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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-18
(45)【発行日】2025-12-26
(54)【発明の名称】光伝送システムおよび光伝送方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/077 20130101AFI20251219BHJP
   H04B 10/2507 20130101ALI20251219BHJP
【FI】
H04B10/077
H04B10/2507
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023502469
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 JP2022007521
(87)【国際公開番号】W WO2022181665
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2025-01-29
(31)【優先権主張番号】P 2021027965
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加世田 雄梧
(72)【発明者】
【氏名】大崎 啓功
(72)【発明者】
【氏名】田中 壮宗
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-112432(JP,A)
【文献】特開平4-318714(JP,A)
【文献】特開2016-045443(JP,A)
【文献】特開2012-009577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/077
H04B 10/2507
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電気信号を光信号に変換し、変換された前記光信号を伝送し、伝送された前記光信号を第2の電気信号に変換する光伝送システムであって、
前記第1の電気信号を前記光信号に変換する電気光変換デバイスと、
前記電気光変換デバイスで変換された前記光信号を伝送する光伝送路と、
前記光伝送路から伝送された前記光信号を前記第2の電気信号に変換する光電気変換デバイスとを備え、
前記第1の電気信号は、9MHz超過、10GHz以下である高周波の通信信号を含み、
周波数が1Hz以上、9MHz以下である低周波の付加信号を発生させる付加信号発生デバイスをさらに備え、
前記電気光変換デバイスが、前記付加信号発生デバイスで発生した前記付加信号、および、前記通信信号を含む前記第1の電気信号を前記光信号に変換し、
前記付加信号の強度が、30dBμV以上である、光伝送システム。
【請求項2】
前記通信信号を発生させる通信信号発生デバイスをさらに備える、請求項1に記載の光伝送システム。
【請求項3】
第1の電気信号を光信号に変換し、変換された前記光信号を伝送し、伝送された前記光信号を第2の電気信号に変換する光伝送方法であって、
前記第1の電気信号は、9MHz超過、10GHz以下である高周波の通信信号を含み、
前記第1の電気信号を前記光信号に変換する第1工程と、
前記第1工程で変換された前記光信号を伝送する第2工程と、
前記第2工程で伝送された前記光信号を前記第2の電気信号に変換する第3工程とを備え、
周波数が1Hz以上、9MHz以下である低周波の付加信号を発生させる第4工程をさらに備え、
前記第1工程では、前記第4工程で発生した前記付加信号、および、前記通信信号を含む前記第1の電気信号を前記光信号に変換し、
前記付加信号の強度が、30dBμV以上である、光伝送方法。
【請求項4】
前記通信信号を発生させる第5工程をさらに備える、請求項に記載の光伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送システムおよび光伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザーチップと、光ファイバと、それらの間に介在する光アイソレータとを備える光伝送システムが知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。特許文献1に記載の光伝送システムでは、レーザーチップから出射された光は、光アイソレータを経由した後、光ファイバに入力される。光アイソレータは、順方向に進む光のみを透過させる一方、逆方向に進む光を遮断する。そのため、光伝送システムでは、光アイソレータが光ファイバからの戻り光を減衰させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-14992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光伝送システムには、用途および目的によって、時間に対する信号品質の変動の抑制が求められる。信号品質は、CNR(キャリア/ノイズ比)を含む。信号品質は、信号特性と称呼することができる。特許文献1の光伝送システムは、光アイソレータによる上記した戻り光の減衰によって、上記した変動を抑制する。しかし、光アイソレータは、高価であり、光伝送システムの構成が複雑になるという不具合がある。
【0005】
本発明は、時間に対する信号品質の変動を抑制できながら、構成が簡単であり、低コストの光伝送システムおよび光伝送方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明(1)は、第1の電気信号を光信号に変換し、変換された前記光信号を伝送し、伝送された前記光信号を第2の電気信号に変換する光伝送システムであって、前記第1の電気信号を前記光信号に変換する電気光変換デバイスと、前記電気光変換デバイスで変換された前記光信号を伝送する光伝送路と、前記光伝送路から伝送された前記光信号を前記第2の電気信号に変換する光電気変換デバイスとを備え、前記第1の電気信号は、9MHz超過、10GHz以下である高周波の通信信号を含み、周波数が1Hz以上、9MHz以下である低周波の付加信号を発生させる付加信号発生デバイスをさらに備え、前記電気光変換デバイスが、前記付加信号発生デバイスで発生した前記付加信号、および、前記通信信号を含む前記第1の電気信号を前記光信号に変換する、光伝送システムを含む。
【0007】
この光伝送システムでは、付加信号発生デバイスで発生し、周波数が1Hz以上、9MHz以下である低周波の付加信号を含む第1の電気信号を光信号に変換するので、時間に対する信号品質の変動を抑制できる。
【0008】
しかも、この光伝送システムは、特許文献1のような光アイソレータを備える必要がなく、特定周波数の低周波の付加信号を発生させる付加信号発生デバイスを備えればよいので、構成が簡単であり、低コストである。
【0009】
本発明(2)は、前記付加信号の強度が、30dBμV以上である、(1)に記載の光伝送システムを含む。
【0010】
この光伝送システムでは、付加信号の強度が30dBμV以上であるので、時間に対する信号品質の変動をより一層抑制できる。
【0011】
本発明(3)は、前記通信信号を発生させる通信信号発生デバイスをさらに備える、(1)または(2)に記載の光伝送システムを含む。
【0012】
本発明(4)は、第1の電気信号を光信号に変換し、変換された前記光信号を伝送し、伝送された前記光信号を第2の電気信号に変換する光伝送方法であって、前記第1の電気信号は、9MHz超過、10GHz以下である高周波の通信信号を含み、前記第1の電気信号を前記光信号に変換する第1工程と、前記第1工程で変換された前記光信号を伝送する第2工程と、前記第2工程で伝送された前記光信号を前記第2の電気信号に変換する第3工程とを備え、周波数が1Hz以上、9MHz以下である低周波の付加信号を発生させる第4工程をさらに備え、前記第1工程では、前記第4工程で発生した前記付加信号、および、前記通信信号を含む前記第1の電気信号を前記光信号に変換する、光伝送方法を含む。
【0013】
この光伝送方法の第1工程では、周波数が1Hz以上、9MHz以下である低周波の付加信号を含む第1の電気信号を光信号に変換するので、時間に対する信号品質の変動を抑制できる。
【0014】
しかも、光伝送方法は、第4工程で、特定周波数の低周波の付加信号を発生させるので、構成が簡単であり、低コストである。
【0015】
本発明(5)は、前記付加信号の強度が、30dBμV以上である、(4)に記載の光伝送方法を含む。
【0016】
この光伝送方法では、付加信号の強度が、30dBμV以上であるので、時間に対する信号品質の変動をより一層抑制できる。
【0017】
本発明(6)は、前記通信信号を発生させる第5工程をさらに備える、(4)または(5)に記載の光伝送方法を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明の光伝送システムおよび仮伝送方法は、時間に対する信号品質の変動を抑制できながら、構成が簡単であり、低コストである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の光伝送システムの一実施形態である。
図2図2は、変形例の光伝送システムである。
図3図3は、変形例の光伝送システムである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<光伝送システムの一実施形態>
本発明の光伝送システムの一実施形態を、図1を参照して説明する。この光伝送システム1は、第1の電気信号を光信号に変換し、変換された光信号を伝送し、伝送された光信号を第2の電気信号に変換する。以下、各信号について説明する。
【0021】
<第1の電気信号>
本発明において、第1の電気信号は、付加信号を含む。
【0022】
<付加信号>
付加信号は、時間の経過に拘わらず、常に、第1の電気信号に含まれる。つまり、どのタイミングにおいても、第1の電気信号は、付加信号を含む。
【0023】
付加信号は、低周波の信号である。付加信号の周波数は、1Hz以上、9MHz以下である。付加信号の周波数が1Hz未満、または、9MHzを越えれば、後述する信号品質の変動を十分に抑制できない。付加信号の周波数は、好ましくは、10Hz以上、より好ましくは、100Hz以上、さらに好ましくは、1kHz以上、とりわけ好ましくは、10kHz以上である。また、付加信号の周波数は、好ましくは、1MHz以下、より好ましくは、300kHz以下である。
【0024】
付加信号の強度は、例えば、10.0dBμV以上、好ましくは、30.0dBμV以上、より好ましくは、75.0dBμV以上である。付加信号の強度が上記した下限以上であれば、時間に対する信号品質の変動をより一層抑制できる。一方、付加信号の強度の上限は、限定されない。付加信号の強度の上限は、例えば、1000dBμV、また、100.0dBμVである。
【0025】
<通信信号>
第1の電気信号は、通信すべき情報を含む通信信号をさらに含む。通信信号は、高周波の信号である。通信信号は、前述した付加信号に付加または重畳される。なお、付加信号は、通信すべき情報を含まないことから、「非通信信号」と称呼されることがある。通信信号は、時間の経過に応じて伝送される。つまり、通信信号が伝送される時間と、伝送されない時間とが存在する。具体的には、光伝送システム1において、通信信号が伝送されていないとき(通信信号OFF時)には、第1の電気信号は、通信信号を含まず、付加信号のみを含む。他方、光伝送システム1において、通信信号が伝送されているとき(通信信号ON時)には、第1の電気信号は、通信信号と、付加信号とを含む。
【0026】
通信信号としては、例えば、アナログ信号、および、デジタル信号が挙げられる。アナログ信号としては、例えば、RF信号が挙げられる。RF信号は、無線通信に使用される周波数帯域を有する電磁波を含む。RF信号は、例えば、周波数分割多重方式で伝送される。周波数分割多重方式は、通信信号に変調を実施した上で、変調された通信信号を周波数軸上で並列に多重して、複数のチャンネルを伝送する方式である。RF信号は、多波CW波(複数の単一周波数信号)、および、1波CW波(1つの単一周波数信号)が挙げられる。上記したRF信号および方式は、例えば、特開2020-096363号公報に記載される。
【0027】
通信信号の周波数は、例えば、上記した付加信号の周波数より高い。通信信号の周波数は、例えば、9MHz超過、好ましくは、10MHz以上、より好ましくは、20MHz以上、さらに好ましくは、50MHz以上である。また、通信信号の周波数は、10GHz以下である。
【0028】
通信信号の強度は、限定されない。通信信号の強度は、光伝送システム1の用途および目的に応じて、適宜設定される。
【0029】
<光信号および第2の電気信号>
光信号は、上記した第1の電気信号が変換された信号である。第2の電気信号は、上記した光信号が変換された信号である。光信号と第2の電気信号とは、少なくとも上記した付加信号を含む。
【0030】
<光伝送システム1の構成>
図1に示すように、光伝送システム1は、電気光変換デバイス2と、光伝送路3と、光電気変換デバイス4とを備える。また、この光伝送システム1は、通信信号発生デバイス5と、付加信号発生デバイス6と、合成デバイス7とを備える。
【0031】
<電気光変換デバイス2>
電気光変換デバイス2は、上記した第1の電気信号を光信号に変換可能である。電気光変換デバイス2は、限定されない。電気光変換デバイス2としては、例えば、TOSAが挙げられる。TOSAは、光学送信サブアセンブリ(Transmitter Optical SubAssebmly)である。上記した電気光変換デバイス2は、例えば、光源を含む。光源としては、例えば、レーザーダイオードが挙げられる。レーザーダイオードとしては、例えば、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)が挙げられる。また、電気光変換デバイス2は、直流電流発生デバイス12に接続されている。直流電流発生デバイス12としては、例えば、直流電流源が挙げられる。
【0032】
<光伝送路3>
光伝送路3は、電気光変換デバイス2で変換された光信号を伝送可能である。光伝送路3は、伝送方向に延びる。光伝送路3の伝送方向の上流側端部は、電気光変換デバイス2と接続されている。光伝送路3は、限定されない。光伝送路3としては、例えば、光ファイバが挙げられる。光ファイバとしては、例えば、プラスチック光ファイバ、および、ガラス光ファイバが挙げられる。光伝送路3の態様としては、例えば、マルチモード、および、シングルモードが挙げられる。
【0033】
<光電気変換デバイス4>
光電気変換デバイス4は、光伝送路3から伝送された光信号を第2の電気信号に変換可能である。光電気変換デバイス4は、光伝送路3の伝送方向の下流側端部と接続されている。光電気変換デバイス4は、限定されない。光電気変換デバイス4としては、例えば、ROSAが挙げられる。ROSAは、光学受信サブアセンブリ(Receiver Optical SubAssebmly)である。また、上記した光電気変換デバイス4は、例えば、フォトダイオード(PD)を含む。
【0034】
<通信信号発生デバイス5>
通信信号発生デバイス5は、上記した通信信号を発生可能である。通信信号発生デバイス5は、後述する合成デバイス7を介して電気光変換デバイス2に接続されている。通信信号発生デバイス5と合成デバイス7との間には、通信ライン8が配線されている。通信信号発生デバイス5は、限定されない。通信信号発生デバイス5としては、例えば、RF信号を受信可能なアンテナおよびアンテナ基板を含む。また、通信信号発生デバイス5としては、例えば、マルチ信号発生デバイスが挙げられる。
【0035】
<付加信号発生デバイス6>
付加信号発生デバイス6は、上記した付加信号を発生可能である。付加信号発生デバイス6は、後述する合成デバイス7を介して電気光変換デバイス2と通信信号発生デバイス5とに接続されている。付加信号発生デバイス6と合成デバイス7との間には、付加ライン9が配線されている。付加ライン9における伝送方向の下流側部分は、通信ライン8における伝送方向の下流側部分と共通する。付加信号発生デバイス6は、限定されない。付加信号発生デバイス6としては、例えば、低周波信号発生デバイスが挙げられる。低周波信号発生デバイスとしては、例えば、マルチ信号発生デバイスが挙げられる。
【0036】
<合成デバイス7>
合成デバイス7は、通信信号発生デバイス5で発生した通信信号と、付加信号発生デバイス6で発生した付加信号とを合成(重畳)可能である。合成デバイス7は、通信ライン8を介して通信信号発生デバイス5と接続されている。また、合成デバイス7は、付加ライン9を介して付加信号発生デバイス6と接続されている。合成デバイス7と電気光変換デバイス2との間には、接続ライン10が配線されている。このため、合成デバイス7は、接続ライン10を介して電気光変換デバイス2と接続されている。
【0037】
<光伝送システム1による光伝送(光伝送方法)>
次に、光伝送システム1による(光伝送方法)を説明する。
【0038】
<通信信号OFF時の動作>
この光伝送システム1では、常には、通信信号発生デバイス5では、通信信号を発生しておらず、つまり、通信信号OFFとなっている。一方、この光伝送システム1では、常には、付加信号発生デバイス6は、上記した付加信号を発生する。つまり、第4工程が実施される。
【0039】
すると、付加信号発生デバイス6で発生した付加信号は、付加ライン9と合成デバイス7と接続ライン10とを介して、電気光変換デバイス2に入力される。合成デバイス7を経由するときに、第1の電気信号に含まれるよう処理される。つまり、電気光変換デバイス2には、付加信号を含む上記した第1の電気信号が入力される。
【0040】
電気光変換デバイス2は、上記した第1の電気信号を光信号に変換する。つまり、第1工程が実施される。電気光変換デバイス2が、上記した低周波の付加信号を含む第1の電気信号を光に変換する。その際、電気光変換デバイス2は、直流電流発生デバイス12から入力された直流電流を用いる。続いて、電気光変換デバイス2は、変換された光信号を光伝送路3に入力する。
【0041】
光伝送路3では、入力された光信号を伝送して、光電気変換デバイス4に入力する。つまり、第2工程が実施される。光信号の伝送方式としては、例えば、マルチモード方式、および、シングルモード方式が挙げられる。
【0042】
光電気変換デバイス4は、光伝送路3から入力された光信号を第2の電気信号に変換する。つまり、第3工程が実施される。第2の電気信号は、上記した第1の電気信号と同一または相異なっていてもよい。第2の電気信号は、仮想線で示す外部装置11に入力される。外部装置11としては、例えば、画像表示装置が挙げられる。画像表示装置としては、例えば、テレビ、および、レコーダが挙げられる。
【0043】
<通信信号ON時の動作>
通信信号ON時には、通信信号発生デバイス5が通信信号を発生する。つまり、第5工程が実施される。このときでも、付加信号発生デバイス6では、上記した付加信号を連続的に発生する。つまり、第4工程が実施される。
【0044】
通信信号発生デバイス5で発生した通信信号と、付加信号発生デバイス6で発生した付加信号とは、それぞれ、通信ライン8と付加ライン9とを介して、合成デバイス7に入力される。合成デバイス7では、通信信号と付加信号とから、それらを含む第1の電気信号を合成する。つまり、合成デバイス7では、通信信号に付加信号が付加(重畳)されて、第1の電気信号が合成される。
【0045】
合成デバイス7で合成された第1の電気信号は、接続ライン10を介して、電気光変換デバイス2に入力される。
【0046】
通信信号ON時における電気光変換デバイス2による第1の電気信号から光信号への変換(第1工程)と、光伝送路3による光信号の伝送(第2工程)と、光電気変換デバイス4による光信号から第2の電気信号への変換(第3工程)とは、それぞれ、上記した通信信号OFF時におけるそれらと同様である。但し、第1工程における第1の電気信号は、付加信号と、通信信号とを含んでいる。
【0047】
<一実施形態の作用効果>
この光伝送システム1では、付加信号発生デバイス6で発生し、周波数が1Hz以上、9MHz以下である低周波の付加信号を含む第1の電気信号を光信号に変換するので、時間に対する信号品質の変動を抑制できる。
【0048】
しかも、光伝送システム1は、特許文献1のような光アイソレータを備える必要がなく、特定周波数の低周波の付加信号を発生させる付加信号発生デバイス6を備えればよいので、構成が簡単であり、低コストである。
【0049】
この光伝送システム1では、付加信号の強度が30dBμV以上であれば、時間に対する信号品質の変動をより一層抑制できる。
【0050】
一実施形態の光伝送方法の第1工程では、周波数が1Hz以上、9MHz以下である低周波の付加信号を含む第1の電気信号を光信号に変換するので、時間に対する信号品質の変動を抑制できる。
【0051】
しかも、光伝送方法は、第4工程で、特定周波数の低周波の付加信号を発生させるので、構成が簡単であり、低コストである。
【0052】
この光伝送方法では、付加信号の強度が、30dBμV以上であれば、時間に対する信号品質の変動をより一層抑制できる。
【0053】
<変形例>
変形例において、一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることができる。
【0054】
図2に示すように、光伝送システム1は、合成デバイス7を別に備えず、電気光変換デバイス2に合成デバイス7の機能を備えさせる。つまり、電気光変換デバイス2が合成デバイスを兼ねる。通信信号発生デバイス5は、通信ライン8を介して電気光変換デバイス2と接続されている。付加信号発生デバイス6は、付加ライン9を介し電気光変換デバイス2と接続されている。
【0055】
図3に示すように、光伝送システム1は、通信信号発生デバイス5を備えなくてもよい。図3の変形例では、合成デバイス7には、仮想線で示す通信ライン8を介して、外部から通信信号が入力される。合成デバイス7では、上記した通信信号と、付加信号発生デバイス6から入力される付加信号とから、上記した第1の電気信号が合成される。
【実施例
【0056】
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
【0057】
<実施例1-実施例5、および、比較例1-比較例2>
<高周波信号の周波数100MHz、強度80dBμV>
【0058】
<実施例1>
実施例1として、図1に示す下記のデバイスを備える光伝送システム1を準備した。
【0059】
電気光変換デバイス2:中心波長が850nmであるVCSELを使用したTOSA
光伝送路3:マルチモードの光ファイバ
光電気変換デバイス4:PDを使用したROSA
通信信号発生デバイス5:型番がN5183Aであり、Agilent社製のマルチ信号発生器
付加信号発生デバイス6:型番がWF1973であり、エヌエフ回路設計ブロック社製のマルチ信号発生器
外部装置11:型番がN9010Bであり、Keysight社製のスペクトルアナライザー
直流電流発生デバイス12:型番が2400Source Meterであり、KEITHLEY製の直流電流源
【0060】
実施例1では、通信信号発生デバイス5から、1波CW波である周波数100MHz、強度80dBμVの高周波信号を発生させた。同時に、直流電流発生デバイス12から、8mAの直流電流を電気光変換デバイス2に入力し、また、付加信号発生デバイス6が、周波数1kHzで、強度が85.0dBμVである付加信号を発生した。続いて、外部装置11によって、光電気変換デバイス4における第2の電気信号の品質の変動を、30分間、測定した。変動は、外部装置11で計測した信号品質の最大値と最小値との差として求めた。その結果を表1に示す。
【0061】
<実施例2>
実施例1と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号の周波数を1kHzから10kHzに変更した。変動の結果を表1に示す。
【0062】
<実施例3>
実施例1と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号の周波数を1kHzから100kHzに変更した。変動の結果を表1および表2に示す。
【0063】
<実施例4>
実施例1と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号の周波数を1kHzから200kHzに変更した。変動の結果を表1に示す。
【0064】
<実施例5>
実施例1と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号の周波数を1kHzから500kHzに変更した。変動の結果を表1に示す。
【0065】
<比較例1>
実施例1と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号の周波数を1kHzから10MHzに変更した。
【0066】
<比較例2>
実施例1と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号発生デバイス6では、付加信号を発生させなかった。変動の結果を表1に示す。
【0067】
<実施例6-実施例12>
<高周波信号の周波数100MHz>
【0068】
参考実施例6>
実施例3と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号発生デバイス6では、付加信号の強度を85.0dBμVから10.0dBμVに変更した。変動の結果を表2に示す。
【0069】
<実施例7>
実施例3と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号発生デバイス6では、付加信号の強度を85.0dBμVから30.0dBμVに変更した。変動の結果を表2に示す。
【0070】
<実施例8>
実施例3と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号発生デバイス6では、付加信号の強度を85.0dBμVから50.0dBμVに変更した。変動の結果を表2に示す。
【0071】
<実施例9>
実施例3と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号発生デバイス6では、付加信号の強度を85.0dBμVから70.0dBμVに変更した。変動の結果を表2に示す。
【0072】
<実施例10>
実施例3と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号発生デバイス6では、付加信号の強度を85.0dBμVから80.0dBμVに変更した。変動の結果を表2に示す。
【0073】
<実施例11>
実施例3と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号発生デバイス6では、付加信号の強度を85.0dBμVから90.0dBμVに変更した。変動の結果を表2に示す。
【0074】
<実施例12>
実施例3と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号発生デバイス6では、付加信号の強度を85.0dBμVから100.0dBμVに変更した。変動の結果を表2に示す。
【0075】
<実施例13>
実施例13では、直流電流発生デバイス12から、8mAの直流電流を発生させた。また、付加信号発生デバイス6が、周波数10kHzで、強度が85dBμVである付加信号を発生した。但し、通信信号発生デバイス5で通信信号を発生させなかった。続いて、外部装置11によって、光電気変換デバイス4における第2の電気信号の変動を、30分間、測定した。変動は、外部装置11で計測した100MHzにおける雑音強度の最大値と最小値との差として求めた。その結果を表3に示す。
【0076】
その後、変動を測定した。変動の結果を表3に示す。
【0077】
<比較例3>
実施例13と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号発生デバイス6で付加信号を発生させなかった。つまり、通信信号発生デバイス5で通信信号を発生させず、付加信号発生デバイス6でも付加信号を発生させなかった。続いて、外部装置11によって、光電気変換デバイス4における第2の電気信号の変動を、30分間、測定した。変動は、外部装置11で計測した100MHzにおける雑音強度の最大値と最小値との差として求めた。その結果を表3に示す。
【0078】
<実施例14-実施例18、および、比較例4-比較例8>
<付加信号の周波数1kHz、強度70dBμV>
実施例1と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号の強度を85.0dBμVから70.0dBμVに変更した。そして、表4の通りに、通信信号である高周波信号の周波数を変更した。比較例4-比較例8では、いずれも、付加信号発生デバイス6では、付加信号を発生させなかった。その結果を表4に示す。
【0079】
<実施例14>
高周波信号の周波数を50MHzにした。
【0080】
<実施例15>
高周波信号の周波数を100MHzにした。
【0081】
<実施例16>
高周波信号の周波数を1GHzにした。
【0082】
<実施例17>
高周波信号の周波数を5GHzにした。
【0083】
<実施例18>
高周波信号の周波数を10GHzにした。
【0084】
<比較例4>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を50MHzにした。
【0085】
<比較例5>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を100MHzにした。
【0086】
<比較例6>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を1GHzにした。
【0087】
<比較例7>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を5GHzにした。
【0088】
<比較例8>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を10GHzにした。
【0089】
<実施例19-実施例23、および、比較例9-比較例13>
<付加信号の周波数10kHz、強度70dBμV>
実施例1と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号の周波数を1kHzから10kHzに変更した。付加信号の強度を85.0dBμVから70.0dBμVに変更した。そして、表5の通りに、通信信号である高周波信号の周波数を変更した。比較例9-比較例13では、いずれも、付加信号発生デバイス6では、付加信号を発生させなかった。その結果を表5に示す。
【0090】
<実施例19>
高周波信号の周波数を50MHzにした。
【0091】
<実施例20>
高周波信号の周波数を100MHzにした。
【0092】
<実施例21>
高周波信号の周波数を1GHzにした。
【0093】
<実施例22>
高周波信号の周波数を5GHzにした。
【0094】
<実施例23>
高周波信号の周波数を10GHzにした。
【0095】
<比較例9>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を50MHzにした。
【0096】
<比較例10>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を100MHzにした。
【0097】
<比較例11>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を1GHzにした。
【0098】
<比較例12>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を5GHzにした。
【0099】
<比較例13>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を10GHzにした。
【0100】
<実施例24-実施例28、および、比較例14-比較例18>
<付加信号の周波数100kHz、強度70dBμV>
実施例1と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号の周波数を1kHzから100kHzに変更した。付加信号の強度を85.0dBμVから70.0dBμVに変更した。そして、表6の通りに、通信信号である高周波信号の周波数を変更した。比較例14-比較例18では、いずれも、付加信号発生デバイス6では、付加信号を発生させなかった。その結果を表6に示す。
【0101】
<実施例24>
高周波信号の周波数を50MHzにした。
【0102】
<実施例25>
高周波信号の周波数を100MHzにした。
【0103】
<実施例26>
高周波信号の周波数を1GHzにした。
【0104】
<実施例27>
高周波信号の周波数を5GHzにした。
【0105】
<実施例28>
高周波信号の周波数を10GHzにした。
【0106】
<比較例14>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を50MHzにした。
【0107】
<比較例15>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を100MHzにした。
【0108】
<比較例16>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を1GHzにした。
【0109】
<比較例17>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を5GHzにした。
【0110】
<比較例18>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を10GHzにした。
【0111】
<実施例29-実施例33、および、比較例19-比較例23>
<付加信号の周波数300kHz、強度70dBμV>
実施例1と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号の周波数を1kHzから300kHzに変更した。付加信号の強度を85.0dBμVから70.0dBμVに変更した。そして、表7の通りに、通信信号である高周波信号の周波数を変更した。比較例19-比較例23では、いずれも、付加信号発生デバイス6では、付加信号を発生させなかった。その結果を表7に示す。
【0112】
<実施例29>
高周波信号の周波数を50MHzにした。
【0113】
<実施例30>
高周波信号の周波数を100MHzにした。
【0114】
<実施例31>
高周波信号の周波数を1GHzにした。
【0115】
<実施例32>
高周波信号の周波数を5GHzにした。
【0116】
<実施例33>
高周波信号の周波数を10GHzにした。
【0117】
<比較例19>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を50MHzにした。
【0118】
<比較例20>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を100MHzにした。
【0119】
<比較例21>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を1GHzにした。
【0120】
<比較例22>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を5GHzにした。
【0121】
<比較例23>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を10GHzにした。
【0122】
<実施例34、および、比較例24>
<付加信号の周波数500kHz、強度81.5dBμV>
実施例1と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号の周波数を1kHzから500kHzに変更した。付加信号の強度を85.0dBμVから81.5dBμVに変更した。そして、表8の通りに、通信信号である高周波信号の周波数を変更した。比較例24では、付加信号発生デバイス6では、付加信号を発生させなかった。その結果を表8に示す。
【0123】
<実施例34>
高周波信号の周波数を5GHzにした。
【0124】
<比較例24>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を5GHzにした。
【0125】
参考実施例35、および、比較例25>
<付加信号の周波数10MHz、強度81.5dBμV>
実施例1と同様にして、変動を測定した。但し、付加信号の周波数を1kHzから10MHzに変更した。付加信号の強度を85.0dBμVから90.0dBμVに変更した。そして、表9の通りに、通信信号である高周波信号の周波数を変更した。比較例25では、付加信号発生デバイス6では、付加信号を発生させなかった。その結果を表9に示す。
【0126】
参考実施例35>
高周波信号の周波数を5GHzにした。
【0127】
<比較例25>
付加信号発生デバイス6で、付加信号を発生させず、高周波信号の周波数を5GHzにした。
【表1】
【0128】
【表2】
【0129】
【表3】
【0130】
【表4】
【0131】
【表5】
【0132】
【表6】
【0133】
【表7】
【0134】
【表8】
【0135】
【表9】
【0136】
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記請求の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0137】
光伝送システムは、光を利用した電気信号の伝送に用いられる。
【符号の説明】
【0138】
1 光伝送システム
2 電気光変換デバイス
3 光伝送路
4 光電気変換デバイス
5 通信信号発生デバイス
6 付加信号発生デバイス
図1
図2
図3