御部(100)は圧縮機(25)を停止させ、庫内熱交換器(29)を休止状態とする。言い換えると、制御部(100)は、冷却ユニット(10A)をサーモオフ状態とする。
【0071】
次いで、ステップS24において、庫内温度(Ti)が、目標温度(Ts)に所定値Bを加えた値より大きくなると、処理はステップS21に移行し、制御部(100)は、2回目の冷却動作を実行させる。言い換えると、制御部(100)は、冷却ユニット(10A)をサーモオン状態とする。2回目以降の冷却動作では、庫内温度(Ti)と目標温度(Ts)との差は比較的小さい。したがって、2回目以降の冷却動作の冷却負荷は、プルダウン動作と比べて極めて小さい。
【0072】
冷却動作中や、冷却ユニット(10A)がサーモオフ状態であるときに、制御部(100)に冷却運転の終了指令が入力されると(ステップS25やステップS27のYES)、処理はステップS26に移行し、冷却運転が終了する。
【0073】
(9)実施形態の効果
本実施形態では、制御部(100)は、コンテナ用冷凍装置(10)を起動してから、最初の冷却動作の開始までの第1期間において、庫外空気の温度が庫内空気の温度より低い第1条件が成立すると、換気装置(40) により庫外空気を庫内に供給する換気動作を開始させる。なお、ここでいう「第1期間」は、コンテナ用冷凍装置(10)を起動する時点や、最初の冷却動作の開始時点も含む。
【0074】
第1期間において換気動作を行うことで、プルダウン動作の開始時における庫内温度(Ti)が低くなり、庫内の冷却負荷を低減できる。その結果、プルダウン動作における圧縮機(25)の入力、さらには消費電力を低減できる。その結果、コンテナ用冷凍装置(10)の省エネ性を向上できる。第1期間において換気動作を行う場合、冷却ユニット(10A)の冷却動作による、いわゆる冷熱を庫外に排出することもない。
【0075】
本実施形態では、制御部(100)は、第1期間において、庫内空気の温度と庫外空気の温度との差が所定値A以下である第2条件が成立すると、換気動作を停止させる。これにより、庫外空気による冷却効果が低い条件下において、過剰に換気動作を行うことを抑制できる。特に、庫外空気の温度が庫内空気の温度より低い条件下においては、換気に伴い庫内の冷却負荷が増大してしまうことを抑制できる。
【0076】
本実施形態では、制御部(100)は、第1期間において、第2条件が成立すると、換気動作を停止させ最初の冷却動作を開始させる。これにより、プルダウン動作を速やかに開始することができる。プルダウン動作中には、換気動作が行われないので、換気に伴い冷却負荷が増大してしまうことを回避できる。
【0077】
本実施形態では、制御部(100)は、換気動作において、換気装置(40) の給気通路(41)および排気通路(42)を全開に近づくように開閉蓋(45)を制御する。これにより、換気動作では、換気装置(40)の換気量が大きくなるので、庫内空気の温度を速やかに低減できる。その結果、庫内の冷却負荷を速やかに低減できるとともに、プルダウン動作を速やかに開始できる。
【0078】
(10)変形例
上記実施形態は、以下の変形例の構成としてもよい。以下では、基本的には、上記実施形態と異なる点について説明する。
【0079】
(10-1)変形例1
変形例1の制御部(100)は、上述した実施形態と同様、第1期間において第1条件が成立すると、換気動作を行う。加えて、変形例1の制御部(100)は、第2期間において、庫外空気の温度が庫内空気より低い第1条件が成立すると、換気装置(40)により庫外空気を庫内に供給する換気動作を行う。ここで、コンテナ用冷凍装置を起動した後の最初の冷却運転の開始から圧縮機(25)の回転数が所定値Cに至るまでの期間である。所定値Cは、プルダウン運転を開始して圧縮機(25)の回転数が徐々に増大させる際の目標値である。目標値は、冷却ユニット(10A)の定格能力に対応する回転数であってもよいし、圧縮機(25)の回転数の制御範囲の最大値であってもよい。制御部(100)は、第1期間においては上記実施形態のように換気動作を行わず、第2期間のみ換気動作を行ってもよい。
【0080】
変形例1の換気動作について
図8を参照しながら説明する。ステップS31において、プルダウン動作が開始されると、制御部(100)は、圧縮機(25)を起動する。この際、制御部(100)は、圧縮機(25)の回転数が目標値に至るように、回転数を徐々に増大させる。
【0081】
ステップS32では、制御部(100)は、庫外温度(To)が庫内温度(Ti)より低い第1条件が成立するか否かを判定する。第1条件が成立しない場合、
図7に示す冷却運転に移行する。第1条件が成立する場合、処理はステップS33に移行する。圧縮機(25)の回転数が所定値C以上でない場合(ステップS33のNO)、ステップS34において、制御部(100)は、上記実施形態と同様、換気動作を実行させる。これにより、換気に伴い庫内の冷却負荷を低減できる。
【0082】
次いで、ステップS35において、庫内温度(Ti)と庫外温度との差(ΔT=Ti-To)が所定値A以下である場合、ステップS36において、制御部(100)は、換気動作を終了させる。ここで、所定値Aは、ゼロであることが好ましい。つまり、変形例1の制御部(100)は、庫内温度(Ti)が庫外温度(To)以下である場合、換気動作を終了させる。これにより、冷却動作の開始時において、換気動作に伴い冷却負荷が増大することを回避できる。
【0083】
プルダウン動作の開始時から圧縮機(25)の回転数が所定値Cに至るまでの第2期間は、庫内が十分に冷却されておらず、庫内の冷却負荷は高い状態である。また、庫内温度(Ti)が庫外温度(To)より高くなる可能性がある。したがって、第2期間において第1条件が成立すると換気動作を行うことで、プルダウン動作における庫内の冷却負荷を低減できる。その結果、コンテナ用冷凍装置(10)の消費電力を低減できる。第2期間において換気動作を行う場合、冷却ユニット(10A)の冷却動作による、いわゆる冷熱を庫外に排出することもほとんどない。
【0084】
(10-2)変形例2
実施形態では、第1期間における冷却運転の開始指令が入力された後であって、庫外温度(To)が庫内温度(Ti)より低い場合に、制御部(100)が換気動作を行う。しかしながら、制御部(100)は、第1期間における冷却運転の開始指令が入力される前であって、庫外温度(To)が庫内温度(Ti)より低い場合に、制御部(100)が換気動作を行ってもよい。この場合、その後に、冷却運転の開始指令があったときには、換気動作により庫内温度(Ti)を低下できる。その結果、冷却運転の開始指令があった後には、速やかに第2条件が成立するので、制御部(100)は、速やかに換気動作を終了させ、冷却動作を開始できる。
【0085】
(10-3)変形例3
制御部(100)は、第1期間において第2条件が成立すると、まず換気動作を終了させ、換気動作の終了時点から所定時間が経過してからプルダウン動作を開始させてもよい。この場合、プルダウン動作において換気の影響により庫内の冷却負荷が増大してしまうのを確実に回避できる。
【0086】
(10-4)変形例4
制御部(100)は、冷却運転の開始時において、プルダウン動作の前に、冷媒回路(R)に残留する冷媒を回収する冷媒回収動作や、冷媒回路(R)に残留する油を回収する油回収動作などの予備動作を実行させてもよい。予備動作では、制御部(100)は、圧縮機(25)の回転数を最大回転数より小さい所定値とし、冷媒や油を圧縮機(25)などに戻す。
【0087】
制御部(100)は、このような予備動作中に第1条件が成立する場合に、換気動作を開始させてもよい。予備動作の期間は、コンテナ用冷凍装置(10)を起動してから、最初の冷却動作の開始までの第1期間に含まれる。
【0088】
(10-5)変形例5
制御部(100)は、第1期間や第2期間において、庫外空気の温度(To)が、庫内空気の温度(Ti)から所定値Eを引いた温度(Ti-E)より低い条件が成立する場合に、換気動作を開始させてもよい。この条件が成立する場合、庫外空気の温度(To)は庫内空気の温度(Ti)よりも低くなる。つまり、この条件は第1条件に含まれる。
【0089】
(11)その他の実施形態
上記実施形態や各変形例においては、以下のような構成としてもよい。
【0090】
コンテナ(1)は、海上輸送用でなくてもよく、トレーラなどの車両や鉄道によって搬送される陸上輸送用であってもよい。
【0091】
コンテナ用冷凍装置(10)は、庫内空間(3)の空気の酸素、二酸化炭素、窒素などの組成を調整する空気組成調整装置を有してもよい。空気組成調整装置は、例えばPSA(Pressure Swing Adsorption)や、ガス分離膜を用いて庫内空間(3)の空気を調整する。
【0092】
換気装置(40)は、庫外空間(5)の庫外空気を庫内空間(3)に供給する給気の機能のみを有し、排気の機能は有していなくてもよい。言い換えると、換気装置(40)は、給気通路(41)のみを有し、排気はコンテナ本体(2)に設けられる排気口から自然に行うものであってもよい。
【0093】
換気装置(40)の換気ファンは、庫内ファンとは別の換気専用のファンであってもよい。
【0094】
給気通路(41)や排気通路(42)の開度を調節する開度調節機構は、必ずしも開閉蓋(45)でなくてもよい。開度調節機構は、給気通路(41)や排気通路(42)に設けられるダンパや弁機構であってもよい。
【0095】
上述した実施形態や各変形例の換気動作では、制御部(100)は、換気動作において、給気通路(41)を全開に近づけるよう開度調節機構(45)を制御する。この場合、給気通路(41)の開度は、換気動作において、全開になってもよいし、全開よりも小さい所定の開度になってもよい。給気通路(41)の開度は全体の流路面積に対して50%以上であることが好ましく、さらには90%以上であることが好ましい。さらに、制御部(100)は、換気動作において、給気通路(41)を全開とするように開度調節機構(45)を制御するのが好ましい。これにより、換気動作では、換気装置(40)の換気量が最大になるので、庫内空気の温度を速やかに低減できる。その結果、庫内の冷却負荷を速やかに低減できるとともに、プルダウン動作を速やかに開始できる。
【0096】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【0097】
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上に説明したように、本開示は、コンテナ用冷凍装置について有用である。
【符号の説明】
【0099】
1 コンテナ
10 コンテナ用冷凍装置
10A 冷却ユニット
25 圧縮機
26 庫外熱交換器(放熱器)
29 庫内熱交換器(蒸発器)
31 膨張弁(膨張機構)
40 換気装置
41 給気通路
45 開閉蓋(開度調節機構)
100 制御部