(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-05
(45)【発行日】2026-01-14
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20260106BHJP
F21S 41/148 20180101ALI20260106BHJP
F21S 41/32 20180101ALI20260106BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20260106BHJP
F21S 45/00 20180101ALI20260106BHJP
B60Q 1/00 20060101ALI20260106BHJP
F21V 7/06 20060101ALI20260106BHJP
F21S 41/33 20180101ALI20260106BHJP
F21V 7/09 20060101ALI20260106BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20260106BHJP
B60Q 1/04 20060101ALI20260106BHJP
G01S 17/931 20200101ALI20260106BHJP
G01S 17/42 20060101ALI20260106BHJP
F21W 102/155 20180101ALN20260106BHJP
F21W 102/20 20180101ALN20260106BHJP
F21W 102/165 20180101ALN20260106BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20260106BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
F21S41/148
F21S41/32
F21V23/00 110
F21S45/00
B60Q1/00 C
F21V7/06 100
F21S41/33
F21V7/09 300
F21V33/00 400
B60Q1/04
G01S17/931
G01S17/42
F21W102:155
F21W102:20
F21W102:165
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2022038209
(22)【出願日】2022-03-11
【審査請求日】2025-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】河田 任史
(72)【発明者】
【氏名】印丸 純平
(72)【発明者】
【氏名】安藤 純
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第113433567(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110094692(CN,A)
【文献】特開2009-018726(JP,A)
【文献】特開2002-236178(JP,A)
【文献】国際公開第2013/132530(WO,A1)
【文献】特開2019-102380(JP,A)
【文献】特開2019-071204(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3812209(EP,A1)
【文献】国際公開第2019/021693(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/137908(WO,A1)
【文献】特開2019-003866(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102014221389(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51,
G01S 17/00-17/95,
F21S 41/148,41/32,41/33,45/00,
F21V 7/06,7/09,23/00,33/00,
B60Q 1/00,1/04,
F21W 102:155,102:165,102:20,
F21Y 115:10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光を発光する第1光源と、
前記第1光源が発光する可視光を反射して車両用灯具用の配光パターンを形成するように設計された反射面と、
第1検出範囲に送信される検出対象検出用の光を発光する第2光源と、検出対象で反射された前記検出対象検出用の光の反射光である戻り光が入射した場合、当該戻り光の強度に応じた電気信号を出力する受光素子と、を有するLiDAR装置と、を備え、
前記LiDAR装置は、前記第2光源が発光し前記反射面で反射される前記検出対象検出用の光が前記第1検出範囲より広い第2検出範囲に送信されるように配置されて
おり、
前記反射面は、前記第1光源が発光する可視光を反射して水平方向に拡散されたワイド配光パターンを形成するように設計されたワイド配光パターン用反射面である車両用灯具。
【請求項2】
前記LiDAR装置は、前記検出対象検出用の光が前記第1検出範囲を走査するように前記検出対象検出用の光を反射するMEMSミラーを備えている請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記反射面の縦断面形状は概ね放物面で、その焦点は、前記第1光源近傍に位置しており、
前記反射面の横断面形状は、当該反射面により反射された前記第1光源が発光した可視光が水平方向に拡散するように設計されている請求項
1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記反射面の横断面形状の曲率半径は、前記反射面の縦断面形状の曲率半径より大きい請求項
3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記LiDAR装置は、前記反射面の前方に配置されている請求項1から
4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記LiDAR装置は、前記反射面の後方に配置されている請求項1から
4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記LiDAR装置と前記反射面との間には、前記第2光源が発光する前記検出対象検出用の光を前記反射面に向けて反射する反射部材が設けられている請求項
6に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記反射部材は、ミラー又はプリズムである請求項
7に記載の車両用灯具。
【請求項9】
前記反射部材は、楕円反射面であり、
前記楕円反射面で反射した光はクロスして前記反射面に向かう請求項
7に記載の車両用灯具。
【請求項10】
前記受光素子が出力する電気信号に基づき、検出対象までの距離を算出し、前記検出対象の角度及び前記検出対象までの距離を出力する信号処理部と、
補正データが記憶された記憶部と、
前記補正データに基づき、前記信号処理部が出力する前記検出対象の角度を補正する補正部と、をさらに備える請求項1から
9のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項11】
可視光を発光する第1光源と、
前記第1光源が発光する可視光を反射して車両用灯具用の配光パターンを形成するように設計された反射面と、
第1検出範囲に送信される検出対象検出用の光を発光する第2光源と、検出対象で反射された前記検出対象検出用の光の反射光である戻り光が入射した場合、当該戻り光の強度に応じた電気信号を出力する受光素子と、を有するLiDAR装置と、を備え、
前記LiDAR装置は、前記第2光源が発光し前記反射面で反射される前記検出対象検出用の光が前記第1検出範囲より広い第2検出範囲に送信されるように配置されており、(補正根拠:旧請求項1)
前記反射面は、当該反射面を区画することにより形成された複数の反射領域を含み、
各々の前記反射領域は、当該反射領域により反射される前記第1光源が発光した可視光が水平方向に拡散して前記車両用灯具用の配光パターンを形成するように凸面又は凹面として設計されている車両用灯具。
【請求項12】
光源制御データが記憶された記憶部と、
前記光源制御データに基づき、特定の角度方向に前記検出対象検出用の光が送信されないように前記第2光源を制御する光源制御部と、をさらに備え、
前記特定の角度方向は、前記反射領域間の境界部分に向かう角度方向である請求項
11に記載の車両用灯具。
【請求項13】
前記LiDAR装置は、前記反射面の前方または後方に配置されている請求項1から9のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用灯具に関し、特に、LiDAR装置から送信される検出対象(例えば、先行車、対向車、歩行者、自転車、自動二輪車)検出用の光(及びその戻り光)を反射する反射板(反射面)を設置するスペースが不要で、小型化が可能な車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両外部から視認不可能に設けられたLiDAR装置、このLiDAR装置から送信される検出対象(例えば、先行車、対向車、歩行者、自転車、自動二輪車)検出用の光(及びその戻り光)を反射する反射板(反射面)を備えた車両用灯具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用灯具においては、LiDAR装置から送信される検出対象(例えば、先行車、対向車、歩行者、自転車、自動二輪車)検出用の光(及びその戻り光)を反射する専用の反射板(反射面)を設置しなければならず、その分、部品点数が増加し、コストアップの要因となるという問題がある。また、専用の反射板(反射面)の設置スペースを確保しなければならず、車両用灯具の小型化が難しいという問題もある。
【0005】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、検出対象(例えば、先行車、対向車、歩行者、自転車、自動二輪車)検出用の光(及びその戻り光)専用の反射板(反射面)及びその設置スペースが不要で、小型化が可能な車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる車両用灯具は、可視光を発光する第1光源と、前記第1光源が発光する可視光を反射して車両用灯具用の配光パターンを形成するように設計された反射面と、第1検出範囲に送信される検出対象検出用の光を発光する第2光源と、検出対象で反射された前記検出対象検出用の光の反射光である戻り光が入射した場合、当該戻り光の強度に応じた電気信号を出力する受光素子と、を有するLiDAR装置と、を備え、前記LiDAR装置は、前記第2光源が発光し前記反射面で反射される前記検出対象検出用の光が前記第1検出範囲より広い第2検出範囲に送信されるように配置されている。
【0007】
このような構成により、LiDAR装置から送信される検出対象(例えば、先行車、対向車、歩行者、自転車、自動二輪車)検出用の光(及びその戻り光)専用の反射板(反射面)及びその設置スペースが不要で、小型化が可能な車両用灯具を提供することができる。
【0008】
これは、上記特許文献1のように、LiDAR装置から送信される検出対象検出用の光(及びその戻り光)専用の反射板(反射面)を設置するのではなく、車両用灯具用の配光パターンを形成するように設計された反射面を、LiDAR装置から送信される検出対象検出用の光(及びその戻り光)を反射する反射面として用いたことによるものである。
【0009】
また、LiDAR装置は、第2光源が発光し反射面で反射される検出対象検出用の光が第1検出範囲(LiDAR装置が本来有する検出範囲)より広い第2検出範囲に送信されるように配置されているため、LiDAR装置が本来有する検出範囲を第2検出範囲に拡大(特に、水平方向に拡大)することができる。
【0010】
上記車両用灯具において、前記LiDAR装置は、前記検出対象検出用の光が前記第1検出範囲を走査するように前記検出対象検出用の光を反射するMEMSミラーを備えていてもよい。
【0011】
また、上記車両用灯具において、前記反射面は、前記第1光源が発光する可視光を反射して水平方向に拡散されたワイド配光パターンを形成するように設計されたワイド配光パターン用反射面であってもよい。
【0012】
また、上記車両用灯具において、前記反射面の縦断面形状は概ね放物面で、その焦点は、前記第1光源近傍に位置しており、前記反射面の横断面形状は、当該反射面により反射された前記第1光源が発光した可視光が水平方向に拡散するように設計されていてもよい。
【0013】
また、上記車両用灯具において、前記反射面の横断面形状の曲率半径は、前記反射面の縦断面形状の曲率半径より大きくてもよい。
【0014】
また、上記車両用灯具において、前記反射面は、当該反射面を区画することにより形成された複数の反射領域を含み、各々の前記反射領域は、当該反射領域により反射される前記第1光源が発光した可視光が水平方向に拡散して前記車両用灯具用の配光パターンを形成するように凸面又は凹面として設計されていてもよい。
【0015】
また、上記車両用灯具において、光源制御データが記憶された記憶部と、前記光源制御データに基づき、特定の角度方向に前記検出対象検出用の光が送信されないように前記第2光源を制御する光源制御部と、をさらに備え、前記特定の角度方向は、前記反射領域間の境界部分に向かう角度方向であってもよい。
【0016】
また、上記車両用灯具において、前記LiDAR装置は、前記反射面の前方に配置されていてもよい。
【0017】
また、上記車両用灯具において、前記LiDAR装置は、前記反射面の後方に配置されていてもよい。
【0018】
また、上記車両用灯具において、前記LiDAR装置と前記反射面との間には、前記第2光源が発光する前記検出対象検出用の光を前記反射面に向けて反射する反射部材が設けられていてもよい。
【0019】
また、上記車両用灯具において、前記反射部材は、ミラー又はプリズムであってもよい。
【0020】
また、上記車両用灯具において、前記反射部材は、楕円反射面であり、前記楕円反射面で反射した光はクロス(前記楕円反射面で反射され集光した光が前記楕円反射面と前記反射面との間に設置した焦点付近で交差し拡散光となることを指す。必ずしも焦点を通る必要なく、光が交差する程度でもよい)して前記反射面に向かってもよい。
【0021】
また、上記車両用灯具において、前記受光素子が出力する電気信号に基づき、検出対象までの距離を算出し、前記検出対象の角度及び前記検出対象までの距離を出力する信号処理部と、補正データが記憶された記憶部と、前記補正データに基づき、前記信号処理部が出力する前記検出対象の角度を補正する補正部と、をさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本開示により、検出対象(例えば、先行車、対向車、歩行者、自転車、自動二輪車)検出用の光(及びその戻り光)専用の反射板(反射面)及びその設置スペースが不要で、小型化が可能な車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態の車両用灯具10の正面図である。
【
図2】(a)スポット配光用の灯具ユニット10Aにより形成されるスポット配光パターンP
10Aの一例、(b)ミドル配光用の灯具ユニット10Bにより形成されるミドル配光パターンP
10Bの一例、(c)ワイド配光用の灯具ユニット10C1により形成されるワイド配光パターンP
10Cの一例、(d)ロービーム用配光パターンP
Loの一例である。
【
図3】(a)
図1のA-A断面図(概略図)、(b)ワイド配光用の灯具ユニット10C1の上面図(概略図)である(アウターレンズ60及びハウジング70省略)。
【
図4】(a)LiDAR装置50自体(本来)の検出範囲(第1検出範囲A1)の一例、(b)第1検出範囲A1より広い第2検出範囲A2の一例である。
【
図5】LiDAR装置50の機能ブロック図である。
【
図6】ワイド配光用の灯具ユニット10C1(LiDAR装置50)の動作例のフローチャートである。
【
図7】(a)第2実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C2の上面図、(b)第2実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C2(変形例)の上面図である(アウターレンズ60及びハウジング70省略)。
【
図8】(a)複数の反射領域31bを形成した場合の問題点について説明する図、(b)複数の反射領域31bを形成した場合の問題点を解消する方法について説明する図である。
【
図9】第3実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C3の側面図である(アウターレンズ60及びハウジング70省略)。
【
図10】第4実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C4の側面図である(アウターレンズ60及びハウジング70省略)。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
以下、本開示の第1実施形態である車両用灯具10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0025】
図1は、第1実施形態の車両用灯具10の正面図である。
【0026】
第1実施形態の車両用灯具10は、ロービーム用のヘッドランプとして機能する、LiDAR(Light Detection And Ranging)装置内蔵型前照灯で、自動車等の車両(図示せず)の前端部の左右両側にそれぞれ搭載される。左右両側に搭載される車両用灯具10は左右対称の構成であるため、以下、代表して、車両の前端部の左側(車両前方に向かって左側)に搭載される車両用灯具10について説明する。
【0027】
図1に示すように、車両用灯具10は、スポット配光用の灯具ユニット10A、ミドル配光用の灯具ユニット10B、ワイド配光用の灯具ユニット10C1を備えている。
【0028】
図2(a)はスポット配光用の灯具ユニット10Aにより形成されるスポット配光パターンP
10Aの一例、
図2(b)はミドル配光用の灯具ユニット10Bにより形成されるミドル配光パターンP
10Bの一例、
図2(c)はワイド配光用の灯具ユニット10C1により形成されるワイド配光パターンP
10Cの一例、
図2(d)はロービーム用配光パターンP
Loの一例である。
図2(a)~
図2(d)に示す各配光パターンP
10A~P
10C、P
Loは、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に形成される。ロービーム用配光パターンP
Loは、スポット配光パターンP
10A、ミドル配光パターンP
10B及びワイド配光パターンP
10Cが互いに重畳されることにより形成される。
【0029】
以下、ワイド配光用の灯具ユニット10C1について説明する。
【0030】
図3(a)は
図1のA-A断面図(概略図)、
図3(b)はワイド配光用の灯具ユニット10C1の上面図(概略図)である(アウターレンズ60及びハウジング70省略)。
【0031】
図3(a)、
図3(b)に示すように、ワイド配光用の灯具ユニット10C1は、LiDAR装置50内蔵型の灯具ユニットである。なお、LiDAR装置50は、ワイド配光用の灯具ユニット10C1にのみ内蔵されており、スポット配光用の灯具ユニット10A及びミドル配光用の灯具ユニット10Bに内蔵されていない。
【0032】
ワイド配光用の灯具ユニット10C1は、第1光源20、リフレクタ30、ヒートシンク40、LiDAR装置50(LiDARユニット又はLiDARモジュール)を備えている。ワイド配光用の灯具ユニット10C1は、アウターレンズ60とハウジング70とによって構成される灯室80内に配置され、ハウジング70等に固定されている。なお、
図3(a)中、符号90が示すのはエクステンションである。エクステンション90は、外部から視認されないように車両用灯具10の内部構造(LiDAR装置50等)を覆い隠すための装飾部材である。
【0033】
第1光源20は、可視光(例えば、白色光)を発光する光源である。具体的には、第1光源20は、基板に実装されたLED等の半導体発光素子である。第1光源20は、発光面を備えている。発光面は、例えば、1mm角の矩形の発光面である。第1光源20が実装された基板は、発光面が上を向いた状態でヒートシンク40に固定されている。以下、第1光源20が発光する可視光を光Ray1と呼ぶ。
【0034】
リフレクタ30は、反射面31を含む。反射面31は、例えば、回転放物面系の反射面で、熱硬化性樹脂であるバルクモールディングコンパウンド(BMC)により成形されるリフレクタ基材に対してアルミ蒸着等を施すことにより形成される。反射面31は、第1光源20が発光する光Ray1を反射してワイド配光パターンP
10C(
図2(c)参照)を形成するように設計されたワイド配光パターン用反射面である。ワイド配光パターンP
10Cは、本開示の車両用灯具用の配光パターンの一例である。
【0035】
具体的には、反射面31の縦断面形状は概ね放物面で、その焦点F31は、第1光源20近傍に位置している。一方、反射面31の横断面形状は、放物面ではなく、当該反射面31により反射された光Ray1が水平方向に拡散(例えば、左65°~右65°の範囲に拡散)するように設計されている。例えば、反射面31の横断面形状の曲率半径は、反射面31の縦断面形状の曲率半径より大きくなるように設計されている。
【0036】
これにより、反射面31で反射された光Ray1は、主に水平方向に拡散される光として前方に照射される(
図3(b)参照)。上記構成の反射面31により、
図2(c)に示すように、水平方向に拡散(例えば、左65°~右65°の範囲に拡散)するワイド配光パターンP
10Cが形成される。
【0037】
ヒートシンク40は、ベース及び放熱フィンを含んでいる。なお、放熱フィンは、省略される場合がある。ヒートシンク40(ベース)には、第1光源20が実装された基板及びLiDAR装置50が固定されている。
【0038】
LiDAR装置50は、第1測定範囲A1(LiDAR装置50が本来有する検出範囲。
図4(a)参照)に検出対象(例えば、先行車、対向車、歩行者、自転車、自動二輪車)検出用の光であるレーザー光を送信(照射)する機能、検出対象で反射されたレーザー光の反射光である戻り光を受信する機能、及び、レーザー光を送信してから戻り光を受信するまでの時間に基づき、測定対象までの距離を測定する機能を有する。
図3(a)、
図3(b)に示すように、LiDAR装置50は、第2光源51、ビームスプリッター52、光偏向器53(MEMSミラー53a)、受光素子54、及びこれらを収容するケース55を備えている。なお、第2光源51とビームスプリッター52との間に、第2光源51が発光するレーザー光を集光する(コリメートする)レンズを設けてもよい。ケース55には、第2光源51が発光するレーザー光及びその戻り光が通過する開口部55aが形成されている。LiDAR装置50としては、例えば、国際公開第2020/145095号に記載のものを用いることができる。
【0039】
第2光源51は、レーザー光を発光するレーザーダイオード(LD:Laser Diode)等の半導体発光素子である。第2光源51が発光するレーザー光は、後述のように第1検出範囲A1(LiDAR装置50が本来有する検出範囲。
図4(a)参照)に送信(照射)される(第1検出範囲A1を走査する)検出対象検出用の光の一例である。以下、第2光源51が発光するレーザー光をレーザー光Ray2と呼ぶ。また、検出対象で反射されたレーザー光Ray2の反射光である戻り光を戻り光Ray3と呼ぶ。第2光源51の発光波長は、例えば、905~1500nmである。第2光源51は、光源制御部50aからの制御に従いレーザー光Ray2を発光(パルス状に発光)する。
【0040】
第2光源51が発光したレーザー光Ray2は、ビームスプリッター52を透過し、光偏向器53(MEMSミラー53a)に入射する。
【0041】
光偏向器53は、レーザー光Ray2が第1検出範囲A1(
図4(a)参照)を二次元的に(水平方向及び垂直方向に)走査するようにレーザー光Ray2を反射するMEMSミラー53aを備えている。MEMSミラー53aは、当該MEMSミラー53aに入射し反射されるレーザー光Ray2が第1検出範囲A1(
図4(a)参照)を二次元的に(水平方向及び垂直方向に)走査するように、後述するミラー制御部50bからの制御に従い互いに直交する二軸(例えば、水平軸及び垂直軸)を中心に揺動される。
【0042】
これにより、第2光源51が発光し、ビームスプリッター52を透過し、光偏向器53(MEMSミラー53a)に入射したレーザー光Ray2は、第1検出範囲A1(
図4(a)参照)に送信(照射)される(第1検出範囲A1を二次元的に走査する)。
【0043】
第1検出範囲A1は、LiDAR装置50が本来有する検出範囲で、水平方向の広がり角がθH1(水平方向視野角)及び垂直方向の広がり角がθV1(水平方向視野角)の範囲である。例えば、角度θH1は20~30°、角度θV1は1~10°である。また、例えば、水平方向分解能は0.5°、垂直方向分解能は0.5°、検出(測定)距離は、100~200mである。
【0044】
検出対象で反射されたレーザー光Ray2の反射光である戻り光Ray3は、レーザー光Ray2と同一の光路を通ってLiDAR装置50に戻り、ビームスプリッター52により受光素子54側に分割(反射)され受光素子54に入射する。なお、
図3(a)、
図3(b)等においては、戻り光Ray3は、分かりやすくするためレーザー光Ray2からずれた点線の矢印で描いているが、実際には、戻り光Ray3の光路とレーザー光Ray2の光路は一致している。
【0045】
受光素子54は、検出対象で反射されたレーザー光Ray2の反射光である戻り光Ray3が入射した場合、当該戻り光Ray3の強度に応じた電気信号を出力する。受光素子54は、例えば、フォトダイオード、SPAD(Single Photon Avalanche Diode)である。受光素子54が出力する電気信号は、後述する信号処理部50cに入力される。
【0046】
上記構成のLiDAR装置50(ケース55)は、放熱性向上のため、例えば、第1光源20が実装された基板が固定されているヒートシンク40に固定されている。その際、LiDAR装置50は、第2光源51が発光し反射面31で反射されるレーザー光Ray2の出射角度(特に、水平方向の出射角度)が大きくなり、当該レーザー光Ray2が第1検出範囲A1(LiDAR装置50が本来有する検出範囲。
図4(a)参照)より広い第2検出範囲A2(
図4(b)参照)に送信(照射)されるように(第2検出範囲A2を二次元的に走査するように)反射面31との間の距離及び反射面31に対する向き等を考慮して配置されている。
【0047】
第2検出範囲A2は、水平方向の広がり角がθH2(水平方向視野角)及び垂直方向の広がり角がθV2(水平方向視野角)の範囲である。例えば、角度θH2は90~120°、角度θV2は1~10°である。なお、LiDAR装置50は、ヒートシンク40とは別体のヒートシンク等に固定してもよい。
【0048】
上記構成のワイド配光用の灯具ユニット10C1においては、第2光源51が発光したレーザー光Ray2は、ビームスプリッター52を透過し、光偏向器53(MEMSミラー53a)で反射され、さらに反射面31で反射されることにより、出射角度(特に、水平方向の出射角度)が大きくなり、第1検出範囲A1(LiDAR装置50が本来有する検出範囲。
図4(a)参照)より広い第2検出範囲A2(
図4(b)参照)に送信(照射)される(第2検出範囲A2を二次元的に走査する)。
【0049】
なお、LiDAR装置50は、MEMSミラー53aの揺動中心F
53a(仮焦点)と反射面31の焦点F
31との間の距離ができる限り短くなるように配置することにより、水平方向の広がり角θ
H2(
図4(b)参照)を大きくすることができる。なお、LiDAR装置50は、反射面31で反射され第2検出範囲A2(
図4(b)参照)に送信される(第2検出範囲A2を二次元的に走査する)レーザー光Ray2がワイド配光用の灯具ユニット10C1近傍で集光した後に水平方向に拡散するように、MEMSミラー53aの揺動中心F
53a(仮焦点)と反射面31の焦点F
31とを極端に離した状態で配置することによっても、水平方向の広がり角θ
H2(
図4(b)参照)を大きくすることができる。
【0050】
次に、LiDAR装置50の機能について説明する。
【0051】
図5は、LiDAR装置50の機能ブロック図である。
【0052】
図5に示すように、LiDAR装置50は、制御部56、メモリ57、記憶部58を備えている。制御部56は、例えば、プロセッサ(図示せず)を備えている。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサは、1つの場合もあるし、複数の場合もある。プロセッサは、フラッシュROM等の不揮発性の記憶部58からメモリ57(例えば、RAM)に読み込まれた所定プログラム(図示せず)を実行することにより、光源制御部50a、ミラー制御部50b、信号処理部50c、補正部50dとして機能する。これらの一部又は全部は、ハードウエアにより実現してもよい。
【0053】
光源制御部50aは、パルス状に発光するように第2光源51を制御する。
【0054】
ミラー制御部50bは、MEMSミラー53aに入射し反射されるレーザー光Ray2が第1検出範囲A1(LiDAR装置50が本来有する検出範囲。
図4(a)参照)を二次元的に(水平方向及び垂直方向に)走査するように、例えば、第1検出範囲A1内の測定点(例えば、水平方向N
H個、垂直方向N
V個の測定点)を走査するように光偏向器53(MEMSミラー53a)を制御する。
【0055】
信号処理部50cは、レーザー光Ray2を送信してから戻り光Ray3を受信するまでの時間等に基づき、測定点ごとに、検出対象の角度方向(例えば、測定点の方位角及び仰角)が関連付けられた距離(測定点までの距離)を算出し、検出対象の角度方向(例えば、測定点の方位角及び仰角)及び距離(測定点までの距離)を出力する。この出力された検出対象の角度方向(例えば、測定点の方位角及び仰角)は、後述のように補正部50dにより補正された後、距離(測定点までの距離)と共にメモリ57又は記憶部58に記憶され、検出対象(例えば、先行車、対向車、歩行者、自転車、自動二輪車)を検出するために用いられる。
【0056】
補正部50dは、補正データ58aに基づき、信号処理部50cが出力する検出対象の角度方向(例えば、測定点の方位角及び仰角)を補正する。補正データ58aは、例えば、記憶部58に記憶されている。
【0057】
検出対象の角度方向(例えば、測定点の方位角及び仰角)を補正する技術的意義は次のとおりである。すなわち、MEMSミラー53aに入射し反射されるレーザー光Ray2は、ワイド配光パターンP
10C(
図2(c)参照)を形成するように設計された反射面31で反射されるため、実際には、第1検出範囲A1内ではなく、当該第1検出範囲A1(LiDAR装置50が本来有する検出範囲。
図4(a)参照)より広い第2検出範囲A2(
図4(b)参照)に送信される。
【0058】
そのため、例えば、特定の角度方向(例えば、方位角θ、特定の仰角φ)に送信される予定のレーザー光Ray2は、ワイド配光パターンP
10C(
図2(c)参照)を形成するように設計された反射面31で反射されることにより、実際には、特定の角度方向(例えば、方位角θ、特定の仰角φ)とは異なる角度方向(例えば、方位角θ+Δθ、仰角φ+Δφ)に送信される。
【0059】
そこで、補正部50dは、信号処理部50cが出力する特定の角度方向(例えば、方位角θ、仰角φ)を補正データに基づき、方位角θ+Δθ、仰角φ+Δφのように補正する。Δθ、Δφが補正データの一例である。補正データ(Δθ、Δφ)は、例えば、所定のシミュレーションソフトウエアを用いて角度方向(例えば、方位角、仰角)ごとに光線追跡することにより予め算出し、記憶部58に記憶しておくことができる。
【0060】
次に、スポット配光用の灯具ユニット10A及びミドル配光用の灯具ユニット10Bについて簡単に説明する。
【0061】
スポット配光用の灯具ユニット10Aは、ワイド配光用の灯具ユニット10C1と比べ、LiDAR装置50を備えていない点、及び、反射面31が、第1光源20が発光する光Ray1を反射してスポット配光パターンP
10A(
図2(a)参照)を形成するように設計されたスポット配光パターン用反射面である点が相違する。それ以外、ワイド配光用の灯具ユニット10C1と同様の構成である。なお、図示しないが、スポット配光用の灯具ユニット10Aは、アウターレンズ60とハウジング70とによって構成される灯室80内に配置され、ハウジング70等に固定されている。
【0062】
同様に、ミドル配光用の灯具ユニット10Bは、ワイド配光用の灯具ユニット10C1と比べ、LiDAR装置50を備えていない点、及び、反射面31が、第1光源20が発光する光Ray1を反射してミドル配光パターンP
10B(
図2(b)参照)を形成するように設計されたミドル配光パターン用反射面である点が相違する。それ以外、ワイド配光用の灯具ユニット10C1と同様の構成である。なお、図示しないが、ミドル配光用の灯具ユニット10Bは、アウターレンズ60とハウジング70とによって構成される灯室80内に配置され、ハウジング70等に固定されている。
【0063】
次に、ワイド配光用の灯具ユニット10C1(LiDAR装置50)の動作例について説明する。
【0064】
図6は、ワイド配光用の灯具ユニット10C1(LiDAR装置50)の動作例のフローチャートである。
【0065】
まず、レーザー光Ray2を送信する(ステップS10)。これは、光源制御部50aが、パルス状に発光するように第2光源51を制御することにより実現される。第2光源51が発光したレーザー光Ray2は、ビームスプリッター52を透過し、光偏向器53(MEMSミラー53a)で反射され、さらに反射面31で反射されることにより、出射角度(特に、水平方向の出射角度)が大きくなり、第1検出範囲A1(LiDAR装置50が本来有する検出範囲。
図4(a)参照)より広い第2検出範囲A2(
図4(b)参照)に送信(照射)される(第2検出範囲A2を二次元的に走査する)。
【0066】
次に、戻り光Ray3を受信する(ステップS11)。すなわち、ステップS10で送信され検出対象で反射されたレーザー光Ray2の反射光である戻り光Ray3は、レーザー光Ray2と同一の光路を通ってLiDAR装置50に戻り、ビームスプリッター52により受光素子54側に分割(反射)され受光素子54に入射する。受光素子54は、戻り光Ray3が入射した場合、当該戻り光Ray3の強度に応じた電気信号を出力する。
【0067】
次に、検出対象までの距離を算出する(ステップS12)。これは、信号処理部50cにより実現される。信号処理部50cは、レーザー光Ray2を送信してから戻り光Ray3を受信するまでの時間等に基づき、測定点ごとに、検出対象の角度方向(例えば、測定点の方位角及び仰角)が関連付けられた距離(測定点までの距離)を算出し、検出対象の角度方向(例えば、測定点の方位角及び仰角)及び距離(測定点までの距離)を出力する。
【0068】
次に、ステップS12で信号処理部50cが出力する検出対象の角度方向(例えば、測定点の方位角及び仰角)を補正する(ステップS13)。これは、補正部50dにより実現される。補正部50dは、補正データ58aに基づき、ステップS12で信号処理部50cが出力する検出対象の角度方向(例えば、測定点の方位角及び仰角)を補正する。
【0069】
次に、ステップS13で補正された検出対象の角度方向(例えば、測定点の方位角及び仰角)及びステップS12で算出された距離をメモリ57又は記憶部58に記憶する。この記憶された検出対象の角度方向及び距離は、検出対象(例えば、先行車、対向車、歩行者、自転車、自動二輪車)を検出するために用いられる。
【0070】
以上説明したように、第1実施形態によれば、LiDAR装置50から送信される検出対象検出用の光(及びその戻り光)専用の反射板(反射面)及びその設置スペースが不要で、小型化が可能な車両用灯具を提供することができる。
【0071】
これは、上記特許文献1のように、LiDAR装置から送信される検出対象検出用の光(及びその戻り光)専用の反射板(反射面)を設置するのではなく、ワイド配光用の灯具ユニット10C1が備える反射面31(ワイド配光パターン用反射面)を、LiDAR装置50から送信される検出対象検出用の光であるレーザー光Ray2(及びその戻り光)を反射する反射面として用いたことによるものである。
【0072】
また、第1実施形態によれば、LiDAR装置50は、第2光源51が発光し反射面31で反射されるレーザー光Ray2(MEMSミラー53aにより走査されるレーザー光Ray2)が第1検出範囲A1(LiDAR装置50が本来有する検出範囲。
図4(a)参照)より広い第2検出範囲A2(
図4(b)参照)に送信されるように配置されているため、LiDAR装置50が本来有する検出範囲(第1検出範囲A1)を第2検出範囲A2に拡大(特に、水平方向に拡大)することができる。
【0073】
また、第1実施形態によれば、補正データ58aに基づき、信号処理部50cが出力する検出対象の角度方向(例えば、測定点の方位角及び仰角)を補正する補正部50dを備えているため、上記のようにLiDAR装置50が本来有する検出範囲(第1検出範囲A1)を第2検出範囲A2に拡大したとしても、検出対象を適切に検出することができる。
<第2実施形態>
次に、本開示の第2実施形態であるワイド配光用の灯具ユニット10C2について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0074】
図7(a)は第2実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C3の上面図、
図7(b)は第2実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C3(変形例)の上面図である(アウターレンズ60及びハウジング70省略)。
【0075】
第2実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C2においては、第1実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C1と異なり、反射面31(ワイド配光パターン用反射面)は、当該反射面31を区画(例えば、格子状に区画)することにより形成された複数の反射領域31bを含んでいる。それ以外、第1実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C1と同様の構成である。以下、相違点を中心に説明し、同様の構成については同一の符号を付し適宜説明を省略する。
【0076】
各々の反射領域31bは、当該反射領域31bにより反射される光Ray1が水平方向に拡散してワイド配光パターンP
10C(
図2(c)参照)を形成するように凸面(
図7(a)参照)又は凹面(
図7(b)参照)として設計されている(いわゆるマルチリフレクタ)。
【0077】
次に、上記のように複数の反射領域31bを形成した場合の問題点について説明する。
【0078】
図8(a)は、複数の反射領域31bを形成した場合の問題点について説明する図である。
【0079】
図8(a)に示すように、複数の反射領域31bを形成した場合、反射面31のうち反射領域31b間の境界部分Bに入射するレーザー光Ray2がワイド配光用の灯具ユニット10C1内において(例えば、二次反射することにより)意図しない方向に反射される恐れがあり、この場合、検出対象を適切に検出できないという課題がある。
【0080】
この課題は、特定の角度方向(ここでは、反射領域31b間の境界部分Bに向かう角度方向)にレーザー光Ray2が送信されないように第2光源51を制御することにより解決することができる。これは、例えば、光源制御部50aが、光源制御データ等に基づき、第2光源51を制御することにより実現できる。
【0081】
図8(b)は、複数の反射領域31bを形成した場合の課題を解消する方法について説明する図である。
図8(b)中、ハッチング領域HA1、HA2はレーザー光Ray2が送信される範囲を表し、ハッチング領域HA1とハッチング領域HA2との間の境界部分B(ハッチングが施されていない空白領域)はレーザー光Ray2が送信されない範囲を表す。
【0082】
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、さらに、特定の角度方向(反射領域31b間の境界部分Bに向かう角度方向)にレーザー光Ray2が送信されないように第2光源51を制御することにより、反射面31(反射領域31b間の境界部分B)で反射されるレーザー光Ray2が意図しない方向に反射されるのを抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、本開示の第3実施形態であるワイド配光用の灯具ユニット10C3について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0083】
図9は、第4実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C3の側面図である(アウターレンズ60及びハウジング70省略)。
【0084】
第3実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C3においては、第1実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C1と異なり、LiDAR装置50は、リフレクタ30(反射面31)の後方に、ハウジング70に固定された状態で配置されている。また、リフレクタ30には、第2光源51が発光するレーザー光Ray2及びその戻り光Ray3が通過する開口部30a(又は切欠部)が形成されている。また、LiDAR装置50と反射面31との間には、第2光源51が発光するレーザー光Ray2を反射面31に向けて反射する反射部材E1が設けられている。反射部材E1は、例えば、ミラー又はプリズムである。それ以外、第1実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C1と同様の構成である。
【0085】
なお、MEMSミラー53aの中心(揺動中心F53a)が反射面31の焦点F31より後方にあるが、基準軸AX(光軸)に対して下方斜めに傾けることで、レーザー光Ray2を下向きに向かうように調整することができる。つまり、基準軸AXに対して、第2光源51の光軸AX51を垂直方向に設置し、MEMSミラー53aの方向を調整することにより、レーザー光Ray2の上下方向の向きを下向きから上向きまで自由に調整することができる。
【0086】
以上説明したように、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、さらに、LiDAR装置50をリフレクタ30(反射面31)の後方に配置することができるため、ワイド配光用の灯具ユニット10C3の薄型化(
図9中上下方向の薄型化)が可能となる。
<第4実施形態>
次に、本開示の第4実施形態であるワイド配光用の灯具ユニット10C4について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0087】
図10は、第4実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C4の側面図である(アウターレンズ60及びハウジング70省略)。
【0088】
第4実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C4においては、第3実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C3と異なり、反射部材E1として、楕円反射面(以下、楕円反射面E1と呼ぶ)を用いている。これにより、楕円反射面E1で反射されたレーザー光Ray2は、クロスして反射面31に向かい、当該反射面31で反射され垂直方向に拡散される。それ以外、第3実施形態のワイド配光用の灯具ユニット10C3と同様の構成である。
【0089】
以上説明したように、第4実施形態によれば、第3実施形態と同様の効果に加え、さらに、レーザー光Ray2を垂直方向にも拡散させることができる。
【0090】
次に、変形例について説明する。
【0091】
上記各実施形態では、本開示の車両用灯具を、ロービーム用のヘッドランプとして機能する車両用灯具に適用した例について説明したが、これに限らない。例えば、本開示の車両用灯具を、ハイビーム用のヘッドランプとして機能する車両用灯具、車両用信号灯具、その他の車両用灯具に適用してもよい。
【0092】
また、上記各実施形態では、LiDAR装置として、走査型のLiDAR装置50を用いた例について説明したが、これに限らない。LiDAR装置として、フラッシュ型のLiDAR装置(図示せず)、その他のLiDAR装置を用いてもよい。
【0093】
上記各実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0094】
上記各実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記各実施形態の記載によって本開示は限定的に解釈されるものではない。本開示はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0095】
10…車両用灯具、10A、10B、10C1~10C5…灯具ユニット、20…光源
30…リフレクタ、30a…開口部、31…反射面、31a…LiDAR装置用反射面、31b…反射領域、40…ヒートシンク、50…LiDAR装置、50a…光源制御部、50b…ミラー制御部、50c…信号処理部、50d…補正部、51…半導体発光素子、52…ビームスプリッター、53…光偏向器、53a…MEMSミラー、54…受光素子、55…ケース、55a…開口部、56…制御部、57…メモリ、58…記憶部、58a…補正データ、60…アウターレンズ、70…ハウジング、80…灯室、90…エクステンション、A1…第1検出範囲、A2…第2検出範囲、AX…基準軸、AX51…光軸、B…境界部分、E1…楕円反射面(光学素子)、F31…焦点、P10A…スポット配光パターン、P10B…ミドル配光パターン、P10C…ワイド配光パターン、PLo…ロービーム用配光パターン