IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -光コネクタ清掃工具 図1
  • -光コネクタ清掃工具 図2
  • -光コネクタ清掃工具 図3
  • -光コネクタ清掃工具 図4
  • -光コネクタ清掃工具 図5
  • -光コネクタ清掃工具 図6
  • -光コネクタ清掃工具 図7
  • -光コネクタ清掃工具 図8
  • -光コネクタ清掃工具 図9
  • -光コネクタ清掃工具 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-17
(45)【発行日】2025-12-25
(54)【発明の名称】光コネクタ清掃工具
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20251218BHJP
   B08B 1/32 20240101ALI20251218BHJP
【FI】
G02B6/36
B08B1/32
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024576106
(86)(22)【出願日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 JP2023039659
(87)【国際公開番号】W WO2024166463
(87)【国際公開日】2024-08-15
【審査請求日】2025-04-07
(31)【優先権主張番号】P 2023019026
(32)【優先日】2023-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂口 有也
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-159304(JP,A)
【文献】特開2021-173777(JP,A)
【文献】国際公開第2009/119437(WO,A1)
【文献】特開平10-123362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
6/255
6/36-6/40
B08B 1/00-1/04
5/00-13/00
G03G 13/00
15/00
21/16-21/18
H01R 13/40-13/72
H02G 15/00-15/196
H05K 7/02-7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続端面と前記接続端面に設けられたガイドピンとを有する光コネクタの前記接続端面を清掃する光コネクタ清掃工具であって、
同一の方向に延在するように並べられた複数の糸状部材を備え、前記ガイドピンが貫通可能な第1の清掃体と、
前記ガイドピンを第1の方向に沿って挿入可能な挿入穴と、前記挿入穴が開口していると共に前記接続端面に前記第1の清掃体を押し付ける第1の押圧面と、を有する第1の押圧部材と、
前記第1の押圧部材を前記第1の方向を軸として回転させる回転機構と、を備えた光コネクタ清掃工具。
【請求項2】
請求項1に記載の光コネクタ清掃工具であって、
前記光コネクタ清掃工具は、前記第1の押圧面に前記第1の清掃体を供給すると共に、前記第1の押圧面から前記第1の清掃体を回収する供給回収機構を備えた光コネクタ清掃工具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光コネクタ清掃工具であって、
前記光コネクタ清掃工具は、前記光コネクタが有する2つの前記ガイドピンをそれぞれ挿入可能な2つの前記第1の押圧部材を備え、
前記第1の押圧部材は、非円形の断面形状をそれぞれ有しており、
前記回転機構は、前記接続端面に対する前記断面形状の姿勢が相互に異なる状態で、前記第1の押圧部材を回転させる光コネクタ清掃工具。
【請求項4】
請求項3に記載の光コネクタ清掃工具であって、
前記光コネクタ清掃工具は、前記接続端面に第2の清掃体を押し付ける第2の押圧面を有し、前記第1の押圧部材の間に配置された第2の押圧部材を備えた光コネクタ清掃工具。
【請求項5】
請求項4に記載の光コネクタ清掃工具であって、
前記光コネクタ清掃工具は、前記第1の押圧部材の間で前記第1の押圧部材の配列方向に沿って前記第2の押圧部材を移動させる移動機構を備えた光コネクタ清掃工具。
【請求項6】
請求項5に記載の光コネクタ清掃工具であって、
前記移動機構は、前記回転機構による前記第1の押圧部材の回転に連動して、前記断面形状の短手方向が前記配列方向に一致する前記第1の押圧部材側に、前記第2の押圧部材を移動させる光コネクタ清掃工具。
【請求項7】
請求項5に記載の光コネクタ清掃工具であって、
前記移動機構は、前記回転機構による前記第1の押圧部材の回転に伴って、一方の前記第1の押圧部材によって前記配列方向に前記第2の押圧部材を押すことで、他方の前記第1の押圧部材側に前記第2の押圧部材を移動させる光コネクタ清掃工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタの接続端面を清掃する光コネクタ清掃工具に関するものである。
文献の参照による組み込みが認められる指定国については、2023年2月10日に日本国に出願された特願2023-19026に記載された内容を参照により本明細書に組み込み、本明細書の記載の一部とする。
【背景技術】
【0002】
光コネクタの端面におけるピンの周囲の領域に糸状の清掃部材を接触させることで、当該領域を清掃する光コネクタ端面クリーナが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-159304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のクリーナでは、清掃部材がピンの周囲を通過する際に、当該清掃部材を構成する糸がピンによって押し広げられるため、清掃部材が光コネクタの端面に対向できない領域がピンの上流側及び下流側に必然的に発生してしまう。このため、ピンの周囲に拭き残しが生じて十分な清掃品質を確保できない場合がある、という問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、光コネクタの接続端面上の拭き残しの低減を図ることが可能な光コネクタ清掃工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明の態様1は、接続端面と前記接続端面に設けられたガイドピンとを有する光コネクタの前記接続端面を清掃する光コネクタ清掃工具であって、同一の方向に延在するように並べられた複数の糸状部材を備え、前記ガイドピンが貫通可能な第1の清掃体と、前記ガイドピンを第1の方向に沿って挿入可能な挿入穴と、前記挿入穴が開口していると共に前記接続端面に前記第1の清掃体を押し付ける第1の押圧面と、を有する第1の押圧部材と、前記第1の押圧部材を前記第1の方向を軸として回転させる回転機構と、を備えた光コネクタ清掃工具である。
【0007】
[2]本発明の態様2は、態様1の光コネクタ清掃工具において、前記光コネクタ清掃工具は、前記第1の押圧面に前記第1の清掃体を供給すると共に、前記第1の押圧面から前記第1の清掃体を回収する供給回収機構を備えた光コネクタ清掃工具であってもよい。
【0008】
[3]本発明の態様3は、態様1又は2の光コネクタ清掃工具において、前記光コネクタ清掃工具は、前記光コネクタが有する2つの前記ガイドピンをそれぞれ挿入可能な2つの前記第1の押圧部材を備え、前記第1の押圧部材は、非円形の断面形状をそれぞれ有しており、前記回転機構は、前記接続端面に対する前記断面形状の姿勢が相互に異なる状態で、前記第1の押圧部材を回転させる光コネクタ清掃工具であってもよい。
【0009】
[4]本発明の態様4は、態様3の光コネクタ清掃工具において、前記光コネクタ清掃工具は、前記接続端面に第2の清掃体を押し付ける第2の押圧面を有し、前記第1の押圧部材の間に配置された第2の押圧部材を備えた光コネクタ清掃工具であってもよい。
【0010】
[5]本発明の態様5は、態様4の光コネクタ清掃工具において、前記光コネクタ清掃工具は、前記第1の押圧部材の間で前記第1の押圧部材の配列方向に沿って前記第2の押圧部材を移動させる移動機構を備えた光コネクタ清掃工具であってもよい。
【0011】
[6]本発明の態様6は、態様5の光コネクタ清掃工具において、前記移動機構は、前記回転機構による前記第1の押圧部材の回転に連動して、前記断面形状の短手方向が前記配列方向に一致する前記第1の押圧部材側に、前記第2の押圧部材を移動させる光コネクタ清掃工具であってもよい。
【0012】
[7]本発明の態様7は、態様5又は6の光コネクタ清掃工具において、前記移動機構は、前記回転機構による前記第1の押圧部材の回転に伴って、一方の前記第1の押圧部材によって前記配列方向に前記第2の押圧部材を押すことで、他方の前記第1の押圧部材側に前記第2の押圧部材を移動させる光コネクタ清掃工具であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、光コネクタの接続端面上のガイドピンの周りの領域に第1の清掃体を押し付けている第1の押圧部材を回転機構により回転させる。これにより、本発明では、光コネクタの接続端面におけるガイドピンの周りの全周の領域に第1の清掃体を接触させることができ、当該接続端面上の拭き残しの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の第1実施形態における光コネクタ清掃工具の清掃対象である光コネクタを示す正面図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態における光コネクタ清掃工具の全体構成を示す概略断面図である。
図3図3(a)は、本発明の第1実施形態における第1の清掃体を示す平面図であり、図3(b)は、その第1の清掃体にガイドピンが貫通している状態を示す平面図である。
図4図4(a)及び図4(b)は、本発明の第1実施形態における第1及び第2の清掃シャフトの先端部分を示す正面図及び平面図である。
図5図5は、本発明の第1実施形態における光コネクタ清掃工具が備える第1の供給回収機構と回転機構を示す概略断面図である。
図6図6は、本発明の第1実施形態における光コネクタ清掃工具が備える第2の供給回収機構を示す概略断面図である。
図7図7(a)及び図7(b)は、本発明の第2実施形態における第1及び第2の清掃シャフトの先端部分を示す正面図及び平面図である。
図8図8は、図7(a)のVIII-VIII線に沿った断面図である。
図9図9(a)及び図9(b)は、図7(a)及び図7(b)に示す状態から第1の清掃シャフトを45度回転させた状態を示す正面図及び平面図である。
図10図10(a)及び図10(b)は、図9(a)及び図9(b)に示す状態から第1の清掃シャフトをさらに45度回転させた状態を示す正面図及び平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態における光コネクタ清掃工具1は、光ファイバ同士を接続する光コネクタの接続端面を清掃するクリーナである。図1は本実施形態における光コネクタ清掃工具1の清掃対象である光コネクタ100を示す正面図である。
【0017】
この光コネクタ清掃工具1の清掃対象である光コネクタ100は、特に限定されないが、例えば、複数の光ファイバを同時に接続する多心一括接続型の光コネクタプラグである。
【0018】
具体的には、この光コネクタ100は、図1に示すように、扁平(長方形)の断面形状(端面形状)を有するフェルール110を備えている。このフェルール110は、所謂、MT(Mechanical Transferable)フェルールであり、当該フェルール110の断面長手
方向に沿って並べられた複数(例えば12個)のファイバ保持孔を有している。そして、この複数のファイバ保持孔には光ファイバ120がそれぞれ挿入されており、当該光ファイバ120は接着剤によりフェルール110に固定されている。この複数の光ファイバ120は、フェルール110の端面111からそれぞれ露出している。このフェルール110は、ハウジング130に保持されている。
【0019】
なお、フェルール110が保持する光ファイバ120の数は、特に限定されず、12本より少なくてもよいし、12本より多くてもよい。また、光ファイバ120が、フェルール110の断面長手方向に沿った複数の列(例えば2列)に並べられていてもよい。上記のフェルール110として、JIS C 5981やJIS C 5982に規定されているMTフェルールを用いてもよい。
【0020】
上記のフェルール110を備えた一対の光コネクタ100を接続する場合には、当該一対の光コネクタ100をスリーブ状のアダプタ140の両側の挿入口141に挿入する。そして、当該一対の光コネクタ100のフェルール110の端面111同士を突き合せることで、当該フェルール110の端面111からそれぞれ露出している光ファイバ120同士が光学的に接続される。この際、一方のフェルール110が有するガイドピン112が他方のフェルール110のガイド穴(不図示)に挿入されることで、光コネクタ100同士が高精度に位置決めされる。このガイドピン112は、円柱状のピンであり、ガイド穴への挿入を容易にするためにテーパ状の先端部を有している(図2参照)。
【0021】
この突合せの際に、フェルール110の端面111にゴミ、埃、油分等の汚れが付着していると、着脱時の損傷や伝送損失の増大などの原因となってしまう場合がある。そのため、光コネクタ100を接続する前に、以下に説明する光コネクタ清掃工具1を使用して、フェルール110の端面111を清掃する。この清掃の際、清掃対象である光コネクタ100はアダプタ140の一方の挿入口141に挿入されており、光コネクタ清掃工具1が当該アダプタ140の他方の挿入口141に挿入されることで、当該光コネクタ100のフェルール110の端面111の清掃が行われる(図2参照)。
【0022】
なお、上述した光コネクタ100は、プラグ-アダプタ-プラグ結合方式に用いられる光コネクタプラグであるが、プラグ-レセプタクル結合方式に用いられる光コネクタレセプタクルにおいて、以下に説明する光コネクタ清掃工具1を用いてフェルールの端面を清掃してもよい。具体的には、この光コネクタレセプタクルは、光ファイバの先端に取り付けられたフェルールを、光コネクタプラグが挿入されるハウジング内に組み込んだものである。
【0023】
或いは、光コネクタ清掃工具1の先端に、アダプタの内孔と同じ形状の内孔を有するキャップを取り付けて、当該キャップに光コネクタプラグを挿入することで、アダプタに挿入されていない状態の光コネクタプラグ単体の接続端面を清掃してもよい。
【0024】
以下に、本実施形態における光コネクタ清掃工具1の構成について、図2図6を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図2は本実施形態における光コネクタ清掃工具1の全体構成を示す概略断面図である。図3(a)は本実施形態における第1の清掃体10を示す平面図であり、図3(b)はその第1の清掃体10に光コネクタ100のガイドピン112が貫通している状態を示す平面図である。図4(a)及び図4(b)は本実施形態における第1及び第2の清掃シャフト30,40の先端部分を示す正面図及び平面図である。図5は本実施形態における光コネクタ清掃工具1が備える第1の供給回収機構と回転機構を示す概略断面図であり、図6は本実施形態における光コネクタ清掃工具1が備える第2の供給回収機構を示す概略断面図である。
【0026】
なお、図2図5及び図6は、光コネクタ清掃工具1の構成を模式的に示す図であるため、同図における光コネクタ100の接続端面111に対する清掃体10,20の移動方向は、実際の移動方向と一致していない。光コネクタ100の接続端面111に対する清掃体10,20の実際の移動方向は、図4(a)及び図4(b)において直線状の矢印で示す通りである。
【0027】
本実施形態における光コネクタ清掃工具1(以下単に「クリーナ1」とも称する。)は、図2に示すように、2種類の清掃体10,20を用いて光コネクタ100の接続端面111を清掃する。第1の清掃体10は、接続端面111におけるガイドピン112の周囲の領域AR1(図1中の一点鎖線の枠を参照)の清掃を担当する。一方、第2の清掃体20は、当該接続端面111において2本のガイドピン112の間の領域AR2(図1中の二点鎖線の枠を参照)の清掃を担当する。
【0028】
第1の清掃体10は、図3(a)に示すように、同一の方向(図中の上下方向)に延在するように並べられた複数の糸状部材11から構成されている。特に限定されないが、それぞれの糸状部材11の具体例としては、例えば、ポリエステルやナイロン等からなる極細の繊維を例示することができる。この第1の清掃体10は、複数の糸状部材11に交差する他の糸状部材を有していない。そのため、図3(b)に示すように、光コネクタ100のガイドピン112に第1の清掃体10を貫通している状態であっても、糸状部材11の延在方向と同一の方向(図中の上下方向)に沿って、第1の清掃体10がガイドピン112に対して相対的に移動することが可能となっている。なお、複数の糸状部材11は、それぞれが等間隔に並べられており、その互いの間隔(ピッチ)は、ガイドピン112の径よりも小さい。特に限定されないが、複数の糸状部材11の間隔(ピッチ)は、ガイドピン112の外径に比して5分の1以下であることが好ましい。更に言えば、複数の糸状部材11の間隔(ピッチ)は、糸状部材11の厚さと同じとして、糸状部材11同士が隙間なく互いに接して配置されていてもよい。
【0029】
これに対し、第2の清掃体20は、図4(a)及び図4(b)に示すように、幅広の帯状のテープで構成されており、光コネクタ100の接続端面111におけるガイドピン112の間の領域AR2を一度に拭くことが可能となっている。特に限定されないが、こうしたテープ状の第2の清掃体20の具体例としては、ポリエステルやナイロン等からなる織布を例示することができる。
【0030】
本実施形態におけるクリーナ1は、図2に示すように、一対の第1の清掃シャフト30と、第2の清掃シャフト40と、送出ボビン51,52と、巻取ボビン53,54と、ガイドノズル60と、支持体70と、ハウジング80と、付勢部材90と、を備えている。
【0031】
図2及び図5に示すように、第1の清掃シャフト30は、第1の清掃体10を光コネクタ100の接続端面111に押し付ける押圧面311をその先端に有している。この第1の清掃シャフト30には、押圧面311で折り返すように第1の清掃体10が掛け回されている。この第1の清掃シャフト30には、送出ボビン51から未使用の第1の清掃体10が供給される。そして、押圧面311で使用された第1の清掃体10は巻取ボビン53に回収される。本実施形態の光コネクタ清掃工具1は、光コネクタ100が有するガイドピン112の本数に対応して2本の第1の清掃シャフト30を備えており、当該2つの第1の清掃シャフト30はいずれも同じ構成を有している。
【0032】
具体的には、図4(a)及び図4(b)に示すように、第1の清掃シャフト30は、円形の断面形状を有する先端部分を備えている。また、この第1の清掃シャフト30の内部を、第1の清掃体10が通過することが可能となっていると共に、押圧面311に一対のガイド孔312,313が形成されている。図4(a)~図5に示すように、送出ボビン51から送り出された未使用の第1の清掃体10は、第1の清掃シャフト30の内部及び一方のガイド孔312を通過して、押圧面311に供給される。そして、使用済みの第1の清掃体10は、押圧面311から、他方のガイド孔313及び第1の清掃シャフト30の内部を通過して、巻取ボビン53に巻き取られる。
【0033】
また、この押圧面311には挿入穴314が形成されている。この挿入穴314は、円形の断面形状を有しており、押圧面311の中央で開口している。この挿入穴314に光コネクタ100のガイドピン112が挿入可能となっている。この挿入穴314の中心は、第1の清掃シャフト30の後述する回転軸と実質的に一致している。
【0034】
なお、この第1の清掃シャフト30が複数の部材から構成されていてもよい。例えば、後述する第2実施形態のように、第1の清掃シャフト30が、押圧面を有する清掃ヘッドと、当該清掃ヘッドを支持するシャフト本体と、を備えていてもよい。また、第1の清掃シャフト30が、清掃ヘッドを前方に付勢する付勢部材(例えばコイルバネ等)を備えていてもよい。
【0035】
図2及び図6に示すように、第2の清掃シャフト40も、第2の清掃体20を光コネクタ100の接続端面111に押し付ける押圧面411をその先端に有している。この第2の清掃シャフト40には、押圧面411で折り返すように第2の清掃体20が掛け回されている。この第2の清掃シャフト40には、送出ボビン52から未使用の第2の清掃体20が供給される。そして、押圧面411で使用された第2の清掃体20は巻取ボビン54に回収される。
【0036】
具体的には、図4(a)及び図4(b)に示すように、第2の清掃シャフト40は、扁平の矩形の断面形状を有する先端部分を有しており、押圧面411に供給及び回収される第2の清掃体20が第2の清掃シャフト40の上方及び下方を通過することが可能となっている。図4(a)、図4(b)及び図6に示すように、送出ボビン52から送り出された未使用の第2の清掃体20は、第2の清掃シャフト40の下方を通過して、押圧面311に供給される。そして、使用済みの第1の清掃体10は、押圧面411から、第2の清掃シャフト40の上方を通過して、巻取ボビン54に巻き取られる。
【0037】
なお、上述した第1の清掃シャフト30のように、第2の清掃体20が第2の清掃シャフト40の内部を通過するように第2の清掃シャフト40を構成してもよい。また、第2の清掃シャフト40が複数の部材から構成されていてもよい。例えば、第2の清掃シャフト40が、押圧面を有する清掃ヘッドと、当該清掃ヘッドを支持するシャフト本体と、を備えていてもよい。また、第2の清掃シャフト40が、当該清掃ヘッドを前方に付勢する付勢部材(例えばコイルバネ等)を備えていてもよい。
【0038】
この第2の清掃シャフト40は、上述の領域AR1,AR2の配列(図1参照)に対応するように、一対の第1の清掃シャフト30の間に配置されている。そして、図2図5及び図6に示すように、第1及び第2の清掃シャフト30,40は、当該第1及び第2の清掃シャフト30,40の先端部分が突出するように、ガイドノズル60に収容されている。
【0039】
このガイドノズル60の先端部分は、光コネクタ100のアダプタ140の挿入口141に嵌合可能な外形形状を有している。ガイドノズル60の先端部分がアダプタ140の挿入口141に嵌合すると、第1及び第2の清掃シャフト30,40の押圧面311,411が光コネクタ100の接続端面111に対して位置決めされると共に、第1の清掃シャフト30の挿入穴314が光コネクタ100のガイドピン112に対して位置決めされる。
【0040】
このガイドノズル60は支持体70に接続されており、第1及び第2の清掃シャフト30,40の後端側の部分が支持体70の中に進入している。一対の第1の清掃シャフト30は、第1の方向を軸として回転可能に支持体70にそれぞれ支持されている。これに対し、第2の清掃シャフト40は、支持体70に固定されており、当該支持体70に対して回転不能となっている。ここで、第1の方向とは、光コネクタ100の清掃時におけるアダプタ140に対するクリーナ1の挿抜方向であると共に、第1の清掃シャフト30の軸方向(長手方向)でもある。さらに、第1の方向とは、押圧面311または411が、接続端面111を押圧する押圧方向でもある。
【0041】
上述した送出ボビン51,52、及び、巻取ボビン53,54も、支持体70に収容されている。これらのボビン51~54は回転可能に支持体70に支持されている。なお、図5及び図6に示すように、いずれのボビン51~54も図中の時計廻りのみに回転可能となっており、特に図示しないラチェット機構により反時計廻りの回転が制限されている。なお、このボビン51~54の回転方向は、1方向にのみ回転することができればよく、本実施形態とは逆に、ボビン51~54を反時計回りにのみ回転可能として時計回りの回転が制限されてもよい。
【0042】
この支持体70は、第1の方向に沿って相対的に移動可能にハウジング80に収容されている。ハウジング80には開口81が形成されており、ガイドノズル60は、この開口81を介して、ハウジング80から前方に向かって突出している。
【0043】
また、支持体70とハウジング80との間には付勢部材90が介在している。この付勢部材90は、ハウジング80に対して支持体70を前方に向かって付勢している。こうした付勢部材90の具体例としては、特に限定されないが、例えばコイルバネを例示することができる。
【0044】
図5に示すように、支持体70に支持されている巻取ボビン53は、ピニオンギア55を有している。また、ハウジング80は、このピニオンギア55に噛合しているラックギア82を有している。このため、第1の方向に沿って支持体70がハウジング80に対して相対移動すると、ラックギア82及びピニオンギア55により直線運動が回転運動に変換され、巻取ボビン53が回転するので、第1の清掃シャフト30の押圧面311で使用された第1の清掃体10が当該巻取ボビン53に巻き取られる。また、この巻取動作に伴って第1の清掃体10に引張力が作用して送出ボビン51が回転するので、当該送出ボビン51から未使用の第1の清掃体10が第1の清掃シャフト30の押圧面311に送り出される。
【0045】
すなわち、本実施形態では、第1の清掃シャフト30の押圧面311に第1の清掃体10を供給及び回収する「第1の供給回収機構」が、2つのボビン51,53と、ラックギア82及びピニオンギア55からなるラックアンドピニオン機構と、ハウジング80に対する支持体70の相対移動と、によって実現されている。なお、この第1の供給回収機構の構成は、第1の清掃シャフト30の押圧面311に第1の清掃体10を供給すると共に、当該押圧面311から第1の清掃体10を回収する機能を有するものであれば、特に上記に限定されない。
【0046】
同様に、図6に示すように、支持体70に保持されている巻取ボビン54は、ピニオンギア56を有している。また、ハウジング80は、このピニオンギア56に噛合しているラックギア83を有している。このため、支持体70がハウジング80に対して相対移動すると、ラックギア83及びピニオンギア56により直線運動が回転運動に変換され、巻取ボビン54が回転するので、第1の清掃シャフト30の押圧面311で使用された第2の清掃体20が巻取ボビン54に巻き取られる。また、この巻取動作に伴って第2の清掃体20に引張力が作用して送出ボビン52が回転するので、当該送出ボビン52から第2の清掃体20が第2の清掃シャフト40の押圧面411に送り出される。
【0047】
すなわち、本実施形態では、第2の清掃シャフト40の押圧面411に第2の清掃体20を供給及び回収する「第2の供給回収機構」が、2つのボビン53,54と、ラックギア83及びピニオンギア56からなるラックアンドピニオン機構と、ハウジング80に対する支持体70の相対移動と、によって実現されている。なお、この第2の供給回収機構の構成は、第2の清掃シャフト40の押圧面411に第2の清掃体20を供給すると共に、当該押圧面411から第2の清掃体20を回収する機能を有するものであれば、特に上記に限定されない。
【0048】
さらに、図5に示すように、第1の清掃シャフト30の後端側の部分の外周面には螺旋状のカム溝321が形成されている。また、ハウジング80は、このカム溝321に挿入されたカムピン84を有している。このため、第1の方向に沿って支持体70がハウジング80に対して相対移動すると、カムピン84がカム溝321内を相対的にスライド移動するので、第1の清掃シャフト30が第1の方向を中心の軸として回転する。換言すれば、第1の清掃シャフト30は、第1の方向に対して平行に延在する仮想上の軸を中心として回転する。
【0049】
すなわち、本実施形態では、第1の清掃シャフト30を第1の方向を軸として回転させる「回転機構」が、カムピン84及びカム溝321からなるカム機構と、ハウジング80に対する支持体70の相対移動と、によって実現されている。なお、この回転機構の構成は、第1の清掃シャフト30を第1の方向を軸として回転させる機能を有するものであれば、特に上記に限定されない。
【0050】
次に、以上に説明した光コネクタ清掃工具1の使用方法の一例について説明する。
【0051】
光コネクタ清掃工具1を用いて光コネクタ100の接続端面111を清掃するに際して、図2に示すように、先ず、作業者が、クリーナ1の先端部分をアダプタ140の挿入口141に挿入する。この際、ガイドノズル60の先端部分が挿入口141に嵌合することで、第1及び第2の清掃シャフト30,40の押圧面311,411が光コネクタ100の接続端面111に対して位置決めされると共に、第1の清掃シャフト30の挿入穴314が光コネクタ100のガイドピン112に対して位置決めされる。
【0052】
そして、作業者がクリーナ1の先端部分をアダプタ140の挿入口141にさらに挿入すると、光コネクタ100のガイドピン112が、第1の清掃体10を貫通して第1の清掃シャフト30の挿入穴314に挿入されると共に、第1及び第2の清掃シャフト30,40の押圧面311,411が、第1及び第2の清掃体10,20を光コネクタ100の接続端面111にそれぞれ押し付ける。
【0053】
次いで、作業者が第1の方向に沿ってガイドノズル60に対してハウジング80を押し込むと、付勢部材90が収縮すると共に、ラックギア82及びピニオンギア55が巻取ボビン53を回転させる。このため、使用済みの第1の清掃体10が当該押圧面311から巻取ボビン53に回収されると共に、未使用の第1の清掃体10が送出ボビン51から第1の清掃シャフト30の押圧面311に供給される。これにより、第1の清掃体10が光コネクタ100の接続端面111に押し付けられながら摺動して、当接続該端面111においてガイドピン112の周囲の領域AR1に付着している汚れを拭き取る。
【0054】
この際に、本実施形態では、上記の作業者によるガイドノズル60に対するハウジング80の押込動作により、ハウジング80のカムピン84が第1の清掃シャフト30のカム溝321内を相対的にスライド移動して、第1の清掃シャフト30が第1の方向を回転軸(回転中心)として回転する。この回転機構の回転により、図3(b)において破線で示すように、第1の清掃シャフト30により接続端面111に押し付けられている第1の清掃体10が、ガイドピン112を中心として回転する。このため、光コネクタ100のガイドピン112によって第1の清掃体10が押し広げられていても、ガイドピン112の周りに第1の清掃体10が対向しない領域が生じることがなく、光コネクタ100の接続端面111におけるガイドピン112の周りの全周の領域から汚れを拭き取ることができる。なお、図3(b)では回転機構により第1の清掃体10が90度回転しているが、回転機構による第1の清掃シャフト30の回転角度は90度に限定されない。
【0055】
また、上記の作業者によるガイドノズル60に対するハウジング80の押込動作に伴って、ラックギア83及びピニオンギア56が巻取ボビン54を回転させるので、使用済みの第2の清掃体20が当該押圧面411から巻取ボビン54に回収されると共に、未使用の第2の清掃体20が送出ボビン52から第2の清掃シャフト40の押圧面411に供給される。これにより、第2の清掃体20が光コネクタ100の接続端面111に押し付けられながら摺動して、当該端面111において2本のガイドピン112の間の領域AR2に付着している汚れを拭き取る。
【0056】
次いで、作業者がガイドノズル60に対するハウジング80の押し込みを解除すると、付勢部材90の弾性力によりガイドノズル60に対してハウジング80が後退する。この際、特に図示しないラチェット機構によって、いずれのボビン51~54も、図中の反時計廻りの回転が制限されているので回転しない。
【0057】
一方、この作業者による解除動作により、ハウジング80のカムピン84が第1の清掃シャフト30のカム溝321内を相対的にスライド移動して、上述の押込動作時の回転方向とは逆方向に第1の清掃シャフト30が回転する。
【0058】
清掃が完了したら、作業者はクリーナ1の先端部分をアダプタ140の挿入口141から引き抜くことで、クリーナ1をアダプタ140から取り外す。
【0059】
以上のように、本実施形態では、光コネクタ100の接続端面111におけるガイドピン112の周りの領域AR1に第1の清掃体10を押し付けている第1の清掃シャフト30を、図5に示す回転機構により回転させる。このため、本実施形態では、光コネクタ100の接続端面111におけるガイドピン112の周りの全周の領域に第1の清掃体10を接触させることができ、当該接続端面111上の拭き残しの低減を図ることができる。
【0060】
また、本実施形態では、光コネクタ100の接続端面111に押し付けた第1の清掃体10を回転機構により回転させながら、第1の供給回収機構により第1の清掃体10を接続端面111上で摺動させるので、汚れの再付着の低減を図ることもできる。
【0061】
<<第2実施形態>>
図7(a)及び図7(b)は本発明の第2実施形態における第1及び第2の清掃シャフト30A,30B,40の先端部分を示す正面図及び平面図であり、上述した図4(a)及び図4(b)に対応する図である。図8図7(a)のVIII-VIII線に沿った断面図で
ある。図9(a)及び図9(b)は図7(a)及び図7(b)に示す状態から第1の清掃シャフト30A,30Bを45度回転させた状態を示す正面図及び平面図であり、図10(a)及び図10(b)は図9(a)及び図9(b)に示す状態から第1の清掃シャフト30A,30Bをさらに45度回転させた状態を示す正面図及び平面図である。
【0062】
本実施形態では、(1)第1の清掃シャフトの先端部分の断面形状が楕円形状である点と、(2)第2の清掃シャフトの清掃ヘッドを横方向に移動させる移動機構をクリーナが備えている点とで、第1実施形態と相違するが、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。以下に、第2実施形態におけるクリーナについて第1実施形態との相違点についてのみ説明し、第1実施形態と同様の構成である部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0063】
一方の第1の清掃シャフト30Aは、図7(a)及び図7(b)に示すように、押圧面311を先端に有する清掃ヘッド31と、当該清掃ヘッド31を支持するシャフト本体32と、を備えている。清掃ヘッド31は、上述した第1実施形態の第1の清掃シャフト30の先端部分の断面形状と異なり、楕円形の断面形状を有している。この清掃ヘッド31の押圧面311に形成されたガイド孔312,313は、楕円形の長軸の両端の近傍に配置されている。挿入穴314は、この清掃ヘッド31の押圧面311の中央で開口している。この挿入穴314の中心は、後述する第1の清掃シャフト30Aの回転軸と実質的に一致している。特に図示しないが、シャフト本体32の後端側の部分の外周面に、カム溝321が形成されている。他方の第1の清掃シャフト30Bも、一方の第1の清掃シャフト30Aと同様の構成を有している。
【0064】
なお、第1の清掃シャフト30A,30Bの清掃ヘッド31の断面形状は、非円形形状であれば特に上記に限定されない。例えば、第1の清掃シャフト30A,30Bの清掃ヘッド31の断面形状が、長円(半円同士を一対の直線で接続した形状)、多角形、或いは、円弧状の角部を有する多角形等であってもよい。また、特に図示しないが、第1の清掃シャフト30A,30Bが、清掃ヘッド31を前方に付勢する付勢部材(例えばコイルバネ等)を備えていてもよい。
【0065】
この一対の第1の清掃シャフト30A,30Bは、上述の第1実施形態の第1の清掃シャフト30と同様に、第1の方向を軸として回転可能に支持体70に支持されているが、本実施形態では、楕円形の長軸が異なる方向となるような姿勢で2つの第1の清掃シャフト30A,30Bは支持体70の支持されている。
【0066】
一例を挙げれば、図7(a)及び図7(b)に示すように、一方の第1の清掃シャフト30Aは、その長軸の方向が図中の左右方向に沿った姿勢で支持体70に支持されている。これに対し、他方の第1の清掃シャフト30Bは、その長軸の方向が図中の上下方向に沿った姿勢で支持体70に支持されている。すなわち、2つの第1の清掃シャフト30A,30Bは、その長軸の向きが90度ずれるように支持体70に支持されている。
【0067】
そして、この2つの第1の清掃シャフト30,40は、その長軸の方向が相互に90度ずれた状態を維持しながら、第1実施形態と同様の回転機構によって回転することが可能となっている。すなわち、本実施形態では、この回転機構は、光コネクタ100の接続端面111に対する清掃ヘッド31の姿勢が相互に異なる状態で、第1の清掃シャフト30A,30Bを回転させることが可能となっている。なお、2つの第1の清掃シャフト30,40の長軸の方向のズレ角は、相互にずれているのであれば、上記の角度に特に限定されない。
【0068】
第2の清掃シャフト40は、図7(a)~図8に示すように、押圧面411を先端に有する清掃ヘッド41と、当該清掃ヘッド41を支持するシャフト本体42と、を備えている。清掃ヘッド41は、当該清掃ヘッド41の幅方向に延在している係合突起412をその後端部分に備えている。また、シャフト本体42も、当該シャフト本体42の幅方向に延在している係合溝421をその先端部分に有している。そして、係合突起412が係合溝421に係合しており、清掃ヘッド41がシャフト本体42に対して第2の方向に沿ってスライド移動することが可能となっている。すなわち、この係合突起412と係合溝421によって、シャフト本体42に対する清掃ヘッド41の第2の方向に沿ったスライド移動を許容する「スライド機構」が実現されている。ここで、第2の方向とは、一対の第1の清掃シャフト30A,30Bの配列方向である。なお、第2の清掃シャフト40が、清掃ヘッド41を前方に付勢する付勢部材(例えばコイルバネ等)を備えていてもよい。
【0069】
図7(a)及び図7(b)に示すように、この第2の清掃シャフト40は、一対の第1の清掃シャフト30A,30Bの間に配置されている。そして、第1の清掃シャフト30A,30Bの清掃ヘッド31の断面形状が非円形であることから、一対の第1の清掃シャフト30A,30Bの回転に伴って、第2の清掃シャフト40の清掃ヘッド41がシャフト本体42に対して第2の方向に沿って移動することが可能となっている。
【0070】
具体的には、図7(a)及び図7(b)に示すように、一方の第1の清掃シャフト30Aの長軸の方向(長手方向)及び他方の清掃シャフト30Bの短軸の方向(短手方向)が第2の方向(図中の左右方向)に一致している状態では、一方の第1の清掃シャフト30Aによって第2の清掃シャフト40の清掃ヘッド41が図中の左方向に押圧されており、当該清掃ヘッド41が第2の方向において他方の第1の清掃シャフト30B側に位置している。
【0071】
そして、ハウジング80に対して支持体70が相対移動すると、図9(a)及び図9(b)に示すように、2つの第1の清掃シャフト30A,30Bの清掃ヘッド31が図中の反時計回りに45度回転する。この回転により、一方の第1の清掃シャフト30Aは、その長軸の方向が図中の上下方向に対して右側に45度傾斜した姿勢となる。これに対し、他方の清掃シャフト30Bは、その長軸の方向が図中の上下方向に対して左側に45度傾斜した姿勢となる。
【0072】
また、この第1の清掃シャフト30A,30Bの回転に伴って、他方の第1の清掃シャフト30Bによって第2の清掃シャフト40の清掃ヘッド41が図中の右方向に押されて、当該清掃ヘッド41が第2の方向において一方の第1の清掃シャフト30A側に移動する。
【0073】
そして、図9(a)及び図9(b)に示す状態から支持体70がハウジング80に対してさらに相対移動すると、図10(a)及び図10(b)に示すように、2つの第1の清掃シャフト30A,30Bの清掃ヘッド31が図中の反時計回りにさらに45度回転する。この回転により、一方の第1の清掃シャフト30Aは、その長軸の方向が図中の上下方向に沿った姿勢となる。これに対し、他方の清掃シャフト30Bは、その長軸の方向が図中の左右方向に沿った姿勢となる。
【0074】
また、この第1の清掃シャフト30A,30Bの回転に伴って、他方の第1の清掃シャフト30Bによって第2の清掃シャフト40の清掃ヘッド41が図中の右方向にさらに押されて、当該清掃ヘッド41が第2の方向において一方の第1の清掃シャフト30A側にさらに移動する。
【0075】
すなわち、本実施形態では、一対の第1の清掃シャフト30A,30Bの間で第2の方向に沿って第2の清掃シャフト40の清掃ヘッド41を移動させる「移動機構」が、第1の清掃シャフト30A,30Bの非円形の断面形状と、第2の清掃シャフト40の係合突起412及び係合溝421からなるスライド機構と、上述の回転機構の回転動作と、によって実現されている。
【0076】
以上のように、本実施形態では、第1実施形態と同様に、光コネクタ100の接続端面111におけるガイドピン112の周りの領域AR1に第1の清掃体10を押し付けている第1の清掃シャフト30を、回転機構により回転させる。このため、本実施形態では、光コネクタ100の接続端面111におけるガイドピン112の周りの全周の領域に第1の清掃体10を接触させることができ、当該接続端面111上の拭き残しを低減することができる。
【0077】
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、光コネクタ100の接続端面111に押し付けた第1の清掃体10を回転させながら、第1の供給回収機構により第1の清掃体10を接続端面111上で摺動させるので、汚れの再付着の低減を図ることもできる。
【0078】
さらに、本実施形態では、第1の清掃シャフト30A,30Bの清掃ヘッド31が非円形の断面形状を有していると共に、第2の清掃シャフト40の清掃ヘッド41が移動機構により第2の方向に沿って移動可能となっている。これにより、本実施形態では、第1の清掃体10が清掃を担当する領域AR1と、第2の清掃体20が清掃を担当する領域AR2とが重複するので、光コネクタ100の接続端面111上の拭き残しをさらに低減することができる。
【0079】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0080】
上述したクリーナは一対の第1の清掃シャフト30A,30Bの間に介在する第2の清掃シャフト40を備えているが、クリーナが第2の清掃シャフト40を備えていなくてもよい。例えば、第1の清掃シャフト30A,30Bの先端部分が非円形の断面形状を有すると共に、当該断面形状の姿勢が相互に異なる状態で第1の清掃シャフト30A,30Bが回転可能である場合に、第1の清掃体10が清掃を担当する2つの領域AR1を相互に重複させてもよい。
【0081】
また、上述した第2実施形態では、回転機構の回転動作を利用して移動機構が第2の清掃シャフト40の清掃ヘッド41を移動させているが、回転機構の回転動作とは別の動作を利用して移動機構が清掃ヘッド41を移動させてもよい。或いは、第2の清掃シャフト40の清掃ヘッド41を移動させるためのアクチュエータを移動機構が独自に備えていてもよい。
【0082】
さらに、上述したクリーナ1の清掃対象は、ガイドピン112を備えた光コネクタ100に限定されない。ガイドピンに代えて、当該ガイドピンが挿入可能なガイド孔を備えた光コネクタの接続端面の清掃に、上述したクリーナ1を用いてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…光コネクタ清掃工具
10…第1の清掃体
11…糸状部材
20…第2の清掃体
30,30A,30B…第1の清掃シャフト
31…清掃ヘッド
311…押圧面
312,313…ガイド孔
314…挿入穴
32…シャフト本体
321…カム溝
40…第1の清掃シャフト
41…清掃ヘッド
411…押圧面
412…係合突起
42…シャフト本体
421…係合溝
51,52…送出ボビン
53,54…巻取ボビン
55,56…ピニオンギア
60…ガイドノズル
70…支持体
80…ハウジング
81…開口
82,83…ラックギア
84…カムピン
90…付勢部材
100…光コネクタ
110…フェルール
111…接続端面
112…ガイドピン
120…光ファイバ
130…ハウジング
140…アダプタ
141…挿入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10