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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-23
(45)【発行日】2026-01-07
(54)【発明の名称】キャップを備えた時計コンポーネント
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/24 20060101AFI20251224BHJP
   A44C 5/02 20060101ALI20251224BHJP
【FI】
A44C5/24
A44C5/02 B
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021132622
(22)【出願日】2021-08-17
(65)【公開番号】P2022034542
(43)【公開日】2022-03-03
【審査請求日】2024-07-19
(31)【優先権主張番号】20191465.2
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599091346
【氏名又は名称】ロレックス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】ROLEX SA
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スラン, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ロビン, ジャン―バプティスト
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-116592(JP,A)
【文献】実開昭59-103624(JP,U)
【文献】登録実用新案第3065102(JP,U)
【文献】米国特許第06308382(US,B1)
【文献】独国特許出願公開第10008993(DE,A1)
【文献】特開平11-334489(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1524472(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/24
A44C 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部品(13)と取り外し可能なキャップ(13c)とを有する時計コンポーネントであって、
当該時計コンポーネントは、前記取り外し可能なキャップ(13c)が前記第一部品(13)に留められている締結構成と、前記キャップ(13c)が前記第一部品(13)から分離された自由構成とを取ることが可能であり、
前記第一部品(13)は第一ラッチ部材(50)と可動ロック(9)とを含み、
前記キャップ(13c)は、少なくとも前記第一部品(13)の前記第一ラッチ部材(50)と協働することを意図される第一組付け部材(40)と、前記第一部品(13)の前記可動ロック(9)と協働することを意図される第二組付け部材(41)とを含み、
前記可動ロック(9)は前記時計コンポーネントの長手方向に並進移動可能なように、前記第一部品(13)に設けられ、
前記時計コンポーネントの前記締結構成において、前記第一部品(13)の前記第一ラッチ部材(50)と前記キャップ(13c)の前記第一組付け部材(40)と係合した状態で、前記可動ロック(9)を前記時計コンポーネントの一方の長手方向に並進移動させて、前記可動ロック(9)が前記キャップ(13c)の前記第二組付け部材(41)と係合する閉位置を占め、これにより前記キャップ(13c)が前記第一部品(13)にロックされた状態で留められ、
前記時計コンポーネントの前記自由構成において、前記可動ロック(9)を前記時計コンポーネントの他方の長手方向に並進移動させて、前記可動ロック(9)が前記キャップ(13c)の前記第二組付け部材(41)との係合を開放する開位置を占め、それにより前記キャップ(13c)は前記第一部品(13)から分離可能とされ、
前記第一部品(13)は少なくとも一つの第一開口(16)を含み、前記可動ロック(9)はロック開口(6)を含み、前記少なくとも一つの第一開口(16)及びロック開口(6)は、前記可動ロック(9)が前記閉位置にあるとき、実質的に互いに向かい合うよう配置され、前記時計コンポーネントは、前記可動ロック(9)が前記閉位置にあるとき、前記少なくとも一つの第一開口(16)及びロック開口(6)と協働可能な引っ込み式バー(11)を含み、それにより前記可動ロック(9)を前記閉位置でロックして前記時計コンポーネントを締結構成にロックする、
時計コンポーネント。
【請求項2】
前記可動ロック(9)が移動して前記時計コンポーネントの前記締結構成から前記自由構成に移行することを可能とするため、前記引っ込み式バーを引っ込めることにより前記少なくとも一つの第一開口(16)とロック開口(6)とを開放することを可能とする
請求項1に記載の時計コンポーネント。
【請求項3】
前記少なくとも一つの第一開口(16)とロック開口(6)は円形であり、前記少なくとも一つの第一開口(16)の軸とロック開口(6)の軸とは、前記可動ロック(9)の前記閉位置においてオフセットされ、それにより前記可動ロック(9)の前記閉位置において、前記引っ込み式バー(11)と前記少なくとも一つの第一開口(16)とロック開口(6)との協働は、前記可動ロック(9)がコンポーネントの前記第一部品(13)に対して及びまたは前記キャップ(13c)の前記第二組付け部材(41)に対して力を加えることを可能とする、
請求項2に記載の時計コンポーネント。
【請求項4】
前記可動ロック(9)と前記キャップ(13c)との間に挟まれた遊び補償要素(22)をさらに含み、前記遊び補償要素は可撓性を有する及びまたは変形可能な材料製であり、前記可動ロック(9)がその第一の閉位置にあるとき前記キャップ(13c)と前記可動ロック(9)との間で圧縮されるよう、及びまたは前記可動ロック(9)がその第一の閉位置にある時に当接されるよう、設計される
請求項1から3のいずれか一項に記載の時計コンポーネント。
【請求項5】
前記キャップ(13c)は、実質的に平面状で伸長する要素の形を取り、その少なくとも一つの第一組付け部材(40)と第二組付け部材(41)とは前記キャップ(13c)の二つの反対端に配置され、これらの組付け部材は前記時計コンポーネントの前記第一部品(13)に向かって配置されるよう意図される前記キャップ(13c)の表面側に配置される
請求項1から4のいずれか一項に記載の時計コンポーネント。
【請求項6】
前記第一部品(13)の前記第一ラッチ部材(50)、前記第一部品(13)の前記可動ロック(9)、前記キャップ(13c)の前記少なくとも一つの第一組付け部材(40)、及びまたは前記キャップ(13c)の前記第二組付け部材(41)は、フック及びまたはノッチの形を取る
請求項1から5のいずれか一項に記載の時計コンポーネント。
【請求項7】
前記時計コンポーネントは、ブレスレット留め金カバーであり、
- 前記キャップ(13c)は、前記時計コンポーネントの前記締結構成にある前記ブレスレット留め金カバーの上面の全体または一部に延びることが可能な、実質的に平面状の要素であり、または
- 前記ブレスレット留め金カバーの前記第一部品(13)は、上面と、そこから延びた二つの対抗する実質的に互いに平行な、前記第一部品の上面に垂直な、側面とからなる、U字型断面を含み、前記第一部品の上面は、実質的に長方形を有する平面状の直交した突出部を有し、前記キャップ(13c)は前記ブレスレット留め金カバーの上面の長さ全体及び前記ブレスレット留め金カバーの上面の幅の全体または一部に延びるよう設計され、及びまたは前記第一部品(13)は窪んだ部分を含む上面を含み、前記キャップ(13c)は締結構成にある前記時計コンポーネントの上面の窪んだ部分を覆うことが可能である
請求項1から6のいずれか一項に記載の時計コンポーネント。
【請求項8】
前記キャップ(13c)は単一部品である
請求項1から7のいずれか一項に記載の時計コンポーネント。
【請求項9】
前記キャップ(13c)は、セラミック、サーメット、ガラス、サファイア、真珠層、琥珀または天然または再生石製である
請求項1から8のいずれか一項に記載の時計コンポーネント。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の時計コンポーネントを含む、時計、特に小型時計
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の時計コンポーネントを製造する方法であって、
前記時計コンポーネントの第一部品(13)にキャップ(13c)を留め、前記キャップ(13c)の前記第一組付け部材(40)を前記第一部品(13)の前記第一ラッチ部材(50)に組み付け、その後前記時計コンポーネントの前記締結構成において提供されるその最終位置に前記キャップ(13c)を位置させ、その後前記第一部品(13)の前記可動ロック(9)を作動させて前記キャップ(13c)の前記第二組付け部材(41)と協働してその閉位置に移動させるステップを含み、さらにバー(11)を使って前記第一部品(13)に対して前記可動ロック(9)を前記閉位置にロックすることからなる追加ステップを含む、
時計コンポーネントを製造する方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つのキャップを備えた時計コンポーネントに関する。本発明はまた、当該時計コンポーネントを含む時計に関する。本発明はさらに、当該時計コンポーネントを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
耐擦傷性を向上させ、及びまたは時計コンポーネント、特にブレスレット留め金、ブレスレットリンクまたは胴部等の外部時計コンポーネントの外観を変更するため、当該時計コンポーネントの傷つきやすい及びまたは外から見える部分にキャップを留めることが知られている。この種の理想的なキャップは以下の要件を満たすべきである:
- キャップは、容易にかつ何ら損傷のリスクなく、時計コンポーネントへ組付け可能とされるべきである;
- キャップは、衝撃や引っかき傷といった外部負荷に耐えるため、頑丈であるべきである;
- キャップは、意図しない分解を避けるため、確実なやり方で留められるべきである;
- キャップは、審美的に魅力的であるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
キャップの及びコンポーネントの性質、特に材料によっては、ろう付けといった既存の解決法では、これらの要件全てを満足に満たすことはできない。従って本発明は、上述の各要件を十分に満たすことにより、既存の解決方法を改善する、キャップを備えた時計コンポーネントのための新しい解決法を提供するという目的を有する。
【0004】
より詳細には、本発明は、頑丈で、確実で、容易に実装可能で、審美的に魅力的である、キャップを備えた時計コンポーネントのための解決法を提供するという目的を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、第一部品と取り外し可能なキャップとを有する時計コンポーネントに関し、時計コンポーネントは、取り外し可能なキャップが第一部品に留められている締結構成と、キャップが第一部品から分離された自由構成と、を取ることが可能であり、第一部品は少なくとも第一ラッチ部材(またはフック部材)と可動ロックとを含み、キャップは、少なくとも第一部品の第一ラッチ部材と協働することを意図される第一組付け部材と、第一部品の可動ロックと協働することを意図される第二組付け部材とを含み、ここで時計コンポーネントの締結構成において、第一部品の第一ラッチ部材とキャップの第一組付け部材とは係合しており、可動ロックは、キャップの第二組付け部材と係合する閉位置を占め、これによりキャップが第一部品にロックされた状態で留められ、及び自由構成において、可動ロックは、キャップの第二組付け部材を開放する開位置を占め、それによりキャップの第二組付け部材は開放され、キャップは第一部品から分離可能とされる。
【0006】
本発明は、特許請求の範囲により明確に定義される。
【0007】
本発明の有するこれらの目的、特徴及び有利点は、添付した図面を参照して以下に詳述された特定実施形態の非限定的な記載において開示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る、キャップを備えたカバーを含む、開いた状態の留め金の斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る、締結構成のキャップを含む、留め金のカバーの部分斜視断面図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る、キャップを含む留め金のカバーの、締結構成の部分斜視図である。
図4図4は、本発明の実施形態の変形例に係る、キャップを含む留め金のカバーの分解部分斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る、組付け段階にあるキャップを含む留め金のカバーの、垂直長手正中面に沿った側面断面図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る、中間状態にあるキャップを含む留め金のカバーの、図5と同じ側面断面図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る、締結構成にあるキャップを含む留め金のカバーの、図5及び図6と同じ側面断面図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る、締結構成にあるキャップを含む、閉じた構成にある留め金の上面図である。
図9図9は、締結構成にある留め金のバーを示す、図8の詳細図である。
図10図10は、自由構成にある留め金のバーを示す、図8の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の説明を分かりやすくするため、本明細書においては、慣習に従った使用に基づき、特に留め金の閉じた構成を考慮した際、留め金の面(より詳細には留め金のブレードまたはカバーの面)において、「長手方向」の用語はブレスレットの留め金または鎖の長さに沿った方向を指し、「横方向」はブレスレットの留め金または鎖の長さに垂直な方向を指す。垂直方向は、前記二つの第一方向に垂直な方向であり、留め金(より詳細には留め金のブレードまたはカバー)の面に垂直に配向される。「上」及び「下」の形容詞は、この垂直方向に関連して使用される。より広い意味で、これらの方向及び定義は、留め金内におけるこれらの位置を考慮して、留め金カバーに適用される。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係るブレスレットの留め金を示す。この留め金は、それぞれの端部の一方における軸周りに関節接合される、二つのブレード1、2を含む。ブレード1の自由端は、相補型カバー7、7cと関節接合する役割を有する第一関節接合ピンと一体であり、またブレスレットの鎖のうちの一つの端部と関節接合する役割を有する第二関節接合ピンと一体である。ブレード2の自由端は、回転運動可能に関節接合される可動構造3と一体である。従って、留め金は、図1に示す通り、部分的に展開された開位置と、第二ブレード2と構造3とが共に折りたたまれ第一ブレード1に対して係止された閉位置とを取ることができる。第一ブレスレット鎖の端は第一ブレード1の第二端に締結され、第二ブレスレット鎖の端は可動構造3の自由端に締結される。
【0011】
本発明は、より詳細には、留め金のカバーに関する。このカバーは、主に留め金の構造3に組み込まれる。当該カバーは、逆U字型の垂直断面を有し、ユーザから見える上面と、上面に実質的に垂直であって、留め金及びその構造全体を横方向から覆うよう意図され、閉位置においてそれを隠し、当該解決法の美的外観を保証する、二つの側壁とを有する、第一部品13を含む。当該カバーはさらに、取り外し可能なキャップ13c(または覆い)を含む。従って、キャップは、取り外し可能なキャップ13cが第一部品13に対して留められる締結構成と、キャップ13cが第一部品13から外された自由構成とを取ることができる。
【0012】
加えて、留め金は、第一ブレード1に配置され、カバーを閉じる位置に折りたたまれ、可動構造3に配置されたカバーと連続して位置され、さらに係止レバー12を覆い、従って、安全要素を含む留め金の単一カバーを形成することを意図される、相補型カバー7、7cを含む。この相補型カバー部品は、上述したものと似た構造、つまり、取り外し可能なキャップ7cと協働する第一部品7、を有する。これは本発明と同じ概念で組付けられてもよいし、そうでなくてもよい。以下に、これを詳細に説明する。
【0013】
カバーの第一部品13の上面は、本質的に長方形である平面状の直交した突出部を有する。キャップ13cは、実質的に平面状で、カバーの上面の長さ全体、及びカバーの上面の幅の一部、例えば20%から100%の間、または30%から90%の間、または45%から55%の間のカバーの上面の幅の一部、にわたって伸長する要素の形を取る。キャップ13cは、カバーの中心に位置してもしなくてもよい。好ましくは、締結構成において、キャップ13cは、カバーの第一部品の上面厚さにおいて、第一部品13から窪んだ部分に配置され、それによりこの第二の窪んだ部分を覆い、この窪んだ部分によって開放された体積を占めるよう配置される。例えば、キャップの上面は、従って、第一部品の上面と連続しており、全体的に連続したカバー上面を形成する。代替的に、キャップの上面は、第一部品の上面から窪んでも突出してもよい。
【0014】
図2は、本実施形態に係るカバーの垂直長手正中面に沿った断面図を示す。図3は、係止レバー12を含まない展開図である。これらの図面は、キャップ13cをカバーの第一部品に対して留めるための装置を図示することを可能とする。キャップ13cは、カバーの第一部品13に向かって配置されるよう意図されるキャップ13cの面において、つまり、選択された構造においてキャップの下面において、それぞれ二つの反対の先端部に配置された、第一組付け部材40と第二組付け部材41とを少なくとも含む。加えて、カバーの第一部品13は、少なくとも第一ラッチ部材50と可動ロック9とを含む。図2に示す、締結構成において、キャップ13cの第一組付け部材40は第一部品13の第一ラッチ部材50と協働し、キャップ13cの第二組付け部材41は第一部品13の可動ロック9、特にロック9と一体の第二ラッチ部材51(第二フック部材)、と協働する。従って、カバーの締結構成において、第一部品13の第一ラッチ部材50とキャップ13cの第一組付け部材40とは係合する。カバーの締結構成において、第一部品13の第二ラッチ部材51とキャップ13cの第二組付け部材41とも同様に係合する。
【0015】
有利には、キャップ13cは一体型要素の形を取る。キャップ13cは追加的に、有利には第一部品13の素材とは異なる材料、特に耐衝撃及び耐擦傷の機械的特性を有し、及びまたは審美的に非常に魅力的な、例えばセラミック、サーメット、ガラス、サファイア、真珠層、琥珀、または天然または再生石といった材料製である。変形例として、キャップ13cは金属及びまたは第一部品13と同じ材料製である。
【0016】
好ましくは、カバーの第一部品13は金属合金、例えばステンレス、金、白金、青銅またはチタン製である。
【0017】
可動ロック9は、以下に説明する作動に従い、閉位置と開位置とを占めることができる。可動ロック9は、キャップ13cの第二組付け部材41と協働するよう設計されたラッチ部材51を有する。第一部品13は好ましくは、その各側壁に、側壁の内側面に切欠きの形で設けられた第一開口16を含み、可動ロック9はロック開口6を含み、当該第一開口16とロック開口6とは、ロック9が閉位置にあるとき、相互に向かい合うよう配置される。従って、図9に示すように、可動ロック9が閉位置にあるときに、可動ロック9を閉位置にロックし、従って、カバーを締結構成にロックするよう、引っ込み式バー11が第一開口16及びロック開口6と協働可能である。
【0018】
カバーはさらに、ロック9とキャップ13cとの間に挟まれた遊び補償要素22を含み、この要素22は、ロック9が第1の閉位置にある際にはキャップ13cとロック9との間で圧縮されるよう及びまたは可動ロック9が閉位置において当接するよう設計される、可撓性を有する及びまたは変形可能な材料製である。この遊び補償要素により、製作公差により生じる移動の自由度を減らすことが可能となる。
【0019】
本実施形態において、キャップの二つの組付け部材40、41はカバーの幅全体に延びるフック型断面形状を有し、第一部品13の少なくとも一つのラッチ部材50及びロック9の少なくとも一つのラッチ部材51と相補的形状を有して協働するノッチを形成する。
【0020】
図4はある実施形態の一つの変形例を示す分解図である。第二組付け部材41と協働するよう意図される第二ラッチ部材51の形状は、それ自体キャップ13cの幅の一部に限定され、ロック9に形成されたノッチの形を有する。
【0021】
当然、本発明は説明された実施例や実施形態の変形例に限定されるものではない。特に、第一部品におけるラッチ部材(フック部材)及びキャップにおける組付け部材の数はいくつであってもよい。これらの部材はさらに異なる形状であってよく、また異なる位置にあってよい。例えば、これらの部材はフック及びまたはノッチ及びまたは切欠き及びまたは溝及びまたは突起及びまたは梁の形を取ってもよい。同様に、キャップは他のどのような形状を取ってもよく、また第一部品の中央である必要はなく、他のあらゆる位置にあってよい。キャップは他のあらゆる形を取ってよい。
【0022】
以下に、図5から7を参照しつつ、自由構成からキャップ13cがカバーの第一部品13の締結構成まで移動する文脈において、本発明に係る留め金の組付けについて説明する。
【0023】
図5は、キャップ13cの第一組付け部材40が第一部品13のラッチ部材50に連結される、組付けの第一段階を示す。キャップ13cはその後、部材40、50間の連結によって形成された軸周りに、図6に示される中間状態に達するまで旋回することにより、第一部品13の上に折りたたまれる。可動ロック9は、カバーに設けられた間隙切欠きにより可能となる開位置にある。図5において、開位置における第一開口16とロック開口6とのオフセットを示すため、ロック9を締結位置にロックすることを可能とするバー11は図示されない。開位置において、バー11の回転軸11aは、図10に示されるように、引っ込められる。
【0024】
中間状態において、キャップは最終位置にあるものの、ロックはされておらず、従って、キャップは外すことができる。実際、可動ロック9は開位置にあり、その位置ではキャップ13cの第二組付け部材41と係合していない。ロック開口6内に挿入されたバー11は第一開口16に面して位置していない。バー11の回転軸11aは、図10に示されるように、引っ込められる。
【0025】
その後ロック9は閉位置に移動され、その位置においてロック9のラッチ部材51はキャップ13cの第二組付け部材41と係合する。従って、図7に示される通り、カバーは、キャップ13cが外れることがなくなる、締結構成に達する。前述したとおり、ロック9のこの閉位置において、ロック9のロック開口6は、第一部品13の二つの対応する第一開口16と実質的に並ぶ。バー11の回転軸11aは、従って、これら二つの第一開口16に挿入され、図9に示す通り、ロック位置を維持できる。従って、キャップ13cはカバー13の第一部品に固定される。
【0026】
そのため、例えば、ロック9はカバー内で並進移動可能に設けられる。そのために、ロックはカバーの第一部品13の側壁に設けられ、ロックの移動を導くスライドに取り付けられてもよい。並進移動はこれらのスライドに導かれ、実質的に長手でも、またはカバーの曲面に沿ってわずかに曲がっていてもよい。上述した並進は、そのため、直線並進に限定されない。並進移動は曲がっていても、さらには円状でもよい。変形例として、ロック9は異なる配置を有してもよく、異なる方法、例えば回転運動、で移動されてもよい。ロック9は第一部品に取り付けられる。
【0027】
一つの変形例によると、ロック9のロック開口6の軸と第一部品13の開口16の軸とはロックの閉位置においてわずかにオフセットしており、それにより可動ロック9の閉位置における取り外し可能なバー11と二つの開口との間の協働は、カバーの第一部品13に対して及びまたはキャップ13cの第二組付け部材41に対してロック9が力を加えることを可能とする。従って、バー11はロック9の組付け部材51をカバー13に対して固定させ、バー11のわずかな屈曲によりキャップ13cに対してテンションをかけ、それによりキャップ13cは、カバーの第一部品13に対して正確にかつ遊びなしに、位置を保つことを保証される。
【0028】
図8は、本発明の実施例に係る、締結構成にある閉じた留め金の、キャップ(下面)を有する面とは反対の面からみた平面図である。図9及び図10は、図8の領域zの拡大図である。
【0029】
図10に示す通り、バー11は有利には、ロック9が開位置にあるときに引っ込められるバー回転軸11aを含み、ロック9が移動されて、バー回転軸11aが図9に示すように開放されると、カバーの閉位置において、カバーの第一部品13の第一開口16に挿入されることを注記する。そのため本発明は、第一部品13が少なくとも一つの第一開口16を含む、あらゆる実施形態に適用可能である。
【0030】
図7の締結構成から、キャップ13cがカバーから外されることが可能な自由構成への移行は、上述したステップとは逆のステップによってもたらされる。道具を使用してバー11の回転軸11aを引っ込めることにより、ロックが閉位置から開位置へ移動し、その後キャップ13cの取り外しが許可される。
【0031】
本発明は、留め金のカバーについての文脈に従って説明された。しかしながら、上述した通り、同じ概念をあらゆる時計コンポーネントに対して実装してもよい。
【0032】
本発明はまた、上述した時計コンポーネントを少なくとも一つ含む、時計、特に腕時計に関する。
【0033】
本発明はまた、上述した留め金を含む、ブレスレットに関する。本発明はまた、当該ブレスレットを含む腕時計に関する。
【0034】
最後に、本発明は所望の目的を達成し、以下の有利点を有する。
- 容易でかつ損傷のリスクのない、時計コンポーネントに対するキャップの組付けを可能とする;
- 衝撃や引っかき傷といった外部負荷に耐性を有する頑丈なキャップの使用に対応している;
- 意図しない分解を避け、キャップを確実に留めることを可能とする;
- キャップは、何ら時計コンポーネントを損傷させるリスクなく、容易に取り外し可能であり、つまり必要であればキャップを取り換え可能である;
- 本解決法は、魅力的な外観を達成するのに通常使用されるものを含む、多数の材料の使用に対応している。
【0035】
本発明はさらに、時計コンポーネントの製造方法に関し、当該方法は、キャップ13cを時計コンポーネントの第一部品13に留め、キャップ13cの第一組付け部材40を第一部品13の第一ラッチ部材50に組み付け、その後時計コンポーネントの締結構成において提供される最終位置にキャップ13cを配置させ、その後第一部品13の可動ロック9を作動させることにより、キャップ13cの第二組付け部材41と協働する閉位置に位置させるステップを含む。この方法は、バー11を使用して第一部品13に対して可動ロック9の閉位置をロックすることからなる追加のステップを含む。
【符号の説明】
【0036】
6 ロック開口
9 可動ロック
11 引っ込み式バー
13 第一部品
13c キャップ
16 第一開口
22 遊び補償要素
40 第一組付け部材
41 第二組付け部材
50 第一ラッチ部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10