(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-23
(45)【発行日】2026-01-07
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20251224BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20251224BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20251224BHJP
【FI】
H01L21/304 631
H01L21/90 Z
(21)【出願番号】P 2022085268
(22)【出願日】2022-05-25
【審査請求日】2024-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 大士
(72)【発明者】
【氏名】中山 知士
(72)【発明者】
【氏名】内村 勝大
(72)【発明者】
【氏名】稲川 浩巳
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-120133(JP,A)
【文献】特開2003-142434(JP,A)
【文献】特開2001-044168(JP,A)
【文献】特開2005-303218(JP,A)
【文献】特開2003-133273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/768
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1主面および前記第1主面の反対側の第2主面を有する半導体基板を用意する工程、
(b)前記第1主面および前記第2主面のそれぞれを覆う酸化シリコン膜を形成する工程、
(c)前記(b)工程の後、前記第1主面上に配線を形成する工程、
(d)前記配線上にめっき法を用いて再配線を形成する工程、
(e)前記(d)工程の後、前記第2主面上に位置する前記酸化シリコン膜および前記第2主面を研削する工程、
を有し、
前記(e)工程は、前記第2主面上に位置する前記酸化シリコン膜の膜厚が、10nm以上且つ30nm
未満である状態で行われる、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程は、
(b1)前記第1主面および前記第2主面のそれぞれを覆う前記酸化シリコン膜を形成する工程、
(b2)前記(b1)工程の後、前記第1主面および前記第2主面のそれぞれを覆う窒化シリコン膜を形成する工程、
(b3)前記酸化シリコン膜および前記窒化シリコン膜から露出する前記第1主面に、素子分離領域を形成する工程、
(b4)前記(b3)工程の後、前記第2主面上に位置する前記窒化シリコン膜を残しつつ、前記第1主面上に位置する前記窒化シリコン膜を除去することによって、前記第1主面上に位置する前記酸化シリコン膜を露出させる工程、
を有する、半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
(c1)前記(b)工程の後、前記第2主面上に位置する前記窒化シリコン膜を除去する工程、
(c2)前記(c1)工程の後、前記(c)工程の前に、前記第1主面上に層間絶縁膜を形成する工程、
をさらに有し、
前記(c)工程において、前記配線は前記層間絶縁膜上に形成され、
前記(d)工程において、前記再配線は前記配線の一部上に形成される、半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程は、
(b5)前記第1主面に溝を形成する工程、
(b6)前記溝の内面、前記第1主面および前記第2主面を酸化することによって、前記酸化シリコン膜を形成する工程、
(b7)前記溝内に、ゲート電極を形成する工程、
を有し、
前記溝内の前記酸化シリコン膜は、ゲート絶縁膜を構成する、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、半導体基板上にめっき法により再配線を形成した後、半導体基板の裏面の研削を行う半導体装置の製造方法に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ上に配線層を形成した後、配線層上にめっき法を用いて再配線を形成する場合がある。特許文献1(特開2018-113307号公報)には、半導体ウェハを薄くする技術として、半導体ウェハの外周部を残しつつ、半導体ウェハの裏面を研削する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その直径が8インチより大きい半導体ウェハでは、半導体ウェハの平坦度確保などのため、半導体基板の裏面が鏡面である。半導体素子の製造工程において裏面が酸化されても、裏面は鏡面(滑面)のままである。その状態で上記裏面研削工程を行うと、研削歯(研削砥石)の回転がすぐに止まり研磨が正常に行われないことがある。ここで、研磨を正常に行うために研削歯の回転数を上げると、過電流の発生によって研削装置が停止する虞がある。これにより、半導体装置の製造方法の信頼性の劣化が問題となっている。
【0005】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0007】
一実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、第1主面および第1主面の反対側の第2主面を有する半導体基板を用意する工程、第1主面および第2主面のそれぞれを覆う酸化シリコン膜を形成する工程、第1主面上に配線を形成する工程、配線上にめっき法を用いて再配線を形成する工程、第2主面上に位置する酸化シリコン膜および第2主面を研削する工程、を有する。酸化シリコン膜および第2主面を研削する工程は、第2主面上に位置する酸化シリコン膜の膜厚が、10nm以上且つ30nm以下である状態で行われる。
【0008】
一実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、第1主面および第1主面の反対側の第2主面を有する半導体基板を用意する工程、第1主面および第2主面のそれぞれを覆う酸化シリコン膜を形成する工程、第1主面上に配線を形成する工程、配線上にめっき法を用いて再配線を形成する工程、第2主面上に位置する酸化シリコン膜を除去することによって、第2主面を露出させる工程、第1主面を保護テープにより覆う工程、第2主面を研削する工程、保護テープを剥離する工程、を有する。
【発明の効果】
【0009】
一実施の形態によれば、半導体装置の製造方法の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1である半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図2】
図1に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図3】
図2に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図4】
図3に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図5】
図4に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図6】
図5に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図7】
図6に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図8】
図7に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図9】
図8に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図10】
図9に続く半導体装置の製造工程中の斜視図である。
【
図11】
図10に続く半導体装置の製造工程中の斜視図である。
【
図12】
図11に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図13】
図12に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図14】
図13に続く半導体装置の製造工程中の斜視図である。
【
図15】実施の形態2である半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図16】
図15に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図17】
図16に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図18】
図17に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【
図19】
図18に続く半導体装置の製造工程中の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その言及した数に限定されるものではなく、言及した数以上でも以下でもよい。
【0012】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことはいうまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0013】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0014】
(実施の形態1)
<半導体装置の製造方法>
以下に、
図1~
図14を用いて、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図1~
図8、
図12および
図13では、素子形成領域1Aおよび素子分離形成領域1Bを示している。以下、素子形成領域1AにIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子を形成する場合について説明する。
【0015】
まず、
図1に示すように、第1主面(上面、表面)SF1と、第1主面SF1の反対側の第2主面(下面、裏面)SF2とを有する半導体基板SBを用意する。半導体基板SBは、n型導電型の単結晶シリコン(Si)からなる。半導体基板SBは、円板状の半導体ウェハである。以下では、半導体基板SBとその上に形成された構造とを含めて半導体ウェハと呼ぶ場合がある。
【0016】
続いて、半導体基板SB上に、絶縁膜IF1、IF2を順に形成する。まず、半導体基板SB上に絶縁膜IF1を形成する。絶縁膜IF1は、例えば熱酸化法により形成された酸化シリコン(SiO2)膜からなる。次に、絶縁膜IF1上に絶縁膜IF2を形成する。絶縁膜IF2は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により堆積された窒化シリコン(Si3N4)膜からなる。絶縁膜IF1の膜厚は、例えば30nmである。絶縁膜IF2の膜厚は、例えば150nmである。
【0017】
続いて、半導体基板SB上に溝D1を形成する。溝D1は、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、素子分離形成領域1Bの絶縁膜IF2、IF1を貫通して半導体基板SBに形成される。溝D1は、第1主面SF1から第2主面に向かう方向に所定の深さを有する。続いて、図示はしないが、半導体基板ウェハの外周面(側面)を覆う絶縁膜IF1、IF2を、エッチングにより除去する。
【0018】
次に、
図2に示すように、熱酸化法により、素子分離形成領域1Bにおいて絶縁膜IF1、IF2から露出している半導体基板SBの第1主面SF1上に絶縁膜IF3を形成する。すなわち、絶縁膜IF3は溝D1内に形成される。ここでは、半導体基板ウェハの外周面(側面)を覆う絶縁膜IF3も形成される。絶縁膜IF3は、酸化シリコン膜からなる。絶縁膜IF3の厚さは、例えば300nm以上である。素子分離形成領域1Bに形成された絶縁膜IF3は、素子分離領域EIを構成するLOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)酸化膜である。なお、素子分離形成領域1Bにおいて、素子分離領域EIはSTI(Shallow Trench Isolation)またはPN接合分離でも良い。
【0019】
次に、
図3に示すように、絶縁膜IF1、IF2をウェットエッチング法などにより除去する。続いて、素子形成領域1Aの半導体基板SBの第1主面SF1にn型不純物(例えばリン(P))をイオン注入法により導入する。続いて、半導体基板SBの第1主面SF1にイオン注入法によりp型不純物(例えばホウ素(B))を導入する。
【0020】
続いて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、素子形成領域1Aの半導体基板SBの第1主面SF1に、複数の溝D2を形成する。溝D2は、第1主面SF1から所定の深さを有する。その後、半導体基板SBに熱処理を施すことによって、半導体基板SBに導入された不純物を拡散させる。これにより、n型の半導体領域HBとp型の半導体領域FRが形成される。半導体領域HBと半導体領域FRのそれぞれは、第1主面SF1から所定の深さを有する。溝D2は、半導体領域HBと半導体領域FRとの間に形成される。
【0021】
次に、
図4に示すように、半導体基板SBの第1主面SF1を覆う絶縁膜IF4aを第1主面SF1上に形成し、半導体基板SBの第2主面SF2を覆う絶縁膜IF4bを第2主面SF2上に形成する。絶縁膜IF4a、IF4bのそれぞれは、例えば酸化シリコン膜からなり、その膜厚は例えば100nmである。絶縁膜IF4a、IF4bは、例えば熱酸化法により形成される。絶縁膜IF4aは、溝D2内の側面および底面に成膜される。すなわち、絶縁膜IF4aは、溝D2の内面および第1主面SF1上に形成される。絶縁膜IF4bは、第2主面SF2上に形成される。
【0022】
続いて、半導体基板SBの第1主面SF1上において、絶縁膜IF4a上にポリシリコンからなる半導体層SL1を形成する。半導体層SL1は、絶縁膜IF4aを介して溝D2内に埋め込まれている。図示はしていないが、このとき、絶縁膜IF4bを介して半導体基板SBの第2主面SF2を覆うポリシリコン膜も形成される。
【0023】
続いて、半導体基板SBの第2主面SF2を覆うポリシリコン膜を、例えばフッ硝酸を用いたウェットエッチング法により除去する。これにより絶縁膜IF4bを露出させる。第2主面SF2上に形成されたポリシリコン膜にオーバーエッチングを施すことによって、第2主面SF2上に形成された絶縁膜IF4bの一部が除去される。これにより、第2主面SF2上に形成された絶縁膜IF4bの膜厚は、例えば60nm以上且つ70nm以下程度になる。
【0024】
次に、
図5に示すように、半導体層SL1にエッチングを施すことによって、溝D2外に形成された半導体層SL1が除去される。これにより、半導体層SL1は、溝D2内にのみ残る。溝D2内の半導体層SL1は、ゲート電極GEを構成する。続いて、絶縁膜IF4aにエッチングを施すことにより、溝D2外に形成された絶縁膜IF4aが除去される。これにより、絶縁膜IF4aは、溝D2内にのみ残る。溝D2内の絶縁膜IF4aは、ゲート絶縁膜を構成する。
【0025】
続いて、図示はしないが、半導体基板SBの第1主面SF1および第2主面SF2を覆う酸化シリコン膜を、例えばCVD法により形成する。これにより、半導体基板SBの第2主面SF2を覆う絶縁膜IF4bの膜厚は、例えば70nm以上且つ80nm以下程度になる。続いて、素子形成領域1Aの半導体基板SBの第1主面SF1にp型不純物(例えばホウ素(B))をイオン注入法により導入する。続いて半導体基板SBに熱処理を施すことにより、p型の半導体領域CHRを形成する。半導体領域CHRは、半導体基板SBの第1主面SF1から所定の深さを有する。半導体領域CHRの深さは、溝D2の深さより浅い。
【0026】
続いて、半導体基板SBの第1主面SF1および第2主面SF2を覆う酸化シリコン膜(図示しない)をウェットエッチング法により除去する。これにより、半導体基板SBの第2主面SF2を覆う絶縁膜IF4bの膜厚は、例えば50nm以上且つ60nm以下程度になる。
【0027】
次に、
図6に示すように、素子形成領域1Aの隣り合う溝D2同士の間において、半導体基板SBの第1主面SF1にn型不純物(例えばヒ素(As))をイオン注入法により導入する。これにより、半導体基板SBの第1主面SF1にn型の半導体領域ERを形成する。半導体領域ERは、第1主面SF1から所定の深さを有する。半導体領域ERの深さは、半導体領域CHRの深さより浅い。半導体領域ERは、エミッタ領域の拡散層を構成する。半導体領域ERのn型不純物濃度は、半導体領域HRのn型不純物濃度よりも高い。
【0028】
続いて、半導体基板SBの第1主面SF1上に、層間絶縁膜ILを形成する。層間絶縁膜ILは、例えば主に酸化シリコン膜からなり、例えばCVD法などにより形成される。続いて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜ILを貫通し、ゲート電極GE、半導体基板SBの第1主面SF1のそれぞれの一部を露出するコンタクトホール(接続孔)CHを複数形成する。なお、
図6ではゲート電極GEの直上のコンタクトホールCHなどを図示していない。素子形成領域1Aにおいて、コンタクトホールCHは、半導体領域ERを貫通して半導体領域CHRに達する。同様に、素子分離形成領域1Bでは、コンタクトホールCHは半導体領域CHRに達する。
【0029】
次に、
図7に示すように、層間絶縁膜ILをイオン注入阻止マスクとして用いて、半導体基板SBの第1主面SF1にp型不純物(例えばホウ素(B))をイオン注入法により導入する。これにより、素子形成領域1Aおよび素子分離形成領域1BのコンタクトホールCHの底面において、露出する半導体基板SB内にp型の半導体領域BCを形成する。半導体領域BCの深さは、例えば半導体領域CHRの深さよりも浅い。半導体領域BCのp型不純部厚濃度は、半導体領域CHRのp型不純部厚濃度より高い。
【0030】
続いて、各コンタクトホールCH内に、コンタクトプラグ(導電性接続部)CPを形成する。具体的には、スパッタリング法などにより、コンタクトホールCH内が埋め込まれるように、半導体基板SBの第1主面SF1上にタングステン(W)膜を堆積する。その後、コンタクトホールCH外に形成されたタングステン膜をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法などにより除去することで、コンタクトホールCH内に残ったタングステン膜からなるコンタクトプラグCPを形成する。
図7の素子形成領域1Aに示すコンタクトプラグCPは、半導体領域ERに電気的に接続されている。また、当該コンタクトプラグCPは、半導体領域BCを介して半導体領域(チャネル形成領域)CHRに電気的に接続されている。素子分離形成領域1Bに形成されたコンタクトプラグCPは、半導体領域BCを介して半導体領域(チャネル形成領域)CHRに電気的に接続されている。
【0031】
続いて、層間絶縁膜IL上およびコンタクトプラグCP上に、配線(配線層)M1を形成する。具体的には、例えばTi(チタン)と、TiN(窒化チタン)またはTiW(チタンタングステン)などからなるバリア導体膜と、AlCu(アルミニウム銅)などからなる主導体膜とを順にスパッタリング法などにより成膜する。これにより、バリア導体膜および主導体膜からなる配線M1を形成する。配線M1は、複数のコンタクトプラグCPのそれぞれに接続されている。この工程では、半導体ウェハの外周面を覆う金属膜(図示しない)が形成される。続いて、ウェットエッチング法により、半導体ウェハの外周面を覆う金属膜を除去する。この工程では、半導体基板SBの第2主面SF2を覆う絶縁膜IF4bも表面の一部が除去されることにより、絶縁膜IF4bの膜厚が薄くなる。これにより、半導体基板SBの第2主面SF2を覆う絶縁膜IF4bの膜厚は、例えば10nm以上且つ30nm以下になる。ここでは、当該絶縁膜IF4bの膜厚は例えば30nmである。
【0032】
次に、
図8に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、配線M1の一部を除去し、層間絶縁膜ILを露出させる。すなわち、配線M1をパターニングする。続いて、半導体基板SBの第1主面SF1上に、例えばポリイミドなどからなるパッシベーション膜PFを形成する。続いて、露光および現像を行うことで、パッシベーション膜PFをパターニングする。パッシベーション膜PFは、配線M1の一部を露出する開口を有する。
【0033】
次に、
図9に示すように、再配線工程を行う。すなわち、パッシベーション膜PFから露出する配線M1の一部上に再配線RMを形成する。
図9では、半導体ウェハの端部を含む断面図を示している。再配線RMの膜厚は、パッシベーション膜PFよりも小さい。ここでは、配線M1の端部の表面であって、パッシベーション膜PFから露出する配線M1の上面および側面にも金属膜MFが形成される。この再配線工程では、例えばニッケル(Ni)膜および金(Au)膜を順にめっき法により形成することで、当該ニッケル膜および金膜からなる積層構造を有する再配線RMを形成する。このとき、半導体基板SBの第2主面SF2を覆う絶縁膜IF4bの膜厚は10nm以上且つ30nm以下である。
【0034】
次に、
図10に示すように、半導体ウェハWFの第1主面SF1を覆う保護テープTPを貼り付けた後、半導体ウェハWFの上下を反転させる。つまり、保護テープTPにより覆われた第1主面SF1が下側になるように反転させる。
【0035】
次に、
図11に示すように、半導体ウェハWFの第2主面SF2および第2主面上に形成された酸化シリコン膜を研削する。研削工程は、第2主面SF2上に形成された酸化シリコン膜の膜厚が、10nm以上且つ30nm以下である状態で行われる。半導体ウェハWFの第2主面SF2側から研削し、半導体基板SBの厚さを薄くする。これにより、半導体基板の厚さは、例えば40μm以上且つ60μm以下程度になる。半導体ウェハWFの表面側に保護テープTPが貼り付けてあるので、半導体基板SBに形成された半導体素子等は破壊されない。
【0036】
ここでは、半導体ウェハWFの最外周のエッジ部分EG(補強部、リング状補強部、補強用の環状凸部)を残し、その内側の半導体基板SBの第2主面SF2のみを研削して薄くする。研削しないエッジ部分EGの幅は、例えば2.5mm以上且つ3mm以下程度である。ここでは、半導体ウェハWFを回転させながら、半導体ウェハWFの第2主面SF2に回転する研削砥石GRの研削歯を当てて研削を行う。
【0037】
その後、図示はしないが、半導体基板SBの第2主面SF2に対しスピンエッチングを行う。まず、例えば回転機構を備えたスピンヘッドに半導体ウェハWFを真空吸着または機械的に固定する。その後、半導体ウェハWFを回転させながら、半導体ウェハWFの上方に設けられたノズルから半導体ウェハWFの第2主面SF2にエッチング液を流すことにより、半導体ウェハWFの第2主面SF2を洗浄する。
【0038】
次に、
図12に示すように、半導体基板SBの第2主面SF2にn型不純物(例えばヒ素(As))をイオン注入法により導入する。これにより、半導体基板SBの第2主面SF2に、n型の半導体領域CRを形成する。これにより、素子形成領域1Aに、トレンチ型のIGBTを形成する。半導体領域CRは、IGBTのコレクタ領域を構成する。すなわち、IGBTは、少なくとも、ゲート電極GE、エミッタ領域である半導体領域ER、コレクタ領域である半導体領域CRおよび、チャネル形成領域である半導体領域CHRを有している。
【0039】
次に、
図13に示すように、半導体基板SBの第2主面SF2を覆う裏面電極(コレクタ電極)BEを形成する。具体的には、半導体基板SBの第2主面SF2上に、Al、Ti、Ni、Auなどからなる積層金属膜を形成する。これにより、当該積層金属膜からなる裏面電極BEを形成する。
【0040】
次に、
図14に示すように、保護テープTPを半導体ウェハWFから剥離する。
【0041】
その後の工程の図示は省略するが、半導体ウェハWFに対しダイシングを行うことで、半導体ウェハWFを個片化する。これにより、半導体ウェハから複数の半導体チップを得る。以上により、本実施の形態の半導体装置が略完成する。
【0042】
<本実施の形態の効果>
本実施の形態における半導体装置の製造方法では、半導体基板を薄くするために、半導体基板の裏面研削が行われる。ここでは、当該研削工程の前に再配線工程を行うが、再配線工程において半導体基板の第2主面(裏面)のシリコンが露出している場合、第2主面が導電性を有しているため、めっき処理での反応により第2主面上に異物が発生(析出)する。
【0043】
異物の発生を防ぐ方法としては、第2主面を保護テープで覆った状態で再配線工程を行うことが考えられる。しかし、そのような第2主面上に保護テープを形成する工程を加えた場合(特に、保護テープ貼り付け用の装置を新たに導入した場合)、半導体装置の製造コストが増大する。また、再配線工程の後、
図11~
図13を用いて説明したように第2主面の研削工程および第2主面へのイオン注入、裏面電極形成工程を行うため、当該保護テープを剥離する工程も必要となる。
【0044】
そこで、本実施の形態では、半導体基板SBの第2主面SF2が絶縁膜IF4bにより覆われた状態で再配線工程を行っている。すなわち、第2主面SF2が不導体である絶縁膜IF4bにより保護されているため、めっき処理において第2主面SF2上に異物が発生することを防げる。このとき、絶縁膜IF4bの膜厚が10nm未満である場合、当該異物の発生を防げない虞があるため、絶縁膜IF4bの膜厚は10nm以上である必要がある。ここでは、IGBTの溝D2を形成した後の酸化工程で裏面も酸化することによって形成された絶縁膜IF4bを利用している。
【0045】
ここで、その直径が8インチより大きい(例えば300mm)半導体ウェハでは、平坦性を確保する観点から、半導体ウェハの第2主面SF2は鏡面(滑面)であり、第2主面SF2を覆う絶縁膜IF4bの表面も鏡面(滑面)である。そのような半導体ウェハでは、絶縁膜IF4bが比較的厚い状態で上記研削工程を行うと、研削歯(研削砥石)の回転がすぐに止まり、研削が進まないことがある。つまり、絶縁膜IF4bが少し削られた後、研削歯が絶縁膜IF4bの表面を滑るようになり、研削が進まないことがある。ここで、研削を進めるために研削歯の回転数を上げると、過電流で研削装置が停止する場合がある。このように、半導体ウェハの第2主面SF2が、表面が鏡面であり比較的厚い絶縁膜IF4bにより覆われていることは、半導体装置の製造方法の信頼性の劣化の原因となる。
【0046】
そこで、本実施の形態では、当該研削工程は、絶縁膜IF4bの膜厚が10nm以上且つ30nm以下の状態で行われる。このように、絶縁膜IF4bの膜厚を30nm以下とすれば、絶縁膜IF4bが薄いため、研削により絶縁膜IF4bを容易に除去でき、半導体基板SBを研削して薄くできる。
【0047】
これにより、再配線工程における異物の発生を防ぎ、且つ、裏面研削により半導体基板を薄くすることができる。したがって、当該異物の発生防止のために半導体ウェハの裏面に対する保護テープの形成および剥離を行う必要がない。よって、半導体装置の製造方法の信頼性を向上できる。
【0048】
なお、本実施の形態では、半導体基板SBの裏面の研削工程が、絶縁膜IF4bの膜厚が10nm以上且つ30nm以下の状態で行われることが肝要である。本実施の形態では、絶縁膜IF4bの膜厚は複数の工程で薄くされるが、これに限定されない。絶縁膜IF4bの膜厚は、1つの工程で10nm以上且つ30nm以下にされても良い。また、絶縁膜IF4bの膜厚を薄くする各工程において除去される絶縁膜IF4bの膜厚も特に限定されない。
【0049】
(実施の形態2)
実施の形態1の半導体装置の製造方法において説明したように、半導体ウェハの裏面に形成された半導体層の除去工程、半導体ウェハの外周面に形成された金属膜の除去工程などにより、半導体ウェハの裏面を覆う絶縁膜の膜厚が徐々に小さくなる。そこで、再配線工程の直前に当該絶縁膜の膜厚が10nm以下になることを防ぐための工夫を、以下に
図15~
図19を用いて説明する。
図15~
図19は、
図1~
図6を用いて説明した工程と同様に、製造工程中の半導体装置を示す断面図であり、ここでは半導体ウェハの周縁部を含む箇所を示している。
【0050】
まず、
図15に示すように、
図1で説明した半導体基板SBの準備工程、および、絶縁膜IF1、IF2の成膜工程を行う。ただし、ここではまだ
図1で説明した溝D1の形成を行わない。このとき、半導体ウェハWFの周縁部および半導体基板SBの第2主面SF2も、絶縁膜IF1、IF2により覆われる。なお、実施の形態1でも、半導体基板SBの第2主面SF2は、絶縁膜IF1、IF2により覆われているが、図示を省略している。実施の形態1では、絶縁膜IF1、IF2は、絶縁膜IF4a、IF4bの形成前に除去されている。絶縁膜IF1の膜厚は、例えば30nmである。絶縁膜IF2の膜厚は、例えば150nmである。
【0051】
次に、
図16に示すように、
図1を用いて説明した工程を行って、溝D1を形成する。続いて、半導体ウェハWFの外周面を覆う絶縁膜IF1、IF2を除去する。
【0052】
次に、
図17に示すように、
図2を用いて説明した絶縁膜IF3の形成を行う。このとき、露出している半導体ウェハWFの外周面にも絶縁膜IF3が形成される。また、
図2では示していないが、絶縁膜IF3を形成する酸化工程では、窒化シリコン膜からなる絶縁膜IF2上にも絶縁膜IF3aが形成される。これは、半導体基板SBの第1主面SF1側も第2主面SF2側も同様である。半導体ウェハWFの外周面に絶縁膜IF3を形成することによって、後の再配線工程において半導体ウェハWFの外周面にて異物の発生を防ぐことができる。
【0053】
次に、
図18に示すように、フッ酸(HF)を用いてウェットエッチングを行うことで、半導体基板SBの第1主面SF1側の絶縁膜IF2を覆う絶縁膜IF3aを除去する。ここでは、枚葉設備を用いて半導体基板SBの第1主面SF1側に対してのみウェットエッチングを実施する。第2主面SF2を覆う絶縁膜IF3aを残しつつ、第1主面SF1上の絶縁膜IF3aを除去することによって、絶縁膜IF2を露出させる。
【0054】
次に、
図19に示すように、熱リン酸を用いたウェットエッチングを行うことで、露出している絶縁膜IF2を除去し、これにより、半導体基板SBの第1主面SF1上の絶縁膜IF1を露出させる。すなわち、第2主面SF2上に位置する絶縁膜IF2を残しつつ、第1主面SF1上に位置する絶縁膜IF2を除去することによって、第1主面SF1上に位置する絶縁膜IF1を露出させる。この工程は、
図3を用いて説明した、絶縁膜IF2の除去工程に対応する。この工程では、窒化シリコンを選択的に除去するため、酸化シリコン膜が除去されずに残る。したがって、酸化シリコン膜からなる絶縁膜IF3aにより覆われた半導体基板SBの第2主面SF2側の絶縁膜IF2は除去されずに残る。なお、半導体基板SBの第1主面SF1側に形成されたLOCOS酸化膜である絶縁膜IF3も除去されずに残る。本実施の形態の形態の主な特徴の一つは、半導体基板SBの第2主面SF2側の絶縁膜IF2を残すことで、その後の工程で、絶縁膜IF2と半導体基板SBの第2主面SF2との間の絶縁膜IF1が薄くなること、または全て除去されることを防ぐことにある。
【0055】
次に、図示は省略するが、
図3を用いて説明したように、絶縁膜IF1を除去し、半導体領域FR、HBおよび溝D2の形成工程を行う。その後の工程は、
図4~
図6を用いて説明した工程と同様に行う。続いて、
図7を用いて説明したコンタクトプラグCPの形成工程を行う。ただし、半導体基板SBの第2主面SF2は絶縁膜IF1、IF2により覆われているため、
図4に示す絶縁膜IF4bは、第2主面SF2側に形成されないことも考えられる。
【0056】
図19に示す工程の後、
図6に示す層間絶縁膜ILの形成工程の直前までに、熱リン酸を用いたウェットエッチングを行うことで、露出している絶縁膜IF2を除去する。この除去工程までは、半導体基板SBの第2主面SF2側の絶縁膜IF1は絶縁膜IF2により覆われているため、半導体層の除去工程などで当該絶縁膜IF1が除去されることはない。
【0057】
その後、
図6~
図14を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、本実施の形態の半導体装置が略完成する。
図7を用いた製造工程の説明では、配線M1の形成工程で半導体ウェハWFの外周面を覆うように形成された金属膜(図示しない)を除去する工程について述べた。当該除去工程は、半導体基板SBの第2主面SF2側で絶縁膜IF1が露出している場合に絶縁膜IF1を除去し得る工程である。もし第2主面SF2側の絶縁膜IF1が除去され第2主面SF2が露出していると、再配線形成工程において第2主面SF2上に異物が発生する虞がある。しかし、本実施の形態では、パッシベーション膜PFの形成直前まで絶縁膜IF2により当該絶縁膜IF1を保護するため、当該絶縁膜IF1の膜厚が減少して第2主面SF2が露出するのを防げる。これにより、より確実に絶縁膜IF1を10nm以上且つ30nm以下の膜厚で第2主面SF2上に残すことができる。したがって、
図11を用いて説明した研削工程において、半導体基板SBの第2主面SF2の研削を容易に行うことができる。
【0058】
すなわち、本実施の形態では、
図18を用いて説明した工程で、意図的に半導体基板SBの第2主面SF2を覆う絶縁膜IF2を残すことで、半導体装置の製造工程中に第2主面SF2を覆う絶縁膜IF1が除去されることを防いでいる。このようにして、
図11を用いて説明した研削工程まで当該絶縁膜IF1を残すことで、前記実施の形態1と同様の効果を得られる。
【0059】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1と同様に、
図1~
図9を用いて説明した半導体装置の製造工程が行われる。本実施の形態では、
図9を用いて説明した再配線工程の後に、半導体基板SBの第2主面SF2を覆う絶縁膜(例えば絶縁膜IF4b)を全て除去する。これにより、半導体基板SBの第2主面SF2を露出させる。当該絶縁膜の除去方法としては、ウェットエッチング法またはドライエッチング法が考えられる。
【0060】
次に、
図10を用いて説明した保護テープTPの貼り付けを行う。続いて、
図11を用いて説明した工程を行う。ここでは、半導体基板SBの露出する第2主面SF2を直接研削する。シリコンの面である第2主面SF2であれば、第2主面SF2が鏡面であっても、厚い酸化シリコン膜からなる滑面に比べ容易に研削を行うことができる。よって、半導体装置の製造方法の信頼性を向上できる。
【0061】
本実施の形態では、
図10を用いて説明した保護テープTPの形成前に、半導体基板SBの第2主面SF2を覆う絶縁膜を除去するため、当該除去工程前の当該絶縁膜の膜厚は、30nmより大きくてもよい。
【0062】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0063】
例えば、実施の形態1~3に記載したIGBTの構成部分の導電型を入れ替えてもよい。また、素子形成領域1Aに形成する素子は、IGBTではなく、IGBT以外のパワー半導体、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、MOS型電界効果トランジスタ)またはダイオードなど、いずれの素子であってもよい。当該素子は、縦型半導体素子に限られず、半導体基板の第1主面側にのみ構成部分を有するプレーナ型の素子であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1A 素子形成領域
1B 素子分離形成領域
BC、CHR、CR、ER、FR、HB、HR 半導体領域
BE 裏面電極
CH コンタクトホール
CP コンタクトプラグ
D1、D2 溝
EG エッジ部分
EI 素子分離領域
GE ゲート電極
GR 研削砥石
IF1~IF5、IF3a、IF4a、IF4b 絶縁膜
IL 層間絶縁膜
M1 配線
MF 金属膜
PF パッシベーション膜
RM 再配線
SB 半導体基板
SF1 第1主面
SF2 第2主面
SL1 半導体層
TP 保護テープ
WF 半導体ウェハ