(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-07
(45)【発行日】2026-01-16
(54)【発明の名称】コラーゲンペプチド吸収促進組成物とその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 33/185 20160101AFI20260108BHJP
A23L 11/00 20250101ALI20260108BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20260108BHJP
A23L 33/18 20160101ALI20260108BHJP
A23L 2/52 20060101ALN20260108BHJP
A23L 2/66 20060101ALN20260108BHJP
【FI】
A23L33/185
A23L11/00 Z
A23L5/00 J
A23L33/18
A23L2/00 F
A23L2/66
A23L2/52
A23L2/00 J
(21)【出願番号】P 2022113873
(22)【出願日】2022-07-15
【審査請求日】2024-04-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208086
【氏名又は名称】大洋香料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【氏名又は名称】福島 三雄
(72)【発明者】
【氏名】宮本 乃理子
(72)【発明者】
【氏名】三吉 和之
【審査官】中根 知大
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-218390(JP,A)
【文献】特開2019-106905(JP,A)
【文献】特開2006-288264(JP,A)
【文献】特開2006-296300(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104187710(CN,A)
【文献】国際公開第2017/164298(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大豆ペプチド乳酸菌発酵物を含有する組成物を使用した、コラーゲンペプチド吸収を促進する
美容上の方法(但し、ヒトに対する医療行為(診療、治療、予防又は健康状態を維持するための処置を含む)を除く。)。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、当該組成物を、コラーゲンペプチドまたはコラーゲンペプチド含有組成物と一緒に、同時に、または、その摂取前もしくは摂取後に、摂取するために使用することによって行われる、請求項1
に記載のコラーゲンペプチド吸収を促進する
美容上の方法(但し、ヒトに対する医療行為(診療、治療、予防又は健康状態を維持するための処置を含む)を除く。)。
【請求項3】
20重量%~40重量%の大豆ペプチド乳酸菌発酵物および10重量%~40重量%のコラーゲンペプチドを含有
し、前記大豆ペプチド乳酸菌発酵物が、70%以上の乳酸菌を除去したものである、肌状態改善組成物。
【請求項4】
20重量%~40重量%の大豆ペプチド乳酸菌発酵物および10重量%~40重量%のコラーゲンペプチドを含有し、大豆ペプチド乳酸菌発酵物とコラーゲンペプチドを混合することによって製造される、肌状態改善組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コラーゲンペプチド吸収促進組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コラーゲンは、動物の皮膚、骨、軟骨等に多く含まれるタンパク質である。また、コラーゲンは、皮膚の真皮層では、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などと共にマトリックス構造を形成する。そのため、コラーゲンは、細胞及び皮膚組織の支持、細胞間隙における保水、皮膚の潤滑性と柔軟性の保持、紫外線、乾燥環境、機械的刺激や損傷、微生物感染等の外的因子から皮膚組織を保護する役割を果たす重要な成分の1つである。
【0003】
コラーゲンは、経口摂取された後、体内の消化酵素によってジペプチドやトリペプチドに分解され、小腸から血中へ吸収される。従って、コラーゲンの加水分解物であるコラーゲンペプチドを経口摂取することで、コラーゲンの持つ有益な効果を得ることが期待できる。
【0004】
コラーゲンを構成する特徴的なアミノ酸であるヒドロキシプロリン(Hyp)を含むペプチド(ペプチド型Hyp)は、経口摂取後のコラーゲンペプチドの消化吸収の動態を観察する指標となることが分かっている(非特許文献1~3)。ペプチド型Hypの血中への移行によりコラーゲンペプチドの吸収を観測した場合、コラーゲンペプチド2g/65kg体重では有意な吸収が見られず、10g/65kg体重でペプチド型Hypの血中への移行が見られた(非特許文献2)。これは、コラーゲンペプチドは経口摂取しても吸収されにくいこと、従って、コラーゲンペプチドはそのままでは大量に摂取しなければ、コラーゲンペプチドを経口摂取しても十分な効果を達成できないであろうことを示唆している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】日本香粧品学会誌 Vol. 44、 No. 4、pp.308-313(2020)
【文献】日本食生活学会誌 第27巻、第3号、pp.147-152(2016)
【文献】皮革科学 Vol.56、No. 2、pp.71-79(2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、コラーゲンペプチドの吸収を促進し、それにより、必要な効果を達成するのに摂取すべきコラーゲンペプチドの量を減らすことが求められている。
さらに、コラーゲンは体内の種々の部位で使用されているため、摂取されたコラーゲンが、目的とする効果をもたらすことも確認する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物が、コラーゲンペプチドの吸収を促進することを見出した。
さらに、本発明者らは、本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物およびコラーゲンペプチドを含有する本発明の組成物が、肌状態を改善することを見出した。
【0008】
本発明は、以下の態様1~5を含む:
[態様1] 大豆ペプチド乳酸菌発酵物を含有する、コラーゲンペプチド吸収促進組成物;
[態様2] 70%以上の乳酸菌を除去した、態様1に記載のコラーゲンペプチド吸収促進組成物;
[態様3] コラーゲンペプチドまたはコラーゲンペプチド含有組成物と一緒に、同時に、または、その摂取前もしくは摂取後に、摂取することによって使用される、態様1または2に記載のコラーゲンペプチド吸収促進組成物;
[態様4] 肌状態を改善するために使用される、態様1または2に記載のコラーゲンペプチド吸収促進組成物;
[態様5] 大豆ペプチド乳酸菌発酵物を混合する、コラーゲンペプチド吸収促進組成物の製造方法。
[態様6] 大豆ペプチド乳酸菌発酵物およびコラーゲンペプチドを含有する、肌状態改善組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物は、コラーゲンペプチドの吸収を促進することができる。また、本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物は、コラーゲンペプチドの吸収を促進することによって、肌の水分量および/または弾力を改善し、肌状態を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1、実施例2および比較例1のコラーゲンドリンク摂取後の経過時間に対する被験者の血漿中のペプチド型Hypの量の平均値をプロットしたグラフである。
【
図2】実施例1、実施例2および比較例1のコラーゲンドリンク摂取後の経過時間に対する被験者の血漿中のPro-Hyp量の平均値をプロットしたグラフである。
【
図3】実施例1、実施例2および比較例1のコラーゲンドリンク摂取後の経過時間に対する被験者の血漿中のHyp-Gly量の平均値をプロットしたグラフである。
【
図4】実施例3および比較例2のコラーゲンドリンクの被験者の肌の全体的な状態の変化をプロットしたグラフである。
【
図5】実施例3および比較例2のコラーゲンドリンクの被験者の肌の乾燥状態の変化をプロットしたグラフである。
【
図6】実施例3および比較例2のコラーゲンドリンクの被験者の肌の弾力の変化をプロットしたグラフである。
【
図7】実施例4、比較例3および比較例4のコラーゲンドリンクの被験者の肌の全体的な状態の変化をプロットしたグラフである。
【
図8】実施例3、比較例3および比較例4のコラーゲンドリンクの被験者の肌の乾燥状態の変化をプロットしたグラフである。
【
図9】実施例3、比較例3および比較例4のコラーゲンドリンクの被験者の肌の弾力の変化をプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施の形態を、詳しく説明する。
本発明の一態様において、本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物を含有する組成物は、コラーゲンペプチドの吸収を促進する。さらに、本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物から乳酸菌の菌体を70%以上、例えば80%以上、または90%以上除去したものも、乳酸菌除去前と同様にコラーゲンペプチドの吸収を促進する。また、大豆ペプチド乳酸菌発酵物、若しくは、大豆ペプチド乳酸菌発酵物から乳酸菌の菌体が上記割合のいずれかで除去されたものが混合された組成物とすることで、本発明のコラーゲンペプチド吸収促進組成物を製造することができる。
本発明のコラーゲンペプチド吸収促進組成物は、コラーゲンペプチドそれ自体またはコラーゲンペプチド含有組成物と一緒に、同時に、またはその摂取前もしくは摂取後に摂取することによって、コラーゲンペプチドの吸収を促進することができる。
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物は、大豆ペプチドを乳酸菌で発酵させることで製造される。
【0012】
本発明のペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用されるペプチドは、例えば、動植物性あるいは微生物由来のタンパク質を、酸、アルカリまたはタンパク質加水分解酵素で加水分解することによって得られるものであり、例えばコラーゲンペプチド、大豆ペプチド、乳ペプチド、小麦ペプチドまたは卵ペプチドであり、好ましくは大豆ペプチドである。
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される大豆ペプチドは、例えば大豆タンパク質を酵素分解したものであり、好ましくは不二製油株式会社からハイニュートシリーズとして販売されているものであり、さらに好ましくはハイニュートAM(不二製油株式会社)である。
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される大豆ペプチドの量は、0.1~20%、好ましくは2~10%、より好ましく3~5%である。
【0013】
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される乳酸菌は、例えばラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・パニス、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカス、ラクトバチルス・アシドフィラス、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・パラカゼイ・サブスピーシーズ・パラカゼイ、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・プランタラム・サブスピーシーズ・プランタラム、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・クンキー、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、または、ストレプトコッカス・サーモフィラスであり、好ましくはラクトバチルス・プランタラムまたはラクトバチルス・パラカゼイであり、特に好ましくはラクトバチルス・プランタラムである。また、乳酸菌は複数使用してもよく、例えば上に示したものから1種以上選択してもよい。
【0014】
ラクトバチルス・プランタラムの菌株は、例えばラクトバチルス・プランタラムFL-664である。
ラクトバチルス・パラカゼイの菌株は、例えばラクトバチルス・パラカゼイNBRC15889である。
ラクトバチルス・ロイテリの菌株は、例えばラクトバチルス・ロイテリJCM1112、ラクトバチルス・ロイテリJCM1081、またはラクトバチルス・ロイテリJCM1084である。
ラクトバチルス・パニスの菌株は、例えばラクトバチルス・パニスJCM11053である。
ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカスの菌株は、例えばラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリカスJCM1002である。
ラクトバチルス・アシドフィラスの菌株は、例えばラクトバチルス・アシドフィラスJCM1034である。
ラクトバチルス・ブレビスの菌株は、例えばラクトバチルス・ブレビスJCM1061である。
【0015】
ラクトバチルス・パラカゼイ・サブスピーシーズ・パラカゼイの菌株は、例えばラクトバチルス・パラカゼイ・サブスピーシーズ・パラカゼイJCM1109である。
ラクトバチルス・ガセリの菌株は、例えばラクトバチルス・ガセリJCM1131である。
ラクトバチルス・プランタラム・サブスピーシーズ・プランタラムの菌株は、例えばラクトバチルス・プランタラム・サブスピーシーズ・プランタラムJCM1149である。
ラクトバチルス・ファーメンタムの菌株は、例えばラクトバチルス・ファーメンタムJCM1173である。
ラクトバチルス・クンキーの菌株は、例えばラクトバチルス・クンキーJCM16173である。
ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスの菌株は、例えばラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスJCM5805である。
ラクトバチルス・ヘルベティカスの菌株は、例えばラクトバチルス・ヘルベティカスFL-65株である。
ストレプトコッカス・サーモフィラスの菌株は、例えばストレプトコッカス・サーモフィラスFL-176株である。
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される乳酸菌の菌株は、好ましくはラクトバチルス・プランタラムFL-664株である。
【0016】
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される乳酸菌の菌株は、例えば、国内または外国の公的微生物保存機関、例えば独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター、または、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターから分譲を受けることが可能なものである。
【0017】
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される乳酸菌発酵用培地には、pH調整剤を添加してもよい。pH調整剤は、無機塩基(例えば水酸化ナトリウム)、無機酸の塩(例えば炭酸カリウム)、有機酸の塩(例えばクエン酸三ナトリウム)、または、有機酸(例えば乳酸、クエン酸、リンゴ酸もしくは酢酸)である。培地に添加するpH調整剤の量は、乳酸菌発酵に適したpHの範囲(例えばpH 3~9)に培地のpHを調整するのに必要な量である。
【0018】
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される乳酸菌発酵用培地には、香料を添加してもよい。香料は、例えば果物(例えばリンゴ、イチゴ、グレープ、マスカット、ピーチまたはバナナ)のフレーバー、柑橘類(レモン、オレンジまたはライム)のフレーバー、あるいは、バニラ、ココア、紅茶またはコーヒーのフレーバーである。香料の種類および量は、必要な風味に合わせて適宜選択される。
【0019】
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される乳酸菌発酵用培地には、糖を添加してもよい。添加する糖は、例えばグルコース、スクロース、フルクトースまたはマルトースである。添加する糖は1種類であっても複数種類の混合物(例えば液糖や水飴などの混合物)であってもよい。あるいは、糖を高含有する食品(例えば濃縮果汁)として添加してもよい。
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される乳酸菌発酵の培地に添加する糖の量は、例えば0.1~6%であり、好ましくは1~6%であり、より好ましく2.5~4.5%であるが、これらの量に限定されない。本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される乳酸菌発酵の培地に添加する糖は、好ましくはグル・ファイナル(サンエイ糖化株式会社)またはハイマルトースM70-75C(日本コーンスターチ株式会社)である。
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される乳酸菌発酵の培地に添加する糖の量は、例えば0.1~6%であり、好ましくは1~6%であり、より好ましく2.5~4.5%であるが、これらの量に限定されない。
【0020】
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される乳酸菌発酵用培地には、アミノ酸を添加してもよい。添加するアミノ酸は、例えばアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アスパラギンまたはグルタミンである。添加するアミノ酸は1種類であっても複数種類の混合物であってもよい。あるいは、アミノ酸含有食品、例えば酵母エキスとして添加してもよい。酵母エキスは、好ましくは酵母エキスSL-W(三菱商事ライフサイエンス株式会社)である。また、酵母エキスは、他の栄養素との混合物の形で添加してもよい。
酵母エキスを添加する場合、酵母エキスの量は、例えば0.1~6%であり、好ましくは0.1~3%であり、より好ましく0.1~1%であるが、これらの量に限定されない。
【0021】
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造に使用される乳酸菌発酵用培地には、栄養素として、例えばビタミン類(例えばビオチン、葉酸、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキサール、リボフラビン、チアミン、ビタミンB12)、ミネラル類(例えばマンガン、マグネシウム、鉄)および/または脂肪酸(例えばオレイン酸)を添加してもよい。これらの栄養素は単独でも、これらの栄養素を含有する食品として添加してもよい。添加する栄養素は、例えばイーストリッチマンガン(オリエンタル酵母工業株式会社)である。
【0022】
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造において、乳酸菌の発酵時間は、例えば約8時間~約108時間であり、好ましくは約12時間~約96時間であり、より好ましくは約16時間~約72時間であるが、これらに限定されない。乳酸菌の発酵時間は、原料、使用微生物、発酵温度、および目的とする風味などにより適宜選択される。
【0023】
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造において、乳酸菌の発酵温度は、例えば20~45℃であり、好ましくは25~43℃であり、より好ましくは30~40℃であるが、これらに限定されない。乳酸菌の発酵温度は、原料、使用微生物、発酵時間、および目的とする風味などにより適宜選択される。
【0024】
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造の際の乳酸菌発酵開始時のpHは、例えばpH3~9であり、好ましくはpH4~8であり、より好ましくはpH5~7であるが、これらのpHに限定されない。乳酸菌発酵時のpHは、原料、使用微生物、発酵温度、および目的とする風味などにより適宜選択される。
【0025】
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物から、乳酸菌の菌体を70%以上、例えば80%以上、または90%以上除去したものを得るには、例えばデカンテーション(傾斜)、遠心分離、遠心分離及びデカンテーション、濾過、減圧濾過、膜濾過、または、限外濾過が用いられる。好ましくは、遠心分離を行った後にデカントし、沈殿した菌体を除去することによって、乳酸菌を70%以上除去したものを得ることができる。
本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物は、乳酸菌の菌体を除去しても除去しなくても、コラーゲンペプチドの吸収を促進する。例えば本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物を飲料として摂取する場合、口当たりや飲みやすさの点から、好ましくは乳酸菌の菌体を、ある程度、例えば70%以上除去したものを使用してよい。
【0026】
本発明の他の態様において、本発明の肌状態改善組成物は、大豆ペプチド乳酸菌発酵物およびコラーゲンペプチドを含有する。本発明の肌状態改善組成物に含有される大豆ペプチド乳酸菌発酵物は、本発明のコラーゲン吸収促進組成物に含有される大豆ペプチド乳酸菌発酵物である。また、本発明の肌状態改善組成物に含有される大豆ペプチド乳酸菌発酵物は、乳酸菌除去前のものであっても、乳酸菌を除去したものであってもよい。
【0027】
本発明の肌状態改善組成物は、固体であっても液体であってもよく、例えば粉末、顆粒、丸剤、錠剤、ソフトカプセル、ハードカプセル、ペースト、溶液、懸濁液または乳液であってもよい。本発明の肌状態改善組成物はまた、水などの液体と混合して飲料として再構成される粉末または顆粒であってもよい。
また、本発明の肌状態改善組成物は、飲食品組成物の形態であってもよい。本発明の肌状態改善組成物は、飲料、例えばジュース、スープまたはドリンク剤であるか、あるいは、食品、例えば栄養補助食品、特定保健用食品、機能性食品または健康食品の形態であってもよい。
【0028】
本発明の肌状態改善組成物に含有されるコラーゲンペプチドは、コラーゲンを加水分解して得られるコラーゲンペプチドである。コラーゲンペプチドの原料となるコラーゲンは、哺乳類、例えばウシまたはブタの尾、四肢等;鳥類、例えばトリのとさか(鶏冠)等;あるいは、魚類、例えばマグロ、サメ、タラ、ヒラメ、カレイ、タイ、テラピア、サケ、ナマズ、スズキまたはウナギの鰭、皮、鱗等から得られるコラーゲンである。本発明の肌状態改善組成物に含有されるコラーゲンペプチドは、例えばブタのコラーゲンを原料とするものである。
【0029】
本発明の肌状態改善組成物に含有されるコラーゲンペプチドの平均分子量は、ブタ由来のコラーゲンペプチドにおいて、例えば8000以下であり、好ましくは5000以下であり、より好ましく3000以下であり、さらに好ましくは2000以下である。
本発明の肌状態改善組成物に含有されるコラーゲンペプチドの量は、例えば5~40重量%であり、好ましくは5~30重量%であり、さらに好ましくは10~25重量%である。
【0030】
本発明の肌状態改善組成物は、さらに、甘味料(例えばデキストリン、ブドウ糖、乳糖もしくは糖類(例えばグラニュー糖))、糖アルコール類、澱粉又はその加工物、セルロース類、着色剤、香料、果汁、ビタミン類、ミネラル類、蛋白質、アミノ酸、酸化防止剤(例えばビタミンC)、保存剤、安定剤、希釈剤、溶解剤、等張化剤(例えば食塩)、pH調整剤(例えばクエン酸またはクエン酸ナトリウム)、酸味料、各種栄養機能成分などの他の成分を含んでよい。本発明の肌状態改善組成物は、さらに、コラーゲン類の吸収を促進する作用を有する成分、例えば界面活性剤、セサミンまたはリン脂質を含んでよい。
【0031】
本明細書において「約」とは記載の数値の±10%、好ましくは±5%の範囲を意味する。
以下、本開示に係る実施例を説明するが、本開示の技術的範囲はこの説明に限定されるものではない。
【実施例】
【0032】
(I)本発明の大豆ペプチド乳酸菌発酵物の製造
(1)乳酸菌スターターの製造
MRS(de Man Rogosa Sharpe)培地(メルク社)をメーカー指定通りに調製し、30℃まで加温した。次いで、MRS培地にラクトバチルス・プランタラムFL-664株 0.05%を接種して生菌数を約1.0×105~1.0×107cfu/mlとした後、30℃で20時間発酵させた。次いで、発酵物を遠心分離して菌体を回収し、さらに同量の滅菌生理食塩水にて懸濁し、再度遠心分離して菌体を洗浄した。最終的に得られた菌体を滅菌生理食塩水にて再度懸濁し、生菌数を約1.0×108~2.0×109cfu/mlに調整したものをFL-664スターターとした。
【0033】
(2)乳酸菌発酵用培地の調製
大豆ペプチド:ハイニュートAM(不二製油株式会社) 5%、
ハイマルトースM70-75C(日本コーンスターチ株式会社) 3%、
酵母エキスSL-W(三菱商事ライフサイエンス株式会社) 0.3%、
イーストリッチマンガン(オリエンタル酵母工業株式会社) 0.06%、
水 90.64%
を混合し、乳酸菌発酵用培地を調製した。調製した培地は、90℃で1分間殺菌した後、30℃まで冷却した。
【0034】
(3)乳酸菌発酵物の製造
(2)で調製した乳酸菌発酵用培地に、(1)で調製したFL-664スターターを1%接種し、30℃で24時間発酵させた後、85℃で5分間加熱することで発酵を停止させた。得られた大豆ペプチド乳酸菌発酵物を乳酸菌発酵物(A)とした。
【0035】
(4)乳酸菌除去
(3)で得られた大豆ペプチド乳酸菌発酵物を、3500rpmで15分間遠心分離し(株式会社コクサン製卓上遠心機、使用ローター:RF-110)、固く沈殿する乳酸菌の層のみを取り除くように上澄み液をデカントすることで乳酸菌を除去した大豆ペプチド乳酸菌発酵物を得た。これを乳酸菌除去発酵物(B)とした。このとき、DAPI染色で乳酸菌数を測定し、乳酸菌発酵物(A)の乳酸菌数と比較することにより、乳酸菌除去発酵物(B)からは乳酸菌が90%以上除去されていることを確認した。なお、ここで除去された乳酸菌の菌体の重量は全体量の2%程度であったことから、乳酸菌発酵物(A)と乳酸菌除去発酵物(B)に含まれる発酵物の量は、ほぼ同程度である。
【0036】
(5)コラーゲンドリンクの製造
豚コラーゲンペプチド10g、グラニュー糖6g、pHと風味を整えるためのクエン酸および香料を添加したコラーゲンドリンク(×3)に、それぞれ、(2)で得られた乳酸菌接種前の乳酸菌発酵用培地、乳酸菌発酵物(A)または乳酸菌除去発酵物(B)を10g加え、総量50gとなるように水と混合した。混合後は瓶詰めして85℃で10分間加熱処理して冷却した。ここで、(2)で得られた乳酸菌接種前の乳酸菌発酵用培地を混合したものを比較例1、乳酸菌発酵物(A)を混合したものを実施例1、乳酸菌除去発酵物(B)を混合したものを実施例2とする。
【0037】
(6)コラーゲンペプチド低減コラーゲンドリンクの製造
豚コラーゲンペプチド5g、グラニュー糖6g、pHと風味を整えるためのクエン酸および香料を添加したコラーゲンドリンク(×2)に、それぞれ、(2)で得られた乳酸菌接種前の乳酸菌発酵用培地または乳酸菌発酵物(A)を5g加え、総量50gとなるように水を添加して混合した。混合後はアルミパウチに充填して、85℃で10分間加熱処理し、冷却した。ここで、乳酸菌発酵用培地を添加したものを比較例2、乳酸菌発酵物(A)を添加したものを実施例3とする。
【0038】
(7)ペプチドを培地原料としない乳酸菌発酵物(比較例)の製造
ハイマルトースM70-75C(日本コーンスターチ株式会社) 3%、
酵母エキスSL-W(三菱商事ライフサイエンス株式会社) 0.6%、
イーストリッチマンガン(オリエンタル酵母工業株式会社) 0.06%、
L-グルタミン酸ナトリウム(三菱商事ライフサイエンス株式会社) 2%、
リン酸水素二カリウム(米山化学株式会社) 0.435%、
液体クエン酸 0.075%(扶桑化学工業株式会社)、
水 92.83%
を混合し、大豆ペプチド非含有乳酸菌発酵用培地を調製した。調製した培地は、90℃で1分間殺菌した後、30℃まで冷却した。この培地に、(1)で調製したFL-664スターターを1%接種し、30℃で24時間発酵させた後、85℃で5分間加熱することで発酵を停止させた。得られた大豆ペプチド非含有培地での乳酸菌発酵物には、コラーゲンドリンクに使用する際に乳酸菌発酵物(A)を使用したものと大豆ペプチド量を揃えるために、大豆ペプチド:ハイニュートAMを5%添加して、乳酸菌発酵物(C)として使用した。このとき、DAPI染色で乳酸菌数を確認し、乳酸菌発酵物(A)と乳酸菌発酵物(C)に含まれる乳酸菌数が同程度であることを確認した。
【0039】
(8)乳酸菌発酵物高用量コラーゲンドリンクの製造
豚コラーゲンペプチド5g、グラニュー糖6g、pHと風味を整えるためのクエン酸および香料を添加したコラーゲンドリンク(×3)に、それぞれ、(2)で得られた乳酸菌接種前の乳酸菌発酵用培地、乳酸菌発酵物(A)、または、(7)で得られた乳酸菌発酵物(C)を20g加え、総量50gとなるように水を添加して混合した。混合後は瓶詰めして85℃で10分間加熱処理して冷却した。ここで、乳酸菌発酵用培地を添加したものを比較例3、乳酸菌発酵物(A)を添加したものを実施例4、乳酸菌発酵物(C)を添加したものを比較例4とする。
【0040】
各実施例と、各実施例のコラーゲンドリンク中のコラーゲンペプチドの量及び発酵物等の内容と量を以下の表に示す。
【表1】
【0041】
(II)ヒトにおけるコラーゲンペプチドの吸収促進試験
健康な20~40歳の男女5名を被験者とした。試験前日、5名の被験者には試験開始の12時間前から絶食させ、水以外は摂取させない。試験当日、0時間目の血液を採取した後、(5)で作成した比較例1のコラーゲンドリンクを飲ませ、1、2、4時間後に血液を採取した。
【0042】
採取した血液を遠心分離して血漿を得た。次いで、血漿をエタノールで除タンパクした。除タンパクした血漿を、試料1、試料2及び試料3に3分割した。試料1は110℃20分間HClで加水分解し、PITC処理後、HPLCで分析し、全Hyp量を算出した。試料2は、加水分解せずにPITC誘導体化処理をした後、HPLCで分析し、遊離Hyp量を算出した。次いで、全Hypから遊離Hypを引いて、血中に移行したペプチド型Hyp量を算出した。さらに、試料3は、AccQ誘導体化処理後にLC-MSで分析し、Pro-Hyp、Hyp-Glyを測定した。
【0043】
同一の被験者で実施例1および実施例2のコラーゲンドリンクについて同様に試験した。コラーゲンドリンク摂取後1、2、4時間後に血液を採取し、上記の通り全Hyp量、遊離Hyp量を測定して、ペプチド型Hyp量を算出した。また、Pro-Hyp、Hyp-Glyも測定した。なお、比較例1の試験および実施例1の各試験終了後、次の試験までにそれぞれ1週間以上のウォッシュアウト期間を設けた。
【0044】
図1は、経過時間(経過時間0時間=コラーゲンドリンク摂取時)に対する5名の被験者の血漿中のペプチド型Hyp量の平均値をプロットしたグラフである。
図2は、経過時間(経過時間0時間=コラーゲンドリンク摂取時)に対する5名の被験者の血漿中のPro-Hyp量の平均値をプロットしたグラフである。
図3は、経過時間(経過時間0時間=コラーゲンドリンク摂取時)に対する5名の被験者の血漿中のHyp-Gly量の平均値をプロットしたグラフである。
【0045】
図1のグラフによると、経過時間2時間程度までの間で、実施例1及び実施例2のペプチド型Hyp量は共に、比較例1のペプチド型Hyp量に対して多かった。Fisherの最小有意差法によると、比較例1と実施例2の間(*で示す)でp<0.05であったことから、実施例2のコラーゲンペプチド吸収量は、比較例1のものより有意に高かったことが確認された。
【0046】
図2のグラフにおいて、経過時間2時間程度までの間で、実施例1及び実施例2のPro-Hyp量は共に、比較例1のPro-Hyp量に対して多かった。
図3のグラフにおいて、経過時間2時間程度までの間で、実施例1及び実施例2のHyp-Gly量は共に、比較例1のHyp-Gly量に対して多かった。Fisherの最小有意差法によると、実施例1と実施例2間(*で示す)で、p<0.05であり、比較例1と実施例2間(*で示す)でp<0.01であった。すなわち、実施例1に比べて実施例2のHyp-Gly量が有意に多く、また、比較例1に比べて実施例2のHyp-Gly量が有意に多いことが確認された。
【0047】
すなわち、
図1~3によれば、比較例1と実施例1を比較すると、実施例1でペプチド型Hyp、Pro-Hyp、Hyp-Glyの量が比較例1よりも多かった。すなわち、実施例1のコラーゲンペプチドドリンクに含有される大豆ペプチド乳酸菌発酵物または乳酸菌自体によって、コラーゲンペプチドの吸収が促進されていることが示唆された。
【0048】
また、比較例1と実施例2を比較すると、ペプチド型Hyp、Pro-Hyp、Hyp-Glyが多く検出され、特にペプチド型Hyp、Hyp-Glyで有意に多く検出された。そして、実施例1と実施例2を比較すると、実施例2でペプチド型Hyp、Hyp-Glyが多く、特にHyp-Glyは有意に多く検出された。このことは、すなわち、乳酸菌除去発酵物(B)を用いて製造された実施例2のコラーゲンドリンクで、乳酸菌を除去していない乳酸菌発酵物(A)と同等またはそれ以上、コラーゲンペプチドの吸収促進が見られたことを示している。従って、本発酵液のコラーゲンペプチドの吸収促進効果は、乳酸菌自体というよりむしろ、大豆ペプチドを乳酸菌で発酵させた生産物が主に働いていることが示唆された。すなわち、乳酸菌自体の効果の有無に関わらず、大豆ペプチドを乳酸菌で発酵させた生産物の効果が大きいことが示唆された。
【0049】
(III)ヒトによる肌状態の官能試験(並行群間)
健康な20~60代男女31人を年代と性別が偏らないように16人(第1群)と15人(第2群)の2群に分け、第1群の被験者には比較例2、第2群の被験者には実施例3のコラーゲンドリンクをブラインドで提供した。飲用前観察期間5日間及び飲用期間5日間の計10日間、試験を行った。飲用期間5日間はコラーゲンドリンクを1日1本飲用させた。
【0050】
試験期間中、被験者は、毎日鏡を見ながら肌を自分自身で触診して、毎日の肌の全体的な状態、乾燥、弾力について、飲用前観察期間と飲用期間の連続10日間、5段階で自己評価した。評価は、下記の評価基準に従って行った。
<肌状態の評価>
・全体的な状態
1点:肌の調子が悪いと感じる
3点:どちらでもない
5点:肌の調子が良いと感じる
として、1~5点で5段階評価した。
・乾燥について
1点:乾燥していると感じる
3点:どちらでもない
5点:潤っていると感じる
として、1~5点で5段階評価した。
・弾力について
1点:固くこわばっている
3点:どちらでもない
5点:もっちり柔らかい
として、1~5点で5段階評価した。
【0051】
【0052】
表2は、肌の状態についての評価結果を平均値±標準偏差で示したものである。また、Wilcoxon符号付順位和検定により、飲用前観察期間の結果に対する飲用期間と飲用後観察期間の結果に有意差があるかを確認するためにp値を計算した。
【0053】
比較例2摂取群、実施例3摂取群のどちらも、コラーゲンペプチドを飲用しているため、飲用前観察期間と比較して、飲用期間のスコアが高い傾向にあったが、比較例2飲用群の結果は、全てp>0.05であってpが0.05よりかなり大きく、有意差がなかった。一方、実施例3飲用群は、肌の全体的な状態、乾燥についてp=0.07で有意傾向であり、特に弾力についてはp<0.05であったことから、有意に改善されていた。実施例3飲用群が、飲用前の状態と比較して、飲用期間中に肌の全体的な状態、乾燥、弾力の全てにおいて、比較例2飲用群よりも改善されたことが分かった。
【0054】
さらに、実施例3摂取群、比較例2摂取群の肌の全体的な状態、乾燥、弾力について、各個人の飲用前観察期間5日間の評価の平均値を計算し、飲用期間5日間の各日の評価の値との差を求め、その値の各群の平均値をプロットしたものを
図4~6に示した。飲用期間5日間のうち、早ければ2日目から、遅くとも3日目から、実施例3摂取群において、比較例2摂取群よりも明らかな肌状態の改善効果が見られた。
【0055】
以上より、従来コラーゲンペプチドの吸収が確認されていた量の半量(コラーゲンペプチド5g)までコラーゲンペプチドの量を減らしても、コラーゲンペプチドの効果、すなわち被験者の肌状態の改善が見られることが分かった。また、飲用期間の初期から、被験者が実感できるような肌状態の改善が見られることが分かった。このことは、消費者が継続的に本発明の肌状態改善組成物を飲用しようとする意欲をもたらす点で、商業的にも重要である。
【0056】
(IV)ヒトによる肌状態の官能試験(同一群間)
健康な30~40代男女3人で、乳酸菌発酵物高用量コラーゲンドリンクについて、同一群間の官能試験を実施した。試験期間は、飲用前観察期間1日間及び飲用期間5日間の計6日間とし、飲用期間5日間はコラーゲンドリンクを1日1本飲用させた。試験期間中、被験者は、毎日鏡を見ながら肌を自分自身で触診して、毎日の肌の全体的な状態、乾燥、弾力について、飲用前観察期間と飲用期間の連続6日間、5段階で自己評価した。評価は、(III)に記載された評価基準に従って行った。
【0057】
試験は、同一の被験者群で、最初に比較例3を、次に実施例4および比較例4のコラーゲンドリンクを使用して行った。比較例3及び実施例4の試験終了後は、次の試験までに1週間以上のウォッシュアウト期間を設けた。
【0058】
比較例3、実施例4、比較例4摂取群の肌の全体的な状態、乾燥、弾力について、各個人の飲用前観察期間1日間の値と、飲用期間5日間の各日の評価の値との差を求め、その差の各群の平均値をプロットしたものを
図7~9に示した。飲用期間5日間のうち、実施例4摂取群において、4日目から比較例3、4摂取群よりも明らかな肌状態の改善効果が見られた。比較例3と実施例4の結果から、乳酸菌発酵物高用量コラーゲンドリンクにおいても、大豆ペプチド乳酸菌発酵物の肌状態改善効果が確認された。また、比較例4と実施例4の結果から、大豆ペプチド非含有培地での乳酸菌発酵物では効果がないこと、未発酵の大豆ペプチドでは効果がないこと、すなわち肌状態の改善は、「大豆ペプチドを乳酸菌で発酵させた生成物」の効果によるものであることが示された。さらに言えば、比較例4も実施例4も何れも乳酸菌の菌体を含むが、比較例4では実施例4のような効果が見られなかったことから、肌状態の改善効果は、乳酸菌の菌体ではなく大豆ペプチド乳酸菌発酵物の効果によるものであることが示唆された。