(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-22
(45)【発行日】2026-01-06
(54)【発明の名称】吸水性樹脂粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08J 3/12 20060101AFI20251223BHJP
B01J 20/26 20060101ALI20251223BHJP
B01J 20/30 20060101ALI20251223BHJP
【FI】
C08J3/12 A CER
C08J3/12 CEZ
B01J20/26 D
B01J20/30
(21)【出願番号】P 2022555466
(86)(22)【出願日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 JP2021036615
(87)【国際公開番号】W WO2022075256
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2024-09-06
(31)【優先権主張番号】P 2020169050
(32)【優先日】2020-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000195661
【氏名又は名称】住友精化株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100140578
【氏名又は名称】沖田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100218855
【氏名又は名称】田中 政輝
(72)【発明者】
【氏名】淡路 直矢
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-520390(JP,A)
【文献】特開平11-106514(JP,A)
【文献】特開平11-140194(JP,A)
【文献】特開2005-015787(JP,A)
【文献】特開2004-067878(JP,A)
【文献】国際公開第2019/221235(WO,A1)
【文献】特開2013-034942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/12
B01J 20/26
B01J 20/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水性樹脂粒子の製造方法であって、
目開き180μmの篩を通過する重合体微粉を水と混合することにより該重合体微粉を凝集させて第一の塊状物を形成することと、
前記第一の塊状物を乾燥及び粉砕して目開き180μmの篩を通過する造粒微粉を形成することと、
前記造粒微粉を含む粒子群を、水と混合することにより前記粒子群を凝集させて第二の塊状物を形成することと、
前記第二の塊状物を乾燥及び粉砕して造粒粒子を形成することと、
を含み、
前記粒子群中の前記造粒微粉の含有率が、前記粒子群全量に対して80質量%以上100質量%以下であ
り、
前記吸水性樹脂粒子が、エチレン性不飽和単量体に由来する構造単位を有する、
造粒粒子を含む吸水性樹脂粒子の製造方法。
【請求項2】
前記粒子群中の前記造粒微粉の含有率が、前記粒子群全量に対して99質量%以下であり、
前記粒子群が、前記第一の塊状物を形成する前の前記重合体微粉を前記粒子群全量に対して0質量%超20質量%以下更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粒子群に含まれる前記重合体微粉が、重合体微粉を水と混合することにより該重合体微粉を凝集させて塊状物を形成することと、該塊状物を乾燥及び粉砕することと、を含む方法によって形成される微粉を除く微粉である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記造粒粒子を分級することを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記造粒微粉中の、目開き180μmの篩を通過しかつ目開き150μmの篩を通過しない微粉の含有率が、前記造粒微粉全量に対して30質量%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸水性樹脂粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸水性樹脂粒子の製造においては、重合により得られたブロック状又は粗粒子状の重合体を粉砕して粒子化する工程が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸水性樹脂粒子として使用するには、例えば180~850μmなど、適した粒子径の範囲がある。しかしながら、吸水性樹脂粒子の製造において、重合体の粉砕時には、所望の粒子径を有する粒子だけでなく、所望の粒子径に満たない微粉が発生する。微粉は、造粒により粒子径を増大させ、造粒粒子として使用されている(例えば、特許文献1)。微粉を用いて製造される造粒粒子においても、吸水速度が十分に速いことが求められる。
【0005】
本開示の一側面は、凝集工程を経ていない微粉のみを用いて造粒する場合よりも、吸水速度に優れる造粒粒子を含む吸水性樹脂粒子を得ることができる製造方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面は、目開き180μmの篩を通過する重合体微粉を水と混合することにより該重合体微粉を凝集させて第一の塊状物を形成することと、上記第一の塊状物を乾燥及び粉砕して目開き180μmの篩を通過する造粒微粉を形成することと、上記造粒微粉を含む粒子群を、水と混合することにより上記粒子群を凝集させて第二の塊状物を形成することと、上記第二の塊状物を乾燥及び粉砕して造粒粒子を形成することと、を含み、上記粒子群中の前記造粒微粉の含有率が、上記粒子群全量に対して80質量%以上100質量%以下である、造粒粒子を含む吸水性樹脂粒子の製造方法に関する。
【0007】
上記製造方法において、上記粒子群が、目開き180μmの篩を通過する重合体微粉を上記粒子群全量に対して0質量%超20質量%以下更に含んでいてよい。
【0008】
上記製造方法において、上記粒子群に含まれる上記重合体微粉が、重合体微粉を水と混合することにより該重合体微粉を凝集させて塊状物を形成することと、該塊状物を乾燥及び粉砕することと、を含む方法によって形成される微粉を除く微粉であってもよい。
【0009】
上記製造方法は、上記造粒粒子を分級することを更に含んでいてよい。
【0010】
上記製造方法において、上記造粒微粉中の、目開き180μmの篩を通過しかつ目開き150μmの篩を通過しない微粉の含有率が、上記造粒微粉全量に対して30質量%以下であってよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一側面によれば、凝集工程を経ていない微粉のみを用いて造粒する場合よりも、吸水速度に優れる造粒粒子を含む吸水性樹脂粒子を得ることができる製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書において「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの両方を意味する。「アクリレート」及び「メタクリレート」も同様に「(メタ)アクリレート」と表記する。他の類似の用語も同様である。「(ポリ)」とは、「ポリ」の接頭語がある場合及びない場合の双方を意味するものとする。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「水溶性」とは、25℃において水に5質量%以上の溶解性を示すことをいう。本明細書に例示する材料は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「生理食塩水」とは、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液をいう。篩はJIS標準篩を意味する。
【0013】
本実施形態に係る造粒粒子を含む吸水性樹脂粒子の製造方法は、目開き180μmの篩を通過する重合体微粉を水と混合することにより該重合体微粉を凝集させて第一の塊状物を形成することと、上記第一の塊状物を乾燥及び粉砕して目開き180μmの篩を通過する造粒微粉を形成することと、上記造粒微粉を上記粒子群全量に対して80質量%以上100質量%以下の含有率で含む粒子群を、水と混合することにより上記粒子群を凝集させて第二の塊状物を形成することと、上記第二の塊状物を乾燥及び粉砕して造粒粒子を形成することと、を含む。言い換えると、吸水性樹脂粒子の製造方法が、目開き180μmの篩を通過する重合体微粉を水と混合することにより重合体微粉を凝集させて塊状物(第一の塊状物)を得ることと、該塊状物を乾燥及び粉砕して目開き180μmの篩を通過する造粒微粉を得ることと、上記造粒微粉を80質量%以上100質量%以下の含有率で含む粒子群を、水と混合することにより粒子群を凝集させて再度塊状物(第二の塊状物)を得ることと、再度得られた該塊状物を乾燥及び粉砕して造粒粒子を得ることとを含んでもよい。
【0014】
本開示の製造方法は、微粉を造粒して粒子化する際に発生する造粒微粉を再度造粒に用いるものであり、再造粒時に用いられる粒子群が高比率で造粒微粉を含むことを特徴とする。本明細書において造粒とは、粒子同士を凝集させて、元の粒子よりも粒子径が大きい粒子を得ることをいう。本願発明の製造方法によれば、吸水性樹脂粒子の製造工程において発生する、凝集工程を経ていない微粉(一次微粉)を単独で造粒した場合と比べ、より速い吸水速度を有する吸水性樹脂粒子を製造することができる。
【0015】
[重合体微粉]
造粒微粉の原料となる重合体微粉を得る方法の例について説明する。重合体微粉は、目開き180μmの篩を通過する微粉であり、これを用いて第一の塊状物が形成される。第一の塊状物を形成するために用いられる重合体微粉は、例えば、凝集工程を経ていない微粉(以下、「一次微粉」とも称する。)であってよく、後述する凝集工程を経た造粒微粉であってもよい。一次微粉は、吸水性樹脂粒子に用いられる重合体粒子の製造において発生する微粉であり、例えばブロック状又は粗粒子状の重合体を粉砕して粒子化する際に発生した微粉であることができる。一次微粉は、重合体微粉を水と混合することにより該重合体微粉を凝集させて塊状物を形成することと、該塊状物を乾燥及び粉砕することと、を含む方法によって形成される微粉を除く微粉であってもよい。一次微粉は、例えば、単量体を重合して含水ゲル状重合体を得た後、該含水ゲル状重合体を乾燥、粉砕及び分級することで得ることができる。以下、一次微粉を得る方法の例について詳述する。
【0016】
(重合工程)
まず、エチレン性不飽和単量体を含む単量体を重合させて含水ゲル状重合体を得る。含水ゲル状重合体は、エチレン性不飽和単量体を含む単量体の重合により形成された架橋重合体が水を含みゲル状となったものであってよい。本実施形態に係る製造方法によって得られる吸水性樹脂粒子は、エチレン性不飽和単量体を含む単量体の重合により形成された架橋重合体を含むことができる。架橋重合体は、エチレン性不飽和単量体に由来する単量体単位を有する。すなわち、本実施形態に係る吸水性樹脂粒子は、エチレン性不飽和単量体に由来する構造単位を有することができる。
【0017】
重合は、例えば、水溶液重合法により行うことができる。以下、水溶液重合法による単量体の重合について説明する。
【0018】
エチレン性不飽和単量体は水溶性であってもよい。エチレン性不飽和単量体としては例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及びそれらの塩等のカルボン酸系単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の非イオン性単量体;N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和単量体及びその4級化物;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸及びそれらの塩等のスルホン酸系単量体が挙げられる。エチレン性不飽和単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
エチレン性不飽和単量体は、(メタ)アクリル酸及びその塩、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリルアミド、並びにN,N-ジメチルアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種、又は(メタ)アクリル酸及びその塩から選択される少なくとも1種を含んでもよい。(メタ)アクリル酸及びその塩と、他のエチレン性不飽和単量体を共重合させてもよい。この場合、エチレン性不飽和単量体の総量のうち、上記(メタ)アクリル酸及びその塩の割合が70~100モル%、80~100モル%、又は90~100モル%であってもよい。エチレン性不飽和単量体は、(メタ)アクリル酸及びその塩の少なくとも一方を含んでもよい。
【0020】
エチレン性不飽和単量体が(メタ)アクリル酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のように酸基を有する場合、必要に応じてその酸基があらかじめアルカリ性中和剤により中和されたものを用いることができる。このようなアルカリ性中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩;アンモニア等が挙げられる。これらのアルカリ性中和剤は、中和操作を簡便にするために水溶液の状態にして用いてもよい。アルカリ性中和剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。酸基の中和は、原料であるエチレン性不飽和単量体の重合前に行ってもよく、重合中又は重合後に行ってもよい。
【0021】
アルカリ性中和剤によるエチレン性不飽和単量体の中和度は、得られる吸水性樹脂粒子の浸透圧を高めることで吸水性能を高め、かつ余剰のアルカリ性中和剤の存在に起因する安全性等に問題が生じないようにする観点から、通常、10~100モル%、30~90モル%、40~85モル%、又は50~80モル%であってもよい。ここで、中和度は、エチレン性不飽和単量体が有する全ての酸基に対する中和度とする。
【0022】
エチレン性不飽和単量体は、通常、水溶液の状態で用いることができる。エチレン性不飽和単量体を含む水溶液(以下、単に「単量体水溶液」という)におけるエチレン性不飽和単量体の濃度は、20質量%以上飽和濃度以下とすればよく、25~70質量%、又は30~50質量%であってよい。
【0023】
エチレン性不飽和単量体の使用量は、単量体全量(吸水性樹脂粒子を得るための単量体全量。例えば、架橋重合体の構造単位を与える単量体の全量。以下同様。)に対して70~100モル%であってよく、80~100モル%、90~100モル%、95~100モル%、又は100モル%であってよい。なかでも、(メタ)アクリル酸及びその塩の割合が単量体全量に対して70~100モル%であってよく、80~100モル%、90~100モル%、95~100モル%、又は100モル%であってよい。「(メタ)アクリル酸及びその塩の割合」は、(メタ)アクリル酸及びその塩の合計量の割合を意味する。
【0024】
吸水性樹脂粒子は、例えば、エチレン性不飽和単量体に由来する構造単位を有する架橋重合体を含む吸水性樹脂粒子であって、エチレン性不飽和単量体が、(メタ)アクリル酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含み、(メタ)アクリル酸及びその塩の割合が、吸水性樹脂粒子を得るための単量体全量に対して70~100モル%であるものであってよい。
【0025】
単量体水溶液は、重合開始剤を含んでいてよい。単量体水溶液に含まれる単量体の重合は、単量体水溶液に重合開始剤を添加し、必要により加熱、光照射等を行うことで開始される。重合開始剤としては、光重合開始剤又はラジカル重合開始剤が挙げられる。重合開始剤が水溶性ラジカル重合開始剤であってもよい。重合開始剤は、例えば、アゾ系化合物、過酸化物等であってよい。
【0026】
アゾ系化合物としては、例えば、2,2’-アゾビス[2-(N-フェニルアミジノ)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[N-(4-クロロフェニル)アミジノ]プロパン}二塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[N-(4-ヒドロキシフェニル)アミジノ]プロパン}二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(N-ベンジルアミジノ)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(N-アリルアミジノ)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[N-(2-ヒドロキシエチル)アミジノ]プロパン}二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-1,3-ジアゼピン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(5-ヒドロキシ-3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミド)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等のアゾ系化合物を挙げることができる。良好な吸水性能を有する吸水性樹脂粒子が得られ易いという観点から、アゾ系化合物が、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}二塩酸塩、又は2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]四水和物であってもよい。これらのアゾ系化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
過酸化物としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、t-ブチルクミルパーオキシド、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物類;過酸化水素等の過酸化物が挙げられる。これらの過酸化物のなかでも、良好な吸水性能を有する吸水性樹脂粒子が得られる観点から、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、又は過酸化水素を用いてもよく、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、又は過硫酸ナトリウムを用いてもよい。これらの過酸化物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
重合開始剤と還元剤とを組み合わせて用いて、レドックス重合開始剤として用いることもできる。還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、及びL-アスコルビン酸が挙げられる。
【0029】
重合体微粉、架橋重合体粒子、及び吸水性樹脂粒子におけるCRC(無加圧下吸水倍率)等の性能バランスの観点から、重合開始剤の量は、単量体1モルに対して0.05~1ミリモル、0.08~0.8ミリモル、又は0.1~0.7ミリモルであってもよい。
【0030】
単量体水溶液は、内部架橋剤を含んでもよい。内部架橋剤を含むことにより、得られる架橋重合体が、その内部架橋構造として、重合反応による自己架橋に加え、内部架橋剤による架橋を有することができる。
【0031】
内部架橋剤は、(メタ)アクリル基、アリル基、エポキシ基、又はアミノ基を有する化合物を含んでもよい。これら反応性官能基を2つ以上有する化合物を内部架橋剤として用いることができる。(メタ)アクリル基を有する化合物の例としては、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、及びN,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミドが挙げられる。アリル基を有する化合物の例としては、トリアリルアミンが挙げられる。エポキシ基を有する化合物の例としては、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、及びエピクロロヒドリンが挙げられる。アミノ基を有する化合物の例としては、トリエチレンテトラミン、エチレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミンが挙げられる。内部架橋剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0032】
内部架橋剤を使用する場合の使用量は、重合体微粉、架橋重合体粒子、及び吸水性樹脂粒子におけるCRC等の性能バランスを調整する観点から、単量体1モルに対して0.02~1.0ミリモル、0.05~0.8ミリモル、又は0.1~0.6ミリモルであってもよい。
【0033】
単量体水溶液には、必要に応じて、連鎖移動剤、増粘剤等の添加剤が含まれていてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、チオール類、チオール酸類、第2級アルコール類、次亜リン酸、亜リン酸等が挙げられる。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸中和物、ポリアクリルアミド等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。単量体水溶液には、水溶性有機溶媒等の、水以外の溶媒が適宜配合されてもよい。
【0034】
重合方式としては、例えば、単量体水溶液を撹拌しない状態(例えば、静置状態)で重合する静置重合方式、又は反応装置内で単量体水溶液を撹拌しながら重合する撹拌重合方式であってよい。静置重合方式である水溶液静置重合により含水ゲル状重合体を得てもよい。静置重合方式では、重合完了時、反応容器中に存在した単量体水溶液と略同じ体積を占める単一のブロック状の含水ゲル状重合体を得ることができる。
【0035】
製造の形態は、回分、半連続、連続等であってよい。例えば、水溶液静置連続重合においては、ベルトコンベア状の連続重合装置に単量体水溶液を連続的に供給しながら重合反応を行い、例えば帯状等の連続的な形状の含水ゲルを得ることができる。
【0036】
重合温度は、使用する重合開始剤によって異なるが、重合を迅速に進行させ、重合時間を短くすることにより生産性を高める観点から、0~130℃、又は10~110℃であってもよい。重合時間は、使用する重合開始剤の種類又は量、反応温度等に応じて適宜設定されるが、1~200分、又は5~100分であってもよい。
【0037】
含水ゲル状重合体は、乾燥に供する際にあらかじめ粗砕されていてもよい。含水ゲル状重合体を粗砕して得られる粗砕物は、粒子状であってよく、粒子が連なったような細長い形状であってもよい。粗砕物の最小辺のサイズは、例えば、0.1~15mm程度、又は1.0~10mm程度であってよい。粗砕物の最大辺のサイズは、0.1~200mm程度、又は1.0~150mm程度であってよい。粗砕装置は、例えば、ニーダー(例えば、加圧式ニーダー、双腕型ニーダー等)、ミートチョッパー、カッターミル、ファーマミル等を用いることができ、双腕型ニーダー、又はミートチョッパー、カッターミルであってもよい。
【0038】
(乾燥工程)
塊状の含水ゲル状重合体又はその粗砕物中の水を含む溶媒を、加熱及び/又は送風により除去することで、乾燥物を得ることができる。乾燥の方法は、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等の方法であってよい。乾燥は、例えば常圧下又は減圧下であってよく、乾燥効率を高めるために窒素等の気流下等で行ってもよい。乾燥は、複数の方法を組み合わせて用いてもよい。常圧下の乾燥のための加熱温度は、例えば70~250℃、又は80~200℃であってよい。乾燥により得られる乾燥物の含水率は、例えば、20質量%以下、10質量%以下、又は5質量%以下であってよく、0質量%以上又は1質量%以上であってもよい。乾燥により得られる乾燥物の含水率は、0~20質量%又は1~10質量%であってもよい。
【0039】
(粉砕工程)
続いて、乾燥物を粉砕することにより、微粉を含む粒子群が得られる。粉砕には、例えば、ローラーミル(ロールミル)、スタンプミル、ジェットミル、高速回転粉砕機(超遠心粉砕機、ハンマーミル、ピンミル、ロータビータミル等)、容器駆動型ミル(回転ミル、振動ミル、遊星ミル等)等の粉砕機を使用することができる。粉砕機は、出口側に多孔板、スクリーン、グリッド等の、粉砕粒子の最大粒子径を制御する開口部を有していてもよい。開口部の形状は多角形、円形等であってよく、開口部の最大径は、0.1~5mm、0.3~3.0mm、又は0.5~1.5mmであってよい。
【0040】
粉砕は、粒子群の少なくとも一部が、目開き180μmの篩を通過するような粒子径を有する微粉となるように行えばよい。粉砕は、例えば、粒子径180μm以上850μm未満程度の適切な粒子径を有する重合体粒子を得ることを主目的として粉砕しつつ、目開き180μmの篩を通過するような粒子径を有する微粉が一部発生するような方法で行うことができる。
【0041】
(分級工程)
上述の重合体粒子の製造工程において得られた粒子のうち、目開き180μmの篩を通過する微粉を一次微粉として用いることができる。例えば上述の粉砕工程において得られる粒子が、目開き180μmの篩を通過しない粒子も含む場合は、当該篩を用いることによって粒子群を分級し、目開き180μmの篩を通過する一次微粉を得ることができる。分級とは、ある粒子群を粒子径に応じて粒度分布の異なる2つ以上の粒子群に分ける操作のことをいう。
【0042】
分級の方法は、公知の分級方法を使用することができ、例えば、スクリーン分級、又は風力分級であってもよい。スクリーン分級は、スクリーンを振動させることによって、スクリーン上の粒子を、スクリーンの網目を通過する粒子と通過しない粒子とに分級する方法である。スクリーン分級は、例えば振動篩、ロータリシフタ、円筒撹拌篩、ブロワシフタ、又はロータップ式振とう器を用いて行うことができる。風力分級は、空気の流れを利用して粒子を分級する方法である。本明細書において、「目開き180μmの篩を通過する粒子」とは、そのような大きさを有する粒子を指し、分級工程として篩を用いたものに限られない。
【0043】
一次微粉のCRCは、例えば、65g/g以下、60g/g以下、58g/g以下であってよく、30g/g以上、33g/g以上、35g/g以上、37g/g以上、41g/g以上、45g/g以上、又は50g/g以上であってよい。一次微粉のCRCは、30~65g/g、33~60g/g、又は35~58g/gであってもよい。CRCは、EDANA法(NWSP 241.0.R2(15)、page.769~778)を参考に、後述の実施例に記載の方法によって測定される。
【0044】
[造粒微粉]
本実施形態に係る製造方法において用いられる造粒微粉は、目開き180μmの篩を通過する重合体微粉を水と混合することにより重合体微粉を凝集させて第一の塊状物を形成し、該第一の塊状物を乾燥及び粉砕することにより得られる造粒粒子の一部として含まれる。本実施形態に係る製造方法において用いられる造粒微粉は、目開き180μmの篩を通過する造粒粒子である。本明細書において、微粉の混合から、微粉の凝集(必要に応じて裁断)、第一の塊状物の乾燥及び粉砕までの工程を総称して造粒工程と称する場合もある。以下、造粒微粉の製造方法について詳述する。
【0045】
(凝集工程)
凝集工程は、重合体微粉を水と混合することにより該重合体微粉を凝集させて塊状物を形成する工程である。形成された塊状物を乾燥及び粉砕することにより、造粒微粉が形成される。造粒微粉の製造に用いられる重合体微粉は、例えば、上述の一次微粉であってもよく、一次微粉を用いて凝集工程を経て得られる造粒微粉であってもよく、これらの混合物であってもよい。第一の塊状物の乾燥及び粉砕により形成される造粒微粉は、一次微粉を用いて得られる造粒微粉であることができる。
【0046】
重合体微粉と混合される水には、水溶性塩類、エチレン性不飽和単量体等の水溶性重合性単量体、架橋剤、又は親水性有機溶媒等の成分が添加されていてもよい。すなわち水は、水に添加された他の成分を含む水性液の形態で、重合体微粉と混合されてもよい。水性液中の水の割合は、例えば80~100質量%であってよい。架橋剤としては例えば、上述の内部架橋剤又は後述の表面架橋剤と同様の架橋剤を用いることができる。
【0047】
重合体微粉と水とを混合する際の温度は、例えば30~150℃、60~110℃、又は80~100℃であってよい。重合体微粉と混合される水の量は、原料となる重合体微粉100質量部に対して、例えば、10質量部以上、30質量部以上、50質量部以上、80質量部以上、又は90質量部以上であってよく、200質量部以下、150質量部以下、130質量部以下、又は100質量部以下であってよい。重合体微粉と混合される水の量は、原料となる重合体微粉100質量部に対して、10~200質量部、30~150質量部、50~130質量部、又は80~100質量部であってもよい。重合体微粉と水とを混合する際には例えば、重合体微粉に、水を少量ずつ滴下してもよく、水全量を一度に加えてもよく、水を噴霧してもよく、水蒸気の状態で混合してもよい。
【0048】
重合体微粉と水との混合は、例えば、撹拌翼を有する各種撹拌機を用いて行うことができる。撹拌翼としては、平板翼、格子翼、パドル翼、プロペラ翼、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、リボン翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼等を用いることができる。平板翼は、軸(撹拌軸)と、軸の周囲に配置された平板部(撹拌部)とを有している。さらに、平板部は、スリット等を有していてもよい。撹拌翼として平板翼を用いると、より均一に造粒を行うことができ、比較的大きいサイズの造粒粒子群が得られやすい傾向がある。撹拌型混合機としては、例えば、モルタルミキサー、双腕ニーダー、連続ニーダー、レディゲミキサー等が挙げられる。
【0049】
混合をより均一に行う観点から、重合体微粉と水との混合時間は、重合体微粉及び水の全量を同一の容器内に投入してから、30~150秒、又は60~120秒であってもよい。
【0050】
重合体微粉と水とを混合することにより、重合体微粉同士が凝集し、第一の塊状物を得ることができる。
【0051】
(塊状物の乾燥、粉砕)
次に、得られた第一の塊状物を乾燥する。第一の塊状物は、乾燥効率を向上させるため、乾燥に供する前にあらかじめ3~10mm程度に裁断しておいてもよい。第一の塊状物の乾燥、粉砕、及び分級は、上述の一次微粉の製造における乾燥、粉砕、分級の工程と同様の方法で行うことができる。造粒後に乾燥及び粉砕、並びに必要に応じて分級を行って、目開き180μmの篩を通過する微粉、すなわち造粒微粉を得ることができる。
【0052】
造粒微粉の大きさは、目開き180μmの篩を通過するものであればよいが、さらに、目開き180μmの篩を通過しかつ目開き150μmの篩を通過しない微粉の含有率が、造粒微粉の全量に対して30質量%以下、又は25質量%以下であってもよい。造粒微粉のうち目開き150μmの篩を通過しない微粉の含有率が一定以下であると、得られる造粒粒子又は吸水性樹脂粒子の吸水速度をより高めることができる傾向があると考えられる。造粒微粉のうち、目開き180μmの篩を通過しかつ目開き150μmの篩を通過しない微粉の含有率は、造粒微粉の全量に対して例えば、10質量%以上又は15質量%以上であってよい。造粒微粉のうち、目開き180μmの篩を通過しかつ目開き150μmの篩を通過しない微粉の含有率は、造粒微粉の全量に対して10質量%以上で30質量%以下又は25質量%以下であってもよく、15質量%以上で30質量%以下又は25質量%以下であってもよい。
【0053】
造粒微粉のうち、目開き150μmの篩を通過する粒子の割合は、造粒微粉の全量に対して例えば、70質量%以上、又は75質量%以上であってよく、90質量%以下又は85質量%以下であってよい。造粒微粉のうち、目開き150μmの篩を通過する粒子の割合は、造粒微粉の全量に対して70~90質量%又は75~85質量%であってもよい。
【0054】
[造粒微粉の凝集]
本実施形態に係る吸水性樹脂粒子の製造方法では、上述の造粒微粉を含む粒子群を用いて凝集(以下、「主凝集」ともいう。)を行う。本実施形態に係る製造方法は、造粒微粉を含む粒子群を、水と混合することにより粒子群を凝集させて、第二の塊状物を得ることを含む。主凝集に用いられる粒子群における造粒微粉の含有率は、粒子群全量に対して80質量%以上100質量%以下である。
【0055】
主凝集に用いられる粒子群における造粒微粉の含有率は、粒子群全量に対して83質量%以上、85質量%以上、88質量%以上、90質量%以上、93質量%以上、95質量%以上又は98質量%以上であってもよい。主凝集に用いられる粒子群における造粒微粉の含有率は、粒子群全量に対して、99質量%以下、98質量%以下、又は95質量%以下であってもよい。主凝集に用いられる粒子群における造粒微粉の含有率は、粒子群全量に対して、83質量%以上で99質量%以下、98質量%以下、又は95質量%以下であってもよく、85質量%以上で99質量%以下、98質量%以下、又は95質量%以下であってもよく、88質量%以上で99質量%以下、98質量%以下、又は95質量%以下であってもよく、90質量%以上で99質量%以下、98質量%以下、又は95質量%以下であってもよく、93質量%以上で99質量%以下、98質量%以下、又は95質量%以下であってもよく、95質量%以上で99質量%以下、又は98質量%以下であってもよく、98質量%以上99質量%以下であってもよい。
【0056】
主凝集に用いられる粒子群には、上述の一次微粉(凝集工程を経ていない、目開き180μmの篩を通過する重合体微粉)が含まれていてもよい。粒子群に一次微粉が含まれる場合、粒子群全量に対する一次微粉の含有率は、例えば、0質量%超、3質量%以上、5質量%以上、8質量%以上、10質量%以上、又は15質量%以上であってよい。粒子群全量に対する一次微粉の含有率は、例えば、20質量%以下、18質量%以下、15質量%以下、13質量%以下、10質量%以下、8質量%以下、又は5質量%以下であってよい。粒子群全量に対する一次微粉の含有率は、0質量%超で20質量%以下、18質量%以下、15質量%以下、13質量%以下、10質量%以下、8質量%以下、又は5質量%以下であってもよく、3質量%以上で20質量%以下、18質量%以下、15質量%以下、13質量%以下、10質量%以下、8質量%以下、又は5質量%以下であってもよく、5質量%以上で20質量%以下、18質量%以下、15質量%以下、13質量%以下、10質量%以下、又は8質量%以下であってもよく、8質量%以上で20質量%以下、18質量%以下、15質量%以下、13質量%以下、又は10質量%以下であってもよく、10質量%以上で20質量%以下、18質量%以下、15質量%以下、又は13質量%以下であってもよく、15質量%以上で20質量%以下、又は18質量%以下であってもよい。
【0057】
主凝集に用いられる粒子群には、一次微粉及び造粒微粉以外の重合体粒子が含まれていてもよい。一次微粉と造粒微粉との合計量は、主凝集に用いられる粒子群全量に対して、90質量%以上、92質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、99質量%以上、又は100質量%であってもよい。一次微粉と造粒微粉との合計量は、主凝集に用いられる粒子群全量に対して、100質量%以下又は99質量%以下であってもよい。一次微粉と造粒微粉との合計量は、主凝集に用いられる粒子群全量に対して、90~100質量%であってもよい。
【0058】
造粒微粉を含む粒子群を水と混合することにより粒子群を凝集させて第二の塊状物を得る方法、第二の塊状物を必要により裁断後、乾燥、及び粉砕する方法は、上述の造粒微粉の製造における方法と同様の態様を適用することができる。造粒微粉は、異なる一次粒子、例えば異なる製造条件で得られた微粉、又は同様の製造条件の異なる製造ロットで得られた微粉に由来するものを組み合わせて用いてもよい。粒子群が造粒微粉以外に一次微粉又はその他の重合体粒子を含む場合、及び複数種の造粒微粉を混合して用いる場合は、水と混合する前にあらかじめ粒子群が均一に混合されていてもよい。
【0059】
本実施形態に係る製造方法により、一次微粉のみを用いて造粒する場合と比べて、得られる造粒粒子又は吸水性樹脂粒子の吸水速度をより速めることができる。一般に吸水性樹脂粒子の中位粒子径が大きいほど吸水速度は遅くなる傾向にあるが、本実施形態に係る製造方法により得られる吸水性樹脂粒子は、中位粒子径の大きさの割に、高い吸水速度を有する。
【0060】
[分級工程]
粉砕して得られた造粒粒子は、必要に応じて分級してもよい。すなわち本実施形態に係る吸水性樹脂粒子の製造方法は、造粒粒子を分級する工程を含んでもよい。必要に応じて、分級後の粒子を再度粉砕して、粉砕工程と分級工程とを繰り返すなど、複数の分級工程を行ってもよく、後述する表面架橋工程後に分級工程を行ってもよい。分級は、上述の一次微粉又は造粒微粉の製造方法における分級方法と同様に行うことができる。
【0061】
[表面架橋]
吸水性樹脂粒子の製造方法は、造粒粒子の表面架橋を行う工程を含んでもよい。すなわち本実施形態に係る製造方法により得られる吸水性樹脂粒子に含まれる造粒粒子は、表面架橋されたものであってもよい。表面架橋は、例えば、表面架橋を行うための架橋剤(表面架橋剤)を造粒粒子に対して添加して反応させることにより行うことができる。表面架橋剤の添加は、主凝集させて得られた第二の塊状物を粉砕した後のいずれかのタイミングで行えばよく、分級の前又は後に行ってもよい。表面架橋剤を添加し表面架橋処理を行うことにより、造粒粒子の表面近傍の架橋密度が高まるため、得られる吸水性樹脂粒子の吸水性能を高めることができる。
【0062】
造粒粒子への表面架橋剤の添加は、例えば、表面架橋剤溶液の添加、又は表面架橋剤溶液の噴霧添加により行うことができる。表面架橋剤を造粒粒子表面に均一に分散する観点から、表面架橋剤を水及び/又はアルコール等の溶媒に溶解し、表面架橋剤溶液を造粒粒子へ添加してもよい。また、表面架橋工程は、1回又は2回以上の複数回に分割して実施してもよい。
【0063】
表面架橋剤は、例えば、エチレン性不飽和単量体由来の官能基との反応性を有する官能基(反応性官能基)を2個以上含有するものであってよい。表面架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオール類;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α-メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;2,4-トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物等の反応性官能基を2個以上有する化合物;3-メチル-3-オキセタンメタノール、3-エチル-3-オキセタンメタノール、3-ブチル-3-オキセタンメタノール、3-メチル-3-オキセタンエタノール、3-エチル-3-オキセタンエタノール、3-ブチル-3-オキセタンエタノール等のオキセタン化合物;1,2-エチレンビスオキサゾリン等のオキサゾリン化合物;エチレンカーボネート等のカーボネート化合物;ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)]アジプアミド等のヒドロキシアルキルアミド化合物等が挙げられる。表面架橋剤が、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールトリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物及び/又はエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のポリオール類を含んでもよく、ポリグリシジル化合物を含んでもよい。これらの表面架橋剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。例えばポリグリシジル化合物とポリオール類とを組み合わせて使用してよい。
【0064】
表面架橋剤の添加量は、吸水性樹脂粒子(造粒粒子)の表面近傍の架橋密度を適度に高める観点から、通常、重合に使用したエチレン性不飽和単量体の総量100モルに対して、0.0001~4.0モル、又は0.001~2.0モルであってもよい。
【0065】
表面架橋工程は、エチレン性不飽和単量体100質量部に対して1~200質量部の範囲の水の存在下で行ってもよい。適宜、水及び/又はアルコール等の水溶性有機溶媒を用いることで水分量を調整することができる。表面架橋工程時の水分量を調整することによって、より適切に吸水性樹脂粒子(造粒粒子)の粒子表面近傍における架橋を施すことができる。
【0066】
表面架橋剤の処理温度は、使用する表面架橋剤に応じて適宜設定され、20~250℃であってよい。表面架橋剤による処理時間は、1~200分又は5~100分であってよい。表面架橋は、一度のみ行ってもよく、複数のタイミングで行ってもよい。
【0067】
[吸水性樹脂粒子]
本実施形態に係る製造方法により得られる吸水性樹脂粒子は、上述の造粒粒子を含む。吸水性樹脂粒子は、造粒粒子のみからなるものであってもよく、例えば、ゲル安定剤、金属キレート剤(エチレンジアミン4酢酸及びその塩、ジエチレントリアミン5酢酸及びその塩、例えばジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム等)、流動性向上剤(滑剤)等の追加成分を更に含んでもよい。追加成分は、造粒粒子の内部、表面上又はこれらの両方に配置され得る。
【0068】
吸水性樹脂粒子は、造粒粒子の表面上に配置された複数の無機粒子を含んでいてもよい。本実施形態に係る製造方法は、造粒粒子の表面に無機粒子を付着させる工程を更に含んでもよい。
【0069】
本実施形態に係る製造方法により得られる造粒粒子又は吸水性樹脂粒子の形状は、例えば、破砕状、又は破砕状粒子が凝集して形成された形状であってよい。造粒粒子又は吸水性樹脂粒子の中位粒子径は、250μm以上、280μm以上、300μm以上、320μm以上、又は340μm以上であってよく、850μm以下、800μm以下、750μm以下、700μm以下、650μm以下、600μm以下、550μm以下、500μm以下、450μm以下、420μm以下、400μm以下、又は380μm以下であってよい。造粒粒子又は吸水性樹脂粒子の中位粒子径は、250~850μm、280~750μm、300~650μm、320~550μm、又は340~450μmであってもよい。
【0070】
本実施形態に係る製造方法により得られる吸水性樹脂粒子の吸水速度は、例えば、42秒以下、40秒以下、38秒以下、37秒以下、36秒以下、35秒以下、33秒以下、又は31秒以下であってよく、27秒以上、29秒以上、31秒以上、又は33秒以上であってよい。吸水性樹脂粒子の吸水速度は、27~42秒又は29~40秒であってもよい。吸水速度の測定方法は後述の実施例に示される。
【0071】
本実施形態に係る製造方法により得られる造粒粒子又は吸水性樹脂粒子のCRCは、例えば、30g/g以上、35g/g以上、38g/g以上、40g/g以上、43g/g以上、45g/g以上、48g/g以上、50g/g以上、55g/g以上、又は60g/g以上であってよく、68g/g以下、65g/g以下、62g/g以下、60g/g以下、58g/g以下、55g/g以下、53g/g以下、又は50g/g以下であってよい。造粒粒子又は吸水性樹脂粒子のCRCは、30~68g/g、35~68g/g、38~65g/g、又は40~65g/gであってもよい。
【0072】
本実施形態に係る製造方法により得られる吸水性樹脂粒子は、吸水性に優れ、例えば、紙おむつ、生理用品等の衛生材料、保水剤、土壌改良剤等の農園芸材料、止水剤、結露防止剤等の工業資材などの分野において用いることができる。
【実施例】
【0073】
以下、実施例を挙げて本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0074】
以下の例で製造される粒子について、遠心分離機保持容量(CRC)、吸水速度、中位粒子径、及び微粉の粒度分布を測定した。
【0075】
(遠心分離機保持容量)
EDANA法(NWSP 241.0.R2(15)、page.769~778)を参考に遠心分離機保持容量(CRC)を下記の手順で測定した。測定は、温度25℃±2℃、湿度50%±10%の環境下で行った。測定対象は、一次微粉、及び造粒粒子のうち目開き850μmの篩を通過しかつ目開き180μmの篩を通過しない分画である。結果を表1~3に示す。
【0076】
60mm×170mmの大きさの不織布(製品名:ヒートパックMWA-18、日本製紙パピリア株式会社製)を長手方向に半分に折ることで60mm×85mmの大きさに調整した。長手方向に延びる両辺のそれぞれにおいて不織布同士をヒートシールで圧着することにより60mm×85mmの不織布バッグを作製した(幅5mmの圧着部を長手方向に沿って両辺に形成した)。不織布バッグの内部に測定対象粒子を0.2g精秤し収容した。その後、短手方向に延びる残りの一辺をヒートシールで圧着することにより不織布バッグを閉じた。
【0077】
不織布バッグが折り重ならない状態で、ステンレス製バット(240mm×320mm×45mm)に収容された生理食塩水1000g上に不織布バッグを浮かべることにより、不織布バッグの全体を完全に湿らせた。不織布バッグを生理食塩水に投入してから1分後にスパチュラにて不織布バッグを生理食塩水に浸漬することにより、ゲルが収容された不織布バッグを得た。
【0078】
不織布バッグを生理食塩水に投入してから30分後(浮かべた時間1分、及び、浸漬時間29分の合計)に生理食塩水の中から不織布バッグを取り出した。そして、遠心分離機(株式会社コクサン製、型番:H-122)に不織布バッグを入れた。遠心分離機における遠心力が250Gに到達した後、3分間不織布バッグの脱水を行った。脱水後、ゲルの質量を含む不織布バッグの質量Ma[g]を秤量した。測定対象粒子を収容することなく不織布バッグに対して上述の操作と同様の操作を施し、脱水後の不織布バッグの質量Mb[g]を測定した。下記式に基づきCRC[g/g]を算出した。Mc[g]は、測定に用いた測定対象粒子の質量0.2gの精秤値である。
CRC=[(Ma-Mb)-Mc]/Mc
【0079】
(吸水速度)
粒子の生理食塩水の吸水速度をVortex法に基づき下記手順で測定した。測定対象は、得られた造粒粒子のうち、目開き850μmの篩を通過しかつ目開き180μmの篩を通過しない分画である。まず、恒温水槽にて25±0.2℃の温度に調整した生理食塩水50±0.1gを内容積100mLのビーカーに量りとった。次に、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mm、リング無し)を用いて回転数600rpmで撹拌することにより渦を発生させた。吸水性樹脂粒子2.0±0.002gを塩化ナトリウム水溶液中に一度に添加した。粒子の添加後から、液面の渦が収束する時点までの時間[秒]を測定し、当該時間を粒子の吸水速度として得た。結果を表1~3に示す。
【0080】
(中位粒子径)
粒子の中位粒子径は下記手順により25±2℃、湿度50±10%の環境下で測定した。測定対象は、得られた造粒粒子のうち、目開き850μmの篩を通過しかつ目開き180μmの篩を通過しない分画である。粒子の粉体10gを、連続全自動音波振動式ふるい分け測定器(ロボットシフター RPS-205、株式会社セイシン企業製)と、JIS規格の目開き850μm、600μm、500μm、425μm、300μm、250μm及び180μmの篩と、受け皿とを用いて篩分けした。各篩上に残った粒子の質量を全量に対する質量百分率として算出した。各篩上に残存した粒子の質量百分率を、粒子径の大きいものから順に積算し、篩の目開きと、篩上に残った粒子の質量百分率の積算値との関係を対数確率紙にプロットした。確率紙上のプロットを直線で結ぶことにより、積算質量百分率50質量%に相当する粒子径を求め、これを中位粒子径とした。結果を表1~3に示す。
【0081】
(微粉の粒度分布)
目開き180μmの篩を通過する造粒微粉について、更に粒度分布を測定した。JIS標準篩(直径20cm)を上から、目開き180μmの篩、目開き150μmの篩、及び受け皿の順に組み合わせた。組み合わせた最上の篩に、微粉を入れ、25℃±2℃でJIS Z 8815(1994)に準じて分級した。分級後、各目開きの篩上に残存した粒子の合計量に基づき、下記式により、測定に用いた微粉の全量に対する、150~180μm分画、及び150μm通過分画の含有率(質量%)を算出した。
150~180μm分画の含有率[質量%]=[(目開き180μmの篩を通過し、目開き150μmの篩上に残存した微粉の量)/(測定した微粉の全量)]×100
150μm通過分画の含有率[質量%]=[(目開き150μmの篩を通過し受け皿に載った微粉の量)/(測定した微粉の全量)]×100
【0082】
(製造例1)
[重合工程]
撹拌機を備えた内径11cm、内容積2Lの丸底円筒型セパラブルフラスコに340.00g(4.72モル)のアクリル酸を入れた。このアクリル酸を撹拌しながらセパラブルフラスコ内にイオン交換水291.70gを加えた後、氷浴下で297.80gの48質量%水酸化ナトリウムを滴下することにより、単量体濃度45質量%のアクリルナトリウム酸部分中和液929.50gを調製した。
【0083】
アクリル酸ナトリウム部分中和液887.31gにイオン交換水158.24g及びポリエチレングリコールジアクリレート(n≒9、内部架橋剤、日油株式会社製、製品名:ブレンマーADE-400A)0.309gを加えて反応液(単量体水溶液)を得た。反応液をフッ素樹脂コーティングされた18-8ステンレスバット(外寸:297mm×232mm×高さ50mm)内に入れ、2個の撹拌子(直径8mm、長さ45mm)で撹拌することにより、ステンレスバット内に均一な混合物を形成させた。その後、ステンレスバットの上部をポリエチレンフィルムでカバーした。ステンレスバット内の混合物の温度を25℃に調整後、混合物を窒素置換することにより、溶存酸素量を0.1ppm以下に調整した。
【0084】
次いで、混合物を300rpmで撹拌しながら、5質量%の(2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(V-50)水溶液(富士フイルム和光純薬工業株式会社製)3.23g(0.596ミリモル)、0.5質量%のL-アスコルビン酸水溶液1.70g、及び、0.35質量%の過酸化水素水1.85gを、注射器(テルモ株式会社製10mLディスポシリンジ、テルモ株式会社製注射針)を用いて順番に滴下した。過酸化水素水を滴下後、直ちに重合反応が開始した。重合反応の進行にともなって反応液の粘度が増加していった後、反応液がゲル化した。過酸化水素水を滴下終了後、4分の時点で設置した温度計は103℃を示し、その後温度が低下し始めた。反応液のゲル化によって形成された、水及び重合体を含む含水ゲル状重合体が入ったステンレスバットを75℃の水浴に浸し、その状態で含水ゲル状重合体を20分間熟成させた。
【0085】
[乾燥工程]
熟成後の含水ゲル状重合体を喜連ローヤル社製ミートチョッパー12VR-750SDXに順次投入して粗砕した。ミートチョッパーの出口に位置するプレートの穴の径は6.4mmとした。得られた含水ゲル状重合体粗砕物を目開き0.8cm×0.8cmの金網上に広げ、180℃で30分間熱風乾燥して乾燥物を得た。
【0086】
[粉砕工程]
遠心粉砕機(Retsch社製ZM200、スクリーン口径1mm、6000rpm)を用いて乾燥物を粉砕することにより、不定形破砕状の粒子群(A)を得た。
【0087】
[分級工程]
目開き850μmの篩及び180μmの篩を用いて粒子群(A)を分級した。分級により、850μmの篩を通過し、180μmの篩を通過しなかった分画である架橋重合体粒子(A1)、及び180μmの篩を通過した分画である架橋重合体微粉(一次微粉(a1))を得た。一次微粉(a1)のCRCは56g/gであり、150~180μm分画の含有率は30質量%、150μm通過分画の含有率は70質量%であった。
【0088】
[造粒工程]
上記で得た一次微粉(a1)40gを、撹拌機を備えた内径11cm、内容積2Lの丸底円筒型セパラブルフラスコに入れた。該フラスコは85℃のバスで保温しながら用いた。撹拌機には、撹拌翼としてスリットを有する平版翼を取り付けた。この撹拌翼は、軸及び平板部を備えている。平板部は、軸に溶接されるとともに、湾曲した先端を有している。平板部には、軸の軸方向に沿って延びる4つのスリットが形成されている。4つのスリットは平板部の幅方向に配列されており、内側の二つのスリットの幅は1cmであり、外側二つのスリットの幅は0.5cmである。平板部の長さは約10cmであり、平板部の幅は約6cmである。
【0089】
撹拌機の撹拌翼を284rpmで回転させながら、上記フラスコ内に90℃に加熱したイオン交換水40gを一度に投入した。90秒間上記フラスコ中で一次微粉(a1)と水とを撹拌することにより、微粉の凝集物である塊状物を得た。フラスコから内容物(塊状物)の全量を取り出した。塊状物のうち、サイズの大きいものを3~10mmの大きさになるよう裁断し、内容物全量が約10mm以下の大きさになるようにした。裁断したものを含む塊状物の全量を150℃で60分間熱風乾燥して、塊状物(第一の塊状物)の粗砕乾燥物を得た。
【0090】
遠心粉砕機(Retsch社製ZM200、スクリーン口径1mm、6000rpm)を用いて粗砕乾燥物を粉砕し、更に目開き850μmの篩及び目開き180μmの篩で分級した。分級により、850μmの篩を通過し、180μmの篩を通過しなかった分画である架橋重合体粒子(造粒粒子(A2))、及び180μmの篩を通過した分画である架橋重合体微粉(造粒微粉(a2))を得た。造粒微粉(a2)の150~180μm分画の含有率は17質量%、150μm通過分画の含有率は83質量%であった。
【0091】
(製造例2)
[重合工程]
撹拌機を備えた内径11cm、内容積2Lの丸底円筒型セパラブルフラスコに549.71g(7.63モル)のアクリル酸を入れた。このアクリル酸を撹拌しながらセパラブルフラスコ内にイオン交換水470.72gを加えた後、氷浴下で479.57gの48質量%水酸化ナトリウムを滴下することにより、単量体濃度45質量%のアクリル酸ナトリウム部分中和液1500.00gを調製した。本操作を2回繰り返して、必要量のアクリルナトリウム酸部分中和液を得た。
【0092】
アクリル酸ナトリウム部分中和液2781.72gに、イオン交換水406.25g、及びポリエチレングリコールジアクリレート(ブレンマーADE-400A)3.55gを加えて反応液(単量体水溶液)を得た。反応液を窒素ガス雰囲気下で30分間窒素ガス置換することにより、溶存酸素量を0.1ppm以下に調整した。次いで、温度計及び窒素吹込み管を備えた、開閉可能な蓋付きのシグマ型羽根を2本有するジャケット付き5L容のステンレス製双腕型ニーダー(株式会社入江商会製)を用意した。該ニーダーに上記反応液を供給し、反応液を25℃に保ちながらニーダー内を窒素ガス置換した。
【0093】
続いて、反応液を撹拌しながら、2.0質量%の過硫酸ナトリウム水溶液92.63g(7.78ミリモル)、及び0.5質量%のL-アスコルビン酸水溶液15.85gを加えたところ、約1分後に温度が上昇し始め、重合が開始した。6分後に温度計は最高温度85℃を示し、その後、ジャケット温度を60℃に保ちながら撹拌し続け、重合を開始してから60分後に、生成した含水ゲル状重合体を取り出した。
【0094】
取り出した含水ゲル状重合体を適度な大きさに裁断した後、製造例1の一次微粉の製造における乾燥工程、粉砕工程、及び分級工程と同様の操作を行うことにより、850μmの篩を通過し、180μmの篩を通過しなかった分画である架橋重合体粒子(B1)と、180μmの篩を通過した分画である架橋重合体微粉(一次微粉(b1))を得た。一次微粉(b1)のCRCは37g/gであり、150~180μm分画の含有率は26質量%であり、150μm通過分画の含有率は74質量%であった。
【0095】
[造粒工程]
上記で得た一次微粉(b1)40gを用いて、製造例1の造粒工程と同様の操作を行うことにより、850μmの篩を通過し、180μmの篩を通過しなかった分画である架橋重合体粒子(造粒粒子(B2))、及び180μmの篩を通過した分画である架橋重合体微粉(造粒微粉(b2))を得た。造粒微粉(b2)の150~180μm分画の含有率は22質量%であり、150μm通過分画の含有率は78質量%であった。
【0096】
<試験系1>
(比較例1)
製造例1の造粒工程で得られた造粒粒子(A2)を比較例1とした。
【0097】
(比較例2)
[微粉群の調製]
一次微粉(a1)37.5g、及び造粒微粉(a2)12.5gを100mLのマヨネーズ瓶に投入した後、ペイントシェーカー(株式会社東洋精機製作所製)にて30分振盪することにより均一混合して微粉群(粒子群)を得た。
【0098】
[造粒工程]
上記で得た微粉群(粒子群)40gを用いて、製造例1の造粒工程と同様の操作によって、粒子群から第二の塊状物を形成し、第二の塊状物を乾燥及び粉砕し、粉砕された乾燥物を分級して、850μmの篩を通過し、180μmの篩を通過しなかった分画である架橋重合体粒子(造粒粒子(Y1))を得た。
【0099】
(実施例1)
一次微粉(a1)の使用量を5gに、造粒微粉(a2)の使用量を45gに変更したこと以外は比較例2と同様にして、850μmの篩を通過し、180μmの篩を通過しなかった分画である架橋重合体粒子(造粒粒子(Y2))を得た。
【0100】
(実施例2)
[造粒工程]
造粒微粉(a2)40gを用いて、製造例1の造粒工程と同様の操作を行うことにより、850μmの篩を通過し、180μmの篩を通過しなかった分画である架橋重合体粒子(造粒粒子(A3))を得た。
【0101】
【0102】
造粒微粉を一定以上の割合で含む粒子群を凝集させた実施例では、一次微粉単独で凝集させた比較例1よりも、得られた造粒粒子の吸水速度が速かった。一方、粒子群における造粒微粉の含有率が低い比較例2では、比較例1に対する吸水速度の明確な向上は見られなかった。
【0103】
<試験系2>
(比較例3)
製造例2の造粒工程で得られた造粒粒子(B2)を比較例3とした。
【0104】
(実施例3)
[造粒工程]
造粒微粉(b2)40gを用いて、製造例1の造粒工程と同様の操作を行うことにより、850μmの篩を通過し、180μmの篩を通過しなかった分画である架橋重合体粒子(造粒粒子(B3))を得た。
【0105】
【0106】
試験系1とは異なる製造例で得られた造粒微粉を用いた場合であっても、造粒微粉を一定以上の割合で含む粒子群を凝集させることによって、一次微粉単独で凝集させた場合よりも、得られる造粒粒子の吸水速度を速められることが確認された。
【0107】
<試験系3>
(比較例4)
一次微粉(a1)の使用量を12.5gに変更し、一次微粉(a1)の代わりに一次微粉(b1)37.5gを用いたこと以外は比較例2と同様にして、850μmの篩を通過し、180μmの篩を通過しなかった分画である架橋重合体粒子(造粒粒子(AB2))を得た。
【0108】
(実施例4)
一次微粉を用いず、造粒微粉(a2)12.5g、及び造粒微粉(b2)37.5gを用いたこと以外は比較例2と同様にして、850μmの篩を通過し、180μmの篩を通過しなかった分画である架橋重合体粒子(造粒粒子(AB3))を得た。
【0109】
【0110】
異なる製造例に由来する造粒微粉を混合して凝集させた場合であっても、造粒微粉の合計割合が一定以上である粒子群を凝集させることによって、一次微粉単独で凝集させた場合よりも得られる造粒粒子の吸水速度を速められることが確認された。