IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

7799984マスク支持体、マスク支持体の製造方法、マスク装置、有機デバイスの製造方法、有機デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-07
(45)【発行日】2026-01-16
(54)【発明の名称】マスク支持体、マスク支持体の製造方法、マスク装置、有機デバイスの製造方法、有機デバイス
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/04 20060101AFI20260108BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20260108BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20260108BHJP
【FI】
C23C14/04 A
H05B33/14 A
H05B33/10
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021032094
(22)【出願日】2021-03-01
(65)【公開番号】P2021175823
(43)【公開日】2021-11-04
【審査請求日】2024-01-29
(31)【優先権主張番号】P 2020077608
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】馬場 良洋
(72)【発明者】
【氏名】青木 大吾
(72)【発明者】
【氏名】岡本 英介
【審査官】今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-244746(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0106472(US,A1)
【文献】特開2004-335382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/04
H10K 50/10
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる複数のマスクに前記第1方向において張力を加えた状態で複数の前記マスクを支持するマスク支持体であって、
開口を含む枠と、
前記開口に位置し、前記枠に接続されている桟と、を備え、
前記枠は、前記マスクが固定される枠第1面と、前記枠第1面の反対側に位置する枠第2面と、前記枠第1面と前記枠第2面との間に位置し、前記桟が接続されている内側面と、前記内側面の反対側に位置する外側面と、を含み、
前記桟は、前記枠第1面の側に位置する桟第1面と、前記桟第1面の反対側に位置する桟第2面と、前記桟第1面と前記桟第2面との間に位置する桟側面と、を含み、
前記枠第1面と前記桟第1面とが連続しており、
前記枠は、前記第1方向に延びる一対の第1辺と、前記第1方向に交差する第2方向に延びる一対の第2辺と、を含み、
複数の前記マスクは、前記第2辺に固定され、
前記桟は、前記第1辺に接続されている第1桟と、前記第2辺に接続されている第2桟と、を含み、
前記第2桟の幅は、前記第1桟の幅よりも大きい、マスク支持体。
【請求項2】
前記枠第1面と前記桟第1面とが同一平面上に位置している、請求項1に記載のマスク支持体。
【請求項3】
前記枠第1面の法線方向に沿って前記マスク支持体を見た場合に、前記内側面と前記桟側面とが、第1曲率半径を有する第1接続部を介して接続されている、請求項1又は2に記載のマスク支持体。
【請求項4】
前記内側面と前記桟第2面とが、第2曲率半径を有する第2接続部を介して接続されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマスク支持体。
【請求項5】
記枠第1面の法線方向に沿って前記マスク支持体を見た場合に、前記第1桟の桟側面と前記第2桟の桟側面とが、第3曲率半径を有する第3接続部を介して接続されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマスク支持体。
【請求項6】
前記桟第1面における前記桟の幅は、前記桟第2面における前記桟の幅よりも大きい、請求項1乃至のいずれか一項に記載のマスク支持体。
【請求項7】
前記桟は、前記桟の厚み方向において前記桟第2面に近づくにつれて、前記桟の幅が減少する部分を含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載のマスク支持体。
【請求項8】
前記内側面は、前記枠の厚み方向において前記枠第2面に近づくにつれて、平面視において前記開口の中心点から離れる部分を含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載のマスク支持体。
【請求項9】
前記枠の厚みは、5mm以上40mm以下である、請求項1乃至のいずれか一項に記載のマスク支持体。
【請求項10】
前記桟の厚みは、50μm以上1000μm以下である、請求項1乃至のいずれか一項に記載のマスク支持体。
【請求項11】
前記桟の厚みは、前記枠の厚みよりも小さい、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のマスク支持体。
【請求項12】
前記枠の厚みに対する前記桟の厚みの比率が0.85以下である、請求項11に記載のマスク支持体。
【請求項13】
前記桟の幅は、1mm以上100mm以下である、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のマスク支持体。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のマスク支持体の製造方法であって、
第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を含む板を準備する準備工程と、
前記第2面の法線方向に沿って前記板を見た場合の前記板の中央領域を前記第2面側から加工することによって、前記桟を形成する加工工程と、を備える、マスク支持体の製造方法。
【請求項15】
マスク装置であって、
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のマスク支持体と、
貫通孔を含み、前記マスク支持体の前記第2辺の前記枠第1面に固定され、前記第1方向に延びる複数のマスクと、を備える、マスク装置。
【請求項16】
前記マスク支持体は、前記桟によって区画された2以上の開口を備え、
前記マスクは、2つ以上の有効領域を含み、
前記有効領域は、規則的に並ぶ貫通孔の群を含み、
平面視において、2つ以上の前記有効領域が1つの前記開口に重なっている、請求項15に記載のマスク装置。
【請求項17】
有機デバイスの製造方法であって、
請求項15又は16に記載のマスク装置の前記マスクの前記貫通孔を介して有機材料を基板に蒸着させることによって、前記基板に蒸着層を形成する蒸着工程を備える、有機デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、マスク支持体、マスク支持体の製造方法、マスク装置、有機デバイスの製造方法、有機デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレットPC等の持ち運び可能なデバイスで用いられる表示装置の分野において、有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置などの有機半導体デバイスの製造方法及び製造装置として、所望のパターンで配列された貫通孔が形成されたマスクを用い、所望のパターンで画素を形成する方法及び装置が知られている。例えば、まず、有機EL表示装置用の基板に、フレームに固定された状態のマスクを組み合わせる。続いて、有機材料を含む蒸着材料を、マスクの貫通孔を介して基板に付着させる。このような蒸着工程を実施することによって、マスクの貫通孔のパターンに対応したパターンで、蒸着材料を含む蒸着層を有する画素を基板上に形成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5382259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレームなどの、マスクを支持するマスク支持体に変形が生じると、マスク支持体に固定されているマスクの位置が変化する。マスク支持体に変形が生じることを抑制することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態による、マスクに張力を加えた状態でマスクを支持するマスク支持体は、開口を含む枠と、開口に位置し、枠に接続されている桟と、を備える。枠は、マスクが固定される枠第1面と、枠第1面の反対側に位置する枠第2面と、枠第1面と枠第2面との間に位置し、桟が接続されている内側面と、内側面の反対側に位置する外側面と、を含む。桟は、枠第1面の側に位置する桟第1面と、桟第1面の反対側に位置する桟第2面と、桟第1面と桟第2面との間に位置する桟側面と、を含む。枠第1面と桟第1面とが連続している。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、マスク支持体に変形が生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】有機デバイスの一例を示す断面図である。
図2図1の有機デバイスを拡大して示す断面図である。
図3】蒸着装置の一例を示す断面図である。
図4】蒸着装置のマスク装置の一例を示す平面図である。
図5】マスク装置のマスクの中間部の一例を示す平面図である。
図6】マスクの貫通孔の断面形状の一例を示す断面図である。
図7図4のマスク装置からマスクを取り除いた状態を示す平面図である。
図8図4のマスク装置のVIII-VIII線に沿った断面図である。
図9図4のマスク装置のIX-IX線に沿った断面図である。
図10A図7において符号Xが付された点線で囲まれた範囲におけるマスク支持体の一例を拡大して示す平面図。
図10B図10Aの第1接続部を拡大して示す平面図である。
図11A図10Aのマスク支持体のXI-XI線に沿った断面図である。
図11B図11Aの第2接続部を拡大して示す断面図である。
図12】マスク支持体の製造方法の一例を示す断面図である。
図13】マスク支持体の製造方法の一例を示す断面図である。
図14図13の板を第2面側から見た場合を示す平面図である。
図15】マスク装置を用いて形成した蒸着層の一例を示す断面図である。
図16】マスク装置の一例を示す平面図である。
図17図16のマスク装置のXVII-XVII線に沿った断面図である。
図18】マスク装置の一例を示す平面図である。
図19図18のマスク装置からマスクを取り除いた状態を示す平面図である。
図20図18のマスク装置のXX-XX線に沿った断面図である。
図21図18のマスク装置のXXI-XXI線に沿った断面図である。
図22A図19において符号XXIIが付された点線で囲まれた範囲におけるマスク支持体の一例を拡大して示す平面図。
図22B図22Aの第1接続部を拡大して示す平面図である。
図23A図22Aのマスク支持体のXXIII-XXIII線に沿った断面図である。
図23B図23Aの第2接続部を拡大して示す断面図である。
図24】マスク装置の一例を示す平面図である。
図25図24のマスク装置からマスクを取り除いた状態を示す平面図である。
図26図24のマスク装置のXXVI-XXVI線に沿った断面図である。
図27図26のマスク装置の第2桟部材の溶接領域及びその周囲を拡大して示す断面図である。
図28】マスク装置の一例を示す平面図である。
図29図28のマスク装置からマスクを取り除いた状態を示す平面図である。
図30図28のマスク装置のXXX-XXX線に沿った断面図である。
図31図28のマスク装置のXXXI-XXXI線に沿った断面図である。
図32A図29において符号XXXIIが付された点線で囲まれた範囲におけるマスク支持体の一例を拡大して示す平面図。
図32B図32Aの第3接続部を拡大して示す平面図である。
図33】マスク支持体の一例を示す平面図である。
図34】マスク支持体の一例を示す平面図である。
図35図33に示すマスク支持体を備えるマスク装置を図33のXXXV-XXXV線に沿って切断した場合を示す断面図である。
図36図34に示すマスク支持体を備えるマスク装置を図34のXXXVI-XXXVI線に沿って切断した場合を示す断面図である。
図37】マスク装置の一例を示す断面図である。
図38】マスク装置の一例を示す断面図である。
図39】マスク装置の一例を示す断面図である。
図40】マスク装置の一例を示す断面図である。
図41】実施例におけるマスク支持体を示す平面図である。
図42】シミュレーションの結果を示す表である。
図43】シミュレーションの結果を示すグラフである。
図44】シミュレーションの結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「基板」や「基材」や「板」や「シート」や「フィルム」などのある構成の基礎となる物質を意味する用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
【0009】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
【0010】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に」や「下に」、「上側に」や「下側に」、又は「上方に」や「下方に」とする場合、ある構成が他の構成に直接的に接している場合を含む。さらに、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合、つまり間接的に接している場合も含む。また、特別な説明が無い限りは、「上」や「上側」や「上方」、又は、「下」や「下側」や「下方」という語句は、上下方向が逆転してもよい。
【0011】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上現実の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0012】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、本明細書の一実施形態は、矛盾の生じない範囲で、その他の実施形態と組み合わせられ得る。また、その他の実施形態同士も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられ得る。
【0013】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、製造方法などの方法に関して複数の工程を開示する場合に、開示されている工程の間に、開示されていないその他の工程が実施されてもよい。また、開示されている工程の順序は、矛盾の生じない範囲で任意である。
【0014】
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「~」という記号によって表現される数値範囲は、「~」という符号の前後に置かれた数値を含んでいる。例えば、「34~38質量%」という表現によって画定される数値範囲は、「34質量%以上且つ38質量%以下」という表現によって画定される数値範囲と同一である。
【0015】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態のみに限定して解釈されるものではない。
【0016】
本開示の第1の態様は、マスクに張力を加えた状態で前記マスクを支持するマスク支持体であって、
開口を含む枠と、
前記開口に位置し、前記枠に接続されている桟と、を備え、
前記枠は、前記マスクが固定される枠第1面と、前記枠第1面の反対側に位置する枠第2面と、前記枠第1面と前記枠第2面との間に位置し、前記桟が接続されている内側面と、前記内側面の反対側に位置する外側面と、を含み、
前記桟は、前記枠第1面の側に位置する桟第1面と、前記桟第1面の反対側に位置する桟第2面と、前記桟第1面と前記桟第2面との間に位置する桟側面と、を含み、
前記枠第1面と前記桟第1面とが連続している、マスク支持体である。
【0017】
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様によるマスク支持体において、前記枠第1面と前記桟第1面とが同一平面上に位置してもよい。
【0018】
本開示の第3の態様は、上述した第1の態様または上述した第2の態様のそれぞれによるマスク支持体において、前記枠第1面の法線方向に沿って前記マスク支持体を見た場合に、前記内側面と前記桟側面とが、第1曲率半径を有する第1接続部を介して接続されていてもよい。
【0019】
本開示の第4の態様は、上述した第1の態様から上述した第3の態様のそれぞれによるマスク支持体において、前記内側面と前記桟第2面とが、第2曲率半径を有する第2接続部を介して接続されていてもよい。
【0020】
本開示の第5の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによるマスク支持体において、
前記枠は、第1方向に延びる一対の第1辺と、前記第1方向に交差する第2方向に延びる一対の第2辺と、を含み、
前記マスクは、前記第2辺に固定され、
前記桟は、前記第1辺に接続されている第1桟を含んでもよい。
【0021】
本開示の第6の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによるマスク支持体において、
前記枠は、第1方向に延びる一対の第1辺と、前記第1方向に交差する第2方向に延びる一対の第2辺と、を含み、
前記マスクは、前記第2辺に固定され、
前記桟は、前記第2辺に接続されている第2桟を含んでもよい。
【0022】
本開示の第7の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによるマスク支持体において、
前記枠は、第1方向に延びる一対の第1辺と、前記第1方向に交差する第2方向に延びる一対の第2辺と、を含み、
前記マスクは、前記第2辺に固定され、
前記桟は、前記第1辺に接続されている第1桟と、前記第2辺に接続されている第2桟と、を含み、
前記枠第1面の法線方向に沿って前記マスク支持体を見た場合に、前記第1桟の桟側面と前記第2桟の桟側面とが、第3曲率半径を有する第3接続部を介して接続されていてもよい。
【0023】
本開示の第8の態様は、上述した第1の態様から上述した第7の態様のそれぞれによるマスク支持体において、
前記桟第1面における前記桟の幅は、前記桟第2面における前記桟の幅よりも大きくてもよい。
【0024】
本開示の第9の態様は、上述した第1の態様から上述した第8の態様のそれぞれによるマスク支持体において、
前記桟は、前記桟の厚み方向において前記桟第2面に近づくにつれて、前記桟の幅が減少する部分を含んでもよい。
【0025】
本開示の第10の態様は、上述した第1の態様から上述した第9の態様のそれぞれによるマスク支持体において、
前記内側面は、前記枠の厚み方向において前記枠第2面に近づくにつれて、平面視において前記開口の中心から離れる部分を含んでもよい。
【0026】
本開示の第11の態様は、上述した第1の態様から上述した第10の態様のそれぞれによるマスク支持体において、
前記枠の厚みは、5mm以上40mm以下であってもよい。
【0027】
本開示の第12の態様は、上述した第1の態様から上述した第11の態様のそれぞれによるマスク支持体において、
前記桟の厚みは、50μm以上1000μm以下であってもよい。
【0028】
本開示の第13の態様は、上述した第1の態様から上述した第12の態様のそれぞれによるマスク支持体において、
前記桟の厚みは、前記枠の厚みよりも小さくてもよい。
【0029】
本開示の第14の態様は、上述した第1の態様から上述した第13の態様のそれぞれによるマスク支持体において、
前記枠の厚みに対する前記桟の厚みの比率が0.85以下であってもよい。
【0030】
本開示の第15の態様は、上述した第1の態様から上述した第14の態様のそれぞれによるマスク支持体において、
前記桟の幅は、1mm以上100mm以下であってもよい。
【0031】
本開示の第16の態様は、上述した第1の態様から上述した第15の態様のいずれかによるマスク支持体の製造方法であって、
第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を含む板を準備する準備工程と、
前記第2面の法線方向に沿って前記板を見た場合の前記板の中央領域を前記第2面側から加工することによって、前記桟を形成する加工工程と、を備える、マスク支持体の製造方法である。
【0032】
本開示の第17の態様は、マスク装置であって、
上述した第1の態様から上述した第15の態様のいずれかによるマスク支持体と、
貫通孔を含み、前記マスク支持体の前記枠第1面に固定されているマスクと、を備える、マスク装置である。
【0033】
本開示の第18の態様は、上述した第17の態様によるマスク装置であって、
前記マスク支持体は、前記桟によって区画された2以上の開口を備え、
前記マスクは、2つ以上の有効領域を含み、
前記有効領域は、規則的に並ぶ貫通孔の群を含み、
平面視において、2つ以上の前記有効領域が1つの前記開口に重なっていてもよい。
【0034】
本開示の第19の態様は、有機デバイスの製造方法であって、
上述した第17の態様または上述した第18の態様のそれぞれによるマスク装置の前記マスクの前記貫通孔を介して有機材料を基板に蒸着させることによって、前記基板に蒸着層を形成する蒸着工程を備える、有機デバイスの製造方法である。
【0035】
本開示の第20の態様は、有機デバイスであって、
上述した第19の態様による有機デバイスの製造方法の前記蒸着工程によって前記基板に形成された前記蒸着層を備える、有機デバイスである。
【0036】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態のみに限定して解釈されるものではない。
【0037】
図1は、有機デバイス100の一例を示す断面図である。有機デバイス100は、第1面111及び第1面111の反対側に位置する第2面112を含む基板110と、基板110の第1面111の面内方向に沿って並ぶ複数の素子105と、を備えてもよい。図示はしないが、素子105は、図1の奥行方向にも並んでもよい。例えば、素子105は、第1面111の面内方向における2つの配列方向において周期的に並んでもよい。素子105は、第1電極層120と、第1電極層120上に位置する蒸着層130と、蒸着層130上に位置する第2電極層140と、を含んでもよい。
【0038】
図2は、図1の有機デバイスを拡大して示す断面図である。蒸着層130は、第1電極層120上に位置する第1蒸着層131と、第1電極層120上に位置する第2蒸着層132と、を含んでもよい。第1蒸着層131と第2蒸着層132とは、平面視において、素子105の配列方向において隣接してもよい。例えば、平面視において、第1蒸着層131に重なる第1電極層120と、第2蒸着層132に重なる第1電極層120とが、素子105の配列方向において隣接してもよい。
【0039】
図示はしないが、蒸着層130は、素子105の配列方向において第1蒸着層131または第2蒸着層132と隣接する第3蒸着層などのその他の蒸着層を含んでもよい。
【0040】
図2に示すように、有機デバイス100は、平面視において隣り合う2つの第1電極層120の間に位置する絶縁層160を備えてもよい。絶縁層160は、例えばポリイミドを含んでいる。絶縁層160は、第1電極層120の端部に重なってもよい。
【0041】
基板110は、絶縁性を有する板状の部材であってもよい。基板110は、光を透過させる透明性を有してもよい。基板110は、ガラスを含んでもよい。
【0042】
第1電極層120は、導電性を有する材料を含んでもよい。例えば、第1電極層120は、金属、導電性を有する金属酸化物や、その他の無機材料などを含んでもよい。第1電極層120は、インジウム・スズ酸化物などの、透明性及び導電性を有する金属酸化物を含んでもよい。
【0043】
第1蒸着層131、第2蒸着層132及び第3蒸着層は、有機材料を含む有機層であってもよい。有機デバイス100が有機EL表示装置である場合、第1蒸着層131、第2蒸着層132及び第3蒸着層はそれぞれ、発光層であってもよい。例えば、第1蒸着層131、第2蒸着層132及び第3蒸着層はそれぞれ、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層であってもよい。
【0044】
第1蒸着層131、第2蒸着層132及び第3蒸着層はそれぞれ、対応するマスクが設置されている蒸着装置において、マスクの貫通孔を介して有機材料を基板110に蒸着させることによって形成されてもよい。
【0045】
図示はしないが、素子105は、第1電極層120と蒸着層130との間、または蒸着層130と第2電極層140との間に位置する、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などを含んでもよい。
【0046】
第2電極層140は、金属などの、導電性を有する材料を含んでもよい。第2電極層140を構成する材料としては、白金、金、銀、銅、鉄、錫、クロム、アルミニウム、インジウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、クロム、炭素等及びこれらの合金を利用できる。
【0047】
図2に示すように、第2電極層140は、平面視において隣り合う2つの蒸着層130に跨るように広がってもよい。図示はしないが、第2電極層140は、隣り合う2つの蒸着層130の上に位置する第2電極層140の間に隙間があるように形成されていてもよい。
【0048】
基板110の第1面111に蒸着層130を形成するための蒸着装置10について説明する。図3は、蒸着装置10の一例を示す縦断面図である。
【0049】
図3に示すように、蒸着装置10は、その内部に、蒸着源6、ヒータ8、及びマスク装置30を備えてもよい。蒸着装置10は、蒸着装置10の内部を真空雰囲気にするための排気手段を更に備えてもよい。蒸着源6は、例えばるつぼであり、有機発光材料などの蒸着材料7を収容する。ヒータ8は、蒸着源6を加熱する。これにより、ヒータ8は、真空雰囲気の下で蒸着材料7を蒸発させる。マスク装置30は、るつぼ6と対向するよう配置されている。
【0050】
図3に示すように、マスク装置30は、少なくとも1つのマスク50と、マスク50を支持するマスク支持体40と、を備えてもよい。マスク支持体40は、マスク50が固定されている枠第1面41aと、枠第1面41aの反対側に位置する枠第2面41bと、を含む枠41を備えてもよい。マスク支持体40は、枠41の内側においてマスク支持体40を枠第1面41a側から枠第2面41b側に貫通する開口43を含んでもよい。マスク50は、平面視において開口43を横切るように枠41に固定されていてもよい。枠41は、マスク50が撓むことを抑制するように、マスク50に張力を加えた状態でマスク50を支持していてもよい。「平面視」とは、枠41の枠第1面41aの法線方向に沿ってマスク装置30を見ることを意味する。
【0051】
1つの蒸着装置10のマスク装置30のマスク50は、1種類の蒸着層130に、例えば第1蒸着層131に対応していてもよい。この場合、有機デバイス100の製造装置は、複数の蒸着装置10を備えてもよい。例えば、有機デバイス100の製造装置は、第1蒸着層131に対応する蒸着装置10と、第2蒸着層132に対応する蒸着装置10と、第3蒸着層に対応する蒸着装置10と、を備えてもよい。基板110を複数の蒸着装置10に順に投入する。蒸着工程を実施することによって、基板110に第1蒸着層131、第2蒸着層132及び第3蒸着層を形成できる。
【0052】
マスク装置30は、図3に示すように、蒸着材料7を付着させる対象物である基板110にマスク50が対面するよう、蒸着装置10内に配置されている。マスク50は、蒸着源6から飛来した蒸着材料7を通過させる複数の貫通孔56を含む。以下の説明において、マスク50の面のうち、基板110の側に位置する面を第1面55aと称し、第1面55aの反対側に位置する面を第2面55bと称する。
【0053】
蒸着装置10は、図3に示すように、基板110を保持する基板ホルダ2を備えてもよい。基板ホルダ2は、基板110の厚み方向において移動可能であってもよい。基板ホルダ2は、基板110の面方向において移動可能であってもよい。基板ホルダ2は、基板110の傾きを制御するよう構成されていてもよい。例えば、基板ホルダ2は、基板110の外縁に取り付けられた複数のチャックを含み、各チャックは、基板110の厚み方向や面方向において独立に移動可能であってもよい。
【0054】
蒸着装置10は、図3に示すように、マスク装置30を保持するマスクホルダ3を備えてもよい。マスクホルダ3は、マスク50の厚み方向において移動可能であってもよい。マスクホルダ3は、マスク50の面方向において移動可能であってもよい。例えば、マスクホルダ3は、マスク支持体40の外縁に取り付けられた複数のチャックを含み、各チャックは、マスク50の厚み方向や面方向において独立に移動可能であってもよい。
【0055】
基板ホルダ2又はマスクホルダ3の少なくともいずれか一方を移動させることによって、基板110に対するマスク装置30のマスク50の位置を調整できる。
【0056】
蒸着装置10は、図3に示すように、基板110の面のうちマスク装置30とは反対側の面である第2面112側に配置されている冷却板4を備えてもよい。冷却板4は、冷却板4の内部に冷媒を循環させるための流路を有してもよい。冷却板4は、蒸着工程の際に基板110の温度が上昇することを抑制できる。
【0057】
蒸着装置10は、図3に示すように、基板110の面のうちマスク装置30とは反対側の面である第2面112側に配置されている磁石5を備えてもよい。磁石5は、図3に示すように、冷却板4の面のうちマスク装置30とは反対の側の面に配置されていてもよい。磁石5は、磁力によってマスク装置30のマスク50を基板110側に引き寄せることができる。これにより、マスク50と基板110との間の隙間を低減したり、隙間をなくしたりすることができる。このことによって、蒸着工程においてシャドーが発生することを抑制できるので、蒸着層130の寸法精度や位置精度を向上できる。本願において、シャドーとは、マスク50と基板110との間の隙間に蒸着材料7が入り込み、これによって蒸着層130の厚みが不均一になる現象である。静電気力を利用する静電チャックを用いてマスク50を基板110側に引き寄せてもよい。
【0058】
マスク装置30について詳細に説明する。図4は、マスク装置30をマスク50の第1面55a側から見た場合を示す平面図である。図4に示すように、マスク装置30は、複数のマスク50を備えてもよい。本実施の形態において、各マスク50の形状は、第1方向D1に延びる矩形であってもよい。マスク装置30において、複数のマスク50は、マスク50の長手方向である第1方向D1に交差する方向に並んでいる。図4に示すように、複数のマスク50は、マスク50の長手方向に直交するマスク50の幅方向である第2方向D2に並んでもよい。各マスク50は、マスク50の長手方向の両端部において、例えば溶接によってマスク支持体40の枠41に固定されていてもよい。
【0059】
図4において、符号L1は、第1方向D1におけるマスク50の寸法を、すなわちマスク50の長さを表す。寸法L1は、例えば、150mm以上であってもよく、300mm以上であってもよく、450mm以上であってもよく、600mm以上であってもよい。寸法L1は、例えば、750mm以下であってもよく、1000mm以下であってもよく、1500mm以下であってもよく、2000mm以下であってもよい。寸法L1の範囲は、150mm、300mm、450mm及び600mmからなる第1グループ、及び/又は、750mm、1000mm、1500mm及び2000mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法L1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法L1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法L1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、150mm以上2000mm以下であってもよく、150mm以上1500mm以下であってもよく、150mm以上1000mm以下であってもよく、150mm以上750mm以下であってもよく、150mm以上600mm以下であってもよく、150mm以上450mm以下であってもよく、150mm以上300mm以下であってもよく、300mm以上2000mm以下であってもよく、300mm以上1500mm以下であってもよく、300mm以上1000mm以下であってもよく、300mm以上750mm以下であってもよく、300mm以上600mm以下であってもよく、300mm以上450mm以下であってもよく、450mm以上2000mm以下であってもよく、450mm以上1500mm以下であってもよく、450mm以上1000mm以下であってもよく、450mm以上750mm以下であってもよく、450mm以上600mm以下であってもよく、600mm以上2000mm以下であってもよく、600mm以上1500mm以下であってもよく、600mm以上1000mm以下であってもよく、600mm以上750mm以下であってもよく、750mm以上2000mm以下であってもよく、750mm以上1500mm以下であってもよく、750mm以上1000mm以下であってもよく、1000mm以上2000mm以下であってもよく、1000mm以上1500mm以下であってもよく、1500mm以上2000mm以下であってもよい。
【0060】
図4において、符号W1は、第2方向D2におけるマスク50の寸法を、すなわちマスク50の幅を表す。寸法W1は、例えば、50mm以上であってもよく、100mm以上であってもよく、150mm以上であってもよく、200mm以上であってもよい。寸法W1は、例えば、250mm以下であってもよく、300mm以下であってもよく、350mm以下であってもよく、400mm以下であってもよい。寸法W1の範囲は、50mm、100mm、150mm及び200mmからなる第1グループ、及び/又は、250mm、300mm、350mm及び400mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法W1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法W1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法W1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、50mm以上400mm以下であってもよく、50mm以上350mm以下であってもよく、50mm以上300mm以下であってもよく、50mm以上250mm以下であってもよく、50mm以上200mm以下であってもよく、50mm以上150mm以下であってもよく、50mm以上100mm以下であってもよく、100mm以上400mm以下であってもよく、100mm以上350mm以下であってもよく、100mm以上300mm以下であってもよく、100mm以上250mm以下であってもよく、100mm以上200mm以下であってもよく、100mm以上150mm以下であってもよく、150mm以上400mm以下であってもよく、150mm以上350mm以下であってもよく、150mm以上300mm以下であってもよく、150mm以上250mm以下であってもよく、150mm以上200mm以下であってもよく、200mm以上400mm以下であってもよく、200mm以上350mm以下であってもよく、200mm以上300mm以下であってもよく、200mm以上250mm以下であってもよく、250mm以上400mm以下であってもよく、250mm以上350mm以下であってもよく、250mm以上300mm以下であってもよく、300mm以上400mm以下であってもよく、300mm以上350mm以下であってもよく、350mm以上400mm以下であってもよい。
【0061】
図4に示すように、マスク50は、マスク支持体40に重なっている一対の耳部51と、耳部51の間に位置する中間部52と、を有してもよい。耳部のことを、端部とも称する。中間部52は、少なくとも1つの有効領域53と、有効領域53の周囲に位置する周囲領域54と、を有してもよい。図4に示す例において、中間部52は、第1方向D1に沿って所定の間隔を空けて配列された複数の有効領域53を含む。周囲領域54は、複数の有効領域53を囲んでいる。
【0062】
図5は、マスク50の中間部52の一例を示す平面図である。中間部52の有効領域53は、複数の貫通孔56を含んでもよい。蒸着材料が、中間部52の各貫通孔56を通過することによって、蒸着材料が、基板110に付着してもよい。基板110に付着した蒸着材料が、基板110上の蒸着層130を構成してもよい。この場合、有効領域53は、平面視において、蒸着層130に対応する周期で規則的に並ぶ貫通孔56の群を含む。
【0063】
図5に示すように、周囲領域54は、貫通孔56を含んでいなくてもよい。図示はしないが、周囲領域54は、貫通孔56を含んでいてもよい。この場合、周囲領域54に位置する貫通孔56は、平面視において周期的に並んでいなくてもよい。周囲領域54に位置する貫通孔56は、蒸着層130に対応しない周期で規則的に並んでいてもよい。
【0064】
マスク50を用いて有機EL表示装置などの表示装置を作製する場合、1つの有効領域53は、1つの有機EL表示装置の表示領域に対応する。このため、図4及び図5に示すマスク装置30によれば、有機EL表示装置の多面付蒸着が可能である。なお、1つの有効領域53が複数の表示領域に対応する場合もある。図示はしないが、マスク50の幅方向においても所定の間隔を空けて複数の有効領域53が配列されていてもよい。
【0065】
有効領域53は、平面視において矩形の輪郭を有してもよい。有効領域53は、有機EL表示装置の表示領域の形状に応じて、様々な形状の輪郭を有してもよい。例えば、有効領域53は、円形の輪郭を有してもよい。
【0066】
図6は、マスク50の一例を示す断面図である。図6に示すように、マスク50は、金属板55と、金属板55の第1面55aから第2面55bへ貫通する貫通孔56と、を備える。貫通孔56は、金属板55の第1面55a側に位置する第1凹部561と、第2面55b側に位置し、第1凹部561に接続されている第2凹部562と、を含んでもよい。平面視において、第2凹部562の寸法r2は、第1凹部561の寸法r1よりも大きくてもよい。第1凹部561及び第2凹部562は、金属板55を第1面55a側及び第2面55b側からエッチングやレーザーなどによって加工することによって形成され得る。
【0067】
第1凹部561と第2凹部562とは、周状の接続部563を介して接続されている。接続部563は、マスク50の平面視において貫通孔56の開口面積が最小になる貫通部564を画成してもよい。
【0068】
貫通部564の寸法rは、例えば、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよく、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよい。貫通部564の寸法rは、例えば、40μm以下であってもよく、45μm以下であってもよく、50μm以下であってもよく、55μm以下であってもよい。貫通部564の寸法rの範囲は、10μm、15μm、20μm及び25μmからなる第1グループ、及び/又は、40μm、45μm、50μm及び55μmからなる第2グループによって定められてもよい。貫通部564の寸法rの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。貫通部564の寸法rの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。貫通部564の寸法rの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、10μm以上55μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であってもよく、10μm以上45μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上25μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上55μm以下であってもよく、15μm以上50μm以下であってもよく、15μm以上45μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上25μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上55μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、20μm以上45μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上25μm以下であってもよく、25μm以上55μm以下であってもよく、25μm以上50μm以下であってもよく、25μm以上45μm以下であってもよく、25μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上55μm以下であってもよく、40μm以上50μm以下であってもよく、40μm以上45μm以下であってもよく、45μm以上55μm以下であってもよく、45μm以上50μm以下であってもよく、50μm以上55μm以下であってもよい。貫通部564の寸法rを測定する測定器としては、新東Sプレシジョン製AMIC-1710を利用できる。
【0069】
なお、図6においては、隣り合う二つの第2凹部562の間に金属板55の第2面55bが残存している例を示したが、これに限られない。図示はしないが、隣り合う2つの第2凹部562が接続されるようにエッチングが実施されてもよい。すなわち、隣り合う2つの第2凹部562の間に、金属板55の第2面55bが残存していない場所が存在してもよい。
【0070】
次に、マスク支持体40について説明する。図7は、図4のマスク装置30からマスク50を取り除いた状態を示す図である。マスク支持体40は、開口43を含む枠41に加えて、枠41に接続されている桟42を備えてもよい。桟42は、開口43を横切るように延びてもよい。桟42は、後述する蒸着工程の際に、マスク50のうち平面視において開口43と重なる領域の下方に位置できる。桟42は、蒸着工程の際にマスク50を下方から支持してもよい。これにより、マスク50が自重によって撓むことを抑制できる。
【0071】
枠41、桟42及び開口43について説明する。まず、枠41について説明する。
【0072】
図4及び図7に示すように、枠41は、開口43を隔てて向かい合う一対の第1辺411と、開口43を隔てて向かい合う一対の第2辺412と、を含んでもよい。第1辺411と第2辺412とは、異なる方向に延びている。例えば、図4に示すように、第1辺411が、マスク50の長手方向である第1方向D1に延び、第2辺412が、第1方向D1に直交する第2方向D2に延びてもよい。図4に示すように、マスク50の端部51は第2辺412に固定されていてもよい。また、マスク50が固定されている第2辺412が、第1辺411よりも長くてもよい。枠41の開口43は、一対の第1辺411及び一対の第2辺412によって囲まれていてもよい。
【0073】
図4において、符号L21は、第1方向D1における枠41の開口43の寸法を表す。符号L22は、第2方向D2における枠41の開口43の寸法を表す。L22/L21は、例えば、0.6以上であってもよく、0.8以上であってもよく、1.0以上であってもよく、1.2以上であってもよい。L22/L21は、例えば、1.4以下であってもよく、1.6以下であってもよく、1.8以下であってもよく、2.0以下であってもよい。L22/L21の範囲は、0.6、0.8、1.0及び1.2からなる第1グループ、及び/又は、1.4、1.6、1.8及び2.0からなる第2グループによって定められてもよい。L22/L21の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。L22/L21の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。L22/L21の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0.6以上2.0以下であってもよく、0.6以上1.8以下であってもよく、0.6以上1.6以下であってもよく、0.6以上1.4以下であってもよく、0.6以上1.2以下であってもよく、0.6以上1.0以下であってもよく、0.6以上0.8以下であってもよく、0.8以上2.0以下であってもよく、0.8以上1.8以下であってもよく、0.8以上1.6以下であってもよく、0.8以上1.4以下であってもよく、0.8以上1.2以下であってもよく、0.8以上1.0以下であってもよく、1.0以上2.0以下であってもよく、1.0以上1.8以下であってもよく、1.0以上1.6以下であってもよく、1.0以上1.4以下であってもよく、1.0以上1.2以下であってもよく、1.2以上2.0以下であってもよく、1.2以上1.8以下であってもよく、1.2以上1.6以下であってもよく、1.2以上1.4以下であってもよく、1.4以上2.0以下であってもよく、1.4以上1.8以下であってもよく、1.4以上1.6以下であってもよく、1.6以上2.0以下であってもよく、1.6以上1.8以下であってもよく、1.8以上2.0以下であってもよい。
【0074】
第1方向D1における開口43の寸法L21は、例えば、150mm以上であってもよく、300mm以上であってもよく、450mm以上であってもよく、600mm以上であってもよい。寸法L21は、例えば、750mm以下であってもよく、1000mm以下であってもよく、1500mm以下であってもよく、2000mm以下であってもよい。寸法L21の範囲は、150mm、300mm、450mm及び600mmからなる第1グループ、及び/又は、750mm、1000mm、1500mm及び2000mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法L21の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法L21の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法L21の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、150mm以上2000mm以下であってもよく、150mm以上1500mm以下であってもよく、150mm以上1000mm以下であってもよく、150mm以上750mm以下であってもよく、150mm以上600mm以下であってもよく、150mm以上450mm以下であってもよく、150mm以上300mm以下であってもよく、300mm以上2000mm以下であってもよく、300mm以上1500mm以下であってもよく、300mm以上1000mm以下であってもよく、300mm以上750mm以下であってもよく、300mm以上600mm以下であってもよく、300mm以上450mm以下であってもよく、450mm以上2000mm以下であってもよく、450mm以上1500mm以下であってもよく、450mm以上1000mm以下であってもよく、450mm以上750mm以下であってもよく、450mm以上600mm以下であってもよく、600mm以上2000mm以下であってもよく、600mm以上1500mm以下であってもよく、600mm以上1000mm以下であってもよく、600mm以上750mm以下であってもよく、750mm以上2000mm以下であってもよく、750mm以上1500mm以下であってもよく、750mm以上1000mm以下であってもよく、1000mm以上2000mm以下であってもよく、1000mm以上1500mm以下であってもよく、1500mm以上2000mm以下であってもよい。
【0075】
第2方向D2における開口43の寸法L22は、例えば、600mm以上であってもよく、800mm以上であってもよく、1000mm以上であってもよく、1200mm以上であってもよい。寸法L22は、例えば、1400mm以下であってもよく、1600mm以下であってもよく、1800mm以下であってもよく、2000mm以下であってもよい。寸法L22の範囲は、600mm、800mm、1000mm及び1200mmからなる第1グループ、及び/又は、1400mm、1600mm、1800mm及び2000mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法L22の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法L22の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法L22の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、600mm以上2000mm以下であってもよく、600mm以上1800mm以下であってもよく、600mm以上1600mm以下であってもよく、600mm以上1400mm以下であってもよく、600mm以上1200mm以下であってもよく、600mm以上1000mm以下であってもよく、600mm以上800mm以下であってもよく、800mm以上2000mm以下であってもよく、800mm以上1800mm以下であってもよく、800mm以上1600mm以下であってもよく、800mm以上1400mm以下であってもよく、800mm以上1200mm以下であってもよく、800mm以上1000mm以下であってもよく、1000mm以上2000mm以下であってもよく、1000mm以上1800mm以下であってもよく、1000mm以上1600mm以下であってもよく、1000mm以上1400mm以下であってもよく、1000mm以上1200mm以下であってもよく、1200mm以上2000mm以下であってもよく、1200mm以上1800mm以下であってもよく、1200mm以上1600mm以下であってもよく、1200mm以上1400mm以下であってもよく、1400mm以上2000mm以下であってもよく、1400mm以上1800mm以下であってもよく、1400mm以上1600mm以下であってもよく、1600mm以上2000mm以下であってもよく、1600mm以上1800mm以下であってもよく、1800mm以上2000mm以下であってもよい。
【0076】
図8は、図4のマスク装置30のVIII-VIII線に沿った断面図である。図9は、図4のマスク装置30のIX-IX線に沿った断面図である。図8及び図9に示すように、枠41は、上述の枠第1面41aと枠第2面41bとの間に位置し、開口43に面する内側面41eと、内側面41eの反対側に位置する外側面41fと、を含んでもよい。図8及び図9に示すように、内側面41e及び外側面41fは、枠第1面41aの法線方向に沿って広がってもよい。
【0077】
桟42について説明する。桟42は、枠41の内側面41eに接続されており、且つ、平面視において開口43を横切っている領域である。図4及び図7に示すように、桟42は、枠41の第1辺411の内側面41eに接続されている第1桟421を含んでもよい。第1桟421は、第2方向D2に延びてもよい。例えば、第1辺411は、平面視において、第2方向D2に延びる一対の桟側面42cを含み、桟側面42cが枠41の第1辺411の内側面41eに接続されていてもよい。第1方向D1に沿って複数の第1桟421が並んでもよい。第1辺411の長さは、第2方向D2における枠41の開口43の寸法L22と同一であってもよい。
【0078】
図8及び図9に示すように、第1桟421は、枠第1面41a側に位置する桟第1面42aと、桟第1面42aの反対側に位置する桟第2面42bと、を含んでもよい。桟第1面42aは、マスク50の第2面55bに接していてもよい。第1桟421は、マスク50が自重によって撓むことを抑制できる。
【0079】
枠41と桟42の間の境界の構造について、図10A及び図11Aを参照することによって、説明する。図10Aは、図7において符号Xが付された点線で囲まれた範囲におけるマスク支持体40の一例を拡大して示す平面図である。図11Aは、図10Aのマスク支持体40のXI-XI線に沿った断面図である。
【0080】
図10A及び図11Aに示すように、枠41と桟42の間の境界において、枠41の枠第1面41aと桟42の桟第1面42aとが連続してもよい。例えば、枠41と桟42とがいずれも、1つの板を機械的に加工することによって作製されていてもよい。この場合、板の1つの面によって枠41の枠第1面41aと桟42の桟第1面42aとが構成されるように板を加工することによって、連続した枠第1面41aと桟第1面42aとを形成できる。
【0081】
枠41の枠第1面41aと桟42の桟第1面42aとが連続しているか否かは、枠41と桟42の間の境界の周囲において枠第1面41aと桟第1面42aとが同一平面上に位置しているか否かによって判断されてもよい。具体的には、枠第1面41aの法線方向における枠第1面41a及び枠第2面41bの位置を、枠41と桟42の間の境界の周囲の領域で測定する。境界の周囲の領域は、枠第1面41a及び枠第2面41bのうち、図10Aに示す接続点42eを中心とした半径S1の範囲内の領域である。境界の周囲の領域の、枠第1面41aの法線方向における位置が、平均値±第1閾値の範囲内である場合、枠第1面41aと桟第1面42aとが同一平面上に位置していると判断する。第1閾値は、例えば0.5mmである。
【0082】
上述の接続点42eは、桟42の端42dの中心点である。端42dは、桟42が接続されている枠41の内側面41eの、平面視における延長線が、桟42と交わる部分として定義される。図10Aに示す例において、端42dは、平面視において第1方向D1に延びる第1辺411の内側面41eの延長線と、第2方向D2に延びる第1桟421とが交わる部分である。また、接続点42eは、内側面41eが延びる第1方向D1における端42dの中心点である。上述の半径S1は、例えば2.5mmである。
【0083】
枠第1面41aの法線方向における枠第1面41a及び枠第2面41bの位置を測定する測定器としては、キーエンス社製のレーザー変位計 LK-G85を利用できる。LK-G85の測定条件は下記の通りである。
・測定間隔:100μm
【0084】
1つの板を機械的に加工することによって枠41と桟42とを作製する場合、枠41と桟42とが接続される接続部において、加工に起因する形状が生じてもよい。図10Aに示すように、マスク支持体40は、平面視において、枠41の内側面41eと桟42の桟側面42cとが接続される第1接続部42fを含む。図10Bは、第1接続部42fを拡大して示す平面図である。例えば、切削工具を用いた加工を行う場合、第1接続部42fが、移行部42faを含んでいてもよい。移行部42faは、内側面41eの延長線H1及び桟側面42cの延長線H2によって区画されるマスク支持体40の部分である。第1接続部42fが移行部42faを含む場合のマスク支持体40の剛性は、第1接続部42fが移行部42faを含まない場合のマスク支持体40の剛性よりも大きい。すなわち、移行部42faは、マスク支持体40の剛性を高めることができる。
【0085】
移行部42faは、第1曲率半径S2を有する湾曲部を備えていてもよい。第1曲率半径S2は、例えば、1.0mm以上でもよく、1.5mm以上でもよく、2.0mm以上でもよい。第1曲率半径S2は、例えば、3.0mm以下でもよく、4.0mm以下でもよく、5.0mm以下でもよい。第1曲率半径S2の範囲は、1.0mm、1.5mm及び2.0mmからなる第1グループ、及び/又は、3.0mm、4.0mm及び5.0mmからなる第2グループによって定められてもよい。第1曲率半径S2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第1曲率半径S2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第1曲率半径S2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、1.0mm以上5.0mm以下でもよく、1.0mm以上4.0mm以下でもよく、1.0mm以上3.0mm以下でもよく、1.0mm以上2.0mm以下でもよく、1.0mm以上1.5mm以下でもよく、1.5mm以上5.0mm以下でもよく、1.5mm以上4.0mm以下でもよく、1.5mm以上3.0mm以下でもよく、1.5mm以上2.0mm以下でもよく、2.0mm以上5.0mm以下でもよく、2.0mm以上4.0mm以下でもよく、2.0mm以上3.0mm以下でもよく、3.0mm以上5.0mm以下でもよく、3.0mm以上4.0mm以下でもよく、4.0mm以上5.0mm以下でもよい。第1曲率半径S2を測定する測定器としては、新東Sプレシジョン製AMIC-1710を利用できる。
【0086】
図示はしないが、内側面41eと桟側面42cとが、湾曲部を介さずに接続されていてもよい。
【0087】
図11Aに示すように、縦断面図において、マスク支持体40は、枠41の内側面41eと桟42の桟第2面42bとが接続される第2接続部42gを含む。図11Bは、第2接続部42gを拡大して示す断面図である。例えば、切削工具を用いた加工を行う場合、第2接続部42gが、移行部42gaを含んでいてもよい。移行部42gaは、内側面41eの延長線H3及び桟第2面42bの延長線H4によって区画されるマスク支持体40の部分である。第2接続部42gが移行部42gaを含む場合のマスク支持体40の剛性は、第2接続部42gが移行部42gaを含まない場合のマスク支持体40の剛性よりも大きい。すなわち、移行部42gaは、マスク支持体40の剛性を高めることができる。
【0088】
移行部42gaは、第2曲率半径S3を有していてもよい。第2曲率半径S3は、例えば、1.0mm以上でもよく、1.5mm以上でもよく、2.0mm以上でもよい。第2曲率半径S3は、例えば、3.0mm以下でもよく、4.0mm以下でもよく、5.0mm以下でもよい。第2曲率半径S3の範囲は、1.0mm、1.5mm及び2.0mmからなる第1グループ、及び/又は、3.0mm、4.0mm及び5.0mmからなる第2グループによって定められてもよい。第2曲率半径S3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第2曲率半径S3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第2曲率半径S3の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、1.0mm以上5.0mm以下でもよく、1.0mm以上4.0mm以下でもよく、1.0mm以上3.0mm以下でもよく、1.0mm以上2.0mm以下でもよく、1.0mm以上1.5mm以下でもよく、1.5mm以上5.0mm以下でもよく、1.5mm以上4.0mm以下でもよく、1.5mm以上3.0mm以下でもよく、1.5mm以上2.0mm以下でもよく、2.0mm以上5.0mm以下でもよく、2.0mm以上4.0mm以下でもよく、2.0mm以上3.0mm以下でもよく、3.0mm以上5.0mm以下でもよく、3.0mm以上4.0mm以下でもよく、4.0mm以上5.0mm以下でもよい。第2曲率半径S3を測定する測定器としては、新東Sプレシジョン製AMIC-1710を利用できる。
【0089】
図示はしないが、内側面41eと桟第2面42bとが、湾曲部を介さずに接続されていてもよい。
【0090】
開口43について説明する。桟42が開口43を横切るように延びているので、平面視において、開口43が2以上の領域に区画される。例えば図7に示すように、開口43は、2つ以上の第1開口43Aを含む。2つ以上の第1開口43Aは、第1方向D1に並んでいる。
【0091】
図7に示すように、第1開口43Aの輪郭は、第1方向D1に延びる一対の第1縁431と、第2方向D2に延びる一対の第2縁432と、を含んでいてもよい。一対の第1縁431の少なくとも1つは、第1辺411の内側面41eによって構成されてもよい。一対の第1縁431のいずれもが、第1辺411の内側面41eによって構成されてもよい。第2縁432は、第2辺412の内側面41e又は第1桟421の桟側面42cによって構成されてもよい。
【0092】
第1開口43Aは、平面視においてマスク50の有効領域53に重なってもよい。例えば図4に示すように、マスク装置30の状態において、平面視において、第2方向D2に並ぶ2つ以上の有効領域53が1つの第1開口43Aに重なっていてもよい。2つ以上のマスク50の有効領域53が、1つの第1開口43Aに重なっていてもよい。
【0093】
マスク装置30のマスク50及びマスク支持体40の材料について説明する。マスク50およびマスク支持体40の主要な材料としては、ニッケルを含む鉄合金を利用できる。鉄合金は、ニッケルに加えてコバルトを更に含んでもよい。例えば、マスク50の金属板55の材料として、ニッケル及びコバルトの含有量が合計で28質量%以上且つ54質量%以下であり、且つコバルトの含有量が0質量%以上且つ6質量%以下である鉄合金を利用できる。これにより、マスク50及びマスク支持体40の熱膨張係数と、ガラスを含む基板110の熱膨張係数との差を小さくできる。このため、基板110上に形成される蒸着層130の寸法精度や位置精度が、マスク50、マスク支持体40、基板110などの熱膨張に起因して低下することを抑制できる。
【0094】
金属板55におけるニッケル及びコバルトの含有量は、合計で28質量%以上且つ38質量%以下であってもよい。この場合、ニッケル若しくはニッケル及びコバルトを含む鉄合金としては、インバー材、スーパーインバー材、ウルトラインバー材などを利用できる。インバー材は、34質量%以上且つ38質量%以下のニッケルと、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金である。スーパーインバー材は、30質量%以上且つ34質量%以下のニッケルと、コバルトと、残部の鉄及び不可避の不純物と含む鉄合金である。ウルトラインバー材は、28質量%以上且つ34質量%以下のニッケルと、2質量%以上且つ7質量%以下のコバルトと、0.1質量%以上且つ1.0質量%以下のマンガンと、0.10質量%以下のシリコンと、0.01質量%以下の炭素と、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金である。
【0095】
金属板55におけるニッケル及びコバルトの含有量は、合計で38質量%以上且つ54質量%以下であってもよい。この場合、ニッケル若しくはニッケル及びコバルトを含む鉄合金としては、低熱膨張Fe-Ni系めっき合金などを利用できる。低熱膨張Fe-Ni系めっき合金は、38質量%以上且つ54質量%以下のニッケルと、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金である。
【0096】
蒸着処理の際に、マスク50、マスク支持体40および基板110の温度が高温には達しない場合は、マスク50およびマスク支持体40の熱膨張係数を、基板110の熱膨張係数と同じ値または近い値にする必要は特にない。この場合、マスク50を構成する材料として、上述の鉄合金以外の材料を用いてもよい。例えば、クロムを含む鉄合金など、上述のニッケルを含む鉄合金以外の鉄合金を用いてもよい。クロムを含む鉄合金としては、例えば、いわゆるステンレスと称される鉄合金を利用できる。ニッケルやニッケル-コバルト合金など、鉄合金以外の合金を用いてもよい。
【0097】
マスク50の金属板55の厚みT1は、例えば、8μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、13μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。金属板55の厚みT1は、例えば、20μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、40μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。金属板55の厚みT1の範囲は、8μm、10μm、13μm及び15μmからなる第1グループ、及び/又は、20μm、30μm、40μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。金属板55の厚みT1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。金属板55の厚みT1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。金属板55の厚みT1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、8μm以上50μm以下であってもよく、8μm以上40μm以下であってもよく、8μm以上30μm以下であってもよく、8μm以上20μm以下であってもよく、8μm以上15μm以下であってもよく、8μm以上13μm以下であってもよく、8μm以上10μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上30μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、10μm以上13μm以下であってもよく、13μm以上50μm以下であってもよく、13μm以上40μm以下であってもよく、13μm以上30μm以下であってもよく、13μm以上20μm以下であってもよく、13μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上50μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上30μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上30μm以下であってもよく、30μm以上50μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上50μm以下であってもよい。
【0098】
金属板55の厚みT1が50μm以下であることによって、蒸着材料7のうち、貫通孔56を通過する前に貫通孔56の壁面に引っ掛かる蒸着材料7の比率を小さくできる。これにより、蒸着材料7の利用効率を向上できる。また、金属板55の厚みT1が8μm以上であることによって、マスク50の強度を確保し、マスク50に損傷や変形が生じることを抑制できる。
【0099】
枠41の厚みT2は、例えば、5mm以上であってもよく、10mm以上であってもよく、15mm以上であってもよく、20mm以上であってもよい。枠41の厚みT2は、例えば、25mm以下であってもよく、30mm以下であってもよく、35mm以下であってもよく、40mm以下であってもよい。枠41の厚みT2の範囲は、5mm、10mm、15mm及び20mmからなる第1グループ、及び/又は、25mm、30mm、35mm及び40mmからなる第2グループによって定められてもよい。枠41の厚みT2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。枠41の厚みT2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。枠41の厚みT2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、5mm以上40mm以下であってもよく、5mm以上35mm以下であってもよく、5mm以上30mm以下であってもよく、5mm以上25mm以下であってもよく、5mm以上20mm以下であってもよく、5mm以上15mm以下であってもよく、5mm以上10mm以下であってもよく、10mm以上40mm以下であってもよく、10mm以上35mm以下であってもよく、10mm以上30mm以下であってもよく、10mm以上25mm以下であってもよく、10mm以上20mm以下であってもよく、10mm以上15mm以下であってもよく、15mm以上40mm以下であってもよく、15mm以上35mm以下であってもよく、15mm以上30mm以下であってもよく、15mm以上25mm以下であってもよく、15mm以上20mm以下であってもよく、20mm以上40mm以下であってもよく、20mm以上35mm以下であってもよく、20mm以上30mm以下であってもよく、20mm以上25mm以下であってもよく、25mm以上40mm以下であってもよく、25mm以上35mm以下であってもよく、25mm以上30mm以下であってもよく、30mm以上40mm以下であってもよく、30mm以上35mm以下であってもよく、35mm以上40mm以下であってもよい。
【0100】
枠41の厚みT2が5mm以上であることによって、枠41に撓みなどの変形が生じることを抑制できる。また、枠41の厚みT2が40mm以下であることによって、枠41の重量が過剰に大きくなることを抑制できる。これにより、マスク支持体40のハンドリング性を向上できる。例えば、小型のリフターを用いてマスク支持体40を搬送できる。
【0101】
桟42の厚みT3は、例えば、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよく、200μm以上であってもよく、300μm以上であってもよい。桟42の厚みT3は、例えば、500μm以下であってもよく、700μm以下であってもよく、1mm以下であってもよく、10mm以下であってもよい。桟42の厚みT3の範囲は、50μm、100μm、200μm及び300μmからなる第1グループ、及び/又は、500μm、700μm、1mm及び10mmからなる第2グループによって定められてもよい。桟42の厚みT3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。桟42の厚みT3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。桟42の厚みT3の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、50μm以上10mm以下であってもよく、50μm以上1mm以下であってもよく、50μm以上700μm以下であってもよく、50μm以上500μm以下であってもよく、50μm以上300μm以下であってもよく、50μm以上200μm以下であってもよく、50μm以上100μm以下であってもよく、100μm以上10mm以下であってもよく、100μm以上1mm以下であってもよく、100μm以上700μm以下であってもよく、100μm以上500μm以下であってもよく、100μm以上300μm以下であってもよく、100μm以上200μm以下であってもよく、200μm以上10mm以下であってもよく、200μm以上1mm以下であってもよく、200μm以上700μm以下であってもよく、200μm以上500μm以下であってもよく、200μm以上300μm以下であってもよく、300μm以上10mm以下であってもよく、300μm以上1mm以下であってもよく、300μm以上700μm以下であってもよく、300μm以上500μm以下であってもよく、500μm以上10mm以下であってもよく、500μm以上1mm以下であってもよく、500μm以上700μm以下であってもよく、700μm以上10mm以下であってもよく、700μm以上1mm以下であってもよく、1mm以上10mm以下であってもよい。
【0102】
桟42の厚みT3は、枠41の厚みT2よりも小さくてもよい。桟42が厚いほど、蒸着工程において桟42に付着する蒸着材料の量が増加する。桟42の厚みT3を枠41の厚みT2よりも小さくすることにより、蒸着が桟42によって妨げられることを抑制できる。従って、蒸着の効率の観点からは、桟42の厚みT3が小さいことが好ましい。
【0103】
一方、桟42の厚みT3が大きいほど、桟42の剛性が高くなる。本実施の形態においては、枠41と桟42とが一体的に構成されている。このため、桟42の剛性の増加は、枠41の変形の抑制を導く。しかしながら、桟42の厚みT3が大きいほど、桟42の重量が大きくなる。桟42の重量の増加は、内側に向かう枠41の変形を導く。桟42に働く重力によって枠41が引っ張られるからである。内側とは、枠41から開口43の中心に向かう方向を意味する。枠41の変形を抑制するために桟42の厚みT3を大きくする場合、桟42の剛性だけでなく、桟42の重量の増加に起因する枠41の変形を考慮することが好ましい。
【0104】
後述する実施例において示すように、枠41の変形量は、桟42の厚みT3との関係で決定される極小値を有していてもよい。枠41の変形量が極小値であるとき、桟42の剛性に基づく枠41の変形の抑制量と、桟42の自重に基づく枠41の変形量とが釣り合う。枠41の変形量が極小値になるときの厚みT3を、転換厚みとも称する。厚みT3が転換厚み以下である場合、桟42の厚みT3が大きいほど、枠41の変形量が小さくなる。一方、厚みT3が転換厚みよりも大きい場合、桟42の厚みT3が大きいほど、枠41の変形量が大きくなる。
【0105】
枠41の変形量が極小値になるときの、厚みT2に対する厚みT3の比率を、転換比率とも称する。転換比率は、0<T3/T2<1の範囲に存在してもよい。
【0106】
T3/T2は、例えば、0.1以上でもよく、0.2以上でもよく、0.3以上でもよく、0.4以上でもよい。T3/T2は、例えば、0.5以下でもよく、0.6以下でもよく、0.7以下でもよく、0.85以下でもよい。T3/T2の範囲は、0.1、0.2、0.3及び0.4からなる第1グループ、及び/又は、0.5、0.6、0.7及び0.85からなる第2グループによって定められてもよい。T3/T2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。T3/T2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。T3/T2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0.1以上0.85以下でもよく、0.1以上0.7以下でもよく、0.1以上0.6以下でもよく、0.1以上0.5以下でもよく、0.1以上0.4以下でもよく、0.1以上0.3以下でもよく、0.1以上0.2以下でもよく、0.2以上0.85以下でもよく、0.2以上0.7以下でもよく、0.2以上0.6以下でもよく、0.2以上0.5以下でもよく、0.2以上0.4以下でもよく、0.2以上0.3以下でもよく、0.3以上0.85以下でもよく、0.3以上0.7以下でもよく、0.3以上0.6以下でもよく、0.3以上0.5以下でもよく、0.3以上0.4以下でもよく、0.4以上0.85以下でもよく、0.4以上0.7以下でもよく、0.4以上0.6以下でもよく、0.4以上0.5以下でもよく、0.5以上0.85以下でもよく、0.5以上0.7以下でもよく、0.5以上0.6以下でもよく、0.6以上0.85以下でもよく、0.6以上0.7以下でもよく、0.7以上0.85以下でもよい。
【0107】
金属板55の厚みT1、枠41の厚みT2及び桟42の厚みT3を測定する方法としては、接触式の測定方法を採用する。接触式の測定方法としては、ボールブッシュガイド式のプランジャーを備える、ハイデンハイン社製の長さゲージHEIDENHAIM-METROの「MT1271」を用いる。
【0108】
上述のマスク装置30を製造する方法について説明する。まず、マスク支持体40を製造する方法の一例について説明する。
【0109】
まず、図12に示すように、第1面46a及び第1面46aの反対側に位置する第2面46bを含む板46を準備してもよい。板46の材料としては、マスク50の金属板55と同様の材料を利用できる。例えば、板46の材料として、ニッケルを含む鉄合金を利用できる。板46の厚みT0は、枠41の厚みT2以上である。板46の厚みT0は、枠41の厚みT2と同一であってもよい。図12において、符号42dが付された点は、上述の枠41と桟42とが接続される端42dが現れる位置を表している。
【0110】
続いて、板46のうち端42dとなる位置よりも内側に位置する中央領域46dを、切削工具又は加工機を用いて第2面46b側から加工する加工工程を実施してもよい。加工工程は、図13に示すように、中央領域46dの厚みT4が上述の桟42の厚みT3になるまで板46を加工する第1加工工程を含んでもよい。図14は、図13に示す板46を第2面46b側から見た場合を示す平面図である。第1加工工程を実施するための切削工具としては、ドリル、バイト、フライス、エンドミルなどを利用できる。加工機が実施する加工方法としては、レーザー加工、水プラズマ加工、ワイヤーカット加工などを採用できる。
【0111】
加工工程は、切削工具又は加工機を用いて中央領域46dを部分的に第2面46b側から加工することによって、第2面46bから第1面46aに至る開口を中央領域46dに部分的に形成する第2加工工程を含んでもよい。この場合、中央領域46dのうち開口が形成されずに残った領域が、上述の桟42を構成する。第2加工工程を実施するための切削工具としては、ドリル、バイト、フライス、エンドミルなどを利用できる。加工機が実施する加工方法としては、レーザー加工、水プラズマ加工、ワイヤーカット加工などを採用できる。
【0112】
このようにして、図7に示すように、枠41及び桟42を備えるマスク支持体40を製造できる。第2加工工程は、第1加工工程の後に実施されてもよい。若しくは、第2加工工程は、第1加工工程の前に実施されてもよい。
【0113】
続いて、マスク50を枠41の第2辺412に固定する固定工程を実施してもよい。例えば、第1方向D1においてマスク50に張力Tを加えた状態で、マスク50の端部51を第2辺412の枠第1面41aに固定してもよい。マスク50を枠41に固定する方法としては、例えば溶接法を用いてもよい。溶接法においては、レーザー光を利用してもよい。レーザー光は、端部51に照射してもよい。レーザー光を照射された端部51が溶融することによって、端部51を第2辺412の枠第1面41aに溶接してもよい。このようにして、図4に示すように、マスク支持体40及びマスク50を備えるマスク装置30を製造できる。
【0114】
マスク装置30を備える蒸着装置10を利用することによって、有機デバイス100を製造する方法について説明する。
【0115】
まず、第1電極層120及び絶縁層160などの層が形成されている基板110を準備する。また、基板110を蒸着装置10の内部に搬入する。基板110を蒸着装置10の内部に搬入する前に、基板110に洗浄などの前処理が施されてもよい。
【0116】
続いて、マスク装置30のマスク50の貫通孔56を介して有機材料を基板110に蒸着させる蒸着工程を実施する。これにより、基板110上に蒸着層130を形成できる。その後、第2電極層140などのその他の層を形成する工程などを実施することによって、有機デバイス100を製造できる。
【0117】
本開示の形態においては、上述のとおり、1つの板46を機械的に加工することによってマスク支持体40を作成している。このため、マスク支持体40の枠41と桟42とが一体的に構成される。従って、枠41と桟42とが別個の部材である場合に比べて、桟42が延びる方向におけるマスク支持体40の剛性を向上できる。例えば、桟42が、第2方向D2に延びる第1桟421を含む場合、第2方向D2におけるマスク支持体40の剛性を向上できる。このため、例えば、マスク支持体40がマスク50から受ける力によって、マスク支持体40の枠41が第2方向D2において変形することを抑制できる。これにより、枠41に固定されているマスク50の貫通孔56の位置が設計位置からずれてしまうことを抑制できる。設計位置とは、貫通孔56の理想的な位置のことである。
【0118】
図15は、基板110と組み合わされている状態のマスク装置30のマスク50の一部を示す断面図である。本開示の形態によれば、マスク50の貫通孔56の位置が設計位置からずれてしまうことを抑制できる。このため、貫通孔56を介して基板110に蒸着される蒸着材料によって構成される蒸着層130の位置精度を高くできる。
【0119】
蒸着層130の位置精度が高いことの利点の例について説明する。図15に示すように有機デバイス100が絶縁層160を備える場合、基板110の面方向における絶縁層160の寸法は、蒸着工程における蒸着層130の位置精度に基づいて設定されてもよい。例えば、蒸着層130の位置精度が高いほど、絶縁層160の寸法が小さく設定されてもよい。有機デバイス100の画素密度が一定である場合、絶縁層160の寸法が小さいほど、第1電極層120や蒸着層130の面積を大きくできる。これにより、有機デバイス100の駆動効率を高くでき、有機デバイス100の寿命を長くできる。
【0120】
枠41の枠第1面41aと桟42の桟第1面42aとが同一平面上に位置している場合、桟42によって下方から支持されるマスク50の面の位置を、枠41の枠第1面41aに対して制御し易くなる、という利点も考えられる。これにより、図15に示すように、蒸着工程において、マスク50の第1面55aと基板110の第1面111との間の距離Z1を制御し易くなる。このため、例えば、蒸着工程におけるシャドーを抑制又は調整し易くなる。
【0121】
次に、マスク装置30のその他の例について、図16及び図17を参照することによって、説明する。ここでは、マスク装置30が、枠41とは別個の部材によって構成されている第1桟部材47を備える場合について説明する。
【0122】
図16は、マスク装置30の一例を示す平面図である。図17は、図16のマスク装置30のXVII-XVII線に沿った断面図である。マスク装置30の第1桟部材47は、溶接によって枠41の第1辺411の枠第1面41a側に固定されている。このため、枠41と一体的に構成されている上述の桟42に比べて、第1桟部材47による第2方向D2におけるマスク支持体40の剛性に対する貢献は小さい。
【0123】
また、第1桟部材47が枠41とは別個の部材であるので、枠41の枠第1面41aの法線方向において、枠第1面41aと第1桟部材47の第1面47aとの間にずれが生じ易い。このため、枠41と一体的に構成されている上述の桟42が用いられる場合に比べて、マスク50の第1面55aと基板110の第1面111との間の距離Z1にばらつきが生じ易い。
【0124】
これに対して、図1図15に示す上述の実施の形態においては、枠41と桟42とが一体的に構成されているので、桟42が延びる方向におけるマスク支持体40の剛性を効果的に向上できる。また、枠41の枠第1面41aと桟42の桟第1面42aとが同一平面上に位置しているので、マスク50の面の位置を、枠41の枠第1面41aに対して制御し易くなる。
【0125】
上述した一実施形態を様々に変更できる。以下、必要に応じて図面を参照しながら、その他の実施形態について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した一実施形態と同様に構成され得る部分について、上述の一実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いる。重複する説明は省略する。また、上述した一実施形態において得られる作用効果がその他の実施形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略する場合もある。
【0126】
図18は、マスク装置30の一例をマスク50の第1面55a側から見た場合を示す平面図である。図19は、図18のマスク装置30からマスク50を取り除いた状態を示す図である。桟42は、枠41の第2辺412の内側面41eに接続されている第2桟422を含んでもよい。第2桟422は、第1方向D1に延びてもよい。例えば、第2桟422は、平面視において、第1方向D1に延びる一対の桟側面42cを含み、桟側面42cが枠41の第2辺412の内側面41eに接続されていてもよい。第2方向D2に沿って複数の第2桟422が並んでもよい。第2桟422の長さは、第1方向D1における枠41の開口43の寸法L21と同一であってもよい。
【0127】
図20は、図18のマスク装置30のXX-XX線に沿った断面図である。図21は、図18のマスク装置30のXXI-XXI線に沿った断面図である。第2桟422は、平面視において、第2方向D2において隣り合う2つのマスク50の隙間に重なってもよい。第2桟422を設けることによって、2つのマスク50の間の隙間を通った蒸着材料が基板110に付着することを抑制できる。
【0128】
第2桟422の桟第1面42aは、マスク50の第2面55bに接していてもよい。第2桟422も、上述の第1辺411と同様に、マスク50が自重によって撓むことを抑制できる。
【0129】
枠41の第2辺412と桟42の第2桟422の間の境界の構造について、図22A及び図23Aを参照することによって、説明する。図22Aは、図19において符号XXIIが付された点線で囲まれた範囲におけるマスク支持体40の一例を拡大して示す平面図である。図23Aは、図22Aのマスク支持体40のXXIII-XXIII線に沿った断面図である。
【0130】
図22A及び図23Aに示すように、枠41と桟42の間の境界において、枠41の枠第1面41aと桟42の桟第1面42aとが連続してもよい。例えば、第1辺411の場合と同様に、枠41の第2辺412と桟42の第2桟422の間の境界の周囲において枠第1面41aと桟第1面42aとが同一平面上に位置してもよい。
【0131】
図22Aに示すように、マスク支持体40は、平面視において、枠41の第2辺412の内側面41eと桟42の第2桟422の桟側面42cとが接続される第1接続部42fを含む。図22Bは、第1接続部42fを拡大して示す平面図である。例えば、切削工具を用いた加工を行う場合、上述した一実施形態と同様に、第1接続部42fが、移行部42faを含んでいてもよい。移行部42faは、第1曲率半径S2を有する湾曲部を備えていてもよい。
【0132】
図23Aに示すように、縦断面図において、マスク支持体40は、枠41の第2辺412の内側面41eと桟42の第2桟422の桟第2面42bとが接続される第2接続部42gを含む。図23Bは、第2接続部42gを拡大して示す断面図である。例えば、切削工具を用いた加工を行う場合、上述した一実施形態と同様に、第2接続部42gが、移行部42gaを含んでいてもよい。移行部42gaは、第2曲率半径S3を有する湾曲部を備えていてもよい。
【0133】
開口43について説明する。桟42が開口43を横切るように延びているので、平面視において、開口43が2以上の領域に区画される。例えば図19に示すように、開口43は、2つ以上の第2開口43Bを含む。2つ以上の第2開口43Bは、第2方向D2に並んでいる。
【0134】
図19に示すように、第2開口43Bの輪郭は、第1方向D1に延びる一対の第1縁431と、第2方向D2に延びる一対の第2縁432と、を含んでいてもよい。第1縁431は、第1辺411の内側面41e又は第2桟422の桟側面42cによって構成されてもよい。一対の第2縁432の少なくとも1つは、第2辺412の内側面41eによって構成されてもよい。一対の第2縁432のいずれもが、第2辺412の内側面41eによって構成されてもよい。
【0135】
第2開口43Bは、平面視においてマスク50の有効領域53に重なってもよい。マスク装置30の状態において、平面視において、第1方向D1に並ぶ2つ以上の有効領域53が1つの第2開口43Bに重なっていてもよい。1つのマスク50の2以上の有効領域53が、1つの第2開口43Bに重なっていてもよい。
【0136】
図18図23Aに示すマスク支持体40も、図1図15に示す上述の形態のマスク支持体40と同様に、1つの板を機械的に加工することによって作製され得る。このため、マスク支持体40の枠41と桟42とが一体的に構成される。従って、枠41と桟42とが別個の部材である場合に比べて、桟42が延びる方向におけるマスク支持体40の剛性を向上できる。例えば、桟42が、第1方向D1に延びる第2桟422を含む場合、第1方向D1におけるマスク支持体40の剛性を向上できる。このため、例えば、マスク支持体40がマスク50から受ける力によって、マスク支持体40の枠41が第1方向D1において変形することを抑制できる。これにより、枠41に固定されているマスク50の貫通孔56の位置が設計位置からずれてしまうことを抑制できる。
【0137】
また、枠41の第2辺412の枠第1面41aと桟42の第2桟422の桟第1面42aとが同一平面上に位置している場合、桟42によって下方から支持されるマスク50の面の位置を、枠41の枠第1面41aに対して制御し易くなる。これにより、マスク50の第1面55aと基板110の第1面111との間の距離Z1を制御し易くなる。このため、例えば、蒸着工程におけるシャドーを抑制又は調整し易くなる。
【0138】
上述した一実施形態と同様に、桟42の厚みT3は、枠41の厚みT2よりも小さくてもよい。T3/T2は、例えば、0.1以上でもよく、0.2以上でもよく、0.3以上でもよく、0.4以上でもよい。T3/T2は、例えば、0.5以下でもよく、0.6以下でもよく、0.7以下でもよく、0.85以下でもよい。T3/T2の範囲は、0.1、0.2、0.3及び0.4からなる第1グループ、及び/又は、0.5、0.6、0.7及び0.85からなる第2グループによって定められてもよい。T3/T2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。T3/T2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。T3/T2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0.1以上0.85以下でもよく、0.1以上0.7以下でもよく、0.1以上0.6以下でもよく、0.1以上0.5以下でもよく、0.1以上0.4以下でもよく、0.1以上0.3以下でもよく、0.1以上0.2以下でもよく、0.2以上0.85以下でもよく、0.2以上0.7以下でもよく、0.2以上0.6以下でもよく、0.2以上0.5以下でもよく、0.2以上0.4以下でもよく、0.2以上0.3以下でもよく、0.3以上0.85以下でもよく、0.3以上0.7以下でもよく、0.3以上0.6以下でもよく、0.3以上0.5以下でもよく、0.3以上0.4以下でもよく、0.4以上0.85以下でもよく、0.4以上0.7以下でもよく、0.4以上0.6以下でもよく、0.4以上0.5以下でもよく、0.5以上0.85以下でもよく、0.5以上0.7以下でもよく、0.5以上0.6以下でもよく、0.6以上0.85以下でもよく、0.6以上0.7以下でもよく、0.7以上0.85以下でもよい。
【0139】
マスク装置30のその他の例について、図24図27を参照することによって、説明する。ここでは、マスク装置30が、枠41とは別個の部材によって構成されている第2桟部材48を備える場合について説明する。
【0140】
図24は、マスク装置30の一例を示す平面図である。図25は、図24のマスク装置30からマスク50を取り除いた状態を示す平面図である。図26は、図24のマスク装置30のXXVI-XXVI線に沿った断面図である。マスク装置30の第2桟部材48は、溶接によって枠41の第2辺412の枠第1面41a側に固定されている。このため、枠41と一体的に構成されている上述の桟42に比べて、第2桟部材48による第1方向D1におけるマスク支持体40の剛性に対する貢献は小さい。
【0141】
また、第2桟部材48が溶接によって枠41の第2辺412に固定されている場合、第2桟部材48の溶接領域がマスク50に重なる場合がある。図27は、第2桟部材48の溶接領域48x及びその周囲を拡大して示す断面図である。図27に示すように第2桟部材48の溶接領域48xが枠41の枠第1面41aよりも上方へ隆起している場合、マスク50の一部が溶接領域48xによって上方へ押圧される。この場合、図27に示すように、マスク50の第2面55bと第2桟部材48の第1面48aとの間に隙間が生じ易くなる可能性がある。このため、枠41と一体的に構成されている上述の桟42が用いられる場合に比べて、マスク50の第1面55aと基板110の第1面111との間の距離Z1にばらつきが生じ易い。
【0142】
これに対して、図18図23Bに示す上述の実施の形態においては、枠41と桟42とが一体的に構成されているので、桟42が延びる方向におけるマスク支持体40の剛性を効果的に向上できる。また、枠41の枠第1面41aと桟42の桟第1面42aとが同一平面上に位置しているので、マスク50の面の位置を、枠41の枠第1面41aに対して制御し易くなる。
【0143】
マスク装置30のマスク支持体40が、上述の第1桟421及び第2桟422の両方を備える例について、図28図34を参照することによって、説明する。
【0144】
図28は、マスク装置30の一例を示す平面図である。図29は、図28のマスク装置30からマスク50を取り除いた状態を示す平面図である。桟42は、枠41の第1辺411に接続されている第1桟421と、枠41の第2辺412に接続されている第2桟422と、を含んでもよい。第1桟421は、一方の第1辺411から他方の第1辺411まで第2方向D2に延びてもよい。第2桟422は、一方の第2辺412から他方の第2辺412まで第1方向D1に延びてもよい。
【0145】
図30は、図28のマスク装置30のXXX-XXX線に沿った断面図である。図31は、図28のマスク装置30のXXXI-XXXI線に沿った断面図である。第1桟421及び第2桟422は、マスク50の第2面55bに接していてもよい。
【0146】
枠41と桟42の間の境界において、枠41の枠第1面41aと桟42の桟第1面42aとが連続してもよい。枠41の第1辺411と桟42の第1桟421との間の境界の構造は、図10A及び図11Aに示す上述の実施の形態の場合と同様であるので、説明を省略する。枠41の第2辺412と桟42の第2桟422との間の境界の構造は、図22A及び図23Aに示す上述の実施の形態の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0147】
桟42の第1桟421と第2桟422との間の接続部の構造について、図32Aを参照することによって、説明する。図32Aは、図29において符号XXXIIが付された点線で囲まれた範囲におけるマスク支持体40の一例を拡大して示す平面図である。
【0148】
第1桟421の桟第1面42aと第2桟422の桟第1面42aとは、同一平面上に位置してもよい。例えば、図32Aに示すように、第1桟421と第2桟422との交点42iを中心とした半径S4の範囲内の領域において、桟第1面42aの法線方向における位置が、平均値±第2閾値の範囲内である。第2閾値は、例えば0.5μmである。半径S4は、例えば10mmである。
【0149】
図32Aに示すように、マスク支持体40は、平面視において、枠41の第1桟421の桟側面42cと第2桟422の桟側面42cとが接続される第3接続部42hを含む。図32Bは、第3接続部42hを拡大して示す平面図である。例えば、切削工具を用いた加工を行う場合、第3接続部42hが、移行部42haを含んでいてもよい。移行部42haは、第1桟421の桟側面42cの延長線H5及び第2桟422の桟側面42cの延長線H6によって区画される桟42の部分である。第3接続部42hが移行部42haを含む場合の桟42の剛性は、第3接続部42hが移行部42haを含まない場合の桟42の剛性よりも大きい。すなわち、移行部42haは、桟42の剛性を高めることができる。
【0150】
移行部42haは、第3曲率半径S5を有する湾曲部を備えていてもよい。第3曲率半径S5は、例えば、10μm以上であってもよく、100μm以上であってもよく、1mm以上であってもよく、2mm以上であってもよい。第3曲率半径S5は、例えば、3mm以下であってもよく、5mm以下であってもよく、10mm以下であってもよく、20mm以下であってもよい。第3曲率半径S5の範囲は、10μm、100μm、1mm及び2mmからなる第1グループ、及び/又は、3mm、5mm、10mm及び20mmからなる第2グループによって定められてもよい。第3曲率半径S5の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第3曲率半径S5の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第3曲率半径S5の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、10μm以上20mm以下であってもよく、10μm以上10mm以下であってもよく、10μm以上5mm以下であってもよく、10μm以上3mm以下であってもよく、10μm以上2mm以下であってもよく、10μm以上1mm以下であってもよく、10μm以上100μm以下であってもよく、100μm以上20mm以下であってもよく、100μm以上10mm以下であってもよく、100μm以上5mm以下であってもよく、100μm以上3mm以下であってもよく、100μm以上2mm以下であってもよく、100μm以上1mm以下であってもよく、1mm以上20mm以下であってもよく、1mm以上10mm以下であってもよく、1mm以上5mm以下であってもよく、1mm以上3mm以下であってもよく、1mm以上2mm以下であってもよく、2mm以上20mm以下であってもよく、2mm以上10mm以下であってもよく、2mm以上5mm以下であってもよく、2mm以上3mm以下であってもよく、3mm以上20mm以下であってもよく、3mm以上10mm以下であってもよく、3mm以上5mm以下であってもよく、5mm以上20mm以下であってもよく、5mm以上10mm以下であってもよく、10mm以上20mm以下であってもよい。第3曲率半径S3を測定する測定器としては、新東Sプレシジョン製AMIC-1710を利用できる。
【0151】
開口43について説明する。本実施の形態においても、平面視において、開口43が桟42によって2以上の領域に区画される。例えば図29に示すように、開口43は、複数の第3開口43Cを含む。複数の第3開口43Cは、第1方向D1及び第2方向D2に並んでいる。
【0152】
図29に示すように、第3開口43Cの輪郭は、第1方向D1に延びる一対の第1縁431と、第2方向D2に延びる一対の第2縁432と、を含んでいてもよい。一対の第1縁431のいずれもが、第2桟422の桟側面42cによって構成されてもよい。一対の第2縁432のいずれもが、第1桟421の桟側面42cによって構成されてもよい。
【0153】
第3開口43Cは、平面視においてマスク50の有効領域53に重なってもよい。マスク装置30の状態において、平面視において、1つの有効領域53が1つの第3開口43Cに重なっていてもよい。平面視において、2つ以上の有効領域53が1つの第3開口43Cに重なっていてもよい。例えば、第1方向D1に並ぶ2つ以上の有効領域53が1つの第3開口43Cに重なっていてもよい。例えば、第2方向D2に並ぶ2つ以上の有効領域53が1つの第3開口43Cに重なっていてもよい。
【0154】
図28図32Aに示すマスク支持体40も、図1図15及び図18図23Aに示す上述の形態のマスク支持体40と同様に、1つの板を機械的に加工することによって作製され得る。このため、マスク支持体40の枠41と桟42とが一体的に構成される。従って、枠41と桟42とが別個の部材である場合に比べて、桟42が延びる方向におけるマスク支持体40の剛性を向上できる。例えば、桟42が、第1方向D1に延びる第2桟422及び第2方向D2に延びる第1桟421を含む場合、第1方向D1及び第2方向D2におけるマスク支持体40の剛性を向上できる。このため、例えば、マスク支持体40がマスク50から受ける力によって、マスク支持体40の枠41が第1方向D1及び第2方向D2において変形することを抑制できる。これにより、枠41に固定されているマスク50の貫通孔56の位置が設計位置からずれてしまうことを抑制できる。
【0155】
また、1つの板を機械的に加工することによってマスク支持体40を作製するので、桟42の第1桟421の桟第1面42aと第2桟422の桟第1面42aとが連続できる。例えば、第1桟421の桟第1面42aと第2桟422の桟第1面42aとが同一平面上に位置できる。このため、桟42によって下方から支持されるマスク50の面の位置を、枠41の枠第1面41aに対して制御し易くなる。これにより、マスク50の第1面55aと基板110の第1面111との間の距離Z1を制御し易くなる。このため、例えば、蒸着工程におけるシャドーを抑制又は調整し易くなる。
【0156】
上述した一実施形態と同様に、桟42の厚みT3は、枠41の厚みT2よりも小さくてもよい。T3/T2は、例えば、0.1以上でもよく、0.2以上でもよく、0.3以上でもよく、0.4以上でもよい。T3/T2は、例えば、0.5以下でもよく、0.6以下でもよく、0.7以下でもよく、0.85以下でもよい。T3/T2の範囲は、0.1、0.2、0.3及び0.4からなる第1グループ、及び/又は、0.5、0.6、0.7及び0.85からなる第2グループによって定められてもよい。T3/T2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。T3/T2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。T3/T2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0.1以上0.85以下でもよく、0.1以上0.7以下でもよく、0.1以上0.6以下でもよく、0.1以上0.5以下でもよく、0.1以上0.4以下でもよく、0.1以上0.3以下でもよく、0.1以上0.2以下でもよく、0.2以上0.85以下でもよく、0.2以上0.7以下でもよく、0.2以上0.6以下でもよく、0.2以上0.5以下でもよく、0.2以上0.4以下でもよく、0.2以上0.3以下でもよく、0.3以上0.85以下でもよく、0.3以上0.7以下でもよく、0.3以上0.6以下でもよく、0.3以上0.5以下でもよく、0.3以上0.4以下でもよく、0.4以上0.85以下でもよく、0.4以上0.7以下でもよく、0.4以上0.6以下でもよく、0.4以上0.5以下でもよく、0.5以上0.85以下でもよく、0.5以上0.7以下でもよく、0.5以上0.6以下でもよく、0.6以上0.85以下でもよく、0.6以上0.7以下でもよく、0.7以上0.85以下でもよい。
【0157】
マスク装置30のその他の例について、図33図36を参照することによって、説明する。ここでは、マスク装置30が、枠41とは別個の部材によって構成されている第1桟部材47及び第2桟部材48を備える場合について説明する。
【0158】
図33及び図34はいずれも、枠41とは別個の部材によって構成されている第1桟部材47及び第2桟部材48を備えるマスク支持体40を示す平面図である。図33に示す例においては、第1桟部材47が枠41の枠第1面41aと第2桟部材48との間に位置している。図34に示す例においては、第2桟部材48が枠41の枠第1面41aと第1桟部材47との間に位置している。
【0159】
図35は、図33に示すマスク支持体40を備えるマスク装置30を図33のXXXV-XXXV線に沿って切断した場合を示す断面図である。図33及び図35に示す形態においては、第1桟部材47とマスク50の第2面55bとの間に第2桟部材48が位置している。この場合、マスク50のうち、第2方向D2における端は第2桟部材48に接しているので下方から支持されるが、第2方向D2における中央部には何も接していない。このため、マスク50の幅方向である第2方向D2に沿ってマスク50に撓みが生じることが考えられる。
【0160】
図36は、図34に示すマスク支持体40を備えるマスク装置30を図34のXXXVI-XXXVI線に沿って切断した場合を示す断面図である。図34及び図36に示す形態においては、第2桟部材48とマスク50の第2面55bとの間に第1桟部材47が位置している。このため、第2方向D2において隣り合う2つのマスク50の間の隙間と、第2桟部材48との間には、マスク50の厚み方向において、第1桟部材47の厚みに相当する隙間が生じる。この結果、蒸着工程において、2つのマスク50の間の隙間を蒸着材料が通過し易くなる。
【0161】
これに対して、図28図32Bに示す上述の実施の形態においては、枠41と桟42とが一体的に構成されている。このため、桟42が延びる方向におけるマスク支持体40の剛性を効果的に向上できる。また、桟42の第1桟421と第2桟422とが一体的に構成されている。このため、第1桟421の桟第1面42aと第2桟422の桟第1面42aとが同一平面上に位置できる。これにより、桟42の第1桟421及び第2桟422とマスク50の第2面55bとの間に隙間が生じることを抑制できる。このため、桟42によってマスク50を下方から効果的に支持できる。また、マスク50の第2面55bと桟42との間の隙間に蒸着材料が入り込むことを抑制できる。
【0162】
図37は、マスク装置30の一例を第2方向D2に沿って切断した場合を示す断面図である。図37に示すように、桟42の第2桟422は、桟42の厚み方向において桟第2面42bに近づくにつれて、桟42の幅W3が減少する部分を含んでもよい。また、桟第1面42aにおける桟42の幅W31は、桟第2面42bにおける桟42の幅W32よりも大きくてもよい。
【0163】
桟42の厚み方向において桟第2面42bに近づくにつれて桟42の幅W3が減少することによって、蒸着工程の時に蒸着材料が桟42に付着することを抑制できる。また、桟第1面42aにおける桟42の幅W31を大きくすることによって、桟42の剛性を向上できる。このため、図37に示す形態によれば、例えば、桟42の剛性を維持しながら、蒸着工程の時に蒸着材料が桟42に付着することを抑制できる。
【0164】
図38は、マスク装置30の一例を第1方向D1に沿って切断した場合を示す断面図である。図38に示すように、桟42の第1桟421は、桟42の厚み方向において桟第2面42bに近づくにつれて、桟42の幅W3が減少する部分を含んでもよい。桟第1面42aにおける桟42の幅W31は、桟第2面42bにおける桟42の幅W32よりも大きくてもよい。
【0165】
図38に示す形態によれば、図37に示す形態の場合と同様に、桟42の剛性を維持しながら、蒸着工程の時に蒸着材料が桟42に付着することを抑制できる。
【0166】
図39に示すように、枠41の第1辺411は、枠41の厚み方向において枠第1面41aと枠第2面41bとの間に位置し、平面視において枠第1面41aよりも外側に位置する枠第3面41hを含んでもよい。また、第1辺411の内側面41eは、枠41の厚み方向において枠第2面41bに近づくにつれて外側に変位する傾斜面41gを含んでもよい。「外側」とは、平面視における枠41の開口43の中心点から離れる側である。
【0167】
第1辺411の内側面41eが傾斜面41gを含むことによって、蒸着工程の時に蒸着材料が第1辺411の内側面41eに付着することを抑制できる。
【0168】
図40に示すように、枠41の第2辺412は、枠41の厚み方向において枠第1面41aと枠第2面41bとの間に位置し、平面視において枠第1面41aよりも外側に位置する枠第3面41hを含んでもよい。第2辺412の内側面41eは、枠41の厚み方向において枠第2面41bに近づくにつれて外側に変位する傾斜面41gを含んでもよい。
【0169】
第2辺412の内側面41eが傾斜面41gを含むことによって、図39に示す第1辺411の場合と同様に、蒸着工程の時に蒸着材料が第1辺411の内側面41eに付着することを抑制できる。
【実施例
【0170】
次に、本開示の実施形態を実施例により更に具体的に説明するが、本開示の実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
【0171】
枠41に生じる変形を、シミュレーションにより検証した。
【0172】
図41に示すように、枠41及び桟42を備えるマスク支持体40を設計した。枠41の枠第1面41aと桟42の桟第1面42aとは同一平面上に位置する。枠41及び桟42を構成する材料は、36重量%のニッケルを含む鉄合金である。枠41及び桟42の構成、寸法などは下記のとおりである。
・第1辺411の長さL1:1105mm
・第2辺412の長さL2:1701mm
・第1桟421の本数:7本
・第1桟421の幅W5:3mm
・第2桟422の本数:22本
・第2桟422の幅W6:5.5mm
・枠41の厚みT2:30mm
・桟42の厚みT3:0.0mm、1.7mm、4.4mm、7.0mm、9.7mm、12.3mm、15.0mm、20.0mm、25.0mm、30.0mm
【0173】
図41に示すように第1方向D1において第2辺412に力Tを加えたときに第2辺412に生じる変形量Kを、シミュレーションにより算出した。力Tは、第2辺412がマスク50から受ける力に相当する。力Tは27Nに設定した。シミュレーションのソフトとしては、ADINA R&D社製ADINAを用いた。シミュレーションの結果を図42に示す。
【0174】
桟42の厚みT3と変形量Kとの関係を図43及び図44に示す。横軸は、枠41の厚みT2に対する桟42の厚みT3の比率である。枠41の変形量Kが極小値MINになる時の比率T3/T2である極小比率は、0.40以上0.60以下であると予想される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23A
図23B
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32A
図32B
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44