(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-19
(45)【発行日】2026-01-05
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/26 20060101AFI20251222BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20251222BHJP
【FI】
A61M39/26
A61M39/10 120
(21)【出願番号】P 2022577051
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(86)【国際出願番号】 JP2021046957
(87)【国際公開番号】W WO2022158208
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2024-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2021006740
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390029676
【氏名又は名称】株式会社トップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】間中 勇輝
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/158471(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/049811(WO,A1)
【文献】米国特許第5360413(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/26
A61M 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる通路を有する通路部材と、
前記通路部材に固定され、相手側コネクタが挿入される接続口および前記接続口と前記通路を繋ぐ内部空間を有する筒状の接続部材と、
底部および筒部を有する有底筒状に構成されると共に、前記底部を前記接続口側にした状態で前記内部空間内に少なくとも一部が収容され、前記接続口への前記相手側コネクタの挿入に伴う弾性変形によって開く開閉孔を前記底部に有する弁体と、を備え、
前記内部空間を形成する前記接続部材の内周面は、
対応する位置の前記弁体の外径よりも内径の大きい逃げ空間形成部と、
前記接続口と前記逃げ空間形成部の間に設けられる変形調整部と、を有し、
前記変形調整部は、
前記接続口側に設けられ、前記逃げ空間形成部側に向けて内径が漸次拡大する第1内側テーパ部と、
前記逃げ空間形成部側に設けられ、前記逃げ空間形成部側に向けて前記第1内側テーパ部よりも小さい変化率で内径が漸次拡大する第2内側テーパ部と、を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記第1内側テーパ部は、軸方向に占める範囲が前記第2内側テーパ部以上であることを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコネクタにおいて、
前記第1内側テーパ部は、前記第2内側テーパ部側に向けて内径の変化率が漸次増大するように構成されることを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のコネクタにおいて、
前記筒部は、前記底部側の一部が前記第1内側テーパ部の一部における内径以上の外径に構成されることを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載のコネクタにおいて、
前記接続部材は、前記逃げ空間形成部から軸心側に向けて突出する複数の突出部を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項6】
請求項5に記載のコネクタにおいて、
前記接続部材は、前記逃げ空間形成部から軸心側に向けて前記突出部よりも小さい突出量で突出する複数の補助突出部を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載のコネクタにおいて、
前記接続部材は、前記相手側コネクタの雌ネジと羅合する雄ネジを有し、
前記雄ネジは、ネジ溝の前記通路部材側の端部にネジ溝の深さを浅くした肉盛り部を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載のコネクタにおいて、
前記通路部材は、
前記通路の入口である流入口と、
前記通路の出口である流出口と、
前記通路の途中に設けられ、前記弁体内の空洞と連通して閉空間を形成する接続空間と、
前記接続空間の上流側と下流側を結ぶ上下流方向の中間位置において前記空洞側に向けて立設され、前記閉空間の前記接続空間側を上流側と下流側に区画する仕切り部材と、を有し、
前記仕切り部材は、前記上下流方向の厚みが前記接続空間の前記上下流方向の最大長さの15%以上30%以下であることを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば輸液チューブや三方活栓等の医療用器具の接続部に用いられるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、三方活栓や輸液チューブ等の輸液ラインを構成する医療用器具において各部の接続を行うためのコネクタとして、テーパ嵌合式のメスルアー端子である接続口の内部に弁体を収容したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この弁体は、一般にスリット状の開閉孔が設けられた弾性部材から構成されている。そして、通常は開閉孔が閉じた状態であるが、オスルアー端子である相手側コネクタの接続口内への挿入に伴って弁体が弾性変形することで開くように構成されている。また、接続口から相手側コネクタを抜去した後は、弁体は元の形状に復元し、開閉孔が再び閉じられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような弁体を備えるコネクタは、相手側コネクタの挿入時に弁体を弾性変形させる必要があり、これが抵抗となるため、一般的なコネクタと比べて接続に操作力を要するものとなる。従って、操作性の観点からは、このようなコネクタは弁体が容易に弾性変形可能に構成されていることが好ましい。
【0006】
しかしながら、弁体が弾性変形し易い場合、弁体の復元性が低下して密閉性が損なわれる場合があるという問題があった。すなわち、相手側コネクタの抜去後に弁体が元の状態に戻り切れず、開閉孔が適切に閉じなかったり、弁体とコネクタ本体の間に隙間が生じたりする場合があった。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑み、操作性と密閉性を両立させたコネクタを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコネクタは、流体が流れる通路を有する通路部材と、前記通路部材に固定され、相手側コネクタが挿入される接続口および前記接続口と前記通路を繋ぐ内部空間を有する筒状の接続部材と、底部および筒部を有する有底筒状に構成されると共に、前記底部を前記接続口側にした状態で前記内部空間内に少なくとも一部が収容され、前記接続口への前記相手側コネクタの挿入に伴う弾性変形によって開く開閉孔を前記底部に有する弁体と、を備え、前記内部空間を形成する前記接続部材の内周面は、対応する位置の前記弁体の外径よりも内径の大きい逃げ空間形成部と、前記接続口と前記逃げ空間形成部の間に設けられる変形調整部と、を有し、前記変形調整部は、前記接続口側に設けられ、前記逃げ空間形成部側に向けて内径が漸次拡大する第1内側テーパ部と、前記逃げ空間形成部側に設けられ、前記逃げ空間形成部側に向けて前記第1内側テーパ部よりも小さい変化率で内径が漸次拡大する第2内側テーパ部と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明のコネクタによれば、変形調整部における空間の容積を適宜に調整し、変形調整部において弁体を適切に弾性変形させることが可能となるため、少ない操作力で接続口へ相手側コネクタを挿入して開閉孔を適切に開かせると共に、相手側コネクタの抜去後は、弾性変形の復元力によって開閉孔を適切に閉じさせることができる。すなわち、操作性と密閉性を両立させることができる。
【0010】
また、本発明のコネクタにおいて、前記第1内側テーパ部は、軸方向に占める範囲が前記第2内側テーパ部以上であることが好ましい。
【0011】
これによれば、相手側コネクタの挿入に伴って弁体を徐々に弾性変形させて開閉孔が徐々に開くようにしながらも、最終的に開閉孔が適切な大きさに開かれるように弁体が弾性変形するだけの空間を変形調整部に設けることが可能となるため、少ない操作力で開閉孔を適切に開かせることができる。また、相手側コネクタの抜去後は、適切に開かれた開閉孔を変形調整部によって徐々に閉じさせることが可能となるため、開閉孔を適切に閉じさせて、接続口を適切に密閉することができる。
【0012】
また、本発明のコネクタにおいて、前記第1内側テーパ部は、前記第2内側テーパ部側に向けて内径の変化率が漸次増大するように構成されることが好ましい。
【0013】
これによれば、少ない操作力で開閉孔を適切な大きさに開かせるのに十分な空間を変形調整部に確保しながらも、第1内側テーパ部における開閉孔の急激な開閉をより確実に防止することが可能となるため、開閉孔を適切に開閉させることができる。
【0014】
また、本発明のコネクタにおいて、前記筒部は、前記底部側の一部が前記第1内側テーパ部の一部における内径以上の外径に構成されることが好ましい。
【0015】
これによれば、通常状態において筒部の底部側の一部に圧縮力を付加して弁体と接続部材の間の密閉性を高めながらも、相手側コネクタが挿入された場合には当該圧縮力が付加された部分が変形調整部においてより内径の大きい領域に移動していくこととなるため、操作力が過大とならないようにすることができる。
【0016】
また、本発明のコネクタにおいて、前記接続部材は、前記逃げ空間形成部から軸心側に向けて突出する複数の突出部を有することが好ましい。
【0017】
これによれば、弾性変形の自由度を確保しつつ、突出部の当接により弁体を適度に拘束することが可能となるため、弾性変形時の弁体の傾きを防止して開閉孔を適切に開閉させることができる。
【0018】
また、本発明のコネクタにおいて、前記接続部材は、前記逃げ空間形成部から軸心側に向けて前記突出部よりも小さい突出量で突出する複数の補助突出部を有することが好ましい。
【0019】
これによれば、弁体への突出部の当接と補助突出部の当接に時間差を生じさせ、弁体の拘束力を段階的に強めることが可能となるため、弾性変形時の弁体の傾きをより確実に防止しながらも、操作力を低減することができる。
【0020】
また、本発明のコネクタにおいて、前記接続部材は、前記相手側コネクタの雌ネジと羅合する雄ネジを有し、前記雄ネジは、ネジ溝の前記通路部材側の端部にネジ溝の深さを浅くした肉盛り部を有することが好ましい。
【0021】
これによれば、第1内側テーパ部および第2内側テーパ部を設けたことにより、曲げ応力の大きくなる接続部材の基端側において肉薄となったネジ溝の部分を補強することが可能となるため、雄ネジを備えながらも適切な構成の第1内側テーパ部および第2内側テーパ部を設けることができる。
【0022】
また、本発明のコネクタにおいて、前記通路部材は、前記通路の入口である流入口と、前記通路の出口である流出口と、前記通路の途中に設けられ、前記弁体内の空洞と連通して閉空間を形成する接続空間と、前記接続空間の上流側と下流側を結ぶ上下流方向の中間位置において前記空洞側に向けて立設され、前記閉空間の前記接続空間側を上流側と下流側に区画する仕切り部材と、を有し、前記仕切り部材は、前記上下流方向の厚みが前記接続空間の前記上下流方向の最大長さの15%以上30%以下であることが好ましい。
【0023】
これによれば、仕切り部材15の高さを低く構成しながらも、流入口から閉空間に流入する流体を弁体内の空洞の底部側に向けて誘導することができるため、弁体内における流体の滞留を防止し、コネクタを衛生的に維持することが可能となる。この結果、弁体の形状の自由度が高まるため、適切に弾性変形してコネクタの操作性と密閉性を両立させることが可能な弁体を容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るコネクタによれば、操作性と密閉性を両立させることが可能という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】Aは、本発明の一実施形態に係るコネクタの平面図である。Bは、コネクタの正面図である。
【
図2】Aは、コネクタの底面図である。Bは、コネクタの
図1AにおけるI-I線断面図である。Cは、接続空間を弁体側から見た図である。
【
図3】Aは、接続部材の
図1AにおけるI-I線断面図である。Bは、接続部材の底面図である。
【
図4】Aは、弁体の平面図である。Bは、弁体の正面図である。Cは、弁体の
図4AにおけるII-II線断面図である。
【
図5】通路部材および接続部材と弁体の重なり具合を示した断面図である。
【
図6】AおよびBは、混注用のオスルアー端子である相手側コネクタの接続口への挿入の様子を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1Aは本発明の一実施形態に係るコネクタ1の平面図であり、
図1Bはコネクタ1の正面図である。また、
図2Aはコネクタ1の底面図であり、
図2Bはコネクタ1の
図1AにおけるI-I線断面図である。
【0027】
本実施形態のコネクタ1は、輸液ラインの途中に接続されて薬液等の混注を行うためのTポート(混注ポート)である。これらの図に示されるように、コネクタ1は、通路部材10と、通路部材10に取り付けられたロック部材20と、通路部材10に固定された接続部材30と、通路部材10および接続部材30によって囲まれた空間内に収容される弁体40と、を備えている。
【0028】
通路部材10は、輸液ラインの途中に接続される部分であり、ロック部材20は、下流側の輸液ラインとの接続をロックする部分である。また、接続部材30は、混注を行う場合に混注用のオスルアー端子である相手側コネクタ100(
図6AおよびB参照)が接続される部分であり、弁体40は、接続部材30を開閉自在に閉塞する部分である。
【0029】
通路部材10は、例えばポリプロピレンやポリカーボネート等の適宜の樹脂から構成され、輸液ラインからの流入口であるメスルアー端子11と、輸液ラインへの流出口であるオスルアー端子12と、メスルアー端子11とオスルアー端子12の間で両者を繋ぐ中間部13と、を備えている。
【0030】
メスルアー端子11およびオスルアー端子12は、所定の規格(例えば、ISO80369-7等)に準拠して構成されており、本実施形態では、それぞれの軸心を軸心C0と略一致させて直線的に配置されている。メスルアー端子11は、上流側の輸液ラインのオスルアー端子と嵌合するテーパ状のメスルアーテーパ部11aを内周面に有している。また、メスルアー端子11の外周面には、オスルアー端子の備える雌ネジと螺合する雄ネジ11bが設けられている。
【0031】
オスルアー端子12は、下流側の輸液ラインのメスルアー端子と嵌合するテーパ状のオスルアーテーパ部12aを先端側の外周面に有している。また、オスルアー端子12の基端側には、ロック部材20が遊嵌される外側遊嵌部12bが設けられており、オスルアーテーパ部12aと外側遊嵌部12bの間には、ロック部材20の抜け止めとして、外側遊嵌部12bよりも大径に構成された抜け止め部12cが設けられている。
【0032】
中間部13は、メスルアー端子11およびオスルアー端子12の軸心C0と略直交する軸心C1を中心とする円柱状に構成されている。中間部13の上面13aには、接続部材30が固定される円環状の固定面13bと、弁体40が軸方向に当接する円環状の受け面13cと、が設けられている。
【0033】
固定面13bには、周方向に連続する環状突起13dが設けられている。この環状突起13dは、接続部材30を通路部材10に固定する際に、超音波溶着によって溶融される部分である。受け面13cは、固定面13bよりもやや窪んだ位置(底面13f側の位置)に位置している。また、受け面13cの外周には、固定面13bよりも接続部材30側に突出する第1周壁13eが設けられている。
【0034】
中間部13の底面13fには、円柱状の窪みの底をさらにH字状に窪ませた肉盗み部13gが設けられている。また、中間部13の外周面13hの底面13f側には、幅広のリブ状に構成された凸部13iが複数(本実施形態では、6つ)設けられている。本実施形態では、このような肉盗み部13gを設けることで、中間部13の厚みを調整し、射出成形時におけるヒケやボイド等の成形不良の発生を防止している。また、外周面13hに複数の凸部13iを設けて滑り止めとすることで、コネクタ1の持ちやすさを向上させている。
【0035】
通路部材10の内部には、メスルアー端子11とオスルアー端子12を接続し、メスルアー端子11から流入した薬液等の液体(流体)をオスルアー端子12まで流動させる通路14が設けられている。
【0036】
具体的にこの通路14は、メスルアー端子11から直線的に通路部材10の内部に延びる入側通路14aと、入側通路14aから上面13a側に延びる入側接続通路14bと、入側接続通路14bと繋がる円柱状の接続空間14cと、接続空間14cから底面13f側に向けて直線的に延びる出側接続通路14dと、出側接続通路14dから直線的に延びてオスルアー端子12に繋がる出側通路14eと、から構成されている。
【0037】
接続空間14cは、輸液ラインに混注される液体を通路14内に流入させるために通路14を部分的に開放するための空間であり、弁体40内の空洞40aと連通して1つの閉空間16を形成するように構成されている。従って、コネクタ1では、接続部材30から混注される液体だけでなく、メスルアー端子11から流入した液体も空洞40a内に流入するようになっている。
【0038】
接続空間14cは、入側接続通路14bおよび出側接続通路14dを介して入側通路14aおよび出側通路14eと接続されることで上面13a側、すなわち接続部材30側にオフセットされて配置されている。具体的に接続空間14cは、中間部13の上面13aに設けられた接続底面13jおよび第2周壁13kによって区画されている。接続底面13jは受け面13cよりもやや底面13f側に設けられている。また、第2周壁13kは、周方向に連続すると共に、受け面13cよりも接続部材30側に突出するように設けられている。
【0039】
図2Cは、接続空間14cを弁体40側(
図2Bの上側)から見た図である。接続底面13jの軸心C0方向(接続空間14cの上流側と下流側を結ぶ上下流方向)における中間位置には、比較的厚手の長方形板状の仕切り部材15が空洞40a側に向けて立設されている。この仕切り部材15は、入側接続通路14bから閉空間16内に流入した液体を弁体40の底部41側に誘導するものである。仕切り部材15は、長手方向が軸心C0と直交するように配置されると共に、長手方向の両端が第2周壁13kに接続されている。また、仕切り部材15は、第2周壁13kよりも接続部材30側に突出している(
図2B参照)。従って、閉空間16の接続空間14c側の一部の領域は、仕切り部材15によって上流側と下流側に略2等分に区画されている。
【0040】
接続空間14cを接続部材30側にオフセットさせることで、コネクタ1内において液体の滞留が生じやすい空間となる閉空間16の容積を削減することができる。また、接続部材30側に突出する仕切り部材15を設けることで、閉空間16内の全体に亘って積極的に液体を流動させることができる。これにより本実施形態では、コネクタ1内における液体の滞留を防止し、コネクタ1内を衛生的に保つことを可能としている。
【0041】
本実施形態ではさらに、仕切り部材15の幅方向(軸心C0方向、上下流方向)の厚みTを比較的大きく構成し、接続空間14cの区画された上流側と下流側を適宜に離隔させることで、仕切り部材15の高さ(軸心C1方向の寸法)を大きくすることなく、液体を底部41側に積極的に誘導することを可能としている。そして、これにより、弾性変形した弁体40が仕切り部材15に接触しにくくなり、弁体40の形状の自由度が高まることから、弁体40をより適切な形状に構成することが可能となっている。
【0042】
なお、仕切り部材15の厚みTは、特に限定されるものではないが、液体を閉空間16内で効率的に流動させるためには、接続空間14cの軸心C0方向(上下流方向)の最大寸法(すなわち、接続空間14cの直径)Dの15%以上30%以下であることが好ましく、20%以上25%以下であることが好ましい。本実施形態では、仕切り部材15の厚みTを接続空間14cの軸心C0方向の最大寸法Dの約21%としている。
【0043】
なお、本実施形態では、接続空間14c、仕切り部材15ならびに入側接続通路14bおよび出側接続通路14dを、軸心C1を含んで軸心C0と直交する平面に対して対称に構成している。このようにすることで、例えば中間部13をメスルアー端子11およびオスルアー端子12と別体に構成するようにした場合に、閉空間16内における液体の流動性に影響を与えることなく中間部13の方向性を無くすことができるため、中間部13へのメスルアー端子11およびオスルアー端子12の取り付けを容易化し、コネクタ1の組み立て性を向上させることが可能となる。すなわち、本実施形態のコネクタ1は、設計の発展性を考慮した構成となっている。
【0044】
ロック部材20は、オスルアー端子12に接続されるメスルアー端子の備える雄ネジと羅合することで、接続をロックするものである。ロック部材20は、段付き円筒状の部材であり、例えばポリプロピレンやポリカーボネート等の適宜の樹脂から構成されている。ロック部材20の内周面の先端側には、メスルアー端子の雄ネジと羅合する雌ネジ21が設けられている。また、ロック部材20の内周面の基端側には、外側遊嵌部12bよりもやや大径の内側遊嵌部22が設けられている。
【0045】
ロック部材20は、基端側からオスルアー端子12を内部に挿入し、内側遊嵌部22を弾性変形により抜け止め部12cを通過させた後に外側遊嵌部12bに位置させることで、通路部材10に対して回転自在、且つ容易に脱落しないように取り付けられている。従って、コネクタ1では、コネクタ1全体を回転させることなく、ロック部材20のみを回転させて、下流側のメスルアー端子の雄ネジに雌ネジ21を羅合させることが可能となっている。ロック部材20の外周面には、使用者によるロック部材20の回転を容易にすべく、複数(本実施形態では、8つ)のリブ状の滑り止め突起23が設けられている。
【0046】
接続部材30は、混注用の輸液チューブやシリンジ等が接続される混注用メスルアー端子として機能するものである。
図3Aは接続部材30の
図1AにおけるI-I線断面図であり、
図3Bは接続部材30の底面図である。
【0047】
接続部材30は、例えばポリプロピレンやポリカーボネート等の適宜の樹脂から構成され、軸心C2を中心とする段付き円筒状の部材である。具体的には、接続部材30は、円筒状の本体30aと、本体30aよりも拡径されたカップ状のベース30bと、から構成されている。
【0048】
本体30aの先端側(
図3Aの上側)には、混注用の輸液チューブ等が備えるオスルアー端子である相手側コネクタ100が挿入されて嵌合される接続口31が設けられている。この接続口31は、挿入された相手側コネクタ100と適宜に密着して嵌合するように構成されている。
【0049】
接続部材30の内側における接続口31よりも基端側(
図3Aの下側、すなわち通路部材10側)の部分は、接続口31と通路部材10の通路14を繋ぐ内部空間32となっている。この内部空間32を形成する接続部材30の内周面は、接続口31から基端側に向けて漸次拡径する第1内側テーパ部33と、第1内側テーパ部33から基端側に向けてさらに漸次拡径する第2内側テーパ部34と、第2内側テーパ部34から基端側に向けてさらに漸次拡径する第3内側テーパ部35と、第3内側テーパ部35からベース30bの端面30cまで内径が略一定の第1内側等径部36と、から構成されている。
【0050】
第1内側テーパ部33は、接続口31から軸方向に離隔するに従って漸次拡径(内径が拡大)すると共に、拡径率(内径の変化率)が暫時増大するように構成されている。すなわち、第1内側テーパ部33は、軸方向における中間部が僅かに膨出したラッパ状となっている。第2内側テーパ部34は、第1内側テーパ部33よりも拡径率が小さく、また軸方向の長さも短くなっている。
【0051】
第3内側テーパ部35は、ベース部に合わせて大きく拡径する部分であり、第1内側テーパ部33よりも拡径率が大きくなっている。第1内側等径部36は、通路部材10の第1周壁13eの外径と同一またはやや大きい内径に設定され、接続部材30が通路部材10に固定された場合に、基端側の一部が第1周壁13eを収容するようになっている。
【0052】
なお、接続口31、第1内側テーパ部33、第2内側テーパ部34、第3内側テーパ部35および第1内側等径部36は滑らかに連続している。また、第1内側等径部36は、適宜の抜き勾配が設けられたものであってもよい。
【0053】
第1内側等径部36には、軸心C1側に向けて突出する4つの突出部37が周方向に均等な間隔で設けられている。この突出部37は、第3内側テーパ部35から接続部材30の基端側に向けて軸心C1と略平行に延出するリブ状に構成されている。また、突出部37の頂面(軸心C1側の端面)37aは、第3内側テーパ部35よりも外周側(軸心C1の反対側)に位置しており、突出部37の延出方向側(接続部材30の基端側)の端面37bは、ベース30bの端面30cよりも所定の距離だけ内側(接続部材30の先端側)に位置している。
【0054】
第1内側等径部36にはまた、軸心C1側に向けて突出する8つの補助突出部38が設けられている。この補助突出部38は、突出部37と同様に、第3内側テーパ部35から接続部材30の基端側に向けて軸心C1と略平行に延出するリブ状に構成されており、各突出部37の間に2つずつが周方向に略均等な間隔で設けられている。また、補助突出部38の頂面(軸心C1側の端面)38aは、突出部37の頂面37aよりも外周側(軸心C1の反対側)に位置しており、補助突出部38の延出方向側(接続部材30の基端側)の端面38bは、突出部37の端面37bと略同一平面上に位置している。
【0055】
突出部37の頂面37aおよび補助突出部38の頂面38aは、軸心C2と略平行且つ突出方向(接続部材30の径方向)と略直交する平面となっている。また、突出部37の端面37bおよび補助突出部38の端面38bは、軸心C2と略直交する平面となっている。また、突出部37および補助突出部38の各角部には、適宜の丸みが設けられている。
【0056】
本体30aの外周面には、相手側コネクタ100の備える雌ネジと螺合する雄ネジ39が設けられている。この雄ネジ39は、通路部材10のメスルアー端子11等と同一の規格に準拠した二条の台形ネジであるが、ネジ山およびネジ溝の中心を部分的に軸心C1に対して傾斜させることで、羅合した雌ネジとの摩擦力を増大させ、緩み止め効果を奏するように構成されている。また、雄ネジ39の基端側(ベース30b側)の端部には、ネジ溝を部分的に埋めることで、ネジ溝の深さを部分的に浅くした肉盛り部39aが設けられている。
【0057】
このように肉盛り部39aを設けることで、他の部分よりも肉薄となる雄ネジ39の谷底部分を、曲げ応力の大きくなる本体30aの基端部において肉厚にすることが可能となるため、接続部材30の強度を向上させることができる。さらにこの結果、本体30aの内周面の形状の自由度が増すため、第1内側テーパ部33および第2内側テーパ部34の内径およびテーパ角度(拡径率)を適切に設定することが可能となる。
【0058】
なお、本実施形態では、羅合した雌ネジのネジ山と接触する位置に肉盛り部39aを設けることで、肉盛り部39aが緩み止めとしても機能するようにしているが、雌ネジのネジ山と接触しない位置に肉盛り部39aを設けるようにしてもよい。
【0059】
ベース30bの端面30cは、通路部材10の固定面13bと当接する面である。端面30cには、周方向に連続する溝30dが設けられている。接続部材30の通路部材10への固定は、この溝30d内に通路部材10の環状突起13dを挿入し、溝30dと環状突起13dを超音波溶着することによって行われる。
【0060】
図1AおよびBならびに
図2AおよびBに戻って、弁体40は、通常は接続口31を閉塞し、接続口31に混注用の輸液チューブ等が備える相手側コネクタ100が接続された場合に弾性変形することで、混注用の相手側コネクタ100と通路14を連通させるものである。
【0061】
図4Aは弁体40の平面図であり、
図4Bは弁体40の正面図であり、
図4Cは弁体40の
図4AにおけるII-II線断面図である。弁体40は、例えばシリコーンゴムやイソプレンゴム等の適宜の弾性材料から構成され、軸心C3を中心とする有底段付き円筒状の部材である。具体的には、弁体40は、円柱状の底部41と、底部41から延出すると共に開口側の内外径が拡径した円筒状の筒部42と、から構成され、内部に空洞40aが形成されている。また、底部41には、軸方向に貫通するスリット状の開閉孔43が設けられ、筒部42には、外周側に向けて張り出すフランジ部44が設けられている。
【0062】
底部41は、接続口31内に収容される部分である。具体的に底部41は、弁体40の先端側(
図4BおよびCの上側)の先端面41aから筒部42側(弁体40の基端側)に向けて外径が略一定の小径部41bと、小径部41bから筒部42側に向けて漸次拡径する拡径部41cと、拡径部41cから筒部42まで外径が略一定の大径部41dと、から構成されている。
【0063】
筒部42は、大部分が内部空間32内に収容されると共に、底部41側の一部が接続口31内に収容され、開口側(
図4BおよびCの下側)の一部が通路部材10の受け面13cと第1周壁13eによって区画された空間内に収容される部分である。
【0064】
筒部42の外周面は、底部41の拡径部41cから開口側(弁体40の基端側)に向けて外径が略一定の第1外側等径部42aと、第1外側等径部42aから開口側に向けて漸次拡径する第1外側テーパ部42bと、第1外側テーパ部42bから開口側に向けて外径が一定の第2外側等径部42cと、第2外側等径部42cから開口側に向けて漸次拡径する第2外側テーパ部42dと、第2外側テーパ部42dから開口側に向けてさらに拡径する第3外側テーパ部42eと、第3外側テーパ部42eからフランジ部44まで外径が略一定の第3外側等径部42fと、から構成されている。
【0065】
第1外側テーパ部42bは、第2外側テーパ部42dおよび第3外側テーパ部42eよりも拡径率が大きく、第3外側テーパ部42eは、第2外側テーパ部42dよりも拡径率が大きくなっている。また、第3外側テーパ部42eは、軸方向において最も長い範囲を占めている。
【0066】
第1外側等径部42aおよび第1外側テーパ部42bは、滑らかに連続している。同様に、第2外側等径部42c、第2外側テーパ部42dおよび第3外側テーパ部42eは、滑らかに連続している。また、第3外側等径部42fとフランジ部44の間の角部には適宜の丸みが設けられている。
【0067】
筒部42の内周面は、底部41の内側面41eから連続する内側丸み部42gと、内側丸み部42gから開口側に向けて内径が略一定の第2内側等径部42hと、第2内側等径部42hから開口側に向けて漸次内径が拡大する第4内側テーパ部42iと、第4内側テーパ部42iから開口側に向けて内径が略一定の第3内側等径部42jと、第3内側等径部42jよりも大きい内径から開口側端面42kまで漸次拡径する内径拡大部42lと、から構成されている。なお、内径拡大部42lは、通路部材10の第2周壁13kを収容する部分であり、第2周壁13kの相補的形状に構成されている。
【0068】
第2内側等径部42hは、軸方向において第1外側テーパ部42bの中間部から第3外側テーパ部42eの中間部までの範囲に設けられている。また、第4内側テーパ部42iは、軸方向において第3外側テーパ部42eの中間部から第3外側テーパ部42eと第3外側等径部42fの境界の開口側近傍までの範囲に設けられており、第3外側テーパ部42eよりも拡径率が大きくなっている。また、第3内側等径部42jは、軸方向において第3外側テーパ部42eと第3外側等径部42fの境界の開口側近傍からフランジ部44の中間部までの範囲に設けられている。
【0069】
従って、筒部42の径方向の厚みは、第1外側等径部42aにおいては開口側に向けて漸次減少し、第1外側テーパ部42bにおいては開口側に向けて漸次増大し、第2外側等径部42cにおいては開口側に向けて略一定となっている。また、筒部42の径方向の厚みは、第2外側テーパ部42dにおいては開口側に向けて漸次増大し、第3外側テーパ部42eにおいては開口側に向けて漸次増大した後に漸次減少し、第3外側等径部42fにおいては開口側に向けて漸次減少した後に略一定となっている。
【0070】
これにより、筒部42の径方向の厚みは、第1外側等径部42aと第1外側テーパ部42bの境界で最少となり、第2内側等径部42hと第4内側テーパ部42iの境界において最大となっている。なお、第1外側等径部42aと第2内側等径部42hの間の径方向の厚みは、第3外側等径部42fと第3内側等径部42jの間の径方向厚みよりも小さくなっている。
【0071】
開閉孔43は、底部41の先端面41aと内側面41eの間で貫通するスリット状に構成されている。開閉孔43は、底部41が接続口31内に収容された状態では閉じており、接続口31内に挿入された混注用の相手側コネクタ100に押されて弁体40が弾性変形した場合に開くように構成されている。すなわち、開閉孔43が開くことで混注用の相手側コネクタ100が空洞40aと連通され、これにより相手側コネクタ100から混注される液体が閉空間16内に流入するようになっている。
【0072】
フランジ部44は、筒部42の開口側の端部を外周側に向けて張り出すようにして設けられている。フランジ部44の底部側端面44aおよび開口側端面44bは、互いに略平行となっている。また、フランジ部44の開口側端面44bは、筒部42の開口側端面42kと連続している。フランジ部44の外周面44cは、開口側に向けて外径が漸次拡大するように構成されている。
【0073】
図5は、通路部材10および接続部材30と弁体40の重なり具合を示した断面図である。なお、
図5では、通路部材10の一部および接続部材30の
図1AにおけるI-I線断面図と共に、弾性変形していない状態の弁体40を二点鎖線で示している。
【0074】
接続部材30は、自身の軸心C2を通路部材10の軸心C1と略一致させた状態で通路部材10に固定されている。弁体40は、自身の軸心C3を通路部材10の軸心C1と略一致させ、通路部材10と接続部材30に囲まれた空間内にやや圧縮された状態で収容されている。
【0075】
接続部材30の第1内側等径部36の内径は、対応する位置の弁体40の外径よりも十分に大きくなっており、第1内側等径部36と弁体40の外周面の間の空間は、接続口31内に挿入された相手側コネクタ100に押されることで外周側に向けて膨出するように弾性変形した弁体40の一部を収容する逃げ空間32aとなっている。すなわち、第1内側等径部36は、本発明の逃げ空間形成部を構成している。
【0076】
突出部37および補助突出部38は、弾性変形した弁体40と周方向において断続的に当接することで弁体40を適度に拘束するようになっている。これにより、弁体40の弾性変形の自由度を確保しつつ、弾性変形時の弁体40の傾きを防止することが可能となる。本実施形態ではさらに、補助突出部38の突出量を突出部37よりも小さくすることで、弁体40の拘束を段階的に強めるようにしているため、弁体40の傾きをより確実に防止しながらも、相手側コネクタ100の挿入抵抗を低減することを可能としている。
【0077】
弁体40のフランジ部44の軸方向の厚みは、受け面13cと突出部37の端面37bおよび補助突出部38の端面38bの間の距離よりも大きくなっている。すなわち、本実施形態では、受け面13cと突出部37および補助突出部38の間にフランジ部44が挟持されるようになっており、これにより閉空間16内からの液体の漏出を確実に防止するようにしている。また、このようにフランジ部44を教示することで、弾性変形時の弁体40の傾きも、より確実に防止されるようになっている。また、弁体40の外周面の拘束よりもフランジ部44の拘束を強めることで、弁体40の弾性変形が阻害されにくくなっている。
【0078】
弁体40の底部41の外径は、接続口31の内径よりも大きくなっている。従って、底部41は、接続口31内に位置している場合には接続口31から圧縮力を受け、これにより開閉孔43が確実に閉塞されるようになっている。従って、開閉孔43は、接続口31内に挿入された相手側コネクタ100に押されて底部41が接続口31から離脱した後に、弁体40の弾性変形に伴って開くこととなる。
【0079】
接続部材30の第1内側テーパ部33および第2内側テーパ部34は、開閉孔43が開いていく際の弁体40の弾性変形を調整する部分となっている。すなわち、第1内側テーパ部33および第2内側テーパ部34は、本発明の変形調整部を構成している。
【0080】
変形調整部において、接続口31側の部分の内径が大きすぎると、弾性変形の自由度が高められて相手側コネクタ100の挿入抵抗は減少するものの、開閉孔43が早めに大きく開いてしまい、その後さらに相手側コネクタ100に押されることで、開閉孔43が通路部材10側に捲れた状態となる場合がある。開閉孔43が捲れた状態となると、弁体40が元の形状に復元する際に開閉孔43の両壁が互いに噛み込んで適切に閉塞しないだけでなく、底部41が元の形状に復元されないことから接続口31内に適切に戻り切れず、密閉性が損なわれることとなる。
【0081】
また、変形調整部において、第1内側等径部36側(逃げ空間形成部側)の部分の内径が小さすぎると、底部41が適切に弾性変形するための空間が変形調整部において不足し、相手側コネクタ100の挿入抵抗が増大することとなる。また、相手側コネクタ100の先端面と底部41の先端面41aの密着力が強まることで、底部41の先端面41aが相手側コネクタ100の先端面の開口縁に引っ掛かる等して底部41が適切に弾性変形せず、開閉孔43が適切に開かない場合がある。特に、相手側コネクタ100が軸心C1に対して斜めに挿入された場合、変形調整部内における弾性変形の自由度が少ないことから弾性変形に偏りが生じやすく、開閉孔43が適切に開かない場合がある。
【0082】
本実施形態では、変形調整部を拡径率の大きい第1内側テーパ部33と拡径率の小さい第2内側テーパ部34の組み合わせから構成することで、相手側コネクタ100の挿入に伴う弁体40の底部41の弾性変形の態様を適宜に調整することを可能とし、開閉孔43が適切に開閉されるようにしている。
【0083】
また、第1内側テーパ部33の軸方向に占める範囲を第2内側テーパ部34以上(本実施形態では、約3倍)とすることで、相手側コネクタ100の挿入時における開閉孔43の急激な開きを防止しつつ、底部41が適切に弾性変形するための補助逃げ空間32bを変形調整部において確保するようにしている。
【0084】
また、第1内側テーパ部33を第2内側テーパ部34側に向けて拡径率が漸次増大するように構成することで、第2内側テーパ部34における内径を大きくして補助逃げ空間32bを十分に確保しながらも、相手側コネクタ100の挿入に伴って開閉孔43をスムーズに開かせることを可能としている。
【0085】
また、本実施形態では、弁体40の筒部42に第1外側テーパ部42bおよび第2外側等径部42cを設け、これらの大部分における外径を対応する位置の第1内側テーパ部33の内径よりも大きく設定することで、接続部材30と弁体40の間の密閉性を高めるようにしている。なお、第1外側テーパ部42bおよび第2外側等径部42cは、相手側コネクタ100の挿入に伴って、第1内側テーパ部33および第2内側テーパ部34におけるより大径の領域に移動することとなるため、密閉性を高めながらも、相手側コネクタ100の挿入抵抗は抑制されている。
【0086】
また、弁体40の筒部42に第3外側テーパ部42e、第3外側等径部42f、第4内側テーパ部42iおよび第3内側等径部42jを設け、筒部42の開口側の内外径を拡大することで、弁体40の弾性変形時に筒部42の開口側の部分が積極的に逃げ空間32a内に進入するようにしている。これにより、相手側コネクタ100の挿入抵抗を低減すると共に、筒部42における弾性変形によって開閉孔43の開きが阻害されないようにしている。
【0087】
さらに、弁体40の第3外側テーパ部42eにおいても、対応する位置の第2内側テーパ部34の内径よりも外径が大きい部分を設けることで、接続部材30と弁体40の間の密閉性をより高めるようにしている。
【0088】
図6AおよびBは、混注用のオスルアー端子である相手側コネクタ100の接続口31へ挿入の様子を示した断面図である。なお、
図6AおよびBは、通路部材10の一部、接続部材30および弁体40の
図1AにおけるI-I線断面図である。これらの図では、相手側コネクタ100の備えるロック部材(雄ネジ39と羅合する部材)の記載を省略している。また、これらの図における弁体40の変形態様は必ずしも正確なものではない。
【0089】
図6Aに示されるように、接続口31内へ相手側コネクタ100を挿入すると、弁体40は、通路部材10側に向けて押しつぶされるように弾性変形することとなる。このとき、筒部42は、押しつぶされながら外周側に向けて膨出するように変形し、一部が突出部37および補助突出部38に当接すると共に、一部が突出部37および補助突出部38の間の逃げ空間32a内に収容される。
【0090】
また、底部41は、接続口31内から第1内側テーパ部33内に進入した後は、相手側コネクタ100の挿入量の増加に伴い、第1内側テーパ部33および第2内側テーパ部34の内周面に沿って徐々に外径が拡大するように弾性変形し、これにより開閉孔43が徐々に開いていく。
【0091】
そして、
図6Bに示されるように、相手側コネクタ100が接続口31と適切に嵌合するまで挿入された状態では、弁体40は、相手側コネクタ100が食い込んだように弾性変形し、一部が補助逃げ空間32b内に収容された状態となる。これにより、開閉孔43は適切な大きさに開かれることとなり、相手側コネクタ100から閉空間16内に液体をスムーズに流入させることが可能となる。
【0092】
相手側コネクタ100を抜去すると、弁体40は弾性変形の復元力によって、元の状態に戻る。このとき、弁体40には開閉孔43の捲れは生じておらず、さらに底部41は第2内側テーパ部34および第1内側テーパ部33を通過するに従って徐々に外径が圧縮されるため、開閉孔43は、噛み込み等を生じることなく適切に閉じられることとなる。
【0093】
このように本実施形態では、拡径率の大きい第1内側テーパ部33および拡径率の小さい第2内側テーパ部34から変形調整部を構成することで、相手側コネクタ100の挿入に伴って開閉孔43が徐々に開くようにしながらも、最終的に相手側コネクタ100と変形調整部の間に十分な大きさの補助逃げ空間32bを確保しているため、少ない操作力(相手側コネクタ100を押す力、および相手側コネクタ100の備えるロック部材20を回転させる力)で弁体40を適切に変形させて開閉孔43を適切に開くことが可能となっている。また、相手側コネクタ100の抜去後には、弁体40を適切に復元させて開閉孔43を適切に閉じさせることが可能となっている。
【0094】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のコネクタは、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、コネクタ1の各部の形状および配置は、上述の実施形態において示した形状および配置に限定されるものではなく、既知の種々の形状および配置を採用することができる。特に、接続部材30の内周面の形状は、弁体40の形状に応じた種々の形状を採用することができる。
【0095】
また、メスルアー端子11およびオスルアー端子12は、いずれが上流側となってもよいし、直線的に配置されないものであってもよい。また、接続部材30および弁体40は、軸心C2、C3がメスルアー端子11またはオスルアー端子12の軸心に対して傾斜するように配置されるものであってもよい。
【0096】
また、コネクタ1は、メスルアー端子11またはオスルアー端子12に代えて、チューブ等が接着される接続端を通路部材10が備えるものであってもよい。また、コネクタ1は、Tポートに限定されるものではなく、通路部材10がメスルアー端子11およびオスルアー端子12のいずれか一方のみを備えるものであってもよい。また、接続部材30は、雄ネジ39を備えないものであってもよい。
【0097】
また、上述の実施形態において示した作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したものに過ぎず、本発明による作用および効果は、これらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0098】
1 コネクタ
10 通路部材
11 メスルアー端子
12 オスルアー端子
14c 接続空間
14 通路
15 仕切り部材
16 閉空間
30 接続部材
31 接続口
32 内部空間
40 弁体
40a 空洞
41 底部
42 筒部
43 開閉孔
33 第1内側テーパ部
34 第2内側テーパ部
36 第1内側等径部
37 突出部
38 補助突出部
39 雄ネジ
39a 肉盛り部
100 相手側コネクタ
T 仕切り部材の幅方向の厚み
D 接続空間の直径