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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-18
(45)【発行日】2025-12-26
(54)【発明の名称】液浸冷却装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20251219BHJP
   H01L 23/44 20060101ALI20251219BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20251219BHJP
【FI】
G06F1/20 C
H01L23/44
H05K7/20 M
G06F1/20 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022117547
(22)【出願日】2022-07-22
(65)【公開番号】P2024014597
(43)【公開日】2024-02-01
【審査請求日】2025-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】原 伸英
(72)【発明者】
【氏名】内田 澄生
(72)【発明者】
【氏名】北本 博子
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-501489(JP,A)
【文献】特開2011-133950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
H01L 23/44
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に設けられた発熱体を冷却する液浸冷却装置であって、
水平方向一方側に向かうにしたがって下方に向かって延びる箱型をなすとともに前記基板及び前記発熱体収容された傾斜ケーシングを有し、これら前記傾斜ケーシングが上下方向に配列されてなるケーシング群と、
前記ケーシング群の水平方向他方側で上下方向に延びて、各前記傾斜ケーシングのそれぞれに第一冷媒を導入可能な供給側ヘッダと、
前記ケーシング群の水平方向一方側で上下方向に延びて、各前記傾斜ケーシングのそれぞれから前記第一冷媒が導入される排出側ヘッダと、
前記排出側ヘッダから前記供給側ヘッダに前記第一冷媒を圧送する冷媒圧送部と、
外部から供給される第二冷媒と前記第一冷媒とを熱交換させて前記第一冷媒を冷却する熱交換部と、
を備える液浸冷却装置。
【請求項2】
前記供給側ヘッダと各前記傾斜ケーシングのそれぞれとを連通させた状態で接続する複数の供給側接続ラインと、
前記傾斜ケーシング毎に設けられ、前記供給側接続ラインを開閉可能なバルブと、
をさらに備える、請求項1に記載の液浸冷却装置。
【請求項3】
各前記傾斜ケーシング内に設けられ、前記第一冷媒の流路を閉塞するとともに水平方向一方側の向きに所定の大きさ以上の外力を受けると前記第一冷媒の流路を開放する逆流防止扉をさらに備える、請求項1又は2に記載の液浸冷却装置。
【請求項4】
前記排出側ヘッダには、各前記傾斜ケーシングに対応する位置に、前記傾斜ケーシングから導入される前記第一冷媒が流入する流入口がそれぞれ設けられ、
前記排出側ヘッダ内の各前記流入口に対応する位置にそれぞれ設けられ、前記流入口を上側及び水平方向一方側から間隔を空けて覆う逆流防止カバーをさらに備える、請求項1又は2に記載の液浸冷却装置。
【請求項5】
前記ケーシング群が収容されるラックをさらに備え、
前記ラックは、水平方向他方側に前記ラック内の空間を開閉可能な入口扉を有し、
前記供給側ヘッダは、前記入口扉に設けられている、請求項1又は2に記載の液浸冷却装置。
【請求項6】
前記熱交換部は、前記ケーシング群よりも下方に設けられている、請求項1又は2に記載の液浸冷却装置。
【請求項7】
各前記傾斜ケーシング内に設けられ、前記供給側ヘッダから供給される前記第一冷媒を噴射するノズルをさらに備える、請求項1又は2に記載の液浸冷却装置。
【請求項8】
各前記傾斜ケーシングの水平方向一方側及び水平方向他方側の端部に設けられ、前記第一冷媒の漏出を抑制するシール部をさらに備える、請求項1又は2に記載の液浸冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液浸冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発熱体を有する電子機器を冷却する冷却システムが開示されている。冷却システムは、冷媒が入れられた冷却槽を有する。電子機器は、冷却槽の冷媒中に浸漬される。電子機器は、冷却槽内に複数縦置きで配置されている。冷却槽内の冷媒は、発熱体を冷却した後、冷却槽の外部で冷却されて再び冷却槽に供給されるように循環する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2016/075838号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の冷却システムでは、1つの冷却槽内に複数の電子機器が縦置きで配置されるため、冷却システムが大型化してしまう。このため、冷却システムの小型化という観点から配置効率の向上が課題とされている。あわせて、省エネルギー及び冷媒の節約という観点から、冷却効率の向上も課題とされている。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、配置効率、及び冷却効率を向上させることができる液浸冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る液浸冷却装置は、基板に設けられた発熱体を冷却する液浸冷却装置であって、水平方向一方側に向かうにしたがって下方に向かって延びる箱型をなすとともに前記基板及び前記発熱体収容された傾斜ケーシングを有し、これら前記傾斜ケーシングが上下方向に配列されてなるケーシング群と、前記ケーシング群の水平方向他方側で上下方向に延びて、各前記傾斜ケーシングのそれぞれに第一冷媒を導入可能な供給側ヘッダと、前記ケーシング群の水平方向一方側で上下方向に延びて、各前記傾斜ケーシングのそれぞれから前記第一冷媒が導入される排出側ヘッダと、前記排出側ヘッダから前記供給側ヘッダに前記第一冷媒を圧送する冷媒圧送部と、外部から供給される第二冷媒と前記第一冷媒とを熱交換させて前記第一冷媒を冷却する熱交換部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の液浸冷却装置によれば、配置効率、及び冷却効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る液浸冷却装置全体の概略構成を示す模式図である。
図2】本開示の実施形態に係る傾斜ケーシング内部の概略構成を示す模式図である。
図3】本開示の実施形態に係る傾斜ケーシングの供給側ヘッダ寄りの端部付近の構成を示す拡大図である。
図4】本開示の実施形態に係るサーバ筐体内の概略構成を示す模式図である。
図5】本開示の実施形態に係る傾斜ケーシング内に設けられたレールを示す模式図である。
図6】本開示の実施形態に係るサーバ筐体内の概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態に係る液浸冷却装置10について、図1から図6を参照して説明する。
図1に示すように、液浸冷却装置10は、高速計算を行う電子機器の冷却に用いられる。本実施形態では、液浸冷却装置10は、データセンターに設置されたサーバ1に使用されている。サーバ1は複数設けられている。
【0010】
図2に示すように、サーバ1は、プリント基板と、プリント基板に設けられたCPUやGPUのチップ等の素子と、を有する。CPUやGPUは、高速計算処理を担う部品であるため高負荷がかかり、サーバ1の他の箇所に比べて高温に発熱する。
【0011】
データセンターには、水を冷媒とする熱交換器4が設置されている。熱交換器4として、例えばドライクーラやチラー等が挙げられる。本実施形態の液浸冷却装置10は、熱交換器4とは別に設けられ、CPUやGPU等の高温に発熱する素子を冷却するために用いられる。
【0012】
以下では、サーバ1のプリント基板を単に「基板2」と称し、CPUやGPU等の基板2中で特に高温に発熱する素子を「発熱体3」と称する。
【0013】
基板2は、矩形板状に形成されている。基板2の表面には、発熱体3が設けられている。
【0014】
(液浸冷却装置の構成)
続いて、液浸冷却装置10の構成について説明する。
図1図2に示すように、液浸冷却装置10は、ラック20と、ケーシング群30と、シール部11と、サーバ筐体40と、ノズル12と、逆流防止扉50と、供給側ヘッダ60と、供給側接続ライン13と、バルブ14と、排出側ヘッダ70と、逆流防止カバー80と、冷媒圧送部15と、第一接続管16と、第二接続管17と、熱交換部90と、を備える。
【0015】
(ラック)
ラック20は、ケーシング群30を内部に収容する、立方体状の収納棚である。ラック20は、ラック本体21と、入口扉22と、出口扉23と、支柱24と、梁25と、を有する。
ラック本体21は、水平方向に延在する矩形板状の上壁21aと、上壁と同一形状に形成され上壁の真下に位置する下壁21bと、上壁21a及び下壁21bの側縁同士を接続するとともに水平方向に対向して一対設けられた側壁21cと、を有する。ラック本体21は、一対の側壁21cの対向方向と直交する水平方向両側に開口する筒状に形成されている。
【0016】
以下、水平方向のうちラック本体21の開口方向を「前後方向Da」と称し、水平方向のうち前後方向Daと直交する方向を「幅方向Dw」と称する。さらに、前後方向Daの一方側を「水平方向一方側D1」と称し、前後方向Daの他方側を「水平方向他方側D2」と称する。
【0017】
また、以下では、ラック本体21の開口部のうち、水平方向他方側D2の開口部を「入口側開口部21d」と称し、水平方向一方側D1の開口部を「出口側開口部21e」と称する。
入口側開口部21dには、入口扉22が設けられ、出口側開口部21eには、出口扉23が設けられている。
【0018】
入口扉22は、ラック20の水平方向他方側D2に設けられている。入口扉22は、ラック20内の空間を開閉する、上下方向に延在した矩形板状の部材である。入口扉22は、入口側開口部21dのうち下端部を除く全ての部分を閉塞する。入口扉22は、入口側開口部21dを閉塞した状態から、側壁21c外面の入口側開口部21d側の、上下方向に延びる一端縁21fを中心にして、例えば80度から110度まで回動可能に設けられている。本実施形態では、入口扉22は、入口側開口部21d側の端縁21fを中心として90度回動可能とされている。
【0019】
出口扉23は、ラック20の水平方向一方側D1に設けられている。出口扉23は、ラック20内の空間を開閉する、上下方向に延在した矩形板状の部材である。出口扉23は、出口側開口部21eのうち下端部を除く全ての部分を閉塞する。出口扉23は、出口側開口部21eを閉塞した状態から、側壁21c外面の入口側開口部21d側の、上下方向に延びる一端縁21gを中心にして、例えば80度から110度まで回動可能に設けられている。本実施形態では、出口扉23は、出口側開口部21e側の端縁21gを中心として90度回動可能とされている。
【0020】
ラック本体21、入口扉22、及び出口扉23によって区画された空間には、ラック本体21の下壁21bから上方に延びる支柱24が設けられている。
【0021】
支柱24は、上下方向から見て四角形格子状に4本設けられている。4本の支柱24は、全てラック本体21の側壁21cの内面に固定されている。また、4本の支柱24のうち2本の支柱24は、入口側開口部21dに付近に配置され、残りの2本の支柱24は、出口側開口部21e付近に配置されている。
以下では、入口側開口部21d付近の2本の支柱24を「第一支柱24a」と称し、出口側開口部21e付近の2本の支柱24を「第二支柱24b」と称する。
【0022】
2本の第一支柱24aは、幅方向Dwに対向している。同様に、2本の第二支柱24bも、幅方向Dwに対向している。
2本の第一支柱24aと2本の第二支柱24bとは、それぞれ幅方向Dwに延びる梁25によって接続されている。
【0023】
梁25は、幅方向Dwから見て断面矩形状に形成された、棒状の部材である。以下、梁25のうち、2本の第一支柱24aを接続する梁25を「第一梁25a」と称し、2本の第二支柱24bを接続する梁25を「第二梁25b」と称する。
【0024】
第一梁25a及び第二梁25bは、ともに上下方向に等間隔に離間して複数設けられている。第一梁25aと第二梁25bとは、同数だけ設けられ、上下方向で同じ位置に設けられている。ただし、第一梁25aは、第二梁25bよりも上下方向に厚く形成されている。また、上下方向で同じ位置に設けられた第一梁25aと第二梁25bとでは、第一梁25aの上面25cが第二梁25bの上面25dよりも上方に位置している。
【0025】
(ケーシング群)
ケーシング群30は、上述したラック20内に収容されている。ケーシング群30は、水平方向に延在する箱型をなす傾斜ケーシング31を有し、これら傾斜ケーシング31が上下方向に配列されてなる集合体である。
【0026】
(傾斜ケーシング)
傾斜ケーシング31は、サーバ1の基板2が収容される。すなわち、傾斜ケーシング31には、基板2上に設けられた発熱体3が収容可能とされている。傾斜ケーシング31は、上下方向で同じ位置の第一梁25aと第二梁25bの上に、これら第一梁25aと第二梁25bとを架け渡すように配置されている。上述したように、上下方向で同じ位置に設けられた第一梁25aと第二梁25bとでは、第一梁25aの上面25cが第二梁25bの上面25dよりも上方に位置しているため、傾斜ケーシング31は、水平方向一方側D1に向かうにしたがって下方に向かって延びるように傾斜している。
【0027】
傾斜ケーシング31内には、第一冷媒R1が貯留可能とされている。第一冷媒R1は、絶縁性を有する冷媒である。第一冷媒R1は、液相の状態で発熱体3を冷却する。第一冷媒R1の例として、フルオロカーボン類を基にした液体等が挙げられる。
【0028】
続いて、傾斜ケーシング31の形状について、より詳細に説明する。
傾斜ケーシング31は、ケーシング本体32と、フランジ33と、供給側マニホールド34と、レール35と、を有する。
【0029】
ケーシング本体32は、基板2を収容するための、傾斜ケーシング31の主要部を構成する部材であり、水平方向に延在する外形矩形板状に箱型に形成されている。ケーシング本体32は、前後方向Daに開口している(図3図4参照)。
以下では、ケーシング本体32の開口部のうち水平方向他方側D2の開口部を「第一開口部32a」と称し、水平方向一方側D1の開口部を「第二開口部32b」と称する。
【0030】
図2図3に示すように、フランジ33は、ケーシング本体32の第一開口部32a側の端部に、全周にわたって設けられている。フランジ33は、ケーシング本体32の外面から垂直に張り出すように設けられている。
【0031】
供給側マニホールド34は、ケーシング本体32の第一開口部32a側の端部に設けられている。供給側マニホールド34は、幅方向Dwに延びている。供給側マニホールド34は、後述する供給側ヘッダ60から導入される第一冷媒R1をケーシング本体32内に幅方向Dwで均一に分配する。
【0032】
供給側マニホールド34は、マニホールド本体36と、蓋部37と、導入部38と、を有する。
マニホールド本体36は、幅方向Dwに延びる箱型の容器である。マニホールド本体36は、第一開口部32aに嵌め込まれている。マニホールド本体36は、幅方向Dwから見て断面矩形状に形成されており、水平方向他方側D2に向けて開口している。
【0033】
蓋部37は、マニホールド本体36の開口を水平方向他方側D2から閉塞している。蓋部37は、幅方向Dwに延びる矩形板状に形成されている。蓋部37の外周縁は、フランジ33と重ね合わされている。蓋部37は、フランジ33に、例えばボルト締結等によって固定されている。
【0034】
導入部38は、前後方向Daで蓋部37を挟んでマニホールド本体36とは反対側の端部に設けられている。導入部38は、供給側ヘッダ60から供給側マニホールド34に第一冷媒R1を導入する筒状の部材である。導入部38は、マニホールド本体36と連通している。導入部38は、幅方向Dwに等間隔に離間して複数(本実施形態では3つ)設けられている。
【0035】
図2図5に示すように、レール35は、ケーシング本体32の幅方向Dwに対向する一対の側壁32cにそれぞれ設けられている。レール35は、側壁32cの内面に重ねて固定された板材39から幅方向Dw内側に突出するとともに、前後方向Daに延びている。レール35は、前後方向Daから見て断面矩形状に形成された、角棒状の部材である。
【0036】
(シール部)
図3図4に示すように、シール部11は、各傾斜ケーシング31の水平方向一方側D1及び水平方向他方側D2の端部に設けられている。シール部11は、第一冷媒R1の漏出を抑制する。より詳細には、傾斜ケーシング31の供給側マニホールド34側の端部には、マニホールド本体36と傾斜ケーシング31の第一開口部32aとの間、及び蓋部37と傾斜ケーシング31のフランジ33との間にシール部11が設けられている。また、傾斜ケーシング31の供給側マニホールド34とは反対側の端部には、傾斜ケーシング31の外面と後述する排出側ヘッダ70の流入口73との間にシール部11が設けられている。
【0037】
(サーバ筐体)
サーバ筐体40は、各ケーシング内に設けられている。サーバ筐体40は、サーバ1の基板2を内部に収容する箱状をなしている。図6に示すように、サーバ筐体40は、水平方向に延在する、外形矩形板状に形成されている。
【0038】
サーバ筐体40の水平方向他方側D2の前壁41には、第一冷媒R1をサーバ筐体40内に導入する導入孔41aが形成されている。導入孔41aは、前壁41の全体にわたって複数形成されている。また、サーバ筐体40の水平方向一方側D1の後壁42には、サーバ筐体40内に第一冷媒R1を外部に排出する排出孔42aが形成されている。排出孔42aは、後壁42の全体にわたって複数形成されている。
【0039】
サーバ筐体40の幅方向Dwに対向する一対の側壁43には、ガイド44が設けられている。ガイド44は、サーバ筐体40を傾斜ケーシング31から出し入れする際に、サーバ筐体40の位置決めを行い、サーバ筐体40の前後方向Daの動きを案内する部材である。ガイド44は、側壁43の外面から幅方向Dw外側に突出するとともに、前後方向Daに延びている。ガイド44は、前後方向Daから見て断面矩形状に形成された、角棒状の部材である。ガイド44は、各側壁に上下方向に離間して2本ずつ設けられ、傾斜ケーシング31のレール35を上下方向から挟み込む。このため、サーバ筐体40を傾斜ケーシング31から出し入れする際、サーバ筐体40はレール35に沿って前後方向Daに直線状に移動する。
【0040】
(ノズル)
図1、2に示すように、ノズル12は、各傾斜ケーシング31内に設けられ、供給側マニホールド34の蓋部37とは反対側の底部外面に取り付けられている。ノズル12は、供給側マニホールド34と連通し、供給側ヘッダ60から供給される第一冷媒R1をサーバ筐体40に向けて放射状に噴射する。ノズル12は、水平方向一方側D1に向かうにしたがって、拡径するテーパ状に形成されている。
【0041】
(逆流防止扉)
逆流防止扉50は、各傾斜ケーシング31内に設けられ、傾斜ケーシング31内の第一冷媒R1が水平方向他方側D2に向けて逆流することを防止する。逆流防止扉50は、ヒンジ51と、逆流防止扉本体52と、を有する。
図4に示すように、ヒンジ51は、傾斜ケーシング31内に配置されて、上壁32dに取り付けられている。ヒンジ51は、ばね付きのヒンジである。逆流防止扉本体52は、ヒンジ51から下方に延びるとともに、幅方向Dwに延びている。逆流防止扉本体52は、ヒンジ51のばねから受ける弾性力によって水平面に対して垂直な姿勢で維持されようとする。
【0042】
逆流防止扉50は、第一冷媒R1の流路を閉塞するとともに水平方向一方側D1の向きに所定の大きさ以上の外力を受けると第一冷媒R1の流路を開放する。本実施形態では、傾斜ケーシング31内にサーバ筐体40が配置されていないときは、傾斜ケーシング31内の逆流防止扉本体52は、ヒンジ51の弾性力によって水平面に対して垂直な姿勢で維持される。このため、傾斜ケーシング31内の第一冷媒R1の流路が逆流防止扉本体52によって閉塞される。対して、傾斜ケーシング31内にサーバ筐体40が配置されると、サーバ筐体40によって押されて逆流防止扉本体52が水平方向一方側D1の向きに外力を受ける。この外力により、逆流防止扉本体52がヒンジ51回りに回動し、第一冷媒R1の流路を開放する。
【0043】
(供給側ヘッダ)
図1図2に示すように、供給側ヘッダ60は、入口扉22の内面に設けられている。供給側ヘッダ60は、ケーシング群30の水平方向他方側D2で上下方向に延びて、各傾斜ケーシング31のそれぞれに第一冷媒R1を導入可能とされている。供給側ヘッダ60は、上下方向に延びる円筒状に形成されている。供給側接続ライン13には、複数の供給側接続ライン13が設けられている。
【0044】
(供給側接続ライン)
供給側接続ライン13は、供給側ヘッダ60と各傾斜ケーシング31のそれぞれとを連通させた状態で接続している。供給側接続ライン13は、傾斜ケーシング31毎に複数(本実施形態では3つ)設けられ、それぞれ対応する傾斜ケーシング31の導入部38に接続されている。供給側接続ライン13には、供給側接続ライン13を開閉可能なバルブ14が設けられている。
【0045】
(バルブ)
バルブ14は、傾斜ケーシング31毎に設けられている。本実施形態では、1つのバルブ14で対応する傾斜ケーシング31に接続される3本の供給側接続ライン13の根本で、これら3本の供給側接続ライン13を同時に開閉可能とされている。供給側接続ライン13は、フレキシブルなチューブであり、入口扉22の回動に合わせて変形可能とされている。
【0046】
(排出側ヘッダ)
排出側ヘッダ70は、ラック本体21内に収容されて、ケーシング群30の水平方向一方側D1で上下方向に延びている。排出側ヘッダ70には、各傾斜ケーシング31のそれぞれから第一冷媒R1が導入される。排出側ヘッダ70は、排出側ヘッダ本体71と、貯留部72と、を有する。
【0047】
排出側ヘッダ本体71は、ケーシング群30の水平方向一方側D1に隣接している。排出側ヘッダ本体71は、上下方向に延在する外形矩形板状の箱型の容器である。本実施形態では、排出側ヘッダ本体71の幅方向Dwの両端部は、ラック本体21の側壁21cの内面に固定されている。排出側ヘッダ本体71には、各傾斜ケーシング31に対応する位置に、流入口73がそれぞれ設けられている。流入口73には、傾斜ケーシング31から導入される第一冷媒R1が流入する。本実施形態では、各流入口73に、対応する傾斜ケーシング31の第二開口部32bが差し込まれている。また、流入口73と傾斜ケーシング31との間には、上述したシール部11が設けられている。
【0048】
貯留部72は、傾斜ケーシング31の下端部に設けられている。貯留部72は、排出側ヘッダ本体71に導入された冷媒を貯留する。貯留部72の前後方向Daの寸法は、傾斜ケーシング31の前後方向Daの寸法よりもが大きい。貯留部72は、ラック本体21の下壁21bに載置されている。
【0049】
(逆流防止カバー)
逆流防止カバー80は、排出側ヘッダ70内の各流入口73に対応する位置にそれぞれ設けられている。逆流防止カバー80は、第一冷媒R1が排出側ヘッダ70から傾斜ケーシング31内に第一冷媒R1が逆流することを防止する。逆流防止カバー80は、幅方向Dwに延び、流入口73を上側及び水平方向一方側D1から間隔を空けて覆っている。図4に示すように、逆流防止カバー80は、上壁81と、後壁82と、を有する。
【0050】
上壁81は、排出側ヘッダ70の流入口73が形成された側の内面に設けられている。上壁81は、対応する流入口73に上方に例えば溶接等によって取り付けられ、前後方向Daに延在している。上壁81は、後方に向かうにしたがって漸次下方に位置するように直線状に傾斜している。
後壁82は、上壁81の後端に設けられ、上壁81の後端から下方に向かって鉛直に延在している。後壁82は、傾斜ケーシング31の第二開口部32bから後方に離間した位置で、第二開口部32bの全体を覆うように形成されている。また、後壁82は、上壁81と一体形成されている。
【0051】
(冷媒圧送部)
図1に示すように、冷媒圧送部15は、ラック20内に収容されて、ケーシング群30の下方に配置されている。冷媒圧送部15は、第一接続管16によって排出側ヘッダ70の下部と接続され、第二接続管17によって供給側ヘッダ60の下部と接続されている。第一接続管16は、排出側ヘッダ70と冷媒圧送部15とを連通させ、第二接続管17は、供給側ヘッダ60と冷媒圧送部15とを連通させている。冷媒圧送部15は、排出側ヘッダ70の下部から供給側ヘッダ60の下部に第一冷媒R1を圧送する。本実施形態の冷媒圧送部15は、ポンプである。
【0052】
(熱交換部)
熱交換部90は、ケーシング群30よりも下方に設けられている。本実施形態では、熱交換部90は、排出側ヘッダ70の貯留部72に設けられている。熱交換部90は、外部から供給される第二冷媒R2と第一冷媒R1とを熱交換させて第一冷媒R1を冷却する。
【0053】
本実施形態の熱交換部90は、貯留部72を幅方向Dwに貫通する複数の伝熱管91である。伝熱管91は、外部に設けられた熱交換器4と連通している。伝熱管91の内部には、熱交換器4の第二冷媒R2が流通する。複数の伝熱管91は、互いに平行に延びるとともに、等間隔に配置されている。本実施形態では、伝熱管91内の第二冷媒R2は、貯留部72内の少なくとも一部の領域で、第一冷媒R1の流通方向と反対向きに流れる対向流となる。
【0054】
(第一冷媒の循環)
続いて、液浸冷却装置10内の第一冷媒R1の循環について説明する。
まず、冷媒圧送部15を稼動させると、供給側ヘッダ60から各傾斜ケーシング31内に第一冷媒R1が供給される。この時、第一冷媒R1は、複数のノズル12によって傾斜ケーシング31内に噴出される。第一冷媒R1は、噴流として各ケーシング内を前後方向Daに流れる。ケーシング内の第一冷媒R1は、サーバ筐体40内に流入して発熱体3を通過し、発熱体3と熱交換を行う。これにより、発熱体3が冷却される。一方で、第一冷媒R1は発熱体3の熱を受けて加熱される。その後、第一冷媒R1は、サーバ筐体40内から排出され、各傾斜ケーシング31から排出側ヘッダ70に導入される。第一冷媒R1は、冷媒圧送部15の圧力と自重によって、排出側ヘッダ70内を上方から下方に向けて流れる。その後、第一冷媒R1は、排出側ヘッダ70の貯留部72に一時的に貯留される。
【0055】
一方で、伝熱管91内では、第二冷媒R2が幅方向Dwに向けて流れる。第一冷媒R1は、排出側ヘッダ70内を流通する過程で、第二冷媒R2と熱交換を行う。これにより、第一冷媒R1は冷却され、第二冷媒R2は加熱される。第二冷媒R2は、第一冷媒R1と熱交換を行った後、外部の熱交換器4に送られる。第二冷媒R2は、熱交換器4によって冷却されて、再び各伝熱管91に供給される。
【0056】
第一冷媒R1は、第二冷媒R2との熱交換によって冷却されると、冷媒圧送部15によって供給側ヘッダ60に再び圧送される。そして上述したように、第一冷媒R1は、傾斜ケーシング31内に再び供給される。このようにして、第一冷媒R1は、液浸冷却装置10内を循環する。
【0057】
(作用効果)
本実施形態の液浸冷却装置10によれば、以下の作用効果が発揮される。
本実施形態では、液浸冷却装置10は、発熱体3を収容可能な傾斜ケーシング31が上下方向に配列されてなるケーシング群30と、ケーシング群30の水平方向他方側D2で上下方向に延びて、各傾斜ケーシング31のそれぞれに第一冷媒R1を導入可能な供給側ヘッダ60と、ケーシング群30の水平方向一方側D1で上下方向に延びて、各傾斜ケーシング31のそれぞれから第一冷媒R1が導入される排出側ヘッダ70と、を備える。傾斜ケーシング31は、水平方向一方側D1に向かうにしたがって下方に向かって延びている。
【0058】
ケーシング群30は、複数の傾斜ケーシング31が上下方向に配列されて構成されている。これにより、複数の傾斜ケーシング31が乱雑に配置されて水平方向に広がることを抑制し、配置効率を向上させることができる。
また、各傾斜ケーシング31が水平方向に向かうにしたがって下方に延びているため、第一冷媒R1は、傾斜ケーシング31内を水平方向にスムーズに流れることができる。これにより、液浸冷却装置10は、発熱体3から吸熱した第一冷媒R1を速やかに排出側ヘッダ70に導くことができるので、冷却効率を向上させることができる。
【0059】
本実施形態では、液浸冷却装置10は、供給側ヘッダ60と各傾斜ケーシング31のそれぞれとを連通させた状態で接続する複数の供給側接続ライン13と、傾斜ケーシング31毎に設けられ、供給側接続ライン13を開閉可能なバルブ14と、をさらに備える。
【0060】
これにより、バルブ14を操作して供給側接続ライン13を閉塞することで、その供給側接続ライン13に接続された傾斜ケーシング31への第一冷媒R1の供給を容易に停止することができる。このため、任意の傾斜ケーシング31を容易に取り出すことができる。このため、傾斜ケーシング31毎に取り出してメンテナンスを行うことが容易となる。
【0061】
本実施形態では、液浸冷却装置10は、各傾斜ケーシング31内に設けられ、第一冷媒R1の流路を閉塞するとともに水平方向一方側D1の向きに所定の大きさ以上の外力を受けると第一冷媒R1の流路を開放する逆流防止扉50をさらに備える。
【0062】
これにより、傾斜ケーシング31内において、第一冷媒R1が水平方向一方側D1に流れることを妨げることなく、第一冷媒R1が水平方向他方側D2に逆流することを防止することができる。
【0063】
本実施形態では、排出側ヘッダ70には、各傾斜ケーシング31に対応する位置に、傾斜ケーシング31から導入される第一冷媒R1が流入する流入口73がそれぞれ設けられている。液浸冷却装置10は、排出側ヘッダ70内の各流入口73に対応する位置にそれぞれ設けられ、流入口73を上側及び水平方向一方側D1から間隔を空けて覆う逆流防止カバー80をさらに備える。
【0064】
これにより、第一冷媒R1が傾斜ケーシング31から排出側ヘッダ70に向けて排出されることを妨げることなく、第一冷媒R1が排出側ヘッダ70内を下方に流れる過程で、第一冷媒R1が傾斜ケーシング31内に逆流することを防止することができる。
このように、液浸冷却装置10に、逆流防止扉50、または逆流防止カバー80を設けることにより、第一冷媒R1の逆流が防止されるので、第一冷媒R1は、傾斜ケーシング31内をより一層スムーズに流れる。よって、液浸冷却装置10は、発熱体3から吸熱した第一冷媒R1をより一層速やかに排出側ヘッダ70に導くことができるので、冷却効率をより一層向上させることができる。
【0065】
また、本実施形態のように、液浸冷却装置10に上述したバルブ14、逆流防止扉50、及び逆流防止カバー80を設けることにより、液浸冷却装置10内の第一冷媒R1の全体の流れを止めずに、各傾斜ケーシング31内への第一冷媒R1の流れを止めることが可能となる。これにより、傾斜ケーシング31内に収容されたサーバ1を個別に取り出し、サーバ1を個別にメンテナンスすることができる。
【0066】
本実施形態では、液浸冷却装置10は、ケーシング群30が収容されるラック20をさらに備える。ラック20は、水平方向他方側D2にラック20内の空間を開閉可能な入口扉22を有する。供給側ヘッダ60は、入口扉22に設けられている。
【0067】
入口扉22を開放した時に、供給側ヘッダ60も入口扉22とともに移動する。このため、傾斜ケーシング31の取り出しが容易となる。これにより、傾斜ケーシング31毎にサーバ1を取り出してメンテナンスを行うことがより一層容易となる。
【0068】
本実施形態では、熱交換部90は、ケーシング群30よりも下方に設けられている。
【0069】
これにより、供給側ヘッダ60及び排出側ヘッダ70を第一冷媒R1で満たすことなく、第一冷媒R1を熱交換器4によって冷却することができるので、第一冷媒R1の使用量を低減することができる。
【0070】
本実施形態では、液浸冷却装置10は、各傾斜ケーシング31内に設けられ、供給側ヘッダ60から供給される第一冷媒R1を噴射するノズル12をさらに備える。
【0071】
これにより、液浸冷却装置10は、傾斜ケーシング31の傾斜によって傾斜ケーシング31内の第一冷媒R1の流れをスムーズにしつつ、ノズル12の噴射によって傾斜ケーシング31内で第一冷媒R1内に対流を発生させることができる。よって、発熱体3と第一冷媒R1との熱交換効率が向上されるので、冷却効率をより一層向上させることができる。
【0072】
本実施形態では、液浸冷却装置10は、各傾斜ケーシング31の水平方向一方側D1及び水平方向他方側D2の端部に設けられ、第一冷媒R1の漏出を抑制するシール部11をさらに備える。
【0073】
これにより、第一冷媒R1が傾斜ケーシング31に導入される時、及び第一冷媒R1が傾斜ケーシング31から排出される際に、第一冷媒R1の漏出が抑制されるので、第一冷媒R1の使用量を低減することができる。
【0074】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0075】
なお、上記実施形態では、熱交換部90が排出側ヘッダ70の貯留部72に設けられているとしたが、これに限るものではない。熱交換部90は、ケーシング群30の真下に設けられ、供給側ヘッダ60及び排出側ヘッダ70を繋ぐ第一接続管16及び第二接続管17において、第一冷媒R1と第二冷媒R2との熱交換を行うものであってもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、熱交換部90は、貯留部72を幅方向Dwに貫通する複数の伝熱管91であるとしたが、これに限るものではない。熱交換部90は、例えば排出側ヘッダ70内を上下方向に延びる伝熱管91であってもよい。この場合、逆流防止扉50及び逆流防止カバー80が設けられていなくてもよい。逆流防止扉50及び逆流防止カバー80が設けられていない場合、傾斜ケーシング31から伝熱管91に第一冷媒R1が直接吹き付けられるので、第一冷媒R1と第二冷媒R2との熱交換効率が向上する場合がある。
【0077】
また、上記実施形態では、伝熱管91内の第二冷媒R2は、貯留部72内の少なくとも一部の領域で、第一冷媒R1の流通方向と反対向きに流れる対向流となるとしたが、これに限るものではない。伝熱管91内の第二冷媒R2は、貯留部72内で第一冷媒R1と同じ向きに流れてもよく、伝熱管91内の第二冷媒R2の流れを、第一冷媒R1の流れを考慮せずに設定してもよい。
【0078】
<付記>
各実施形態に記載の液浸冷却装置10は、例えば以下のように把握される。
【0079】
(1)第1の態様に係る液浸冷却装置10は、基板2に設けられた発熱体3を冷却する液浸冷却装置10であって、水平方向一方側D1に向かうにしたがって下方に向かって延びる箱型をなすとともに前記発熱体3を収容可能な傾斜ケーシング31を有し、これら傾斜ケーシング31が上下方向に配列されてなるケーシング群30と、前記ケーシング群30の水平方向他方側D2で上下方向に延びて、各前記傾斜ケーシング31のそれぞれに第一冷媒R1を導入可能な供給側ヘッダ60と、前記ケーシング群30の水平方向一方側D1で上下方向に延びて、各前記傾斜ケーシング31のそれぞれから前記第一冷媒R1が導入される排出側ヘッダ70と、前記排出側ヘッダ70から前記供給側ヘッダ60に前記第一冷媒R1を圧送する冷媒圧送部15と、外部から供給される第二冷媒R2と前記第一冷媒R1とを熱交換させて前記第一冷媒R1を冷却する熱交換部90と、を備える。
【0080】
ケーシング群30は、複数の傾斜ケーシング31が上下方向に配列されて構成されている。また、各傾斜ケーシング31が水平方向に向かうにしたがって下方に延びているため、第一冷媒R1は、傾斜ケーシング31内を水平方向にスムーズに流れることができる。
【0081】
(2)第2の態様の液浸冷却装置10は、(1)の液浸冷却装置10であって、前記供給側ヘッダ60と各前記傾斜ケーシング31のそれぞれとを連通させた状態で接続する複数の供給側接続ライン13と、前記傾斜ケーシング31毎に設けられ、前記供給側接続ライン13を開閉可能なバルブ14と、をさらに備えてもよい。
【0082】
これにより、バルブ14を操作して供給側接続ライン13を閉塞することで、その供給側接続ライン13に接続された傾斜ケーシング31への第一冷媒R1の供給を容易に停止することができる。このため、任意の傾斜ケーシング31を容易に取り出すことができる。
【0083】
(3)第3の態様の液浸冷却装置10は、(1)又は(2)の液浸冷却装置10であって、各前記傾斜ケーシング31内に設けられ、前記第一冷媒R1の流路を閉塞するとともに水平方向一方側D1の向きに所定の大きさ以上の外力を受けると前記第一冷媒R1の流路を開放する逆流防止扉50をさらに備えてもよい。
【0084】
これにより、傾斜ケーシング31内において、第一冷媒R1が水平方向一方側D1に流れることを妨げることなく、第一冷媒R1が水平方向他方側D2に逆流することを防止することができる。
【0085】
(4)第4の態様の液浸冷却装置10は、(1)から(3)のいずれかの液浸冷却装置10であって、前記排出側ヘッダ70には、各前記傾斜ケーシング31に対応する位置に、前記傾斜ケーシング31から導入される前記第一冷媒R1が流入する流入口73がそれぞれ設けられ、前記排出側ヘッダ70内の各前記流入口73に対応する位置にそれぞれ設けられ、前記流入口73を上側及び水平方向一方側D1から間隔を空けて覆う逆流防止カバー80をさらに備えてもよい。
【0086】
これにより、第一冷媒R1が傾斜ケーシング31から排出側ヘッダ70に向けて排出されることを妨げることなく、第一冷媒R1が排出側ヘッダ70内を下方に流れる過程で、第一冷媒R1が傾斜ケーシング31内に逆流することを防止することができる。
【0087】
(5)第5の態様の液浸冷却装置10は、(1)から(4)のいずれかの液浸冷却装置10であって、前記ケーシング群30が収容されるラック20をさらに備え、前記ラック20は、水平方向他方側D2に前記ラック20内の空間を開閉可能な入口扉22を有し、前記供給側ヘッダ60は、前記入口扉22に設けられていてもよい。
【0088】
入口扉22を開放した時に、供給側ヘッダ60も入口扉22とともに移動する。このため、傾斜ケーシング31の取り出しが容易となる。
【0089】
(6)第6の態様の液浸冷却装置10は、(1)から(5)のいずれかの液浸冷却装置10であって、前記熱交換部90は、前記ケーシング群30よりも下方に設けられていてもよい。
【0090】
これにより、供給側ヘッダ60及び排出側ヘッダ70を第一冷媒R1で満たすことなく、第一冷媒R1を熱交換器4によって冷却することができる。
【0091】
(7)第7の態様の液浸冷却装置10は、(1)から(6)のいずれかの液浸冷却装置10であって、各前記傾斜ケーシング31内に設けられ、前記供給側ヘッダ60から供給される前記第一冷媒R1を噴射するノズル12をさらに備えてもよい。
【0092】
これにより、液浸冷却装置10は、傾斜ケーシング31の傾斜によって傾斜ケーシング31内の第一冷媒R1の流れをスムーズにしつつ、ノズル12の噴射によって傾斜ケーシング31内で第一冷媒R1内に対流を発生させることができる。
【0093】
(8)第8の態様の液浸冷却装置10は、(1)から(7)のいずれかの液浸冷却装置10であって、各前記傾斜ケーシング31の水平方向一方側D1及び水平方向他方側D2の端部に設けられ、前記第一冷媒R1の漏出を抑制するシール部11をさらに備えてもよい。
【0094】
これにより、第一冷媒R1が傾斜ケーシング31に導入される時、及び第一冷媒R1が傾斜ケーシング31から排出される際に、第一冷媒R1の漏出が抑制される。
【符号の説明】
【0095】
1…サーバ 2…基板 3…発熱体 4…熱交換器 10…液浸冷却装置 11…シール部 12…ノズル 13…供給側接続ライン 14…バルブ 15…冷媒圧送部 16…第一接続管 17…第二接続管 20…ラック 21…ラック本体 21a…上壁 21b…下壁 21c…側壁 21d…入口側開口部 21e…出口側開口部 21f…端縁 21g…端縁 Da…前後方向 Dw…幅方向 D1…水平方向一方側 D2…水平方向他方側 22…入口扉 23…出口扉 24…支柱 24a…第一支柱 24b…第二支柱 25…梁 25a…第一梁 25b…第二梁 25c…上面 25d…上面 30ケーシング群 31…傾斜ケーシング 32…ケーシング本体 32a…第一開口部 32b…第二開口部 32c…側壁 32d…上壁 33…フランジ 34…供給側マニホールド 35…レール 36…マニホールド本体 37…蓋部 38…導入部 39…板材 40…サーバ筐体 41…前壁 41a…導入孔 42…後壁 42a…排出孔 43…側壁 44…ガイド 50…逆流防止扉 51…ヒンジ 52…逆流防止扉本体 60…供給側ヘッダ 70…排出側ヘッダ 71…排出側ヘッダ本体 72…貯留部 73…流入口 80…逆流防止カバー 81…上壁 82…後壁 90…熱交換部 91…伝熱管 R1…第一冷媒 R2…第二冷媒 A…傾斜角度 Da…前後方向 D1…水平方向一方側 D2…水平方向他方側 Dw…幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6