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7795943賞品払出装置、及び賞品払出装置における賞品払出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-12-24
(45)【発行日】2026-01-08
(54)【発明の名称】賞品払出装置、及び賞品払出装置における賞品払出方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20251225BHJP
【FI】
A63F7/02 354
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022036606
(22)【出願日】2022-03-09
(65)【公開番号】P2023131707
(43)【公開日】2023-09-22
【審査請求日】2025-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 俊秀
【審査官】堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-025822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
賞品の払出口が設けられた装置本体と、
前記装置本体内において上下方向に並んで配置されて、賞品を収納する複数の収納部と、
前記複数の収納部に対して共通の移動部であって、前記収納部から賞品を受け取って前記払出口まで移動するために昇降する移動部と、
前記複数の収納部のうち第1の収納部から前記移動部が受け取る賞品の上限数が、前記第1の収納部とは異なる第2の収納部から前記移動部が受け取る賞品の上限数よりも多くなるように制御する制御部とを含み、
前記移動部の移動範囲内には、前記収納部からの賞品の受け取りを開始するための開始位置が、前記収納部毎に設定され、
前記移動部は、前記移動部による賞品の受け取りにおいて前記収納部から受け取って前記移動部上に積層される賞品の数が増えるのに応じて前記開始位置から下降し、
前記制御部は、前記第2の収納部についての賞品の受け取りにおける前記移動部の前記開始位置からの最大下降量を、前記第1の収納部についての賞品の受け取りにおける前記移動部の前記開始位置からの最大下降量よりも大きくする、賞品払出装置。
【請求項2】
前記複数の収納部のうち、最下位の収納部が、前記第1の収納部であり、前記第1の収納部よりも上側に位置する収納部が、前記第2の収納部であ、請求項に記載の賞品払出装置。
【請求項3】
前記払出口は、前記複数の収納部よりも上側に配置される、請求項又はに記載の賞品払出装置。
【請求項4】
前記払出口は、1つだけ設けられる、請求項1~のいずれか一項に記載の賞品払出装置。
【請求項5】
賞品の払出口が設けられた装置本体と、前記装置本体内において上下方向に並んで配置されて、賞品を収納する複数の収納部と、前記複数の収納部に対して共通の移動部とを含む賞品払出装置における賞品払出方法であって、
前記複数の収納部のうち第1の収納部から前記移動部が受け取る賞品の上限数が、前記第1の収納部とは異なる第2の収納部から前記移動部が受け取る賞品の上限数よりも多くなるように、前記移動部によって前記収納部から賞品を受け取る受取ステップと、
前記収納部から賞品を受け取った前記移動部を前記払出口まで昇降させる移動ステップとを含み、
前記移動部の移動範囲内には、前記収納部からの賞品の受け取りを開始するための開始位置が、前記収納部毎に設定され、
前記受取ステップにおける前記移動部による賞品の受け取りにおいて、前記移動部が、前記収納部から受け取って前記移動部上に積層される賞品の数が増えるのに応じて前記開始位置から下降し、
前記受取ステップにおいて、前記第2の収納部についての賞品の受け取りにおける前記移動部の前記開始位置からの最大下降量を、前記第1の収納部についての賞品の受け取りにおける前記移動部の前記開始位置からの最大下降量よりも大きくする、賞品払出装置における賞品払出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賞品払出装置、及び賞品払出装置における賞品払出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
賞品払出装置の一例として、下記特許文献1は、パチンコ店等の遊技店に設置される賞品払出機を開示している。賞品払出機は、左右方向に並ぶ複数の収納部と、これらの収納部を収容するボックス状の本体とを含む。各収納部は、パチンコ玉等の遊技媒体と交換される賞品を収納する。本体の天板には、収納部と同数の開口が左右方向に並んで配置されており、各開口の真下に、対応する収納部が配置されている。各収納部は、収納本体部と、収納本体部から賞品を繰り出す繰出部とを2つずつ含む。各収納部は、さらに、2つの収納本体部の間に配置された払出部を含む。賞品払出機において行われる繰出払出処理では、繰出部によって繰り出された賞品が払出部に積層される。払出部に賞品が積層された後、この払出部を含む、全ての収納部の払出部が一体となって上昇し、払出部上の賞品が、この収納部に対応する開口から露出される。これにより、遊技店の店員や遊技客等の利用者は、開口から賞品を取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-25822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
賞品払出機において、一回の繰出払出処理によって払出口から払い出す賞品の上限数は多いことが望ましい。賞品払出機において一度に払い出し可能な賞品の数が少なければ、多数の賞品を払い出す取引において、複数回に分けて払い出す必要が生じる。この場合、賞品の払い出しに時間を要してしまう。
【0005】
一回の繰出払出処理で払い出される賞品の上限数を増やすためには、各収納部(本体収納部)から移動部(払出部)が受け取る賞品の上限数を増やすことが考えられる。移動部(払出部)が受け取る賞品の上限数を一律に増やすためには、例えば、装置を高さ方向に物理的に大型化する必要がある。しかしながら、賞品払出装置が大型化するのは望ましくなく、装置の大型化を抑えつつ、払出口から一度に払い出される賞品の数を増やすことが求められている。
【0006】
本発明の一実施形態は、より多数の賞品を払出口から一度に払い出すことが可能な賞品払出装置及び賞品払出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、賞品の払出口が設けられた装置本体と、前記装置本体内に配置されて、賞品を収納する複数の収納部と、前記複数の収納部に対して共通の移動部であって、前記収納部から賞品を受け取って前記払出口まで移動する移動部と、前記複数の収納部のうち、第1の収納部と、前記第1の収納部とは異なる第2の収納部とで、前記移動部による賞品の受け取りに関する受取処理の内容を異ならせる制御部とを含む、賞品払出装置を提供する。
【0008】
また、本発明の一実施形態では、前記制御部が、前記受取処理の際に前記移動部が前記収納部から受け取る賞品の上限数を、前記第1の収納部と前記第2の収納部とで異ならせる。
【0009】
また、本発明の一実施形態では、前記複数の収納部が、上下方向に並んで配置され、前記移動部が、前記収納部から賞品を受け取って前記払出口まで移動するために昇降する。そして、前記移動部の移動範囲内には、前記収納部からの賞品の受け取りを開始するための開始位置が、前記収納部毎に設定される。そして、前記移動部が、前記受取処理において前記収納部から受け取って前記移動部上に積層される賞品の数が増えるのに応じて前記開始位置から下降する。そして、前記制御部が、前記移動部の前記開始位置からの最大下降量を、前記第1の収納部と前記第2の収納部とで異ならせる。
【0010】
また、本発明の一実施形態では、前記制御部は、前記第2の収納部についての賞品の受け取りにおける前記移動部の前記開始位置からの最大下降量を、前記第1の収納部についての賞品の受け取りにおける前記移動部の前記開始位置からの最大下降量よりも大きくしてもよい。
また、本発明の一実施形態では、前記複数の収納部のうち、最下位の収納部が、前記第1の収納部である。そして、前記第1の収納部よりも上側に位置する収納部(以下、「上側の収納部」という)が、前記第2の収納部である。そして、前記制御部が、前記第2の収納部についての前記受取処理での前記移動部の前記開始位置からの最大下降量を、前記第1の収納部についての前記受取処理での前記移動部の前記開始位置からの最大下降量よりも大きくする。
【0011】
また、本発明の一実施形態では、前記払出口が、前記複数の収納部よりも上側に配置される。
【0012】
また、本発明の一実施形態では、前記払出口が、1つだけ設けられる。
【0013】
また、本発明の一実施形態は、賞品の払出口が設けられた装置本体と、前記装置本体内に配置されて、賞品を収納する複数の収納部と、前記複数の収納部に対して共通の移動部とを含む賞品払出装置における賞品払出方法を提供する前記賞品払出方法は、前記複数の収納部のうち、第1の収納部と、前記第1の収納部とは異なる第2の収納部とで、前記移動部による賞品の受け取りに関する受取処理の内容が異なるように、前記移動部によって前記収納部から賞品を受け取る受取ステップと、前記収納部から賞品を受け取った前記移動部を前記払出口まで移動させる移動ステップとを含む
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態によれば、複数の収納部のうち少なくとも一つの収納部から移動部が賞品を受け取る。賞品を受け取った移動部が払出口まで移動することにより、払出口から賞品が払い出される。複数の収納部は、第1の収納部と第2の収納部とを含む。第1の収納部と第2の収納部とで、移動部による賞品の受け取りに関する受取処理の内容が異なっている。そのため、装置を物理的に大型化しなくても、第2の収納部から移動部が受け取る賞品の上限数を選択的に増やすことが可能である。この場合、より多数の賞品が払出口から一度に払い出される。これにより、より多数の賞品を払出口から一度に払い出すことが可能である。
【0015】
また、本発明の一実施形態によれば、第1の収納部と第2の収納部とで、移動部が収納部から受け取る賞品の上限数が異なっている。そのため、第1の収納部から移動部が賞品を受け取る場合と第2の収納部から移動部が賞品を受け取る場合とで、払出口から一度に払い出される賞品の上限数が異なる。
【0016】
例えば、第2の収納部から移動部が受け取る賞品の上限数が、第1の収納部から移動部が受け取る賞品の上限数よりも多いとする。この場合、第2の収納部から移動部が賞品を受け取る場合には、第1の収納部から移動部が賞品を受け取る場合に比べて、より多い数の賞品を収納部から受け取ることができる。これにより、より多い数の賞品を払出口から一度に払い出すことが可能である。
【0017】
また、本発明の一実施形態によれば、受取処理において、収納部から受け取った賞品が移動部上に積層される。そして、受取処理において、移動部上に積層される賞品の数が増えるのに応じて移動部は開始位置から下降する。第1の収納部と第2の収納部とで、開始位置からの移動部の最大下降量が異なっている。そのため、第1の収納部と第2の収納部とで、移動部が受け取る賞品の上限数が異なる。これにより、受取処理において移動部が受け取る賞品の上限数を、第1の収納部と第2の収納部とで異ならせることができる。
【0018】
また、本発明の一実施形態によれば、最下位の収納部と上側の収納部とで、開始位置からの移動部の最大下降量が異なっている。そのため、最下位の収納部と上側の収納部とで、移動部が受け取る賞品の上限数が異なる。これにより、受取処理において、移動部が収納部から受け取る賞品の上限数を、最下位の収納部と上側の収納部とで異ならせることができる。
【0019】
また、本発明の一実施形態によれば、前記払出口が、前記複数の収納部よりも上側に配置される。そのため、受取処理の後、賞品が積層されている移動部を上昇させることにより、収納部から受け取った賞品を払出口から払い出すことができる。
【0020】
また、本発明の一実施形態によれば、払出口が1つだけ設けられるので、払出口が複数設けられる場合と比べて、賞品払出装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る賞品払出装置の模式的な斜視図である。
図2】前記賞品払出装置に用いられる通い箱の斜視図である。
図3】前記賞品払出装置の装置本体の内部の模式的な右側面図である。
図4】前記賞品払出装置の電気的構成を示すブロック図である。
図5】扉を開いた状態における前記賞品払出装置の模式的な斜視図である。
図6】補充処理のために収納部を引き出した状態における前記賞品払出装置の模式的な斜視図である。
図7】補充処理のために前記収納部を引き出した状態における前記装置本体の内部の模式的な右側面図である。
図8】計数識別処理の際における前記装置本体の内部の模式的な右側面図である。
図9図8のA-A矢視断面図である。
図10】繰出払出処理の際における前記装置本体の内部の模式的な右側面図である。
図11】前記繰出払出処理の際における前記装置本体の内部の模式的な右側面図である。
図12】前記繰出払出処理の際における前記装置本体の内部の模式的な右側面図である。
図13】前記繰出払出処理の際における前記装置本体の内部の模式的な右側面図である。
図14】下収納部についての移動部の最大下降量について説明するための拡大図である。
図15】中収納部についての移動部の最大下降量について説明するための拡大図である。
図16】移動部上に積層される賞品の積層パターンを示す図である。
図17図16の後の賞品の積層パターンを示す図である。
図18】前記繰出払出処理により払い出される賞品の払出パターンの例を示す図である。
図19】前記賞品払出装置における取引処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下には、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る賞品払出装置1の模式的な斜視図である。賞品払出装置1は、特殊賞品と呼ばれる賞品Pを払い出す装置である。なお、遊技店では、特殊賞品だけでなく、菓子等の一般賞品も取り扱われる。賞品払出装置1は、その上部をなすPOSユニット2と、POSユニット2の下側に配置された装置本体3とを含む。
【0023】
POSユニット2は、いわゆるPOS端末であり、その前面、つまり正面領域には、例えば液晶のタッチパネルによって構成された表示操作部4が設けられている。表示操作部4は、表示部と操作部とに分かれていてもよい。POSユニット2の前面には、遊技店から遊技客に発行されたカードが出し入れされるカード出入口2Aと、レシートが発行されるレシート発行口2Bとが形成されている。カードには、遊技客が遊技によって獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数が関連付けられる。遊技店に会員登録した遊技客(いわゆる会員客)のカードは、会員カードと呼ばれ、他の遊技客(いわゆる一般客)のカードは、一般カードと呼ばれることがある。カードには、遊技を開始又は継続するために遊技媒体と交換されるプリペイド価値も関連付けられてもよい。
【0024】
賞品Pの一例は、例えば数ミリ程度(1.5mmや3mm等があり、この実施形態では3mm)の厚さを有するカードである。この実施形態では、大賞品、中賞品及び小賞品といった、金銭価値に応じた3種類の賞品Pが登場するが、大賞品よりも金銭価値の高い特大賞品が存在してもよい。賞品Pの表面の色は、賞品Pの種類毎に異なっている。一例として、大賞品の表面は赤色であり、中賞品の表面は青色であり、小賞品の表面は緑色である。賞品Pは、通い箱5に収容された状態にて市場に流通する。
【0025】
この実施形態では、賞品払出装置1は、遊技店における無人の賞品交換コーナーに配置されて、賞品Pの交換のための手続きが遊技客自身によって行われるセルフタイプである。この場合、遊技客は、POSユニット2のカード出入口2Aにカードを挿入してから表示操作部4を操作することによって、賞品Pの払出要求を賞品払出装置1に送信する。これにより、装置本体3は、払出要求に応じた種類及び個数の賞品Pを払い出し、POSユニット2は、賞品Pの在庫データを更新する。遊技客は、カード出入口2Aから返却されたカードと、装置本体3から払い出された賞品Pとを受け取る。なお、以下の説明では、賞品払出装置1がセルフタイプであることを前提としているが、賞品払出装置1の周辺に遊技店の店員がいて、この店員が、賞品払出装置1から賞品Pを一旦受け取った後に遊技客に手渡ししてもよい。
【0026】
装置本体3は、賞品Pを払い出す賞品払出機であるとともに、賞品Pを保管する機能を有する賞品保管機でもある。この実施形態では、POSユニット2と装置本体3とが一体化されているが、装置本体3が単独の賞品払出装置1として存在して、POSユニット2が単独のPOS端末として装置本体3から分離して構成されてもよい。装置本体3は、その外殻をなすボックス状に形成された筐体11と、筐体11内に設けられた単数又は複数の収納部12と、筐体11によって支持された扉13とを含む。
【0027】
なお、図1の紙面の左右方向は、装置本体3の左右方向Xと一致している。図1の紙面に略直交する方向は、装置本体3の前後方向Yと一致している。図1の紙面の上下方向は、装置本体3の上下方向Zと一致している。左右方向X及び前後方向Yは、横方向に含まれる。左右方向Xは、左側X1と右側X2とを含む。前後方向Yは、図1の紙面の手前側に一致した前側Y1と、図1の紙面の奥側に一致した後側Y2とを含む。上下方向Zは、上側Z1と下側Z2とを含む。
【0028】
筐体11は、縦長のボックス状である。筐体11は、天壁14と、底壁15と、左右一対の側壁16と、後壁17とを有する。天壁14及び底壁15は、矩形の板状である。一対の側壁16は、いずれも、上下方向Zに長い長方形の板状である。左側X1の側壁16は、天壁14及び底壁15の左端間に架設されていて、右側X2の側壁16は、天壁14及び底壁15の右端間に架設されている。後壁17は、上下方向Zに長い長方形の板状であり、天壁14及び底壁15の後端間に架設されていて、一対の側壁16の後端間にも架設されている。筐体11の前面には、天壁14、底壁15及び一対の側壁16のそれぞれの前端によって縁取られた開口11Aが形成されている(図5も併せて参照)。開口11Aは、筐体11の内部空間11Bに連通している。
【0029】
収納部12は、賞品Pを通い箱5ごと収納するものである。この実施形態では、3つの収納部12が、筐体11の内部空間11Bにおいて上下方向Zに並んでいる。各収納部12は、筐体11における各側壁16によって前後方向Yへスライド可能に支持されている。図1に示すように筐体11内に完全に収容された状態における各収納部12は、前後方向Yにおける収容位置にある。各収納部12は、筐体11の開口11Aを通って、収容位置よりも前側Y1の引出位置(図6参照)へ引き出し可能である。筐体11には、電動の引出ロック機構18(図4参照)が設けられている。引出ロック機構18は、各収納部12を収容位置においてロックしたり、そのロックを解除したりする。引出ロック機構18として、電磁ロック等を用いることができる。
【0030】
収納部12について詳しく説明するのに先立って、通い箱5について説明する。図2は、通い箱5の斜視図である。通い箱5は、所定方向に長手のボックス状に形成されていて、例えば樹脂製である。通い箱5は、対向配置された一対の側壁21と、一対の側壁21間に架設された複数の区画壁22と、底壁23とを一体的に含む。
【0031】
一対の側壁21は、通い箱5の長手方向Lにおいて長手の略長方形の板状に形成されていて、それぞれの板厚方向に沿って対向するように平行に配置されている。一対の側壁21の対向方向は、通い箱5において長手方向Lに直交する短手方向Sである。また、通い箱5の深さ方向Dは、長手方向L及び短手方向Sの両方に直交している。
【0032】
区画壁22は、この実施形態では6つ設けられ、各区画壁22は、長手方向Lに一致した板厚方向を有する略矩形の板状に形成されている。2つの区画壁22が、一対の側壁21において長手方向Lにおける一端縁間と他端縁間とに1つずつ架設され、残り4つの区画壁22が、長手方向Lに等間隔で並んだ状態で一対の側壁21の途中部間に架設されている。そのため、通い箱5には、大きさの等しい略直方体状の5つの収容空間24が、長手方向Lに等間隔で並んで形成されている。
【0033】
底壁23は、深さ方向Dに一致した板厚方向を有し、長手方向Lにおいて長手の略長方形の板状に形成されている。底壁23は、深さ方向Dにおける一方側(図2では下側)から各側壁21及び各区画壁22に対して接続されていて、各収容空間24を当該一方側から塞いでいる。各収容空間24において深さ方向Dにおける他方側(図2では上側)の端部は、略矩形状の出入口25として、当該他方側へ開放されている。
【0034】
通い箱5は、出入口25とは別に設けられた開口部26を含む。開口部26は、長手方向Lにおいて各収容空間24と同じ位置に一対ずつ、この実施形態では5対設けられている。つまり、開口部26は、短手方向Sにおける通い箱5の両側において、5つずつ長手方向Lに等間隔で並んで設けられている。各対における2つの開口部26は、長手方向Lにおいて同じ位置にあって、短手方向Sにおける通い箱5の中心を基準として対称になるように構成されている。各開口部26は、収容空間24を外部に露出させるスリット状である。各開口部26は、短手方向Sにおける底壁23の端部を切り欠きつつ、短手方向Sにおいて当該端部と同じ側にある側壁21を深さ方向Dに沿って切り欠いて、出入口25の手前まで直線状に延びている。
【0035】
賞品Pを収容して流通しているときの通い箱5の姿勢は、図2に示すように各出入口25が上を向いた基本姿勢である。賞品Pは、出入口25を介して各収容空間24に収容される。各収容空間24の大きさが等しいので、賞品Pは、所定個数ずつ、この実施形態では20個ずつ各収容空間24に収容される。そのため、通い箱5全体では、最大で100個の賞品Pを収容できる。複数の賞品Pは、それぞれの板厚方向が短手方向Sと一致して底壁23から起立した姿勢で、各収容空間24に積層状態にて収容され、その状態の各賞品Pでは、出入口25側の部分が出入口25からはみ出ている。また、前述した所定個数の賞品Pが収容された収容空間24(図2における右端の収容空間24を参照)では、短手方向Sの両端に位置する賞品Pの一部が、短手方向Sにおける同じ側の開口部26から露出されている。1つの通い箱5に収容される複数個の賞品Pの種類は、この実施形態では大賞品、中賞品及び小賞品のいずれか一種類であるが、収容空間24毎に賞品Pの種類が異なってもよい。
【0036】
次に、収納部12について詳しく説明する。図3は、装置本体3の内部の模式的な右側面図である。以下では、上下方向Zに並ぶ3つの収納部12のうち、最下位の収納部12を「下収納部12A」といい、真ん中の収納部12を「中収納部12B」といい、最上位の収納部12を「上収納部12C」という。
【0037】
各収納部12は、その外殻をなすボックス状に形成された筐体31を含む。図3に示す下収納部12Aを参照しながら、各収納部12の構成を説明する。筐体31の上面には、略矩形状の装填口31Aと、装填口31Aを開閉する略矩形板状の扉31Bとが設けられている。扉31Bは、その前端部に設けられたヒンジ31Cを介して筐体31に連結されていて、ヒンジ31Cまわりに回動することによって開閉される。筐体31の前面のほぼ全域には、開口31Dが形成されている。筐体31の前面において開口31Dよりも上側Z1の領域には、取っ手31E(図5参照)が設けられている。
【0038】
各収納部12の筐体31の内部空間31Fには、左右一対の搬送体32と、複数(ここでは4つ)の収納体33とが設けられている。各搬送体32は、無端状のチェーン又はベルトによって構成されている。各搬送体32は、例えば、左右方向Xから見て例えば略矩形の環状をなしている。搬送体32は、モータ(図示せず)等の駆動部の駆動力を受けることによって、左右方向Xから見て時計回り及び反時計回りのそれぞれの方向へ向けて周回移動する。この駆動部及び搬送体32は、移動機構34に含まれる。
【0039】
各収納体33は、左右方向Xに長手のトレイ状である。各収納体33の内部空間は、左右方向Xに長手となった通い箱5をちょうど収容できる大きさを有する。上向き姿勢の収納体33(例えば、図3の下収納部12Aにおける上側Z1の収納体33を参照)には、その上面を全域に亘って開放した出入口33Aと、前後の両側壁のそれぞれを切り欠いたスリット状の開口部(図示せず)とが形成されている。この開口部は、収納体33の前壁及び後壁において、通い箱5の開口部26(図2参照)に合致する位置に同数形成され、左右方向Xに並んで配置されている。
【0040】
各収納体33には、通い箱5が1つずつ装填される。これにより、通い箱5内の賞品Pは、収納体33内に収納されるとともに、収納部12内にも収納される。通い箱5が装填された収納体33では、前述した開口部と通い箱5の開口部26とが1つずつ整合している。また、この実施形態では、同じ種類の賞品Pが1つの通い箱5内に収納されるので、1つの収納体33には、同じ種類の賞品Pが装填され、1つの収納部12には、同じ種類の賞品Pが収納される。一例として、下収納部12Aには大賞品だけが収納され、中収納部12Bには中賞品だけが収納され、上収納部12Cには小賞品だけが収納される。もちろん、各収納部12において、収納体33毎に賞品Pの種類が異なってもよい。
【0041】
これらの収納体33は、左右一対の搬送体32の周回方向Rに沿って環状に並んで配置された状態で、これらの搬送体32の間に架設されている。そのため、移動機構34が作動することによって左右の搬送体32が周回移動すると、これらの収納体33は、搬送体32とともに周回移動する。搬送体32及び収納体33の周回移動を「ロータリー動作」ということがある。また、各収納体33は、搬送体32との連結部分において、左右方向Xに延びる回動軸線(図示せず)まわりに回動自在である。
【0042】
各収納部12には、第1姿勢変更機構35と、第2姿勢変更機構36とが設けられている。第1姿勢変更機構35は、搬送体32の周回領域における前下側の隅付近に位置する収納体33を一時的に前向き姿勢まで傾倒させる。第2姿勢変更機構36は、搬送体32の周回領域における後下側の隅付近に位置する収納体33を一時的に後向き姿勢まで傾倒させる。第1姿勢変更機構35及び第2姿勢変更機構36は、いずれも、ガイドレール等によって構成される。各収納体33は、途中で後向き姿勢になったり前向き姿勢になったりするものの、原則として、上向き姿勢を維持するように回動しながら、ゴンドラのように周回移動する。
【0043】
各収納部12の筐体31の内部空間31Fの後端部には、検出ユニット37が配置されている。検出ユニット37は、検出部38と、検出部38を支持するホルダ39とを含む。検出部38は、いわゆるカラーセンサであり、ホルダ39の前面に設けられている。検出ユニット37は、筐体31の後壁31Gによって支持されており、ステッピングモータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けて昇降する。その際、検出部38は、最寄りの収納体33に収納された通い箱5内の賞品Pの種類及び個数を検出する。詳しくは、後述する。
【0044】
各収納部12の筐体31の内部空間31Fにおいて搬送体32及び収納体33よりも下側Z2の領域には、繰出機構41が設けられている。繰出機構41は、収納体33から賞品Pを繰り出す繰出部42を含む。収納部12が複数(この実施形態では3つ)存在するので、繰出部42も、賞品払出装置1の全体では複数存在する。これらの収納部12が上下方向Zに並んでいるので、複数の繰出部42も上下方向Zに並んでいる。このような構成であれば、水平方向、とくに前後方向Yにおける賞品払出装置1の小型化を図ることができる。各収納部12において、繰出機構41に設けられる繰出部42は、この実施形態では1つだけだが、複数の繰出部42が左右方向Xに並んで設けられてもよい。
【0045】
繰出部42は、繰出ベルト43と、3つのローラ44と、繰出ローラ45と、対向ローラ46とを含む。これらのローラは、左右方向Xに延びる中心軸線を有するローラである。繰出ベルト43は、左右方向Xから見て略三角形の環状をなす無端状である。3つのローラ44は、繰出ベルト43の内側において略三角形の各頂点部分に1つずつ配置されている。繰出ローラ45は、例えばウレタンで構成された外周面を有している。対向ローラ46は、繰出ローラ45に対向している。繰出ベルト43の外周面には、爪状の押出片43Aが突出して設けられている。押出片43Aは、この実施形態では1つだけ設けられているが、複数の押出片43Aが等間隔に並んで設けられてもよい。繰出ベルト43は、少なくともいずれかのローラ44がモータ等の駆動部により駆動回転されることによって、周回移動する。繰出ローラ45は、当該駆動部により駆動回転される。
【0046】
繰出機構41の全体は、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けることによって、繰出位置と退避位置との間で、繰出ローラ45の直上に位置する回動軸(図示せず)まわりに回動可能である。繰出機構41が繰出位置にあるときには繰出部42も繰出位置にあり、繰出機構41が退避位置にあるときには繰出部42も退避位置にある。つまり、繰出部42は、繰出機構41の回動に応じて繰出位置と退避位置との間で移動可能である。
【0047】
繰出位置にある繰出部42では、図3に示すように、繰出ベルト43が繰出ローラ45及び対向ローラ46よりも後側Y2に位置し、2つのローラ44が前後方向Yに並んで、残り1つのローラ44が当該2つのローラ44よりも下側Z2に位置して、繰出ベルト43において当該2つのローラ44間の平坦部43Bが前後方向Yに沿って水平になっている。また、対向ローラ46が繰出ローラ45に上側Z1から対向していて、平坦部43Bが、繰出ローラ45と対向ローラ46との間と同じ高さ位置にある。繰出位置にある繰出部42は、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けることによって左右方向Xにスライド可能である。
【0048】
待機状態における繰出機構41は、繰出位置にある。繰出機構41は、右側面視において繰出位置から時計回りに約30度以上回動すると、通い箱5が装填された各収納体33の周回軌跡を回避した退避位置(例えば、図8の下収納部12Aの繰出機構41を参照)に配置される。繰出機構41が退避位置にあるとき、繰出部42も退避位置にある。退避位置は、繰出位置から前側Y1や下側Z2へ退避した位置である。退避位置の繰出部42では、繰出ベルト43が繰出ローラ45及び対向ローラ46よりも下側Z2に位置し、繰出ベルト43の平坦部43Bが上下方向Z(具体的には斜め下側)に沿っていて、対向ローラ46が繰出ローラ45に後側Y2から対向している。
【0049】
扉13は、筐体11の開口11Aを塞ぎ得る大きさを有する縦長のボックス状である。扉13は、図3に示すように開口11Aを閉じた閉位置(図1も併せて参照)において前後方向Yに扁平である。扉13の左端は、ヒンジ50(図5参照)を介して筐体11に連結されていて、ヒンジ50まわりに回動可能である。閉位置にある扉13が、平面視にて時計回りに回動すると、開位置に配置されて開口11Aの全域を前側Y1へ露出させる(図5参照)。以下では、とくに断りがない場合には、扉13が閉位置にあることを前提として説明する。筐体11には、扉13を閉位置においてロックしたり、そのロックを解除したりする電動の扉ロック機構51(図4参照)が設けられている。扉ロック機構51として、電磁ロック等を用いることができる。
【0050】
扉13の上面13Aは、筐体11の上面、つまり天壁14の上面とほぼ同じ高さ位置にある。上面13Aには、左右方向Xに長手の払出口13Bが1つだけ設けられている(図5も併せて参照)。払出口13Bが1つだけ設けられているので、払出口13Bが複数設けられる場合と比べて、賞品払出装置1の小型化を図ることができる。払出口13Bは、扉13の内部空間13Cに連通している。扉13は、払出口13Bを開閉する1枚のシャッタ52をさらに含む。
【0051】
シャッタ52は、左右方向Xに長手の板状に形成されている。シャッタ52は、払出口13Bを閉じた閉位置(図1も併せて参照)と、天壁14の真下の空間まで後退して払出口13Bを開いた開位置(図13参照)との間で前後方向Yにスライド可能である。天壁14の真下の空間は、筐体11の内部空間11Bの上端部である。シャッタ52は、筐体11又は扉13に設けられたモータ等の駆動部(図示せず)の駆動力によって開閉される。
【0052】
扉13の後面のほぼ全域は、開放されている。そのため、扉13の内部空間13Cは、収容位置にある各収納部12の筐体31の前面の開口31Dを介して筐体31の内部空間31Fに連通している。内部空間13Cには、各収納部12内の賞品Pを払出口13Bに払い出す払出機構53が設けられている。つまり、筐体11の開口11Aを開閉する扉13には、払出機構53が一体化されている。これにより、賞品払出装置1の一層の小型化を図ることができる。
【0053】
払出機構53は、移動部54と、移動部54上の空間を左右方向Xに複数に仕切る複数の仕切壁56(図5参照)とを含む。移動部54は、上下方向Zに一致した板厚方向を有して左右方向Xに長い長方形の板状のエレベータである。移動部54は、複数の仕切壁56によって、左右方向Xに並ぶ複数の受取部55(図5参照)に区画される。複数の受取部55は、左右方向Xの長さが同じである。受取部55は、通い箱5の収容空間24と同数(ここでは5つ)設けられている。
【0054】
複数の仕切壁56は、この実施形態では6つ設けられ、各仕切壁56は、左右方向Xに一致した板厚方向を有する略矩形板状に形成されている。そのため、各受取部55上には、大きさの等しい略直方体状の5つの収容空間が、左右方向Xに等間隔で並んで形成されている。複数の仕切壁56は、扉13の内部空間13Cにおいて移動部54の昇降に同伴して昇降する。しかし、複数の仕切壁56は、移動部54に対して昇降可能であり、内部空間13C外には移動しない。後述するように、繰出払出処理における払出処理の際には、移動部54が、内部空間13Cを通って上側Z1へ開放している状態の払出口13Bまで移動するが、複数の仕切壁56は内部空間13Cに止まる。すなわち、移動部54に対し相対的に下方に退避する。
【0055】
移動部54には、モータ、ボールねじ等を含む移動駆動部68(図4参照)が結合されている。移動部54は、移動駆動部68の駆動力を受けることによって、扉13の内部空間13Cの下端付近に設定された待機位置(図8に示す位置)と、内部空間13Cの上端に設定された払出位置との間で昇降する。移動部54は、複数の収納部12に対して共通の移動部である。移動部54は、各収納部12から賞品Pを受け取って払出口13Bまで移動する。
【0056】
図4は、賞品払出装置1の電気的構成を示すブロック図である。賞品払出装置1は、制御部61を含む。制御部61は、CPUやROMやRAM等によって構成され、タイマ等を内蔵している。後述する他の制御部についても同様である。POS制御部61Aと、払出制御部61Bとは、互いに通信可能に接続されている。
【0057】
POSユニット2は、カードを処理するカード処理部62と、レシート発行部63とをさらに含む。POS制御部61Aには、表示操作部4、カード処理部62及びレシート発行部63が電気的に接続されている。カードには、パチンコ台等の遊技台にて遊技によって獲得された遊技媒体の数等の情報が記憶されている。カード処理部62は、カード出入口2A(図1参照)に挿入されたカードを取り込んで、このカードから必要な情報を読み取ったり、読取後のカードをカード出入口2Aから排出したりする。レシート発行部63は、プリンタによって構成され、レシートを印刷してレシート発行口2Bから発行する。
【0058】
POSユニット2は、記憶部67をさらに含む。記憶部67は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されている。記憶部67は、POS制御部61Aに電気的に接続されている。記憶部67は、過去の異常履歴や賞品Pの交換履歴等の様々な情報を記憶している。
【0059】
払出制御部61Bには、各収納部12における移動機構34、検出部38及び繰出機構41のそれぞれに関連した電気部品(前述した駆動部やセンサ等)が電気的に接続されている。払出制御部61Bには、引出ロック機構18、扉ロック機構51及びシャッタ52のそれぞれに関連した電気部品も電気的に接続されている。払出制御部61Bには、移動駆動部68も電気的に接続されている。払出制御部61Bは、前述の電気部品及び移動駆動部68の動作を制御することによって、賞品Pを補充する補充処理と、装置本体3の各収納部12内の賞品Pを計数及び識別する計数識別処理と、各収納部12内の賞品Pを繰り出して機外(つまり筐体11の外)に払い出す繰出払出処理とを実行する。これらの処理に関連して、POS制御部61Aは、表示操作部4に必要な情報を表示したり、店員や遊技客による表示操作部4の操作に応じた指示を受け付けたり、遊技客のカードをカード処理部62によって処理したり、レシートをレシート発行部63によって発行したりする。
【0060】
装置本体3は、記憶部65をさらに含む。記憶部65は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されている。記憶部65は、払出制御部61Bに電気的に接続されている。記憶部65は、各収納部12の各収納体33に装填された通い箱5内の賞品Pの種類及び収納個数(在庫数ともいう)等を収容空間24毎に記憶している。また、記憶部65は、過去の異常履歴や賞品Pの払出履歴等の様々な情報も記憶している。
【0061】
以下では、補充処理、計数識別処理及び繰出払出処理について、この順番に説明する。図5は、扉13を開いた状態における賞品払出装置1の模式的な斜視図である。図6は、補充処理のために収納部12を引き出した状態における賞品払出装置1の模式的な斜視図である。図7は、補充処理のために収納部12を引き出した状態における装置本体3の内部の模式的な右側面図である。図1図7を参照して、補充処理について説明する。
【0062】
補充処理の際には、店員は、表示操作部4を操作することによって、補充処理の対象となる収納部12を1つ選択する。すると、制御部61の払出制御部61Bは、POS制御部61Aからの指示により、選択された収納部12についての引出ロック機構18によるロックを解除することによって、この収納部12の引出位置までの引き出しを許可するとともに、扉ロック機構51による扉13のロックも解除する。
【0063】
次に、店員が、図5に示すように扉13を開位置まで開き、ロックが解除された収納部12の取っ手31Eを掴んで前側Y1に引くと、この収納部12は、図6に示す引出位置まで引き出される(図6の下収納部12Aを参照)。一度に引き出させる収納部12は、1つだけである。引出位置まで引き出された収納部12では、筐体31の上面の扉31Bが、装置本体3の筐体11よりも前側Y1、つまり筐体11の外に配置されている。この状態において、店員が、この収納部12の扉31Bを開いて装填口31Aを上側Z1に開放する。扉31Bが開くのに先立って払出制御部61Bが搬送体32を周回移動させ、これにより、図7に示すように、空の状態にある1つの収納体33が、装填口31Aの真下に配置される。装填口31Aの真下に配置された収納体33は、出入口33Aが上側Z1を向いた装填位置にある。なお、搬送体32が周回移動している収納部12では、繰出機構41が、周回移動中の搬送体32や収納体33に接触しないように、退避位置に配置される(図7の下収納部12Aを参照)。
【0064】
店員は、賞品Pを収容した基本姿勢の状態の通い箱5を、図7の太線矢印で示すように下降させて装填口31Aを通過させ、装填位置にある収納体33の出入口33Aに上側Z1から挿入する。これにより、通い箱5が、装填位置の収納体33に装填され、通い箱5内の賞品Pは、収納部12内に装填される。
【0065】
店員が、収納体33に通い箱5を装填された後に扉31Bを閉じて、引出位置の収納部12の取っ手31Eを掴んで収容位置まで戻すと、払出制御部61Bは、この収納部12を、引出ロック機構18によって収容位置にてロックする。これにより、この収納部12についての補充処理が終了する。
【0066】
図8は、計数識別処理の際における装置本体3の内部の模式的な右側面図である。図9は、図8のA-A矢視断面図である。図1図4図8及び図9を参照して、計数識別処理について説明する。
【0067】
計数識別処理の際には、図8の下収納部12Aに示すように、払出制御部61Bは、搬送体32を周回移動させる。すると、収納部12において、計数識別処理の対象となる収納体33が、検出ユニット37に接近すると、第1姿勢変更機構35により、出入口33Aが後側Y2を向いた後向き姿勢に傾倒する(図8の下収納部12A参照)。また、この収納体33に装填された通い箱5も、出入口25が後側Y2を向いた後向き姿勢にある。この状態において、通い箱5内の賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口25から後側Y2へはみ出しており、当該賞品Pの後端面が検出ユニット37側(厳密には斜め上側)を向いている。
【0068】
収納体33が上向き姿勢から横向き姿勢に変わって検出ユニット37に接近すると、払出制御部61Bは、搬送体32の周回移動を停止する。このとき、収納部12では、検出ユニット37における検出部38が、後向き姿勢の収納体33に装填された通い箱5の各収容空間24に対して1つずつ左右方向Xにおいて同じ位置にある(図9参照)。この状態において、払出制御部61Bは、検出ユニット37を、例えば下端の待機位置から上昇させる。その際、各検出部38が、当該通い箱5において左右方向Xで同じ位置にある収容空間24に後側Y2から対向しながら上昇する。検出部38は、左右方向Xで同じ位置にある収容空間24に収容されて上下方向Zに積層された状態にある賞品Pを下側Z2から順に1個ずつ非接触にて計数及び識別する。
【0069】
カラーセンサである場合の検出部38は、賞品Pに対して光を照射して、その反射光を受けてRGB値に変換して分析し、この分析結果に基づいて、賞品Pを計数したり、賞品Pの真偽や種類を識別したりする。なお、識別情報を記憶したICチップが賞品Pに内蔵されていて、検出部38は、非接触でICチップから識別情報を読み取ることによって、賞品Pの真偽や種類を識別してもよい。そして、待機位置から上昇する検出部38が、後向き姿勢の収納体33に装填された通い箱5の各収容空間24における全ての賞品Pについての計数及び識別が完了して、待機位置まで下降すると、計数識別処理が終了する。
【0070】
各収納部12内の各収納体33における賞品Pの在庫データ(賞品Pの種類及び在庫数)は、収納体33毎に割り当てられた識別情報に関連付けてテーブル(図示せず)にまとめられ、記憶部65に記憶される。とくに、収納体33にセットされた通い箱5において左右方向Xに並ぶ収容空間24のそれぞれにおける賞品Pの在庫データが、各収納体33における賞品Pの在庫データの内訳として記憶部65に記憶されている。
【0071】
図10図13は、繰出払出処理の際における装置本体3の内部の模式的な右側面図である。図1図4及び図10図13を参照して、繰出払出処理について説明する。
【0072】
繰出払出処理は、通い箱5から賞品Pを1個ずつ繰り出す繰出処理と、繰出処理によって繰り出された賞品Pを移動部54によって受け取る受取処理と、受取処理によって受け取った移動部54上の賞品Pを払出口13Bから機外へ払い出す払出処理とを含む。
【0073】
前述のように、移動部54は、内部空間13Cの下端付近に設定された待機位置(図8に示す位置)と、内部空間13Cの上端に設定された払出位置との間で昇降する。移動部54の移動範囲、すなわち、内部空間13Cにおける待機位置と払出位置との間には、移動部54が収納部12からの賞品Pの受け取りを開始する開始位置(開始位置P1、開始位置P2及び開始位置P3)が、収納部12毎に設定されている。開始位置P1、開始位置P2及び開始位置P3は、それぞれ、下収納部12A、中収納部12B及び上収納部12Cに対応している。開始位置P1、開始位置P2及び開始位置P3のそれぞれに移動部54が配置された状態では、移動部54の上面の高さ位置が、対応する収納部12(下収納部12A、中収納部12B及び上収納部12C)の繰出ベルト43の平坦部43Bの高さ位置とほぼ同じになる。
【0074】
遊技客は、カードをカード出入口2Aに挿入する。すると、POS制御部61Aは、カードに関連付けられた遊技媒体の数等をカード処理部62によって読み取る。その後、遊技客は、表示操作部4を操作することによって、カードに関連付けられた遊技媒体の数の範囲内において交換可能な賞品Pの種類及び種類毎の個数を選択できる。POS制御部61Aは、交換対象の賞品Pの種類及び種類毎の個数についての遊技客の選択結果に基づいて、払出対象の賞品Pについての払出情報を生成する。払出情報は、払出対象の賞品Pの種類を特定する特定情報と、払出対象の賞品Pの個数についての個数情報とを含む。
【0075】
POS制御部61Aが、払出情報を含む払出要求を払出制御部61Bに送信すると、払出制御部61Bは、払出情報及び記憶部65に記憶されている在庫データに基づいて、繰出払出処理により払出口13Bから払い出される賞品Pの払出パターンを決定する。そして、払出制御部61Bは、払出情報に基づいて、繰出払出処理において賞品Pを繰り出す収納部12を決める。繰出払出処理において一の収納部12から賞品Pが繰り出されてもよいし、複数の収納部12から賞品Pが繰り出されてもよい。
【0076】
払出制御部61Bは、繰出払出処理に含まれる繰出処理において、繰り出し対象の収納部12の搬送体32を周回移動させる。図10には、下収納部12Aから賞品Pが繰り出される場合を示している。搬送体32の周回移動により、繰出処理の対象となる収納体33が、払出機構53の移動部54に接近する。収納体33が移動部54に接近すると、第2姿勢変更機構36により、出入口33Aが前側Y1を向いた前向き姿勢に傾倒する。なお、前向き姿勢の収納体33では、セットされた通い箱5の出入口25からの賞品Pの脱落を防止するために、出入口33Aが真横でなく、僅かに斜め上側を向いている。また、この収納体33に装填された通い箱5も、出入口25が前側Y1を向いた前向き姿勢にある。そして、この通い箱5内の賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口25から前側Y1へはみ出しており、当該賞品Pの前端面が扉13側(厳密には斜め上側)を向いている。
【0077】
前向き姿勢の収納体33に装填された通い箱5内における最下位の賞品Pが、繰出位置にある繰出機構41における繰出部42の繰出ベルト43の平坦部43Bとほぼ同じ高さ位置になると、払出制御部61Bは、搬送体32の周回移動を停止する。この状態で、繰出位置にある繰出部42が、この通い箱5の真下に配置されている。
【0078】
次いで、払出制御部61Bは、移動駆動部68を制御して、待機位置にある移動部54を上昇させ、開始位置P1に配置する。開始位置P1に移動部54が配置された後、払出制御部61Bは、繰出部42における繰出ベルト43を周回移動させて繰出ローラ45を回転させる。このとき、繰出機構41では、右側面視において繰出ベルト43が反時計回りに周回移動して繰出ローラ45が反時計回りに回転する。周回移動する繰出ベルト43に設けられた押出片43Aが、繰出ベルト43の平坦部43Bにおいて前側Y1へ水平移動する。その際、押出片43Aが、前向き姿勢の収納体33に装填された通い箱5の開口部26(図2参照)に進入して、当該通い箱5の収容空間24内の最下位の賞品Pを引っ掛けて前側Y1へ押し出す。これにより、1つの収納体33から賞品Pが前側Y1へ繰り出される。前側Y1へ繰り出された賞品Pは、駆動回転される繰出ローラ45に接触することによって繰出ローラ45と対向ローラ46との間を通って移動部54側へ押し出される(繰出処理)。
【0079】
移動部54側へ押し出された賞品Pは、移動部54の受取部55上に配置される。これにより、移動部54の受取部55によって賞品Pが受け取られる。移動部54が賞品Pを受け取った後、払出制御部61Bは、移動駆動部68を制御して、開始位置P1から1個の賞品Pの厚さに相当する量だけ移動部54を下降させる。その後、通い箱5から次の賞品Pが繰り出されると、当該次の賞品Pは、受取部55上の受け取り済みの賞品Pの上に配置される。これにより、当該次の賞品Pも、受取部55に受け取られる(受取処理(受取ステップ))。
【0080】
繰出処理において、払出制御部61Bは、繰出ベルト43の周回移動と、繰出ローラ45の回転とを繰り返す。これにより、前向き姿勢の収納体33に装填された通い箱5において各繰出部42の真上に位置する収容空間24内の賞品Pが、下側Z2の賞品Pから順に1個ずつ繰り出される。
【0081】
受取処理において、収容空間24内からの賞品Pの繰り出しの度に、払出制御部61Bが、賞品Pの厚さに相当する量だけ移動部54を下降させる。これにより、繰り出された賞品Pが移動部54の受取部55において上側Z1に積層される。
【0082】
各受取部55上にN個(Nは自然数)の賞品Pを積層するには、N-1の数の賞品Pの厚さに相当する量だけ、移動部54が開始位置P1から下降している必要がある。すなわち、移動部54上に積層される賞品Pの数が増えるのに応じて、開始位置P1からの移動部54の下降量が増える。
【0083】
受取処理では、移動部54の開始位置(開始位置P1、開始位置P2及び開始位置P3)からの最大下降量(最大下降量L1、最大下降量L2及び最大下降量L3)が設定されている。払出制御部61Bは、受取処理において、設定された最大下降量を超えて移動部54を下降させない。
【0084】
また、払出制御部61Bは、搬送体32を僅かに周回移動させることによって、前向き姿勢の収納体33を一時上昇させ、その間に繰出部42を左右方向Xに移動させる。その後、払出制御部61Bは、搬送体32を逆向きに周回移動させることによって収納体33を元の位置まで下降させれば、先ほど賞品Pを繰り出した元の収容空間24とは別の収容空間24の賞品Pを繰出部42によって繰り出すことができる。この場合、当該別の収容空間24から繰り出された賞品Pは、移動部54において先ほどの受取部55とは別の受取部55に集積される。必要数の賞品Pが移動部54上に繰り出されると、繰出処理が完了する。
【0085】
移動部54は、1回の繰出払出処理において、複数の収納部12から賞品Pを受けることができる。一の収納部12から賞品Pを受け取った後に移動部54が昇降し、この移動部54によって、他の収納部12から賞品Pを受け取ることができる。例えば、下収納部12Aから賞品Pを受け取った移動部54が、その後に中収納部12Bから賞品Pを受け取る場合を図11に示す。この場合、払出制御部61Bは、移動部54を、図10に示す位置から図11に示す位置まで上昇させる。上昇後の移動部54の配置位置は、開始位置P2よりも、移動部54上に既に積層されている賞品Pの厚さの合計に相当する長さだけ下降した位置である。その後、中収納部12Bの繰出部42から賞品Pが繰り出される。
【0086】
また、例えば、中収納部12Bから賞品Pを受け取った移動部54が、その後に上収納部12Cから賞品Pを受け取る場合を図12に示す。この場合、払出制御部61Bは、移動部54を、図12に示す位置まで上昇させる。上昇後の移動部54の配置位置は、開始位置P3よりも、移動部54上に既に積層されている賞品Pの厚さの合計に相当する長さだけ下降した位置である。その後、上収納部12Cの繰出部42から賞品Pが繰り出される。
【0087】
繰出払出処理において、全ての収納部12における繰り出し処理が完了すると、払出制御部61Bは、払出処理を開始する。具体的には、払出制御部61Bは、シャッタ52を、図13に示す開位置までスライドさせる。これにより、扉13の上面13Aの払出口13Bが上側Z1へ開放される。そして、払出制御部61Bは、移動部54を、図13に示す払出位置まで上昇させる(移動ステップ)。移動部54は、払出位置まで上昇することによって払出口13Bまで移動する。これにより、移動部54の各移動部54上に繰り出された賞品Pが、払出口13Bに払い出されて、払出口13Bから機外に露出される。
【0088】
そして、遊技客が払出口13Bにおける移動部54上の賞品Pを直接受け取ると、払出制御部61Bは、移動部54を待機位置まで下降させ、今まで開位置にあったシャッタ52を閉位置までスライドさせる。これにより、払出処理が終了し、一連の繰出払出処理が完了する。
【0089】
移動部54が払出位置まで上昇したとき、払出口13Bでは、移動部54における複数(この実施形態では5つ)の受取部55が左右方向Xに並んでいる。図9に示すように、5つの受取部55のそれぞれを、左端から順に、受取部55A、受取部55B、受取部55C、受取部55D及び受取部55Eとする。この受取部55により、この払出口13Bは、左右方向Xに並ぶ複数(この実施形態では5つ)の払出区画13Dに区分けされている。図1に示すように、5つの払出区画13Dのそれぞれを、左端から順に、払出区画13DA、払出区画13DB、払出区画13DC、払出区画13DD及び払出区画13DEということがある。これらの払出区画13Dは、それぞれ、受取部55A、受取部55B、受取部55C、受取部55D及び受取部55Eと対応している。互いに対応する払出区画13D及び受取部55のペアは、各収納部12の収納体33にセットされる通い箱5における5つの収容空間24(図2参照)のうち、左右方向Xで同じ位置にあるいずれか1つの収容空間24と対応している。
【0090】
払出制御部61Bによって決定される賞品Pの払出パターンは、5つの払出区画13Dのうち賞品Pの払出先となる払出区画13Dの数が最少となるような当該払出先と、当該払出先に払い出す賞品Pの種類及び個数とについての情報である。払出先が最少の払出区画13Dによって構成される場合には、遊技客は、払出先に払い出された賞品Pを見落としにくいうえに、手間をかけずに賞品Pを受け取ることができる。
【0091】
図14は、下収納部12Aについての受取処理における、移動部54の開始位置P1からの最大下降量L1(以下、単に「下収納部12Aについての移動部54の最大下降量L1」という)について説明するための拡大図である。図15は、中収納部12Bについての受取処理における、移動部54の開始位置P2からの最大下降量L2(以下、単に「中収納部12Bについての移動部54の最大下降量L2」という)について説明するための拡大図である。
【0092】
下収納部12Aについての移動部54の最大下降量L1と、中収納部12Bについての移動部54の最大下降量L2とが異なっている。また、下収納部12Aについての移動部54の最大下降量L1と、上収納部12Cについての受取処理における、移動部54の開始位置P3からの最大下降量L3(以下、単に「上収納部12Cについての移動部54の最大下降量L3」という)とが異なっている。この実施形態では、中収納部12Bについての移動部54の最大下降量L2と、上収納部12Cについての移動部54の最大下降量L3とは同じである。
【0093】
図14に示すように、下収納部12Aについての移動部54の最大下降量L1は、9個の賞品Pの厚さに相当する量である。このときの賞品Pの厚さは、例えば3mmである。開始位置P1から最大下降量L1だけ下降した移動部54の位置を、最大下降位置MP1とする。この場合、最大下降位置MP1に移動部54が配置された状態において、移動部54の受取部55上に積層される賞品Pの数は10個である。そのため、下収納部12Aについての受取処理において、各受取部55が下収納部12Aから受け取ることができる賞品Pの上限数(以下、「第1の上限数」という場合がある)は10個であり、移動部54が下収納部12Aから受け取ることができる賞品Pの上限数は、第1の上限数と、移動部54における受取部55の個数との積である50個である。この50個は、賞品払出装置1と同タイプの賞品払出装置の収納部(収納部12に相当)において、移動部54によって受け取られる賞品Pの上限数として、一般的に設定される値である。
【0094】
下収納部12Aは、複数の収納部12のうち最下位の収納部であり、内部空間13Cの下部に配置されている。内部空間13Cの下端を区画する下壁13Eが存在するために、下収納部12Aについての移動部54の最大下降量L1をそれほど大きく設定できない。最大下降位置MP1は、待機位置(図8に示す移動部54の位置)と略同等の高さであってもよい。
【0095】
図15に示すように、中収納部12Bについての移動部54の最大下降量L2は、11個の賞品Pの厚さに相当する量である。開始位置P2から最大下降量L2だけ下降した移動部54の位置を、最大下降位置MP2とする。この場合、最大下降位置MP2に移動部54が配置された状態において、移動部54の受取部55上に積層される賞品Pの数は12個である。そのため、中収納部12Bについての受取処理において、各受取部55が中収納部12Bから受け取ることができる賞品Pの上限数(以下、「第2の上限数」という場合がある)は12個である。そして、移動部54が中収納部12Bから受け取ることができる賞品Pの上限数は、第2の上限数と、移動部54における受取部55の個数との積である60個である。中収納部12Bについての受取処理では、下収納部12Aについての受取処理と比較して、移動部54が受け取ることができる賞品Pの上限数を20%増やすことができる。
【0096】
図15に括弧書きで示すように、上収納部12Cについての移動部54の最大下降量L3は、11個の賞品Pの厚さに相当する量である。開始位置P3から最大下降量L3だけ下降した移動部54の位置を、最大下降位置MP3とする。この場合、最大下降位置MP3に移動部54が配置された状態において、移動部54の受取部55上に積層される賞品Pの数は12個である。そのため、上収納部12Cについての受取処理において、各受取部55が上収納部12Cから受け取ることができる賞品Pの上限数(第2の上限数)は12個である。そして、移動部54が上収納部12Cから受け取ることができる賞品Pの上限数は、第2の上限数と、移動部54における受取部55の個数との積である60個である。上収納部12Cについての受取処理では、下収納部12Aについての受取処理と比較して、移動部54が受け取ることができる賞品Pの上限数を20%増やすことができる。
【0097】
中収納部12B及び上収納部12Cについての受取処理では、移動部54の配置位置は、内部空間13Cの下端から大きく上方に退避している。そのため、開始位置P2からの最大下降量L2及び開始位置P3からの最大下降量L3のそれぞれを大きく設定しても、移動部54が下壁13Eに干渉するおそれはない。
【0098】
5個の受取部55がそれぞれ払出区画13DA~13DE(図1参照)に対応しているため、移動部54の受取部55上に積層されている賞品Pが、仕切壁56を乗り越えて隣の受取部55に移動するのは望ましくない。受取部55上に積層される賞品Pの数が13個以上になると、最上位の賞品Pが仕切壁56を乗り越えて隣の受取部55上の領域に移動するおそれがある。そのため、この実施形態では、中収納部12B及び上収納部12Cについての受取処理では、受取部55上に積層される賞品Pの上限数(第2の上限数)を12個にしている。
【0099】
図16及び図17は、移動部54上に積層される賞品Pの積層パターンを示す図である。図18は、繰出払出処理により払い出される賞品Pの払出パターンの例を示す図である。図16図18において、「大」と記された賞品Pは大賞品を指し、「中」と記された賞品Pは中賞品を指し、「小」と記された賞品Pは小賞品を指している。
【0100】
例えば、払出制御部61Bに送信される払出要求の内容が、大賞品、中賞品及び小賞品がそれぞれ50個、4個及び1個である場合を例に挙げて、繰出払出処理について説明する。この場合において、払出制御部61Bが決定する払出パターンの一例を図18に示す。この払出パターンでは、払出区画13DA及び払出区画13DBにおいて、10個の大賞品が積層されかつ大賞品の上に2個の中賞品が積層され、払出区画13DCにおいて、10個の大賞品が積層されかつ大賞品の上に1個の小賞品が配置される。また、払出区画13DD及び払出区画13DEにおいて、10個の大賞品のみが積層され、大賞品の上に中賞品及び小賞品は配置されない。
【0101】
図18に示す払出パターンに対応する繰出払出処理では、移動部54は、下収納部12A、中収納部12B及び上収納部12Cから順に賞品Pを受け取り、その後、払出口13Bまで上昇する。まず、移動部54が、下収納部12Aから賞品P(大賞品)を受け取る。前述のように、下収納部12Aから各受取部55が受け取る賞品Pの上限数は10個であり、下収納部12Aから移動部54が受け取る賞品Pの上限数は50個である。そのため、図16に示すように、5つの受取部55に10個ずつ合計50個の賞品P(大賞品)が、移動部54によって受け取られる。
【0102】
次に、移動部54によって中収納部12Bから賞品P(中賞品)を受け取る。前述のように、払出制御部61Bは、中収納部12Bについての移動部54の最大下降量L2を、下収納部12Aについての移動部54の最大下降量L1よりも大きな量にする。この場合、中収納部12Bから各受取部55が受け取る賞品Pの上限数は12個であり、移動部54の5つの受取部55は、いずれも賞品Pを2個ずつ受け取り可能である。払出制御部61Bは、中収納部12Bの繰出部42によって4個の賞品P(中賞品)を繰り出させ、移動部54を下降させて受取部55A及び受取部55Bに賞品P(中賞品)を2個ずつ受け取らせる。これにより、図17に示すように、受取部55A及び受取部55B上に積層されている10個の賞品Pの上に、さらに2個の賞品P(中賞品)が積層される。
【0103】
次に、払出制御部61Bが、移動部54によって上収納部12Cから賞品P(小賞品)を受け取る。前述のように、払出制御部61Bは、上収納部12Cについての移動部54の最大下降量L3を、下収納部12Aについての移動部54の最大下降量L1よりも大きな量にする。この場合、上収納部12Cから各受取部55が受け取る賞品Pの上限数は12個であり、移動部54の3つの受取部55C,55D,55Eは、いずれも賞品Pを2個ずつ受け取り可能である。払出制御部61Bは、上収納部12Cの繰出部42によって1個の賞品P(小賞品)を繰り出させ、移動部54を下降させて受取部55Cによって賞品P(小賞品)を1個受け取る。これにより、受取部55C上に積層されている10個の賞品Pの上に、さらに1個の賞品P(小賞品)が配置される。ゆえに、図18に示すように、合計55個の賞品P(50個の大賞品、4個の中賞品及び1個の小賞品)を、払出口13Bから一度に払い出すことができる。
【0104】
仮に、中収納部12B及び上収納部12Cから各受取部55が受け取る賞品Pの上限数を、下収納部12Aから受け取る場合と同様の10個とすると、1回の払出繰出処理によって50個の賞品Pしか払出口13Bに払い出せない。この場合、上記の払出要求に対しては、50個の賞品P(大賞品)を払い出す繰出払出処理と、5個の賞品P(中賞品及び小賞品)を払い出す繰出払出処理との2回に分けて払い出す必要がある。
【0105】
以上によりこの実施形態では、中収納部12Bについての移動部54の最大下降量L2が、下収納部12Aについての移動部54の最大下降量L1よりも大きい。また、上収納部12Cについての移動部54の最大下降量L3が、下収納部12Aについての移動部54の最大下降量L1よりも大きい。そのため、中収納部12B及び上収納部12Cについての受取処理の際に移動部54が収納部12から受け取る賞品Pの上限数(例えば60個)が、下収納部12Aについての受取処理の際に移動部54が収納部12から受け取る賞品Pの上限数(例えば50個)よりも大きい。中収納部12B及び上収納部12Cから移動部54が賞品Pを受け取る場合には、一回の繰出払出処理において、より多い数の賞品Pを移動部54が収納部12から受け取ることができる。これにより、より多い数の賞品Pを払出口13Bから一度に払い出すことができる。
【0106】
また、中収納部12Bについての移動部54の最大下降量L2及び下収納部12Cについての移動部54の最大下降量L3を大きく設定するために、移動部54の構成を特殊な構成にしたり、内部空間13Cの上下高さを大きく確保したりする必要はない。そのため、賞品払出装置1の各部の構成に大きな変更を加えることなく、より多い数の賞品Pを払出口13Bから一度に払い出すことができる。
【0107】
また、払出口13Bから一度に払い出し可能な賞品Pの数が増えることで、1回の払出繰出処理で取引を完了できる確率が高まる。これにより、多数の賞品Pの払い出しを必要とする取引において、払出繰出処理の回数を増やすことなく賞品Pを払い出すことができる。
【0108】
また、中収納部12B及び上収納部12Cから移動部54が賞品Pを受け取る場合には、下収納部12Aから移動部54が賞品Pを受け取る場合(例えば10個)に比べ、より多い数(例えば12個)の賞品Pを払出区画13Dに払い出すことができる。そして、払出パターンにおいて決定される払出先が最少の払出区画13Dによって構成される場合、払い出される賞品Pが、特定の払出区画13Dに集約される。これにより、特定の払出区画13Dに、より多い数(例えば12個)の賞品Pが積層される。この場合、遊技客は、払出先に払い出された賞品Pを、手間をかけずに受け取ることができる。また、通い箱5の特定の各収容空間24から順に空になり易い。空になり易い各収容空間24を特定できるので、通い箱5への賞品Pの補充を容易に行うことができる。
【0109】
例えば、厚さが3mmの賞品Pの場合には、前述のように、第1の上限数及び第2の上限数はそれぞれ10個及び12個であるが、賞品Pの厚みが例えば半分の1.5mmである場合、第1の上限数及び第2の上限数は、例えば、それぞれ20個及び24個である。第1の上限数及び第2の上限数として、他の数値が設定されていてもよい。第1の上限数及び第2の上限数は、仕切壁56の高さの他、賞品Pの取り出し易さを考慮して設定される。
【0110】
賞品払出装置1において、払出繰出処理中に、表示操作部4にCMが表示されてもよい。図19は、賞品払出装置1における取引処理の一例を示すフローチャートである。POSユニット2の記憶部67には、複数のCM動画のデータが記憶されている。これら複数のCM動画は、10秒用のCM、15秒用のCM、20秒用のCM、25秒用のCM、・・・というように、再生時間の長さが異なるCMパターンとなっている。
【0111】
前述したように遊技客がPOSユニット2のカード出入口2A(図1参照)にカードを挿入してPOS制御部61Aが遊技媒体の数等を読み取ると(ステップS1にてYES)、POS制御部61Aは、遊技客による賞品Pの選択を待機する(ステップS2)。遊技客が表示操作部4を操作することによって賞品Pを選択すると(ステップS2にてYES)、POS制御部61Aは、払出情報を生成した後に、生成後の払出情報に基づいた払出要求を払出制御部61Bに送信する(ステップS3)。
【0112】
装置本体3の払出制御部61Bは、払出要求を受信すると(ステップS4にてYES)、記憶部65を参照して、在庫データを確認する。払出制御部61Bは、在庫データに応じて払出パターンを作成する。さらに、払出制御部61Bは、この払出パターンに対応する払出繰出処理に必要な処理時間(以下、「払出処理時間」という)を演算によって求める(ステップS5)。具体的には、払出制御部61Bは、この払出パターンに対応する払出繰出処理で実行される動作のリスト情報を作成し、このリスト情報に基づいて、払出処理時間を演算によって求める。具体的には、リスト情報には、いずれの収納部12から賞品Pをいくつ繰り出すのか、どの払出区画13Dにいくつ払い出すのか、移動部54の昇降回数、移動部54による複数の収納部12の受け取り順序などが記載されている。
【0113】
そして、払出制御部61Bは、演算によって求めた払出処理時間を、POSユニット2に通知し(ステップS6)、かつ装置本体3において払出繰出処理を開始する(ステップS7)。
【0114】
POSユニット2のPOS制御部61Aは、払出処理時間の通知を受信すると(ステップS8)、記憶部67に記憶されているCM動画のデータから、この払出処理時間に最も近い一のCM動画(CMパターン)のデータを選択する(ステップS9)。そして、POS制御部61Aは、このCM動画のデータに基づいて、表示操作部4にCM動画を再生表示する(ステップS10)。払出処理時間に近い長さのCM画像が表示操作部4に表示されるので、表示操作部4に表示されるCM画像の表示の終了タイミングと、装置本体3における繰出払出処理の完了タイミングとは概ね近い。
【0115】
装置本体3において繰出払出処理が無事完了すると、払出制御部61Bは、完了報告をPOS制御部61Aに通知する(ステップS11)。POS制御部61Aが完了報告を受信すると(ステップS12)、今回の取引が終了し、賞品払出装置1が待機状態に戻る。
【0116】
図19に示す例では、払出繰出処理中に表示操作部4にCM画像が表示されるので、賞品Pの払い出しの待ち時間を有効活用できる。また、表示操作部4にCMが表示されるために、賞品Pの払い出しの待ち時間から遊技客の注意を逸らすことができる。これにより、遊技客の満足度の向上を図れる。また、賞品Pの払い出しに近いタイミングでCM画像の表示が終了するので、知らせたい内容を漏れなく遊技客に伝えることができる。
【0117】
記憶部67には、再生時間の長さ毎にCM動画が複数種類用意されていることが望ましい。この場合、セルフタイプ用のCM動画と、遊技店の店員により操作される店員タイプ用のCM動画とが記憶部67に記憶されていて、賞品払出装置1がいずれのタイプとして用いられるかに基づいて、POS制御部61Aが表示されるCM動画の表示内容を切り換えてもよい。また、朝、昼及び夜といった時間帯に応じて、POS制御部61Aが表示されるCM動画の表示内容を切り換えてもよい。
【0118】
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。また、以上に説明した様々な特徴は、適宜組み合わせることができる。
【0119】
例えば、最大下降量について、上側の収納部である中収納部12B及び上収納部12Cの最大下降量L2,L3を互いに同じ量としたが、最大下降量L2,L3が互いに異なる量であってもよい。
【0120】
また、受取処理の際に移動部54が受け取る賞品Pの上限数の少ない収納部(第1の収納部)を、最下位の収納部である下収納部12Aとしたが、上位側の収納部である中収納部12B及び上収納部12Cの少なくとも一方としてもよい。この場合、この収納部(第1の収納部)以外を除く収納部が、受取処理の際に移動部54が受け取る賞品Pの上限数の多い収納部(第2の収納部)である。
【0121】
また、賞品払出装置1が、筐体11の内部に3つの収納部12を収容するものであるとしたが、各筐体11の内部に収容される収納部12の数は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0122】
また、賞品払出装置1に含まれる複数の収納部12が、上下方向Zに並んで配置される構成に限られず、左右方向Xに並んで配置される構成であってもよい。
【0123】
また、この実施形態における制御部61は、POSユニット2に含まれるPOS制御部61Aと、装置本体3に含まれる払出制御部61Bとに分かれているが、1つの制御部61がPOS制御部61A及び払出制御部61Bの両方を兼ねてもよい。また、例えば、この実施形態ではPOSユニット2と装置本体3とがセットになることによって賞品払出装置1を構成しているが、POSユニット2は、装置本体3から離間して配置された装置であってもよい。
【符号の説明】
【0124】
1 :賞品払出装置
3 :装置本体
12 :収納部
12A :下収納部(第1の収納部、最下位の収納部)
12B :中収納部(第2の収納部、上側の収納部)
12C :上収納部(第2の収納部、上側の収納部)
13B :払出口
54 :移動部
61B :払出制御部(制御部)
62 :カード処理部
L1,L2,L3:最大下降量
P :賞品
P1,P2,P3:開始位置
Z :上下方向
Z1 :上側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19