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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-17
(45)【発行日】2025-12-25
(54)【発明の名称】傾き調整装置
(51)【国際特許分類】
   G12B 5/00 20060101AFI20251218BHJP
   B23Q 1/44 20060101ALI20251218BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20251218BHJP
【FI】
G12B5/00 A
B23Q1/44 Z
H01L21/60 311T
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023140354
(22)【出願日】2023-08-30
(65)【公開番号】P2025034151
(43)【公開日】2025-03-13
【審査請求日】2025-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】下山 竜郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 秀和
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-135649(JP,A)
【文献】特開2020-121344(JP,A)
【文献】特開2016-51857(JP,A)
【文献】特開2009-260138(JP,A)
【文献】国際公開第2016/024364(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0094701(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G12B 5/00
B23Q 1/44
H01L 21/50 - 21/607
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1揺動体端面を有するとともに、凸状球面である第2揺動体端面を有する揺動体と、
前記第2揺動体端面に突設されている駆動軸と、
前記第1揺動体端面に取り付けられる第2圧着ツール端面を有するとともに、前記第2圧着ツール端面と異なる端面を第1圧着ツール端面として有する圧着ツールと、
前記第2揺動体端面と係合する凹状球面の第1基台端面を有するとともに、前記第1基台端面と異なる端面を第2基台端面として有し、且つ、前記駆動軸が挿通される挿通孔を画定するとともに前記第2基台端面と前記第1基台端面を繋ぐ基台内周面を有する装置基台と、を有し、
前記第1基台端面に沿って前記第2揺動体端面を揺動させつつ基準面と前記第1圧着ツール端面とが平行となるように前記揺動体の傾きを調整する傾き調整装置であって、
前記駆動軸の軸方向の端部のうち、前記揺動体側の第1駆動軸端部と異なる端部である第2駆動軸端部に設けられ、且つ前記第2基台端面から突出している先端球体部と、
前記第2基台端面側に設けられ、前記先端球体部の位置決めを行う位置決め機構と、
前記基準面に対する前記第1圧着ツール端面の傾斜を測定する傾斜検出センサと、
前記位置決め機構の制御を行う制御装置と、を備え、
前記位置決め機構は、前記第2基台端面に平行な面内における前記先端球体部の位置を変化させるとともに、前記先端球体部を前記第2基台端面に沿って囲むように配置されている複数のアクチュエータを備え、
前記制御装置は、前記複数のアクチュエータを駆動するアクチュエータ制御部を備え、前記傾斜検出センサで測定される結果に基づいて、前記基準面と前記第1圧着ツール端面とが平行となるように前記アクチュエータ制御部が前記複数のアクチュエータを駆動することを特徴とする傾き調整装置。
【請求項2】
前記先端球体部が挿入される挿入孔を画定しつつ前記先端球体部が摺接する内面を有する駆動体を備えるとともに、前記複数のアクチュエータは、前記駆動体を前記第2基台端面に沿って囲むように配置されるとともに、前記駆動体を介して前記第2基台端面に平行な面内における前記先端球体部の位置を変化させる請求項1に記載の傾き調整装置。
【請求項3】
前記駆動体は、前記挿入孔を画定する円筒軸受と、前記円筒軸受を保持する軸受保持部と、を備え、前記円筒軸受の中心軸は、前記装置基台の軸方向に延びる請求項2に記載の傾き調整装置。
【請求項4】
前記円筒軸受は、前記先端球体部の直径よりも小さい内径を有するとともに、前記円筒軸受の内径が拡径可能となるように、前記円筒軸受の軸方向に延びる間隙を有する請求項3に記載の傾き調整装置。
【請求項5】
空気軸受用ポートと、
前記空気軸受用ポートからエアの給排を受ける空気軸受と、を備え、
前記第1基台端面は、前記空気軸受の空気軸受面であり、前記装置基台は、前記揺動体を前記空気軸受面から離間して揺動可能に支持するとともに、前記空気軸受用ポートを介して真空吸引することにより、前記揺動体の傾斜姿勢を固定する請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の傾き調整装置。
【請求項6】
前記駆動体は、前記複数のアクチュエータと、複数のリニアスライド機構を介して連結され、前記位置決め機構は、前記複数のアクチュエータの各々により、前記複数のリニアスライド機構の各々を介して前記駆動体を押し引きすることによって、前記駆動体を移動させる請求項2又は請求項3に記載の傾き調整装置。
【請求項7】
前記複数のアクチュエータとして、4つのベローズアクチュエータを備えるとともに、前記4つのベローズアクチュエータは、対向する2つのベローズアクチュエータにより構成されるベローズアクチュエータ対を2つ形成するとともに、前記2つのベローズアクチュエータ対の各々が、前記駆動体を挟持している請求項2又は請求項3に記載の傾き調整装置。
【請求項8】
前記第2基台端面に取り付けられるとともに、前記4つのベローズアクチュエータを収容する、前記装置基台の軸方向から見て多角形のハウジング部を備え、前記2つのベローズアクチュエータ対の各々の両端部が、前記ハウジング部の各隅に固定されている請求項7に記載の傾き調整装置。
【請求項9】
前記2つのベローズアクチュエータ対のそれぞれが構成する2つの直線が直交するように、前記4つのベローズアクチュエータを配置する請求項8に記載の傾き調整装置。
【請求項10】
前記制御装置は、前記傾斜検出センサにより測定される前記基準面に対する前記第1圧着ツール端面の傾斜に基づいて、前記基準面と前記第1圧着ツール端面とが平行となるために要求される前記4つのベローズアクチュエータの各々に供給する圧力の値を計算する駆動量計算部を備えるとともに、前記アクチュエータ制御部は、前記駆動量計算部の結果に基づいて、前記4つのベローズアクチュエータを駆動する請求項9に記載の傾き調整装置。
【請求項11】
前記駆動軸上であって、前記揺動体と前記先端球体部との間に設けられる中間球部と、
前記基台内周面に沿って前記装置基台の軸方向へ往復動可能に設けられるとともに、前記駆動軸の外面から離間して設けられ、前記駆動軸を囲むロック部材内周面を有するロック部材と、
前記駆動軸が挿通するとともに前記中間球部と係合する内面を有する保持部と、を含むロック機構を備える請求項1~請求項4のうちいずれか一項に記載の傾き調整装置。
【請求項12】
前記ロック機構は、前記ロック部材内周面と前記駆動軸の外面との間に位置するとともに、前記駆動軸から離間して前記駆動軸を囲む支持部材内周面を有する支持部材と、
前記支持部材と前記ロック部材との間をシールする第1シールと、
前記ロック部材と前記装置基台との間をシールする第2シールと、
前記ロック部材と前記装置基台と前記支持部材とにより画定されるロック用エア給排室と、を備え、
前記ロック用エア給排室にエアを給排するロック用ポートと、を含む請求項11に記載の傾き調整装置。
【請求項13】
前記複数のアクチュエータを収容する収容空間と、
前記ロック部材内周面と前記支持部材内周面とが形成するとともに、前記ロック部材と前記保持部の隙間を介して前記収容空間と連通するロック室と、
前記装置基台に設けられ、前記収容空間と連通する換気ポート、空気軸受用ポート、及び前記空気軸受用ポートからエアの給排を受ける空気軸受と、を備え、
前記第1基台端面は、前記空気軸受の空気軸受面であり、前記装置基台は、前記揺動体を前記空気軸受面から離間して揺動可能に支持するとともに、
前記換気ポートは、前記ロック室を介して前記揺動体及び前記空気軸受により形成される隙間と連通するとともに、前記収容空間を介して前記傾き調整装置の外部と連通する請求項12に記載の傾き調整装置。
【請求項14】
前記複数のアクチュエータを収容する収容空間と、
前記ロック部材内周面と前記支持部材内周面とが形成するとともに、前記ロック部材と前記保持部の隙間を介して前記収容空間と連通するロック室と、
前記装置基台に設けられ、前記収容空間と連通する換気ポート、空気軸受用ポート、及び前記空気軸受用ポートからエアの給排を受ける空気軸受と、を備え、
前記第1基台端面は、前記空気軸受の空気軸受面であり、前記装置基台は、前記揺動体を前記空気軸受面から離間して揺動可能に支持するとともに、
前記収容空間は、前記換気ポートを介して、前記装置基台の外部と連通するとともに、前記ロック室を介して前記空気軸受用ポートと連通する請求項12に記載の傾き調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾き調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造装置における、基準ステージにワークを接合する接合装置は、圧着ツール端面を備えるツールと基準ステージとを平行に調整する倣い装置を備える。
例えば、特許文献1は、凹状半球面を有する装置基台と、装置基台の凹状半球面と同じ曲率半径である凸状半球面を有する揺動体及びツールからなる倣い部材と、を備える倣い装置を開示している。また、特許文献1で開示されている倣い装置は、倣い部材と係合する保持部材と、保持部材を介して倣い部材を装置基台へ押し付けるアクチュエータと、を備えている。倣い部材は、凸状半球面と凹状半球面とが重なり合うとともに、凹状半球面に沿って回動可能となるように、装置基台に組み付けられている。倣い装置は、基準ステージの上面に対して、圧着ツール端面であるツールの先端面を押し当てるとともに、装置基台の凹状半球面に沿って倣い部材を回動させることにより、倣い部材を、基準ステージに対して平行となるように倣わせる。また、倣い装置は、基準ステージと平行となった倣い部材を、保持部材を介して、アクチュエータにより装置基台に押し付けることで、倣い部材の倣い状態を保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4081247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の倣い装置では、ツールの先端面と基準ステージとを平行に調整する倣い動作の際に、基準ステージに荷重を発生させる虞がある。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基準面と第1圧着ツール端面とを平行に調整する動作の際に、基準面に荷重を発生させることなく基準面と第1圧着ツール端面とを平行に調整できる傾き調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[態様1]
第1揺動体端面を有するとともに、凸状球面である第2揺動体端面を有する揺動体と、前記第2揺動体端面に突設されている駆動軸と、前記第1揺動体端面に取り付けられる第2圧着ツール端面を有するとともに、前記第2圧着ツール端面と異なる端面を第1圧着ツール端面として有する圧着ツールと、前記第2揺動体端面と係合する凹状球面の第1基台端面を有するとともに、前記第1基台端面と異なる端面を第2基台端面として有し、且つ、前記駆動軸が挿通される挿通孔を画定するとともに前記第2基台端面と前記第1基台端面を繋ぐ基台内周面を有する装置基台と、を有し、前記第1基台端面に沿って前記第2揺動体端面を揺動させつつ基準面と前記第1圧着ツール端面とが平行となるように前記揺動体の傾きを調整する傾き調整装置であって、前記駆動軸の軸方向の端部のうち、前記揺動体側の第1駆動軸端部と異なる端部である第2駆動軸端部に設けられ、且つ前記第2基台端面から突出している先端球体部と、前記第2基台端面側に設けられ、前記先端球体部の位置決めを行う位置決め機構と、前記基準面に対する前記第1圧着ツール端面の傾斜を測定する傾斜検出センサと、前記位置決め機構の制御を行う制御装置と、を備え、前記位置決め機構は、前記第2基台端面に平行な面内における前記先端球体部の位置を変化させるとともに、前記先端球体部を前記第2基台端面に沿って囲むように配置されている複数のアクチュエータを備え、前記制御装置は、前記複数のアクチュエータを駆動するアクチュエータ制御部を備え、前記傾斜検出センサで測定される結果に基づいて、前記基準面と前記第1圧着ツール端面とが平行となるように前記アクチュエータ制御部が前記複数のアクチュエータを駆動することを特徴とする傾き調整装置。
【0006】
[態様2]
前記先端球体部が挿入される挿入孔を画定しつつ前記先端球体部が摺接する内面を有する駆動体を備えるとともに、前記複数のアクチュエータは、前記駆動体を前記第2基台端面に沿って囲むように配置されるとともに、前記駆動体を介して前記第2基台端面に平行な面内における前記先端球体部の位置を変化させる[態様1]に記載の傾き調整装置。
【0007】
[態様3]
前記駆動体は、前記挿入孔を画定する円筒軸受と、前記円筒軸受を保持する軸受保持部と、を備え、前記円筒軸受の中心軸は、前記装置基台の軸方向に延びる[態様2]に記載の傾き調整装置。
【0008】
[態様4]
前記円筒軸受は、前記先端球体部の直径よりも小さい内径を有するとともに、前記円筒軸受の内径が拡径可能となるように、前記円筒軸受の軸方向に延びる間隙を有する[態様3]に記載の傾き調整装置。
【0009】
[態様5]
空気軸受用ポートと、前記空気軸受用ポートからエアの給排を受ける空気軸受と、を備え、前記第1基台端面は、前記空気軸受の空気軸受面であり、前記装置基台は、前記揺動体を前記空気軸受面から離間して揺動可能に支持するとともに、前記空気軸受用ポートを介して真空吸引することにより、前記揺動体の傾斜姿勢を固定する[態様1]~[態様4]のうちいずれか一つに記載の傾き調整装置。
【0010】
[態様6]
前記駆動体は、前記複数のアクチュエータと、複数のリニアスライド機構を介して連結され、前記位置決め機構は、前記複数のアクチュエータの各々により、前記複数のリニアスライド機構の各々を介して前記駆動体を押し引きすることによって、前記駆動体を移動させる[態様2]~[態様5]のうちいずれか一つに記載の傾き調整装置。
【0011】
[態様7]
前記複数のアクチュエータとして、4つのベローズアクチュエータを備えるとともに、前記4つのベローズアクチュエータは、対向する2つのベローズアクチュエータにより構成されるベローズアクチュエータ対を2つ形成するとともに、前記2つのベローズアクチュエータ対の各々が、前記駆動体を挟持している[態様2]~[態様6]のうちいずれか一つに記載の傾き調整装置。
【0012】
[態様8]
前記第2基台端面に取り付けられるとともに、前記4つのベローズアクチュエータを収容する、前記装置基台の軸方向から見て多角形のハウジング部を備え、前記2つのベローズアクチュエータ対の各々の両端部が、前記ハウジング部の各隅に固定されている[態様7]に記載の傾き調整装置。
【0013】
[態様9]
前記2つのベローズアクチュエータ対のそれぞれが構成する2つの直線が直交するように、前記4つのベローズアクチュエータを配置する[態様7]又は[態様8]に記載の傾き調整装置。
【0014】
[態様10]
前記制御装置は、前記傾斜検出センサにより測定される前記基準面に対する前記第1圧着ツール端面の傾斜に基づいて、前記基準面と前記第1圧着ツール端面とが平行となるために要求される前記4つのベローズアクチュエータの各々に供給する圧力の値を計算する駆動量計算部を備えるとともに、前記アクチュエータ制御部は、前記駆動量計算部の結果に基づいて、前記4つのベローズアクチュエータを駆動する[態様7]~[態様9]のうちいずれか一つに記載の傾き調整装置。
【0015】
[態様11]
前記駆動軸上であって、前記揺動体と前記先端球体部との間に設けられる中間球部と、前記基台内周面に沿って前記装置基台の軸方向へ往復動可能に設けられるとともに、前記駆動軸の外面から離間して設けられ、前記駆動軸を囲むロック部材内周面を有するロック部材と、前記駆動軸が挿通するとともに前記中間球部と係合する内面を有する保持部と、を含むロック機構を備える[態様1]~[態様10]のうちいずれか一つに記載の傾き調整装置。
【0016】
[態様12]
前記ロック機構は、前記ロック部材内周面と前記駆動軸の外面との間に位置するとともに、前記駆動軸から離間して前記駆動軸を囲む支持部材内周面を有する支持部材と、前記支持部材と前記ロック部材との間をシールする第1シールと、前記ロック部材と前記装置基台との間をシールする第2シールと、前記ロック部材と前記装置基台と前記支持部材とにより画定されるロック用エア給排室と、を備え、前記ロック用エア給排室にエアを給排するロック用ポートと、を含む[態様11]に記載の傾き調整装置。
【0017】
[態様13]
前記複数のアクチュエータを収容する収容空間と、前記ロック部材内周面と前記支持部材内周面とが形成するとともに、前記ロック部材と前記保持部の隙間を介して前記収容空間と連通するロック室と、前記装置基台に設けられ、前記収容空間と連通する換気ポート、空気軸受用ポート、及び前記空気軸受用ポートからエアの給排を受ける空気軸受と、を備え、前記第1基台端面は、前記空気軸受の空気軸受面であり、前記装置基台は、前記揺動体を前記空気軸受面から離間して揺動可能に支持するとともに、前記換気ポートは、前記ロック室を介して前記揺動体及び前記空気軸受により形成される隙間と連通するとともに、前記収容空間を介して前記傾き調整装置の外部と連通する[態様11]又は[態様12]に記載の傾き調整装置。
【0018】
[態様14]
前記複数のアクチュエータを収容する収容空間と、前記ロック部材内周面と前記支持部材内周面とが形成するとともに、前記ロック部材と前記保持部の隙間を介して前記収容空間と連通するロック室と、前記装置基台に設けられ、前記収容空間と連通する換気ポート、空気軸受用ポート、及び前記空気軸受用ポートからエアの給排を受ける空気軸受と、を備え、前記第1基台端面は、前記空気軸受の空気軸受面であり、前記装置基台は、前記揺動体を前記空気軸受面から離間して揺動可能に支持するとともに、前記収容空間は、前記換気ポートを介して、前記装置基台の外部と連通するとともに、前記ロック室を介して前記空気軸受用ポートと連通する[態様11]又は[態様12]に記載の傾き調整装置。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、基準面と第1圧着ツール端面とを平行に調整する動作の際に、基準面に荷重を発生させることなく基準面と第1圧着ツール端面とを平行に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、傾き調整装置を示す斜視図である。
図2図2は、傾き調整装置を示す鉛直断面図である。
図3図3は、位置決め機構を示す分解図である。
図4図4は、駆動軸と駆動体を示す分解図である。
図5図5は、制御装置と傾斜検出センサと第1~第4ベローズアクチュエータの関係を示すブロック図である。
図6図6は、位置決め機構を示す水平断面図である。
図7図7は、位置決め機構を示す水平断面図である。
図8図8は、傾き調整装置を示す鉛直断面図である。
図9図9は、ロック機構を示す拡大鉛直断面図である。
図10図10は、傾き調整装置の動作を模式的に示す鉛直断面図である。
図11図11は、変更例における位置決め機構の水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、傾き調整装置を具体化した一実施形態を図1図10にしたがって説明する。
<傾き調整装置の全体像>
図1図5に示すように、傾き調整装置100は、圧着部揺動体20と、装置基台30と、ロック機構40と、位置決め機構50と、制御装置70と、傾斜検出センサ80と、を備える。
【0022】
<圧着部揺動体>
図2図4及び図9に示すように、圧着部揺動体20は、ワークを圧着する圧着ツール10と、揺動体21と、駆動軸22と、先端球体部23と、が一体となって形成されている。圧着部揺動体20の圧着部軸LPの延びる方向は、圧着ツール10と、揺動体21と、駆動軸22と、先端球体部23と、が並ぶ方向と一致する。
【0023】
圧着ツール10は、第1圧着ツール端面10a及び第2圧着ツール端面10bの各々を端面として有する柱状である。第1圧着ツール端面10aは、圧着ツール10の軸方向において、第2圧着ツール端面10bの反対面である。したがって、圧着ツール10は、第2圧着ツール端面10bを有するとともに、第2圧着ツール端面10bと異なる端面を第1圧着ツール端面10aとして有する。圧着ツール10は、第1圧着ツール端面10aと後述する基準面Sとが対面するとともに、第2圧着ツール端面10bと後述する第1揺動体端面21aとが対面するように、揺動体21に取り付けられている。つまり、圧着ツール10は、第1揺動体端面21aに取り付けられる第2圧着ツール端面10bを有するとともに、第2圧着ツール端面10bと異なる端面を第1圧着ツール端面10aとして有する。
【0024】
揺動体21は、圧着ツール10が取り付けられる第1揺動体端面21aを有するとともに、凸状球面である第2揺動体端面21bを有する円柱状である。また、揺動体21は、第2揺動体端面21bに、揺動体内周面21cにより画定される揺動体挿入孔21dを有する。揺動体内周面21cには雌ねじが形成されるとともに、後述する駆動軸22の第1駆動軸端部22aに形成される雄ねじが螺合されている。これにより、駆動軸22は、揺動体21の第2揺動体端面21bに突設されている。揺動体21の軸方向は、圧着部軸LPの延びる方向と一致する。揺動体挿入孔21dの軸方向は、揺動体21の軸方向と一致する。第1揺動体端面21aと第2揺動体端面21bは、揺動体21に軸方向において互いに反対側に位置する端面である。
【0025】
駆動軸22は、第1駆動軸端部22aから第2駆動軸端部22bに延びる円柱状である。駆動軸22の軸方向は、圧着部軸LPの延びる方向と一致する。駆動軸22は、第1駆動軸端部22aと第2駆動軸端部22bとの間に中間球部22dを有する。中間球部22dは、駆動軸外周面22cの一部を駆動軸22の径方向に膨出させることで形成されている。中間球部22dは、第2駆動軸端部22bから第1駆動軸端部22aに向かう方向に縮径する凸状半球面を有する。
【0026】
駆動軸22の第2駆動軸端部22bには、先端球体部23が設けられている。つまり、先端球体部23は、駆動軸22の軸方向の端部のうち、揺動体21側の第1駆動軸端部22aと異なる端部である第2駆動軸端部22bに設けられている。また、上記中間球部22dは、駆動軸22上であって、揺動体21と先端球体部23との間に設けられている。先端球体部23は、球状である。先端球体部23の軸方向は、圧着部軸LPの延びる方向と一致する。先端球体部23は、先端球体部内周面23aが画定する挿通孔を有する。当該挿通孔は、圧着部軸LPの方向に延びる。当該挿通孔には、駆動軸22の第2駆動軸端部22bが挿通されている。
【0027】
<装置基台>
図2図3及び図9に示すように、装置基台30は、第1基台端面30aを軸方向の第1端面とするとともに、第2基台端面30bを軸方向の第2端面とする柱体状である。したがって、装置基台30は、第1基台端面30aと異なる端面としての第2基台端面30bを有する。装置基台30は、第2基台端面30bの面積を第1基台端面30aの面積よりも拡大するための延出部30eを備える。延出部30eは、装置基台30において、第1基台端面30a側よりも外方へ平板状に延出した部位である。装置基台30の基台軸LBは、第1基台端面30a及び第2基台端面30bと直交する。以下の説明において、基台軸LBの延びる方向を装置基台30の軸方向と記載する。装置基台30は、装置基台30の軸方向に延びる基台挿通孔30dを画定する基台内周面30cを有する。基台内周面30cは、第2基台端面30bと第1基台端面30aを繋ぐ。後述するように、駆動軸22は基台挿通孔30dに挿通される。つまり、装置基台30は、駆動軸22が挿通される基台挿通孔30dを画定するとともに第2基台端面30bと第1基台端面30aを繋ぐ基台内周面30cを有する。
【0028】
第1基台端面30aは凹状球面である。第1基台端面30aの曲率半径は、凸状球面である第2揺動体端面21bの曲率半径と一致する。そして、第1基台端面30aは、第2揺動体端面21bと係合する。つまり、装置基台30は、第2揺動体端面21bと係合する凹状球面の第1基台端面30aを有する。第1基台端面30aのほぼ全体は、空気軸受としての環状多孔質材37により形成されている。したがって、第1基台端面30aは、空気軸受の空気軸受面である。
【0029】
第2基台端面30bは、平坦面である。第2基台端面30bは、延出部30eを用いて形成されている。
装置基台30は、空気軸受用エア給排室32を有する。空気軸受用エア給排室32は、環状多孔質材37が有する複数の孔を介して、装置基台30の外部と連通している。
【0030】
図9に示すように、基台内周面30cは、第1基台内周面301c及び第2基台内周面302cによって形成されている。第1基台内周面301cは、基台内周面30cのうち、第1基台端面30a側に位置する。第2基台内周面302cは、基台内周面30cのうち、第2基台端面30b側に位置する。第2基台内周面302cの内径は、第1基台内周面301cの内径と比較して大きい。第1基台内周面301cと第2基台内周面302cとは、基台段面303cによって接続している。基台段面303cは、第1基台内周面301c及び第2基台内周面302cと垂直であるとともに、第2基台端面30bと平行である。つまり、基台段面303cは、第1基台端面30aと背向するとともに、第2基台端面30bと同じ方向を向く。
【0031】
装置基台30は、ロック用ポート33及び空気軸受用ポート34を備える。ロック用ポート33は、基台挿通孔30dのうち第2基台内周面302cの画定した部分に連通する。空気軸受用ポート34は、空気軸受用エア給排室32と連通する。
【0032】
図6に示すように、装置基台30は、後述する第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々にエアを供給する第1~第4駆動用基台ポート351~354を備える。第1~第4駆動用基台ポート351~354は、延出部30eに設けられている。
【0033】
また、図2に示すように、装置基台30は、装置基台30の延出部30eに換気ポート36を備える。換気ポート36は、後述するアクチュエータ収容空間54と連通する。
<ロック機構>
図2及び図9に示すように、ロック機構40は、支持部材42と、ロック部材43と、保持部44と、を備える。また、ロック機構40は、マグネット41、第1シール42e及び第2シール43dを備えていてもよい。
【0034】
支持部材42の軸方向は、装置基台30の軸方向と一致する。支持部材42は、基台挿通孔30dに収容されるとともに、装置基台30に固定されている。支持部材42が有する支持部材内周面42aは、支持部材42の軸方向に延びる支持部材挿通孔42dを画定する。支持部材内周面42aは凹状部421aを有する。
【0035】
支持部材42は、支持部材外周面42b上に、支持部材挿通孔42dの径方向に突出した突出部42cを有する。支持部材外周面42bは、第1基台内周面301cと対面する第1支持部材外周面421b、及び、第2基台内周面302cと対面するとともに、突出部42cを含む、第2支持部材外周面422bにより形成されている。第2支持部材外周面422bは、支持部材凹状部423bを有する。支持部材42の端部のうち、第1支持部材外周面421b側に位置する支持部材42の端部は、マグネット41を保持している。マグネット41は、支持部材42に固定されている。
【0036】
支持部材42は、第1基台内周面301cと第1支持部材外周面421bとの当接により、基台挿通孔30dにおいて、装置基台30に対して固定されている。
ロック部材43の軸方向は、装置基台30の軸方向と一致する。ロック部材43は、基台挿通孔30dに収容されている。また、ロック部材43は、基台内周面30cに沿って装置基台30の軸方向へ往復動可能に設けられている。
【0037】
ロック部材43が有するロック部材内周面43aは、ロック部材挿通孔43cを画定する。ロック部材内周面43aは、第1ロック部材内周面431a及び第2ロック部材内周面432aにより形成されている。第1ロック部材内周面431aは、ロック部材内周面43aのうち、第1基台端面30a側に位置する。第2ロック部材内周面432aは、ロック部材内周面43aのうち、第2基台端面30b側に位置する。第1ロック部材内周面431aの内径は、第2ロック部材内周面432aの内径と比較して、小さい。第1ロック部材内周面431aと第2ロック部材内周面432aとは、ロック部材段面433aにより接続している。ロック部材段面433aは、第1基台端面30aと背向するとともに、基台段面303c及び第2基台端面30bと同じ方向を向く。
【0038】
ロック部材43はロック部材外周面43bを有する。ロック部材外周面43bは、第2基台内周面302cと対面する。ロック部材43は、ロック部材外周面43b上にロック部材凹状部431bを有する。
【0039】
第1ロック部材内周面431aの一部は、第2支持部材外周面422b及び支持部材凹状部423bと対面する。第1シール42eは、支持部材凹状部423bに設けられるとともに、第1ロック部材内周面431aと第2支持部材外周面422bとの間をシールする。第1シール42eは、支持部材42とロック部材43との間をシールする。したがって、ロック機構40は、支持部材42とロック部材43との間をシールする第1シール42eを有する。
【0040】
ロック部材外周面43bは、第2基台内周面302cと対面する。第2シール43dは、ロック部材凹状部431bに設けられるとともに、ロック部材外周面43bと第2基台内周面302cとの間をシールする。したがって、ロック機構40は、ロック部材43と装置基台30との間をシールする第2シール43dを有する。
【0041】
支持部材外周面42bが有する突出部42cは、装置基台30の軸方向において基台段面303cとロック部材43との間に位置する。つまり、突出部42cは、基台挿通孔30dにおいて、ロック部材43の移動を制限するとともに、ロック部材43と基台段面303cとの接触を妨げる。
【0042】
ロック部材43は、第2基台内周面302cと、基台段面303cと、第2支持部材外周面422bと、によってロック用エア給排室46を形成する。ロック用エア給排室46は、ロック用ポート33を介して、装置基台30の外部と連通する。つまり、後述する図示しない圧力供給源と接続することにより、ロック用ポート33は、ロック用エア給排室46にエアを給排する。よって、ロック用エア給排室46は、ロック部材43と装置基台30と支持部材42とにより画定される。上述したロック機構40は、ロック用エア給排室46と、ロック用ポート33と、を含む。
【0043】
保持部44の軸方向は、装置基台30の軸方向と一致する。保持部44は、ロック部材43の内側に収容されている。保持部44は、駆動軸22が有する中間球部22dが形成する球面と係合する保持部内周面44aを有する。保持部内周面44aは、保持部44の軸方向に延びる保持部挿通孔44cを画定している。駆動軸22は保持部挿通孔44cに挿通する。つまり、保持部44は、駆動軸22が挿通するとともに、中間球部22dと係合する保持部内周面44aを有する。
【0044】
保持部外周面44bは、第1保持部外周面441bと第2保持部外周面442bにより形成されている。第1保持部外周面441bは、保持部外周面44bのうち第1基台端面30a側に位置する。第2保持部外周面442bは、保持部外周面44bのうち、第2基台端面30b側に位置する。第1保持部外周面441bは、第2保持部外周面442bと比較して小さな外径を有する。第1保持部外周面441bと第2保持部外周面442bは、保持部段面443bにより接続している。
【0045】
保持部44は、第1保持部外周面441bと第1ロック部材内周面431aとが対面する位置、且つ、第2保持部外周面442bと第2ロック部材内周面432aとが対面する位置に設けられている。また、保持部44の保持部段面443bは、ロック部材段面433aと対面する。さらに、保持部44の保持部段面443bには、ロック部材段面433aが接触可能である。保持部44の保持部段面443bにロック部材段面433aが接触したとき、保持部44は、ロック部材43に支持される。
【0046】
第1ロック部材内周面431a及び第2ロック部材内周面432aと、支持部材内周面42aと、は、ロック室47を形成する。つまり、ロック室47は、第1ロック部材内周面431a及び第2ロック部材内周面432aと、支持部材内周面42aと、が形成するとともに、ロック部材43と保持部44との隙間を介して、アクチュエータ収容空間54と連通する。
【0047】
<位置決め機構とリニアスライド機構>
図1図3及び図6に示すように、位置決め機構50は、ハウジング部としての位置決め機構ハウジング51及びアクチュエータ収容天板51aを備える。また、位置決め機構50は、複数のアクチュエータとしての第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4と、複数のリニアスライド機構としての第1~第4リニアスライド機構61~64と、駆動体55と、を備える。駆動体55は、円筒軸受52と、軸受保持部53と、により構成されている。
【0048】
図2図4及び図6に示すように、位置決め機構ハウジング51の軸方向は、装置基台30の軸方向と一致する。位置決め機構ハウジング51は、装置基台30の軸方向から見て多角形状である。本実施形態では、位置決め機構ハウジング51は、装置基台30の軸方向から見て、4つの長辺と4つの短辺とが、周方向において交互に並ぶことにより形成される略四角形状である。そして、位置決め機構ハウジング51は、装置基台30の第2基台端面30bに取り付けられている。
【0049】
位置決め機構ハウジング51は、第2基台端面30bに対面する端面を有する角柱体である。位置決め機構ハウジング51の軸方向に直交する断面は、対向する辺の組を4つ備える略四角形である。また、位置決め機構ハウジング51は、第2基台端面30bに対面する端面とは異なる端面として、位置決め機構ハウジング端面を有する。位置決め機構ハウジング51は、8つの側面として第1~第8側壁W1~W8を有する。
【0050】
また、位置決め機構ハウジング51は、第1~第4等脚台形部T1~T4を有する。第1~第4等脚台形部T1~T4は、位置決め機構ハウジング51の軸方向に直交する断面が等脚台形状の台形柱である。
【0051】
第1等脚台形部T1は、第1側壁W1に沿う辺を下底とするとともに、当該下底から延びる2つの脚のそれぞれが第8側壁W8及び第2側壁W2と直交する等脚台形である。
第2等脚台形部T2は、第3側壁W3に沿う辺を下底とするとともに、当該下底から延びる2つの脚のそれぞれが第2側壁W2及び第4側壁W4と直交する等脚台形である。
【0052】
第3等脚台形部T3は、第5側壁W5に沿う辺を下底とするとともに、当該下底から延びる2つの脚のそれぞれが第4側壁W4及び第6側壁W6と直交する等脚台形である。
第4等脚台形部T4は、第7側壁W7に沿う辺を下底とするとともに、当該下底から延びる2つの脚のそれぞれが第6側壁W6及び第8側壁W8と直交する等脚台形である。
【0053】
第1~第4等脚台形部T1~T4の各々の断面である等脚台形の高さは、後述する軸受保持部53が収容可能であるように設定される。
位置決め機構ハウジング51の内面である第1~第4等脚台形部T1~T4の側面は、第2基台端面30bとともに収容空間としてのアクチュエータ収容空間54を画定する。したがって、傾き調整装置100は、第1~第4等脚台形部T1~T4の側面と第2基台端面30bとが画定するアクチュエータ収容空間54を有する。アクチュエータ収容天板51aは、アクチュエータ収容空間54を、装置基台30の軸方向から閉鎖する。アクチュエータ収容空間54は、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4と、第1~第4リニアスライド機構61~64と、円筒軸受52と、軸受保持部53と、第2駆動軸端部22b及び先端球体部23と、を収容する。
【0054】
第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々の軸方向は、基台軸LBと直交する。また、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々は、一方の端部に第1~第4駆動用ポートA11~A14を有するとともに、他方の端部に第1~第4接続部A21,A22,A23,A24を有する。第1~第4駆動用ポートA11~A14の各々は、装置基台30の延出部30eが備える第1~第4駆動用基台ポート351~354と連通する。第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々は、対応する第1~第4駆動用ポートA11~A14及び第1~第4接続部A21~A24の間に複数の溝により形成されている蛇腹部を有する。
【0055】
第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々は、第1~第4駆動用ポートA11~A14から供給するエアの圧力を増減させると、内部の圧力が増減する。第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々は、内部が増圧されると、蛇腹部が軸方向に伸びる。また、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々は、内部が減圧されると、蛇腹部に形成されている溝が深まるとともに、軸方向に縮む。
【0056】
第1ベローズアクチュエータA1と第3ベローズアクチュエータA3とは、対向するベローズアクチュエータにより構成される第1ベローズアクチュエータ対AA1を形成する。また、第2ベローズアクチュエータA2と第4ベローズアクチュエータA4とは、対向するベローズアクチュエータにより構成される第2ベローズアクチュエータ対AA2を形成する。つまり、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4は、対向する2つのベローズアクチュエータにより構成される第1及び第2ベローズアクチュエータ対AA1,AA2を形成する。
【0057】
第1ベローズアクチュエータA1の端部のうち、第1駆動用ポートA11を有する端部は、第2側壁W2に固定されている。第1ベローズアクチュエータA1は、第1駆動用ポートA11から供給されるエアの圧力の増減に応じて、アクチュエータ収容空間54のうち、第1等脚台形部T1の側面及び第2等脚台形部T2の側面によって形成される通路に沿うとともに、第6側壁W6に向かう方向又は離れる方向に伸縮する。
【0058】
第2ベローズアクチュエータA2の端部のうち、第2駆動用ポートA12を有する端部は、第4側壁W4に固定されている。つまり、第2ベローズアクチュエータA2は、第2駆動用ポートA12から供給されるエアの圧力の増減に応じて、アクチュエータ収容空間54のうち、第2等脚台形部T2の側面及び第3等脚台形部T3の側面によって形成される通路に沿うとともに、第8側壁W8に向かう方向又は離れる方向に伸縮する。
【0059】
第3ベローズアクチュエータA3の端部のうち、第3駆動用ポートA13を有する端部は、第6側壁W6に固定されている。つまり、第3ベローズアクチュエータA3は、第3駆動用ポートA13から供給されるエアの圧力の増減に応じて、アクチュエータ収容空間54のうち、第3等脚台形部T3及び第4等脚台形部T4によって形成される通路に沿うとともに、第2側壁W2に向かう方向又は離れる方向に伸縮する。
【0060】
第4ベローズアクチュエータA4の端部のうち、第4駆動用ポートA14を有する端部は、第8側壁W8に固定されている。つまり、第4ベローズアクチュエータA4は、第4駆動用ポートA14から供給されるエアの圧力の増減に応じて、アクチュエータ収容空間54のうち、第4等脚台形部T4及び第1等脚台形部T1によって形成される通路に沿うとともに、第4側壁W4に向かう方向又は離れる方向に伸縮する。
【0061】
第1ベローズアクチュエータ対AA1は、両端部の各々が第2側壁W2及び第6側壁W6に固定されている。また、第1ベローズアクチュエータ対AA1の軸方向は、第1及び第3ベローズアクチュエータA1,A3の各々の伸縮方向と一致する。第2ベローズアクチュエータ対AA2は、両端部の各々が第4側壁W4及び第8側壁W8に固定されている。また、第2ベローズアクチュエータ対AA2の軸方向は、第2及び第4ベローズアクチュエータA2,A4の各々の伸縮方向と一致する。つまり、位置決め機構50は、第2基台端面30bに取り付けられるとともに、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4を収容する。さらに、位置決め機構50は、装置基台30の軸方向から見て多角形の位置決め機構ハウジング51を備える。また、第1及び第2ベローズアクチュエータ対AA1,AA2の各々の両端部は、位置決め機構ハウジング51の各隅に固定されている。
【0062】
第1ベローズアクチュエータ対AA1の軸方向に延びる直線と第2ベローズアクチュエータ対AA2の軸方向に延びる直線とは、後述する軸受保持部53の位置において、直交する。つまり、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4は、第1及び第2ベローズアクチュエータ対AA1,AA2のそれぞれが構成する2つの直線が直交するように配置されている。
【0063】
軸受保持部53は、円筒軸受52を保持する軸受保持部内周面53aを有する四角柱状である。軸受保持部53の軸方向は、装置基台30の軸方向と一致する。軸受保持部53は、平坦な側壁Kを4つ備える。
【0064】
第1~第4リニアスライド機構61~64は、それぞれ、リニアガイド部S1と、直方体状であるスライド接続部S11を備える。
各リニアガイド部S1は、スライド板661及びスライド部662を備える。スライド板661は、スライド部662に対して相対的に移動できる。スライド板661の移動は直線状である。スライド部662は、スライド板661と背向する面として、スライド面651を備える。
【0065】
各スライド部662が有する面のうち、スライド面651は、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の端部のうち、位置決め機構ハウジング51と接続している端部とは異なる端部に接続されている。各スライド部662は、各スライド板661が、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の伸縮方向に直交する、且つ、軸受保持部53の軸方向に直交する方向に移動可能となるように、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4に取り付けられている。
【0066】
また、各スライド部662は、スライド板661に取り付けられているスライド接続部S11を介して、軸受保持部53の各側壁Kに取り付けられている。
つまり、駆動体55は、基台軸LBに直交する面内において、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4に囲まれている。言い換えると、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4は、駆動体55を第2基台端面30bに沿って囲むように配置されている。また、駆動体55は、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4と、第1~第4リニアスライド機構61~64を介して連結されている。また、第1、第2ベローズアクチュエータ対AA1,AA2の各々が、駆動体55を挟持している。
【0067】
駆動体55において、軸受保持部53は、円筒軸受52を保持している。具体的には、軸受保持部53の内側には、円筒軸受52が挿入されている。軸受保持部内周面53aは、後述する円筒軸受外周面52bと対面する。
【0068】
円筒軸受52の軸方向は、装置基台30の軸方向と一致する。円筒軸受52は、円筒軸受52の軸方向に延びる円筒軸受挿入孔52dを画定する円筒軸受内周面52aを有する。したがって、駆動体55は、挿入孔としての円筒軸受挿入孔52dを画定する円筒軸受52と、円筒軸受52を保持する軸受保持部53と、を備える。また、円筒軸受52の中心軸LCは、装置基台30の軸方向に延びる。
【0069】
軸受保持部53に挿入される前の円筒軸受52における、円筒軸受内周面52aの内径は、先端球体部23の直径よりも小さい。円筒軸受52は、円筒軸受外周面52bを有する。
【0070】
軸受保持部53に挿入される前の円筒軸受52は、円筒軸受52の内径が拡径可能となるように、円筒軸受内周面52a及び円筒軸受外周面52bにおいて、円筒軸受52の軸方向に延びる間隙52cを備える。つまり、軸受保持部53に挿入される前の円筒軸受52は、先端球体部23の直径よりも小さい内径を有するとともに、円筒軸受52の内径が拡径可能となるように、円筒軸受52の軸方向に延びる間隙52cを有する。
【0071】
軸受保持部53に挿入された円筒軸受52は、間隙52cにより拡径することによって、先端球体部23を円筒軸受挿入孔52d内に収容している。先端球体部23の外面は、円筒軸受内周面52aと摺接する。したがって、傾き調整装置100は、先端球体部23が挿入される円筒軸受挿入孔52dを画定しつつ先端球体部23が摺接する円筒軸受内周面52aを有する駆動体55を備える。そして、軸受保持部53は、円筒軸受52及び先端球体部23を介して、駆動軸22に連動する。したがって、位置決め機構50は、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々を駆動することにより、対応する第1~第4リニアスライド機構61~64と、駆動体55と、駆動軸22と、を介して揺動体21を駆動する。つまり、位置決め機構50は、第2基台端面30bに設けられるとともに、先端球体部23の位置決めを行う。
【0072】
<圧着部揺動体と装置基台と位置決め機構の位置関係>
図2図5、及び図9を用いて、圧着部揺動体20と、装置基台30と、位置決め機構50と、の関係を説明する。
【0073】
圧着部揺動体20が備える駆動軸22は、先端球体部23が第2基台端面30bから突出するように、基台挿通孔30dに挿通されている。つまり、先端球体部23は、駆動軸22の軸方向のうち、揺動体21側の第1駆動軸端部22aと異なる端部である第2駆動軸端部22bに設けられ、且つ第2基台端面30bから突出している。したがって、装置基台30は、駆動軸22が挿通される挿通孔としての基台挿通孔30dを画定する。また、圧着部揺動体20が備える揺動体21は、凸状球面である第2揺動体端面21bが、凹状球面である第1基台端面30aと対面する。第2揺動体端面21bは、第1基台端面30aと同じ曲率半径を有するため、第1基台端面30aに沿って揺動可能である。基台内周面30cが画定する基台挿通孔30dにおいて、駆動軸22は、支持部材42と、ロック部材43と、保持部44と、に挿通している。
【0074】
ロック部材内周面43aは、駆動軸外周面22cに対面するとともに、駆動軸外周面22cから径方向に離間している。よって、ロック部材43は、駆動軸22を囲むロック部材内周面43aを有する。また、支持部材42は、ロック部材内周面43aと駆動軸外周面22cとの間に位置する。さらに、支持部材42は、駆動軸22から離間して駆動軸22を囲む支持部材内周面42aを有する。
【0075】
支持部材42の凹状部421aには、駆動軸外周面22cと支持部材42との間をシールするパッキン45が設けられている。パッキン45は、基台内周面30cの径方向に伸縮可能である。また、パッキン45は、駆動軸22が揺動可能であって、第1基台端面30aから第2基台端面30bに向かうエアの流れを許容するとともに駆動軸外周面22cと支持部材42との間をシールする。
【0076】
先端球体部23は、第2基台端面30bから突出するとともに、位置決め機構50が備える円筒軸受52が画定する円筒軸受挿入孔52dに収容されている。先端球体部23は、間隙52cを円筒軸受52の周方向に拡大することにより、円筒軸受挿入孔52dを拡径している。円筒軸受52は、軸受保持部53に挿入されるとともに、軸受保持部53とともに駆動体55を形成している。つまり、先端球体部23は駆動体55に挿入されている。
【0077】
駆動体55は、アクチュエータ収容空間54に収容されている。アクチュエータ収容空間54には、装置基台30の延出部30eに設けられている換気ポート36によりエアが給排される。換気ポート36は、アクチュエータ収容空間54と、ロック部材内周面43a及び保持部外周面44bにより形成される空間と、駆動軸外周面22c及び支持部材内周面42aにより形成される空間と、連通する。つまり、換気ポート36は、装置基台30に設けられるとともに、アクチュエータ収容空間54と連通する。
【0078】
また、換気ポート36は、アクチュエータ収容空間54と、位置決め機構ハウジング51及びアクチュエータ収容天板51aとの隙間を介して、傾き調整装置100の外部と連通する。
【0079】
第1~第4駆動用基台ポート351~354の各々は、図示しない圧力供給源に接続される。第1~第4駆動用基台ポート351~354の各々は、圧力供給源により供給されるエアを、第1~第4駆動用ポートA11~A14の各々を介して、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々に供給する。第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々は、供給されるエアの圧力の増減に応じて伸縮することで、第1~第4リニアスライド機構61~64の各々、及び、駆動体55を介して、先端球体部23の位置決めを行う。つまり、位置決め機構50は、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4を用いることで、先端球体部23の、第2基台端面30bに平行な面内における位置決めを行う。言い換えると、位置決め機構50は、駆動体55を介して、第2基台端面30bに平行な面内における先端球体部23の位置を変化させるとともに、駆動体55及び先端球体部23を第2基台端面30bに沿って囲むように配置されている第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4を備える。
【0080】
位置決め機構50による第2基台端面30bに平行な面内における先端球体部23の位置の変化は、円筒軸受挿入孔52dの内部において、中心軸LCに沿う方向の先端球体部23の移動を導く。当該移動は、位置決め機構50による先端球体部23の位置の変化が、第1基台端面30aにガイドされる揺動体21の揺動を導くとともに、先端球体部23が駆動軸22を介して当該揺動と連動するために生じる。
【0081】
<制御装置及び傾斜検出センサ>
制御装置70は、位置決め機構50の制御を行う。
図5に示すように、制御装置70は、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4を駆動するアクチュエータ制御部71と、駆動量計算部72と、第1~第4電空レギュレータE1~E4と、を備える。
【0082】
制御装置70は、図示しないプロセッサと記憶部を備える。制御装置70が備えるプロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)である。制御装置70が備える記憶部は、例えば、ROM(Read-Only Memory)やRAM(Random Access Memory)である。制御装置70が備えるプロセッサは、記憶部に格納されたプログラムに含まれる命令を実行することにより、アクチュエータ制御部71及び駆動量計算部72として機能する。したがって、制御装置70は、アクチュエータ制御部71及び駆動量計算部72を備える。
【0083】
駆動量計算部72は、後述する傾斜検出センサ80が送信する平行度情報に基づいて、第1圧着ツール端面10aと基準面Sとが平行となるために、圧着部揺動体20が装置基台30に対して傾く角度を、目標値として決定する。平行度情報には、第1圧着ツール端面10aと基準面Sの測定時点での傾斜角度が含まれている。つまり、傾斜検出センサ80は、基準面Sに対する第1圧着ツール端面10aの傾斜を測定する。駆動量計算部72は、平行度情報及び目標値に基づいて、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4に供給するエアの圧力を計算する。供給するエアの圧力は、以下の(1)式~(4)式を用いて、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々に供給する圧力値として求められる。
【0084】
【数1】
【0085】
【数2】
【0086】
【数3】
【0087】
【数4】
1_A1、P1_A2、P1_A3、P1_A4は圧着部軸LP及び基台軸LBが一致する姿勢において、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々に対して、図示しない圧力供給源より供給されている平衡圧力値である。また、P2_A1、P2_A2、P2_A3、P2_A4は、圧着部揺動体20が、装置基台30に対して目標値での傾斜姿勢となる状況において、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々に供給される制御圧力値である。
【0088】
図6図8に示すように、αは、傾斜検出センサ80により測定される、圧着部軸LPと基台軸LBとのなす角である。また、θは、傾斜検出センサ80により測定される、基台軸LBに直交する面内における圧着部軸LPの傾斜方向である。傾斜方向とは、基台軸LB上を原点とするとともに、第1ベローズアクチュエータA1と第4ベローズアクチュエータA4とのなす角を二等分する線である第1方位角軸LA1を基準軸とした際の方位角である。なお、第2ベローズアクチュエータA2と第3ベローズアクチュエータA3とのなす角を二等分する線を第2方位角軸LA2とする。αは、圧着部軸LPと基台軸LBとのなす角の目標値である。θは、基台軸LBに直交する面内における圧着部軸LPの傾斜方向の目標値である。Kは、比例ゲイン値であって、予め与えられる比例定数である。Cは、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々の剛性及び断面積によって決まる比例定数である。なお、Cは、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4ごとに異なってもよい。Lは、揺動体21の揺動中心から、先端球体部23の中心までの距離である。φは、第1ベローズアクチュエータ対AA1の軸方向に延びる直線と、第2ベローズアクチュエータ対AA2の軸方向に延びる直線とがなす角である。図6図7の各々に、第1方位角軸LA1と第2方位角軸LA2の方向を示すとともに、傾斜方向θを示す。第1方位角軸LA1と第2方位角軸LA2の各々は、基台軸LBと直交する。また、第1方位角軸LA1は第2方位角軸LA2と直交するとともに、第3側壁W3及び第7側壁W7と平行である。
【0089】
したがって、上記駆動量計算部72は、傾斜検出センサ80により測定される基準面Sに対する第1圧着ツール端面10aの傾斜に基づいて、基準面Sと第1圧着ツール端面10aとが平行となるために要求される第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々に供給する圧力の値を計算する。
【0090】
制御装置70が備えるアクチュエータ制御部71は、駆動量計算部72の計算結果に基づいて、第1~第4電空レギュレータE1~E4を駆動することにより、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4に適切な圧力のエアを供給する。つまり、アクチュエータ制御部71は、駆動量計算部72の結果に基づいて、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4を駆動する。
【0091】
傾斜検出センサ80は、第1圧着ツール端面10aと基準面Sとの平行度を検出するセンサである。傾斜検出センサ80は、例えば、圧着部揺動体20の複数の箇所に取付けられる複数のレーザセンサである。傾斜検出センサ80は、当該レーザセンサによって、第1圧着ツール端面10aと基準面Sとの距離を複数箇所で測定することにより、基準面Sに対する第1圧着ツール端面10aの傾きを測定する。
【0092】
傾斜検出センサ80は、制御装置70と電気的に接続するとともに、第1圧着ツール端面10aと基準面Sとの平行度の検出、及び、当該平行度に関する平行度情報の制御装置70への送信を行う。つまり、制御装置70は、アクチュエータ制御部71を備えるとともに、傾斜検出センサ80で測定される結果に基づいて、基準面Sと第1圧着ツール端面10aとが平行となるようにアクチュエータ制御部71により第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4を駆動する。
【0093】
<傾き調整装置の動作及び作用>
図2、及び図6図8を用いて、傾き調整装置100の動作について説明する。
傾き調整装置100は、図2に示すように、初期位置をとる。傾き調整装置100は、例えば、図示しない搬送装置に取り付けられている。傾き調整装置100は、第1圧着ツール端面10aが基準面Sと対面する位置であって、圧着ツール10が基準面Sから離間する位置にある。初期位置において、圧着部揺動体20の圧着部軸LP及び装置基台30の基台軸LBとは一致している。また、基準面Sに直交する方向に延びる基準面軸LSは、圧着部軸LP及び基台軸LBと平行ではない。初期位置において、装置基台30の軸方向に見た位置決め機構50を図6に示す。初期位置において、位置決め機構50及び駆動体55の中心は、装置基台30の軸方向に見て一致している。
【0094】
初期位置において、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々は、図示しない圧力供給源よりエアを供給されている。当該エアの供給は、第1~第4駆動用基台ポート351~354の各々と、第1~第4駆動用ポートA11~A14の各々とを介して行われている。傾き調整装置100が初期位置にあるとき、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々は、圧力供給源により、同一圧力のエアを供給されている。つまり、初期位置において、第1ベローズアクチュエータA1と第3ベローズアクチュエータA3の各々が駆動体55を押圧する圧力は一致する。また、第2ベローズアクチュエータA2と第4ベローズアクチュエータA4の各々が駆動体55を押圧する圧力は一致する。
【0095】
傾斜検出センサ80は、基準面Sに対する第1圧着ツール端面10aの傾斜を測定する。傾斜検出センサ80は、基準面Sに対する第1圧着ツール端面10aの傾斜を、現在角度情報として、制御装置70に送信する。制御装置70は、傾斜検出センサ80より送信された当該現在角度情報を受信する。制御装置70は、駆動量計算部72により、基準面Sと第1圧着ツール端面10aとが平行となる姿勢における装置基台30に対する圧着部揺動体20の傾斜を、目標値として決定する。また、制御装置70の駆動量計算部72は、(1)式~(4)式を用いて、目標値を実現するために、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々において要求されるエアの圧力の増減を決定する。
【0096】
当該エアの圧力の増減が決定されると、図示しない圧力供給源は、空気軸受用ポート34に対して、エアを供給する。供給されるエアは、空気軸受用エア給排室32、及び、環状多孔質材37が有する複数の孔を介して、第1基台端面30aと第2揺動体端面21bとの間に供給される。よって、環状多孔質材37は、空気軸受用ポート34からエアの供給を受ける。当該エアの供給により、第2揺動体端面21bと第1基台端面30aとの隙間は加圧される。この結果として、第2揺動体端面21bは、第1基台端面30aより離間する。同時に、揺動体21は、マグネット41の吸引磁力により、第1基台端面30aに向かって引き寄せられる。この結果、第2揺動体端面21bと第1基台端面30aとは、わずかな隙間を形成するとともに、当該隙間を維持する。したがって、装置基台30は、揺動体21を第1基台端面30aから離間して揺動可能に支持する。
【0097】
制御装置70のアクチュエータ制御部71は、当該決定に基づいて、当該エアの圧力の増減を実現するために要求される適切な圧力のエアの供給を、位置決め機構50が備える第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4に対して行う。アクチュエータ制御部71は、図示しない圧力供給源及び第1~第4電空レギュレータE1~E4を駆動することにより、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4に適切な圧力のエアを供給する。
【0098】
第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々は、第1~第4駆動用基台ポート351~354の各々と、第1~第4駆動用ポートA11~A14の各々を介して、圧力供給源よりエアを供給される。第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々は、供給されるエアの圧力の増減に応じて、第2基台端面30bに沿って伸縮する。第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々は、伸縮することにより、駆動体55を押し引きする。つまり、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々が伸縮することにより、駆動体55は、第2基台端面30bに沿う方向に移動する。
【0099】
例えば、位置決め機構50が、駆動体55を、第1ベローズアクチュエータ対AA1が有する軸方向で、且つ、第1ベローズアクチュエータA1から第3ベローズアクチュエータA3の方向に移動させる場合を想定する。この場合において、圧力供給源は、第1ベローズアクチュエータA1に供給するエアの圧力を増圧するとともに、第3ベローズアクチュエータA3に供給するエアの圧力を減圧する。当該減圧による圧力の減少量は、第1ベローズアクチュエータA1に増圧される圧力の増加量と一致する。つまり、圧力供給源によるエアの圧力の増減により、第1ベローズアクチュエータA1は伸長するとともに、当該伸長と同じ距離だけ、第3ベローズアクチュエータA3は収縮する。この結果、第1ベローズアクチュエータA1の伸長、及び第3ベローズアクチュエータA3の収縮の距離だけ、駆動体55は、第1ベローズアクチュエータ対AA1により移動する。第2ベローズアクチュエータ対AA2も、第1ベローズアクチュエータ対AA1と同様にして、駆動体55を移動させることができる。つまり、第1ベローズアクチュエータ対AA1及び第2ベローズアクチュエータ対AA2を組み合わせることにより、位置決め機構50は、駆動体55を、第1ベローズアクチュエータ対AA1及び第2ベローズアクチュエータ対AA2の軸方向とは異なる方向であっても、第2基台端面30bに沿って移動させることができる。
【0100】
図3図6及び図7に示すように、駆動体55が第2基台端面30bに沿って移動するに伴い、第1~第4リニアガイド部S1~S4の各々が有するスライド板661は、対応するスライド部662に対して相対的に移動する。位置決め機構50は、第1~第4アクチュエータA1~A4の各々により、第1~第4リニアスライド機構61~64の各々を介して駆動体55を押し引きすることによって、駆動体55を移動させる。
【0101】
図2図8及び図9に示すように、駆動体55は、第2基台端面30bに沿う方向に移動するとともに、第2基台端面30bに平行な面内における先端球体部23の位置を変化させる。第2基台端面30bに平行な面内における先端球体部23の位置が変化するに伴い、駆動軸22を介して、揺動体21は第1基台端面30aに沿って揺動する。当該揺動は、駆動軸22を介して、円筒軸受挿入孔52d内で、中心軸LCに沿う方向における先端球体部23の移動を導く。つまり、位置決め機構50による駆動体55の移動は、第2基台端面30bに沿う方向、及び、円筒軸受52内での中心軸LCに沿う方向への、先端球体部23の移動を導く。このため、円筒軸受52は、中心軸LC方向において、先端球体部23と第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々とが干渉しないように、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々に対する先端球体部23の中心軸LC方向への変位を吸収する。当該揺動の際、空気軸受用ポート34からエアが供給されている。空気軸受用ポート34からエアが供給されることにより、揺動体21は、第1基台端面30aに第2揺動体端面21bを摺接させることなく、所望の傾きとなるように、揺動可能に装置基台30に支持されている。さらに、このとき、図示しない圧力供給源は、ロック用ポート33を介して、ロック用エア給排室46からエアを吸引することにより、ロック用エア給排室46への供給圧力を負圧にしている。供給圧力を負圧にした結果、ロック部材43は、突出部42cと当接するとともに、保持部44と離間している。また、保持部44の保持部内周面44aは、中間球部22dが形成する球面に強く押し付けられていない。このため、保持部44は、中間球部22dにおいて、駆動軸22に対して揺動可能に係合するとともに、揺動を可能にする保持部内周面44aを有する。
【0102】
そして、第1基台端面30aは、凸状球面である第2揺動体端面21bと係合する凹状球面であるため、第2基台端面30bに平行な面内における先端球体部23の位置の変化は、第1基台端面30aに対する揺動体21の揺動を導く。当該揺動の結果、第1圧着ツール端面10aと基準面Sとの平行姿勢が実現する。したがって、傾き調整装置100は、位置決め機構50を、制御装置70により決定される目標値に基づいて駆動するとともに、揺動体21を装置基台30に対し傾斜させることで、第1圧着ツール端面10aと基準面Sとの平行姿勢を実現する。したがって、傾き調整装置100は、第1基台端面30aに沿って第2揺動体端面21bを揺動させつつ基準面Sと第1圧着ツール端面10aとが平行となるように揺動体21の傾きを調整する。
【0103】
次に、傾き調整装置100が、第1圧着ツール端面10aと基準面Sとが平行となっている姿勢を維持するための動作について、図8図10を用いて説明する。
第1圧着ツール端面10aが基準面Sと平行となった後、図示しない圧力供給源は、空気軸受用ポート34に対するエアの供給を停止するとともに、空気軸受用ポート34からのエアの吸引を行う。よって、環状多孔質材37は、空気軸受用ポート34からエアの排出を受ける。つまり、圧力供給源は、空気軸受用ポート34を介して真空吸引することにより、空気軸受用エア給排室32を負圧にする。当該減圧により、揺動体21の第2揺動体端面21bは、第1圧着ツール端面10aの基準面Sに対する平行姿勢を維持しつつ、装置基台30の第1基台端面30aに当接するとともに吸着される。当該減圧の結果として、傾き調整装置100は、第1圧着ツール端面10aの基準面Sに対する平行姿勢を維持する仮ロックを行う。つまり、傾き調整装置100は、空気軸受用ポート34を介して真空吸引することにより、揺動体21の傾斜姿勢を固定する。
【0104】
図10に示すように、仮ロックの過程において、圧着部揺動体20は、装置基台30の基台軸LBに沿いつつ、第1基台端面30aから第2基台端面30bに向かう方向に、第2揺動体端面21bと第1基台端面30aとの隙間分だけ移動する。圧着部揺動体20が、装置基台30の軸方向に移動する過程において、第2駆動軸端部22b及び先端球体部23は、円筒軸受内周面52aにガイドされる。この結果、先端球体部23は、第2基台端面30bに平行な面内における位置を変化させない。つまり、仮ロックの過程において、圧着部揺動体20は、圧着部軸LPと基台軸LBとのなす角αを維持したまま装置基台30の軸方向に動くため、基準面Sと第1圧着ツール端面10aとの平行は保たれている。
【0105】
空気軸受用エア給排室32の減圧によって仮ロックがなされた後、圧力供給源は、ロック用ポート33に対して供給するエアの圧力を負圧から正圧に切り替える。当該供給は、ロック用ポート33が連通するロック用エア給排室46の加圧を導く。ロック用エア給排室46が加圧されることにより、ロック部材43は、図9の2点鎖線に示すように、第1基台端面30aから第2基台端面30bに向かう方向に移動する。当該移動により、ロック部材43は、ロック部材43と離間した保持部44に接触する。そして、ロック部材43のロック部材段面433aが、保持部44の保持部段面443bに押し付けられると、保持部44の保持部内周面44aは、中間球部22dが形成する球面と強く係合する。この結果、圧着部揺動体20は、第1基台端面30aから第2基台端面30bに向かう方向に押圧される。圧着部揺動体20の揺動体21は、仮ロックにより、第2揺動体端面21bにおいて第1基台端面30aと当接している。つまり、当該加圧は、第2揺動体端面21bと第1基台端面30aとの接触面において、当該押圧に対する垂直抗力を発生させる。当該垂直抗力は、当該接触面において、揺動体21が装置基台30に対して揺動することを妨げる静止摩擦力を導く。これにより、圧着部揺動体20における、装置基台30に対する揺動は制限される。当該加圧の結果として、傾き調整装置100は、第1圧着ツール端面10aの基準面Sに対する平行姿勢を維持する本ロックを仮ロックに加えて行う。
【0106】
したがって、傾き調整装置100は、制御装置70及び傾斜検出センサ80に基づく位置決め機構50の駆動により第1圧着ツール端面10aと基準面Sとの平行調整、及び、仮ロックと本ロックによる平行姿勢の維持を行う。つまり、制御装置70は、基準面Sに対する第1圧着ツール端面10aの傾斜を測定する傾斜検出センサ80で測定される結果に基づいて、基準面Sと第1圧着ツール端面10aとが平行となるように第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4を駆動する。
【0107】
傾き調整装置100が備える換気ポート36は、図示しない圧力供給源に接続されているとともに、アクチュエータ収容空間54及びロック室47と連通している。つまり、換気ポート36は、ロック室47を介して揺動体21及び環状多孔質材37により形成される隙間、及び、環状多孔質材37を介して空気軸受用ポート34と連通する。また、換気ポート36は、アクチュエータ収容空間54と、位置決め機構ハウジング51及びアクチュエータ収容天板51aにより形成される隙間を介して、傾き調整装置100の外部と連通している。つまり、圧力供給源による換気ポート36からのエアの排出により、アクチュエータ収容空間54とロック室47とにおけるパーティクルは、傾き調整装置100の外部に排出される。また、圧力供給源による換気ポート36からのエアの排出により、揺動体21及び環状多孔質材37により形成される隙間におけるパーティクルは、傾き調整装置100の外部に排出される。
【0108】
[本実施形態の効果]
本実施形態の効果を説明する。
(1)傾き調整装置100は、位置決め機構50が備える第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4により、第2基台端面30bに平行な面内における先端球体部23の位置を変化させる。この先端球体部23の位置の変化は、基台軸LBに対する圧着部揺動体20の傾斜を導く。
【0109】
また、制御装置70は、傾斜検出センサ80による測定の結果に基づいてアクチュエータ制御部71を制御して第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4を駆動する。当該駆動により、基準面Sと第1圧着ツール端面10aとが平行となる圧着部揺動体20の姿勢が実現される。
【0110】
したがって、傾き調整装置100は、位置決め機構50と、制御装置70と、傾斜検出センサ80と、を用いることにより、基準面Sに対する圧着部揺動体20の平行姿勢を実現する。その結果、傾き調整装置100は、基準面Sと、第1圧着ツール端面10aとを接触させることなく、基準面Sと第1圧着ツール端面10aとの平行を実現できる。よって、傾き調整装置100は、基準面Sと第1圧着ツール端面10aとを平行に調整する動作の際に、基準面Sに荷重を発生させることなく基準面Sと第1圧着ツール端面10aとを平行に調整できる。以上のことから、傾き調整装置100は、圧着する対象物の性質、物性、形状、寸法の制限なく傾き調整が可能になる。
【0111】
(2)駆動体55は、円筒軸受52及び軸受保持部53により構成されている。また、駆動体55は、先端球体部23を、円筒軸受挿入孔52d内で往復動可能かつ摺接するように、円筒軸受52により保持している。つまり、位置決め機構50により先端球体部23を介して所望の姿勢となった圧着部揺動体20は、基台軸LBに対する圧着部軸LPの傾斜を維持しつつ、仮ロックにより、装置基台30に吸着される。したがって、傾き調整装置100は、所望の傾きに調整した圧着部揺動体20を、当該傾きを維持しつつ、円筒軸受52の軸方向に移動させるとともに、装置基台30に対して固定できる。この結果、傾き調整装置100は、駆動体55が円筒軸受52を備えない場合と比べて、揺動体21の傾きを高精度に維持しつつ、当該傾きを仮ロックにより固定できる。
【0112】
(3)円筒軸受52には、間隙52cが形成されている。円筒軸受挿入孔52dには、円筒軸受内周面52aの内径よりも大きな直径を有する先端球体部23が挿入されるとともに、円筒軸受52は、間隙52cにより拡径する。拡径しつつ先端球体部23が挿入されている円筒軸受52は、先端球体部23に対して予圧を付与する。つまり、間隙52cが形成されている円筒軸受52は、先端球体部23を、予圧を伴いつつ、円筒軸受挿入孔52dに収容できる。この結果、傾き調整装置100は、円筒軸受52に対する先端球体部23のがたつきを低減できる。したがって、傾き調整装置100は、円筒軸受52が間隙52cを形成しない場合と比較して、高精度の位置決め及び圧着部揺動体20の平行調整を行うことができる。
【0113】
(4)第1基台端面30aは、ほぼ全体が環状多孔質材37により形成されているとともに、空気軸受用ポート34より供給されるエアにより、空気軸受を形成する。つまり、傾き調整装置100は、当該空気軸受により、第1基台端面30aに対して第2揺動体端面21bを離間させつつ、圧着部揺動体20を揺動できる。傾き調整装置100は、揺動体21と装置基台30とを摺接させつつ圧着部揺動体20を揺動させる場合と比較して、高精度での圧着部揺動体20の平行調整を行うことができる。また、傾き調整装置100は、圧着部揺動体20を揺動させる際に、第2揺動体端面21bと第1基台端面30aとの間で発生するパーティクルを低減できる。
【0114】
(5)第2基台端面30bに沿って駆動体55が移動する際、駆動体55の移動に伴い、駆動体55と第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々との相対的な位置が変化する。第1~第4リニアガイド部S1~S4の各々は、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々に対する駆動体55の相対的な位置の変化に対応する距離だけ、スライド部662に対してスライド板661を移動させる。つまり、第1~第4リニアスライド機構61~64の各々は、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々において、駆動体55の移動に伴って生じる歪を解消する。また、第1~第4リニアスライド機構61~64は、当該歪を解消することにより、駆動体55を介して、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々が相互に影響し合うこと妨げる。その結果、傾き調整装置100は、位置決め機構50が第1~第4リニアスライド機構61~64を備えない場合と比較して、高精度での圧着部揺動体20の傾き調整を行うことが可能である。また、第1~第4リニアスライド機構61~64は、駆動体55の移動に伴って第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4において生じる負荷を低減できる。
【0115】
(6)傾き調整装置100は、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々により、圧着部揺動体20の傾きの調整を行う。第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4は、電動式アクチュエータと比べて、同一の容積で比較した際に高い推力を有する。したがって、傾き調整装置100は、位置決め機構50において、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4を用いることにより、高効率での、駆動体55の位置決めを行うことができる。
【0116】
さらに、位置決め機構50は、第1ベローズアクチュエータ対AA1及び第2ベローズアクチュエータ対AA2を備える。位置決め機構50は、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々が互いに対向する組を形成することなく先端球体部23を囲む場合と比較して、高精度での駆動体55の位置決め、及び、圧着部揺動体20の傾き調整を行うことができる。
【0117】
(7)位置決め機構50は、第2基台端面30bに取り付けられるとともに、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4を収容する位置決め機構ハウジング51を備える。また、第1ベローズアクチュエータ対AA1及び第2ベローズアクチュエータ対AA2の各々の両端部は、位置決め機構ハウジング51の各隅に固定されている。これによれば、第1ベローズアクチュエータ対AA1と第2ベローズアクチュエータ対AA2がなす角を変化させることにより、位置決め機構ハウジング51が有する基台軸LBから見た断面の形状を変化させることができる。つまり、傾き調整装置100の、基台軸LBから見た断面の形状を、傾き調整装置100を適用する状況に応じて選択できる。
【0118】
特に、位置決め機構50において、第1ベローズアクチュエータ対AA1と第2ベローズアクチュエータ対AA2がなす角は90度である。つまり、第1ベローズアクチュエータ対AA1及び第2ベローズアクチュエータ対AA2の各々による駆動体55の移動方向は、互いに独立となる。したがって、第1ベローズアクチュエータ対AA1及び第2ベローズアクチュエータ対AA2による駆動体55の制動性が向上するとともに、位置決め機構50による位置決めの精度が向上する。
【0119】
(8)制御装置70は、傾斜検出センサ80による測定の結果に基づいて、基準面Sと第1圧着ツール端面10aとが平行となるように、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々を駆動する。したがって、傾き調整装置100は、基準面Sに対する第1圧着ツール端面10aの平行調整を、自動で行うことができる。
【0120】
(9)第1基台端面30aは、ほぼ全体が環状多孔質材37により形成されているとともに、空気軸受用ポート34よりエアを吸引することにより、第2揺動体端面21bを吸着できる。当該吸着は、装置基台30に対する揺動体21の揺動を制限する仮ロックを実現する。したがって、第1基台端面30aは、当該吸着により仮ロックを行うとともに、圧着部揺動体20の基台軸LBに対する傾斜姿勢を保持できる。
【0121】
(10)ロック機構40は、ロック用ポート33を介したロック用エア給排室46の加圧によってロック部材43を移動させることにより、圧着部揺動体20の、基台軸LBに対する傾斜を保持できる。
【0122】
(11)アクチュエータ収容空間54と、ロック室47と、は、換気ポート36を介して、傾き調整装置100の外部と連通する。また、換気ポート36は、位置決め機構ハウジング51とアクチュエータ収容天板51aとにより形成される隙間、及び、アクチュエータ収容空間54を介して、傾き調整装置100の外部と連通する。これにより、傾き調整装置100は、換気ポート36よりエアの排出を行うことで、アクチュエータ収容空間54及びロック室47で発生するパーティクルを、傾き調整装置100の外部に排出できる。
【0123】
(12)換気ポート36は、ロック室47を介して、第2揺動体端面21bと第1基台端面30aとにより形成される隙間と連通する。また、換気ポート36は、当該隙間及び環状多孔質材37を介して、空気軸受用エア給排室32と連通する。つまり、空気軸受用ポート34からエアが供給されている場合、換気ポート36は、当該隙間と、ロック室47と、において発生するパーティクルを傾き調整装置100の外部に排出できる。また、空気軸受用ポート34からエアが供給されている場合、換気ポート36は、アクチュエータ収容空間54において生じるパーティクルを傾き調整装置100の外部に排出できる。
【0124】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0125】
○傾き調整装置100は、パッキン45を備えなくてもよい。この場合において、換気ポート36は、ロック室47を介して、第2揺動体端面21bと第1基台端面30aとにより形成される隙間と連通する。また、換気ポート36は、当該隙間及び環状多孔質材37を介して、空気軸受用エア給排室32と連通する。つまり、空気軸受用ポート34からエアが供給されるとともに、供給されるエアは、当該隙間及びロック室47を介して、換気ポート36から、傾き調整装置100の外部に排出される。したがって、この場合においても、換気ポート36は、アクチュエータ収容空間54において生じるパーティクルを傾き調整装置100の外部に排出できる。
【0126】
○傾き調整装置100は、換気ポート36を備えなくてもよい。また、アクチュエータ収容空間54は密閉されていてもよい。
○傾き調整装置100は、ロック機構40を備えなくてもよい。この場合、圧着部揺動体20は、駆動体55が、先端球体部23を保持することにより、装置基台30に対して保持される。
【0127】
○制御装置70は、駆動量計算部72を備えなくてもよい。この場合、制御装置70は、傾斜検出センサ80による測定の結果に基づいて、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々において要求されるエアの圧力の増減を決定するマップを記憶して備えていてもよい。制御装置70は、傾斜検出センサ80による測定の結果とマップとを照合して、第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4の各々において要求されるエアの圧力の増減を導出してもよい。
【0128】
○第1ベローズアクチュエータ対AA1の軸方向に延びる直線と第2ベローズアクチュエータ対AA2の軸方向に延びる直線とは直交しなくてもよい。
この場合、(1)式~(4)式におけるφは、第1ベローズアクチュエータ対AA1の軸方向に延びる直線と第2ベローズアクチュエータ対AA2の軸方向に延びる直線との間の角度に応じて変更される。
○基台軸LBから見た位置決め機構ハウジング51の断面は、略四角形でなくてもよい。
【0129】
○第1ベローズアクチュエータ対AA1及び第2ベローズアクチュエータ対AA2の各々の両端部は、位置決め機構ハウジング51の隅に設けられなくてもよい。
○第1ベローズアクチュエータ対AA1及び第2ベローズアクチュエータ対AA2の各々の両端部は、位置決め機構ハウジング51が備える側壁から離間した位置に設けられてもよい。つまり、第1~第4駆動用ポートA11~A14の各々は、位置決め機構ハウジング51が備える側壁から離間した位置に設けられてもよい。この場合、第1~第4駆動用基台ポート351~354の各々と第1~第4駆動用ポートA11~A14の各々とは、装置基台30の内部を通って連通する。
【0130】
○第1及び第3ベローズアクチュエータA1,A3は、第1ベローズアクチュエータ対AA1を形成しなくてもよい。また、第2及び第4ベローズアクチュエータA2,A4は、第2ベローズアクチュエータ対AA2を形成しなくてもよい。つまり、第1ベローズアクチュエータA1は、第3ベローズアクチュエータA3と対向する位置になくてもよい。また、第2ベローズアクチュエータA2は、第4ベローズアクチュエータA4と対向する位置になくてもよい。
【0131】
○位置決め機構50は、複数のアクチュエータとして、2つのベローズアクチュエータを用いてもよい。例えば、位置決め機構50は、複数のアクチュエータとして、第1ベローズアクチュエータA1及び第2ベローズアクチュエータA2だけを備えるとともに、これらと対向する位置にアクチュエータ備えなくてもよい。この場合、位置決め機構50は、複数のリニアスライド機構として第1リニアスライド機構61及び第2リニアスライド機構62を備える。また、この場合、位置決め機構50は、2つのベローズアクチュエータの各々が伸縮する方向において、駆動体55の位置決めを行う。2つのベローズアクチュエータは、2つのベローズアクチュエータの各々の軸が直交するように配置されるのが好ましい。
【0132】
○位置決め機構50は、複数のアクチュエータとして、複数のベローズアクチュエータを用いなくてもよい。アクチュエータとして、例えば、電動式アクチュエータを用いてもよい。
【0133】
○位置決め機構50は、複数のアクチュエータとして、3つのベローズアクチュエータを用いてもよい。この場合、例えば、3つのベローズアクチュエータは、駆動体55を、囲むように等間隔おきに設けられるのが好ましい。
【0134】
○位置決め機構50は、複数のアクチュエータとして、2つのボールねじアクチュエータBを備えていてもよい。複数のアクチュエータとして、例えば、2つのリニアモータや、2つの超音波直線モータや、2つのボイスコイルモータなどを用いてもよい。
【0135】
図11に示すように、ボールねじ位置決め機構B50は、第2基台端面30bに取り付けられている。2つのボールねじアクチュエータBの各々は、ボールねじ軸B11a,B11bの各々と、ボールねじモータB12a,B12bの各々と、ボールねじナットB13a,B13bの各々と、により構成されている。2つのボールねじアクチュエータBの各々は、ボールねじ位置決め機構B50が備える側壁のうち、互いに直交する2つのボールねじ側壁B51の各々に挿入されている。つまり、ボールねじ軸B11a,B11bは互いに直交する。2つのボールねじ軸B11a,B11bの各々は、ボールねじモータB12a,B12bの各々の駆動によって回転する。ボールねじ軸B11a,B11bの各々には、ボールねじナットB13a,B13bの各々が螺着されている。2つのボールねじナットB13a,B13bの各々は、回転するボールねじ軸B11a,B11bの各々に沿って移動する。ボールねじナットB13a,B13bの各々は、接続プレートB14a,B14bの各々を備える。2つの接続プレートB14a,B14bの各々には、ボールねじ軸B11a,B11bの各々が挿通されるとともに、その挿通箇所から延出するリニアガイドB15a,B15bの各々を備える。リニアガイドB15aは、ボールねじ軸B11bが延びる方向に移動可能となるように設けられている。また、リニアガイドB15bは、ボールねじ軸B11aが延びる方向に移動可能となるように設けられている。接続プレートB14a,B14bの各々は、リニアガイドB15a,B15bの各々を介して、駆動体B60と接続する。つまり、接続プレートB14a,B14bの各々は、ボールねじ側壁B51の各々と背向する面において、ボールねじナットB13a,B13bの各々と、駆動体B60の対応する側面と接続する。
【0136】
ボールねじナットB13aが移動する方向は、リニアガイドB15bが駆動体B60に対して移動する方向と一致する。また、ボールねじナットB13bが移動する方向は、リニアガイドB15aが駆動体B60に対して移動する方向と一致する。したがって、リニアガイドB15a,B15bの各々は、ボールねじナットB13a,B13bの一方が、駆動体B60を介して他方に与える影響を低減する。
【0137】
以上の構成により、2つのボールねじアクチュエータBの各々は、接続プレートB14a,B14bの各々を介して、駆動体B60を移動させる。これにより、ボールねじ位置決め機構B50は、2つのボールねじ側壁B51に直交する面内において、駆動体B60の位置決めを行う。
【0138】
○円筒軸受52は、円筒軸受内周面52a及び円筒軸受外周面52bにおいて、円筒軸受52の軸方向に延びる間隙52cを形成しなくてもよい。この場合、先端球体部23は、円筒軸受52の内径と一致する外径を有するものが用いられる。
【0139】
○駆動体55は、円筒軸受52及び軸受保持部53を別体として備えなくてもよい。この場合において、駆動体55は、円筒軸受52及び軸受保持部53が一体となって形成される。
【0140】
○駆動体55は、先端球体部23が挿入される挿入孔を画定する筒状体のみで形成されていてもよい。ここで、当該筒状体は、先端球体部23が挿入されるとともに保持される挿入孔を画定する柱体である。当該筒状体が画定する挿入孔は、円形に限らない。この場合、駆動体55は、先端球体部23を保持可能である軸受保持部53のみにより構成されるとともに、円筒軸受52を備えない。つまり、先端球体部23は、軸受保持部53に挿入されるとともに、軸受保持部53に保持される。
【0141】
○傾き調整装置100は、駆動体55を備えなくてもよい。この場合、位置決め機構50が備える第1~第4ベローズアクチュエータA1~A4は、先端球体部23に直接接続される。
【符号の説明】
【0142】
10…圧着ツール、10a…第1圧着ツール端面、10b…第2圧着ツール端面、21…揺動体、21a…第1揺動体端面、21b…第2揺動体端面、22…駆動軸、22a…第1駆動軸端部、22b…第2駆動軸端部、22d…中間球部、23…先端球体部、30…装置基台、30a…第1基台端面、30b…第2基台端面、30c…基台内周面、30d…挿通孔としての基台挿通孔、33…ロック用ポート、34…空気軸受用ポート、36…換気ポート、37…空気軸受としての環状多孔質材、40…ロック機構、42…支持部材、42e…第1シール、43…ロック部材、43a…ロック部材内周面、43d…第2シール、44…保持部、46…ロック用エア給排室、47…ロック室、50…位置決め機構、51…ハウジング部としての位置決め機構ハウジング、52…円筒軸受、52c…間隙、52d…挿入孔としての円筒軸受挿入孔、53…軸受保持部、54…収容空間としてのアクチュエータ収容空間、55…駆動体、61~64…複数のリニアスライド機構としての第1~第4リニアスライド機構、70…制御装置、71…アクチュエータ制御部、72…駆動量計算部、80…傾斜検出センサ、A1~A4…複数のアクチュエータとしての第1~第4ベローズアクチュエータ、AA1~AA2…2つのベローズアクチュエータ対としての第1ベローズアクチュエータ対と第2ベローズアクチュエータ対、LC…中心軸、S…基準面。
図1
図2
図3
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図10
図11