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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2026-01-07
(45)【発行日】2026-01-16
(54)【発明の名称】マットレス
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/15 20060101AFI20260108BHJP
【FI】
A47C27/15 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022049952
(22)【出願日】2022-03-25
(65)【公開番号】P2023142836
(43)【公開日】2023-10-05
【審査請求日】2025-01-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100187791
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晃志郎
(72)【発明者】
【氏名】八田 啓嗣
(72)【発明者】
【氏名】中尾 浩
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-034413(JP,A)
【文献】特開2012-080958(JP,A)
【文献】特開平10-272036(JP,A)
【文献】特開2005-102890(JP,A)
【文献】特開2018-064750(JP,A)
【文献】米国特許第04967433(US,A)
【文献】特開昭56-023914(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1698499(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向に所定の厚さを有し、表面が前記厚み方向に直交する平面方向に広がるマットレスであって、
前記厚み方向は、前記表面から第一層と第二層と第三層の三層が積層する複数の凸条を備え、
前記凸条は、前記平面方向に連続して形成され、
前記凸条において、
前記第一層が連続し、
前記第二層は、前記第一層及び前記第三層よりも、低密度及び/又は低硬度であり、
前記凸条は、前記平面方向において、直線又は曲線の第一線部と、屈曲部とが交互に繋がってV字状部が形成され、
前記V字状部は、前記平面方向に繋がってW字状に連続するマットレス。
【請求項2】
厚み方向に所定の厚さを有し、表面が前記厚み方向に直交する平面方向に広がるマットレスであって、
前記厚み方向は、前記表面から第一層と第二層と第三層の三層が積層する複数の凸条を備え、
前記凸条は、前記平面方向に連続して形成され、
前記凸条において、
前記第一層が連続し、
前記第二層は、前記第一層及び前記第三層よりも、低密度及び/又は低硬度であり、
前記凸条は、前記平面方向において規則的な凹凸を有し、
前記凹凸は、前記平面方向に膨らんで形成される平面凸部と前記平面方向に凹んで形成される平面凹部によって形成され、
前記凸条の幅が広くなったり狭くなったりと変化するように、前記凸条が連なる方向へ前記平面凸部と前記平面凹部とが繰り返し形成されるマットレス。
【請求項3】
厚み方向に所定の厚さを有し、表面が前記厚み方向に直交する平面方向に広がるマットレスであって、
前記厚み方向は、前記表面から第一層と第二層と第三層の三層が積層する複数の凸条を備え、
前記凸条は、前記平面方向に連続して形成され、
前記凸条において、
前記第一層が連続し、
前記第二層は、前記第一層及び前記第三層よりも、低密度及び/又は低硬度であり、
前記凸条は、直線又は曲線の第一線部と、前記平面方向に延びる第二線部を備え、
前記第二線部は、両端部において、二つの前記第一線部と屈曲して繋がり、
前記平面方向において、前記凸条は、前記第一線部と前記第二線部によって台形状に形成されるマットレス。
【請求項4】
厚み方向に所定の厚さを有し、表面が前記厚み方向に直交する平面方向に広がるマットレスであって、
前記厚み方向は、前記表面から第一層と第二層と第三層の三層が積層する複数の凸条を備え、
前記凸条は、前記平面方向に連続して形成され、
前記凸条において、
前記第一層が連続し、
前記第二層は、前記第一層及び前記第三層よりも、低密度及び/又は低硬度であり、
前記凸条は、
前記平面方向において、直線又は曲線の第一線部と、屈曲部とが交互に繋がり、
前記平面方向のうちの一方向を第一方向とし、前記第一方向に垂直な方向を第二方向とし、
当該凸条と、前記第二方向に隣接する他の前記凸条とにおいて、
前記第一方向に延びる仮想線は、当該凸条の前記屈曲部と他の前記凸条の前記屈曲部とに交互に交差するマットレス。
【請求項5】
厚み方向に所定の厚さを有し、表面が前記厚み方向に直交する平面方向に広がるマットレスであって、
前記厚み方向は、前記表面から第一層と第二層と第三層の三層が積層する複数の凸条を備え、
前記凸条は、前記平面方向に連続して形成され、
前記凸条において、
前記第一層が連続し、
前記第二層は、前記第一層及び前記第三層よりも、低密度及び/又は低硬度であり、
前記凸条は、
前記平面方向において、直線又は曲線の第一線部と、屈曲部とが交互に繋がり、前記第一層において、該凸条が連なる方向へ凸部と凹部とが交互に形成され、
複数の前記凸部と、前記凸部に挟まれる前記凹部とによって前記第一層が連続する凸条ブロックが形成され、
前記凸条ブロックと前記凸条ブロックとの間の前記凹部は境界凹部であり、
前記境界凹部の深さは他の前記凹部よりも深く形成されるマットレス。
【請求項6】
厚み方向に所定の厚さを有し、表面が前記厚み方向に直交する平面方向に広がるマットレスであって、
前記厚み方向は、前記表面から第一層と第二層と第三層の三層が積層する複数の凸条を備え、
前記凸条は、前記平面方向に連続して形成され、
前記凸条において、
前記第一層が連続し、
前記第二層は、前記第一層及び前記第三層よりも、低密度及び低硬度であるマットレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の体圧を分散するマットレスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の身体各部の体圧を適切に分散させた状態で使用者を支持するマットレスが提案されている。例えば、特許文献1によればクッション材として以下の記載がある。特許文献1のクッション材は、高硬度ウレタンフォーム層の両面に、低硬度ウレタンフォーム層を積層接着し、接着剤により一体化してなる三層シートを、前記両面の低硬度ウレタンフォーム層に達するプロファイル加工を施したものである。凸部は、高さ方向中間部位に接着層で挟まれた高硬度ウレタンフォーム層を位置せしめたことを特徴とする。クッション材は、凸部と凹部とを交互に配してなる。高硬度ウレタンフォーム層の両面に積層された低硬度ウレタンフォーム層は、それら各層の接着面に塗布された接着剤により接着され、両層の接着部位には高硬度ウレタンフォーム層より高い硬度の、接着剤を含む薄い接着層が、接着面に形成されている。プロファイル加工により生じた凹部に厚さ方向に貫通する通気孔を設けた。
【0003】
これによれば、クッション材は、形成された凸部の高さ方向の中央部分が、高硬度のウレタンフォーム層となり、就寝者がクッション材上に横たわるような場合、凸部が前記体重を受けても凸部が座屈し倒伏するようなことがなく就寝者を突き上げるような状態となり良好にマッサージ効果を与えることが可能となり、かつ、体圧分散性が良好であり、残量ひずみの少ないクッション材を得ることが出来る、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-148819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す従来例のクッション材は、表面が低硬度のウレタンフォーム層なので、就寝者の体重によって圧縮されやすく凸部が平面状になることで体圧分散効果が低減するという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、従来の課題を解決すべくなされたものであり、使用者が臥せたときに体圧分散効果を有するマットレスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に係るマットレスは、厚み方向に所定の厚さを有し、表面が前記厚み方向に直交する平面方向に広がり、前記厚み方向は、前記表面から第一層と第二層と第三層の三層が積層する複数の凸条を備え、前記凸条は、前記平面方向に連続して形成され、前記凸条において、前記第一層が連続し、前記第二層は、前記第一層及び前記第三層よりも、低密度及び/又は低硬度である。
【0008】
これによれば、本発明に係るマットレスの凸条は、第二層が第一層及び第三層よりも低密度及び/又は低硬度なので、使用者の体重によって第二層が最初に圧縮され、第一層は第二層が圧縮された後に圧縮される。さらに、凸条において第一層が連続するので、マットレスが圧縮される過程で凸形状が維持され、体圧分散効果を有する。
【0009】
また、前記マットレスは、前記第一層が前記厚み方向に規則的な凹凸を有してもよい。この場合、第一層は規則的な凹凸を有するので、点接触による体圧分散効果を有し、また、指圧効果を維持する。
【0010】
また、前記マットレスは、前記凸条が前記平面方向に規則的に屈曲してもよい。この場合、マットレスは、使用者の体重がかかったときに圧力の方向性による体圧分散効果の差を低減することができる。
【0011】
また、前記マットレスは、前記凸条は、前記平面方向において規則的な凹凸を有してもよい。この場合、マットレスは、使用者の体重による凸条の倒れが低減され、より体圧分散効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第一実施形態のマットレス1aを部分的に示した斜視図である。
図2】本発明の第一実施形態のマットレス1aにおいて凸条3を示した図であり、第二方向に切断したときの断面図である。
図3】本発明の第二実施形態のマットレス1bを部分的に示し図であり、(a)は凸条3bと凹条4bを部分的に詳細に示した平面図であり、(b)は凸条3bの一つを抜きだした斜視図である。
図4】本発明の第三実施形態のマットレス1cの全体を示した斜視図である。
図5】本発明の第三実施形態のマットレス1cにおける凸条3cと凹条4cを部分的に詳細に示した図であり、(a)は平面図であり、(b)は凸条3cの一つを抜き出した斜視図である。
図6】本発明の第四実施形態のマットレス1dにおける凸条3dと凹条4dを部分的に詳細に示した図であり、(a)は平面図であり、(b)は凸条3dの一つを抜き出した斜視図である。
図7】本発明の第五実施形態のマットレス1eにおける凸条3eと凹条4eを部分的に詳細に示した平面図である。
図8】本発明の第六実施形態のマットレス1fにおける凸条3fと凹条4fを部分的に詳細に示した平面図である。
図9】本発明の第七実施形態のマットレス1gにおける凸条3gの一つを抜き出した斜視図である。
図10】本発明の第八実施形態のマットレス1hにおける凸条3hの一つを抜き出した斜視図である。
図11】本発明の第九実施形態のマットレス1jにおける凸条3jと凹条4jを部分的に詳細に示した図であり、(a)は平面図であり、(b)は凸条3jの一つを抜き出した斜視図である。
図12】本発明の第十実施形態のマットレス1kにおける凸条3kの一つを抜き出した斜視図である。
図13】本発明の第十一実施形態のマットレス1mにおける凸条3mの一つを抜き出した斜視図である。
図14】本発明のマットレス1dと表面2を加工していない表面未加工品との比較評価結果を表したグラフである。
図15】本発明のマットレス1dと表面2を加工していない表面未加工品との比較評価結果を、沈み込み量についてまとめたものである。
図16】本発明のマットレス1dと表面2を加工していない表面未加工品との比較評価結果を、接触面積と平均圧力についてまとめたものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明を具現化したマットレス1を説明する。なお、発明を実施するための形態、及び参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。本発明はこれらに限定されるものではない。図面に記載されている構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0014】
<各実施形態に共通の構成>
本発明の態様に係るマットレス1において、各実施形態に共通の構成を説明する。各実施形態に固有の構成は後述する。図1及び図2を例に示すように、マットレス1は、厚み方向に所定の厚さを有し、表面2が厚み方向に直交する平面方向(水平面方向)に広がる。厚み方向は、表面2から第一層31と第二層32と第三層33の三層が積層する複数の凸条3を備える。凸条3は、平面方向に連続して形成される。凸条3において、第一層31が連続してつながっている。さらに、第二層32も連続してつながっており、第三層33も連続してつながっている。第二層32は、第一層31及び第三層33よりも、低密度及び/又は低硬度である。図1に示すように、平面方向(水平面方向)は第一方向と第二方向に広がる。
【0015】
次に、凸条3が形成される方向について説明する。後述する図4に示す例では、マットレス1は、厚み方向に所定の厚さを有し、平面方向(水平面方向)に表面2が形成され、樹脂発泡体よりなる略直方体状である。樹脂発泡体は、例としてウレタンフォームである。表面2は、長手方向と短手方向に形成される長方形状であり、第一方向は、短手方向と平行である。なお、図4の例の他に、第一方向は長手方向と平行でもよいし、第一方向は短手方向に対して所定角度傾いてもよい。或いは、マットレス1は表面2が長方形状の他に正方形、円形等、自由な形状も適用可能である。
【0016】
マットレス1の厚み方向の構成を説明する。マットレス1がウレタンフォームによって形成される例について説明する。図1を例に示すように、マットレス1は、第一層31と第二層32と第三層33は、凸条3が連なる方向に連続して積層される。ウレタンフォームの各層における密度を説明する。第一層31及び第三層33の密度は、20kg/mから90kg/mまでのものが使用され、好ましくは24kg/mから70kg/mまでである。第二層32の密度は、18kg/mから80kg/mまでのものが使用され、好ましくは20kg/mから60kg/mまでである。なお、上記の範囲内において、第一層31及び第三層33の密度は、第二層32の密度よりも高いことを条件に設定される。例として、第一層31と第三層33は、密度が40kg/mであり、第二層32が30kg/mである。密度の測定方法は、JIS K7222による。
【0017】
次に、各層の硬度を説明する。一例として、各層の硬度は次のとおりである。第一層31及び第三層33の硬度は、100Nから300Nまでの範囲であり、第二層32は40Nから220Nまでの範囲である。なお、上記の範囲内において、第一層31及び第三層33の硬度は、第二層32の硬度よりも高いことを条件に設定される。各層における硬度の測定方法は、JIS K6400-2 6.7D法による。
【0018】
凸条3は、凸形状の直線、又は/及び曲線、又は/及び屈曲部6が平面方向に連続して形成される。詳細な構成は、各実施形態を例にして後述する。図2を参照して、凸条3及び凹条4の厚み方向の構成を説明する。厚み方向において、表面2の側を上側、反対側を下側とし、凸条3及び凹条4の下側は支持層17が形成される。凸条3は、厚み方向の上側に突出する頂部10を有し、凹条4の最も凹んだ部分である底部9から頂部10に向かって傾斜して形成される。
【0019】
マットレス1は、例として波割加工装置によって、一枚のシート材から同時に同一の表面形状のマットレス1が二枚製造される。波割加工装置は、複数枚のディスクが軸線方向に重合され、軸線を回転中心に回転可能なローラと、マットレス1の材料であるシート材を切断する切断手段を備える。詳細な説明は省略する。
【0020】
図2に示すように、凸条3を第二方向に切断したとき、凸条3と凹条4とが交互に現れる。凸条3と凸条3との間隔P2は、凹条4と凹条4との間隔P3に等しく形成される。凸条3において、頂部10は第一層31によって形成され、第二層32は凸条3に含まれ、凸条3の一部と支持層17は第三層33によって形成される。なお、図2は第一実施形態のマットレス1aを例に示すが、他の実施形態も同様である。
【0021】
図2に示すように、厚み方向における凸条3の全体の高さをW1、支持層17の高さをW2とする。凸条3において、第一層31の高さを31h、第二層32の高さを32h、第三層33の高さを33hとする。マットレス1は、上述した製造方法によって製造する場合、第一層31と、支持層17を含む第三層33とは同じ種類の材料であって、高さ31hと高さ33hとは略等しくすることができる。例として、高さ31hと高さ31hとは等しい高さであって5mmから40mmまでの範囲であり、10mmから30mmまでの範囲がより望ましい。また、高さ32hは、5mmから40mmまでの範囲であり、10mmから30mmまでの範囲がより望ましい。凸条3の高さW1と支持層17の高さW2とは、1:5から5:1までの範囲で設定可能である。
【0022】
次に、各層の反発弾性率を説明する。第二層32は、第一層31及び第三層33よりも反発弾性率が低くてもよい。各層の反発弾性率は、3%から70%までの範囲で設定される。例として、第一層31及び第三層33の反発弾性は15%から60%までの範囲であり、第二層32の反発弾性率は5%から30%までの範囲である。なお、この範囲は、第二層32の反発弾性率の値が、第一層31及び第三層33の反発弾性率の値よりも大きい場合を含むが、第二層32の反発弾性率は、第一層31及び第三層33よりも低いという条件を満たした範囲内で設定される。さらに望ましくは、第一層31及び第三層33の反発弾性率は40%から50%までの範囲であり、第二層32は18%から25%までの範囲である。各層における反発弾性率の測定は、JIS6400-3による。
【0023】
<各実施形態に共通の効果>
以上説明したマットレス1の構成によれば、以下の効果を奏する。マットレス1の凸条3は、第二層32が第一層31及び第三層33よりも低密度及び/又は低硬度である。よって、使用者の体重によって第二層32が最初に圧縮され、第一層31は第二層32が圧縮された後に圧縮される。さらに、凸条3において第一層31が連続するので、マットレス1が圧縮される過程で凸形状が維持され、体圧分散効果を有する。
【0024】
また、図4に示すように、第一方向は短手方向と平行でもよい。この場合、短手方向に凹条4が形成されることにより、使用者が寝返りを打ったときに、マットレス1の素材の撓みと共に空気の移動が生じやすく、短手方向に空気が抜けやすいため通気性が向上する。
【0025】
また、図示しないが第一方向は長手方向と平行でもよい。この場合、凸条3は長手方向に形成されるので、使用者の体重がかかると長手方向に沿って変形しやすくなり、使用者が寝返りしやすくなる。さらに、第一方向は短手方向に対して所定角度傾いて形成することも可能である。その場合、マットレス1は、第一方向に沿って配置して使用することができる。或いは、長手方向に複数枚のマットレス1を連ねて使用するとき、隣接するマットレス1の第一方向を異なる方向にしてもよい。さらには、マットレス1の表面2が正方形、或いは円形等の場合は、使用者が自由にマットレス1の方向を変えて使用することができる。
【0026】
また、第二層32は、第一層31及び第三層33よりも反発弾性率が低くてもよい。この場合マットレス1は、使用者の体重がかかったとき、三つの層のうち第二層32が最初に圧縮され始める。よって、過度な身体の沈み込みを抑えることができる。
【0027】
以上、本発明の態様に係るマットレス1について説明したが、さらに、以下に説明する各実施形態に固有の構成要素を備えてもよい。
【0028】
<<各実施形態のマットレス1の固有の構成と効果>>
次に、本発明の態様に係る各実施形態のマットレス1の構成とその効果を説明する。すでに説明した、各実施形態に共通の構成とその効果は説明を省略する。各図面に付された符号は、同様の機能の要素は同様の符号を付し、各実施形態によって形状等が異なる場合は、符号の末尾に小文字のアルファベットを付して、各実施形態に固有の要素を表す符号とする。
【0029】
<第一実施形態のマットレス1aの構成>
図1及び図2を参照して、第一実施形態のマットレス1aの構成を説明する。図1に示すように、マットレス1aの凸条3aは、第一方向に連続する直線状に形成され、第二方向において凸条3aと凹条4aとが交互に形成される。頂部10は、連続的に形成され、厚み方向において凹凸が無く、第一層31が一定の厚みで形成される。
【0030】
<マットレス1aの構成による効果>
以上説明したマットレス1aの構成によれば、以下の効果を奏する。図1に示すように、凸条3aは、第一方向へ直線状に形成されるので、使用者の使用によりマットレス1aの素材の撓みと共に空気の移動が生じやすく、第一方向に空気が抜けやすいため通気性が向上する。例えば、第一方向を使用者の身長方向と交差する方向にすると、使用者が寝返りを打ったときに、第一方向に空気が抜けやすい。
【0031】
<第二実施形態のマットレス1bの構成と効果>
次に、図3等を参照して第二実施形態のマットレス1bの構成と効果を説明する。なお、他の実施形態と共通する構成を説明するときは、マットレス1b等と記載する。図3(b)等に示すように、マットレス1b等は、第一層31が厚み方向に規則的な凹凸を有する。凹凸は、凸部11と凹部12によって形成される。第一層31は、凹凸によって厚みが変化しながら連続して形成される。第一層31と第二層32と第三層33は、凸条3b等が連なる方向全てにおいて連続して形成される。凸部11は、凸条3等が連なる方向に沿って同一の高さである。図3(a)に示すように、第二方向において凸条3等と凹条4等とが交互に形成される。
【0032】
また、図3等に示すように、凸条3b等は平面方向において規則的な凹凸を有する。凹凸は、平面方向に膨らんで形成される平面凸部13と平面方向に凹んで形成される平面凹部14によって形成される。平面凸部13は、凸条3b等のうち凸部11が形成される部分に形成される。平面凹部14は、平面方向において凸部11と凸部11との間に形成される。凸条3bは、厚み方向の一定の高さにおける水平方向の断面において、幅が広くなったり狭くなったり規則的に変化している。
【0033】
以上説明した構成は、第二実施形態のマットレス1bの他に、第四実施形態のマットレス1d、第五実施形態のマットレス1e、第七実施形態のマットレス1gから第十一実施形態のマットレス1mまでに共通する。なお、ここで説明したマットレス1b等には、第二実施形態のマットレス1bの他に、第四実施形態のマットレス1d、第五実施形態のマットレス1e、第七実施形態のマットレス1gから第十一実施形態のマットレス1mまでを含む。凸条3b等には、対応する実施形態それぞれの凸条3b、凸条3d、凸条3e、凸条3g、凸条3h、凸条3j、凸条3k、及び凸条3mを含む。凹条4には、凹条4b、凹条4d、凹条4e、及び凹条4g、凹条4h、凹条4j、凹条4k、及び凹条4mを含む。なお、凹条4g、凹条4h、凹条4k、及び凹条4mは図示しない。
【0034】
以上説明したマットレス1b等の構成によれば、以下の効果を奏する。図3等に示すように、マットレス1b等は、第一層31が厚み方向に規則的な凹凸を有する。凸部11は第一層31によって形成されるので、マットレス1b等が圧縮される過程で凸形状が維持される。よって、第一層31は規則的な凹凸を有するので、使用者が臥せたときに点接触による体圧分散効果を有する。
【0035】
また、図3等に示すように、凸条3b等は平面方向において凹凸を有するので、使用者の体重による凸条3b等の倒れが低減され、より体圧分散効果を有する。すなわち、平面凸部13は平面方向において凸部11の位置に形成されるので、使用者の体重によって凸部11が座屈することを低減できる。よって、より体圧分散効果を高めることができる。
【0036】
<第三実施形態のマットレス1cの構成のうち他と共通する構成>
次に、第三実施形態のマットレス1cの構成を説明する。なお、他の実施形態と共通する構成を説明するときは、マットレス1c等と記載する。図4等を例に示すように、マットレス1c等の凸条3c等は、平面方向に規則的に屈曲している。凸条3c等は、第一方向に向かって形成され、第二方向において凸条3c等と凹条4c等とが交互に形成される。
【0037】
凸条3c等は、平面方向において、直線又は曲線の第一線部5c等と、屈曲部6c等とが交互に繋がってV字状部7が形成される。V字状部7は、平面方向のうちの第一方向に繋がってW字状に連続する。
【0038】
V字状部7の内側の領域をV字状領域8とする。V字状領域8は、図5等にハッチングで示した領域である。屈曲部6c等の少なくとも一部は、第二方向に隣接する他の凸条3c等におけるV字状領域8に配置される。
【0039】
図5に示すように、V字状部7において、屈曲部6c等を挟む二つの第一線部5c等によってなす角度θは、60°から120°までの範囲であることが望ましい。角度θは70°から110°までの範囲にあることがより望ましく、角度θは80°から100°までの範囲にあることが、さらに望ましい。
【0040】
図4に示すように、マットレス1c等の凸条3c等において、第一方向において隣接する屈曲部6c等は所定の間隔P1で形成され、第二方向において隣接する凸条3c等とは所定の間隔P2で形成される。間隔P1及び間隔P2は、使用者の体重がかかったときに適切に体圧分散するよう設定される。
【0041】
凸条3c等は、所定の間隔P1及び間隔P2を維持して形成するため、角度θは適正な範囲にする必要がある。角度θが60°よりも小さな角度の場合、間隔P1を基準にすると間隔P2が長くなってしまう。或いは、間隔P2を基準にすると、間隔P1が短くなるのでV字状領域8における面積が小さくなり、第二方向に隣接する他の凸条3c等の屈曲部6c等をV字状領域8に配置することが困難となる。その場合、凸条3c等は、使用者の体重によって第一方向に加わる圧力に対して、反発力が小さくなる。
【0042】
角度θが120°よりも大きな角度の場合、間隔P1を基準にすると間隔P2が短くなってしまう。或いは、間隔P2を基準にすると、間隔P1が長くなる。凸条3c等は、第一方向に対して平行な状態に近づく。その場合、凸条3c等は、使用者の体重によって第二方向に加わる圧力に対して、反発力が小さくなる。角度θは、60°から120°までの適正な範囲を超えると、使用者の体重によって生じる圧力の方向性によって反発力が異なってしまう。よって、角度θは、使用者の体重がかかったときの体圧分散効果のために、60°から120°までの範囲が望ましい。
【0043】
また、角度θは、70°から110°の範囲に限定すると、使用者の体重によって生じる圧力の方向性による反発力の差がより低減される。よって、角度θは、70°から110°の範囲にすることがより望ましい。さらに、角度θは80°から100°までの範囲にすると、より圧力の方向性による反発力の差が低減され、特に望ましい。
【0044】
なお、以上説明した構成は、第三実施形態のマットレス1cから第十一実施形態のマットレス1mまでに共通する。ここで、マットレス1c等には、第三実施形態のマットレス1cから第十一実施形態のマットレス1mまでを含む。凸条3c等には、マットレス1cの凸条3cからマットレス1mの凸条3mまでを含み、凹条4c等には、マットレス1cの凹条4cからマットレス1mの凹条4mまでを含む。第一線部5c等には、マットレス1cの第一線部5cからマットレス1mの第一線部5mまでを含み、屈曲部6c等には、マットレス1cの屈曲部6cからマットレス1mの屈曲部6mまでを含む。
【0045】
<第三実施形態のマットレス1cのうち他と共通の構成による効果>
以上説明した第三実施形態のマットレス1cから第十一実施形態のマットレス1mまでに共通の構成により、以下の効果を奏する。図4等に示すように、凸条3c等は平面方向に規則的に屈曲するので、使用者の体重がかかったときの体圧分散効果に加え、圧力の方向性による体圧分散効果の差を低減することができる。
【0046】
さらに詳細に説明すると、図4等に示すように、マットレス1c等の凸条3c等は、平面方向において、直線又は曲線の第一線部5c等と、屈曲部6c等とが交互に繋がってV字状部7が形成され、V字状部7は、平面方向のうちの第一方向に繋がり、W字状に連続して凸条3c等をなす。よって、使用者がマットレス1に体重をかけたとき、凸条3c等は第一方向及び第二方向の双方向に対して変形し、復元する。よって、マットレス1は、体圧分散の効果を奏し、しかも圧力の方向によって生じる体圧分散効果の差を低減することができる。
【0047】
また、図5(b)等に示すように、第一層31から第三層33までは、凸条3c等が連なる方向の少なくとも一部に連続して積層される。第一層31は、凸条3c等が連なる方向に沿ってW字状の線状になって連続的に使用者に接触するので、指圧効果がある。第二層32は、第一層31よりも低密度及び/又は低硬度なので、使用者の体重がかかったとき第二層32から圧縮され始め、第一層31のへたりが緩和される。また、凸条3c等の頂部10は、使用者の使用によって頻繁に圧縮及び変形がなされるが、第一層31によって形成されるので、頂部10がへたりによって劣化することを低減できる。
【0048】
また、マットレス1の屈曲部6c等の少なくとも一部は、第二方向に隣接する他の凸条3c等におけるV字状領域8に配置されるので、使用者の体重により第二方向への圧力がかかるとき、複数の凸条3c等が共働で傾斜を抑制することができる。よって、体圧分散の効果をより高めることができる。
【0049】
また、凸条3c等はV字状部7において二つの第一線部5c等によってなす角度θを60°から120°の範囲に設定することにより、使用者の体重がかかったときに圧力の方向性による体圧分散効果の差を低減することができる。さらに、角度θを80°から110°の範囲に設定することにより、特に第一方向と第二方向のいずれの方向から圧力が加わった場合でも体圧分散効果の差をより低減することができる。
【0050】
<第三実施形態のマットレス1cに固有の構成>
次に、図4及び図5を参照して、第三実施形態のマットレス1cに固有の構成を説明する。図5(a)に示すように、マットレス1cの凸条3cは、直線からなる二つの第一線部5cと屈曲部6cによって、V字状部7が形成される。頂部10は、マットレス1aと同様に、凹凸がなく直線状である。図5に示す例では、V字状部7は屈曲部6と二つの第一線部5cと仮想線L2によって囲われたV字状領域8が二等辺三角形である。なお、二つの第一線部5cの長さが異なり、V字状領域8が二等辺三角形でない三角形でもよい。
【0051】
凸条3cは、第二方向に隣接する他の凸条3cとの間で以下の関係がある。屈曲部6は、第二方向に隣接するV字状領域8の内部に配置される。具体的には、当該凸条3cと、第二方向に隣接する他の凸条3cとにおいて、第一方向に延びる仮想線L1は、当該凸条3cの屈曲部6cと他の凸条3cの屈曲部6cとに交互に交差する。例えば、当該凸条3cの屈曲部6における円弧中心Rcと交差する仮想線L1は、他の凸条3cの屈曲部6における円弧中心Rcと交互に交差する。図5(b)に示すように、凸条3cの厚み方向の先端である頂部10は、凸条3cが連なる方向に沿って同一の高さである。
【0052】
<第三実施形態のマットレス1cに固有の構成による効果>
以上説明したマットレス1cの構成によれば、以下の効果を奏する。すでに説明した共通の効果に合わせ、マットレス1cは単純な形状の凸条3cが連なるので、使用者が臥せると頂部10が一様に接触して体圧分散効果を奏する。
【0053】
<第四実施形態のマットレス1dの構成>
次に、図6を参照して第四実施形態のマットレス1dの構成を説明する。図6(a)に示すように、マットレス1dは、マットレス1cと同様に、凸条3dは直線からなる二つの第一線部5dと屈曲部6dによって、V字状部7が形成される。凸条3dは、厚み方向の先端である頂部10において、凸条3dが連なる方向へ凸部11と凹部12とが交互に形成される。屈曲部6dに、凸部11のうちの第一凸部11aが形成される。当該凸条3dと、第二方向に隣接する他の凸条3dとにおいて、第一方向に延びる仮想線L1は、当該凸条3dの第一凸部11aと他の凸条3dの第一凸部11aとに交互に交差する。
【0054】
図6(b)に示すように、凸条3dの頂部10には、凸部11と凹部12とが交互に略等間隔で形成される。凸部11は、屈曲部6dに形成される第一凸部11aと屈曲部6d以外の凸条3dに形成される第二凸部11bからなる。図6に示す例は、一つの第一線部5dに凸部11が四個形成されている。凸部11の個数は、四個に限定されるものではなく、四個以上であってもよいし、四個以下でもよい。
【0055】
図6(a)に示すように、凸条3dは凸部11が形成される部分は平面方向に膨らんで平面凸部13が形成される。屈曲部6dを挟んで二つの第一線部5dがなす角度θは、第一凸部11aを結ぶ直線同士が挟む角度を角度θとする。
【0056】
図6(a)に示すように、屈曲部6dに形成される第一凸部11aは、V字状領域8の内部に配置される。図6(a)に示す例では、V字状部7は屈曲部6dと二つの第一線部5dと仮想線L2によって囲われたV字状領域8が二等辺三角形である。なお、二つの第一線部5dの長さが異なり、V字状領域8が二等辺三角形でない三角形でもよい。また、第一方向に延びる仮想線L1は、第一凸部11aに限らず、当該凸条3dの屈曲部6dと第二方向に隣接する他の凸条3dの屈曲部6dとに交互に交差する。
【0057】
次に、図6(b)を参照して、凸条3dの厚み方向における構成を説明する。第一凸部11aと第二凸部11bからなる凸部11と、凹部12は第一層31によって形成される。凸条3dの第一凸部11aと第二凸部11bは、凸条3dが連なる方向に沿って同一の高さである。他の実施形態である第五実施形態のマットレス1e、及び第七実施形態のマットレス1gから第十一実施形態までのマットレス1mまでも同様である。
【0058】
<第四実施形態のマットレス1dの効果>
以上説明したマットレス1dの構成によれば、以下の効果を奏する。凸条3dは、頂部10に凸部11と凹部12が交互に形成されるので、体圧分散の効果がより高くなる。また、当該凸条3dと第二方向に隣接する他の凸条3dとにおいて、第一凸部11aが第一方向に並ぶので、使用者の体重による圧力が第二方向にかかったときに、凸条3dの傾斜をより低減することができる。よって、マットレス1dは、使用者の体重がかかったときに圧力の方向性による体圧分散効果の差をより低減することができる。さらに、凸条3dには凸部11が形成されるので、頂部10が凸条3dの方向に沿って連続する場合に比べて、体圧分散効果が大きい。
【0059】
また、マットレス1dは、凸部11が第一層31によって形成されるので、使用者の体重によって第二層32が最初に圧縮され、凸部11は第二層32が圧縮された後に圧縮される。さらに、凸条3dにおいて第一層31が連続するので、マットレス1が圧縮される過程で凸形状が維持され、体圧分散効果を有する。凸部11は、第二層32よりも密度が高い及び/又は硬度が高い第一層31によって形成されるので、使用者に対して指圧効果がある。また、マットレス1dは、凸部11のへたりによる劣化を低減することができるので、使用可能な寿命を長くすることができる。他の実施形態である第五実施形態のマットレス1e、及び第七実施形態のマットレス1gから第十一実施形態までのマットレス1mまでも同様である。
【0060】
また、第二層32は、第一層31及び第三層33よりも反発弾性率が低くてもよい。この場合、使用者の体重がかかったとき、三つの層のうち第二層32が最初に圧縮され始める。よって、過度な身体の沈み込みを抑えることができ、凸部11による指圧効果を維持できる。他の実施形態である第五実施形態のマットレス1e、及び第七実施形態のマットレス1gから第十一実施形態までのマットレス1mまでも同様である。
【0061】
<第五実施形態のマットレス1eの構成と効果>
次に、図7を参照して第五実施形態のマットレス1eの構成と効果を説明する。マットレス1eは、マットレス1dに対して第一線部5eが曲線である点が異なる。他の構成要素は、マットレス1dと同様である。第一線部5eは曲線なので、屈曲部6eを挟んで二つの第一線部5eがなす角度は、図7に示すように、第一線部5eの両端部における第一凸部11a同士を結ぶ線によって挟まれる角度を角度θとする。
【0062】
以上説明したマットレス1eの構成によれば、第一線部5eが曲線なので、使用者の体重がかかったときに、凸条3eが傾斜する方向が各部分によって変化するので、より体圧分散効果を奏する。マットレス1dと同様に、凸条3eの第一凸部11aと第二凸部11bは、凸条3eが連なる方向に沿って同一の高さである。
【0063】
<第六実施形態のマットレス1fの構成と効果>
次に、図8を参照して第六実施形態のマットレス1fの構成と効果を説明する。マットレス1fは、マットレス1cに対して以下の点が異なる。マットレス1fの屈曲部6fは、第一方向に延びる第二線部25を備え、第二線部25の両端部に、二つの第一線部5fと屈曲して繋がる。凸条3fは、第一線部5fと屈曲部6fによって台形状に形成される。他の構成要素は、マットレス1cと同様である。
【0064】
以上説明したマットレス1fの構成によれば、以下の効果を奏する。凸条3fは台形状に形成されるので、屈曲部6fにかかる圧力を分散することができる。よって、マットレス1fは、使用者の体重がかかったときの体圧分散効果に加え、屈曲部6fに圧力が集中することによる劣化を低減することができる。
【0065】
<第七実施形態のマットレス1gと第八実施形態のマットレス1hの構成と効果>
次に、図9を参照して第七実施形態のマットレス1gの構成を説明する。マットレス1gは、マットレス1dに対して以下の点が異なる。凸条3gにおいて、複数の凸部11と、凸部11に挟まれる凹部12とによって凸条ブロック20が形成される。マットレス1hからマットレス1kまでも同様である。図9に示すように、マットレス1gは、凸条ブロック20gと凸条ブロック20gとの間の凹部12が境界凹部21である。境界凹部21は、他の凹部12よりも深く形成される。境界凹部21は第三層33によって形成される。凸条ブロック20gは、凸条3gが連なる方向において、第一層31から第三層33までが連続して形成される。
【0066】
図9に示す例では、凸条3gは、二個の凸部11と、凸部11と凸部11とに挟まれる凹部12とによって凸条ブロック20gが形成される。屈曲部6gは、第一凸部11aが形成され、凸条ブロック20gと凸条ブロック20gとの間は、境界凹部21が形成される。境界凹部21は、第三層33のみによって形成される。第一線部5gには、凸条ブロック20gと境界凹部21とが含まれる。二つの第一線部5gのうち、一方は一つの凸条ブロック20gが含まれ、他方は二つの凸条ブロック20gが含まれる。よって、二つの第一線部5gは、それぞれに形成される凸条ブロック20gの数が異なる。当該凸条3gと第二方向に隣接する他の凸条3gとは、隣接する第一線部5gに含まれる凸条ブロック20gの数が同一になるよう配置されてもよいし、異なる数になるよう配置されてもよい。マットレス1dと同様に、凸条3gの第一凸部11aと第二凸部11bは、凸条3gが連なる方向に沿って同一の高さである。
【0067】
次に、図10を参照して第八実施形態のマットレス1hの構成を説明する。マットレス1hの凸条3hは、第一線部5hにおいて、凸条ブロック20hが三つの凸部11と二つの凹部12によって形成される。マットレス1gと同様に、屈曲部6hには、第一凸部11aが形成され、凸条ブロック20hと凸条ブロック20hとの間は、境界凹部21が形成される。境界凹部21は、第三層33によって形成される。凸条ブロック20hは、凸条3hが連なる方向において、第一層31から第三層33までが連続して形成される。また、第一線部5hのぞれぞれに含まれる凸条ブロック20hの数は同一である。マットレス1dと同様に、凸条3hの第一凸部11aと第二凸部11bは、凸条3hが連なる方向に沿って同一の高さである。なお、図10に示す例では、凸条ブロック20hにおける凸部11は三個であり、凹部12は二個であるが、凸部11は四個以上でもよいし、凹部12は三個以上でもよい。
【0068】
以上説明したマットレス1g及びマットレス1hの構成によれば、以下の効果を奏する。図9及び図10に示すように、マットレス1g及びマットレス1hは、第一方向に隣接する凸条ブロック20g、20hは、互いの拘束力が低減する。使用者の体重がかかったときに、凸条3g、3hが凸条ブロック20g、20hの単位で傾斜等の変形が可能となる。凸条3g、3hは、境界凹部21を有さず連続する場合に比べて第一方向にかかる圧力に対して変形しやすくなるので、第一方向と第二方向にかかる圧力に対する変形状態を均等に近づけることができる。よって、マットレス1g、1hは、体圧分散効果を高め、使用する方向によって生じる体圧分散効果の差をより低減することができる。
【0069】
また、第二層32は、第一層31及び第三層33よりも低密度及び/又は低硬度である。すなわち、境界凹部21は、第二層32よりも高密度及び/又は高硬度の第三層33によって形成されるので、隣接する凸条ブロック20gの間、及び凸条ブロック20hの間において、一方の変形が他方へ及ぼす影響を低減できる。
【0070】
<第九実施形態のマットレス1jの構成と効果>
次に、図11を参照して第九実施形態のマットレス1jの構成と効果を説明する。マットレス1jは、マットレス1fに対して以下の点が異なる。マットレス1jは、マットレス1fに対して、凸条3jの頂部10に凸部11と凹部12が形成される。屈曲部6jは、第二線部25を備え、第一線部5jとの境界部分に第一凸部11aが形成され、二つの第一凸部11aに挟まれて凹部12が形成される。屈曲部6jに形成される凹部12には、境界凹部21が含まれる。
【0071】
さらに、図11(b)に示すように、凸条3jにおいて、複数の凸部11と、凸部11と凸部11とに挟まれる凹部12とによって凸条ブロック20jが形成される。凸条ブロック20jと凸条ブロック20jとの間の凹部12は境界凹部21である。境界凹部21は、第三層33によって形成される。凸条ブロック20jは、凸条3jが連なる方向において、第一層31から第三層33までが連続して形成される。図11(b)に示す例では、凸条ブロック20jは、三つの凸部11と二つの凹部12によって形成される。なお、凸部11の個数、凹部12の個数はこれに限るものではなく、凸部11が四個以上でもよいし、凹部12が三個以上でもよい。図11(a)に示すように、屈曲部6jを挟んで二つの第一線部5jがなす角度θは、第一凸部11aを結ぶ直線同士が挟む角度を角度θとする。マットレス1dと同様に、凸条3jの第一凸部11aと第二凸部11bは、凸条3jが連なる方向に沿って同一の高さである。
【0072】
以上説明したマットレス1jの構成によれば、以下の効果を奏する。図11に示すように、屈曲部6jに境界凹部21が含まれるので、当該凸条ブロック20jは、屈曲部6jにて他の凸条ブロック20jと分離した状態となる。第一方向に隣接する凸条ブロック20jは、互いの拘束力が低減するので、使用者の体重により第一方向にかかる圧力に対して変形しやすくなるので、第一方向と第二方向にかかる圧力に対する変形状態を均等に近づけることができる。さらに、第一凸部11aは境界凹部21を挟んで第一方向に並んで形成されるので、屈曲部6jにかかる圧力を分散できる。よって、マットレス1jは、体圧分散効果を高め、使用する方向によって生じる体圧分散効果の差をより低減することができる。また、境界凹部21は、第二層32よりも高密度及び/又は高硬度の第三層33によって形成されるので、隣接する凸条ブロック20jの間において、一方の変形が他方へ及ぼす影響を低減できる。
【0073】
<第十実施形態のマットレス1kの構成と効果>
次に、図12を参照して第十実施形態のマットレス1kの構成と効果を説明する。マットレス1kは、図10に示すマットレス1hに対して以下の点が異なる。マットレス1kの凸条3kは、第一線部5kにおいて、凸条ブロック20kと境界凹部21が形成される。境界凹部21は、マットレス1hに比べて、凸条ブロック20kと凸条ブロック20kとの間の距離が長く形成される。図12に示す例では、境界凹部21は凸部11b一個分の長さで形成され、第一線部5kの長さは、凸部11が五つある場合に相当する。屈曲部6kは、第一凸部11aを含む。マットレス1dと同様に、凸条3kの第一凸部11aと第二凸部11bは、凸条3kが連なる方向に沿って同一の高さである。
【0074】
以上説明したマットレス1kの構成によれば、以下の効果を奏する。境界凹部21は、凸部11の長さ程度に長く形成されるので、当該凸条ブロック20kは隣接する他の凸条ブロック20kとの間で互いに影響を受けにくい。一つの当該凸条ブロック20kが傾斜した場合、隣接する他の凸条ブロック20kが受ける影響は小さく、それぞれの凸条ブロック20kの独立性が高い。よって、使用者の体重がかかったとき、より体圧分散性を高めることができる。
【0075】
<第十一実施形態のマットレス1mの構成と効果>
次に、図13を参照して第十一実施形態のマットレス1mの構成と効果を説明する。マットレス1mは、マットレス1dに対し次の構成が異なる。マットレス1mの凸条3mは、第一線部5mにおいて、凸部11である第一凸部11a及び第二凸部11bが複数の小凸部15と小凹部16によって形成される。図13に示す例では、凸部11が二つの小凸部15と一つの小凹部16によって形成されている。屈曲部6mには、第一凸部11aのうちの小凸部15が含まれる。小凹部16の厚み方向の深さは、凹部12よりも浅く形成される。
【0076】
この構成によれば、マットレス1mは小凸部15によって細かなピッチで使用者の体重を支えることができるので、体圧分散効果を有する。なお、凸部11において、小凸部15は三つ以上でもよいし、小凹部16は二つ以上でもよい。小凸部15は、凸条3mが連なる方向に沿って同一の高さである。
【0077】
<本発明に係るマットレス1と表面2の未加工品との比較評価>
次に、本発明に係るマットレス1のうち、第四実施形態のマットレス1dと、表面2が未加工のマットレスとの比較評価について説明する。評価条件は次のとおりである。使用した試験体のサイズは、長辺が1980mm、短辺が980mm、厚みが55mmであり、長辺は長さが660mmのものを長辺方向に3枚並べて評価した。以下、表面2が未加工のマットレスを表面未加工品と称する。厚み方向は、いずれも三層構造である。
【0078】
厚み方向における各層の硬さは、第一層31が180N、第二層32が125N、第三層33が180Nである。硬さは、JIS6400-2 6.7D法に準拠して測定した。各層の反発弾性率は、第一層31が51%、第二層32が48%、第三層33が51%である。反発弾性率は、JIS6400-3に準拠して測定した。各層の密度は、第一層31が40kg/m、第二層32が30kg/m、第三層33が40kg/mである。密度は、JIS K7222に準拠して測定した。各層を構成する材料は、マットレス1dと未加工品とは共通である。第一層31、第二層32、及び第三層33はいずれも高反発ウレタンである。
【0079】
次に、被験者を説明する。被験者はAからCまでの三名である。被験者Aは、体重49kg、身長162cm、BMI18.67の小柄の女性である。被験者Bは、体重63kg、身長173cm、BMI21.05の中柄の男性である。被験者Cは、体重77kg、身長170cm、BMI26.64の大柄の男性である。
【0080】
図14は、各被験者が、マットレス1dと表面未加工品とに横たわったとき、それぞれの位置における沈み込み量を表したグラフである。横軸は0が頭部先端であり、右に向かうに従って足先に向かう。縦軸は沈み込み量をmm単位で表す。
【0081】
図15は、臀部、腹部、胸部のそれぞれにおける沈み込み量を測定し、マットレス1dと未加工品との差異を表す。図14及び図15の試験は、被験者が仰臥位にて寝姿勢についた後、概ね沈み込みが落ち着く状態である1分後の状態を記録した。
【0082】
図16は、仰臥位と側臥位それぞれにおける接触面積と平均圧力を測定した結果を表す。評価は、体圧分散センサーによる画像を分析して行った。図16の試験は、被験者が仰臥位及び側臥位のそれぞれにおいて、寝姿勢についた後、概ね測定値が安定する状態である3分後の状態を記録した。なお、体圧分散センサーは、柔軟性を有する平面状のシートに体圧センサーが20mmピッチで格子状に配列されたものである。測定時はマットレスの(最)上層に同シートを静置して、被験者がその上に寝た時の沈み込み量(図15を参照)と、接触面積(図16を参照)と、平均圧力(図16を参照)が測定できるものである。
【0083】
図14から図16までより次の結果が得られた。図14及び図15より、マットレス1dの方が未加工品よりも沈み込み量が全体的に大きくなる傾向がみられた。図16より、マットレス1dの方が未加工品よりも接触面積が大きく、平均圧力が低くなる傾向がみられた。
【0084】
以上の結果から、マットレス1dは、寝姿勢に関して沈み込み量が全体的に大きくなることで、腹部、大腿部に対して接触領域の増大がみられ、広範囲で身体を支えることが可能となる。よって、マットレス1dは、表面未加工品と比較して体圧分散性が優れている。
【0085】
なお、以上説明したマットレス1は、クッションとして座布団用、椅子用、ソファー用、その他に適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0086】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1j、1k、1m マットレス
2 表面
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h、3j、3k、3m 凸条
31 第一層
32 第二層
33 第三層

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16