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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-07
(45)【発行日】2026-01-16
(54)【発明の名称】集約モジュール
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20260108BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20260108BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20260108BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20260108BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H01L23/46 Z
H01L25/04 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022184923
(22)【出願日】2022-11-18
(65)【公開番号】P2024073932
(43)【公開日】2024-05-30
【審査請求日】2024-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山本 武
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰稔
(72)【発明者】
【氏名】石井 正人
(72)【発明者】
【氏名】山口 智広
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 創三郎
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-081373(JP,A)
【文献】特開2009-044891(JP,A)
【文献】特開2011-049089(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0165929(US,A1)
【文献】特開2009-126350(JP,A)
【文献】特開2021-136805(JP,A)
【文献】特開2013-031330(JP,A)
【文献】特開2014-241323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H01L 23/473
H01L 25/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される複数の補機の夫々に通電する複数のドライバと、
複数の前記ドライバが実装された共通の基板と、
記ドライバと前記補機とに亘って設けられた複数のバスバーを有するバスバー体と、
前記基板及び複数の前記バスバー体を保持するモジュールハウジングと、を備え、
複数の前記バスバー体の夫々は、複数のバスバーが一体成形された一次成形品であり、
前記モジュールハウジングは、複数の前記一次成形品の夫々を保持する集約モジュール。
【請求項2】
前記モジュールハウジングは、複数の前記一次成形品を、1つに一体成形した二次成形品で構成される請求項1に記載の集約モジュール。
【請求項3】
前記バスバー体は、溝部を有する本体部と、前記溝部に収容される前記バスバーと、前記溝部において前記バスバーを保持する保持部材と、前記保持部材によって保持された前記バスバーを前記本体部の少なくとも一部を含んで覆うカバー部材と、を有する請求項1又は2に記載の集約モジュール。
【請求項4】
1つの前記溝部に、1つの前記バスバーが収容される請求項3に記載の集約モジュール。
【請求項5】
1つの前記溝部に、複数の前記バスバーが収容され、
複数の前記バスバーのうち、互いに隣接する2つの前記バスバーの間に絶縁部材が設けられている請求項3に記載の集約モジュール。
【請求項6】
前記モジュールハウジングは、冷却液を流通させる冷却流路が内部に形成された流路ハウジングを有する請求項1又は2に記載の集約モジュール。
【請求項7】
前記モジュールハウジングは、前記バスバー体と前記冷却流路とに亘ってヒートシンクが設けられている請求項6に記載の集約モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された補機に通電するドライバを備える集約モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、様々な補機(例えば電動ポンプや弁装置等)が搭載されている。このような補機はドライバにより通電される。このようなドライバに関する技術として、例えば下記に出典を示す特許文献1に記載のものがある。
【0003】
特許文献1には、インバータ装置に関して記載されている。このインバータ装置は、スイッチング素子を備えたパワーモジュールと、当該パワーモジュールを冷却する冷却モジュールと、スイッチング素子を制御する制御回路を備えた制御基板と、パワーモジュールの交流端子に接続される交流バスバーと、交流バスバーを流れる電流を検出する電流センサとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-153228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のインバータ装置は、冷却モジュールの一方側に、パワーモジュールが実装された制御基板を設け、冷却モジュールの他方側に、交流バスバーや電流センサを設けて小型化を行っている。しかしながら、上述したように車両には様々な補機が備えられており、このインバータ装置を補機毎に設けるとサイズが大きくなってしまう。このため、複数の補機への対応を鑑みた場合には、小型化をする上で改善の余地がある。
【0006】
そこで、小型化することが可能な集約モジュールが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る冷却モジュールの特徴構成は、車両に搭載される複数の補機の夫々に通電する複数のドライバと、複数の前記ドライバが実装された共通の基板と、記ドライバと前記補機とに亘って設けられた複数のバスバーを有するバスバー体と、前記基板及び複数の前記バスバー体を保持するモジュールハウジングと、を備え、複数の前記バスバー体の夫々は、複数のバスバーが一体成形された一次成形品であり、前記モジュールハウジングは、複数の前記一次成形品の夫々を保持する点にある。
【0008】
このような特徴構成とすれば、複数のドライバを実装した共通の基板と、複数のドライバと補機とに亘って設けられた複数のバスバーを有するバスバー体とを共通のモジュールハウジングで保持するので、例えば複数のドライバを夫々、別々の基板に実装すると共に、バスバーを当該基板と別々に設けた場合に比べて、小型化することができる。したがって、集約モジュールの軽量化を行うことが可能となる。また、車両への搭載を考えた場合、小型化できるので搭載の自由度を向上することが可能となる。さらに、バスバー体として一次成形品を作製しているため、個々のバスバーを位置決めしてモジュールハウジングを製造する煩雑さも解消できる。
【0009】
また、前記モジュールハウジングは、複数の前記一次成形品を、1つに一体成形した二次成形品で構成されると好適である。
【0010】
このような構成とすれば、モジュールハウジングに、バスバー体を容易に保持させることができる。また、一次成形品を樹脂等で成形して二次成形品とすればよいので、バスバーの位置決めが容易であり、成形精度が向上する。このように、複数のバスバーを保持した状態のモジュールハウジングを容易に構成することができる。
【0011】
また、前記バスバー体は、溝部を有する本体部と、前記溝部に収容される前記バスバーと、前記溝部において前記バスバーを保持する保持部材と、前記保持部材によって保持された前記バスバーを前記本体部の少なくとも一部を含んで覆うカバー部材と、を有すると好適である。
【0012】
このような構成とすれば、保持部材により本体部の溝部に収容された複数のバスバーの夫々の位置決めを行いつつ保持し、また、カバー部材によってバスバーの防水性及び機械的強度を向上させることができる。
【0013】
また、1つの前記溝部に、1つの前記バスバーが収容されると好適である。
【0014】
このような構成とすれば、モジュールハウジングが複数のバスバーを、個別に保持するように構成されるので、複数のバスバー同士の短絡を防止できる。したがって、ドライバの短絡故障を防止できる。
【0015】
あるいは、1つの前記溝部に、複数の前記バスバーが収容され、複数の前記バスバーのうち、互いに隣接する2つの前記バスバーの間に絶縁部材が設けられていてもよい。
【0016】
このような構成とすれば、1つの溝部に複数のバスバーを積層して設けることが可能となるので、1つの溝部に1つのバスバーを設ける場合に比べて、複数のバスバーが並ぶ方向(幅方向)に沿うバスバー体のサイズを小さくすることができる。したがって、集約モジュールを車両に搭載する際の配置上の自由度を向上することが可能となる。
【0017】
また、前記モジュールハウジングは、冷却液を流通させる冷却流路が内部に形成された流路ハウジングを有すると好適である。
【0018】
このような構成とすれば、集約モジュールにより基板とバスバーとを集約し、更に流路ハウジングにより冷却流路を集約しているので、モジュールハウジングを小型化することができる。
【0019】
また、前記モジュールハウジングは、前記バスバー体と前記冷却流路とに亘ってヒートシンクが設けられていると好適である。
【0020】
このような構成とすれば、バスバーを有するバスバー体と冷却流路とに亘ってヒートシンクが設けられているため、バスバーに生じた熱を、ヒートシンクを介して冷却流路を流通する冷却液に逃がすことができる。したがって、バスバーを適切に冷却することが可能となり、冷却効果が優れた集約モジュールを実現できる。また、ドライバに生じた熱をバスバーに伝達するように構成することで、バスバー及びヒートシンクを介してドライバを冷却することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】冷却モジュールの側方断面図である。
図2】基板を上方から見た図である。
図3】バスバー体の一例を示す図である。
図4】バスバー体を上方から見た図である。
図5】バスバー体の別例を示す図である。
図6】バスバー体の別例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る集約モジュールは、基板に複数のドライバを実装することができるように構成される。以下、本実施形態の集約モジュール1について説明する。
【0023】
図1は、集約モジュール1の側方断面図である。図1に示されるように、集約モジュール1は、ドライバ82と、基板20と、バスバー体90と、モジュールハウジング30とを備えて構成される。図2には、基板20を上方から見た図が示される。
【0024】
ドライバ82は、複数備えられ、車両に搭載される複数の補機2の夫々に通電する。車両に搭載される複数の補機2とは、集約モジュール1が備えられる車両を走行(駆動)させる動力源(例えば、エンジンや回転電機)の駆動を補助する複数の機器である。このような補機2として、例えば発電機や、ラジエータや、オイルポンプや、ウォータポンプや、これらのポンプを駆動するためのモータや、弁装置等がある。車両には、このような複数の補機2が搭載されるが、本実施形態では、複数の補機2として、モータ81とウォータポンプ3と弁装置4とが含まれる。詳細は後述するが、本実施形態では、モータ81は弁装置4を駆動する。モータ81、ウォータポンプ3、及び弁装置4については後述する。
【0025】
ドライバ82は、モータ81、及びウォータポンプ3に通電する。ドライバ82は、例えばHブリッジや三相インバータ等のように、互いに直列に接続して形成されたハイサイドのスイッチング素子とローサイドのスイッチング素子とを有するアーム部を、複数備えて構成することが可能である。
【0026】
ドライバ82には、夫々、図示しない制御部から動作指令が伝達される。動作指令には、例えば回転速度や、出力トルク等の指令値が含まれ、このような指令値に基づいてドライバ82が制御される。これにより、ドライバ82から、弁装置4を駆動するモータ81のコイルや、ウォータポンプ3が有するモータ(図示せず)のコイルに、指令値に応じた電流値の電流が流れる。
【0027】
基板20には、複数のドライバ82が実装される。本実施形態では、複数のドライバ82は共通の基板20に実装される。すなわち、単一の基板20に複数のドライバ82が実装される。図1では、ドライバ82として、モータ81に通電するドライバ82Aと、ウォータポンプ3Aのモータに通電するドライバ82Bと、ウォータポンプ3Bのモータに通電するドライバ82Cとが示されている。
【0028】
本実施形態では、基板20には、モータ81、ドライバ82A、ドライバ82B、及びドライバ82Cが実装される。ドライバ82A、ドライバ82B、及びドライバ82Cは、スイッチング素子を用いて構成されるが、スイッチング素子の端子を、基板20に設けられたランドに半田溶着により固定することが可能である。もちろん、スイッチング素子の端子を基板20に設けられたスルーホールに挿通して固定することも可能である。
【0029】
また、基板20には、複数のドライバ82のうちの少なくとも一つを制御する制御部(図示せず)が実装されていてもよい。複数のドライバ82のうちの少なくとも一つを制御する制御部とは、例えばモータ81や、ウォータポンプ3をPWM制御によって駆動する場合には、PWM制御部が相当する。制御部は、PWM制御部に限らず、例えばドライバ82の入力段に設けられ、当該ドライバ82に供給する電力を遮断可能な給電制御部であってもよい。
【0030】
このような基板20は、放熱性及び耐荷重の観点から、リジッド基板で構成される。特に、プリント基板を用いて構成することで、安価に実現できる。
【0031】
バスバー体90は、複数備えられ(図4参照)、複数のドライバ82の夫々に給電する。バスバー体90は、複数のバスバー80を有する。例えばドライバ82がHブリッジで構成される場合には、バスバー体90は2つのバスバー80を有して構成され、ドライバ82が三相インバータで構成される場合には、バスバー体90は3つのバスバー80を有して構成される。本実施形態では、バスバー体90は3つのバスバー80を有しているものとして説明する。3つのバスバー80を有するバスバー体90は、ドライバ82に対応して設けられる。すなわち、例えば本実施形態のように、ドライバ82が、ドライバ82A、ドライバ82B、及びドライバ82Cで構成されている場合において、3つのバスバー体90を備えるように構成される。なお、例えば3つのバスバー体90のうちの2つを共通にする(1つのバスバー体90により2つのドライバ82に給電する)ことにより、3つのドライバ82に対して2つのバスバー体90を有するように構成してもよい。
【0032】
複数のバスバー体90の夫々は、複数のバスバー80が一体成形された一次成形品として構成される。図3にはバスバー体90の側方断面図が示される。図3に示されるように、バスバー体90は、本体部91、バスバー80、保持部材93、及びカバー部材95を有する。本体部91は絶縁性の樹脂材料を用いて直方体状に構成される。本体部91の一つの面(例えば天面91A)には、所定の方向に沿って並んだ溝部92を有する。溝部92は、バスバー体90が有するバスバー80の数に応じて形成される。図3の例では、バスバー体90が3つのバスバー80を有することから、本体部91には3つの溝部92が形成される。
【0033】
バスバー80は、この溝部92に収容される。本実施形態では、1つの溝部92に1つのバスバー80が収容される。したがって、溝部92の内形寸法は、バスバー80のサイズに外形寸法よりも若干大きく設定される。溝部92に収容されたバスバー80は、溝部92内における位置決めのために、保持部材93により保持される。図3の例では、保持部材93は、溝部92の底部92Aに設けられ、更に底部92Aに設けられた保持部材93上にバスバー80を載置した状態で、バスバー80を覆うように設けられる。このとき、バスバー80と共に、本体部91の天面91Aの少なくとも一部を含んで保持部材93を設けるとよい。これにより、溝部92に収容されたバスバー80を溝部92の底部92A側と天面91A側とから挟んで保持することが可能となる。このような保持部材93は、例えば絶縁性の熱硬化樹脂や発泡接着剤を用いることが可能である。この場合、熱硬化樹脂や発泡接着剤を硬化させるために、ヒータや誘導加熱を利用して過熱することが可能である。
【0034】
保持部材93によって保持されたバスバー80を本体部91の少なくとも一部を含んで覆うように、カバー部材95が設けられる。カバー部材95は、例えば絶縁性の樹脂ペーストを用いて構成するとよい。この樹脂ペーストを硬化させることで、バスバー80に対する耐防水性を向上するできると共に、機械的強度を向上することが可能となる。このようなバスバー体90は、例えばインサート成形によりバスバー80と一体成形した一次成形品として構成される。本実施形態では、このような一次成形品が複数、構成される。なお、図1では、理解を容易にするために、保持部材93及びカバー部材95を省略している。
【0035】
図1に戻り、モジュールハウジング30は、基板20及びバスバー体90を保持する。モジュールハウジング30は、例えば樹脂を用いて構成される。モジュールハウジング30は、後述する流路ハウジング40を有している。本実施形態では、基板20は、この流路ハウジング40の外面41に保持される。流路ハウジング40の外面41には、当該外面41から突出する凸部42が設けられており、基板20はこの凸部42に載置された状態で、ボルト43で締結固定される。
【0036】
更に、流路ハウジング40には、外面41から立設する複数の壁部48が形成されており、この複数の壁部48に亘って天板46が支持される。これにより、基板20が流路ハウジング40と壁部48と天板46とで囲まれた空間47に収容される。
【0037】
また、モジュールハウジング30は、上述した複数の一次成形品の夫々を保持する。複数の一次成形品の夫々は、例えば基板20のようにボルトを用いてモジュールハウジング30に締結固定することで保持してもよいし、モジュールハウジング30に、予め一次成形品の外形寸法に応じて穴部を形成しておき、この穴部に一次成形品を嵌め込んで保持するようにしてもよい。本実施形態では、モジュールハウジング30は、複数の一次成形品を、1つに一体成形した二次成形品で構成される。すなわち、モジュールハウジング30は、上述したように樹脂を用いて構成されるが、この際、予めインサート成形により形成した一次成形品の夫々を、更にインサート成形により一体成形して二次成形品として構成することが可能である。モジュールハウジング30を、このような二次成形品として構成する場合には、二次成形品として構成した後、上述した基板20をボルト43で締結固定するとよい。
【0038】
バスバー体90が有するバスバー80と基板20の所定のランドとは、配線97及びプレスフィット23を介して電力供給が行われる。また、図1の例では、バスバー80と電気的に接続された配線98が壁部48の内部に設けられ、壁部48における空間47とは反対側に突出するようにコネクタ部49が形成される。これにより、コネクタ部49を介してバスバー80の電力を取り出すことが可能となる。
【0039】
モータ81は、弁装置4を駆動する。本実施形態では、モータ81のロータ81Aの回転軸81Bの一端に歯車81Cが設けられる。この歯車81Cと噛み合うように、モータ81の回転速度を減速するギヤ81Dが設けられ、このギヤ81Dと弁装置4の回転軸4Aに設けられた歯車4Bとが噛み合うように構成されている。これにより、モータ81が弁装置4を駆動することが可能となる。
【0040】
また、モータ81は、回転軸81Bの他端が基板20を貫通するように設けられ、モータハウジング81Fを介して基板20に支持される。モータハウジング81Fと基板20との固定は、例えばボルトを用いて締結固定してもよいし、他の方法により固定してもよい。また、モータ81と基板20との電気的接続は、基板20に設けられたスルーホール21にプレスフィット22を挿通して行うことが可能である。
【0041】
また、モータ81の回転軸81Bは、上述したように一端に歯車81Cが設けられているが、他端が外面41に形成された凹部44に挿入された状態で軸受支持される。更に、本実施形態では、ギヤ81Dの回転軸81Eも外面41に形成された凹部45に挿入された状態で軸受支持される。したがって、モータ81及びギヤ81Dは、モジュールハウジング30により保持される。
【0042】
ウォータポンプ3は、冷却流路70に冷却液を流通させる。冷却流路70は、例えばエンジンや回転電機等の動力源や、発電機やバッテリ等の動力源以外の装置に連通し、この冷却流路70を介してウォータポンプ3から吐出された冷却液が供給される。冷却液は、ロングライフクーラント(LLC)等の冷却水、パラフィン系等の絶縁油、又はハイドロフルオロカーボン(HFC)やハイドロフルオロオレフィン(HFO)等の冷媒凝縮液である。これにより、冷却液の供給先(エンジン、回転電機、発電機、バッテリ等)を冷却することが可能となる。本実施形態では、図1に示されるように2台のウォータポンプ3が設けられており、夫々を区別する場合には、一方のウォータポンプ3をウォータポンプ3Aとし、他方のウォータポンプ3をウォータポンプ3Bとして説明する。
【0043】
弁装置4は、モータ81の出力に基づいて、冷却流路70を流通する冷却液の量を調節または流路を切り替え可能に構成される。図1に示されるように、弁装置4は冷却流路70に設けられる。弁装置4は、ウォータポンプ3に吸入される冷却液の量を調節するまたは流路を切り替えるように設けてもよいし、ウォータポンプ3から吐出される冷却液の量を調節するまたは流路を切り替えるように設けてもよい。本実施形態では、弁装置4はウォータポンプ3Aが設けられている冷却流路70に備えられている。
【0044】
本実施形態では、モジュールハウジング30は、基板20に加えて、基板20の他に、ウォータポンプ3A、ウォータポンプ3B、及び弁装置4も保持する。本実施形態では、ウォータポンプ3A、及びウォータポンプ3Bは、羽根部3A1及び羽根部3B1が、モジュールハウジング30における冷却流路70側に位置するように設けられ、弁装置4は、弁部4Cが、モジュールハウジング30における冷却流路70側に位置するように設けられる。
【0045】
流路ハウジング40には上述した冷却流路70が内部に形成されており、この冷却流路70には冷却液が流通される。流路ハウジング40は樹脂を用いて構成され、冷却流路70は例えば割面に穴あけ加工によって形成することが可能である。
【0046】
基板20と冷却流路70とに亘ってヒートシンク50が設けられる。本実施形態では、ヒートシンク50の一方側が、ギャップフィラー54を介して基板20に貼り付けられ、ヒートシンク50の他方側が、冷却流路70に露出する状態で設けられる。図2に示されるように、ヒートシンク50は、例えば基板20におけるドライバ82が実装された領域の裏側に貼り付けるとよい。また、基板20を上方から見て、少なくとも冷却流路70がヒートシンク50と重複する部分において、ヒートシンク50よりも外側に広がるように構成するとよい。すなわち、基板20を上方から見て、ヒートシンク50が冷却流路70と重複するように、冷却流路70を構成するとよい。これにより、ドライバ82からの熱を、ヒートシンク50に伝わり易くすることができる。なお、ヒートシンク50の鍔部55には、シール部材56(例えばOリング)を設けるとよい。
【0047】
本実施形態では、ヒートシンク50は、流路ハウジング40に設けられ、冷却流路70の内部に向かって立設するフィン51を有する。これにより、ドライバ82からの熱が伝わったヒートシンク50を、冷却流路70を流通する冷却液で直接、冷却することが可能となる。したがって、ドライバ82をより効率よく冷却することができる。ヒートシンク50は、フィン51が冷却流路70を流通する冷却液の流通方向に対して交差する(好ましくは、直交する)状態で立設するように構成してもよいし、フィン51が、冷却流路70を流通する冷却液の流通方向に対して平行な状態で立設するように構成してもよい。また、ヒートシンク50は、フィン51に代えて複数の板状部材やピンを有するように構成することも可能である。
【0048】
本実施形態では、モジュールハウジング30には、バスバー体90と冷却流路70とに亘ってヒートシンク150が設けられている。ヒートシンク150は、ヒートシンク150の一方側が、ギャップフィラー154を介してバスバー体90に貼り付けられ、ヒートシンク150の他方側が、冷却流路70に露出する状態で設けられる。図4に示されるように、ヒートシンク150は、例えばバスバー体90におけるバスバー80が設けられている領域の裏側に貼り付けるとよい。また、バスバー体90を上方から見て、少なくとも冷却流路70がヒートシンク150と重複するように構成するとよい。すなわち、バスバー体90を上方から見て、ヒートシンク150が冷却流路70と重複するように、冷却流路70を構成するとよい。これにより、バスバー80からの熱を、ヒートシンク150に伝わり易くすることができる。なお、ヒートシンク150の鍔部155には、シール部材156(例えばOリング)を設けるとよい。
【0049】
以上のように、複数のドライバ82に電気的に接続される複数のバスバー80を有するバスバー体90をモジュールハウジング30で保持するように構成することで、複数のドライバ82及び複数のバスバー80を集約して備える集約モジュール1を構成することが可能となる。このような集約モジュール1により、基板20に複数のドライバ82を設けた場合であっても、小型化することが可能となる。また、複数のドライバ82を、適切に冷却することもできる。
【0050】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、モジュールハウジング30が、モータ81、ギヤ81D、弁装置4、及びウォータポンプ3を保持しているとして説明した。しかしながら、モジュールハウジング30は、モータ81、ギヤ81D、弁装置4、及びウォータポンプ3のうち、少なくとも一つを保持するように構成してもよい。また、モジュールハウジング30は、モータ81、ギヤ81D、弁装置4、及びウォータポンプ3を保持しなくてもよい。
【0051】
上記実施形態では、バスバー体90が、本体部91、バスバー80、保持部材93、及びカバー部材95を有するとして説明した。例えば、バスバー体90は、本体部91と、バスバー80と、保持部材93及びカバー部材95の何れか一方とを有して構成することも可能である。このようなバスバー体90の側方断面図が図5に示される。この場合には、保持部材93とカバー部材95とを共通化して設けるとよい。すなわち、保持部材93が溝部92においてバスバー80を保持する保持機能と、カバー部材95が耐防水性及び機械的強度の向上機能とを、保持部材93及びカバー部材95の一方に備えるとよい。具体的には、図5に示されるように、本体部91の溝部92にバスバー80を収容し、溝部92に収容されたバスバー80と共に、本体部91の天面91Aの少なくとも一部を含んでカバー部材95(或いは、保持部材93)を設けるとよい。なお、このとき、溝部92の底部92Aに、カバー部材95(或いは保持部材93)を設けなくてもよいし、設けてもよい。
【0052】
上記実施形態では、1つの溝部92に1つのバスバー80が収容されるとして説明した。例えば、図6に示されるように、1つの溝部92に複数のバスバー80が収容されるように構成することも可能である。この場合には、本体部91に形成された1つの溝部92の底部92Aに保持部材93を設け、この上にバスバー80と保持部材93とを交互に積層した状態で設けるとよい。また、このとき、保持部材93として1枚のシート状のものを用いることにより、図6に示されるように、折り畳みながら設けてもよい。もちろん、保持部材93は、互いに隣接する2つのバスバー80の間毎に別体で設けてもよい。いずれにしても、複数のバスバー80のうち、互いに隣接する2つのバスバー80の間の保持部材93は、絶縁部材を用いて構成するとよい。
【0053】
上記実施形態では、基板20に、複数のドライバ82のうちの少なくとも1つを制御する制御部が実装されているとして説明した。しかしながら、基板20には制御部が実装されていなくてもよい。
【0054】
上記実施形態では、基板20は、流路ハウジング40の外面41に支持されているとして説明した。しかしながら、基板20は、流路ハウジング40の外面41とは異なる部位に支持されていてもよいし、例えば、外面41と離間した状態で支持されていてもよい。
【0055】
本発明は、車両に搭載された補機に通電するドライバを備える集約モジュールに用いることが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1:集約モジュール
2:補機
20:基板
30:モジュールハウジング
40:流路ハウジング
80:バスバー
82:ドライバ
90:バスバー体
91:本体部
92:溝部
93:保持部材
95:カバー部材
150:ヒートシンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6